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2012年5月

2012年5月31日 (木)

ご利用は計画的にするためにも、まずは正しく計画を立てる能力を養いましょう

先日こういう怖い話があったというのですが、ご覧になりましたでしょうか。

女性のツイッターに「殺す」…消防副士長逮捕/千葉(2012年5月29日読売新聞)

 千葉西署は29日、千葉市花見川区武石町、東京消防庁本郷消防署消防副士長、加藤正之容疑者(25)を脅迫容疑で逮捕した。

 発表によると、加藤容疑者は今月21日夜、県内の女性会社員(24)の簡易投稿サイト「ツイッター」に「殺す」などのメッセージを送りつけて脅した疑い。

 女性と加藤容疑者はインターネットのブログなどで匿名でやりとりをしていたが、昨年夏、加藤容疑者が突然女性の自宅近くに来て面会。怖くなった女性がブログを閉鎖するなどしたところ、ツイッターに脅す内容のメッセージが送られてきた。加藤容疑者は容疑を認めているという。

 東京消防庁広報課の湯浅達也課長は「職員が逮捕されたことは誠に遺憾。事実関係を確認し、厳正に対処する」と話している。

こういう事件に至った経緯ははっきりしませんけれども、昨今では公開された何気ない写真一枚から投稿者の身元が判明してしまうと言うケースも多々あって、今回のケースも思いがけない個人情報流出がこういう事件に結びついたと想像されますね。
世間の一部ではブログやツイッターの類を史上もっとも優れた馬鹿発見器だと揶揄する傾向がありますが、過去に数々の実例が示すとおりネット=匿名だと思って安心して書いていると思わぬところで個人情報が流出しているということはあるもので、利用者それぞれが基本的なネット利用のマナーというものをきちんと理解した上で使わないことにはどうしようもありません。
先日から話題になっている吉本芸人の生保受給に絡む騒動でも身内の芸人が言わなければいいのに…と思うような反応をして炎上していて、こういうのも含めて今の時代に求められる基本的なネットリテラシーの欠如と言うべきなのでしょうが、車が珍しかった時代に免許を取ったようなお年寄りがふらふら危ない運転をしているのと同じように危険な行為だという自覚が必要でしょう。
社会常識に基づいた発言内容の吟味ももちろんですが、十年一日で昔ながらの安全教育をするくらいならこうしたトラブルに巻き込まれる危険性の方がはるかに高くなってきているわけですから、小学校など初等教育の現場でも例えばシミュレーターなどを用意してきちんとしたネット利用のマナーを学ぶ場を用意してもいい時期じゃないかと思いますね。
そうした早期教育の必要性を示しているのが先日起こった小学生を巻き込む一連の騒動なのですが、捕まってみれば犯人も中学生だったというのですからネット教育をどれほど早く始めても早すぎるということはないとも言えそうです。

男子学生が小学生を脅して泣かせる動画がYouTubeに! フィフィがツイッターで怒り爆発!(2012年5月21日シネマトゥディ)

 男子学生が、ランドセルを背負った小学生の男の子を脅して泣かす動画がYouTubeにアップされたことに対し、タレントのフィフィがツイッターで怒りを爆発させた。

 「小学生に喧嘩をうってみた」というタイトルの動画が、YouTubeに投稿されたのは今月15日。動画は、黄色い帽子をかぶった小学校低学年らしき男の子に制服姿の学生が背後から近づき、体をぶつけ「おい! 痛えんだよ!」と言いがかりをつける様子を、友人が撮影。男の子が、小さな声で「ごめんね」と謝っても、男子学生は気にすることなく、しつこくどう喝。恐怖で立ちすくんだ男の子が泣き出してしまう場面で動画はストップしている。

 脅している学生も、様子を撮影している人物も、泣き出した小学生に対して笑うなどしており、あまりのひどさに動画のコメント欄には「人として最低です」などのコメントが殺到。炎上状態となり、インターネットの掲示板やツイッターなどで一気に拡散された

 2005年に長男を出産しているフィフィには、動画の中で泣き出した男の子に息子の姿が重なって見えたに違いない。自身のツイッターで、「これを野放しにする社会になったら終わり」と怒りをあらわにした。問題となった動画は、すでにYouTubeの利用規約違反で削除されている。(編集部:森田真帆)

「おい、いてえんだよ」 ネットに児童を泣かせる動画投稿 相模原市の中学生聴取、友人の笑い声も(2012年5月24日産経ニュース)

 相模原市内の中学生が小学生とみられる児童に因縁を付け、泣かせるまでの様子を撮影した動画がインターネットの動画サイトに投稿されていることが23日、分かった。ネット上では無抵抗な児童をいじめ、おもしろがる様子に対し怒りの声が殺到するなど物議を醸している。動画を問題視した学校側は23日、臨時の保護者会を開催。神奈川県警は軽犯罪法違反の疑いもあるとみて関係した生徒から事情を聴いている。

 問題の動画は約40秒。制服姿の男子中学生と、小学校の低学年とみられるランドセル姿の男児の2人が登場。歩いている男児に中学生が後ろから近づいて故意にぶつかり、「おい、いてえんだよ」と因縁を付ける姿が写されている。

 男児は途中、「ごめんね」と中学生に謝るが、中学生は「ごめんね? おい、いてえんだよ、おい」としつこく詰め寄ると、男児は泣き出してしまう。携帯電話での撮影とみられ、動画では終始、撮影者の中学生の友人と思われる人物の笑い声が聞こえる

 今月中旬に動画サイト「ユーチューブ」にアップされると、ネットユーザーの間で瞬く間に話題に。ネット掲示板「2ちゃんねる」などには「これはひどい」「絶対に許すな」という書き込みが相次いだ

 ネットユーザーは動画に登場する生徒の身元の特定に乗り出し、制服が類似していることなどから当初、都内の都立高校が浮上。「指導をしっかりしているのか」などの電話やメールが同校に多数寄せられたが、同校は「確認したところ、本校の生徒ではない」という文章をホームページに掲載、関係を否定した。

 その後、動画に写っている風景の特徴などから、相模原市内の中学校と特定。問い合わせの電話で事実確認した学校は、撮影に関係した生徒に個別指導を行うなど対応に当たっている。

 学校には動画を知った保護者から問い合わせが多く寄せられた。このため、同校は23日夜、全学年対象の臨時保護者会を開き、今回の騒動について説明した。

 県警津久井署にも22日、動画を見たという人から電話などの通報が数件あった。同署は動画を確認し23日、関係した生徒から事情を聴くなど捜査を始めた。

 相模原市教育委員会は「ネットに動画を出す以前に、小学生をいたずらしておもしろがることに指導の必要性を感じる」としている。

 甲南大学法科大学院の園田寿教授(ネットワーク犯罪)の話 「注目を集めたくて投稿したのではないか。動画投稿サイトの再生回数が増えると、『社会に影響を与えた』と快感を覚え、自分が情報の中心にいるように錯覚する。ネットは匿名だと誤解し、自分が特定されることはないという心理も働いている

 ITジャーナリスト、井上トシユキ氏の話 「スマートフォンの普及で、日記感覚でモラルが問われる動画を投稿する人が後を絶たない。一方、ネットでは画像に残された情報から投稿者を特定し、過剰なまでに追及しようとする動きもある。行きすぎた正義感といえ、自制も必要になるだろう」

馬鹿なことをやってネット上で公表するという心理もちょっとどうかという話なんですが、一連の経緯の時系列を見ていただいても判る通りそれを追求したのも身元を割り出したのも全てネット上での仕事というもので、学校や警察という表向きの権力はことごとくそれを後追いする形になったのも時代なんだろうなと思いますね。
さらに年長になってこれ以上馬鹿なことをやり出さない前に貴重な教訓を得られたという点でも当の中学生にとってもそれなりに意味があったと無理矢理解釈することも可能ではありますけれども、被害を受けた小学生にとっては全くのトラウマものであって、きちんとした事後のフォローアップがなされることを願うしかありません。
いずれにしてもここで注目していただきたいのはネット上ではささいなことのつもりでも炎上する時は一気に全国、あるいは下手をすると全世界レベルで炎上してしまうということ、そしてひとたびそうした事態に至れば徹底的に追求の手が伸び逃げ切ることは容易ではないということで、こうした現象をお隣中国などでは「人肉捜索」などと称し数々の怖い実例があるというほどネット世界共通の現象でもあるわけです。
無論これがいい方向に転がればネット上での真相追求がマスコミの仕掛けた情報操作を無効にしてしまうというケースもあり得るわけで、一例として先日取り上げました毎日放送記者が大恥をかいたという話題のマスコミ自身による報道を取り上げてみましょう。

橋下を激怒させた毎日放送女性記者 後日談(2012年5月19日ゲンダイネット)

 大阪市の橋下徹市長といえば、地元テレビはヒレ伏しヨイショの連続だが、その橋下を本気で怒らせた地元民放テレビの女性記者の株が上がっている

 橋下市長が激怒したのは、先週8日午前の番記者による囲み取材。大阪市で学校行事の国歌斉唱時に教職員の起立斉唱を義務づける条例が制定されたことをめぐり、毎日放送(MBS)の女性記者が市教委の職務命令などについて質問。すると、市長は「命令対象は誰なんだ」などとキレ始め、さらに質問しようとした記者を遮って「質問に答えなければ回答はしません」と声を荒らげた。記者が答えられないと「勉強不足で取材不足。事実も何も知らない。何も分かっていない」と面罵した。

 普通の記者なら、このへんで萎縮してしまうが、この女性記者の“肝っ玉”は並ではなかった

興奮が収まらない市長に『落ち着いてくださいよ』となだめたり、『質問から逃げるのですか』と挑発したり、まるで手玉に取るような感じでした。ベテラン記者だけあって、堂々めぐりの質疑を締めくくろうと『このへんにしておきます』と勝手に終わろうとして、最後まで市長をブチ切れさせていましたよ。よくぞ橋下に盾突いてくれた、リッパだという声が内外から上がっています」(別の民放テレビ記者)

 人の弱点を見つけたら、その一点を突破口に徹底的に叩く橋下のやり口は弁護士時代そのものだが、逆に反撃されるとムキになってやり返す。まさに子供のケンカだが、こんなやりとりを橋下はなんと30分近くも続けたのだから、呆れる。こんな男が次の総理候補? 冗談か寝言でしかない。

 ちなみに、市長に食い下がった女性記者は番記者と違う。MBSが特番として制作した「君が代条例」への取材と、春採用の新人記者研修の一環として市長の囲み取材に加わったそうだ。市長との舌戦後、新人記者たちにこんなアドバイスをしていたという。

こんな状態でも、ひるんじゃダメよ」――。

 橋下市長より大人だ。

いやしかし、見ようによってはこれ以上ない皮肉に満ちたネタとも言えそうな記事なんですが、ゲンダイの中の人はこれを真面目に書いてるんでしょうねえ…
無論こうした事態を予想して橋下市長は全てのケースで動画を撮影しネット上で公開もしていますから、我々はすでに当時の状況も世間の反応もゲンダイが主張するような状況にはなかったと言うことを知っていますけれども、これがネットの使い方も知らずゲンダイを手にすることしか出来ないような情弱世代であれば、たまたまこの記事を見てどのような印象を抱いていたかは想像に難くありませんよね。
考えて見ればこうしたケースは別に今に始まったことではなく昔から当たり前に行われてきたマスコミの伝統芸で、例えばサッカーの中田野球の野茂、あるいはイチローといったスーパースターもマスコミ嫌いだとさんざん言われていましたが、考えて見れば彼らもあくまでも捏造報道を繰り返す日本のマスコミに対する対応術を経験から学んだというだけだったのでしょうし、今ではその理由もすっかり明らかになってしまっているわけです。

話が脱線しましたがネットと言うのはそれだけ強力なツールで非常に便利な道具にもなれば身に危険を及ぼす凶器にもなりかねないということで、先日もジョークを記事仕立てにして人気を博している「虚構新聞」のネタを本当だと勘違いした人々が大騒ぎするというケースがありましたが、やはりここでも重要なのは「嘘を嘘と見抜けないと(ネット利用は)難しい」という大原則でしょうか。
先日はイギリスで9歳の女の子が「学校給食があまりにひどい!」とブログで訴えかけたところ国中で大騒ぎになり、給食も改善されたというニュースが取り上げられていましたが、それだけの力を大人と同様子供も自由に振るえる以上は単にネットを使えればいいというだけではなく、正しく使いこなさなければならないという点でも早期教育が必要なんじゃないかということです。
ネットが面白いからと調子に乗って自分が犯罪者になるのも馬鹿げたことなら、愚かしい勘違いや基礎的な知識の欠如から自分が誰かの迷惑になるのもまた困りものであって、まずはソースを確認し発言の根拠を得ていくという作業がネット利用の基本になるんだと思いますが、しかし考えて見るとこれはサイエンスの世界では昔から当たり前に行われてきたことであるというのも面白いことですよね。
そういう点でもネットを正しく利用する姿勢を学ぶということは、今や没落が言われて久しい科学技術立国日本の再興のためにも決して意味がないことではないと思います。

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2012年5月30日 (水)

何となく不安という気持ちも理解出来るだけに

近年では消費者も産地偽装ということにかなり神経質になってきていますが、お金を出して命の糧を手にする以上はそれがどんなものであるかを知っておきたいという心情は自然なものではないかとも思います。
そんな中で先日大阪でこんな産地偽装のニュースが出てきましたが、恐らく表に出ないだけで同様のケースは他にも多数あるんだろうなと想像されるケースではありますね。

牛肉産地偽装、元店長を逮捕…福島産など/大阪(2012年5月28日読売新聞)

 福島県産の牛肉の産地を鹿児島県産に偽装して販売したなどとして、大阪府警生活環境課などは28日、大阪市此花区の精肉店「福田屋此花店」(閉店)の元店長・沓掛博司容疑者(62)を不正競争防止法違反(原産地偽装)の疑いで逮捕した。府警は、東京電力福島第一原発事故の風評被害で売れ行きが落ちたためとみている。容疑を認めているという。

 同店は兵庫県伊丹市内の食肉販売会社が経営。発表では、沓掛容疑者は同区内のスーパーにある同店で1月、福島県産の牛肉を鹿児島県産と偽装表示して販売したなどの疑い。

 沓掛容疑者は府警の任意聴取に「福島県産では売りにくかった。偽装は単独で行った」と話していた。

 農林水産省によると、昨年7月、牛肉や餌の稲わらが放射性セシウムに汚染された問題が発覚し、福島県産の牛肉価格は3分の1にまで落ち込んだ。同店は同8月まで同県産などを「国産」と表示していたが、スーパー側から都道府県別の表示を求められたという。

 今年4月、同省近畿農政局の調査で、同店が昨年9月から今年2月まで福島や宮城県産を含む計約1・4トンの牛肉の産地を偽って販売していたことが判明。府警が同社など関連先を捜索していた。

 今回スーパーでの小売値がどうなっていたのかは判りませんが、3分の1とは言わずとも品質に対して格安価格であることをアピールして売るというのであれば消費者も自らリスクと利益を判断して選ぶことができるでしょうし、それでもあまり売れそうにないというのであれば最初から多くを仕入れないというのも当たり前の経営判断だったはずですね。
仮に格安で仕入れたものを産地を曖昧にすることで通常価格で売っていたというのであれば商道徳上もどうかという話なんですが、スーパー側でもわざわざ産地を明らかにするよう求めたというのは今回逮捕されたこととも併せて、もともと何らかの疑惑があったということなのでしょうか。
ここでは福島産食品の安全性について議論することが目的ではない以上あまり深入りしないでおきますが、世間的に福島産食品の人気が低迷しているという事実があることは受け入れなければならないでしょうし、需要と供給の兼ね合いで価格が決まってくるということは現代社会における流通の大原則ではあると思います。
世間であまり多くの需要がない中で生産力は回復しているとなれば供給過多から値崩れしてくるのは当然の理屈ですが、そのだぶつき値崩れしたものを仕入れ産地を偽って販売するとして福島が関わると通常の場合以上に余計な詮索を招いてしまうのは現状では仕方がないところなのでしょうか。

橋本商事がコメ産地偽装販売/長野(2012年5月23日中日新聞)

 駒ケ根市下市場のコメ卸売会社「橋本商事」が、福島、青森県産のコメを長野県産と偽って販売した疑いが強まったとして二十二日、県警生活環境課と駒ケ根署が不正競争防止法違反容疑で会社などの家宅捜索に乗り出した。県農政部も米トレーサビリティー法に基づいて文書で会社を改善指導したことを発表。県警などは、会社などから押収した関係資料を基に実態の解明を進める。

 橋本商事には午前九時前、駒ケ根署などの捜査員が到着。四十人態勢で事務所や隣接する倉庫兼精米所、社長宅などを午後一時まで捜索した。生活環境課によると、伝票や会計帳簿、福島県産と表示された米袋など百七十点を押収した。

 県農政部によると、二月八日に橋本商事を名指しして「長野県産米に東北産米を混ぜて売っている」との匿名の情報があり、同部は二月から三月末にかけて五回、立ち入り検査をした。会社側は「店頭に出ないと聞いたので安易に考えてしまった」とも説明し、偽装表示を認めたという。

 米トレーサビリティー法は二〇一〇年十月に施行され、県農政部は包装や伝票で正しい表示がされているかといった事前通告なしの立ち入り検査をしている。農林水産省によると、同法施行後、都道府県による改善指導は三例目で、産地の偽装表示の改善指導を公表するのは初のケースになった。

 駒ケ根市内のコメ販売業者からは「消費者の信頼を崩す行為で、許されない」と憤る声が聞かれ、市内の主婦(74)も「県内産というラベルだけが頼り。何も信じられなくなった」と厳しい表情を浮かべた。

 JA県中央会の担当者は「県産米の消費拡大に力を入れてきたので残念だ。農産物に対して国民の信頼を得られない事態に陥るのが一番心配」と語った。

 橋本商事の橋本英雄社長は二十二日、「消費者や取引先の皆さんを裏切る行為で、申し訳ない」と謝罪した。県警などの家宅捜索終了後、会社の事務所前で報道陣の取材に述べた。

 橋本社長などによると、今年一月に大阪府内の景品販売業者から長野県産あきたこまちの精米二十五トンを受注したが、さらに二十五トンの追加注文があり、十分な量を用意できない状態になった

 橋本社長は、既に長野県産米と表示した袋を用意していたことなどを挙げ「たまたま福島、青森県産が手に入ったので、魔が差してしまった」などとし、福島県産米などを意図的に偽るつもりはなかったと説明した。

 過去の偽装表示の有無を報道陣から問われると「今までは一切していない」とも語った。

コメ産地偽装の疑い 、駒ケ根の社長「風評被害避ける目的ない」/長野(2012年5月23日信濃毎日新聞)

 福島県産と青森県産を含むコメを「長野県産」と表示して販売したとして、不正競争防止法違反(原産地を誤認させる行為)の疑いで駒ケ根市下市場の米穀集荷販売「橋本商事」が22日、県警生活環境課と駒ケ根署の家宅捜索を受けた。橋本英雄社長は同日の家宅捜索後、取材に「放射能の影響で東北産の印象が悪いといった理由で長野県産にしたわけではない」とし、東京電力福島第1原発事故による風評被害を避ける目的はなかったと強調した。

 橋本社長は、長野県産あきたこまちの大口の注文が入ったが、「対応できる範囲を超え、他のものに手を出した。用意していた袋に『長野』と入っていたこともあり、魔が差した」と説明。入手できたあきたこまちが、たまたま福島県産や青森県産だったとし、「今回指導を受けた範囲でしか産地は偽っていない」と述べた。

 県農政部などの調べに対し、同社は当初5キロ入り5千袋(25トン)だった注文が約2倍に増え、長野県産あきたこまちの調達が難しくなったため、他県産を使ったと説明している。

これまたなぜばれたのかと言えば匿名の情報提供があったというくらいですから問題視している人が以前からいたということなのでしょうが、社長の言うことを信用するだけでも追加注文が入れば産地偽装をしてでも売るという姿勢であったわけですから、恐らく過去にも類似の行為があったのかと疑われても仕方が無さそうですね。
東北全般に関しては復興支援ムードもあってある程度消費の状況が安定してきた気配がある中で、福島産に関しては未だに需要の冷え込みが続いていますが、この際放射能汚染がどうといった詳細は抜きにしても需給バランス崩壊という偽装に走りやすい状況があるわけですから、抜本的な対策を講じなければいくら取り締まりを強化してもますます巧妙に産地偽装が繰り返されるだけだと思います。
その点で先年の宮崎の口蹄疫騒動では国が発生地周辺の家畜や加工品を全て買い上げたというのは非常によい判断だったと思いますが、結局売りたいが売れないという生産者と安く仕入れて高く売りたいという業者との間で闇の流通経路が成立するわけですから、こちらに流すよりも公的なルートに流した方が得だと思えるような条件を用意してでも需給バランスを是正していくしかないんじゃないですか。
リスク等全てを承知した上で福島産を望む消費者も一定数いるはずですから(実際割安感が受けて福島産米の業務用出荷は増えているようです)正規の販売ルートも確保しておく、そして過剰な生産分は公的に引き取ると言う筋道をつければ無用な混乱も避けられるでしょうし、下手な小手先の対策を繰り返すよりも結局は安上がりにもなるかも知れません。

無論そういうことに公費を投じるのはおかしいじゃないかと言う意見は出るはずですが、福島産を忌避する消費者にしてもその程度のコストは自らの心の平安のために負担することは許容できるという人も少なからずいるでしょうし、国が動かなくともある種の市民運動という形で出資者を募って流通分を買い上げていくことは可能でしょう。
もちろん出荷している産品はきちんとチェックは済ませていて実際上は安全には問題がないと考えられていますが、どうしても口に入れるのは不安があるというのであれば買い上げた分は飼料に転じるなりバイオ燃料に活用を図るなり、これまた単に廃棄してしまうよりは工夫の余地はありそうですしね。
もちろん買い上げ制の他にもうまいやり方は工夫できるでしょうし、生産者の方々にすればせっかく作ったものを妙な具合に消費されてしまうのに不平も不満もあるでしょうが、このまま福島産=ババ抜きのババのような扱いをされ続けるくらいなら風評被害ケシカラン!と是正を叫び続けるだけでなく、ここらでより実際的な解決法を考慮していくべき時期ではないでしょうか。

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2012年5月29日 (火)

どうでもいい不正追及ほど熱心な人達に言われても、ねえ…

先日当事者の謝罪?会見があったことで、不思議な沈黙を決め込んでいたマスコミ各社もようやく表立って報道するようになった吉本芸人の生保関連の疑惑ですが、一転してこれだけ議論になるところをみると少なくとも問題提起としての意義は非常に大きなものがあったように思います。
ただ見ていますとおもしろいのが当の芸人よりも告発役を務めた政治家の方に批判が向かっている向きもあるようで、片山議員などは脅迫紛いのことを言われたとも言い、さらには「芸人一人を吊し上げてどうするのか?おかげで本質的な議論が出来なくなったじゃないか」と批判をする人もいるようです。
ちなみにかねて御高名なこの社会学者氏を始めとして片山議員らの実名批判は個人のプライバシー侵害だ!と叩いている人もいますけれども、もともと匿名の疑惑報道が出る中でネット上での情報を後追いする形で実名報道が登場し、それを受けて片山議員らが問題の追求を行うようになったわけですから、これは事態の経緯を勘違いしているのかタメにする議論というものでしょうね。
片山議員本人に関して言えば以前から国会の場でも外国人生保受給者の問題を追及するなどこの方面で問題提起を続けてきた人物ですし、本質的な議論が云々と言う人間ほどなぜ今まで自分がこの問題についての本質的な議論を行わず放置してきたのか?というブーメランが帰ってくるというものですから、これは壮大な自殺点と考えておくべきでしょうか?

いずれにしても本質的な議論なるものを避けて通る訳にはいかないという点に関してだけは全くの同意であって、なんだかんだと話の矛先を変えて本質的議論から遠ざかろうとする人々は何かしら秘められた意図でもあるのか?とも勘ぐられそうな状況なのですが、面白いのはマスコミ各社の中でもこの問題に関してはいささか論調が分かれていそうな気配なんですね。
象徴的なのは同じ産経グループから出ているこちら二つの記事なんですが、まずは引用させていただきましょう。

法改正が不可欠、義務規定少ない“大甘”の生活保護法(2012年5月27日産経ビズ)

 厚生労働省と全国銀行協会が、生活保護認定にあたって金融機関の「本店一括照会方式」実施で合意する見通しとなったことは、生活保護費の不正受給防止に向けた前進といえる。

 ただ、これは申請者や扶養義務者の収入、資産を把握するため、社会福祉事務所が金融機関本店に対して全国の支店の口座照会を要請でき、それに金融機関側が自主的に応じるというものにすぎず、どこまで正確に収入や資産を把握できるかは不透明だ。

 問題は生活保護法29条の規定にある。同条は社会福祉事務所が金融機関に対し、申請者や扶養義務者の収入、資産について「報告を求めることができる」という規定になっており、報告を義務づける内容にはなっていない

 同条の改正について、厚労省は「民間機関に義務を課すのはいかがなものか」(担当者)と慎重だが、今や生活保護の不正受給急増は深刻な社会問題だ。生活保護費の年間支出は国家予算の3・6%まで膨れ上がっており、財政支出の無駄排除やモラルハザード(倫理の欠如)防止の観点から、生活保護の認定は厳正に行われるべきだ。

 人気お笑い芸人の河本準一さんの母親が最近まで生活保護費を受給できていたのも、扶養義務者の河本さんが高額な収入を得るようになったにもかかわらず、母親が居住する自治体の社会福祉事務所が、河本さんの収入を調査する手段も権限もなかったからにほかならない。

 また、河本さんは母親が受給した生活保護費の一部を返還する意向を示したが、生活保護法77条は「扶養義務者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県または市町村の長は、その費用の全部または一部を、その者から徴収することができる」としており、当然のことだ。しかし、この規定も自治体に徴収を義務づけてはいない

 このように、生活保護法は肝心な部分について義務規定が少ない「大甘の法律」だ。適正な生活保護制度に向け運用を見直すことも必要だが、その根拠となる生活保護法の改正は避けて通れない。(高橋昌之)

河本責められても仕方ないが…個人批判は選挙近しの“点数稼ぎ”?(2012年5月28日産経ニュース)

 先週末のテレビではお笑いコンビ「次長課長」の河本準一の顔が、いやというほど流れていた。母親の生活保護受給問題で、虚偽申告など不正はなかったものの一定の高収入を得るようになった後も受給が続いた。同様のケースは掃いて捨てるほどあるだろう。河本は人気芸人ゆえに、1人袋だたきにされた感じだ。

 良識が欠けていたのは確かで、責められても仕方ない。ただ河本の肩を持つつもりはないが、5~6年前から福祉事務所とも相談していたという。子が親をほったらかしにして、孤独死させる悲惨なケースも耳にする。親子の絆が弱まったいま、福祉事務所と相談しただけでもましな方だろう。

 この問題は女性週刊誌で匿名報道され、片山さつき参院議員がブログで実名批判した。「不正受給の抜け道を許さない」という姿勢はわかるが、国会議員とはいえ個人名を出すのは行き過ぎではないのか。いったん名前が出てしまったら、ことの本質の議論を抜きに雪崩を打って河本に批判が集中するのは当然だ。

 生活保護費は今年度で年間3兆7000億円が見込まれ、東京都のケースで親子3人家族が保護を受けた場合、住宅扶助と合わせ約24万円が支給されるとか。不正受給も増え続け、22年度は約128億円にも達した。月額6万5000円の国民年金生活者から見れば「バカバカしくてやってられない」と思えるだろう。

 片山発言は生活保護の実態に目を向けさせたが、元々政治が悪いからこうなったのではないか。不正受給が増えたのは自民党政権時代からという。失政を棚に上げ“飛んで火に入る…”とばかりの個人批判は、選挙近しの“点数稼ぎ”と指摘されても仕方ない。(サンケイスポーツ・今村忠)

産経ビズの記事はいかにして本質的問題に斬り込んでいくべきかという手法にも言及した内容で、全体的にもいつもの産経節だなと予定調和的な安心感すら漂うないようなのですが、これがサンスポの記者の書いた産経ニュースの記事になってくると事実誤認もさることながらえ?これが同じ産経グループの記事か?と思うような論調で驚いてしまいます。
この実名追求はケシカランという批判については数千万から下手をすると億単位の公費が使われた問題について、彼ら自身半ば以上公人と見なしてきた有名芸能人が大いに関与しているにも関わらず実名を出してはいけないと主張されるのであれば、当のマスコミこそ仕事上非常に支障を来すんじゃないかと思うのですが、単に有名人だからとそこまで彼らが犠牲を払うとも思えないだけに背後の事情に想像の余地はありますよね。
ちなみにサンスポの今村忠記者というのは以前からその独特の(突飛とも言いますが)主張によってちょっとした有名人だったと言いますから、今回のこともサンスポ等組織としての主義主張とはまた異なるものである可能性もありますけれども、いずれにしても「元々政治が悪い」ことを政治家自らが正そうと努力することも批判されるというくらいには、この問題はアンタッチャブルであったということでしょうか。

今回の件でも受給者支持団体の方々が批判的な声を上げているようですが、不正受給によって本来手厚い保護を必要とされる人々に手が届かなくなるとすればそちらの方が大問題であって、むしろ彼らの方こそこうした問題を厳しく追及していかなければならないはずではないでしょうか?
ともかく生保についてはすでに長期的なデフレ時代と勤労者のワープア化進行が続いたことによる望まざる結果として、生保支給水準よりもはるかに低い待遇でも十分暮らしていることが壮大な規模で実証されてしまいましたから、厚労相自ら支給額見直しに言及し野党自民党も10%の引き下げを求めるなどという話になっていますが、時代に合っていない部分は早急に改善していく必要があるでしょう。
そして何よりこうして一生懸命に「本質の議論が欠けている!」と主張している人々にはこれまで以上に本質の議論に熱を上げていく義務があるとも言え、彼らがこれからどのように本質的な改善策を打ち出してくるのかを我々も注目していかなければならないでしょうね。
何しろ今回ここまで言ってしまった以上は、彼らにしても単なる一芸人の問題にしてほとぼりが醒めればそれでいいのだと、何の本質的議論もないままフェードアウトさせるわけにもいかないでしょうから、彼らの手になる本質的内容を含んだ続報が今から楽しみになってきました。

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2012年5月28日 (月)

鉄は熱いうちに

日経メディカルに連載中の開業医夫人のコラムで、先日こんなことを書いていました。

◆はりきり院長夫人の“七転び八起き”「私だって重症だ! 何で後回しにする!」(2012年5月24日日経メディカル)より抜粋

 モンスターペイシェントという言葉を聞くようになってだいぶ経つ。多分に漏れず、当院でも問題患者は依然として多い

 一番多いのは、身勝手な理由で「診察順を繰り上げてほしい」とごねる人。先日も、急患が多く込み合っていた際、症状が安定している患者に、「急患の方が何人かいらっしゃいますのでしばらくお待ちいただくことになります。すみません」とわびると、「私だって重症だ! 何で後回しにする!」と、突然大声で怒鳴られた

 自分の見立てと院長の診断が異なると、不機嫌になる患者も増えた。インターネットの普及などで医療知識の入手が容易になった結果だと思うが、それが原因で「ヤブだ!」などと言われるのはたまらない。

 初診で「この薬を処方してくれ。ただし、診察・検査は不要」という人も増えている。無診処方はできないので断ると、文句を言われる

 こうした患者に共通するのは、思い通りにならない事柄への耐性が非常に低いこと。患者は皆、何らかの不安を抱えているわけで、こちらとしても可能な限り要望は受け入れようと思っている。ただ、最近は、疾患への不安が理由ではなく、ストレス発散が目的であるかのようなクレームも多い。背景には、医療不信もあるのだろう。
(略)
 「自分さえよければそれでいい」「損はしたくない」「特別扱いしてほしい」。そうした自分本位な患者に対してであっても、まず大切なのは、相手の言い分への傾聴の姿勢。じっくり聞き、落ち度があれば素直に謝り、改善への教えを請う。きちんと聞く前に不用意に反論すれば、まとまるものもまとまらない。

 ただし、理不尽な要求には、毅然とした態度で臨むことも大切だ。以前は、患者のクレームが原因で、窓口のスタッフがしばしば泣いていた。そこで院長が、「言いがかりのような内容で君たちを責める患者がいたら、遠慮なく自分を呼んでくれ。私がきちんと対応する」とスタッフに伝えたところ、彼女たちが泣く場面は減った。

 「院長の心強い一言で、毅然と対応できるようになりました。そのせいか、ヘンなクレームも減ってきたように思います」と彼女たち。理不尽な要望を安易に受け入れると、さらなる理不尽な要望を招き、結果的に他の患者に迷惑が及ぶ。それを防止するのも、立派な患者サービスだと思っている。

このモンスターペイシェントの特質の一つとして挙げられている「特別扱いしてほしい」というのは大変に重要なポイントで、ほとんどのケースで彼らの要求には多かれ少なかれこうした部分があるということは確かだと思うのですが、彼らがそうした行動を常習化させてきた背景というものも考えてみなければならないでしょうね。
究極的には昨今流行のトリアージという考え方に行き着くように、医療現場においては元々「具合の悪そうな患者は優先して対応しましょう」という暗黙のルールが存在していましたが、モンスター素因を持つ人々にとってこうした現場の対応は非常につけ込みやすいものであるということは想像に難くないでしょう。
医療に限らず客商売に従事する方であれば顧客に善意で便宜を図ったところ後でつけ込まれるという経験はあるものだと思いますが、医療現場においてこうした成功体験の積み重ねが彼らをさらに巨大なモンスターへと育て上げ、「早く診てもらいたいなら救急車を呼べばいいんだよ」などという馬鹿げた考えを固定化してきたとも言えそうです。
その意味で理不尽な要望に対しては毅然とした対応をしなければさらなる理不尽な要望を招くということは全くその通りで、自分が我慢出来るからと唯々諾々とモンスターを助長させる行為は他の患者や周辺同業者にとっても大いなる迷惑であるということですね。

さて、医療現場にモンスターペイシェントがあれば教育現場にはモンスターペアレンツありと言いますが、先日なかなか面白いことをやっているなと興味深く拝見したこちらの記事も、根っこの部分ではモンスター問題とも関係してくるようです。

クラス円満席替えソフト 神戸の教諭開発/兵庫(2012年5月25日神戸新聞)

 学校での席替えは、子どもにとっても教師にとっても重大な関心事。授業をスムーズに行うため自分で決めたい教師に対し、児童や生徒が不満を募らせることもある。双方が納得できる席替えにするため、神戸市の中学教諭がルーレット方式で席を決めるコンピューターソフトを開発した。生徒の評判も上々という。(吹田 仲、田中伸明)

 パソコンの画面に席の配置が浮かぶ。男子生徒が自分の名前を選んでボタンを押すと、空いた席の中を名前がルーレットのように動く。再びボタンを押すと、後ろから2列目の右端に名前が止まった。生徒は「おっ、やった!」と大声を上げた。「ええなあ」「くそっ」。画面は黒板にも映し出され、クラス全員が結果に一喜一憂する。

 神戸市立本庄中学校(同市東灘区)では毎月1回、朝のホームルームで席替えがある。寄木康彦教諭(51)が担任する2年生のクラスでは、同教諭が制作したパソコンソフトで席順を決める。

 席替えの目的は気持ちや人間関係の切り替えだが、寄木教諭が決める際に重視するのは「生徒の納得性」。それがないと円滑な授業がしにくくなるという。くじやあみだも試したが、前任校時代の10年ほど前にこのソフトを開発し、以来自分のクラスで利用している。

 目が悪かったり、授業を前で受けたかったりする生徒のため、あらかじめ配置条件を入れることもできる。「自分で選んだのでどこに決まっても文句は言いにくく、前向きに勉強に取り組める。このやり方が最も落ち着く」と寄木教諭。

 前寄りの席に決まった女子生徒は「先生との距離が近いので落ち着かないけれど、自分で押した結果だから」とあきらめ顔で話していた。

 「最近、席替えにますます神経を使うようになっている」。多くの教諭が口をそろえる。背景には、私語が多いなどで授業が成り立たない「学級崩壊」の引き金に、席替えがなり得るという事情がある。

 「生徒に選ばせるなんてあり得ない。にぎやかな生徒同士がくっつくだけ」と県内の20代女性教諭は断言する。「くじ」と称して、実は教師が席を決める例も多い。

 一方、思春期の子どもたちは席替えの「公平性」に敏感だ。教師側がコントロールしようとすると反発することが多い。加古川市の小学校で5年生を受け持つ30代男性教諭も「くじの結果は尊重する。そうしないと児童は納得しない」。

 席替えの効用を説く声もある。姫路市の中学校の40代女性教諭は「目標達成などクラスに良いことがあったら席替えをしている。全体のモチベーションを高められる」と強調する。

 一方、席替えに神経質になる理由には、保護者の関心の高さもある。ある女性教諭は「『あの子を隣にしないで』という苦情もある。席替えの結果は、学級通信で保護者にも必ず知らせています」と打ち明ける。

席替えというのもなかなかに重要なイベントで、もちろん物理的に黒板が見えにくいだとか言った諸条件は考慮すべきなのは仕方ないとしても、一昔前によくあった(今もあるのでしょうか?)「背が高いから後ろの席」なんて決め方は席順の固定化を招き、非常に大きな不公平感をもたらしがちなものです。
やはり生徒本人としては何よりもきちんと公平に決められているかということが気になるのは理解出来ますし、近ごろよく言う教室崩壊回避のために教師が席順をコントロールするなんてことが生徒の側にバレてしまった日には、不平不満もさることながら教師への不信から結局は教室がさらに荒れる原因ともなりかねません。
PCでの席順決めではもちろんその気になれば判らないように席順を操作することも出来るはずなんですが、ここで重要なのは実際に公平であるかどうかというよりも生徒の側から公平に見えるかどうかであって、その点では記事から刷ると今のところそれなりに信用を得ているようですね。

ただここで注目すべきなのは保護者が絡んで不公平な要求をしてくるようだと非常に話が面倒になってくるということで、特定個人を指して「あの子を隣にしないで」などと言ってくる方も来る方ですが、そういうことを受け入れているといずれ必ず生徒の側にも伝わっていくものです。
不肖管理人もかつては「あの子と同じクラスにしないで」と散々要望されてきた側だからと言うわけではありませんが、親がそうした態度に出て成功したとなれば子供もそれにならうものであって、あの親はクレーマーだから席順くらいなら言う通りにしておこうと事なかれ主義のつもりでいると、むしろかえって教室が手をつけられない状況になりかねません。
結局ここでも結局最重要となるキーワードは公平性だということは共通であって、理不尽な要求には毅然として対応するという大原則を貫くことが結局はさらなるクレームを減らし、教室環境を健全なまま維持するための大原則であると言えそうです。

そもそも子供達が何故公平性を重視するのかと言えば不公平な扱いをされるのが嫌なのであって、自分が得したと言うことは素直に受け入れても損をしたという事には敏感であるというのは、ともすれば人と同じ扱いは最低限の当たり前で、いずれ人よりもいい扱いをしてもらわなければ満足出来ないということにもつながっていきかねません。
とすれば、公平性を求める生徒達が将来不公平や依怙贔屓を要求する歪んだ大人に育っていかないようにするためにも、まずは学校現場において誰に対しても公平に扱うということを徹底して、理不尽な要求であろうが希望を強引に押し通すのが当然などという勘違いを起こさせないことが重要ではないでしょうか。

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2012年5月27日 (日)

今日のぐり:「生そば やぶ」

ご存知のように先日の金環日食では各局手厚い報道体制で対応していましたが、そんな中で新たな伝説の1ページを書き加えたのがご存知「ブレない」テレ東です。

「ブレない」「さすが」の声……金環日食ピーク時もテレビ東京は「しまじろう」(2012年5月21日RBB TODAY)

 21日早朝から始まった“金環日食祭”だが、各テレビ局も朝の情報番組で日食中継を行なう中、テレビ東京だけは通常通りアニメを放送。「ブレない」「さすが」と話題になっている。

金環日食ピーク時の各局キャプチャー画像

 日本各地で見られる天体ショーは、各テレビ局も九州から東北まで各地から中継を行うなど総力取材で取り組んだ。テレビ東京も7時30分までの情報番組では、通常番組の中に中継画面を挿し込んでいたが、7時30分からのアニメはそのまま放送した。

 大事件や災害の際なども、テレビ東京は特別番組体制はなかなかとることはなく、そのたびに話題となっていたが、今回もその“揺るぎない”姿勢は変わらなかった。Twiterや2ちゃんねるなどでは、このことが話題となっており、東京などが金環日食となっていた7時35分前後の各局の模様をキャプチャーした画像が「テレ東さすが」「ブレない」などのコメントとともに多数リツイートされている。

 直前の情報番組に生出演していた小島よしおもTwitterで「おはスタ終了直後演者スタッフダッシュでテレビ東京9階に行き 金環日食鑑賞! 一番声をあげて興奮してたのは 山ちゃん校長でした」とツイートしており、テレビ東京にいた人たちは日食鑑賞に走っていたようだ。

テレビ東京の数々の伝説についてはすでに各所で取り上げられてきた通りですが、戦争が始まろうが総理が辞任しようが通常放送を続けるというくらいですから、今さら日食くらいで騒ぐはずもないということなんでしょうね。
今日はテレビ東京のブレない姿勢に敬意を表して各地から日食にまつわるニュースを取り上げてみたいと思いますけれども、特に注目されるのが各地で動物の奇妙な行動が観察されているということですね。

興奮した? サルが木から下りず 愛知・犬山市/愛知(2012年5月21日産経ニュース)

 サルの博物館や動物園がある愛知県犬山市の日本モンキーセンターで21日、金環日食を観察しながらサルの反応を楽しむイベントがあった。

 イベントでは平成21年の皆既日食でも反応を見せた、キツネザル科のワオキツネザルに注目。

 太陽が一部欠けた午前7時ごろ、いつもは地面に下り“朝食”の草を食べる時間帯だが、木に上がったまま下りてこなくなった。日食が進んで太陽がリング状になると、興奮気味に木から木へと跳び回る行動もあった。

 飼育員の佐藤百恵さん(27)は「太陽に熱量がないと感じたのか、朝にはみられない活動をした」と話した。

 同センターで飼育される約70種類のサルのうち、金環日食に反応したのはワオキツネザルだけ。21年7月22日午前にあった皆既日食では、鳴きながら寝床に集まった。

日食を観察するのではなく日食を観察する猿を観察するというのもなかなか不思議な構図ですけれども、やはり動物なども異常現象であると感じているということなんでしょうか?
こちらなどは日食を観察していたのかどうか微妙なところですが、何にしろ出てきて欲しくない生き物も出てきたという話題ですね。

クマも日食観察?…高台に2本足で立つのを目撃/静岡(2012年5月22日読売新聞)

 21日午前7時45分頃、静岡県富士宮市人穴の牧草地にクマがいるのを、同市内の女性が目撃し、富士宮署に通報した。

 クマはツキノワグマとみられるが、体長などは不明。同署は近隣の小中学校や住民に注意を呼びかけている。

 同署によると、女性は金環日食を見るために牧草地の高台に来ていて、約100メートル先でクマらしい黒い動物が2本足で立つのを見たという。

牧草地と言うくらいですから動物もいるのでしょうけれども、獲物を狙ってのこのこ出てきたところにこの怪異に遭遇した熊の心境やいかに?というところでしょうか?
逆にあまり影響を受けていない動物もいたらしいということで、今度はこちらの動物園の話題を紹介してみましょう。

金環日食に動物反応なし…ズーラシア空振り。ニワトリだけコッコッ/神奈川(2012年5月21日ワイドショー通信簿)
より抜粋

(略)
木漏れ日観察は雲ではっきり写らず

   動物がどうなるかというので、大竹真レポーターは横浜の「ズーラシア」へ行ったが、金環日食というのは意外に明るく、動物の動きなし。日テレ前にも、アカカンガルー、ケープペンギン、ライオンなどを置いて、こちらは西村綾子レポーターがウォッチしたが、ニワトリがコッコッと鳴いただけ。

   残念だったのは、地上の木漏れ日が作るリングが雲のせいではっきりしなかったこと。穴の開いたボードをかざすと、たしかにリングはできたが、自然に揺れる木々の木漏れ日がリングになってキラキラを光るところは見られなかった。

   次の金環日食は2030年の北海道だそうだ。18年後、テリーは「生きてないかも」とやや弱気。加藤は「ボクは61歳だから見れますね」

こうして見ると太陽の視覚的な変化と言うよりも明度の変化だけに反応しているのか、それともカンガルーやペンギンが鈍いというだけなのか、やはりそういう部分では霊長類の方が敏感ということなのでしょうか。
海外からも日食絡みでニュースが出てきていますが、さすがにそれはどうなのよ?と思わないでもないのがこちらの事故です。

米国で対人事故、ドライバーは無罪放免…理由は「金環日食がまぶしくて」/米(2012年5月22日レスポンス)

21日朝、日本中が大きな盛り上がりを見せた金環日食。海の向こう、米国西海岸では、交通事故を起こしたドライバーが、金環日食を理由に無罪放免となる出来事が報じられている。

『CBSニュース』によると、この事故は20日の19時ごろ、サンフランシスコで発生。26歳の女性ドライバーが運転する車両が、横断歩道を渡っていた親子と接触事故を起こしたのだ。

この事故で、母親は軽傷だったものの、10歳の娘が腕の骨を折る怪我を負った。

現場に駆け付けた警察官に対して、運転していた女性は、「金環日食がまぶしくて、親子が見えなかった」と証言。このため警察は、ドライバーを検挙したり、反則金を科すことを見送ったという。

日食と言えばむしろ平素よりも太陽のまぶしさは軽減されるでしょうから、普段事故った時に太陽がまぶしくてという言い訳が通用するか?と考えるとどう見てもその言い訳は無理があるとも思うのですが、恐らく保険等による金銭的な補償がきちんと行われるという前提で行政罰の対象とはしないという判断なのでしょうかね。
最後に取り上げますのはこちらのニュースなんですが、まずは記事をご覧いただきましょう。

【かわいすぎ】溶接マスクを使って金環日食を観察する少女の写真が可愛すぎて猛烈な勢いで世界へ拡散中(2012年5月22日ロケットニュース24)

2012年5月21日の朝、日本各地でもバッチリと観測できた金環日食。日食用のサングラスを片手に空を見上げ、感動した人も多いだろう。

日本のみならず、世界各地で観測された日食写真はネット上に多数アップされているなか、日本で撮影された一枚の写真が「あまりにもかわいすぎる」として世界的に拡散しつつある。

話題の写真は、ふたりの少女が鉄工用の溶接マスクを使って金環日食を観察しているというシーンである。TwitterやFacebookでも拡散していたので、見たことのある人もいるかも知れない。

現在、こちらの写真は海をわたって海外の有名画像サイトにも転載されており、多くの海外ユーザーも「メチャかわいい」「キュートすぎる!」とメロメロになっている状態だ。

それにしてもカワイイ。完全にカワイイ。世界に通用する、文句なしの奇跡的なカワイイ写真。これぞまさに「かわいいのら状態」である。

拡大版でどうぞ。文句なしにカワイイ!

