« 低成長時代の高齢者医療 | トップページ | 今日のぐり:「うどん処 あまからさん」 »

2012年5月19日 (土)

大阪市入れ墨調査 思いがけないところまで浮き彫りに

いろいろと言われながら調査を行ってみると、意外に大変な状況だと判明してしまったのがこちら大阪のニュースです。

入れ墨職員100人超?…配置に頭痛める大阪市/大阪(2012年5月14日読売新聞)より抜粋

 大阪市環境局が今年3月、同局の全職員約3200人に入れ墨の有無について調査したところ、約50人が「入れ墨をしている」と回答していたことがわかった。

 同市では、橋下徹市長の指示で全職員に対する入れ墨の調査が進行中で、数はさらに増える見通しだ。市は人目に触れる場所に入れ墨のある職員を市民対応部署から外すなどの措置を検討しており、人事配置で苦慮する可能性もある。

 市環境局は2010年5月に職務倫理に関する内規を施行、この中で「タトゥーまたはこれに類するものをしてはならない」と決めている。しかし、昨年、市民から「入れ墨をしたごみ収集職員がいる。問題ではないか」という意見が寄せられ、同局が今年2~3月、内規が守られているかどうかを記名式で調査した。

 職員に▽入れ墨の有無▽入れている体の部位――などを尋ねた。環境局は、入れ墨があると答えた職員には、可能な限り消すように指導したという。

 一方で、全市職員調査のきっかけになったのは、2月、児童福祉施設の職員が子供に入れ墨を見せていたことが明るみに出たことだった。橋下市長は「公務員が遊び半分で入れ墨を入れるなんて何かが狂っている」と問題視、市長をトップとする服務規律刷新プロジェクトチームを発足させた。
(略)

大阪市機能マヒ寸前 橋下 全職員「入れ墨」検査/大阪(2012年5月14日日刊ゲンダイ)より抜粋

「200人を超える」どころか、400人を超えそうだ。大阪市環境局が今年3月、局内の全職員約3200人に「入れ墨の有無」について、記名式で調査したところ、約50人が「入れ墨をしている」と答えたのだ。実に64人に1人の職員が「タトゥーあり」という異常事態である。

「調査のきっかけは、市民から昨年『入れ墨をしたゴミ収集職員がいる。問題ではないか』という意見が寄せられたこと。環境局では10年5月に『タトゥーまたはこれに類するものをしてはならない』という内規を施行したばかり。この内規が守られているのかという懸念から調べたのですが、まさか、こんなに多いとは……」(大阪市関係者)

 いま大阪市では橋下市長のトップダウンで、環境局の調査とは別に教職員など約8000人を除く全職員約3万人(環境局も含む)に対する入れ墨調査が進行中だ。単純に環境局の割合を当てはめれば、468人もの入れ墨職員が存在してもおかしくない。
(略)
 いずれにしろ、大阪市は人目に触れる部署から入れ墨職員を外すなどの措置を検討中。これだけの人数を異動させるとなると、人事配置は難航必至で機能マヒ寸前だ。橋下は大阪市の“パンドラの箱”を開けてしまったのか。

「やりたきゃ民間へ移れ」入れ墨職員110人、回答拒否は513人も/大阪(2012年5月16日産経ニュース)より抜粋

 大阪市が教職員をのぞく全職員約3万3500人を対象に実施した入れ墨の有無などを調べる記名式アンケートで、入れ墨をしていると回答した職員が110人に上ることが16日、分かった。橋下徹市長は同日、「何をやってもクビにならない、降格にならないという甘えが出ている。ファッションで許すという企業があってもいいから、入れ墨をやりたい職員は民間に移ってもらいたい」と改めて述べた。こうした現状を放置してきた市幹部や市議らの責任も問われそうだ。
(略)
 部局別で最も多かったのは環境局(職員数3164人)の73人。交通局(6509人)は、地下鉄の運転士と車掌が計7人、市バス運転手が2人、駅職員が4人、技術系職員が2人だった。このほか、建設局(2866人)7人、ゆとりとみどり振興局(795人)3人などとなった。

