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2012年8月18日 (土)

結婚難時代 ただ普通を求めているだけとは言うけれど

本日の本題に入る前に、このところ結婚・出産年齢の高齢化と相前後して高齢出産のリスクが大きく注目を浴びていますが、一方でマスコミでは相も変わらず誰それが高齢出産をした、めでたいよくやった式の報道を繰り返しているせいか、そろそろ高齢出産のリスクを真剣に考えるべきだという声が日増しに高まっています。

「53歳妊娠」いいかげんにしてくれ 無責任に“勇気”をばらまくメディアとタレントたち(2012年7月27日日経ビジネス)

ご本人には「おめでとう」以外にない

 「坂上みき53歳妊娠」のメディアの大騒ぎについてだが、ご本人には「おめでとうございます」以外のコメントはない。彼女が素敵な女性であることも知っている。ただどうしてもこの“53歳妊娠”という言葉にひっかかるのだ。
(略)
 あらゆる精神的な混沌をいっさい無視して、タレントが言う「勇気をもらいました」系のコメント。私もタレントだが、その私自身が、「タレントはバカか」と思う一瞬だ。

 勇気はもらえても年取った女にそう簡単に子供は授からない。その現実をいっさい無視したコメント。めでたさを免罪符とし、無責任に“勇気”をばらまく罪に気づかない。

何歳までは勇気でどこからが無茶な試みなのか

 53歳は確かに快挙だ。この前までは50歳の出産があった。では、近未来60歳妊娠があったらどうするか。海外ではすでにある。60歳でもまた、「勇気をもらいました」と言うつもりか。では、いったい何歳まで出産は勇気でどこからが無茶な試みなのか。その線引きが難しいから蟻地獄のように不妊治療から抜け出せない高齢女子たちのドキュメンタリー番組も登場してひさしい。

 おそらくはごく一般的な、テレビで流れる情報を「そーなんだ」以上にあまり考えないタイプで、“53歳妊娠”にうっかり勇気をもらった人たちは、どこかで課せられた感のある子産みを先延ばしにし、やがて自分がもはやその対象年齢ではないことを思い知らされ断念した時に、あの時の希望と勇気が、自己嫌悪と怨念に替わる時がくる。必ず来る。その責任を取る人はいない。坂上みきも責任はとれない。
(略)
 そもそも、何歳まで妊娠できるか、とか、妊娠力とか、女性誌などで特集しているが、あれを信じていいのか。それくらい女性自身が自分の体について無知極まりない

 まじ。いったい何歳まで妊娠できるのか、で、女性の人生設計は十年間の使用目的が変わる。その十年を自分に使うのか。子に使うか。介護に使うか。それらがないまぜになるのが、四十代だ。アラフォーなどと浮かれている場合じゃない。現実を知ることから設計をするという機会すら、女性たちは獲得していない。
(略)
 主観で、無茶を承知で要約しよう。子供を産みたければ35歳までに決断を。45歳ではもう手遅れ。35歳から40歳まではまだなんとか不妊治療対象として可能性があるが、高額出費やそのことに人生の目的を集中したくないのなら、35歳までだ。

 「子供がほしい人は35歳まで」ということこそ、学校や社会で声高に広めるべき情報なのに、53歳まで子が産める情報のほうが優先する。

 そして「うそ!」という現実をやむなく受け入れ断念した女性たちが、“53歳妊娠”に心を爆破されるのだ。

 坂上みきに罪はない。報道の仕方と、タレントのコメントに罪がある。騒ぎを見る限りにおいて、仕事をすることで先延ばし感が自責の念を生み、もう生理もあがろうかという年齢になってなお、女の肉体に課せられた宿題のようなもののくびきから解放されない女性たちの心の内が見え、胸が痛む。

 だが、改めて振り返り、35歳の時に、仕事をいったん横に置き、子育てに専念できたか。

 20代で産むとキャリアを放棄する人生が待ちうけ、35歳で産むと築いたキャリアから転落する恐怖心がまだまだ今の女性たちにある。残念だが、環境や条件に恵まれた女性以外は、仕事か子育てかどちらかを選ぶしかない。選んだ以上は、腹をくくるしかない。