どんな不思議な生き物なんだよ!と思ってしまうような写真なんですが、なんでしょうこの必死で重そうなマスクを掲げているところが微妙に何かを刺激するのか、すでにaaからイラストまでてんこ盛りの大人気状態になっているようですね。
ちなみに溶接用のマスクは紫外線等の防御力は強いものの赤外線はあまり防いでくれないということで、夏の盛りに太陽を観察するのに用いるには注意した方がいいのかも知れませんね。

今日のぐり:「生そば やぶ」

岡山市街地から30号線を南に下っていくと、田園地帯のただ中にぽつんと立っている小綺麗なお店がこちら「やぶ」です。
結構よいお年頃の御夫婦らしいお二人でやっている割に新しい感じの店構えだなと思っていたのですが、どうも新規開店というわけではなく旧店舗から新築したということのようで、それなりに歴史はあるのでしょうかね。
何しろ蕎麦屋で「やぶ」と来ればおおっと思わずにはいられないというもので立ち寄ってしまったのですが、しかし看板を見ますとめん処とも書いてあったりして、実際にうどんもあったり昼は定食系が中心であったりと微妙な感じがしないでもありません。
実際に店内はいかにもこだわりのなさそうな年配のグループ客がほとんどで、濃いメンツの集う本格的蕎麦屋というよりはやはり郊外の幹線道路沿いの食べ物屋という性格になるのでしょうか。

とりあえず初訪店として無難にざるそばを頼んで見たのですが、しかし地域の相場相応という感じの定食系や他の単品蕎麦メニューと比べても妙にざるだけが割高な印象で、出てきたものを見ても盛り具合は控えめ(さらに大盛りにしたりすると軽く1k越え)と、この辺りのバランスは妙に「やぶ」っぽいんですかね?
見たところ丁寧な細打ちに仕上げてあるなかなか見目麗しい蕎麦で、やや硬めの食感でしゃっきりした喉越しも及第、強いて言えば香りがいいんですが時期的にさすがに少し弱いかな?というところで、きちんと新蕎麦の時期に食べるとさらにいい具合に楽しめるんだろうなと想像されるような蕎麦ですよね。
割合に特徴的なのは蕎麦ツユの方で、トロリとした濃厚さ、しっかりした出汁の味などはいいんですが食べてみると返しがかなりはっきりとした甘口なのが特徴のようで、個人的にはこの蕎麦との相性も悪くないと思うのですが好みは分かれそうですし、並木藪蕎麦のようにちょい付けで食べるという濃さではありません。
そしてさほど味が強くないとは言ってもこの蕎麦ツユが比較的大振りの器にたっぷり入って出されていますから、これではせっかくいい具合に味が出ているナチュラルタイプの蕎麦湯も辛すぎて十分に味わえないというもので、この辺りはわざわざそれなりの値付けにしてあるのであればもう少しこだわってもよさそうに思いました。

接遇面では田舎のおじちゃんおばちゃんのやっている昔ながらのお店という感じで、一応幹線道路沿いに今風の店構えに仕立てた割には愛想はないんですが、それよりも気になったのはいくらセットメニュー中心と言っても蕎麦屋なら冷水よりもお茶あるいは蕎麦茶がいいんじゃないかと言う点で、しかも何故かオーダーした後から追加でお茶も出てきたのですが店の雰囲気や客層からもこっちがデフォルトでいいのでは?と思います。
ちなみにトイレはこうした土地でよくあるタイプの先に水を貯める簡易水洗式なんですが、比較的スペースにも余裕のある洋式で小綺麗にはしていますから年配の団体客にも利用しやすいでしょうかね。
しかしせっかくまともな蕎麦を出しているのに昼はセットメニューがお得、と言うよりもセットメニューを頼んでくださいという感じの売り方のようですが、確かにこのダシで煮た丼ものはどんな味になるか食べてみたい気はしますし、コストパフォーマンスもそちらの方がずっといいわけですから、あるいは蕎麦は腹を膨らませるものではないということをメニュー構成上も主張しているのか?というのは少しばかり深読み過ぎるでしょうか。

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2012年5月26日 (土)

吉本芸人謝罪会見は単なる入り口

このところ久しくネット上で話題になっていた吉本のお笑い芸人の親族による生活保護不正受給疑惑ですが、とうとう芸人本人が謝罪会見を開いたと言うことで、今まで関係方面に配慮してかスルーを決め込んでいた一般マスコミも一斉に報道するようになったというのが面白いですよね。
この件を巡っては昨今何かとデリケートな話題である生保絡みであるということもさることながら、疑惑に対する本人吉本、あるいは親族側の対応ぶりが火に油を注いでいた印象もあって、ネット上での大炎上に結びついた結果スポンサー企業のサイトからも同芸人の写真だけが不自然にカットされるなど、人気商売であるならもう少しうまく対応出来なかったのかなとも感じてしまいます。
一部政治家がこの問題に対して積極的に活動していたことを指して「次の選挙で実績を作り、有権者にアピールしようというのが見え見えだ」なんてことを言う人もいるようですけれども、基本的には実績を作って有権者にアピールするのは政治家の当たり前の仕事でもあり、何も非難されるにはあたりません。
ただ芸人一人を吊し上げて終わりでは全く意味がない話で、何しろ昨今こうした社会保障の問題が大きく取り上げられるようになっているのは決して日本だけの話ではないわけですね。

サムスン電子会長、日本と欧州の景気悪化を語る/韓国(2012年5月25日朝鮮日報)より抜粋

 サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は24日、3週間にわたる欧州・日本出張を終えて金浦空港に到着し、日欧の経済状態について「欧州や日本の人々は全般的に仕事を拒み、国に福祉を期待しすぎるため、景気を悪化させている」と述べた。
(略)
 欧州から帰国する前に日本を訪れた李会長は、日本の景気低迷についても懸念を示し「日本もまた、景気低迷と今後迫ってくる危機が強く懸念される」と述べた。

 李会長は「帰国直前に日本を訪れ、さまざまな人たちに会って日本の経済状況について聞いた。日本も昔と違ってかなり厳しい状況で、今後も困難が続きそうだと非常に心配している」と語った。これは、このところソニーやパナソニックなど日本を代表する家電メーカーがテレビ事業の縮小・撤退に踏み切るなど、困難を極めていることを念頭に置いた発言とみられる。
(略)

欧州でこのところその行方が注目されているギリシアなども先日建国以来初めて公務員を数えてみたら四人に一人が公務員で驚いたなんて笑い話のような公務員天国ぶりが言われていますが、これなど元々はどうせ生保で食わせるなら公務員にして働かせた方が得じゃね?と調子に乗ってどんどん公務員にしていったところが既得権益化し、今やその処遇を改めることもままならなくなったわけですよね。
それは四人に一人が公務員ならその不利益になるような改革を訴えても選挙で勝てないというものなんですが、同様に生保受給者が史上最多を更新し続け決して少数派とは言えなくなってきた日本においても、いつまでも例外的少数扱いをしていては道を誤る可能性があるということではないでしょうか。
特に冒頭のケースにも見られるように生保支給の審査が非常にザル化しているということはしばしば指摘されながら、マスコミなど進歩的な方々の援護射撃もあって一向に改まる気配もなくここまで来ていますけれども、その結果不正受給のケースが増えているばかりではなく生保と貧困労働者層との逆転現象から、若年層の間で働くのは損だという考え方が蔓延しつつあるのが非常に懸念されます。

“生活保護”むさぼる在日外国人!悪質すぎる不正受給の手口とは(2012年5月24日zakzakニュース)より抜粋

 売れっ子お笑いコンビ、次長課長の河本準一(37)の母親が受給していたことで、生活保護制度のいびつな現状が明らかになっている。だが、制度につけ込むのは日本人だけではない。在日外国人による不正受給も急増しているのだ。実は定職を持ちながら、生活保護のほか別の福祉手当との二重、三重取りをして“年収”600万円という世帯もある。関東のある都市には、不正行為に手を染める外国人が集まる団地も存在。日本の福祉制度がしゃぶり尽くされている。

 「何でもらえるものをもらわないのか理解できない。日本人はどれだけ間抜けなのか

 男性A(26)は笑いながらこう語る。

 両親ともに東南アジア出身の在日外国人2世で、妻と子の3人暮らし。製造会社の正社員として働いている。愛車は、新車価格約300万円の国産車。何不自由ない生活を送りながら、その懐には国から毎月決まった額の“お小遣い”が入ってくる

 「妻が去年から生活保護を受けているんだよ。児童手当やほかの福祉手当を合わせて月20万円が丸々入ってくる。僕の給料と合わせると(月の世帯収入は)50万円ぐらい。年収にすると600万円以上になるね」

 本来、生活保護は「生活に必要な収入を得るだけの労働が不可能」な人のみが得られる福祉制度だ。家族を養えるだけの定職を持つAは、この条件に当てはまらず、紛れもない不正受給になる。なぜこんなことが可能なのか。

 「妻とは離婚してるんだ。といっても、書類上の話。偽装離婚ってやつだよ。役所に妻に『子供を抱えて生活できない』って訴えさせたら、すぐに(生活保護の)受給が認められたよ」

 形式上は離婚になっているため、妻子は別のアパートを借りている。だが実際には、そこに住まず、普段はAの自宅で同居している。

 月に1回、ケースワーカーの訪問があるが、Aは「事前に連絡がくるからその時だけ(妻子が)アパートにいればいい。ごまかすのは簡単だよ」とうそぶく。

 関東のある都市に住む彼の周囲では、組織ぐるみでカネをだまし取る不正がまかり通っているという。Aが続ける。

 「僕が住む団地の入居者はほとんどが外国人。中国人やインド人もいるけど、一番多いのが同郷(東南アジア)の人間だよ。300人は下らない。で、そのほとんどが生活保護をもらっているよ」

 生活が困窮し、やむなく受給する外国人もいるだろう。だが、Aと同じような方法で取得しているとしたら、紛れもなく詐欺だ。
(略)
 まさに無法地帯。なぜ、こんな現状が野放しになっているのか。

 「給付審査にあたるケースワーカーが圧倒的に少なく、不正をチェックする監視態勢が機能していない。1人で80世帯をカバーしており、その倍以上の案件を抱える者もいる。人手不足で業務を非正規雇用の職員が担当し、『調査したら受給者のほうが高給取りだった』という笑えない話もあるぐらい。健全な制度運用ができる態勢を早急に整えないといけない」(道中氏)
(略)

“生活保護”モラル崩壊!若者が不正受給でグーダラ生活(2012年5月22日zakzakニュース)より抜粋

 年収数千万円を稼ぐ人気お笑いコンビ、次長課長の河本準一(37)の母親が受給していたことで、議論の的となっている生活保護制度。なかでも問題視されるのが、若年層(10~30歳代)の受給の急増だ。彼らは制度を「ナマポ(生保)」と呼び、インターネットの掲示板で受給方法の情報交換を頻繁に行う。「精神疾患を装って不正に受給するケースもある」(関係者)というから言語道断だ。若者たちのモラルが、音を立てて崩れ始めている。

 「抵抗なんて感じませんよ。『もらえるもんは、もらっちゃおう』ぐらいの感覚ですね」

 関西のとある港町。古びたマンションの一室で、男性A(29)は、こともなげに言い放った。

 20歳からナマポを受け始めた。月額約13万円の保護費が主な収入源。これまでに定職に就いたことはない

 現在のような生活を送るようになったのは、精神科の病院を受診したことがきっかけだ。

 「『気分が落ち込んでしようがない』って言ったら、鬱病と診断されちゃって。本当はそこまで深刻じゃなかったんだけど。これからどうしようかな、と思ったときに友だちが、ナマポ受給の方法を教えてくれたんです」

 友だちからは、まず精神障害者保健福祉手帳(通称・障害者手帳)をもらうことを勧められた

 障害者手帳は「精神保健福祉衛生法」に基づく制度で、条件を満たせば、基礎年金(年額1級98万3100円、同2級78万6500円)の受給などさまざまな福祉サービスを受けられる

 ただ、ナマポの年間受給額より下回る場合があるため、障害年金は受けずに、この手帳があることで通りやすくなる生活保護制度を利用する…。

 実際、Aはこの手帳を得て、ナマポの受給者になった。

 「ナマポだと、年額100万円以上の“収入”が期待できるし、医療費や介護費、さらにはNHKの受信料、住民税、国民年金までもが免除される。だから(障害年金より)圧倒的にお得。医師の診断書があれば(障害者)手帳は比較的簡単にもらえる。手帳があれば、ナマポは受けやすく、手っ取り早いやり方だよ」(A)

 ネットでは、このような不正受給のノウハウの情報交換が盛んに行われている。なかには、マニュアル化して「冊子として販売しているケースもある」(ネットユーザー)から驚かされる。

 関東在住の男性B(27)も制度の不備を突いて、3年前から不正受給を続けている。

 「全身に入った入れ墨のおかげだね。手や首もとにも入っているから服では隠せない。『これじゃあ、まともに働けません』って言ったら受給がすんなり認められた。同じようなケースは結構あるみたいだよ」

 Bは、不定期で入る土木関係の仕事で臨時収入を得ている。報告義務があるが、「給料は取っ払いでもらってるからいちいち申告しない」と平然と語る。
(略)

モラル(道徳)の衰えるところモラール(士気)の低下ありで、真面目にやっているのに報われずにいる人から見れば「やってられない」ということが当たり前になってくると、誰も真面目に働こうなんて思わなくなるのも当たり前ですよね。
昨今は何でも情報共有が早くてシステムの穴がすぐに共有されてしまうのも良いのか悪いのかですが、逆に言えばそこに穴があるとこうして周知されているのに何ら対策を打ち出せないままでいるのは、行政の怠慢ではなかったかとも言われかねないということでしょう。
政治家の方々も名の知れた個人を吊し上げて自分はこんなに立派な仕事をしているんだとアピールするよりも、制度制定に関わる立場として自分達本来の仕事をしていく方が本来の実績と言うもので、芸人にカメラの前で頭を下げさせたからこれで終わりという話ではないはずですよね。

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2012年5月25日 (金)

東邦大で大規模な論文捏造が発覚

これまた本題に入る前の余談ですけれども、先日職員の刃傷沙汰で話題になっていた夕張診療所の村上医師が所長として責任を取る形で辞任したということです。
事件そのものについては色々と噂も流れてきますけれども、夕張市としては何かと軋轢も多かった村上医師が辞めて胸をなで下ろしているだろう反面、今後の診療所運営がどうなるかという点では頭が痛いところかも知れませんね。
しかし村上先生も色々と言われるところは多い人ですが、夕張も辞めることになって結局何で食っていくつもりなんでしょうねえ…

余談はそれくらいにして本日の話題を紹介してみたいと思いますが、夕張に限らず最近妙に医師の絡んだ事件が多いような印象もある中で、これはさすがに同情の余地無しと思えるのがこちらの事件です。

東邦大元准教授 論文ねつ造の疑い(2012年5月23日NHK)

東邦大学の元准教授の麻酔科の医師が、国内外の学術雑誌に発表した193の論文にねつ造の疑いがあるとして、日本麻酔科学会が調査していることが分かりました。

学会がねつ造の疑いで調査しているのは、東邦大学の元准教授で52歳の麻酔科の医師が、去年までの21年間に国内外の学術雑誌に発表した193の論文です。
日本麻酔科学会によりますと、イギリスの研究者がこの医師の論文を統計的に分析し、「患者の年齢や身長、体重、それに血圧などの数値が特定の範囲に集中し、異常だ」と指摘したため、ことし3月、学会に特別委員会を設け、在籍した医療機関や共同研究者に聞き取り調査などを行っているということです。

一方、東邦大学では去年、論文に不審な点があるという指摘が寄せられたため、この医師が准教授として在籍中に発表した9つの論文を調査したところ、8つで国の指針で定められた倫理委員会の承認を得ていなかったことが分かり、ことし2月に諭旨退職の処分にしたとしています。
大学の調査に対し、医師は「論文のデータはすでに処分した」などと説明し、ねつ造は否定したということです。

日本麻酔科学会で調査を担当する長崎大学の澄川耕二教授は「日本の研究者に対する信用の問題でもあるので、きちんと調査して、来月中に結果をまとめたい」と話しています。

東邦大医学部の元准教授、193論文捏造の疑い(2012年5月23日読売新聞)

 東邦大学医学部の元准教授(52)が、国内外の専門誌に発表した193本の論文に捏造(ねつぞう)の疑いがあることが23日わかった。

 元准教授が会員である日本麻酔科学会は調査特別委員会を設置、捏造の有無の調査を進めている。これほど多数の論文について不正が疑われるのは極めて異例

 論文は1991~2011年に発表され、内容は、麻酔薬を使った患者に対する吐き気止めの薬の効果などを調べたものだった。

 東邦大によると、元准教授は、05年から同大で麻酔科医師として勤務していたが、11年8月、元准教授の論文について「異なる臨床データに基づく別の論文なのに、患者数が同じなど不審な点がある」といった指摘が寄せられた。同大が元准教授に対して論文データの根拠を求めたところ、「既に処分した」などと説明、捏造は否定したという。

医学論文193本、捏造の疑い 東邦大准教授、退職処分(2012年5月23日朝日新聞)

 日本麻酔科学会員の麻酔科医が国内外の専門誌に発表した論文に捏造(ねつぞう)の疑いがあるとして、学会が調査していることが23日、わかった。対象は共著のものを含め23の学術誌に掲載された193の論文。この医師が准教授として在籍していた東邦大学は2月、8本の論文に関する研究について倫理規範違反があったとして、諭旨退職処分にした。

 学会が調査しているのは、元東邦大学准教授の藤井善隆医師の論文。海外の複数の専門誌が「データに捏造の疑いがある」との論説を掲載したことを受け、学会が3月に調査特別委員会を設置。藤井医師が1991年以降に在籍した医療機関に聞き、論文の根拠となった症例が実在したか調べている。藤井医師は不正を否定しているという。

 捏造の疑いを2月に指摘した英国の専門家の論説によると、藤井医師が91~2011年7月に発表した麻酔薬の投与量などに関する論文の169の試験データを統計的に分析したところ、対象者の体重や年齢、身長、血圧などの数値が特定の範囲に偏っていた。通常起こりうる分布と大きく異なっていた。

 東邦大学も藤井医師が在籍中に発表した9本の論文について調査。うち8本で、義務づけられている病院内の倫理委員会の承認を得ていなかった。藤井医師は事実を認め、8本の論文については撤回している。

しかし先日の慶大教授の倫理指針違反にしてもそうですが、どうも大学の中の人も一度きちんと基本的な社会常識をおさらいしておかないと、さすがに昨今では「白い巨塔」のように大学に臨床面で期待する人も少なくなってきているとは思いますけれども、この上研究面でも権威が地に堕ちることになっては存在意義が問われかねないじゃないですか。
ともかく20年間で200近い論文を出したというのはかなりアクティブな人だったんだろうなと言う印象を受けるところで、実際世界で最も権威ある紳士録の一つと言われる「Who’s Who in the World」にも掲載されたということですから注目株の一人と目されていたのでしょうが、逆にそれだけ注目を集めてしまったが故に検証の目に曝されたとも言えるのかも知れませんね。
普通に考えて論文の元データを処分するというのはあり得ないことですから調べればすぐに足がつくようなお粗末な捏造だったと言えますが、今の時代ちょっとした要領の良さがあれば対象分布など一見それらしい値に捏造しておくこと自体は造作もないことで、この辺りは捏造するにしてもちょっと手抜きが過ぎたのかなという印象も受けます。

社会的影響ということを考えて見ると、例えばひと頃話題になったES細胞のような明らかな捏造は元より、常温核融合や先日のニュートリノのように結果としてどうやら間違いらしいと判ったケースも含めて、世の中が注目するような大きな話題であれば必ず第三者による追試・検証というものが行われ確認が行われていきます。
ろくに査読もない学内誌などに載せて終わるようなどうでもいい二束三文の論文ならともかく、ある程度以上のまともな雑誌に載せるレベルの論文になるともっともらしい数字を整えるだけでは何ら新味のない結論になってしまうし、あまりに斬新過ぎれば他の研究者によって必ず検証の目に曝されるはずですから、案外こうした捏造によって世の中が大きく動くということは少ないのかも知れません。
そうは言ってもバレない範囲で細かい捏造をしておけばよいのだろうとはならないのは当然なんですが、同様に捏造が明るみに出たというケースで是非教訓にしたいのが東大助教として世間的にも活躍しながら経歴詐称に加え学位論文も捏造していたということが判明して学位取り消しという稀な処分を受けたアニリール・セルカン氏の事例でしょうか。

饒舌な日本語に加え元オリンピック選手で宇宙飛行士候補であったなど各方面に輝かしい業績を持ち各方面からひっぱりだこの人物であっただけに、当初マスコミなどもその疑惑報道には及び腰だった印象がありますが、最終的には経歴も業績も全て詐称の単なる詐欺師であったことが判明した経緯として、ネット掲示板での詳細な検証作業が大きな役割を果たしたということが知られています。
セルカン氏の場合は先の東邦大准教授などとは比較にならないくらい手の込んだ詐称の手口で完全に社会を信用させていたわけですが、ひとたびネット住民の手にかかれば壮大な努力の結晶も全て水泡に帰してしまったということで、これだけ苦労して入念な下ごしらえをしたところでその気になって調べられれば捏造は必ずバレるということは是非とも知っておいてもらいたいところですよね。
論文捏造などは結局のところは各人の良心の問題とも言えますが、ひとたび捏造が発覚すれば本人のみならず共著者として関連する講座の人間は元より、場合によっては所属研究機関やその国からの研究そのものまでが疑いの目線を受けることにもなりかねないわけですから、くれぐれも自らの社会的責任というものも肝に銘じておいていただきたいと思います。

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2012年5月24日 (木)

福岡市の禁酒令 毎日は大反対

公務員も大勢いますから中には問題行動を起こす人もいるのは当然なんですが、最近同じような問題行動が相次いで注目されているのが福岡市のケースです。

福岡市:職員2人逮捕…タクシー運転手や同僚殴った疑い(2012年05月19日毎日新聞)

 福岡県警は18日、福岡市内で酒に酔ってタクシー運転手や同僚を殴ったとして、市職員2人を暴行や傷害の容疑で相次いで逮捕した。同市では今年に入って飲酒運転や窃盗事件などで職員の逮捕や検挙が相次いでおり、今月17日には市土地開発公社職員が収賄容疑で逮捕されたばかり。市は職員2人の逮捕を受けて19日朝に緊急幹部会を開いて対応を協議した。

 県警によると、暴行容疑で逮捕されたのは、同市城南区友丘3、市港湾局職員、寺田副容疑者(52)。容疑では18日午後10時25分ごろ、同市城南区松山2の路上で、タクシー運転手の男性(66)の顔を殴ったり、体を蹴ったりしたとしている。タクシー乗車中に後部座席から運転席を蹴るなどしたため、運転手が促して一緒にタクシーを降りるといきなり暴行してきたという。

 寺田容疑者は「覚えていない」と容疑を否認している。逮捕時に酔っており、調べに「中央区の居酒屋でビールをジョッキ3杯飲んだ」と供述。呼気1リットル当たり0.6ミリグラムのアルコールが検出された。

 さらに、傷害容疑で逮捕されたのは福岡県糸島市二丈福井、福岡市保育課保育係長、濱地正明容疑者(48)。容疑では18日午後10時45分ごろ、福岡市中央区大名1の商業ビル2階で、市中央区役所職員の男性(40)の顔面を拳で殴って歯を折るなどのけがをさせたとしている。調べに対して「横着な態度だったので腹が立って殴った」と容疑を認めているという。

 濱地容疑者は、同僚数人と飲食店数軒をはしごして飲酒。最後の店を出たところで被害者の男性職員と何らかのトラブルになって1回殴ったという。逮捕時に呼気1リットル当たり0・55ミリグラムのアルコールが検出された。

 福岡市は職員2人の逮捕を受け19日朝、市役所で緊急幹部会を開催。高島宗一郎市長は「昨夜は報告を受けて悔しくて眠れなかった。週明けから職員は外で酒は飲むなと言いたい気持ちだ。酒の飲み方を知らないなら大人扱いできない。今の非常事態に対応する方策を考えたい」と述べた。

 福岡市の職員をめぐっては、今年2月、市消防局中央消防署員、藤健二郎被告(21)=懲戒免職、公判中=が酒を飲んで車を盗んだとして逮捕された。また、先月20日には、同市立室見小学校の教頭が道交法違反(酒気帯び運転)容疑で検挙された。さらに市発注の西鉄天神大牟田線高架化事業の用地買収に絡む贈収賄事件で、市職員で同市土地開発公社係長の佐藤敬三容疑者(56)が、今月17日に収賄容疑で逮捕された。市は、教頭の検挙を受け、今月8日に「組織が一丸となって再発防止に取り組む」などとした飲酒運転等不祥事再発防止アクションプランを発表していた。【木下武、尾垣和幸】

福岡市:市住宅供給公社係長 昼に飲酒、言いがかり(2012年05月22日毎日新聞)

 福岡市住宅供給公社の男性係長(58)が4月、発注先の塗装会社関係者と飲酒し、飲酒中に同社会長に電話で言いがかりを付けて絡んでいたことが、市への取材で分かった。高島宗一郎市長が市職員対象の外出先での1カ月禁酒を求める前だが、相次ぐ飲酒トラブルは批判を呼びそうだ。

 公社によると、係長は4月26日朝、公社で塗装会社関係者を食事に誘い、同日午前10時から「体調不良」を理由に有給休暇を公社に申請。午前11時〜午後5時、市内で焼酎などを飲んだ。途中、同社会長に携帯電話で「赴任して1年になるのにあいさつに来んのか」などと絡んだという。

 市によると、係長は昨年4月に公社に派遣された市職員。利害関係者との飲食は市職員倫理行動規準に触れる恐れがあり、酔って公衆に迷惑がかかる言動をすると懲戒処分対象にもなる。市人事課は近く係長らから事情を聴くが、高島市長は「事実なら最悪極まりない。厳正に処分したい」と話した。【木下武】

どれ一つとってもちょっと公僕のあり方としてそれはどうなのよと言うしかない話なんですが、ごく当たり前に犯罪行為として扱われるような振る舞いに及んでいるにも関わらずきちんと処分が下されているのかも気になるところで、例えば最後の住宅供給公社係長のケースでは「利害関係者との飲食禁止の規則を破ったので」処分を検討中と、どうも「突っ込むところそこ?」と市民感覚からずれすぎている気がしますよね。
これだけでもすでにお腹いっぱいという感じではあるのですが、特に飲酒に伴うトラブルが多発していることは注目されるのも仕方がないところなので、現地では市長直々に禁酒令を出すという前代未聞の騒ぎにまで発展しているというのですが、これが一部のマスコミ関係者には至って不評であるようです。

禁酒令:「やりすぎ」「実効性あるか」…強権発動に戸惑い(2012年05月21日毎日新聞)

 飲酒が絡んだ市職員の不祥事が相次ぐ福岡市で、職員に外出先での飲酒を1カ月間禁じる「禁酒令」が“発令”された。前代未聞の強権発動に、市民からは理解を示す一方で、「ストレスがたまりそう」「やりすぎだ」との批判の声も聞かれた。

 「1カ月ぐらい外で飲まなくても、家で飲めれば十分だ」。続発する不祥事に、同市のタクシー運転手、馬場定一郎さん(54)は当然といった様子。ただ「悪いことをしていない周りの職員が大変」と一部職員の不祥事に巻き込まれた形の職員に同情した。

 これに対し、反発するのが同市博多区の無職、北野正さん(41)。「市長といえども、そこまで制限をかけて良いものか。飲まないとストレスがたまるだろう。家で飲むのと外で飲むのは全然違う。やりすぎだと思う」と話した。

 一方、禁酒対象は約1万8000人となる見通しで、市役所周辺の飲食店は売り上げ減にもつながるだけに、疑問の声が上がった。同市中央区にある居酒屋「ゆめ屋」の渡辺えり子さん(60)は、2〜3カ月前から市職員の来店減を肌で感じる。2月に消防局職員が酒を飲んで車を盗み逮捕された事件が起きた時期に重なり、3〜4月は歓送迎会も激減。来店する市職員も、飲酒の自粛ムードを口にしていたという。

 渡辺さんは「これだけ言われて飲酒で同じ過ちを繰り返すとは」とあきれながらも「禁酒令に実効性があるのだろうか」と困惑した表情を浮かべた。

 今回の措置に、斎藤文男・九州大名誉教授(行政法)は「市長が怒り心頭なのは分かる。だが、世間的に分かりやすいかもしれないが、やりすぎだ。市長のパフォーマンスで、芝居を打っているようにしか見えない。今問われているのは職員のコンプライアンス(法令順守)意識の問題。職員研修の徹底など、抜本的な対策を取らないと解決にはつながらない」としている。【野呂賢治、青木絵美】

しかしさすが大学の先生、抜本的な対策が「職員研修の徹底」ですか(苦笑)。
御高名な青木絵美記者がこんなところで仕事をしていたとは寡聞にして存じ上げませんでしたが、しかしさすがに先日は地元大阪で刺青擁護の論陣を張ったという毎日新聞であるだけに、今回の禁酒令に対しても不満たらたらという感じで市民アンケートまでやったそうですけれども、当然ながら市民の声は圧倒的に市長の方針を支持しているということですから毎日涙目という感じでしょうか。
こういう記事を見ても毎日の論陣が相当にずれていると思うのは、禁酒令の目的が職員に禁酒を徹底させ問題行動を抑制するところにあると(あるいは意図的に?)誤解しているということで、そうであるからこそ実効性があるかどうか判らないだのという妙な話につながってくるのです。

そもそも景気のいい時代から「公務員は一度なってしまえば何をやっても生涯安泰」なんて言われていたものですが、ましてやこの不景気の時代には待遇面でも優遇されすぎだと批判の目線が厳しい中で、こうした既得権益に安住する手合いをどうやって世間並みの常識に近づけていくかが全国的な課題になっているわけですね。
大阪の刺青の件なども似た側面がありますが、冒頭の記事を見てもどう見ても市職員としての適性を根本的に欠いている人間がいて、しかも恐らく昨日今日そうなったわけでもないのに長年にわたって勤続を続けている(実際には体調不良と称して飲み歩いてもいたようですが)、それをきちんと処分できていなかったということこそが根本にある問題でしょう。
福岡界隈と言えば様々な噂も側聞しますけれども、抜本的な対策と言うのであれば適性を欠き就業態度にも問題があり、ましてや犯罪的行為に手を染めるような人間はきちんと辞めていただくというのが抜本的対策というもので、さっさと処分すべき者ですらルールの不備で打つ手がないというならトップダウンで絡め手からでも絞り上げていくしかないんじゃないでしょうか?

大阪の橋下市長などはさすが弁護士出身だけにこの辺りのトラップの仕掛け方がうまいなと感心するのですが、行政の暗部が長年にわたって放置されていて、しかも様々なしがらみで社会常識上おかしいことであっても直ちに是正できないというのであれば、当面可能な手立てを工夫することによっていかにDQNを狩り出すかを考えた方がよほど早道でしょう。
何の為に存在するのかもよく判らないような内規の類も再検討してみれば案外使えるルールも隠れていそうですから、市長以下の市幹部には妙な援護射撃をしてくる一部マスコミに惑わされることなく、市民のための目線に立って仕事を進めていただきたいですね。

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2012年5月23日 (水)

最近気になったニュース三題

このところ相次いで気になる新技術が開発されつつあるというニュースを目にするのですが、今日はそのうちの幾つかを紹介してみたいと思います。
まずはこちら、SFなどではおなじみの技術なのですが、いよいよ実用化へ向けて前進しつつあるというところでしょうか。

脳信号で動くロボットアーム開発(2012年5月17日TBSニュースi)

 イギリスの科学誌「ネイチャー」は、脳卒中の影響で手足が動かなくなった人が「動かしたい」と考えることで動くロボットの腕の開発が成功したと発表しました。

 被験者の女性、15年前に脳卒中を起こし、影響で手足が麻痺しています。去年4月に行われた実験では、ロボットの腕がボトルを握り、女性にコーヒーを飲ませようとしています。

 この腕、操作している人がいるわけではなく、女性が「動かそう」と考えると動くのです。女性の脳に埋め込まれた切手よりもさらに小さな電子装置が神経が発する信号を読み取り、外部のコンピューターがロボットの腕を制御するという仕組みになっています。被験者の女性は、自分が考えた通りにロボットの腕が動き出したときは「目を疑った」と言い、「次は思った通りに動く脚がほしい」と話しています。

 これはアメリカの退役軍人管理局やブラウン大学などによる共同研究で、手足を失った人や麻痺を持つ人に役立つ研究が行われているということです。

念じてロボットの腕動かす=脳卒中で手足まひ患者で成功-実用化へ前進・米独チーム(2012年5月17日時事ドットコム)

 約15年前に脳卒中のため手足がまひした58歳の女性の脳に小さな電極を埋め込み、信号をコンピューターを介して女性の脇に置いたロボットの腕に送る方法で、女性が念じるだけでコーヒーのボトルをつかみ、ストローで飲む実験が成功した。米国のブラウン大や退役軍人省、ドイツ航空宇宙センターなどの「ブレーンゲート2」研究チームが17日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 この技術は将来、脳卒中や脊髄損傷で神経系統に「断線」が生じた患者について、脳からの信号を手足に送るバイパス装置を作り、自由に手足を動かせるようにするのが目標。研究チームは2006年に患者が念じるだけでパソコン画面のカーソルを動かす実験に成功したと発表しており、目標に近づいた。

実際の状況というのがこちらの動画を参照いただきたいのですが、テーブルの上に置かれたボトルをロボットの腕が取り上げ女性に飲ませるという、なかなか精緻な動作が可能であるようです。
こうした技術を実際の場で用いるには一つ一つの作業にどの程度の集中を要するかも重要だと思うのですが、動画で見る限りではまだ無意識に動かせるというまでには至っていないようで、信号の拾い上げと誤操作の防止技術が今後の課題になってくるのでしょうか。
軍関係の研究ということで当然ながら傷病軍人に対する応用が期待されてのものでもあるのでしょうが、しかしこういうケースではお約束として次は元の機能を補完するのみならず機械的に拡大再生産しようという試みがあるんでしょうけれども、ねえ…
さて、時として手足が動かないこと以上に大変なのが失明という問題ですが、こちらもSF等ではおなじみの技術が試みられ成果を収めているというのですから驚きますね。

目のサイボーグ化による失明治療が世界で初めて成功!!盲目の男性がマイクロチップを眼球に埋め込むことで10年ぶりに見ることができるように!!(2012年5月5日コモンポスト)

目の見えない人にとっては、これ以上ない明るいニュースです。
ロバート・マクラーレン医師率いるイギリス・オックスフォード大学の外科医チームが世界初となる眼球のインプラント治療に成功しました。治療を受けたクリス・ジェームズさん(54歳)は、10年ぶりに見た光景を「光の爆発だった」といいます。

今回治療が行われた患者は、クリス・ジェームズさんとイギリスの有名プロデューサーのロビン・ミラーさん(60歳)の2人。3mm四方のマイクロチップを、眼球の奥にある網膜に埋め込むという手術が行われました。
チップの大きさは3mm×3mm。眼球の奥に埋め込まれます
2人は、網膜色素変性症と呼ばれる症状に陥っていました。これは眼科疾患の1つで、中途失明の3大原因の1つとされています。数千人に1人の頻度で起こるとされており、盲学校ではこの病気の生徒が一番多いといいます。
手術に要した時間は、8時間~10時間で、手術を受けたその日のうちには対象の輪郭が見え始め、3週間後には完全に見えるようになったといいます。

このマイクロチップには、網膜の光受容体の代わりとなる1500個光感性ピクセルが内臓されており、これが眼球内に作られた像を認識します。データは耳の後ろから無線で外部の機械へ送られ電気信号に変換後、視神経に送られることで、脳が像を認識することができます。
ジェームズさんによると、脳が電気信号を認識するまでには多少の時間を要したものの、物体の曲線や輪郭を認識することができたといます。
この治療は初期段階であるものの患者にとって有益な視野を回復させることに成功しているといいます。また、25年間目が見えなかったミラーさんでも治療に成功したことから、長い間、目が見えなかった人にも効果のある治療だとしています。
現時点では、輪郭をとらえる程度であるため白黒映像となっているようですが、ミラーさんは使っていなかった目に関する部分の脳が活動を開始したため、25年ぶりにカラーの夢を見ることができたといいます。

サイボーグ技術が進歩すれば、これまで治せなかった病気による人体機能の不全を機械で代替できるようになります。今回の目のサイボーグ化では、大きな外部装置が手放せないため不便ですが、今後はさらに装置が小さくなることも期待できるため、治療を受けた人が普通の生活を送れるようになりそうですね。

それにしても一昔前なら失われた網膜の機能自体が再生出来るなんてことは夢物語でしたが、光信号を電気信号に変換して送り込むということで要するに原理としてはデジカメと同じものなんでしょうか。
実際の装置の様子や解像度(さすがに未だごく粗い画像のようですが)などは元記事の写真を参照いただくとして、注目するのは手術後次第に輪郭がはっきりするようになり三週間後には完全に見えるようになったという話で、神経というのは新たな外部刺激に対して相応に柔軟な対応が可能であるということを示しているのでしょうし、将来もっと高解像度にも対応できるのかも知れませんね。
今後はSPECT等の脳機能検査とも組み合わせて機械の技術的な向上と同時進行で脳機能自体の解明も進んでいくんだと思うのですが、しかしこういうことをされてしまうと単なる機能回復に留まらず先日話題になったグーグルのあれのような応用も期待したくなってしまうのは自分だけでしょうか?
最後に取り上げますこちらは再生医療とはまた違う話題なのですが、これはこれで大いに応用が利きそうな話ですよね。

牛の唾液でBSE判定 動衛研、感度1億倍(2012年5月15日日本経済新聞)より抜粋

 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所は認知症に似たプリオン病やBSE(牛海綿状脳症)の原因となる異常プリオンたんぱく質を1億倍の感度で検出する技術を開発した。牛の唾液が含むわずかな量で判定できる。従来は脳から取ったたんぱく質を分子量の違いで調べていたが、低濃度だと分からなかった。5年内に生きた牛の安全確認に実用化する。

ご存知のように従来は牛の脳をすりつぶせば異常プリオンを検出する方法は存在していたわけですが、当然ながらこの場合は牛を殺してしまわなければ検査できないということで、今回生きたままの牛で高感度に異常プリオンを検出できるということが画期的であるということですね。
すでに特許も出願されているということでその申請書類の方に詳しいのですが、動物衛生研ではすでに以前から従来法(以前にマッシー池田先生が紹介していた「プリオンのPCR」ですよね)にデキストラン硫酸化合物を加えた高感度検出方を確立し感染牛の各部位から異常プリオン検出を試みていたということで、その過程で唾液が診断向けの検体に使えると判ったようです。
今回の方法もすでに特許出願中ということですが、農研機構の新技術説明会での発表資料から引用させていただきますと用途としてこんなことを想定しているようですね。

想定される用途

・唾液を用いたBSE生前診断
・畜産物や肉骨粉など畜産副産物の安全性評価
・牛由来成分を含む医薬品・化粧品などの安全性評価
・ヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)はBSEに起因すると考えられることから、vCJD診断やヒト由来製剤の安全性評価といった用途に展開することも可能と思われる。

見ていただければ判る通り、もちろん畜産系の研究所ですから畜産関係への応用を主に想定されているのですが、最後にとってつけたように人への臨床応用についても言及しているのが注目されますよね。
以前から思っているのですが、例えばあまり詳しい検査もされることのない寝たきりの方々の中にもCJDなどの隠れプリオン病がどのくらい分布しているものなのか、脳外領域の大御所先生に以前うかがった限りでもあまりはっきりしたデータというのもないようで、唾液などの簡便な方法で調べられるということになると調べたくもなるのが人情というものですよね。
もちろん調べた結果案外沢山の人々が罹患していたということになればそれはそれで対応が悩ましいところですけれども、ひと頃の狂牛病騒動でも人間にうつったら大変だ、BSE感染牛肉は絶対日本に入れないと気張っていたところが、実はとっくの昔に国内で広く蔓延していたなんてことになるとこれまた大騒ぎになるかも知れずですかね…

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2012年5月22日 (火)

