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2012年6月 2日 (土)

マスコミが旗幟を鮮明にするのはいいことです、が

先日こんな記事が出ていましたけれども、ええっ?!と驚くよりもまあそんなものなんだろうなあと言う感想を抱く人の方が多そうな「マスコミの常識は、世間の非常識」ではありますよね。

なぜマスコミはインチキをしても「ごめんなさい」と言わないのか/窪田順生の時事日想(2012年5月29日産経ニュース)

 以前、このコーナーで、福島第一原発から避難してきた作業員と家族が放射線検査でパニック状態になっていた映像をテレビ局がお蔵入りにした、という話をしたら、読んだ方たちから反響があった。
 「マスコミの常識は、世間の非常識」を象徴するようなエピソードだが、そういう非常識な世界で生きてきた人間からすると、この手のネタは言い始めたらキリがない

 例えば、昨年3月18日、東電幹部から「手遅れかもしれないが、事実なので報じて欲しい」ということで情報提供を受けた
 なぜ彼が口を開いたかといえば、その前日、NHKなどで「福島 除染が必要な被災者なし」という報道があり、「さすがに黙っていられない」と憤りを感じたことがきっかけだった。
 内容は簡単に言うと、内部被ばくの危険性だ。彼が言うには、当時、地方自治体がおこなっていたスクリーニングはザルで、原発周辺から逃げてきた方たちが放射性物質を身体に付着させたまま日本全国を移動することで、それを吸い込んだ方たちが内部被ばくする恐れがあるというものだった。

 この経緯は『原発の深い闇』(宝島社)という本で紹介したが、マスコミが彼の告発を取り上げることはなかった
 彼は私だけではなく、テレビ、新聞などのマスコミ記者にこの話を持ち込んだが、最初は身を乗り出して聞いていた者も、しばらくすると暗い顔でこんな弱音を口にしたという。
 「上にかけあいましたが、ダメでした。そんな話を報じたら放射能差別だって苦情が殺到するって」

 おいおい、報道機関のくせに、そんなに苦情が怖いのかとあきれるかもしれないが、彼らは怖がっている。報道は組織が大きくなればなるほど、視聴者や読者からの苦情を意識して、なにも言えなくなくなるのだ。

●マスコミが頭を下げない理由

 いったい、なぜこんなお粗末なことになるのかというと、マスコミというのは「人に頭を下げる」ということを極度に恐れるからだ。
 新聞社に入社すると「お詫び記事を出さない」ということを徹底的に叩き込まれる。確かに、不祥事企業や政治家の謝罪会見で、「なんで発表がこんなに遅れたんだ!」「ちゃんと謝れ!」とかエラそうに言っている連中が間違いだらけではカッコがつかない

 だが、記者は神ではない。せいぜい、有名大学の法学部や経済学部を卒業した程度で、電通や講談社などのマスコミ受験をしてたまたま引っかかったというフツーの人も多いので、官僚や政治家の情報操作に引っかかって、偏った話を流す。しかもわりと頻繁に
 だが、それを認めてしまうと諸先輩たちが築き上げた報道機関としての信頼が……という重圧がやがて「頭を下げないでやり過ごす」という「作法」を生むことになる。

 「報道」には実は、茶道や華道に通じる厳密なルールがある、と私が主張している所以だ。

●「報道」は思った以上に奥が深い

 茶道の大成者である千利休は、天下人秀吉に逆らって、罪に問われた際にこのように述べたという。
 「頭を下げて守れるものもあれば、頭を下げる故に守れないものもございます」
 権力に屈して自分を否定したら、茶の味が穢(けが)れるというわけだ。同じく「道」を名乗るマスコミも、そんな利休を真似る。

 1カ月ほど前、日本テレビの「news every.」が特集「食と放射能 水道水は今」の中で、飲料水販売会社を取り上げた。だが、その時にブラウン管に登場させた「顧客」がその会社の経営者の親族だということが発覚した。
 実はこの番組では昨年にも同じようなインチキをした前科がある。
 さすがにこれは平謝りだろうと思っていたら、番組のWebサイトに「報告」という奇妙な声明がアップされていた。

 この事実は日本テレビの「取材対象企業の利害関係者をユーザーとして扱ってはならない」という取材ルールに抵触していました。今後は十分注意し、視聴者の皆さんの信頼に応えた番組つくりをして参ります

 視聴者をダマしてすいませんだとか、あまりにずさんな製造工程でした、ということは一切ふれない。もしこれが「食」や「健康」を扱う企業の声明なら大炎上じゃねーかとあきれるだろうが、頭を下げるとペンが穢れる、という生き方を貫く人たちからすると、これでもかなり譲歩した方である。
 「報道」はみなさんが思っている以上に奥が深いのだ。

