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2012年8月22日 (水)

東電社員であることが罪?

震災も復興に向けてようやく動き始めたところで報道なども随分と落ち着いてきましたが、原発存続の可否なども含めて原発事故の影響は未だに小さからざるものが残っているように感じられますね。
そんな中で以前に福島からの避難者達に対するいわれのない差別や暴言を紹介しましたが、どうもそれだけでは済まない勢いで不当な差別が続いているというニュースが出てきています。

東電社員の子供に対するイジメが多発!「電気料金値上げ分を返せ」とカツアゲetc…(2012年8月21日日刊SPA!)

 原発事故への責任追及が東電社員に集中している。確かに、原発事故において東電の責任は重い。しかし、一社員、ましてやその子供へのいじめや脅迫まで頻発しているという。

「小学生の息子が、突然『お父さんのせいで学校に行けなくなった』と言い出したんです……」と語るのは、千葉県に住む40代の東電社員、Aさん。

「朝のワイドショーに影響されて、子供の世界でも話題は東電批判。ウチの子は『(お前の親は)放射能をバラ撒いている』『原発が安全だなんて騙していた』などと毎日のように友達から非難されていたそうです。『あいつに触ると放射能が移る』とまで言われて仲間外れにされていたとか」

 Aさんの住む地域には、「ホットスポット」と呼ばれる放射能の高汚染地域が点在。親が子供の被曝を心配して西日本などに転校させるケースも出てきていた。とりわけ女子生徒の反応が厳しかった。

「『私が将来子供を産めなくなったらどう責任とってくれるの?』と詰め寄られたと言っていました。原発周辺に残された犬猫の写真を突きつけられて『この子たちどうするつもり?』と責められたりもしたそうです」(同)

 Aさんは現在、子供を別の地区の小学校に転校させ、「東電社員の息子」ということは隠すようにしているという。

「いちばんひどかったのは、電気料金の値上げが話題になった時です」と語るのは、都内の営業所に勤めるBさん(30代)。

「このあたりは中小零細企業が多く、電気料金値上げで多大な影響を受ける地域。ウチの子は『値上げ分を返せ』とカツアゲされていました。これまで多くの東電社員の子供は、親の仕事を誇りに思って、友達にも自慢してきたのだと思います。JRやJAL、NHKなどと同じく、子供にも分かりやすい職業ですしね。そのせいで、余計に今回のことで反発が起こっているのでは」

親の職業による差別と言えば、一昔前は親が自衛隊だと判れば教師から吊し上げられていた…なんて冗談のような話もあったようですが、子供というものは決して純真一直線などという単純な生き物ではないということがよく判りますね。
どう見ても東電云々をネタにした単なる虐めにしか過ぎないような話も入っていますけれども、しかし子供の世界においても「東電相手であれば何をしても許される」という風潮がまかり通っているというのであれば、これはやはり大人の責任であると言わざるを得ないでしょう。
子供のみならず大人に対してもこうした差別や誹謗中傷が相当なダメージを与えている、そして場合によってはそれが業務にまで悪影響を及ぼしかねないということがちょうど先日報告されていますので紹介しておきますが、一般的な基準からすればこれは早急に対策を講じなければ問題が発生しかねない水準とも言えそうですよね。

「東電職員は出て行け」、差別・中傷で心に傷を負う(2012年8月17日日経メディカル)

 防衛医大精神科講師の重村淳氏は8月13日、福島第一・第二原子力発電所の作業員1495人を対象に、震災2~3カ月後に行った心の健康状態に関する調査結果を公表した。心理的苦悩や高度のPTSR(心的外傷後ストレス反応)を抱える作業員が少なくない状況が明らかになった(関連記事)。

 重村氏は震災後、防衛省の依頼により福島第一・第二原発の作業員のメンタルヘルスケアに当たっている。今回の調査は両原発に勤務する東京電力職員を対象に実施した(下請けの作業員は調査対象に含めていない)。震災関連ストレスの有無と心理的苦悩、PTSRについてアンケート形式の調査を行い、1495人から回答を得た(第一が885人、第二が610人)。回答率は85%。心理的苦悩は「K6」、PTSRは「IES-R」の質問票を使って調査した。

