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2012年3月

2012年3月31日 (土)

自業自得と言えばそうなんですが…

ブログやSNSの類が極めて効率のいい「馬鹿発見器」であると言われて久しいですが、先日もお隣韓国から「余計なことを言わなきゃ良かったのに…」と思うような事例を紹介したばかりです。
もちろんこうしたことで炎上してしまうタイプの方々は実生活でも相応に突っ込みどころがあるのでしょうが、どうも理解しがたいのはその突っ込みどころ満載な日常をわざわざ公表しようと考えるに至る経緯ですよね。
先日兵庫で起こった事件などもおそらく日常生活の中で似たようなケースはかなり多いのではないかと思いますが、わざわざ自慢げに表に出すからこそ事件になってしまったのだと言えそうです。

「川に落としたろか」自転車の中学生脅す動画/兵庫(2012年3月23日読売新聞)

 自転車の男子中学生を乗用車で追い回し、脅すなどしたとして、兵庫県警姫路署が、同県姫路市内の40歳代の会社員の男を脅迫や軽犯罪法違反(つきまとい行為等の禁止)などの容疑で捜査していることが捜査関係者への取材でわかった。

 男が車載カメラで撮影した映像をインターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開したことで発覚。中学生が被害届を出す意思がないため、同署は男に誓約書を書かせた上で、口頭注意にとどめるという。

 捜査関係者によると、男は昨年7月頃、姫路市内で乗用車を運転中、自転車の男子中学生と衝突しそうになり立腹。中学生を車で追い掛けたり車を降りて「川に落としたろか」とどなりつけたりしたとされる。

  男が投稿した動画にはどなり声が収録されており、動画を閲覧した人から県警などに「逮捕すべきだ」などと通報が相次いでいた

40歳代男性が中学生を脅す動画、軽犯罪法違反容疑で捜査…兵庫県(2012年3月24日スポーツ報知)

 兵庫県警姫路署が、自転車に乗る男子中学生を乗用車で追いかけ、どなりつけて脅したとして、姫路市内の40歳代の男性会社員を脅迫や軽犯罪法違反(つきまとい行為等の禁止)などの容疑で捜査していることが23日、明らかになった。男性が車載カメラで撮影した映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開したことがきっかけとなった。

 姫路署によると、男性は昨年7月ごろに姫路市内で運転中、自転車の中学生と衝突しそうになり立腹。中学生を車で追いかけたり、「指落としたろか」「川に落としたろか」と罵声を浴びせたとされる。男性が投稿した動画を閲覧した人から同署などに「危険だ」「逮捕すべき」など複数の通報があった。

 動画は「当たり屋中学生」のタイトルで、男性が「お前、何しとんや。危ないやろ、ボケ!」などと中学生にわめき立てている。動画はすでに削除されたが、複製の動画などから男を割り出した。

 姫路署では、中学生に事情を聞いたが「全然平気やった。こんなやつ怖くないわ」と平然としていたそうで、被害届も出さない意向。脅迫容疑などでの立件は断念したが、同署は「今後、暴行や傷害といったことにもつながりかねない」として、男性には口頭で注意するという。

経緯は記事にあるとおりで、さすがに炎上して思うところがあったということなのか、元動画の方はさっさと削除されてしまったということですが、もちろん今の時代ですからあちらこちらでミラーが立ち上げられ拡散されてしまっているのは言うまでもありません。
関西圏ですから言葉面から受ける印象ほど強い罵倒ではなかったという可能性もないではないにせよ、動画からも明らかになる通りやっていることはまさに危険な運転としか言いようがないもので、それをわざわざ動画にしてアップするというくらいですから本人にとっては社会正義は自分にありと言う心境だったのでしょうか?
どちらが良い悪いは別として、一般的に自転車という防御力の弱い乗り物に乗る以上は安全面からすると引くべきところは引いた方がいいだろうとも思うのですが、中学生ながらコメントを聞く限りでは平然としたものですから「さすが関西の厨房」「この程度のトラブルはいつものこと」なんて声もあるようですね。
いずれにしても例によってネット上で検証が進んでいくと思いがけないところまで明らかになってしまうというのも今やお約束ですが、どうも様々な意味で「常習者」だったらしいということまで明らかになってしまうのですから怖いものです。

生徒を執拗に車で追い回し恫喝する動画、当たり屋の仕業か(2012年3月15日探偵ファイル)

悪質な動画をYouTubeにアップロードした男性が話題になっている。

前方から男子生徒が自転車で走ってきて、道を曲がろうとする。男性も同じ道へ曲がると、後方からクラクションを鳴らして叫んだ。生徒を追い越すと車を停めて下り、生徒を恫喝。その場面は映っていないが、声はしっかり録音されていた。再び車に乗ると、「指、落としたろか」などと述べている。

その後、方向を転換して走り始めると、前方に先程の生徒の姿が。追跡して狭い道に入ると、前を走る生徒に急接近。追い越したところで車を停めて下り、再び恫喝を始めた。音声は明瞭ではないが、延々と恫喝する様子が記録されている

この動画が注目されると、各種の検証が行われた。動画の場所が特定され、移動距離と時間が計算された。その結果、相当のスピード違反となる暴走運転だったのではないかと言われている。また、最初に彼が生徒と遭遇した際、接触事故に至る可能性は低く、生徒には不備がないという意見もある。

男性は、「yasumotokirai」というHNを使用していた。彼が投稿した他の動画を見ると、危険な運転をする車に罵声を浴びせたり、自分を追い越した車を執拗に追跡したりしている

男性によるコメントも話題になった。「喧嘩やろ!人と人じゃん、相手の記憶無くなるまで、頭つぶせばいいじゃん、それが喧嘩でしょ」という。「今の車もガタがきたし そろそろやりますか」と、当たり屋の手口を公開したコメントもあった。1週間の入院、1ケ月の欠勤、1ケ月の通院で100万円を手に入れ、休業補償も出たそうだ。

3月14日、兵庫県警察本部の生活安全企画課に連絡を取った。担当者によると、本件については知らなかったという。騒動の経緯や動画のURL等を尋ねられたので、関連情報を提供した。同課では、これから詳細を確認するとのことだった。

しかしまあ、どう見ても反社会的としか言いようのない過去の悪行の数々までも自ら晒してしまうのですから、これがネットの魔力というものなんですかねぇ…
今回の事件は結局立件などは行われなかったということですが、犯罪に対して刑法の存在が抑止力になるのだとすれば、こうした反社会的行為に対する抑止力として肯定的に評価すべきという声もある一方で、やはり行きすぎるとプライバシーも何もあったものじゃない、怖いと感じるのも率直なところでしょう。
本人も常習的に自らのDQN行為(と言ってもいいはずですよね)を公開していた事に関してどの程度の考えがあったのかは判りませんが、あっという間にこれだけのことが判ってしまう時代であるということを知った上でそれでもやっていたのかどうかで、何をするにもまず今の世の中はこうなんだと承知しておかなければもはや現代社会では生きてもいけなくなっていることを実感しますね。
今回の炎上は一社会人としては今後の人生の教訓とするにはあまりに強烈すぎたということなのでしょうか、残念ながらこうした結果になってしまったというのですから誰にとっても救われない話で、一時の浅慮に基づく行為は結局誰も幸せにはしないということを我々一人一人が改めて噛みしめる必要があります。

中学生追い回す動画投稿の男性が自殺(2012年3月27日YTV)

兵庫県姫路市で自転車の中学生を車で追い回す動画をインターネット上に投稿していた男性が、鳥取県内で死亡しているのが見つかりました。男性は自殺したものとみられています。

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2012年3月30日 (金)

4月1日から病院にMRが来なくなる?

すでにかなり以前から決まっていたことですが、製薬会社各社で構成される医薬品公取協によってこの四月から製薬会社による接待が規制強化され、上限金額も厳しくなることに加えてゴルフやカラオケ、観劇やスポーツ観戦、2次会の費用を出すことも禁止といった扱いになってきます。
こちらなどは元記事を参照していただければ各種データも取りそろえてあってなかなか興味深い仕事だと思いますが、やはり若手医師ほど「情報はMR以外でも得られる。MRは不要」と考えている人が多いというのはもっともなことだという気がしますね。

ケアネット、医師3,000人に調査 医師の7割以上、接待見直し以降も「MRとの面会頻度は変わらない」と予想 (2012年3月28日朝日新聞)
より抜粋

 医師・医療従事者向け情報サービスサイトを運営する株式会社ケアネット(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大野 元泰、証券コード:2150)は2012年3月20日~21日、当社医師会員3,000人に対し、製薬企業の「接待見直し」によるMR(医薬情報担当者)との関係性に関する調査を実施しました。

 本調査は、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会による公正競争規約の新運用基準により、いわゆる「接待」(懇親のみを目的とした飲食等)を認めなくなることを受け、新基準実施の4月以降MRとの面会頻度はどうなると予想するかを尋ねたものです。
 その結果、勤務施設によらず医師の7割以上が『特に変わらない』と回答した一方で、若手医師ほど『MRとの面会頻度は減る』と予想していることが明らかになりました。以下、詳細を報告いたします。

【結果概要】

◆医師の7割以上は4月以降も「面会頻度は変わらない」
 全体の77%が『特に変わらない』と回答。新基準と関係なく、以前から公務員規定により制限されている国公立病院勤務医の場合は81.9%に上る。診療所医師で79.7%、国公立以外の病院でも73.0%であり、4月以降も“接待”の有無に左右されないと考えている医師が大半を占める結果となった。

◆「情報はMR以外でも得られる」医師、若手ほど顕著に
 一方『全般的に減る』とした医師からは、「勉強は自分でできる」「今やネットで事足りる、MRは不要」といったコメントが多く見られた。そうした傾向は若手ほど顕著であり、30代医師で18.6%、20代で24.2%が『減る』と回答。若い頃から機会の多かった50代以上からは「接待は本質的には不要だが、MRとの接触は新しい医療・医学知識の供給源として貴重な機会」といった意見も寄せられた。

◆「情報提供能力の高いMRが減った」「プロらしく、正しい情報を提供することに期待」
 4月以降、MRに期待することとして、『先生の専門領域の学術知識』(62.2%)『エビデンス・医学論文の提供』(51.0%)が挙げられた。「本来の役割である情報提供が十分できないMRが大多数の中、接待のみ制限しているのが問題」「医師の質問にその場で適切に答えられる知識を持ってほしい」などの声が多く寄せられた。一方、全体の13.5%が『特に期待していない』と回答。
(略)

ま、MRと言っても様々な人がいるものでしょうし、ただ医師の行く手を遮るように「当社の○○をよろしくお願いします!お願いします!」と連呼するだけの輩などは真っ先に消えてもらっても何ら困らないという気がしますが、ネットで見ていても「どうせMRなんてウザいだけ」という人もいれば「勉強会に弁当も持ってこないなんてMRじゃない。うちは出入り禁止にした」なんて人もいて、受け取り方から過去の付き合い方も伺える気がします。
風の噂によれば四月になっても接待を入れている会社もあるとかないとかで、どういう仕組みでやっているのか様々な憶測もささやかれているようですけれども、いずれにしてもこの規制強化が医師とMRとの関係にどう影響するかは今後を見ていかなければ判らないでしょうね。

さて、今回の規制強化に関して表向きは接待によって製薬会社と医療との癒着を防ぐといった理由が掲げられていて、もちろんそれはそれで重要なことなのでしょうが、業界の自主的規制のような形でこうした話が出てきたというのも気になるところで、ご存知のように日本の薬科は英仏の二倍と高く、これが医療財政を圧迫しているとかねて批判され、一方で医療財政が緊縮続き病院経営が悪化する中で製薬会社の一人勝ちだとも言われてきたわけですね。
そうした批判も受ける形でこのところ診療報酬全体は横ばいでも薬価は引き下げ、その分を医療に回すという形での診療報酬が行われていますから、製薬会社にしてもこれからは利益確保が課題になってきていることは想像出来ますし、一部では「これをいい口実に高給取りのMRを整理する動きも出てくるのでは」なんて声もあります。
ただ一方でこれまた医療費削減を求める近年の流れを受けて決定されたことですけれども、製薬に関わる大きな変化と言うことでこの四月から処方箋を商品名ではなく一般名で記載すれば加算の点数が始まるということが決まっていて、こちらの方がより大きな影響があるんじゃないかと言われているようですね。

「一般名処方」に期待 県内後発薬業界/富山(2012年03月16日北日本新聞)

 ジェネリック(後発)医薬品の普及が伸び悩む中、4月から薬の一般名(成分名)処方を推進する利用促進策が、関係者の期待を集めている。県内の後発薬シェアは23・7%で全国平均を0・9ポイント上回るが、国の「2012年度末に30%」という目標達成は厳しい。15日に県民会館で開かれた県ジェネリック医薬品使用促進協議会(会長・泉良平県公的病院長協議会長)では医師らから「一般名処方は切り札になる」との声が上がった。 (経済部・荒木佑子)

 県の医療費は約3024億円(08年度)で、過去15年間で約468億円増加。高齢化の進展に伴い増え続けると予想され、価格の安い後発薬が注目されている。

■市場の伸び鈍化
 県は、国が後発薬の利用促進アクションプログラムを策定した07年より以前の04年度から、医薬品産業の活性化を目指して利用促進研究会を立ち上げ普及に努めた。そのため数量シェアは全国平均を上回り、保険薬局での後発薬の数量割合は10年度で25・2%と全国6位となった。

 ただ、後発薬市場の拡大は鈍化している。ネックは、医療関係者や消費者の間で後発薬の品質への不安感が残ることだ。

 医療関係者や消費者団体の代表者らが出席した15日の協議会では、消費者に「先発薬と使用感が違う」「安いので品質が不安」などの声があることが紹介されたほか、「先発薬との薬効の同等性を目に見えるよう広報してほしい」との意見が出た。

 薬局や薬品卸では後発薬の在庫が年々増え、負担が深刻化している現状の報告もあった。

■点数を加算
 そこで、期待されるのが4月に行われる2年に1度の診療報酬・調剤報酬改定。特に、医師が薬の銘柄名でなく一般名(成分名)で処方した場合に点数を加算する使用促進策が注目されている。一般名処方であれば、薬局は有効成分が同一ならどの後発薬でも調剤が可能になる。

 泉会長は「一般名処方は、後発薬の使用を進める大きな切り札になる」とし、西尾公秀県薬剤師会副会長と中田佳男県医薬品卸業協同組合理事長は「在庫負担軽減につながる可能性がある」との見方を示した。
(略)

 ◆一般名処方◆
 製薬会社が名付けた商品名でなく、医薬品の有効成分の名前で処方すること。後発薬の普及が進む欧米では後発薬を一般名(ジェネリックネーム)で処方することが多く、日本では後発薬を「ジェネリック」と呼ぶようになった。  

薬の一般名処方 医師の4割が消極的(2012年1月24日産経ニュース)

 医療費抑制と患者の負担軽減から国が進める後発(ジェネリック)医薬品の使用促進のため、個々の商品名ではなく、一般名で処方するよう求める動きが広がっている。しかし、約4割の医師がこうした動きに消極的であることが、医療従事者向け情報サイト運営のケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。

 例えば、胃酸の分泌を抑える働きがあり、胃炎や胃潰瘍の治療に用いられる「ガスター錠」は先発薬の商品名で、一般名はファモチジン。一般名は国家試験や学術論文では使用されている。

 これに対し、同社が昨年12月に会員医師1千人に行った調査では、現在一般名による処方を「行っている」「一部行っている」医師は計17%。残り83%のうち、半数は「今後も行いたくない」と回答した。「処方の最終責任は医師にあり、一般名で処方し、実際にどの薬が患者に処方されたか医師自身に不明ならしたくない」「覚えにくく、ミスにつながる」などの声が寄せられた。

 同社は「後発医薬品への信頼感に差があるほか、一般名を新たに覚え直す余裕がない医師が多いのではないか」と分析している。

要するに医師が薬の名前を指定しないようになれば自然に安い薬が売れていくようになるという考え方なんですが、何しろ経営も厳しい折ですでに病院の方針として一般名処方でいくと決まった施設も多いでしょうから、四月からは処方のあり方というものがかなり大きく変わってきそうな勢いです。
医師の側からの受け取り方はこれまた様々で、特にゾロ(ジェネリック)を強要されることの是非よりもいちいち一般名を覚え直し処方を書き換える面倒くささを嘆く声が大きく「何とかならないか」と情報交換しているようですが、製薬会社にすれば医師の処方が特定の製品と結びつかないのであれば、少なくとも後発品が出ているような商品に関しては今までのような売り込み方は難しくなってくるだろうとは想像出来ます。
となるとどうやって販促活動を行っていくかですが、一方では業界自主規制を楯に?これからは医師に対する接待費という支出が大きく減じてお金が浮くことになる、そして他方では今後はどの会社の薬を出すかをいわば薬局が決めることになるわけですから、それじゃ医師よりも薬局の方にアプローチを移していった方が効果的じゃないかという判断も出てくるかも知れませんよね。
薬局にしても現在は各社から出ている様々なゾロを取りそろえて「どれにされますか?」と患者に選ばせているわけですが、当然ながら前述の記事のように在庫がかさんで仕方がないのは当然で、特にあまり数の出ない薬では消費期限切れで廃棄されるデッドストックも増えようというものですから、顧客が特定の製品を選んでくれることになってくれた方が都合はいいわけです。
先発品主体のメーカーは情報提供などの仕事も重要で医師とのつながりも篤いですから、さすがにいきなり大胆な方針転換は難しいだろうと思いますけれども、とりあえず売れて儲かればいいと考えているのか「儲からない薬はすぐに製造中止になる」「問い合わせにろくに答えもない」と評判の悪い一部ゾロメーカーなどはどうなのかなと、これまた行方が気になる話です。

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2012年3月29日 (木)

4月1日は四月馬鹿の日と言われます

3月22日に立候補が締め切られた日医会長選は、現職の原中氏ら三氏による争いが投開票日の4月1日まで続くことになりますが、やはり前回選挙で争点となった民主党政権との距離感が今回も争点の一つになりそうですよね。
特に現職の原中氏は民主党、中でも小沢氏とのパイプを強調して会長に立った印象がありますが、逆に言えば小沢氏と距離を置き始めた現在の政権とはそりが合わない中でどういう態度を示すのか、そして当然ながら自民党支持派にしてみれば原中陣営攻撃の最大のポイントとなりそうなだけに、時期総選挙への協力体制も絡んで注目を集めているようです。

原中、横倉、森各氏が所信表明-日医会長選、東京で立会演説会(2012年3月21日CBニュース)

 4月1日投開票の日本医師会(日医)会長選に立候補している現会長の原中勝征氏、副会長の横倉義武氏、森洋一京都府医師会長の3候補は20日、東京都内で開かれた立会演説会で、そろって所信を表明した。この日の立会演説会は、関東甲信越医師会連合会が開催した。

 くじ引きで最初に登壇した原中氏は、2010年4月に就任して以来、現執行部を率いてきた実績を強調。受診時定額負担制度の導入阻止や、診療報酬のプラス改定を実現したことなどを挙げ、続投への支持を訴えた。続いて所信を述べた横倉氏は、政府の打ち出す医療政策が、地域医療を崩壊させる恐れがあると指摘。自身がトップになり、日医の発信力強化などを通じて、地域医療を守ると訴えた。最後の森氏は、立候補に当たり発表したマニフェスト「7つの目標」を説明。政府の医療政策の方向が、「在宅医療」にシフトする中で、有床診療所の機能の適切な評価などに取り組むと約束した。

 立会演説会の後、3候補は記者会見に臨んだ。会見では、日医に勤務医をどのように取り込んでいくのかとの質問が出た。これに対し、横倉氏は「同じ地域で医療を行う医師は、みんな医師会員であるのが望ましい」として、入会しやすい仕組みが必要だと指摘した。森氏は「地域医療で開業医と連携している、それぞれの勤務医に、医師会に対する興味を持ってもらい、一緒に何かをやって行く方向性を、日医として手伝っていきたい」と述べた。原中氏は「医師会は、卒業した後の『医局』だと言っている。いかにいい医療を提供するのか、医療・介護は、どう連携していくかなどを話し合う場にしたい」との考えを示した。

医師会の自民支持派 野田政権への不満利用し会長職奪還画策(2012年3月28日NEWSポストセブン)

 消費税増税を打ち出した野田政権だが、発足当時に比べ支持率も下がり、いよいよ先行きが大きく陰り始めた。
(略)
 野田政権の自壊現象を象徴するのが4月1日に行なわれる日本医師会(日医1 件)の会長選挙だ。

 医師会といえば「往診カバン1つに200票入っている」といわれる大票田で、自民党最大のスポンサーだったが、前回総選挙では茨城県医師会の1000人以上が自民党を集団離党したのを皮切りに各地の医師会が造反し、「医療の再生」を掲げた民主党支持に回った。その結果、政権交代後の2010年4月の日医会長選挙では小沢氏に近い茨城県医師会会長の原中勝征氏が当選した。

 本誌が入手した日医の政治団体「日本医師連盟」の内部資料によると、政権交代で自民党への政治資金の流れも大きく変わったことがわかる。政権交代前の2008年度は同連盟から自民党(党本部と議員)に5億8170万円献金され、日医の政治資金はほぼ丸ごと自民党に注がれていた。

 それが政権交代後の2010年度3000万円、2011年度はわずか1300万円まで激減し、自民党は有力な資金源を失った。一方の民主党向け献金は政権交代前(2008年度)の500万円から、2011年度は4650万円と民自逆転している。

 野田政権は国民に増税してまで「社会保障にカネを回す」と説明しているのだから、その通りなら医療関係団体は歓迎するはずだが、状況はまるで違う

 日本医師会の代議員の言い方は露骨だ。

「民主党は2期連続で診療報酬を引き上げたものの、中身は開業医ではなく、勤務医に手厚くした。消費税増税でも、医療機関が医薬品や機材を購入する際には消費税がかかるのに、医療費は非課税になっているから患者からは消費税を徴収できない。そのため医療機関は損税が生じている。一体改革で税制の不備の抜本的解決を求めたが、野田政権は財務省のいいなりだからやろうとしない。この政権に改革など期待できない」

 医師会からも野田政権の一体改革はしょせん社会保障制度の安定にはつながらず、増税の口実だと見透かされていて支持をつなぎ止めることができない。

 そうした医師会内部の野田政権への不満の高まりを好機とみた自民党支持派が原中会長の対抗馬として古賀誠・自民党元幹事長の後援会長を務める横倉義武・日医副会長を擁立し、巨額の政治資金の配分権を握る会長ポストを何が何でも奪い返しに動いている。

 日医の会長選挙は三師会と呼ばれる日本歯科医師会、日本看護協会の政治姿勢にも大きな影響を与え、民主党派が敗れれば他の団体の雪崩現象につながるのは確実だ。

まあ卒業後の医局論も結構なんですが、今どき所属するメンバーに何らのメリットもない医局など、あっさり見放されて崩壊するのが当たり前という時代ですからねえ…
ちなみに一部報道では大票田の東京、愛知、大阪の医師会が横倉氏支持を表明したという話も出ていて、特に今回から規約が改正され各候補とも過半数に達しない場合は決選投票になったことから共倒れを期待するわけにもいかない原中氏には逆風という状況ですけれども、しかし各候補のコメントなどを見ていてもやはり違和感を感じてしまいますね。
相変わらず「全ての医師は医師会へ」と自らの権力基盤の安定化にしか興味がない、そして開業医の利害関係にしか眼中にないかのようなコメントが並んでいるのが目につきますが、これでは近年崩壊が叫ばれ社会的に対策を急がれてきた勤務医対策を抜きにして未だに開業医の代弁者に徹していると受け取られてしまいそうです。
特に日医会長選の場合は直接投票ではなく、地区医師会の会員数に応じて割り振られる代議員による投票という特殊なスタイルになっていますが、この代議員というものがそもそも地区医師会の顔役である暇を持て余したような老人達によって独占されているのですから、会長選の行方にもバイアスがかかるというレベルではないですよね。
当然ながらこうしたシステムではいつまでたっても開業医の利権団体という地位を脱却できないという声は日医内部にもあって、すでに数の上では半数を占めるに至った勤務医の意志が全く反映されていないと改善を求められているところなのですが、当然のように実現の見通しは全く立っていません。

「日医の理事に“勤務医枠”の創設を」、勤務医委員会が要望(2012年3月7日日経メディカル)

 日本医師会は3月7日、定例記者会見を開き、理事に勤務医枠を創設するよう求める要望書を、日医の勤務医委員会が会長の原中勝征氏に提出したことを明らかにした。理事の勤務医枠の創設により日医への勤務医の参加を促し、組織基盤を強固にするのが狙い。ただし、現時点で“勤務医枠”の人数は未定で、今後、役員会で検討するとしている。

 同委員会は2010年7月、原中氏から「すべての医師の協働に果たす勤務医の役割」について諮問を受け、1年半以上にわたって検討。その結果、医師会活動に勤務医がより積極的・主体的に参加することが協働のために重要として、委員の意見が一致。参加を促すためには、勤務医の視点から医師会活動への提言を行えるよう理事に“勤務医枠”を創設することが必要と結論づけた。

 日医の会員数は2011年8月現在約16万6000人で、そのうち勤務医は7万8000人と、全体の約47%を占めている。一方、日医の理事の定数は13名で、過去に勤務医が副会長などの役職を務めたことはあるが、現執行部では1人もいない

ま、この種の「検討します」が得てして有耶無耶のままになってしまうこともしばしばあるわけですし、前述の各候補のコメントを見ても勤務医を取り込むことには熱心でも勤務医に権力を与えることには冷淡に見えますから、いずれの候補が勝ったとしてもせいぜい名目的に少数の勤務医理事を入れてお茶を濁すという結果に終わりそうな気がします。
そもそも数から言えば医師のうちで4割ほどでしかない開業医が役職を独占している団体を全医師の代表であるかのように強弁するのも無理があるというものですが、そうした日医であるからこそ勤務医にとっては全く魅力がない団体に留まっているのか、あるいは日医と見解を異にする多くの勤務医が距離を置いているからこそ日医がいつまでも旧態依然としたままなのか、様々な見方があると思います。
日医の側では「不満があるからこそ是非中に加わって意見を言っていただきたい」と言っているようですが、参加したところで義務はあっても権利はなく、単に日医の発言力を確保するための数合わせに利用されるだけに終わらないという保証の意味でも、まずは現在の差別的な体制を自ら改めていくという姿勢を示すことが必要でしょうね。
会長選の行方がどうなるかは日医内部の派閥にとっては重要でしょうが、日医に所属しない開業医も含めて圧倒的大多数の国民の目からすれば、何より日医自体の行方がどうなるかの方がはるかに重要だということです。

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2012年3月28日 (水)

医系国家資格職に関わる最近の話題

年度末と言えば各種試験の結果が気になる時期ですが、今年の医師国家試験の合格率は三年ぶりに9割を超えたそうで、近年はひと頃と比べると比較的高い合格率で推移しているのは学生達が頑張っているからなのか、それとも合否判定の基準に関して何らかの思惑があるのか、年々低下傾向が顕著になってきた歯科医師国家試験合格率と対照的ではありますよね。
いずれにしても医学部定員増と相まって医師数は着実に増加傾向を示しているとは言えそうですが、そんな中で先日は厚労省のワーキンググループでこんな発言が出ていたことが注目されます。

臨床実習充実に「医師国試の見直し必要」-厚労省WGで相次ぐ(2012年3月16日CBニュース)より抜粋

厚生労働省の「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」(座長=堀田知光・国立病院機構名古屋医療センター院長)は14日、医学教育の現状について文部科学省高等教育局医学教育課の村田善則課長から説明を受けた。村田課長は、見学や模擬診療にとどまらない診療参加型の臨床実習の充実が「大きなテーマ」だとした上で、臨床実習の成果を測るよう医師国家試験の改善を厚労省に要望。委員からも、国家試験の在り方を見直すべきだとの意見が相次いだ

村田課長が示したデータによると、診療実習の実施週数(1週35時間で計算)は、過半数の大学で50週に満たず、欧米に比べて少ない。文科省では、診療参加型臨床実習を充実させるため、優れた取り組みを行う大学を支援する事業を2012年度予算案に盛り込んでおり、村田課長は国家試験について、「臨床実習の成果を測る方向により重点を置いていただきたい」と訴えた。
これを受け、委員からも「国家試験の問題数が多く、(臨床実習よりも)試験対策に時間が割かざるを得ない」(大滝純司・北大教授)など、見直しを求める声が相次いだ。
(略)

かねて医師国家試験は座学的知識に偏っているとか批判は出ていましたが、入試から学内での進級試験まで徐々に総合的な選抜方法に変わっていっていることに加えて教育内容自体も年々高度化、過密化してきた結果、かつてのように「どうせ卒業したら一生馬車馬暮らしなんだから、学生のうちは遊んでおけ」なんてことが通用しなくなったという声もありますよね。
もともと医師国家試験においては現役に比べて浪人組の合格率が極端に低いことは知られていましたが、度重なる内容の変化でますます浪人組にはハードルが高くなるでしょうし、現役組も医学部に入れば医師になれるという時代ではなくなって、いずれはある程度医師数が充足してくる時期を見計らって有り余る医学部定員の中から優秀な上澄みだけを合格させていく歯科医師方式へと移行していくことになるのでしょうか。
ただ臨床実習重視の方針に関しては医師免許も持っていない医学生にどれだけのことが出来るのかという疑問の声はかねて出ているところで、すでに一部の大学で学内資格として導入しているように実習に参加する資格を何らかのライセンスという形で公認するべきではないかという提案も日医などから出ていますよね。
国試対策についてはしょせん9割が合格する国試などに入念な対策が必要なようではどうせろくな医者にはなれないという声もあれば、いくら試験を厳しくしても実際の臨床の場に出て責任を持って手を動かしてみなければ医療の実際は判らないという声もありますが、あまり極端な教育内容の変更は世代間ギャップとなって原則マンツーマンに近い卒後教育に支障を来すかも知れない危惧は感じます。

さて、医師と同様かねてその不足が言われているのが看護師ですが、こちらは以前から言われているEPA組からの合格者が徐々に増え始めてきているようです。

看護師国家試験:EPA看護師47人合格 前年比3倍、受験者の11%止まり(2012年3月27日毎日新聞)

 厚生労働省は26日、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンから受け入れた看護師候補者47人が国家試験に合格したと発表した。昨年の16人に比べ31人増えたものの、言葉の難しさなどから合格率は11・3%と日本人を含む全体の平均(90・1%)を大きく下回った

 EPAに基づく受け入れは08年に始まった。本国で看護師資格を持つインドネシア人とフィリピン人が計572人来日し、病院で看護補助業務をしながら試験勉強しているが、1回目の09年は合格者ゼロ、10年が3人(1%)、11年が16人(4%)と合格率は低迷している。

 候補者は3年の滞在期間中に合格しないと帰国しなければならないが、政府は昨年、08~09年に来日した候補者には試験で一定の点数を得たことなどを条件に滞在期間の1年延長を認めた。昨年の試験から難しい漢字にふりがなを振り、来年からは試験時間を延長することも決めたが、既に合格をあきらめ約120人が帰国している。

 ◇4年越し桜咲く

 「うれしくて、言葉が出なかった」。横浜市港北区の菊名記念病院で働くインドネシア人のダマヤンティ・デシィさん(29)は、看護部長の高橋由美子さん(51)から合格を知らされ、涙を流して喜んだ。08年に第1陣で来日したが、3年の滞在期間中に合格できず、特例で滞在延長したインドネシア人27人のうちの1人。4度目の挑戦で夢をつかみ「患者に優しく接する看護師になりたい」と抱負を話した。

 デシィさんは「日本の高い医療技術を学びたい」と来日。英語は少しできたが、最初は日本語がほとんど分からなかった。英語が得意な職員の付き添いを受け、午前は仕事をこなし、午後に看護学校の聴講をしながら勉強に励んだ。昨年11月以降は1日8時間以上、机に向かった。

 同病院ではデシィさんの他に4人のインドネシア人候補者を受け入れた。昨年、1人が合格し、3人は帰国した。高橋さんは「合格に向けた学習プログラムもなく、受け入れ施設に丸投げされているのが実情。国がもっと支援を強化してほしい」と訴える。

 候補者を支援する民間団体「ガルーダ・サポーターズ」共同代表の星さとるさんも、学習支援の不十分さが合格率低迷の原因と指摘。「少子高齢化で看護職員が不足するのは明らかなのに、国がどう対処しようとしているのか見えない。外国人を教える人材の養成やカリキュラムの整備に本気になって取り組むべきだ」と注文した。【佐々木洋】

あまりに合格率が低いことから昨年から試験問題を英文表記を併用するなど外国人対策を取るようになったと言いますから一応の効果が認められたという形ですが、合格率自体は相変わらずであることに加えて滞在期限の問題もありますから効率は非常に良くないと言える中で制度が続いていると言うのは、結局受け入れる側がそれだけ切実に外国人看護師を求めているということの反映なのでしょう。
その点で現状では各施設で助手等として働きながら試験対策の勉強もしていくという、言ってみればマスコミ各社がよってたかってバッシングした看護師養成と御礼奉公の問題とも似たような構図になっているはずなのですが、なぜかこちらについては施設に丸投げの国への批判か美談じみた話が報道されるばかりで、しかも合格率からすれば御礼奉公問題よりもはるかに過酷な話であるはずなのにあまり問題提起されていませんよね。
もともとは貿易摩擦解消の一環として形ばかり導入しただけで、厚労省としては外国人看護師など受け入れるつもりはなかったのだという声がありますが、自分達の側の都合だけで海外諸国の医療リソースを使い潰すようなことを続けているとより大きな国際問題にもなりかねませんから、結局何をどうしたいのかというビジョンを早く明確にして実効性ある対策を講じる必要がありそうです。
その意味でまずは現状での来日者の待遇に加えて、合格したスタッフがどのような場所でどのような勤務に従事していくのかといったデータをそろえていく必要がありそうですね。

さて、一部で大学入学定員削減の動きがあるなどそろそろ過剰になってきたか?とも噂されている薬剤師も国家試験があったわけですが、こちらでも少しばかり面白い動きが見られているようで、先日出ました薬事日報の「薬学部の変化に見る新卒薬剤師輩出数と「薬剤師過剰時代」という幻想」という記事からまずあらましを引用したいと思います。
ちなみにご存知のように薬学部は2006年からの6年制移行に伴い28の薬学部が新設されるなど定員が大幅に増加していますが、現在6年制(薬学科)と4年制(薬科学科)が混在している中で薬剤師試験受験資格として臨床実習を伴う6年制教育が必須とされるようになり、一方で国試受験資格のない4年制卒業生は原則として薬学研究などに従事していくことになります。
今年は6年制導入後初の国試実施として注目されたのですが、興味深いのは私立薬学部が軒並み6年制にほぼ特化しているのに対して国公立は4年制が過半数を占め、中でも難関と言われる旧帝大系では6年制の比率が10%~30%代と低くなっているというのは、薬学においては臨床業務に携わる薬剤師よりも薬学研究職の方が上位に位置すると認識されていることを示しているとも言え興味深いですよね。
そして昨今話題の定員割れを起こしている薬学部というのはこの薬剤師を目指す私立6年制薬学部に集中していて(およそ私立の4分の1)、またすでに2008年~2010年にかけて国試の結果が出る以前から6年制薬学部の定員削減が行われているということで、実際には薬学部が増えたほどには薬剤師は増えていかないのではないかとも言われているわけです。
それに加えて6年制移行に伴う過去2年間の空白期間による人材難もあって今年の薬剤師就職戦線は超売り手市場になっていると言い、大手ドラッグストアが新卒に600万の年俸を提示したなんてこのご時世にうらやましい話も出ているようですが、どうも業界内ではさらに鼻息が荒いようなんですね。

薬局レポートNo.431 10年後の薬剤師は年収1200万円?―若手意見(2012年2月24日ココヤク)

先ほど開催された日薬主催の「全国職能対策実務担当者会議」の中で、「薬剤師は年収1200万円を目指すべき」という将来像が示された。もっとも、「大きな目標を掲げていったらこうなった」という気楽な目標値で、明確な根拠や具体的な道筋といったものは提示されなかった。ただ、6年制薬剤師が社会に出て10年後のキャリアを想定すると、この金額も異常な高値とは言えず、本音と建前が見え隠れする設定とも言えそうだ。このほかにも「テクニシャン(調剤助手)の導入」や「薬剤師による予防接種の実施」など、諸外国で導入されている範囲の職能獲得なども意欲として掲げられていた。

同会議には都道府県薬剤師会の若手担当者約90人が一堂に会し、「10年後の薬局・薬剤師を考える」をテーマにスモールグループディスカッションが行われ、その後に各グループによる発表と討議が行なわれた。

発表の中で多く述べられたのが『テクニシャン(調剤助手)の導入』だ。その背景については「調剤室で薬を数えるだけの薬剤師は必要ないのでは」、「今回の改定で在宅進出が促されているが、現状の1人薬剤師の店舗では厳しい」といったことがあげられており、皮肉的なピッキングマシーン化への不満や1人薬剤師への対策としてのテクニシャン待望論だった。しかしながら、現状を打破するための制度導入には、少なからず抵抗感も示された。「OTC薬の販売制度に象徴されているように、新資格者に乗っ取られてしまうかもしれない」、「これから薬剤師が余ってくるとも言われる時代を前にして助手は本当に必要か」、「自動分包機が発達すれば数えるだけの薬剤師はいずれ必要性が低下する」など、調剤助手が必ずしも薬剤師に有利に働くとは限らないといった警鐘も鳴らされた。・・・

ま、ご存知のように医薬分業の推進ということで調剤が院外に移行して以来薬剤師の独立性も高まっていますから、別に薬剤師が何をしようが仕事をきちんとしている分には構わないのですが、そもそも医薬分業の話が進んでいた背景には薬剤師らの業界団体による「調剤や服薬管理には薬剤師の専門的知識が必要だよね?」という(少なくとも表向きの)主張があったはずです。
それがいつの間にか面倒な薬詰め作業は安く使える素人さん(失礼)に任せます、自分たちは管理職として高年収をひたすら追求しますではおいおい待ってくれよという話で、以前なら医師の指示が看護師を経て院内薬剤師から患者の手に渡っていたものが、これでは医師から看護師、さらに素人事務員を経て院外の調剤助手を間に挟んで薬剤師の手から患者へと、いかにも煩雑で人為的ミスの介在する余地が増えそうになっていくのも気になります。
しかしまがりなりにも表向き国民のためという態度を装い、現場の医師虐め的な主張ばかりを続けている日医(苦笑)などと比べると、日薬さんという団体はずいぶんとストレートだなあと言う気がするのですが、考えて見ると本来業界団体というのはそういうものだったんじゃないかなという気もしますね。
薬剤師の需給動向の変化と将来的な待遇の変化などはもう少し新制度下の状況も見ていなければ判りませんけれども、当然ながら医療費というものは医科も薬科もセットで増えた減ったと論じられているわけですから、増えていく薬剤師の待遇がこれだけ向上し助手まで雇い入れるようになるとはどういうことを意味するのか、ですよね。

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2012年3月27日 (火)

日大光が丘病院問題 タイムリミット迫る

年度末と言うことでどこの職場でも最後の帳尻合わせなどに追われて多忙極まるという状況ではないかと推察いたしますが、忙しくてもうっかりミスで余計に仕事を増やしてしまったということのないようくれぐれもご注意いただきたいものだと思います。
さて、以前に日大の撤退について当「ぐり研」でも取り上げてからも断続的に報道が続いている練馬光が丘病院問題ですが、年度末になっても相変わらずバタバタしているようで四月からの運営母体の交代後の体制が危ぶまれているようなのですね。
まずは最終段階に入った引き継ぎの状況を取り上げた東京新聞の記事を引用してみましょう。

練馬光が丘病院 28日から診療体制縮小(2012年3月24日東京新聞)

 今月末で日本大学が運営から撤退する練馬区の医学部付属練馬光が丘病院が二十八日から診療体制を縮小する。二十三日に同区役所で開かれた同病院運営協議会で区側が明らかにした。後継の公益社団法人「地域医療振興協会」との、患者の安全な引き継ぎを行うためとしている。 (柏崎智子)

 同病院によると、二十八日は土曜日と同じで外来受け付けは午前八時四十五分から同十時半まで。二十九日から三十一日までは休日診療体制で救急外来のみ。運営を協会と交代するのは四月一日午前零時だが、区によると、三十一日のうちに協会の医師らが病院に入り、日大医師らと引き継ぎを行うという。

 運営協議会には増田英樹病院長も出席。委員から、協会との引き継ぎを行った中で四月からの体制に不足があると感じるかなどと質問を受けたが「感想のレベルでは述べられない」とし、「光が丘の大多数の職員が(日大)本院の板橋病院に移る。同じ二次医療圏なので、本院からさまざまな形で貢献したい」と答えるにとどまった

 また、昨年七月に運営の終了が公表されてからの経緯を振り返り「患者、区民に心配をかけ、当院の教職員も複雑な思いで過ごしたが、地域医療をなるべく乱さないようやってこられた。それ以前の二十一年間のわれわれの地域医療にかけた思いや貢献を忘れないでほしい」と述べた。

 さらに、同病院が赤字体質になったのは「地域のニーズにこたえ、これだけ(多くの)小児救急や周産期医療をこなしながら高い専門性を持たせた結果」とし「医療政策の見直しにつながってほしい」と語った。

しかし最後の最後に敢えて過去の貢献を強調するあたり、裏を返せば色々と言われるところはあったのでしょうね…
さて、すでに取り上げましたように撤退問題の背景には赤字運営が続くのに自治体が十分な支援を行ってくれないだとか、逆に経営努力で赤字は解消しつつあったのに大学の上の方が勝手に話を決めたとか、関係者それぞれに言い分はあるのでしょうけれども、いずれにしてもここまで話が進んでしまえば済んだことを言っていても仕方ないというもので、うまく運営が引き継がれ診療の継続性が保たれていくのかどうかが問題ですよね。
ところがこの年度末も押し迫った時期になってまだこれだけバタバタしているのですから大丈夫なのか?と誰でも思うのですが、どうも実際には作業の手際が悪いというレベルに留まらないようで、必要な手続きすら滞っているらしいというのですから関係者はやきもきするどころではないでしょうね。
この新体制での医師確保、特に小児科医確保の苦労というものは(今どき当然ですが)並々ならぬものがあったようで、この辺りの事情を「新小児科医のつぶやき」さんがまとめていらっしゃるので参照していただければと思いますが、この小児科医不足のご時世にちょっと裏技?的な手法を駆使してまでも何とか小児科医をかき集めてきた努力については認めない訳にはいかないでしょう。
それだけのことをしても診療体制の縮小はほぼ確定的だと言う話ですが、もともと同等の医療水準を担保するという条件で新たな運営母体を募集していたという話のはずが、いつの間にか縮小は避けられないという話になっているのですから特に小児科診療への影響が懸念されるところですが、ちょうど週刊ダイヤモンドにそうした状況に関わる記事が掲載されていたので引用させていただきましょう。