震災関連死は福島県が最多

全く今日の本題に関係ない余談ですけれども、昨日ちょうど金環日食というものがありまして全国各地で観測されたことはご存知の通りですが、日食と言えば個人的に連想してしまうのが日本の神話に登場する「岩戸隠れ」の伝承です。
太陽神である天照大神が天の岩戸に隠れたせいで世の中が真っ暗闇になったと諸神大騒ぎになり、結局策略をもって天照大神を引きずり出した結果ふたたび世に日が満ちたという話ですが、古来誰しも日食と結びつけずにはいられないこの話が何らかの事実の反映だとすれば、一体いつ頃に起こったものなのだろうかという検証は古来行われてきました。
最近ではPCで簡単に計算もできることからあちらこちらのサイトで結果が公表されているのですが、面白いのは西日本で西暦247年に日没直前に日食が起こっていて日が隠れたまま夜に突入してしまうという事件があった(日食の日は新月にあたるのでこの夜は真っ暗闇だったでしょう)、そして翌248年に今度は日食のまま朝日が昇ってくるという、非常に印象的だったろうと思われる事件が二年続けて起こっていたというのですね。
そして諸説ありますがこの247年から248年にかけてはちょうど邪馬台国で有名な卑弥呼が亡くなり国中が乱れ、そして後継者である壹与が即位したと言われる年で、神功皇后や天照大神との関連が指摘されてきたこの謎多き人物を巡るドラマチックなストーリーを思わず想像してみたくなる人も少なからずいるのはやむなきところでしょう。

日食に関わる余談はそれくらいにしておくとしまして、今日はこんな記事を紹介してみましょう。

震災関連死は764人 本県が最多、原因究明へ/福島(2012年4月28日福島民友ニュース)

 東日本大震災に伴う避難で体調を崩し亡くなったり、自殺したりなど「震災関連死」と認定された人が3月末現在、10都県で1618人に上り、このうち本県が764人で最多だったことが27日、復興庁の集計で分かった。政府が津波や建物倒壊などによる「直接死」と区別して死者数を公表したのは初めて。平野達男復興相は同日、記者会見で「生き延びた命を失った。これは深刻に受け止めるべき実態」と述べ、震災関連死の原因究明へ実態調査する方針を示した。
 復興庁は市町村別の内訳を公表していない。福島民友新聞社の調べでは、双葉郡や飯舘村など避難区域のある11市町村で約650人、全体の8割を超えた。市町村別では南相馬市が250人以上で最多。富岡町といわき市が80人超、浪江町70人以上。また、須賀川市など地震被害が大きかった中通り市町村でも複数が認定された。

震災関連死、南相馬が282人で全国最多/福島(2012年5月12日福島民友ニュース)

 復興庁は11日、東日本大震災に伴う避難で体調を崩すなどして亡くなり、「震災関連死」と認定された本県など10都県の1632人(3月末時点)の内訳を公表した。市町村別で南相馬市が282人と、対象77市町村の中で最多となった。続く宮城県石巻市178人、仙台市143人と比較しても突出、同日開かれた関係省庁でつくる原因究明の検討会初会合では「南相馬市がなぜ多いか調べるべき」と問題提起された。
 検討会では6月末をめどに、本県と岩手、宮城の3県で調査し、8月上旬にも再発防止策をまとめる方針を決めた。調査対象は関連死の死者数が多い市町村のサンプル調査となる見通しだが、本県の場合は東京電力福島第1原発事故の影響を考慮し、原発事故で避難指示が出された市町村も対象とする。
 本県の震災関連死761人の年齢別内訳も示され、21歳以上65歳以下が61人、66歳以上が700人で高齢者が約9割を占めた

震災関連死は福島県が一番多く、福島県の中でも原発にほど近い南相馬が最多だというのはある意味でまあそうなんだろうなと納得は出来る話なんですが、ここでも「なぜ多いか調べるべき」と問題提起されているように、その実際の状況を考えないことには数字だけが独り歩きしたまま後世に伝わってしまう可能性があるということでしょう。
原発お膝元の双葉町などは警戒区域に当たりますからちょうど隣接する南相馬市あたりは避難を要するかどうかの境界線あたりに位置することになりますが、ちょうど先日からの双葉町で年450ミリシーベルトという高い放射線量が観測されたとか、福島産水産物の25%が放射線セシウム新基準値越えだったという話を聞くにつけ、誰でもこれは放射線による影響かと心配になりますよね。
しかし実際の年齢別内訳を見てみますと放射線感受性が高いはずの若年者では死者は少なく、ほとんどが高齢者ばかりであったということですから、どうもこれは単純に「福島原発事故ではこんなに大勢の死者が出たのか!」などと受け止めるわけにもいかない数字だと言えそうです。

震災後には避難勧告が出ているにも関わらず「どうせ老い先も短いのだから、住み慣れた土地を離れたくない」と被災地に残った高齢者も多いと聞きますが、こうした方々も含めて現地の高齢者には震災や避難生活自体の刻んだ心身へのダメージもさることながら、地域住民の避難などで社会インフラが破綻した結果、日常生活上の負荷が増大したことの影響も考えずにはいられません。
買い物や身の回りのちょっとした作業なども地域の共同体内で頼んでいられたものが全て自分一人でやらなければならないとなれば大変だろうなと思いますが、ろくに燃料や防寒装備もない中で孤独な冬を過ごせば超過死亡も増えるだろうとは誰にでも理解出来る話で、こうしたことは別に原発事故に限らず激甚災害ではいつでも起こりえることです。
阪神大震災では6000人余の犠牲者に対して900人余(14%)の震災関連死があったと言いますが、認定基準の差や今後の増加も考慮しなければならないとしても2万余の犠牲者に対して1618人というのは比率としては顕著に多いものではなく、このままの水準で収束していくとすれば放射線問題も過剰に恐れる必要はないとも言えそうな数字です(無論、放射線の影響はもっと長期に見ないと判りませんが)。

詳細は今後の分析結果を待たなければなりませんが、放射能汚染そのものは世界中どこの国でもおいそれと対処出来ない大問題だとしても、実際に住民の健康に大きく関わるのは汚染そのものよりも事故に続発する様々な問題だったのだとすればどうでしょう?
もちろん現地では住民の心身のストレスが蓄積するなど数多くの問題が山積したままですが、目にも見えず耳でも聞こえず何かよく判らないが故になんだか怖そうだと感じがちな放射線への恐怖に比べれば、こうした問題の方がまだしも対処のしようがありそうだと思えて来ないでしょうか?
今回は原発事故だから手に余ると特別に構えてしまうのではなく、大部分のケースでは既存の知識や経験が十分に応用できるのだと考えて冷静に対処することが必要なんだと思いますね。

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2012年5月21日 (月)

印刷会社で胆管癌が多発

いったい何が起こったのかと思うような話なんですが、調べて見ると実は大変なことになっていたというのがこちらのニュースです。

同じ職場 胆管がんで4人死亡(2012年5月18日NHK)

大阪の印刷会社で、インクの洗浄作業に1年以上関わっていた、およそ40人の従業員のうち、4人が胆管がんで死亡していたことが、産業医科大学の調査で分かりました。
平均的な日本人男性の胆管がんによる死亡率と比べ、極めて高い値だということで、研究グループでは、職場で使われていた化学物質などを調べるとともに、全国で同様のケースが起きていないか調査すべきだとしています。

調査を行ったのは、産業医科大学の熊谷信二准教授らのグループです。
それによりますと、大阪府にある印刷会社で、平成17年までの17年間に、印刷機に付いたインクを洗浄する作業に1年以上関わっていた、およそ40人の従業員のうち、男性5人が胆管がんと診断され、このうち4人が死亡しました。
これは、平均的な日本人男性の胆管がんによる死亡率と比べ、600倍以上の極めて高い値だということです。
また、胆管がんは、ウイルス性肝炎や胆管結石などが危険因子として知られ、60歳以上が患者の大半を占めますが、今回死亡した4人は、20代から40代だったということです。
こうしたことから研究グループでは、何らかの危険因子があるのではないかとみて、従業員がインクの洗浄作業で使っていた溶剤の化学物質などを詳しく調べるとともに、全国的にも同じ溶剤を扱う職場で胆管がんを発症していないか、調査が必要だとしています。
熊谷准教授は、「普通では考えられない高い頻度でがんになっている。労働基準監督署にきちんと調査してほしい」と話しています。
これについて、印刷会社の顧問弁護士は、NHKの取材に対し、「事態は把握しており、従業員の安全のために原因究明の調査を、現在しています」と話しています。

<胆管がん>校正印刷会社の元従業員4人が死亡(2012年5月19日毎日新聞)

 西日本のオフセット校正印刷会社の工場で、1年以上働いた経験のある元従業員のうち、少なくとも5人が胆管がんを発症、4人が死亡していたことが、熊谷信二・産業医科大准教授(労働環境学)らの調査で分かった。作業時に使われた化学物質が原因と強く推測されるという。遺族らは労災認定を求め、厚生労働省は調査に乗り出した。

 熊谷准教授によると、同社では91~03年、「校正印刷部門」で1年以上働いていた男性従業員が33人いた。発症当時の5人の年齢は25~45歳と若く、入社から7~19年目だった。熊谷准教授が今回の死亡者数を解析したところ、胆管とその周辺臓器で発生するがんによる日本人男性の平均死亡者数に比べ約600倍になった。

 校正印刷では、本印刷前に少数枚だけ印刷し色味や文字間違いなどを確認するが、印刷機に付いたインキを頻繁に洗うので結果的に洗浄剤を多用する。洗浄剤は、動物実験で肝臓にがんを発生させることが分かっている化学物質「1、2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」などを含む有機溶剤。会社側は防毒マスクを提供していなかったという。91~03年当時、ジクロロメタンは厚労省規則で測定や発生源対策が求められていたが、1、2ジクロロプロパンは規制されていなかった。

 熊谷准教授は「これほど高率になると、偶然とは考えられず、業務に起因している。校正印刷会社は他にもあると聞いており調査が必要だ」と話す。

 元従業員らが労災認定を求めたことについて、会社側は「真摯(しんし)に対応させていただいている。個人情報などもあり、お答えできない」としている。【河内敏康、大島秀利】

 上島通浩・名古屋市立大教授(労働衛生)の話 大変重要な事例で、食事など地域性の要因も含め調査が必要だ。

 ◇胆管がん 

 胆管は肝臓で作った胆汁を十二指腸に運ぶ管状(長さ約8センチ)の器官。がんは上皮からできるとされる。胆管結石との関連も指摘されるが、原因は不明。日本人男性の年間死亡率は10万人あたり10.5人(05年)で、発生率は75歳以上で最も高い

まずは亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、ご家族にお悔やみを申し上げます。
20代などというちょっと普通では考えられない年齢での発症にも驚くしかありませんが、同時にこれは明らかに労災であると思われますから、今後ご家族の方々に適切な補償などが早急に行われることを望みたいですね。
ちなみに印刷会社で起こったということでそこらのインクや印刷物も危険なんじゃないかと思ってしまいそうですが、インクや印刷物ではなく印刷機のインクを洗浄するために用いている薬品が猛毒であるということで、記事にも出ているジクロロメタンにしろ1,2-ジクロロプロパンにしろもともと肝毒性があることは知られていましたが、これほど強力な発癌性があるとなれば大問題ですよね。
当然ながら多くの会社では強力な換気システムなど対策を講じているらしいのですが、今回のケースでどの程度の対策が取られていたのかも今後検証されていくことでしょうし、無論未だ明らかになっていない別のリスク要因が隠れている可能性も排除せず調査を進めていただきたいところです。

ちなみにこの胆管癌というもの、肝内に発生したものは肝癌の一種として扱われていますが、肝炎などを下地にして発生してくるいわゆる肝癌(肝細胞癌)とは全く別物で、葡萄の房にたとえれば実の部分(肝実質)から出来てくるのが肝癌であり、一方で茎の部分(胆管)から出来てくるのが胆管癌ということになるでしょうか。
それぞれ組織学的にも肝細胞癌、胆管細胞癌と言うように全く性質の異なるものですし、当然ながら発症のリスクとなる要因も異なっていて、肝細胞癌であれば肝炎など肝細胞自体へのダメージが原因になりますし、胆管癌であれば胆管炎や胆石、あるいは膵胆管合流以上などによる各種の物理的、化学的な胆管への刺激がリスク要因となるとされています。
当然ながら外から入ってきた化学物質なども胆管に刺激を与えればリスクになり得るはずですが、もともと数が少ないもので易学的研究がさほど進んでいなかった中で今回かなり限定された状況でこれだけの患者が集中発生したということで、はっきりしたリスク要因の一つが明らかになるのではないかという期待もあるわけですね。
ところでそもそもこうした調査に至った理由というものも気になっていたのですが、どうも元々は家族から熊谷准教授に直接相談があったことがきっかけであったようで、これも今の時代一歩間違えれば調査の道が途中で途絶えてしまいかねない状況でもあったようです。

胆管がん多発:死亡男性「有機溶剤で悪環境」(2012年05月19日毎日新聞)

 「元同僚が同じようながんで次々死んでいく」−−。西日本のオフセット印刷の校正印刷会社で、発症が相次いだ「胆管がん」。遺族らは厚生労働省に全容の解明と被害拡大の防止を求めている。 

 きっかけは昨年春から、胆管がんのため40歳で死亡した男性の遺族らが熊谷信二・産業医科大准教授に相談したことだった。男性は両親に「職場は有機溶剤が漂い、環境が悪い」と言い退職した。5年後に胆管がんを発症すると、両親に同僚が同様の病気で若くして亡くなっていることを明かし、苦しみながら帰らぬ人となっていた。父は「人生半ばで亡くし非常にショックだったが、労働環境を改善してもらわねば」と調査を願った。

 熊谷准教授は、男性が受け取っていた年賀状をもとに、31歳で死亡した同僚の兄あてに手紙を送って調査の協力を依頼。その母親から電話で「実は、兄も弟と同じ会社に勤めていましたが、4年前に46歳で亡くなった。2人とも胆管がんでした」と告げられた。

 熊谷准教授が遺族らに手紙を書くなどして元従業員らに当たると、仕事中に吐き気がしたり、少しアルコールを飲んだだけで肌がまっ赤になる同僚もいて不思議だったなどとの証言も出てきた。遺族に病院への開示請求などをしてもらい、医学資料を集めると、5人が胆管がんにかかり、うち4人が死亡していた。

 息子2人を失った母親は「悔しくて無念です。これから働く人のために病気をなくしてほしい」と厚労省の調査の行方を見守っている。【大島秀利】

大学の先生とは言え全く無関係な事例に関わってこれだけの成果を挙げた熊谷先生の努力も称えられるべきでしょうが、同時にご遺族や同僚の全面的な協力があってこそ事態の解明に結びついたということも見逃せませんね。
こういう話を聞くと思うのですが、今の時代ちょっとネットにつなげば誰がその道の権威かすぐに判るし、場合によっては専門家と直接対話も出来るようになったということで今までは見過ごされていた事例も見いだされるようになったケースが増えただろう一方で、何でも即座に調べられる時代だからこそ個人情報やプライバシー保護との兼ね合いも難しいんだろうなと言う気がします。
一見同じような素人のささやかな疑問に端を発して、中には調べて見れば非常に重要な疫学的情報が隠されている場合もあれば、他方では単なる根も葉もない風評に過ぎないと判るケースも多いのでしょうが、特に前者に比べて後者のケースでは「調べて見ましたが結局何もありませんでした」の部分にニュースバリューが乏しいと見なされるのか、しばしば続報部分がスルーされ噂だけがいつまでも独り歩きを続けがちですよね。
大量の情報を集め分析するという部分が進歩した時代だからこそ様々な領域で調べれば幾らでも重要な新発見があるんだろうと思うのですが、一方で先日のように慶大の教授ですら倫理指針に逸脱して好き放題やっていたというケースが明らかになってくると、各方面の専門家は改めて社会的に求められているモラルというものを肝に銘じておかなければならないのだろうなと思います。

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2012年5月20日 (日)

今日のぐり:「うどん処 あまからさん」

ちょうどエリザベス女王の在位60周年を祝う式典が開かれたところですけれども、その裏で一体これは何なのかというびっくりニュースが世界を駆け巡っています。

女王陛下のパンティー売ります(2012年05月17日東スポ)

「女王陛下のご使用済みパンティーが売り出し中でございます!」。英国王室の女王エリザベス2世(86)が着用したとされるズロースがオークションサイト「eBay」に出品され〝ロイヤルパンティー〟の行方に世界中の関心が集まっている。

「eBay」に掲載されているズロースは薄手の綿ローン地にレースの装飾、Elizabethの「E」の上に王冠がデザインされたものや花の刺しゅうが施され、〝USED〟のためか経年劣化のためか、ところどころに黄ばんだシミが付着しているのが分かる。

 このズロースは英国王室と深く関わりがあるハンガリー出身のアーティストで宝石商の故ジョセフ・ビチケ・ドブロニー男爵が自身の死後、財産を英国のオークションサイトに出品するように遺言。 男爵指定のオークションサイトがロイヤルパンティーの出品に難色を示したため、遺族が「eBay」に出品した。

 このズロースは、エリザベス女王が1968年にチリを訪問した際にプライベートジェットの中に置き忘れたものではないかと伝えている現地サイトもある。もしそうならば、女王が44歳ごろのものだ。どうやって男爵がエリザベス女王の使用済みパンティーを入手したのか、目的や経緯は不明だ。

 入札は22日までで、13日現在は4049ドル(約32万円)の値がついている。

いやもうね、目的も経緯もどんな人に需要があるのかも別に知りたいとも思いませんけれども、こういうものが出てくるというのが何かしら英王室らしいと言えばらしいですよね。
本日は女王陛下在位60周年をお祝いする意味で久しぶりにブリネタを取り上げてみたいと思いますけれども、まずは王室関連のこんなお茶目な話題からいってみましょう。

エリザベス女王が結婚式に飛び入り参加 英国(2012年3月26日CNN)

ロンドン(CNN) イングランドのマンチェスターで結婚式を挙げ、晴れて夫婦となったジョン・カニングさん、フランシス・カニングさん夫妻は、まさかエリザベス女王が自分たちの結婚式に来るとは思っていなかった。しかし、式当日に女王がマンチェスターに滞在することを知り、ふとした思いつきで招待状を送った。

するとなんと、女王が本当に現れた。

夫妻は予想外の女王の来訪に驚いたものの、女王が二人に祝いの言葉を述べると、新郎は落ち着いて頭を下げ、新婦もひざを曲げておじぎをした。また、エリザベス女王の夫のフィリップ殿下もカニング夫妻の前途を祝福した。

エリザベス女王は23日に公務でマンチェスターを訪れ、病院や放送局などを視察した。

エリザベス女王は今年、即位60周年を迎えるが、祝典などに参加するため全英各地を訪問している。

いやしかし、先日もチャールズ皇太子がテレビでお天気お兄さん?をやって大いに国民の話題を集めたところですけれども、王室と国民のこうした距離感もまたブリ流ということなんでしょうか、これはこれで楽しいかも知れません。
ブリと言えばちょうど五輪の準備でも大忙しという時期ですが、その五輪絡みでこんなニュースがあるようです。

ロンドン五輪スタッフ、ザ・フーのマネージャーに「キース・ムーンは参加できますか?」と尋ねる(2012年4月12日amass)

英国のMetro紙によれば、ロンドン五輪の主催スタッフが、ザ・フー(The Who)のマネージャーに「(開会式/閉会式のパフォーマンスに)キース・ムーンは参加できますか?」と問い合わせてきたとのこと。キース・ムーン(Keith Moon)は78年に亡くなっており、マネージャーは「キースは火葬場に住んでいる」と連絡したそうです。マネージャーは「もし彼らが丸いテーブル、若干のグラス、ロウソクを持ってくるなら、キースと連絡を取れるかもしれない」と同紙に述べています。

マネージャーにしてもどう返すべきか微妙なところだったのだと思うのですが、ちなみに日本のお盆に相当するオールソウルズデーというものがイギリスにはあるそうで、迎え火よろしくロウソクを灯して死者の魂を家に迎え入れるという伝統を受けてのコメントでしょうかね。
同じく五輪ネタではこんな記事もあるようなのですが、正直日本であればもう少し周囲に気を使った方法をとるのではないかという気もします。

大音量で敵撃退…五輪警備で英軍が「音響兵器」(2012年5月16日読売新聞)

 【ロンドン=佐藤昌宏】英軍が7月27日に開幕するロンドン五輪の警備で、米軍がイラクで使用した「長距離音響発生装置」(LRAD)と呼ばれる音響兵器を投入することがわかった。英PA通信が伝えた。

 LRADは、敵に大音量を浴びせて戦闘意欲を失わせる非殺傷兵器。アフリカ・ソマリア沖で海賊対策を行う日本の海上自衛隊の護衛艦にも搭載され、効果を上げている。

 この兵器は、出力を落とせばスピーカーとしても使え、英国防省報道官は「主に(ロンドン中心部を流れる)テムズ川を航行する船舶への注意発令に使うことになるだろう」と述べている。

 英軍は五輪期間中、兵員1万3500人を動員して警備を行うほか、地対空ミサイルを五輪スタジアム周辺などに配備、戦闘機ユーロファイターやヘリコプター揚陸艦「オーシャン」もロンドン周辺に待機させる。

平素からテロ事件なども発生するようなお国柄ですからこのあたりのノウハウは色々と取りそろえていることでしょうが、ブリだけに五輪期間中一切が平穏無事に終わるとは思わない方がよさそうですかね。
ブリと言えば議会制民主主義の母国とも言われますけれども、その母国でとんでもないことになっているというのがこちらのニュースです。

英議会で盗難多発、ビール樽やiPad 花なども(2012年4月19日AFP)

【4月19日 AFP】ビール樽4つ、シャンパン1本、自転車の修理キット――これらは全て、英議会内でこの数か月間に盗まれた物品だ。英下院委員会は17日、2011年6月~12年3月22日に36件の盗難が報告されたとの公式記録を発表した。

 アレンジメントフラワー、iPad2台、パスポート1冊、プリンター1台、ノートパソコン10台、現金、腕時計1個、メダル1個、携帯電話2台、土産物、かばん2つ、そして販売用の本を積んだ台車など、盗難品は枚挙にいとまがない。

 警備の厳しい英議会内で盗難が相次いでいる事実は、ノートパソコンとiPadの盗難に遭った下院内務特別委員会(Home Affairs Select Committee)のキース・バッツ(Keith Vaz)委員長の質問がきっかけで明らかになった。

 バッツ委員長は、英国内で最も厳重な警備下にある建物」である議会内での盗難件数が、今年に入ってからの3か月間で既に前年の総盗難件数の半数に達している事実に「ショックを受けた」とコメント。「内部の者による犯行であることは明らか」だとして、窃盗犯の早期逮捕を求めている。

いやまあ、これだけよくも盗んだものだと率直に驚く話ではあるのですが、それにしても何故議会にビール樽が4つも盗まれるほど常備されていたのか、聞いてみてもいいものでしょうか?
せっかく釣りに行ったのにボウズでは悲しいというものですが、権威ある大会でこういうことになると悲しいではすまないというものではないでしょうか。

漁師選手権大会 1センチのイカで優勝(2012年5月5日The Voice of Russia)

  英国で行われた2012年イカ漁選手権大会では、1センチ足らずのイカが唯一の獲物となった。参加者らはこのほかに何も捕獲することができなかった。

   これは風が強かった影響で、イカ漁がほとんど不可能だったことによるもの。結果として、やっと認識できるぐらいの子供のイカが唯一の獲物となった。偶然それを引き揚げたのはデヴィッド・タンビトゥライさんで、2011年の大会のチャンピオンでもある。彼は写真を撮った後、子供のイカを逃がした。

   主催者側は、「それはイカであり、捕獲され、公式的には優勝に問題はない。」と述べ、その結果、タンビトゥライさんは優勝者と認定されたという。

逆に1cmの獲物を狙う方が難易度が高いんじゃないかとも思うのですが、あちらでは獲ったイカをどうするんだろうかと思って調べてみましたら、タコはともかくイカはリングフライなどにして結構食べるということのようですね。
ブリと言えばその料理の味においても世界的に有名で、なんでも彼らが世界的帝国を築いたのも世界中どこの国に行っても現地の飯の方が母国の味よりもうまく感じたからだ、なんて説もあるようですが、その理由の一端が思わぬところで明らかにされたようです。

チキンマックナゲットの塩分、英国は米加の半分以下=調査(2012年4月17日ロイター)

[17日 ロイター] ファストフードのメニューは塩分量が高い傾向にあることが指摘される中、その塩分量が国によって違うことが、米国・カナダ・英国・フランス・豪州・ニュージーランドの6カ国を対象に行った調査で明らかとなった。

医学誌「Canadian Medical Association Journal」に発表された調査結果によると、米ファストフード大手マクドナルドのチキンマックナゲットやチェーンレストランのピザなど、ある特定の食べ物の塩分量において、米国やカナダよりも英国の方が少なかった。米国で販売されるチキンマックナゲットの塩分量は1.5グラム、カナダでは1.7グラムだった一方、英国では0.6グラムと半分以下だった。

調査を率いたオーストラリア「George Institute for Global Health」のエリザベス・ダンフォード氏は調査論文で、塩分量が違う原因は明らかではないとした上で、「ファストフードの塩分量は食べ物の種類によってだけではなく、生産する企業や国によって異なる」と指摘している。

また、英国の塩分量が低かった要因として、同国政府による取り組みを挙げ、「正しい規制環境にあれば、ファストフード企業が塩分量を減らす可能性があり、人々の健康に大きく寄与するだろう」としている。

一方、マクドナルドの広報担当者は、同調査が2010年のデータを基にしていると指摘。ナゲットを含む米国で販売されているチキンを使用したメニューの大半で、すでにナトリウムを10%減少しているとし、「全メニューにおいてナトリウムの減少に引き続き取り組む。2015年までに、平均で15%の減少となるだろう」と語った。

しかしブリでは料理と言えば味付けをしていないまま出てきたものをテーブル備え付けの塩やビネガーで調味して食べるものだという話がありますが、どうもその伝統は世界中どこでも同じ味と言われがちなファーストフードにおいても徹底されているようですね。
そのブリでは人々がよほどに味というものに飢えているということなのでしょうか、何やら斜め上方向に逸脱しつつある気配すらあるのがこちらのニュースです。

ペロペロっとしてみる? 美味しい壁紙(2012年4月17日ギズモード・ジャパン)

この壁紙、味がするんだって。

こげ茶のをペロっと舐めるとチョコの味、ベージュ色のを舐めればクッキーの味、オレンジ色を舐めるとオレンジジャムの味、三つを舐めると、McVitieのJaffa Cakesっていうお菓子の味になるんです。

これ、イギリスの焼き菓子メーカーMcVitieのプロモーションなんですけど、エレベーターの壁に一ヶ月かけて1325個のJaffa Cakesを設置したそうです。こんなに沢山のJaffa Cakesの囲まれると、ついついペロペロっと舐めてみたい気分になるのかな? とりあえず、ここでは我慢しておいて、お店でJaffa Cakesを買うって人も多いのかも!?

ちなみに、誰かが舐めたのはエレベーターボーイが取り除いてくれるから、誰かと間接キスすることは無いそうですよ~。それならぁ...舐めてみる?

リンク先の画像を見る限りでもどう見ても真っ当な商品コンセプトの元に開発されたものではなかろうとも思うのですが、こんなところにエレベーターボーイを配置してまでこだわるのがブリ流なのですかね。
最後に取り上げますのもこちら食べ物絡みの話題なんですが、その気持ちはまんざらわからないでもない、というところでしょうか?

台所用スポンジを4000個食べた女性「石けんも100個食べた」(2012年3月14日Pouch)

イギリス、コーンウォール州にお住まいの歯科助手、ケリー・トレビルコックさん(21歳)。『The Sun』紙のインタビューによると、なんと彼女はこれまでに4000個の台所用スポンジを食べているのだそうです。ど、どうして!?

実にビックリなお話ですが、これは「異食症」という、食べ物では無いものを食べたくなってしまう珍しい病気のせいなのだとか。そ、そんな病気があるのですね!

さて、そんなトレビルコックさん、スポンジを食べる際には色々工夫しているみたいです。お気に入りの味付けは、辛いソースやマスタード。また紅茶やココアに浸して楽しんだりもするそうです。むむ、ちょっと美味しそうな気もしますね……。やりませんけど……。

またスポンジだけではなく、石けんも100個食べているそうです。ただし食べるのはフルーツ系のオーガニック石けんだけ。ちなみにレモンとライムで作られたものがお気に入りとのこと。

トレビルコックさんがこの「異食症」になってしまったのは2008年。モロッコで休暇を取っている際に、「鉤虫症」という寄生虫病の一種に感染してから食習慣に異変が起きたと言います。最初は「ジャンクフードが食べたくて仕方なくなる」、「食べても食べても空腹が収まらなくなる」などといった症状が現れていたそうです。

そんなある日、気分転換に洗い物をしようと新品のスポンジを取り出したところ、突然「これ、食べたい!!! 」という衝動に駆られ、初めてスポンジを食べてしまったトレビルコックさん。「味は何もしなかったけど、とても楽しい気がした」そうです。また、スポンジを食べたことで、ジャンクフードでは埋まらなかった空腹感が満たされたのだとか。不思議ですね。

その後もおかしいとは思いながら、この「食事」をやめることができなくなってしまった彼女。スーパーでたくさんスポンジや石けんを買い込むので、レジの人には「掃除好きなのね」と冗談を言われたりも。

「頭がおかしい」と言われるのを恐れ、彼女はこの「食習慣」をしばらくのあいだ誰にも言えずに悩んでいたそうです。ですが2009年にとうとう医者に打ち明け、「異食症」という診断を受けます。消化器官が深刻なダメージを受けていることもその際に分かったそうです。危ない危ない。

こうして現在はほかの異食症患者と情報交換しながら治療に向けて努力しているトレビルコックさん。車のタイヤ、スプーン、ソファなど、彼女よりもずっと大変なものを食べてしまう人々がいることも分かったそうです。スゴい病気なんですね……。

残念ながらまだ完治には至っていないようですが、「いつの日か病気を克服して、シャワーを浴びたり洗い物をしたりしても、『お腹減った』と思わないようになりたい」と語る彼女。たいへんな病気ですけど、1日でも早く治ることをお祈りしています!

え?ブリの人々って生まれながらに皆異食症じゃなかったの?と言うツッコミはさておき、幾ら何でもそこまで思い詰める前にブリを脱出してまともな食事を得られる環境に移っていたら…という気がしないでもありません。
それにしても相変わらず食に関する話題には事欠かない様子ですが、今度の五輪で世界中からお客が訪れるにあたって更なる興味深いエピソードも出てきそうですかね。

今日のぐり:「うどん処 あまからさん」

何十年も変わらぬ味を提供する老舗の志も尊いものですが、日々変わっていく新店の発展ぶりもまた見ていて興味がつきないものですよね。
倉敷市西部は玉島地区の中心部に位置するこちらの場合、地元の食材にこだわったという点が一番の売りなんだそうですが、以前にたまたまオープン早々に訪店して以来、何度か通うたびに味が改善してきている印象があります。
しかしかなり安定的にお客が入るようになったのはいいことなんですが、その分食事時などはかなり待たされるようになってきているようでオーダー後は相応に時間がかかるんですが、個人的には茹で置きのうどんがすぐに出てくるよりはいいんじゃないかと思いますし、それが待てないなら近隣に待たないで済む店は沢山あるわけですしね。

定食類などメニューの方もますます増えてきているようなんですが、ここは以前の味と比較する意味でも冷たいごぼ天ぶっかけうどんを大盛りで頼んで見ましたところ、うどんの方はすっかり安定した質になってきましたね。
もともと丁寧に仕上げたうどんで色つやや舌触りは良好ながら、当初はとかくコシというものを強調したい気持ちの現れかともかく硬さが目だつうどんだったのですが、今やふんわり軟らかい中にしっかり腰があるうどんへ進化していて、この軽さがあるからこそ「うどんは別腹」でいくらでも入るようになるというものです。
店名通りにあまから濃い目のツユとのマッチングもばっちりで、もちろんこのツユであるからこそうどんを大盛りにしても全くバランスは崩れないというもので、個人的にはぶっかけうどんの基準店の一つに据えられる水準になってきたかなという気がします。
トッピングのごぼうは近隣の有名な産地である連島のものなのでしょうか、ちなみにこちらのお店の場合ポリシーなのか以前食べた時に天ぷらがちょっと焦げ臭いくらいに揚がりすぎで出てきたんですが、ごぼうに関しては十分に時間をかけてじっくり揚げた方がうまいと思いますね。
相変わらず薬味として小皿に載って出てくるウズラの卵は殻を立てるのに使ってあるワサビやすりゴマと絡み合ってドロドロになっていたりもするのですが、これも手間暇かけてこうやっているくらいですからこだわりということなんでしょうかね。

接遇面では前回もかなりこだわりが感じられたマニュアル対応は更に進化していて、顧客との対話の繰り返しを通じての進化の過程が目に浮かぶようですけれども、前回ちょっと対応に不安を覚えた人もばっちり仕上がっているように見えたものの見ていると今も指導は入っているようなんですが、少なくともそのシーンが顧客の目には触れなくなったのはいいですよね。
増え続けるメニューに関しては一つには壁のメニューの方が増え過ぎて煩雑だし、テーブルに置かれているメニュー一覧を一度整理してはとも思うのですが、他方でアルコールや夜のつまみメニューも充実しているのはうどん屋の志としてはどうかなとも思う一方、こういう地場の店が固定客つかむには実際早道ではあるのでしょうね。
何にしろここまで味が仕上がってくれば今後ますますお客は増えてくるんじゃないかと思いますが、すでにお客の間からは待ち時間に不満を感じる人も出始めている気配が見えるだけに、どこまで妥協なく味を追求出来るかも興味深い命題でしょうか。

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2012年5月19日 (土)

大阪市入れ墨調査 思いがけないところまで浮き彫りに

いろいろと言われながら調査を行ってみると、意外に大変な状況だと判明してしまったのがこちら大阪のニュースです。

入れ墨職員100人超?…配置に頭痛める大阪市/大阪(2012年5月14日読売新聞)より抜粋

 大阪市環境局が今年3月、同局の全職員約3200人に入れ墨の有無について調査したところ、約50人が「入れ墨をしている」と回答していたことがわかった。

 同市では、橋下徹市長の指示で全職員に対する入れ墨の調査が進行中で、数はさらに増える見通しだ。市は人目に触れる場所に入れ墨のある職員を市民対応部署から外すなどの措置を検討しており、人事配置で苦慮する可能性もある。

 市環境局は2010年5月に職務倫理に関する内規を施行、この中で「タトゥーまたはこれに類するものをしてはならない」と決めている。しかし、昨年、市民から「入れ墨をしたごみ収集職員がいる。問題ではないか」という意見が寄せられ、同局が今年2~3月、内規が守られているかどうかを記名式で調査した。

 職員に▽入れ墨の有無▽入れている体の部位――などを尋ねた。環境局は、入れ墨があると答えた職員には、可能な限り消すように指導したという。

 一方で、全市職員調査のきっかけになったのは、2月、児童福祉施設の職員が子供に入れ墨を見せていたことが明るみに出たことだった。橋下市長は「公務員が遊び半分で入れ墨を入れるなんて何かが狂っている」と問題視、市長をトップとする服務規律刷新プロジェクトチームを発足させた。
(略)

大阪市機能マヒ寸前 橋下 全職員「入れ墨」検査/大阪(2012年5月14日日刊ゲンダイ)より抜粋

「200人を超える」どころか、400人を超えそうだ。大阪市環境局が今年3月、局内の全職員約3200人に「入れ墨の有無」について、記名式で調査したところ、約50人が「入れ墨をしている」と答えたのだ。実に64人に1人の職員が「タトゥーあり」という異常事態である。

「調査のきっかけは、市民から昨年『入れ墨をしたゴミ収集職員がいる。問題ではないか』という意見が寄せられたこと。環境局では10年5月に『タトゥーまたはこれに類するものをしてはならない』という内規を施行したばかり。この内規が守られているのかという懸念から調べたのですが、まさか、こんなに多いとは……」(大阪市関係者)

 いま大阪市では橋下市長のトップダウンで、環境局の調査とは別に教職員など約8000人を除く全職員約3万人(環境局も含む)に対する入れ墨調査が進行中だ。単純に環境局の割合を当てはめれば、468人もの入れ墨職員が存在してもおかしくない。
(略)
 いずれにしろ、大阪市は人目に触れる部署から入れ墨職員を外すなどの措置を検討中。これだけの人数を異動させるとなると、人事配置は難航必至で機能マヒ寸前だ。橋下は大阪市の“パンドラの箱”を開けてしまったのか。

「やりたきゃ民間へ移れ」入れ墨職員110人、回答拒否は513人も/大阪(2012年5月16日産経ニュース)より抜粋

 大阪市が教職員をのぞく全職員約3万3500人を対象に実施した入れ墨の有無などを調べる記名式アンケートで、入れ墨をしていると回答した職員が110人に上ることが16日、分かった。橋下徹市長は同日、「何をやってもクビにならない、降格にならないという甘えが出ている。ファッションで許すという企業があってもいいから、入れ墨をやりたい職員は民間に移ってもらいたい」と改めて述べた。こうした現状を放置してきた市幹部や市議らの責任も問われそうだ。
(略)
 部局別で最も多かったのは環境局(職員数3164人)の73人。交通局(6509人)は、地下鉄の運転士と車掌が計7人、市バス運転手が2人、駅職員が4人、技術系職員が2人だった。このほか、建設局(2866人)7人、ゆとりとみどり振興局(795人)3人などとなった。

 橋下市長はこれまで、市民の目に触れる部位に入れ墨がある職員については「原則消してもらう」と述べ、配置転換や分限免職の可能性についても言及している。

そもそもの発端であるとされる職員が入れ墨を見せながら「殺すぞ」などと子供を脅したという異様な事件にしても、聞くところによれば「そういう事実は認められない」と当の職員は何のおとがめもなかったと言うのですから驚きますが、教職員に対しても調査依頼を受けた市教委なども調査は必要ない、人権問題だと拒否したというのですから、数字以上に改めて感覚の異常さが浮き彫りにされた結果とも言えそうですね。
それにしても記事にもあるとおり記名式とはいえあくまでも自己申告ですから、おそらく申告しないまま潜伏している方々も相当数に登るのだと思いますけれども、それにしても半ば以上予想された通り?環境局の「汚染」ぶりは相当なものがあるということが数字の上でも示された形でしょうか。
あまりに多すぎて直ちに強硬な処置をしてしまうと市政に支障を来しかねないのでは?などという懸念も出ているというのもすごいものですが、各方面からもさすがにおかしいという声が挙がっている通りで、とりわけ環境局の場合は半数が採用後に入れ墨をしていた、しかも大半が外から目立つ部位にやっているというのですから少し感覚がおかしいんじゃないかなという気がしてなりません。
ただここで問題になるのは誰の感覚がおかしいのかということなんですが、こちらの記事をひとまず紹介してみましょう。

ガガもデップも「市職員お断り」橋下市長/大阪(2012年5月17日産経ニュース)

 大阪市の全庁調査で職員110人が入れ墨があると回答した問題に絡み、橋下徹市長は17日の定例記者会見で、米人気歌手のレディー・ガガや俳優のジョニー・デップがファッションとしてタトゥーを入れていることを引き合いに「有名人もタトゥーを入れているが、好ましくないのか」と問われたのに対し、「もしガガさんやデップさんが市職員になるといったら、断りますよ。俳優や歌手だからみんなに支持される。市職員(の試験)を受けるわけないとは思うが」と述べた。

 橋下市長は「僕だって(大阪府)知事になる前までは髪の毛も茶色で、偉そうなことは言えないが、市長や知事になるとなったら黒く染めるわけですよ。公務員だし、税金で飯食うわけだし、人に命令だすわけだから。それは違うだろうということですよ」と指摘。「入れ墨(の是非)は個々人が判断すればいいが、公務員は違う。そこは許されない」と結論付けた。

 一方、全庁調査で入れ墨をしていると回答した職員が部局別で最多の73人にのぼった環境局で、約半数は別の調査で採用後に入れ墨をしたと答えていたことも分かった。会見で橋下市長は「何でそういうことを平気でできるのか。職場の風紀は(相次ぐ)不祥事の問題に影響している」と憤った。

 環境局によると、全庁調査に先立つ今年2~3月、市民からの投書などを受けて、局職員約3200人を対象に独自に任意調査を実施。この結果、69人が入れ墨をしていると回答し、うち半数が採用後に入れたと答えたという。

 ワンポイントのタトゥーが大半で、花や骸骨(がいこつ)、羽根、稲妻などの絵柄を数センチ四方の大きさで上腕部に入れているケースが多かった。一方で、約30センチ四方の唐獅子模様を背中に入れている事例もあったという。

 入れ墨をした理由については「若気の至りだった」「友達がやっていた」など、深く考えないままファッション感覚で入れたとの回答が多く、後悔や反省の気持ちを示す人も。環境局では入れ墨を消すよう指導しており、これまで数人が医師に相談したという。

すでに内規もある訳ですし、市民の目線も何かと厳しくなっている昨今ですから粛々と対応いただくしかないと思いますけれども、非常に興味深い現象としては一部マスコミで何故か入れ墨を入れていることを懸命に擁護しようという動きが見られることでしょうか。
上の産経の記事にも記者会見において「有名人もやっているがそんなに問題なのか」云々などという質問が飛び出したことが記載されていますが、例えば有名人がコンサートに来たお客さんにタメ口で呼びかけていたからと言って窓口に来た顧客に職員がタメ口をきいていいだろうなんて言い出すのは馬鹿げていますよね。
こういう不思議なことを言い始める記者がいたことと関係があるのかどうかは判りませんが、先日も橋下市長との面白い討論?がネットで曝されて一躍話題となった毎日放送と同系列の毎日新聞ではこんな不思議な記事を出しているようです。

余録:「魏志倭人伝」には「男子は大小と無く、皆黥面…(2012年05月18日毎日新聞)

 「魏志倭人伝」には「男子は大小と無く、皆黥面(げいめん)文身す」とあるから、当時の日本人の男は大人も子供も顔や体に入れ墨をしていたらしい。水に潜って魚をとる海人が大魚の襲撃を防ぐまじないにしたのが、後に飾りとなったのだという▲ならば入れ墨のない者は当時の役所をクビになったのか−−とは、むろん大阪市での職員への入れ墨調査を聞いて頭をよぎった妄想である。役所が職員の入れ墨の有無を一斉調査するというのもびっくりだが、「110人」という調査結果にも驚いた向きが多かろう▲そういえば最近タトゥーと呼ばれるファッション感覚の入れ墨を就職活動を機に消す手術をする若者が多いという。欧米の映画などをまねて気軽に入れたタトゥーも、いざ職探しとなれば入れ墨がアウトローのシンボルとされてきた日本社会の市民感覚に突きあたる▲さて映画では片肌脱いで桜吹雪を見せる遠山の金さんこと町奉行、遠山景元には本当に入れ墨があったか。放蕩(ほうとう)ざんまいの若い頃に遊び仲間と腕に桜の入れ墨をしたと記すのは元幕臣の漢学者、中根香亭だ。旗本の子弟が「武家彫り」などという入れ墨をした時代だ▲だが香亭によれば、幕府で昇進をとげてからは常に肌着をきつくまとい、夏も脱ぐことがなかったという。さて景元は「若気の至り」を後悔したのかどうか。ともあれこと奉行としては若い時の体験ゆえに下情に通じたみごとな裁きをしたと香亭は絶賛を惜しまない▲大阪市職員の入れ墨事情は人それぞれだろうし、何らかの措置が必要なケースもあろう。ただ未来の景元を失わぬようにするのも組織の「マネジメント」だ。

