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2012年3月24日 (土)

世の中全て若者が悪い?

このところのマスコミお得意のフレーズに「若者の○○離れ」という言い回しがありますが、逆に「○○に妄執する老人達」なんてことは言いませんよね。
先日は若者の○走○離れが進んでいるというニュースがありましたが、これなどもそもそも今をときめく中高年者達がその全盛期を作り上げた「悪習」であって、普通に考えれば何故彼らがああまで無法行為を繰り広げたのかを検証する方が社会的にはずっと有益なはずです。

<暴走族>激減 都内ピーク80年の1/50/東京(2012年3月17日毎日新聞)

 暴走族が激減している。東京都内の場合、ピークだった1980年には5379人だったが、今年1月に警視庁が把握したのは50分の1の119人。グループ内での厳しい上下関係が若者に敬遠されるようになったことに加え、長引く不景気でオートバイの改造などにかける金が不足しているのも減少に拍車をかけたとみられる。

 警視庁は共同危険行為が道交法で禁じられた78年から、暴走行為の摘発時などに得た情報などを基に暴走族のグループ数や人数を把握している。1月時点の都内の暴走族は16グループで、80年の148グループから大きく減少。グループの規模も小さくなった

 全国的にも同様の傾向で、警察庁によると、全国の暴走族は82年の4万2510人から昨年は8509人に減った。グループ数もピーク時(02年)の1315から452に減少している。

 捜査関係者は「若者の上下関係の意識が希薄になったことに加え、パソコン、ゲームなど娯楽の多様化が背景にある」と分析する。共同危険行為の違反点数は81年に9点から15点に、02年には25点に引き上げられた。また、同年の改正で違反すれば2年間免許を取れなくなるなど厳罰化も影響しているとみられる。

 メンバーの外見も様変わりした。かつては、派手な刺しゅうを施した「特攻服」で改造バイクに乗るスタイルが一般的だったが、現在はほとんどが普段着。バイクも改造するのはマフラーなど一部だけで、捜査幹部は「バブル期に比べ、かけられる金が少なくなった」と推測する。

 警視庁が今年摘発した「城南愚連隊」も現代版暴走族。大田、品川両区を拠点としたメンバーは16、17歳の約20人。共同危険行為容疑で逮捕されたメンバーの1人は「厳しい上下関係は好きじゃない」と供述したといい、「暴走族というよりは友達の集まりに近い」(警視庁暴走族対策室)。週に3回集まり、バイクと原付きで深夜に暴走行為を繰り返していたという。

 警視庁幹部は「80年代の若者は、そろいの特攻服で社会に抵抗することへのあこがれもあったが、今は『格好悪い』と感じるようになった。今後も減り続けるのではないか」とみている。【伊澤拓也】

ま、金がないので派手なことは出来ないというのもなんとも世知辛いものですけれども、「で、だから何?」と言いたくなるニュースでもあって、そもそも何故こんな記事が出てくるのかという背景を考えずにはいられません。
自動車販売台数世界一の座を狙っていたトヨタが円高震災その他の要因から一気に三位に転落したとも言いますが、昔ながらの重厚長大型産業の象徴として自動車造りが斜陽期を迎えつつある中で、当然ながら彼らスポンサーによって活動資金を稼いできたマスコミ各社にも深刻な危機感があるようで、このところやたらと「若者の車離れ」ということを取り上げています。
先日は「震災時には車で避難すると色々と重宝だった」なんて記事も出ていまして、天下の警視庁も地震の際には「避難は徒歩で」「自動車は使わないようにしましょう」などと公式に呼びかけているというのにこんなことを言って大丈夫か?とも思うのですが、マスコミ諸社も我々こそがスポンサー様の商品を宣伝しなければ!という使命感に燃えているのでしょうし、そのやり玉に挙がるのが車を買わない若者であるというわけです。
しかし国別の自動車保有台数で見れば日本の7600万台(2006年)は人口比で見ると自動車大国アメリカやドイツなど欧州諸国に匹敵し、これら自動車普及の先進国では揃って近年自動車保有台数が頭打ちになっていることからこの辺りが自動車保有の上限なのだと考える方が妥当なのだろうし、右肩上がりの成長路線がいつまでも続くと言う前提で経営を考えるのも無茶というものでしょう。
何より車がほぼ生活必需品とされる時代にあっても年収200万未満の世帯では保有率が35%に激減すると言いますから「車離れじゃなくて単純に欲しくても買えないんだよ」というワープアな若者の嘆きが聞こえてきそうですが、先立つものの不足による消費の減退は今や車のみならず身近で安価なものにまで及んでいるようで、これまたマスコミの格好の若者叩きのネタになっているようなんですね。

