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2012年4月18日 (水)

職場に新人が加入してくる時期ですが

春だ、新卒の季節だと言うことなんですが、どうもこのところの社会情勢から新卒にとっても必ずしも夢のある話ばかりというわけでもないようで、国なども雇用情勢を何とかしなければと考えてはいるようですね。
そんな中で去る3月19日に総理官邸で第七回雇用戦略対話が開催されたのですが、総理官邸からの広報によれば若年雇用戦略の策定などがテーマとなっており、とりわけ若年者の厳しい雇用環境が検討すべき課題であるということでした。
もちろん就職したくても出来ないということも大きな問題なのですが、同時に最近の若年者雇用環境については表向きの雇用情勢の厳しさとは別に、こういう問題もあるらしいということを週プレが記事にしています。

3分の1が3年以内に退職。早期退職者たちの言い分とは(2012年4月13日週プレニュース)

3月19日、政府は若者の雇用対策を考える「雇用戦略対話」で、2010年3月に大学・専門学校を卒業(中退を含む)した新社会人77.6万人の内、56.9万人が正規雇用に就いたものの、3分の1に当たる19.9万人は「3年以内に辞める」と推計した。

政府は雇用のミスマッチなどを原因に挙げているが、本当のところはどうなのか。実際に部下が早期退職者した会社員たちに話を聞いた。

「新入社員が急に『結婚のお祝いがあるから来週の月曜日は休みたい』と言いだしたんです。遠方の親戚の結婚式なのかと聞いたら、『親友の入籍祝いのパーティが日曜日にあるんです。僕は幹事だし、飲まされると思うから月曜日は休ませてください』だって! 頭にきて『それは無理。ちょっとまた別の日にゆっくり話そう』ということにしたのですが、それが不満だったらしく、その週のうちに辞めていきました」(外食)

「うちは小さな会社なので新入社員は女性ひとりだけ。その彼女が2日目から出勤しなくなりました。人事担当者が電話をして理由を聞いたら、『トイレが男女共用なのが耐えられません』だって。面接に来た時点でワンフロアの小さな会社というのはわかっていたはずなのに……」(デザイン)

なかには、早期退職に「親」が絡んでくるケースも少なくないという。

「新人が出勤せず連絡も取れなくなりました。結局18時頃に『寝坊しました』と電話が。『最近不眠症で、友達からもらった“睡眠薬みたいなもの”を飲んだら、16時までノンストップで寝てしまいました』。それから2時間、何やっていたのかと聞くと『怖くて電話できませんでした』。翌日、彼は辞めていきました。退職の連絡は母親からでした」(メーカー)

「体調不良だという新入社員に『しっかり休んで体調を整えたら?』と伝えたら、翌日、母親から『一生懸命働いていたのに、あなたみたいに他人の心がわからない人が上司だから、うちの子は体調を崩してしまったんですよ! もう辞めさせてください!』と電話がかかってきました。退職手続きに来たのも母親。息子のデスク回りの荷物を片づけて、最後に私をにらんで帰っていきました」(サービス)

これらの事例も、確かに企業と若年層の「ミスマッチ」かもしれない。ただ、いくら対策をしても答えは出てこないだろう。

ご存知のように今の新規就職世代と言えばまさに世に言うゆとり世代のど真ん中で、職場などでも旧世代に属する上司との意識の乖離は以前から指摘されているところですけれども、その意識のずれがそのまま早期離職という人生の一大転機へと直結するというのは穏やかではありませんよね。
多少大袈裟に取り上げているのだろうとは言え、一昔前であれば幾ら何でもその理由で辞めるのは恥ずかしいんじゃないかと思えるような理由が並んでいますが、これを見ると世の中には幾らでも理不尽が存在するのは当たり前で、それに耐える我慢の心もないというのがさすがゆとり…という意見も当然ながら出てくるでしょう。
ただ一方でこうした状況に親が出てくるというのが典型的ですが、彼らの親世代と言えば戦中戦後の苦労も知らず好景気の中を好き勝手やりながら生きてきた勝ち組世代だけに好き放題やるのが当然と思っていて、そんな親世代に甘やかされて育てられた子供がこうなってしまうのは当たり前だという声もあるのですね。
今彼ら新入社員を指導する中堅と言えば最も厳しかった受験戦争を何とか勝ち抜いたと思ったらバブルが崩壊、後は泥沼の不景気の中でやってきた世代でしょうから、こういう後輩を見て色々と言いたいこともあるのでしょうが、どうもそうした昔ながらの感覚一辺倒ではお互い不幸になるばかりではないかとも思わされるのがこちら週プレの続報です。