まさに金さんが役人たるの姿勢の何たるかを示しているわけですが…あえていちいちツッコミはしませんけれども、生レバーにいたく御執心であることがありありと伝わってきた先日の朝日の記者氏と同様、こちらは入れ墨に対する尋常ならざる思い入れがひしひしと伝わってくるという内容で、こういう場合我々としては「チラ裏乙」とでも言っておけばよろしいのでしょうかね?
いずれにせよ放っておけばごく当たり前の綱紀粛正の一環で終わっていたかもしれない入れ墨問題ですが、マスコミが大きく取り上げた結果一部の方々の予想外の発想まであらわになってしまったようで、彼らとしては入れ墨問題を介して橋下市長に反撃をしていくつもりだったのでしょうが、これでは逆に支持率向上に協力したような形にならないでしょうかね。

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2012年5月18日 (金)

低成長時代の高齢者医療

いまさらマニフェストに反している!などと言うつもりもありませんが、結局はそういうことになったかというのがこちらのニュースです。

またマニフェスト棚上げ 「後期高齢者医療」廃止せず、名称変え微修正(2012年5月16日産経新聞)

 75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度で、政府が今国会への提出を検討している見直し法案の概要が15日、明らかになった。2案を軸に検討しているが、いずれも当面は現行制度の存続を前提に、名称を「高齢者医療制度」(仮称)に変更する微修正にとどめている。民主党は平成22年の参院選マニフェスト(政権公約)で、後期高齢者医療制度の「25年度廃止」を掲げていたが、これを事実上棚上げする内容だ。

 民主党マニフェストの目玉政策の破綻を受け、現行制度の維持を主張する自民党などが勢いづくのは確実。消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革をめぐる与野党協議にも影響が出そうだ。

 政府がまとめた一体改革大綱では、後期高齢者医療制度の見直し法案を今国会に提出することが盛り込まれている。見直し法案について、具体的な検討状況が明らかになるのは初めて。

 それによると、両案とも、現在は市区町村のみが運営主体となっている高齢者医療制度の広域連合に、都道府県の加入を可能にして財政の安定化を図ることを“改革”の眼目に据えている

 その上で、A案は将来の制度廃止を見据え、75歳以上の人のうち企業などで働く本人だけ(約33万人)を勤務先の健康保険に移す。逆に、その家族も含め、制度対象者の98%はそのまま現在の制度に残る。

 B案では現在の制度に75歳以上の全員が残ることを前提としている。一方、財政が逼迫(ひっぱく)する国民健康保険(国保)を支援するため、国保の都道府県単位での運営を推進。市区町村によっては国保の保険料負担が軽減するメリットがある。

 ただ、A案を実施する場合、国の財政負担が約300億円増加し、中小企業の社員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は約200億円の負担増となる。企業などの事業主負担も約400億円増える。B案はシステム改修費の約40億円のほかに、都道府県の負担が増える見通しだ。

 A案では負担増となる事業主、B案では都道府県の反発が必至。政府は全国知事会に対して1500億円の財政支援を打診したが、知事会側は拒否している。

 このため最終的には事業主、都道府県の双方に配慮し、高齢者医療の広域連合に都道府県が加入できるだけの“看板掛け替え”案となる可能性が高い

【用語解説】後期高齢者医療制度

 平成20年に当時の自公政権が導入。高齢者医療の負担のあり方を明確化するため、75歳以上を独立した保険に移行させた。民主党は「平成のうば捨て山」と批判。75歳以上の勤め人(家族を含む)を勤務先の健康保険、残りを国民健康保険に戻す案をまとめていた。

とりあえずマニフェスト云々の話は抜きにしますが、振り返ると民主党政権発足後の2010年末に厚労省から(1)現在1割の70~74歳の医療費窓口負担割合を2割にアップ(2)最大9割となっている75歳以上の低所得者への保険料軽減措置を最大7割に縮小といった高齢者負担増の内容を含む新制度の叩き台が出てきたものを選挙に影響があると民主党側が蹴って以来、政府からははっきりした代案が出ていなかったわけです。
そもそも高齢者を国保に移行させると言っても当の国保が破綻寸前とも言われているのですから嫌われるのは当然で、これに対して市町村単位から都道府県単位へと国保の広域化を図って財源を安定させますと言ったところで、もともと国保が低所得~無収入層を受け入れている以上安定確実な収入のある健保に比べて足腰が弱くなるのは決まっている話です。
何より当初から公聴会などで出ていた「後期高齢者医療制度廃止で現役世代の負担が過重にならないのか?」という声に対する根本的な対策はなく、企業の負担金や公的資金(これも元をたどれば現役世帯の払った税金ですが)などの投入で下支えするに留まるというのですから目先の話ばかりに終始していると言われてもやむなしですが、あるいはこうした態度には民主党にしてもいざ政権の座について勉強するほどに問題点が理解できてきたと前向きに捉えるべきなのでしょうか。

先日は生保受給者の増加に伴いその医療扶助(医療費)が際限なく増加していくことが問題視されているという件を紹介しましたが、医療費が無料であるということがそれ自体不要不急の需要を喚起しかねないもので、こうした層に対してどのように医療費抑制のインセンティブを働かせていくのかが課題とされていました。
後期高齢者医療制度にしてももともと増え続ける高齢者医療費に対して相も変わらず優遇措置ばかりを継続し何らの歯止めもかけられていないことから、まずは高齢者自身(と同時に、実際にお金を負担している現役世代)にどれほど医療費を使っているのかということを自覚してもらう、そしておそらく将来的に医療給付抑制のための対策に結びつけていくという話であったわけですね。
現役世代の個人は元より健保を支える企業の側でもこれ以上の負担増は保たないという声が高まりつつある中で、結局は支払いに誰の財布を当てにするかという議論ばかりに終始して、増え続ける一方の医療費に対する手当を放置したままにも見えるというのは昨今の財政状況を考えると極めて不自然なことに思えます。

無論現状で高齢者が一番お金も票も持っているわけですから、ちょっとでも高齢者への医療給付抑制と言えば政治家の首が危ないという事情もよく判るのですが、自然増を続ける需要に対して全く制限もなく丸々医療給付を認め続けるという形での医療費増加などもはや継続不可能であるということは、日医などからなんだかんだと言われながらもほぼ社会的にもコンセンサスを得てきたように見えます。
生まれたばかりの赤ん坊から寝たきり老人まで全国民が等しく平等であるとして同じ給付を続けるのであれば負担も同じにするのが筋でしょうし、逆に負担に差をつけるのであれば給付の方でも差をつけるというのでなければ、こっちはろくに病院に行く暇もないのに高い保険料ばかり取られると不満が爆発寸前の現役世代も納得できないでしょう。
医療給付の抑制というと「年寄りはさっさと死ねと言うことか?!」とすぐ激高する方もいらっしゃいますが、例えばお金が湯水のごとくかかる最新最先端の医療は避けてもらってごく標準的な(あるいは、枯れたと言ってもいいでしょうか)医療だけに留めていただくだけでも医療費は全く違ってきますし、現実に療養型病床などではこうした制限をすでに行っているわけですよね。
かつては後で何とかなるさとひたすらイケイケでやっていた時代もありましたが、今は現役世代は少しだけ辛抱してお金を負担する、これを受け取る高齢者の側も少しだけ我慢して給付を抑制すると、皆が少しずつ我慢して折り合いをつけていかないことには世の中が回って行かなくなってしまうのが、これからの低成長時代というものなんじゃないかと思います。

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2012年5月17日 (木)

広まっていく生保包囲網

本日まずは考えようによってはいまさらとも言えそうな話題から紹介してみましょう。

生活保護費、25年度5・2兆円 厚労省試算、本年度比40%増(2012年5月13日中国新聞)

 過去最多の更新が続く生活保護費が、2012年度の3兆7千億円から25年度には40%増の5兆2千億円に増大するとの厚生労働省試算が12日、判明した。10年前の02年度には2兆2千億円だったが、ほぼ右肩上がりに増え続けており、歯止めがかからない状況になっている。医療費が大きく伸びることが要因とみられる。

 受給者に対する自立支援策の拡充や、不正受給対策の強化など制度見直しの議論が加速するのは必至だ。

 試算によると、年間の生活保護費は15年度に4兆1千億円、20年度に4兆6千億円、25年度に5兆2千億円に達する。国内総生産(GDP)に対する比率は12年度の0・8%から25年度には0・9%に増える

 生活保護費の約半分を占めるのは、生活保護を受けている人の医療費に相当する「医療扶助」だ。全額公費で賄うため受給者が受診しても窓口負担がなく、過剰受診を招きやすいとの指摘がある。試算でも12年度に1兆7千億円だった医療扶助が25年度には2兆6千億円に急増する。

 試算は、12年度当初予算ベースの保護費を出発点にし、医療扶助は厚労省の医療費の将来推計に比例して増えると仮定。「住宅扶助」など医療扶助以外はGDPの伸びに応じて増加するとの前提で単純計算した。

 厚労省によると、10年度の生活保護の不正受給額は128億円に上り、過去最多となった。

 全国の受給者数は11年7月以降、過去最多の更新が続いている。それまでは1951年度(月平均)の204万6646人が戦後の混乱の余波で最も多かった。今年1月時点では209万1902人。高齢者が多いが、リーマン・ショックを機に失業者など働ける年齢層の増加が目立っている。

歯止めがかからない増加ぶりと言いますが、マスコミ諸社は今まで生保受給に歯止めをかけようとする行政側の自助努力をさんざんに叩いてきたわけですから、一体どの口が言っているのかという気がしないでもない記事ではありますよね。
生活保護(以下生保)関連で最近話題になっているのが、年収5000万円と言う売れっ子芸人が「タダでもらえるんなら、もろとけばいいんや!」と母親に生保を受給させていた問題で、一部国会議員までも調査に乗り出したと言うにも関わらずさっぱり報道も進まない中で一部では例によって陰謀説までささやかれているらしいですけれども、その背後には生保受給の認定が甘すぎるという指摘もあるようです。
無論一部には実際に生活に困窮しているにも関わらず生保を受けることなく孤独死するようなケースも報道されますが、一説には200万人余りの受給者のうち不正受給者は0.4%ともいい(本当にそれだけで済んでいるのか疑問の余地無しとはしませんが)、実際に不正受給当事者が数々のノウハウがあるのだと告白もしているようです。
よく言われるように生保申請の段階で揉めることはあっても一度申請が通れば継続はほぼフリーパスであるだけに、生保受給者になるとそのぬるま湯から抜け出せなくなることも問題だと言われていて、最近では橋下大阪市長の元でチェックを厳格化するようになった大阪で受給者が慌てて職探しに駆け回っているという話も漏れ聞こえて来ます。

いずれにしても各方面から財政支出の削減が叫ばれる中で今や国家予算の9%を占めるという生保支給も見直しが進められるのは当然で、例えば預金隠し対策に行われていた自治体からの要請による預金口座調査も今までの支店単位から全店一括で実施するよう銀行業界のルールが改められるなど、関連業界による協力体制作りも急がれているわけです。
となれば当然のことながら、生保支給額のおよそ半数を占める医療費に対しても更なる圧縮の期待がかかってくることは当たり前の流れなのですが、その一環としてかねて言われてきたことがいよいよ実施されるのか?と言う話にもなりつつあるようですね。

医療産業懇  生活保護受給者に後発品一律使用求める意見(2012年4月13日日刊薬業)

 医薬品などの医療産業を考える超党派の勉強会「医療産業懇話会」は12日開かれ、日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の長野健一理事長から、後発医薬品をめぐる現状と課題について話を聞いた。後発品の使用促進に向けGE薬協は、医療関係者や国民・患者への後発品の理解を深めるため政府側の積極的な広報活動を要望した。一方、出席議員からは、生活保護受給者は一律に後発品を使用することなどの提案が上がった

 会合は非公開で行われた。会合終了後に記者会見した事務局の松浪健太衆院議員(自民)によるとGE薬協は、2012年度診療報酬改定での使用促進策により、数量シェアを年度内に30%以上とする政府目標を達成できることに期待を示した。30%に達すれば事実上、後発品に切り替えられる医薬品の半分が後発品に置き換わることになるとし、そのころには医療関係者らの後発品への抵抗感も軽減されているのではないかと見通したという。

 一方、出席議員からは、生活保護受給者は一律に後発品を使用するなどの提案があったという。松浪議員は「受給者はさまざまな生活が制約されている。受給条件の一つとして後発品の問題が入ってもいいのではないかという認識は自民党議員の中でも高まっている」とし、受給者への後発品の一律使用を支持する考えを示した。

 懇話会は今後、調剤ポイントの問題や一般用医薬品をテーマに取り上げ、関係団体などからヒアリングを行うことを予定している。

昨年末頃より診療報酬改定作業も絡んで厚労省から様々なマスコミ向けの情報発信(と言うよりも、誘導でしょうか)が続いていた中で、生保受給者には2日に1回以上の高頻度で3か月以上続けて通院した「頻回通院者」が全国で1万8217人に上るという話題もあり、これを受けてマスコミ各社が一斉に「医療業界にとって生保受給者はボロ儲けの上顧客」と報じたことは記憶に新しいところです。
要するに厚労省にすれば生保が目立って医療費を浪費しているからこれを抑制すべきだという話に持っていきたいし、政治家としても昨今橋下市長が生保見直しで大きく支持率を稼いでいる状況も横目に見ているのでしょうか、今回の一律後発品(ジェネリック)使用という提案についても「自民党内でも反対する意見はほとんど存在しない」という声もあるようですね。
全額公費負担で価格によるインセンティブが働きがたい生保受給者では国が強制しないと切り替えが進まないという意見はもっともではあるでしょうし、厚労省の試算では後発品の切り替えで保護費が140億削減できる見込みだと言うのですから悪くない話だとも思えますが、一方で過去に厚労省から切り替えの通達が出された際にも「差別じゃないか!」という批判を受けて撤回されたという経緯もあるわけです。
ただ今回がかつてと違うというのは先にも示したように政治家にしても生保対策が直接票に結びつくのだという実例が示されている点、そして冒頭の記事に見られるように生保対策は急ぐべき課題であるという認識がマスコミの間にも広まっているという点で、どうも今までほどの反対論は盛り上がらないんじゃないかという気もしています。

ジェネリック問題に関しては当ぐり研においても過去繰り返し取り上げてきた通りで、少なくとも「同じ成分・同じ効き目」という売り文句は明らかな嘘であると思いますけれども、一方でその差が投与量調節などで加減できる範疇であれば、単に切り替えるのが面倒くさいといった手間暇の問題以外で積極的に反対すべきほどのものでもないかなとも感じています。
もちろん今まで安定していた患者がジェネリックに切り替えた途端に具合が悪くなったというケースを経験すれば、それはどんな医者だって「あんな安物誰が使うか」と思いたくもなるでしょうけれども、薬が合う、合わないということは先発品、後発品を問わず起こりえることですから、例えば何かの病気で今回初めて治療を始めるというケースで敢えて先発品指定で処方を開始する意味もないんじゃないかとも思いますね。
結局のところものは考えようで、限られたお金を各方面で分配して使わなければいけないというケースで何かを削り、その分を他の大事なところに回す必要があるのだとすれば、先発品にこだわって少なからずのお金を浪費するくらいならもっとこだわるべき重要なところが、とりわけ日々人の命を預かっている医療という分野には多々あるんじゃないかなということです。
もっとも今の世の中ですとせっかくそうやって節約したお金を、それこそどぶに捨てるような無駄金として浪費されかねないことが非常に危惧されてもいるわけなんですけれどもね…

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2012年5月16日 (水)

福島が18歳以下の医療費無料化を決定

すでに報道等でもご存知の通り、福島県で18歳以下の医療費無料化がこのたび正式決定されたということです。

子ども医療10月から無料化 福島県が正式決定/福島(2012年5月14日日本経済新聞)

 福島県は14日、東京電力福島第1原発事故を受けた18歳以下の医療費無料化を10月1日に始めると正式決定した。約47億円の補正予算案を6月議会に提出する。

 子育てしやすい環境を整備し、人口減少を食い止めるのが狙いで、これまで秋からの実施方針は固まっていた。18歳以下の子どもは約36万人

 県によると、既に全市町村で小学3年までは医療費が無料化されており、県は小学4年から高校3年について、各市町村に全額補助する。県外避難している1万7千人余りの子どもも対象とする。財源には県民健康管理基金を活用する方針。

 18歳以下の医療費無料化をめぐっては、政府が国費負担を断念。福島県が独自に取り組むと決めていた。〔共同〕

無料化10月から、正式に/福島(2012年05月15日朝日新聞)

 ●県内外18歳以下医療 住民登録対象

 佐藤雄平知事が県独自の施策として導入を表明していた子どもの医療費無料化について、県は14日、10月1日から事業を開始することを正式に決めた。県外への避難者を含め、県内に住民票を置く18歳以下の子どもを対象に、医療費を県や市町村が負担する。

 18歳以下の医療費無料化を都道府県で導入するのは全国で初めて。県内の市町村には、小学3年以下や高校3年以下を対象に独自の無料化策を持っている自治体もある。県は小学4年以上の医療費を全額補助し、県と市町村の既存の制度とあわせて、通院費や入院費の自己負担分を無料にする

 公的保険がきく病気の治療が対象で、窓口での支払い方法は、住民票を置く市町村の制度が引き継がれる予定。県外の病院での自己負担分は領収書などでの事後精算を想定している。

 新制度の導入による県の負担は年間約47億円の見通し。財源には、原発事故後の県民の健康維持のため創設された健康管理基金をあてるが、積立額3400億円のうち、8割以上が除染費などで取り崩される予定で、福島特措法による将来の財源確保にも不透明さが残る。事業の期間についても「継続性を可能な限り図る」との表現にとどめた。

 また、中学3年までに限れば、東京都や群馬県など、県内からの避難者がいる自治体にも無料化制度があり、効果は未知数だ。このため、県は今年、内部被曝(ひばく)検査や子どもの心のケアなど総額642億円の関連予算を組み、子育て支援重視の姿勢を打ち出す

福島の18歳未満3万人が避難 流出抑制へ医療費無料化/福島(2012年5月15日河北新報)

 福島第1原発事故などで、福島県の18歳未満者約3万人が避難していることが14日、県の集計で分かった。県外への避難者が6割を占めるなど子どもの流出が深刻となっているため、県は10月から18歳以下の県民の医療費を無料化する。県によると、18歳以下の一律無料化は全国の都道府県で初めて
 県によると、4月1日現在の18歳未満の避難者は表の通り。県内59市町村中、48市町村の計3万109人が避難している。このうち県外が1万7895人で59.4%を占める。市町村別で最多は南相馬市の5606人で、いわき市3641人、浪江町3298人と続いた。
 18歳以上も含めた県民の総避難者数は現在、約16万人。その2割近くが18歳未満の子どもで、特に県外避難者は18歳未満者が3割近くを占めた。子を被ばくさせたくない親が避難させているのが主因とみられ、県子育て支援課は「かなり大きな比率で、危機的状況にある」と話す。
 県外流出を食い止める施策の一環として県は14日、10月から18歳以下の医療費無料化を実施する方針を正式に発表した。
 県議会6月定例会に本年度分の事業費10数億円の補正予算案を提出する。
 対象は、県内に住所がある小学4年生から18歳以下の人で県外避難者も含む。実施主体は市町村で、県が東京電力の賠償金などを基に創設した県民健康管理基金から全額補助する。小学3年生までは県内の全59市町村で既に無料化が図られており、県の事業との組み合わせで18歳までが一律無料化となる。
 佐藤雄平知事は「日本一、子どもを生み育てやすい県づくりの象徴となる事業。県を挙げて取り組む」と話している。

過去の経緯はすでに何度か取り上げてきたところですが、復習しますと昨年11月に総理官邸を訪れた佐藤知事から緊急要望書の主要課題として医療費無料化が取り上げられ、首相もその場では検討するという話ではあったものが結局は国の施策としては断念する旨を返答していたところ、福島県側で独自に予算をつけて行うことにしたということです。
この件についてはまさに首相筋からの指示を受けて政府関係各所でも検討された通り、国の施策としては福島県内外での差別的待遇ということへの説明がつきにくいことに加えて、何よりもただでさえ逼迫していると言われる現地の医療供給に対して更なる需要の増大が深刻なダメージを与えかねないと懸念され、財源問題などとも併せて国からは断られたという経緯であったわけですね。
無料と言えば誰でもうれしいでしょうし、医療財政も緊縮が続き経営も厳しい折にお上がお金を出して顧客を増やしてくれるというのですから医療機関としても歓迎すべきところなのでしょうが、それでも医療現場からはやめておいた方がいいんじゃないかという声が少なからずあるという現実をどう捉えるかです。
無論福島が独自にお金を出してやることだから自治体の勝手だろうという考え方もあるにせよ、ご存知のように福島と言えばかねて聖地とも言われるほど医療に関しては数々の課題を抱える土地柄だけに、今回の独自の施策が現地の医療事情にさらなる悪影響を及ぼすのではないかと懸念されるわけですね。

そもそも近年では小児医療費無料化が各地で拡大してきていますが、現場からはこれがただでさえ疲弊している小児科医にさらなる負担を強いるものであると言う声が挙がっている一方、自治体側から見れば手軽に住民の支持率を期待出来る、若年世帯の定住も得られやすいといい事ずくめのようにも見える施策であるわけです。
すでにアメリカでの政府主導による社会実験によっても医療費無料化はモラルハザードを招くという結果が明示されていますが、卑近の例としては先日いわき市長の「原発避難者は働かずパチンコばかり」発言でも注目されたように、医療費窓口負担が免除される避難者が避難先で医療機関に押し寄せパンクさせてしまうという事態が実際に起こっていると言います。
避難先の住民としては軒先を貸して母屋を取られたような心境でしょうが、もともと医療資源が不足している東北の中でもことに聖地と崇められる福島だけに医療需給バランスはただでさえ需要過多に傾き現場が疲弊していたところに、この上需要ばかりを増やすようなやり方が現場にどう受け止められるかはきちんと検討されているのでしょうか。

特に今回注目されるのが小児医療費無料化といいながら実際には18歳までが対象ということで、社会的には確かに18歳は未成年ですが医療の世界では小児科ではなく内科、外科と言った一般診療科の対象となる大人ですから、小児科だけが輪をかけて忙しくなるではすまない広範な影響があるだろうと予想されますし、あまり無茶ばかり押しつけて医療体制が破綻してしまえば医療費無料化の効果など簡単に相殺されて多額のおつりが来るというものですよね。
先の原発対応であれだけ叩かれながらも国が無料化を見送った背景にもそうした医療現場に与える影響への常識的な判断が働いたと思われますが、大野病院事件での報告書でっち上げ騒動しかり、原発事故の際の「患者を置き去りにして逃げた許せない病院」なる捏造発表しかりで、福島というところはどうもお上が医療現場に余計な負担をかけずにはいられない土地柄なんでしょうか?
当初の目的であるという定住促進への効果ももちろんですが、機材も乏しい仮設診療所に応援医師を招いて何とかやりくりしてきただろう福島の医療現場にこれがどんな影響を与えるかも、今後注目していきたいところですね。

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2012年5月15日 (火)

天網恢々疎にして漏らさず

久しぶりにメシウマなニュースと言うべきでしょうか、すでにご存知の方も多いかと思いますが、国際指名手配中のテロリストが逮捕されたということです。

ワトソン容疑者、独で逮捕 シー・シェパード代表(2012年5月14日47ニュース)

 【ベルリン共同】反捕鯨団体「シー・シェパード」代表のカナダ人、ポール・ワトソン容疑者(61)がドイツのフランクフルト国際空港で逮捕された。同団体が14日までにホームページ上で明らかにした。中米コスタリカで2002年、危険な航行をした疑いで逮捕状が出ており、ドイツ当局が12日、これに基づき逮捕したという。

 同容疑者は今後、コスタリカに移送される可能性がある。

 シー・シェパードは日本の調査捕鯨船への妨害を繰り返し、日本の海上保安庁は10年6月、国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、傷害容疑などでワトソン容疑者を国際手配している。

日本鯨類研究所「犯罪行為裁いてほしい」(2012年5月14日産経ニュース)より抜粋

 環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード」(SS)代表のポール・ワトソン容疑者(61)が逮捕されたとの情報を受け、同容疑者を国際手配している海上保安庁は今後、外務省を通じてドイツやコスタリカ政府から情報を求めるなど、他国との連携を強め、SS包囲網を狭めていく

 日本は両国と犯罪人引渡し条約を結んでいないため、ワトソン容疑者の日本への引き渡しを強制することはできないが、海保は「情報収集を継続し、今後の対応を検討していきたい」としている。

 海保は平成22年4月、SSメンバーの南極海での監視船侵入など、一連の犯罪行為を指揮した疑いが強まったとして、威力業務妨害容疑などでワトソン容疑者の逮捕状を取得。国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配している。

 さらに、昨年末から今年3月にかけて南極海で実施された調査捕鯨では、海保は初めてSSが捕鯨船団のスクリューを破壊するために投げ込んだ鉄塊やロープなど約2トン分を大量に押収。今期の妨害活動でも器物損壊容疑などでの立件に向けた証拠収集を進めていた
(略)

記事にもありますようにドイツとコスタリカは犯罪者の引き渡し協定があるようなのですが、日本は両国とこうした取り決めがないため直接的に日本の司法へ引き渡されるという形にはならないかと思いますが、いずれにしてもコスタリカでの事件も海外の報道では「attempted murder(殺人未遂)」なんて物騒な言葉も出ているくらいに容易ならざるものではあるようです。
ワトソン容疑者にしてもこうした事態に陥ることを用心して訪問先には注意をしていたはずですけれども、今回の結末に至る前振りとしてやはり世界中でテロ行為を繰り返してきた彼らに対して各国が包囲網を敷きつつあったということもあるようですね。
日本の調査捕鯨などはいわば半公的にやっていることですからまだしもですが、零細漁業家などにとっては連中の犯罪行為によって即座に生活が立ちゆかなくなるというものですから憤りも激しいのは当然ですし、世界中でここまで悪行を繰り返していればいずれ法の網にかかるのは必然だったと言えそうです。

シー・シェパードが世界で“晒し者”に? 司法闘争激化、地中海のマルタ首相も提訴へ(2012年3月10日産経ニュース)
より抜粋

 米国の反捕鯨団体、シー・シェパード(SS)が世界の裁判所で訴えられ、法廷に引きずり出されている。南極海の調査捕鯨を実施している日本鯨類研究所は昨年12月、妨害の差し止めを求めて、SSの本部のある米西部ワシントン州の連邦地裁に提訴。一方、地中海の島国マルタの水産業者は、英国の裁判所に損害賠償訴訟を起こし、第1審で勝訴している。そして、3月上旬にはマルタのローレンス・ゴンジ首相が、SS代表のポール・ワトソン容疑者(国際指名手配中)を名誉毀損(きそん)で訴えると言い出した。(佐々木正明)

 SSは、2010年から2年連続で、地中海に抗議船を派遣し、夏季に解禁されるクロマグロ漁の妨害キャンペーンを展開している。2010年6月には、マルタの水産業者「フィッシュアンドフィッシュ」が洋上に保有している囲い網をSS抗議船によって切断され、さらに、抗議船の攻撃を防ごうとしたダイバー数人が負傷した。

 ワトソン代表は当時、声明を出し、「この業者が行ったことは密漁だ。クロマグロが絶滅する危機は、我々の生命や自由が冒される危機よりも重要なのだ」と自らの行為を正当化しようとした。

 ワトソン代表は今年2月、欧州メディア「ニューヨーロッパ」のインタビューに答え、マルタのマグロ漁業者は「全くの違法な企業」と勝手に断定。さらに、「マグロ漁師から賄賂をもらった政治家の全面的なサポートによって支えられている」と非難した。

 マルタはマグロなどの畜養漁業が盛んで、日本に冷凍クロマグロを輸出している。ワトソン代表に名指しで、汚職まみれの違法産業国家と非難されたことに黙っていなかったのは、誰よりも国家首脳だった。

 3月上旬、マルタ国会で議員からワトソンの指摘について質問を受けたローレンス・ゴンジ首相は「法的アドバイスを受けて、海外でポール・ワトソン代表を相手に名誉毀損(きそん)訴訟を起こすことにした」と断言した。

 ワトソンの発言について、政府の司法関係者も「われわれの産業は違法ではない。もし、ワトソン氏に賄賂の情報があるのなら、警察に訴えるべきではないか」と反論していた。

 SSとマルタをめぐっては、まず先に、地中海で網を切られたフィッシュ社が司法闘争を挑んでいる。フィッシュ社は2011年1月頃、約600匹のクロマグロなどの経済的損失を賠償させようと、SSの拠点となっている英ロンドンの裁判所に提訴。結果、SSは全面的に敗訴し、約70万ポンドの賠償を言い渡された

 SS側はすぐに控訴したが、関係者によれば、第2審でもSS側がマグロ漁妨害の根拠とした密漁の確証的な証拠を示せていない状態だという。
(略)
 SSにとって、英国や米国での訴訟費用は多額になるとみられ、これだけでもSSの運営に圧力を加え、妨害キャンペーン費を抑えるメリットがある。日本側はマルタ政府と連携を密にし、SS封じ込めのための対策を一緒に協議することも有効な手段だろう。

シー・シェパードの蛮行「どこが海洋保護か」 南極海汚染も(2012年5月3日産経ニュース)より抜粋

 ぶ厚い鉄塊が付いたローブ、悪臭を放つ酪酸(らくさん)瓶…。海上保安庁が押収した米反捕鯨団体、シー・シェパード(SS)の妨害物は、「凶器」そのものだった。これらを初めて南極海から大量に引き上げ、海保が立件に向けて動き出したことは、SSの妨害行為には屈しないという日本の姿勢を改めて示すとともに、SSを事実上擁護する豪州などへの牽制(けんせい)ともなる。

 SSは毎回、日本の調査捕鯨が始まるころに、豪州の港で人員や物資を船に積み込み、南極海に向け出港する。その際、豪州当局は一通りの税関検査を実施するが、SSが「プロップ・ファウラー」(破壊支持者)と呼ぶロープは、凶器と見なさず、押収していない

 鉄塊やワイヤの付いたロープは、捕鯨船のスクリューに巻き付き船を動けなくさせるばかりか、かじを破壊して航行不能にする。実際、一昨年の捕鯨の際には、ロープがスクリューに絡み、救難信号を出す事態に陥っている。

 南極海は極寒の海で隔絶された海域で、救難信号を出したとしても、付近を航行する船も少ない。最も近い豪州やニュージーランドの救難艇が向かったとしても、数日間はかかってしまう。

 こうした行為は、米国や豪州など100カ国以上が加盟する海洋航行不法行為防止条約に違反する。そもそも、10トン以上の妨害物を海に投げ込む行為自体が、海洋保護の観点から許容されない。豊かな生態系を守るため、南極条約やその議定書には、廃棄物の厳格な規制が明記されている。
(略)

好き放題に犯罪行為に手を染めた挙げ句の自滅という見方も出来るかも知れませんが、いずれにしても各国が彼らテロリストへの対抗手段を獲得しつつある現状を見れば、今後もいつまでも好き勝手が出来ると夢想するのも無理があるというものでしょう。
むしろ昨今注目されているのはこうした誰の目から見ても明白な犯罪行為といった粗暴型テロリストの動きではなく水面下で地味に活動している連中のことで、例えば少し前に通販大手のamazonが鯨肉通販を一方的に取り下げさせていたと話題になりましたが、これに対して「それはおかしい」と声を上げたのが日本人ではなくアメリカ人だったというのが興味深いですよね。

【参考】アマゾンの鯨肉販売停止の撤回を求める署名活動詳細

【参考】【字幕】 アメリカ人が日本人の­ために署名のお願い(動画)

 今日、登録してあるChange.orgからEメールが来たんだ。ここは人権だとかその手のクソみたいな事やってるとこだ。参加してるのにクソとか言っちゃいかんな。
 今日受け取ったのは署名のお願いだ。件名は「死んだイルカ」。リンク先にはこうあった:
 「アマゾンジャパンが鯨肉等の商品を取り下げた」
 で、署名活動の内容は、アマゾンの会長に鯨肉等の商品をアマゾンジャパンから永久追放するように働きかけるものだ。

 私の返事はクソ食らえだ。なぜなら私達に日本人が何を食べるべきか、どのように生きるべきかなど命令する権利はないからだ。
 それらの鯨肉類は全てにおいて合法的に処理されているし、絶滅危惧種でもない。何も問題はない。動物はある程度自分達で数を維持する能力がある。

 それでこの署名運動にどれだけ日本人が参加しているのか見てみたんだ。そしたらメリッサ・シーガルという名前があった。どう見ても日本人の名前ではないな。
 メリッサ・シーガル 太地町、太地町に住んでいるわけではなく滞在しているだけだ。つまりメリッサ・シーガルという人は太地町で現在漁師に嫌がらせ活動をしているマジキチ女ってこと。暴力でお縄になったシーシェパードのあいつと同じ。

 とにかく、その署名運動に日本人として参加している人間の名前を見ていったんだ。リストにある名前はこうだ。ステファニー・カミンズ、クララ・ジャコブソン、ダナ・ディラン、ピコ・ロペス、メラニー・グレイグ・・・日本人なんていないじゃないか。
 こいつらアマゾンジャパンで買い物なんてしないよ。自分はアマゾンジャパンを利用するけど、こいつらは絶対ありえない。
 こいつらが日本人の文化を変えろとか、合法的商取引を規制しろだとか、いう権利は全くない

 そこで私は真逆の署名活動を行うことにした。日本に住んでもいない、アマゾンジャパンで買物もしない人間が口出す事ではない
 地球上には1億5千万のムスリム人口がある。千四百万のユダヤ人口がある。という事は、アマゾンは豚肉を売るべきではない。たとえ彼等がアマゾンで買い物をしなくてもだ。彼等によれば少数派が法律をコントロールすべきだからだ。だからアマゾンは豚肉を売らないでくれ。
 それからヒンズー教は何人くらいだろう。このリストよりは多いはずだな。という事はアマゾンはビーフも売れないな。
 本だってそうだ。ある人はコーランを売るなと言うだろうし、ある人はバイブルを売るなと言うだろう。言い出したらきりがない。
 もしもこいつらの言うように他国の文化を無視してエゴを通すとなると何でも規制出来るようになる

言っていることは全くもってその通りというしかない当たり前のことばかりなんですが、その指摘を見ていただければ判る通りテロリストの論法を用いるならば「今日は鯨を、明日はビーフを、そして明後日にはバイブルを」ということにもなりかねないということに、ようやくまともな人々も気付き始めたということでしょうか。
日本においても現に攻撃に曝されている捕鯨自体はもちろんですが、その次に用意されているだろうマグロ漁などへの波及が懸念されていますし、もちろん前述のように現に生活が破綻しかねない圧迫や命を失う危険に曝されている方々が世界中に大勢いることを考えれば、彼らは相手にするにはいささか多すぎる人間を敵に回してしまったとも言えるかも知れませんね。

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2012年5月14日 (月)

生レバー食中毒問題 朝日が突然…

ひと頃から生レバーによる食中毒が大きく報じられるようになっていますが、そんな中で先日朝日新聞がこんなことを書いていたのをご覧になりましたでしょうか。

天声人語(2012年4月8日朝日新聞)

 肉料理を書いてうならせる本は多い。近刊ではカナダの旅行作家、マーク・シャツカー氏の『ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅』(中央公論新社)だろう。例えば神戸牛はこう描かれる。

 「牛肉ならではの甘くて木の実のような風味がしたものの、温かいバターでコーティングした絹糸よりもなめらかな食感と比べると、それすら付け足しみたいなもの」(野口深雪訳)。この幸せ、肉を焼くという手に気づいた先人のお陰である

 アフリカ南部の洞窟で、100万年前の原人が肉を焼いた跡が見つかった。シャツカー氏の母校でもあるトロント大などのチームが古代の地層を調べ、狩りの獲物とみられる燃えた骨、草木の灰を確認したという。

 調理の証拠としては、従来の説を約30万年さかのぼるらしい。火の使用と、焼いて刻む「料理」の発明は、モグモグの作業を短縮し、食以外に回せる時間を生んだ。皆で炎と食料を囲む日常は、より進んだ集団生活をもたらしただろう。

 むろん加熱だけが進化ではなく、生(なま)を貴ぶ食習慣が各国に息づく。政府が法律で禁じるというレバ刺しの滋味は、火を通せば消えてしまう。そもそも食い道楽は自己責任を旨とすべきで、国の出る幕とも思えない

 肉食はタブーと偏見に満ちている。食べる食べないに始まり、動物の序列や調理法は万別だ。だが〈味わいは議論の外にある〉ともいう。食の始末はまず、自分の舌と胃袋に任せたい。地球で一枚目のステーキを焼いた、無名の原人のように。

ちなみに個人的には生や牛に限らず食肉としての肝臓系にはさほど関心がないほうなのですが、朝日さんの場合は記事を見る限りでもよほどに思い入れがあるのでしょうね。
韓国人などに言わせると日本の多くの店での生レバーの扱い自体が間違っているというのですが、海外で外国人のやっているスシバーでの生魚の扱いが日本人の目で見て疑問符がつくのと同様、やはり長年の食文化に根ざした知恵を無視してはならないということなのでしょうか。
ただこの記事を見て多くの人々が違和感を感じたのが、平素から何であれ行政なり生産者なり他者の責任転嫁に熱心な朝日が食中毒を起こしても自己責任だとも取れるような態度を示したということで、かつて生産者に対するバッシング紛いの報道までも行ったこんにゃくゼリー問題との温度差を指摘する声などは少なからずあるようです。
いずれにしても焼き肉店などでも生レバーを炙りレバーなどという商品に変更して表向き生食は避けるという対応に出ているようなのですが、そんな中で再び生レバーによる食中毒が発生したというのですから各界の反応が注目されますね。

姫路の焼き肉店で8人食中毒 生レバーが原因か/兵庫(2012年5月8日産経ビズ)

 兵庫県姫路市保健所は7日、同市広畑区正門通の焼肉店で4月25日に食事をした男女8人が下痢や発熱などの症状を訴え、男女4人から食中毒菌のカンピロバクターを検出したと発表した。入院者はなく、全員快方に向かっている。共通の食事が同店しかなく、市保健所は同店が原因とする食中毒と断定し、7日から3日間の営業停止処分にした。

 市保健所によると、8人は牛タンやカルビといった焼き肉のほか、生レバーやサラダなどを食べた。原因は調査中だが、メニューの中の生レバーは、昨年7月に厚生労働省が販売業者や焼き肉店などに提供や販売の自粛を要請し、現在は販売禁止が検討されている食材という。

 同店は市保健所の指導を受け、今月2日に生レバーや生センマイ、トリユッケといった生肉の提供を取りやめたという。

生レバーに限らず食中毒というのもいろいろなパターンがあって、家庭などでも時々あるように古くなった食材があたったというのは分かりやすいのですが、例えば生牡蠣などがあたるというのは元々汚染されているものを食べれば海から引き上げたばかりの新鮮なものでも食中毒を起こし得るわけです。
鶏肉汚染で有名なカンピロバクターやひと頃話題になった病原性大腸菌などは鳥獣の腸間内に存在したものが食肉を汚染すると言いますが、解体過程で完全にこの汚染をゼロにすることは技術的に困難であることもあって、実際に流通している食肉の検査でも相当に高い割合で各種食肉が汚染されているということですから、仕入れたばかりのフレッシュなものだから安心とは言えないわけですね。
牛レバーなどは厄介なことに肉の内部までも汚染されている場合があるということなので生食でのリスクは完全に除くことは出来ないんだと思いますが、そうであるからこそ恐らくは今までも当たり前に各地で食中毒は発生していたと考えられ、それが単に一週間以上にもなるという潜伏期の長さもあって集団発生と気づかれることもなく見過ごされていただけなのかも知れません。
今回の姫路のケースにしても散発した患者への聞き取りによる状況証拠からようやく判明したというくらいですから生レバーへの関心が高まっていなければ見過ごされていたかも知れませんが、こういう話を聞くと朝日ではありませんが今回の生レバー騒動、自己責任と言う事を考える上でなかなかに得難い教材ともなり得るんじゃないかという気がしてきますね。

かつてのこんにゃくゼリーの場合にも客観的なデータから見ればこんにゃくゼリーが特に危険な食品であるなどとは到底言えず、ましてや死亡例にしてもわざわざ凍らせた物を子供に与えるという素人目にも「それはやっちゃ駄目でしょ?」なケースであったりしたにも関わらず、識者の方々は「こんな危険なものが野放しにされているとはとんでもない!直ちに法的規制を!」とヒステリックに叫び声を上げたわけです。
製造物責任だと裁判にまでなったこんにゃく事件では原告側の賠償を求める請求は裁判所によって棄却されましたが、こんにゃくゼリーに限らず白か黒かではなく各々のリスクに応じてきちんと各人が食品を評価し、自己責任において利用していくという姿勢を持っていくべきではないかという点では不本意ながら朝日の意見に賛成せざるを得ません。
例えば近年増え続ける嚥下機能の低下した高齢者の食事などもそうですが、一方でご家族から預かる立場の介護施設などでは正月だからとうっかり餅などを食べさせないようにするのは妥当な判断と言えますし、他方でご家族が本人の大好物だから、もう食べられないかも知れないからと敢えて餅を食べさせるというのも窒息のリスクを承知した上で行うのであれば全く自己責任というものですよね。
それを味覚や好みよりも管理責任を優先する立場の人達に「何故大好物なのに餅も食べさせてくれないんだ?!」と詰め寄ったり、最後に好物を食べて本人も家族も満足できたかも知れないのに「こんな危ないものを食べさせるなんて!」と責め立てたりするのも妙な話ではないかということです。

昨今は国にしても何かあれば朝日を始めとするマスコミ諸社にさんざん叩かれますから、消費者庁始めこうした問題にナイーブにならざるを得ないのは確かですけれども、こんにゃくゼリーが叩かれても餅は叩かれないことから考えても、DHMO問題のように対象が社会生活に広汎に根ざしたものであればあるほど何でもかんでも禁止で済ませるのではなくあれ?ちょっと待てよと踏みとどまって考えられるようになるのでしょうか。
生レバーのリスクにしてもすでに散々情報は出ている中で、その程度のリスクであればあの滋味には代え難いと敢えて食べ続けるか、別にそれほど好きなものでもなしとやめておくのかは各人の自由というもので、ただその利用者の自由度を尊重すべく努力している店側だけが一方的に叩かれるからおかしな感じがしてくるというものでしょう。
むそん当人は自己責任だと覚悟して食べていても万一の事があればご家族などは納得出来ないというケースもあるでしょうが、例えば河豚好きに河豚保険といったように生活上のリスクに備えた保険を考えて見るとか、広範な無過失補償の制度を検討してみるとかいった方向に議論を進めてみる方が、一律禁止で終わりよりも話が広がって面白そうじゃありませんか?