 震災関連ストレスとなる体験の有無について尋ねた結果、「死ぬかもしれないと思うような瀕死体験」をした人は41.7%に上った。「(自宅や車などの)財産喪失」は29.0%、「原子炉建屋の爆発目撃」は26.0%、「同僚の死亡」は17.3%、「差別・中傷」は12.8%、「津波からの避難」は12.4%、「身内の死亡」は5.8%が経験していた。

 「原子炉建屋の爆発時は、屋内にいてもかなり震動があったという。目の前で爆発を見た人もいた」と重村氏は話す。また、職員の多くは原発周辺に居住しており、事故後は警戒区域となったため、66.8%が自宅から避難していた。

 心理的苦悩に関する調査では42.7%、PTSRに関する調査では25.3%の職員が基準スコアを上回り、心理的苦悩や高度のPTSRを抱えている状態だった。「災害後の心理的苦悩に関するこれまでの調査の報告では、基準スコアを上回るのは平均して10%程度だった。今回の結果は極めて高い数値で、それだけ職員の心の負担が大きいといえる」と重村氏は説明する。多変量解析により関連因子を調べたところ、心理的苦悩では差別・中傷、津波からの避難、財産喪失、PTSRでは差別・中傷、財産喪失、既往症などが有意な因子だった。

 「(自宅が警戒区域のため)新たに住居を借りる際、東電職員という理由で断られた」「新たに借りた住居で『東電職員は出て行け』とビラをまかれた」―。重村氏は診療の中で、こういった差別・中傷の具体例を聴取。「差別・中傷は爆発事故直後と一時帰宅開始直後にピークがあった」と話した。

 住民の一時帰宅の際、東電職員は防護服の提供や誘導などの支援に当たっていた。この際に暴言を吐かれたり、ペットボトルを投げつけられたり、路上の職員は猛スピードの車に接近されることがあったという。「一時帰宅の際に一部の住民から感謝の声をかけられるようになってきたものの、現在も多くは中傷。東電の青い制服を着ているだけで目の敵にされることもあり、避難先では東電社員であることを隠している職員もいる」と重村氏は話す。

 事故後の対応や電気料金の値上げ、情報公開の姿勢などをめぐり、東電に対する批判は後を絶たない。一方で原発で働く職員は、爆発の目撃や被曝への不安など、業務で経験するストレス、被災者としてのストレスに加えて、差別・中傷にもさらされている。

 「復旧作業に当たる職員に社会的支援を送ることが、彼らの心の負担の軽減につながる。職員の業務の重要性を認識し、敬意やねぎらいを送ることが必要だ」と重村氏は訴えた。現在も職員のメンタルヘルスケアに当たりながら調査を続けており、職員のモチベーション、被曝線量が精神状態に及ぼす影響なども今後明らかにする考えだ。

しかし被災者の心情的には理解出来るところもないでもないとは言え、冷静になってみれば現場で作業に当たる人々に対して攻撃してみたところでデメリットばかりで何ら自らに益するところはないと理解できるはずなんですが、こうした行動に走る人々もまた高度なPTSRに侵されていると言えそうですね。
特に過去の災害と比べても極めて高い比率でPTSRを抱えている職員が多かったということが注目されますが、特に原発事故の場合は一過性の災害のみに留まらず事後の悪影響の継続もあるわけですから、持続的に高度なストレスにさらされていることは想像に難くありませんから、自然災害としては非常に特徴ある(むしろ戦場に近いような?)状況であると言えそうですよね。
その点に関連しておもしろいのは防衛医大の先生が防衛省の依頼で原発作業員のメンタルヘルスケアをしているということなんですが、やはり戦場におけるPTSRなどとの絡みもあってこの方面の研究が進んでいるということなのでしょうか、いずれきちんとしたデータとして共有していただきたいところです。

