« 今日のぐり:「長崎ちゃんめん 伊福店」 | トップページ | 今度のターゲットはコンタクトレンズなんだそうです »

2012年2月13日 (月)

時代と共に人の振る舞いも変化するのは当然ですが

本題に入る前に、昨今婚活というものがたびたび話題になりますが、先日は婚活コンサルタントの大橋清朗氏から 「まず職業や収入でふるいにかけられるため、年収が平均以下という方はほぼノーチャンス。そんなところに無駄な時間やお金、労力を注ぐぐらいなら趣味などのコミュニティに飛び込むほうがよっぽど現実的」という、確かにもっともながらなかなかに厳しいというより身も蓋もないコメントが一部方面で話題になっていました。
日本もただでさえ出生率低下が問題になっているのに何とも悲しい話だなと思っていましたら、世界的不況を反映してかアメリカでも同じような話があるというのですから何とも世知辛い世の中ですよね。

「結婚格差」米で深刻=収入が既婚率に影響/米(2012年2月7日時事ドットコム)

 【ニューヨーク時事】所得が結婚の機会に影響を及ぼす「結婚格差」が、米国で進行している。米シンクタンクのブルッキングス研究所が6日までにまとめた報告書によると、米国人の既婚率は過去50年で最低水準となり、所得の低い男性ほど結婚しない割合が増加したことが分かった。家庭を持ちたくても、経済力がないために結婚できない低所得者が増えているとみられる。

 具体的には、30~50歳の男性で見ると、年収下位25%までの既婚率は1970年の86%から50%に大幅低下。一方、年収が上位10%までの既婚率は95%から83%に低下するにとどまった。物価上昇を考慮すると、70年比の平均年収は低所得層ほど減少しており、同研究所は「個人の結婚観にかかわらず、雇用や収入が既婚率に影響している」と指摘した。

 女性についても低所得層で既婚率の下落幅が大きかったが、経済的に自立する女性の割合が増えたことも一因とみられる。

低所得者の半数が結婚できないというのは大変なことで、カップリング行為自体は例えば住居や食料費などをうまくシェアすればむしろ生活費を浮かせることも可能かも知れませんが、子供が出来れば当然ながら出費もかさんでくるということまで、日本同様アメリカにおいても将来への生活設計もした上で結婚すべきではないと判断した人々が増えたということでしょうか。
一方で経済的には問題ないはずの年収上位10%でも6人に1人が独身であるというのは結婚できないのか、それともしないのか、いずれにしても結婚ということへの価値観の変化も含まれているのかも知れませんけれども、アメリカでは行政が強制的に養育費を徴収する制度がありますから、よもや離婚後の出費まで警戒しているとでも言うこともあるのでしょうかね。
いずれにしても結婚し子供を持つといったかつてなら当たり前だったことも当たり前ではなくなる時代で、何かと世の中勝ち組、負け組ということにこだわるのも一度道が決まってしまうとクラスチェンジも容易でないという世相を反映しているのかとも思うのですが、そんな中でこのところ堅い職業の筆頭格として医師人気が大変なものだと言います。

“負け組にならない”で沸騰する医師人気(2012年2月6日週刊ダイヤモンド) より抜粋

医師は負け組にならない職業?
過熱する人気の陰でひずみも

 今、医学部を目指す若者が増えている。以前から、地元高校エリートの有力な進学先だった国公立大学の医学部に加え、近年、学費だけで数千万円単位のカネがかかる私立大学医学部を志望する生徒も右肩上がり。その数は、この四半世紀で3倍以上、総志願者数は7万9836人(延べ人数)にふくらんだ

 なんといっても医師は、“負け組にならない”職業だ。

 景気の長期低迷が続き、多くの企業で給与カット、雇用削減が実施され、かつての一流企業でさえ消えていった。だが、医師は今もステータスやトップクラスの給与水準を維持している数少ない職業の筆頭に挙げられる。職種別の平均年収では、弁護士に続く1141万円だ。

 しかも、医療の市場は拡大している。バブル崩壊以降、GDP(国内総生産)が伸び悩む一方、国民医療費は右肩上がりが続いている。2009年度の国民医療費は前年度プラス3.4%で36兆円を記録した。

