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2011年12月29日 (木)

年の瀬に子供にちなんだ話題を一つ

そういうことがあると噂には聞いていましたが、やはりあったんだなというのがこちらの記事です。

6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性(2011年12月21日ITmedia)より抜粋

★僕にも解けない算数の問題
僕はブログにはプロジェクトワーク以外のことは書かないことにしていたのだが、あまりに憤慨したのでちょっと聞いて欲しい。写真は、娘(2年生)の算数のテスト

8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。

ご覧のように、「8×6」だとバッテンで、「6×8」だと正解らしい。何じゃこりゃ。僕がテストを受けたとしても「8×6」と書く。だって問題文はその順番に書いてあるから。
さらに答の48本もバツ。丁寧に赤ペンで48本と直してくれている。さらに意味不明。

★娘にヒアリングしてみた

「何でバッテンだったか、先生説明してくれた?」
単位が違うと、式の順番が違うんだって」
「? 意味分かる?」
全然分かんない

「じゃあ・・ウサギには2本の耳がある。ウサギは4羽いる。耳は全部で何本?」
ずつ、が入ってないからどっちが先か分かんない。答えは8本だけど
「じゃあ・・ウサギには2本ずつ耳がある、だったら?」
それなら、2×4=8本

「ずつ」がある方を先に書く、と覚えている訳です。
うーむ、教育上じつによろしくない状況ですな。

★かけ算では書く順番が大事??

不思議に思って「かけ算 順序」などでWebを検索してみたところ、状況が見えてきた。
・どうやら今の小学校では、かけ算の記述順にこだわりがあるらしい
こだわりの順序とは逆に書くと、×にする教師が多い
・当然ながらそれについては論争があり、×にすることに対してナンセンスという意見もある

赤ペン先生で有名なベネッセが「かけ算の順番が逆だったらバツにすべきだよ派」らしいので紹介したい。

かけ算の式は「一つ分の数」×「いくつ分」の順に書く約束になっているので、問題文から正しく読み取って、その通りに式をかけるようにしましょう。小学校では、式の意味を理解することが大切なので、このような約束があります。

どうやら、
「6×8」と書くと「6本×8人」を意味するのだが、
「8×6」と書くと「8本×6人」を意味することになってしまうのでNG
ということらしい。

僕はこれを読んで益々考え込んでしまった。そもそもこんな約束あったっけ?わり算だったら、書く順番は大事だ。でも、かけ算にはどうでもよくね?
日々かけ算を使っている僕ら大人が知らなくても困らない「約束」って、存在意味があるのだろうか?
そしてこの「約束」に従って採点することは、数学的にどうなんだろうか??

★反論その1:  a×b = b×a

数学では「a×b = b×a」であって、「a×b ≠ b×a」ではない。
よって「6×8」が正解ならば「8×6」をバツにするのは誤り。

正直、これ以上なにも言う必要がないと思う。学校で間違ったことを教えてはいけません。以上。ただ、さすがに娘の担任もこれは知った上でバツを付けているだろうから、もう少し反論を続けたい。

★反論その2:教え方に引きずられた正否判断はアリか?

「6×8はバツだよ派」の主張をいくつか読んでいくと、小学生に算数をキチンと理解させるためにはバツにすべき、と真摯に考えていることが分かってきた。

「掛けられる数」と「掛ける数」があるし、その区別は重要
・それが分かっていないと、算数を理解していく上でつまずいてしまう
・だから文章題の式を書かせる時に順番をチェックすることで、理解を確認しよう
という考え方。

かけ算を教える時に
「掛けられる数」と「掛ける数」がある
「掛けられる数」×「掛ける数」の順番に書こう
と教えるのは、別にかまわないと思う。長年7歳児に教えてきた上での職業ノウハウの一つなのだろうから。