東電のみならず一般論としても言えることですが、管理者としての責任を伴う東電幹部に対する批判ならまだしも、現場で汗を流しているスタッフに対する不当不毛な攻撃は有害無益であるのみならず第三者からしても不快極まるというもので、攻撃的衝動に駆られている人々はいつまでも震災のショックが言い訳にならないということを自覚していただかなければならないでしょう。
原発事故そのものはすでに取り返しのつかないこととして、そこから手に入るだけの情報を残らず収集しくみ取れる限りの教訓を後世に伝えていくことこそ、被災した方々のためにも一番重要なことだと思いますけれども、原発作業員の方々などは真っ先に協力していただかなければならない対象であるはずです。
その点からも今回の調査は東電職員が対象であるということですが、東電社員よりもさらに大きな心身のストレスにさらされていただろう下請けの日雇い・期間労働者達がどうやらきちんとしたフォローアップを行われていないということは非常に気になるところで、今後のために重要な疫学的なデータを集積する意味からもきちんと追跡調査を行っていく必要がありますよね。

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コメント

アホか
こういう時のために高い給料払ってんだろうが

投稿: | 2012年8月22日 (水) 09時09分

「敵」を作り、ヒステリックに集団でたたくという図式が多いですね。

この事故については、政府対応も問題を指摘されていますがそれほど叩かれてないのは、マスコミ対応の巧拙か、それとも先に悪者を作ったもの勝ちか。

昨今話題の大津の事件も教育長が文字通り叩かれましたが・・・こういった個人の攻撃は組織や体質の問題を改善することはありえません。

投稿: 窓際脳神経外科 | 2012年8月22日 (水) 09時36分

君はいい友人だったが君のお父上(の勤め先)がいけないのだよ!

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年8月22日 (水) 09時40分

東電ではないが、別の電力会社社員が「今回の原発事故で直接死亡した人は1人もいない」とかいう問題発言ありましたね。
彼はあの後どうなったのか非常に気になります。平穏な生活が送れているとは思えないのですが。
こういう挑発的な発言が1人でも電力会社の社員から出ると、さらに世間の反発を招いて攻撃を受けるだけですからね。
電力会社だけに責任があるわけではなくシステムなどの構造的な問題が大きいわけですが、
やはり世間の放射能恐怖などへの怒りの矛先、ターゲットは政府だけではなく電力会社になってしまいますね。
何の罪もない子供まで攻撃されるというのは痛々しいですが。
集団で個人攻撃するというのは形を変えたイジメです。日本人の精神的イジメ体質の深刻さを実感しますね。

投稿: 元神経内科 | 2012年8月22日 (水) 10時55分

批判するならするで正当な手法によって行えばいいのです。

投稿: 管理人nobu | 2012年8月22日 (水) 11時58分

値上げ分返せってw
ガキの知恵もバカに出来ねえなw

投稿: aaa | 2012年8月22日 (水) 13時30分

マスコミのフィルターがかかってますから、どこまで本当の事やら。

投稿: 浪速の勤務医 | 2012年8月22日 (水) 16時09分

こういった中傷や、いじめ、震災関連ストレスの有無と心理的苦悩、PTSRなどの調査をなぜ東電自身がされないのでしょうか。
防衛省の意図はわかりませんが、東電自身がおこなうか、もしくは東電が委託しての調査も必要のように思いました。
実は東電も独自に調査をおこなっているが個人が特定できてしまう=会社の責任問題(保険・保障問題が絡む)等の判断から内部資料で非公開としているイメージをもちました。

投稿: 京都の小児科医 | 2012年8月23日 (木) 03時47分

誰かを生け贄にしたがるのは子供も大人も同じですね。
マスコミがあれだけ叩いたから便乗したくなるんだろうけど。

投稿: ぽん太 | 2012年8月23日 (木) 10時02分

悪い集団を叩いて何が悪いんですか?

一社員なら関係ないと言うなら、辞職すればいい。

被害者から見れば同じ。

つか税金返せや クズ

投稿: 山本たかし | 2014年4月28日 (月) 18時23分

何かと日本叩きに熱心な○国人や○国人も同じこと考えてんだろうね。
一国民なら関係ないと言うなら、日本人辞めればいいってね。

投稿: | 2014年4月28日 (月) 18時44分

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