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2012年4月 7日 (土)

なんでも疑ってしまうのも悲しいですが

李下に冠を正さずという言葉がありますが、普段ですらやってはいけないこととは言え、この時期特に気になるのがこういう話題です。

JA兵庫六甲「こうべ育ちオリジナル米」8割岩手県産で販売中止/兵庫(2012年4月3日スポーツ報知)

 兵庫六甲農業協同組合(JA兵庫六甲、本店・神戸市北区)が3月中旬、岩手県産「ひとめぼれ」が8割混ざっている米を「こうべ育ちオリジナル米」の商品名で販売し、1 件購入者の苦情を受け中止していたことが2日、JA兵庫六甲への取材で分かった。当初は東日本大震災で被害の大きかった東北の農産物を販売することで支援する目的だったが、すでに販売した商品についても、返品対応を行っている。

 JA兵庫六甲の営農経済事業部によると、昨年6月から岩手県の花巻農業協同組合(JAいわて花巻)の「ひとめぼれ」を仕入れ、「復興支援米」として神戸市西区の直営店「六甲のめぐみ」で販売しており、その一部を混ぜてオリジナル米として販売していた。

 1995年の阪神・淡路大震災で被害を受けた際に、JAいわて花巻から支援を受けて以来、直売所を通じて交流を続けていた縁もあり、昨年3月の東日本大震災で被害の大きかった東北の農産物を販売することで支援を続けてきたという。

 問題になったオリジナル米は5キロ入りで1650円。1袋につき50円を東北地方への義援金としており、「売り上げを少しでも伸ばしたかった」と話している。3月15日から20日までの期間で586袋を直営店で販売。表のパッケージには「こうべ育ちオリジナル米」とあるのに、裏の産地表示欄に「国内産」と表示していることを不審に思った購入者が電話し、「神戸の米だと思っていたのに紛らわしい」と指摘した。

 これを受け直営店では21日に販売を中止。現在は店の内外十数か所に貼り紙を貼るなどして返品対応を行っている。営農経済事業部によると、販売の際にブレンド米であることを表示していたが、「すべてのお客さまが理解して買っていただくには至らなかった。その点においては説明不足で、ご迷惑をおかけしてしまった」と話している。

 JA兵庫六甲はこの日、ホームページ上でも組合員、利用者らに向けた謝罪文をアップした。

どうも記事だけでは話がよくわからないところがあって、東北の農産物を販売するのが目的であれば最初から「こうべ育ち」などと言わず岩手県産を前面に出して売ればよいところ、「売り上げを少しでも伸ばしたかった」からとブレンド米として産地偽装のようなことをして売るというのも、逆に言えば8割が岩手産の米であってもこうべ育ちと偽らなければ売り上げが伸びないと考えたということなんでしょうか。
表向き阪神大震災の折の支援のお返しだと美談のように書いてあっても、こういうことをしていると「過去のしがらみで売れない東北のお米を押しつけられたのか」などといらぬ疑惑を招くことにもなりかねませんし、いずれにしても一般論としても産地偽装紛いの行為は決してあってはならないことですよね。
ただこれも言ってみれば東北の中でも北部に位置する岩手産であったからこそ「説明不足でした(てへぺろ(・ω<) 」などと言って済ませられることですが、こういうことが起こる以上「もしや本来出荷してはならないはずのものも同様に産地偽装されて至上に出回っているのでは…」と考えてしまうのも無理からぬところではないでしょうか。
直接口に入る食品の問題であるだけに、あらぬ誤解を受けかねない行為に関しては普段以上に慎重に対応していただかなければ、下手をすれば数多くの焼き肉店が閉店に追い込まれたという狂牛病騒動のようなパニックが再発しかねないということを関係者は肝に銘じていただきたいと思います。

震災から1年以上が経過した今日においても、特に福島原発事故の影響は非常に色濃く日本社会全般に影を落としていて、例えば今現在も休止中の国内の原発を再稼働させるかどうかということが非常に大きな議論となっているのはご存知の通りですよね。
以前にもご紹介しましたように、特に東北から避難した一部の方々が関わる様々な騒動が避難先で発生しているということなのですが、市民不安に基づくそうした背景事情につけ込むかのように、本家東北は福島界隈ではまた別の妙な事態になってきているようなんですね。