手続きの遅れと医療水準の未達 迷走が続く新練馬光が丘病院(2012年3月22日週刊ダイヤモンド)

 累積赤字90億円を理由に撤退を決めた日本大学医学部付属練馬光が丘病院(342床)の後継問題が迷走している。4月1日からは、地域医療振興協会(以下、協会)が後継機関として運営を開始する予定だが、いまだ遅々として進んでいないのだ。

 協会は、病院の開設許可証を得るための第1歩となる事前相談計画書を、3月13日になってようやく東京都に提出。予定は11月だったのだが、医師の引き継ぎ作業などの停滞によって大幅に遅れた。

 通常なら提出を受けた後に都が審査、その結果通知書が出てから開設許可証が降りるまでに少なくても3週間はかかる。とうにタイムリミットは越えた格好だ。

 しかも計画書を出す際には、本来、病院の土地・建物を無償で提供する練馬区と同協会の契約書か、協定書が必須。ところが、その大前提となる同区と日大側の契約の解消すら、いまだに決着の目途はたっていない

 3月14日に開かれた練馬区議会の医療・高齢者等特別委員会。「何を根拠に、どう契約を解除するのか」(池尻成二区議)との追及に、区の地域医療課は「日大とは、今後、協議していく」と語るに止まった

 なにより、日大が区に預けている50億円の保証金の返還問題もいまだ話し合いがつかず、平行線のままだ。 

 こうした状況に対し、東京都は医療の空白期間を是が非でも避けたいとして、今後の対応に必死の様相だ。

「計画書の確実性を見た上で、急いで内部決済を取る。契約書については、期日の関係でそれに代わる書面でもかまわない。これまで地域の医療を支えてきたこの病院がなくなっては困る」(東京都医療安全課)

 同病院の外来患者は、年間に約22万人。小児救急では、約9000人を受け入れ、近隣の区市にとっても要となる医療機関だった。

 ただ、今回、都が新病院を認めたとしても、課題は山積している。志村豊志郎区長が明言してきた「現在と同等の医療機能や規模を引き継ぐ」という約束が、果たされていないからだ。

 日大練馬光が丘病院には、常勤医師が122人、看護師290人が働く(今年2月)。これに対して、新病院の計画数は、4月1日時点で常勤医師70人、看護師が180人と約4割も減少する。外来診療は、8科で予定を組めない事態に陥っている。

 そもそも区は、協会の選定理由の一つに「小児医療や周産期医療を維持するために必要な医師数が提案されている」ことを挙げていた。昨年12月7日の住民説明会でも、区は常勤医師数について現病院の「小児科15人、産婦人科5人と同程度を予定」としたが、現状は同9人と2人にすぎない

 都は「入院と救急を縮小しても、より早い段階で元の稼動状況に戻していただく」と説明するが、その実現は至難の業といえる。

 すでに近隣の病院からは、今後の「小児救急の崩壊」を危惧する声が上がっている。4月以降、試されるのは協会の運営能力だけではない。練馬区と都の指導力も、大きく問われることになりそうだ。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 内村 敬)

週刊ダイヤモンドの記事を見る限りではどうも新たな運営母体となる「地域医療振興協会」側の不手際ばかりではなく、円滑な引き継ぎを支援しなければならないはずの練馬区側にも大きな過失がありそうな雰囲気なのですが、日大と区との間での交渉がこうまで遅れているのは最後まで日大が残るという可能性を期待していたのか、それとも突然の撤退宣言に対する意趣返しのようなものもあったのか何とも言えません。
ただ幾ら(少なくとも額面の)医師数は多い東京都下だとは言っても、いきなり100人単位の常勤医師を引っ張ってこれると考える方が無理があるというものですから当然診療体制の縮小は予想されていたことであって、後はどこまで関係各位が現実を受け入れ歩み寄ることが出来るかということになってきそうな気がします。
そうなると同病院が地域の小児科診療で大きな役割を果たしてきたことに注目せずにはいられないのですが、折り悪くというべきなのか近年の東京都下では自治体による小児医療の無料化が相次いでいて、ただでさえ全国的に不足しがちな小児診療のリソースにさらなる需要増加が追い打ちをかけそうだとも言われている背景事情があるのですね。

東京は小児科医も含めて地方から脱出してきた医師の受け皿になっているという声もありますが、すでに数年前から東京においてもこと救急医療に携わる小児科医は不足してきているという話が出ていましたから、最後の砦となるはずのこうした公的大病院が破綻すると連鎖的に影響が波及してくる可能性もなしとせず、同病院のみならず地域医療全体の今後の行方が大いに注目されるところです。
しかし日大と言えば先頃東大のエリートを差し置いて天皇陛下の執刀を担当したのが日大の医師だったと話題になっていましたが、あちらこちらと妙なところで取り上げられ話題になるものですね。

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2012年3月26日 (月)

尊厳死法案、妙な形で表に出る

先日以来断続的にお伝えしているところですが、いわゆる尊厳死というものに関する医師の免責を認める法案が初めて公開されましたが、これが何やら期待されたものと随分違って妙なことになっているようなのですね。

延命措置しなくても、責任問われず 尊厳死法案(2012年3月23日朝日新聞)

 超党派の国会議員でつくる尊厳死法制化を考える議員連盟(増子輝彦会長)は22日、終末期の患者が延命措置を望まない場合、措置を始めなくても医師の責任が問われないとする法案を、初めて公表した。この日の総会では異論も出たため、とりまとめは、次回以降に持ち越された。

 法案は、適切な医療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近と判断される状態を「終末期」と定義15歳以上の患者の意思が書面などで明らかで、2人以上の医師が終末期と判断すると、生存期間の延長を目的とした人工呼吸器の装着や人工栄養の補給を始めなくても、医師は民事、刑事、行政いずれの責任も問われないとする。

 知的障害がある人や意思表示ができない人などは、対象としない。

 法案をつくるにあたり、延命措置の中止も含むべきだという意見があったが、治療を開始すると本人が意思を示せなくなることもあるため、最も範囲の狭い「延命措置を始めないこと」に限定した。

 法案は、国や自治体に終末医療の啓発をすることも盛り込む。延命措置を希望するかどうか、運転免許証や保険証に記載できるようにするとした。

 2005、06年に北海道や富山で医師が人工呼吸器を外し、患者が死亡したと明らかになり、厚生労働省などは終末医療の指針を作った。だが明確な手順を決めたものでなく、法的根拠もない。医療現場からは「責任を追及される可能性があるからとどんな状態でも延命措置を始め、一度開始すれば続けるしかない」という指摘が出ていた。

 総会に出席した関連団体からは「適切な医療や死が間近とはどういうことか。議論の前提を欠いている」(日弁連)、「人工呼吸器などは使ってみないと価値がわからない」(障害者インターナショナル日本会議)と反対意見も出た。

 増子会長は「生を大事に、個人の意思を尊重することを一番に考えてまとめた上で、今国会への提出を目指したい」と話した。

 終末医療に詳しい国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の三浦久幸・在宅医療支援診療部長は、「病状と共に変わっていく本人の気持ちを把握して実現できるよう、書面に意思を残すことに加え、希望をかなえる組織づくりも進めていかねば」と話す。

 会田薫子・東京大特任研究員(死生学)は「大事なことは法律の条件を整えることではなく、本人がその人らしく生きるための最善の選択肢を探り、実現していくこと」と強調する。 (辻外記子)
(略)

延命治療しない医師免責 議連が法案、終末期患者の意思なら (2012年3月22日日本経済新聞)

 超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」は22日、終末期の患者が延命措置を望まない場合、延命治療をしない医師の責任免除などを柱とする法案を初めてまとめた。終末期かどうかは2人以上の医師が判断。「延命措置の不開始」の意思表示には書面が必要としている。

 議連は各党内の議論を経た上で、今国会で議員立法の提出を目指すが、「尊厳死」を巡っては賛否が割れており、法案提出の行方は不透明だ。
(略)
 議連総会には各団体が出席した。日本尊厳死協会が「希望通りの死を迎えられていない患者が多い。法案は延命措置の中止は盛り込まれていないが、患者の意思が尊重されている」と賛成を表明。障害者団体「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」は「終末期の認識は個々人で異なり、法律で決められない。白紙撤回すべきだ」と強く反発した。

延命措置の「不開始」で、医師を免責-超党派議連が法案原案を提示(2012年3月22日CBニュース)

(略)
■日医、日弁連などから慎重論相次ぐ
 この日の総会では、日本医師会や患者団体、日弁連などからヒアリングを行ったが、各団体からは同案への反対意見や慎重論が相次いだ。

 日医の藤川謙二常任理事は、「(延命措置の)差し控えだけを法律化することが、本当に意味があるのか。中止の問題も含めて、やはり非常に境界が難しい」と指摘。その上で、「終末期で度重なる訴訟が起こるのはとんでもない」との危機感を示し、慎重な議論を求めた。
 また、障害者団体「DPI日本会議」の三澤了議長は、「なぜこのような法律が必要なのか。誰のために必要なのか」と反対の考えを強調。日弁連の人権擁護委員会医療部会の平原興部会長も、同案に反対の立場を表明した上で、「意思表示の撤回の方法や、その有無の確認も含め、過去の意思の表示から、いかに現在の本人の意思を判断していくのか」と問題提起した。
 一方、日本尊厳死協会の副理事長で内科医の鈴木裕也氏は、「医学の進歩によって、医師主導型の行き過ぎた医療が進んだ」とし、患者のQOLの観点から、制度の必要性を指摘。また、同協会の常任理事で、同じく医師の長尾和宏氏は、「尊厳ある生を支えながらも、あくまで患者さんの意思、基本的人権を尊重したい」と述べた。

 同議連では、今国会への法案提出を目指しているが、増子会長は「拙速に法制化する考えは全くない」とし、「それぞれの政党にお持ち帰りいただいて、われわれが出した案をご検討いただいた上で、最終的な取りまとめに入りたい」と述べた。

当然ながら異論も反論も幾らでも出てきそうな話ではあるのですが、とりあえず医療現場へ与える影響というものを考えて見た場合に、この法案の効果は非常に限定的なものに留まるのではないかという気がします。
様々な反対意見が出ることが予想される(実際すでに出ているわけですが)法案であるだけに最初は適用範囲を限定した状態でスタートしたいという意図は理解出来ますが、特に注目すべきなのはこの法案の対象が「適切な医療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近と判断される状態」に限られているということです。
当然ながらこうした状況にあっては何をやろうが死期が間近であることに変わりはないわけですから、何かをやってもやらなくてもほとんど同じでしょ?それでもやるんですか?と言いやすい状態ではあるのですが、同時にこうした状況になってしまうとわざわざ患者家族を呼んで長々と話し合いの時間を持ち、さらに患者の意志や複数医師による確認などの手間をかけるよりそのまま現状維持で死を待つ方が話が簡単ですよね。
どんな医療を行うか指示する医師としてみればこの様な患者であればただ黙って昨日と同じ治療を今日も続けるよう指示するのが一番簡単なのですから、わざわざ制度に則って面倒な手続きを始めたいと考える医師がどれほど出てくるのか疑問視せざるを得ません。

加えて延命措置の中止を認めず開始しないことのみを免責の対象にするというのも大問題で、たとえば救急医療や急変患者について考えてみると、何をやっても死期が間近に迫っている状況と言えば当然ながら一刻も早く緊急処置を始めざるを得ない差し迫った状況でもあるはずですから、こうした患者に遭遇した医師はまずは心肺蘇生なりの処置を始めないわけにはいかないでしょう。
そしてひとたび始めたところでやはりダメだなと感じても中止することは出来ないし、ましてや最初にこうした患者を診た段階で複数医師で相談し本人の意志も確認した上で措置をしませんと決定するような余裕があるはずもありませんから、急性期の患者に対してはほとんど関係ない話ということになってしまいますよね。
となると、この法案の対象となるのは以前からいずれ死が確実にやってくるような状況が予想された患者(例えば癌などの疾患でしょうか)が長年何とか安定状態を保ってきた、それがいよいよダメになってきた時にきちんと今までの経緯を知っているかかりつけ医に担ぎ込まれた時だけが対象で、下手すると在宅担癌患者が急変して救急車でその日の当番病院に運ばれてしまったというケースですら希望通りの対応は難しそうです。
日医のコメントに同意するのはいささか不本意なのですが、これではまさしく「なぜこのような法律が必要なのか。誰のために必要なのか」というもので、正直こんな極端に限定的な法案で尊厳死を認めましたなんて顔をされるくらいなら、最初から法案を出しても出さなくても同じじゃないかという気もしないでもありません。

無理矢理に好意的に考えていくとすれば、もちろんこれはあくまでも最初のスタートラインというもので、実際に運用をしながら国民や医療現場も尊厳死というものに慣らしていき、順次対象を拡大していくというシナリオなのかなとも思うのですが、失礼ながら現在の流動的な(苦笑)政治の状況を見るとその頃に彼ら議員連の方々が現在の椅子に留まっているかどうかもはっきりしませんよね。
超高齢化社会で医療財政上も寝たきり高齢者にどこまで医療を続けるべきかが議論されている、そして医療現場においてもいったん始めてしまったら延命的処置はやめられなくなるということが心理的重圧をもたらしているのですから、たとえ対象が限定されることになったとしてもここはもうひと頑張りして「延命措置の中止」にまで踏み込んでおくべきではなかったかという気がします。
もちろんどんな内容になったとしても反対する方々は出ないはずがない話ですから、単にやらない、望まないという方向での意志表示に限らずやって欲しいという意志表示もしっかり担保されていることが大前提となることは言うまでもありません。

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2012年3月25日 (日)

今日のぐり:「俺んちの旨い料理 元気もん」

先日こういう記事が出ていて感心しながら読んだのですが、これは是非ともリンク先の神秘の映像の数々を参照いただきたいものだと思いますね。

想像をはるかに超えている…地球上で最も長寿な生物22種(2012年2月3日らばQ)

以前、「長生きする10の動物」をご紹介したことがありますが、植物や細菌まで範囲を広げると、それこそ悠久と言えるほど長生きの生物が存在します。

ニューヨークの写真家であるレイチェル・サスマン氏が世界中を見てきた中で、2000年を超える生物をまとめたそうです。

超高齢の生物22種がどんな姿をしているのか、ご覧ください。
(略)
以上、写真家レイチェル・サスマンさんが撮影してきた22種でした。

大半が植物ですが、最後のシベリア放線菌ともなると、あまりに時代が古すぎて想像すらできません。

人の一生なんて、こうした生物から比べたら、ほんの一瞬で終わってしまう儚いものなのでしょうね。

縄文杉なんかの巨木ならともかく、こんなそこらの雑草や単なる鉢植えみたいなものが万年越えの長寿なんてちょっと納得いかないという意味でも想像をはるかに超えているのですが、とにもかくにもそこらの雑草も下手するととんでもない長寿であったりするかも知れないということなんでしょうか?
今日はこの恐るべき長寿を誇る生命達に敬意を表して、世界中から生物にまつわる「ちょっとそれはアリなの?」という驚きの話題を紹介してみようかと思いますけれども、まずはこちらの信じがたい記事からいってみましょう。

中野ブロードウェイ地下に無数のスズムシ?? オタクの聖地に仰天「都市伝説」/東京(2012年2月6日J-CASTニュース)

  東京中野のショッピングビル「中野ブロードウェイ(NBW)」はオタクの聖地として知られている。マンガ、アニメ、フィギュアといったホビーショップが充実しているが、なんと地下には「開かずの階」があり、そこには何百万匹のスズムシが生息しているという。

   これはかなり前から「都市伝説」として語られてきたことだ。それが改めてネット上で話題になっている。
うるさくて夜は寝られないほど?

   これまでネットでは、NBWは地下3階までといわれているが、実は地下5階まであるとされてきた。地下3階はポンプ・ボイラーの設備のようなものが入り組んでいる。その熱のせいで従業員が飼っていたスズムシが繁殖し、地下5階は無数のスズムシが生息することになってしまった、というのだ。

   ここまでならよくある「都市伝説」だが、事実だったという証拠を作家の渡辺浩弐さんが出している、というのでまた話題になってしまった。

   三才ブックスのゲーム雑誌「ゲームラボ」に渡辺さんが連載中の「中野ブロードウェイ改造計画」(11年10月号)に掲載された。

   このコラムによると、NBWの地下には「開かずの階」があり、そこでは夜ごと死者が鐘を突いている秘密の寺院がある、と噂されているが、本当かどうか確かめるため地下に行った、と書いている。

   渡辺さんはNBWに喫茶店を出店していて、そのリニューアルの打ち合わせで地下に行くことが出来たのだそうだ。地下2階、3階には変電や空調の設備があり、地下3階を歩くと、下の方から鈴のような、鐘のような音が聞こえてきた、というのだ。

   NBWのスタッフに話を聞くと、これはスズムシの鳴き声であり、床の下に空間があって大量発生している。うるさくて夜は寝られないほどだと説明された。

   聞こえてきたのは鐘の音ではなくスズムシの鳴き声であり、

    「都市伝説の正体は、何万匹、いやきっと何百万匹のスズムシだった」

と渡辺さんは書いている。そして、NBWで捕まえたというスズムシの写真を掲載。一般のスズムシの大きさの2倍はあるという。スズムシは雑食だから、ネズミなどの動物の死骸を食べて大量繁殖しているのだろうと推測している。

「全て作り話です」と管理組合事務所

   事実とは考えにくいが、三才ブックスの「ゲームラボ」編集部に問い合わせると、このコラムは「事実を書いています」ということだった。

   それではスズムシを見せてもらおうと実際にNBWに行ってみた。「ブロードウェイ管理組合事務局」を訪ね、取材を申し込もうと「ゲームラボ」を出したところ、事情を説明する前に受付で、

    「あぁ、そこに書かれているのは作り話です。そういうコラムだと聞いています。当ビルは地下3階までしかありませんし、地下の間取りも作り話です。スズムシはいません」

とけんもほろろに帰されてしまった。

   テナント関係者の女性に話を聞いてみると、このビルは地下3階までしかないし、スズムシがいるという話は始めて聞いた、という。そして、

    「このビルは古く、かなり入り組んだ作りになっていますから、そういう怪しげな場所があったとしても何の不思議もありません。そういうことから生まれた都市伝説なのではないでしょうか」

と話していた。

おいおい結局どっちなんだよ気になるじゃないか?!と改めて謎が謎を呼ぶ記事なんですが、おおよそ知られざる秘密というものは秘められているからこそ秘密として(r
もう一つ虫ネタが続きますが、こちらただでさえ人類にとっての重大な脅威であると認識されているあの生物の恐るべき真実が明かされたという最新の研究成果です。

本日のトリビア「カメムシは自分のオナラで気絶するって本当?」→試してみた(2012年2月22日らばQ)

カメムシの放つ悪臭がどれだけキツいかは、一度でも嗅いだ事がある人なら身をもって知っているはず。

ではカメムシは自分のオナラが臭くないのでしょうか?

そんな素朴なトリビアに挑戦した実験映像がありましたのでご紹介します。

カメムシは自分のオナラで気絶するのか試してみた - YouTube

こ、これは……。

悪臭を知っている人なら結果以前に、実験に取り組んだ人たちにご苦労さまと言いたくなるところです。

カメムシの威力を経験したことがないという人のために、猫の映像もありましたのでご覧ください。

カメムシの悪臭に吐き気を催す猫 - YouTube

猫さん、ご愁傷です。

きっと2度とカメムシにちょっかいかけることなないでしょうね……。

1匹でも大変なことになるのに、あれだけのカメムシを密集させたら、そりゃ自爆してしまうのも無理はないというものです。

どうやってこれだけのカメムシを集めたのかという謎もさることながら、これだけ完全装備で挑んでも未だその破壊力を失わないカメムシ恐るべし!ですが、仮にカメムシに占拠された世界なるものが誕生したとすればその瞬間連中は自爆することにもなるわけですね。
もう一つ驚きの昆虫ネタですが、生物学の実験でもよくお世話になるあの動物が未だにこんな秘密を隠し持っていたというのですから驚きます。

ハエも失恋するとやけ酒に走る?米研究/アメリカ(2012年3月16日AFP)

【3月16日 AFP】メスに交尾を断られ欲求不満になったオスのハエは、悲しみを紛らわすため酒に逃げる――。米大研究チームが15日、ハエと人間の意外な共通点を明らかにする実験結果を科学誌サイエンス(Science)に発表した。

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco、UCSF)のウルリケ・へーベルライン(Ulrike Heberlein)教授(解剖学・神経学)率いるチームは、オスのショウジョウバエを交尾経験のあるメスおよび未経験のメスと一緒に容器に入れ、行動を観察した。

■「ふられる」と求愛行動やめる

 すると未経験のメスはオスの求愛を受け入れすぐに交尾をしたが、交尾後のメスは一定時間、オスに興味を示さなかった。これは交尾の際にオスが精子と一緒に送り込む性ペプチドが原因だ。一方、交尾を拒絶されたオスは、たとえ未経験のメスと一緒にされても求愛行動をしなくなった。

 そこで、交尾を拒否されたオスをメスと隔離し、15%のアルコールを含む餌と通常の餌の2種類を設置した容器に入れたところ、これらのオスはアルコール入りの餌を浴びるように摂取し始めた。

■カギは「ニューロペプチド」・・・人間の酒びたりも解明できる?

 メスに拒絶されたオスの脳内では、神経伝達物質「ニューロペプチドF」が減少していることが確認された。一方、メスと交尾をして性的に満たされたオスの脳内の「ニューロペプチドF」レベルは高かった。研究チームは、「ニューロペプチドF」の脳内レベルによってアルコールへの衝動が引き起こされていると見ている。

 論文を主執筆した米バージニア(Virginia)州ハワード・ヒューズ医療研究所(Howard Hughes Medical Institute)のGalit Shohat-Ophir氏によると、ニューロペプチドFは「脳内の報酬のレベルを示し、報酬を求める行動へと変換するスイッチの役割をしている」。メスに拒絶されたオスは、減少した「ニューロペプチドF」の代わりに、アルコール摂取によって報酬欲求を満たすのだという。

 この仕組みは、交尾の有無にかかわらず人工的に「ニューロペプチドF」を増減させたハエでも確認できた。

 人間の脳にも類似の「ニューロペプチドY」という神経伝達物質が存在する。このため研究チームでは、人間の脳がアルコール依存や薬物依存に陥るメカニズムを解明するのに今回の発見が役立つのではないかと期待している。UCSFの研究チームによれば、現在「ニューロペプチドY」に不安障害などの気分障害や肥満を緩和する働きがあるかを調べる臨床試験が行われているという。

恐らく個々のハエの求愛行動の行方に今まではここまで関心を持って追跡調査していなかったのでしょうが、それにしても何その妙に人間くさい行動は?!と思ってしまうようなニュースで、なるほどハエ男の着想のネタはこんなところにあったか?とも思わず誤解してしまいそうです。
さて、昔から野生動物が道具を使いこなすというシーンはSFや恐怖映画での定番ネタですが、実際にその光景が目撃され記録されたというのですからこれは恐れおののくしかありませんよね。

どうしてこうなったと思う格闘するロブスターの写真(2012年2月23日らばQ)

ネット掲示板に、おバカなことをする人が現れやすいのは、海外でも変わらないようです。

海外掲示板の笑いを誘っていた「ロブスターの闘いをより白熱させてみた」という写真をご覧ください。

ロブスターの戦い

何たる闘い!

自前のハサミだけで十分だと思うのですが、さらにナイフまで持たされています。いったい次の瞬間どうなるのか全く予測がつきません。

たとえナイフで斬りつけたところで硬い殻には歯が立ちそうにもなく、結局ハサミ同士の戦いに変わりそうな気はしますが……。

「ナイフでオレを切ったなー!」となるかと思いきや、「あ、自分で切ってた」なんてことになってるかもしれません。

どちらにしても、ちょっとした小道具を足すだけで、笑い(あきれ?)を呼ぶ画像は作れることがわかりました。

ところで素朴な疑問なのですが、ロブスターのハサミの構造上この凶器は果たして有効に活用できるのかどうか、彼らが人類にとって真の脅威となるにはそのあたりが課題ではないかとも思われます。
動物の身体能力が時として想像をはるかに超えるということは確かにあるようですが、いくら何でもこれは想像の斜め上を越えすぎだろうと思われるのがこちらの動画です。

ハムスターを見たい犬が恐るべき跳躍を見せる(2012年3月5日らばQ)

こちらの犬、ハムスターが気になって仕方がない様子。

ぴょんぴょん飛び跳ねて見ようとするのですが、そのスピードと跳躍力が普通ではないんです。

映像をご覧ください。

Hamster and dog jumping - YouTube

ぴょんぴょんぴょーん。

興奮するのはわかりますが、反復横跳びの速度と高さが恐ろしいことになってます。

マットレスをトランポリンのように活用してるのだと思いますが、この性能、タダモノではないですね。

しかしこれだけの跳躍力を誇るのですからベッド枠の上に登ってしまえばずっと落ち着いてハムスターと対面できるのではないかとも思うのですが、身体能力に思慮が追いついていないのが彼の弱点であると言えそうですよね。
某国雑伎団などを見ていると時折こいつの体は一体どうなっているのだろうと感じることがありますけれども、一体お前は何の生き物なんだよ?と感じてしまうのがこちらの怪生物です。

凄いハト胸のハトがいると海外ネットで話題に(2012年3月18日秒刊サンデー)

ハトは日本のみならず海外にも生息しておりますが、様々な種類がおり、世界では300種類以上のハトが居ると言われております。さてそんなハトですが、なんと凄いハト胸のハトがいるというのです。ハト胸とはハトの胸のように、胸が出っ張っている人の事を言いますが、ハト自体、すべてがハト胸になるのではないか、そんな疑問がわくが、このハト胸のハト、想像以上にハト胸だ。

(画像)

こちらが凄いハト胸のハト。見ていただきたい、胸と言うよりも何か風船のようなものが膨らみ、胸に入れているような状態にしか見えないほどに膨らんでいる。まさしく凄いハト胸。

メルヘン話はこれぐらいにして、ここからお勉強の話になるが、実はこれは胸ではない。正式に言うと喉だ。素嚢(そのう)と呼ばれる消化器の一部で、子供にえさをあげる際、一時的にこの部位に食料を貯めておき、柔らかくして与える。その為の器官である。

また、このハトはポーターと呼ばれるハトで、素嚢に空気を貯めることが可能で、それでこのような膨らんだ状態になるのだ。

ちなみに人間のハト胸は、胸板が前に突き出してしまうろっ骨などが過剰に発達した現象で、心配な方は医者に相談したほうが良い。つまり『ハト胸だね』という形容詞的な表現と、『ハト胸』という病名の2パターンが日本では使われている。

ちょっと前フジテレビでもポーターは紹介されていたが、ハト胸のハトと紹介されていた。

いくらなんでも鳩胸過ぎるにも程がある!というものですが、ちなみにこの素嚢という構造、鳥類を始めかなり広汎に見られるということなんですが、素朴な疑問として胸焼けはしないんでしょうかね…
同じく鳥の話題なのですが、いつも素晴らしいネタを提供してくれる中国からこんなびっくりニュースを紹介してみましょう。

【中国】ニワトリがゴムボールのような卵を産む / まるでピンポン玉のような「ゴムボール卵」/中国(2012年2月16日ロケットニュース24)

以前、ロケットニュース24では中国でニセ卵が流通している件をお伝えした。ニセ卵とは人体に有害な化学薬品で作られたものだ。金儲けのためだけに作られた極めて悪質なものである。

今年の2月になって中国で大規模なニセ卵騒動が持ち上がった。ゴムのように弾力があり、投げるとピンポン玉のように跳ねるこの卵は、通称「ゴムボール卵」と呼ばれいる。行政も動き検査を行ったところ、なんとゴムボール卵はニワトリが産んだ本物の卵であることが判明したそうだ。

「ニワトリが異常な卵を産みまくっている!?」「世も末だ」と 多くの市民を震撼させている。

1月から2月にかけてゴムボール卵が見つかったのは中国の広東省、福建省、山東省などだ。

投げるとピンポン球のようにポーンと跳ね、1メートル上から落としても形が崩れない。このゴムボール卵はテレビや動画サイトで紹介されるやいなや「同じものがある」と次々に報告が上がった。

広東省のメディアによると先日、ゴムボール卵が売られていた市場から34サンプルと同メディアが持ち込んだもの1個、合計35サンプルを検査されたそうだ。

検査ではサンプルの中に卵の栄養素が含まれているかどうか、偽卵の製造に使用される化学薬品が含まれているかどうかが調べられた。そして検査の結果35サンプル全てが本物の卵であると判定されたのである。信じられないことだがゴムボール卵をニワトリが産んだということだ。

卵を産んだニワトリには綿実油をとった後の綿実油かすが多く使われていたそうだ。綿実油かすは脂肪を硬化させるため日本では採卵鶏のエサには使われることはほぼない。エサや輸送時の環境が影響し卵が変質したと結論づけられた。

綿実油かすは人体に影響はないとされているが、報道によると質の悪いものは人体に有害物質を含む可能性があるそうだ。ゴムボール卵を食べた市民は胃痛や嘔吐などの症状が出ている。

たとえ人体に影響がないとしてもニワトリがゴムボールを産むなんてそれだけで怖い。市民の卵の買い控えはまだ続いているそうだ。

参照元:Youku 今日一線

その驚くべき詳細はリンク先を参照いただくとして、しかし中国と言えば卵を始めとして偽物ネタには事欠きませんけれども、たまに本物が登場するとむしろ大きなニュースになるというのが何とも言いがたいですよねえ…
最後に取り上げますのがこちらの記事ですが、それにしても世に「無双」という言葉がありますけれども、さすがにこれはネタだろう?と思わせるような圧倒的な戦力差を実感する映像が衝撃的なニュースですね。

悲しくもこれが自然の掟! 30匹のオオスズメバチが3万匹のミツバチを全滅させていく映像が凄まじい(2012年2月6日ロケットニュース24)

強い者が勝つ。この自然界の掟(おきて)を痛感させられる映像がある。

「30 Japanese Giant Hornets kill 30,000 Honey Bees」という動画には、そのタイトル通り、30匹のオオスズメバチが3万匹のセイヨウミツバチを殺していく様子が映し出されている。

動画のなかで、オオスズメバチたちはミツバチの幼虫を食べるため、たったの30匹で巣に乗り込んでいく。セイヨウミツバチは自分より4倍大きい体を持つ侵入者に、3万匹の多勢で立ち向かっていくのだが、全く歯が立たない。

それもそのはず。セイヨウミツバチは、ニホンミツバチと違って、オオスズメバチが周りにいない環境で今まで生活してきており、対抗する手段を持っていないのだ。

オスズメバチは2004年に、中国から輸入された鉢植え植物に紛れ込んで、フランスに上陸。その後ヨーロッパで、生息地域を拡大していった。そしてオオスズメバチはセイヨウミツバチを次から次へと襲っており、現在セイヨウミツバチの数は激減しているという。

その例を示す今回の動画では、オオスズメバチたちは3時間かけてセイヨウミツバチの牙城を崩し、中にいる幼虫を捕食。残酷に見えるが、これが弱肉強食の世界なのである。

ちなみにニホンミツバチは、巣を襲いに来たオオスズメバチの体に集団でまとわりつき、熱によって相手を殺すことができる。これはこれで、なんとも恐ろしい進化の例である。
(略)

その恐るべき映像の衝撃は是非ともリンク先を参照いただきたいと思いますけれども、あちらでは養蜂業者なども大変な被害だと言いますから文字通り洒落になりません。
かつてフランスのカキが全滅しかけた時に日本からカキを移入した縁で、今回の震災で甚大な被害を受けた三陸のカキにフランスから支援の手がさしのべられていますけれども、いずれミツバチも日本のものが彼の地へと運ばれるということになるのでしょうかね?

今日のぐり:「俺んちの旨い料理 元気もん」

この時期は年度末ということで色々とイベントに参加する機会もありますけれども、そうした場合には当然ながら酒の入る店が中心になってきますよね。
岡山市内の街中は繁華街の一角に位置するこちらのお店、ビルの二階にあり中に入ってみますと大きな座敷にスクリーンとプロジェクターまで用意されているという、一体どんな用途を想定しているのかちょっとよく判らないところのあるお店です。
飲み放題もある手頃な居酒屋的にも使えるようなのですが、こうした設備があるのを見ても判る通り大人数での宴会にも対応しているようで、今回はコースで出てくるものを色々と味わってきました。

最初にテーブルに並べられたのが一見してこれは団子の入ったトマト鍋?一体どこの国の料理か?とも思うような不思議な鍋なんですが、ちょっとピリ辛なスープを食べながらみたメニューによれば地鶏で出汁を取ったモツ鍋「桃太郎鍋」なんだそうで、そうは言ってもほとんどモツの印象がなく野菜ばかり食べているような気になりましたね(これはこれでうまいんですが)。
こういうのももろきゅうと言うのでしょうか、きゅうりのみならず大根やニンジンのスティックも盛り合わせになったもろ野菜を囓りながら待っていますと次に出てきたのがシーザーサラダですが、味は普通ながら何かしらいかにも出来合いのサラダっぽい見た目がもう少し新鮮みがあってもよかったかなとも思います。
お次のさっぱりした蒸し鳥のカルパッチョですっきり味覚がリフレッシュされていい具合になったところで出てきたのがちょっと宮崎っぽいせせりの炭火焼なんですが、宮崎のものほど味に濃さと勢いがないのはコースの一品として整えられているからなんでしょうか。
野菜の串揚げに手羽先唐揚げと揚げ物が出てくる頃にはそろそろ満腹感も相当なものですが、この手羽先は名古屋風に甘辛な味付けはいいんですが、もう少し皮もパリパリなら柔らかさを保っている身との食感の差が楽しめたかなと思います。
締めは鍋にラーメンを入れてということで、こちら鍋用に辛味タレも用意されているようなのでお好みに応じて加えてみても楽しいんですが、最後にこの辛さだとちょっと胃に優しくないかな?と心配しておりましたら意外にするすると入っていくものなのですね。

特に予備知識もなく入ったもので全体的に鳥料理が多いなとは思っていましたら、やはり岡山特産の桃太郎地鶏が売りなんだそうで、この鶏については以前に別な店で食べた時にも感じたのですがほどよい柔らかさを保った肉質の食感は悪くないとは思うものの、地鶏ブランドとして売るのであればもう少し味が濃い方がらしいのかなとも思います。
飲み放題をつけて地鶏料理メインのコースとしては価格もそれなりにリーズナブルではないのかなとは思うのですが、立地や店の造りからしても一人二人の少人数でぶらりと立ち寄るにはちょっと雰囲気が違うのかなという感じもあって、やはりある程度の人数での宴会を中心にやっていらっしゃるお店なのかなという印象ですね。
接遇面ではこうした大店の居酒屋らしい標準的なマニュアル的対応が中心に思えましたが、ラーメンの投入など結構こだわりをもって?指導いただいたおかげでいい感じの茹で加減で楽しめましたし、良くも悪くも少人数客中心で多忙すぎる繁盛店で見られるような投げっぱなしというほどの多忙極まる状況でもないようですよね。

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2012年3月24日 (土)

世の中全て若者が悪い?

このところのマスコミお得意のフレーズに「若者の○○離れ」という言い回しがありますが、逆に「○○に妄執する老人達」なんてことは言いませんよね。
先日は若者の○走○離れが進んでいるというニュースがありましたが、これなどもそもそも今をときめく中高年者達がその全盛期を作り上げた「悪習」であって、普通に考えれば何故彼らがああまで無法行為を繰り広げたのかを検証する方が社会的にはずっと有益なはずです。

<暴走族>激減 都内ピーク80年の1/50/東京(2012年3月17日毎日新聞)

 暴走族が激減している。東京都内の場合、ピークだった1980年には5379人だったが、今年1月に警視庁が把握したのは50分の1の119人。グループ内での厳しい上下関係が若者に敬遠されるようになったことに加え、長引く不景気でオートバイの改造などにかける金が不足しているのも減少に拍車をかけたとみられる。

 警視庁は共同危険行為が道交法で禁じられた78年から、暴走行為の摘発時などに得た情報などを基に暴走族のグループ数や人数を把握している。1月時点の都内の暴走族は16グループで、80年の148グループから大きく減少。グループの規模も小さくなった

 全国的にも同様の傾向で、警察庁によると、全国の暴走族は82年の4万2510人から昨年は8509人に減った。グループ数もピーク時(02年)の1315から452に減少している。

 捜査関係者は「若者の上下関係の意識が希薄になったことに加え、パソコン、ゲームなど娯楽の多様化が背景にある」と分析する。共同危険行為の違反点数は81年に9点から15点に、02年には25点に引き上げられた。また、同年の改正で違反すれば2年間免許を取れなくなるなど厳罰化も影響しているとみられる。

 メンバーの外見も様変わりした。かつては、派手な刺しゅうを施した「特攻服」で改造バイクに乗るスタイルが一般的だったが、現在はほとんどが普段着。バイクも改造するのはマフラーなど一部だけで、捜査幹部は「バブル期に比べ、かけられる金が少なくなった」と推測する。

 警視庁が今年摘発した「城南愚連隊」も現代版暴走族。大田、品川両区を拠点としたメンバーは16、17歳の約20人。共同危険行為容疑で逮捕されたメンバーの1人は「厳しい上下関係は好きじゃない」と供述したといい、「暴走族というよりは友達の集まりに近い」(警視庁暴走族対策室)。週に3回集まり、バイクと原付きで深夜に暴走行為を繰り返していたという。

 警視庁幹部は「80年代の若者は、そろいの特攻服で社会に抵抗することへのあこがれもあったが、今は『格好悪い』と感じるようになった。今後も減り続けるのではないか」とみている。【伊澤拓也】

ま、金がないので派手なことは出来ないというのもなんとも世知辛いものですけれども、「で、だから何?」と言いたくなるニュースでもあって、そもそも何故こんな記事が出てくるのかという背景を考えずにはいられません。
自動車販売台数世界一の座を狙っていたトヨタが円高震災その他の要因から一気に三位に転落したとも言いますが、昔ながらの重厚長大型産業の象徴として自動車造りが斜陽期を迎えつつある中で、当然ながら彼らスポンサーによって活動資金を稼いできたマスコミ各社にも深刻な危機感があるようで、このところやたらと「若者の車離れ」ということを取り上げています。
先日は「震災時には車で避難すると色々と重宝だった」なんて記事も出ていまして、天下の警視庁も地震の際には「避難は徒歩で」「自動車は使わないようにしましょう」などと公式に呼びかけているというのにこんなことを言って大丈夫か?とも思うのですが、マスコミ諸社も我々こそがスポンサー様の商品を宣伝しなければ!という使命感に燃えているのでしょうし、そのやり玉に挙がるのが車を買わない若者であるというわけです。
しかし国別の自動車保有台数で見れば日本の7600万台(2006年)は人口比で見ると自動車大国アメリカやドイツなど欧州諸国に匹敵し、これら自動車普及の先進国では揃って近年自動車保有台数が頭打ちになっていることからこの辺りが自動車保有の上限なのだと考える方が妥当なのだろうし、右肩上がりの成長路線がいつまでも続くと言う前提で経営を考えるのも無茶というものでしょう。
何より車がほぼ生活必需品とされる時代にあっても年収200万未満の世帯では保有率が35%に激減すると言いますから「車離れじゃなくて単純に欲しくても買えないんだよ」というワープアな若者の嘆きが聞こえてきそうですが、先立つものの不足による消費の減退は今や車のみならず身近で安価なものにまで及んでいるようで、これまたマスコミの格好の若者叩きのネタになっているようなんですね。

昭和のサラリーマンたちは「ネクタイアル中」だったのか?(2012年3月21日J-CASTニュース)より抜粋

   週刊プレイボーイ2012.3.26号が、「若者がお酒を飲まなくなった理由」について考察している。流通ジャーナリストの金子哲雄氏は、若い男性がお酒に弱くなり、アダルトDVDやゲームで十分満足するので、女のコを誘って飲み会をしなくなったからと分析する。

   しかし、1990年代半ばをピークに、お酒の消費量が減少している理由はそれだけなのか。ネット上には、これに納得しない声があがっている。まず目につくのは「カネがないから」という意見だ。

若者のお酒離れ「対策を講じるべき問題ではない」

 人件費の総額は下がっているのに、中高年の給与が高止まりしているので、20~30代の給与が低いまま据え置かれている企業が少なくない。初任給から10年近く、ほとんど昇給しなかったと憤慨する人もいる。

    「クルマ離れに酒離れ、外食離れに旅行離れ、結婚離れ…。全部カネがないのが結論じゃん。毎度毎度いちいち考察する意味がない」

   確かに現金給与額は、1998年ころから前年比で減少傾向が明確になっており、何らかの関連性があるかもしれない。上司のサイフにも余裕がなくなり、「おごってもらう機会もない」のでは、消費量が減るのもしかたないだろう。

   そのほか、「飲酒運転の厳罰化」「肉体労働、単純労働の減少」「酒に溺れるオヤジたちを見て嫌になった」といった説をあげる人もいるが、そもそも分析して対策を講じる問題ではないという声もある。

    「酒は飲んでるよ。昔と違って浴びるように飲まなくなっただけ
    「昔のサラリーマンが異常なんだろ? いまの方がまともなんだから、酒離れという言葉自体がそもそもおかしい」

   日本生活習慣病予防協会のホームページには、経済成長や都市化の著しい国では、多くの人がストレスを感じており、「ストレスに対処するためにアルコールなどを求めている」という考察が掲載されている。アルコールの大量消費も、高度経済成長ならではの慣習であり、低成長期の日本ではストレスの対処法が変化しているのかもしれない。
(略)