 過熱する医師人気の陰でひずみも生じている

 医学部に生徒が合格すれば、高校や予備校の評判が高まるとあって、本来、医師志望ではなかった“できる生徒”に医学部を勧めるようになった。

 本来、医師は高い志やコミュニケーション能力が要求される職業だ。だが、偏差値偏重の今の制度では、協調性や思いやりに欠ける生徒も入学してくる。

 こうした人びとは、チームワークが要求される医療の現場には不向きだ。研修医が手術の途中で「終業時間だから」と、帰ってしまった例もある。ある研修医の受け入れ病院では、面接に精神科の医師も同席して「人物」の判定を行っているという。
(略)

いやしかし、「医師は高い志やコミュニケーション能力が要求される職業」というのは患者側からすればその通りなのかも知れませんけれども、過去の日本の医学教育過程においてこうした部分が重視されたセレクションが行われたことがあったでしょうかね?
大学の入学試験などはひと頃から面接なども導入されましたが、そもそも人物を云々するならマスコミの言うところの白い巨塔(苦笑)に籠もっているような選ぶ側の面々がそうまともな方々とも思えませんし、実際にほとんどがセンター試験等の点数評価だけでよほどの人物でない限り面接は形ばかりだという噂も聞こえてきます。
進級試験にしても国家試験にしても志やコミュニケーション能力など何ら勘案されることはない、むしろ明らかにコミュ障気味だろうと思われるような人の方が妙にテストの点数は良くて楽勝だったりするものですが、そういう偏差値第一の選抜方式というのは昔からずっとやっていたことで、それでも以前と比べればまだしも今の方が多少なりとも人物の方にも目が向いているのではないでしょうか。
となると、研修医が手術の途中で帰ってしまう云々というのは果たして医学部人気の過熱が原因なのか、それとも他にも理由があるのではないかと考えてみなければなりませんが、ここで気になるのはこういう行動が果たして粗製濫造によって医学部卒業生のモラルが低下したからなのかということです。

全くの主観的な感覚ですが、今どきの学生は一昔前の講義なんてさぼるもの、学生時代真面目にやるのはバイトと部活と遊びくらいというケシカラン連中と比べれば実に真面目で、語らせてみれば医療というものに対しても非常に真摯な考え方と自分なりのビジョンというものを持っているなと感じますけれども、一方で何であれガツガツしない、能力目一杯の限界まで突き詰めるということはあまりしないタイプが多い気がしますね。
部活動などでいわゆる体育会系的な感覚に慣れているはずの連中であっても同様な傾向は感じますが、おもしろいのは別に医学部だけの傾向というわけではなく他学部などにおいても同様な傾向があるらしいことで、皆さんそれなりに真面目なのは良いとして一日中麻雀をやるとか夜を徹して走り回るといったお馬鹿なことをやっている手合いは本当に稀少な存在になってしまいました。
その一方で例えば部活であれ飲み会であれ皆で予定を決めて集まってやるという活動の最中でも平気で抜けていく、そもそもスケジュールが埋まっているところに他の予定を入れたと言うのであればダブルブッキングという初歩的なマナー違反ですけれども、そういうことに躊躇せず自分を優先させていく人間が多いあたりはまさに手術の途中でも抜けていく研修医そのものという気がします。

結局のところ医学部学生がどうこうと言うよりも世代的な空気としてそうなってきているというのであれば、医学部志望者にだけ母集団の分布と異なる特別な人材を求めるというのもおかしな話であって、そういう医師とは俗世間から乖離した特別な人間であるべきという感覚こそが医療の常識は世間の非常識などと言われる風潮を助長することにもなりかねませんよね。
むしろ就業時間になれば手を下ろすというのは多くの病院で未だに研修医の(常勤も?)超勤手当を実質なしで済ませていることへの問題提起と考えて見れば、労働関連法規や司法判断の流れなども熟知した上で日々の診療をこなさなければならないという昨今の医療事情を誰に教えられずとも身につけている態度だとも言えそうです。
どんな法律違反も人権無視も気にせず黙って黙々と奴隷労働に励むようなタイプこそ上司にとっては使い勝手が良いのは確かでしょうが、それが出来ないのはおかしい、医師として適性がないと言う感覚も今の時代通用するものなのかどうか、「俺たちの頃はこれが当たり前だった!」で思考停止してしまわずにもう一度考え直してみる良い機会なのかも知れないと、一度前向きに考えて見てはどうでしょうか。

|

« 今日のぐり:「長崎ちゃんめん 伊福店」 | トップページ | 今度のターゲットはコンタクトレンズなんだそうです »

