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2011年12月 8日 (木)

世の中にはただ走って逃げるだけのケムール人を夢に見るほど怖がる人もいるそうです

ちなみにスレタイの元ネタはこちらの話なんですが、一部の人々の間で悪夢と恐れられているケムール人の逃走劇はこちらの動画をご参照いただければと思います。
余談はともかく、先日も少しばかり取り上げた読売新聞の連載記事「ヨミンちゃんの冒険 日本の病院編」ですが、読者からもかなりの反響があったということです。

ヨミンちゃんの冒険 日本の病院編 モンスター患者がなぜ問題なのか(2011年12月5日読売新聞)

 モンスター患者をめぐる問題に様々なご意見を寄せていただき、誠にありがとうございます。ドクターJiJiから、連載を振り返ってのコメントが届きました。

 そもそも「モンスター」という言葉は、学校でのモンスターペアレント問題として2007年ごろから取り上げられはじめたそうです。同様のことは学校以外でもあちこちで起こっている現代の社会現象として、存在が認識されてきました。

 病院では、医療現場という特性はありますが「対応困難者」として同様の事例が見られていました。読売新聞が2007年に行なった大学病院の「横暴な患者」調査では、全国54病院で、「1年間に医師、看護師が患者や家族から暴力を受けたケースは、少なくとも約430件、理不尽なクレームや暴言も約990件」と報告されました。事例として、とても信じられないようなケースも紹介されており、まさにモンスター的内容でした=記事はこちら=。

わずかな人のために、医療業務が妨害され、他の患者さんの不利益につながるばかりでなく、信頼関係の上に成り立つ医療の原点もゆらいでいるといえそうです。大きな精神的外傷をうけ、病院を去って行く医師や看護師が増えていることは、医療崩壊を加速させる要因の一つにもなりかねないのです。

 このような状況について皆さんに知っていただき、どのように感じられるのかをうかがいたく、この問題をテーマとして取り上げました。

 多くのご意見をうかがうことができました。ありがとうございました。

 

医療側にも問題があるとの指摘は、真摯に受け止めねばなりません。しかし、そのような要素を考慮してもモンスターの行動に正当性はないとのご意見が多いと総括されます。また、これは医療現場だけでなく様々な場面でも起こっている問題であるとの共通認識を確認できました。

病院の「オーナー」は国民

 医療施設としては、国民皆保険制度のもとで医師が応召義務を果たし、世界的に評価されている日本の医療を守るために、モンスターへの対策を講じて行かなければなりません。

 現在、多くの病院で投書箱、苦情の窓口、あるいは専任の職員を置いた患者サービス室などを設置しています。患者さんの苦情、提言を病院運営の改善に反映させる工夫も行われ、病院としてのサービス向上に努めているのです。ところが、そのために専任の職員を増やすことは、今日の厳しい医療財政の中では限界があります

 日本の医療は国民健康保険で賄われており、営利目的の企業の参入は禁止されています。つまり、病院のオーナーは国民であるということもできるのです。「自分たちの病院を、自分たちで守る」という意識を持っていただきたいのです。

医療のあり方を基本から見直す

 病状などをご家族へすみやかな説明は必須なことですが、人員不足の中で多忙に明け暮れしている状況を考えると、簡単ではありません。それでも、人の役に立ちたいという志を持って医療の世界に飛び込んで来た医師、看護師らは、眼の前の患者さんの診療のために労力を惜しむことはありません。

 問題なのは、診療とは言えないような雑用に追われることで疲弊してしまっている現実です。

 近年、ますます増えて行く様々な文書作成もその一つです。一部の業務を医師に代わって行う医療クラークが広がれば、幾分は改善されるでしょう。それでも、根本的解決にはなり得ません。

 医療訴訟対策を念頭に置いた文書の作成に費やされる時間は、増える一方です。複雑化してわかりにくい医療保険制度そのものを見直すべきです。

 ビジネスのように「契約」という関係の上で、患者さんの診療が行なわれる今の医療のあり方を基本から見直さなければ、心の通じる医療を取り戻すことはできないと考えています。

現代人の疳(かん)の虫

 それにしても、自分の思い通りにならないと我慢ができず、不満を誰かにぶつけたり、抗議行動を起こしたり、暴言を吐いたり、キレたりしてしまう人が、なぜいるのでしょう。なぜ、日本人が古来持っていた「他人を思いやる気持ち」をなくし、自己中心的で、相手の人権を無視した言動の銃撃を浴びせてしまうのでしょう。