週プレの元記事では飲酒に限らず若者の外食が減って飲食店も危機的状況ということで、無知な若い連中に正しい外飲みの仕方を伝授するという体になっていますが、上記J-CASTの記事にも昭和時代のサラリーマンを称して「ネクタイアル中」なんて言葉が登場しているように、そういうくだを巻く親父を見て育った世代からは「対策を講じるべき問題ではない」という声があるのも率直なところでしょう。
マスコミ的には何でも「若者の○○離れ」と若者ばかりが諸悪の根源のようにされていますが、消費しないものは悪であるという論点から見れば消費しようにも金のない若者よりも、金を持っているのに消費しない中高齢者の方がよほど悪性度が高いはずなのに、そちらはいっさい批判しないというのは彼らマスコミの主要顧客が今や極端にこれら中高年層に偏ってしまっているということと無縁ではないはずです。
しかし上にどっかりと年寄り世代が腰を据え働けど働けど給料はそっちに回ってしまう、さらには将来を見ても増え続ける年寄りの年金の面倒をみるのに自分たちの懐ばかりが期待されている、そしてそれら年寄り世代の代弁者たるマスコミには始終バッシングされる運命にあると思えば、本当に悪いのは誰なんだよとそろそろ不平不満が高まってきても不思議ではないですよね。

高度成長期からバブルを経由して散々濃い人生を送ってきた年長者の中には、今の若い世代はなんであれガツガツすることがないし生の感情も出さないから付き合いにくい、もっとはっきり主張しろと批判するような向きもありますが、それでは若者が「年寄りは老い先短いくせに金持ってるんだから財産全部税金で取ってしまえ。そのかわり若者は全部無税にしろ」なんて言い出した時に受け入れる用意があるのでしょうか?
昨今のいわゆる橋下改革程度にもあれだけお年寄りの方々からバッシングがあるのを見れば到底柔軟に聞く耳があるとは思えませんが、ここまで虐げられた若者達が本気で言いたいことを主張し始めたら一体世の中どんなことになってしまうのか、ちょっと見て見たいような気になってきました。

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2012年3月23日 (金)

最近気になった判決二つ

トンデモ判決とまでは言わないものの何かしらひっかりを覚える判決というのは時折ありますが、最近目についたものの中から二つばかりを取り上げてみましょう。

歩道の段差につまづき86歳重傷、市に賠償命令/兵庫(2012年3月17日読売新聞)

 兵庫県西宮市の男性(86)が市道の段差につまづき、重傷を負ったのは、市の道路管理に問題があったためと、市に790万円の損害賠償を求めた訴訟の判決公判が16日、地裁尼崎支部であり、善元貞彦裁判官は「市道としてあるべき安全性を欠いていた」として、市に416万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 訴状などによると、男性は2009年8月、同市奥原の市道を歩行中、街路樹の根元を保護する鉄網の段差に足を取られて転倒。左腕や右手の指を骨折する6か月の重傷を負った。

 同市は公判で「前方を注意していれば、段差を簡単に見つけられた」と主張したが、善元裁判官は判決で、「市が歩道中央にある段差を放置した責任は免れない」と退けた。

何しろ86歳ですからちょっとした段差でも躓いて転んでしまうというのはあり得ることでしょうし、当然ながら堅い地面で転べば大きな怪我を負ってしまう状態でもあったのでしょうが、それでは普通の人間が転ばないような場所で自己責任?で転んだものまで市が面倒を見なければならないのか?とも感じてしまう話ではあります。
一般的には結果の重大性と道路としての管理状態とを勘案しながら「まあこのあたりでどうですか?」と言う妥協点を裁判所が提示してくるのでしょうが、今回元々の請求額が790万円という微妙な金額であったからこそ相応に大きな割合で賠償が認められたのかも知れず、例えばこれが数千万円の賠償請求でしたらいわゆる見舞金程度で終わっていたかも知れませんね。
ただ実際問題として道路そのものはともかく、こうした辺縁の部分まで完全に段差を解消することは難しいと思われるだけに、片っ端から同種の請求が続発するようなら困ったことになるんだろうなあと思ってちょいと調べてみましたところ、数年前のこんな記事が出ていました。

長期病欠の奈良市職員、高級外車の傷を市に補償要求(2006年10月25日読売新聞)

 病気を理由に5年間で8日しか出勤しなかった奈良市環境清美部の男性職員(42)が、病気休暇中の今年8月、運転していた外国製高級スポーツカーが市道の段差で傷ついたとして、市役所を訪れ補償を求めていたことがわかった。

 市によると、職員は8月9日、市道から県道に出る際、8センチの段差で底をすり、特殊なナットが損傷するなどした。市道の穴にタイヤがはまるなどして車に損傷が生じた場合、補償することはあるといい、市は今回も補償する方針

一般的に道路の段差がどの程度まで許容されるのかですが、恐らく「外国製高級スポーツカー」でなければ問題は生じなかったのではないかとも考えると、当○り○とまでは言わないにしても市職員であることとも合わせてなんとも微妙な感じのする話ではありますよね。
ちなみにこの職員、長期病欠を名目に出勤しないまま給料だけ受け取ってポルシェを乗り回していたということで有名になった方で、さすがにマスコミ各社にも取り上げられた結果ようやく奈良市も分限免職処分厳格化に乗り出したという経緯があります(ただし、過去に遡っては適用されないという落ちがついていますが)。
もちろん西宮市のご老人の場合はあくまで一般の通行者が運悪く転倒から重大な結果になってしまった不幸な事例でしょうが、悪用する気になれば幾らでも悪用できるということが証明されているとも考えると、単に結果の重大性のみで判断するのではなくきちんとした道路整備の基準が必要となりそうですね。

さてもう一つ、このところてんかん患者が運転中に発作を起こし事故につながるというケースが問題視されていて、事故そのものもさることながら持病を隠していたり服薬を怠っていたりというケースが事故につながっていることから、てんかん患者の運転免許取得を認めたことがそもそも間違いだったのではないかという論調すら出てきています。
これに関して当ぐり研でも「危ないのはてんかんばかりではない。数を考えれば糖尿病など幾らでも危険と言える患者はいるではないか」という声がありましたが、危惧された事態が実際に起こってしまった結果どうなったかという記事がこちらです。

低血糖でもうろう、男性無罪=1型糖尿病の患者-高校生ひき逃げ・横浜地裁(2012年3月21日時事ドットコム)

 横浜市で2009年、自転車の男子高校生=当時(17)=を乗用車ではね、けがをさせたのにそのまま逃げたとして、道交法違反罪に問われた運転手の男性被告(46)の判決が21日、横浜地裁であった。久我泰博裁判長は「被告は事故時、1型糖尿病に起因した無自覚低血糖のため分別もうろう状態となり、責任能力がなかった」と述べ、無罪(求刑懲役1年)を言い渡した
 判決によると、男性は09年9月1日夜、糖尿病治療のインスリンを注射し夕食を取った後、スポーツジムから車で帰る途中、横浜市中区で高校生をはね、頭に傷を負わせた。事故の約20分後、警察官がフロントガラスが割れたまま走る車を見つけ、男性に職務質問。男性は「後方で何かにぶつかった」と答えた
 久我裁判長は専門家の鑑定に基づき、男性は血糖コントロールが必ずしも良好でなく、無自覚低血糖のため以前から分別もうろう状態で周囲の状況を正しく理解できないことがあったと認定した。
 その上で事故について「車に何かがぶつかりガラスが割れたと認識しても、何をすべきかまで思い至らなかった疑いが残る」とし、男性は相手の負傷まで分かっていたとは言えないとした。
 神奈川県警は事故当日、自動車運転過失傷害と道交法違反容疑で男性を逮捕。高校生はその後、死亡した。横浜地検は09年12月、同過失致死罪について嫌疑不十分で不起訴とし、ひき逃げの道交法違反罪で起訴した。

検察側の判断も微妙な様子ですからなかなかに難しいケースであったのだと思いますが、いずれにしても亡くなった高校生に関してはお悔やみを申し上げるしかないところですね。
さてこの事件、当然ながら昨今続いているてんかん患者の事故と絡めて論じている人が多いのですが、こう言ってはなんですがこれが1型糖尿病だったからまだしも、生活習慣に起因する部分の大きい2型糖尿病であったならどういうことになっていたのかと思わないではいられません。
ちなみに免許更新時にてんかんを申告しておらず、しかも数日間服薬を怠った上で死亡事故を起こしたてんかん患者に対して昨年末に禁固2年の実刑判決が出ていますが、判決では病気について「無自覚で安易な姿勢」を指摘され、「被告には自動車の運転を差し控えるべき注意義務があった」と述べられています。
てんかん患者の場合たびたびこうして司法判断に委ねられ、その結果も有罪、無罪と様々に判断が分かれていますが、本人が病気を隠すとか服薬を怠るといった行為があったかどうか、そして過去にも発作を起こし危険性を認識できる状況にあったかどうかが問われるようですね。
糖尿病の場合は免許取得にあたって申告の義務はないとはいえ、当然ながら治療を怠るとかいった状況でたびたび発作を繰り返しているのに運転を続けていたとすれば当人の責任が問われる可能性がありますが、では医師の指示通りに治療を受けていたにも関わらず低血糖(あるいは高血糖)を繰り返し事故を起こした場合本人はともかく医師の責任が問われることはないのかです。

ご存知のように糖尿病において極端な高血糖あるいは低血糖の場合に意識障害を来すことがありますが、単に意識障害を来さないことを目的とするならばかなり緩めの血糖コントロールを行い高めの血糖値を保っていれば発作の危険性も少ないし、ついでに高血糖による神経の麻痺によって患者本人も何も苦痛を感じず楽であるということになりますよね(それこそ心筋梗塞を起こしても気づかないくらいに)。
しかし実際には持続的な高血糖に伴い各種の合併症が飛躍的に増えることが知られているからこそ近年ますます血糖管理が厳しくなされるようになってきたわけですが、当然ながら厳しい血糖管理は一歩間違えると低血糖のリスクを増すことになり、とりわけ強力な薬物療法が行われている重症の糖尿病患者ほどちょっとしたことで低血糖発作の危険性は高まるわけです。
今回は道路交通法違反ということで患者本人が裁かれた形ですが、仮にこうした判決に納得がいかないと遺族が民事に訴えた場合、「より確実に勝てそうな相手を訴える」弁護士の立場からすると患者を訴えるよりも担当医を訴えた方が勝ち目があると考えない保証はないですよね。
JBMということが言われて久しいですが、外出中の精神科入院患者が殺人を犯した結果入院先の病院が訴えられたという「いわき病院事件」などを見ても、単に医療が目の前の患者の病態に責任を負うだけでは済まされない可能性は常に念頭に置いておかなければならない時代だと言うことでしょうか。

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2012年3月22日 (木)

意外な方向に拡散する放射能問題

原発事故から一年が経過していますが、放射能の影響は単に物理的、生物学的に発生するのみならず、心理的、社会的にも大きな影響を及ぼしているということが判るのがこちらの記事です。

放射能を避け母子のみで西日本に移住する夫婦に離婚増加中(2012年3月21日NEWSポストセブン)

 復興庁の統計によれば、2月23日現在、関西以西・以南の2府21県に避難した人の数は9998人にのぼっているという。被災者支援を続けている『NPO法人街づくり支援協会』の黒田俊司さんが移住・疎開の現状をこう話す。

関西方面に疎開してくるかたたちの7割が小学校低学年までのお子さんとその母親で、3割がご主人も一緒にいらっしゃるご家族です。理由は“食事でも放射能の心配がないものを食べられる”“安心して外で遊ばせられる”“安全で安心して育児ができるから”と。震災から1年経ちましたが、移住者や疎開者は問い合わせも含め増えています」

 新しい土地で新生活を送るにはそれなりの資金が必要で、移住・疎開はお金がある人の選択と思われがちだが、前出・黒田さんによれば、実際はパートをしながら、安い住宅を探し、そこをシェアするなど経済的負担を減らそうと工夫している母親も多いという。しかし、問題は経済的なことだけではない。夫婦関係に影響が及ぶケースも多いのだ。

 黒田さんはその現状についてこう語る。

夫と別居して子連れで移住・疎開していた人たちの中で離婚が増えてきています。震災から時間が経ったいま、夫婦で意見が違ってくるんですね。夫は“戻ってこい”というけど、妻は“いまはまだ戻れない”とか。

 母親の立場からすれば、夫が何をいおうと、国が安全といおうとも、やはり子供のことを考えれば、より安全で安心して生活できる場所で子育てをしたいという選択になりますから。経済的負担も大きくなり、そこでも夫婦間の対立を生むことにもなります。子供のためにと始めたことなのに、それで離婚となるのは子供にとっても悲しいことですよね」

先日も遠く東北から避難した人々が現地コミュニティーで独自の存在感を発揮していることを示唆する報道を紹介しましたが、人によっては客観的な状況はどうあれひとたびこうと決めればテコでも動かないということなのでしょうか、「いまはまだ」などと言ってはいても恐らく将来にわたって戻る意志はないのかも知れませんね。
放射線そのものの物理的な強さに対して生物側の影響の受けやすさを感受性と言いますが、一般に分裂の盛んな臓器ほど影響を受けやすいことから細胞分裂の盛んな小児では感受性が高く、逆に高齢者では低いとされていますが、この場合は心理的感受性が極めて高い人々であったということでしょうか。
福島絡みではしばしば話題になってきた食料品の他に観光など様々な面で風評被害ということが言われていて、汚染の状況なども地域ごとに複雑に入り組んでいるだけにどこまで注意すればいいのか部外者には判りにくいところがありますし、また一部からは「そういうリスクも込みで原発の地元には金が落ちて来たんだろ」という声もあるようです。
最終的には各人なりにリスクと利益の折り合いをつけながら程々のところに収束していくのだと思いますが、その収束の過程を少しでも早めようという気持ちは理解出来るものの、また思い切ったことを言い出したなとも感じさせられるのがこちらのニュースです。

食べよう、福島のコメ=都内グループ、高齢者に呼び掛け-「放射能の影響小さい」(2012年3月18日時事ドットコム)

 東京電力福島第1原発事故の風評被害で、売れ行きが落ち込む福島県産米を積極的に食べようと、東京の市民グループが高齢者に呼び掛けている。代表の平井秀和さん(68)=日野市=は「高齢者は放射能の健康への影響が小さい。賛同していただけたらありがたい」と話している。
 原発事故後、平井さんは何度も福島県に入り、津波に襲われたいわき市久ノ浜地区などで、被災家屋の片付けや側溝の除染を続けてきた。そのたびに、風評被害に苦しむ現地の窮状を見聞きし、福島のコメを県外の希望者に直接届けることを思い付いた。
 昨年秋、平井さんらは同県のボランティア仲間の紹介で、同県内のコメ販売業者を訪ねて協力を申し出た。初めは「この時期、どうしてわざわざ福島のコメを」とけげんな顔をされたが、「若い人の代わりに高齢者が福島のコメを食べることで消費の役に立ちたい」と趣旨を説明。平井さんらが希望者を募り、この販売業者がコメを送り届けることを決めた。
 宅配業者とも交渉し、通常よりも4割程度安い料金で配達できることに。扱うのは放射能測定証明書を添付した県産コシヒカリで、5キロ入りが2540円、30キロが1万845円(消費税・送料込み)。友人・知人のほか、インターネットで呼び掛けたところ、都内の高齢者デイサービス施設が仕入れ先をこの販売業者に変更し、これまでに700キロ購入。個人分でも計1000キロが売れた
 平井さんは「皆が福島のコメを敬遠すれば、産地表示が義務付けられないところに流れる。基準をクリアしているとはいえ、なるべく若者や子供の口に入らないようにするためには、高齢者が食べることが理にかなっている」と訴えている。
(略)

平井氏の論点自体は非常にクリアーで、特に高齢者が消費すべきかどうかは別としても「皆が福島のコメを敬遠すれば、産地表示が義務付けられないところに流れる」からこそ積極的に消費すべきであるという指摘は非常に重要だと思いますが、意外だったのはこうした動きに賛同して消費を図ろうという方々がきちんといらっしゃるということでしょうか。
何しろ言っていることはある意味身も蓋もない話だとも言えますから、報道によってこうした事例が公になってくると「うちのお爺ちゃんに変なもの食べさせないでください!」なんてクレームも増えてくるのかも知れませんが、きちんとしたインフォームドコンセントの元に継続的に続けられるというのであればこれはこれで福島問題に対する一つの長期的対案になってくるのかも知れません。
狂牛病対策のように、単に福島の米を国が引き取って処分するというよりも農家に配慮した話でもあるし、国や自治体にはこうした動きがあることに呼応して、例えば福島ブランドを明記して売る場合には補助金を出していくといった対応も期待したいところなんですが、いずれにしても試みそのものよりもそれに対する社会の反応の方が気になるニュースではありますね。

さて、こうした活動とは別方面から福島放射線問題に取り組んでいるのがあの一派だということなのですが、まずは記事をご紹介しましょう。

25時:放射線と砂糖玉 /宮崎(2012年3月19日毎日新聞)

 福島第1原発事故の放射線による健康被害への不安は、宮崎でも多くの家族が避難生活を送るように、特に小さな子供がいる保護者にとって深刻だ。

 ホメオパシーと呼ばれる民間療法がある。病気の原因物質を水で極度に希釈して服用すれば、自然治癒力が高まり病気が治るという理論に基づく。欧州発祥で約200年の歴史が強調されるが、医学の進歩でその有効性はほぼ否定され、治ったという体験談は暗示によるプラシーボ(偽薬)効果、自然軽快と一般的に評価される。

 しかし、この療法の推進団体「日本ホメオパシー医学協会」(東京都)は、東日本大震災の被災地で放射能を除去できるとPR。さらに、この団体代表が創業した健康食品会社「ホメオパシージャパン」(同)は昨年7月、フクシマの名前を冠した商品を発売。福島の土を水に溶かして染みこませたレメディーと呼ぶ砂糖玉だ。

 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇・長崎大教授(被ばく医療学)は「子供を持つ母親らの不安は切実だが、ホメオパシーの効果は医学的、科学的に証明されていない」と指摘。薬事法の承認を得た医薬品でもなく、都薬事監視課はこの団体と食品会社に、放射線への効能効果をうたわないよう警告した。

 両者は取材に、自らに好都合な論文を引き合いに「正しい理解を」というが、不安に便乗し、批判には「バッシングだ」と開き直る姿勢に、その本質が透けて見える。【石田宗久】

このホメオパシー問題に関しては当「ぐり研」でもそれこそ嫌になるほど取り上げてきたところですが、あれだけ社会的に非難囂々であってもまだ生き残っていると言う辺りにゴ○○○並みの生命力を感じると言うべきでしょうか、いずれにしても冒頭の記事に取り上げたような人々の不安につけ込んでここが儲けどころと奮闘努力していらっしゃる様子は想像に難くありません。
興味深いのは「ホメオパシージャパン」ご自慢の福島の土を使ったというレメディーは検索してみると確かに引っかかってくるのですが、同社のサイトから辿ろうとしても一向にこのページが見つけられないということで、「直接のクレームは弊社にはきておりません」とわざわざトップページにうたう割には随分と配慮の良いあたり、同社なりに思うところがあったのでしょうか。
この福島のレメディによる商売のやり方に関しては「NATROMの日記」さんが取り上げていますので参照いただければと思いますが、同社の母体である日本ホメオパシー医学協会の方では早くも昨年4月1日に会長自ら福島入りして特別講演を開いていたそうで、なるほど疲労と極限状態は正常な判断力を奪うという基本はしっかり抑えられているということなのでしょうね。
彼らに限らず不安につけ込んだ妙な商売をする人達は今後も尽きることはないでしょうが、健康もお金も失い何一つ得るものはなかったということのないよう気をつけていただきたいと思います。

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2012年3月21日 (水)

慶大教授が無茶しやがって…(AA略)

どうも何故こういうことが起こるのか判らない事件というのは時々ありますけれども、天下の慶大医学部でこんな妙な事件が起こったと言いますからそれは各紙一斉に報道もしますよね。

慶大医学部教授ら、手術の際に無断で骨髄液採取(2012年3月19日読売新聞)

 慶応大学医学部は19日、同大病院呼吸器外科の教授らが患者を手術する際、治療に必要ない研究用の骨髄液採取を本人の同意を得ずに行うなど、国の倫理指針の違反があったと発表した。

 同大は50歳代の男性教授と40歳代の専任講師の男性を懲戒処分にする方針だ。

 厚生労働省の臨床研究に関する倫理指針では、研究を行う際に、医療機関内に設けた倫理委員会の承認と、患者の同意が必要と定めている。教授らは、倫理委の承認手続きが完了していないのに、昨年10月から今年1月にかけて手術を行った40~84歳の肺がん患者の男女26人の肋骨(ろっこつ)からそれぞれ骨髄液2ccを無断で採取していた。

 また、肺がん患者の骨髄液と比較するため、倫理委に申請していない気胸などの患者5人に対しても、手術の際に、同意なしで肋骨から骨髄液を採取した。

 採取は、直径1ミリの太い針を骨に突き刺して行い、患者の負担となる。今のところ、患者の健康被害は確認されていないという。

患者に無断で骨髄液採取 慶応大(2012年3月19日産経ニュース)

 慶応大学は19日、医学部の呼吸器外科の教授らが肺がんの臨床研究のため、がん患者ら31人から同意を得ずに骨髄液を採取していたと発表した。健康被害は発生していないが、厚生労働省が定める「臨床研究に関する倫理指針」に違反しており、慶大は関与した50代の教授と40代の専任講師の2人について、病院での権限を停止、懲戒処分を検討している。厚労省は慶大に対し、原因究明と再発防止を指示した。

 慶大によると、教授らは医学部倫理委員会の臨床研究の手続きが行われる前の昨年10月下旬から1月11日まで、説明や同意がないまま、慶大病院(東京都新宿区)の40~84歳の男女の肺がん患者26人の手術中に、肋骨(ろっこつ)から骨髄液2ccを採取した。さらに、データを比較するため、研究対象外の肺疾患の患者5人からも無断で手術中に骨髄液を採取。手術で切除した肋骨から骨髄液を採取した例もあるという。

 厚労省は指針で、臨床研究をする場合は患者らに趣旨や危険性などを十分に説明し、同意を得るよう定めている

 また、別の肺がんの臨床研究で、一昨年3月31日の研究期間終了後も昨年10月まで研究を継続していた。

 慶大では、骨髄液を無断採取した患者に主治医を通じて謝罪。呼吸器外科から申請され、承認されている23件の臨床研究を停止している。慶大は19日、会見を開き、「今回の事例を深刻に受け止め、再発防止に努めたい」と謝罪した。

骨髄液無断採取:がん患者ら31人から 慶大、懲戒検討(2012年3月19日毎日新聞)

 慶応大病院(東京都新宿区)の呼吸器外科の教授らが、患者に無断で手術中に骨髄液を採取していた問題で、同大は19日記者会見し、同意を得ずに採取していた肺がん患者らが31人に上ることを明らかにした。厚生労働省が定める「臨床研究に関する倫理指針」に違反しており、同大は関与した50代の教授と40代の専任講師の懲戒処分を検討している。また同日付で2人の病院内での権限を停止した。今後1年間の研究成果の発表や新規臨床研究の申請停止も決めた。

 厚労省は「患者の同意を得ることは基本中の基本。適切な手続きを経ずに研究が行われていたことは残念」として、他の臨床研究の同意の取得状況や再発防止策について同大に詳しい報告を求めた。

 同大医学部によると、教授らは骨髄液からがん細胞を見つける臨床研究に携わっていた。学部の倫理委員会に申請する前の昨年10月24日から、肺がんの手術を行う40~84歳の患者26人に対し、事前の説明や同意のないまま、肋骨(ろっこつ)から骨髄液2CCを採取していた。さらに、「比較するデータが必要」として、がんでない患者5人から無断で手術中に骨髄液を採取。他に手術で切除された肋骨の断片からも骨髄液を採取していた。採取による健康被害の報告は今のところないという。

 今年1月に病院長あてに内部告発が寄せられ発覚した。教授らは大学の調査に対し、事実関係を認めた上で、「成果を急ぐあまり必要なプロセスを飛ばしてしまった」と話しているという。

 骨髄液は骨の内部にあり、血液成分の元になる造血幹細胞が豊富に含まれている。骨髄液からがん細胞を見つけ、病状の進行を予測する研究は2000年代に始まり、世界各国で競争が激しい。会見した末松誠・同大医学部長は「倫理指針に抵触した臨床研究が行われていたことを深くおわびします」と謝罪した。【斎藤広子、佐々木洋】

 ◇解説 臨床研究の根幹無視

 慶応大教授らが、患者への説明・同意がないまま骨髄液を採取していた問題は、臨床研究の根幹にかかわる重大なルール違反だ。位田隆一・京都大教授(国際生命倫理法)は「医師は患者のために何をしてもいいわけではない。ルール違反を、指導的立場の教授が主導したのは信じられない」と驚きを隠さない。

 無断で組織を採取し、研究に使うことは人体実験にも通じる。ヒトを対象とした医学研究に関する世界の大原則である「ヘルシンキ宣言」(1964年)は、ナチス・ドイツの人体実験への反省から、患者の尊厳を損なう不適切な人体への介入や組織の使用を防ぐために作られた。「被験者の自由意思に基づく承諾(インフォームド・コンセント)が必須」と明記され、国内でもそれに基づき臨床研究のルールが構築されてきた。

 厚生労働省の臨床研究に関する倫理指針は、08年の改正で「研究者の教育機会の確保」を盛り込んだ。このため、若手研究者には研究倫理への意識が浸透する一方、ベテラン研究者の意識向上が課題だった。生命倫理に詳しい※島次郎・東京財団研究員は「研究は直接患者に利益があるわけではないから、どんな軽い行為であっても、計画と説明内容に関する事前の承認と患者の同意が必要だ。臨床研究は医師の裁量を超えた行為という原則を徹底してほしい」と訴える。【永山悦子】 ※は木ヘンに勝=ぬで

どうもこのニュースを聞いて最初に理解出来なかったのは、今どきの医学雑誌はどこも臨床研究に関するインフォームドコンセントというものが非常に厳しく問われるようになっていて、きちんと同意を取っておかないと掲載されないはずなんですが、この教授達はこれでデータを取ったはいいとして一体どうやってその成果を公にしようと考えていたのでしょう?
もちろんそんなものは書類を適当に捏造して形を整えておけばいいだろうと考えたのかも知れませんけれども、手術中に取ったと言いますから恐らく患者本人には苦痛のないやり方であったのだと思いますけれども、それだけに術前に書類をお願いして一筆書いていただいた方が自分で捏造するよりもよほど手間もかからなかったんじゃないでしょうか。
いずれにしても内部告発があったくらいですから回りの人間も「このおっさん何やってんの?」状態だったのかも知れませんけれども、毎日の記事にあるように「若手研究者には研究倫理への意識が浸透する一方、ベテラン研究者の意識向上が課題だった」という状況にあったとして、本当にこんなレベルの認識でいたというのであればさすがに常時知識のアップデートが必要な本業の方の適性も大丈夫なのか?と心配になってきます。
この機会にもう一度厚労省の指針を確認してみたのですが、厚労省の「臨床研究に関する倫理指針」にはインフォームドコンセントに関してこのような記載がなされています。

1.被験者からインフォームド・コンセントを受ける手続

(1) 研究者等は、臨床研究を実施する場合には、被験者に対し、当該臨床研究の目的、方法及び資金源、起こりうる利害の衝突、研究者等の関連組織との関わり、当該臨床研究に参加することにより期待される利益及び起こりうる危険、必然的に伴う不快な状態、当該臨床研究終了後の対応、臨床研究に伴う補償の有無その他必要な事項について十分な説明を行わなければならない。

(2) 研究者等は、被験者が経済上又は医学上の理由等により不利な立場にある場合には、特に当該被験者の自由意思の確保に十分配慮しなければならない。

(3) 研究者等は、被験者が(1)の規定により説明した内容を理解したことを確認した上で、自由意思によるインフォームド・コンセントを文書で受けなければならない

(4) 研究者等は、被験者に対し、当該被験者が与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく撤回する権利を有することを説明しなければならない。
(略)
3.その他

 試料等の提供時に、被験者又は代諾者から臨床研究に用いることについてのインフォームド・コンセントを受けていない試料等については、原則として、本指針において定める方法等に従って新たに被験者又は代諾者等からインフォームド・コンセントを受けない限り、臨床研究に用いてはならない(ただし、倫理審査委員会が承認した場合を除く。)。

このように見て見るとインフォームドコンセントが十分果たされていない場合には研究そのものが認められないし、当然ながら仮に同意も無しに得られた試料を用いて行った研究は成果として発表する事も出来ないということになるのですが、よく見ていくとこの指針の対象となるかどうかにもなかなか微妙な定義の問題があって、たとえば同指針においては言葉の定義としてこのような一文が示されています。

3.用語の定義

(1) 臨床研究
 医療における疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学系研究であって、人を対象とするもの(個人を特定できる人由来の材料及びデータに関する研究を含む。)をいう。
(略)
(3) 試料等
 臨床研究に用いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出したDNA等の人の体の一部並びに被験者の診療情報(死者に係るものを含む。)をいう。ただし、学術的な価値が定まり、研究実績として十分認められ、研究用に広く一般に利用され、かつ、一般に入手可能な組織、細胞、体液及び排泄物並びにこれらから抽出したDNA等は、含まれない。
(6) 個人情報
 生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

その上でこの指針の対象となるのは「個人を特定できる臨床研究」のうちで「他の指針に該当しないもの」であって、例えばもともと個人を特定する対象を扱わない疫学研究研究などは対象にならないし、いわゆる症例報告も対象外(こちらは「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」の範疇)になってきます。
「個人を特定できない」人由来の材料を用いた研究も対象外ですが、例えば感染症として疾患を扱う目的ではなく微生物そのものを研究対象とする場合には、患者から分離された微生物を用いた研究であっても対象外となります(得られた成果を臨床情報と合わせて研究を行った場合は対象となる場合がある)。
また患者への治療などを目的とせず単に健常者から試料を採取して行う医療行為を伴わない研究であるとか、尿や便のように採取に当たって患者に侵襲を与えないと考えられる試料を用いた研究も対象外だと言うことですが、要するに指針の対象となるかどうかには身体的精神的、あるいはプライバシーといった面で特定個人に危害を及ぼす恐れがあるかどうかがポイントになるということですね。
しかし前述のような同指針の基準から解釈すると、例えば今回のケースでも患者に特別の侵襲を与えることなく手術で切除した骨片からのみ骨髄液を採取し、かつその試料を個人情報と完全に切り離して扱っていた場合には同指針違反を問われることはなかったと言うことになるのですかね?(「手術等で摘出されたヒト組織を用いた研究開発の在り方について」では組織摘出には説明と同意が必要という文言がありますが)。

ま、厳密に同指針に該当するか否かに関わらず同意書も何もなしで黙ってやっていた時点で今の時代にありだとは到底言えませんが、改めて感じることには今回も研究期間終了後も研究を継続していたことが問題視されていますが、病理組織など保存資料を用いた研究でも同意を得た内容と異なる研究に使うならその都度同意を取り直せだとか、指針には実際の運用を考えると大変そうな項目が結構あるのも確かですよね。
医療訴訟だ、JBMだなんて言葉が最も賑やかしく語られていた数年前に副作用や合併症に関する症例報告が激減したと話題になりましたが、医学研究全般に関しても実は旧世紀末頃から医学研究者がどんどん減少し、東大あたりでもすでに基礎系に進学する人間がゼロになってきているという話があって、人によってはその傾向にとどめを刺したのが平成16年の新臨床研修制度導入であるとも言います。
ノーベル賞を取るような偉大な研究が成されるのは20代~30代の若い研究者に多いという話が昔から言われていて(ただし異論もあり)、特に理論物理などでは10代の頃から暖めてきたアイデアが研究の骨格になるケースも多いと聞きますが、医学研究者を目指すにしても若くて一番頭の柔らかい時期を臨床にどっぷり浸からざるを得ない状況を強いられるのは不利なんだろうなとは思いますね。
ただでさえそんな危機的状況にある中でこうした事例が発生して世論が沸騰し「なんたるモラルの欠落か!これはさらに指針を厳しくしなければ!」なんて話になった日には、研究する時間よりも説明と同意のための時間の方にずっと手間暇かかってしまうなんておかしな状況にもなりかねませんから、真面目な研究者の方々ほどこういう事件が起こるのは良い迷惑だと感じているんでしょうね。

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2012年3月20日 (火)

今日のぐり:「焼肉ポプラ」

残念だという表現も近ごろ何とも微妙なニュアンスで用いられるようになりましたが、こちらなどは残念だという以外に何とも表現のしようがない残念さではないでしょうか。

「もうひとつのケンタウロスは残念だった…」と人気を集めていたイラスト(2012年3月14日らばQ)

ケンタウロスはギリシャ神話に登場する半人半馬の生物ですが、雄々しくもどこか神秘的な姿は、数多くの絵画や彫刻、そしてファンタジーの題材となってきました。

そんなケンタウロスですが、「半人半馬と言うことなら、こっちのバージョンもあるよね」と描かれたイラストが海外サイトの人気を集めていました。

もうひとつのケンタウロスをご覧ください。

ケンタウロス

………。

もう何て言ったら良いのやら…。哀愁さえ感じます。

ケンタウロスの凛々しさは微塵も残っていませんが、インパクトに関しては互角かも…。

実在すれば、前から遭遇しても後ろから遭遇しても対応に困りそうです。

ついでですが、同じように人魚の場合はどうなるのかという例を、載せておきます。

人魚・マーメイド

無人島に一人で流れ着いた男の前に人魚が現れ…というネタはちょいと品のないジョークの定番ですけれども、こういうケンタウロスの場合はどう転んでも潰しが利かなそうですね。
今日は本当に残念なケンタウロスに哀悼の意を表して、世界各地から色々な意味で残念と言うしかないニュースを取り上げてみたいと思いますが、こちらは愛好者の方々にとっては残念で済むどころの騒ぎではないかも知れません。

仕事帰りの会社員癒やす「猫カフェ」、夜8時以降の営業禁止へ/東京(2012年3月2日ロイター)

[東京 2日 ロイター] 動物愛護法施行規則の一部改正に伴い、6月1日から都内で人気の猫カフェが、夜8時以降に営業することが禁止されることになり、同カフェの経営者や猫愛好家からは不満の声が上がっている。

一日の仕事の疲れやストレスを癒やそうと、仕事帰りに猫カフェに立ち寄る会社員が多く、夜8時というのはまさにその時間帯にぶつかる。

朝8時から夜8時までに犬猫の展示を制限する同法の改正は、本来深夜営業を行うペットショップに営業をやめさせるのが狙いだったが、猫カフェも例外ではない。

都内のある猫カフェの経営者は「猫は夜型で、とても元気。なぜそのことを無視するのか理解できない」と不満を漏らす。同店ではこれまで、夜10時に店を閉めていたという。週に2回はこの猫カフェを訪れるという男性(41)も「猫たちに会えないなら、きっと行かないだろう」と語った。

個人的には猫カフェがペットショップなどと同様の扱いであるということに意外さを覚えるのですが、飲食店にたまたまちょっと多めの猫がいるといった感じで規制逃れをするわけにはいかないのでしょうか。
同じく東京から動物絡みのニュースをもう一つ取り上げてみますが、かわいい顔をしていて実は…という何とも残念なニュースです。

カメラは見ていた。ペンギンがペンギンを突き落とす衝撃の瞬間(2012年3月13日ねとらば)

 岩場の上に立ってキョロキョロと辺りを見渡している一羽のペンギン。ところがちょっとよそ見をしたスキに……。

葛西臨海水族園 突き落とされたペンギン

 ちょっとしたイタズラ心からか、それともなにか恨みでもあったのか。一羽が右を向いた瞬間を狙って、真ん中のペンギンがお尻をコツン! 突然の攻撃に驚いたのか、あわれ右のペンギンはバランスを崩して崖の下へ……。しかもつついたペンギンの方は何事もなかったかのようにそっぽを向いて知らんぷり。怖い、ペンギン怖い。

 撮影されたのは葛西臨海水族園。動画のコメントには「習性なんでしょうかねー、天敵が居ないか調べるため、群れの中から数匹、海へ突き落とすそうです」と、さらりと恐ろしいことが書かれていたりしますが……。

詳細はリンク先の動画を参照していただくとして、しかしペンギンにそんな怖い習性があるなんて聞いてないよ…と感じた方々も多いのではないでしょうか。
動物ネタが続きますけれども、こちら動物版下克上としては「トムとジェリー」よりもさらに一段上をいったという嘘のような本当の話です。

ネズミにミルク取り上げられた気弱な猫―あきらめて退散(2012年3月14日J-CASTニュース)

   この世の動物には、それぞれのイメージがある。ライオンは百獣の王だし、ナマケモノは怠け者といった具合。そして「猫」という動物は古来、ネズミを捕まえるものだとされきた。だがそれは本当だろうか。動画サイトのYouTube(ユーチューブ)で動物の生態を観察すれば、そうした固定観念は往々にして再考を迫られる。

はじめは仲良く飲んでいたのに…

   「Rat Thief (Rat steals milk from cat) 」という動画には、「泥棒ネズミ」にミルクを取り上げられるという体たらくの猫が登場する。この動画、公開からわずか1週間で約300万回再生された大ヒット作だ。

   家の中の床に置かれたミルクの皿を左手の猫、右手のネズミがお互い皿に頭をつっこんで仲良くなめているように見えたが、次にネズミが前足でお皿を引きよせた。当然、猫はミルクが飲めなくなり、しばし黙考する様子だったが、しばらくしてまた皿に近づき、ミルクを飲みはじめる。しかしネズミはふたたび、みたびと皿を移動させて妨害。しまいに猫はあきらめて(?)立ち去ってしまった。

   動画の視聴者からは、なんでこの猫はネズミからこのような屈辱を受けて何もしないのだといぶかる声や、アニメの「トムとジェリー」を思わせる、勝つのはいつも(ネズミの)ジェリーである、ジェリーは現実でも勝つんだといったコメントが寄せられていた。

これまた実際には猫の方が満腹しただけだという声もありますが、いずれにしてもネズミ強えよ!と言うしかない動画ではありますよね。
小動物と言えば場の雰囲気を和ませてくれるものとして扱われていますが、生き物とはナマモノだけに場合によっては極めて残念なことになってしまうというニュースがこちらです。

【放送事故】生放送中にワンコがウンチをひねり出しました / しかもゲストの目の前で(2012年3月14日ロケットニュース24)

生放送でいちばん怖いのは放送事故ですよね。アクシデントが発生すると、観ている視聴者のほうもハラハラドキドキしてしまうものです。バラエティ番組の場合は生放送でトラブルがあってもごまかせそうですが、報道番組で放送事故があると大変なことになりそうです。

今回ご紹介する動画は、海外のニュース番組での放送事故です。演出のためにスタジオに登場したかわいい子犬。ニュースキャスターやゲストたちがいるなか、机の上で「ブボボモワッ!」とウンチをしてしまったのです。

これにはニュースキャスターやゲストもビックリ! ニュースキャスターは大笑いしていますが、目の前でウンチをされたゲストは苦笑い状態。動画をもう一度見てみると、子犬は登場した直後からヨロヨロとしており、なにやら怪しい雰囲気。どこにウンチをしようか迷っている雰囲気なのがわかります。

どうしてゲストの目の前ですることに決めたのかわかりませんが、ゲストに対してお尻を向けてブリブリしているため、ゲストからはうんちが出てくるシーンが丸見えだったと思われます。

子犬はペット専門の事務所から連れてこられたのかもしれませんが、子犬なのでトイレのマナーを教育されていなかったのかもしれませんね。とりあえずカワイイので許してあげましょう!

参照元: Dog Poops During Live News Segment Video.