ただその結果、数学的に誤っている採点するのはマズイだろう。a×b ≠ b×aは明らかに間違いなのだから。

教え方というのはいわば「便宜上のノウハウ」であり、技術的な問題である。ノウハウを使うために、結果的に誤ったことを教えるのは、本末転倒

★反論その3:理想に技術が追いつかない時の対処

元々は上記のように「理解できているかチェックし、理解が間違っていたら正す」ことを目的として「8×6」をバッテンにしているはずだ。だが実際に娘に聞いてみても、なぜ自分がバッテンにされたかを理解していない

掛ける数と掛けられる数の違いを理解させようという理想?を追求した結果、益々混乱させているんではないだろうか。混乱させるくらいなら、素直にそれを認めて、「8×6」を○にするのもアリなのではないか。学習指導要領的にはそう言う考え方は言語道断なのだろうが。

★反論その4:言語に頼らないことが数学のパワーの源泉

上手く説明できないのだが、「掛ける数」とか「いくつ分」とかって、とても言語依存的な議論だと思うんだよね。
娘が「ずつ」という言葉がある方を先に書くと覚えていたのはそのいい例。

世の中を発展させるスーパーテクノロジーに数学がなり得たのは、世界のありようを言葉を使わずに表現できるからだったと思うのだ。そこには解釈やらニュアンスやら意志やらが介在する余地がない。客観的な記述。

数学というツールを日本の小学生が使っても、アルキメデスが使っても、NASAで軌道計算をしている技術者が使っても真理は一つ、ということが数学のすさまじさなのだ。
それに対して、「掛けられる数を先に書こう」というのは、極めてガラパゴス的な「約束」だと思う。
(略)
例えば↓の図で●の数を数える時は、掛ける数も掛けられる数もない
●●●●
●●●●
●●●●
この場合は3×4と4×3、どっちが正解なんだろうか?
それとも「行が掛けられる数だから、3を先に書く」とかの約束が、僕が知らないだけで実はあったりするのか?

結局、写真のテストの問題で、「8×6」という式はバッテンにするべきなのだろうか・・
僕はバッテンにするのはとんでもないと思うけれども、皆さんはどう思います?
(略)

いやしかし、順序にこだわるのはともかく48を不正解というのは小学生も大変だなと思うのですけれども、自分など小学生の頃は教室の机の上を飛び回りながら教師の間違いには容赦なく突っ込む放校ものの糞ガキだったものですから(同級生の皆さんごめんなさいもうしません)、こんなことをされた日にはその後ずっと意地でも8×6で押し通して全部不正解をもらいそうですね(苦笑)。
教育関係者には個人的友人知人も数多いものですからあまり悪いことを言いたくはないのですが、あちらでもこちらでもこのケースと類似の話が出て大々的な議論になった結果、世間ではにわかにこの問題の存在が認知され「教師の石頭ここに極まれり!」などとずいぶんと評判が悪いことになっているのは確かであるようです。
自分などは世に疎いものですから今の時代の小学校教育がこんな厳しいことになっているとは知らず、それでは縦8cm横6cmの長方形の面積は?という問題をこの教師がどう指導するのか?と思っておりましたら、ちょうどコメント欄にまさしくそんな話が載っていたので転載させてもらいましょう。

こういう教師他にも居たんですね。
私の息子も直方体の体積を求めるテストで、似たようなケースでバツをもらってきた事があります。
息子曰く、直方体の体積は縦×横×高さなので、この順番をきっちり守って式を作らないとバツだという事だそうです。
息子にはそっちの方が間違いで、どっちでも結果は一緒である事を話したら「え!そうなの?」と言ってました。