過激派 福島大で暗躍、「反原発」で活動家養成 NPOで資金集め/福島(2012年4月5日産経ニュース)

 東日本大震災の被災地で、過激派「革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)」が、勢力拡大に躍起になっている。公安当局は「震災で吸引力を増した反原発やボランティアを隠れみのに勢力を拡大しようとしている」とみて警戒を強めている。

 4日、入学式が行われた福島大近くで、男が新入生に反原発集会への参加を呼びかけるビラをまいていた。

 この男は2月中旬、福島大の学生食堂で行われた学生有志による原発に関する勉強会で、「原発をなくすには行き過ぎた資本主義を改善しないと」と力説していた人物だ。机上のテキストは「共産党宣言」。プリントには「マルクス主義学生同盟中核派」と記載されていた。男は東北大の学生で、福島大の質問に「自分は中核派だ」と答えたという。

 公安関係者によると、勉強会の主催者はデモでの逮捕歴のある中核派全学連幹部で上智大の活動家だった。参加した学生は「原発事故で興味を持っていったが、団体名は伏せられていた」と話す。

 勉強会の開始当初、テキストは「全原発を廃炉に」だったが、出版元は中核派の拠点とされる前進社。公安関係者は「いわゆる『オルグ』。受け入れやすいテーマから徐々に引き込む典型的な手口」と指摘。「反原発機運を盛り上げる段階から活動家養成段階に入ったといえる」と分析する。福島大関係者によると、昨年末には別の福島大生が「中核派に入った」と周辺に漏らしている。

 過激派が福島大で活動を始めたのは震災後で、福島大では約20年ぶり。学生も大学側も蓄積が少なく、立ち入り禁止などの強硬手段に踏み込めずにいるという。

 「オルグ」だけではない。前進社はホームページで子供用診療所の福島県内での建設を主張。別の公安関係者によると、NPO関係者が呼びかけ人の建設推進団体の事務局には中核派活動家が入った。公安関係者は「すでに自治体が診療しているのに不自然だ」として、NPOを巻き込んだ資金集めとの見方を強めている。

もちろんある程度昔の事情を知っている中高年世代ほど「今どき中核派?昭和かよw」と思ってしまう方々が大部分だと思いますが、この過激派云々と言う主語を抜きにして彼らの勧誘活動の現象面を眺めてみますと、まさしくこれは社会不安につけ込むカルトの常套手段に他なりません。
かつてオウムを始めとするカルト全盛期にも五月病を患った寂しい大学生などが大勢ターゲットになったと言いますが、これまたオウム継承団体の問題と同様にすでに彼らの全盛期から世代が一回りも二回りもした結果、そもそもどんな組織だったのかということを知らない人々も増えているわけで、現に福島大の対応が遅れているのも知らないからという事情が大きいのでしょうね。
たまたま中核派ということでこうしてニュースにも取り上げられますが、今どき大学内部に限らずどこにでも反原発を掲げる市民団体はそれこそ雨後の筍のように乱立していて、人を集めては勉強会なりを開いているそうした団体の実態がどのようなものであるかはほとんどの場合はっきりしませんから、中には何かしら後ろ暗い組織の構成員集めが目的といったケースも当然隠れているでしょう。