行為自体の結果もさることながら、まさしくその瞬間を直視することになったゲストの心境やいかに残念だったかという話ですが、キャスター氏も笑っている場合ではございません。
ひと頃「成田離婚」なんて言葉がありましたが、それどころではない超速の新記録達成か?というニュースがこちらです。

入籍からわずか1時間で離婚、女性の“おねだり”巡って揉め即決。/台湾(2012年3月10日ナリナリドットコム)

“永遠の愛”を誓い合った2人でも、そこは育った環境も性格も異なる人間同士。時には離婚という選択肢を取らざるを得ない場合もあるだろう。ただ、中には周りの人から見て、信じられない理由でいとも簡単に離婚してしまう人たちがいる。台湾ではこのたび、結婚後わずか1時間で離婚した夫婦の話がメディアで報じられた。離婚の原因は女性がねだった“プレゼント”を男性が買ってくれなかったから――だという。

香港中通社などの報道によると、台中市で暮らす27歳の王さんと、年下のカレ、23歳の李さんは2年間交際。これまで幾度か別れてはまた付き合うといったことを繰り返してきたが、そんな2人に転機が訪れたのは昨年末のことだった。彼女が妊娠して男児を出産し、李さんに責任を取るよう迫ったためだ。

これに李さんは親としての責任をまっとうするべく、籍を入れる決心を固め、2月下旬、2人で台中市の潭子区戸政事務所を訪れた。

しかし、ドタバタ劇が待っていたのはそこから。籍を入れる前、彼女は“結婚祝い”として外車とブランドのバッグをプレゼントしてくれるようねだり、李さんも了承していたのだが、籍を入れて晴れて夫婦となった直後に結婚登記所からそのまま自動車のディーラーへ直行。王さんは車を購入するよう求めた。

ただ、李さんはすでに車を1台所有していて、まだ十分に使えることから、すぐには買わずに「今度にしよう」と提案。これに彼女は不満を示し、「いま買わないなら離婚する!」と迫ってきた。そして紆余曲折の末、結局2人はすぐに籍を入れてきた結婚登記所へ舞い戻り、今度は離婚手続きをすることに。入籍から離婚まで、わずか1時間程度の出来事だったという。

結婚登記所の関係者も「これほど早い離婚は前例がない」と、さすがに驚いた様子。別の関係者も「恐らく台湾史上最速の離婚ではないか」と目を丸くした。また、晩晴婦人協会元理事長は「現代は男女とも結婚への期待が高く、もし結婚して期待に添わない状況が現れると我慢ができず、容易に離婚してしまう。お互い耐えるようにしなければなりません」と話し、昔と今とでは結婚を取り巻く環境が大きく異なっているとコメントしている。

経緯を聞く限りではもう少し長続きしていたとしても同様に残念な結末が待っていたのかも知れませんが、しかしわずか一時間でも本契約である以上は慰謝料なども発生してしまうものなのでしょうかね?
アメリカと言えば日本人の目から見るとそれなりに残念なところも多いというお国柄ですけれども、こちらは周囲から見ても残念そうなという話題です。

「ハレンチすぎる名前の道路」に変更案が浮上するも住人が反対/米(2012年3月13日らばQ)

アメリカのメイン州では、ある道路の名前の入った標識が、たびたび盗まれるなどの被害を受けることに頭を悩ませてきました。

理由は単純で、名前にインパクトがありすぎるため。

このことから地域では名前を変えようという提案があったのですが、名前を変えないで欲しいという住民が多かったことから、変更案は拒否されたそうです。

さて、道路の名前ですが、なんと“Katie's Crotch Road”(ケイティのお股ロード」と言うもの。

公共物に対する破損が多いことから、年に1度行われる町議会で道路の名前をシンプルに”KatiesRoad"(ケイティズ・ロード)へと変更する提案がされたものの、長年親しんできた名前に愛着があると、住民が新しい名前を拒否したそうです。

そんな変わった名前が付けられた経緯については誰も知らないと言い、78歳を迎えるマリリン・ゴーマンさんは「この道路標識が立つよりも昔から、そう呼ばれてきたのよ」と伝えています。

書面など証拠となるものは残っていませんが、噂によると道がVの形で「股」に見えると言ったものや、ケイティと言う女性が下着を履かずにその道路に座っていたなど、いろいろな説があるようです。

あまりに露骨な名前だけに、インターネット上ではこの標識の写真を見てもフェイクだと思う人が多く、「おまわりさん、この標識本当?」みたいな驚かれ方をされていました。

しかしながら、住民にとっては昔から語り継がれてきた名前だそうで、存続して欲しいとの声が多数を占めたようです。

ただし、破損や盗難にあうたびにかかる費用は、年間200ドル(約1.6万円)となっており、悩ましい問題ではあるようです。

地図帳を見ながら残念な地名を探して回った経験を持つ人は数多いと思いますが、外国人には奇異に感じられても多くの場合は現地語ではごく当たり前の語感であるわけで、こういうケースの場合は残念度がいや増すというものでしょうか。
やるぞやるぞと言われながら実際にやってしまうと言うことはままあるものですが、やってはならないはずの事が実現してしまうとそれはどうなのよというこちら中国のニュースです。

中国高速鉄道:報道「雨で陥没するぞ」、現場「雨で陥没した」/中国(2012年3月13日サーチナ)

  中国・湖北省漢口(武漢市)と同省宜昌を結ぶ高速鉄道線「漢宜鉄路客輸専線(漢宜高速鉄道)」の工事現場で9日、線路部分が300メートルにわたって陥没したことが分かった。同路線にはついてこれまで、「おから工程(手抜き工事)だ。雨が降ったら線路が陥没する」との報道があった。現場の工事関係者は陥没の原因を「たぶん、雨が降ったからだろう」と説明した。新華社などが報じた。

  線路が陥没したのは湖北省潜江市浩口鎮南湾村部分。これまで、「石を敷くべき所で、土を盛っただけ」、「雨が降ったら陥没の恐れがある」などと、「おから工程(手抜き工事)」と指摘する報道があった。

  現場で作業する工事関係者は「たぶん、2日ほど雨が降ったことが陥没につながったのだろう」と説明した。同鉄道路線は開通を目指し、急ピッチで工事が進められていた。

  中国共産党湖北省委員会宣伝部、湖北省人民政府新聞弁公室(報道事務室)、湖北日報メディア集団は、同問題を紹介するウェブサイトを開設し、建設会社による「規則どおり、検査と納品が進められていた。専門家の評価により、問題を起こした部分が基準に満たしていないことが判明した」、「(経費削減のために、定められた)材料を投入しない工事は行っていない」などと説明した。

  しかし、漢宜高速鉄道では2月28日に試験運転が始まっていたとされる。車両を通した後に「線路部分の検査を行い、問題が分かったので補修工事を始めた」という釈明は、不自然だ。

  当局側は、問題の発見と補修工事は「正常な作業」と説明し「事故」との言い方を「誤解」と表明した。しかし、北京で発行される新聞「新京報」が「“崩壊事故”は単なる誤解か?」とする記事を発表するなど、中国メディアも納得していない。(編集担当:如月隼人)

まあしかし、中国だけにさもありなん…で済んでしまいそうな勢いなのが一番残念だということなんですかね?
同じく中国からはこんなニュースもありますが、一見すると格好いいものがネタバレしてしまった途端に残念になってしまうというのはどういうものでしょう?

中国の軍人の姿勢が驚くほど正しい理由が判明/中国(2012年3月13日秒刊SUNDAY)

中国や北朝鮮など、彼らの整列した行進はあまりに正し過ぎる。とくに姿勢は誰もがピシッとしており、まるで機械のようだ。だがなぜそこまでみな姿勢が正しいのか。例えこれが教えであったとしても、それぞれみんな違う人間。体の構造も違えば、性格も違う。ではその違いをどのようにカバーしているのか、驚くべき方法が判明した。

(画像)

画像を見てほしい、背中に十字架のようなものを背負って行進の練習をしているではないか。どうやら、これで姿勢をただすという補助器具のような役割を担っているようだ。
いや、問題はそれではない。もっと大変な補助器具がエリについているのをお気づきだろうか。そう針だ。これは少しでも下を向いたり、首を動かしたりしたら直ちに、グサリとのど元をやられると言う恐怖の補助器具。

こんなものがあればひとたまりもなく、強制的に姿勢が正されてしまう。もはや、姿勢を正してくださいなどというくだりは不要。痛いか痛くないか。それだけだ。

むろん実践の場合はこのハリは除去されるのであろうが、普段からこの訓練を受けてしまうと、無意識的にのど元に針がある感覚に襲われ、有事の際も上を向くしかないだろう。

となると、中国軍の弱点は下から攻撃を仕掛ければ、相手のすきを突くことが出来るかもしれない。実際はそんな甘いものではないのですが、そもそも姿勢を正すことに何の意味があるのかという疑問はNGであろうか。

いや、背中の矯正(強制?)具くらいまではまあそんなこともあるかとは思いますけれども、その首の針はちょっと想像の斜め上を逝きすぎじゃないでしょうか?
残念なニュースというよりも存在そのものが残念ではないかとも噂されるのがこちら最後に取り上げますブリですけれども、まずは記事をご覧いただきましょう。

金総書記のそっくりさん「オレが結婚できないのはアイツのせいだ!」と悲痛な叫び/英(2012年3月13日livedoorニュース)

英国のある韓国系男性が、北朝鮮の金正日総書記と容姿があまりにも似ているために結婚ができないと訴えている。

英紙デイリーメールは9日(現地時間)、ウェストンで暮らすウィリアム・チョン(43)さんが、英国で生まれ育ったにも関わらず、金正日総書記と容姿が似ているがために結婚ができないと伝えた。

確かにウィリアムさんの容姿は、若かりし頃の金総書記そっくり。身長と体形が似ているほか、髪型やおでこの具合も似ているため、ウィリアムさんを見た人の多くが自然と金総書記を思い浮かべるという。過去には、そんな容姿を生かし、デンマークの携帯電話会社の広告モデルになったこともある。

だが、女性にモテないというのは深刻な悩みのようで、ウィリアムさんは「多くの女性から初対面で『金正日に似ている』と指摘される」「金正日が死去した後、状況は良くなるかと思ったけど大して変化はなかった」と話した。

また、「金総書記のそっくりさんとしてお金を稼いだけど、恋愛に関しては障害になってしまう。私がまだ結婚できないのは、金正日に似ているせい」と金総書記と似ていることが恋愛には障害として作用していることを明かした。

ウィリアムさんの友人は、「ウィリアムは経済力もあり、性格も良い。でも金正日に似ているため、女性から人気がないのが残念だ」と話している。

どれくらい似ているのかということはこちらお二人の比較写真を参照していただくとして、しかしさすがキム同志は遠いブリでもそこまで有名であったとは存じ上げませんでした。
しかし御本家の方は女性にモテモテであったと言いますけれども、さすがにブリではその威光も通じなかったということでしょうか、むしろこの際北に移住など考えてみられた方が幸せな生活を送れるのかも知れませんが。

今日のぐり:「焼肉ポプラ」

倉敷市西部の玉島地区中心部には玉島高校と玉島商業という二つの高校が並んでいますけれども、その玉島商業の隣接地に立つ焼き肉屋がこちら「ポプラ」さんです。
外から見る限りでは特にパッとするところもないと言いますか良い具合に?くたびれていると言いますか、いかにも田舎町の焼き肉屋(失礼)という感じもあるのですけれども、地元ではリーズナブルな値段でそれなりに食べさせる店として根強い人気があるそうなんですね。
この日は適当に焼肉をつまみながらサイドメニューも幾つか試してみましたが、単に肉を出すだけでなくそれなりに面白そうなオリジナルメニューも少なからず用意してあるようですね。

肉はロース、カルビ、ホルモンなど一通り試してみましたがそれぞれの部位らしい肉の味がするのは好印象で、食べた中ではカルビが一番口に合うかなと思ったのですが全般にはまずまず及第というところ、強いて言えばタンが何かしら微妙な臭み?のようなものを感じたのにはちょっとだけ違和感がありましたね。
これに合わせるキムチの盛り合わせはよく言えば辛すぎず素材そのものの味が楽しめるとも言えるのですが、熟成発酵させる韓国式ではなく日本式の浅漬けスタイルにしてもこれはいささか漬かりが浅いと見るべきでしょうね。
焼き肉屋で冷や奴などと言えば色々とアレンジしてあるものが出てくるのが常ですが、こちらの場合唐辛子系のタレを合わせるのはまあ好みの問題として、豆腐自体が少しばかり劣化しているのか微妙に酸っぱいというのはマイナスポイントでした。
定番の石焼きビビンバと並んで石焼きネギめしなるものがあったので何なのかと頼んでみたのですが、いわゆる石焼きスタイルでトッピングに刻みネギと卵、鰹節が載っていものを焼いた上で醤油を加えて味付けするという、見た目は多少新鮮みはあるのですが食べて見れば要するに鰹節入りの焼き飯そのものの味じゃないかと言うものですよね。
デザートに白桃シャーベットを頼んで見ましたが、本物の桃そのものを使ったらしくきちんと白桃の味が楽しめるのはうれしい意外さというもので、そう言えば岡山県は白桃の産地として有名ですがこの界隈でも盛んに栽培されているらしいですね。

全般的に味の方は値段相応という感じですが、古い設計の店構えらしくそれなりに込み入った作りになっているのにきちんと隅の方までの目配りも気配りも出来ているようでそれなりに快適な時間を過ごせましたから、気構えて行くというよりも今日はちょっと外で食事をと言うときに利用する近所の焼き肉屋というポジションなのでしょうか。
ところでそこそこ老舗だと聞いていたのですがこの日はたまたまなのか、フロアも厨房も若いスタッフばかりで回している様子だったのが少しばかり意外だったのですが代替わりしたということなんでしょうか、それなりに活気もある若いスタッフが揃っている割に接遇面ではいい意味で田舎っぽさを残した素朴なところもあるのが少しミスマッチ風でもあり、こちらの店の味でもありなんでしょうね。

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2012年3月19日 (月)

大分大病院で医師大量離職発生

大分合同新聞から真面目な?記事を引用させてもらうのも何か妙な気がしますが(失礼)、まずは記事から引用させていただきましょう。

呼吸器外科と乳腺外科 新患の受け入れ中止(2012年3月16日大分合同新聞)

 大分大学医学部付属病院は4月1日から、呼吸器外科と乳腺外科で新たに患者を受け入れないと15日、発表した。移籍や定年退職に伴い医師が確保できないため。同病院総務課は「現在、全国規模で医師を募集をしており、できる限り早い再開を目指したい」としている。同病院で、医師が確保できず、新患の受け入れを中止するのは初めてという。

 同課によると、両科の医師が所属する医学部総合外科学第2講座の医師10人のうち7人が3月末付で辞め、後任が確保できないため。同講座の川原克信教授は定年退職、残る6人は他の医療機関に移るという。
 新年度からは、医師が3人態勢になるため、入院患者や、継続して受診中の患者にも別の医療機関を紹介している。

 同病院は、高度医療を提供する特定機能病院。呼吸器外科は肺がんや自然気胸など、乳腺外科は乳がんなどの治療をしている。2010年度の年間外来患者は、呼吸器外科が1338人、乳腺外科が1879人。同年度の延べ入院患者は呼吸器外科が3568人、乳腺外科は1352人。

大分大病院 外科医7人が一斉退職…新規患者受け入れ中止(2012年3月16日スポニチ)

 大分大病院(古林秀則院長)で呼吸器外科と乳腺外科の担当医師計10人のうち、7人が3月末に一斉退職することが16日、分かった。担当医が不足するため、両科では新規患者の受け入れを中止し、受診中の患者には別の医療機関を紹介するとしている。

 病院によると、7人のうち、医学部の川原克信教授は3月末で定年退職。准教授ら6人は自己都合などによる退職や任期切れとなる。

 大分大の関係者によると、両科の医師は、所属する医学部の組織再編の動きや川原教授の後任が決まらないことに不信感を募らせていたという。病院は「後任の教授は4月以降に決める方針だった。後任人事が遅れるのは珍しいことではない」と説明している。

 古林院長は「関係者にはご迷惑をお掛けする。可能な限り早期の診療再開を目指す」とのコメントを発表した。

 大分大病院は大分県で高度医療を担う中核的な総合病院。病床数は約600。

昔から教授選の結果に伴い講座内部で勢力図が激変するといったことはままあったわけですが、どうも教授選に負けたとか新教授と折り合いが悪いとか言う以前に後任教授すら決まっていない段階で大量離職が発生したようですね。
当地の雰囲気はどんなものなのかと過去に大分大関連の記事をざっと調べてみましたら、職員(うち9割は医師)に超過勤務手当を支払っていなかったなんて話を当「ぐり研」でも取り上げていたくらいで元々組織への忠誠心は低かったのでしょうが、どうも報道から判断するところでは外科部門の再編をするのしないのという話が最も大きな要因であったようです。
内部の状況を知らないので全くの推測ですが、どこの大学でも昔ながらの講座割りが残っていて現状に即していないから再編すべきではないかという声はありますけれども、当然ながら講座を統合したりすれば教授以下のポストの数が変動してくるわけですから、現にポストに就いている人にしろ今後ポストを狙おうという人にしろ現状より狭き門になるのは歓迎できないのも当然ですよね。
そうしたトラブルを少しでも減らすために教授などの退官に伴い空いたポストを敢えてそのままにして統合してしまうという技も時折使われるようですが、現に教授の後任人事が遅れていることをそうした話と絡めて危機感を募らせていた先生方がそれだけ多かったということなのでしょうか。

こうした人事も絡んでのトラブルは別に大学だけに限った話ではなく、例えば市中病院にあっても組織を再編するだとか統廃合するに当たってポストも整理されるのは当たり前にあることで、特に公立病院ではポストの定数が決まっていますから、それまで部長と呼ばれていた人が医長に格下げされてしまったなんてことは実際にままあります。
それが原因でやってられないと辞めてしまう先生も当然ながらいらっしゃるわけですが、逆に言えば病院側としてもこの先生には絶対に抜けられては困るという相手にはそれなりに配慮をするでしょうから、病院側の評価をはっきりと突きつけられる側にしてみれば「ここに残っていても先はない」と悟らざるを得ないのも確かでしょう。
もちろん一般企業においてこんな話は当たり前にあることですから、いちいちそんなことで大騒ぎしているとはナイーブすぎると言われるのも当然なのですが、上の誰かが消えれば幾らでも下から抜擢も出来るピラミッド構造になっている一般企業と違って、医療の世界ではごく少人数で業務を回している医師という司令塔役が消えてしまうと看護師や事務から昇格させようというわけにもいかないという違いがありますよね。
大学側にしてもまさかここまで大量離職者が出るとは思っていなかったのでしょうが、それにしても今どきどこの医局もギリギリの人数でやっているだけにもう少し慎重に気を使って話を進めるべきだったのかなとも思いますし、また一昔前であったならこういう一発で診療崩壊してしまうような集団離職は医師の側でも躊躇してしまったでしょうから、それだけ時代が変わったということなのでしょうか。

今回の件に限らず近年どこの病院でも何かあれば「○○科の医師が集団離職!」と連れだって一気に消えていくケースが非常に目立つようになりましたが、医局人事が強かった時代であればまあ多少のことは我慢しようかと自制も働いていたのでしょうが、今どきでは我慢しても何もいいことがない上に、さっさと辞めてもっと好条件の仕事場に移った方がよほど幸せになれると知れ渡ってきた感があります。
大学病院などはそれでも大学でしか出来ないことをやりたい先生方にとっては嫌だろうが不満があろうが残らざるを得なかった事情も残っていましたが、大分あたりの地方大学では本当にここでしか出来ないということはそうそうやっていないということだったのかも知れず(失礼)、研究費も多く使え患者も集まる旧帝あたりと比べるとまだしも心理的ハードルは低かったのでしょうね。
まあしかし、労働環境という面から考えると大分のみならず大学病院というところはろくでもないところなのは確かで、理由はどうあれこうした集団離職によって後任集めのためにはそれなりの好条件も提示しなければならないだろうとも想像してみると、長い目で見れば職場環境を改善しスタッフの士気を向上させ、患者さんにとっても良い病院になっていくための一つの契機になるのかも知れませんがね。

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2012年3月18日 (日)

今日のぐり:「天下一品 倉敷店」

先日小さな記事で出ていたこちらのニュースですが、何気なく読んでいるとよくあるストーカー事件じゃないかと思ってしまいそうですよね。

准看護師の男 ストーカーで逮捕 同僚男性に/栃木「結婚して」(2012年2月28日スポニチ)

 栃木県警真岡署は28日、同僚男性に「結婚してくれ」などのメールを送って付きまとったとして、ストーカー規制法違反の疑いで宇都宮市の准看護師の男(39)を逮捕した。

 逮捕容疑は、昨年11月から今年2月にかけて同じ病院で働く看護学生の男性(36)の携帯電話に男性同士の裸の写真や「死ね」などと書いたメールを14回送信し、つきまとった疑い。

 同署によると、准看護師は男性に好意を抱いたが、交際を断られて恨みを抱いたという。准看護師は一部の行為について「覚えていない」と否認している。

しかしよく読んで見ますとあれ?同僚男性に「結婚してくれ」とつきまとった同僚男性を逮捕…?とは、いったいこれは何がどうなっていたのでしょうか。
今日は残念ながら愛の方向性が若干異なっていたために世の受け入れるところとならなかった准看護師男性(39歳)に哀悼の意を表して、世界から男と女にまつわる「ちょっとそれはどうよ」と言う話題を紹介してみることにしますが、実はこの道では日本人は世界のトップランナーではないかとも噂されているのですね。

家政婦が料理に尿を入れた衝撃の映像が公開される! 「理由があるはず」「初犯じゃないだろ」/サウジアラビア(2012年2月28日ガジェット通信)

家政婦という最も信頼されなければいけない職業の者が、なんと常識外れの行動を起こし騒動となっている。家政婦がキッチンで排泄しその尿を料理に混ぜてしまったのだ。その行動の一部始終は監視カメラにより記録されており、話題となっている。

この一件はサウジアラビア現地メディアも報じており、騒動となっている。もちろん家政婦への批判も数多く挙がっているが、中には家政婦を擁護する声も多く挙がっているのだという。この映像を見たい方は下記の『YouTube』をご覧頂きたい。排泄シーンもあるがそんなにきわどい映像はないのでご安心を。

この動画に対する付けられたコメントの一部を紹介したい。

・今回が初犯じゃないだろ。(イギリス)
・動機を知りたい。(イギリス)
・雇い主もその程度ってことじゃないの?(ルーマニア)
・↑かもな。(イギリス)
・理由があるんだって。(イギリス)
・ウンコしてないよ?(アメリカ)
・美少女のならリットル単位で飲みたい(日本)

彼女は今後どのような処分を受けるのかは決定されていない。サウジアラビアって刑重そうだけど大丈夫? この映像を見たい方は下記の『YouTube』をご覧頂きたい。

家政婦が料理に尿を入れる動画(YouTube)

各国それぞれの反応が並ぶ中で、この日本人のコメントがどん引きされたのは言うまでもないことですよね…
日本の性風俗もなかなか多彩すぎて外国人にはちょっとどんなサービスなのか想像もつかない場合が多々あると言いますが、こちら多くの日本人からしてもちょっと疑問符のつく余地無しとしない不思議なサービスを売りにしているようです。

「足責めクラブ」摘発 経営者の男「自分にそういう趣味あった」 警視庁/東京(2012年2月29日産経ニュース)

 風俗営業が禁止された地域で女性従業員に足を使った性的マッサージをさせていたとして、警視庁保安課は、風営法違反(禁止地域営業)の疑いで、東京都世田谷区池尻、個室マッサージ店「足責めクラブ」経営、小野雅司容疑者(66)と住所不定、同店店長、荒巻世次容疑者(46)ら男3人を逮捕した。

 同課によると、小野、荒巻両容疑者は容疑を認め、小野容疑者は「自分にもそういう趣味があり、儲かると思ってやっていた」などと供述しているという。

 同課によると、同店は平成14年から台東区上野のマンションで営業しており、女性従業員20人が在籍。30分8000円のコースなどがあり、これまでに5億5000万円以上を売り上げたとみられる。

 小野、荒巻両容疑者の逮捕容疑は今月14日、客の男性会社員(28)に対し、女性従業員(25)に足を使って下半身をマッサージさせたとしている。

 同課によると、足を使って性的マッサージをする風俗店の摘発は全国初。

 警視庁は平成22年秋、同店の入っていたマンションで違法営業していた複数の風俗店を摘発し、風営法違反などの容疑で計17人を逮捕していた。この際、同店は摘発されていなかった。

ま、まあ…人間の趣味や嗜好とはかほどに多種多様であるという一つの実例なのでしょうけれども…実際に儲かるものなんですねえ…
表だって風俗というとちょっと二の足を踏むという善良な小市民も多いと思いますが、こういう心憎いサービスがちゃんと用意されているというのが日本人の細やかな心遣いというものなんでしょうか。

【衝撃事実】店員の女性を「お持ち帰りできるラーメン屋」が実在した!/東京(2012年3月5日ロケットニュース24)

信じられないかもしれないが、これは事実であり、釣りでも、デマでも、嘘でも、偽りでも、創作でもない。なんと、店員の女性を「お持ち帰りできるラーメン屋」が実在したのである。

お持ち帰り、つまりラーメン屋の女の子をホテルだの自宅だのに連れて帰れるというわけだ! この衝撃事実は、マスコミ関係者が実際に確認・体験した事実であり、以下に書かれていることはすべて本当である。

「ええ、これは事実ですよ。東京の鴬谷にあったラーメン屋なのですが、店員が妙に色っぽいんです。そして女性には番号札がついていて、客はその番号を指定してお持ち帰りするんですよ。ラーメン一杯なのに万札を出してラーメン屋をあとにするんです(笑)」(マスコミ関係者)

女子店員をお持ち帰りするまでの流れはこうだ。まず最初にラーメンを注文する。その際に、麺のかたさやスープの濃さなどを指定する紙を店員に渡す。その紙が重要で、なぜか番号を書き込むスペースがあり、そこにお持ち帰りしたい女子店員の番号を書き込むというのだ。

この衝撃的なラーメン屋は、過去にアングラ系雑誌にタレコミとして掲載されてレポート漫画化されたらしいが、数年前の情報のため、現在も存在するのかどうかはまったくの不明である。

マスコミ関係者によると「もうないと思うなあ。わかんないけど」とのこと。うーむ、もし現在もこのラーメン屋が存在するのなら、皆さんからのタレコミを待っている。持ち帰りはしないけど、どんな店なのか確かめてみたいものだ。

しかし信じられないと言いますけれども、公式には性風俗が吉原という指定された地域でしか存在し得なかった江戸時代には「色茶屋」などという表向きは飲食業をやっていることになっている性風俗のシステムが存在していたくらいですから、むしろ歴史と伝統あるシステムであるとも言えそうですよね。
一方ではかれこれ長く続いてきた一人っ子政策の影響で特に男性にとっての結婚難が相当なことになっているという中国ですが、こんな嘘のような本当の話も飛び出しているようです。

“プロポーズ玉砕し卒倒”から逆転劇、相手の女性が泣き崩れ承諾。/中国(2012年2月23日ナリナリドットコム)

相手への想いが強ければ強いほど、プロポーズには勇気や心構えがいるもの。人によっては“命がけ”のような思いで臨む人もいることだろう。中国ではこのたび、愛する女性のためにロマンチックなプロポーズをしたものの玉砕し、その場で卒倒した男性の話題が報じられた。しかし、それが功を奏し、結果として女性が“承諾”したというのだから、人生何が起きるかわからない。

中国メディア法制晩報などによると、この一件は2月21日の夜7時近く、人混みでごった返す北京の地下鉄駅構内でのことだ。

ある若い男性が手に花束を持ち、女性に向かって「結婚して欲しい」とプロポーズ。二人きりの静かな場所でなく、多くの人が忙しなく行き交う場所でプロポーズするその大胆さに“男”を感じなくもないが、プロポーズされた女性自身のほうは、はじめからその男性と結婚する気がなかったのか、それともそんな場所で突然プロポーズされて驚いてしまったのか、男性はあっさりとフラれてしまう。そして、衝撃を受けた男性はその場で卒倒。ピクリとも動かなくなってしまった。

女性は驚き、男性を覗き見るが顔色は極めて悪い。通りすがりの人たちも「何ごとか」と足を止めて様子を窺う始末。そうこうしているうちに地下鉄の駅員も登場し、救急通報して男性を介抱するが、それでも意識は戻らず。結局、10分ほど経って男性はやっと意識を取り戻したのだという。

ところが、卒倒するほど男性から愛されていたことに感動したのか、女性がその場で泣き崩れながら男性のプロポーズを受け入れたことで状況は一変。この出来事を見守っていた駅長によると、こうした場面に遭遇するのは初めての経験で、女性が男性のプロポーズを受け入れた瞬間は周囲の人たちも大いに感動していたそうだ。

リンク先の写真を見ていただけるとまさしく卒倒しているという状況ですけれども、しかしドラマなどでは時折ある駅プロポーズというもの、実際にやってみるとあまりロマンチックとも言えないのかなとも思ってしまいます。
燃えさかっている時はともかくとしてやがて醒めることもあるのが愛というものですけれども、世界にはそちら方面のサービスもきちんと用意されているようです。

宿泊するだけで離婚成立! 離婚を手伝ってくれる「離婚ホテル」が話題に/オランダ(2012年2月21日Pouch)

世界中で多くのホテルがウェディングチャペルを持ち、挙式サービスを提供する中、一風変わったホテルが誕生しました。

その名もズバリ「離婚ホテル(Divorce Hotel)」。なんと既婚カップルの離婚の手伝いをしてくれるホテルなのです!

コンセプトはいたってシンプル。「離婚にからむ面倒な手続きや話し合いなど、長期化しがちなあれこれを週末ステイ中にまとめて片付けちゃいましょう」といったもので、要するに数日間滞在するだけで離婚の手続きをすべて片付けてくれます。

ホテルはオランダの起業家ジム・ハルフィン氏が設立しました。同国では、一般的な離婚調停に何カ月もかかることが珍しくなく、離婚が金銭的にも精神的にも大きな負担になりがち。そこにビジネスチャンスを見出だしたそうです。

お互い平日は仕事が忙しくて、週末の話し合いもケンカばかりでなかなか進まない――そんな夫婦がたった2泊の滞在で、高級ホテルのサービスを受けつつ、離婚に必要な書類を全て揃えてチェックアウトできるのです。ちなみにほとんどの夫婦が別の部屋に宿泊するそうな。

ホテルでは専属調停人の立ち会いのもと、離婚届の作成、財産分割、離婚後に夫または妻が相手に支払う生活費や養育費、子どもとの面会権など……最後の最後までの交渉を弁護士が進めてくれます。精神科医によるカウンセラーもあり、これらは全て約30万円の宿泊滞在費に含まれます。

離婚カウンセラーやら法律事務所に通ったり、代理人を立てたりする手間やコスト、精神的苦痛を考えると30万円は安いものかも知れません。

地元では奇抜なアイデアにメディアの注目が集まり、ネットユーザーからも「離婚ホテルで共に過ごした週末で、また恋が始まったりしたらロマンティック~」などのコメントも出ています。離婚率が上昇している我が国でも、そのうちこんなサービスが受けられるようになるかも知れませんね。(文=クラッシャーくるみ)

ま、それは確かにそうした需要はあるのでしょうけれども、リンク先の動画などを見ますときちんと二人部屋も用意されているようですのに、「ほとんどの夫婦が別の部屋に宿泊する」というのももの悲しいものですよね。
場合によってはこうした最終的解決に至る前に別な解決を見るということも当然にあるわけですが、何やらちょっと話を作りすぎたかのような解決が実際にあったというのですから驚きます。

夫の愛人が腎臓提供を申し出、12年間の闘病から解放され「彼女に感謝」。/トルコ(2012年2月21日ナリナリドットコム)

トルコで暮らすある女性は、結婚して間もなく腎臓病に悩まされるようになった。以来12年間、人工透析治療を続けていたものの、最近になって腎臓の機能がさらに悪化し、移植を受ける必要性が高まったという。しかし、一般的に移植のドナーを見つけるのは容易なことではない――と思いきや、この女性は意外な人物からの提供の申し出を受け、元気な体を取り戻したそうだ。その提供者は、なんと夫の愛人だった。

この女性はトルコ中部のネヴシェヒルで暮らす34歳の女性。トルコ紙サンデーズ・ザマンによると、この女性は結婚生活4年目を迎えた12年前に腎臓病と診断された。以来、1日4時間の人工透析を行うため、週3回のペースで通院。そんな彼女に寄り添い、甲斐甲斐しく一緒に病院へ通っていた夫だったが、妻が懸命に治療を続けるその病院で、彼は禁断の愛を見つけてしまった。

妻と同じ34歳の女性と、浮気をしてしまった夫。そして彼は、浮気相手を息子のベビーシッターと偽って、彼の母が暮らす家に住まわせると、4年前には女性との間に娘ももうけたという。その関係を最近になって知った妻は、夫の行動に「自分が死んだら、女性と結婚するつもりなんだ」(トルコ紙Hurriyet Daily Newsより)と、当たり前だが悲しんだそうだ。

そんな思いも影響してか、妻の腎臓は時間と共に悪化の一途を辿り、ついには「移植が至急必要」(サンデーズ・ザマン紙より)な状態に。するとその状況を知った愛人の女性は、自ら腎臓の提供者に名乗りを上げた。実は妻に対して「以前、輸血に必要な血を提供した」ことがあり、自分と同じ血液型なのは知っていたため、血液型が異なる夫では無理な話も自分なら助けられるとの思いから、妻に対して「自分の腎臓を移植するよう」説得したという。

これにはずっと「『腎臓を提供して欲しい』と誰にも言ったことがなかった」妻も、思わぬところから現れた提供者にビックリ。そして、腎臓を受け入れるようにと迫り続ける愛人の熱意に打たれ、最終的には妻も提供の申し出に同意し、手術を行う運びとなった。結果、手術は無事成功し、妻は腎臓病の苦しみからようやく解放されたそうだ。

まさかの相手から腎臓を提供され、健康を取り戻しつつある妻。今では“ほかの女性に走った夫”と“最愛の人を奪おうとする敵”との見方はすっかり消え、人生に明るい道筋を開かせてくれた夫と女性に「感謝している」と話している。「私たちは夫を共有し、今では腎臓も共有している」(Hurriyet Daily Newsより)と仲間意識まで芽生えた妻に対し、女性も「手術後の彼女を支え続ける」と話しており、これからは3人仲良く生活していくようだ。

いやしかし、一体どのような感情からこうしたことになってしまったのかは判りませんが、これも一応全てが丸く収まってのハッピーエンド、なのでしょうかねえ…?
こちらはこちらでちょっとそれはどうなのよという話なんですが、まずは記事をご覧いただきましょう。

「オッパイかと思ったら野郎のケツだった」というイタズラ動画が話題に(2012年2月13日ロケットニュース24)

映像付きのチャットをしてたら、相手の女性が突然「アッハァ~ン」と発情し始め、胸部のブラジャーをまさぐり始めた! もしもそんな場面に直面したら、男性の貴方はどう思うだろうか?

おそらくほとんどの人が、「お……」と思い、まじまじと静かにパソコンの画面を見つめるはず。興味なさ気なフリをしつつ、これ以上ないレベルの真剣な眼差し(まなざし)で。しかし、もしもそれが「野郎のケツだったとしたらどうなるのか的な動画」が話題になっているのだ。

動画のタイトルは「hilarious fake boobs prank」。舞台はチャット。それもwebカメラでお互いの顔が見えるというビデオチャット形式だ。女性と思しきユーザーを映す画面には、下着姿の胸部分ドアップ映像が……。

しかも自ら、ブラ上から胸をサワサワといじくっている。なんという破廉恥な女性……と思いきや! カメラは一気にズームアウトし、四つん這いになった半裸の男が映るのだ。そう、おっぱいだと思っていたのは野郎のケツだったのである。

このイタズラに対し、ひっかかった男性たちのリアクションは様々だ。だいたいが力なく笑うが、相当ムカついてチャットを終了させる者もいる。気持ちはわかる。ふざけんな!だ。

素顔の見えないインターネットでの交流。イイカンジの女性と出会い、イイカンジな雰囲気になったとしても、絶対に気を抜いてはならない。絶対にこちらの本性を見せてはならない。なぜならそのイイカンジの女の人は、あなたをハメようとする男なのかもしれないのだから。
参照元:Youtube blaampl

その実態はリンク先の動画を参照していただくとして、それにしても男の純情をもてあそぶとは何たる暴挙か、全く許せませんねこれは!
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですけれども、これまた何と評価すべきなんでしょうかね…

英国人男性が出産!「まともじゃない」の批判/英(2012年2月16日zakzak)

 「性転換手術で法的に男性と認められた英国人男性がこのほど息子を出産し、英国初の“男の母親”になった」

 英デーリー・テレグラフ紙が先ごろ、こんなややこしいニュースを報じた。

 母になった男性の名前などのプライバシーは、生まれてきた男の子のために一切明かされていないが、ウエスト・ミッドランドに住んでいるという。

 性転換手術のときに卵巣と子宮の摘出は行わず、「男として生きていながら子供も欲しくなった」ため、女性から男性になるときに行った性転換手術のときとは逆の女性ホルモンを取る治療で子供を産める体になったのだという。

 この男性のパートナーが男か女かも公開されていない。

 出産を担当した医師は「こうした例はアメリカで1件、スペインでも1件あるが、英国では初めて」だという。

 アメリカでは4年前、女性から男性になったアリゾナ州のトーマス・ビーティーさん(38)が「妊娠した」と告白、女児を産んで、世界を仰天させた。

 「子供がかわいそう」「まともじゃない」など批判も相次いだが、今月初めにはカナダのトロントで、複数の元女性の男性が出産をめざしホルモン治療を進めているとのニュースもあり、今後も男の母は増えるとみられている。

 男としてバリバリ働きながら、子供も欲しい。これは女心のなせるワザなのか、それとも…。

日本の同好の士?からは「それは士道不覚悟というものやろjk」とあまり評判がよくないようですが、しかし素朴な疑問としてまともでないからブリなのか、ブリであるが故にマトモでないのがマトモであるのか、いったいどちらなんでしょうか。

今日のぐり:「天下一品 倉敷店」

京都から発祥し今や国内外に多数の店舗を展開する人気ラーメンチェーンがこちら「天下一品」ですけれども、とりわけその「こってり」スープはちょっと他に類を見ない粘土であると今も根強い人気を誇っているようですよね。
基本的にはその「こってり」と「あっさり」の二種類のスープがベースで、店によってそれらを配合した「こっさり」などのスープでも提供しているようですけれども、いずれにしても天一フリークに言わせるとこってりがどれほどこってりしているかが一つのポイントなのだと言います(ちなみにこちら倉敷店は割合濃いめなのだとか)。
この日オーダーしたのはその「こってり」にトッピングでメンマと青ネギを追加したもので、他にトンカツや唐揚げなどサイドメニューもちょいとつまんでみたのですが、ちなみにこちらノーマルのネギの他に辛味ネギも選べるようですね。

特に茹で加減も指定せずのデフォルトの麺は一口食べた瞬間にはちょっと今どきにしては柔らかめかな?とも感じるのですが、この茹で加減が不思議に濃厚スープに合うというのも面白いもので、同様に濃いソースに合わせるフェトチーネなどが柔らかめに仕上げるのとちょっと相通じるものがあるんでしょうか。
トッピングの方はメンマがたっぷりと載せられているのはともかく食感はいまいちだったのは残念なんですが、それよりも何よりもネギがとにかく辛いというのが予想外で、ノーマルの青ネギでこれくらいだと辛味ネギってどんなだと思わず思ってしまいますが、ともなくこのこってりスープに合わせてもこれだけ辛いのですからあっさりスープだと大変なことになっていたかも知れませんね。
ちなみに同行者と食べ比べをしてみたところあっさりはさほどに思わなかったんですが、味噌はスープが受け止められる濃さがあるだけに結構いいなという感じで、こういうスープに飯を入れてみると何かあうんじゃないかなとも感じました。
とんかつはちょっと今どきにないくらい寂しげな見た目もさることながらソースたっぷりな昭和の味という感じですし、唐揚げも味、食感とも並といったところであまり積極的に選ぶほどでもなく、そもそもラーメン自体がこれだけ濃いのですから余計なサイドメニューはいらなかったかも知れませんね。

接遇面ではあくまでマニュアル対応でさほどに目につくところはないのですが、強いて言えばラーメン屋にしては全般にやや活気がないか?とも感じられたのが気になったくらいでしょうか。
ところでこの倉敷店がある倉敷駅北側はこのところもの凄いラーメン激戦区になっていると話題の土地柄で、その中からその昔本家京都の店に行って以来久しぶりにこちらにお邪魔してみたわけですが、時間帯にもよるものなのか競争が激しいのか結構繁盛ではあるのですが大盛況というほどでもないという微妙な入り具合でした。
ま、食べる方にはこれくらいがちょうどいいんですが、ここも天下一品が入る前は同じく人気チェーン店である吉野家が入っていたと思いましたが、あれだけ全国どこにでもある吉野屋も撤退したくらいですから、あるいは立地としてはさほどに良い条件でもないのかなと、少しだけ気になってしまいました。

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2012年3月17日 (土)

隣国から起こった、教訓とすべき事件

ブログやツイッターの類は最良の馬鹿発見器であるという説がありますが、先日は「AV女優の身元バレが多発している」なんて記事が出ていて、この場合も発端はブログやツイッターでの何気ない書き込みからであると言いますから、今の時代によほど慎重に情報発信をしていかないことには思わぬところでとんでもないことになってしまいます。
どうやらこうした傾向は日本に限らず世界中どこにでも見られることのようで、例えば日本では敵に回したら怖いものの代表格として「鬼女板」などの名が挙げられるのと同様、中国においてもたちまちのうちにあらゆる情報を丸裸にされてしまう「人肉捜索」などという言葉もあるようで、要するに露出したい、秘密を探りたいという人間の欲求を満たすことに関してネットは非常に強力なツールになり得るということでしょう。
それでも事が国内だけで収まっていればまだしもですが、今の時代ちょっとしたことから世界中に飛び火してしまう恐ろしさもあるようで、先日3月11日に起きた小さな事件はあっという間に世界中に広まり大炎上してしまったと言いますから大変ですが、今の時代に必要なネットリテラシーとはどのようなものかを考える上でまたとない教材とも言えそうです。

韓国人(?)「日本人の皆さん、地震で死んで下さい」と言う動画がネットにアップされ日本人激怒!(2012年3月11日ガジェット通信)

本日3月11日は昨年起きた東日本大震から丁度1年である。3月11日の14時46分頃に発生した地震により、東北地方の方だけでなく、首都圏でも交通が麻痺するなど混乱状態が続いた。首都圏では数日で落ち着きを取り戻したが、東北では未だに被災者が数多くいるというそんな大震災。

そんな今日を狙ってとある動画が公開されたのだ。動画をアップしたのは韓国人らしい男性。内容は次のようなメッセージだ。

    ハーイ 日本人たちよ、こんばんは。
    あなたは既に、被曝されているんですか? え~ ホントに怖いねえ。
    もうすぐ東京にも 大地震が発生して、もう死んでしまうのですか? あー それだと良かったです。
    私は人を殺すことを想像し、頻繁にすれば その存在が日本人でした。
    私は実際に日本人を殺すことはないと思った。自分で自滅してくれるんだな、この民族は。あー気持ちいい。
    それではこれから日本の復興をずっと見守りながら、楽しんでまいります。一瞬で死んでください、日本人の皆さん

という酷い内容のメッセージ動画が公開されている。もちろんこれを見た日本人は激怒。台湾からは激励されこれから復興していこうと頑張って行く矢先にこの様な酷い動画が投稿されたわけだ。元の動画は削除されているが、既にほかのユーザーにより転載され、ニコニコ動画にも広まっている。

多少のことで怒らない日本人だが、さすがにこの動画には激怒したようだ。「Twitterで拡散して特定しよう」「平壌運転」「ゾイド板から来ました ゾイド板幹部だけど俺にできることはあるか?」などとコメントされている(ニコニコ動画側)。不謹慎過ぎるこの動画だが、動画を録画し『YouTube』に公開していることから『Twitter』でよくあるようなウッカリ発言ではごまかされないだろう。

この韓国人らしい男性は何かの原稿を見ながら発言していたようで終始目線が下向きだった。事前に中傷メッセージを考えていたのだろうか。現時点ではこの男性が韓国人なのか、日本人なのかは特定できていない。
台湾の激励動画も貼っておいたので気分が悪くなった人はそちらをご覧頂きたい。

