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2012年6月 7日 (木)

スカイマーク 安さ以外でも大いに話題に

昨今ではどこの業界でもクレーマー、モンスターと言われる問題顧客への対応に苦心しているところですが、とりわけ乗り合わせた乗客の安全性にも関わってくるだけに航空業界では以前から非常に厳しい対応を取っていて、乗務員の指示に従わない乗客がその場で退場を命じられるというケースも多いようです。
そんな中で格安運賃を武器に航空業界に参入してきた会社がこんなことを言っていると話題になっているのですが、まずは第一報となるこちらの記事を紹介してみましょう。

大胆なスカイマーク「苦情受け付けない」「丁寧な言葉遣い義務付けなし」(2012年5月31日スポニチ)

 「機内での苦情は一切受け付けません」「客室乗務員に丁寧な言葉遣いを義務付けておりません」―。航空会社のスカイマークが搭乗客に対して、サービスの簡略化などへの理解を求める内容の文書を、5月中旬から機内に備え付け始めた。

 1998年に運航を始めたスカイマークは、低価格を武器に事業を展開。最近参入が相次ぐ格安航空会社(LCC)に対抗するため、経費削減を進めているとされる。

 コストカットによるサービス簡素化に伴い増加も予想される顧客の苦情に、先手を打つような同社の措置は論議を呼びそうだ。

 スカイマークは、機内の座席ポケットに備え付けた「サービスコンセプト」と題した文書で「従来の航空会社とは異なるスタイルで機内のサービスをしている」と主張。荷物の収納を「乗務員は援助しない」ことや、乗務員の私語を事実上容認し、服装やヘアスタイルについても、会社支給のポロシャツなどを着用する以外は「自由」とするなど、“大胆”な方針を盛り込んだ。

 また機内では受け付けないと表明した苦情については、同社のお客さま相談センターか「消費生活センター」に寄せるように呼び掛けている

 スカイマークは「利用客らからいろいろな問い合わせを受けたため、当社のコンセプトをあらためて明文化した」と説明。

 他の航空会社からは「航空業界の評価を下げかねない」と懸念する声が漏れている。

ちなみにその文書の実物がこちらだということで、服装の規定なども含めてなかなかに思い切ったことを言い出したなと思う話なんですが、特にこうしたノークレームの姿勢を明示することで会社としての評価が下がるか上がるかということも興味深いことで、むしろその方がよいと言う顧客も相応にいそうにも思います。
基本的にこうした格安航空会社はニッチマーケットを狙っているのですから、当社の方針にご不満があるならどうぞ他の会社をご利用くださいと言えるというのが強みでもあって、むしろどこの会社も同じサービス、同じ料金という方がよほど顧客の選択の自由を奪っているという考え方も出来ますよね。
いずれにしても議論を呼びそうな話だなと思っていましたが、ちょうど以前から続く運行安全上のトラブルについて同社から国交省に改善策が提出された時期と重なり注目されたということでしょうか、思ったよりも大きな話題になっているようです。

「機内での苦情お断り」 スカイマークの方針、波紋(2012年6月4日朝日新聞)

 機内での苦情は一切受け付けません――。航空会社スカイマーク(東京都大田区)が乗客向けの対応方針を明記した「サービスコンセプト」が話題を呼んでいる。従来の航空会社にはなかった内容に賛否両論だ。

 スカイマークによると、サービスコンセプトは8項目。B5判の紙1枚に印刷し、5月18日から各席前のシートポケットに入れた。以前から接客方針は同じだが、「荷物の収納をなぜ手伝わないのか」など様々な問い合わせがあり、明示することにしたという。

 インターネット上の掲示板サイトには、サービスコンセプトを巡って1千件を超える書き込みがあった。「目的地に無事着くなら、それで十分」「普段の態度がいい加減だと、緊急時の対応が心配」「クレームに対する先手を打っただけで、普通に対応するのでは」といった内容だ。

 監督する立場の国土交通省の幹部は「挑戦的な内容にも読めるので、これが元で機内トラブルが起きないか心配」。どれも明確に法規に反しているとは言えず、指導の対象外という。

 独ルフトハンザ航空の元日本地区広報室長で、筑波学院大の大島愼子(ちかこ)学長(航空政策)は、サービスコンセプトに記されたサービス内容自体は海外の格安航空会社と同程度としつつも、「読む側の気持ちを考えていない表現が多すぎる。航空会社はサービス業でもあり、客を不快にしないことも大事な仕事」と話す。

 スカイマークは、客室乗務員について「サービス担当者」よりも「保安要員」としての役割を重視しているという。広報担当者は「受け取り方は読み手次第。書かれている内容以上でも以下でもなく、特にコメントすることはありません」。

東京都 スカイマークに抗議文(2012年6月5日NHK)

航空会社のスカイマークが、乗客に対して、機内で苦情がある場合には自治体が運営する消費生活センターに連絡するよう呼びかけていることについて、東京都は「会社に代わって苦情を受けつけるかのような記述は、到底容認できない」などと抗議する文書を送りました。