 橋下市長はこれまで、市民の目に触れる部位に入れ墨がある職員については「原則消してもらう」と述べ、配置転換や分限免職の可能性についても言及している。

そもそもの発端であるとされる職員が入れ墨を見せながら「殺すぞ」などと子供を脅したという異様な事件にしても、聞くところによれば「そういう事実は認められない」と当の職員は何のおとがめもなかったと言うのですから驚きますが、教職員に対しても調査依頼を受けた市教委なども調査は必要ない、人権問題だと拒否したというのですから、数字以上に改めて感覚の異常さが浮き彫りにされた結果とも言えそうですね。
それにしても記事にもあるとおり記名式とはいえあくまでも自己申告ですから、おそらく申告しないまま潜伏している方々も相当数に登るのだと思いますけれども、それにしても半ば以上予想された通り?環境局の「汚染」ぶりは相当なものがあるということが数字の上でも示された形でしょうか。
あまりに多すぎて直ちに強硬な処置をしてしまうと市政に支障を来しかねないのでは?などという懸念も出ているというのもすごいものですが、各方面からもさすがにおかしいという声が挙がっている通りで、とりわけ環境局の場合は半数が採用後に入れ墨をしていた、しかも大半が外から目立つ部位にやっているというのですから少し感覚がおかしいんじゃないかなという気がしてなりません。
ただここで問題になるのは誰の感覚がおかしいのかということなんですが、こちらの記事をひとまず紹介してみましょう。

ガガもデップも「市職員お断り」橋下市長/大阪(2012年5月17日産経ニュース)

 大阪市の全庁調査で職員110人が入れ墨があると回答した問題に絡み、橋下徹市長は17日の定例記者会見で、米人気歌手のレディー・ガガや俳優のジョニー・デップがファッションとしてタトゥーを入れていることを引き合いに「有名人もタトゥーを入れているが、好ましくないのか」と問われたのに対し、「もしガガさんやデップさんが市職員になるといったら、断りますよ。俳優や歌手だからみんなに支持される。市職員(の試験)を受けるわけないとは思うが」と述べた。

 橋下市長は「僕だって(大阪府)知事になる前までは髪の毛も茶色で、偉そうなことは言えないが、市長や知事になるとなったら黒く染めるわけですよ。公務員だし、税金で飯食うわけだし、人に命令だすわけだから。それは違うだろうということですよ」と指摘。「入れ墨(の是非)は個々人が判断すればいいが、公務員は違う。そこは許されない」と結論付けた。

 一方、全庁調査で入れ墨をしていると回答した職員が部局別で最多の73人にのぼった環境局で、約半数は別の調査で採用後に入れ墨をしたと答えていたことも分かった。会見で橋下市長は「何でそういうことを平気でできるのか。職場の風紀は(相次ぐ)不祥事の問題に影響している」と憤った。

 環境局によると、全庁調査に先立つ今年2~3月、市民からの投書などを受けて、局職員約3200人を対象に独自に任意調査を実施。この結果、69人が入れ墨をしていると回答し、うち半数が採用後に入れたと答えたという。

 ワンポイントのタトゥーが大半で、花や骸骨(がいこつ)、羽根、稲妻などの絵柄を数センチ四方の大きさで上腕部に入れているケースが多かった。一方で、約30センチ四方の唐獅子模様を背中に入れている事例もあったという。

 入れ墨をした理由については「若気の至りだった」「友達がやっていた」など、深く考えないままファッション感覚で入れたとの回答が多く、後悔や反省の気持ちを示す人も。環境局では入れ墨を消すよう指導しており、これまで数人が医師に相談したという。

すでに内規もある訳ですし、市民の目線も何かと厳しくなっている昨今ですから粛々と対応いただくしかないと思いますけれども、非常に興味深い現象としては一部マスコミで何故か入れ墨を入れていることを懸命に擁護しようという動きが見られることでしょうか。
上の産経の記事にも記者会見において「有名人もやっているがそんなに問題なのか」云々などという質問が飛び出したことが記載されていますが、例えば有名人がコンサートに来たお客さんにタメ口で呼びかけていたからと言って窓口に来た顧客に職員がタメ口をきいていいだろうなんて言い出すのは馬鹿げていますよね。
こういう不思議なことを言い始める記者がいたことと関係があるのかどうかは判りませんが、先日も橋下市長との面白い討論?がネットで曝されて一躍話題となった毎日放送と同系列の毎日新聞ではこんな不思議な記事を出しているようです。