韓国人「日本人の皆さん、地震で死んで下さい」
日本加油!台湾小学校一年生、みんな 「日本 頑張れ」

ガジェット通信の記事が当日にアップされているくらいですから騒ぎがどれほどの勢いで拡散してしまったのかも判りますが、他ならぬこの日にこうしたメッセージを隣国から送りつけてくると言う行為がどう受け止められたか、通常こうした話題を全くと言って良いほど取り上げることのないマスコミが(ローカル局とは言え)思わず報道してしまったことにも現れています。
すでに元動画は削除されたというものの英語版などに翻訳されたものがあちらこちらに転載されたり海外の掲示板にもスレが立ったり、本人の名前から住所まで特定されてしまったりとまさしくテンプレ通りの炎上ぶりと言えますが、常時日本のネットを監視していると言われる韓国国内での取り上げられ方は当然ながら日本におけるそれとは全く異なったものでした。
元々韓国には「私が日本人を嫌いな理由は私が韓国人だから」なんて言葉もあるといい、内心はどうあれ少なくとも表向きは反日を叫んでいなければ親日派認定され社会的に抹殺されかねないそうで、今回の騒動が起こる以前にも世界中どこでも少しでも日本がヨイショされるとどこからともなく韓国人が現れ、口汚いコメントを書き連ねていくと言うことが知られていたわけですね。
先のACLにおける「日本の大地震を祝福する」横断幕に対する論調の違いを見ても容易に想像出来る通り、今回の騒動においても韓国ネット上では 「大統領にしたい」「現代の安重根義士だ!」と今回の壮挙を称讚するコメントが並んでいますが、こうした自国内世論に気をよくしたのでしょうか、あらためて追加の燃料投下までしてしまったというのですからどうしようもありません。

「日本人は大地震で一瞬に死んでください」 震災1年の日、「反日」動画にネット騒然(2012年3月12日J-CASTニュース)より抜粋

   東日本大震災発生から1年を迎えた2012年3月11日、「日本人は地震で一瞬に死んでください」「私が殺すとすれば日本人!」などと、たどたどしい日本語で語る若い男性の動画が「ユーチューブ」にアップされ、ネットが騒然となった。
   日本では、世界中の人にこの酷い動画を見てもらおうと英語、フランス語などの字幕を付けようとの呼びかけが始まり、アメリカの掲示板「4chan」には「All Japanese be killed in an earthquake」というスレッドが立てたれた。
(略)
   男性はネットで騒ぎが大きくなると、この動画を削除した。しかし、録画されていて「ニコニコ動画」など複数の投稿動画サイトに次々に転載され、数十万人規模で閲覧されることになった。
   すると男性はこの日、別の動画をアップし先の動画は日本人を侮辱するためではなく、自分の日本語が通じるかを試すためだった、と釈明。

    「いま、必死に、日本のサル達が、私を攻撃しています。私の目に、は、あなたは理性的に考えることが出来ない、動物に見えます」

と反論した。

「私は反日、そしてあなた方は嫌韓だ」

   男性は、自分はもともと反日ではないとしたうえで、笑ってもらうためだったが、日本の人から理解してもらえないのは、韓国を否定しているからだという理屈を展開している。

    「お前らが、興奮し、私を個人攻撃したその瞬間から、あなた方と私の罪は同じだったろう。私は反日、そしてあなた方は嫌韓だ」

   そして、死ぬまで反日を貫く、などとも発言した。さらに、動画を転載するのは肖像権違反であり、自分への攻撃も告訴に値するため、もう少し考えて生きて欲しいなどと忠告している。

   ネットではこの男性に対する激しいバッシングが起こっていて、掲示板「2ちゃんねる」にはスレッドが数十も乱立する盛大な「祭り」になっている。そしてこの動画の酷さを全世界の人に知ってもらおうと、英語、フランス語、スペイン語などの字幕を付け、動画投稿サイトに拡散させる呼びかけが起こっている。また、アメリカ版「2ちゃんねる」として知られる「4chan」にも「All Japanese be killed in an earthquake」というタイトルでスレッドが立てられている。

しかしこうした炎上騒ぎも物珍しいうちは野次馬根性で面白く見ていられるのですが、こうもたびたび壮大な自爆が繰り返されるとさすがに食傷してくるもので、結局はネットと言うオープンなスペースに向けて発信しているというのに、自分がターゲットとしている人間にしか見られていないと考え違いをしてしまうことが根本原因なんでしょうね。
今回の事件を教訓とするに当たってこれをリアル社会で考えればどうなのかですが、日本にしても韓国にしても少なくとも名目上は自由主義社会ですから、仲間内で集まって「アイツ嫌な奴だよな!」などと陰口を叩く自由はもちろんあるわけですが、しかりそれを大音量のスピーカーで街中に触れて回れば、その主張が正しいか正しくないかとは全く別次元で世間からはそれなりの目で見られるようになるのは当然ですよね。
ネット上ではわずかな手間で街中どころではなく世界中に自分を晒して回ることになるわけですし、自分や周囲の人間にとっては何でもないことでも遠く離れた誰かにとっては思いがけない関心を呼ぶことにもなるかも知れないという想像力を持っていないと、いつかはそのツケを想像もしないほどの利子を付けて支払うことになりかねないでしょう。
今回の騒動を引き起こした張本人は最終的に謝罪コメントを出して事態の収束を図っているようですが、一度こうした騒動を起こしてしまえば未来永劫その後が追跡されてしまうというのもネット時代の怖さで、一時のわずかな思慮不足から行われた行動によって「外出することさえ困難」になってしまったのでは目もあてられないというものです。

「反日動画の主」がネットに謝罪文 「騒動もこれで終わりかな」の声も(2012年3月15日J-CASTニュース)より抜粋

   「日本人は地震で一瞬に死んでください」と語る「反日動画」をネット上に公開した当人だ、と名乗る韓国人とみられる男性が、「謝罪文」をネット上で公開した。本人かどうかははっきりしない。

   謝罪文が寄せられた日韓交流サイト上では、日本側から「この騒動もこれで終わりかな」と謝罪に納得するコメントが相当数寄せられる一方、韓国側からは「謝罪する理由はない」という声も目立った
(略)
   謝罪文についたコメントをみると、動画投稿主本人なのか疑う声もあるが、多くは当人と認めた上で意見を述べている。14日以前の寄稿やコメントのやりとりを踏まえ、本人と判断しているようだ。

   日本語文の謝罪文は3000字近くあり、「(本当に)申し訳ありません」を5回繰り返すなど、「謝罪」「反省」の言葉を連ねている

   「通常のすべての日本人のためのビデオ、発言」ではなかったと説明。嫌韓の意見が多く載る日本のサイトで書き込んでいる人たちへ向けた行動であり、日本人全体に対しての発言ではないという趣旨を書き込んでいる。

   「私は元々日本が好きだった」としつつ、「韓国への憎悪でいっぱい」のネット上の声や韓国人女優の来日に反対する「日本のデモ」をみて、今回の「日本人は皆、地震で死んでください、という動画」を撮影したという。
(略)
   自分が想定した「嫌韓」が多く載るサイトを超えて、広く日韓のネット上で話題となったことへの戸惑いにも触れている。韓国人からも「国辱」と批判されたとして、「韓国人たちにも謝罪したい」とした。

   この日韓交流サイトのコメント欄では、日韓のどちらの参加者かを示すマークがつく。

 日本側からは、「この騒動もこれで終わりかな」「安心しろ。日本ではむしろ潔く謝った人間を許し、評価する文化だからな」「多くの日本人は(略)水に流すでしょう」と理解を示す声が少なくなかった。依然反発する意見もあった。

   一方、韓国側コメントは「どうせここの嫌韓たちは論理が通じない」「謝罪する必要ない」といったものが目についた

   この謝罪文を読んだ、というコメントが、ユーチューブの「反日動画」の一部にもついており、今回の謝罪は日本人のためでなく、韓国人向けの可能性が高いとして、「気をつけてくれ」と「注意」を呼びかけるコメントもあった。

   「反日動画」騒動は韓国メディアでも伝えられ、韓国ネット上では当初、「よくぞ言ってくれた」と投稿主を支持する声が多く寄せられていた。その後、投稿主を批判するコメントも増えた。

   今回の謝罪文は本物なのかをはっきりさせるため、問題の動画と同様、本人が顔を出して語った動画を出した方がよい、という趣旨の声もネット上にある。謝罪文中では、韓国でも自身の動画を見た人が多いことなどから、「外出することさえ困難です」としている。
(略)

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2012年3月16日 (金)

みんなリスク低減のために動いているのに…?

年度の変わり目ということでこの四月からまた色々とシステムの変わる部分もあって、おいおいと紹介していければよいかなと思うのですが、そんな中で比較的多くの方々に関係してくると思われるのがこちらの話題です。

介護職の医療行為に懸念交錯/広島(2012年3月12日中国新聞)

 たんの吸引や胃ろうなど原則として医師・看護師のみに認められていた医療行為が4月から、一定の研修を受けた介護職員もできるようになる。広島県内でも研修が進む一方、現場からは緊急時の対応や万が一事故が起きた場合の責任について懸念する声もある。

 介護職員のたんの吸引などはこれまで、厚生労働省が法律ではなく通知で例外的に認めていた。昨年6月の介護福祉士法の改正で、研修を受け、都道府県の認定を受けた介護福祉士や介護職員も実施できるようになった

 研修は、特別養護老人ホームなど不特定多数の人を対象にした研修と、在宅介護など特定個人を対象にした研修の2種類がある。

 研修を受けたホームヘルパーたちがたんの吸引や胃ろうをできるようになれば、在宅介護を続ける家族たちの負担軽減につながる。

 介護職員は家族たちの期待を実感する半面、不安も抱える。会場でも「吸引がうまくいかず、医師や看護師がいないときに容体が急変したらどうすればいいのか」「万が一事故が起きたとき、事業所から個人の責任にされるのでは」といった声が漏れ聞こえた。

 県立広島大(三原市)の住居広士教授(介護福祉学)は「現場の戸惑いはしばらく続くだろう。事故の責任を個人に押し付けられないよう、運用を注視する必要がある」としている。

今回行われたのは「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正で、これによって「介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等においては(中略)一定の条件の下で『たんの吸引
等』の行為を実施できる」わけですが、具体的には施設内及び在宅での痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう又は腸ろう、経鼻経管栄養)とが対象です。
元々2009年から介護の必要性の高い特別養護老人ホーム(特養)の介護職に吸痰など一部行為をやらせてはどうかという話が出てきたわけですが、当然ながら時代背景として医療専門職の不足や医療崩壊という現象が社会問題化する中で、専門職が専門職としての仕事に専念するにはどうしたらいいのかという議論もあったわけですね。
過去には一定の条件下で当面のやむを得ない措置として限定的に行われてきた(実質的違法性阻却)行為がこのたび法制化されたと言うことは、今後は介護スタッフの通常業務の一環として行われていくということですが、例えば夜間に看護師がいないから吸痰が出来ないだとか、自宅に介護スタッフが出向いた際に「痰の吸引もしてもらえませんか」と言われても断らざるを得なかった、なんて局面が減る理屈です。
すでに各都道府県厚労省からこの制度の告知と共に、必要な研修の案内などが行われていますけれども、一応は研修を受け行為に従事するかどうかは任意ということになっているとは言え、介護サービス全般の経営状況を見れば今後「いやうちは研修を受けていないので出来ないんです」とは言えないでしょうから、実質的には全事業者が対応せざるを得ないと言うことになりそうですが、それ故にリスクに対する懸念も高まっています。

胃瘻など誰がつないでも同じじゃないかと考える向きもあるでしょうし、実際に在宅でみられている方の場合は家族がつないでいるわけですから操作自体はさほど難しいものでもありませんが、例えば自然抜去していたのを見落として注入すれば腹膜炎になってアウトだとか、当然ながらやるからには基本的な知識を持っていなければリスクは高まるわけですが、それをどう考えるかです。
医療業界内においても「仕事が回らないと過労でよけいな事故が増える」という人もいれば「素人に好き放題されて責任だけ取らされるのではたまらない」という声もあって意見が割れていますけれども、実際のところ例えば療養型に入院中は何もなかった患者さんが、介護施設に移った途端に派手な肺炎を起こして帰ってくるという経験をされた先生方も多いはずなんですよね。
普通に考えて寝たきり患者の吸痰に何か手違いがあって事故が起こる確率よりも、必要な時に吸痰しないことによって何かが起こる確率の方が圧倒的に高いはずですし、「吸引がうまくいかず、医師や看護師がいないときに容体が急変」するような時にはそもそも吸引をしなければより早い段階で確実に急変していた理屈ですから、冷静に考えると一体何が言いたいのか判らないじゃないかと言うことですよね。
そう考えると面白いのは賛否両論を掲げる人それぞれがリスクを減らすという点においては同じ目的意識を持っているのに、結論は全く逆になっているのは何故なのかということなんですが、それはリスクを負う主体が誰、あるいはどこであると考えているのかという部分を抜きにしては理解出来ないことでしょう。

例えば施設内で医師や看護師がいない夜間に入所者が痰を詰まらせて窒息したとなれば、吸痰が必要なのに介護スタッフだけでは出来ないことになっている制度、あるいは吸痰できない制度のままに放置している社会が悪いということになりますが、これが吸痰をやっていてうまく痰が取れなかったということになればそれは吸痰が下手なスタッフが悪かったということになりかねません。
一のリスクを恐れるあまり百のリスクを放置するというのでは社会全体のリスクマネージメントとしては明らかな失敗なのですが、ゼロリスク症候群が蔓延して「たとえ1億人に一人の確率でも当たった本人にとっては100%」なんて理屈が大手を振ってまかり通る時代になると、リスクを冒す個人の視点でのリスクマネージメントとしては何もやらないのが一番低リスクということになってしまうし、実際に世の中そういう風潮ですよね。
すなわち社会としてのリスクを低減させようと思えば個々人のリスクは必ず社会として引き受けなければならないはずなんですが、別に制度として個人の責任を問わないようにしようと言う動きもなければいざというときの保険を用意しようという話も出ないまま、冒頭の記事のように「個人の責任にされるのでは」「運用を注視する必要がある」なんて何の解決にもなっていないところで話が終わっているのはおかしなことだと思いませんか。
社会全体で見て明らかにリスクを低減できる道があるのに、個人がリスクを負うのは困るから出来ません、どうしてもやりたいなら家族が自己責任でやってくださいでは普通に考えてもまともな社会とは言えませんが、なぜそうなってしまうのか、それを解消するにはどうしたらいいのかということも同時に考え制度化していかなければ、現場はいつまでたっても個人レベルでのリスクマネージメントに無駄な労力を傾けるしかありませんよね。

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2012年3月15日 (木)

少し風向きが変わってきた?震災報道

沖縄で毎年青森の雪を学校で配っているイベントが、今年は一部から激しい反対のため中止になりかけたという話題を先日も少しばかり紹介しましたが、ネット上でかねて言われていた「周知の事実」がとうとう公にも報道されてしまったというのがこちらの記事です。

沖縄での青森の雪拒否事件 騒いだ人の多くは本州出身避難者(2012年3月12日NEWSポストセブン)

 東日本大震災から1年。新聞・テレビにあふれる悲劇や美談だけでは大震災の真実は語れない。いま、日本にはびこる「放射能デマ」も大きな問題だ。

 放射能の危険を訴えるボランティアや市民団体に困惑する住民は多い。原発作業員が宿泊するいわき湯本温泉では、市民団体が作業員に手当たり次第測定器を当て、「あなたも放射能に汚染されています!」と“宣告”して回るのだという。

 原発事故のあった福島から国内で最も遠く離れた沖縄にも、手前勝手な「放射脳」の人々がいる。雪の降らない沖縄の子供たちへ青森から雪のプレゼントが届けられる――那覇市では毎年恒例の行事だが、今年はこれにケチがついた。同市に住民から「放射能汚染された雪をもちこむな」と抗議が相次いだのだ。

 それを受け、那覇市では住民説明会を開催。雪の放射線測定で福島第一由来の放射性物質は付着していないこと、また、青森県庁と文科省の放射線モニタリング調査結果でも青森県は沖縄県と変わらない低い数値であることを示し、理解を求めた。しかし、

「20名ほどの方が参加されましたが、『雪が溶けて地面に放射能が染み込む』『毒があるものを子供に食べさせられますか』といった意見が相次ぎ、感情的になって泣き出す方もおられ、ご理解いただけませんでした」(那覇市平和交流・男女参画課)

 ただし、話はもっと隠微なようだ。

「説明会に参加されたのは、話し言葉や名前、内容から考えてほとんどが内地からの避難者の方だったと思います。児童館を中心にして、避難者のコミュニティができているのです」(同前)

 地元住民は反対していないが、放射能を恐れて本州などから避難した人々が集団化して騒いでいるという。

 この後、青森の雪は市内の児童クラブ(学童クラブ)に運ばれて雪遊びイベントが開かれたが(2月28日)、地元の保護者らは「こんなときだからこそやりましょう」と快く受け入れ、子供たちは大喜びだったという。

「ボランティアだから」「善意でやっていることだから」では片づけられない「放射脳被害」が日本中に拡散している。

ご存知のようにこのところ被災地のがれきを全国自治体で分散して引き受けるかどうかが非常に大きな問題となっていて、ついに先日は総理からも直接自治体に要請が出ることになったとか、海外からもがれき問題が日本人の民度を示す指標として注目されているだとか、様々な報道が飛び交っています。
雪の件にしてもそうですが、東北というだけで全部ひとくくりに放射能汚染だ!ケガレる!と忌避されているのもおかしな話で、がれきで言えば最も処理量が多い宮城や岩手の汚染は関東など周辺他地域と変わらないはずなのにまるで全部が原発周囲の「核のゴミ」か何かのように言われているのはおかしいのではないかという、市中からの当たり前の疑問の声がようやく取り上げられるようになったとも言えそうです。
ただ震災当初からの報道を見ていますとむしろ冒頭の記事にあるようなマスコミ御用達の市民団体や識者の方々の声ばかりが取り上げられていて、何かよく判らないが東北のものは危険だから近寄るなというイメージを一生懸命形作ってきたのもマスコミの方々ですから、このところ急に「がれきを受け入れよう!東北の苦労を分かち合おう」キャンペーンを張っているというのも「いまさらお前が言うな」というものですよね。
がれき受け入れ問題に関する報道の変化にしてもそうですが、それこそ「市民団体」の方々が「がれき受け入れ強要は大政翼賛的だ!」などと批判するようや背景事情が実際にあるのかどうか、こちらの記事も見てみましょう。

福島近郊のSAで福島の銘菓、野菜、米など大量に捨てられる(2012年3月13日NEWSポストセブン)

 新聞・テレビにあふれる悲劇や美談だけでは大震災の真実は語れない。真の復興のためには、目を背けたくなる醜悪な人間の性にも目を向けなければならない。福島県内およびその近くでの出来事もその一つだ。

 心底、嫌悪と怒りがこみ上げる話である。被災地選出の国会議員が、やりきれない悔しさを込めて語った。

「福島近郊にある高速道路のサービスエリアで、地元の銘菓や食品類が大量に捨てられている。おそらく、県外の住民が福島で地元の人からもらったお土産を捨てているのだろう。訪ねてくれた御礼に被災者たちが用意したものだったはず。風評被害というには、あまりにも悲しすぎる」

 福島県内の高速を回ると、残念なことにそれが事実であることは簡単にわかった。磐越自動車道・阿武隈高原SA(サービスエリア)の女性清掃職員が証言する。

「確かに、よくお菓子が捨てられています。福島のおまんじゅうだとか、封を切らないお菓子の箱だとか。もったいないなと思ってましたよ。それと野菜も多い。ごみ袋を片づける時に、いつもよりずっと重いからすぐわかるんです。ああ、またかって。じゃがいも、大根、椎茸、りんご。ビニール袋に入っていたり、大根は新聞紙に包んであったり、いかにも実家で分けてもらったという状態のまま、ごみ箱に投げ込まれています

 息子が福島に住んでいるからわかるんです。嫁は県内産の野菜を食べなくなった。だから、野菜を持たせても、どうすんだかなって思ったりするんですよ」

 福島から外へ出ると、さらに状況は深刻になる。

 東北道を福島県郡山市から東京方面に上り、栃木県に入った黒磯PA(パーキングエリア)の清掃担当職員の証言だ。

「お菓子の箱が捨ててあることが多い。震災前は、箱詰めのまま捨てられているなんてありませんでした。今年になってからも、福島銘菓の『ゆべし』や『薄皮まんじゅう』が捨ててありました。『ゆべし』2箱が、ごみ箱の口が小さいからか、ごみ箱の前に置かれていましたね。ほかに多いのはビニール袋に入った野菜、それとお米も。3キロぐらいの量が、レジ袋を3重にした中に入れて、そのまま捨てられていました」

 同じく栃木県内の上河内SAでは、「放射能への不安から捨てられている物が多いという話は、職員同士でも話題だった」という清掃担当職員たちが、次々に目撃談を話した。

「椎茸から基準値超えのセシウムが検出されたってニュースの時には、椎茸が大量に捨てられていた」

「つい2日ほど前にはモチ米が詰まった2リットルのペットボトルが捨てられていた」

 特に帰省の多かった年末年始に、そうした光景が目立ったという。風評被害をめぐっては、福島の産業への打撃だけでなく、福島出身者への差別も根強く残っている。福島から山梨県内に避難してきた子供に対し、近隣住民から「遊ばせるのを自粛してほしい」との声が上がり、保育園からは「原発に対する不安が他の保護者から出た場合、対応できない」という理由で入園を断わられたという深刻な人権被害を3月2日に甲府地方法務局が公表している。

 こんな酷い二次被害を少しでも減らすために何度でも書くが、福島県で売られている農水産物で健康に害があるとされる物は一つもない。大規模な調査により、県民の内部被曝も年間許容量(1ミリシーベルト)の2%程度という結果が出ている。科学的根拠もなく、危険を煽るエセ学者や市民団体などは、それでもまだ被災者をイジメ続けるのか。

このところようやく内部被曝に関するレポートも出てくるようになっていて、先日は東大のグループから「都民の食品から受ける内部被曝は乳児でも一般市民の年間被曝限度(1ミリシーベルト)の20分の1、もともと体内にある放射性物質による被曝の数分の1」という報告が出ていましたけれども、原発お膝元の福島では被災後の行動など個人史も関わって大きく変動しますから、個人個人の被爆実態の把握はなかなか難しそうですね。
チェックが行われているような大量生産品はともかく、実家の野菜など流通にのらないものも評価は難しい中で、感染症に対する隔離対応などを考えても安全性がかはっきりしない間は危険なものとして扱うのは一般論として間違いではありませんが、一方で断れなかった相手の感情を忖度することなく習慣的に手土産を持たせるのはコミュニケーションの欠如ではないかと指摘する声もあるようですね。
嫁が舅姑の作った野菜を断るのも現実的に難しいでしょうから、お土産を渡す側にも配慮が求められるということでしょうが、むしろこの記事で気になるのは震災後から幾らでもあった(実際にネット上では多くの実例報告も出回っていました)こうした行為が一年もたったこの時期になって、否定的なニュアンスを伴って公に出てくるようになってきたということの意味でしょうか。
未だに放射能はとにかく怖い!国は信用出来ないから自分で身を守るしかない!式の報道を続けている報道機関も少なからずある中で、一週刊誌が取り上げたことはそれなりに意味があったと思うのですが、冒頭の記事にしても誰でも知っていたような周知の話がいまさら裏話的ニュースとして出てくることの理由として、先日某キャスター氏が唐突にコメントしたような何らかの裏事情でも存在するのか?と勘ぐってしまいそうですね。

無論被災地側の問題もあって、先日は被災地から「みな義援金で遊び暮らしているのはおかしいじゃないか!」という内部告発が出て話題になっていましたが、一部で言われているように「娯楽がなかったら自殺率が上がっていただろう」と言う声も一面の真実とは言え、日々パチンコで遊び料亭で飲み食いしている人々が生活再建の費用と労力を全て他人任せにしているのはおかしいと感じる人も当然増えてくるでしょう。
ボランティアも次々と撤退し、失業保険も切れていく中で「アリとキリギリス」の話を思い出す面もありますが、少なくとも根拠のない風評被害で国民相互に不毛な対立を招いても何ら益するところはありませんし、被災地の復興が軌道に乗らないことには日本自体も不況から抜け出す足がかりがつかめないということにもなりかねません。
リスクをその危険度に従って相応に評価することは今回のことに限らずゼロリスク症候群回避のためにも非常に重要なことで、声が大きい人達の過激な言葉に惑わされて本筋を見失わぬよう各人が学んでいくことが必要でしょうが、一連の震災報道も見方を変えればそうした情報リテラシーに関する格好の演習問題になっているのかも知れませんね。

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2012年3月14日 (水)

専門外は診るべきではない?!

医療業界では専門医制度というものが久しく以前から改革の必要性が言われていて、どのように改革すべきなのかという議論が総合医というものの位置づけとも絡めて続いていることは当「ぐり研」でも何度か取り上げてきたところです。
一方で医師免許さえ持っていれば何科を名乗っても自由という「自由標榜制」も何かおかしいんじゃないかとこちらはもっぱら利用者である患者側から声が上がっていたところですが、このたび両者を結びつけて議論しようという動きが公の場でも出てきたようです。

自治医大・高久氏、自由標榜制見直しに言及(2012年3月10日CBニュース)

専門医認定の見直しを検討している厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」は8日、関係団体からヒアリングを行った。その後の意見交換で高久史麿座長(自治医科大学長)は、医師免許を取得すればどの診療科も標榜できるとする「自由標榜制」の見直しを検討すべきだとの見解を示した

この日ヒアリングしたのは、八木聰明参考人(日本専門医制評価・認定機構理事)、藤本晴枝委員(NPO法人「地域医療を育てる会」理事長)の2人。

八木参考人は、海外の専門医制度について説明。専門医を医療法で明確に規定している韓国の制度や、国や州政府から完全に独立した連邦医師会と州医師会が運営・管理しているドイツの制度などを紹介した。
これを受け高久座長は、「将来的には諸外国と同じように、トレーニングを受けないと専門の看板を出せない方向に行かざるを得ないだろう」と述べ、自由標榜制の見直しを検討課題に挙げた。池田康夫委員(日本専門医制評価・認定機構理事長)もこれに同調し、「基本領域のどれかの専門医(資格)を取って、それが標榜科とリンクする分かりやすい仕組みにできればいい」との認識を示した。

■高齢者は「診療所をかかりつけ医にできない」―藤本委員

一方、藤本委員は、患者・市民の立場から専門医制度について見解を述べた。
「地域医療を育てる会」は、千葉県東金市、山武市など2市4町で活動。情報紙を発行し、“コンビニ受診“を控えたり、かかりつけ医を持ったりするよう呼び掛けているという。

ヒアリングで藤本委員は、義父のかかりつけ医を診療所にすると、▽複数の医療機関への送迎が必要になり、本人にも家族にも負担が大きい▽入院、看取りに無床診療所では対応できない―などの問題があり、病院をかかりつけ医にしていると説明。地域の医療を守るには、医療機能の分担と連携が必要で、義父のかかりつけ医は診療所が望ましいことを理解していながらも、病院をかかりつけ医にせざるを得ないことを踏まえ、「自分に矛盾を感じている」と述べた。

その上で、「市民が知りたいこと」として、▽「高齢者を総合的に診療し、看取りまでできる医師」の将来的な必要数▽こうした医師を地域に偏りなく配置する仕組み―などを挙げた。

厚労省の専門医についての検討会、自由標榜制の見直しに言及(2012年3月9日日経メディカル)

 厚生労働省は3月8日、「専門医の在り方に関する検討会」の6回目の会合を開催し、海外の専門医制度の現状や地域医療の問題について、関係団体からヒアリングを行った。この日、参考人として意見を述べたのは、日本専門医制評価・認定機構理事の八木聰明氏と、「NPO法人地域医療を育てる会」理事長の藤本晴枝氏。

 八木氏は、米国・英国・韓国・ドイツ・フランスの専門医制度について紹介。韓国では専門医を国家が認定していることや、ドイツでは連邦医師会と各州の医師会が専門医制度の規約を策定し、資格の認定などの運営・管理を行っていることなどを報告した。また、どの国でも医師が偏在する問題点を抱え、なかなか良い解決策がないのが現状だと述べた。

 海外の制度との比較を踏まえ、八木氏は「現在日本では診療科を自由に標榜できるが、将来は専門医を取得した人のみが標榜できるような形にすべきではないか」と指摘。座長の高久史麿氏(自治医科大学長)も同調し、今後検討すべき課題だとした。また、八木氏の報告に対して、委員からは「海外の専門医制度は参考になると思うが、日本では現在の大学教育と連動した制度にすべきではないか」といった意見が出た。

 続いて藤本氏が、患者の立場から見た地域医療の問題点について発表した。藤本氏は2005年に「地域医療を育てる会」を発足させ、千葉県の山武地域で地域医療の現状を紹介する情報誌の発行、地域医療を学ぶ懇談会の開催、東金病院との協働によるレジデント研修などの活動を行っている。

 藤本氏は同会の活動を通して、「コンビニ受診を控えること」「診療所のかかりつけ医を持つこと」を呼びかけてきた。しかし現実には、高齢者が患者の場合、診療科目の少なさや入院・看取りなどの受け入れ体制の弱さなどがネックになり、診療所をかかりつけ医にするのが難しいと訴えた。

 その上で藤本氏は、「今後、高齢者を総合的に診療し、看取りまでできる医師がどれくらい必要なのか、そして医師をまんべんなく配置するにはどうしたらよいかについて知りたい」と述べた。藤本氏が提示した問題に対して、委員からは「患者から見て、医師の専門が何であるか、分かりやすい制度にするのがまず第一だ」などの意見があった。

 次回は、基礎医学や医学教育の専門家などからヒアリングを実施する予定。2012年夏には、これまでの議論の中間取りまとめを行い、2012年度末には報告書を発表する意向だ。

医師同士の間でも知っている先生ならあの先生は何が専門だと判るでしょうが、知らない先生に紹介する時に専門医を持っているから大丈夫だろうと送ってみたら全くの素人で対応出来ないと言われた、なんてことはままあるもので(本来はそういうことがあるということ自体も問題なのですが…)、とりあえず学会に上納金を納めれば取れるというなんちゃって専門医資格は今後NGになっていくのは確かでしょう。
ただ他ならぬ自治医大の学長が標榜診療科の専門医必須化に同調したというのがどういうことなのかと困惑しているのですが、もっぱら僻地診療を担当する自治医大卒業生にとって都市部の基幹病院での研修歴だとか、定期的な学会参加が必須の専門医というシステムは相性が悪く、せっかく後期研修で取得した専門医資格も更新できずに手放したという方々も多いと言いますよね。
特に前述のような問題点が指摘されるようになって以来、専門医試験の受験資格も年々厳しくなっていますから、どんなに経験を積んで知識や技能があってもただ学会認定施設での勤務年数が足りないばかりに専門医が取れないというケースが多くなっていますが、そうなるとただでさえ最新医療に乗り遅れると敬遠されやすい田舎の医療機関は今後ますます忌避されるということになりかねませんよね。
まして地域の開業医の先生が今までは何科であっても手広く初期診療を担当してくれていたものを今後は標榜診療科も制限されるとなると、藤本委員の言うように複数の疾患を抱える患者さんはそれぞれの専門医を抱える大きな施設でしか診てもらえないということにもなりかねず、「病院ではなく診療所をかかりつけ医にしましょう」などという従来の政策との整合性が問われかねません。

中医協などもそうですが、当然ながらこうした会合で呼ばれる人たちというのは国の意向を反映した思想を持っている人たちばかりなのは常識ですから、国民なり現場なりの声を聞くといっても実態は国の意向を聞かされていると考えておくべきでしょう。
そうした中で矛盾数多を抱える話が出てくる背景を深読みすると、かねて国としては医師の動向をコントロールすることに苦心してきたのは周知の事実ですが、どうやら総数管理と診療報酬による誘導だけでは地域性や診療科毎の医師数を管理することが出来ないと自覚しているらしい、となれば次に出てくるのは診療科毎の定員制という昔ながらの議論ということになりますよね。
この地域の○○科は何人までと言ったところで、好き勝手に診療科を名乗れるのであれば何の意味もないことは当然ですから、まずは医者の属性をいずれかの診療科所属に固定させる、そして次の段階では専門医資格の実質的な国家資格化なりで定数コントロールを試みてくるというシナリオも見えてきます。
将来的には実質的な医師配置強制化として、現在の病床数のように地域ごとに各専門医の定数を設定しておいて管理するということも考えているのかも知れませんが、ただでさえ下がりがちな医師のモチベーションを考えるとあれをするな、これはダメではなくて、例えば専門医なら資格を取ることでドクターフィーが加算されるなり何らかのメリットがあるという方向に誘導した方がいいんじゃないかなとも思いますけどね。
役人さんも賢いのでしょうが医者だって馬鹿ばっかりってわけでもありませんから、医師なら何でも診られなければとローテート研修を必須化したり近ごろ総合医をやたらヨイショしている一方で、まるで専門外の患者は断れと言わんばかりの話が飛び出してくる矛盾は感じないはずもないんですが…

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2012年3月13日 (火)

吉本のお膝元なのに歌丸師匠より厳しいです…

かねて国政進出を目指していた橋下市長率いる「大阪維新の会」ですが、その社会保障政策の概要が明らかになってきたものの、これがなかなかに過激と言うのでしょうか、異論を呼ばずにはいられないだろうという内容なのですね。

競争社会へ“切り札” 維新の「最低生活保障」/大阪(2012年3月11日産経ニュース)

 大阪維新の会が10日、発表した「維新八策」の原案。中でも、新しい社会保障システムとして提示した「最低生活保障制度」は維新が目指す競争社会を実現する上で、持続可能な範囲でセーフティーネットも確保する“切り札”として力を込めた。しかし、現行の年金制度の「清算」が前提となる上、制度の見直しには強い反発も予想され、実現へのハードルは高い。

 最低生活保障制度について、維新は10日の全体会議で、維新八策の原案とは別にA4判用紙1枚の別添資料を用意して説明した。

 考え方のベースになったのは「負の所得税」の理念。低所得層は税を納めず、逆に一定の現金を受け取る仕組みを想定しており、年金と生活保護、失業対策の一本化につながるというアイデアだ。

 2月に提示した「たたき台」では、全国民に一定所得を支給するベーシックインカム制度の導入を盛り込んだが、「仮に全国民に月額7万円を支給すれば、年107兆円かかる。財源はどこにあるのか」といった批判が相次いだ

 維新内部でも「正直そこまで考慮していなかった」といった意見があり、維新幹部は「整理してより丁寧に説明する必要があった」と話す。

 維新は最低生活保障の額として月額6万~7万円を想定。就労が難しい高齢者らへのセーフティーネットとして、これに加えて現役時代に自ら納めた保険料を受け取る年金の積み立て方式を取り入れ、さらに資産家にはこの年金を支給しない掛け捨て制度の導入も想定している。

 「掛け捨てでは保険料を支払わなくなる」との批判に対しては、国税庁と日本年金機構を統合して税と社会保険の徴収を一本化する「歳入庁」を創設し、強制徴収とすることで対応すると説明。維新幹部は「努力を阻害するような保障にはしない」と強調する。

 現行の生活保護では、生活保護受給者に一定の収入があっても、その分保護費が減額されるため、就労意欲の減退につながっているとの指摘がある。今回の制度では、就労に基づく収入があれば生活保障に加算されるため「努力を評価する仕組み」というわけだ。

 ただ、現行の年金制度や生活保護に比べると、多くのケースで支給額の低下は不可避とみられ、反発も予想される。維新の新しいアイデアが、有効なセーフティーネットとしてどこまで機能するのか、未知数の部分も少なくない。

維新の会、遺産全額徴収も検討/大阪(2012年3月10日niftyニュース)

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が事実上の次期衆院選公約「維新八策」で掲げる相続税強化策に関し、不動産を含む遺産の全額徴収を検討していることが9日分かった。資産を残さない「一生涯使い切り型人生モデル」を提唱、消費を促す税制に転換し、経済活性化を図る狙い。ただ内部に異論もあり、協議を継続する考えだ。国家元首は天皇と明示することも判明。

維新、日本をどう洗濯? 「船中八策」概要公表へ/大阪(2012年3月10日産経ニュース)より抜粋

(略)
 資産課税で相違

 社会保障では「一生使い切り型の人生モデル」との新機軸のもと、たたき台では年金制度での積み立て方式と富裕層の掛け捨て方式の併用、最低限所得保障を伴うベーシックインカムや「負の所得税」の導入検討を織り込んだが、さらに保険料の徴収強化を目的とした歳入庁の創設も掲げた。

 最低限所得保障は年金や生活保護、失業保険制度の廃止をにらんだ方策だが、一方でばらまきにつながるとの指摘もあり、維新内部でも異論があるようだ。

 同様に、たたき台に盛り込まれた資産課税についても意見が分かれる。相続税100%化につながる案が示され、所属議員から懸念の声が上がった。

 「資産課税をやると、富裕層が国外へ出ていく可能性がある」。維新幹事長の松井一郎府知事も5日、「(維新八策に入れるのは)厳しいんじゃないか」と述べた。

 一方、橋下氏や政策責任者の浅田均府議会議長は推進派だといわれる。維新は24日に開講する政治塾を通じて議論し、八策の詳細を詰める方針だ。
(略)

ベーシックインカムに関してはすでに民主党政権においてその導入が検討されながら、あまりに巨大な支出が予想されることから財源の担保をどうするのかというところで事実上話がストップして久しいのですが、今回は年金や生活保護なども含めて社会保障全般を統括するシステムを検討しているようです。
このキーワードになるのが「負の所得税」というもので、簡単に言えばある一定水準の所得を分水嶺としてそれより高所得の人は税金を納める一方、低所得の人々は逆にお金を受け取るという税制と社会保障とを一元化した方法なのですが、様々な社会保障制度の重複による無駄を省くと同時に、記事中にもあるように「働けばそれだけ確実に収入が増える」という勤労意欲維持の効果も期待されるものです。
実際上はこういう制度は既存の諸制度を極めて広汎かつ大々的に変更しなければ導入出来ないのが最大のハードルと言いますが、先日も話に出た「マイナンバー制(いわゆる国民総背番号制度)」の導入によって各人の所得がきちんと一元管理出来るようになれば、概念的には極めてシンプルなシステムで税と社会保障が片付いてしまい、当然ながら多忙な役人さんの手間も大幅に削減されるということになりますね。

導入に当たって必要なコストがかかりそうですが、現状で公的年金が年間50兆円強、生活保護が3兆円強で合わせておよそ55兆円程度とすると、月額7万円のベーシックインカムに必要な107兆円の半分以上はすでに現状でも支出に織り込み済みとして、ざっくり残り半分の財源としてどうやら相続税など資産課税の強化を目指しているらしいというのがポイントとなってきます。
そもそも日本の場合は地価が高騰したバブル期に基礎控除が引き上げられたこともあって、国民のわずか4%しか支払わないという現状は不労所得重課という税制の原則に反するという声も根強いものですが、年間80兆円にも上る相続資産のうち相続税として国庫に入るのがわずかに1兆円余りというのでは、社会階層固定化を避けるという本来の目的は全く果たしていないと言われても仕方がないところでしょう。
さすがに全財産没収というのは極端すぎるとも受け取られるでしょうが、そのかわりに全く資産がなくなっても最低限食べていくだけの生活費は面倒をみましょうと言うのですから一応筋は通っている話で、それが嫌であれば高い贈与税を払ってでも生前贈与をしておきなさいよという形になるんだろうと思います。

今のところはいきなりぽっと出の新党が口にするにはちょっと大がかり過ぎる話なんじゃないかという気もするのですが、ただちょうどこれから最も豊かさを享受してきた団塊世代が親世代から資産を引き継ぐ時期にあたっていて、この巨額の資産があたら団塊のポケットに死蔵されたまま彼らへの社会保障上の優遇だけが続けられるというのでは、現役世代としてはさすがにおもしろくないですよね。
国全体のお金回りが悪化している中、当「ぐり研」でもいかにしてこの高齢者層の抱え込んでいる資産を生きたお金として流通させるかという問題をたびたび取り上げていますけれども、今回出てきたのはその一つの究極的な考え方ということになるのでしょうか、いずれにしても政策として掲げる以上は国民の反応が待たれるところです。
しかし日本社会全体が妙な具合に落ち着いてしまった結果としてこの閉塞感が続いているのであれば、これくらいの派手なひっくり返しもなければ社会を動かすことは出来ないのかも知れません。

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2012年3月12日 (月)

被災地のみならず増え続ける孤立死

昨日3月11日は全国で震災追悼番組が放送されましたが、とりわけ未だに厳しい生活環境の中で被災地に残ることを選択した高齢者の社会的孤立がこれからますます問題化してきそうだとも指摘されています。
今回の震災に関連してすでに多数の孤立死が報告されているように、地域のコミュニティが崩壊、激変した状況に対応出来ない高齢者が孤独な最後を迎えるケースが多くなっていて、これらに対してどう対応していくのかは地域と行政が一体になって対策を立てなければならない課題でしょう。
一方でこのところ世間を賑わしているのが都市部における孤独死の問題で、先日は産経からこんなニュースが出ていましたけれども、こうしたことは被災地に限らず全国どこにでも発生し得るのだという認識が必要となりそうですよね。

都営住宅、誰にも看取られず年間400人が死亡/東京(2012年3月8日産経新聞)

 東京都立川市の都営住宅で90代と60代の母娘とみられる2人が死亡しているのが見つかったことを受け、都の都市整備局は8日、会見し、「今回の件を重く受け止め、区市や自治会などとの連携を強め、対応を検討していく」としている。

 同局によると、都営住宅では誰にも看取られずに死亡していたことが判明するケースが自殺も含めて、年間約400件あるという。都営住宅は都内に約26万戸あり、平成23年度末現在で約43%が65歳以上の世帯という。

 アパートを管理する都住宅供給公社は居住者の安否確認にあたって、「入室判断基準」を策定。それによると、室内から応答があるが扉が開かない▽応答がないのに電気メーターが激しく動いている▽居住者の年齢が高い▽居住者が在室しているのは明らかだが応答がない▽室内から異臭がする-などの場合には、警察立ち会いのもとで、鍵を壊して立ち入ることも検討されるという。

 ただ、今回は娘とみられる女性が63歳と比較的若いことなどから、立ち入りは見送られた。今回の事例を受けて、都はこうした基準見直しも検討する。

まるで姥捨て山…都営住宅の孤独死に「明日は我が身」/東京(2012年3月9日livedoorニュース)

8日、産経新聞は、東京都・都市整備局が「都営住宅で孤独死するケースが自殺も含めて年間約400件ある」と公表したと報じており、ネット掲示板で話題を呼んでいる。
(略)
今回の報道を受けてネット掲示板では「都営住宅は姥捨て山だな!」「要するに都営住宅の空き部屋は全部事故物件って事?」「社会的弱者の集団を都営住宅に集めてるのが今の政策」「立川市の福祉行政はどうなっているのか!」など、行政に対する疑問の声が続出。また「明日は我が身」「ひとりぼっちの俺の将来の姿か…」など、将来の自分を案じ、憂うユーザーも見られた。