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2012年5月13日 (日)

今日のぐり:「すし遊館 新倉敷店」

先日はこういうニュースが出ていましたが、ご覧になりましたでしょうか。

11歳少年がMacBook30台に放尿、学校側は3万6,000ドル以上の被害に。/米(2012年5月7日ナリナリドットコム)

米国で、学校へ大きな損害を与えた11歳の少年が話題を呼んでいる。彼は何を思ったのか、台車に積まれていた学校所有のMacBook30台に放尿。学校側は3万6,000ドル(約290万円)以上もの大きな被害を受けてしまった。

米ニュースサイトMSNBCや米放送局FOXによると、この一件はペンシルバニア州メカニクスバーグにある小学校でのこと。先日、先生が廊下を通った際に、台車に積んで置いてあった30台のMacBookに、尿がかけられているという“異常”に気が付いた。校内での出来事だけに、恐らく先生も発見した時点で子どもの仕業を疑ったはずだが、被害の大きさもあって警察に通報せざるを得なかったようだ。

言うまでもなく、電子機器に水を掛けるのはタブー。それが30台ものMacBookに尿をかけられていたのだから、学校側にしてみればたまったものではなかった。さらに大きな問題は、今回のケースでは修理依頼を出しても、アップル社のサポートサービスが受けられない点だ。MSNBCでは「MacBookが犬の尿を掛けられたときの修理対応について」をニューヨークのアップルストアに問い合わたことがあるという記者のエピソードを紹介。その際に「技術者は触れないだろう」と、修理NGの返事が来たという。

その後、校内で調査を行ったところ、いたずらをしたのは11歳の男子生徒と判明。男子生徒は「施設の破壊行為と犯罪的ないたずら」を行ったとして責任を問われ、逮捕には至らなかったものの、保護監察局へ報告が行われた。

なお、少年は警察の取り調べに対し、MacBookに放尿した理由を明かしていないそうで、いたずらに至った背景は謎のままだという。

子供のイタズラにしては随分と高い物についたという形ですけれども、30台ものMacBookを台無しにするとはよほどに貯まりきったものを発散してしまったんでしょうかね。
今日は11歳にしてこれだけの大事を達成してしまった少年に敬意を表して、世界中からそれはちょっとやり過ぎかも知れないというイタズラの数々を紹介してみたいと思いますが、まずは最初どっきり、そしてハッピーというこちらのニュースからいってみましょう。

これは感動! 両足タックルに行くと思わせてからのブラジリアン柔術式プロポーズ(2012年3月18日ロケットニュース24)

女性にとっては、いや、男性にとっても一生忘れられない思い出となるのがプロポーズである。もちろん普通にプロポーズしても印象に残るが、まさかのタイミングでプロポーズされると女性としてはビックリ仰天、感動のあまり泣き出してしまうことも珍しくはない。

そしてまたひとつ、まさかのタイミングでのプロポーズ方法が公開され、世界の格闘家を感動の渦に巻き込んでいる。動画のタイトルは「The BJJ Proposal」。舞台はブラジリアン柔術の道場だ。

黒い道着を身にまとった柔術家ジョシュア·スミスさんは、赤い道着の女性柔術家ハイディ・マッケリーさんを呼び出して両足タックルの手ほどきを始めた。構えはこうで、こう動くんだぞ……と。

倒されたハイディさんは、見事な受け身で畳を叩く。バシーン! そしてもう一度、スミスさんが両足タックルにいくかと思いきや……そのまま片ひざをつき、なんと結婚指輪を差し出したのだ。両足タックルフェイントからのプロポーズである!

その後、ふたりはギュッと抱き合い、見事プロポーズは大成功! ハイディさんは嬉しさのあまり、そのままスミスさんを投げ飛ばす始末である。いや、恥ずかしさのあまり投げ飛ばしたのであろうか。いずれにせよ幸せそうな雰囲気だ。末永くお幸せに……。

参照元:Youtube WinningWayWrestling

思わず投げ飛ばしてしまうというのもどうなのかですが、イタズラというのはかくもお互い幸せを感じられるものとなることが理想的ではあるのでしょうね。
こちらも周囲の目からするといささか微妙なんですが、当の本人達はどうやら至って幸せらしいと言うイタズラの話題です。

ここまでいくとスゴイ! ドッキリを仕掛け合うカップルの動画が人気(2012年4月12日ロケットニュース24)

いまYouTubeで「最もクレイジーなカップル」として話題の二人をみなさんはご存じだろうか。お互いにイタズラを仕掛け合っては動画に撮りYouTubeで公開している彼らは、その過激さとバカっぷりで人気を集めている。

単純なものから手の込んだものまで彼らのイタズラは尽きることなく、アップされた動画数はすでに100本を超えている。そこで今回は、これまでのイタズラをまとめた記念すべき100本目の動画「EPIC PRANK WAR!!!!! 100th Video – PRANKVSPRANK」をはじめ、彼らが仕掛け合ってきたドッキリをいくつかご紹介したい。

そもそも二人がドッキリをやり始めたのは、彼氏であるジェシーさんのちょっとした悪ふざけからだったようだ。しかしその時、彼女のジーナさんはやられっ放しではなく、イタズラにはイタズラで応戦した。

そこから彼らの長い戦いが始まり、付き合ってから5年ものあいだずっとイタズラを仕掛け合っては世界中に公開し続けてきた。彼らの動画は新しいものがアップされるたびに人気を集め、ついには専用のYouTubeチャンネル『Prank Vs Prank』を作ってしまったほどである。

クリーム山盛りのパイやおもちゃのう○こを投げつけるのは序の口。母乳を牛乳だと偽って飲ませたり、爆竹で驚かせたり、浮気を装って密会現場を作り上げたり……。彼らのイタズラは回数を重ねるごとに、より過激で巧妙なものへと仕上がっている。

笑えるものから、「自分だったら許せん!」と思ってしまうものまでいろいろあるが、二人にとっては毎日を楽しく過ごすためのジョークにすぎないようだ。

ジェシーさんによると、「お互いにイタズラを仕掛け合うことで、毎日ドキドキワクワクして過ごせます。私たちの関係は、ドッキリによってより刺激的なものになっているのです」とのこと。

ジーナさんも「毎回、ドッキリの後は二人で動画を見て笑い合っています。私たちは、どんなイタズラをしても最終的にはジョークで終われるのです」と語っている。ある程度の期間を経た男女に付き物であるマンネリは、彼らにとっては無関係のようだ。

最近、恋人や夫婦間のドキドキがなくなってきたとお悩みの方は、彼らのようなドッキリをしてみるのもひとつの方法かもしれない。しかし、あくまでも自己責任であることをお忘れなく。相手の許容範囲をわからずにやってしまうと大変なことになるのでご注意を!
(略)

リンク先の元記事には彼ら二人の数々の偉業?が掲載されていますけれども、まあ何であれここまで道を究めればこれはこれで偉大というしかないんでしょうかね…
他人の留守中に部屋に仕掛けを…というネタは割合にメジャーなイタズラのスタイルですけれども、こういうことまでされてしまうとそれは驚くしかありません。

留守の間に部屋が動物だらけになっていたら人はどのような反応をするのかムービー(2012年5月7日GIGAZINE)

「友達のものを盗むなんて絶対に許さない、復讐してやる……」ということで、不在の間に勝手に部屋を改装してしまうイタズラを実行した結果がこちらのムービーです。泥棒が入ったのとは異なる部屋の変わりっぷりにドアを開け閉めして二度見、三度見したり、口を押さえたままぼう然としたり、笑い出したり、リアクションは様々。

Girls Get Easter Pranked with Live Animals - YouTube
(略)

どのように改造されてしまったのかはリンク先の動画を参照いただくとして、それにしてもウサギの着ぐるみって…(笑)
ブリにおいても部屋に仕掛け系のイタズラが盛んであると言う事なのでしょうか、これまたちょっとやり過ぎなイタズラというところですかね。

部屋全てをアルミホイル包装、友人が留守の3日間で“銀世界”に。/英(2012年3月17日ナリナリドットコム)

日本人に比べると、海外の人たちが行ういたずらは手の込んだ仕掛けを用意しているケースが少なくない。英国のある大学生グループは留守となった友人の部屋に、そんな凝ったいたずらを敢行した。彼の部屋に忍び込むと、大きな物から小物の1つ1つまでアルミホイルで包装。部屋全体を銀色の世界に仕立て上げてしまった。こうしたいたずらは過去にもYouTubeに動画が投稿されたこともあるが、今回もFacebookやソーシャルニュースサイトでじわじわと人気を集めてきているようだ。

その一部始終が収められているのは、YouTubeに3月12日付で投稿された動画「Ultimate Tin Foil Room Prank - Southampton Solent」(http://www.youtube.com/watch?v=nDwbdLXxALg)。いたずらを行ったのはサウサンプトン・ソレント大学に通う大学生たちで、映像の中には、男女合わせて6人のグループが仕掛け人として登場している。

ターゲットとなったのは、同じアパートで暮らすジェイク・マッキーさんという男性。彼らはマッキーさんが数日間部屋を留守にした状況を利用してこのいたずらを仕掛けた。投稿ページの説明によると、用意したのは「400メートル分のアルミホイル」。これを部屋の床や天井などといった内装はもちろん、椅子やベッド、本棚とそこに置かれた1冊1冊の本、飾り物に至るまですべて包装していく。その徹底ぶりは机の引き出しに入っている文房具や小物にまで及び、勝手に部屋へ入っている時点でもそうだが、仕掛け人の彼らにとってはマッキーさんのプライバシーは一切お構いなしらしい。

この作業を、3日間にわたって敢行。一面銀色の世界に包まれた部屋の中で唯一姿を現しているのは照明の灯りだけだ。そして机の上にカメラを置き、すべてを仕掛け終わってから30分後、いよいよ部屋の主であるマッキーさんが帰宅する。勢い良くドアを開けたマッキーさんは、変わり果てた部屋の様子を見て呆然。荷物を持ったままその場から足を踏み出せず、部屋へ入れぬままドアが閉まる光景がなんとも面白い。

部屋の外からは笑い声も聞こえてきて、彼の反応に仕掛け人グループは大満足な様子。その後、ようやく部屋に足を踏み入れてあちこち見て回るマッキーさんが困るたびに、彼らは何度も大笑いしている。最後にアルミホイルのせいでバリバリとした状態のベッドへダイブして仲間を笑わせるマッキーさんも、最後は状況を受け入れて楽しんでいたようだ。

もはや変わり果て過ぎて何が何だか意味不明という状況なんですが、本人にしても一体何が起こっているのか判らないという気持ちは十二分に理解出来ますね。
某動物園ではゴリラの投げる糞に当たると運がつくなんてことを言うようですが、こちらはイタズラによる自業自得とならずに思わぬとばっちりという困ったニュースです。

動物園で客がゾウに投石、「反撃」されて別の客が負傷/中国(2012年5月1日サーチナ)

 湖北省武漢市の動物園で30日、観光客がふざけてゾウに石を投げたところ、ゾウが石を投げ返して別の女性客に当たる事故が発生した。中国新聞社が伝えた。

 事故が起きたのは同市内の武漢動物園。現地時間30日午前10時ごろ、休日の観光客でにぎわっていたゾウ館で1人の観光客がアフリカゾウに向かって石を投げた。それを見たアフリカゾウの1頭が、落ちていた石のような物体を鼻でつかみ、上に向かって放り投げた。物体は高さ3メートルの防護ネットを越え、別の女性客の額に当たった。

 ゾウが投げたのは約3センチ四方のコンクリート片で、不幸にも当たってしまった女性は痛さに大声をあげたが、患部が赤くなる程度で済んだという。

 同動物園では2007年2月にも今回と同様の事故が発生し、女児がケガをした。そこでゾウ館の外に高さ3メートルの防護ネットを設置するとともに「むやみに食べ物や石を投げないでください」との注意書きも取り付けた。

 動物園のスタッフは残念そうな表情を浮かべて「ゾウは非常に賢く、感情のある動物。こちらが悪く扱えば、向こうだって同じようにする」と語り、「二度とこのようなモラルのない行動はしないでほしい」と観光客に呼びかけた。(編集担当:柳川俊之)

しかし投げる方も投げる方ですが、投げ返すにしてもちゃんと狙いは慎重にと言うべきでしょうか、余計な二次被害によるトラブル倍ゾウだけは避けたいところですよね。
同じく中国から出ているこちらのニュースですが、バス会社の方ではきちんと見分けをしているというのですから対策くらい取れよとも言いたくなります。

バス停にも「偽物」多数…市民混乱、バスは無視=四川・成都/中国(2012年2月17日サーチナ)

 「バス停にも偽物? そうなんです。その通り」――。四川省の成都晩報は、こんな書き出しの記事を掲載した。市内に偽物のバス停が乱立しているという。「バスを待っていたが、いつまでたっても来ない」などで、混乱する市民も少なくない。偽のバス停はバス会社とは関係なく、「広告掲載」のために業者が設置しているという。

 「ひどいめに遭った」と怒るのは、市内の西門近くに住むセンさんだ。センさんは少々年配の男性。ある日の夕方、家から少し離れた場所にバスで出かけて、酒を飲んだ。いい心持ちで店を出て、道路の向こうを見るとバス停がある。楽に帰れると喜んでバス停のところで待ったが、どのバスも通りすぎてしまう。

 30分以上もたって、改めてバス停留所の標識をじっくりと見た。「バス停」と大書きされているが、後は広告だけだった。バスについては、停車する路線名も何も書かれていない。セツさんは、猛烈に腹が立ったという。廃止になったバス停と思い「廃止するなら、ちゃんとバス停を撤去しておけ! 間違えるじゃないか!」と不満を言った。しかし、「廃止されたバス停」ではなかった、そもそも「偽物」だった。

 バス会社の成都公交公司傘下の広告会社関係者が成都市の環状道路、二環路沿いに「偽物のバス停」を数えたところ、100基以上が存在した。多くの場合、正規のバス停のそばに置かれてたので、「本物と偽物の外観上の区別が分からない」利用者も増えてしまった。正規のバス停から数メートルの場所に置かれている「偽物のバス停」も多く、利用者が本来のバス停から“微妙”に離れた場所で待っているので、安全上の問題も出ている。

 本物のバス停と関係がない場所に置かれている「偽物のバス停」も目立つ。センさんが「引っかかった」ケースだ。よく知らない人が本物と信じて待っていても、バスは止まらない。

 同関係者によると、バス停の広告掲載料金は年間で5万元(約62万7800日本円)だ。「偽物のバス停」の広告掲載も同じ料金とすれば、二環路沿いだけでも年間で500万元(約6278万日本円)の売り上げを出していることになる。広告主としては、教育機関や美容整形医院、不動産関連業者が多いという。

 「正規でないバス停」にも広告を出しているという企業関係者は「しかたがない」と釈明した。2006年に創業したが、当時は市内に6社の民間バス会社があった。路線も拡大しつつあったので、「バス停」を利用した広告に積極的に取り組んだ。しかしその後、バス会社と路線の統合が進み、多くのバス停が放置された。同社の広告が掲載されている「すでに使われていないバス停」が取り残されたという。

 同関係者は、広告業者が新たに「偽物のバス停」を設置する場合もある。「わが社の場合、(使われていないバス停留所の広告は)“歴史的遺物”だ。新たに作られた偽物のバス停は、もちろん明らかな違反だ」と批判した。(編集担当:如月隼人)

中国ではもはや偽物に限度はないのかとも思えるし、広告を出すにしても他に幾らでも手段はあるだろうに…と考えてしまいそうな不可思議な事件なんですが、しかしそもそもイタズラとはそうしたものであるのかも知れませんね。
最後に取り上げますのも同じく中国からのニュースなんですが、これは日本でもありそうという意味ではちょっとどきどきした方もいらっしゃるかも知れません(一応画像注意と言うべきなんでしょうか)。

喧嘩した妻が作った弁当があまりにホラー。中国で話題に/中国(2012年3月16日秒刊サンデー)

前日妻と喧嘩し、仲直りもせず出社、するとそこに登場した愛妻弁当はとんでもないものだった。皆様も旦那や妻と喧嘩するなんてことは良くあるはずですが、どのようにその怒りをぶつけているのでしょうか。口論をする、口をきかない、ひたすら無視・・・想像するだけで憂鬱な気分にはなりますが、こちらの夫婦はその怒りをあろうことか弁当にぶつけたようで、ぶつけられた旦那は腰を抜かしたそうだ。

妻の弁当(弁当画像)

さて、こちらが愛妻弁当なのですが、あまりに恐ろしくこの記事で掲載するのも躊躇するほどホラー過ぎる弁当だ。心臓の弱い方はクリックせず文章で感じ取ってほしい。

まずこの恐ろしい弁当は妻が作ったもの。昨日喧嘩をしたばかりでその怒りがおさまらないのか弁当に込められた怒りと執念の弁当だ。

目玉はウズラの卵、アザのようなものは桜でんぶで作られているというこだわりよう。陰影は全て海苔で再現されており、ホラーとはいえ、何処となくアートを感じてしまうほどのこの画力はとても素人がなせる業ではなく、ある程度スケッチの出来るスキルがありそうだ。

極めつけはリアルな歯と血。血はケチャップ、そして歯は・・・何で出来ているのかはよく分からないものの、実にリアルだ。

中国のサイトではこの弁当に対し『歯はなにでできている!』『独創的な弁当だ』『レシピが知りたい』などと冷静な感想を漏らしている。

さてこの弁当を受け取った旦那さんは蓋を開けた際に腰を抜かすほど驚かれたそうですが、どことなく愛を感じる。なぜなら妻が本当に旦那を見はなしたとすれば愛妻弁当は作らないだろう。仲直りのきっかけとして投下した妻なりのネタふりと考えたい。

まあしかし、中国の味気ない弁当の実際を知っている我々としては、喧嘩した後にここまで手間暇をかけるという点に関しては率直に感心してしまいそうですよね。
こういうのを見ると日本のキャラ弁文化が世界を席巻している影響を感じてしまうのですが、各国なりにアレンジされた弁当というのも見てみたい気はします。

今日のぐり:「すし遊館 新倉敷店」

倉敷市を本拠に岡山県下に展開している回転寿司チェーン店がこちら「すし遊館」さんですが、方向性としては高いというほどではないにしろ安さが売りでもなく、ネタもさることながら特に米や醤油、酢などにはこだわりをもっているそうですね。
見ていますとどのお店もそれなりに好評であるようなのですが、特にこちら新倉敷店は立地も良いのか食事時には年中満席の行列待ち状態だということで、今回少し早めの時間帯にお邪魔してみました。
店に入ってみますとさすがに100円系のお店よりは落ち着いた造りで雰囲気はよさそうなのですが、入ったときには何とか待たずに座れたもののあっという間に行列が出来てしまったあたり、やはりお客は多く入っているようです。

例によって同行者とシェアしながら適当につまんでみたのですが、オーダー待ちをしている間に回っているものに手をつけた炙りうなぎだけは干物のような硬さとタレの味ばかりが突出したくどさで失敗と言うしかなかったんですが、他はおおむね悪くなかったですね。
おすすめのスズキは白身らしくすっきりうまいという味わいですし、えんがわなども百円によくある大きくて歯応えだけのものでなく小ぶりながら噛めばちゃんと味がするというものですし、ワサビをトッピングされたヅケマグロもネタそのものは値段の制約を感じさせるものですが漬け具合はいい感じなこともあって食べられるものになっています。
巻物などは回転の儲けどころですが、海老フライ巻きもさすがに百円よりシャリとネタのバランスはいいですし、ハマチ巻きなどはハマチの味が強いからか意外なほど海苔とも合うなと感じさせられますし、唯一カッパ巻のワサビが効いていなかったのがちょっと不満なくらいでしたでしょうか。
オリジナルメニューでは辛味噌ナスマヨネーズってどうかと思ったんですが、そのままだとちょっとシャリに勝りそうな辛味噌の味をマヨネーズがいい具合に和らげて意外に悪くないなと思いますし、締めに頼んだネギ焼き玉子なんてどんなものかと思いましたらネギ入り玉子焼きの握りなんですが、ネタも暖かいかと思ったら冷やしてあるのに意表を突かれたもののこれも悪くありませんでした。

これでもかとアイデアメニュー満載の百円系のみならず高価格帯の回転に比べても種類は決して多くはないんですが、限られたコストの制約の中でもちゃんとどれも寿司らしい味がするというのは定番や季節ネタに絞った仕入れもさることながら、地元の朝日米にこだわったというシャリがすっきりした味で全体をまとめているからなのでしょうか。
もちろん握りそのものは回転並みの水準でカウンター内に立つスタッフの方々も職人さんとはちょっと言いにくいのですが、こちらでは数自体はかなり多いので立て込んできてもオーダー対応は早いようですし、行列に加え持ち帰りも盛況ながら何とか対応は出来ているようです。
ちなみにトイレはバリアフリーで小綺麗にしてあるのは好印象なのですが、これだけ大勢が入るお店で男女共用の便座が一つだけというのはやはり少し不足を感じますし、スペース的にしかたがないのなら店内から使用状況が一目でわかるサインなりつけておいた方がよかったかも知れませんね。
しかしお会計の段になって妙に安かったなと感じたのですが、確かに今日は巻物が多かったとは言え計算してみると一皿150円くらいの平均ですから気軽に利用できそうですし、個人的にはこの価格差で味の差がこれくらいはっきりしているなら別に安いだけの100円系でなくてもいいかな…とも思ってしまいます。

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2012年5月12日 (土)

毎日放送記者、不勉強から大いに恥をさらす

先日は毎日新聞にこういう記事が掲載されていました。

憂楽帳:ルール考(2012年05月07日毎日新聞)

 ルールを守るのは社会常識である。とはいっても、中学や高校の事細かな校則にうんざりしていた人は多いのではないだろうか。「規則は規則だ。とにかく守れ」と説く教師たちと過ごした私の高校時代にも、嫌な思い出がある。

 校内で一緒にいた友人が、こわもての教師に服装の校則違反をとがめられた。態度が悪いとビンタされ、鼓膜が破れた。法で禁じられた体罰を加えて校則を守らせるという滑稽(こっけい)は、都合のよいルールは厳守させるが都合が悪ければ無視するという、強者の傲慢の裏返しだろう。

 後日、校内食堂に別の教師を見つけた私は、隣席で事の顛末(てんまつ)を声高にしゃべった。こわもてに直接言う度胸がなく、告げ口したわけである。しかし腰の引けた作戦に、何の効果もなかった。

 春から校則とぶつかっている中高生も多いだろう。昨今は教師たちも「公務員がルールを守るのは当然だ」と責められている。納得できぬルールにどう向き合うのか。刃向かうか、面従腹背か。議論を挑むのか。難しいけれど、「常識」で思考停止せず、本当に大事なルールを見極めてほしい。【麻生幸次郎】

成熟した民主主義社会においては誰しもルール策定の作業に参加できる権利がある一方で、皆で決めたルールには皆で従うという義務も存在していて、自分が気に入らないからルールなど無視するという態度は反社会的と見なされますよね。
毎日新聞のお膝元大阪で先日以来賑やかしいのが橋下市長によって導入された学校現場における新ルールの問題ですけれども、マスコミ各社はこういう話題が大好きなようで繰り返し手を変え品を変え報道されているのはご存知の通りです。
そんな中で毎日放送の記者と橋下市長とがこの件について大いにやり合ったというのですが、同じ毎日系列のスポニチと対照的とも言える他社による報道を並べて引用してみましょう。

「答えられないなら来るな」橋下市長 記者相手にヒートアップ(2012年5月8日スポニチ)

 大阪市の橋下徹市長は8日、記者団のぶら下がり取材で、大阪府が施行した君が代起立条例に関し起立斉唱の職務命令を出したのは誰かを問う“逆質問”を繰り返した。「ここは議会とは違う。(記者も)僕の質問に答えるべきだ。答えなければ質問には答えない」と迫り、応じなければ取材拒否する考えを示した。

 市長は、卒業式の君が代斉唱の際に教職員の口元を見て実際に歌っているかを確認していた校長に関する質問でヒートアップ。質問した記者に「答えられないならここに来るな。勉強してから来い」と、興奮を抑えられない様子で約30分間まくしたてた

 職務命令は府教委が出していた。

毎日放送女性記者に大バッシング 「しつこすぎる」「質問になっていない」(2012年5月9日J-CASTニュース)

  橋下徹大阪市長が2012年5月8日に行った囲み取材で、MBS(毎日放送、大阪市)の女性記者がしつこく質問し続けて、結局20分以上を費やすことになってしまった。

   その場面の動画が公開されると女性記者に対し「態度があまりに幼稚」「しつこすぎる」などとネットで大バッシングが起こった。

市長が問いかけると「質問しているのは私です」

   MBSが公立学校の校長に行ったアンケート結果の感想を女性記者が橋下市長に質問したことがきっかけ。教員が歌ったかどうかの口元チェックは過半数がやりすぎだと考えているため、「起立」と「斉唱」は分けて考えるべきではないか、などと質問した。

   橋下市長は、なぜ分けて考えるのか、学校の音楽の授業と同じように立っただけで歌わないとしたら成績は付けられない、と反論した。しかし、女性記者は「答えてください」と一方的に質問を続けた。橋下市長は記者に対し、「条例の命令主体と、命令対象者は誰なのか答えて欲しい。そういう原理原則がわかっていない質問には答えられない。答えられないならココに来るな」

などと逆襲。これに対し記者は、

    「質問しているのは私です

と返した。

   橋下市長は、この記者はトンチンカンな質問を繰り返しているし、本当にこの記者は市政担当記者なのか、と訊ねた。すると、MBSの同僚と思われる男性記者がこうフォローした。

    「よく取材をして回っている(記者)のですが、質問の仕方に問題があったのかもしれません」

   これで収まるのかと思われたが、女性記者はそれでも質問をやめず最後に、

    「あの、まあ、これぐらいにしときますけど

まるで勝利宣言のような発言をした。

「11日夕方放送のVOICEを見て欲しい」とMBS広報

   これには橋下市長もキレ、

    「国歌を歌いたくない人、トンチンカンな質問をする人も採用してくれるから、そんな人たちはみんな、MBSに行ったらいいですよ!」

などと批判した。

   ネットではこの記者に対するバッシングが異常に盛り上がっていて、掲示板「2ちゃんねる」でも数十もの関連スレッドが立つ「祭り」に発展している。

    「橋下に速攻で論破されたにも関わらず、偏った思想でそれでもひつこく食い下がるこの女が悪いんだろ」
    「こんなのがいい加減な記事出してるんだな。元弁護士の橋下と記者じゃ、おつむの差がありすぎて話がかみ合わないだろ」
    「女性記者よ、国歌を歌うのに突っかかるのは、 あなたの、個人的な、反日思想からだろ。しょーもない」

といった書き込みが出ている。

   MBSにもこの女性記者に対する賛否両論が数多く寄せられているという。MBS広報は、この女性記者はニュース番組VOICE(ヴォイス)の担当記者で、5月11日午後6時15分放送分で大阪市の国歌起立斉唱義務問題の特集をするために取材に入った、と説明した。その中で使用する橋下市長のコメントが必要で必死に食い下がったのだろう、ということだった。今回、視聴者から寄せられた意見は真摯に受け止める、としながらも、

    「あくまで私たちの勝負の場所は番組ですので、ぜひVOICEの特集を見てもらい、またそれから様々な意見をいただけると嬉しい」

と話している。

しかし当の毎日放送記者の言うところのアンケート結果ですが、学校現場においても職務命令によって起立斉唱を行ったことに賛成する声が多かったというのが意外なのか実際はそんなものなのか、あるいは今回は指示に従わせる側の校長が対象だということですが、どういう立場の人達かによってもずいぶんと結果が変わってくるんでしょうかね。
さて、スポニチの報道だけを見ていますとさすがに身内びいきということなのでしょうか、何やら橋下市長が一人で勝手に燃え上がって記者を責め立てているかのようにも見える記事ですけれども、そもそも数多くいただろう囲み記者の中で何故毎日の記者との間でだけヒートアップしてしまったのかは気になりますよね。
橋本市長も言っているように実際の状況は動画として公開されていて、これを有志が文字起こしまでしてくれていますので、果たして何がどうなっていたのかをご参照ください。

【参考】5月8日登庁時市長囲み取材(動画)

【参考】MBS斉加尚代記者「あの・・・えっへへへへ・・・ひゅっふぇへへへへ・・まぁあの、これで、あのこれくらいにしときますけれども」文字起こし

そもそもの質問内容自体が府教委が出した指示に対する見解を市長に問うというトンチンカンなものですから、橋下市長が誰が指示を出したかをしつこく確認しようとしているのも当たり前のことなんですが、どうもこの記者はそんな当たり前のことも理解出来ないのか、最初から最後まで明後日の方向に迷走して終わったというところでしょうか。
そうした当たり前のことも理解出来ない人間が一人で20分も時間を使ったところで実のあるものにはならないのは当たり前なのですが、前述のような当事者による一方的な報道だけでは世間からどう受け止められていただろうかと考えると怖いものがありますね。
しかしまあ、昨今マスコミ全般の取材能力が落ちているというのは業界内部からも指摘されているようで、そもそも基礎的な質問のテクニックが未熟であるというのはとりあえず画像さえ押さえておけば何とか格好がつけられるテレビ時代の悪癖なのかとも思うのですけれども、この斉加尚代記者にしても全く取材の体を成しておらず途中から同僚に助け船を出される始末です。
自分などは質問の様子からてっきりこの斉加尚代なる人物はド素人に毛の生えた程度の新人なのか?とも思っていたのですが、実際には毎日放送の労働組合で要職を務めているほどのベテランで、しかも過去にも怪しげなことをやってきた前歴まであるというのですから穏やかではありません。

橋下市長と激論のMBS記者、過去にも「偏向報道」か?(2012年5月10日探偵ファイル)より抜粋

毎日放送(MBS)の記者が、橋下徹・大阪市長と「激論」を展開して話題になった。

2012年5月8日の囲み取材で、記者は大阪市の君が代問題やアンケート問題について質問した。ところが、記者が勉強不足で質問内容を十分には理解していないと橋下氏は批判し、逆に質問。記者もこれに回答しないで自身の主張を繰り返したため、平行線をたどったままとなった。

その過程を記録した動画が話題になると、ネット上では賛否両論となったが、記者への非難の声が圧倒的に多かった。橋下氏が記者に氏名を尋ねる場面から、斉加尚代という人物であると判明し、その言動が注目された。

民放労連近畿地方連合会HPによると、斉加氏は毎日放送の労働組合で書記次長を務めている。「FEM-NEWS」というブログには、男女共同参画社会の実現を目的とした訴訟に関連するイベントで祝辞を述べる斉加氏が紹介されている。このブログでは、今回の橋下氏の態度への異論も提起されている。
(略)
「サポートユニオンwithYOU」という組織では、「どないなるねん!大阪の教育① アメリカの現状と重ね合わせて大阪の教育を考える」という会合の講師を斉加氏は務めた。会合のレジュメを見ると、自身が担当する「VOICE」での取材に基づき、大阪の現状を問題視している。大阪維新の会を厳しく批判し、「敗者をつくる教育にNO!」と述べる
(略)
番組HPには放送内容の概略があるが、やはり橋下氏と維新の会に批判的だ。ところが、その内容に対して、アメリカで教育政策に携わっているという人物がブログで「偏向報道」と批判していたことが発覚。番組の内容を詳細に検討した上で反論となる資料を提示し、「ちゃんと事実は事実として伝えてほしい!!!」と苦言を呈している。
(略)

まあ何と申し上げるべきなんでしょうか、どのような意味においても筋金入りの方ではあるのでしょうね…
このように一方の当事者であるマスコミによる報道と実際の状況とが食い違うということはよくあることなんですが、従来であれば一方的に広報の手段を握っているマスコミの側がどのようにでも「事実」を創り出せるという構図が一般的だったわけです。
ところが現代のように生動画が簡単に出てくる時代になってきますと第三者はどちらの主張に分があるかを客観的に判断しやすいというもので、おかげで今回のケースでの世間での反応も当のマスコミが意図したものとは真逆になってしまったようですね。
一方で橋下市長の場合元々がマスコミ関係に揉まれてきたせいか、マスコミを相手に非常に計算尽くの手法を使っているとは先の選挙の際にも言われたところですが、今回の一件に関してもこんな指摘があるようですね。

高橋洋一の民主党ウォッチ 「橋下市長VS女性記者」にみる 「動画で可視化」の重要性(2012年5月10日J-CASTニュース)より抜粋

(略)
   動画をみれば、女性記者の教育委員会制度への知識不足は明らかだ。基本的には、質問する相手を間違っている。橋下市長ではなく教育委員会に聞くべき内容だ。実は、国会審議でもお門違いの質問はたまにある。その場合、なんども「お答えできません」といい、答弁を逃げていると勘違いさせて、最後に「所掌でない」といったこともある。

   本件の場合、よくある話だが、放送内容が先にできていて、橋下市長のコメントをとってこいと言われた記者のようだ。それに対して、橋下市長でなければ「それは所掌外なのでコメントできない」と無難に言っていただろう。その場合、放送では「コメントできない」の部分を報道し、橋下市長が逃げているかのような印象にしたのではないか。

   ここが橋下市長の面白いところであるが、本人がいうように「しつこい」ので、囲み取材も徹底的に時間を使う。人との議論・やりとり自体が好きなのだろう。しかも筋書きなしのガチンコでもまったく動じないし、そうした実戦を通じて構想を構築していくタイプだ。弁護士ならではの持ち味だろう。

   さらに、興味深いのは公開性だ。記者会見をユーチューブですべて公開し、「可視化」を行っている。実際の行政でも関係部署の議論は「可視化」して公開している。こうなると、議論の結果はおのずと見えてくる。もし、今回の件でも、ユーチューブがなく、同席した記者からの情報発信だけであれば、記者仲間の配慮から、ここまで記者の質問内容が酷いことは書かれないだろう。

   橋下市長の「可視化」によって、MBS記者の不勉強ぶりが晒されてしまった。動画では、できれば、橋下市長の映像だけでなく、橋下市長の後ろ側からの映像もとって、誰が質問したかがわかるとなおいいだろう。

   MBSでは番組を見て欲しいと商売気を出しているが、記者会見自体が可視化されて面白い情報になっており、それよりつまらない番組だと、既存メディアとしての評判を下げてしまう可能性もある。
(略)

ここでもやはり「今やマスコミの報じる内容よりもマスコミそのものの方が面白い」の法則ですか。
別にシナリオがあったわけでもないでしょうに、不勉強な記者の馬鹿げた質問を逆手にとってそこまで計算して言葉を交わしていたのだとすればたいしたものですが、相手のちょっとしたうっかりにつけ込むスキルを磨いてきた弁護士ならではの切り返しであったということなのでしょうね。
しかしさすがにここまで徹底的に醜態をさらしてしまうと番組がつまらない云々以前の段階で評価はすっかり地に落ちていそうですけれども、それにしてもこういう事件が起こるたびに彼らマスコミ当事者も何とも仕事がやりにくい時代になったと痛感しているのでしょうかね?
ちなみに 「あくまで私たちの勝負の場所は番組ですので、ぜひVOICEの特集を見てもらい、またそれから様々な意見をいただけると嬉しい(キリッ」などと語っていたという11日の特集「君が代斉唱命令は守るべし!されど 大阪の学校長たちがつづった胸の内」ですが、すでに動画としても出ているようですので彼らの勝負の行方をご覧いただくのも一興でしょうか。

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2012年5月11日 (金)

世の中モンスターだらけ?

管理人自身も小学校時代の悪行の数々に関しては大いに恥じるところですが、それはちょっと違うんじゃないか?と思う不可思議なケースが大阪から報じられています。

小3男児の目に給食の牛乳瓶破片  大阪市、1200万で和解へ(2012年5月9日産経ニュース)

 大阪市の市立小学校で2008年、小3男児が給食時間中に牛乳瓶を割り、破片が右目に入り障害が残ったとして、男児と保護者が同市に約3687万円の損害賠償を求めた訴訟で、市は9日までに大阪地裁が示した1200万円を支払う和解案に応じる方針を決めた。

 市教委によると、男児は教室で、両手に持った牛乳瓶2本を目の前でわざとぶつけて割った。当時、教室には教員はおらず、管理上の責任があるとして男児側が10年9月に提訴していた。

 市教委は「教員が教室に誰もいなかったのは、やはり問題があった」としている。

牛乳瓶というものは相当に肉厚で頑丈なもので、子供が手に持って少々ぶつけたくらいでは飛び散るほど割れないものだと思いますけれども、それが目に障害を与えるほど飛んだというのですから下手をすると周囲の誰かが同様の被害を被っていたかも知れません。
それを考えると当事者だけに被害が限局されたのだとすればまだ幸いだったと言うべきですし、言葉は悪いですが自業自得で仕方がないとも言えるものですが、仮に教室に教師がいたとしてもこういう行為をするような子供は誰がいようと構わずにやっていたでしょうから、その場合やはり管理不行き届きで巨額賠償金を支払うことになっていたかも知れませんね。
いったい学校側はどうすればいいのかと言うことですが、根本対策としてガラスや金属といった危険なものは可能な限り排除するといった物理的対策を地道に推進していくとすれば、昨今の財政状況から予算も厳しいだろう公立学校が当面の狙い目ということになってしまいそうです。

もちろん小学3年生が主体的に学校を訴えるはずもないので実際には保護者がやっていることだと思いますが、学校現場もこうした顧客とのトラブルにも対応できるようきちんと組織防衛のための対策とスタッフ教育が必要な時代になってきたということでしょうし、また今の保護者というのはちょうど年代的にもアクティブな方々が残っているのでしょうね。
小学生の親と言えばちょうど団塊ジュニアと呼ばれる世代の前後も多いのでしょうが、このあたりの年代は受験戦争最盛期をようやくくぐり抜け社会に出たと思えばまさにバブル崩壊後の景気低迷に直面し、そして今後は親世代の社会保障コスト負担にも喘いでいくことになるということで、ひどく割を食った世代としても知られています。
もう少し下の世代になるとゆとりなどに象徴されるようにガツガツせず現状に甘んじるタイプが増えてくるのでしょうが、何しろ幼少期から戦って勝てと言って育てられた最後の世代だけに何事にも闘争心が前面に出てくる人も多く、その割に旧来の規範意識の刷り込みは弱く個人主義の信奉者となれば、昨今学校現場でモンスターペアレンツだと大いに騒がれるようになったこととも大いに関係しているのかも知れません。
ただトラブルの種というのは別にこの年代に限ったというわけでもなく、むしろ昨今密かに「クレーマー世代」などとも言われている元祖団塊世代なども高齢化が進んでくるにつれ新たな社会問題を引き起こしつつあるというのですから困ったものです。

暴力老人「我々は殴られて育った世代」(2012年5月9日日刊SPA!)

 高齢化社会に向けて社会福祉の充実が叫ばれる一方で、老人による凶悪犯罪が増えている。内閣府発表によると、暴行・傷害など粗暴犯の数は十数年前に比べて約20倍。高齢者増加数に対する粗暴犯検挙率も、日本がトップだというが……

◆俺たちは“我慢強い”世代。キレるのはよほどの理由がある

 東京・新宿の某ホテルのラウンジに現れた初老男性2人は、常人とは違うオーラを携えていた。口ひげをたくわえたコワモテの杉野森創さん(64歳)は空手道場の長。穏やかな表情ながら時折鋭い眼光で話す周東秀夫さん(60歳)は、警視庁のOB。あくまで「バイオレンスだったのは昔のこと」と主張するが……。

――お二人の武勇伝をお聞かせください。

杉野森(以下、杉):「数年前だったか、地元の商店街で20歳過ぎの大男が無差別に暴れて、通りすがりの息子を負傷させたわけ。急いで現場に駆けつけたら、その男が通行人を羽交い締めにしていて。弱い者イジメは許せない性分なんで、足払いして逆関節とって、喉仏に3本の指をグイッとねじ込んでやりました。で、警察で事情聴取されたんだけど、ヤツら相互暴行事件にしたがるわけ。そりゃ、腹立ちましたよ。病院で診断書をもらって、民事裁判にしてやりました」

周東(以下、周):「警視庁OBとして私から謝りますよ。みんな、資料作成が面倒なんですよ。私なんて素行不良の人間が暴れてたら、手が血だらけになるまでボコボコにしちゃってましたね。警察が駆けつけても、『鳴り渡る~』と警視庁の歌や、警察学校の『千代田の森の~』といった具合に口ずさめば、しれ?っと見て見ぬふりしてくれましたので

――退官された今でも、粗暴な行為をしているんでしょうか?

周:「いやあ、おとなしいもんですよ。交通マナーが悪いヤツに対して、罵声を浴びせる程度ですから。車から降りて、『この野郎、煽ってんじゃねえ!』と、相手の胸ぐらを摑む程度に止めています。あとは、高校生がタバコを吸っていたら近づいて『何やってんだコラア!』と怒鳴る程度」

杉:「この年になっても気合だけは負けたくないっていうのはありますね。オヤジ狩りブームの時は週1回ぐらいの頻度で、会社帰りに一杯ひっかけた時とか、虫の居どころが悪い時とかには、渋谷の繁華街でいきがってる若者や半グレ、不良外国人をボコボコにするために待ち伏せしていました。でもやる気満々なのが見抜かれるんでしょうか。因縁をつけられることはほとんどなかったですね。今もやろうと思えばできる。でも、急所を全部心得ているので、自分から行くのは危ないし、抑えていますね。まあ、来たら一撃必殺ですが」

――正義感がお強いですね(笑)。その闘争心を維持できるのはなぜですか?

周:「まず、63~65歳より上の世代は、女房子供のために万事を我慢して働いてきた鬱憤が溜まっている。だから、ダラダラしてるヤツを見ると腹が立つんですよ」

杉:「確かに皆、会社の歯車となり、自分自身を押し殺して高度経済成長に貢献してきましたよね。それに我々は殴られて育った世代なんです。殴られるほうの痛みを当然知っているから、むやみに暴力をふるわない。殴られる側には、そんな私たちをキレさせる、よほどの理由があるわけですよ。それなのに、殴ったことだけが追及されるのはなぜか。マスコミは高齢者がキレるワケをきちんと報道すべきです」

【周東秀夫さん】
警視庁OB、現在は探偵・調査会社代表。英語堪能で、海外要人の警護なども請け負う。妻は24歳年下

【杉野森創さん】
空手道場「創心塾」塾長でありながら、「『オヤジ狩り』狩り」のため夜回りしていた過去あり。酒の虫

記事にもありますように近年高齢者による凶悪犯罪が絶讚激増中であるということが犯罪白書等からも明らかになっていますが、失礼ながら「交通マナーが悪いヤツに対して、罵声を浴びせる」ような方々を世間では我慢強いなどとは言わないもので、ここには明らかに主観と客観の間に認識の乖離が見て取れますよね。
個人的な経験の範囲でも昨今周辺でちょっと常識では考えられないような行動に由来するトラブルが続いて驚いていたのですが、その原因となっているのがことごとく団塊世代を中心とした方々というのも偶然なのでしょうか、しかも彼らの特徴としてやはり自分たちが間違っていると考えるどころか、むしろ正しいことをやっているのだという強固な確信に基づいているという共通点があるようです。
団塊と言っても元気な人は元気ですから「まだまだ俺もいける」と思い込んでいる人も多いのでしょうし、引退したとは言っても相応の社会的影響力も残っている方々も多いわけで、こういう方々がひとたび暴走を始めると対応するにも非常に厄介なことになるということですね。

さらに個人レベルの話を越えて悪いことには、今後当分の間はこうした世代が数こそ正義で社会の中の多数派を維持し続けるだろうと言うことで、行政にしても何しろ金もあれば票も持っているこうした人々の声を無視するわけにもいかないでしょうから、当面政治に関心を向けるどころではないポスト団塊などよりもよほど大きな社会的影響力を発揮してくることになるでしょう。
一例を挙げれば社会保障なども豊かだった時代から続く過去の高齢者優遇がどうしても是正されず、その歪みが若い世代の両肩にどんどん積み重なってきていると問題になっていますけれども、選挙民としてもこうした強い思想信条を持った方々が数の上でも優位になっている、そしてその信託を受ける政治家の方でも同様の世代が未だ力を振るっているのですから、それは社会福祉の充実も叫ばれるというものでしょう。
ちなみに人間歳をとるほど頑固になり性格の一面がより先鋭化してくるものですから、高齢者の入り口ですでにこうした状況にある方々が今後人が変わったように解脱するなどということはまず考えられない話で、果たしてこれは社会としてどう対応していくべきなのかと悩ましいところです。

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2012年5月10日 (木)

医療事故調 進んでいるのかいないのか

久しぶりに医療事故調に関する話題と言う事で、先日こういう記事が出ていましたが、ご覧になりましたでしょうか?

