« 時代と共に人の振る舞いも変化するのは当然ですが | トップページ | 利益の追求=悪ですか? »

2012年2月14日 (火)

今度のターゲットはコンタクトレンズなんだそうです

本題に入る前に、中国と言えば実は結構なコンタクトレンズ大国なんだそうで、しかもちょっと普通じゃないコンタクトレンズも販売されているらしいのですが、近頃ではこういうものも出ているようです。

アメリカ人になれるコンタクトレンズが粗悪品過ぎると話題に/中国(2012年2月12日秒刊サンデー)

アメリカ人の瞳になれるという、ちょっと不思議なコンタクトレンズを購入した消費者が、粗悪品過ぎるとネット上にクレームを投げかけていることが判った。この商品は、普通のコンタクトレンズと違い、カラーコンタクトのようなもので、普通のものと比べ柄がついていたり、色がついていたりすることにより、装着時の瞳の見栄えがことなるようだ。

問題のコンタクトレンズはご覧のように、無色透明ではなく、人工的な瞳やハートの柄がついたコンタクト。こんなものまで世の中にあるものかと感心するのを裏腹に、良く見てほしい、麺棒で軽くこすっただけでご覧のように色がはがれてしまっている。しかもこれは裏側だ。こんな劣悪品を目に装着することを想像するだけでゾッとしてしまいそうだ。だが現実にこれが中国で売られていたからと言うから驚きだ。

クレームを付けた消費者は、販売元とのメールでのやりとりをネット上に公開している。業者の反応は前例がないなどと全く取り合ってくれていない様子だ。

ネットでもこの商品は購入できるという事なので、万が一該当商品をみつけたら、購入しないことをお勧めしたいが、それ以前に日本のサービスのきいた店で買えば何ら問題ないだろう。

元記事の写真の数々を拝見しても何がどうアメリカ人になれるのかちょっと判りませんけれども、しかし仮にも眼に入れるものがちょっとこすっただけで色落ちするのでは問題だろうと誰でも思いますよね。
日本でもコンタクトレンズがずいぶん普及しましたが相変わらず事故も多いようで、中には何週間も入れっぱなしなどというトンデモさんもいていずれ失明しかねないんじゃないかと思うのですが、きちんとした定期検査など眼科的なフォローアップが必要なのは言うまでもありません。
そのコンタクトレンズ絡みの検査に関しては以前から金儲けだとか色々と言われているところなのですが、今回の診療報酬改定とも絡めて厚労省からこんな話が出ているということです。

コンタクト検査時の治療ダメ 厚労省が指導強化(2012年2月9日朝日新聞)

 コンタクトレンズ(CL)の購入希望者を専門的に検査する眼科診療所(CL診療所)が、不必要な検査などで医療費を不正請求する事例が絶えないことから、厚生労働省は、CL診療所に対し、目の病気に関する治療や検査をしないよう指導に乗り出すことを決めた。4月の診療報酬改定に合わせて実施する。

 CL診療所は販売店のそばに併設される眼科診療所。レンズをつくるのに必要な検査を医師が行い、初診料や屈折検査料、精密眼圧測定料などをひとまとめにした「CL検査料」を受け取れる。しかし、中には病名を追加して必要のない検査や治療を行い、医療費を水増し請求する事例がある。CL業界の競争は激しく、販売店が実態として提携関係にある診療所の利益を確保しようとする動きが背景にあるといわれる。

 2010年には厚労省の課長補佐が、大阪市のCL販売会社が運営する診療所に監査を受けずに済むよう便宜をはかり、現金を受け取ったとして、収賄容疑で逮捕される事件も起きた。

その治療、待った! 厚生労働省がコンタクトレンズ診療所にイエローカード(2012年2月13日日刊眼のニュース)

CL診療所で目の治療は「ダメ」と厚生労働省

2月9日付の朝日新聞によると、厚生労働省はコンタクトレンズ購入前に検査を行なう眼科診療所(CL診療所)に対し、目の病気に関する治療や検査をしないように指導をする方針だ。

これは、不必要な検査などを上乗せし、医療費を不正請求する事例が絶えないための措置。4月の診療報酬改定に合わせて実施される。

CL診療所とは、コンタクトレンズ販売店に併設される眼科診療所。コンタクトレンズ装着前に医師が検査を行い、初診料や屈折検査料、精密眼圧測定料などをひとつにまとめた「CL検査料」を受け取ることができる。

利潤追求のための水増し請求、利益誘導などを懸念

CL診療所による医療費の水増し問題は、コンタクトレンズ業界の熾烈な競争が背景にあると言われている。販売店が生き残りをかけて、提携関係にあるCL診療所の利益を確保しようとするのが原因だ。

コンタクトレンズは、2006年度に個別検査料の点数加算方式が改められ、「コンタクトレンズ検査料」を新設。このため、診療費用を全額自己負担とする診療所が出てくるなど、検診料が高額になった