年功序列・終身雇用が崩壊した現在では、早く転職したほうが合理的(2012年4月16日週プレニュース)

“5月病”という言葉も今は昔。新卒で就職した学生のうち、3分の1が「3年以内に退職する」と推測されている現在では、もはや“4月病”が当たり前かもしれない。

専門学校で写真を学んだ後、ハローワークで見つけた印刷会社に就職したAクンは、わずか1週間で退職している。

試用期間中だったので、入社したとは言えないかもしれません(笑)。募集要項には“印刷会社での写真加工”の仕事だと書いてありました。でも実際に会社に行ってみると、やっているのは延々とリストにある画像をPCで探し、指定フォルダへ入れていくだけの作業。一日でうんざりしてしまいました。そこでスキルアップしたら別の仕事が与えられるなら我慢しますが、その会社にそんな仕事はないんです。会社の雰囲気も暗く、すぐ結論を出しました

一日でうんざりしたAクンには同情しかねる部分もあるが、事実こういった決断の早い若者は増えている。2006年に出版された『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)が話題を呼んだ城繁幸氏は、「企業を取り巻く環境の悪化で、その後も早期退職の傾向は強まっている」と語る。

「若い人がすぐに辞めるのも理解できます。ブラック企業は論外として、一般の企業でも年々給料が上がっていく終身雇用が崩れて、長く勤めるメリットがなくなってきたからです。仕事が楽しくきちんと評価してくれる会社ならいいですが、ほかにやりたい仕事があったり、もっと条件のいい会社があれば、移ったほうがよほど合理的。『とにかく我慢して会社に居続けなさい』というアドバイスが有効だったのは1980年代までです。1990年代以降は、そのアドバイスに従ったことにより廃人のようになってしまった人が、僕の周囲にもたくさんいます」(城氏)

大学卒業後、希望の中堅広告会社に入社できたにもかかわらず8ヶ月で退職したBクンの言い分。

大した研修もなく、上司も全然仕事を教えてくれないなかで、月に500万円の営業のノルマを課されました。質問をしたら『少しは自分で考えて行動してみようか』と言われ、見よう見まねでやっていたら、今度は『勝手にやらないでちゃんと聞け』と言われて……。ある日、『体調が悪いので休みます』と会社に連絡したら、『じゃあすぐ会社に来て。ほんとに体調悪いかどうか見るから』と言われ、もうたくさんだと思いました」

仕事内容よりも、むしろ人間関係で辞めてしまったBクンだが、前出の城氏は、早期退職の理由についてこうアドバイスする。

『なんとなく嫌だから辞めた』では、今より状況が良くなることはないかもしれません。人間関係や仕事がきつい、残業が多いという問題もどこに行ってもあるので、それを理由に辞めることはしないほうがいい。いずれはこういう仕事がしたいから、そのためにこういう経歴が必要だから転職するというように、まず自分の目的地を定めた上で踏み出す。これは学生には難しく、いったん社会に出た人だからできることですから」

