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2011年12月17日 (土)

自由であるということは、全て自主的な判断の結果ということですが

先日こんな記事が出ていましたが、平素から日本の報道というものを見ていて「そんなに自由でもそのレベル?」と感じてしまうのは自分だけでしょうか。

「日本ほど報道の自由な国はない」ニッポン放送社長が断言!勝谷誠彦など出演の新番組「ザ・ボイス そこまで言うか!」制作発表会見(2011年12月6日シネマトゥディ)

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 12月6日、千代田区有楽町にあるニッポン放送本社にて来年1月よりスタートの新ワイド番組『ザ・ボイス そこまで言うか!』の制作発表記者会見が行われ、ニッポン放送代表取締役社長の村山創太郎が、同番組出演のコメンテーター、勝谷誠彦と角谷浩一、アンカーマンの飯田浩司らと共に出席。最近問われることの多い報道の自由などの問題について、「日本の言論の自由が不自由だとは感じない。逆に日本ほど自由なところはないんじゃないかと思っている。番組でも真実を放送していく」と新情報番組への意気込みを語った。

 新番組「ザ・ボイス そこまで言うか!」はニッポン放送の新しい情報番組で、リアルタイムのニュース、真実の情報を求めるリスナーのニーズに応えて立ち上げられた。月曜から木曜まで、前述の勝谷、角谷に加え、元宮崎県知事の東国原英夫など、一癖も二癖もある辛口コメンテーターを日替わりで登場させ、番組名の通り、「そこまで言うか!」というくらいの真実を報道する番組として、生で放送する

 村山社長は、東日本大震災以降の変化について「3月の大震災後、ラジオはリスナーの心の支えのメディアとして、リアルタイムに真実を伝えるメディアとして再評価されている。出荷台数は3月以後、大幅に前年の販売台数を上回っている。リスナーの皆さんは世界の中で日本がどうなっていくか心配しているんだと思います。真実の情報を求めているんです」と力強く語ると、コメンテーターの勝谷も隣で「テレビとラジオの世論調査の結果は違う。ラジオは仕事をしながら耳を傾けるもの」と視聴者とリスナーの価値観が違うことを強調。「ツイッターの普及で、ラジオの内容をネットから波及させることもできる」とネットとの連携でラジオならではの情報発信が今の時代では可能であることも付け加えた。

 会見で「日本ほど報道の自由な国はない」と語った村山社長。「隠された部分もあるかもしれないがそれをどう掘り起こすかもメディアの役割」と言うと、ここでも勝谷が横から発言。「でも言っちゃいけないことを言ったら確実に降ろされるよ。おれ、散々降ろされているもん。北野誠さんの例もある。降ろされればいいんですよ。降ろされることにおびえるからみんな黙ってしまう。降ろされたら反撃すればいい。おれなんて自分でもメディアを持っている。何も恐れることはないね」と強気のコメントをしていた(取材・文 名鹿祥史)

ま、曲がりなりにも放送局トップの口からこれ以上ないほど自由であると言う言葉が飛び出すくらいですから当事者の方では特に不自由を感じていないのかも知れませんが、牧場で放し飼いになっている牛なども彼ら視点では自由を謳歌しているということなのかも知れず、このあたりは主観と客観との整合性はどうなのだろうと思わないでもないですよね。
先日もお伝えしましたように、わざわざシンポジウムにおいても東電関連の話は掲載しないように依頼するほど気を使っている勝谷氏ですら「散々降ろされて」しまうというのですから、ここでいう自由ということの陰に平素どれほどの「自主規制」が働いているのかと想像してみるのも一興でしょう。
そうした彼ら自由な報道社会の「自主規制」の一端を示すのがこちらの記事ですが、こういうものを称して自由であるというのであれば国民の思うところの自由と彼ら報道業界における自由とではかなりの乖離があるということなのでしょうか。

原発批判を削除要請、発行直前に出版中止 西日本新聞社(2011年12月16日朝日新聞)

