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2012年3月19日 (月)

大分大病院で医師大量離職発生

大分合同新聞から真面目な?記事を引用させてもらうのも何か妙な気がしますが(失礼)、まずは記事から引用させていただきましょう。

呼吸器外科と乳腺外科 新患の受け入れ中止(2012年3月16日大分合同新聞)

 大分大学医学部付属病院は4月1日から、呼吸器外科と乳腺外科で新たに患者を受け入れないと15日、発表した。移籍や定年退職に伴い医師が確保できないため。同病院総務課は「現在、全国規模で医師を募集をしており、できる限り早い再開を目指したい」としている。同病院で、医師が確保できず、新患の受け入れを中止するのは初めてという。

 同課によると、両科の医師が所属する医学部総合外科学第2講座の医師10人のうち7人が3月末付で辞め、後任が確保できないため。同講座の川原克信教授は定年退職、残る6人は他の医療機関に移るという。
 新年度からは、医師が3人態勢になるため、入院患者や、継続して受診中の患者にも別の医療機関を紹介している。

 同病院は、高度医療を提供する特定機能病院。呼吸器外科は肺がんや自然気胸など、乳腺外科は乳がんなどの治療をしている。2010年度の年間外来患者は、呼吸器外科が1338人、乳腺外科が1879人。同年度の延べ入院患者は呼吸器外科が3568人、乳腺外科は1352人。

大分大病院 外科医7人が一斉退職…新規患者受け入れ中止(2012年3月16日スポニチ)

 大分大病院(古林秀則院長)で呼吸器外科と乳腺外科の担当医師計10人のうち、7人が3月末に一斉退職することが16日、分かった。担当医が不足するため、両科では新規患者の受け入れを中止し、受診中の患者には別の医療機関を紹介するとしている。

 病院によると、7人のうち、医学部の川原克信教授は3月末で定年退職。准教授ら6人は自己都合などによる退職や任期切れとなる。

 大分大の関係者によると、両科の医師は、所属する医学部の組織再編の動きや川原教授の後任が決まらないことに不信感を募らせていたという。病院は「後任の教授は4月以降に決める方針だった。後任人事が遅れるのは珍しいことではない」と説明している。

 古林院長は「関係者にはご迷惑をお掛けする。可能な限り早期の診療再開を目指す」とのコメントを発表した。

 大分大病院は大分県で高度医療を担う中核的な総合病院。病床数は約600。

昔から教授選の結果に伴い講座内部で勢力図が激変するといったことはままあったわけですが、どうも教授選に負けたとか新教授と折り合いが悪いとか言う以前に後任教授すら決まっていない段階で大量離職が発生したようですね。
当地の雰囲気はどんなものなのかと過去に大分大関連の記事をざっと調べてみましたら、職員(うち9割は医師)に超過勤務手当を支払っていなかったなんて話を当「ぐり研」でも取り上げていたくらいで元々組織への忠誠心は低かったのでしょうが、どうも報道から判断するところでは外科部門の再編をするのしないのという話が最も大きな要因であったようです。
内部の状況を知らないので全くの推測ですが、どこの大学でも昔ながらの講座割りが残っていて現状に即していないから再編すべきではないかという声はありますけれども、当然ながら講座を統合したりすれば教授以下のポストの数が変動してくるわけですから、現にポストに就いている人にしろ今後ポストを狙おうという人にしろ現状より狭き門になるのは歓迎できないのも当然ですよね。
そうしたトラブルを少しでも減らすために教授などの退官に伴い空いたポストを敢えてそのままにして統合してしまうという技も時折使われるようですが、現に教授の後任人事が遅れていることをそうした話と絡めて危機感を募らせていた先生方がそれだけ多かったということなのでしょうか。