 現代人の心の中に、このような疳(かん)の虫が住み着くようになってしまったのでしょうか。社会医学的な根本的治療が望まれるところです。

 ~ドクターJiJiこと、高崎健(日本医療学会幹事、東京女子医大名誉教授)より~

しかしモンスター患者の代名詞たる渡辺勝敏記者を擁する読売よ、お前が言うなと言うべきなのでしょうが、他ならぬ読売にすらこうした記事が掲載されることに件のワカタツ氏はどのような感情を抱いているのでしょうかね(苦笑)。
ただ昨今モンスター対策が急がれることの理由として医療崩壊と絡めて論じられるのは必然ではあるのでしょうが、医療環境の特殊性をことさら強調してこんな状況だからモンスターは困る式の論法は、医療は常識の通用しない特殊な世界だから世間的には許容されるものであっても病院内では駄目なのだと曲解される恐れがありますよね。
そうではなく、世の中のあらゆる局面でモンスターとは社会にとっての害悪なのだという共通認識を深めていくことが重要なのだと考えていけば、その傾向と対策も含めて多忙極まる医療の世界だけで何とかしなければと焦る必要もなく、世間から知恵を借りてくればいいということになります。
このところ様々な業界でモンスター問題ということが言われるようになって、例えばしばしば団塊世代の横暴ということが取り上げられますが、良くも悪くも日本が熱かった時代を知っている中高年世代はこの方面でもヒートアップしがちなようです。

キレる中高年男性目立つ、脳内物質も関係? 駅・空港・病院などで激高、軽視され自信喪失 (2011年11月30日日本経済新聞)

駅や空港、病院などの公共の場で、ささいなことでキレて駅員や職員らに手を出したり、言い寄ったりする中高年男性が目立つ。一見普通で分別のありそうな大人の男性がなぜキレてしまうのか。専門家はギスギスした職場環境や高齢者の孤独といった現代社会のひずみが背景にあると主張する。

「ふざけるな!」。首都圏にある私鉄の駅で、駅員のAさんは激高した中年の男性乗客からいきなり顔面に平手打ちを受けた。最終電車に乗り遅れた男性客に「申し訳ありませんが、もう電車はありません」と頭を下げた瞬間の出来事。非は乗客側にあるはずだが、この男性は乗り遅れた怒りを駅員にぶつけたのだ。
私鉄やJRなどがまとめた調査によると、駅員などへの暴力行為件数は増加傾向にある。2010年度は868件と06年度より約3割増えた。大半は男性の加害事例だ。年齢別では60代以上が最も多く、以下40代、50代の順で中高年が目立つ
駅員や他の乗客に対し、暴力に至らなくても、詰め寄ったり、暴言を吐いたりする迷惑行為は後を絶たない。近年の特徴は一見普通の中高年男性が突然キレるケースが目立つことだ。こうした行為をする男性の多くは、少し時間がたつと、冷静さを取り戻し反省するという。

悪質な行為に対し、交通機関側は断固とした対応をとるようになってきている。「1席くらい空きがあるだろう。なぜ乗せないんだ!」。今年3月、羽田空港の国際線ターミナルで怒声が響いた。航空会社のカウンターで中年の男性が激高し、カウンターの壁を蹴って損傷させた。
男性は予定より早く空港に到着したため早い便への変更を求めたが、あいにく満席だった。「残念ながら席がございません」と謝る空港職員に腹を立てた末の蛮行。結局、この男性は10万円近い修繕費を支払う羽目になった。
機内での迷惑行為の加害者も「圧倒的に中高年男性が多い」(日本航空お客さまサポートセンター)。04年の航空法改正では迷惑行為をする悪質な乗客には罰則が科されるようになった。トラブルで多いのが化粧室内での喫煙や携帯電話の使用。大半の乗客は客室乗務員が注意をすると素直に従うが、指示に従わず「うるさい」とキレる客もいる。

病院でも、中高年男性によるトラブルが増えている。「指示に従って入院しているのになんで治らないんだ」。都内の大手病院に乳がんの疑いで入院した患者の夫(50代)は回復しない妻の容体にイライラを募らせ、担当医と看護師に怒りを爆発させた。医師が病状を説明しても納得せず、次第にエスカレート。2時間以上も医師と看護師を拘束し大声で怒鳴り続けるなど、常軌を逸した行動を取った。
社団法人全日本病院協会が3年前に全国約1100の病院に院内暴力の実態を尋ねたところ、過去1年間で「暴行や対応に苦慮した暴言があった」と答えた病院は52・1%と過半数に達した。
加害者の年齢に関する調査はないが、「中高年男性が多い」と指摘する関係者は多い。社団法人日本看護協会の小川忍常任理事は「1990年代ごろから患者の権利意識が高まり、お客さま扱いを求める風潮が強まった。それに伴いクレームを付ける患者や家族が目立つようになった」と話す。