もちろん反社会的な主義、思想に基づいた団体のみならず、単純に経済的利益を追求する詐欺紛いの集団にも注意が必要であるのは当然で、有名どころでは日本ホメオパシー医学協会一派が被災地の放射能を除去できると主張し、傘下の健康食品会社で福島の土を使った砂糖玉を売り出しているのはすでにお伝えしたところですよね。
一方で留意すべき事として、こうした秘密結社めいた団体が多数参入してくる背景には、一連の原発問題を通じて政府の公式発表などと言うものがすっかり信用を失ってしまっているという現実があることは議論の余地がないと思いますけれども、その理由としてネットと言うものが人々の猜疑心をかき立てているのだと主張する人々もいることです。
先日も香山リカ氏は社会活動に取り組む人々がともすれば批判的に受け取られ容易にバッシングを受けてしまうことについて「聖人君子でなければ、「何か裏がある」「どこかからお金が流れている」と見られてしまう風潮」があると主張していましたけれども、もちろん全ての市民団体が犯罪的組織の隠れ蓑であるかのような受け取り方は極端すぎるというものですよね。
そう考えていきますとまずは正しい知識を多方面から収集した上で物事を判断していくということはもちろんですが、多くの人々の関心を集めたいと考える真面目で真っ当な団体の方々にしても冒頭の記事にあるように、いらぬ誤解を招くような迂闊な行為はくれぐれも慎んでいただく必要があるということではないでしょうか。

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コメント

そろそろ保証金詐欺みたいなものが流行してくるんじゃないかと懸念してます。
何しろ現金収入の少ない田舎の人々が一気に大金を手にするわけですから狙い撃ちされるでしょう。
政府自治体も対策を考えておかないと社会問題化するんじゃないですか。

投稿: ぽん太 | 2012年4月 7日 (土) 09時47分

健全なる一般市民たるもの、
>「何か裏がある」「どこかからお金が流れている」
>全ての市民団体が犯罪的組織の隠れ蓑

と、見做して一切係わらないのが無難かと。日常生活においてそれでなんら不自由はないわけですし。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年4月 7日 (土) 10時43分

とはいえ、何でもかんでも華麗にスルーというのも真っ当な社会としてどうなのかですしね…
ただ昔に比べると情報量が多量かつ多彩になっただけ、各人の意見が多様化し先鋭化もするようになってきたとは感じています。
これがいい具合に伸びていけば民主主義の成熟につながるはずなんですけどね。

投稿: 管理人nobu | 2012年4月 7日 (土) 11時00分

宗教家=危ない人
市民団体=アカ

これが世間の常識

投稿: | 2012年4月 7日 (土) 12時04分

社会全体としてははともかく、一個人としては余程特殊な立ち位置にない限り何でもかんでも華麗にスルーが正解かと。
マムシとアオダイショウを区別出来ないのにヘビにちょっかい出すのは自殺行為ですが、そもそも研究者とか捕まえたいとか飼いたいとか食べたいとかアウトドア趣味とか仕事でヘビの生息地に踏み込む必要がある、とかでもない限り、ちょっかい出す必要も区別出来る必要もないわけで…。

*と、いうわけで私は「何か裏がある」「どこやらへお金が横流しされている」、と見做し寄付の類は一切しない事にしています。おかげで日赤ですら義援金の現地配布が滞っている、との報に接しても心穏やかですw。もちろん市民団体の類は、どんなに思想信条に合致していても華麗にスルーww

*まあ大野病院事件の時はついほだされて、自らに課した禁を破り些少なりと寄付しちゃいましたが、無罪判決後、加藤先生が産科医に復帰された、と聞いてげんなり…今からでもあの5万円、返してもらえんやろか…。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年4月 7日 (土) 12時30分

もうそのあたりは各自の考え方でやっていくしかないですね。
ただお金を出すなら全額だまし取られてもかまわないというくらいの気持ちでいた方がいいのでしょうけど。

ちなみに自分の場合審査委支援活動に協力したという名目も立ったので、日赤に出した義援金分は十分元は取ったと思ってます。

投稿: ぽん太 | 2012年4月 7日 (土) 16時10分

寄付行為なんて他人のためにではなく自分のためにすることですから、物質的精神的に十分な見返りがないと思うならやらない方がいいですよ。
市民団体等にしてもネットで随時赤の他人と連携が取れてあっという間に大勢が集まる時代になると、そもそも必要性があるのかどうかも怪しくなってきましたしね。
ただ組織に参加する、しないと言うことと、何も知らない全く関知しないと言うことはこれまた別問題ですから、例えば当管理人も関わり合いになりたくない諸団体の情報ほど熱心に収集していたりもします(苦笑)。

投稿: 管理人nobu | 2012年4月 9日 (月) 08時31分

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