先日の立川市の事例では二人暮らしの一方が比較的若年であったこともあって関係各所の対応が遅れたとも報道されていますが、この近所では先月にも知的障害児と母親が死亡しているのを発見されたばかりで、いずれの事例においても心身の状態に問題のある家族を看病する側が突発的な事情で亡くなったあと、残された方は助けを呼ぶことも出来ないまま餓死したらしいと言われます。
当然ながら相次ぐ類似の事件発生に立川市では立ち入り基準見直しを表明していますが、別にこうした事例は立川市のみならず全国各地で見られる現象で、特に周囲と濃厚な近所づきあいをする習慣に乏しい都市部の集合住宅生活者では死後長期間を経て異臭騒動からようやく発覚するというケースも多いようですね。
先日の埼玉で親子三人が餓死していた事例などは「日本でもこんなことがあるのか!」と海外でも話題を呼んだようで、他人に助けを求めることをせず孤独に死んでいくのは恥を行動規範とする日本文化のためであるという見解はさすがに多少うがちすぎな気もしますけれども、立川市の事件のように突然の病死といったことでなければ事前に周囲の介入する余地はあるはずですよね。

孤立化する人々をどう社会のネットワークに組み込むかということはプライバシー問題とも関わってなかなか難しいところですが、一口に孤立死対策といっても「俺は一人で生きて一人で死んでいくんだ」という方々と、そんな割り切ってもいないけれども周囲とコミュニケーションが乏しく結果として孤立死に至ってしまう方々とに分けて考えていかなければならないですよね。
前者の場合は自分で覚悟した上でのことでしょうから、きちんと後始末の手配もしていただいていれば個人の価値観で済みそうな話なのですが、実はこれだけ孤立死が増えてきますとその事後の片付けを誰がやるかということも大きな問題となっていて、遺品整理業者に依頼する費用は元より縁起が悪いと不動産価値が下落することまで含めて遠くの親族に請求されトラブルになる場合もあるようです。
要するに昔のサムライじゃありませんが、本人がいつ死んでもいいように常々身辺をきれいにしておいていただければ一番理想的なんでしょうけれども、こういう人たちは得てして死んだ後のことまで知ったこっちゃねえと言うタイプも多そうですから、当面社会的には入居時の契約条項や何らかの保険のようなもので対応していくしかないのでしょうか。
こんなことを言うとドライに過ぎるようですが、実は江戸時代あたりでは孤立死などごく日常的にあったもので、お役人に見聞していただいた後はコミュニティでお金を出し合って葬儀や供養を済ませ、場合によっては国元に知らせの一つも送ってやるといった感じで淡々と処理されていたと言いますから、むしろ一定確率で起こる孤立死に対応したシステムが現代日本から消えてしまっていることこそ問題なのかも知れません。

一方で後者の場合では孤立死を防ぐという観点が中心となるはずで、行政からの支援・介入などについては後日改めて検討してみたいと思いますけれども、最近CM等でも知られるようになったように独居高齢者の異常を感知して知らせてくれる家電も色々と増えてきてはいますが、基本的に遠く離れた家族に連絡してくるというタイプがほとんどですから本当に孤立した人たちにはあまり役に立ちそうにないですよね。
相次ぐ孤立死を受けて厚労省も電気やガスの滞納状況といった個人情報を公的に収集できるよう約款を改められるか検討を始めたそうですが、これで亡くなった後での確認くらいにしか役に立たないでしょうから、一部地域で試験的に導入されている住居内センサーの類がもっと安価になって普及して欲しいですし、火災報知器も義務化されるような時代にあってそうした装備を許容する住民の意識改革も求められそうです。
しかしこうして考えていきますと、ずいぶん以前には核家族化で子供達が老人の死に接することがなくなってきたと問題提起されていましたが、今の時代は国民のほぼ全員が病院など専門の施設で看取られるようになってきた結果、日本人全体に日常の中で人が亡くなっていくということに対する免疫がなくなりつつあるのかなという気がしないでもありませんね。

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2012年3月11日 (日)

今日のぐり:「あぶり酒家○△□(あぶりしゅけ まるさんかくしかく)」

ご存知の通り本日は3月11日ですが、その3月11日ということに関連してこういうニュースが飛び交っています。

3月11日のテレビ番組欄が異例と話題(2012年3月8日ライブドアニュース)

東北大地震からちょうど1年となる3月11日のテレビ番組放送予定で、テレビ東京だけが「おかしい」とネット掲示板で話題になっている。

現在発表されている番組表では、12時から各局が長時間の震災関連の特別番組を編成している。そんな中、テレビ東京だけは12時から毎週放送されている「開運!なんでも鑑定団」の再放送、その後14時からは「日曜イベントアワー 銀座高級クラブママ 青山みゆき3」を放送する予定になっており、まるで3月11日であることを忘れたかのような番組編成なのだ。

同時間帯、NHKは「明日へ~震災から1年」、日テレは「復興テレビ みんなのチカラ」、テレビ朝日は「つながろう!ニッポン 第二部 スーパーJチャンネルSP~秒針が語るあのとき~」、TBSが「JNN報道特別番組 Nスタ×NEWS23クロス 3.11絆スペシャル」、フジテレビが「FNN報道特別番組 東日本大震災から1年…希望の檄」と、各局が力の入った特別番組を放送するだけに、テレビ東京番組編成の異質さが目立ってしまった格好だ。

このテレビ番組表がネット掲示板に紹介されると、「安定のテレ東」「テレ東のブレなさに感動した」など、“平常運行”を貫くテレビ東京を賞賛する意見が集まった。

また、「さすがに一斉にやられると強要されてるようで気持ち悪いな」「震災特集何時間やるんだよ」「日テレは“第一部”とか書いてあるけど、何時まで放送するつもりだよ」など、各局が横並びで震災特集を放送することへの疑問の声も多い。

3月11日、はたしてテレビ東京の視聴率はどうなるのか、注目したい。

テレビ東京と言えばかねて重大事件が起こってもあくまで予定通りのスケジュールで放送を続けるテレビ局として知られたところで、「テレビ東京が特番を放送するのは地球滅亡の時」などとアニメのネタにされたり、安倍総理の辞任の際にテレビ東京が特番を組んだことが「異例」だとニュースになったりと、過去にも数々の伝説を残してきました。
災害発生時など本当に緊急性のある時はまた別なのでしょうが、特に東北には未だにトラウマを抱えた子供も多いだろう中で全局右にならえでこれでもかと被災当時の映像を放送し続けることも医学的に異論があるところですから、これはこれで一つの見識だと捉えるべきなのでしょう(もっとも、恐らく当のテレ東はいつもの通りに行動しているだけなのでしょうが)。
というわけで当「ぐり研」もテレ東にならって、今日という日をあくまで平常心でやっていきたいと思いますが、楽しみも乏しい中での生活を余儀なくされている人々のために思わずにんまりしてしまいそうな話題を選んで取り上げてみましょう。

これぞ匠の技!? ニャンコマッサージが気持ち良すぎてイビキをかくパグ犬(2012年2月26日Pouch)

「お客さ~ん、凝ってますニャ~」「うーん、そうなんですワン…フガフガ」そんな声が今にも聞こえてきそうなこちらの動画は、動画サイトyoutube『Toby the Pug gets a massage Part Two』に投稿されたもの。

まるで本物の按摩師のごときニャンコさんのマッサージ技に、パグ犬、思わず夢見心地になっている模様です。なにしろ「ぐ~ぐ~」と高イビキまでかいちゃってるくらいですから。

せっせせっせと休むことなく、まあるい前足でパグ犬の背中のコリをほぐしていくニャンコさん。これ、めっちゃくちゃ気持ちよさそうですよね。ううう、私もやってほしいくらいです。

片やすっかりリラックスしているパグ犬。その姿はもはや、犬というよりマッサージ店に来たおっさんのようであります。

ニャンコさんはこの素晴らしい技を一体どこで覚えたのでしょうか。犬も黙らせてしまうほどの、いいえそれどころか、眠らせてしまうほどの腕の持ち主とは…。これぞ匠と呼ぶにふさわしい技術! ニャンコ先生、恐れ入りました!!
(文=田端あんじ)

参考元:youtube.com(http://goo.gl/Ep0hy

実際に夢見心地なパグの方が気持ちいいと思っているのかどうかは判りませんが、しかし猫の肉球でマッサージ…効くのか効かないのかはともかくとして、一度受けてみたいという気がしてきませんか。
アメリカなどでは犬も家族の一員という意識がつよいせいか、とうとうこんなことまで始まってしまったようです。

“犬が見る”テレビ番組スタート 米サンディエゴ/米(2012年2月17日毎日中国経済)

【新華社=荊晶】米サンディエゴで今週、犬専用のテレビ局「ドッグチャンネル」が放送を開始した。犬ファン向けではなく犬に見せる番組を放映する。犬数匹がボールで遊ぶ映像でテレビを見ている犬を興奮させたり、犬が寝ている場面を流して落ち着かせたりするという。“犬目線”で撮影した景色なども放送する。

関係者の1人は「犬向け番組では音楽が重要」と指摘。「テレビから流れ出る音楽は、犬たちに孤独を感じさせないだろう」と語った。

英国では今月13日、犬に見せるためのドッグフードCMが放映され、犬にしか聞こえない高周波音が使われたという。

犬と言えばもともと弱視気味だとも言うだけに実際にテレビで興奮したり落ち着いたりするものなのかどうかは判りませんが、人間と犬とでどのくらい嗜好が異なるのかを知るにはよい機会かも知れません。
同じくアメリカからはすわ!よもやあの人が実在か?!とも思われるようなびっくり事件があったようですが、まずはこちらの記事をご覧いただきましょう。

ついに超能力者現る? ニューヨークの街に空飛ぶ人が目撃される/米(2012年2月2日GIZMODE)

秘密能力者はやっぱりいたんだ!

この時、ニューヨークの街にいた人はさぞやビックリしたでしょうねぇ。いいなぁ。まぁ、動画再生してすぐに、空飛んでるのはリモコン操作の人形だってわかるんですけどさ。でもきっと、たくさんの人が目を丸くして驚いたでしょうね。なんか、すっごくポジティブないいドッキリな気がします。あぁ、やっぱりいたんじゃんこういうタイプの人もさぁ、ってね。

個人的には、これのラムちゃんタイプを作ってほしいですね。どこからともなくあの音がして空を見上げたら...「うち、ダーリンのこと好きだっちゃ。」ってね。

詳細はリンク先の動画をご覧いただければ一目瞭然なんですが、よほどに重量が軽いのか何とも不思議な飛び方をするのが非常に印象的で、皆さん唖然とした表情で見上げているのも無理のないところです。
最近ではこのように何でも動画にして公開してしまうというのが一般的に普及してきましたが、本来の対象よりも違った物事が話題になってしまったというのがこちらの動画です。

“踊るおばあちゃん”が大人気、パフォーマンスする孫の背後で存在感。/米(2012年1月11日ナリナリドットコム)

米国の少年が人気ラッパーの歌に合わせ、口パクパフォーマンスを披露する動画が、いま、大きな話題を呼んでいる。カメラに向かう13歳の少年はとても楽しそうに歌手になりきって見せるのだが、そんな彼を遙かにしのぐ存在感を見せつけているのが、少年の背後で歌に合わせて軽快に踊り続けているおばあちゃんだ。

この動画は1月3日付でYouTubeに投稿された「Me and my grandma dancing to Rack City.」(http://www.youtube.com/watch?v=cFmqMe0pQ5A)。パフォーマンスを披露しているのは、米テキサス州在住のフランク・トリンボリくん(13歳)と彼のおばあちゃんだ。2人は米人気ラッパーのタイガが歌う「Rack City」に合わせ、自己流パフォーマンスを行った様子を撮影、投稿したという。

流れる歌に合わせ、椅子に座りながらも時に大きく手や体を動かし、パフォーマンスを見せるフランクくん。今どきの若者らしく、堂々としたカメラ目線で人気歌手になり切る姿は、なかなかの格好良さだ。本来は終始画面の中央に映り続ける、そんな彼こそがこの動画の主役となるはずなのだが、引き立て役の“バックダンサー”として登場するおばあちゃんも驚くほど元気な動きを見せ、彼に負けぬほどの存在感を発揮している。

孫の肩越しから一緒に歌い出し、パフォーマンスを始めるおばあちゃん。画面の主役は彼に譲ると、おばあちゃんはしっかりとリズムに合わせて体を上下に揺らしつつ、右へ左へと動きながら踊り続ける。その動きは激しくはないが歌の調子や音の変化に合わせて次々と違った動きを見せ、さらには全く迷いを感じさせずにスムーズに踊り続けているのは素晴らしいの一言だ。そして曲が終わりを迎えると、孫とのパフォーマンスを大いに楽しんだおばあちゃんは満面の笑みを浮かべながらカメラに向かって手を振っている。

1月5日時点で再生回数が50万回程度だったこの動画は、11日には600万回を超えるほどの人気に。3万件近く書き込まれたコメント欄には「こんなおばあちゃんが欲しい」「おばあちゃんすごくかわいい」など、ほぼおばあちゃんへの称賛の声が並び、フランクくんにとっては主役を奪われてしまった格好だ。ただそれは、そんなおばあちゃんがいる彼を羨む声とも言える。いずれにしても、素敵なおばあちゃんと孫の関係であることは間違いなさそうだ。

もう、お婆ちゃんノリが良すぎるんだから…と思わず言いたくなるようなお婆ちゃんが何とも印象的ですが、バックダンサーにここまでやられてしまうと主役が食われるどころの騒ぎじゃありませんよね。
同じく動画といってもこちらは本物のリアルドキュメントとも言うべきものですが、何故かそこらのフィクション以上にドラマチックという驚きの映像です。

世界で1番悲しい強盗「おい! おいって! おいってば! ねぇってばー!」(2012年2月21日ギズモード・ジャパン)

強盗うんぬんの前に、まず客が強め!

とあるバー「t Halve Maatje」は、その夜も常連客で賑わっていました。そこに黒尽くめで銃を持った男が押し入ります。強盗だ! 大変だ! 店内は大パニックに... ならずに全員がガン無視。完全に強盗の男をシカトして常連客同士で会話とお酒を楽しみ続けています。強盗も負けじと歩き回ったり、カウンターに乗り出したり、さらに客の肩をポンポンと叩いてみたりしていますが、それでも常連全員が 完 全 シ カ ト。

なんともシュール、強盗にしてみれば世にも奇妙な物語状態ですよ。そのシカトの中、店長と常連客が彼に歩み寄ります。銃を向けてももろともしない人達に恐れをなして、逃げ出す強盗。よかったよかった。

が、物語はここで終わりません。あれだけ全員がシカトしていたくせに強盗が逃げたとたんに手のひらを介したように強盗を意識して、店内の客全員が強盗を追いかけるために外へ。この映像がもう本当になんともシュール。必見です。追いかけた常連客の中には、なんとマラソンが趣味の人がおり持久力は抜群。2キロ程先で強盗を捕まえそのまま警察へ。なんとも強い常連客達です。そしてなんと悲しい強盗でしょうか。犯罪史に残る悲しさですよ。

これまた詳細はリンク先の動画を確認していただくとして、「あれ?俺ってもしかして外してる…?」と気にし始めたらしい強盗もお茶目ですけれども、皆が一斉に強盗を追い始める光景が何ともシュールと言うしかありませんね。
イギリスからはこんな話題が届いていますけれども、ストリートビューのおかげで最近では見えてはいけないものまで見えてしまうというのは困ったものです。

最も見つかってはいけない男Googleストリートビューに登場!/英(2012年2月9日秒刊SUNDAY)

世界一有名な赤と白のシマシマの洋服を着た、もっとも見つかってはいけない男がGoogleストリートビューで発見されてしまった。この男は常にシマシマのの洋服・シマシマのニット帽をかぶり、杖をついて歩くことが多い。本人は見つからないように心掛けていたようだが、偶然Googleのストリートビューの撮影カーに発見され思わず挨拶をしてしまったという。

問題の男は、ロンドンの町に登場。ロンドンバスが行きかうバットニ―ハイストリートにて、Googleストリートビューの撮影中、どうやらそれを見つけるや否や、突如こちらに挨拶をしていた。本人はこの撮影を知っていたのか、偶然なのか根拠は判らないが、明らかにカメラ目線であることが判った。

普段この男は、子供向けの本に登場し自分を見つけられるかどうか、挑戦的な構えを見せており、大人でも発見が難しいほど難解な手法で雲隠れを披露するなど、一風変わった嗜好をもっていることで知られている。

つまり本と言う二次元の世界では『見つかりたくない』という内向的な性格のキャラクターを演じるが、ストリートビューのような3次元の世界では逆に表に出たいと言う『出たがり』な性格であることが判った。

Google側は彼が彼であることが判らないよう、ぼかしを入れるなどの配慮を施しているが、その特有な服装なゆえ、すぐにバレてしまいそうだ。

彼が映ったストリートビューはこちら 
http://g.co/maps/jsyxy

20年ほど前からたまたまカメラに写ってしまった謎の生物?として「スカイフィッシュ」なんてものも話題になりましたが、年中その存在を探されてばかりのあのお方もストリートビューからは逃れられなかったということでしょうか、しかしグーグル側もきちんと配慮をしているというのがさすが有名人ですよね。
続いて取り上げますのもこちらブリの話題なのですが、しかしこのニュースは妙にブリらしくないと言うべきなのでしょうか?

8歳少女が悩み解決サイト開設 「算数の問題はお断り」/英(2012年3月2日毎日中国経済)

【新華社=喬穎】 英国に住む8歳の少女、イブ・ホブズボームちゃんが2011年12月、生活の中のさまざまな悩みを解決すると宣伝する「悩み解決サイト」eveproblemsolver.comを開設し、話題を集めている。

イブちゃんはこのサイトで「8歳なので、経験は少ないけれど、問題解決は得意。恋愛や暮らし、ライフ・ワークバランスの問題解決に長けています」とアピールしている。ただ、算数の問題はお断りだそうだ。

解決料金は難易度によって1件10ペンスから1ポンド(13~130円)。これまでに40件の相談を受けたという。

実際のサイトに行ってみると「え?まさかこんな子供が?!」と驚いてしまいそうなのですが、しかしブリだけに「どうやったらうまい飯が作れますか?」なんて悩みが寄せられた日にはどうやって解決するものなんでしょうね?
近年世界も情報的に狭くなってきたということなのでしょうか、お弁当などに見られる日本人の細やかさや気配りが海外でも話題になるということがありますが、最後に取り上げますのはこちら一般の日本人としてもなかなかにないかも知れない気配りニュースです。

「見てくれ、日本から最高のものが届いた!」オークションの品に感激する外国人(2012年2月20日らばQ)

世界最大のオークションサイトE-bayでは、国をまたいでの売買が活発に行われています。
ある外国人が2.25ドル(約180円)で落札したところ、思いもかけない素晴らしいものが届いたと大喜び。
なんと荷物は日本からでした。
届いた箱にはEMS(国際スピード郵便)のラベル。それを開けてみたんだが……。
何だこれは…?スナック菓子ではなくリボルテックのフィギュアを注文したんだけどな。
おお、親切な手紙入りだ。しかも折り紙つき。いいヤツだ。
(略)
実際は送料を入れるともうちょっと掛ったようですが、この親切な商品の送り方が感心され、海外掲示板にはコメントが殺到していました。
抜粋してご紹介します。

・緩衝材にスナック袋を使ったっていうのか。天才だな。
・これで緩衝材に何を使うかという変化が、ここから始まって欲しい。
・Amazonがお気に入りにしているエアーパッキン(ぷちぷち)や発泡スチロールとそう大差ない値段じゃないかい?
・しかもほとんどのスナックは60%がエアーだしな。
・発泡スチロールの小さなつぶつぶのはコーン・スターチから出来ているので、とりあえず食事に近い緩衝材ではある。
・しかしまずいけどね。
・日本のチップスはかなり適してる。小さいからね。アメリカのサイズをくれとは言わないが、もっとノーマルなヨーロッパサイズが欲しい。
・日本人は親切なんだ。
・ただ戦争のことだけは言っちゃいけない。
・あとクジラやイルカのことも。
・これはちゃんと返事を書かなきゃだな。
・お礼の品を添えてだぞ。
・この相手の男性には、自分の国の何かを送ってあげるんだ。
・このナイスなアジアの紳士に、次のものを入れるといいと思う。

>ドリトス
>ビーフ・ジャーキー
>サン・チップス
>チート―
>プリングルス
>レッド・ブル
>マウンテン・デュー
>4Loco
>心のこもったお礼の手紙

・スナックをくれる、すばらしい外国のペンパルがいて嫉妬するよ。
・ペンフレンドになるべきだ。
・むしろ「よつばと」のリボルテックを、どうやって2.25ドルで見つけたんだ。
・きっと送料は24ドルだよ。
・僕は今、東京から帰ったところだが、日本の人々はとてもフレンドリーで親切だったよ。もし彼がもうひとりペンパルが欲しいなら僕にも連絡してくれ。日本語を練習したい。
・この心温まる手紙を書いてくれた彼に、返事をしないのはサイテーに思える。

親切心だったのか、手軽な緩衝材がなかったのかはさておき、異国の取引相手からここまでされたら、うれしいのは当然ですよね。
日本のお菓子の充実ぶりは、海外でうらやましがられることが多いので、緩衝材としてお菓子のパッケージを使うのはいいアイデアと思います。

何とも愉快なこのパッケージの詳細は是非ともリンク先の画像の数々を参照いただければと思いますが、しかし人形にお菓子までついてたかだか200円そこそことは送料負担はともかくとしてずいぶんお得感がありますし、それ以上に込められた暖かい心遣いにはさしずめブリ紳士であれば「うむ、それではお返しに大箱に一杯のハギスを送ろうではないか」などと言い出してしまいそうですね。
ようやく長い冬も終わりつつある今日この頃ですが、被災地の皆様方にも心身ともに暖かい日々をお送りいただけることを祈っています。

今日のぐり:「あぶり酒家○△□(あぶりしゅけ まるさんかくしかく)」

いったいこれはどう読んだら良いのだろうと思うような看板は困りますけれども、こちら「○△□」と書いて文字通り「まるさんかくしかく」と読ませるのだそうで、思わず「そのままやんけ!」と突っ込んでしまったのは自分だけでしょうか(苦笑)。
岡山駅は西口にほど近い場所にある居酒屋らしいのですが、この日はちょっとした会ということで幹事が別にいるものですから、飲み放題をつけてお任せのコースをということになっておりました。
ちなみにいくら20席足らずの小さなお店とは言え接遇はこの人数で回るかなと心配していたのですが、どうやらこちらは本来のお店とは別に貸し切り専門で使っている「はなれ」になるんだそうで、あちらのお店の方は当然ながら普通の居酒屋として運用されているということらしいですね。

さて料理のほうですけれども、とりあえず手をつけてみた刺身がカワハギを中心に色々と取りそろえたというもので、カワハギも脂こそ少ないものの噛みしめるとじんわりうまいんですが、それ以上にイカも悪くなかったですね(ただし、獣肉よりは臭みは少ないとは言えやはり肝は生で食べると風味が苦手でした…)。
カツオのタタキは色合いなど冷凍ものらしいなという仕上がりなのですが、やや強めの焼きでうまく臭みを抑えてるのはいいとしてカツオ自体はやはり季節相応の味で、お任せで出すのであればわざわざ今の時期に出さなくてもいいんじゃないかな…という気もします。
生麩の田楽は味噌の案配が甘過ぎず頃合いでいい感じですし、豚しゃぶのごまだれソースはまぁ外さない鉄板メニューではあるのですが(苦笑)強いて言うなら肉はもう少し薄切りが野菜とうまいこと味のバランスが取れて好みではありますかね。
鶏の唐揚げは肉自体の味はすっきりして下味の加減も程ほどで食べやすいんですが、肉に火が通りすぎないよう留意しているのは判るんですが衣にはもう少しクリスピー感が欲しいかなとも思いますね。
つくねの串焼きなど焼き物は本来は自分で七輪で炙って食べるところから店名が来ているようなんですが、こちらでは普通にお皿でサーブされてくるようで、一見するとごく普通の甘辛ダレの味に生卵をつけてたへるのは一工夫だなと関心しました。
いかにもこってりという見た目の豚角煮ですが、もちろん脂はたっぷりなんですが食べて見ると意外にあっさり目の味わいで胸焼けもせず、あるいはもう少し八角が利いてもいいかなと思うくらいでしょうかね。
鯛のあら炊きは煮汁の方の具合からして例によって濃い味かと思っていましたら、意外に身の方はさっぱり薄味でソース的に汁と合わせながら食べるとちょうどいい具合でした。
最後に出てきたのが巻き寿司ですが、洋風にマヨネーズ味のものなどもあってこってり系の後に締めるにはちょっと濃いかなと思ってましたが、案外するすると入ってしまったのは意外でしたね。

飲み屋の料理というと酒が入る関係上塩分過多のものが多くて酒を飲まない人間にはちょっとバランスが悪いんですが、こちらでは意外にすっきり素直に素材の味が出ている料理が続いていて食べるだけの人間にも悪くはなく、しかも飲み放題をつければコストパフォーマンスもなかなかよさそうで、これなら酒飲みにも満足度が高そうですよね。
店内は古い振り子式の壁掛け時計が置かれているなど小さな古い店という意匠で固められているのはいいのですが、飲み放題などをつけると利用する機会も多いでしょうに、トイレなどの機能性の面でもレトロ風なのはちょっとどうなのかなとも思いました。
普通のお店の方ではもっと色々なメニューもあるんでしょうが、味の方はどんな人にとってもそう大外れにはなりそうにない感じの組み立てですから、個人で行くにも小宴会などで利用するにも使い勝手はよさそうな店ですよね。

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2012年3月10日 (土)

2ちゃんねる、ついに大々的な捜査を受ける

先日以来注目を集めているのが「2ちゃんねる」強制捜査の話題ですが、まずは記事から引用してみましょう。

「2ちゃんねる」を強制捜査 覚醒剤書き込み放置の疑い 警視庁(2012年3月7日産経ニュース)

 国内最大級のインターネット総合掲示板「2ちゃんねる」で、覚醒剤の購入をあおる書き込みを削除せず放置したとして、警視庁が麻薬特例法違反(あおり、唆し)の幇助(ほうじょ)容疑の関係先として、コンピューター関連会社「ゼロ」(札幌市)の本社を家宅捜索していたことが6日、関係者への取材で分かった。

 不特定多数の書き込みが行われる掲示板の管理体制について、強制捜査が入るのは異例。警視庁はゼロを2ちゃんねるのサーバー管理会社とみており、麻薬取引など犯罪を助長する書き込みがあふれる2ちゃんねるの実態解明を進める。

 警視庁はゼロのほかに、2ちゃんねるの問題のある書き込みを消す「削除人」数人の関係先も捜索した。削除人は通常ボランティアとされ、2ちゃんねるには100人余りが在籍しているという。警視庁は捜索対象の数人と2ちゃんねる側の関係についても調べる。

 捜索容疑は、昨年5月7日、2ちゃんねるに「02-1万円+P」などと覚醒剤約0・2グラムと注射器(ポンプ)を1万円で販売すると書き込まれたにもかかわらず2ちゃんねる側は長期間放置し覚醒剤販売を結果的に助けたとしている。警視庁は同月、書き込みをして覚醒剤購入をあおった同法違反容疑で50代の無職の男を逮捕。2ちゃんねる側に書き込みの削除要請を再三したが、削除されない状況が続いたため、意図的な放置と判断して捜索に踏み切った。

 ゼロは産経新聞の取材に「サーバー管理や書き込みの削除については一切関わっておらず、容疑に心当たりはない」としている。

警視庁「健全性損なう」

(略)
 2ちゃんねる以外の多くの主要ネット掲示板は、犯罪防止のため、当局の削除要請があれば積極的に協力してきたが、2ちゃんねるは放置するケースが目立っていた。「削除要請が無視されれば、犯罪を止める手段はなくなる。2ちゃんねるはネットの健全性を損なっている」。警察関係者はこう話す。

 ネット上の犯罪は摘発が強化されてきた。他人のIDやパスワードを無断で使ってネットに接続する行為に対しては、平成12年に不正アクセス禁止法が施行された。昨年7月にはコンピューターウイルス被害に対応するため、ウイルス作成罪も新設された。

 掲示板についても書き込む側の犯罪は何度も摘発されてきた。しかし、書き込まれる側の協力がなければ野放しになってしまう。

 これまで“アンタッチャブル”だった国内最大級の総合掲示板。甲南大法科大学院の園田寿教授は「表現の自由は保障されるべきだが、犯罪行為や明らかな誹謗(ひぼう)中傷の放置は取り締まるべきだ」と話している。

 ■2ちゃんねる IT実業家の「ひろゆき」こと西村博之氏が平成11年に開設したインターネット掲示板。幅広い分野で匿名の自由な書き込みが行われ、利用者が激増した。名誉毀損(きそん)で提訴され、西村氏は複数回敗訴した。西村氏は21年、ブログで2ちゃんねるをシンガポール企業に売却したことを発表した。

2ちゃんねる 元管理人宅など捜索(2012年3月7日NHK)

インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で違法薬物を密売する書き込みをしたとして男が逮捕された事件に関連して、警視庁は、関係先として「2ちゃんねる」を開設した元管理人の自宅や関係する会社事務所などおよそ10か所を捜索していたことが分かりました。
(略)
捜索は、外部からの通報や要請を基に記事を削除する「削除人」と呼ばれる数人も対象になったということです。
「2ちゃんねる」は、13年前に開設された国内最大級のインターネットの掲示板で、さまざまなテーマについて個人の意見を自由に書き込めるため人気を集める一方で、その匿名性から犯罪に悪用されるケースが問題視されていました。
インターネット上の掲示板の違法な書き込みを放置したとして警察が捜査に乗り出すのは異例で、警視庁は、掲示板の管理の実態解明を進めることにしています。
(略)

「2ちゃんねる」サーバー、米や中南米など転々(2012年3月8日読売新聞)

 覚醒剤の売買を持ちかける書き込みを放置したとして、麻薬特例法違反(あおり、唆(そそのか)し)のほう助容疑で関係先が警視庁の捜索を受けたインターネット掲示板「2ちゃんねる」のサーバーコンピューターが、米国や中南米を転々と移されていたことが警視庁の捜査でわかった。

 国内にいる管理者らが管理責任を免れるためにサーバーを移転させた可能性があるとみており、今後、管理者らを特定して刑事責任を追及したい考えだ。

 2ちゃんねるは1999年に西村博之氏(35)が開設。2009年にシンガポール企業に譲渡された。

 掲示板には、薬物の売買に関する書き込みのほか、犯行予告や個人を中傷する内容もあり、警察当局は何度も書き込みの削除などを要請してきたが応じず、管理者や削除を担当する責任者も不明だった。

 このため、同庁が海外の捜査当局とも情報交換して捜査を進めたところ、サーバーは10年の時点で米ネバダ州に置かれていたことが確認された。その後、中南米に移され、さらに別の国を介して再び米国に戻されたとの情報があり、同庁で確認を進めている。

ご存知のように2chを解説したのは「ひろゆき」氏ですが、元々ひろゆき氏自身はあくまで場所を提供しているだけというスタンスで、スレッドの作成や不適切レスの削除などの作業はボランティアの担当者が行うというのが「2ちゃんねる」のスタイルであったわけです。
実際の削除に関しては明文化された基準というものがあり、削除人がこの基準に従って判断するか削除依頼掲示板に理由等をつけて依頼をするということになっていますが、それぞれ指定された掲示板での書式に則った削除依頼以外は一切受け付けていないことに加えて、この「削除人」と呼ばれるボランティアの判断が人によってまちまちなのか明らかな問題のある書き込みも削除が遅れたり放置されたりするということが知られていました。
実際のところこれだけの巨大サイトですから削除人も全部のレスに目を通すのも無理でしょうし、報道されているように隠語を使っての書き込みであれば当然表向きは削除規定に抵触しない形を取っているでしょうから、誰か権威と責任のある人間がえいやっと超法規的に削除するより仕方がないということになってしまいますが、さてそれでは誰がその責任者に該当するのかというと悩ましいですよね。

そもそもの開設者であるひろゆき氏はさんざん削除を巡っての訴訟沙汰に巻き込まれた結果(少なくとも公式には)管理人の立場を退き、現在シンガポールの会社が管理権を持っていると言うのですが、推測するにこちらには日本の司法の手が及びにくいような状況になっているのでしょう、今回も特にシンガポールで何があったとも報道されてはいないようです。
物理的に書き込みが存在するサーバー会社にしても、2ちゃんねるの場合はしょっちゅうあちらこちらのサーバーを渡り歩いていて固定的な関係にもなく、そもそも前述のようなシステムを考えるとサーバー会社からすれば(それと承知で契約を結んだのだとしても)「サーバー管理や書き込みの削除については一切関わっておらず、容疑に心当たりはない」と答えるしかないでしょう。
それでは削除要請を放置した削除人が悪いのかと言われても、削除人は管理人の定めたルールに基づいて削除を行っているわけですから、少なくとも組織としてのルール通りにやっている限りはやらせた側を放置してやらされた側だけの責任を問う、それもルールを無視して勝手に削除しなかったから悪いというのもおかしな話になってしまいますよね。
こうしてみるとずいぶん無責任と言うのでしょうか、システムとしても硬直していて是正も働きにくい困った状況だなと感じるところですが、平素の言動から判断すると恐らくひろゆき氏としては敢えてそういう外部規制の働きがたいような場を作り上げることを狙っていたのだろうし、さらに削除人もそれに輪を掛けて自由を謳歌する方向で運用を続けてきたということなのでしょうか。

今回の捜査ではとりあえず元管理人にサーバー会社、そしてさらには削除人個人までごっそり網に掛けられたということですから、捜査当局としてもこうした構造的な問題点を把握した上でどこから責任追及をしていくかを考えているのでしょうが、何しろ「2ちゃんねるはネットの健全性を損なっている」とまで言っているのですから2ちゃんねるのシステムそのものを狙い撃ちする気満々なのでしょう。
興味深いのは当の利用者(「ねらー」)の間では、前述のルール固守の名の下に調子に乗ってろくに仕事をしてこなかった削除人等管理者側の自業自得であるという声が多いということですが、今回の削除以来の経緯も公表されていますけれども、削除依頼の処理の様子を見ても官僚主義好きなどよほどに変わった嗜好の持ち主でもない限りは何かしら感じない方がおかしいのでは…とも思わされます。
元々は当時晩年にあったnifty等パソコン通信(懐かしい響きだなあ…)のコテハン(実名)主義に対して、あくまで名無しさんによる匿名性を中心命題に据えて成長してきたのが2ちゃんねるですが、設立以来10数年を経て今やSNS等によって再びコテハン(実名)主義が台頭してきている中で、むしろ時代に遅れた古いメディアと位置づけられ始めているのかも知れません。
利用者こそ今だに多いとは言え、当の利用者からも「別になくてもいんじゃね?」などと言われる中であくまでも2ちゃんねるらしさにこだわっていくのか、それとも自治なり社会的要請なりに従って変革せざるを得なくなってくるのか、いずれにしても誰が音頭を取ってどうやれば変わることが出来るのかというところからして頭を悩ませる必要がありそうですよね。

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2012年3月 9日 (金)

お年寄り=弱者ではなくて

先日は高齢者の終末期医療とも絡んだ話を取り上げた際に、表向き何を言ってもやはり本音の部分ではお年寄りにお金をかけたくないのだという意図があるだろうという話をしましたが、どうも最近では本音の部分を表に出してくることを躊躇しなくなってきているようです。
しかしひと頃であれば「何たる弱者いじめ!」と進歩的な人々が政権攻撃の道具に使いかねなかったかも知れないような発言もさらっと流されているあたり、マスコミもさすがに世論の変化を感じてきているということなのでしょうか?

70-74歳、2割負担にできず残念- 小宮山厚労相 (2012年3月6日CBニュース)

 小宮山洋子厚生労働相は6日の衆院予算委員会で、70-74歳の医療費の窓口負担を1割にする措置が2012年度も継続することに関連して、「残念ながら(2割負担に)できなかったと、わたし自身もそう思っている。でも来年は必ずやらなければならない」と述べた。自民党の小泉進次郎氏への答弁。

 70-74歳の医療費の窓口負担は、08年4月から2割(現役並み所得者は3割)と定められている。しかし、1割にとどめる軽減措置が続いており、11年度の第4次補正予算では、12年度の予算措置を継続するために2719億円を計上
 政府が2月に閣議決定した「社会保障と税の一体改革」の大綱では、13 年度予算の編成過程で、13年度以降の取り扱いを検討することにしている。

■受診時定額負担、受診抑制には意義―岡田副総理

 同日の小泉氏への答弁で、岡田克也社会保障・税一体改革担当相は、外来患者の窓口負担に100円程度を上乗せする「受診時定額負担制度」について、「病院に必要以上に行くことに対する一つの歯止めになれば、意味があることだ」との認識を示した。
 一方で、1か月の限度額以上の医療費を患者に払い戻す「高額療養費制度」を拡充するために使う財源としては、受診時定額負担よりも、「医療費全体か、税で負担する方が、理屈として合っている」と述べた。

 また、受診時定額負担のほかに、少額の医療費を全額自己負担させる制度を例示して、「医療費全体の負担を和らげるために使うのであれば、いろいろなアイデアが検討に値する」と述べた。

 受診時定額負担は、一体改革をめぐる民主党内の昨年末の議論で、高額療養費制度を拡充する財源として検討されたが、患者が患者を支える制度に疑問を持つ議員が多く、大綱からは除外されている。

この一割負担というのはあくまでも臨時的な優遇措置であることは言うまでもないことで、未だにこんなことが続いていること自体がおかしな話ではあるのですが、これだけ医療が財政的にも逼迫している折に相変わらずスピード感を持った対応ができないのは増え続ける高齢者票の行方に配慮している人が多いのか、あるいは立法府の住民にもそれだけ当事者が多いということなんでしょうか(苦笑)。
いずれにしても受診時定額負担についての岡田副総理のコメントにもあるように、かつては(今も、ですか)日医あたりからは蛇蝎のように嫌われていた「患者の自己負担増による受診抑制」ということがこうまで公に語られるようになったのもそれだけ時代が変わってきたということなのでしょうが、いずれにしても医療費にも上限はあって無制限に使えるものでも、使うべきものではないという現実をまず認めなければならない時代でしょう。
高齢者は持病も多いのに年金の中からなけなしのお金を使って治療を受けているなんてことを言いますが、統計的に見ても最も生活支出の多い子供を持つ世代の所得や貯蓄が非常に低くなっていて、一方でメタボ健診のおかげで「きちんと治療しないと早死にしますよ」なんて脅されている中でどうやって医療費まで負担したらいいのかと、頭を抱えている真面目な勤労者の皆さん方も多いのが現実です。
近頃では既得権益と言う言葉に非常に悪いイメージがついてきていて、その打破に向けて動くことが国民の求めているところでもあるのだと言う認識がようやく政治家の間にも広まってきているようですが、限りある医療費をどういうふうに分配していくのが一番よいのかという議論の中で、これは昔からこうだったのだという既得権益ばかり主張されてもどうなのよと誰しも考えてしまうのは当然です。

しかし先日は日経ビジネスに「熟年層バッシングの原因は、若者の意見を取り入れないからでしょ」という身も蓋もないタイトルの記事が出ていて、いやしかしバッシングと言われても実社会じゃ相変わらず年寄りが権力を握ってるんだからそれくらい言わせろと感じている若手も多いだろうなと思いつつ拝見したんですが、いずれにしてもこうした世代間対立というものが社会保障を読み解くキーワードの一つにもなってきそうですね。
客観的データから見れば高齢者の方々が一番お金を持っている割に支出が少ないという事実はあるわけですから、消費活動活性化の視点からしてもお金をどんどん吐き出していただきたいと主張する人々が増えているのも当然なのですが、か細い年金暮らしでやりくりしているのにおいそれと蓄えを取り崩せないという不安もあるというのは理解出来ます。
民主党政権が以前から社会保障改革の一環としてベーシックインカムということを言い、最低限度の収入を全国民に保障しようといったことを主張していて、理念としてはともかくその膨大な支出額を考えるとちょっと現実的ではないよねという受け止め方が多かったわけですけれども、食べさせる対象としてばかり捉えられてきた高齢者こそ実は一番の出資者にもなり得る可能性があるんですよね。
生活保護受給者急増や年金破綻の懸念などとも絡めて社会保障の抜本的改革が急がれていますが、死蔵されたままの資産を沢山抱えたお年寄りに食べさせるために大勢の若者が死ぬような目を見なければならないというおかしなことにならないためにも、無節操な高齢者への特権的優遇措置は見直されるべきでしょう。

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2012年3月 8日 (木)

それはご老人だけの話ではありません

最近はオレオレ詐欺ならぬ「医療費還付金詐欺」と言われる振り込め詐欺事件が多発しているというのですが、先日は安く早く医療を受けられると日本人老夫婦に韓国の医療機関を受診させ、領収書を偽造して高額な金額を請求するという新手の詐欺も報じられたりと、とかく高齢者は医療費絡みの詐欺でターゲットにされつつあるようです。
各地で後期高齢者の保険料が値上げされたり、自己負担額自体もいよいよ特例での軽減措置が撤廃され2割になるとかならないとか言われていますが、医療費支出の中で大きな部分を占める高齢者医療に今までのような優遇措置を継続していられるほど医療財政も余裕がないということの現れでしょうね。
そんな中でも高齢者医療費負担の問題を抜本的に軽減、解消するための切り札ということなのか、このところにわかに議論が進んでいるのが高齢者の終末期医療差し控え、消極的安楽死容認論ですが、先日の自民党・石原氏の「エイリアン」発言に対する批判が今ひとつ盛り上がらないまま終わったように、どうやら政界やマスコミの中でも積極推進論者が増えてきている気配です。

尊厳死 医師責任問わず 超党派議連が法案(2012年3月7日東京新聞)

 超党派の国会議員でつくる尊厳死法制化を考える議員連盟(増子輝彦会長)は、終末期患者が延命治療を望まない場合、人工呼吸器装着など延命措置を医師がしなくても、法的責任を免責される法案をまとめた。近く総会で決定し、三月中にも議員立法で国会に提出する。