5年後、10年後のビジョンがなければどこで働いても不満は出る。だが、「目的地」さえ見えていれば早期退職はその第一歩にもなるということだ。

一見早期退職を勧めているように見えて出てくるのが悪い例ばかりというのも週プレやるなですが、しかし実際にはもう少し事情もあったのでしょうが、体調不良で休むと連絡したら「ほんとうに隊長悪いかどうか見る」ではブラック企業と言われてしまいそうですけどね…
まあもちろん単なる退職ではなく転職ということであればそれは前向きな一歩になるかも知れないわけですからいいのですが、うっかりすると一日で辞めてそのままニートに転落ということもままあるのが今の時代ですから、くれぐれも後先をしっかり考えてから行動に移してもらいたいものだとは思います。
医療関係ではもともと終身雇用という概念自体が希薄で、実際に職場を転々とすることで最終的には自分の思い通りの仕事場を見つけられたという方もいますが、同時にこんなことになるはずじゃなかったのに…と後悔している人も相応にいるわけですから、転職という行為自体を無闇に卑下するのも過剰に持ち上げるのもいずれも問題があるのでしょう。
ただ普通に考えて一日で仕事の全てが判るような職場がそうそうあるはずもないのに新卒のぺーぺーに「ここにいてもこの程度がせいぜい」と見切られてしまう(少なくともそう誤解させる)というのは、指導する立場にある上の人間の見せ方もちょっとよくないのかなと考えずにはいられませんよね。

例えば医療業界などでは最近は新臨床研修制度によってお客様研修なども増えてちょっと変わってきているのでしょうが、医師になって過酷な研修医生活で一日も休みなく早朝から深夜まで仕事に追われていると「こんなことが一生続くなんて到底耐えられない…」とドロップアウトしていく人々も多かったわけですが、冷静になって彼らの上司を見回してみればそうしたペースを「一生続」けている人もそう多くはないと気づいたはずなのです。
それが下っ端に仕事を押しつけているだけであれば困ったものですが、同じ仕事を要領よくこなせるようになることで時間にも余裕が生まれ新しい仕事に手を広げていく余力も出来てくれば、いつまでも「延々とリストにある画像をPCで探し、指定フォルダへ入れていくだけの作業」で終わらずとも済むようにもなるでしょう。
先輩方もただでさえ厳しい経営状況で安月給で酷使されていれば甘ったれた後輩に厳しく当たりたくもなるのでしょうが、人間関係がスムーズに回ることは良い職場の一つの条件でもあるわけですから、もう少しうまいこと新人を手懐けられるよう一工夫していただきたいですね。
しかしまあ、この調子ですと今の親世代が退場していった後に大きな社会不安が訪れるということになるかも知れず、ですかねえ…

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コメント

>まさに世に言うゆとり世代のど真ん中

現在40後半のオレら世代は、かって「新人類」とか言われてましたが…w

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年4月18日 (水) 10時01分

今時の若い者は、っていうようになるのは老化現象の始まりですからね。

投稿: 浪速の勤務医 | 2012年4月18日 (水) 10時15分

それにしても時代の移り変わりがどんどん加速していくと親と子どころか10年一昔で話が通じなくなっていくもんだな、と。
別にやめたい人はさっさとやめてくれてもいいんですが、甘ったれた彼らが単なる社会的被扶養者に転落していく将来が怖いんですよね。
ほんとうに日本ってこれからどうなってしまうんでしょうか。

投稿: ぽん太 | 2012年4月18日 (水) 11時16分

こういうの例に出してるケースがひどすぎるでしょ。
教える側も教えられる側もこんなのばっかりじゃないから。

投稿: | 2012年4月18日 (水) 19時45分

それは言わないお約束というもので…
昔から今の若い者はって台詞は定番ですから、お互いもうちょっと長い目で見てやってほしいですね。

投稿: 管理人nobu | 2012年4月19日 (木) 07時44分

>甘ったれた彼らが単なる社会的被扶養者に転落していく将来が怖いんですよね。

すでにその気満々w

「数々の特典がつく生活保護は働くより得」という若者増加中
http://www.news-postseven.com/archives/20120418_101756.html
「派遣労働の拡大や非正規雇用の増大が原因ですが、若い世代の人たちのなかに、生活保護への抵抗感が薄れていることがいちばん大きいのかもしれません。昔は生活保護を受けずに頑張りたいという気持ちがあったものですが、いまは当然の権利として主張する人が増えていますから」

 若者の間では、生活保護はネット上で「ナマポ(生保)」と呼ばれ、どうすれば申請が通るかなどの情報交換が当たり前のように行われている。

投稿: | 2012年4月19日 (木) 09時47分

生保とナマポって微妙に別物と思ってたんだがな

投稿: | 2012年4月19日 (木) 13時29分

たぶんこの記事で取り上げられているのは生保ではなくナマポでよいかと。

投稿: 管理人nobu | 2012年4月20日 (金) 10時16分

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