 九州でブロック紙を発行する西日本新聞社(福岡市)が、環境活動家に執筆を頼んだ地域づくりに関する本を、九州電力玄海原発でのプルサーマル発電を批判した記述について削るよう求めたうえ、著者が応じたにもかかわらず、昨年12月に出版中止にしていたことがわかった。担当編集者は著者に中止の理由を「上層部の意向」と伝えていた。

編集の最終段階だった本の出版が中止になるのは異例。西日本新聞社は朝日新聞の取材に応じていない。

 この本の著者は環境活動家の田中優氏(54)。田中氏や関係者の話を総合すると、田中氏は2009年7月、地産地消や環境問題などについて福岡市で講演した際、西日本新聞社の事業局出版部の編集者から「話を本にしたい」と出版を持ちかけられたという。

 昨年2月に本格的に編集作業に入り、10月末の発売が決まった。印税の割合も合意し、各地の書店からの予約注文も始まった。

 ところが、10月上旬に編集者が「社長決裁を受ける」と連絡した後から、話が進まなくなった。西日本新聞社は発売を11月末に延ばした上、原稿を印刷にまわす直前になって、玄海原発に言及した「再処理工場は必要なのか?」と題した部分など計12ページ分の全文削除を求めてきた。削除に応じるか他社から出版するかを選ぶよう迫った

 20冊以上の著作のある田中氏は「全文削除を求められたのは初めて」と驚いたが、「書く機会はほかにもある」と、いったんは削除を受け入れたという。

 しかし、12月に入っても最終決裁は下りなかった。昨年12月16日、編集者はメールで「新聞社としては少し荷が重すぎる」というのが「会社の結論」だとして、出版の中止を伝えた。田中氏に謝罪し、別の出版社からの発行を持ちかけたという。

 西日本新聞社にとって九電は、2番目の大株主で22万2千株(3.08%)を持つ。西日本新聞社も九電株を3800株持つ(3月末現在)。川崎隆生社長は九電子会社の西日本空輸の取締役も兼ねる

 使用済み核燃料を再利用するプルサーマル発電をめぐっては、安全性への批判が根強くある。田中氏は今年6月、削除した部分を元に戻し、子どもの未来社(東京)から「地宝論」として発行し、あとがきに出版中止の経緯を記した。

 朝日新聞は、西日本新聞社に文書で、川崎社長には面会して、それぞれ取材を申し入れた。だが、ともに「お答えしません」としている。(古城博隆)

もちろん近頃ではどこも経営が苦しいどころではないというマスコミ各社にとってスポンサーが何より大事であることは理解出来ますが、少なくともこういうことを平然とやっている方々が報道の自由を云々するというのもどうなのかなと誰でも思いますよね。
恐らく今回はたまたま明るみに出たというだけのことで、似たような話は程度の差こそあれどこにでもあるのだと思いますが、例えば新聞の投書欄一つをとってみても庶民の声というのは表向きで実際は新聞社によって日常的に書き換えが行われているそうで、これも彼らの言うところの国民世論を正しく導くという素晴らしく高尚な使命感の発露ということなのでしょうか(苦笑)。
本来であればこうした言論への弾圧を糾弾することこそジャーナリズムに課せられた最大の使命であるはずなのですが、日本の場合は似非ジャーナリズムという次元にとどまらず、報道各社が自ら言論弾圧を行っているようなものなのですからたちが悪いですよね。

日本の大手マスメディアは記者クラブ制度によってお上から情報を全て提供してもらわなければ日々のニュースすら報道できないそうで、それが彼らをして権力の監視者という立場から程遠いものにしているという指摘は以前から散々なされてきたものですが、どうもこうしたいびつな権力との関係はマスコミのみに限ったことではないようです。
おもしろいのはそうした関係を強いている主体が必ずしも内閣や政権与党といった世界標準で見るところの国家権力の中枢とは異なっているらしいということで、このあたりを見ても日本という国がなかなかおもしろい権力構造を持っていることが理解出来そうなんですが、本来は政治家がホテルのバーに入った、料亭で飯を食ったということばかりでなくこのあたりこそマスコミも追求するべきではないのでしょうか?