 議連は民主、自民、公明など与野党の国会議員約百十人で構成。二○○五年に発足し、尊厳死について議論してきた。法案をまとめるのは初めて。ただ、命の軽視につながるとして議連以外には反対の議員も少なくないため、成立は見通せない状況だ。

 法案は、適切に治療しても患者が回復する可能性がなく、死期が間近と判定された状態を「終末期」と定義。二人以上の医師が終末期と判定し、患者が人工呼吸器の装着、栄養補給などの延命措置を拒む意思を書面などで示している場合、医師が延命措置をしなくても、刑事、民事、行政上の法的責任を問われないと明記した。

 本人の意思が分からず、家族が延命措置を望まないケースは「法律の適用外」(議連幹部)とした。

 終末期医療をめぐっては、○六年に富山県射水市民病院で人工呼吸器を外された末期がんなどの患者七人の死亡が発覚。厚生労働省は医師の独断を避けるため○七年に初の指針を策定。しかし、延命措置の中止の手続きを定めただけで、延命措置をしなくてもよい基準は明確にしなかった

 現場からは国の責任で明確な基準を示さない限り、尊厳死を望んでいる患者に対しても責任を追及される可能性があるため延命措置を続けるしかない、との指摘が出ている。

見ての通り超党派でまとめられた今回の法案は本人の意志が判らない場合を「法律の適用外」とするという点でまだ未成熟な印象もありますけれども、誰しも内心では一定の範囲内で許容されることは望んでいながら責任問題等から有耶無耶のままスルーされてきた安楽死問題に対して、法的な裏付けが必要であるという認識に至ったのは一歩前進だと思います。
終末期を目前にしてどう看取っていくかという問題は人倫上は本人にとって人生最大の重要事なのは当然ですが、事後のトラブル等のリスクを考えると社会的には残される家族にとっての大問題とも捉えられるべきものであって、特に金銭によって医療が制約を受けることが少なく誰でも最善の医療が望める現代日本では、とりあえず出来る限りのことを希望しておくという以外の選択肢はそれなりに心理的障壁が高かったわけです。
そう考えると「金がかかるからお年寄りはさっさと退場願いたい」なんてドライな話に限らず、癌など各種疾患による終末期医療の問題は若年者にとっても重大な問題でもありますが、その意味するところは治療(cure)と介護(care)の最適提供機関が区別されるべきという問題、いたずらに心身の苦痛を長引かせるべきでないという人倫上の問題、そしてもちろん社会的には医療費の問題など様々に絡んでくるのだと言えそうです。

ちなみにcureとcareの違いというのは患者さんにとっては判りにくいところなのでしょうが、例えば癌治療の最高峰であるナショナルセンターなどはあくまでもcureを目指すために最善の機関であるというだけで、苦痛なく安楽な最後を迎えるために必須の最良のcareを得るためには到底ベストとは言えないし、限りある医療リソースの最大活用という観点からも単にcareを目的とした患者などはお断りされてしまうという現実もあります。
それでも地方の急性期基幹病院などでは「先生!私達を見捨てるんですか!」と叫ぶ終末期の方々がただ看取られるためだけに十分な終末期ケアを受けることなくベッドを占有している状況が未だにありますが、当然ながらこうした方々に必要なのは形ばかりのcureの努力によって更なる苦痛をもたらされながら亡くなっていくことではなく、ホスピス等でcareに特化された十分な対応を受けることであるはずです。
もちろん同じ施設内、同じ担当医やスタッフによってこうした全課程での最善最良の対応が得られれば患者側目線ではありがたいのでしょうが、残念ながら日本では保険診療上こうした異なる性格の医療はそれぞれに特化した医療機関で受けなさい、そして少しでも病床を安上がりで効率的に運用しなさいという方針に国が定めているわけですから、こればかりは納得いただくしかないところですよね。

余談はそれとして、最近こうした議論が盛んになっているのは表向きは主に人倫上の問題が以前から言われていたのが無視出来なくなってきた、これに加えてどうせ亡くなるだけの終末期にいたずらに高額な医療費がつぎ込まれ医療財政を圧迫しているのは困るという世知辛い事情も絡んで、不景気と円高、そして震災のトリプルパンチで財政改革が急務となっている状況が後押ししているということなのでしょう。
前述のようにお金という人類社会普遍のインセンティブが日本の医療では働きがたい以上、何らかの別な要因によって一定の圧力が加わらない限りはフルコース至上主義が主流派の地位から滑り落ちることはなかなかに無さそうですが、今はまだ少数派であっても家族の看取りなどで「それはちょっと違うんじゃないか」と感じてきた人々にとって、いざ自分がというときに別の選択肢が公的に保障されるというのは悪い話ではなさそうです。
国の思惑に載ってしまうのが嫌で受けたくもない濃厚医療を我慢して受けるのもおかしな話ですし、本当はもっと長生きしたいのに周囲の圧力で積極治療が受けられないのも困ったことですが、どんな選択をするにしてもきちんと情報を集めた上でなければ正しい判断は下せないのは当然ですし、人生の最後になってただ無知であったが故に間違った選択をしてしまうのは医療費の「無駄遣い」などよりはるかにもったいないことでしょう。
核家族化どころか未婚率上昇と少子化で日本人が一人一人孤独に生きていくようになった時代だからこそ、テレビドラマでの脚色されたものだけではない看取りの実情がもっと広く知られていく必要があるのでしょうね。

終末医療―医師と一般人はなぜ選択が異なるのか/ケン・マーレイ(2012年2月27日ウォールストリートジャーナル)

 何年も前、尊敬を集める整形外科医であり、私のメンターでもあるチャーリーは、胃に「塊」を見つけた。全米で最も良い外科医の1人は、それをすい臓ガンと診断した。その外科医は、患者の生活の質は低下するものの、5年生存率を3倍――5%から15%に――に引き上げられる手術を手掛けていた

 しかし、68歳のチャーリーは、手術には見向きもしなかった。翌日、彼は帰宅し、診療をやめ、病院には二度と足を踏み入れなかった。家族と時間を過ごすことに集中したのである。数カ月後、彼は家で亡くなった。彼は、化学療法も放射線治療も外科手術も受けなかった。メディケア(米高齢者向け医療保険制度)は彼の治療費にほとんど使われなかった

 言いたくはないことではあるが、医者も死ぬ。ここでの彼らの特徴は、大半のアメリカ人より、いかに多くの治療を受けているかではなく、いかに「少ないか」である。医者は、病気の進行について正確に理解しており、どんな選択肢があるのかを知り、受けたいと思う治療はどんなものでもたいてい受けられる。しかし、どちらかといえば、医者の最期は静かで穏やかだ。

 医者が、一般の人よりも生に執着がないというわけではない。しかし、彼らは、近代医療の限界について家族と常日頃から話している。その時が来たら、大掛かりな治療はしない、ということを確認したいのだ。たとえば彼らは、もう最期という時に、心肺蘇生救急(CPR)を施され、誰かに肋骨を折られたくはない(CPRの正しい処置で肋骨が折れることは十分にある)。

 医師が終末期の決断で何を望むかについて、ジョゼフ・J・ガロ氏らは、2003年に論文にまとめた。調査対象となった医師765人のうち、64%が、自分が再起不能となった場合、救命の際に取るべき措置と取らない措置を具体的に指示していた。一般人の場合、こうした指示を行う人の割合はわずか20%だ。

 医者と患者の決断には、なぜこのような大きなギャップが存在するのか。これを考えるうえで、CPRのケースは参考になる。スーザン・ディーム氏らは、テレビ番組で描かれているCPRについて調査を行った。それによると、テレビではCPRの件数の75%が成功し、67%の患者が帰宅できた。しかし、現実の世界では、2010年の調査によると、9万5000件以上のCPRのうち、1カ月以上生存した患者は8%に過ぎなかった。このうち、ほぼ普通の生活を送ることのできた患者はわずか3%だった。

 昔のように、医者が信ずるに従い、治療を行った時代とは異なり、今は患者の選択が基本だ。医師は、患者の意志をできるかぎり尊重しようとする。が、患者に「あなたならどうしますか」と聞かれると、医師は答えるのを避けてしまうことがよくある。我々は、弱者に意見を強要したくない

 その結果、むなしい「救命」治療を受ける人が増え、60年前よりも自宅で亡くなる人が減った。看護学のカレン・ケール教授は、「Moving Toward Peace: An Analysis of the Concept of a Good Death(安らぎへの動き:良い死という概念の分析)」という論文のなかで、美しい死というものの条件をいくつか挙げ、なかでも「やすらか」で「抑制されたもの」であり、「終わりを迎えたと感じ」、「回りの人々や家族がケアに関わっている」ことが重要だと指摘した。現代の病院は、こうした点をほとんど満たしていない

 患者は、終末医療について書き記すことにより、「どう死ぬか」について、はるかに多くをコントロールすることが可能だ。大半の人々は、税金から逃れることはできないことはわかっているが、死は税金よりももっと辛い。アメリカ人の圧倒的多数が死の適切な「取り決め」をできないでいる

 だが、そうともかぎらない。数年前、60歳の私の年上の従兄であるトーチ(彼は、懐中電灯の光をたよりに家で生まれた)が発作に襲われた。結局、それは肺がんによるもので、もう脳に転移していることが判明した。週3~5回、化学療法のための通院など、積極的な治療を行って、余命は4カ月ということだった。

 トーチは医者ではない。しかし、彼は、単に生きる長さではなく、生活の質を求めていた。最終的に、彼は治療を拒否し、脳の腫れを抑える薬だけを服用することにした。そして彼は私のところに引っ越してきた。

 その後8カ月間、それまでの数十年ではなかったと思うくらい、楽しい時間を一緒に過ごした。彼にとっては初めてのディズニーランドに行った。家でゆったりと過ごした。トーチはスポーツ好きだったので、スポーツ番組を観て私の手料理を食べるのが大好きだった。彼は、激しい痛みもなく、はつらつとしていた。

 ある日、彼は目を覚まさなかった。3日間、こん睡状態が続き、そして亡くなった。その8カ月間の彼の医療費は、服用していた1種類の薬だけで、20ドル程度だった。

 私自身について言えば、主治医が私の選択肢を記録している。そうすることは簡単なことだった。多くの医師にとってもそうだろう。大掛かりな治療はなし。やすらかに永眠する。私のメンター、チャーリーや従兄のトーチのように。また、数多くの私の医者仲間のように。
(ケン・マーレイ 元南カリフォルニア大学 家庭医学臨床准教授)

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2012年3月 7日 (水)

いつまでも「ごね得」を許していてはいけません

大淀病院事件で有名なあのお方が今も健在であったかというこちらの記事ですが、ここまで開き直られるとむしろ支払いを迫る方が悪いことをしているようにも聞こえます。

給食費:払ってくれへん 大阪市で4890万円、法的措置は4%/大阪(2012年3月3日毎日新聞)

 大阪市立の全297小学校で10年度末現在、保護者に支払い能力があるのに未納となっている給食費が計約4890万円に上っている。催促しても、保護者が「ケータイの支払いが先」「義務教育なので無料のはず」などと渋るケースが続出。市教委が支払い督促の申し立てなど法的措置を取ったのは4%の約215万円にとどまっており、市の外部監査を担当した公認会計士は積極的に請求するよう求めている。【林由紀子

 市教委によると、02~10年度の累計未納者(児童)数は延べ2447人。市教委は、生活保護受給世帯など経済的に困難な家庭に対しては給食費の支払いを免除しており、未納者には支払い能力があるとみられる。しかし実際には、電話や文書で督促しても応答がない▽督促に対し「学校に行く」と返事したのに現れない▽夏休みに職場まで行ったが払わない--などの例が相次いでいる。

 市では10年度に市税などの滞納者への徴収を強化するチームを結成し、給食費の滞納についても法的措置を取るようになった。市教委のガイドラインでは、3カ月以上の未納で校長が保護者と面談して請求。応じない場合は督促状を交付し、未納期間が6カ月を超えれば「校長意見書」を市教育長に送付して法的手続きを求める。

 だが、保護者との関係悪化を恐れる校長のところで手続きがストップしているのが現状。「給食制度に反対」だとして拒む親もいるという。市内のある小学校長は「子ども手当の支給日に支払いを催促したり、目の前で計算機をたたいたりしたこともある」と苦労を打ち明ける。

 10年度末現在で支払いを督促された保護者は13人(最高額で約46万円=延べ7年分)。監査報告書で「納付している保護者の納得が得られずモラルハザードの温床になりかねない」と指摘された市教委は「法的措置のハードルを下げるなど対策を考えたい」としている。民法は、債権は請求しなければ原則10年で消滅すると規定。例外的に1~5年の短期消滅時効を定めており、「生徒の教育や衣食にかかる債権」は「生産者や商人が販売した商品についての債権」などと並んで2年で時効になる

 ◇05年度、全国22億円

 文部科学省が給食を実施している全国の国公私立小中学校約3万2000校を対象に行った06年の調査では、05年度の給食費の未納は約1万4000校で発生し、総額は約22億3000万円に上った

 このうち、提訴や差し押さえ、支払い督促の申し立てなど法的措置に踏み切ったのは全体の約2%に当たる約280校。10年に全国の公立小中学校610校を対象に行った抽出調査では5・3%となっており、法的措置を取る例は増加傾向にあるとみられる。

 近畿の政令市では、大阪市の他、神戸市も09年度から法的措置を取っており、10年度までに発生した未納給食費754万円のうち、81万円について支払い督促を申し立てた。京都市と堺市は法的措置を取っていない

教育と医療の間の相似性についてはかねて当「ぐり研」でもたびたび取り上げてきたところですが、こうまで荒れる根本的理由としていずれもかつては相応に高い権威を持っていたと見なされていたものが近年すっかり崩壊し、いわば重しが利かなくなってきたという点にあるようにも思います。
そして医療にしろ教育にしろお金をかけなくても受けられて当然であるという認識が妙な具合に広まったせいか、金銭的な面から制約を加えるのはよろしくないと自縄自縛に陥っているところもあって、記事にもあるように当たり前の法的手続きを取ることすら避けてきたことが一部の利用者の妙な考え方を助長してきた側面が否めません。
給食費一つとってもこれだけ債権者の方が気を使うくらいですから医療業界も大変なもので、今どき来る市民は拒まずの公立病院など全国あちらでもこちらでも未収金がてんこ盛りですが、あまりに未払い者様に気を使いすぎた結果むしろ債権管理コストの方が増大して困っている気配もあるようなんですね。
大阪などで各方面の既得権益に切り込む橋下市長が強力な支持を集めているように、そろそろこうした「ごね得」の風潮に対しては世間の目線も厳しくなってきていますけれども、そんな時代にあって先日は何やら興味深い一件があったらしいという兵庫の事例を紹介してみましょう。

医療費滞納:小野市議の報酬、仮差し押さえへ /兵庫(2012年2月21日毎日新聞)

 蓬莱務・小野市長は20日、小野市民病院での入院・通院治療に伴う医療費計約420万円を滞納しているとして、市議の中井澄夫氏(59)=1期目=の月額報酬約40万円を仮差し押さえする方針を発表した。滞納を巡っては、神戸地裁社支部が先月、市議側に対して支払いを命じる判決を言い渡したが、中井氏は不服として今月、控訴手続きを取った。

 市によると、中井氏は07年4月から10年9月にかけ入院・通院治療を受けたが、医療費のほとんどを滞納していたという。一方、中井氏は「医療過誤などがあったにもかかわらず一方的な裁判。分割払いなどで和解も求めたが受け付けられなかった」と主張している。【浜本年弘】

市と市議が提訴合戦…治療費等巡り真っ向対立/兵庫(2012年2月21日読売新聞)

 兵庫県小野市の中井澄夫・市議(59)が、同市民病院(同市中町)での治療費など約428万円を滞納しているとして、同市は3月の議員報酬から仮差し押さえを行うことを決めた。

 市側は中井市議に支払いを求めて地裁社支部に提訴し、1月に勝訴したが、中井市議は「医療過誤があり、医療費を差し引くべきだ」と反論。2月15日付で大阪高裁に控訴している。

 蓬莱務市長が20日の定例記者会見で明らかにした。

 市などによると、中井市議は初当選(昨年4月)する前の2007年4月、腹痛を訴えて同病院に入院。大腸がんと診断され、10年9月までの間、手術や抗がん剤治療などを受けた

 しかし医療費など計約428万円を支払わず、督促にも応じなかったため、市は支払いを求めて地裁社支部に提訴。同支部は今年1月31日、中井市議に市に全額支払うよう命じた。

 一方、中井市議は「看護師による導尿行為のミスで腸に穴が開くなどした。治療費から差し引くべきだ」などと主張し、大阪高裁に控訴。

 これに対し市は「医療費の未納と医療過誤を同一に論じるのはおかしい」とし、未納分を仮差し押さえすることを決めた。3月から議員報酬(月額40万9000円)と政務調査費(同2万円)、年2回の期末手当を対象にする。

 蓬莱市長は「市議であろうと、高額の医療費の未払いを許すわけにはいかない。粛々と仮差し押さえを進めていく」としている。

 中井市議は県警の元警察官で、昨年4月の市議選に無所属で出馬し、初当選を果たした。市の仮差し押さえについて「司法でも決着していない問題について、市が強硬手段に出るのは許せない」と話している。(今村正彦)

実際に医療ミスがあったのかどうかは今のところ何とも判断のしようがありませんけれども、とりあえず治療費の未払い金ということに関しては市側の「医療費の未納と医療過誤を同一に論じるのはおかしい」という主張が筋と言うものでしょうし、こういう事態を称して古来「それはそれ、これはこれ」というありがたい格言もあるというものですよね。
「市議であろうと」というよりも「市議だからこそ」こうしたところできっちりとしてもらわなければならないのは当然で、いずれ民事訴訟なりで賠償金を取るようなことがあったとしても治療費はそれまでに精算しておいていただきたいものですが、しかし気になるのは未払いの治療費が428万円という非常に高額になっていることですよね。
三年以上に及ぶといってもおそらく期間の大部分では外来治療で行われていたでしょうから自己負担分のほとんどを支払っていなかったんじゃないかと想像されますが、いずれにしても医療費を差し引くべきだとか分割支払いがどうとか言うはるか以前の状態で全く不誠実な態度としか言いようがなさそうです。

市議個人の債務解消の行方はともかくとして、ここで注目していただきたいのが2011年に市議として初当選する前にこうした行為が行われていたにも関わらず選挙では無所属ながら初当選してしまったという事実で、こうしたゴシップは地域にもそれなりに流出してくるでしょうに選挙活動に悪影響は及ぼさなかったということでしょうか。
元警察官というくらいですから法的に自分が何をどうすべきなのかということは理解していたはずですが、知った上でこうしたゴリ押しが通用すると考えるキャラクターであれば市議としてふさわしい人物であるのかどうかだし、選んだ側である市民がこうした行動を取る人物をどう考えるかですよね。
かねて医療費踏み倒しの常習犯と言われる人たちは独自の情報共有をしていると言われていて、あの病院はいけると判ると一気に集まってくると言うのですが、逆に言えばそうした甘い対応によってごく一部の心得違いをした人々を引き寄せる側にも問題があるとも言えるし、学校や病院といった地域の公的機関にそれを許容させている地域性や民度といったものも問われてくることにもなりかねません。
払えるものすら払わないという不心得者に病院や学校が強い態度に出ることを避けてきたのも「何もそこまで荒立てなくても…」という民意を反映した結果なのだと考えれば、まずは公金に対して損害を産んでいるこうした行為に対して善良な住民自身が一番迷惑しているのだという自覚を持ち、早急な対処を要求する権利と義務があるということでしょうか。

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2012年3月 6日 (火)

少しは気にしてみましょうよ

先日は琉球新報にこんな社説が掲載されたことをご存知でしょうか。

【社説】救急医減 使命感だけには頼れない/沖縄(2012年3月1日琉球新報)

 県民の貴い命を守る医療の崩壊にもつながりかねない。
 南部地域の最重症患者を受け入れている県立南部医療センター・こども医療センターの救命救急センターで、救急医6人が3月末で退職し、4月から現在の9人から3人に減る
 3人の救急医で態勢維持は難しいため、4月以降は救急以外の診療科の応援、他病院からの応援でカバーする。救急の制限はしないというが、心もとない。これでは県民が安心して暮らせる社会とはいえない。
 救急医をはじめ、他科の医師の労働条件が悪化するのは避けられない。医師たちの使命感に頼り過ぎる医療態勢は健全とはいえず、抜本的な解決策が必要だろう。
 多くの医療関係者が指摘するように、県が県立病院の職員定数を長年変えず、臨任、嘱託という不安定な身分で雇って、医療態勢を維持してきたことが根本原因となっているのは否めない。
 同センターの場合、救急医定数は3人。果たして3人で24時間365日の救急を本当に担えるのか、そもそも疑問だ。
 県は、県立病院の職員定数を111人増員し、2606人とする条例改正を県議会2月定例会に提案している。
 だが、多くの医療関係者は、年々医療は高度専門化し、病院には多くの医療スタッフが必要で「手厚い人材配置で診療報酬の加算も得られ、収益は上がる」「定数で縛ること自体おかしい」と指摘、県案は十分ではないと主張している。
 定数の縛りが医師のスキルアップを図るための県外長期研修の足かせとなり、人材流出の要因になっているとの意見もある。
 適切な医療を安定的に提供するには、ゆとりある職員数を確保することが不可欠だ。県は医療現場の意見を十分聞き、県立病院の健全経営を念頭に置きながら、定数増を検討すべきだ。
 また、医療機関を利用する県民のモラル向上も重要な課題だ。軽症でも夜間に救急病院を受診する患者が後を絶たない。安易な利用は重症患者の命さえ奪いかねない行為であり、医療現場に過重な負担を強いていることを考えるべきだ。
 そのためにも普段からかかりつけ医を持ち、家族や自らの健康状態を把握し、相談することが重要だ。医療環境は県民自らの手で守っていくという自覚も求められる。

あれ?なにか琉球新報なのに真っ当なことを言っているように聞こえる…(失礼)というのは置いておくとして、先日も同県立八重山病院の産科休止の話題もあったように、新臨床研修制度発足以来どちらかというと勝ち組に近いとみられていた沖縄においてもやはりこうした問題は多発しているわけですよね。
これに対して様々な意見が各方面から寄せられているのは当然ですけれども、中でもかねて全国的に知られていた公立病院の定数問題というのが取り上げられているのはよいことで、例えば今までであれば実質常勤として勤務しているのに非常勤扱いで給与や保障面でも冷遇されている中堅医師達の不満があちこちの病院で渦巻いていたものでした。
特に臨床研修制度が変わってからは多くの病院で研修医はお客様として下にも置かない扱いになった結果、そのしわ寄せがこうした中堅への負担増となって押し寄せた部分も多々あって、結局のところ公立病院があちこちで崩壊していったと言うのも働いている人間にきちんと報いるという当たり前の人の道から外れたことを続けてきた結果だと言うことでしょうか。
その意味でいつもながらの国家権力による医師強制配置を求めて終わるだけの記事にならなかったのは良いことだと思いますし、「医師たちの使命感に頼り過ぎる医療態勢は健全とはいえ」ないというのは全くその通りであって、無茶な総動員でたとえ短期的には何とかなったとしても決して永続する体制にはなり得ないということを理解してもらわなければなりませんよね。

さて、結局のところ診療報酬がどのように改定されようと医師ら専門職スタッフをなるべく多く抱えることが皆保険制度下の勝ち組へとつながる一番確実な道だということが明らかになってきた昨今、病院崩壊などという差し迫った危機感に迫られずともどこの施設でも医師確保は生き残りに直結する死活問題となってきています。
となると、どうやればもっとも確実に医師を確保出来るかということは大変に重要な情報であるということになりますが、その情報発信ということに関連して先日中高年開業医を主な対象とした情報発信に関しての意識調査が行われていたので紹介しておきましょう。

医師が気にするのは「ネット上の評価」以上に「人づて口コミ」(2012年3月4日サーチナ)より抜粋

  医師・医療従事者向け情報サービスサイト「ケアネット」を運営するケアネットは2012年3月2日、医師会員に対する医療広告への規制やインターネット上の口コミ評価に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体の医師においては、病院の情報公知の手段として医療広告やウェブサイトを利用している人は、8割近くに達していることが分かった。掲載情報としては「専門資格」がもっとも多く5割強、次いで「施設・機器・設備」「専門診療の内容」の順となっている。また、インターネット上の書き込みや口コミ評価については、気になる人が約1/3に達していたが、気にしない医師は6割強と多数派であることも分かった(【ケアネット公式サイト】)。

今調査は2012年2月22日から24日にかけて、「ケアネット」医師会員のうち開業医に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。世代構成は20代0.2%・30代4.7%・40代34.3%・50代45.3%・60代11.7%・70代以上3.8%。
(略)
  医療広告やインターネット上での情報公開、特に後者を行うと、やはりネット上での口コミが気になるところだが、これについては「気になる」という意見を持つ医師は少数派で1/3程度でしかなかった。

  「ネット上の」書き込みの内容を気にする医師はそれなりに心惑わされるところもあるが、多くは「あんまり気にしない」「別にどうでもよい」的な思いを抱いているようである。

●「業者」は医師の元にも続々と

直上で「ネット上の」とわざわざカギカッコを用いたのは、具体的な数字こそ挙げられていないが、「ネット上の書き込み内容や口コミ」よりも「本当の(リアルの、という意味)口コミ」の強力さを身を持って体験しているとの意見が、回答医師から多数見受けられることによるもの。

  元々医療行為は最終的に患者自身が病院に来院しないと出来ないこともあり、医者・病院が対応できる患者は、基本的にその病院の周囲に限られる。当然地域性が強いものとなり、リアルな口コミが有効な手立てとなるのも理解はできる(コンビニやデパートのような「共通ブランド」が無く、品質が個々の病院・医師の個性によるところも大きい)。

  このような状況は賛否両論あるだろうが、「患者さんの口コミが何にも勝る宣伝になると思うので一人一人の診察を丁寧に大事にしたい」「広告より診療が評価されているかが大切だと思った」など、リアルな口コミを得るには結局「口コミされるだけの良いサービスを提供していく」「診療内容や接遇態度が集患に結びついているので、それらを大切にする」という、ある意味当たり前、そして商売の上では基本かつ大切な結論に導かれている点で、非常に心強いものがある(今件は「インターネット経由」での調査という点に注意すること)。

  一方、昨今話題に登った「ステマ」(ステルスマーケティング)や「やらせ」、「問題のある口コミを削除する」などの行為を有料で請け負うという勧誘があったとの意見も多数寄せられている。単なるスパムでたまたま着信したのか、それとも医療関係者であることを知った上での勧誘なのかまでは不明だが、概して回答医師からの反応は悪い。また、そのような業者の存在を自分達へのアプローチで知ったため、ネット上の口コミに対する不信感・価値の低さをますます募らせている雰囲気もある。

  医療行為の結果、それに伴う感想は患者本人の主観によるところが大きく、必然的に口コミも「アク」が強いものとなる。人から人への「リアル」な口コミは、話した人・聞いた人のバックボーンも大きく影響するので、内容への裏付けも確からさに「厚み」が増す。ところがネットの場合は概してその「厚み」が得られす、感情論に走りやすくなったり、上記にある「やらせ」的なものがはびこりやすい環境が出来上がる。

  医療行為は地域社会と密着性が高いという点も合わせ、リリース内でも言及されている「医療機関・医師のネット上の情報開示は、客観視できる情報、基本的項目のみで十分」という言葉も理解できるというものだ。(情報提供:Garbagenews.com)

調査対象が開業医かつ顧客対象の認識ということで勤務医相手とはまた違った視点であるとも思われますが、こうした中高年世代の医師は病院に残るにせよ開業するにせよ管理職としての立場が中心になってくるだけに、情報発信を行っていく立場にある施設の管理者としての意見とも言える点に留意いただきたいと思います。
さて、患者に対するアナウンスという点からすると、当然ながらほとんどの場合患者は医療機関周辺の地域住民であるわけですから住民同士の口コミの影響というものが極めて大きいのは当然であるし、病院サイドが勤務医に対しても平素から患者様からの苦情が云々といったように顧客満足度というものを指標に指示を出していくことは決して故無きことではありませんよね。
ただし病院の評判は当然ながら医師からも注目されているわけですが、こちらの場合全国に散らばっている以上地域の評判など聞けるはずもなく、ネット上での情報や先輩医師からの別な意味での口コミなどが主たる情報源になってしまうのもこれまた当然です。
そして施設の管理者側に立つ年代の人々がこのネット上での情報拡散ということに関して「多くは「あんまり気にしない」「別にどうでもよい」的な思いを抱いている」というのは実感としてもその通りなのでしょうが、仕事をするにもPC無しでは何も出来ない時代にこうした態度を取る人々が上に立つ組織というのは情報リテラシーが低そうだな…という予想は立つんじゃないかと言う気がします。

例えば医師の逃散が相次ぎ医師募集を行っている施設などは全国に幾らでもありますが、そうした病院サイトを見てもどのような勤務条件で医師募集をかけているのかもさっぱり判らない、そしてそうした施設は実際にいってみても基本的な契約条件の明示や36協定すら締結されることなく口約束だけで勤務態勢が決められるという、ちょっと今どきそれはどうなのよと言う施設が多いと指摘されていますよね。
どうせ医師と言えば医局から送られてくるもので、派遣される側も受け入れる側もそこで勤務する、しないで頭を悩ませることの少なかった時代ならこれも通用したのでしょうが、新臨床研修制度が導入されて以来医師も諸条件を情報収集し比較検討した上で勤務先を決めるということが当たり前になってきている時代に、それは完全に乗り遅れていませんかということです。
別に巨大掲示板に常駐してステマをしかけても仕方がないでしょうが、医療機関も地域内に留まらず全国を対象に比較されるようになった時代に、相変わらずローカルな口コミレベルでの評判だけを気にしているようでは「地元自治体住民様は満床でも絶対に受け入れよ」なんて無茶な指示が出る田舎自治体病院と同様、そこで雇われる側にとってはちょっとどうなのかなと思ってしまいます。
医療行為そのものは確かに地域密着型ですけれども、それを行う医師の方は昔から地域密着と縁遠い生活を送ってきたという現実をきちんと直視しない限り、医師集めもいつまでたっても「こんな田舎でも住めば都だよ」レベルの客観性のない勧誘に留まってしまうんじゃないかという気がしてきますね。

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2012年3月 5日 (月)

21世紀にもなっていまだに「ピカの毒」騒動ですか?

そろそろあの大震災から一年が経過しますが、全国各地では相変わらず放射線被害に関わるトンデモ事件が続いているようです。

福島の子、公園で遊ぶな…学校でのいじめも最多(2012年3月2日読売新聞)より抜粋

 法務省は2日、全国の法務局が昨年1年間に扱った「人権侵犯事件」の状況を発表した。総数は2万2168件(前年比2・2%増)で、「学校でのいじめ」が3306件(同21・8%増)で過去最多を更新した。
(略)
 東日本大震災に関連した人権侵犯も29件あった。福島県から避難した人が、近隣住民から子どもを公園で遊ばせないよう言われたり、保健所に自動車の放射線量を測定されたりしたケースなどだった。各法務局が、ポスターを掲示するなどして、偏見による差別をしないよう呼びかけたという。

 震災に関する人権相談は昨年末までに計491件。「福島ナンバーを理由に駐車を拒否された」「転校先の学校でいじめを受けた」などの声が寄せられた。

風評被害:福島から避難の子供、保育園入園拒否される 人権救済申し立て/山梨(2012年3月3日毎日新聞)

 福島県からの避難者が東京電力福島第1原発事故による風評被害を受けたとして、甲府地方法務局に救済を申し立てていたことが分かった。福島から避難してきたことを理由に、人権を侵害されていた。同法務局が2日発表した。

 同法務局によると、申し立てた避難者は、自分の子供が住宅近くの公園で遊ぶのを自粛するように、近隣住民から言われた。更に、保育園に子供の入園を希望したところ、原発に対する不安の声が他の保護者から出た場合に保育園として対応できないことなどを理由に、入園を拒否されたという。

 同法務局は、避難者が相手への接触・調査を希望せず、地域への啓発を強く希望したことから、風評に基づく偏見や差別をしないよう呼びかけるポスターを掲示。また、自治体広報紙への広告掲載や自治会でリーフレットの回覧を依頼するなどの啓発も実施した。【水脇友輔】

先日も沖縄で長年続いているイベントで小学校に青森の雪を配ろうとしたところ震災被災者から放射線被害を不安視する声が挙がり一時は中止になりかけたと言いますが、学校にも「放射能をわかっているのか」といった苦情や無言電話が相次いだと言いますから真っ当な人間のやっていることとも思えません。
先の記事を見ていてとりわけ気になるのが、「保健所に自動車の放射線量を測定された」だとか「保育園から入園を拒否された」といったように、公的性格を持つはずの組織が先頭に立って差別的行為に走っているようにも見えるところですが、案の定ネット上では「そんな保育園は認可を取り消せ!」などと批判の声が強いようです。
当該保育園が公立か私立かも公表されていませんが、東北の雪と言えば学校に無言電話を掛けてくるような親を相手に商売をする以上こうした処置も現実的にやむを得ないという擁護の声も一部ではあって、なるほどまさしくこれは地域の民度の問題でもあるわけですよね。
いずれにしても漫画「はだしのゲン」でも被爆者が「ピカの毒がうつる」と介護も受けられないまま放置される様子が描写されていますけれども、被爆から半世紀以上も経っても国民の認識は相変わらずなのかと実感せざるを得ませんが、それが許される世の中であっていいのかということでしょう。

現段階で各地の放射線量の把握が進み管理も行われている中で、未だに時折報道される放射線汚染物質の流出問題なども含めても国民全般の被る健康被害のリスク(被爆のリスク、ではなくて)はほとんど無視出来る水準にまで引き下げられていると思うのですが、放射線量がゼロではないことを理由に危険だ、被爆のリスクがあると言い立てる人も少なからずいるようです。
現在は福島県南相馬市のような警戒区域外の比較的高放射線量の地域でも年間3ミリシーベルトレベルと言いますから自然界での高めな放射線量の地域よりはよほど低くなっているし(日本の自然被爆量は同1.5ミリシーベルト)、医療機器や飛行機などによる被爆量を考えても気にしても仕方がない水準だと思うのですが、「ピカの毒」を気にする人たちはあの手この手で放射能はケガレであると主張したいようです。
例えば昨年アメリカ政府がラドンにより年間2万人の肺癌死者が発生していると対策を講じる旨発表したことを取り上げて「見ろ!放射線はこんなに危険なのだ!」と言う人もいますが、同国での年間16万人に登る肺癌死者の実に90%が喫煙の影響によるとされていることを考えると、空中のラドンが震災前後で増えてもいない中でアメリカより喫煙率がずっと高い日本人が気にしても仕方がないリスクではないでしょうか。

繰り返しますが被爆のリスクというのは日本に限らず常にあって、これは自然放射線量もゼロにはならない以上人間として生きていく限り決して無くすることは出来ない、そして今ここで問題にすべきはあくまで被爆のリスクではなく健康被害のリスクであることをきちんと区別して考えなければ仕方がないということです。
そして原発事故に伴う健康被害というのは何もいわゆる放射線障害などに留まるものではなく、例えばこうした言われなき差別によるストレスなど心身の諸問題もまたこれに含まれるとして考えれば、果たして何がもっとも国民の健康に対して重大な影響を与えているのかということですよね。
意味のない観念的なケガレの忌避に精出すよりも現実的な被害である人災を回避する策を講じた方がよほど健康被害阻止の実効性にも優れているでしょうし、何より震災報道を通じてかえって世界中で高まった日本人への声望と称讚の声を、一部の人間の浅慮で失う羽目になるのも何とも馬鹿げた話じゃないかという気がします。

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2012年3月 4日 (日)

今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 中島店」

PC関連製品というとその進歩も日進月歩ですが、先日はついに画期的と言える新製品が開発されたと(一部方面で)大いに話題になったのをご存知でしょうか。

バッファローコクヨ、世界初のコネクタをどちら向きでも挿せるUSB Hub(2012年2月20日PC Watch)

 株式会社バッファローコクヨサプライは、USBコネクタの向きを気にせず挿せるUSB 2.0対応4ポートHub「BSH4U17」シリーズを2月下旬より発売する。価格は1,806円。対応OSはWindows XP/Vista/7、Mac OS X 10.2以降。

 世界初というUSBコネクタの上下どちらでも挿せるUSB Hub。上下どちらでも接続可能なUSBポートを搭載し、これを実現した。

 電源はUSBバスパワーで、供給電力は最大400mA。本体サイズは93×38.5×14mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約40g。ケーブル長は90mm。本体色はピンク、ブラック、ホワイト、ブルーの4色が用意される。

「任意にUSBメモリを差そうとすると必ず逆の向きになる」なんてマーフィーの法則じみたことを言う人もいるくらいUSBコネクターが登場して以来数多の人々を悩ませてきた問題ですが、ついにその抜本的な解決を見たと言うのですから何とも科学技術の進歩とは素晴らしいものですよね。
本日は世界各地からちょっとハイテクっぽい技術ネタをあれこれと紹介してみますけれども、まずはご存知大分合同新聞からこんな話題を取り上げてみましょう。

隅々まで頑張り“息切れ”/大分(2012年11月22日大分合同新聞)

 先日の昼、大分東署大在交番に大分市内の70代女性から「寝室の掃除をしていた全自動掃除機が見当たらなくなった。盗まれたかもしれない」と届け出があった。署員が駆け付け、室内を捜すと、ベッドの下にある収納スペースの隙間に全自動掃除機があった。署員が隙間から引っ張り出すと、「充電してください」との音声が。女性が目を離したすきにベッドの奥まで入り込んだところで、電池が切れたらしい。「盗まれたのではなくて良かった。隅々まで掃除していたんだな。充電は忘れずに」と署員。

いや、うちでもルンバが時々部屋の真ん中で往生しちゃってることがあって苦闘の跡が忍ばれるのですけれども、思いがけない事件に巻き込まれてしまったお巡りさんにご同情申し上げると共に、真っ白に燃え尽きたルンバ君が無事成仏してくれることを陰ながらお祈り申し上げます。
もしかしたら重要な科学的発見に結びつくことになるかも知れないとは言え、画像的にはいささか微妙なのではないかなとも感じるのがこちらの試みです。

「群れのリーダー」になったロボット魚 /米(2012年2月23日WIRED NEWS)

モンペリエ大学のステファノ・マラス(Stefano Marras)とニューヨーク大学工芸研究所のモーリツィオ・ポーフィリ(Maurizio Porfiri)は、魚の群泳の力学を調査するためにロボット魚を使うという実験を行い、2月22日付の『Journal of the Royal Society Interface』オンライン版に論文を掲載した。

ロボット魚のデザインの元となったのは、「Golden shiner」とも呼ばれる北米東部に生息する銀色の淡水魚「Notemigonus crysoleucas」だ。全体をプラスティックで覆われたロボット魚は大きさこそ本物の2倍あるが、前後に動く尾びれの動きは本物そっくりだ。

小川の水流を模した水のトンネルの中にロボット魚と本物の魚を1匹入れてみたところ、本物の魚はロボット魚のそばに、群れを作る位置で数分間泳いだ(下の動画を参照)。しかし、動かないロボット魚の場合は、本物の魚たちはランダムに泳いだ。

一部の魚はロボット魚と用心深い距離を保っていた(ロボット魚を脅威と認識していた可能性がある)ものの、大半の魚はロボット魚が泳いだ跡に沿って、遅れずに泳いでいた。これは群れを作ることで水の抵抗を和らげ、より効率的に泳げるようにするという自然界の魚の動きと同じだ。

「本物の魚に受け入れられれば、ロボット魚がリーダーとなって、油流出やダムなどの人工建造物といった水域環境の生物に影響を与える人為的な生態系の破壊から、魚たちを逃れさせることもできるかもしれない」と著者たちは書いている。

その「本物そっくり」というロボット魚なるものがどのようなものなのか、リンク先の画像の数々をご覧いただければと思いますけれども、ターミネーターどころでなくアレなロボットでも気づいたらしいのが一部の魚だけというのも生存競争上どうよと言いますか、率直に言って大丈夫か魚?と言いたくなりますかね。
こちらも考えて見ると相当な技術なんですけれども、未だ実用化への道は遠そうだなとも思わされる新技術の話題です。

「止まれ!」と心で念じればピタっと止まる!? 脳波で操縦するスケボーが誕生(2012年2月29日Pouch)

思い通りに乗り物が動く。そんなこと、エスパーでもない限り無理な話……と思いきや、それを実現するスケボーが誕生していたことが判明しました!

