« 今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 中島店」 | トップページ | 少しは気にしてみましょうよ »

2012年3月 5日 (月)

21世紀にもなっていまだに「ピカの毒」騒動ですか?

そろそろあの大震災から一年が経過しますが、全国各地では相変わらず放射線被害に関わるトンデモ事件が続いているようです。

福島の子、公園で遊ぶな…学校でのいじめも最多(2012年3月2日読売新聞)より抜粋

 法務省は2日、全国の法務局が昨年1年間に扱った「人権侵犯事件」の状況を発表した。総数は2万2168件(前年比2・2%増)で、「学校でのいじめ」が3306件(同21・8%増)で過去最多を更新した。
(略)
 東日本大震災に関連した人権侵犯も29件あった。福島県から避難した人が、近隣住民から子どもを公園で遊ばせないよう言われたり、保健所に自動車の放射線量を測定されたりしたケースなどだった。各法務局が、ポスターを掲示するなどして、偏見による差別をしないよう呼びかけたという。

 震災に関する人権相談は昨年末までに計491件。「福島ナンバーを理由に駐車を拒否された」「転校先の学校でいじめを受けた」などの声が寄せられた。

風評被害:福島から避難の子供、保育園入園拒否される 人権救済申し立て/山梨(2012年3月3日毎日新聞)

 福島県からの避難者が東京電力福島第1原発事故による風評被害を受けたとして、甲府地方法務局に救済を申し立てていたことが分かった。福島から避難してきたことを理由に、人権を侵害されていた。同法務局が2日発表した。

 同法務局によると、申し立てた避難者は、自分の子供が住宅近くの公園で遊ぶのを自粛するように、近隣住民から言われた。更に、保育園に子供の入園を希望したところ、原発に対する不安の声が他の保護者から出た場合に保育園として対応できないことなどを理由に、入園を拒否されたという。

 同法務局は、避難者が相手への接触・調査を希望せず、地域への啓発を強く希望したことから、風評に基づく偏見や差別をしないよう呼びかけるポスターを掲示。また、自治体広報紙への広告掲載や自治会でリーフレットの回覧を依頼するなどの啓発も実施した。【水脇友輔】

先日も沖縄で長年続いているイベントで小学校に青森の雪を配ろうとしたところ震災被災者から放射線被害を不安視する声が挙がり一時は中止になりかけたと言いますが、学校にも「放射能をわかっているのか」といった苦情や無言電話が相次いだと言いますから真っ当な人間のやっていることとも思えません。
先の記事を見ていてとりわけ気になるのが、「保健所に自動車の放射線量を測定された」だとか「保育園から入園を拒否された」といったように、公的性格を持つはずの組織が先頭に立って差別的行為に走っているようにも見えるところですが、案の定ネット上では「そんな保育園は認可を取り消せ!」などと批判の声が強いようです。
当該保育園が公立か私立かも公表されていませんが、東北の雪と言えば学校に無言電話を掛けてくるような親を相手に商売をする以上こうした処置も現実的にやむを得ないという擁護の声も一部ではあって、なるほどまさしくこれは地域の民度の問題でもあるわけですよね。
いずれにしても漫画「はだしのゲン」でも被爆者が「ピカの毒がうつる」と介護も受けられないまま放置される様子が描写されていますけれども、被爆から半世紀以上も経っても国民の認識は相変わらずなのかと実感せざるを得ませんが、それが許される世の中であっていいのかということでしょう。