“影の首相”おぞましい増税“裏工作”…広告会社にも強烈圧力(2011年12月13日zakzakニュース)

 ★鈴木哲夫の核心リポート

 野田佳彦首相の「大増税路線」に暗雲が立ち込めている。問責可決された一川保夫防衛相や山岡賢次国家公安委員長を続投させたことで、内閣不支持率が支持率を逆転、与野党協力が進みそうにないのだ。「増税反対」の世論が高まるなか、焦燥感を強める財務省は必死の裏工作を展開。一方、財務省の言いなりに動く野田首相は、党をまとめる仙谷由人政調会長代行と絶縁、「仙谷外し」に動き始めているとの見方も。増税政権の深部に政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が迫る。

 11月半ば過ぎ、複数の大手広告代理店に、財務省の勝栄二郎事務次官からFAXが届いた。代理店社員がいう。

 「税と社会保障の一体改革が大詰めを迎えている。PRしたくよろしく、という趣旨でした」

 一見、何の変哲もない文章だが、強烈なプレッシャーだという。

 「広告代理店にとって、政府広報は大きな収入源であり、政府は最重要クライアントの1つ。その元締めである財務省トップからのFAXは『何をしている。消費税増税キャンペーンで知恵を絞れ』という暗黙の圧力です」(代理店幹部)

 財務省が、消費税増税のために打つ布石は徹底している。財務省や内閣府の官僚らが2人1組で、新聞やテレビに登場する有識者らにレクチャー行脚している。

 あるシンクタンク研究員は「2人で『なぜ増税が必要か』を丁寧に説明していった。『私なんか露出は少ないですよ』と言うと、『いやいや、発信力がおありですから』と持ち上げる。あそこまで低姿勢でやられると、その気になる」と話す。

 いまや「影の総理」の異名もとる勝次官の指揮のもと、官による裏工作が展開されているが、政治は何をしているのか。

 野田首相はいま、増税路線を主導する勝次官と藤井裕久党税調会長に「完全に傾倒し、言いなり」(官邸スタッフ)だという。ただ、こうした依存姿勢が、野田首相と仙谷氏との間に、深い溝をつくっている。

 「仙谷氏は、官邸が連絡をしてこないことに業を煮やしている。党内には小沢一郎元代表ら『増税反対』派は多い。12月政局もあり得るほど緊迫している。党の政策をまとめる立場だけに、官邸の鈍さが腹立たしい」(仙谷氏に近い議員)

 仙谷氏は以前から「税と社会保障の一体改革」に並々ならぬ意欲を持っていた。政調会長代行ポストも「前原(誠司政調会長)にはできない。俺がやる」と直訴したほどだが、野田首相は増税のみに主眼を置き、仙谷氏とコミュニケーションを図ろうとはしない

 「仙谷氏は『野田首相の考えが分からん』とこぼしている。現状では、党内の意見集約は混乱する」(同議員)

 一方で、野田首相が「仙谷外し」を仕掛けているとの見方もある。

 野田グループの議員は「8月の党代表選前、仙谷氏は『前原氏は1回休み。次は野田首相だ』と出馬を促しながら、土壇場で前原氏の出馬を止めなかった。野田首相を先行させて潰すつもりだった。仙谷氏は信用できない」と語る。

 こうした周辺議員の注進に野田首相は笑っているが、「仙谷氏への警戒心はあるはず」(前出の官邸スタッフ)という。

 消費税論議は大いにやればいい。少子高齢化とこれに反比例する社会保障費増は深刻で、安定財源の確保は必要だ。国民も理解しているが、いまや「増税反対」が過半数となった。なぜか?

