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2012年7月27日 (金)

オスプレイ騒動 何がどうなれば安全と言えるのか?

一連の原発再稼働の是非を巡る騒動が盛夏到来と大飯原発再稼働で多少なりとも落ち着いてきたと思っていましたら、この頃ではこういう問題が世間を賑わせるようになってきています。

在日米軍再編:オスプレイ配備 地区労など、佐世保で反対集会 /長崎(2012年07月22日毎日新聞)

 県平和運動センターと佐世保地区労は21日、佐世保市中心部の松浦公園で、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの日本配備に反対する集会を開いた。約300人が参加し、墜落事故を繰り返しながら配備を強行しようとする米軍と、米軍の意向を拒否できない日本政府を批判。集会後は市内をデモ行進した。

 集会で、同センターの川原重信議長が「欠陥機の配備は、国民の命を軽んじる許されない行為だ。沖縄や全国の仲間と連帯しよう」と訴えた。一方、米海軍佐世保基地にオスプレイが搭載可能な強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」が配備されていることについて、米軍を監視する市民団体「リムピース」の篠崎正人編集委員は「航続距離の長いオスプレイの運用で作戦範囲が無制限に広がる可能性がある。平和に暮らしたいという私たちの願いと真っ向から対立する」と指摘した。

<オスプレイ>岩国基地に陸揚げ 批判の中で強行搬入/山口(2012年7月23日毎日新聞)

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を載せた民間貨物船は23日早朝、米軍岩国基地(山口県岩国市)に到着し、オスプレイは陸揚げされた。相次いだ墜落事故による安全性への疑念から、地元だけでなく与党内からも批判が出る中での強行搬入となった。

 米軍は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を中心に10月から運用開始する予定だが、沖縄県では8月5日に配備反対を訴える超党派の県民大会が予定されており、反発が強まることは確実だ。
(略)
 基地の対岸で、貨物船の入港を見守った岩国市の福田良彦市長は「地元の切実な思いを聞かず、政府に対して大きな不信感がある。安全性が確保されないのであれば、陸揚げされたオスプレイでも、米国に持って帰っていただきたい」と述べた。山口県の二井関成(にいせきなり)知事と一両日中にも上京し、森本敏防衛相らに抗議する方向で調整するという。二井知事は「スケジュールありきで搬入された」と憤りをあらわにした。

 沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は「誠に遺憾だ。事故原因が究明され、安全性が証明され、県民の不安が払拭(ふっしょく)されない限り、配備に反対だ」とのコメントを出した。【大山典男、尾村洋介、井本義親】

このMV22オスプレイの配備問題については経済評論家の山崎元氏も言及しているように幾つかの次元での問題点が内包されていて、ごく大雑把に分けると実際の安全性はどうなのか、あるいは市民の安心感をどう担保するのかという問題と、もう一つは配備の必要性といった国防上あるいは米軍の配備計画に日本は原則口出し出来ないという主権上の問題とに二分されるという気がします。
このうち後者に関しては基本的に同盟国の軍事力を当てにすることで相対的に軽武装で済ませるという戦後日本の基本路線は国民の支持を受けてきたわけですし、実際に政権内部でもオスプレイ配備に対する安全保障上の大きな期待感があること、そして配備に最も大きく反応しているのがどこの国であるのかということなどを考えれば、日本の防衛力向上に非常に有効な装備であるとは言えそうです。
無論、日米安保下での日本の国防という大枠については今後も幾らでも議論すればよいことですが、当面国民の多くが現行のやり方を支持していることから考えても、同時進行で進められている新型戦闘機配備などと同様に米軍及び自衛隊の継続的な装備の更新は今後も続けていく必要があるだろうということです。

さてそうした大枠をとりあえず首肯した上で、昨今マスコミも巻き込んでの大騒ぎになっているのが前者の問題というわけなんですが、これもテレビなどを見ていると「危ない機体は未来永劫飛ばさせない!」などとシュプレヒコールが盛んで、もはやこうなるとゼロリスク症候群と同様科学というよりも神学論争に近いのかなという気がしないでもありません。
よくこうした問題が起こるたびに「安全性を保証しろ」という人がいますけれども、それではメーカーが保証書をつけてくれれば保証されたことになるのかという話で、まずもってどのような事実が確認されれば彼らにとって安全性が保証されたことになるのかということを定義していただかないことには、仮に今後二度とオスプレイが事故を起こさなかったとしても「いや、安全性は保証されていない!我々は納得できない!」と反対論を叫ぶことが出来てしまう理屈ですよね。
一昔前のスポーツカーなどというものが未だ結構売れていた時期に、過激な運転をしたがる乗り手の問題もあるとは言え「雨の日になると峠のガードレールに刺さってる率ナンバーワン」だなどと揶揄された車もありましたが、だからそういう車を乗り回すことは禁止すべきだ!なんてことを言い出す人がいたなら皆「はぁ?」だったでしょう(昔は保険料の車種間格差もなくて走り屋にはいい時代だったでしょうが…)。
日常的な世界になると誰しもゼロリスク症候群が馬鹿げたことだと理解出来るのに、自分に遠い世界になるほど過剰にそれを追い求め始めるのは興味深い現象だし、それだけ現代日本が平和な証拠なのかも知れませんけれども、とりあえず客観的な数字を挙げてオスプレイの安全性がどの程度なのかということを示すことは可能です。