余録:「魏志倭人伝」には「男子は大小と無く、皆黥面…(2012年05月18日毎日新聞)

 「魏志倭人伝」には「男子は大小と無く、皆黥面(げいめん)文身す」とあるから、当時の日本人の男は大人も子供も顔や体に入れ墨をしていたらしい。水に潜って魚をとる海人が大魚の襲撃を防ぐまじないにしたのが、後に飾りとなったのだという▲ならば入れ墨のない者は当時の役所をクビになったのか−−とは、むろん大阪市での職員への入れ墨調査を聞いて頭をよぎった妄想である。役所が職員の入れ墨の有無を一斉調査するというのもびっくりだが、「110人」という調査結果にも驚いた向きが多かろう▲そういえば最近タトゥーと呼ばれるファッション感覚の入れ墨を就職活動を機に消す手術をする若者が多いという。欧米の映画などをまねて気軽に入れたタトゥーも、いざ職探しとなれば入れ墨がアウトローのシンボルとされてきた日本社会の市民感覚に突きあたる▲さて映画では片肌脱いで桜吹雪を見せる遠山の金さんこと町奉行、遠山景元には本当に入れ墨があったか。放蕩(ほうとう)ざんまいの若い頃に遊び仲間と腕に桜の入れ墨をしたと記すのは元幕臣の漢学者、中根香亭だ。旗本の子弟が「武家彫り」などという入れ墨をした時代だ▲だが香亭によれば、幕府で昇進をとげてからは常に肌着をきつくまとい、夏も脱ぐことがなかったという。さて景元は「若気の至り」を後悔したのかどうか。ともあれこと奉行としては若い時の体験ゆえに下情に通じたみごとな裁きをしたと香亭は絶賛を惜しまない▲大阪市職員の入れ墨事情は人それぞれだろうし、何らかの措置が必要なケースもあろう。ただ未来の景元を失わぬようにするのも組織の「マネジメント」だ。

まさに金さんが役人たるの姿勢の何たるかを示しているわけですが…あえていちいちツッコミはしませんけれども、生レバーにいたく御執心であることがありありと伝わってきた先日の朝日の記者氏と同様、こちらは入れ墨に対する尋常ならざる思い入れがひしひしと伝わってくるという内容で、こういう場合我々としては「チラ裏乙」とでも言っておけばよろしいのでしょうかね?
いずれにせよ放っておけばごく当たり前の綱紀粛正の一環で終わっていたかもしれない入れ墨問題ですが、マスコミが大きく取り上げた結果一部の方々の予想外の発想まであらわになってしまったようで、彼らとしては入れ墨問題を介して橋下市長に反撃をしていくつもりだったのでしょうが、これでは逆に支持率向上に協力したような形にならないでしょうかね。

|

« 低成長時代の高齢者医療 | トップページ | 今日のぐり:「うどん処 あまからさん」 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

 仙台市の奥山恵美子市長は16日、定例の記者会見で職員の入れ墨を認めるかどうかについて、「即ダメと言うことではないと思う」と語り、入れ墨をしている職員の分限免職を検討する大阪市の橋下徹市長とは一線を画す姿勢を示した。

 にわかに注目を集める公務員の入れ墨問題に関し、奥山市長は「昔からの入れ墨の形式から、シールで一定の期間だけ文様を付けるものもある。海外では入れ墨的なものを楽しんでいるので、文化の問題として考える必要がある」と述べ、職員への調査を行う考えはないとした。
(2012年5月17日09時12分 読売新聞)

仙台では銭湯もプールも入れ墨解禁らしいぞw

投稿: | 2012年5月19日 (土) 08時32分

公共の場所でも入れ墨規制してるのに、管理する側は入れ墨していいってのもおかしな話だもの
これは橋下さんが当たり前のこと言っただけなのに噛みつく方がおかしいよ

投稿: 轍 | 2012年5月19日 (土) 09時18分

都知事の尖閣買収構想といい、最近この手の踏絵的なトピックスが多い気がしますね。
総論賛成各論反対的な話ばかりがダラダラと続くよりはよほど面白いし、政治への関心を呼ぶきっかけになればいいと思います。