心と体」カテゴリの記事

コメント

どの業界も激務
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=54305&from=hochi

 医師の仕事の大変さを訴える投稿(2月3日、5日)に、様々な医見が寄せられました。

大阪府 無職 男性 37
 私は、人の命を預かる医師の仕事に敬意をもっている。激務であり、責任が重大なことも理解しているつもりだ。
 しかし、不景気な今の世の中、医師だけでなくどの業界も激務だ。しかも、医師は賃金などの待遇がよいが、
多くの業界では労働時間に見合わない報酬なのは普通のことだ。どんな仕事も責任を伴うし、リスクだってある。皆、生きるために必死でがんばっている。
 私はかつて、激務に体調を崩して定職を辞めざるをえなかった経験がある。医師だけすごく大変なのだと読み取れてしまう文面に憤りを感じた。

投稿: 世間の認識はこの通り | 2012年2月13日 (月) 12時55分

自宅警備員もなかなか大変な仕事なんだそうなw

投稿: | 2012年2月13日 (月) 13時48分

世間の認識はこの通り様があげられた方の意見は、低賃金(払われるべきが払われないを含む)激務自慢っぽくて、更に払われないのが仕方ないというか当然と言われているようでかえって腹が立ちますね。
私も激務で身体を壊して前の仕事を辞めましたが、忙しい医師の方々には似たもの同士として深く同情しております。
勉強の量もかけたお金も仕事の責任もかなりのものでしょうから、賃金自体は高くて当然でしょう。
時々乗ってる車種の話とかをされていると我々とは違うセレブな階級の人たちだよなあとは思いますけどね。

投稿: | 2012年2月13日 (月) 15時32分

今どき奴隷自慢の時代でもなし、嫌なら辞めろでFA

投稿: aaa | 2012年2月13日 (月) 16時46分

個人的には、医者のコミュニケーション能力はそんなに高くなくていいと思います。あれば便利ですが。
営業マンとかのほうがよっぽど高いコミュニケーション能力を問われるかと。

投稿: クマ | 2012年2月13日 (月) 23時32分

全くその通りだと思いますし、そのトレーニングを未だに正規カリキュラムにきっちり組み込んでいないのも問題だと思います。
そもそも精神科が選抜役ってコミュ力以前のレベルじゃないですか。

投稿: 管理人nobu | 2012年2月14日 (火) 07時42分

>偏差値偏重の今の制度では、協調性や思いやりに欠ける生徒も入学してくる。

愚民の決まり文句にマジレスするのもなんですが、臨床医は人の命と直接向き合うワケですから、そーとーなレベルでヒトデナシでないと協調性や思いやりに欠けるのは難しいんじゃないかなあ…なんせオレですら、それなりに真摯に対応してたわけでででwwwww
*4年で消耗し尽しましたがw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年2月14日 (火) 15時02分

そういえば解剖実習で死体を切り刻むのに耐えられずドロップアウトしていった奴がいたなあ
人間としては奴のほうがずっとまともだったのかもしれん

投稿: | 2012年2月14日 (火) 15時31分

唯一日常生活の中で他人を傷付けることが合法化されている商売ですからね。
ただこれからはごく普通の感性を持った人間がどんどん流入してくるようになると思います。
昔ながらのやり方しか出来ない指導医、研修病院はそっぽを向かれるようになるでしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2012年2月15日 (水) 09時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/53966299

この記事へのトラックバック一覧です: 時代と共に人の振る舞いも変化するのは当然ですが:

« 今日のぐり:「長崎ちゃんめん 伊福店」 | トップページ | 今度のターゲットはコンタクトレンズなんだそうです »