オスプレイ事故発生率:CH46上回る(2012年6月14日沖縄タイムス)より抜粋

オスプレイ事故率(モロッコ墜落事件後)

MV-22          1.93
CH-46              1.11
CH-53E            2.35
CH-53D            4.51
AV-8B              6.76
米海兵隊全体    2.45

数字は飛行時間10万時間あたりの事故発生率ですが、これだけですと何やらよく判らないと思いますので皆さんが常日頃利用されている民間航空会社の事故率と比較する方がイメージしやすいんじゃないかと思います。

これだけ違う! 航空会社ごとの重大事故リスク(2005年05月20日AllAbout)より抜粋

(略)
ここでAirSafe.comに表示されている航空会社のうち、日本乗り入れをしている航空会社に絞ったうえで、事故率の高い航空会社から順番に並べてみました。

7.60 エジプト航空
7.16 チャイナエアライン
6.83 トルコ航空
4.89 エアインディア
3.84 パキスタン航空
3.54 イラン航空
2.58 コリアンエアー
2.47 フィリピン航空
2.44 ガルーダインドネシア航空
1.60 タイ国際航空
1.50 シンガポール航空
1.45 キャセイパシフィック航空
1.36 日本航空
1.14 アシアナ航空
0.92 マレーシア航空
0.90 ヴァリグブラジル航空
0.81 KLMオランダ航空
0.74 ニュージーランド航空
0.73 アリタリア航空
0.59 アメリカン航空
0.55 エールフランス
0.37 ユナイテッド航空
0.33 エアカナダ
0.28 ノースウエスト航空
0.22 全日空
0.22 ブリティッシュエアウェイズ
0.19 スカンジナビア航空
0.19 ルフトハンザドイツ航空
0.18 コンチネンタル航空
0.16 デルタ航空
0.00 エミレーツ航空、ヴァージンアトランティック航空、フィンエアー、オーストリア航空、カンタス航空、エバー航空
(略)

基本的に航空機の事故発生率というものは自動車などと比べるとごく低いですから、事故が起こった直後は一時的に数字が跳ね上がるものですが、その最も悪い条件下で比べてもCH-46他の在来機と大差ないかむしろ上回っていると言える数字ですし、日本航空などメジャーな航空会社と比べても実は案外高くないんだなと言う数字ではないでしょうか。
開発当初の技術的トラブルに加え、在来機と異なる同機特有の操縦に慣れないパイロットによる事故が発生したと伝えられるオスプレイですが、在来型ヘリよりも搭載力の大きい新型ですから一度大きな事故が起こればどうしても今までより多数の犠牲者が出てしまうのは仕方がないとは言え、技術的に安定してきた今後は事故率は下がることはあっても大きく上がることは考えにくいでしょう。
むしろオスプレイに更新しないのならCH-46やCH-53など50年も前に初飛行した古いヘリを一体いつまで使い続けるつもりなのかと気になるところで、自衛隊にしても更に古いF-4戦闘機を未だに運用しているくらい物持ちの良い組織ではありますが、いずれ現行輸送ヘリの代替用として同機を導入することは既定路線ですよね(ちなみにオスプレイは騒音もヘリより小さいそうですから、騒音公害上も有利と言えそうです)。
その際に肯定的に評価するにせよ否定的に取り上げるにせよ、やはり他人と議論をするのであれば客観的な指標に基づいて行うべきであって、危険だから駄目だと言う方々はどの指標をもって何と比較して危険だと言っているのか、その指標がどこまで改善すれば危険でなくなるのかということも同時に定義しておく必要があるだろうということです。

ところで今回の件に関わる報道をみていてもう一つおもしろいと感じるのは、直接の担当者であり元自衛隊のパイロットで軍事評論家という、いわばその道の専門家でもある森本防衛大臣に誰もコメントを取りに行かず、他の素人(失礼)政治家の方々の「失言」目当てに群がっているマスコミが非常に多いということですね。
森本大臣の方はさすがに心得たもので、自衛隊パイロットら専門家からなる日本独自の調査チームを結成して米国に送り込むなど粛々と必要なエヴィデンスを固める作業を推進していますけれども、そうした客観的事実よりも「国民の不安が~」「地元の理解が~」という感覚論・感情論に落とし込まなければ炎上させようがないということを、他ならぬ彼らマスコミ自身も自覚しているということなのでしょう。
マスコミお得意の印象操作を今さらどうこう言っても仕方のないところかも知れませんが、それにしても本来そうした印象操作による世論の混乱を事を分けて解きほぐしていくべき立場にあるはずの政治家達までが右往左往しているのを見てしまうと、正直平時ですらこの調子なら一朝事あるときは大丈夫なのか…?と思わずにはいられません。