現段階で各地の放射線量の把握が進み管理も行われている中で、未だに時折報道される放射線汚染物質の流出問題なども含めても国民全般の被る健康被害のリスク(被爆のリスク、ではなくて)はほとんど無視出来る水準にまで引き下げられていると思うのですが、放射線量がゼロではないことを理由に危険だ、被爆のリスクがあると言い立てる人も少なからずいるようです。
現在は福島県南相馬市のような警戒区域外の比較的高放射線量の地域でも年間3ミリシーベルトレベルと言いますから自然界での高めな放射線量の地域よりはよほど低くなっているし(日本の自然被爆量は同1.5ミリシーベルト)、医療機器や飛行機などによる被爆量を考えても気にしても仕方がない水準だと思うのですが、「ピカの毒」を気にする人たちはあの手この手で放射能はケガレであると主張したいようです。
例えば昨年アメリカ政府がラドンにより年間2万人の肺癌死者が発生していると対策を講じる旨発表したことを取り上げて「見ろ!放射線はこんなに危険なのだ!」と言う人もいますが、同国での年間16万人に登る肺癌死者の実に90%が喫煙の影響によるとされていることを考えると、空中のラドンが震災前後で増えてもいない中でアメリカより喫煙率がずっと高い日本人が気にしても仕方がないリスクではないでしょうか。

繰り返しますが被爆のリスクというのは日本に限らず常にあって、これは自然放射線量もゼロにはならない以上人間として生きていく限り決して無くすることは出来ない、そして今ここで問題にすべきはあくまで被爆のリスクではなく健康被害のリスクであることをきちんと区別して考えなければ仕方がないということです。
そして原発事故に伴う健康被害というのは何もいわゆる放射線障害などに留まるものではなく、例えばこうした言われなき差別によるストレスなど心身の諸問題もまたこれに含まれるとして考えれば、果たして何がもっとも国民の健康に対して重大な影響を与えているのかということですよね。
意味のない観念的なケガレの忌避に精出すよりも現実的な被害である人災を回避する策を講じた方がよほど健康被害阻止の実効性にも優れているでしょうし、何より震災報道を通じてかえって世界中で高まった日本人への声望と称讚の声を、一部の人間の浅慮で失う羽目になるのも何とも馬鹿げた話じゃないかという気がします。

|

« 今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 中島店」 | トップページ | 少しは気にしてみましょうよ »

心と体」カテゴリの記事

コメント

悲しいことですが、私立の保育園ではそういうところでの安心感?もセールスポイントになるのでしょうか。
これで入園者が増えるのか減るのかが気になりますね。

投稿: ぽん太 | 2012年3月 5日 (月) 08時42分

発表の内容は2011年一年間のまとめですよね。
例として挙げられているのは、いつ頃の話なのでしょう。夏以前と秋以降とでは意味が違ってくると思うのですが。

今年に入ってからの報道の特徴は、避難者がクレーマー化している、ということを表に出すようになったことだと思うのです。
実態(今まで隠していた実態を報道するようになったのか、それとも実態と乖離したイメージを植え付けようとしているのか)がどうなっているのかは、私にはわかりません。が、とにかく報道の姿勢としてはそうなっている、とは言えると思います。

その流れの中で出てきた今回の発表をどう考えるかです。

原発推進派と反原発派の宣伝合戦というのも考えてみたのですが、しっくりこないです。

で、見方を変えてみました。被災瓦礫の処理促進にむけた一連の動きではないかと。
「物」の移入に反対している人を、外からやって来た特定の人達ということにして孤立させる。
同時に「人」への差別を戒めることで、「物」への警戒感をも戒める。

ま、本当のところはマスコミは何も考えていない、ということかもしれませんがね。

投稿: JSJ | 2012年3月 5日 (月) 09時47分

これまた声の大きい一部の連中が騒いでるだけにも思えるんだが

ただ何をやってもいじめはなくならないね
いじめの理由はいじめる目的のために見つけ出すものだ

投稿: kan | 2012年3月 5日 (月) 10時13分

どのような情報が出てくるかというのは当然背景に思惑があるんだと思いますが、ネガティブ情報も出すようになったのは基本的にはよい傾向だと思いますね。
しかし一連の報道の流れを全てコントロールして何らかの実現に向けている人間なり団体なりがいるのならマスコミも見直したくなります。

投稿: 管理員nobu | 2012年3月 5日 (月) 12時04分

いい話っぽく書いてるけど、これって無知から来る差別や偏見と同根の発想では?