こういう話を聞くとその昔のCMにあった「日本のテストでは「6×8=(  )」だが、ある国のテストでは(  )×(  )=48だ」という話を思い出すのですが、ネット上などでも当然ながらこの件に関しては賛否両論という状況のようですけれども、基本的な考え方としては別に最近出てきたわけでもなく昔からあった算数教育法であるようです。
それを最近ことさら指導を厳しくするようになった背景には教師が採点の時に一人一人答えの順序がバラバラだと大変だから…というわけでは(たぶん)なくて、一説によると学習指導要領が改訂されて数式の意味を考えさせるようになってからだと言うのですが、一方では現場教員それぞれによって不正解にする、いや赤ペンで指導はするが不正解にはしないとバラバラの対応状況だと言うのですから面倒ですよね。
もちろんこういう指導を推進している人たちにも理屈反論もあるのは理解出来るとして、問題は前述の体積の問題のように乗数と被乗数を区別できないような状況であっても機械的に不正解にしてしまう教師がいて、その理由がそういうルールだから式の教育が現に広くなされているということであれば、さすがにそれはどうよと思いますよね(もっとも件の息子さんが間違って理解しているだけという可能性もありますが、結局理解出来なかったこともまた問題であるわけです)。

実際に小学生のかけ算の理解において被乗数の大小はほとんど影響しないが、乗数が1より小さい場合には理解が悪くなる(つまり「3×0.8=2.4」という計算は感覚的に判りにくい)といった研究もあるようですから、例えば小麦粉を一人0.2kgずつなら8人分で何kg?といった問題では0.2×8と8×0.2とでは数式の建て方一つで理解に差が出るのかも知れません。
一方で算数教育はそれでいいとして、中学に進んで数学教育を受けるようになったら今までの知識は全部捨てなければならなくなりそうだとか、ネット上ではまさに諸説異論が噴出しているようですが、純粋に教育効果という観点から判断するならば学力試験の国際比較において日本の学童の学力が年々低下しているという現実が最も説得力がありそうな気がします。
こうした指導法が滲透した結果算数嫌いが増えていくのかなども含めてさらなる調査を待たなければならないでしょうが、何事もまずは基本を教えるということが大事であることは言うまでもないにせよ、それがかえって混乱を招いたり学習嫌いにつながるというのであれば、各人なりのやり方ででもまずは正解する楽しみを教えてやることも教育のもつべき別な一面として重要ではないかと思うのですけどね。

8人に1本ずつ配ることを6回繰り返すのでも
6本まとめて渡すことを8人に対して行うのでも
「8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげる」という条件を満たしてるのに
後者による配分方法しか認めてないってのが問題。

数式化の方法を一つしか認めてないってのが問題

 (某所の書き込みより転載)

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コメント

たった今某所で拾ったw

802 :卵の名無しさん:2011/12/29(木) 08:44:03.04 ID:XdXxTEAk0
『8人にペンをあげます。1人6本ずつあげるには何本いるでしょうか』の答えが
6×8=48で正解、8×6=48はマチガイとされた採点について議論していたら
キャバ嬢が「昼大学通ってます」と言うのと 大学生が「夜はキャバ嬢やってます」と言うのでは印象が違うとの意見


投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2011年12月29日 (木) 10時21分

「わだいのたけひこのざっき」の者です.取り上げていただきありがとうございます.

個人的にも今年を振り返ってみると,乗法の意味を学ぶための良書がいくつも出たなあという思いです.

面積や体積でバツをもらう話はそれなりに目にしますが,学習指導案や広域の学力テストで,特定の書き方以外はバツというのを見かけませんので,どなたか実例を集めてもらえませんかねと思っています.

それと,中学の数学との関連については,http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20111119/1321649999 を思い出しました.すでにお読みでしたら,ごめんなさい.

投稿: t.m | 2011年12月29日 (木) 11時10分

わざわざのご連絡およびご紹介ありがとうございます。
どちらかというとはみ出す側として過ごしてきた人間にとっては決して人ごととは思えなかったと言うことなのでしょう、あちらこちらで大きな反響を呼んでいるようですね。
これを機に日本の教育が良い方向へと見直されていくことにつながるのであれば多くの人間にとってもよろこばしいことではないかなと思います。

投稿: 管理人nobu | 2011年12月29日 (木) 11時58分

教育効果がどうなのかは別として、小学校低学年からこんなテストじゃ勉強が楽しいなんて気にはならないんじゃないかな…

投稿: 通りすがりのただの人 | 2011年12月29日 (木) 22時05分

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