 35歳までに、どっちの人生を選択するか決めてください。坂上みきを目指したら、将来、自分を恨むことになるでしょう。

こういう話になるほど女性に余計なプレッシャーをかけるようで申し訳ないんですが、やはり出産と言うことに対しては産む性と産ませる性は決して平等でも公平でもないという点は認めざるを得ませんし、それは単に生物学的差異のみならず社会制度等によっても助長されているのは事実でしょう。
ちょうど先日自らの不妊治療体験を取り上げられた東尾理子氏なども「いつまでも生めるは誤解。女性と男性の体の仕組みを知ったうえで、人生の選択をするべき」だと看破していますが、特に不妊治療なるものがこうまで巷間話題になっているにも関わらずその知識の普及については極めて心許ないということが指摘されています。
35歳で不妊治療をした人のうち子どもが産まれた割合は16.8%、これが40歳では8.1%とされ45歳以上ではいかなる卵巣刺激療法を行っても妊娠率に差はないと言いますからこうなると不妊治療などお金の無駄かという話なんですが、当事者である女性の側では多くがこの種の補助生殖医療によって卵巣機能が若返ると誤解しているという報告があります。
慶大産科の吉村泰典教授などは「不妊治療を受けている人の約9割は、10年前に子どもを作ろうとしていれば、自然に妊娠できていたのではないか」と身も蓋もないことを言っていますけれども、生物学的、社会的なハードルの数々を知った上で敢えて産まないというのであればともかく、知らないままでいたずらに年月を過ごした挙げ句に「こんなはずじゃなかった!」という不幸な結果となることだけは避けたいものです。

ま、余談はそんなところにしておくとしても、そもそも子供を産むにしても相手がいないことにはどうしようもないのは当然ですけれども、婚外子が一般的ではない日本ではまず出産の前段階として結婚というハードルを乗り越えておかなければならない道理ですよね。
これまた昨今では一生結婚出来ないという危惧が真剣みをもって語られるような世相となっていて、とある予測によると現在の若者の実に1/4は生涯結婚しないだろうとされているそうですから少子高齢化も深刻になるのは当然なんですが、当事者達にとっては結婚願望はあるのに出来ないというジレンマがあるようです。
それもひと頃のようにいかにもバブリーな要求ばかりでパートナーへの望みが高すぎるというわけでもなく、ごく現実的な要求をしているだけなのに相手が見つからないというのですから結婚が当たり前だった親世代には不思議にも思えるんじゃないでしょうか。

婚活も安定志向=「三高」より「三平」―民間調査(2012年8月13日時事ドットコム)

 理想の結婚相手は「三高」から「三平」に―。結婚相談所運営の「結婚情報センター」(東京)が実施したインターネット調査で、年収や外見は平均的で性格も平穏な「三平」が男女ともに人気を集めている実態が浮き彫りとなった。担当者は「昔は三高(高学歴、高収入、高身長)が人気だったが、安定志向の世相を反映しているのでは」と分析している。

 調査では、結婚相手の条件として「三高」「三平」「三低」(低姿勢、低依存、低リスク)の三つを挙げたところ、三平を選んだのは男性で81.9%、女性も72.8%とトップだった。理由には「普通が一番」「無理しない付き合いができる」などの声が上がった。
 一方、結婚までの過程では、リードしてくれる「肉食系」の人気が女性では87.2%と圧倒的。男性でも45.2%が肉食系を選んだ
 離婚経験については、「経験者の方がいい」「どちらかというと経験者がいい」とする女性が計48.7%、男性も計38.0%だった。

 担当者は「相手の探し方が変わってきた。今まで一歩踏み出せなかった方も挑戦してほしい」としている。
 調査は6月18日~7月11日、同社の会員を対象に実施。30~40代を中心に男性431人、女性320人の計751人が回答した。 

それにしてもこうした調査を見ていても何となく感じるところですが、相手は肉食系がいいとか離婚経験者がいいとか一昔前とはかなり相手に対する要求が異なってきているように感じられるのは、つまりは積極的で経験豊富な相手にリードしてもらいたいという他力本願思想の現れなのでしょうかね?
そう言えば近ごろでは歳の差婚ということも話題になっていますが、これまた単に年長男性の経済力が魅力的であるという以上に場数を踏んだ男の吸引力が魅力とされているのだとすれば、ヤル気のあるちょい悪親父あたりにとってはある意味非常に好ましい状況になってきたとも言えそうですよね。
ただし「結婚相手には三高よりも三平がいい」と言われ、ああそれなら自分にもチャンスがありそうだと考える世の普通の男性諸氏に冷水を浴びせかけるようで申し訳ないのですが、言うところの「普通が一番」という言葉についてはこういう実情もあるようです。

【勿忘草】結婚の条件」(2010年7月21日イザ!)

 先日、とある結婚情報サービス会社が主催するセミナーに行ってきた。テーマは「“普通”のダンナの見つけ方」。結婚情報サービス会社の部長が講師となり、約1時間半にわたり「ニッポンの恋愛・結婚事情」をわかりやすく説明してくれるというものだ。

 平日夜ということもあり、会場には会社帰りとおぼしき美女が数十人。時に笑いも起きるが、皆さん真剣な面持ちで講師の話に聞き入っている。私ももちろん真剣な面持ちである。なにしろ取材でなく、一参加者として行ったのだ。

 取材ではないので、セミナーの内容を逐一明らかにするのはやめておくが、このセミナーのタイトルに隠されている女性の本音についての分析はおもしろかった。

 いわく、結婚相手に求めるものとして、女性は「普通」を連発するのだそうだ。

 「普通に優しくて、普通に会話が成立して、年収だって普通に500万円くらいでいい。身長とか顔だって普通でいいんですよ

 彼女たちは「何も高い条件はつけていないのに」「普通のダンナでいいのに」と自らのハードルが高くないことを強調し、それなのになぜ、そんな“普通”の男性と巡り合えないのか、と嘆く。