それを嫌った利用者が、検診を受けないままコンタクトレンズを使用する例も多く見受けられる。コンタクトレンズによる眼のトラブルが増えるのを懸念して、反対する意見もある。

しかし薬事法上では、コンタクトレンズの購入に医師の診療は義務づけられておらず、消費者が自由に購入できる。実際に、海外通販などを利用して眼科診療を受けずに購入する利用者も存在する。

販売店とCL診療所の提携関係は、医師による利益誘導や、個人情報の取扱いに関する問題など、さまざまな矛盾を抱えている。今後の法制度の整備が期待される。

この領域に関して歴史的経緯というものを考えると、もともとコンタクト購入時の健診にかこつけて様々な検査を追加して診療報酬を稼ぐというケースがあったことから、コンタクトを処方した際にはコンタクト検診料しか取れないように改められた結果、一般の眼科診療所においてはコンタクトは正直儲けが出ないからやりたくないという状態にもなったわけですよね。
一方でコンタクトの検査しかやらないCL診療所というものが増えてきているのですが、当然ながらこちらも眼科医という扱いであるからには患者からするとついでに眼科的な問題を診てもらいたいと考えるのは当然のことで、今回はそうしたコンタクト関連以外のことは一切診ることまかりならんというお達しであるということです。
実際に何をもって公にCL診療所とするのかはっきりしませんけれども、恐らく運用面ではCL処方が多いというのみならず一人あたりの点数が高いというところから狙われていくものだと思われ、逆に言えば一般眼科のつもりであってもコンタクト処方と同時進行で高い処置をやっているようなところは要注意というところでしょうか。

眼科の側からするとそうなったからにはますます注意が必要ということなんですが、利用者である一般人の立場からするとなかなかに微妙な問題で、例えば前述のようにコンタクトのついでに何か診てもらおうと思っても断られるケースが続出するでしょうから不平不満も貯まるでしょうし、当然ながら健診を受けること自体をやめようという人間も増えるかも知れませんね。
またコンタクト関連の話だけで終わらせるつもりであってもたまたま病気が見つかってしまうということはままあるでしょうが、その都度いちいち紹介状を書いて他院に送り改めて初診扱いで始めるということになれば当然医療費は余計にかかることになりますし、患者側もつい億劫になって受診が遅れた結果思わぬ重症化をしてしまうというケースもあるかも知れず、第一送られる側にしても「この程度自分で診ろよ」と言いたくもなるでしょう。
そもそもCL診療所はコンタクトを売るための商売ですから日曜休日に積極的にやっていた施設が多く、患者側からすれば一般眼科診療所が開いていない時にも眼科医に相談できる場所という側面もあったでしょうが、いずれにしても利用者の立場からすると面倒くさくなるだけで何一つ良いことはなさそうだという、ちょっとありがたくない話になってきそうです。

CL診療所というところも以前から専門の眼科医ではなく形ばかりの医師がバイトでやっているというケースもあるといい、いずれにしても難しい眼科的な対応は出来ないということであれば渡りに船だと考えているところもあるのかも知れませんが、どうも先年の検査料新設などの話をみても利用者にとってはいいことがないという話が続くようです。
医療機関への受診を減らすために患者の自己負担を増やし、かつ利便性を低下させて受診を控えていくように誘導していくというのは他でも当たり前に行われてきた手法ですが、そうしたことをやる大前提としてそれが不要不急の受診であってやめさせることが医療機関の負担軽減など公益にもかなうということがあったと思うのですが、どうもこのコンタクト関連に関してはむしろ医学的には望ましくない方向に進んでいるような気もします。
そもそも儲け主義一直線のCL診療所を潰したいというのであれば例えば一定以上のコンタクト処方率に対してペナルティを科すなど他にもやりようはある気もするのですが、まるでコンタクトの健診自体をやめろと言うような政策誘導というのは、眼科の先生方からはどのように見えているのかにも興味がありますね。

|

« 時代と共に人の振る舞いも変化するのは当然ですが | トップページ | 利益の追求=悪ですか? »

心と体」カテゴリの記事

コメント

医師の応召義務との兼ね合いってどうなのでしょうか?

投稿: 浪速の勤務医 | 2012年2月14日 (火) 09時08分

>医師の応召義務との兼ね合いってどうなのでしょうか?
問診し、事情を説明し、初(再)診料と診療情報提供書料を頂戴して、他院宛ての紹介状を書くのが、正しい対応かと思います。