大震災1年:3歳児「ほうしゃのう、こわい」 外遊び数日おき--福島
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120305ddm003040161000c.html
 福島の子供を一時的に県外へ出す「保養」の取り組みも全国に広がる。その一つ、東京都練馬区の市民グループ「福島こども保養プロジェクト@練馬」は福島県内の親子8組を昨夏の1週間、埼玉・秩父でのキャンプに招待した。「放射性物質を少しでも体外へ出してほしい」と事務局の竹内尚代(ひさよ)さん(67)は狙いを語る。

投稿: | 2012年3月 5日 (月) 12時51分

政府発表というか、学会発表の環境放射線数値をもって安全と言い切るのは時期尚早では
ないかとは思います。
外部被曝的には殆ど影響がない(将来の発ガンリスクは不明ですが)とは思いますが、
問題は内部被曝です。

東京大学アイソトープ総合センターセンター長、東京大学先端科学技術研究センター教授
である児玉教授は内部被曝を重要視しています。

また、市民と科学者の内部被曝問題研究会 というのを立ち上げて、内部被曝の恐ろしさ
を啓蒙されている組織も出来ております。
http://blog.acsir.org/

政府及びそれらの管理下にある学会等も今や放射能は安全と言い切っていますが、これ程大規模
で長期に渡る放射能汚染は例がチェルノブイリしかありません。そして、チェルノブイリでは
実際、現在に至るまでウクライナ、ベラルーシでは多くの人が健康被害に苦しんでいます。
(WHO ICRPは肯定しませんが)なので、福島、及び東葛地区が安全とはとても言えないと
思いますが如何でしょう。

それから、我々、患者さんに説明する時に最近では訴訟リスクも考えて最悪のケースを
念頭に説明をすると思いますが、最近の放射線医学会などの会告はそういったリスクまで
無視して、つまり、CTで被曝することは、それ自体危険なことであるのに、CTと同じ
レベルであるから安全という表現は如何なものかと思うんですがどうでしょうか?

投稿: 温泉天国 | 2012年3月 5日 (月) 19時36分

CTの被爆リスクを無視することは出来ませんが、身近なものと比較して過剰な恐怖感を削ぐのは意味があるんじゃないですか。
何がどの程度あぶないのかわからないから怖いという人が一番多いんですから。
あとリスクをきちんと知って必要十分な注意を払うのは当たり前ですけど、だからと言って福島難民に差別していいということにはなりません。
それでも差別したいって人はまずたばこやCTに対して全廃運動を始めるべきじゃないですか。

投稿: ぽん太 | 2012年3月 6日 (火) 08時44分

望ましい警戒水準なるものがあるとして、それより不足気味なら警戒を促す、過剰反応気味ならクーリングダウンさせるというのは啓蒙活動としては妥当かなと思います。
むしろ今の日本の問題は表向きそんなに危険じゃないんだと納得した顔をしながら一部でアレルギー的な過剰反応を起こしていることですかね。
意外に東北産の食料品などへのアレルギーが沈静化しているように見えるのに興味深い現象だと思います。

投稿: 管理人nobu | 2012年3月 6日 (火) 13時04分

この国で差別が無い方がおかしい。長々とネチネチとしつっこくいやらしく続いて行くだろう。

投稿: 群馬 | 2012年6月30日 (土) 10時41分

21世紀にもなって原発の事後処理もまともに出来ないのが人類だからしょうがないね
瓦礫のバラマキだって何も裏が無いなら九州や沖縄まではるばる運ぶ意味が無いからね
怖い話だよね

投稿: | 2012年11月25日 (日) 15時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/54136175

この記事へのトラックバック一覧です: 21世紀にもなっていまだに「ピカの毒」騒動ですか?:

« 今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 中島店」 | トップページ | 少しは気にしてみましょうよ »