第3回医療事故調検討部会、第三者組織の役割で議論「事故の再発防止が目的なら、刑罰はなじまない」(2012年5月1日日経メディカル)

 「病院ではなく、第三者機関が真相究明と再発防止に当たるべき」「責任追及を目的にしていては、再発防止をシステム化できない」─。医療事故の調査を行う目的について、厚生労働省の検討会で本格的な議論がスタートした。

 厚労省は4月27日、「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」第3回会合を開催。過去2回の会合では、第三者組織を設置する必要性についてはおおむね合意が得られたものの、その役割については意見が分かれている。また、調査を行う目的についても、「原因究明」「再発防止」「被害の補償」といった様々な意見上がっている資料:PDF)。

 今回の冒頭、厚労省の藤田一枝政務官は、「本日は患者や法曹界など5人からご意見を伺い、調査を行う目的について、改めてご議論いただくことになっている。本日も活発な議論をお願いしたい」と挨拶した。この日の意見発表者は、医療側と患者側からそれぞれ1人ずつ、患者側弁護士1人、医療側弁護士1人、法律学者1人という構成。

 最初に意見を発表した秋田労災病院第二内科部長の中澤堅次氏は、「医療事故が起きた場合の被害者への対応が最も重要」と指摘し、そのためには事故の経過を知っている当事者がいる院内で精緻な調査が行われるべきと主張した。第三者機関の役割として、補償の可否の判断や原因分析、再発防止などを挙げ、「責任追及や処分を目的にすると、調査が個人を対象としたものになってしまい、再発防止をシステム化できない」と述べた。中澤氏は院内調査を中心に考え、第三者機関は現場の対応を補完する役割であることを強調した。

「病院で調査してほしくないという被害者もいる」

 だが、患者側の意見は違った。被害者や遺族らの5団体でつくる「患者の視点で医療を考える連絡協議会」代表の永井裕之氏は院内調査の問題点を中心に意見を述べ、「院内調査ができない規模の病院もあるし、事故を起こした病院で調査してほしくないという被害者もいる」と指摘。外部の第三者機関と連携した院内調査を求め、「医療界がもっと透明性を高めていくために、新しい医療安全制度が必要」として、医療事故調の早期設立を要望した。永井氏は「完璧な制度はない。小さく産んで、医療者や患者、市民らが一緒に育てる。医療安全を国レベルで啓蒙していく必要がある」と結んだ。

 患者側の訴訟代理人として長年の経験を持つ南山大大学院法務研究科教授で弁護士の加藤良夫氏も、永井氏と同様に院内調査の不十分さを指摘。「病院の調査は責任回避が普通で、被害者は傷ついてきた。第三者機関が中心となって真相究明と再発防止に当たるべき」と主張した。第三者機関について具体的には、内閣府の下に設置する「医療安全中央委員会」や、事故調査と補償を一体的に行う「医療被害防止・救済センター」の設立などを挙げた。

「免責制度や無過失補償制度が必要」と医療側弁護士

 一方、東大大学院法学政治学研究科教授の樋口範雄氏は、法律学者の立場から「日本の刑事司法は制裁型で、法が現場に介入しすぎている」と指摘。日本の刑事司法に新しい文化を根付かせていく必要性を訴え、「失敗から学習し前進することが前向きな責任の取り方であり、医療安全の文化を広める努力をしないと萎縮医療、過剰医療になる。そのためには医療の素人である警察ではなく、同じ分野の専門家の意見を集約する国の機関を設けて原因究明や分析を行うべき」と主張した。

 都内に法律事務所を持つ弁護士の宮澤潤氏は「医療機関側に立って医療事件を扱っている」と自己紹介した上で、「刑事司法の突出は医療現場にかなりのゆがみをもたらしている」と指摘。自己に不利益な供述の拒否を保障する憲法38条、故意犯処罰の原則を定めた刑法38条を挙げ、「処罰されないという安心感がなければ正確な事実は出てこない。過失は処罰されないのが原則」として、軽過失による医療事故に刑罰を科さない「免責制度」や、過失の有無を問わず被害者を救済する「無過失補償制度」の導入を改めて提案した。宮澤氏は「再発防止が目的ならば、その手段として刑罰はなじまない」と主張。「軽過失を免責すれば真実の究明が容易になり、再発防止や適正な賠償、謝罪などにつながる」と述べた。

 ヒアリング後の意見交換では、院内調査を重視する意見と、院内調査の限界を指摘する意見とが対立。「免責制度」をめぐる議論もあった。医療側弁護士の宮澤氏は、刑罰の目的として「教育刑」の側面を強調、対する患者側弁護士の加藤氏が「応報」を主張するなど、刑罰の本質に踏み込んだ議論もあった。

ちなみに厚労省から出ている議事録等の同検討部会の資料はこちらですが、どうも記事を見る限りでも調査の主体が院内か院外かということが非常に大きな争点になっているように見えますけれども、これはそれほどの争点になるほどに重要なことでしょうか?
例えば中小医療機関などでは院内調査をしろと言われても調査委員会などおいそれと組織できないというケースも多いでしょうし、状況を知っている現場の声を拾い上げるということは当然ながら院外調査機関であっても必須に行うべき作業であって、調査を行う主体がどこかということとは全く別の問題ではないでしょうか?
それよりも調査を行う上で注意すべきは、かの有名な東京女子医大の事件などにも見られるように病院側と現場担当者側との立場は全く別物であるにも関わらず、病院側からのとかげのしっぽ切り的な見解のみが公式なものとして流通してしまう可能性があるということで、そうした点を考慮すれば医療現場の立場からも院内事故調などは回避すべきであるという考え方もありそうですよね。
いずれにしても院内調査は不十分にしか出来ないという施設の方が数の上では多数派なのですから、このあたりは少なくともケースバイケースで対応すべきもので杓子定規に決められるものではないし、一部大病院の立場ばかりを主張されても困るだろうと言う気がします。
それよりもむしろ議論を深めるべきなのはまるで傍論の一つのような扱いになってしまいっている「そもそもの事故調の目的は何か?」ということだと思うのですが、ちょうど厚労省の資料から今回呼ばれた5人のメンバーがその目的とすべきだと主張しているところを列挙してみましょう。

医療事故に係る調査の目的等に関する構成員の御意見(厚労省資料)より抜粋

医療事故被害者・遺族/新葛飾病院 セーフティーマネージャー 豊田 郁子

医療事故の原因を究明して、再発防止を図り、医療事故にあった患者・家族への公正な対応を目的としたもの

独立行政法人労働者健康福祉機構 秋田労災病院第二内科部長 中澤 堅次

事後調査の目的は、被害者及び家族の悲しみに対応すること(院内調査を想定して)

東京大学大学院法学政治学研究科教授 樋口 範雄

1つは、医療事故の原因究明再発防止策の提案。
2つめは、そのためにも(第1 の目的のためにも)、刑事司法の関与を今以上に少なくし、業務上過失致死罪に当たるケースでも、とりあえず第三者機関に行けるようにする。言い換えれば、医師法21 条の、医療事故についての届出先を警察ではなく、この第三者機関とする。

読売新聞東京本社 編集局社会保障部記者 本田麻由美

1)いわゆる医療事故が繰り返されないよう、客観的に調査・検証することで、実効的な改善策を導き、その後の医療のあり方の参考とするため
2)患者・家族と医療側の間に無用な対立を引き起こさず、お互いの納得と一定の理解に導くため

公益社団法人日本看護協会常任理事 松月みどり

患者・国民の医療に対する不信感を払拭し、安心で安全な医療を確保するために必要
患者・国民に対して医療の透明性を図るためには、死因究明の十分な調査分析と併せて、医療事故に関する情報収集と公表も重要

宮澤潤法律事務所弁護士 宮澤 潤

軽過失に関する刑事免責+事実関係の開示。この形を実現するのが、医療事故の再発防止からは重要。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長 山口 育子

公的に認められた機関
複数の専門家による多角的な検証
事案に応じた臨床経験者による検証
患者側へのわかりやすい説明
医療現場へのフィードバック

特に最後の山口育子氏の意見は、実際に患者の苦情が持ち込まれる側としての具体的な問題点の指摘が含まれていて興味深いものですからご一読いただければと思うのですが、いずれにも共通して言えることは、いわゆる処罰感情を満たすことを目的とした組織ではないとしている(少なくとも表向きには)ことでしょうか。
この処罰云々について臨床家の中澤氏や医療側弁護士の宮澤氏などは妙に過剰反応しているようにも見えるのですが、その背景には前回検討会で患者側弁護士で医療事故情報センター常任理事の加藤良夫氏から「医療事故の被害者の願いは「真相究明」「反省・謝罪」「再発防止」「損害賠償」」というコメントが出たことを警戒してのものであるようです。
厚労省にしても人選に当たっては当然ながら省の意向を反映した議論を進めていくことを願ってのことでしょうから、医療事故調は処罰を目的とする組織ではないということまでは大前提になっているとも考えられますが、今後はその調査報告を司法なり行政なりが処罰に結びつけることを是認するか否か(いわゆる免責問題)も焦点になりそうですね。

今回は主に呼ばれたのが医療側関係者主体であったということで、次回以降は今回要望されているように患者側の声をどんどんヒアリングしていくということになれば、「悪徳医者を処罰も出来ないなんてケシカラン!そんな組織に何の意味があるんだ!」なんて議論を振り出しに戻すような極論も出てくるようになるかも知れません。
ただこの点も患者側に近い立場である山口氏からも最後に「原因究明と責任追及のあり方とは分けて考えないと、とてもややこしい話になってくるなと改めて感じました」というコメントが出ているように、原因究明と再発防止を目的とするなら処罰や責任追及は切り分けておかなければならないという理解は徐々に進んでいるようにも感じられます。
いずれにしても「少なくとも医療界が医療事故の原因を究明する組織を何かつくらなければいけないだろう(里見構成員)」というところまではコンセンサスが出来ているようで、実際に施設レベルでは院内事故調をすでに活用しているところも少なからずあるわけですから、今後第三者機関が設立されるにしても多かれ少なかれ既存の院内事故調も関与してくるだろうとは言えそうですね。
そうなると医療の側に求められる課題としては何らかの組織なりが調査しレポートとしてどんどん出してくるのはいいとして、それをどのように再発防止として現場にフィードバックするかということですが、最終的に末端の個人個人にまで事故の教訓が行き届くよう担保することこそ衆目の一致する本来の目的でありながら、実は大いに厄介な問題ではないかと思うのですがね。

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2012年5月 9日 (水)

未だに数合わせだけの議論では

本日まずはこちらの記事を参照いただきましょう。

第4部=提言・地域の医療を担う人材育成(3)開かれた扉/新設か増員か、渦巻く賛否(2012年4月28日河北新報)

<琉球大が最後>
 大学医学部は30年以上新設されてこなかった。文部科学省が認可しない姿勢を堅持してきたためだが、民主党政権になって潮目が変わった。
 民主党は、政権交代を果たした2009年衆院選で、マニフェスト(政権公約)に「医師養成数を1.5倍に増やす」と明記。文科省は有識者による検討会を10年12月に設置し、入学定員増や新設の是非をめぐる議論が解禁された。
 文科省が医学部新設を認めた場合、1979年の琉球大(沖縄県)以来となる。検討会ではしかし、全国に16万6000人の会員を持つ日本医師会(日医)が強硬に新設に反対した。

 「既存医学部の入学定員は増やしており医師不足は将来的に解消する。新設は屋上屋を架すことになる」。検討会委員を務める日医の中川俊男副会長が語気を強める。
 医学部の入学定員は、08年に自民党政権が打ち出した新医師確保総合対策によって確かに、年々増加している。
 12年度の入学定員は8991人で、5年間で1366人増えた。1校の入学定員を100人とすると「13、14大学を新設したのに等しい」というのが日医の言い分だ。
 国はそれまで、医師数を減らして医療費を抑制するという観点から、長く入学定員の削減を図ってきた。全80校の総入学定員は1981~84年の年間8280人から、2003~07年は7625人に減少し、いまに続く地方の医療崩壊の要因ともなった

<高齢化 考慮を>
 民主党が「医師数1.5倍」を主張する根拠に、臨床医数の国際比較(08年)がある。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均が1000人当たり3.24人なのに対し、日本は2.15人にとどまっている。
 日医の試算では、今の定員を維持すれば25年には現在の先進7カ国並み(2.8人)に追いつき、「医師過剰時代を迎える」という。「新設すると減らしにくい。定員増であれば柔軟に対応できる」と中川氏はみる。
 これには異を唱える専門家も多い。文科省の検討会に参考人として出席した東大医科学研究所の上(かみ)昌広特任教授(医療ガバナンス論)は「日医の試算は単純過ぎる。医療の高度化や専門化などの条件を無視している」と指摘する。
 団塊世代が65歳に到達したわが国は、世界に例を見ない超高齢社会に突入しつつある。高齢者ほど病気にかかる割合が増す一方で、医師自身も高齢化が避けられない
 加齢とともに医師の勤務時間は減少するし、超過勤務が当たり前の病院勤務医の労働時間が見直されれば、必要医師数はさらに増加する
 高度医療や医療訴訟への備えを背景に、近年は複数の医師によるチーム医療が普及した。「現在の定員増加分を考慮しても、少なくとも50年までは医師不足は解消されない」と上氏は語る。

<伸びしろない>
 そもそも単純に定員だけ増やしても、地方の医師不足は解消されないとの見方もある。東北大医学部長を務めた久道茂同大名誉教授は「卒業生の多くが地域に定着するような仕組みを持った医学部ができなければ、東北の医師不足解消の決め手にはならない」と話す。
 「既存医学部の定員増は最大限やった」と切り出すのは、検討会設置時の文科副大臣だった民主党の鈴木寛参院議員(東京選挙区)だ。「定員増の申請はほぼ認めてきた。だが、もう伸びしろがない。だからこそ新設を議論している」と言う。
 検討会は11年11月までに9回の会合を重ねて論点を整理し、意見公募を実施。宮城県からは医学部新設を後押しする声が多かったという。

積悪の報いか(苦笑)例によって日医すっかり悪者というおなじみの構図ですが、この医学部新設議論は今に始まったことではありませんが、見ていますとどうも新設論者には地域の医師不足解消には医師を増やすしかないという論調が目立つようです。
かつて医師不足ではなく偏在しているのだと言うなら不足している地域のみならず余っている地域もあるはずだ、それはどこだ?と問い詰められた時の柳沢厚労相が「え~徳島とか?」なんて答えて失笑を買った事件なども懐かしく思い出されますが、施設単位、部署単位で見ても需要と供給が平均化していないという意味では全国どこにでも偏在は大いにあるわけですよね。
一方でその偏在とは仕事に対する偏在なのか人口、あるいは地域に対する偏在なのかも明らかにしないまま、需給バランスを無視して仕事もない施設にばかり医師を強制配置しようとしていることが現場の反発を招いているわけで、ましてや定員増で先行する歯科や弁護士の過剰問題がこれほど社会問題化している中で、それでも医学部新設を強行しようとするなら歴史に学ばない愚か者呼ばわりされても仕方がないでしょう。

そもそも人材の偏りは別に医師に限らずどこの業界でもあることで、それは人間誰でも楽して稼げる職場があればそちらに集まるのは当然なのですが、どうも記事中にも登場している鈴木寛議員のコメントなどを見ていますと相変わらず現場の労働環境などには目を向けることなく、単に足りないという人達が多いから増やしておけというレベルに留まっているようにも見えてしまいます。
さすがにひと頃鳴り物入りで登場した医学部の地域枠などもお金で他人の人生を縛る「現代の人買い制度」という認識が広まったことで各地で定員割れが相次いでいると言いますが、とにかく学力が足りなかろうが数だけ揃えればよいという発想で安易に入学させた学生が、後々地域医療に情熱をもって従事してくれるはずだと考える方がどうかしている気がします。
医者など毎年大学から送ってくるものという認識で使い潰してきた結果医師不足に悩んでいる病院ほど、まずは現場の人間がここで働きたいと思えるだけの環境整備が最優先ではないかと思うのですが、そんな中で広大な僻地を抱える東北地方では今度はこんな独創的な計画を推進しつつあるということです。

医師確保へベトナムから留学生 一戸町が独自対策 /岩手(2012年5月4日岩手日報)

 一戸町は、ベトナムから留学生1人を招聘(しょうへい)して医師を養成する独自の医師確保対策に取り組む。留学生は今月末に現地の高校を卒業後、県内の専門学校で日本語を学び、大学医学部への進学を目指す。医師免許取得者についてもホーチミン市と派遣の方向で協議が進んでおり、共に同町での医療活動につなげる考えだ。医師不足、医療の地域間格差が懸念される中、国外に目を向けた取り組みは関心を集めそうだ。

 留学生は、ホーチミン市国家大学付属英才高校の3年生。5月末に行われる卒業試験を経て、早ければ9月に来日する。盛岡市内の専門学校で1年半から2年間、日本語と専門科目を学び、大学受験に備える。町は学費や生活費などで一定の補助を行い、学習環境をサポートする方針。

 一方、医師免許取得者についても要請中で、ホーチミン市からは「人選して派遣する方向で進めている」との回答を得ているという。来町すれば、日本の医師免許を取得する必要がある。町は医師確保が実現した場合、嘱託医として採用し、県立一戸病院に派遣する形を想定している。

 稲葉町長は「誘致活動が進まず、打つ手がなくなっている。時間はかかるが、一戸で勤務してもらえるよう育て、国際交流につなげたい。切羽詰まった現場からの発想だが、医師確保対策に一石を投じることになるのではないか」と意義を強調する。

外国人医師を招くという発想は時折聞かれますけれども、何も知らない少年を一戸で勤務したがるように育て上げようというのは何とも壮大な計画と言うべきでしょうか、うまく医師免許を取得出来たとしてどのように勤務を担保しようとしているのか非常に興味がありますけれどもね。
ちなみに外国人看護師導入についても相変わらず国家試験合格率は低迷していると言いますが、同様に外国人を呼びつつある介護福祉士についてもせっかく国試に合格したものの帰国する人が後を絶たないということで、勉強のための費用を負担してきた各地の施設では不満の声が少なからずという状況のようです。
そもそも同じ日本人にすら忌避される仕事でも何も知らない外国人なら構わないだろうという発想も国際交流上いいのか悪いのかですが、どうせ今までにないアイデアを実施する覚悟があるならこうした小さなコミュニティーであるからこそ出来る策を講じてみてはどうでしょうか?

例えば医師の間で長年議論されているのが応召義務なるものの問題ですが、料金未払いだろうがトラブルメーカーだろうが来れば拒めないというのはとりわけ人間関係が狭く固定化された田舎では大変なストレスになることは想像に難くありませんが、条例によって問題行動に対してはイエローカードやレッドカードを提示し、累積した場合には受診を認めないといった対策を講じれば一気に話題にはなりますよね。
ともかく何も知らない素人ならともかく、僻地医療に慣れた人間ほど人間関係が一番重要であることをよく知っているもので、とりわけ東北と言えば秋田県は上小阿仁村のように僻地診療の聖地を抱えている土地柄でもあるだけに、まずは地域として断固として医師を守る、それも単なる口約束ではなく公的なものとして約束するという姿勢を打ち出さないことには信用を得る事は出来ないでしょう。
病気を抱えた患者側としても信頼できる医師に診てもらいたいという要望があるのは当然ですが、医師の側としても信頼できる患者と共に病気と闘っていきたいと考えるのは当然であって、単に数を増やせばいいだろう、お金さえ出せばいいだろうという発想に留まっているうちは、日本中に医師が満ちあふれるようになっても相変わらず「我が町には医者がいない!国が何とかしてくれ!」と叫び続けることにもなりかねません。

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2012年5月 8日 (火)

安ければ安いほどいい?

さて本日の前振りとして、先日の不幸なバス事故で格安運行会社のリスクというものににわかに注目が集まっていますが、安いのにはそれなりの理由があるというのがこちらの記事です。

他社便へ振り替えなし ピーチ、欠航時に混乱(2012年5月6日東京新聞)

 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションで、欠航時に一部の利用客の間で混乱が生じている。低価格運賃の実現のため他社便への振り替えがないためだ。世界的にみられるLCC流の対応だが、日本では知らずに利用する客も多く、専門家は「よく調べてから乗って」と注意を呼び掛けている。

 ピーチは関西空港を拠点とし、三月一日に就航。最初の一カ月の平均搭乗率は83%で、75~80%とした予測を上回り、今のところ好調。徹底的なコスト抑制策で実現した低価格運賃が最大の魅力だ。

 しかし、日航など大手は、機材故障などの自社都合で欠航すると、他社便への振り替えのほか、ホテルを手配するケースもある。一方で、ピーチは自社便の中で振り替えるか、払い戻すしか選択肢がない

 三月に長崎発関西行きの便が欠航した際は、福岡発の便に振り替え。長崎から福岡までの交通費は利用客の負担で「他社便は乗れないのか」「滞在費を負担して」と不満の声が相次いだ

 同社はホームページで「他社便への振り替えはできない」と呼び掛けるが見落とす客も多く、手元に残る予約確認書にも記載する方向で検討に入った。

 LCCに詳しい桜美林大の丹治隆(りゅう)教授は「LCCはトラブル時に補償がない分、運賃が安い。欠航時などの対応を調べてから利用することが必要だ」と指摘している。

無論安全性などをきちんと担保しているという前提であれば欠航時の不便さそのものは一概に非難されるようなものではなくて、自分でリスクとコストとをはかりにかけて会社を選ぶのが健全な自由主義社会での商売のあり方というものではないでしょうか。
ただ今までの日本では言わずともこうした部分はフルコースで用意されているのが当たり前という感覚があって、そうであるからこそリスクとコストを比較検討するという習慣が根付いていなかったとも言えますから、当分は窓口の担当者さんも苦労が絶えないんだろうなと思いますね。
いずれにしても何であれリスクあるいはベネフィットとコストとをどうバランスさせるかという判断をするためには、そこにどんなリスクがありコストが幾らかかるのかということを各人が承知していなければならない理屈ですが、例えば医療などに関しても日本では医療のベネフィットとコストの関係を国民もあまり考えてきたとは言えず、当の医療従事者でさえ医療はコスト度外視でただ最良を追求すべきものだと考えていた気配があります。
通常はそうした野放図なことをやっていればとんでもない高コストなものになっていてもおかしくないのですが、幸いにも?日本では官僚の皆さんがきっちりと手綱をコントロールしてくださっていたおかげか世界一のコストパフォーマンスを誇る医療だと言われてはきたわけですね。

日本の医療支出は先進工業国で最少、最高は米国 米調査(2012年5月6日AFP)

【5月6日 AFP】米国の医療制度改革を推進する民間団体コモンウェルス・ファンド(The Commonwealth Fund)は3日、13の先進工業国の医療制度を比較調査し、医療関連支出が最も少ないのは日本、そして最も多いのは米国とする報告書を発表した。報告書ではまた、米国ではその高い支出に見合う医療サービスが提供されていないことにも触れている。

 調査は経済協力開発機構(Organization for Economic Cooperation and Development、OECD)などによるデータを基に、英国、オーストラリア、オランダ、カナダ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フランス、米国の医療サービスを比較した。

 調査の結果、米国では2009年、1人あたりの医療支出が8000ドル(約64万円)近くに達した。一方、最も少なかった日本では2008年、1人あたりの医療関連支出は2878ドル(約23万円)だった。国内総生産(GDP)に対する医療支出の割合は、2009年の米国では17%以上だったが、日本では9%にも満たなかった

 報告書は、日本が出来高払い制を採用しつつも、専門医や病院、さらにはMRI(磁気共鳴画像装置)やCTスキャナー(コンピューター断層撮影装置)の利用も制限されていないことに触れ、医療サービスの利用制限によりコストを抑えるのではなく、政府が割り当てる予算内に医療支出が収まるよう医療費を設定しているとした。

 これとは対照的に、米国では高額な治療費と容易に利用できる医療技術、さらには肥満のまん延から医療支出が増えているという。

 報告書を執筆したコモンウェルス・ファンドの上級研究員、デービッド・スクワイヤーズ(David Squires)氏は、「米国人は他の国より多くの医療サービスを享受していると思われがちだが、実際のところ米国人は医者や病院にそれほど行かない」と話す。

「米国の医療支出が多い理由は、高い医療費と高額な技術の頻繁な利用にある可能性が高い。残念ながら、この高い医療支出に見合うサービスは提供されていない」

しかし言ってみればこれだけ価格競争力のある日本の医療業界(の一部の方々?)がTPPに絶讚反対中というのも興味深いものがありますが、いずれにせよアメリカの医療費の高さはすでに各方面からの紹介で有名になっていて、なにしろ人間生活にゆとりが出来れば一番大事なのは命と健康なのは当然ですから、基本的に先進国と言われる国々ほど医療費は高くなっていくのは当たり前の現象と言えるでしょう。
そんな中で日本では全国民に対し一律定価(しかも廉価)販売の皆保険制度というものを導入した上で、医療現場のいろいろな事情をさっくり無視してともかく財政支出が幾らになるかという観点だけから医療費というものを決めてきた経緯があり、安く上がっていること自体はそう不思議というものでもありません。
ただ諸外国と日本の医療制度を比較して誰しも驚くのが、これほど廉価の医療を提供している日本が往時の英国のように皆保険医療の実質的破綻に至るわけでもなく、迅速なアクセスに高い質、そして現場のモチベーションを維持し得ているという点についてであったわけですが、その秘密は現場スタッフの「聖職者さながらの献身(ヒラリー)」という、いわばシステムとして組み込みがたい特殊要因に依存していたわけですね。
ひと頃から話題になった医療崩壊という現象が単に物理的な多忙や数の不足といったものではなく、立ち去り型サポタージュに象徴されるような現場のモチベーション崩壊こそその本質であると言われる所以ですが、一方ですでに皆保険制度下でスタッフのモチベーションが落ちるところまで落ちて国外逃散が相次いだという医療崩壊先進国イギリスでは、不確実なモチベーションに頼らずシステムの方で対応を試みているようです。

◆ 林大地の「誰もが“無料”で医療を受けられる国、イギリス」 担当科の仕事が忙しいほどうれしい夜勤(2012年1月13日日経メディカル)より抜粋

 前回の結びで「次回は、医師の夜勤制度導入に関連して生じた、イギリスの医師の勤務体系にかかわるもう一つの変化についてご紹介します」と書きました が、それはいったいどのような変化だったのでしょうか。端的に言えば、夜勤中も日勤中と同じく、「勤務時間内は常に働いていること」を求められるように なったことです。

(略)

 慢性的な財政難に苦しむイギリスのナショナル・ヘルス・サービスの病院は、人件費を極力抑える必要がある一方 で、前回紹介した欧州労働時間指令(European Working Time Directive)による医師の労働時間制限も遵守しなければならないという板挟みの立場に置かれています。一見不可能に見えるこの2つの条件を両立さ せるための方法の一つが「科をまたいだ夜勤制度」だったのだろうと思います(※注2)。このように、合理性を徹底的に追求した勤務体系を取らざるを得ない のも、「誰もが“無料”で医療を受けられる国、イギリス」の特徴なのかもしれません。

このシステムがどのようなものかと言えばごく簡単で、例えば内科の患者が集中して内科夜勤医の手に余るようになれば暇な他科の医師が呼び出される(他科医とは言え、半年間の内科初期研修は受けています)、そして問診や検査オーダー出しを行い、その結果を見て内科医が最終的に治療に当たるという応援システムであるわけですね。
考えて見れば判りますが同じ夜勤とは言っても全科同時に同じように働いているはずはありませんから、病院側からすれば追加投資一切無しに労働力の有効活用を図れるという非常にありがたい制度で、あるいは日本においてもローテート研修が必修化されたのは将来的にこうした制度の導入を考えてのことかとも思ってしまいます。
もっとも専門医としてのキャリアを積んでいくほどに専門外の仕事にかり出されるということに不満が貯まるのは当然で、実際に「この「臨時助っ人」としての仕事を心から喜んでやっている医師はいない」ようだと言うのですから細々した不満は幾らでもあるのでしょうが、夜勤医には前後の通常勤務を免除するなど、少なくとも労働環境に関しては日本よりもずっと配慮しているとは言えそうです。

さほど長い記事でもありませんから詳細はご一読いただければと思いますが、応用編として勤務時間内の医師を目一杯効率的に働かせることで過酷な超勤などを減らすシステムとしても使えそうですし、とりあえず金銭的に優遇が出来ないなら労働環境だけでも配慮するという点では、これはこれで合理的なやり方かも知れません。
無論のこと、イギリスのやり方が素晴らしいなどと言いたいわけでもなく、あくまでもこうしたやり方もあるということなのですが、前述のような医療費決定のシステムにより金銭的な面でこれ以上大きく現場に報いるということがまずもって非現実的になっている中で、現場担当者個々の頑張りという非常に不確実なものだけに頼っている日本の医療は極めて危なっかしい状況にあるという現実は知っていくべきでしょうね。
例えば昨今では小児科がこれほど多忙であると社会問題化しているにも関わらず小児医療費無料化は対象が拡大される一方だと言うことですが、アメリカ政府が資金を出して行った調査によっても医療費の無料化はモラルハザードを招き、結果として社会全体の医療費支出を増大させるという当たり前の現象はすでに確認されていますから、財政面だけで見ても選挙対策でとにかく安ければいいというものでもないはずです。
ましてや医療費無料なのをいいことに、毎日どころか昼夜何度も子供を病院に連れてくる保護者なども実在していて現場担当者のやる気を日々奪っている現実を思えば、ただ安ければいいと盲信することの怖さも承知しておくべきで、医療においても利用者はコストとベネフィットとに関わる諸事情をきちんと知った上で判断していくべきではないでしょうか。
そして医療従事者も自分たちがどのようなコストを使って、どんな水準の医療を目指そうとしているのかということを判断材料として提供していくべきであって、いつまでも「命はお金にかえられません」で何も考えずに猪突猛進しているばかりでは社会の納得と理解は得られないはずなんですが、TPP絶対反対!皆保険絶対死守!などと叫ぶだけで思考停止している日医あたりにその辺りのビジョンが示せるかと言えば…

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2012年5月 7日 (月)

お客様の声は神の声、でしょうか?

本題に入る前の小ネタとして、ブログやツイッターを称して何とかの発見器という言葉がありますが、先日また一人発見されたと話題になっているのがこちらの一件です。

キム兄・木村祐一 新幹線の車掌の対応に苦言を呈する(2012年5月3日アメーバニュース)

 キム兄ことお笑いタレントの木村祐一(49)が、自身が乗った新幹線の車掌に対してブログで苦言を呈している。

 新幹線で窓際に座っていたという木村。車掌がおしぼりを持ってきたのだが、その車掌は木村の隣の通路側の席に誰もいないのにもかかわらず、身を乗り出さずにおしぼりを手渡したとのこと。手が届かなかい距離だったが、木村は「うーん??ま、えぇか」と不快に思いながらも、「背もたれ(そんなに倒してませんよ)から身を起こし、おしぼりを頂きました」と説明。

 その数分後にまた同じ車掌が乗車券のチェックに来たのだが、今度は座ったまま切符を出したところ、半歩踏み込んで受け取ってくれたとのこと。

「あぁ、良かった」と木村も思ったようだが、車掌が切符を返す時に、また同じように身を乗り出さずに切符を返してきたため「いやいやいや、手が届きません。私が身を乗り出し、貰わなければならないのでしょうか?」と不快に思い、座ったまま手だけを出したと言う。

 しかし、車掌は何も気づかず不思議そうに木村の顔を見るだけだったため、「お前が手ェ伸ばせ」と木村節が炸裂。「言わなきゃよかった」と木村自身の後悔しているようだが、「無理でした」と明かしており、「あの車掌はあかんやろ!」と苦言を呈している

ある意味典型的とも言えるこの症例に関して敢えて詳細な論評は控えますが、こういう話を聞きながら思うことにクレーマー気質に必須の条件とは自己の正当性、無謬性に対する強固な確信と共に、自らの行動様式が社会一般のそれから逸脱していることに気づかない自己客観視能力の不足なのかなという気がします。
別にJRの接遇問題で何をどう感じようがそれは個人の自由ではあるのですが、少なくとも芸を売り物にする客商売に関わる人間がそれを実名で発信してしまうというのは全く笑えないというものですし、芸人にもプライベートがあるというならそれを芸人の顔で表に出すべきではなかったのです。
幸いにもと言うべきなのでしょうか、この記事に接した多くの人々が「さすがにこれはおかしいやろ」と素朴な憤りを感じているらしいという点が救われるのですが、こういう行為をむしろ自慢げに世に晒せる人が確かに存在していて、あちらでもこちらでもごく普通の社会人のような顔で歩いていると考えると暮らしにくい世の中になってきたなと感じてしまいます。

それはそれとして、クレーマーならずとも何かと他人の仕事ぶりには気になる点は見つかるもので、中にはそれがお客様の声として業務内容に反映されていくという場合もあるわけですが、もちろんあまりに的外れ過ぎて反映しようのない声というのも少なからずあるわけですよね。
企業なども大手になってきますと顧客窓口担当の人もその道のプロフェッショナルですから、こうした数々の声を捌き適切に対応することには慣れているのでしょうが、その種の対応慣れしていない人が対応せざるを得ない場合には往々にしてちょっとずれた答えが出てくることもあるものです。
場合によってはそうしたうっかりした返答を言質としてつけ込んでくる悪質顧客もあるだけに困ったことにもなりかねないのですが、いずれにしても顧客の声を過剰に気にするあまり場当たり的な対応に終始して、最終的に本来の業務目的を歪められていくようなことがあっては困るのは当然でしょう。

関越バス事故 「群馬DMAT」初出動 現場到着は2時間半後/群馬(2012年5月1日東京新聞)

 藤岡市の関越自動車道で七人が死亡、三十九人が重軽傷を負った高速ツアーバスの事故。救急医療チーム「群馬DMAT」が県内で発生した事故や災害では初めて出動したが、現場に到着したのは事故発生の二時間半後だった。もっと短縮できなかったのだろうか。初動をたどった。 (伊藤弘喜)

 DMATは、大規模な事故や災害で多くのけが人が発生した際、緊急対応できるよう訓練を受けた医療チーム。県内では二〇〇九年七月に十五病院で二十五チームが発足した。

 県のDMATの運用要綱によると、原則、県が消防から出動依頼を受け、依頼内容に適した病院に出動要請することになっている。

 今回、県は運用要綱に従う形で、高崎市等広域消防局から出動依頼を受けてから前橋赤十字病院(前橋市)に出動要請した。

 消防が事故を覚知したのは午前四時五十一分。十九分後の五時十分、各地の関係機関に「負傷者十数名いる模様」と伝達。DMATを管轄する県医務課や災害拠点病院の前橋赤十字病院も「事故の第一報」として受け取った。

 県医務課はDMAT出動に踏み切るための情報を得ようと消防に何度も電話したが、ホットラインもなく、つながらない。約三十分後の五時四十分ごろ、ようやく通じ「死傷者数人、負傷者多数」と確認県が前橋赤十字病院に出動を正式要請したのは、さらに一時間近くたった六時三十五分で、初動救護班が現場に到着したのは七時十五分。すでに治療の優先度を決めるトリアージは終わり、重傷者は救急搬送された後だった。

 川原武男県医務課長は「現場の情報がないと出動の判断が難しいが、たとえ必要性のない空振りに終わっても一報の時点で出動させるべきかもしれない。検証したい」と話している。

「群馬DMAT」への出動要請 知事、県の対応遅れ認める/群馬(2012年5月3日産経新聞)

 ■手続きの迅速化検討

 藤岡市の関越自動車道の高速ツアーバス事故で、県から救命医療チーム「群馬DMAT」への出動要請が発生の約2時間後となった問題について、大沢正明知事は2日の記者会見で「消防本部から(県に)要請があった時間と出動した時間にタイムラグがあったのは事実だ」と述べ、県の対応の遅れを認めた。

 DMATの活動要領によると、DMATは原則的に災害や事故が発生した都道府県の要請を受けて活動することになっている。

 大沢知事は「事故対応は1分1秒を争うもの。できるだけ簡素に連携がとられるべきだ。しっかりと整備していく必要がある」と述べ、出動手続きの迅速化を検討する考えを示した。

 県医務課によると、高崎市等広域消防局から県広域災害救急医療情報システムに情報が入ったのは事故から約30分後の4月29日午前5時10分。県がDMATに出動を要請したのは6時35分だった。DMATは6時55分に出動、現場に到着したのは7時15分となった。

 

県が出動要請をするまでの間、DMATを統括する前橋赤十字病院は緊急対策本部を設け、スタッフ招集などを進めていたという。
(略)

ちなみに群馬DMATは今回が初出動だったそうですが、先の震災で有名になったこのDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)なるもの、DMAT事務局のHPから引用しますと「災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム」として定義されています。
日本では阪神大震災を契機にこうした組織の必要性が認識され、平成17年に「大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チーム」として組織されたのが始まりですから、本来は既存の医療救急体制が崩壊したような災害現場に派遣される非常用の組織であるのは明白です。
そうなると大きなバス事故とは言え何故普通の救急活動も行われているような状況で出動することになったのかと思うところですが、自然災害のみならず航空機や列車事故など大規模な事故の際にもとりあえず便利使いできる救急組織があれば便利だという発想でしょうか、特に都道府県レベルのDMATにおいては現場の判断でより柔軟に出動要請する方向になってきているようです。

無論、事故現場からすれば制度上のことは何でもいいから専門家チームが早く来てくれた方が助かるのは言うまでもないことですが、そもそもの定義に「おおむね48時間以内」などという妙に半端な「機動性」を持ったチームと定義されているように、このDMATという組織は別に消防救急のように常設のチームとして常時災害に備えて待機しているようなものではありません。
かくいう管理人の友人も某施設でDMATに所属していますが、群馬県のDMAT配備施設を見ていただいても判る通り多忙な基幹病院の中で、多忙な日常診療に従事しているごく普通の臨床家ばかりでしょうから、むしろ今回出動要請からわずか20分後に出動していったという報道に驚いている程です。
それが今回いわば本来目的からは外れた副業と言うべきバス事故でかり出され出動が遅いとこれだけ叩かれた、そして知事や医務課長が必要がなくともどんどん出すべきだ、もっと迅速に対応出来るよう整備していきますと公言してしまった以上、今後は今まで以上に救急現場での医療活動に活躍が求められるようになるだろうし、各施設も迅速確実に要請に対応することを求められるようになるということでしょう。
無論そうしたチームがあれば救急現場としては便利でありがたいのは当然理解出来るのですが、そもそも滅多にない大規模災害に対応するためという名目でスタッフを指名して組織したものを、例えば近所で車三台が絡む多重事故発生と出動を求められるようになってくると、果たして永続的なシステムとして破綻せずに済むだろうかという疑念が出てきますね。

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2012年5月 6日 (日)

今日のぐり:「手打蕎麦 悠庵(ゆうあん)」

こどもの日でなくとも孫にいい格好をしたいのは祖父母の常というものでしょうが、ちょっとやり過ぎたというこんなニュースがあったようです。

「おじいちゃん、それは無茶だ…」孫娘の乗るおもちゃの車を自動車で引っ張っり逮捕される/米(2012年5月3日らばQ)

祖父母にとって孫はかわいいもので、喜ぶことは何でもしてあげたいと思うものですが、ちょっと度を過ぎてしまった老夫婦がいました。

アメリカで、なんと孫娘の乗ったおもちゃの車を乗用車につなぎ、道路をけん引しながら走行したそうです。

逮捕されたのは、アメリカ・フロリダ州で孫の面倒をみていた老夫婦。

7歳の女の子が乗るプラスチックの車を、犬のリードでSUVに結び、祖父が時速10マイル(約16km)ほどで走行し、引っ張ったとのことです。

一緒に乗っていた祖母は後ろのハッチを開けて孫娘に歓声をあげていたそうです。女の子は水着姿でおもちゃの車に乗っていたそうで、ヘルメットなどの安全装備は一切なしていなかったとのこと。

警察は見つけ次第すぐに車を止め、2人から事情を聞くと、両者からお酒のにおいがしたと説明しています。

祖母は危険は承知の上で、ただ楽しむために1日中やっていたと供述しています。祖父は酒気帯び運転と児童の監護を怠った罪で起訴され、祖母も同様に監護不行き届きで逮捕されました。

孫の喜ぶ顔が見たさだったとは言え、いくらなんでもやり過ぎだったようです。

ま、当然ながらこうした使用に耐えられる構造とは思えませんからひとたび何かあれば大惨事だったでしょうが、とりあえずカツ丼でも食べて頭を冷やしていただくべきこれはケースだということなんでしょうか(もっともアメリカではカツ丼は食べないんでしょうが)。
今日はハッスルしすぎて孫を思いがけない危険に曝す羽目になった祖父母に敬意を表して、世界中から元気な?お年寄り達の話題を紹介してみましょう。

100歳おばあちゃん、元気の秘訣は毎日ニンテンドーDSで遊ぶこと(2012年2月1日インサイド)

100歳のおばあちゃんゲーマーが海外で注目されています。

Kathleen Kit Connellさんは、100歳のおばあちゃんゲーマー。彼女の趣味は編み物やビンゴではなく、なんとニンテンドーDSのゲームをプレイすることです。頭の運動にとゲームを始めた彼女は、毎日かかさず2時間程度プレイしているそうです。

動画をみる限り、とても100歳とは思えないタッチペンさばきですが、脳年齢を何かのゲームで計ったところ、なんと64歳という結果だったとか。ボケ防止として、ゲームは最高のツールかもしれませんね。

100 year old keeps sharp playing Nintendo DS

自分が80歳を超えている実感がまったくないと語るKathleen Kit Connellさんは、今日も元気にゲームを楽しんでいます。

日本ではファミコンの『ボンバーマン』を26年間プレイし続けている99歳のおばあちゃんがいますね。今後は高齢者もゲームを楽しむ時代になるかもしれませんね。

余談ですが、筆者の父はスーパーファミコンで遊んでいます・・・。

すでにゲーセンの主要顧客として高齢者層が注目されていますが、今後テレビゲーム世代が高齢化してくるにつれてこうしたターゲットに向けられた商売が大きなものになってくるのでしょうね。
元気がいいと言えばこちらも元気が良すぎるというものですが、また妙なところで世界記録を樹立してしまったものだなと思ってしまうニュースがこちらです。

伊でギネス級白寿離婚=40年代の妻の浮気許さず/伊(2011年12月31日時事ドットコム)

 英紙デーリー・テレグラフ(電子版)は31日、イタリアで99歳の夫が96歳の妻に離縁を言い渡す「世界最高齢」離婚があったと報じた。
 夫はクリスマスの数日前、たんすから古い小箱に入ったラブレターを発見。1940年代、若かりし妻がひそかに浮気していたのに気付き、怒りが収まらなかったという。
 妻は浮気の過去を認め、洗いざらい白状したが、夫の離婚の決意は固く、翻意しなかった。
 夫妻は77年間連れ添った仲だった。5人の子供、10人以上の孫、さらに、ひ孫も1人いる。

しかし77年の歳月を反故にする思い切った決断もさることながら、よりにもよって年の瀬にこんな大決心をせずとも良かったでしょうにね…
いい人というのはどこにでもいるものですが、こちら大きな社会的貢献もしてしまったといういいお婆ちゃんの話題です。

「編み物」で刑務所に革命を起こした、とあるおばあさんのお話/米(2011年12月6日ロケットニュース24)

「このなかに編み物をしてみたいという人はいますか?」

2009年後半のこと、リン・ズウェリングさん(67歳)が仮釈放を控えた囚人600人を前で言った言葉は、大変奇妙なものだった。当然ながら、囚人たちから「編み物をやってみたい」と名乗りでるものはなく、むしろ『ばあさん、何を言ってやがんだ?』と怪訝に感じたかもしれない。

ところが2年を月日を経た後には、リンばあさんのレッスンを欠かさず出席するものが続出。なかには、夕食さえも抜いて編み物に打ち込むものさえあらわれたのである。リンさんは彼らが編み物に打ち込んでいる姿を見て、「まるで聖者のようにさえ見えます」と話している。

これはたった一人のおばあさんが、編み物を通して刑務所に革命をもたらしたお話である。

18年間、自動車販売の仕事に携わったリンさんがリタイヤしたのは2005年のことだ。自らの情熱を傾ける先として思いついたのが、編み物教室だった。最初は誰も来ることはなかったそうなのだが、もともと人に教えることに長けていた彼女。噂が噂を呼んで、現在500人の生徒を持つに至った。

彼女はある日、編み物に集中している生徒たちを見て、驚くべき発見をした。それは生徒たちの姿に、「禅」の境地を見たのである。大勢の人が編み棒を操り自らの作品づくりに集中している姿に、平和と安らぎを感じたのだ。

「もしも今までに、編み物を経験したことのない人たちにチャレンジしてもらったら、どのような心持ちになるのかしら?」

そして彼女は、経験したことがないと思う男性たちのいる場所へと行った。それがメリーランド州のジェサップ刑務所である。しかしながら、彼女が思い立ってから塀の向こう側へ行くのには、随分と時間がかかった。というのも、刑務所は囚人たちに編み棒を持たせることで、何か問題が起きるのではないかと考えたからだ。増して、編み物をやろうと思う者はいないはずだと。結局、刑務所で実際に教室を開くまでに5年の月日がかかったそうだ。

だが、彼女は長らく刑務所側を説得し、ようやく囚人たちの面前に立つことができたのである。

教室をはじめたばかりの頃は、囚人たちのほとんどが興味を示さなかった。ところが、週1回の教室を重ねるうちに彼らのなかに変化が見られた。実のところ、刑務所では集団生活を送っているためか、囚人たちが何かに没頭する機会が少なかった。編み物をしている時間、彼らは日常のあらゆることを忘れて集中することができたのである。

またリンさんの発案で、家庭内暴力で家を追われた子どもたちのために、人形を作ることを取り入れた。そうしたところ、同じような経験を持った囚人は、ことのほか心を込めて人形を作った。都市部の小学生のために帽子を作って送ったりもしたそうだ。

リンさんによれば「彼らは体中タトゥーに覆われていて、とても怖いルックスをしています。なかには歯がないという者もいます。でも、気持ちまで乱暴という訳ではありません。彼らは丹念に、そして満足してニットを編んでいます」と、囚人たちの様子を語っている。

刑務所の関係者によれば、積極的に編み物に取り組む囚人は、問題行動をほとんど起こさないという。そして、彼らが語る言葉が以前よりも前向きになり、教室が終わった後にとても満足そうにしていることを確認しているそうだ。
(略)

しかし元記事の写真にあるようなごついおっさん達が黙々と編み物をしている光景というのも何とも言いがたいものがありますが、これだけのことで本人達にも周囲にも平和が訪れるというのであればよいことですよね。
趣味と実益ということではこちらの方などは職業として今も現役ということですから大変なものですが、考えて見ると数ある職業の中でもご老人には最もハードルが高いものの一つではないでしょうか?