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コメント

日本の国は、米軍に頼ることなく、日本軍で守れ。
そのうえで、相互に安全を保障すればよい。
他人に仕事を任せておいて、いちいちあれこれ言うのは不謹慎である。
消去法を得意とする論客ばかりでは、総理の寿命も短くなる。筋の通った政治もできない。

未来社会の建設には、建設的な意見が必要である。
未来構文がなくては、未来の内容は過不足なく構築できない。
未来構文があれば、理想が語れる。無ければ、筋の通らない空想になる。

日本語の文章には、未来・現在・過去の区別はない。
現在の内容は過不足なく考えられても、過去と未来にはそれができない。
日本人は、未来の内容に辻褄を合わせて語るのは得意でない。考えられない事柄は想定外になる。
だから、有事の際の危機管理も破たんする。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2012年7月27日 (金) 08時00分

CH-53Dの事故発生率が違っているようですが??

投稿: blackcat | 2012年7月27日 (金) 08時32分

>CH-53Dの事故発生率が違っているようですが??

ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。
手入力ですとこういううっかりがあるから怖いです。

投稿: 管理人nobu | 2012年7月27日 (金) 10時33分

米軍を監視する市民団体「リムピース」って赤の工作員だろ?
こんなの配備されちゃたまらんもんなw
http://file.kanchigai.blog.shinobi.jp/4479_03.jpg

投稿: あめんぼ | 2012年7月27日 (金) 10時46分

民主党の新キャッチフレーズ募集 ネットからは「国民の生活が台無し」
http://www.nikaidou.com/archives/27448
その他は
「国民の生活が台無し」というものや、
「国民の生活が2番じゃいけないんですか?」
「嘘つきは民主の始まり」「(中)国民との約束を守ります」
「なんちゃって与党 民主党です」「ルーピーと愉快な仲間たち」
「鳩に餌をあたえないでください 糞害で困っています」

投稿: | 2012年7月27日 (金) 11時03分

軍用機が案外安全なのか民間会社が意外に危険なのか?
てっきり一般車とレーシングカーくらいの差はあるのかと思ってました。

投稿: ぽん太 | 2012年7月27日 (金) 11時15分

先に目的があり、そのために手段があるのが市民運動
確固たる目的意識に支えられたプロ市民はまだしも、真の目的に気付かず手段に踊らされるばかりの取り巻きが哀れだな

投稿: | 2012年7月27日 (金) 12時55分

>軍用機が案外安全・・・てっきり一般車とレーシングカーくらいの差はあるのかと思ってました。

上の数字で軍用機は10万時間あたりの死亡事故率、民間は100万フライトあたり。それでも2桁未満の差になるなら、感覚的には軍用機ものすごく安全すぎですね。
きっと他にも、件数か人数かとか、そもそも単位が違うとか、軍用の安全性が高く思えるような統計処理があるのかと。

投稿: 田舎モノ | 2012年7月27日 (金) 14時35分

最近のLCC運行のドタバタぶりを見ているとコストとスケジュールの自由度が影響大きいんじゃないかと

投稿: 元僻地勤務医 | 2012年7月27日 (金) 14時53分

何らかの時間稼ぎ、あるいはガス抜きのための出来レースを演出してだけとしか思えない。明らかに無理筋の反対を大げさにあおって、時間稼ぎの目的を達したのち、まともなデータを喧伝して火消し。
 何のために時間稼ぎをしているのかを考えたほうが有意義なような気がするのは、陰謀論頭なのかな?

投稿: 感情的な医者 | 2012年7月27日 (金) 15時18分

 【嘉手納】操縦士の体調不良防止策が不完全なまま、米空軍のF22ステルス戦闘機8機が28日、嘉手納基地に飛来した。
「試験的」ともいえる配備に、町内からは「住民の命をどう思っているのか」と疑問の声が相次いだ。
2007年以降、6回目の配備だが、過去最長の6カ月になるため「常駐化への布石ではないか」との疑念も渦巻いている。

 滑走路に近い嘉手納町東区の島袋敏雄自治会長は「F22は戦闘機の中でも一番うるさい。朝から訓練でもされたら、
大変なことになる。オスプレイ反対の県民大会も迫る中、怒り心頭だ」と憤る。「配備が6カ月というのも信用できない。
なし崩し的に常駐化するのではないか」と、米軍への不信感をあらわにした。

 同町議会基地対策特別委員会の田仲康榮委員長は「不具合対策が完了してないのに、
試験的に嘉手納へ配備するのは町民、住民の命を虫けら同然に思っているからだ」と語気を強める。

 8月1日の臨時会で抗議決議と意見書を提案する予定で「理不尽な米軍、
日米両政府に、厳しく抗議する」と力を込めた。

 第3次嘉手納爆音差し止め訴訟原告団の平良眞知事務局長は「F22は、F15やFA18以上の爆音が発生する。
欠陥を抱えたまま訓練するなんて、沖縄は無人島ではない」と批判。「オスプレイと同様、
県民を侮辱する配備は絶対に許さない」として、週明けに抗議する考えを示した。

ソース 沖縄タイムス
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-07-29_36929

投稿: 彼らは許さない | 2012年7月30日 (月) 09時49分

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