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2012年5月22日 (火)

震災関連死は福島県が最多

全く今日の本題に関係ない余談ですけれども、昨日ちょうど金環日食というものがありまして全国各地で観測されたことはご存知の通りですが、日食と言えば個人的に連想してしまうのが日本の神話に登場する「岩戸隠れ」の伝承です。
太陽神である天照大神が天の岩戸に隠れたせいで世の中が真っ暗闇になったと諸神大騒ぎになり、結局策略をもって天照大神を引きずり出した結果ふたたび世に日が満ちたという話ですが、古来誰しも日食と結びつけずにはいられないこの話が何らかの事実の反映だとすれば、一体いつ頃に起こったものなのだろうかという検証は古来行われてきました。
最近ではPCで簡単に計算もできることからあちらこちらのサイトで結果が公表されているのですが、面白いのは西日本で西暦247年に日没直前に日食が起こっていて日が隠れたまま夜に突入してしまうという事件があった(日食の日は新月にあたるのでこの夜は真っ暗闇だったでしょう)、そして翌248年に今度は日食のまま朝日が昇ってくるという、非常に印象的だったろうと思われる事件が二年続けて起こっていたというのですね。
そして諸説ありますがこの247年から248年にかけてはちょうど邪馬台国で有名な卑弥呼が亡くなり国中が乱れ、そして後継者である壹与が即位したと言われる年で、神功皇后や天照大神との関連が指摘されてきたこの謎多き人物を巡るドラマチックなストーリーを思わず想像してみたくなる人も少なからずいるのはやむなきところでしょう。

日食に関わる余談はそれくらいにしておくとしまして、今日はこんな記事を紹介してみましょう。

震災関連死は764人 本県が最多、原因究明へ/福島(2012年4月28日福島民友ニュース)

 東日本大震災に伴う避難で体調を崩し亡くなったり、自殺したりなど「震災関連死」と認定された人が3月末現在、10都県で1618人に上り、このうち本県が764人で最多だったことが27日、復興庁の集計で分かった。政府が津波や建物倒壊などによる「直接死」と区別して死者数を公表したのは初めて。平野達男復興相は同日、記者会見で「生き延びた命を失った。これは深刻に受け止めるべき実態」と述べ、震災関連死の原因究明へ実態調査する方針を示した。
 復興庁は市町村別の内訳を公表していない。福島民友新聞社の調べでは、双葉郡や飯舘村など避難区域のある11市町村で約650人、全体の8割を超えた。市町村別では南相馬市が250人以上で最多。富岡町といわき市が80人超、浪江町70人以上。また、須賀川市など地震被害が大きかった中通り市町村でも複数が認定された。

震災関連死、南相馬が282人で全国最多/福島(2012年5月12日福島民友ニュース)

 復興庁は11日、東日本大震災に伴う避難で体調を崩すなどして亡くなり、「震災関連死」と認定された本県など10都県の1632人(3月末時点)の内訳を公表した。市町村別で南相馬市が282人と、対象77市町村の中で最多となった。続く宮城県石巻市178人、仙台市143人と比較しても突出、同日開かれた関係省庁でつくる原因究明の検討会初会合では「南相馬市がなぜ多いか調べるべき」と問題提起された。
 検討会では6月末をめどに、本県と岩手、宮城の3県で調査し、8月上旬にも再発防止策をまとめる方針を決めた。調査対象は関連死の死者数が多い市町村のサンプル調査となる見通しだが、本県の場合は東京電力福島第1原発事故の影響を考慮し、原発事故で避難指示が出された市町村も対象とする。
 本県の震災関連死761人の年齢別内訳も示され、21歳以上65歳以下が61人、66歳以上が700人で高齢者が約9割を占めた