 しかし、と講師の男性はここで疑問を投げかける。条件の一つ一つは“普通”であっても、いくつもの“普通”を兼ね備えた男性はそんなにいるものだろうか、と。 昨年末、昨今の「婚活ブーム」に疑問を投げかける連載を担当した。「狩りに出ないと結婚できない」とあおられ婚活を始めたものの、先が見えない不安にさいなまれる女性。「結婚したから幸せになれるわけじゃない」と婚活しない女性。婚活が注目される一方で、増えている若年層の離婚…。
(略)

ま、今のご時世で結婚適齢期の若年男性に年収500万を求めるというのが普通かどうか、これも様々に異論がありそうな話ではあるのですがね…
しかしこれまた女のタテマエとホンネは…なんて言い始めると「なんでもかんでも女のせいにするな!」とお叱りを受けそうですが、やはりこういう話を聞きますと「結婚とは妥協、あきらめ、ボランティアby綾小路きみまろ」なんて言葉がなんとも身につまされます。
無論、普通でいいとか特に条件はないとか言いながら「容姿は岡本令さんくらいで性格は明るくて自分の趣味にも理解があって」と厳しい条件を出しまくる男性諸氏もごく普通にいると言いますから、そう考えますと一昔前のようにお見合いなどでとにかく場数を踏みまくって異性ステータスの相場や基準をしっかり把握しておくということもあれはあれで大いに有意義ではあったのでしょうね。
ちなみに最近盛況でカップル成立率も高いと注目されているのがお○く同士の婚活パーティーだと言うのですが、結局あれやこれやと欠点数多が存在していても何か一つ他に代え難い大きなメリットがあればカップルが成立し得ると言うのであれば、今の結婚不況とは圧倒的な売りになるほどの飛び道具を持たなくなった平凡で普通な人間ばかりが増えてきたということの現れでもあるのでしょうか。

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コメント

平凡で普通のアベレージ男性って何も面白みがなくて今の女性だと2~3年もしないうちに飽きるはず。
現代の何もかも手に入る飽食の日本社会で育った女性達がそんな相手で我慢できるでしょうか?できるはずがない。
昔の日本女性のように忍耐強い人はいないと思うので、勘違い結婚~離婚も増えるでしょうね。
最近は子供作ったら簡単に離婚してしまうので、シングルマザーが増えて子供の立場はどうなんでしょうか?
結婚も子作りも無理をおしてやるものではないと思います。

投稿: 元神経内科 | 2012年8月18日 (土) 10時28分

同性目線だといい味がある人なのに個性を隠して普通の人っぽく振る舞おうとして失敗している、みたいなケースもみかけますので、なんでも普通が一番とも言い切れないのかなと。

投稿: 管理人nobu | 2012年8月18日 (土) 14時25分

産めよ増やせよの時代じゃない
無理に結婚を押しつけるより個人単位の生活を前提にした社会制度を考えるべき

投稿: | 2012年8月19日 (日) 11時31分

確かに時代の雰囲気は違うけど
産めよ増やせよが望ましいことには変わりがない
昭和の宴が成立したのは産んで増やしまくったおかげ

投稿: | 2012年8月19日 (日) 11時40分

産めよ増やせよの結果、増えた人口を大地が養いきれず食糧難、水の奪い合いがかつてなく深刻になろうとしてますが、ね。
日本が例外だなんて、今まで金の力で他所から分捕って来てただけです。
落ち目の今や、数年先が無茶苦茶心配です。

投稿: | 2012年8月20日 (月) 22時24分

>産めよ増やせよの時代じゃない
>無理に結婚を押しつけるより個人単位の生活を前提にした社会制度を考えるべき

個人単位で社会が何かできるほど
お金も人もいないでしょう

個人でやるべきことでしょう

なんでも社会に依存し責任を押し付けてる人に
幸せな人生は無いでしょうね

>産めよ増やせよの結果、増えた人口を大地が養いきれず食糧難、水の奪い合いがかつてなく深刻になろうとしてますが、ね。

一番の心配、問題は無駄に長生きして
医療費、年金を無駄使いしてる老害でしょう

税金の大半が老害に使われているのが現状です。

水や食料の問題の前に
老人問題でこの国は破滅しますよw


>数年先が無茶苦茶心配です。

少なくとも水、食料問題が数年後にくるわけがない

頭弱い人の発言も同様に残るのが
ネットの怖いところですね

産めないか、結婚できない頭の弱い女性が
道連れを増やしたいのでしょうか?


それと、少子化促進してるのは
アメリカユダヤです。

ご自分で調べてみてください。
 

投稿: | 2013年6月15日 (土) 09時27分

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