こうした人事も絡んでのトラブルは別に大学だけに限った話ではなく、例えば市中病院にあっても組織を再編するだとか統廃合するに当たってポストも整理されるのは当たり前にあることで、特に公立病院ではポストの定数が決まっていますから、それまで部長と呼ばれていた人が医長に格下げされてしまったなんてことは実際にままあります。
それが原因でやってられないと辞めてしまう先生も当然ながらいらっしゃるわけですが、逆に言えば病院側としてもこの先生には絶対に抜けられては困るという相手にはそれなりに配慮をするでしょうから、病院側の評価をはっきりと突きつけられる側にしてみれば「ここに残っていても先はない」と悟らざるを得ないのも確かでしょう。
もちろん一般企業においてこんな話は当たり前にあることですから、いちいちそんなことで大騒ぎしているとはナイーブすぎると言われるのも当然なのですが、上の誰かが消えれば幾らでも下から抜擢も出来るピラミッド構造になっている一般企業と違って、医療の世界ではごく少人数で業務を回している医師という司令塔役が消えてしまうと看護師や事務から昇格させようというわけにもいかないという違いがありますよね。
大学側にしてもまさかここまで大量離職者が出るとは思っていなかったのでしょうが、それにしても今どきどこの医局もギリギリの人数でやっているだけにもう少し慎重に気を使って話を進めるべきだったのかなとも思いますし、また一昔前であったならこういう一発で診療崩壊してしまうような集団離職は医師の側でも躊躇してしまったでしょうから、それだけ時代が変わったということなのでしょうか。

今回の件に限らず近年どこの病院でも何かあれば「○○科の医師が集団離職!」と連れだって一気に消えていくケースが非常に目立つようになりましたが、医局人事が強かった時代であればまあ多少のことは我慢しようかと自制も働いていたのでしょうが、今どきでは我慢しても何もいいことがない上に、さっさと辞めてもっと好条件の仕事場に移った方がよほど幸せになれると知れ渡ってきた感があります。
大学病院などはそれでも大学でしか出来ないことをやりたい先生方にとっては嫌だろうが不満があろうが残らざるを得なかった事情も残っていましたが、大分あたりの地方大学では本当にここでしか出来ないということはそうそうやっていないということだったのかも知れず(失礼)、研究費も多く使え患者も集まる旧帝あたりと比べるとまだしも心理的ハードルは低かったのでしょうね。
まあしかし、労働環境という面から考えると大分のみならず大学病院というところはろくでもないところなのは確かで、理由はどうあれこうした集団離職によって後任集めのためにはそれなりの好条件も提示しなければならないだろうとも想像してみると、長い目で見れば職場環境を改善しスタッフの士気を向上させ、患者さんにとっても良い病院になっていくための一つの契機になるのかも知れませんがね。

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コメント

しかし、これで問題なく外科の統合が出来ますね。

投稿: 浪速の勤務医 | 2012年3月19日 (月) 09時44分

今どき解剖学が細かく分けられていたり、時代を反映していない縦割りも結構ありますからね。
統合しなければやっていけないのだからこのさいさっさと統合すべきでしょう。

投稿: ぽん太 | 2012年3月19日 (月) 12時11分

詳細がわからないのでこれ以上なんとも言いようがないのですが、結果としてこうなった以上はこのまま統合なりも推進してしまった方がいいかなとは思います。

投稿: 管理人nobu | 2012年3月19日 (月) 12時58分

以前よりもアカデミックポジションに魅力を感じる医師が減ってきているというのもひとつありそうです。
当大学の整形外科も、大学でしかできない治療はほとんどないことから、どんどん民間病院へ出て行っています。
結果、新入局員が入っても全体としてトントンかマイナス。マンパワーは右肩下がりです。地方で医長を任せられる人材がかなり不足しています。それでもメジャー外科はまだ支配力が強いようですが

投稿: はまぐり | 2012年3月20日 (火) 16時35分

大学なんて忠誠心を期待できる組織じゃないし、メリットが感じられないのに残る人も多くはないはず
ポスト欲しさに失ったものが多すぎることにいまさら気がついただけでしょう
表には出てこなくても内部が崩壊してる医局なんてまだまだありますよ

投稿: | 2012年3月20日 (火) 17時29分

お願いがあります。
私はとある年の春に大分大学医学部附属病院に看護師として再就職しました。
しかし二ヶ月後、重度うつ病になり三ヶ月の休職後辞職しました。

原因は超過勤務と三人の看護師から受けたイジメです。看護部長からは大津のイジメと同じ家庭環境が原因といわれ謝罪や補償もないまま事実上の解雇。
いまだ精神科に通い自立支援制度で公費負担をしてもらってます。
看護師として働きたい。のに働けなくなった。
この事実を世間に知らせてほしいです。
どうかお願いします

投稿: 夕日奏 | 2013年1月 9日 (水) 21時45分

大学病院てw
んなもんに関わった時点でオ㍗ル

投稿: | 2013年1月 9日 (水) 23時11分

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