投稿: JSJ | 2012年2月14日 (火) 09時50分

そういう面から考えるとなかなかおもしろいですよね。
国が応召義務を果たすなと強要しているわけですから。

投稿: ぽん太 | 2012年2月14日 (火) 10時07分

呼ばれたようなので出て参りました。
まず、中国のカラコンですが、幸いにして見たことがありません。ただ、某量販店で自己責任で購入して「いたい~なんとかして~」ってのには年に数人います。今のところははずして点眼とお説教で治ってますが、なかには重篤な感染例もあるようです。
コンタクトレンズ検査料は、一般眼科が200点、CL診療所が狙い撃ちにされて56点です。200点でもまともに検査をしていたら不足ですが、56点ではいかんともしがたかったのでしょう、この数年でCL診療所は減ったようです。これを何とかしようとして贈収賄事件が起こったとのことです。
CL以外に何らかの疾患が発見された場合は、CLは処方せず、必要な検査を施行した上で紹介するのが一般的でした。私は10年以上CL診療所のバイトは行っていませんが、他科の先生では鑑別は困難で、網膜剥離が進行して問題になった例もありました。

投稿: 蛾蜻蛉 | 2012年2月14日 (火) 13時02分

書き落としました。
コンタクト健診は必要です。頻度は10歳代は使用が粗く、近視の進行もあるので3カ月毎が好ましいです。20歳以降は自己責任で、年に1回程度で良いかと思います。一般眼科としてはコンタクトレンズ検査料は上げてほしいのですが、CL診療所が今までやらかしてくれたので、もうしばらくは据え置きかなって思ってます。
今回問題になったのは、コンタクトレンズを処方したのに、処方していないかのように諸検査を施行して保険請求するCL診療所があったことです。これは断固取り締まっていただきたいのですが、なかなか捜査が難しいようです。

投稿: 蛾蜻蛉 | 2012年2月14日 (火) 13時13分

そういう話は聞いた事あるな>コンタクトレンズを処方したのに、処方していないかのように諸検査を施行して保険請求するCL診療所
しかし診療ルールの逸脱や違法診療は何科でもあることで、それは個々の査定と指導で対応するのが筋だと思うがなあ
あるいはよほどに嫌われているのか>CL診療所

投稿: kan | 2012年2月14日 (火) 14時10分

貴重なドロッポ先がまた一つ消えたかw

投稿: aaa | 2012年2月14日 (火) 17時41分

>個々の査定と指導で対応するのが筋だと思うがなあ
それが詳述は避けますが、可愛げのないレベルなんだということです。

>貴重なドロッポ先がまた一つ消えたかw
コンタクトレンズ検査料が設定されてから、それ以前にCL診療所にドロッポされた方は頭を抱えておられます。栄枯盛衰ってやつですね。今はレーシックに目が向いているようですが、価格破壊でどうなることやら。

投稿: 蛾蜻蛉 | 2012年2月14日 (火) 20時42分

コンタクト専門でやってくってのはもうドロップアウト先としてもきついっしょ。
あんなとこに医師免許所持者が囲い込まれてても誰得ってなもんで、理にかなった話だと思うなりよ。

投稿: ちぇすと | 2012年2月14日 (火) 23時07分

蛾蜻蛉さん、わざわざ情報ありがとうございます。
往事の栄華は見る影もなくすっかり斜陽だと言う話は耳にしていますが、投資を回収出来てないところは手段を選ばず稼ぐしかないのでしょうか。
国の方針としてCL診療所は不要だと言うのなら、それにかわってきちんと健診に誘導できる施策を用意してもらいたいものです。
一般診療所でもやっていけるような点数をつければ無茶苦茶高くなったと受診は大きく減ってしまうでしょうし。

投稿: 管理人nobu | 2012年2月15日 (水) 09時12分

>あるいはよほどに嫌われているのか>CL診療所

彼らがCL診療所を攻撃した時以下ry

>貴重なドロッポ先がまた一つ消えたかw
>コンタクトレンズ検査料が設定されてから、それ以前にCL診療所にドロッポされた方は頭を抱えておられます。

楽で儲かるドロッポにこの上永続性だの未来だのまで求めるのはさすがに欲深すぎるってもんですよ「今」すらない奴隷医より遥かにマシってだけで充分ww

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年2月15日 (水) 10時06分

ま、そうなんですよね。
誰も彼らを擁護しないのが目に見えているからこそ国も躊躇なく規制できるということで。
ただこうやって一つずつドロップアウト先を潰されていくのも長期的に見てどうなんでしょう?

投稿: ぽん太 | 2012年2月15日 (水) 11時01分

>ただこうやって一つずつドロップアウト先を潰されていくのも長期的に見てどうなんでしょう?

上に政策あれば下に対策ありw。各種診断書を発行出来、麻薬を含むありとあらゆるドラッグを処方出来別に病気じゃなくても人体にメスを入れる事が出来る便利な紙切れ持っててさーどうやって悪用してやろうか状態なんですからどうとでもなりますよww

ドロッポは滅びぬwまた何度でも蘇るさww

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年2月15日 (水) 11時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/53972707

この記事へのトラックバック一覧です: 今度のターゲットはコンタクトレンズなんだそうです:

« 時代と共に人の振る舞いも変化するのは当然ですが | トップページ | 利益の追求=悪ですか? »