昭和のサラリーマンたちは「ネクタイアル中」だったのか?(2012年3月21日J-CASTニュース)より抜粋

   週刊プレイボーイ2012.3.26号が、「若者がお酒を飲まなくなった理由」について考察している。流通ジャーナリストの金子哲雄氏は、若い男性がお酒に弱くなり、アダルトDVDやゲームで十分満足するので、女のコを誘って飲み会をしなくなったからと分析する。

   しかし、1990年代半ばをピークに、お酒の消費量が減少している理由はそれだけなのか。ネット上には、これに納得しない声があがっている。まず目につくのは「カネがないから」という意見だ。

若者のお酒離れ「対策を講じるべき問題ではない」

 人件費の総額は下がっているのに、中高年の給与が高止まりしているので、20~30代の給与が低いまま据え置かれている企業が少なくない。初任給から10年近く、ほとんど昇給しなかったと憤慨する人もいる。

    「クルマ離れに酒離れ、外食離れに旅行離れ、結婚離れ…。全部カネがないのが結論じゃん。毎度毎度いちいち考察する意味がない」

   確かに現金給与額は、1998年ころから前年比で減少傾向が明確になっており、何らかの関連性があるかもしれない。上司のサイフにも余裕がなくなり、「おごってもらう機会もない」のでは、消費量が減るのもしかたないだろう。

   そのほか、「飲酒運転の厳罰化」「肉体労働、単純労働の減少」「酒に溺れるオヤジたちを見て嫌になった」といった説をあげる人もいるが、そもそも分析して対策を講じる問題ではないという声もある。

    「酒は飲んでるよ。昔と違って浴びるように飲まなくなっただけ
    「昔のサラリーマンが異常なんだろ? いまの方がまともなんだから、酒離れという言葉自体がそもそもおかしい」

   日本生活習慣病予防協会のホームページには、経済成長や都市化の著しい国では、多くの人がストレスを感じており、「ストレスに対処するためにアルコールなどを求めている」という考察が掲載されている。アルコールの大量消費も、高度経済成長ならではの慣習であり、低成長期の日本ではストレスの対処法が変化しているのかもしれない。
(略)

週プレの元記事では飲酒に限らず若者の外食が減って飲食店も危機的状況ということで、無知な若い連中に正しい外飲みの仕方を伝授するという体になっていますが、上記J-CASTの記事にも昭和時代のサラリーマンを称して「ネクタイアル中」なんて言葉が登場しているように、そういうくだを巻く親父を見て育った世代からは「対策を講じるべき問題ではない」という声があるのも率直なところでしょう。
マスコミ的には何でも「若者の○○離れ」と若者ばかりが諸悪の根源のようにされていますが、消費しないものは悪であるという論点から見れば消費しようにも金のない若者よりも、金を持っているのに消費しない中高齢者の方がよほど悪性度が高いはずなのに、そちらはいっさい批判しないというのは彼らマスコミの主要顧客が今や極端にこれら中高年層に偏ってしまっているということと無縁ではないはずです。
しかし上にどっかりと年寄り世代が腰を据え働けど働けど給料はそっちに回ってしまう、さらには将来を見ても増え続ける年寄りの年金の面倒をみるのに自分たちの懐ばかりが期待されている、そしてそれら年寄り世代の代弁者たるマスコミには始終バッシングされる運命にあると思えば、本当に悪いのは誰なんだよとそろそろ不平不満が高まってきても不思議ではないですよね。

高度成長期からバブルを経由して散々濃い人生を送ってきた年長者の中には、今の若い世代はなんであれガツガツすることがないし生の感情も出さないから付き合いにくい、もっとはっきり主張しろと批判するような向きもありますが、それでは若者が「年寄りは老い先短いくせに金持ってるんだから財産全部税金で取ってしまえ。そのかわり若者は全部無税にしろ」なんて言い出した時に受け入れる用意があるのでしょうか?
昨今のいわゆる橋下改革程度にもあれだけお年寄りの方々からバッシングがあるのを見れば到底柔軟に聞く耳があるとは思えませんが、ここまで虐げられた若者達が本気で言いたいことを主張し始めたら一体世の中どんなことになってしまうのか、ちょっと見て見たいような気になってきました。

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コメント

けっきょくネタがないんだと思います。
テレビを見てもクイズ番組と動画紹介番組ばっかりですもん。
これで若者がくいついてくれればもうけものという感じなんでしょう。

投稿: 通りすがりのただの人 | 2012年3月24日 (土) 08時28分

不特定多数に車を売るのはもはや絶望的なんで車好きの小金持ちに複数台買って貰うよう戦略をシフトしては?
*具体的には複数台所有者は2台目以降の車の税金を大幅に免除、とか。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年3月24日 (土) 10時30分

うちの場合自分名義で三台持ってます(うち二台は家族用)。
コンパクトカーでもエアコンもオーディオも電動なんとかかんとかも全部そろっているので、特に高い車を買おうとも思いません。
まわりを見回しても買い換えサイクルが長くなってきた人が多いみたいですし、今の車で十分と感じている人が増えているんじゃないかと。
あと一家に一台のミニバンが増えているので、思いっきり個人向けに特化した小さな車や趣味性の高い車でセカンドカーを狙った方がいいのでは?