 民主党中堅議員は「議員削減に手を付けず、公務員宿舎削減も中途半端。国民の『先にやることがある!』という怒りだ」といい、続ける。

 「財務省幹部が先日、酒も入った懇親会で『消費税をやるには内閣の2つや3つ吹き飛んでもしようがない』と語っていた。乱暴なことをいうなと思ったが、内閣への悪影響を無視した強引な裏工作も行われている

 報道各社の世論調査で、野田内閣の支持率は30%以下の「危険水域」に接近、不支持率が50%を超えた調査もあった。財務省シナリオに乗って国民不在の政治を続ければ、内閣どころか、民主党政権も自壊する。

 ■すずき・てつお 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、東京MXテレビ編集長などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など多数。

ま、仕事が出来ない政治家よりも出来る官僚に任せた方がよいのでは?という考え方もあるのでしょうが、このところ高齢者医療費優遇の是正や生保改革など積年の課題がことごとく先送りになっているのも気になるところで、一説によれば下手に政策が当たって景気浮揚などしようものなら増税できなくなるという財務官僚の思惑が政権の背後にあるとも言いますね。
そもそも民主党政権と言えば政治主導などと言うキャッチフレーズのもと、官僚から政治家へと権力を取り戻すということを主張して始まったように記憶していたのですが、どうも近頃では政治主導どころか官僚抜きでは何も出来ないという状況にあるとか、いや官僚が目立つのは単に表看板になるべき人が泥にもぐってしまうからだとか、様々に言われているようです。
一方で相次いで首相が交代していくうちに何か当初のマニフェストとは全く異なる方向へと政策が進んできているとは政権内外から指摘されているところですが、その変質が政治主導から官僚主導へと切り替わってきたことに由来しているのだとすれば、声の大きい小沢氏や仙谷氏ならずとも話が違うと言いたい人は少なからずいることでしょう。
もともと民主党という政党は両極端というくらいに政治的志向の異なる人々が集まって出来ている政党だとも言いますが、先の小沢氏関連の騒動が何とか一段落したと思ったところで今度はこういうところで政権の方向性が変わっていくとなれば党内でもますます不満が高まっていきそうですし、その結果政治の行方が迷走するだけでは困るのですけれどもね…

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コメント

財務省の悪口を言うと気持ち良くなる人が多すぎて困ります

今の日本の政治は、政治家が放蕩亭主で、財務省が家計を切り盛りしている妻で、収入に見合わない生活を満喫して不満を上げているのが国民です

税収以上の生活をいつまで続けられるのかを考えたら、増税しない選択はないでしょう
もちろん税を納める以上、国の在り方に正しい選択を行うのも国民の義務です

大事なのは税を納めることではなく、その税の使い方です
今の収入で贅沢な社会保障を満喫している人達は、その基盤が将来世代の分の先取りである自覚が足りないし、将来世代の人達には諦めに似た状態で声も出ない・・・・・

小沢一郎なんて、税源も確保しないでバラマキばかりしている、無責任政治家の権化のような存在なのに、その小沢が「増税反対」と言うのは無責任極まりない。「国民に約束したことを守れ」という前に、できない約束をして国民を騙した罪を問うべきだろうと思う

投稿: Med_Law | 2011年12月18日 (日) 00時56分

管理人は増税否定論者ではありませんが、今回のまず増税ありきのやり方はまずかったですね。
金がない、国難だという今の時期だからこそ皆で痛みを分かち合いましょうと大ナタを振るうべきだったのに、結局それを全部先送りしてしまった。
切ったうえでまだ足りないから増税というならよかったのに、先に増税で解消するとなれば税金を上げた上に痛みまで求めるのかと反発が高まるのは当然ですからね。
将来を真剣に考えるなら今回の総理と財務省の戦術は失敗だったと見るしかありません。

投稿: 管理人nobu | 2011年12月18日 (日) 08時55分

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