海外サイト『dailymail.co.uk』によると、ある団体が脳波によって操縦することのできるスケボー『the Board Of Imagination』の開発に成功したというのです。想像するだけで自分が乗っているスケボーが走ったり止まったりするなんて、まるで小説やアニメの世界。果たしてこのスケボー、一体どのようなものなのでしょうか。

夢のようなスケボーを完成させたのは、日々移動式アプリを開発し続けている、『Chaotic Moon Labs』という団体。彼らはこのたび発表された『the Board Of Imagination』以前にも、『XBox Kinect』とサムスンのタブレットPCを組み合わせた、「手の動きや音声だけで動くスケボー」も開発しています。

『the Board Of Imagination』は、前回開発したものと同様に、『Windows8』が搭載されたサムスンのタブレットPCを使用。それに加えて、今度はワイヤレスのヘッドセットを頭に装着することで、そこからタブレットに脳波を送ってスケボーを操作する、という仕組みになっているようです。

スケボーに搭載されたモーター出力は800wで、最高速度は時速およそ48kmと、なかなかのハイスピードぶり。ちなみに右折や左折だけは、なぜか体重移動で行わなければいけないそうです。どうしてこれだけが脳波では操作されないのでしょう。なんだか不思議。

それにしても時速48kmも出す乗り物が、頭で「進め」と考えただけで進み、「もっとゆっくり」と考えただけで速度を落とすなんて、ちょっぴり怖いような気もします。開発チームのゼネラルマネージャーであるWhurley氏も「最大の課題は、操縦するとき他のことを安易に考えられないことだ」と話していますが、少しの気の迷いがすべてスケボーの動きに反映されてしまうというのは、なかなかリスキーなのではないでしょうか。

とはいえ、Whurley氏はこの点を改善していきたい、とも宣言しているよう。『the Board Of Imagination』もこのままで充分興味深い発明ですが、それよりもっと臨機応変に進化するであろう次の発明に、ますます期待が膨らみますね。

これまたその詳細はリンク先の画像を参照いただけるとして、何よりも問題はこれだけの速度を出しながら一瞬でも集中を切らせばコントロール不能となりかねないという怖さでしょうか。
スターウォーズと言えば熱心なマニアが世界中にいることでも有名ですが、なんとあの人気ロボットがついに現実の物になったというニュースがこちらです。

乗り物になった「R2-D2」ロボ 大人でも欲しくなる?/米(2012年2月23日産経ニュース)

 『Make-A-Wish Foundation』は、難病と闘うなどの困難に挑戦している子どもを応援するために、何か素晴らしいことを実現するという財団だ。ディズニー・ワールドへの旅行や、警官になってみる体験など、子どもたちの夢を実現してきている。

 同財団は2010年に、オクラホマ州に住むある少年に、[ハン・ソロが乗る宇宙船]ミレニアム・ファルコン号そっくりの裏庭の小屋をプレゼントした。

 そして同財団はこのほど米Little Mountain Productions社と協力して、オクラホマ州に住むマシュー・グラマーくんに、実際に運転できる『R2-D2』ロボットを提供した。

 映画に出てくるR2-D2より少し大型で、中には大きなON/OFFボタンがあり、簡単なジョイスティックで操作することができる(外側には、両親が電源を切るためのスイッチもある)。運転シートはクッション付きだ。

 マシューくんは2009年に急性リンパ性白血病と診断された。治療はうまくいっており、来月には最後の化学療法を受けることになっている。今年のハロウィーン仮装大会では見事に優勝できるに違いない。

こんなプレゼントなら是非とも自分も欲しいと思う人が少なからずいるでしょうが、リンク先の動画を見ていただくと判る通り、どうやらお披露目の場らしい会場でロボットに蹴散らされていくエキストラの人たちが気になって仕方がないのは自分だけでしょうか。
スイスと言えば観光産業でも有名ですが、こちら観光地のトイレとしてどうなのよ?と一見して二の足を踏みそうな公衆トイレがあるそうです。

スイスの公衆トイレがスケスケ放題で公然わいせつ罪レベル/スイス(2012年2月22日秒刊SUNDAY)

公衆トイレと言えば日本でもいたるところに存在し、例えば駅のホームにあったり公園にあったり様々ですが、こちのスイスの公衆トイレはちょっと変わった場所にある。それはなんと道の真ん中。こんなに入りにくいトイレは他にはないのですが、逆にその入りにくさが清潔さを保っている秘訣なのかもしれない。だが驚くのはその中身だ。

こちらがスイスの道の真ん中にあるトイレだ!確かに日本のトイレとは違うし、どちらかと言えば新幹線のトイレに近い。これは新鮮だ・・・とはいえ、中のトイレの仕組みに驚くほどでもない。いや、むしろこれは普通のトイレだ。なにか仕掛けがあるに違いない。

とお考えのあなた、それ以前にこのトイレが何処にあるのかを再考してほしい。そう、道の真ん中だ。つまり用を足している際はあなたは丸見えなわけだ。まるで日本のオトナなホテルに良くあるトイレのそれに近いものがあるが、当然丸見えでは誰も使わない。

そこでこのトイレの面白い仕掛けが活躍する。
(略)

どのように面白い仕掛けなのかはリンク先の画像の数々を参照していただければと思いますけれども、何と言いますかこういう意味もなくハイテクというのも壮大な無駄っぽくていいですよね。
以前から何度か話題になってきたあの画期的食材がついに実用段階に達したか?とも思わされるのがこちらのニュースです。

世界初の「人工肉」バーガーがついに製造開始/オランダ(2012年2月21日カラパイア)

 2009年、オランダで肝細胞から人工食肉を作り出すという研究が成功したというニュースはお伝えしたかと思うが、ウシの幹細胞から作った世界初の「人工肉」の製造を今秋にも開始するとオランダの科学者マルク・ポス氏が19日、カナダ・バンクーバーで開かれた米国科学振興協会年次総会で発表した。

 将来的な人口増加に伴う食糧難は避けられないとのことから研究が進められてきたこのプロジェクト。いよいよ実現にまたひとつ近づいたようだ。

 オランダ・マーストリヒト大学の生理学部長を務めるポスト氏は、肉を完全に模倣した骨格筋組織を研究室で製造する効率的な方法を開発し、最終的には食肉業界に取って代わることを目指している。

 「次の農業革命」と題されたシンポジウムで講演したポスト氏は、世界初の「試験管肉バーガー」の材料は「まだ実験段階」にあるものの、今秋までには「2000個ほどの小組織片を作り、ハンバーガーに組み立てることを目指している」と語った。

 このプロジェクトは、匿名の投資家が「環境への懸念、世界のための食料、人生の転機となる技術への関心」から提供した25万ユーロ(約2600万円)の資金で運営されているという。

 シンポジウムを主催した米科学者ニコラス・ジェノビーズ氏によると、世界の食肉需要は2050年までに60%増加する見通し。

 「だが地球上の牧草地は大半が既に使われている」とジェノビーズ氏は述べ、既存の食肉生産者がこの急増する需要を満たすためには、さらに自然を開拓する以外に方法がないと指摘。そうすれば生物の多様性が損なわれ、温暖化が進み、疾病も増加することになると警告した。ちなみに、食肉産業界でこれまで「人工肉」技術に関心を示した企業はまだないという。

現状でどのようなものになっているのかはリンク先の画像の数々を参照いただきたいと思いますけれども、学術的な興味はともかくとして商業ベースに乗るにはコストや食味といった要素も重要なのではないかと思います。
最後に取り上げますのはこちらの画期的新製品ですが、まずは記事を一読いただいてからということにいたしましょう。

ついにジーンズにもパソコンのキーボードが内蔵されちゃいました!(2012年2月13日Pouch)

ほんの一昔前までは、iPhoneのような機械は夢のまた夢でした。それが今や、このような超高性能デバイスは多岐に渡って開発が進められており、世界中で商品化されています。

今回はその中でも、「これはありそうでなかった!」な画期的なアイテムをご紹介しましょう。

海外サイト『walyou.com』にて掲載されている問題のアイテムの名は、『キーボードジーンズ』。そうです。なんとこれ、パソコンのキーボードが内蔵されているジーンズなのです!

『キーボードジーンズ』は、パソコンのキーボードがそのままジーンズに埋め込まれており、どんな場所でもパソコンの操作ができる機能的なアイテム。使用している姿も漫画チックで、なかなかクールです。このキーボードジーンズをデザインしたErik De Nijsさんは、「究極にマニアックなジーンズをデザインしたい」というコンセプトの元、このジーンズをデザインしたのだそう。

『キーボードジーンズ』には、まだまだおもしろい仕掛けがいっぱいあります。ジーンズの右サイドには、ベルトでつながったワイヤレスマウスを装備。また正面のジッパー部分の後ろ(股間ってこと? どうやって取り出すの?)にはゲーム用のジョイスティック、ひざの部分には薄型のスピーカーまで内蔵されているのだとか。なんとも豪華なオプションですね。

しかしこのアイテムを見ていると、ひとつ疑問が浮かびませんか? これ、果たして洗濯できるのでしょうか。この点に関しては詳細不明ですが、女子としてはちょっぴり気になるところです。

実際にどのような状態なのかはリンク先を拝見いただきたいとして、正直これを人前で使うというのも使う意味以前にいささかその、ためらわれるような…
洗濯や肝心の履き心地といった衣服としての諸問題もさることながら、股間にジョイスティックってそのままやんけ!と思わず突っ込んでしまいたくなる構成こそが実用化に際しての一番の問題ではないかという気がします。

今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 中島店」

倉敷市内の一角にあるスーパーの駐車場内にあるセルフのうどん店がこちら「ふるいち」の支店ですが、割合に街中であることで集客が良いせいか食事時は大抵満席になっているようですね。
ちなみにこの「ふるいち」の本店というのは倉敷市の隠れた?名物とも言われる「ぶっかけうどん」を商業的に売り出したという点で元祖の店とも言われているようですが、同じぶっかけを名乗っていても香川などのそれとはかなり異なったスタイルを取っていることでも知られています。
ちなみにこのぶっかけうどん誕生の経緯を語る上でたびたび取り上げられるのがふるいちHPにも掲載されているお代官様と商人達の伝承ですけれども、あくまでもこれは店の主が考案したフィクションであって史実ではないということのようですね。

それはともかくセルフスタイルの店ですので、入り口に近いところでうどんを注文、カウンターに並んでいるおにぎりや天ぷら類を適当にお盆に取ってから会計を済ませるという良くあるスタイルなのですが、トッピングを自分で選ぶというよりも店側が用意してくれているメニューにサイドメニューを追加するという形に近いせいもあって、カウンターに立つ前にあらかじめメニュー自体を決めておかなければ少しまごつくかも知れません。
今回はもっともベーシックなぶっかけうどん(冷)だけで済ますつもりだったのですが、うっかり見てはいけないのに見てしまった結果玉ねぎ天を追加することになってしまったのは、何しろ揚げ物は心の弱い人間には目の毒だということなんでしょうか…
うどんの方は刻みネギ、刻み海苔、天かすにワサビが添付という至ってシンプルな構えのぶっかけで、個人的にぶっかけに必須の要素としては独特の濃いめのつゆに加えて天ぷらや天かすと言った油ものと、ワサビや生姜などの香辛料とがあげられるかなと思っているんですが、その点で言えばまさにベーシックな構成ですよね。
比較的加水率の高そうなうどんは香川界隈ではもう少し硬めにするのかなという印象も受けるのですが、それでもなめらかで柔らかい最初の一噛みに続いて、噛み切る瞬間の心地よい歯ごたえを提供する食感は十分うどんらしい味わいで、突出したところはないもののチェーン店としては十分合格点をつけられる水準かなと思います。
伝承によれば蕎麦つゆから考案したとも言うこのぶっかけつゆは昔の印象ではもう少し濃い口だったような気もしていたのですが、この濃いめで甘辛いつゆを使ってこそ倉敷スタイルのぶっかけというもので、うどんとのマッチングもちょうどいい案配ですね。
しかしこの玉ねぎ天、中身は普通の薄切り玉ねぎを衣でまとめて揚げたというだけのものなんですが何とも面白い形をしていて、サイズといい大きさといいちょうど寿司屋の湯飲みを連想させるのですが、そういった形の容器に入れて揚げているんでしょうかね?

接遇面では特にどうこうと言う感じでもないのですが、一応店内はセルフとは言っても小綺麗に維持されているのはよいことだと思いますし、大勢で賑わっていても手際などもそう悪いものではなさそうと、悪い印象を受けるものではありませんでした。
価格的には値上げもあって昔ほど安いという印象はなくなっているのですが、オプションてんこ盛りで腹をふくらませるも良し、買い物のついでにちょっと小腹を満たすにも悪くないと、まあこうした立地にはこれくらいの価格帯とボリュームのお店があっているということなんでしょうね。
そういう店としては当然ながら子供連れのお客なども多いように見えますが、子供時代から下手にファミレスやファーストフードなどの濃い味に走るよりはうどんでも食べていた方がよほどマシかなという気がしますがどうでしょう。

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2012年3月 3日 (土)

「お前が言うな」という以外に何と言えと

信濃毎日新聞(全国紙の毎日新聞とは別メディア)と言えば、その独特な濃い主張でたびたび問題を引き起こしたりもする地方紙ですが、昨今話題の大阪市教育基本条例に関してまたこんなことを主張していたと話題になっています。

斜面(2012年2月27日信濃毎日新聞)

小学校の担任はかっぷくのいい女の先生で、よくたばこを買いに行かされた。中学の先生は何かにつけて生徒をたたき、力で押さえつけた。隠れて酒を飲んだ生徒を居酒屋に連れ出し、飲み方を教えてくれた東京の高校教師もいた

大阪府が提出した教育基本条例案に照らすと、いま挙げた先生たちは真っ先に首かなと思う。けれど、子どもなりに先生たちの長所と短所を見つけ、人間くささを感じていた。同窓会では、素行不良だった者も優等生だった者も愉快げに教師との思い出を語る

大阪の条例は厳しい。校長の評価で「不適格」となった教員を指導し、改善がみられなければ免職にするとしている。さらに、3年続けて定員割れとなった高校は再編整備の対象とするなど競争原理を教育の場に持ち込んでいる

文部科学省と教育委員会を中心とする現在の教育制度に不満を抱く人は多い。いまのままでいいとは思わないが、教員を規則で縛ることで良くなるものではないだろう。格差の拡大、地域や家庭の教育力の低下といった幅広い問題に目を配らなければ、教育再生の道筋は見えてこない

府知事の決める教育目標に従い、先生が評価を気にしながら生徒の尻をたたく。ピリピリした教育のしわ寄せを受けるのは子どもたちだ。先生たちが気持ちにゆとりを持って個性を発揮してくれるほうが、学びも豊かになるに違いない。

いやまあ、信毎さんが同条例に対してどのようなスタンスをお持ちであるかはご自由にというところなんですが、批判するにしてもそれはさすがに自由すぎて例が悪いのではないかと言う声が多数派であるようですね。
同条例に関してはもちろん賛否両論あるところですが、まさしく信毎さんがおっしゃるように教育に○○は馴染まない式の反対論によって何一つ抜本的な改革も行われないまま旧態依然の教育が続いてきたことが今日の教育崩壊を招いているとすれば、一地方において改革のモデルケースとしてまずは変革を目指していくという方法論はありだと思います。
同条例に関してはそれとしても、マスコミの中でもとりわけ新聞というメディアは古くから歴史と伝統を持っているという意識が強いのか、どうも近頃では世の中の空気を捉え切れていないのではないかとも疑うような論調が目立ちますけれども、人間にしろメディアにしろ昔の話ばかり繰り返すようになると歳をとったということなのでしょうか。

発信箱:創刊140年余聞=伊藤智永(ジュネーブ支局)(2012年2月29日毎日新聞)

 日清戦争の外交を指揮し、「カミソリ大臣」と恐れられた明治の外相・陸奥宗光は、大変な愛妻家だった。ロンドンに留学中、英国女性が物知りで話し上手なのに感心し、日本にいた妻に手紙で勧めている。

 「あなたも歴史書などしっかりした本を読む傍ら、新聞で一通り今日の世間の有り様を知ることが必要です。東京日日新聞がよいでしょう。事件や花柳界のうわさ話ばかりでは実のある話はできません

 手前みそで恐縮ですが、毎日新聞の前身です。当時(1885年)まだ創刊13年。社説欄や政治論議が売り物だった。

 時に政府寄りと批判され、大衆紙に押され、道のりは平たんでなかったが、ともあれ新聞は草創期から、社会の動き全体を考える論点の提供に努めてきた。事実を伝え、興味に応えるだけが報道ではない

 国連で「アラブの春」1周年の討論会をのぞいたら、インターネットの役割が口々に称賛された後、こんな報告があった。

 革命の経過を丹念にたどると、ネットでの無数の発信は「今・ここ」の出来事を素早く生々しく伝えたが、人々が行動を起こしたのは、多くの場合、マスメディアが報じた全体状況の中で、それがどんな意味を持つかを知ってからだったという。

 思えば世の中の動きを、動いている端から全体として意味づけようとは、随分無謀な企てだ。間違いや失敗は数知れず、おごりや不明を恥じる例も多い。新聞紙はいずれなくなるかもしれない。それでも新聞の役割はなくならないと確信する
(略)

いやまあ、毎日新聞の場合はまず捏造ではない事実を伝えていくことこそ第一に求められているのではないかと思いますが(苦笑)、伊藤記者も言葉の端々に匂わせているように、新聞業界が順風満帆であるならばわざわざ歴史を紐解いてまで「新聞とはこんなに素晴らしいのだ!」と訴える必要もないでしょうし、まさに「事件や花柳界の噂」ばかりだからこそ存在意義が問われているのです。
特に記事中にも取り上げられている通りメディアが政治的行動に大きな影響力を発揮してきたのは確かですけれども、果たして彼らの言う「社会の動き全体を考える論点の提供」なるものが歴史的にどのような意味を持っていたのか、例えば先の大戦に至るまでの新聞諸社の報道と世論の動きを追っていくだけでもよく判ると思います。
そうした観点から近年のマスコミによる世論誘導の例として取り上げられるのが歴史的政権交代と言われた先の衆議院選挙ですけれども、さすがに世の中にこうまで「こんなはずじゃなかった」感が蔓延してしまうと彼らとしても「これぞ我々が世論を正しく導いた成果だ」といつまでも誇らしい顔はしていられなくなってきたようですね。

熱血!与良政談:新党のキモ=与良正男(2012年2月15日毎日新聞)

 この二十数年間、いくつもの新しい政党ができては消えていった。そんな中、候補者の大半が国会議員の経験のない新人でありながら大きなブームを巻き起こしたのは92年参院選と93年衆院選の日本新党だけだった。

 野田佳彦首相をはじめ民主党では枝野幸男経済産業相や藤村修官房長官、前原誠司政調会長ら、自民党では小池百合子元防衛相……と今や日本新党出身者が各党の幹部を務める時代になった。同党を創設した細川護熙元首相の評価は分かれるが、「政治家総取っ換え」を掲げ、自民党に多かった世襲議員でもない、旧社会党の主流だった労組出身者でもない新しい人材の受け皿を作った功績は大きかったと思う。

 で、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会はどうかという話である。既存政党への不信感、失望感の強さはあの時以上かもしれない。中央政界では最近、「今、衆院選をしても得をするのは大阪維新の会だけだ」という声を聞く。橋下氏本人が出馬しなくても大きな支持を得る可能性は高い。

 その手法はともかく、橋下氏が唱える首相公選制や2院制の見直し論など、もはや「誰が首相になっても政治は動かない。政治の仕組みを変えないといけない」という問題意識は私も共感する、と以前本欄で書いた。だからこそ大阪都構想がどう道州制につながっていくのか、あるいは首相公選制にどう行き着くのか、より具体的な道筋を示してほしいと思う。

 もっと重要なのは次期衆院選に300人程度を擁立するという候補者の選び方だ。「維新政治塾」には3000人を超える応募者があったそうだ。民主党の国会議員も応募したと聞くと情けなくなるばかりだし、入塾を断るのは当然だ。政治の劣化を食い止めるためにも、応募者の中からぜひ、有能な人材を発掘してほしいと切に願う。

 私たちは「郵政民営化」を叫べば自民党のほとんどの候補が当選した05年の衆院選と、「政権交代」への大きな期待の中で民主党が圧勝した09年の衆院選を経験した。そして「どうして、この人が国会議員に?」と疑問を抱く場面にも何度も出くわした。

 無論、そんな結果になったのは私たちメディアの責任も大きかった。単に「新しいから」とブームをあおるだけではいけないし、逆に「橋下氏は危うい」の一言で片づけるわけにもいかない。新党報道も新しい段階に入ったということだ。(論説副委員長)

いやまあ、今どき猿でも反省するという時代に政権交代こそ正義である!とその内実には全く無検証で煽り報道を繰り返した責任を「私たちメディアの責任も大きかった」の一言で片付けられては国民もたまりませんが、どうもこうした記事を読むだけでも彼ら日本の新聞というものは何かしら確固たる定見があって特定政党を支持(あるいは攻撃)しているのではないらしいという気配が見え隠れしますよね。
メディア毎にはっきりと自分たちのスタンスを打ち出している諸外国と比べると、日本のメディアは新聞に限らず(実態はともかくとして)表向き中立であることを標榜している場合が多いとはよく言われますが、諸外国のジャーナリストから見るとこうした日本のメディアの姿勢は何とも奇妙に映るようで、「客観性を口実にどっちつかずの態度を取ることは許されない」とばっさり切って捨てる人もいます。
「知性あふれる人材を多数そろえながら、ここまで非生産的なメディアも珍しい」とも言われるのは何より無定見の故か目的意識が希薄であって、自分たちの報道によって何をどうしたいというゴールを設定せず単にセンセーショナルに対象を取り上げることのみに終始する姿勢に由来するのでしょうが、このところ彼らのあまりに無定見な批判のための批判に対しては国民からも疑問の声が上がっていますよね。
総理がどこで飯を食っただの漢字を読み間違えただのということのどこに政治報道としてのニュースバリューがあったのか知りませんが、さすがにそうした無意味な重箱の隅つつきばかりというのはおかしいのではないか?という世論が無視出来なくなってきたのでしょう、今度はこんな言い訳めいたことを言い出しているようです。

発信箱:徴兵制と拘束衣社会=布施広(論説室)(2012年3月1日毎日新聞)

 大先輩の岩見隆夫さん(本紙客員編集委員)が「『徴兵制』を俎上(そじょう)に載せてみよう」と「サンデー毎日」(2月26日号)誌上で提案している。なるほどと思って読んだが、刺激的なテーマに反発する人も多かろうと考えた。すると、「拘束衣社会」という5文字が記憶の底から浮かび上がってきた。

 イスラエル・ヘブライ大の研究所にいた時、ツビ・ベルブロウスキーという高名な教授から教わった言葉だ。日本は規制や監視が厳しく、なにかと不自由で息苦しいといった意味だが、もちろん悪意はない。この大先生、大変な親日家で「照道」という僧号を持ち、お経も読む。自宅にお邪魔した時は着物にはかま姿で迎えてくださった。

 拘束衣を着たことはないが、言わんとすることは分かる。お天気お姉さんの異性関係を暴いたり、閣僚らの片言隻句を追及して辞任に追い込んだりするのも、この小さな国の酸素を薄くしていないか。「お前が言うな」というお叱りは覚悟の上だが、夏目漱石が「草枕」に書いたように「人のひる屁(へ)の勘定をして、それが人世だと思ってる」せせこましさがありはしないか。

 戦後67年、日本をアスリートに例えれば、筋肉がガチガチに固まった部分もあろう。特に安全保障の分野では「精神的な柔軟体操」、つまりシミュレーションや試論が不可欠だ。「真の平和」を考える「導入部」として、岩見さんは徴兵制に言及しておられる。未来を見渡せば、実は刺激的でも不穏でもない問題提起だと私は思う。

 外国では「日本核武装」をテーマとしたシンポジウムも見聞きするが、日本ではこの種の議論は珍しい。「軍国主義の足音が聞こえる」などと言う人が必ずいるからだろう。だが、論議を封じてはいけない。一番恐ろしいのは、ゆえなきタブーが自由な精神を拘束することである。

いや、さすがに上から目線でそういうことを言われても「お前が言うな」と返すしかありませんけれども、国中で誰よりも片言隻句を追及することに熱心で、何よりもタブーを形作ることに努力してきた方々が行うべきはこうした疑問文の形を借りた御高説を第三者目線で垂れ流すことではなくて、ごめんなさいもうしませんという率直な謝罪と反省ではないでしょうか?
今日はたまたま毎日の記事ばかり取り上げたような形になりましたが、同様の問題は毎日のみならず日本のメディア全般に見られることで、しかもこれだけ多数のメディアがありながらその全てが同じような「人のひる屁(へ)の勘定をして、それが人世だと思ってる」せせこましさにどっぷり浸かりきっているというのが国民にとっての不幸だというものでしょう。
政治、教育、あるいは医療などこの国では早いところ抜本的になんとかしていかなければ大変なことになりそうな課題が山積していますけれども、メディアという本来何らの生産性も持たない存在が社会にとって有益な存在になるか有害無益な存在になるかは、彼らが他者に求めるような改革を自らはなし得るのかどうかにかかっているように思いますね。

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2012年3月 2日 (金)

「○○はお金では買えない」が体のいい言い訳に?

本題に入る前に、先日あったこんなニュースを紹介してみましょう。

聖マリ医大で助教が研修医に暴力/神奈川(2012年2月28日日刊スポーツ)

 川崎市宮前区の聖マリ2 件アンナ医大で、耳鼻咽喉科の男性助教(39)が男性研修医(28)に殴る蹴るなどの暴力を振るったとして諭旨退職の処分を受けていたことが28日、大学への取材で分かった。研修医は全身打撲などで2週間のけがをした。

 助教は「耳鼻咽喉科に入局すると約束していたのに、別の科に入局しようとしたことに腹が立った」と暴行を認めており、27日付で退職した。大学は「社会人としてあるまじき行為で誠に遺憾」としている。

 大学によると、助教は6日正午ごろ、耳鼻咽喉科の医局に研修医を呼び出して約30分間、罵声を浴びせて殴ったり蹴ったりした。助教と研修医は学生時代、空手部の先輩と後輩だった。

 研修医がその日のうちに大学側に相談し発覚。その後、教授会はいったん懲戒解雇処分を決めたが、寛大な処分を求める嘆願書などを考慮し、諭旨退職とした

 暴行があった時、医局には別の医師2人がいたが制止しなかった。大学は監督が不十分だったとして、耳鼻咽喉科の教授(55)を27日付で戒告処分にした。(共同)

しかしまあ、ひと頃は医局勧誘合戦の流れでさんざん歓待されながら平気で食い逃げする奴が多発していた時代もあったようですが、入局の約束というのがいつの時期のことだったのかは記事からは判りませんが、臨床研修を通じて学生時代の想像を是正される機会を得た上での進路変更だったのだとしたら仕方のないところだとは思うのですけどね。
いずれにしても親しき仲にも礼儀ありで暴言暴行には一社会人として全く同情の余地はありませんが、今の時代どこであれ医師確保にそれだけ御執心であるという現実も見える話で、特に大学医局もますます専門分化が進んで乱立気味になってきますと一医局辺りの入局者数が減ってくるのは当然ですから、どこも人材確保は死活問題にもなりかねないでしょうね。
以前から地方公立病院などは医局人事に頼りきりで医師の待遇などまるで顧みることなく使い潰してきた結果が今の惨状を招いているとも言え、これに対して地方自治体を中心に国が医師を強制配置すべきだなどと人権無視も甚だしいことを主張していますけれども、何故そうなったのかという部分に対する自省も改善の意志もまるで見られない彼らの態度を当の医師達がどう思っているかという想像力は必要です。
一方で大学病院などにおいても以前よりは改善傾向だとは言え分娩手当を支給する大学が未だ6割程度、時間外手術に対する手当に至っては半数以下に留まるなど待遇改善が不十分な状況が明らかで、それは外病院での研修生活を知った後でわざわざ大学医局に入局したいと考える人間も減るのは当然だろうなと感じる数字です。

要するにどこの業界にでも共通する話として人が足りない、もっと優秀な人材に来て欲しいと心底思っているのなら、それに相応しい労働環境くらい整備しておくのが当たり前だろうということなんですが、基本的に労基法の限度を超えて多忙である医師という人種は単に給料さえはずんでもらえれば喜んで幾らでも働く(働ける)というものでもないとは言え、やはり待遇改善を図るにも先立つものの手配は最優先課題になってきますよね。
その点で自治体病院などは年中赤字垂れ流しが当たり前になっている以上、スポンサーたる自治体の財政も厳しい折おいそれと待遇改善は無理だという言い訳をしていますが(もっとも、何故そうなったのかという内情を知ればそう単純な話でもありませんけれども…)、それならそれで他に手段はないのかと言えば必ずしもそうではないはずです。

横須賀市が医療者不足対策に基金設置、市民からも寄付募集/神奈川(2012年2月29日カナロコ)

 医師や看護職など医療従事者の不足問題に対応するため、横須賀市は必要な財源に充てる「いのちの基金」の設立を決めた。趣旨に賛同する市民から寄付を募り、財政からも同額を拠出して積み立てる構想。4月に関連条例を改正し、7月からの寄付金募集開始を目指す。

 2012年度当初予算案に関連事業費として1千万円を計上した。積み立てられた基金は、市内の地域医療機関に対する産科医確保や看護師の離職抑止研修、不育症治療などの財源の一部に充当される。

 吉田雄人市長は29日の定例会本会議で「使い道を分かりやすくして、善意の寄付を呼び掛けたい」と説明した。自治体が設立する基金に対する寄付は、税法上の優遇措置として所得控除の対象とされる。

 横須賀市内では産婦人科などで厳しい地域医療体制が続く。市立市民病院(同市長坂)では昨年から産科の分娩(ぶんべん)が休診中。病院の指定管理者運営への移行に伴って看護師の一部が退職したため、病棟も一部が閉鎖された。

 市は昨年から産科医を増員した地域医療機関に人件費を助成する制度を施行したが、利用例は出ていない

先日は兵庫県の方で救急車の充実にと遺言で一億円を寄付してくれた方の話題を取り上げましたが、医療というものの最大の受益者が患者である国民である以上、国民の側も医療崩壊という現象にもう少し当事者意識を伴った危機感を持っていただきたいというのは必死に現場を支える医療従事者の素朴な気持ちでもあるはずです。
ひと頃から各地の自治体で地域の病院を守ろうという住民主体の運動が起こってくるようになり、もちろん不要不急の時間外受診をやめましょうなどといった意識が滲透してくればそれはそれでありがたいことではあるのですが、多忙な現場スタッフにとって「もっと医師を!」と署名を集めていただいたり、「いつもありがとう」と寄せ書きをもらったりしても実効性の点からすると正直さほどに…という部分はありますよね(申し訳ないですけど)。
これを称してごく直裁的に「同情するなら金をくれ」などと言う人々も一部にいますけれども、地域でもっと充実した医療が必要だと言うのであれば何故それにもう少しお金を出そうとしないのか、自治体に納税しても余計なところにばかり無駄遣いされるのが嫌なら使途を明記して寄付をするなり気持ちに実利を込める手段はもっとあるだろうと言う声が以前からあったのは確かです。
今回の横須賀市のやり方はそうした気持ちを現実的な動きに結びつけるための公的ルートを整備したものと言えそうですが、実際にこうしたシステムがどの程度有効に機能するかという以前に、今の時代の医療従事者はそこに形として現れる市民の意思がどの程度のものなのかということにも注目していることを知っておかなければなりませんよね。

地理的な僻地と心の僻地はイコールではないということが以前から言われていますし、心は形では表せないというのも一面の真実でしょうが、別に地域に生まれ育って住民とは以心伝心というわけでもない大多数の医療従事者にとってみれば形で現れないものはないも同じであるというのも現実である以上は、住民側もそれを形として示すという努力は必要なんじゃないかということですね。
日本もJリーグが出来てからずいぶんと経ちましたが、サッカーなどは地域住民がサポーターとしてクラブを支えるという伝統があって、特に全国区などには程遠いマイナークラブほどどれほど住民が地域ぐるみでサポートする意識があるかがチーム運営上極めて重要な意味を持っています。
その意識が妙な方向に逝きすぎるとサッカーで言うフーリガンであったり、「俺らの税金で食ってるんだろうが!黙って俺の言う通りにしろ!」なんてことを言い出す公立病院にありがちな困ったちゃん患者にもなりかねませんけれども、皆保険制度による公定価格で誰でも定額で医療を受けられる日本にこそ、プラスアルファの気持ちを目に見える形として表せるこうしたルートがもっとあってもよさそうに思いますね。

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2012年3月 1日 (木)

そもそも特定看護師制度の問題なのか?

かねて検討が行われてきた看護師の医療行為拡大に関する議論ですけれども、実際に各行為をどのように位置づけるかというリストアップ作業が進んでいるようです。

特定行為の選定で、看護師の行為を5分類へ- 厚労省が提案(2012年2月28日CBニュース)

 厚生労働省は28日のチーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)で、いわゆる「特定看護師」が担う特定の医療行為(特定行為)の選定に向け、同省の研究班による看護業務実態調査で対象となった203項目など、それぞれの行為を5段階で評価する分類方法の素案を示した。同省案では、203項目の中の24項目について、行為が想定される標準的な場面や、看護基礎教育の到達目標などで評価。そのうち14項目を「特定行為」として位置付けた。

 厚労省案は、一定の教育や訓練を受けた看護師の行為の実施を前提とした上で、同調査で対象となった203項目などについて、▽現行法令上の位置付け▽同調査の結果▽同省モデル事業の実施状況▽看護基礎教育の到達目標▽新人看護職員研修のガイドライン―などに基づき、それぞれの行為や判断の難易度を評価している。これらを踏まえ、(A)医師のみが行う「絶対的医行為」(B)特定行為(行為、または判断の難易度でそれぞれB1、B2に分類)(C)一般の医行為(D)さらに検討が必要(E)医行為に該当しない―の5段階で振り分ける。

 24項目の分類案のうち、特定行為とされたのは、▽直接動脈穿刺による採血(B1)▽手術前検査の実施の決定(B2)▽経口・経鼻挿管チューブの抜管(B1)▽人口呼吸器装着中の患者のウイニングスケジュール作成と実施(B2)▽褥瘡の壊死組織のデブリードマン(B1)▽電気凝固メスによる止血(褥瘡部。B1)▽胃ろうチューブ・ボタンの交換(B1)―など14項目。「手術室外での非感染創の縫合」(皮下組織から筋層まで)については、「AまたはB1」の評価とした。
 このほか、「動脈ラインからの採血」や「浣腸の実施の決定」など6項目は「C」とする一方、「局所麻酔(硬膜外・脊髄くも膜下)」は「A」に位置付けた

 厚労省では、まず203項目の分類に着手し、その後、同省のモデル事業で実施されている医行為などについても順次検討する方針だ。

かねて日本版ナースプラクティショナー(NP)制度とも言える特定看護師導入についても賛否両論があったことはすでに何度も取り上げてきたところですが、結局のところ制度の是非がどうこうと言う以前にその制度下で何をやり、何ができないかという部分が決まってこないことには正しい議論もできないでしょうし、こうしてリストアップしてくるというのは遅すぎたくらいですよね。
今回は厚労省側からたたき台として素案を出してきたということですが、医師のみが行う「A」区分と一般的に行われている「C」区分以下との間にある「B」区分の行為というのが、ここで言う特定看護師に許されるべきかどうかの議論の対象になってくるということです。
実際に厚労省の出して来た資料から今回取り上げられた24行為を抜き出して見るとこんな感じになってくるのですが、すでにこの時点で多少の異論はありそうにも思いますね(ちなみに現状での実施率は厚労省研究班調査によります)。

◎絶対的医行為 A(行為の侵襲性や難易度が高く、医師が実施すべき)      

局所麻酔(硬膜外・脊髄くも膜下)=スパイナル針を椎間から刺入し、硬膜外腔又は脊髄くも膜下腔へ麻酔薬を注入する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:0.8% 看護師回答:0.5%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:14.3% 看護師回答:5.9%

◎絶対的医行為A(行為の侵襲性や難易度が高く、医師が実施すべき)又はD(更に検討が必要)     

腹腔穿刺=超音波等で安全な穿刺点を決定し、テフロン留置針を穿刺、輸液ルート等を連結し腹水を排液する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:1.0% 看護師回答:0.2%
◆今後看護師が実施可能とした割合:研究班調査】医師回答:13.8% 看護師回答:5.5%

胸腔穿刺=超音波等で安全な穿刺点を決定し、テフロン留置針等を肋骨上縁に挿入し、排液を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答: 0.8% 看護師回答: 0.1%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 10.8% 看護師回答: 3.5%

◎絶対的医行為 A(行為の侵襲性や難易度が高く、医師が実施すべき)又は 特定行為B1    

非感染創の縫合:皮下組織から筋層まで(手術室外で)

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:1.1% 看護師回答:0.5%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:26.6% 看護師回答:14.3%

 

◎特定行為B1(行為の侵襲性が相対的に高く、行為の難易度が高いもの)     

直接動脈穿刺による採血=経皮的に橈骨動脈又は大腿動脈を穿刺し、動脈血を採取した後、針を抜き圧迫止血を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答: 2.0% 看護師回答: 1.7%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 63.2% 看護師回答: 44.2%      

経口・経鼻挿管の実施=気道閉塞が認められ確実な気道確保が必要な患者に、経口・経鼻挿管を実施する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:6.1% 看護師回答:4.1%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:43.9% 看護師回答:39.7%

経口・経鼻挿管チューブの抜管=気管チューブのカフの空気を抜いて、気道内に留置している気管チューブを抜去する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:10.9% 看護師回答:6.0%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:59.0% 看護師回答:54.5%

褥瘡の壊死組織のデブリードマン=褥瘡部の壊死組織で遊離した、血流のない組織を取り除き、創洗浄、排膿などを行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答: 7.3%% 看護師回答: 9.3%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 53.3% 看護師回答: 62.0%

電気凝固メスによる止血(褥瘡部)=傷口等の出血点を電気凝固メスを用いて出血点を焼き、止血する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答: 1.1% 看護師回答: 0.5%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 39.3% 看護師回答: 31.5%

表創(非感染創)の縫合:皮下組織まで(手術室外で)=皮下組織まで達するが筋層までは達しない非感染創を縫合を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:1.0% 看護師回答:0.5%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:37.5% 看護師回答:27.1%

体表面創の抜糸・抜鉤=医療用ハサミを用いて抜糸、又は抜鉤器を用いて医療用ホッチキスの抜鉤を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:1.8% 看護師回答:0.9%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:67.4% 看護師回答:53.0%

動脈ラインの確保=経皮的に橈骨動脈から穿刺し、最終的に外套のカニューレのみを動脈内に押し進め留置する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:1.7% 看護師回答:0.7%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 42.1% 看護師回答: 28.7%

胃ろうチューブ・ボタンの交換=造設後一定期間が経過し、トラブルや症状等のない患者の胃ろう交換を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:5.3% 看護師回答:2.7%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:57.1% 看護師回答:37.8%


◎特定行為B2(行為を実施するタイミング等について判断の難易度が高いもの)     

手術前検査の実施の決定=手術前に必要な検査を判断・選択し、実施の決定を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:3.5% 看護師回答:3.8%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:51.6% 看護師回答:42.4%      

人工呼吸器装着中の患者のウイニングスケジュール作成と実施=人工呼吸器の設定条件の計画を作成し実施する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:4.3% 看護師回答:6.9%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:57.4% 看護師回答:61.3%

脱水の判断と補正(点滴)=脱水の程度を評価し、点滴静脈内注射により脱水の補正を実施する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答: 5.5% 看護師回答: 11.0%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 56.4% 看護師回答: 59.7%

抗癌剤等の皮下漏出時のステロイド薬の選択・局所注射の実施=副腎皮質ステロイド等を選択・判断し、局所注射を実施する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:3.7% 看護師回答:8.2%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:42.3% 看護師回答:43.7%

がんの転移、浸潤に伴う苦痛症状のための薬剤の選択と評価=薬剤の投与方法・投与のタイミング等判断を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:4.6% 看護師回答:10.4%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:47.9% 看護師回答:60.5%

 

◎一般の医行為C(行為及び判断の難易度ともに看護師一般が実施可能)       

動脈ラインからの採血=事前に確保されている動脈ラインから、動脈血を採取する。      

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:63.4% 看護師回答:52.4%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:93.8% 看護師回答:81.9%      

12誘導心電図検査の実施=不整脈や虚血性変化等の心機能を評価する目的で、12誘導心電図検査を実施する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:63.0% 看護師回答:66.7%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:95.3% 看護師回答:93.6%      

酸素投与の開始、中止、投与量の調整の判断=酸素投与の開始、投与方法の選択、投与量の調整、中止の判断を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:37.3% 看護師回答:48.5%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:76.9% 看護師回答:83.6%

浣腸の実施の決定=肛門からチューブ等を挿入し、微温湯あるいは薬液注入による浣腸の実施の決定を行う。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:49.1% 看護師回答:56.8%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答:83.8% 看護師回答:87.9%

導入・留置カテーテルの挿入の実施=滅菌カテーテルを外尿道口より挿入し、尿を体外に排出する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答:70.2% 看護師回答:86.5%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 92.0% 看護師回答: 93.4%

末梢血管静脈ルートの確保と輸液剤の投与=経皮的に静脈血管を穿刺し留置針を留置、輸液剤を投与する。

◆現在看護師が実施している割合:医師回答: 63.8% 看護師回答: 77.1%
◆今後看護師が実施可能とした割合:医師回答: 92.6% 看護師回答: 93.1%

この資料自体が現在の法令上の位置づけや教育課程での扱いなども記載されていてなかなか参考になるものなのですが、実施可能かどうかの判断で医師と看護師の割合が結構一致しているように見える中で、どちらか片方が高いあるいは低いという項目が幾つかあるのは現場当事者の認識なども垣間見えて興味深いですよね。
ただ見ていておもしろいのはどの処置にしても現状で全くどこの施設もやっていない、やらせていないというわけでもないし、B以上に位置づけられているような高侵襲と思われる手技も法令上明確に禁止されているわけでもないと言うことで、医療行為というのは本当に現場の裁量任せの部分が多かったのだなと改めて思います。
分類自体に異論多々あるだろうことは当然で、例えば酸素投与などもある病院では朝担当医が回診してみると重度の慢性呼吸不全の患者が酸素を全開にされていてすでに意識がない、夜勤看護婦を問い詰めてみると「ああ、SpO2悪かったから酸素増やしときましたよ」と満面の笑顔で言われ担当医が激怒したなんて事例も側聞します。
気管内挿管にしても救急隊に許すの許さないのと以前から議論されていますが、下手くそが挿管に手間取って搬送が遅れるくらいなら素直にバッグ換気しながらさっさと病院に連れてこいと言う救急専門医の意見もありますし、そもそも挿管後の処置や管理も特定看護師単独で出来ないなら結局医者が必要なのは同じだとも言えそうです。
脱水補正なども輸液には何を使用すべきか、どの程度の量をどのくらいのペースで入れていくべきかなど様々なパラメータが多すぎてそれこそ本になるくらいの分野で、本格的にやるとすると失礼ながら看護教育レベルでの対応は難しいんじゃないかなとも思うのですが、恐らく軽症や初期対応に限定してということなのでしょう。

しかし考えて見ますと、結局のところ多くの医師が看護師に対して最大公約数的に求めているのは普通に出来るはずの仕事に対して「それは先生の仕事ですから」なんて言われることなく、注射や採血と言った日常の業務くらいは医師の手を煩わせることなく当たり前にやってくれよということではないでしょうか。
今回の制度にしても元々医師不足と言われる現状をどうするかという話が発端になったものですから、滅多にやらない高侵襲行為の是非に議論を費やすよりまずは施行数が多く医師にとって負担になっている業務を、看護師サイドでやっていいかどうか決めることが最優先されるはずですよね。
特に今回Cに分類された静脈ルート確保や浣腸、尿カテの挿入や心電図などは元より普通に看護師の行うべき業務だと認識されてきた行為で、特定看護師云々の話とは関わりなく現状でも看護師サイドでやれる仕事のはずですが、未だに「先生の仕事」扱いの施設が少なくないという事実に医療現場の問題点が現れているようにも思います。

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