投稿: ぽん太 | 2012年3月24日 (土) 12時00分

この記事に非常に同意です。

この先、75歳以上は、資産を全額使用しなければならない、などの
法律が出来ないようにするために、
高齢者は、現状の事を真剣に考えてほしいものです。

(最近の若い人たちは、金がない中で、かなり考えて生活しているように思いますが・・・)

投稿: 重 | 2012年3月24日 (土) 18時23分

>75歳以上は、資産を全額使用しなければならない、などの法律

それなんて橋下維新のマニフェスト?w

投稿: | 2012年3月24日 (土) 19時55分

なんでご老人がお金を使わないか、というと福祉が貧困で金がないと不安でしょうがないから、なわけで…。
老人医療費がタダな頃は、うちのばーさん近所の老人会で旅行行き捲くってましたよ。

*とはいえ、これ以上老人に手厚くすると若い人暴動起こしかねんし悪循環ですなあ…。みんなビンボ臭いのがいかんのや!
*日本はビンボ臭いのであってあくまでも貧乏ではない。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年3月26日 (月) 09時54分

本当の高齢者はかろうじて昔の日本を知っている世代ですから、他人の世話になるのを遠慮しているところも多々あると思うんですよ。
問題は今の団塊世代が高齢化してきたときで、何も考えずに金を使いまくるならまだしもなんですが、俺の金は俺のものだから手をつけない、生活に必要な金は国が保証しろなんて斜め上のことを言い出さないかと心配で心配で。
また人数が多いものだから政治の行方にも影響力発揮出来そうですしねえ。

あと、とりあえず企業内でのあからさまな所得格差はモチベーションにも関わりますから早急に是正をお願いしたいです。
某業界でも現場第一線でバリバリ働いてる若手中堅の実働部隊を冷遇して、一人で仕事するのも怪しいヨレヨレのじいさまに高給支払ってるなんてケースが多々あるようですが、いつまでもそんなことじゃやってられないでしょう。

投稿: 管理人nobu | 2012年3月26日 (月) 12時02分

こういう官僚発言もあるそうで高齢者優遇が続くのも納得するようなしないような

「いきなりクラウン」ではダメ?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120321/230117/?REF=ML&rt=nocnt
 だが、私のこの記事を読んでくださる、私よりも年配の方々には、こう思う方がいることだろう。「自分にとっての『クラウン』を買った年齢より先に、息子が買うのは面白くない」と。息子や娘には幸せになって欲しい。しかし、自分の子どもたちは、自分が生きてきた時代に比べると甘やかされて生きてきたと感じている人もいるだろう。

 こうなると、世代間対立の話にもなってくる。今の若者の立場になってみると、自分たちは高齢者の年金を払い続け、高齢者が作った政府債務の尻拭いをしながら、十分な年金をもらえない可能性がある。

 将来に負担のツケを回さないためにも、年金支給額は今すぐに下げるべきだし、そもそも高齢者にも一定の負担を求める消費増税が必要なのではないか。こんな質問を厚生労働省で若手のキャリア官僚(少なくとも30代だったはず)にぶつけた時、ここでも驚くべきことを言われたことがある。

 「今の高齢者は戦争や、戦後の混乱で苦労してきた。進学したくとも、できなかった人だって多いでしょう。そんな人と比べると、私たちの世代は恵まれています。年金だってできる限り、負担すべきではないでしょうか」

 とても私と同世代とは思えないと感心したものだが、考えてみるとうなずかされる。私だって戦後の混乱期に生まれた父と比べたら、恵まれた環境で生きてきた。そして、私の小学生の娘は私よりも、もっと恵まれていると思う。娘はもっと苦労すべきだと思う自分すら、たまにいる。仮に娘が社会人となり、自分で貯金したお金で、「いきなりクラウン」のような買い物をしたら、それはおかしいことでも何でもないが、苦々しく思うことだろう。

投稿: | 2012年3月26日 (月) 15時55分

戦争や、戦後の混乱で苦労してきたのは今の、ではなく少し前の高齢者ですねw。もちろんまだご存命の方もおられるでしょうが、少なくとも今後の高齢者たる団塊連中にはまったく関係ない話です。

>年金だってできる限り、負担すべきではないでしょうか

そら厚労省の役人ならそう言うでしょうよ、自分らの利権なんですから。
*つか「出来る限り」でいいのなら、今の若い奴らはまったく負担しなくていい、つか出来ないって事ににに

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年3月26日 (月) 16時52分

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