これはスゴイ! 93歳のヨガインストラクターはその人生もめっちゃパワフル/米(2012年1月29日ロケットニュース24)

ス、スゴイ! スゴすぎる!! 両腕だけで全体重を支え、ひょいっと身体を浮かせてなんとも簡単そうに、しかしとても美しくポーズをとる女性。「彼女は93歳だ」と聞いたら、みなさんは信じられるだろうか。

米国在住のタオ・ポーション・リンチさんは、70年以上にわたってヨガを続け、その道では名の知れたヨガインストラクターだ。93歳の現在でも現役バリバリなのだが、さらに彼女のこれまでの人生が、とてもエネルギッシュ!! なのである。

青春時代にインドでヨガ修業を行った後、アメリカに渡り、30代前半の頃は女優やモデルとしてキャリアを積んだ。ハリウッド映画やテレビにも出演して経験を重ね、1960年代にはインドでテレビ局を開設する。

世界をまたに掛け、なんともパワフルに活動する彼女だが、その人生はまだまだここからであった。

テレビ局開設後は、ヨガを教える立場へと転身し、インド、フランス、アメリカで45年以上ものあいだ、インストラクターとして第一線で活躍している。これまでに指導した、新たなヨガインストラクターたちは、400人以上にのぼるという。

84歳のときには、股関節の痛みを和らげるための股関節全置換術という手術をうけており、医者には、「これまでのような柔軟な身体を維持することはできないだろう」と言われたそうだ。

しかし、彼女は医者が間違っていたことを証明した。「私は頑固者だから、みんなが無理だって言うと、なおさら、やらなきゃって思うのよ。今は、学びたいことが多すぎて、時間が足りないと感じているわ!」と、柔軟性だけでなく、そのパワフルさも健在だ。

エネルギー溢れる彼女のもとには、現在も多くの生徒が集まるという。今後のさらなる活躍に期待したい。

俗に言うところの金の鯱ポーズとでも言うのでしょうか、この歳にして腕力もさることながら柔軟性をこうも維持しているという点が最も驚くべきところでしょうかね。
お年寄りのために頑張ったというこちらはいい話であるはずなんですが、何かしらどこかコミカルなものも感じてしまうという親孝行のニュースです。

台湾の50歳男性が「キティちゃんカット」、父親励ますために/台湾(2012年2月7日ロイター)

[6日 ロイター] サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」のアクセサリーや服を身に着けた女の子をよく見かける台湾。その台湾で、髪形を「キティちゃんカット」にした50歳の男性が話題を呼んでいる。

地元メディアによると、この男性は北部新竹県在住で地元企業のマネジャーを務めるHu Han-gongさん。キティちゃんに見えるように髪をそった理由は、84歳の父親を元気づけるためだった。

Huさんは「これ(髪形)で父は前より元気になった。何度も笑ってくれた」とご満悦の様子。「キティちゃんカット」は2時間かかって仕上がったというが、形が崩れないために5日おきに整える必要があるという。

近所の人たちから、写真撮影も求められるというHuさん。将来的には、ドラえもんやスポンジ・ボブの髪形にも挑戦したいと話していた。

どんなものかと思ってリンク先の写真を見てみればなるほど、これは確かにキティちゃんだというしかないくらいにキティちゃんなんですが、しかしこれで笑ってくれるお父さんも案外新しい物好きなんでしょうかね?
ある意味では非常に共感できるような話ではあるのですが、何事も過ぎたるは何とやらということの一つの窮極を極めてしまったのがこちらのケースです。

トイレ流しまくり水98t分請求、初めて水洗に出会った老人がハマる/中国(2012年4月6日ナリナリドットコム)

初めて見たり体験したりする物事は、いくつになっても人の興味をかき立てるもの。中国では先日、初めて水洗便所を利用した老人が2か月で98トンもの水を浪費してしまい、家族たちを驚かせるという出来事があった。

中国紙半島晨報などによると、この一件は遼寧省大連市のある家でのこと。68歳の女性・宋さんは昨年から、実家のある農村を出て大連市内の息子の家に遊びに来ていた。「都会暮らしは田舎に比べて生活が便利」ということもあり、息子は母親をすぐに田舎に帰そうとはせず、しばらく同居生活を送っていたという。

そんな生活に“異変”に気が付いたのは今年3月に入ってから。息子が仕事を終えて帰宅すると、玄関の扉の前に1枚の紙切れが貼られていた。それは水道会社がよこしたここ2か月の水使用量に関する伝票だったのだが、そこにはなんと98トンもの水を使用したと記されていたのだ。

息子は、今までこれほど多くの水を使用したことなど一度もない。「きっと何かの間違いだろう」と思い、すぐに水道会社に電話をかけ、もう一度きちんと確認するよう伝えた。しかし、水道会社の社員が再度確認したところ「使用量に間違いはない」とのこと。納得がいかない息子は、今度は「水漏れ」を疑い始めたそうだ。

しかし、不動産会社に調査してもらったところ、その疑いもないという。結局「いったいどうして98トンもの水を使用したのだろう」と、途方に暮れてしまった。

そんなある日、息子が家でくつろいでいたときのことだ。母親が便所に入ったかと思いきや、その数分後に再び便所に入る姿を目撃する。何をしているのかと思い、母親に確認したところ、「“流すボタン”を押してきた」との返事(※中国の水洗トイレはレバーではなく、ボタン式が多い)。詳しく話を聞いてみると、彼女は息子の家で初めて水洗便所を利用して以来、水洗便所に不思議な感覚を覚えたそうで、家で退屈なときは水洗便所の“流すボタン”を押して遊んでいるとのことだった。

この言葉で息子は事情を察したが、母親を傷付けないよう「トイレのボタンをたくさん押すと壊れてしまうよ。便器は簡単に壊れやすいんだ」と、やめるよう説得。以来、母親はあまりボタンを押さなくなったという。

なお、彼女が住む田舎では井戸水を利用しており、水洗便所の水も井戸水同様に無料だと思っていたことが、“流すボタン押しまくり”を助長させていたようだ。

98トンというと100回や200回では効かないとんでもない量ですけれども、しかし街に出てきて楽しみはいろいろとあるでしょうに思いがけないところにはまったものですよね。
最後にこちらは例によってブリからの話題ですけれども、ある種の趣味を持つ人々にとってはたまらないという話、なんでしょうかね?

サンダーバード大好きおじいちゃん、自前のロールスロイスを作り走り回る/英(2012年4月3日らばQ)

好きなことに並々ならぬ情熱を捧げる人がいますが、イギリスに年齢も古さも飛び越えた、微笑ましいおじいちゃんがいるそうです。

なんとサンダーバード(人形劇のテレビ番組)をこよなく愛したことから、ヒロインの諜報員レディ・ペネロープを乗せたロールスロイスを作ったそうです。

ちゃんと人を乗せて動きます。さらにレディ・ペネロープの人形まで乗せていることから、その愛情が伝わってきます。

イギリスに住むブライアン・ヴァンさん(74歳)は、時速16kmのスクーターをアレンジし、1960年代に放映されていた大好きな番組に登場していた車を作成しました。

素材はダンボールやアルミホイルで、注意深くスクーターのまわりをかたどり塗装していきました。最後はロールスロイスのエンブレムを付けて完成です。

2010年にヴァンさんの妻が亡くなって、がんのチャリティレースに参加することになり、このアイデアを思いついたとのことです。

町への移動する際には、このサンダーバードのロールスロイスに乗り込んでいるようです。もちろん後部座席に座るのはレディ・ペネロープ。

昔からサンダーバードのファンだったヴァンさんは、写真を見ながら3~4ヶ月ほどかけて、出来るだけ忠実に作ったそうです。人形は知人が作ってくれたとのことなので、クオリティは気にしないでおきましょう。

走っているときは、レディ・ペネロープのバトラーであり運転手でもあるパーカーの格好をして乗り込んでいるヴァンさん。その姿が微笑ましく、通り過ぎる彼を見るたびに町の人たちも笑顔になると言います。

ヴァンさんは「みんなが面白いと思ってくれるのが楽しい」と語っています。とても小さなロールスロイスですが、こんな老後の過ごし方もステキですよね。

まあ何とも人形劇的と言うしかないその素晴らしくブリ的な造形はリンク先の写真を参照いただくとして、いや確かに志は尊いとは思いますがそれ何か違うことないですか?
しかし車そのものもさることながら、何より後席に陣取るペネロープ嬢が気になって仕方がないんですけれども…

今日のぐり:「手打蕎麦 悠庵(ゆうあん)」

最近では蒜山焼きそばなどがブームになっていますけれども、もともと蒜山高原と言えば蕎麦処としても知られていた地域です。
こちら蒜山高原の中でもちょっと繁華なあたりから外れてひっそりとたたずむ地味な蕎麦屋なんですが、以前から一度来てみようと思いつつ今回初めて訪店させていただきました。
しかし時節柄かどこの店も大変な行列になっているので待つのは覚悟はしていたのですが、いきなり店先に茹で立てを賞味いただくため時間がかかります、お急ぎの方はどうぞ他店へなんて立て看板がかかっていたりするあたり、いかにも蕎麦好きが高じて水の良い土地で店を開いてみましたといった系統のマニアックさが漂ってきますよね。
中を覗いてみますとさほど特殊なメニューもなさそうな蕎麦屋の割には確かに回転は悪そうで、特に待っている人がいるわりに空きテーブルが目立つというのが気になったのですが、どうも御夫婦らしいお二人で回しているのでこれ以上のペースでは無理ということのようですね。

メニューを見る限りでは基本的には田舎蕎麦か生粉打ちかで何人前かを指定するだけで大きなざるに人数分が出てくるという仕組みのようで、他には天ぷらくらいしかなさそうですしこの日は生粉打ちも売り切れであったのでほとんど選択の余地もなかったのですが、とりあえず田舎蕎麦に加えて場つなぎにかきあげを頼んでみました。
こちらのかきあげは手のひら大のものを半分に切って出してくれるのですが、少し油切れが悪いかな?という印象もあるもののまずまず無難なもので、天ざるなどでは省略されることも多い天ツユが別につくのはいいですよね。
さて、そうこうしながら待つうちに出てきたのが田舎蕎麦なんですが、これが確かに粉は挽きぐるみで見るからに田舎蕎麦という色合いながら意外にも細打ち、しかも田舎蕎麦の強い風味はそのままに残しながら並み蕎麦のようにしゃっきりとした打ち上がりで、見るからによさそうじゃありませんか。
食べて見てもなめらかな舌触り、すっきりしたのど越しもよし、おまけに辛めのツユとのマッチングもいい案配とくるのですから、これはなかなかにいい田舎蕎麦ですね(田舎蕎麦らしい田舎蕎麦もあれはあれで好きなんですけど)。
唯一の不満は量が街の蕎麦屋のように心持ち控え目なことなんですが、田舎蕎麦は下品にわしわし食いたいという向きにはもちろん多めにオーダーすればいいだけのことですし、値段もさほどに割高という感じではありませんから大抵のお客さんは多めに頼んでいらっしゃるようですね。
蕎麦湯はこってり濃厚タイプで、田舎蕎麦の強い風味に満足した後ですとちょっとやり過ぎな感じでナチュラルな蕎麦湯でもいいんじゃないかとも思ったのですが、観光地の店だけに日によって客数のバラツキも大きいでしょうから、質を一定に保つにはこうなるのも仕方ないのかも知れません。

仮に二日続けて大外れだったりした日には心身ともにとんでもないダメージだっただろうと同行者とも笑いあったものですが、何にしろこうしてまともな蕎麦が食べられるというありがたみを改めて感じさせられました。
意外にも(失礼)愛想の良いご主人がフロアにまで出て蕎麦の解説をしていたりするので厨房は大丈夫なのかとも思ったのですが、基本的にはこういう行列待ちの状況になるのはレアケースで普段は限られたお客さんを相手に歓談しながら商売をしているのでしょうかね。
いずれにしてもまた思わぬ拾い物をしたような気分になってお店を後にしましたが、しかし時々お邪魔するそばの館さんにしてもそうですが、この蒜山界隈はまともな蕎麦屋さんが多いので助かりますね。

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2012年5月 5日 (土)

今日のぐり:「かたくり庵」

5月5日と言えばこどもの日ですが、東北にはこんな独特の風習もあるのでしょうか。

屋根より高い“イカのぼり”お目見え/八戸(2012年5月3日デーリー東北新聞)

 屋根より高い、“イカのぼり”? 八戸市江陽1丁目の江陽児童館(田邊隆館長)で、こいのぼりと並んで全長4メートルの巨大イカのぼりが掲げられ、住民や道行く市民の注目を集めている=写真=

 5日のこどもの日に向けて同館の職員3人と地域住民が約1週間かけて制作した。足には「イカの街から元気発信!」「元気に飛ぼうイカの空」など、子どもたちの手書きメッセージが書かれ、10匹のこいのぼりとともに悠々と空を泳いでいる。
 イカのぼりは5月末まで掲げる予定。制作者の一人で、同館職員の田沼良子さんは「ぜひ多くの人に見てもらいたい」とPR。(上ノ山絢)

いやしかし、これは下手をすると子供にとって末永く残るトラウマにもなりかねないような気がしないでもないんですが…
今日は八戸の子供達の将来健やかなることを祈念しつつ、世界各国から子供に関わるニュースを取り上げてみたいと思いますけれども、まずはこちらを紹介してみましょう。

もうすぐ小6になる妹が考えた回文が天才的過ぎると話題に(2012年3月22日秒刊SUNDAY)

回文といえば『しんぶんし』や『たけやぶやけた』など、上から読んでも下から読んでも同じ文章になるものだ。組み合わせは無制限にあるものの、なかなかオリジナリティあふれる回文を見つけるには一苦労。しかも長い文章になればなるほど難しいのだが、この度、小学校6年生になる妹が見つけた回文が天才的過ぎると話題になってる。

■もうすぐ小6になる妹が休み... - 写真共有サイト「フォト蔵」

ではさっそくその回文を読んでみると
『イタリアでもホモでありたい』、さて逆から読んでみると『いたりあでもほもでありたい』確かに回文になっている。これは天才的だ!

いやいや問題はそこではないことは十分判っている。回文の完成度云々ではなくこの内容だ。何を言いたいのか良く判らないが、現時点の情況をイタリアに渡っても同じようなスタンスでいたという事であろうか。それはよろしくやっていただければよいのだが、これを小学校6年生の児童が考えたというのは何ともいい難い現実であり、その現実に教育のあり方を疑問視すべきではないかと、余計な世話を焼いてしまいそうな内容だ。

ということで、さっそく近日話題になって居る回文を紹介したい。

・占い習うマジか中島占い習う
・爺さん天才児
・任天堂がうどん店に
・よのなかね、かおかおかねかなのよ
・イタリアではスイス派でありたい
・痛みに怒ってる徹子、鬼みたい。
・ネクタイ痛くね?
・弱虫のタモリが信濃での梨狩りも楽しむわよ
・土佐の関根麻里、真似「稀勢の里」
・お前、うの? いえ、井上真央
・野茂のママの物は野茂のパパの物、野茂のパパの物は野茂のママの物。

ちなみに上から読んでも『山本山』下から読んでも『山本山』の『山本山』は回文ではない。

まあ回文云々を抜きにしても、これは小学生にして何と評価すべきでしょうか…思わずあの有名な台詞を思い出してしまったのは自分だけでしょうか。
次はちょっと判りにくい話なんですが、何度か読んでいただくとおわかりいただけるかと思うちょっとひねった答えを返す小学生を紹介してみましょう。

「40-32÷2=?」この問題、解けますか?(2012年5月2日ねとらば)

 Twitterやネットの掲示板などで、こんな問題が話題になっています。みなさんはコレ、パッと見て意味が分かりますか?

40-32÷2=?

小学生「4!」

理系「よくわかってんじゃん」

文系「やっぱわかんないか~w」

 かけ算割り算は先に計算するのが決まりなので、普通に計算すれば答えは24のはず。ところが小学生の「4!」に対し、理系は「よくわかってんじゃん」、文系は「やっぱわかんないか~」とまるで正反対の反応。え、え、どういうこと!?

 実際、理系出身の同僚はすぐに「あーなるほど」とニヤニヤ。文系の筆者は、さっぱり意味がわからず「???」と頭をひねるばかりでした。

 ちょっとイジワルな問題ではありますが、分かった人からは「これは面白い」「久々に感心した」「口頭だったら間違いだよね」といった声も。さて、みなさんは「よくわかってんじゃん」の理由が分かりましたか?

「それは小学生ちゃうやろ」といったツッコミはさておき、個人的にはネット上の反応で一番納得できたのが「てかこの計算を正解と言っちゃダメだろw面白いけど正解とは違う。カナダの首都は?との問題に「\(^o^)/」って答えるようなもん」だったんですが、皆さんは如何でしたでしょうか?
海外からも子供絡みのニュースは数多く出ていますが、まずは害のないこんな話題から取り上げてみましょう。

なんて器用でかわいいの…スキー中に立ったまま爆睡する男の子(2012年3月26日らばQ)

スキーをしていた小さな男の子が、なんとその場で立ったままウトウトと眠ってしまいました。

倒れそうで倒れない、器用なハプニング映像をご覧ください。

Bode sleeping while skiing - YouTube

よほど疲れたのか、完全に直立した状態で船をこいでいます。

あまりにかわいかったのか、集まってきた家族が見守りつつも、そのまま観察していますね。

最後には力尽きてしまいますが、なるほどこのためにヘルメットをしていたのですね。(たぶん違います)

ま、ヘルメットをしていてよかったということですけれども、この歳ですでにこの妙技を身につけているとあっては将来何があっても居眠りに困る事はない?でしょうかね。
往年の某人気漫画/アニメに限らず世界中の子供達が何故か好きなものと言えばアレの話題なんですが、しかしこうも表立って扱っていい物かと思ってしまうのがこちらのニュースです。

閲覧注意】タイのオモチャ屋にはウ○コが売っている/タイ(2012年4月10日ロケットニュース24)

気軽に行ける灼熱の東南アジアといえば、微笑みの国タイである。見どころ豊富で旅行しやすく、メシもうまけりゃ物価も安い! あまりに安いからお土産も買いまくり……になることは間違いないのだが、何をお土産にすれば良いのか悩む人も多いだろう。

そんなときにオススメなのが、タイのオモチャ屋で売っているウ○コである。価格は大が150バーツ(約400円)、小が50バーツ(約133円)だ。

注目して頂きたいのがウ○コの色味である。やや白い。この白さは、タイに旅行に行きタイ料理ばかり食べていた人ならば「あるあるあるある」と思うことだろう。やや白くなったりするのだ。

ちなみにこのウ○コだが、もちろん本物ではない。イタズラ用のオモチャである。しかしながら実に精巧。さらに、よく見るとひとつひとつカタチが微妙に違うという、職人のこだわりを感じるワンオフ感に満ちている。タイに旅行に行った際は、是非ともウ○コをお買い求め頂きたい。

リンク先の元記事にはそれほど呆れるほど多種多様の…が並べられている様子が示されているのですが、まあ何と言うのでしょうかこれはもう…一つ一つ全て形が違うというのもこだわりなんでしょうかね…
お次は最近なにかと注目を集める中国から、子供がとんでもない被害に遭ってしまったというニュースを紹介してみましょう。

10代の少女が歩行中に穴にズボッ 中国・西安(2012年4月30日CNN)

中国の陝西省西安で、携帯電話で会話をしながら歩いていた10代の少女が、突然陥没した道路の穴に転落した。少女を助けようと通行人が集まったが、最終的には救急隊員によって救出された。中国中央テレビ(CCTV)が伝えた(音声なし)

ちなみに奇跡的というしかないこの当時の状況がネット上の動画でも見られるのですが、これを見てロードランナーと言ったり平安京エイリアンと言ったりで年齢が判るという声もあれば、周囲の大人達が助けに駆け寄っているのが一番の奇蹟だという声もあったりで、その上噂によればロシアではさらに壮大な落下道ががあるというのですから驚きますよね。
最後に取り上げますのはこれまたおなじみブリからの話題ですが、いつもながらさすがと言うしかないと感心してしまいますね。

“親友作り禁止”の校則に批判、辛い別れを避けるための配慮で採用?/英(2012年3月2日ナリナリドットコム)

学校は、社会的に必要な知識や常識を学ぶ場。そこで知り合った数々の友人たちは、自分の心の中にたくさんの思い出を残してくれた、大切な財産となっているはずだ。しかし、英国の一部の小学校に通う子どもたちには、そうした思い出作りが今後できない可能性があるという。なぜなら今、生徒に「親友を作ってはいけない」とする校則を定めた小学校が現れているそうで、教育専門家や市民の間からは疑問の声も上がっている。

英紙サンやデイリー・メールなどによると、この校則の存在は、英国の教育心理学者ゲイナー・スブットーニさんが明らかにしたもの。彼女が確認したところ、現在ロンドン南西部やサリー州など、いくつかの小学校でこうした校則が採用されているという。その意図は、どの子どもも仲間外れにならないよう、できる限り「大人数のグループで遊んで欲しい」という教師たちの思いから、特定の友人だけと強く結び付かないようにするのが1つ。もう1つは、今後親友が別の道を進むようになる際、「別れの辛さを味わって欲しくない」と教師たちが考えているからと、スブットーニさんは話している。

この校則については、全英学校長協会という組織も「一部の学校がこの校則を採用しているのを確認した」とコメント。学校を管理している校長たちが集まるこの協会でも、こうした校則には疑問を感じているそうだ。「私たちは人生を通じて友人を作ったり、失ったりするもの」と話す同協会のラッセル・ホビー書記長は、この校則がほかの学校に「広がっていくとは思わない」とも語り、一部小学校のみに留まるとの見方を示している。

疑問を呈するのは、スブットーニさんも同じ。実際に先生たちとも意見交換を行ったそうで、彼女は「子どもたちが親友を欲しがるのは自然なこと」とした上で、将来いくらでも起こり得る人との別れに「対応する術を学ぶためにも」と、“親友作り禁止”校則を批判する。また、ホビー書記長も「ばかげたポリシーが、彼らの小学校での思い出を奪っている」と話し、同協会スポークスマンも、この校則に縛られる子どもたちに「深刻な悪影響を与えるかもしれない」と懸念しているそうだ。

メディアで校則の存在を知った多くの市民も、同じような疑問を抱いている様子。サン紙やデイリー・メール紙が紹介した記事のコメント欄には、「全くおかしな話」「(校則が定められた学校に通う)子どもがいる近所の人から話を聞いて、ショックを受けた」など、校則を批判する書き込みが多数寄せられており、大きな反響を呼んでいるようだ。

どの学校でも、常に子どもたちにとって良い教育を行おうと努力する気持ちは同じだろうが、成長していく子どもたちの時間は決して取り戻せないのだから、何においてもしっかりした教えが求められるところ。皆さんはこの“親友作り禁止”の校則、どう思う?

ものの考え方も教育のやり方も国や地域によってそれぞれの考え方があるのは当然だと思うのですけれども、失礼ながらこうまで後先を考え石橋を叩いて渡るなどというのは明らかにブリの流儀ではないのかなという気がしてしまうのですけどね。
いずれにしてもこうまで過保護のようにして育った子供達がいずれは立派なブリになっていくというのであれば、いったい彼らの人生にどんな不思議が待ち受けているのだろうかと思わずにはいられません。

今日のぐり:「かたくり庵」

新見市の観光名所である井倉洞の側から坂道を登っていくと井倉洞の頭上に相当する草間台に至りますが、こちら同じく観光名所の満奇洞を始めとして各種石灰岩地形が散在する観光地になっています。
坂道の途中には二軒目の蕎麦屋なるこの店の看板が所々に立てられているのですが、となると一軒目の蕎麦屋は以前にお邪魔したあの店ということになるのでしょうか、いずれにしても一軒目、二軒目で通じるのが田舎らしいですね。
比較的分かりやすい場所にあって観光客を大勢拾い上げているらしい一軒目と比べますとこちらは隠れたと言いますか隠れすぎと言いますか、ともかく表通りからどんどん竹林の奥に入っていきますとようやく風情のある門にまで到達できます。
しかし門までは格好いいんですがその先が何ともがっかりと言いますか…ま、そのあたりは後述するとして小さな店の中に入りますと入り口近くにある自販機で食券を買うようになっていて、今回はごくオーソドックスにざる蕎麦並み盛りを注文しておきました。

ちなみにこちらの売りは手打ちの九割蕎麦だと言うのですが、出てきた蕎麦はこうした場所でありがちな蕎麦殻を挽き込んだ田舎蕎麦ではなくて一番粉主体のものであるようで、確かにこういう粉でないと九割ではつながらないんでしょうね。
粉のせいか味や風味はいいとして、蕎麦打ち自体は田舎蕎麦そのものと言うのでしょうか、太く切られた蕎麦はしゃっきりとは程遠いもっさりした食感でちょっと自分や同行者などには口に合うようなものではなく、これに合わせるツユも味のバランス自体はそう悪くはないんですがいささか弱過ぎて、かけならまだしもこれでざるを大盛りで食べるのはきついなと思わざるを得ません。
強いて言えば蕎麦自体は注文を受けてから茹でるようで、これはお客も少ないらしいだけに茹で置きなどを出すよりはよほどいいと思いますし、また太さや茹で加減のムラはない点は評価出来ますが、確かにこれでは手打ち蕎麦が自慢といいながらやたらと天ぷらやけんちんといった種ものをお姉さんも勧める訳だと妙に納得してしまいます。

蕎麦自体もそれなりのものではあるのですがハードウェアの方も突っ込みどころが満載で、風情のある門はともかく水車はただの飾りらしいですし、しかも樋の位置が悪くろくに回っていないですし、トイレも今どき店先にポンと置かれた仮説トイレというのは観光客相手ならインフラも相応に整備したらどうかと思ってしまいます。
店の中に入ってみても紙コップに入った水が出てくる蕎麦屋なんて初めて見ましたし、ビニールシートのかかったテーブルにはプラスチックのレンゲが立てられているというのも蕎麦屋らしからぬ光景ですし、食器類もプラスチックである上に料理毎にデザインもバラバラというのはどうなのか、ともかく看板にも掲げられているような竹林の中の風情ある蕎麦屋というコンセプトはどこに行ってしまったのでしょうか。
しかし一軒目の蕎麦屋と同様にこちらも蕎麦打ち体験をやっているというのですが、こうなるとどちらで教わるべきかお客としても迷うところですかねえ…

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2012年5月 4日 (金)

今日のぐり:「うなりや」

先日思いがけない研究成果が発表されたことをご存知でしょうか?

人種差別は薬で治る精神疾患?/英(2012年3月9日ニューズウィーク)

 一般的によく使われている心臓病の薬で、潜在的な人種差別意識が改まる可能性がある――そんな研究結果が発表された。

 研究では、交感神経の働きを抑えるベータ遮断薬「プロプラノロール」を服用した人と、プラシーボ(偽薬)を服用した人を比べた。すると前者のほうが、人種的偏見を抱く傾向が少なかったと、英インディペンデントが報じた。

 プロプラノロールは、心拍などの自律的機能をコントロールする神経回路に作用する。同時に、恐れや感情反応に関係する脳の部位にも作用する。そのため不整脈や高血圧などのほか、不安やパニック障害などの治療にも使用される。

 今回の研究結果は、人種差別は「恐れ」に根差すものだという事実によって説明出来るだろう――研究を行った科学者たちはそう考えていると、オーストラリアAP通信(AAP)は報じている。

差別心は誰にも起こりうる

 研究の中心になったのは、英オックスフォード大学の実験心理学者であるシルビア・テルベック博士。彼女はAAPに対し、「われわれが得た研究結果は、脳内で潜在的な人種的偏見が形成されるプロセスについて、新たな根拠を示すものだ。潜在的な人種的偏見は、平等を心から信じている人の中にも存在しうる」

 AP通信によれば、有志参加者18人ずつからなる2つのグループを対象に研究は行われた。一方のグループはプロプラノロールを、他方はプラシーボを服用してから1〜2時間後に、「人種に関する潜在連想テスト(IAT)」を受けた。

 彼らにコンピュータの画面で黒人と白人の写真を見せ、即座に好意的区分か、否定的区分かに分類してもらう実験を行った。するとプロプラノロールを服用した人々の3分の1以上が、「マイナス」の得点を出した。つまり彼らは潜在意識のレベルで、非人種差別主義の方に偏っていた。

 プラシーボを服用したグループでは誰1人として、そうした傾向が表れなかった。

 研究の共同執筆者であるオックスフォード大学哲学科のジュリアン・サブレスキュ教授はAP通信に対し、「こうした研究は、われわれが無意識にとっている人種差別的態度は薬で調節できるという可能性を提起するものだ。その可能性は興味をそそるものではあるが、慎重な倫理的分析を必要とする」と、語っている。

 彼はこう続ける。「人間を道徳的により良くすることを目的にした生物学的研究には、暗黒の歴史がある。それに、プロプラノロールは人種差別を治療する薬ではない。ただ、多くの人がプロプラノロールのような『道徳的』副作用のある薬を使っていることを考えれば、私たちは少なくとも、その副作用がどんなものなのか理解を深める必要はあるだろう」

しかし差別等の現象面に見られる攻撃的な行動は薬物療法が奏功しそうとは確かに思うのですが、こういう結果が事実であれば確かに様々な投薬による思いがけない副作用であるとか、果ては食品添加物と精神的情動の関係など様々な問題も気になってきますね。
今日はテルベック博士らの研究に経緯を評して、世界各国から医療に関連するちょっとばかり?驚くような話題を紹介してみたいと思いますけれども、まずはこちらのニュースからいってみましょう。

自分の頭にくぎブスリ…写真見て「冗談でしょ」 無事摘出/米(2012年1月23日産経ニュース)

 米イリノイ州オークローンで19日、誤ってネイルガンで自分の頭に釘を打ち込んでしまった男性(32)が除去手術を受け、奇跡的に快方に向かっている。

 AP通信によると、男性は17日、自宅で大工作業中、頭の近くでネイルガンを使っていた。途中、ガンの先端が頭に当たり痛みを感じたが、釘が発射されていたとは気付かず、作業を続けた。翌日、吐き気を覚えて病院に行き、レントゲン写真見せられると「冗談でしょ」と仰天したという。

元記事の写真を見ると冗談ではないことが判るというものですけれども、しかし頭に釘を打ち込んでもそれと気づかないというのもどれだけ…と思ってしまいますね。
どうもアメリカというところでは日曜大工で妙なところに釘を打ち込むのが流行ってでもいるのでしょうか、さらにびっくりなこんな話題も登場しています。

心臓にくぎ刺さった米男性、奇跡の生還は「宝くじ並み」/米(2012年4月8日Reuters)

[6日 ロイター] くぎ打ち機の詰まりを修理中に誤って約10センチのくぎを自分の心臓に打ってしまった米男性が6日、心停止からの奇跡的な生還を「宝くじに当たったようなものだ」と振り返った。

ニュージャージー州バインランドで建築業を営むデニス・ヘニスさん(52)は先月31日、息子(28)と一緒に隣人の家の屋根で作業中、不具合を起こしたくぎ打ち機を直そうとして自分に向かって誤射。「30センチの距離から心臓に一直線に」発射されたくぎは右心室を突き刺し、ヘニスさんは心停止状態に陥ったという。

その後、息子が呼んだ救急車で担ぎ込まれた地元の病院で心拍は蘇生。しかし、緊急外科手術も必要だったため、今度はヘリコプターで別の大きな病院に搬送された。心臓の縫合手術後の回復は順調で、イースター休暇中には退院できるという。

「3月23日の自分の誕生日に新しい孫が生まれ、その1週間後に生死をさまよった」と振り返ったヘニスさん。手術を行ったクーパー大学病院の医師からは「宝くじを買うべき」と冗談交じりに勧められたが、心停止からの生還は「すでに宝くじに当たったようなものだ」と語った。

いやしかし、助かったからこそ笑い話のようにもなっていますけれども普通は到底助かっていない重大事故ですから、何であれ物を打ち出すような道具を自分に向けるなんてことは絶対しちゃいけませんってことですよね。
心臓つながりではびっくりするようなニュースが多いのですけれども、こちらちょっとそれはどうなのよ…と思ってしまうような大手術であったようです。

路上に落ちた心臓を移植、手術受けた女性は無事退院/メキシコ(2012年1月26日産経ニュース)

 病院への搬送中に医療関係者のミスで地面に落ちた心臓を移植されたエリカ・エルナンデスさん(28)が24日、メキシコの首都メキシコシティの病院を退院した。AP通信が伝えた。

 この心臓は搬送容器から飛び出し、路上に落下。その後、詳しく調べたところ、臓器に問題が見つからなかったため、今月11日に移植された。この“事件”は地元メディアで大きく報じられたが、エルナンデスさんにはまだ、伝えられていないという。

今の時代の医療にあって当然に求められるのがインフォームドコンセントの徹底というものですけれども、これは十分に説明をするべきかどうか微妙な気もしないでもありませんね。
イタリアからもびっくりするような心臓絡みのニュースが二題届いていますが、まずはこちらの奇跡的な偶然というものを紹介してみましょう。

3兄弟が同時に心臓発作=運命のいたずら?2人助からず/伊(2011年11月30日時事ドットコム)

 【ジュネーブ時事】29日付のイタリア紙コリエレ・デラ・セラによると、同国南部シチリア島で、兄弟3人が同じ日に心臓発作に見舞われる出来事があった。病院で倒れた一番上の兄(57)は緊急治療を受け一命を取り留めたが、別の場所で家族とともに一緒に過ごしていた45歳と54歳の弟2人は助からなかったという。
 世にもまれな「事件」は27日に起きた。弟2人が家族ぐるみでピクニックに出掛けたところ、一番下の弟が突如、心臓発作に見舞われその場に倒れた。助けようとしたもう1人もショックで胸の痛みを訴え出し、2人はその場で帰らぬ人になった。
 一方、別の町の病院に入院中の母親を見舞っていた際に心臓発作が起きた長兄は、すぐに救急治療室に運ばれ、大事には至らなかった。2人の弟の身に起きたことは知らなかったという。

ひと頃はイタリア人の場合オリーブオイルを大量にとっているから脂っこい食事の割に意外に心臓発作が少ないという話もありましたが、それでもこうして三人同時にというのは環境要因なのか遺伝要因なのかいずれでしょう?
ただイタリアの場合心臓発作を起こしにくいとしても、いざ起こった場合には困ったことになるんじゃないかとも思わされるのがこちらのニュースです。

心臓の専門医を30年間務めてきた男性、ただの大工だったことが発覚し逮捕/(212年1月23日らばQ)

イタリアで、正規の免許を保有していなかった偽医者の存在が明るみになりました。

驚くことに心臓の専門医であり、30年も患者を診てきたのだそうです。

捕まったのはヴラドミーロ・コローカ容疑者(58歳)。イタリア・ミラノで30年にも渡り、心臓の専門医として患者を診てきました。

逮捕に至ったのは、ある患者が本物の心臓専門医にこの男性の話をしたときに、聞いたことがないと言われたからだそうです。

偽医師だった期間が長いだけに診察を受けた患者は数千人にのぼると見積もられており、警察ではこの医師の診療によって死亡した患者がいないか調査中とのことです。

元の職業は大工だったこともわかり、医療の免許や資格は一切持っておらず、どのようにして医療機関に入り込んだのか今のところ謎であるようです。

それにしても30年というと相当な年月であり、心臓を扱う専門医ともなれば手術は避けて通れないかと思うのですが、全く誰も気付かなかったことは驚異的ですらありますね。

さすがに心臓手術をDIY感覚で行ったわけではないでしょうが、相当器用な大工ではあったようです。

ま、大工が心臓専門医というのもいろいろと考えさせられるような話ではあるのですが…この件は敢えて突っ込まずに先に進むことにしましょう。
アメリカという国では先進的医療も試みられていますが、果たしてこれはどうなのかと思うような話もあるようですね。

36歳の童貞男性、14児の父に/米(2012年1月18日東京福袋)

 トレント・アーセノートさんは36歳の童貞。しかし14児の父だ。彼は精子バンクに精子を提供し続ける精子ドナーなのだ。彼は自分のことをホモセクシュアルでもヘテロセクシュアルでもなく「ドナーセクシュアル」だとしている。
 シリコンバレーで働くコンピューターセキュリティの専門家であるアーセノートさんは、これまでセックスをする相手に出会ったことがない。しかし自分の精子を欲しがる夫婦のために精液の提供を切らさないようにする使命を感じているという。彼は「自分の性的なエネルギーは100%精子の生産につぎ込んでいます。子供のいない夫婦のためです。」と言い、おそらく40歳で15人の子供がいる童貞になるだろうとつけ加えた。
 アーセノートさんは無償で精子を提供しているが、これについて食品医薬品局から停止命令を受けたことがある。食品医薬品局は彼が伝染性の病気の拡散を防ぐため必要な予防措置を受けていない恐れがあるとしたためだ。しかし彼は同局の命令は悪しき先例をつくると考える人々から共感をもって受け入れられている。
 また彼のもう一つの行動は別の論議も呼んでいる。彼は自分がマスターベーションをしているところをネットに100件以上投稿しているのだ。それも通常の方法でなく、水球のボールを使ったり、冷凍したブルーベリーを使ったりしている。
 だが何が起きようと、彼は結果が方法を正当化すると信じている。特に有名キャスターのアンダーソン・クーパー司会の番組「アンダーソン」で、初めて自分がドナーとなった子供に会った後はその意を強めたようだ。「僕は感情的になりすぎないようにしようとしています。」「あの子が幸せな家庭で元気にしていれば僕はすごくハッピーなんです。」「あの子に思いやりの遺伝子があり、ご両親がそれを育んでくれることを祈ってますよ。」

ま、世界的大宗教の始祖は処女から生まれたとも側聞いたしますから、あるいは童貞から生まれた子供達も後の世に残るような大人物に育つのかも知れませんけれども、ねえ…
同じく米からまたしても驚くべきニュースですが、医学的にというよりも社会的な問題を様々にはらんでいそうです。

3人出産した世界初の「妊娠パパ」、体の安定のため子宮摘出を検討へ。/米(2011年12月7日ナリナリドットコム)

法律上は男性でありながら、妊娠して3人の子どもを授かった米国のトーマス・ビーティーさんをご存知だろうか。もともと女性として生まれ、性別適合手術を受けたビーティーさん。2008年、短髪にひげを生やした彼がお腹を膨らませて妊娠している写真が米メディアで公開されると、たちまち日本を含む世界で大きな注目を集めたと聞けば、記憶に残っている人もいるかもしれない。2010年までに3人の子どもを出産し、現在は妻と子どもの5人で仲良く生活している彼は、先ごろ米国のテレビ番組に家族で出演。その中で、自分の体をより“男性として安定させる”ため、子宮摘出手術を検討していることを明かした。

今や世界でも多くの人に知られる存在になったビーティーさんは、1974年にハワイ州で女性として生まれた。ところが、幼い頃から「常に男性でいたいと感じていた」(豪紙デイリー・テレグラフより)彼は、20代でホルモン注射を始めて体を男性化させていき、2002年に性別適合手術を実施。このとき、すでに現在の妻であるナンシーさんと交際しており、彼女が「子宮を摘出していた」と分かっていたため、自身は乳房の切除などは行ったものの、2人の子どもを自分が出産できるようにと、子宮など必要な器官は残したという。

そして、法的に念願の“男性”という性別を手に入れたビーティーさんはナンシーさんと結婚すると、人工授精によって2007年に妊娠。2008年に長女スーザンちゃんを出産すると、2009年に長男オースティンちゃん、2010年に次男ジェンセンちゃんと3人の子どもを授かった。現在はアリゾナ州で5人仲良く暮らしているという一家だが、先日、米放送局CBSの番組「ザ・ドクター」に出演し、近況を語った。

本物の医者が司会を務め、体や健康に関するさまざまな話題を取り上げる同番組。この日は「伝統に捉われない家族」というテーマについて話し合うため、一般家庭とは異なるビーティーさん一家が呼ばれたという。集まった観覧客からは温かい声を受けた一方で、長年ホルモン投与を受けた彼の出産が子どもにどのような影響を与えるのかといった懸念など、幅広い議論が行われた。

そうした中、ビーティーさんは今後の子作りを断念する可能性も示唆。子どもを妊娠するたびに男性ホルモンの投与中断を余儀なくされていた彼は、今後「男性として体を安定させたい」との意向もあり、体に残していた子宮の摘出を検討しているそうだ。