航空会社のスカイマークは、機内でのサービスの考え方について、先月18日から機内の座席前のポケットに文書を入れて乗客に理解を求めています。
この文書の中で、スカイマークは「機内での苦情は、一切受けつけません。ご不満のあるお客様は、『スカイマークお客様相談センター』あるいは、『消費生活センター』などに連絡されますようお願い致します」と記しています。
これに対して、東京都の消費生活総合センターは「消費者からの苦情は、企業みずからが責任をもって対処すべきだ」として、5日、スカイマークに対して抗議する文書を送りました。この中で、東京都は「全国の自治体が設置している消費生活センターが、会社に代わって苦情を受けつけるかのような記述は、到底容認できない」として、機内の座席ごとに置いている文書を速やかに回収するほか、スカイマークが責任をもって対処することを、新聞への掲載などを通して周知するよう強く求めています。
東京都の抗議について、スカイマークは「申し入れの文書を確認中で、今のところは特段コメントすることはありません」と話しています。

マスコミお得意の煽りもあるでしょうがまた挑発的なことを言っているなとも思うのですが、しかしお役所が妙に早い対応をしてきたあたり余程にクレームが殺到したと言う事なのか、いずれにしても社の方針として行うことなのですからクレームだけこっちに押しつけるなという都側の言い分がこれは正論だろうなと思いますね。
さて、スカイマーク側では同社としての方針は以前から何も変わっていない、ただ明文化されていなかった部分を文書として広く周知徹底させるために行ったことだと言っているのですが、その考え方によると同社の客室乗務員は顧客にサービスを提供するために乗務しているのではなく、あくまで保安要員として乗っているのだということです。
この辺りは航空法によっても国際慣行の上でも客室乗務員とは本質的にパイロット等と同様に保安要員であるという解釈の方が正しいようなのですが、現実的には労使交渉などの関係もあってか保安要員に向いた男性乗務員が極端に少ない(スッチーと言えば女性にとって花形職業の一つですしね)など、必ずしも最善の配置が成されていないのも周知の通りですよね。
世の中には同じ職種、能力であっても相手が女と見ると途端に態度が豹変するという方々が残念ながら少なからずいるのも確かですから、スカイマークが同社の方針を貫くのであれば人選や服装等も含めていかにも保安要員であるということが一目瞭然であるようにしておいた方が、後々の余計なトラブルを軽減できるんじゃないかという気がします。

いずれにしても今までの日本にはなかったやり方ですから、まずはどの程度の需要があるのか見てみたいというのが正直なところなのですが、一部ではこうしたやり方を決して許してはならないと強固に主張している方々もいらっしゃるようで、その根拠として悪貨が良貨を駆逐するという言い方をしているようです。
デフレが長く続き価格破壊という言葉がすでに一時の流行ではなくなってしまった結果、安ければ売れるから安くなければ売れない世の中になってしまい、きちんと正当なコストをかけて良い仕事をする会社が根絶されてしまったじゃないかと言われれば、なるほどお金を出してもきちんとしたサービスが受けられない時代になればそれはそれで困るかなとも思えてきますよね。
ただパイロットや整備士を始め航空関係者というのは各々が高度な知識に裏付けされた専門職であって、特にパイロットなどは世界的にも不足がちな状況が続いている中で日本でも先日60歳以上のパイロットによる二人乗り運行が解禁されるなど数不足への対策が進められているくらいですから、専門職としての発言力はそれなりにあるんじゃないかとも思えます。

それ故にここは安全運行上削るべきではないという部分はきっちりと守ってもらうのは大前提で、削れるところはどこにあるかということを専門家の目線も入れて工夫していくことが必須だと思いますが、その結果として飛行機の利用の仕方といった社会行動にまで影響が出てくるとなってくれば、これはこれで飛行機が完全に生活の中に根付いてきたということでもあり喜ぶべきことではないでしょうか?
今回の騒動も吹きさらしの座席にヘルメットとゴーグルを着用して命がけで乗り込んだ黎明期の旅客機の乗客達から見れば、与圧空調された客室に収まりクッションが利いた座席でのんびりしていれば遠い街まであっという間に送り届けてくれるのに、これ以上一体何が不満なの?と言いたくなるような話なのかも知れません。

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コメント

「苦情は消費生活センターに」の部分は削除するらしいですよ

航空会社スカイマーク(東京都大田区)が機内で配布している接客指針に「機内での苦情は一切受け付けません」と
記載した問題で、同社は6日、指針を回収すると発表した。

苦情の受付先として「消費生活センター」と例示した部分を削除する。

同社によると、この指針は5月中旬から同社の全27機計4779席の座席ポケットに入れられている。
14日から新たに作り直した指針を配る。消費生活センター以外の部分の文案は今後検討する。
同社は「深くおわび申し上げます」と陳謝した。

この問題を巡っては、消費者庁も6日、「自社に関する苦情を公的な相談機関に振り向けるもの」として回収を要請した。

投稿: | 2012年6月 7日 (木) 09時25分

日経ビジネスにも記事が出ていたので参照していただきたいと思います。(もしかすると認証がいるかも知れません)
スカイマーク問題に限らず企業の接遇教育ということに関して以前から感じていた諸点がわりあいによく整理されているように思いました。

スカイマーク騒動が浮き彫りにした“感情”のお値段
付加価値をサービスに求める企業の勘違い
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120605/232989/?P=1

投稿: 管理人nobu | 2012年6月 7日 (木) 10時45分

スカイマークは肝心の安全性が一番信用出来ないだろとw

投稿: aaa | 2012年6月 7日 (木) 11時03分

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