ま、こういうのを奥が深いと表現するのが適当なのかは判断が分かれるところだと思いますが、学生時代にはまともな人間だったのが業界に入ると数年ですっかりそちら流の「作法」に染まってしまった、というケースはマスコミに限らずままあることで、結局その作法がその他大勢の社会にとって有益なのか有害なのかということが問われるのだと言うことなのでしょうね。
さて、大阪市の刺青職員調査問題はなかなかにこじれているようですが、この件に関して地元毎日新聞が連日積極的な報道を行っていることが注目されます。
新聞などの記事については一見して複数意見を公平に採り上げているようでも、おおむね記事の最後に取り上げるのがメディア自体の主張に沿った意見であると言いますが、この点から判断すると毎日新聞の論調がどこにあるかということは明らかですよね。
先日は系列の毎日放送も橋下市長と華々しい?舌戦を繰り広げたことが話題になりましたが、自らの立ち位置に関してとうとう開き直ったかのようにこんな記事を書いているのですから分かりやすいのは確かです。

がんばっペン:多様性こそ社会 /茨城(2012年05月31日毎日新聞)

 大阪市で行われた全職員を対象としたタトゥー(入れ墨)調査を、私は疑問に感じている。調査をしなければ分からない程度であれば人目に付くこともなく、職務に支障が出るとは到底思えない。調査の発端は、児童福祉施設の職員が腕の入れ墨を児童にあえて見せたこと。入れ墨の有無ではないはずだ。

 私は米国留学中にタトゥーを入れた。もちろん今も体にある。人種差別を批判する米国の音楽を好きになり、タトゥーに興味を持った。米国でファッションとして浸透していることもあった。同時に、社会問題に関心を抱くきっかけにもなった。そのおかげで今の私がある。取材の時は人目に触れない服装を心掛けている。タトゥーを彫ったことを後悔したことはない

 タトゥーを入れている人は日本社会では少数派。嫌悪感を感じる人が多くいるのも分からなくはない。しかし、なぜレッテルを貼って管理する必要があるのだろうか。自分が嫌いなものを排除すれば、楽だろう。しかし、そういう社会を望むのならば、ロボットの社会を作ればいい

 日本には四季がある。春夏秋冬、違う表情を見せる。人間も、それぞれが違うからこそ面白い。私は、そう思う。【杣谷健太】

やはりそういうことかとしか言いようがない記事ではあるのですが、全く無関係な茨城の地方版にまでこんな熱心な擁護記事を載せるというあたり、ともすれば表向き公正中立のように偽って偏向報道を繰り返すメディアも多い中で毎日の社としての姿勢を非常に明確にしたのは良いことだと思います。
この毎日に限らず多くのマスコミが反対してきたのが東京都の尖閣購入問題で、当初は「そんな支出に対して都民の理解が得られるとは思えない」と言い、都知事が寄付金で賄うと表明すると「そんなことに金が集まると思っているのか」と批判しと、まさに「理由付け、四苦八苦」という状況にあるようです。
結局のところあっという間に購入予定金額に迫る寄付金が集まってきたことで彼らも振り上げた拳の振り下ろしどころに戸惑っている気配もありますが、毎日の方では躊躇なくこんな記事を出しています。

東京都:尖閣寄付10億円間近 購入に税金不要?(2012年05月23日毎日新聞)

 東京都が呼び掛けている尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入に向けた一般からの寄付が、総額10億円に近付いている。都庁内では「税金を使わなくても寄付金だけで買える」との声も出始めたが、自治体が寄付を募って土地を購入することの是非も議論になりそうだ

 都の寄付口座は4月27日に開設され、22日までに6万1729件、総額8億6385万円余の入金があった。これとは別に1億円の寄付申し出もあるといい、石原慎太郎知事は「震災が引き金になって、国土がいかに大切かという意識が呼び起こされた」とみる。

 都が購入を予定しているのは魚釣島、北小島、南小島の3島。路線価や過去の取引実績がなく算定は難しいが、不動産取引では賃料と収益性から価格をはじき出す「収益還元法」という手法がある。

 国は02年以降、地権者から3島を1平方メートル当たり5.8円で借りており、賃料は年間2450万円。都幹部によると、これを基に計算すると、一般的な取引なら価格は5億円程度、土地の価値を高く見積もっても最大25億円という。寄付総額が購入額を上回った場合、担当部局は「返還せず、今後の活用に役立てる」としている。

無駄金を使うのはどうかと批判していたら公費投入は不要になりそうになったので慌てているという風情がありありですけれども、国民多数が賛同する中にあっての識者コメントに名を借りた露骨な批判姿勢といい、毎日の一連の尖閣関連記事については各方面で注目されているようで、同社としてはこの尖閣問題もよほどに核心的利益に抵触するということなんでしょうかね?
毎日と言えば先日は九条の会などいわゆる改憲反対派の意見広告をばっさり斬って捨て「そろそろ平和ボケのぬるま湯から出る時だ」などと言い出した時には何か悪いものでも食べたのかと話題になりましたが、フィリピンとの間の領土問題で中国の露骨なやり方が目の前で明らかにされつつあるこの時に、何もするな黙って寝ていろと主張するのも平和ボケの症状とは言わないのでしょうか?
確固たる立場に立って主張されるならされるでいいのですが、現実世界で起こりつつある事態をきちんと分析した上でそれに代わる代案をきちんと示さないことには、よく言ってお得意の反対のための反対かと認識されて終わるだけではないでしょうか。

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コメント

しかし毎日に平和ボケのぬるま湯とか言われるのもどうにも違和感が拭えないんだが…

投稿: kan | 2012年6月 2日 (土) 09時40分

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