震災関連死は福島県が一番多く、福島県の中でも原発にほど近い南相馬が最多だというのはある意味でまあそうなんだろうなと納得は出来る話なんですが、ここでも「なぜ多いか調べるべき」と問題提起されているように、その実際の状況を考えないことには数字だけが独り歩きしたまま後世に伝わってしまう可能性があるということでしょう。
原発お膝元の双葉町などは警戒区域に当たりますからちょうど隣接する南相馬市あたりは避難を要するかどうかの境界線あたりに位置することになりますが、ちょうど先日からの双葉町で年450ミリシーベルトという高い放射線量が観測されたとか、福島産水産物の25%が放射線セシウム新基準値越えだったという話を聞くにつけ、誰でもこれは放射線による影響かと心配になりますよね。
しかし実際の年齢別内訳を見てみますと放射線感受性が高いはずの若年者では死者は少なく、ほとんどが高齢者ばかりであったということですから、どうもこれは単純に「福島原発事故ではこんなに大勢の死者が出たのか!」などと受け止めるわけにもいかない数字だと言えそうです。

震災後には避難勧告が出ているにも関わらず「どうせ老い先も短いのだから、住み慣れた土地を離れたくない」と被災地に残った高齢者も多いと聞きますが、こうした方々も含めて現地の高齢者には震災や避難生活自体の刻んだ心身へのダメージもさることながら、地域住民の避難などで社会インフラが破綻した結果、日常生活上の負荷が増大したことの影響も考えずにはいられません。
買い物や身の回りのちょっとした作業なども地域の共同体内で頼んでいられたものが全て自分一人でやらなければならないとなれば大変だろうなと思いますが、ろくに燃料や防寒装備もない中で孤独な冬を過ごせば超過死亡も増えるだろうとは誰にでも理解出来る話で、こうしたことは別に原発事故に限らず激甚災害ではいつでも起こりえることです。
阪神大震災では6000人余の犠牲者に対して900人余(14%)の震災関連死があったと言いますが、認定基準の差や今後の増加も考慮しなければならないとしても2万余の犠牲者に対して1618人というのは比率としては顕著に多いものではなく、このままの水準で収束していくとすれば放射線問題も過剰に恐れる必要はないとも言えそうな数字です(無論、放射線の影響はもっと長期に見ないと判りませんが)。

詳細は今後の分析結果を待たなければなりませんが、放射能汚染そのものは世界中どこの国でもおいそれと対処出来ない大問題だとしても、実際に住民の健康に大きく関わるのは汚染そのものよりも事故に続発する様々な問題だったのだとすればどうでしょう?
もちろん現地では住民の心身のストレスが蓄積するなど数多くの問題が山積したままですが、目にも見えず耳でも聞こえず何かよく判らないが故になんだか怖そうだと感じがちな放射線への恐怖に比べれば、こうした問題の方がまだしも対処のしようがありそうだと思えて来ないでしょうか?
今回は原発事故だから手に余ると特別に構えてしまうのではなく、大部分のケースでは既存の知識や経験が十分に応用できるのだと考えて冷静に対処することが必要なんだと思いますね。

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コメント

ところで震災関連死の公的な定義ってどうなってるんでしょうかね?
補償なんかの絡みでかなり恣意的に認定されそうな気がするんですけど、その辺りどうなんでしょう?

投稿: ぽん太 | 2012年5月22日 (火) 10時15分

震災関連死1331人 統一基準なく自治体混乱
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/547986/

投稿: ちなみにこういうのもある | 2012年5月22日 (火) 11時07分

役所仕事の生保認定のいい加減さをみればこちらもさぞやと思いたくもなるんだが

投稿: aaa | 2012年5月22日 (火) 14時56分

もちろん被害者救済の考え方に立てばより広く認定された方がよいのでしょうが、公害問題なども末期はもうグダグダになっていますからね…
少なくとも補償とも絡む作業であればきっちりとした明確な基準に従った公平な認定が必要じゃないかと。

投稿: 管理人nobu | 2012年5月22日 (火) 15時23分

つか、あれだけ寄付金受け取ってまだ金もらう気満々?
んでその金でパチンコに精出すの?
これから先もずっと被害者として食ってくの?

投稿: あえて言う | 2012年5月23日 (水) 20時16分

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