投稿: 管理人nobu | 2012年5月19日 (土) 12時00分

環境局なんてうかつに手出したらヤバイよハシゲさん

投稿: | 2012年5月19日 (土) 14時47分

アカヒやバイニチは、橋下の全部反対の主張したいだけですからねえ。サンケイも公務員給与カットは賛成だけど、反原発にむかついているだけでしょう。
「刺青はちゃんと長袖の服で隠せば問題ない。仕事で判断すべきだ。」と言えば、きっと「庶民感覚とは違う。」と嚙ついたと思いますよ。

投稿: | 2012年5月19日 (土) 16時53分

素朴な庶民感覚としては、役場に行って窓口の人の腕に刺青があったら嫌だなあって感じますね
まして役人はときとして公権力を振るう立場にも立っているわけですから

投稿: 柊 | 2012年5月19日 (土) 21時58分

同類項か?
>環境局なんてうかつに手出したらヤバイよハシゲさん
 民間にアウトソーシングでOK。人手はあふれている。

投稿: 匿名でしかモノを言えヤツバラが | 2012年5月20日 (日) 11時41分

ようするにB利権でしょ
病欠のくせにポルシェ乗り回してたのは奈良だっけ?

投稿: 環境局って | 2012年5月21日 (月) 10時27分

今回のことはどちらかと言えば常識的判断に沿った形ですが、橋下市長が空気を読まずにどこまで斬り込むか楽しみにしている市民も多いのではないですかね?
まずは大枠を変えてみると、後はいい具合にアジャストしていく道を探すのは日本人の得意技ですしね。

投稿: 管理人nobu | 2012年5月21日 (月) 11時15分

大阪市が全職員約3万3500人(市教委を除く)を対象に実施した入れ墨調査で、
 橋下徹市長が回答しなかった職員のリストアップを市幹部にメールで指示し、これらの
 職員について「市長に在任中は昇進を認めない」と記していたことが分かった。
 市は10日までの回答を義務付けていたが、21日現在、長期休職者を含む500人弱が
 回答していない。人事上の不利益を示して回答を迫る橋下市長の手法は、新たな波紋を
 呼びそうだ。

 メールは19日午後、局長ら幹部職員に一斉送信された。橋下市長は「今回の調査はリーガル
 チェック(適法性の確認)を受けながら行政的にきっちり詰めてやった」と主張。市の第三者
 チームが2月に実施し、思想良心の自由を侵害すると批判された政治・組合活動に関する
 調査とは「全く異なる」と記した。

 さらに、人目に触れる部分の入れ墨について、「人事労務管理上、職員情報を把握する必要と
 理由が明確に認められる」とし、回答拒否を認めれば「正直に答えた者がバカを見る。
 これでは今後、組織マネジメントはできない」と指摘した。

 これを受けて市人事室は21日、全部局に未回答職員の洗い出しを指示。回答拒否や白紙提出の
 職員に市長の方針を説明し、入院などやむを得ない事情がある場合を除き、23日までに回答
 させるよう求めた。

 橋下市長はメールで「1週間程度の猶予は認める」とした上で、市長に在任中は未回答者の
 昇進を認めないと明記。「組織上の正当な命令に従わずにのうのうと仕事ができる職場は
 民間にはない」「その組織が嫌なら辞めればいいだけ。局長以下のマネジメントをしっかり
 お願いします」と結んだ。

 入れ墨調査は、市が今月1~10日に実施。腕や足など人目に触れる部分は記名で回答を
 義務づけ、それ以外の部分は任意回答とした。16日の中間発表によると、職員110人が
 「入れ墨をしている」と回答。市は入れ墨禁止のルール化や職員の配置転換、入れ墨を
 消させるなどの対応策を検討している。

投稿: ざまあw | 2012年5月22日 (火) 15時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/54739692

この記事へのトラックバック一覧です: 大阪市入れ墨調査 思いがけないところまで浮き彫りに:

« 低成長時代の高齢者医療 | トップページ | 今日のぐり:「うどん処 あまからさん」 »