これまで多くの困難を乗り越え、さまざまな希望を実現してきたビーティーさん。しかし、“妊娠パパ”として世間の注目を集めた代償も決して少なくはなかった。繁盛していたというTシャツプリント業の仕事は、彼が有名になって「偏見にさらされ、多くの客を失った」(デイリー・テレグラフ紙より)ために立ちゆかなくなり、今年3月に廃業したという。長い人生、これからもまだ訪れるであろう困難に立ち向かいながらも、ビーティーさんには家族のために本物の“男”となって、大いに頑張って欲しいところだ。

リンク先に写真や動画が多数取り上げられているので参照いただければと思いますが、興味深いのはこのニュースを耳にした人々の間で少なからずが「やっと男になったといいながら妊娠するとは、それは覚悟が足りないだろう」と批判的な声を上げていたということでしょうか。
さて、最後に取り上げますこちらは事実であるとすれば驚くべきとしか言いようのない話なんですが、どうもお国柄がお国柄だけに思わず眉につばをつけたくなってしまいますね。

咳で癌組織が排出され、そのまま治癒/英(2012年1月17日大紀元)

 【大紀元日本1月17日】先日、咳で体内の癌細胞が排出され、癌が治ってしまったというニュースが伝えられた。

 英紙デイリー・メール(ウェブ版)によると、この事が起きたのは昨年10月。英国に住むクレア・オズボーンさん(37)は突然喉にかゆみを感じて咳が止まらなくなった。5分後に喉の奥で何かが剥がれるのを感じ、一塊の肝臓のような物体が喉から出てきたが、その時は気にせず捨ててしまった。

 数日後、再び咳が止まらなくなった。今度の咳で出てきた塊は長さ2cmで心臓の形をしていた。驚いたクレアさんがその組織をすぐに医師に渡して検査してもらったところ、この組織は悪性で、彼女は治癒率50%の喉頭癌であることが判明した。

 6人の子供たちに負担をかけないよう、失意のどん底で葬儀のお金の準備を始めたクレアさん。

 しかし、さらに検査してみると、驚いたことに体内の癌細胞は消えていた。医師も驚きながら、「喉の癌組織は咳で出てしまったようだ。おめでとう」とクレアさんに告げた。「咳が私の命を助けるなんて思いもしなかった」とクレアさんは信じられないという様子で語った。医師の話によれば、腫瘍がちょうど咽喉のところに出来ていたため、結果として咳で体外に出てきたのだ。

 咳で癌組織が出てきた例は世界で30件ほどだという。奇跡と言えるだろう。

他にも30人もいるんかい!と思わずびっくりですけれども、しかし本当に癌組織がきれいに脱落したものなのかどうかは気になりますよね。
しかしこうして世界中のニュースを見ていきますと、人間というものは案外丈夫に出来ているものだと安心したくなるのですが、滅多にないからこそこうして全世界的なニュースにも取り上げられるということは忘れてはいけないでしょうね。

今日のぐり:「うなりや」

別にもの凄く気に入ったとか言うわけでもないんですが、なんとなく気になってまた行ってしまうお店というのはあるもので、自分などはずっと以前に訪問したことのあるこちら「うなりや」さんなどがそのうちの一つと言うことなのでしょうか。
一応マニアの間ではそういう店があるとそこそこ知られてはいるらしいのですが、なにしろ田舎町の通行量も少ない裏通りという立地からしておよそお客が入りそうにないもので、実際に今までこちらのお店に入って他のお客に遭遇した経験がありません(偶然?)。
一応は「良寛さん(かつて近隣のお寺で修行されていたそうです)もうなった」という店名の由来にもなったスープが自慢のラーメン店だそうですが、ラーメン屋には珍しく岡山県の隠れ名物とも言えるエビメシなども用意していたりして、そういう意味でもちょっとばかり知られている店ではあるようですね。

今回もごく無難にベーシックなラーメンを注文してみましたが、相変わらずお客の姿は見えず果たして経営的にどうなのか?と心配しながら親父さんの仕事ぶりを拝見させていただいておりましたら、相変わらず冷蔵庫の寸胴から一杯分ずつスープを出して温めるスタイルは変わらないようですね。
無論こういう回転ですから火にかけておくというわけにもいかないのは当然でしょうが、前回来た時にはそれでもスープが劣化しているかなという風味だったものが、幸い今回は作ってからそれほど時間が経っていないのか、見た目の色調も前回のどんより濁ったものからやや透明感を感じさせるもので、すすってみてもうなりはしないものの十分競争力のある味と言えそうです。
ただ相変わらずわずかな酸味はあるんですが、これはどうもスープそのものというより醤油ダレ由来のものらしく仕方がないのでしょうか、これに合わせる特に特徴のない味の麺は残念ながらさばき具合が今ひとつで一部ダマになっているのですが、ゆで加減自体はやや硬めの頃合いでスープとの相性も悪くありません。
標準的な味のチャーシューは普通のラーメンでもちょっとしたチャーシュー麺並みに多いんですが、うまい肉料理がありふれている今の時代に脂ぎったチャーシューが多く入っていることが嬉しいのかどうか、後述するようにここでコストを削って値下げをした方がいいかも知れないという気もします。
なおトッピングのネギは元々が少しばかりへたり気味な上に、どうも晒し過ぎているようで風味も抜けてしまっていて、薬味というよりただの彩りという感じになってしまっているのですが、まあこの状況ですから仕方がないんでしょうかね…

これで一杯650円というのは絶対的価値からするとそんなに高すぎるというほどでもないかとは思いますが、やはり「にぼし家」や「あかり」といった近隣の人気店より二回りほど高い価格をどう考えるかですし、元々は湖畔の風光明媚な場所に立つというのが唯一の売りだったんですが、それも近年の埋め立てによる宅地開発ですっかり風情も失われてしまっていますしね。
なお前回はなかったと思ったのですが、今回テーブルに用意されていた浅くストレートな木さじはどんぶりに突っ込んでスープをすくうには使い勝手が今ひとつで、あるいはこれはラーメン用ではなくてエビメシのために用意されていたものなのでしょうか?
しかし親父さんの様子を見ても別にしゃかりきになって商売しているという感じでもないのですが、あくまでも本業は別にあって(お隣の菓子屋が本業?)こちらは趣味でやっているだけということなんでしょうか、やはり何とも不思議な印象の残るラーメン屋と言うしかありませんね。

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2012年5月 3日 (木)

今日のぐり:「セルフうどん さざなみ 妹尾バイパス店」

先日こういうものが話題になっているというニュースがあったのですが、御覧になりましたでしょうか。

【閲覧注意】お面のような顔の女性写真が猛烈な勢いで世界拡散中(2012年4月19日ロケットニュース24)

現在、猛烈な勢いで世界に拡散しつつある写真が存在する。単に女性が車に乗り込みポーズを撮っている写真なのだが、あまりにも不気味だとして大きな話題になっているのだ。

こちらの写真を掲載しているサイトは、今のところ中国とロシアが多い。しかし英語圏でも「Plastic Face Makeup」と題されて掲載され始め、世界ブレイク目前の状態になる。

問題の写真を確認すると、なるほど確かに不気味である。メイクのやり方が原因なのか、顔だけがヌボ~っと浮かび上がってるように見えるのだ。まるで顔にお面を付けているかのごとく。

写真は3枚公開されており、残る2枚は、それほど不気味でもない。眉毛に違和感はあるものの、わりと美人で、スタイルは抜群。しかしながら、お面に見える車中の写真は、この先ずっと語り継がれる定番の一枚となるはずだ。

参照元:Acid Cow(英語)

その恐ろしすぎる詳細はリンク先の画像を参照していただくとして、確かに車からこんな人が降りてきたら子供も泣き出しますよね。
今日はいささか常軌を逸しすぎていてちょっと怖いという話題を取り上げてみたいと思いますが、まずはこちらのニュースから言ってみましょう。

プラスチック食べ続ける18歳、11年間で6万点以上のアイテムが胃に。/米(2012年2月17日ナリナリドットコム)

好きな食べ物は“プラスチック”――そんな嗜好を持つ18歳の女性が米国にいる。彼女はペットボトルやCDケースなど、身の回りにあるプラスチック製品を食べ続ける生活を、かれこれ11年間も続けているそうだ。

英紙サンや英紙デイリーメールなどによると、この女性はカリフォルニア州サクラメントに住むカイリンさん。このほど、米ケーブルテレビチャンネルTLCの番組「My Strange Addiction(私の変わった癖)」で取り上げられ、放送に先駆けて英メディアがその癖に注目したことで、大きな話題となったようだ。彼女は11年前にプラスチックを食べ始めて以来、延べ6万点以上のアイテムを胃の中に収めてきたという。

そもそも、彼女はなぜプラスチックが好きなのだろうか。その理由は、味うんぬんではなく噛み応えなどの食感にあるそうだ。番組の予告動画「Plastic Snacks | My Strange Addiction」(http://www.youtube.com/watch?v=DKSGHvDpE1U)ではCDケースのようなサイズが大きめなものは、割って細かくしてから口の中に頬張る様子を見せてくれているが、中でもよく口にしているのは、好物だというテレビのリモコンと、職場で手に入る剣の形をしたカクテルピンだそうだ。

テレビのリモコンはこれまでに「12個を食べた」とのこと。また、レストランの従業員として働く彼女にとって、カクテルピンは身近にあってすぐ手に入るプラスチック製品のため、これまで最も多く口に運んできたアイテムだ。「ストレスがない普通の日」で1日15本、これまでに1,000本以上ものカクテルピンを食べたと話している。

普通の人にとっては食べ物ですらないプラスチックだが、8歳から親しんできたカイリンさんにとってプラスチックは「私が欲しいモノ、必要と感じるモノ」なのだそう。ただし、栄養はなく、消化も出来ないプラスチックを口に入れるのは、もちろん体に何らかの影響を及ぼすはず。その点については具体的なことには触れていないが、体に良くないとは理解しているという。

こうした変わった嗜好への欲求が抑えられない人は、何もカイリンさんだけではなくほかにもいるのだから、人間とは実に不思議なもの。ただ、それが本人に悪影響をもたらすのならば、そうなる前に何かきっかけを得て改善できるよう、周りの助けも得ながら治す道筋をぜひ見つけてもらいたいところだ。

異食症というものの原因はいろいろとあるようですけれども、この場合味でもなく食感が主体であるということですから身体的というよりは精神的な問題ということになるのでしょうか?
しばしば健康食品やフィットネス機器の通販などでは使用前、使用後という写真が用いられますけれども、幾ら何でも短時間で変わりすぎだというのがこちらのケースでしょうか。

肉体改造のビフォー・アフター写真をたった5時間で可能にした男の動画が話題(2012年2月8日ロケットニュース24)

肉体改造の変貌ぶりを表すビフォー・アフター写真。ぶよぶよにたるみきった体型から、筋肉ムキムキのたくましい姿へと変化を遂げた様子は、男なら誰しもあこがれるものだ。

これが決して容易でないことは、みなさんご承知のとおりだが、それをたったの5時間で可能にした男がいる。彼のビフォー・アフター写真とその方法を収めた動画「Shocking Before and After Transformation in 5 Hours ? EXPOSED!」は、YouTubeで話題となり、再生回数270万回を超えるヒットになっているのだ。

実は、彼の写真には、その撮影方法にある秘密が隠されている。それは、「アフター写真」を先に撮ること。

美しいマッチョ姿を撮影するため、まずはジムで、上腕二頭筋や胸筋などを鍛える。適度に鍛えたあとは、日焼けサロンへ行き、健康的な肌の色を手に入れる。

その後、家へもどって撮影をするのだが、その際に注意すべきは、筋肉を綺麗に見せるための照明を用意すること。さらに、撮影直前にもう一度、筋肉を動かして最高潮の状態へもっていく。俗に言うパンプアップというやつだ。最後にオイルを塗って撮影すれば、ムキムキ「アフター写真」の完成である。

次に、「ビフォー写真」を撮る準備。塩分や油を多く含むものを食べ、のどが渇いたら、炭酸飲料を2リットルとチョコレートミルクを飲む。炭酸飲料は、「ダイエット」と謳っているもののほうが、胃を膨らませるにはより良いとのこと。

できるだけ動かないようにして、2時間ほど休んだら、撮影開始。さっきまで鍛えていた筋肉が目立たないように気をつけながら撮る。さらにフォトショップで「アフター写真」に多少の加工を施し、あたかも本当に肉体改造に成功したかのようなビフォー・アフター写真を完成させたのだ。

この工程は、わずか5時間ほどで行われた。それを証明するために、彼は動画内で、CNNのウェブサイトにある実際の日時を表示している。

ほんのわずかな時間でも、このようなビフォー・アフター写真の撮影が可能であることを示した彼は、「ダイエット商品の広告などにある写真を、すべて信じてしまうのは良くない」と忠告している。

参照元:YouTube furiouspete123Mail Online(英文)

きちんと体を張って?の努力は称讚されるべきですし最後のコメントにも同意するところなのですが、その努力をもう少し有意義な方面に活かしていたらと思わずにいられないのも確かですよね。
同様に肉体派を主張しているのがこちらの方なんですが、何と言いますか「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉を思い出すのは自分だけでしょうか。

あと少しでジャミラになれたのに……と悔やまれるマッチョ写真が激写される(2012年2月26日ロケットニュース24)

「ジャミラ」とは、『ウルトラマン』に登場した怪獣である。首はなく、肩と頭部が一体となった独特な形状が特徴だ。シャツから顔だけ出してジャミラのマネをしたことがある人も多いのでは?

そんなジャミラにあと少しでなれたのに……という写真が撮影され、海外の画像サイトにアップされている。あとちょっとだったのに……大変惜しい。実に残念!

問題の画像を確認すると、やたらと肩のあたりの「僧帽筋(そうぼうきん)」が発達したマッチョ青年が写し出されている。とにかくもの凄いボリュームの僧帽筋であり、アゴを引いて撮影すればジャミラになっていたことは間違いない。

ちなみにこのマッチョ青年だが、僧帽筋以外にも肩口の三角筋、その下にある上腕三頭筋あたりもイイ感じである。コリコリにマッチョな男性は、いつ見ても美しい。

参照元:izismile.com(英語)

しかし放送から何十年もたっても相変わらずジャミラかい!と思わず突っ込んでしまいますが、これを美しいと感じるかどうかはいささか微妙なところではないでしょうかね…
びっくり人間系の話題を取り上げてみますけれども、こちらよくある大道芸としてもなかなかに意外性と実用性を兼ね備えているというお方です。

マレーシアで超人に遭遇! ヤシの実を指1本でかち割る大道芸人/マレーシア(2012年3月30日Pouch)

世界には類まれなる技をもった超人が存在します。記者がマレーシアを旅行中、旅先マラッカでたまたま見かけたマレーシア人大道芸人の何英輝(ホー・エングィ)さんはそんな超人のひとり。さて、ホーさんの驚くべき技をご紹介したいと思います。

レストランや土産物店が軒を連ねる、マラッカの目抜き通り「ジョンカー・ストリート」を散策していたある土曜日の夜、大きな歓声と共に人だかりができているのを発見! 覗いてみると、な・な・なんと人差し指で硬いヤシの実をかち割ろうとしている人がいるではありませんか!

ヤシの実をものすごい勢いで叩くこと数回、実に穴が開き、ココナッツジュースがプシュー! と勢いよく吹き出しました。お、恐るべし……。ヤシの実は通常、鉈(なた)で叩き割らないと割れないほどの硬さです。ということは、ホーさんの人差し指は凶器と言っても過言ではないでしょう。技がマレーシア版ギネスブックにも掲載されているのも納得。

さてこちらのホーさん、大道芸人かと思いきや、実は武道家。そして「薬油」という、痛みや打ち身を始め火傷に効果のある薬の売り子さんでもあるのです。パフォーマンスを最後まで見ていると分かりますが、彼の体を張ったココナッツ割りは、薬の効果を見せるためのもの。効果があるのかどうか、記者にはよく分かりませんが、パフォーマンス後は薬油が飛ぶように売れていました。

ホーさんのパフォーマンスは毎週土・日曜日の夕方から夜にかけて、ジョンカー・ストリートの夜市の一角で行われています。マラッカを旅する際にはぜひチェックしてみて。一見の価値はあるはずですよ!

恐ろしいことに証拠と言いますか動画まで用意されているのですけれども、これは大道芸としてはいわゆる一つのガマの油売り系の技なんでしょうかね?
様々な意味でびっくり人間系には事欠かないのが中国というお国柄ですけれども、こちらは一体どうなっているのか?と思うようなニュースをお伝えしましょう。

まさに異能!?屋外から物音を聞くだけで金のありかを探知=盲目の窃盗犯を逮捕―浙江省杭州市/中国(2012年4月16日レコードチャイナ)

15日、浙江省杭州市でこのほど、視覚障害者の窃盗犯が逮捕された。抜きんでた聴覚を生かし、家の外から音を聞いて、金の隠し場所を把握していたという。

2012年4月15日、浙江省杭州市でこのほど、視覚障害者の窃盗犯が逮捕された。浙江在線が伝えた。

逮捕された関は6歳の時に高熱で視力を失った。しかし聴力に優れ、自転車修理を独学で習得するほど。音だけで周りの状況を判断して、電動自転車を乗り回していたほどだという。

それだけではない。関はその鋭敏な感覚を生かして窃盗を繰り返していた。盗みに入る前に外から家の中の物音を聞き、どこにお金を隠しているかを探知するという超人的な技術を発揮したという。過去2年間で20件以上も犯罪を繰り返し、1万元(約13万円)以上を盗んでいた。(翻訳・編集/KT)

いやしかし日本人的感覚からすると、これだけの能力があるのであれば何かしら大きなお金儲けになりそうにも思うのですが、敢えて小金を盗むなどという小事に落ち着いてしまうのが欲がないということなんでしょうか。
こちらは繰り返し閲覧注意の警告が張られた上で拡散されたニュースですが、本当かどうかは眉唾ながらまずは紹介してみましょう。

【閲覧注意】インドネシアで撮影された「歩く死者」に海外ネットユーザーも恐怖!!/インドネシア(2012年3月19日サーチナ)

 インドネシアで撮影されたとされる画像が、海外ネットユーザーの間で話題を呼んでいます。その画像とは、歩く死者の姿。その真偽は定かではありません。しかしながら、その様子はまるで映画に出てくるようなゾンビそのもの。怖いものが苦手という方は、閲覧を控えた方がよいでしょう……。

  この画像は、インドネシアのトラジャという地域で撮影されたものです。ここに住むトラジャ族には、古くから死にまつわる風習があり、死者を歩かせるというのです。

  専門家は死者を歩かせることについて、2つの根拠を示しています。まずひとつは、部族には死についての戒律があり、「生まれた村で死を迎えなくてはならない」そうです。ですが、いつどこで死が訪れるかわかりません。不慮の事故に遭い出先で亡くなった場合に、村に帰りつくことはできないでしょう。そこで、祈祷師が死者を歩けるようにするそうです。

  そしてもうひとつ、部族は「死」のプロセスが大変長いものであり、亡くなると来世と言われる場所にたどり着くまでに、家族は葬式などの儀式で死者を支援しなければなりません。儀式には膨大な費用がかかります。即座にお金を用意できれば良いのですが、工面できなかった場合に一時的に仮の棺に収められるそうです。つまり亡くなると死後、棺を移動しなければならず、そのために死者を歩かせるとも言われています。

  そのほか諸説あるようですが、いずれにしてもこの地域では「死者は歩く」、「死者を歩かせる」ということが信じられています。撮影された画像や映像はあまり世に出ていないようです。したがって、公開された画像は非常に珍しいもののようです。

  その画像を見ると、正直本当に死者なのかな? と思わざるを得ません。もしかしたら特殊メイクで雰囲気を出しているのかもしれないのです。しかし、「もしも本当だったら……」と思うと、背筋が凍りつくような思いがします。

  はたしてこの画像は本当に歩く死者なのでしょうか……。あなたはどう思いますか?

  参照元:extraordinaryintelligence(英語)(情報提供:ロケットニュース24)

しかし特殊メイクにしてもなかなかに凝ったものですけれども、インドネシアの田舎町にそこまでの技術があるものなんでしょうかね…
最後に取り上げましたるはこちらご存知ブリからの話題ですけれども、ブリの誇る伝統的名車(今はBMWブランドになりましたが)にこのような活用法があったか!と目から鱗というニュースです。

無茶しやがって……! 小型乗用車に27人詰め込んでギネス世界記録/英(2012年2月18日ねとらぼ)

 BMWの小型乗用車MINIに、一体何人の人間が入れるのか――イギリスのスポーツクラブの女性会員とスタッフがギネス世界記録にチャレンジし、27人を詰め込んで見事世界一になりました。

 先ごろ行われたチャレンジの模様はYouTubeで公開されています。開いたドアから女性たちがどんどん乗り込んでいって、後部座席へ詰めていきます。中はぎゅうぎゅう詰め。かなり暑いようで、周りの人が書類であおいでいます。27人ぎっしり詰まったところでドアを閉め、ギネスの認定員の立ち会いのもと、正式に世界記録と認められました。よくもまあ、こんなに入ったものです。参加者はスリムな人ばかりだったとはいえ、苦しかったでしょう。

Guinness World Record - 27 PEOPLE CRAMMED IN A MINI (NEW MODEL)

 チャレンジイベントには地元のカーディーラーも協賛し、イベントの収益1778ポンドをチャリティーに寄付したということです。

ちなみに参加者はスタイルも良いうら若き女性ばかりということで是非とも参加したかった!という人もいるかも知れませんが、リアルで歌川国芳のだまし絵のようになってしまうことは覚悟しておかなければならないでしょう。
しかし車なんて幾らでもあるでしょうに、何故によりにもよってミニなんですかねえ…やはり彼らって何かがずれてるんじゃないかという気がしてならないのですが。

今日のぐり:「セルフうどん さざなみ 妹尾バイパス店」

以前にもお邪魔したセルフうどんのチェーン店ですが、今回が二回目の訪問になります。
しかし以前に来た時にはそこそこお客もいたように思ったのですが、今回がらんとした店内に他にお客はおらず、そもそも店員も店長一人だけというのは大丈夫なのかしら?と思ってしまいますね。
今回は鳥天玉丼セットを冷たいぶっかけうどんで頼んでみましたが、うどんの方は大中小と選べる中で無難に中にしておきましたけれども、後述するようにここは少しばかり思案が必要なところであったようです。

以前に来たときにも硬めのうどんだなとは感じたのですが、この日はかなりはっきりした硬いうどんという感じで、それでも表面の色つやや喉越しのなめらかさはよいですし、噛みしめてみれば硬いだけでなくちゃんと腰もしっかりあるといううどんで、もちろん茹で置きのものなんですが辛めのツユとのマッチングも悪くなしと、今回も合格点をつけられるんじゃないかと思います。
うどん屋としてはそんな感じでうどん自体は悪くない店だなと再認識したのですが、今回一体どんなものなのかと気になっているのが鳥天玉丼なるものの正体で、卵とじかと思ったら鳥天(というよりも唐揚げでしょうか)丼に温泉卵をトッピングしたもののようなんですね。
まあ考えて見れば当然なんですが、オペレーションからして卵とじは無理なこともあってこういうことになっているんでしょうけれども、こちらの揚げ物は前回の名物げそ天同様揚げおきらしいですがクリスピーな食感はよいと思います。
問題は温泉卵は出来上がった鳥天丼の上から後載せという形で、当然ながらタレは唐揚げを素通りしてほとんどご飯にかかっていることになりますから、唐揚げはまだ下味があるからいいですが温泉卵の方はちょっと味付け的に物足りないという感じになってしまいますよね。
そうかと言って温泉卵を混ぜ込んでしまうと全体的に味がぼやけてしまうようで、そもそも丼物はトッピングの味と白ご飯の味とのコントラストが楽しめないと面白くないですから、もう少しタレの味を強めにするか卵の上からかけるようにした方がいいかも知れませんね。
ま、そうは言ってもチェーンのうどん店のサイドメニューとしては合格をつけられるとは思うのですが、前回のげそ天の時にも感じていたのですけれども、こちらの場合鶏唐揚げにしてもちょっと多すぎるくらい載っているのが特徴なのでしょうか、よくあるサイドメニュー感覚で頼んでしまうとちょっと胃が重くなりますね。

値段はさすがに香川のセルフうどん店の水準と比べると決して安くもないんですが、実際的には近隣うどん店と比べて高くもないわけですし、うどん単品よりもセットメニューにした方がコスパが上がることも考えると通りがかりのノンポリ派には決して悪くない選択肢かなとも思いました。
しかしお客がいなかったせいか店長自らテーブルまで運んでくれるのはいいんですが、これだとせっかくのセルフのお店なのにトッピングの加減が出来ないというのがちょっとありがた迷惑だったでしょうか(笑)。
いずれにしても食べて見れば味にしろ価格とのバランスにしろ悪いお店というわけではないんですが、その割に早くも閑古鳥が鳴いているとなると立地が悪かったのか、店舗や看板のデザインも悪かったのか、確かに国道を早い速度で走り去っていく車に対してもう少しアピール不足な印象はありますけれどもね。

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2012年5月 2日 (水)

医薬品行政にまつわるトラブル二題

少し前にこういう判決が出ていましたが、御覧になりましたでしょうか。

医薬品ネット販売の権利認める 東京高裁が逆転判決(2012年4月26日朝日新聞)

 医師の処方箋(せん)なしで買える一般用医薬品(市販薬)について、インターネット販売を原則禁止にしたのは過大な規制だとして、ネット販売業者2社が販売できる権利の確認などを求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。三輪和雄裁判長は業者側の請求を退けた一審・東京地裁判決を取り消し、販売を認める逆転判決を言い渡した。

 市販薬のネット販売をめぐっては政府内でも規制緩和の議論が高まっており、国は現在の販売制度の見直しを迫られることになる。

 控訴していたのは「ケンコーコム」(東京都港区)と「ウェルネット」(横浜市)。

 厚生労働省は、改正薬事法で市販薬を副作用の危険性に応じ1~3類に分類。省令で、危険性の高い1、2類には薬局などでの対面販売を義務づけ、ネット販売は3類しか原則認めないようにした。両社は1、2類を含む全体のネット販売を認めるよう求めていた。

 高裁判決は、改正薬事法がネット販売の一律禁止を想定していたとは認められないと指摘。原則禁止にした省令について「法の趣旨の範囲を逸脱した違法な規定で、無効であると解釈すべきだ」とし、ネット販売できる権利を認めた

 ネット販売の禁止について、一審では「健康被害を防ぐための規制手段としての必要性と合理性を認めることができる」と容認していた。しかし、東京高裁では、「ネット販売された薬の副作用の実態把握が不十分で、省令で規制する合理性が裏付けられているとは言い難い」とした。

医薬品ネット販売、「慎重に対応」-小宮山厚労相(2012年4月27日CBニュース)

 一審判決から一転し、厚生労働省令が禁止する一般用医薬品をインターネット販売する権利を認めた東京高裁の判決を受け、小宮山洋子厚労相は27日の閣議後の記者会見で、「便利にインターネットを利用したい方がいる一方で、薬害の被害にあった方からは、慎重な対応を求める声もある」と指摘。「しっかりと、慎重に対応するべきことだ」との見解を示した。

 ただ、今後の具体的な対応について小宮山厚労相は、「判決内容の詳細はまだ承知していない。しっかりと判決内容を見て検討し、関係省庁とも協議をしていきたい」と述べるにとどめた。
(略)

個人的にOTC薬拡大にしろ医薬品ネット販売解禁にしろ、日本人の医療に対する自己責任というものへの考え方を一段進める効果があるのではないかと密かに期待しているのですが、現状ではやや過剰規制の方向に振れているのかなという印象を持っています。
もともと国内ではネット販売の規制はなかったと言いますが、平成16年からケンコーコムが一般用医薬品のネット販売を始めたことに伴い厚労省から安全性への懸念が指摘され、いわば事後的に規制を定めた改正薬事法が施行されたという経緯があります。
昨年の行政刷新会議の仕分けによって「安全性確保の要件設定を前提にネット販売の可能性を検討すべき」という結論が出た結果、政府も早期に議論しますという閣議決定をしてはみたものの裁判の行方を見守っているということなのか議論もさほど進んでいないようで、今回の高裁判決を受けても相変わらず「慎重に対応すべきこと」と言っているくらいですから腰が重いのは確かなようです。
海外においてもネット販売は規制緩和が進んでいますが、もともと市販薬の範囲が日本よりも広い国が多いということに加えて、米国などを見ても判るように自分の判断で利用する以上不都合が起こっても自己責任だという社会的コンセンサスがある国々に対して、日本であれば何かあれば規制をしなかった国が悪いと言うことになるのですから役人が及び腰になるのも理解は出来ますよね。
加えて実際に反対論の先鋒に立っているのが薬害問題などの関係者だと言うのですが、傍目には今回の件には直接関係ないのに何故…とも思うのですけれども、昨今医療行政に限らずこうした市民代表といった方々の声を取り上げていくべきだということになっていますからやむなきところなのでしょうか。

OTC薬拡大に際しても医療関係者の間でも意見が分かれたように公的規制をどの程度厳しくすべきかは議論のあるところですが、先日のバス事故でも背景に過酷な運行事情に基づく運転手の過労があったのでは?という声もあったり、また医療専門職の業務過多問題が医療事故につながると言われるように、当然ですが規制が緩いことによって不利益が大きい場合では規制は厳しくしていくべきでしょう。
一方で稀なリスクに対して規制を厳しくし過ぎることもゼロリスク症候群につながりますが、どうも薬害訴訟の頻発などで羮に懲りて膾を吹くかのように日本では厳しめの規制がデフォになっているようで、この辺りは何しろネット普及などにも見られるように時代が急激に変わっていっているわけですから、お上も時代に合わせて柔軟に対応出来るようになっていかないものかなと言う気もしています。
もちろん薬剤のネット販売解禁が安全であると言っているのではなく、むしろほぼ確実に何かしらの健康被害は起きるだろうと思うのですが、逆に必発だからこそ薬剤一般の使用における原則と同様にリスクよりもメリットが上回るのであれば、例えば業者に保険加入を義務づけるといったいざというときの対処法も込みでやってみてはどうかなと言うことです。
そういう意味では何かが起こるかも知れないから駄目だというのではなく、何かが起こったとしてそれに対しての対処をまるで考えずにやっていることが駄目であるわけですが、ましてや容易に予想される問題に対して何も考えがないまま推し進めるというのは問題だろうというケースがちょうど最近発生しています。

「一般名処方加算」で混乱 適応外処方として査定される可能性も(2012年5月1日日経メディカル)

 今年度の診療報酬改定で新設された「一般名処方加算」。後発医薬品の使用促進を目的とする加算だが、先発品と後発品の適応症の違いが原因で、レセプトが査定されかねないという問題が生じている。

 一般名処方加算は、後発医薬品がある薬剤を一般名で処方した場合に、処方箋料に2点を加算するもの。複数ある薬剤を処方する際に1種類だけでも一般名で処方すれば算定できるため、多くの医療機関が算定しているようだ。

 しかし、同加算を巡って早くも混乱が起きている。レセコンが一般名処方にうまく対応しておらず事務職員が入力に手間取ったり、薬局から医師に薬剤名や用法、用量、剤形などについての疑義照会が頻繁に行われるなどの問題が多発しているのだ。レセコンメーカーはソフトの改訂を急ぎ、薬局は医療機関ごとによく処方される一般名薬剤リストを作成するなど、対応に追われている

 だが、これらの問題が解消しても、しばらく尾を引きそうな問題もある。社会保険診療報酬支払基金などによって、一般名処方加算が減点査定される可能性がある点だ。

 後発品には、先発品と適応症が異なるケースがある。例えばドネペジルの先発品であるアリセプトには高度アルツハイマー型認知症の適応があるが、後発品にはない(他の品目の適応症の違いについても、厚生労働省がウェブサイトで公開している)。こうした薬剤を医師が一般名処方し、薬局で後発品が調剤されると、3月審査分から始まった突合点検(医科と調剤のレセプトを患者単位で照合する作業)で、「適応外処方である」として査定される恐れがある。

厚労省が見逃し促す通知?

 この問題に対して厚労省は1月、支払基金宛てに「一律に査定を行うことは、後発品への変更調剤が進まなくなること、医療費が増える可能性があることなどを保険者に説明し、影響を理解してもらうよう努めていただきたい」とする通知を発出した。文面からは、「査定せず見逃すように」とのニュアンスが感じられる。

 すると、一部の先発品メーカーがこの通知に強く反発した。臨床試験を行い適応拡大してきたにもかかわらず、その企業努力を無にする制度は受け入れ難い、というわけだ。

 そうした声に配慮してか、厚労省は本誌の取材に対し、この通知について「従来通り審査は個別に判断してもらいたいという意味だ」(保険局医療課)と説明する。つまり、問題は何ら解決していないことになる。

 そもそも一般名処方は、厚労省が推進する後発品への切り替えに医療機関が協力するもの。それなのに逆に査定されるのでは、後発品推進政策に黄信号がともる

 では、実際のところどうなるのか。レセプト審査に詳しいある関係者は、「心配する必要はないだろう」と予想する。その理由は、仮に適応症の違いによって適応外処方になったとしても、その責任を薬局に問うのか、医療機関に問うのか、判断が難しいからだという。

 「薬局には患者の疾患名が知らされないため、その薬剤が適応外になるかどうか知りようがない。医師にも、先発品と後発品の適応症に違いがあることがきちんと周知されているとは言い切れない。どちらを責めるわけにもいかないので、支払基金は『査定はできない』と判断するのではないか」(前出の関係者)

 もっとも医療機関にしてみれば、無用なトラブルは避けたいところ。日本臨床内科医会の保険担当理事を務める、阿部医院(東京都目黒区)院長の清水惠一郎氏は、「普段よく使用する薬剤については、適応外処方になる可能性がないかチェックしておくべきだろう」と語る。

 薬局でも、医療機関との連絡を密にするところが増えている。しばらくの間、医師は一般名処方を巡る疑義照会への対応に追われることになりそうだ。

ジェネリック問題に関しては当「ぐり研」でもたびたび取り上げていますけれども、ともかく国と保険者が足並みをそろえて推進していることに対して現場では今ひとつ乗り気でないことの根本には、やはり全国数千万もの顧客を相手に間違えが許されない商売をしている現場で、不要不急の切り替えを急進的に推し進めれば取り違えなどの単純ミスだけでも増えずにはいられないのでは?という懸念があるのだと思います。
上記の記事中にある先発品とジェネリックとで適応症が異なる問題にしても以前から「同じ薬だと言いながらゾロに切り替えるたびに病名を変更しろと言うのか」と処方する側からは不満の声が挙がっていたものですが、先発品メーカーの企業努力を無にするのかという声も全くもってもっともなことで、本来そう簡単に解消するものではないにも関わらず切り替えだけを急げ急げと押しつけてきたわけです。
仮に適応外だとしてその責任を薬局と処方医のどちらが負うべきかという話も非常に重要かつ解決困難な指摘なのですが、いずれにしても冒頭のネット販売に対する過剰なほど慎重な対応と比べて見れば、これが同じ省庁のやる仕事なのか?と思うほどにあまりに適当にも見えてきますよね。
今のところは希望的観測?も込みで「まあ査定する側も何となく適当に処理するのでは?」などと甘い予測が出ていますが、過去にあり得ないような数々の伝説を残してきた査定という作業の歴史に思いをはせる時、レセプトチェックには今まで以上に力を入れてかからないと大変なことになるかも知れません。

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2012年5月 1日 (火)

相次ぐ重大事故 てんかんだけが問題ではない

最近あちらこちらで重大事故が相次いでいるようにも感じられて誰しも不安なところでしょうが、そんな中でこんな裁判があったということです。

松江・てんかん発作死傷事故 1審支持、被告の控訴棄却/島根(2012年4月29日産経ニュース)

 松江市で軽乗用車を運転中にてんかんの発作を起こし、2人を死傷させたとして自動車運転過失致死傷罪に問われた同市北田町の無職、金崎光被告(23)の控訴審判決が27日、広島高裁松江支部で開かれ、中野信也裁判長は禁固2年とした1審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 判決理由で、中野裁判長は「医師から処方された抗てんかん薬を服薬せずに発作を起して事故を生じさせており、被告の過失は極めて重大」と指摘した。

 控訴審で被告側は「刑が重すぎる」と、執行猶予付きの判決を求めていた。

 2審判決などによると、金崎被告は昨年4月、てんかんの発作で運転中に意識を失い、歩道で信号待ちをしていた会社員の男性=当時(53)=をはねて死亡させ、女性にもけがを負わせた。

このケースでも免許更新時にてんかんという持病の申告をすることもなく、服薬も怠った挙げ句に運転中に発作を起こして歩道に乗り上げたと言うことですから、裁判長が「無自覚で安易」と断じたのもやむを得ないところではないかなという気がしますし、むしろこれだけの非難されるべき行動の果てに重大事故を起こした割には量刑的にも特別に厳しいというほどのものではないようです。
運転免許を取得するにあたって法的に特別な対応を求められている欠格事由に相当する疾患というのはてんかん以外にも少なからずありますが、視力障害のように他覚的に簡単に判る場合以外は基本的に本人の自己申告によるものである以上、やはり当事者の自覚というものが何より大事ですよね。
昨今ではたびたび大事故が報道されることからてんかん患者の問題ばかりがクローズアップされてきましたが、欠格事由に該当する疾患を見ていますと「むしろこちらの方が危ないんじゃないか」と誰しも懸念したくなるのが、かねて患者さんの病識の欠如を指摘されているあの疾患です。

渡辺徹が糖尿病でダウン! 闘病&暴食エピソードから学ぶ健康術(2012年4月28日メンズサイゾー)

 今ではコメンテーターや司会業がメインのタレント渡辺徹が、アイドル的な人気を博した青春スターだったことを覚えているのは、アラフォーより上の世代だろう。バラエティ番組出演時は妻・榊原郁恵との夫婦生活や、自らの肥満体型をネタに、芸人顔負けのトークを披露する渡辺だが、今も役者魂は失っていない。特に舞台にかける情熱は人一倍で、毎年のように芝居人としての姿を見せていた。そんな渡辺が5月に公演予定だった舞台を降板、合わせて緊急入院することとなった。原因は過労と長年患っていた糖尿病だった。

 役者デビュー当時72キロだった体重はすぐに100キロを超え、30歳の時にも急性糖尿病で病院搬送されたこともある。以後、妻の郁恵は彼の体を案じ、料理嫌いを克服。カロリー計算の行き届いたヘルシーメニューをふるまうようになった。渡辺もそのかいあって大幅なダイエットに成功。しかし以後太っては痩せ、痩せては太ってのリバウンドが、ある種名物に。過去には「14キロのダイエットに成功するもすぐに15キロリバウンドした」「100キロを超えたため奮起して20キロ痩せたものの、40キロリバウンド」「35キロ痩せたが、1年後には元の体型に」といったリバウンド話ばかりが目につき、一部では和製ロバート・デ・ニーロと揶揄されるほどだった。

 年齢も50を超え、さらに健康管理に迫られた渡辺を気遣い、郁恵は家庭菜園でとれた野菜を使った料理を出したりしていたという。しかし野菜嫌いの渡辺はその反動からか、地方のロケ番組に行った際に暴飲暴食を繰り返していたという。第一報を伝えた「女性セブン」(小学館)によれば、「ナポリタン、カルボナーラ、ミートソースと種類の違うパスタを3皿一気食いした」「饅頭を10個放り込んだ」「かつ丼にマヨネーズをかける」などの仰天情報が掲載されていたが、過去にも「多い日には1日6食。さらに食事ごとに1.5リットルのコーラをがぶ飲みし、合計で6本飲み干した」「カルピスを原液で飲む」などの猛烈な大食いエピソードが山盛り。愛嬌のある太った体がトレードマークだった渡辺だが、仕事を休んで入院しなければならぬほどの糖尿病が進んでいたとすれば自体は深刻だ。

 日本全国で約900万人もの患者がいる病だけに、芸能界でも糖尿病をカミングアウトしている人間は多い。糖尿ブログを綴るグレート義太夫、「これからは痩せてデブタレントは卒業する」と宣言した松村邦洋、インシュリン注射を打っているのを目撃されドラッグ中毒と誤解されたと語った小倉智昭などが有名だ。

 糖尿病とは、インスリンという血糖値を下げるホルモンの作用が不足して慢性的に血糖値が高くなる病。進行が進むと、心筋梗塞、脳卒中、失明、手足の壊疽などを招くこともある。演歌歌手の大御所・村田英雄も、最後は両足を切断するまでに悪化してしまった。

 贅沢病と言われる糖尿病だが、偏食、暴飲暴食、不規則な生活やストレスなどが原因のため、売れっ子芸能人とはかけ離れた環境の貧乏な人がかかることもある。とりあえずコーラをがぶ飲みしつつ、かつ丼にマヨネーズをかけるようなファンキーな食事だけはやめておこう!

ちなみに運転手としての渡辺氏の技量等は全く存じ上げませんけれども、資料によれば渡辺氏はきちんと運転免許を持っていると言いますから、こういう疾患のコントロール状態にあっても車を乗り回している可能性があるということになりますよね。
以前にも紹介しましたけれども、アメリカでは糖尿病患者がコーヒーを注文して人工甘味料を入れてくれるように頼んだのに砂糖を入れられた、その結果ショック状態に陥り病院に担ぎ込まれたと裁判沙汰になったケースがありますが、重度の糖尿病患者のバランスというのはそれほどに危ういものであるということですし、仮にこれがテイクアウトで運転中に飲んでいたとすればどうなっていたかということです。
我が国でもⅠ型糖尿病患者がスポーツジムから帰り道に低血糖でもうろうとなり高校生をはねたまま走り去った一件がひき逃げとして裁判になりましたが、被告側が主張したように何かにぶつかったらしいとは認識出来てもそれが何であって、どう対処すべきかということを認識できない状態になり得る怖い病気であるということを忘れてはならないはずなのです。
すなわち渡辺氏がどれほどドライバーとして慎重で技量が高かったとしても、こうした状況にあっては疾患に由来する様々な問題がいつなんどき発生するかも知れず、担当医としては運転禁止を申し渡すべきかを(それがまだ行われていないのであれば)早急に考えるべき状態ではあると言えそうですよね。

とりわけここで注目していただきたいのは免許の欠格事由に該当するかどうかといった話を離れても、これだけコントロール不良でおそらく担当医からも厳重に治療や生活改善の指示を受けているだろうと推察される渡辺氏が、どう考えても到底健康的とは言えないどころか明らかに死に急いでいるかのような無茶な生活を続けているという点でしょうか。
医療関係者にも「一番関わり合いになりたくない患者は糖尿病持ちの教師」「さらに透析導入なんてしてた日には終わってる」なんて口が悪いことを言う人もいて、とかくこの糖尿病患者の病識の無さは多くの医療関係者が指摘し、また患者家族も大いに苦労しているところですが、当の本人は何ともお気楽に我が世の春を謳歌しているという場合がほとんどです。
敢えて悪い例になっていただいた渡辺氏に恨みがあるとか言うわけでもないのに申し訳ないとは思いますけれども、弁護するならばこうした状況は糖尿病がある程度進行した患者には多かれ少なかれ見られるものであって、しかも日本にはてんかんなどよりもはるかに多い250万人もの糖尿病患者(およびこの数倍の隠れ糖尿病患者)が存在し、しかも現在ももの凄い勢いで絶讚増加中であるという現実があります。
そう考えるとてんかん協会の言うことではありませんが、一部のてんかん患者の起こした重大事故ばかりを取り上げてあれは危ない病気だ、社会的に無責任過ぎると避難していることも何やら馬鹿馬鹿しくなってくる気がしないでしょうか?
てんかんだけが危ないわけでもなく、まして糖尿病だけが危ないわけでもない、それでも事故のリスクを明らかに押し上げる医学的な要素が存在している以上は、それらをきちんと評価して差別なくリスク軽減のための対策を講じていくことが大事ではないかと思いますね。

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