なぜ、中高年男性はキレやすくなったのか。「『上から目線』の構造」の著者で心理学者の榎本博明さんは、近年の不況で会社をリストラされたり、人員削減で仕事量が増えたりして、中高年男性のストレスが増加していることを背景にあげる。
職場でお荷物扱いされ、家庭では軽んじられて居場所がない中高年男性は増えている。彼らは自信がないから他人の視線が気になって被害者意識が強まり、ちょっとしたことでも自分がバカにされたと思い激高する。唯一、自分が尊重される場が客という立場。最後のよりどころである客の立場を軽く見られると、怒りが爆発して衝動を抑えられなくなるのだろう」
キレる現象は現役世代だけでなく、退職者の間でも広がっている。「暴走老人!」などの著書がある作家の藤原智美さんは次のように解説する。「地縁や血縁が薄くなった昨今、昔に比べて親戚や他人と話をする機会が減った。対話能力も低下しており、不満があってもなかなか口にできない。そのストレスが限界点を超えた時にキレるのではないか」

なぜと言われると本人達にも説明は難しいのかも知れませんが、ともかくイケイケで強気に攻めることが美徳とされた時代に育ってきた彼らにしてみれば、何をやっても昔のようにはうまく成果が上げられない今の時代には当然色々と積もり積もった不満もあるということなのでしょう。
もちろんどんな事情があっても反社会的行動は許されるものではなく、むしろこの種の分かりやすいモンスターは社会として毅然とした対応を心がけていけばいずれ排除可能かとも思われるのですが、何故彼らがこうまで権利意識ばかりを奇形的に肥大化させていったのかという背景に、やたらと「若者の○○離れ」というフレーズを使いたがるように主要顧客である中高年層に媚びるばかりのマスコミの影響を考える人も少なくないかも知れません。
故・三波春夫氏も「お客様は神様である」というフレーズの誤用に心を痛めていたと言いますが、彼らを育て上げたマスコミでさえこうしたモンスター排除の論陣を張るようになってきた以上、いずれこのタイプは反社会的存在としてそれなりに対処がなされていくのではないかと考えています。
ところが個人的にモンスターの陽性症状などと呼んでいるのがこうした過剰要求を強要するタイプだとすれば、一方では陰性症状と言うべきものを呈するモンスターもいらっしゃるわけですが、むしろこちらの方が対処が難しいかも知れません。

例えばゆとりなどと揶揄される今の若年世代は良きにつけ悪しきにつけ草食系というのでしょうか、表だってキレるということはさほどに多くないようですが、しかし何も言わないから不満がないということではないし、説明して分かってくれたのかと思って見ていると黙って無表情で困ったことをするという方々も少なからずいらっしゃいますよね。
ひと頃から悪化する一方だという給食費未納問題などもどちらかというとこちらのグループに属するのかも知れませんが、何かあれば学校に怒鳴り込んでくるようなタイプも迷惑ですけれども、最低限社会的に求められる関わり合いすら拒否して引きこもるようなタイプも困ったもので、しかも暴れる、壊すといった直接的迷惑行動がないだけに社会としても強く出にくいという難しさもあるようです。
世間一般にはこのタイプへの対処は取引をご遠慮し関わり合いにならないのが正解でしょうが、医療や教育といった社会資本的側面の強い業界に関しては顧客の放置はすべからずという社会の認識があるようですから嫌でも関わり合いにならざるを得ず、さてこのタイプへの対処の必要性をどうやってアピールしていくかと考えるとやはり契約の任意性を認めるということになってくるのでしょうか。
「義務教育だから給食費など払う必要がない」などと言って再三の請求にも無視を決め込む人々がいますが、むしろ問題はそうした人々が存在すること自体よりも、そうした代価を負担しない相手に対しても学校側は給食提供という義務を一方的に果たさなければならないと考えられている事の方にありそうだと言うことです。

医療の領域に関して言えばしばしば取り上げられるのが再三のすすめにも関わらず検査や治療を拒否していた患者に予想通り何かが起こってしまった、後日患者なり家族なりから「どうしてくれるんだ!」と賠償請求されるというケースがありますが、結局医療契約も任意であって病気があるからといって締結しなければならないものではないという大前提がどこまで認められるかですよね。
考えて見れば「俺は医者に体をいじくり回されるなんてまっぴらだ!何があっても医者になんてかからないぞ!」という人がいても何も不思議はないはずで、嫌がる患者でも可能な限りの手を尽くして治療を受けさせなければ(少なくともそう努力しなければ)ならないなんてジンケンシンガイ的行為が求められるのも、国民全てに等しく安価に医療を保証するという国民皆保険がもたらした壮大な勘違いなのかも知れません。
手塚治虫のブラックジャックでは一生かかっても馬鹿高い治療費を払うという患者家族にブラックジャックがニヤリと笑って「その言葉が聞きたかった」という名場面がありますが、仮に今後特区などの形にせよ混合診療や自由診療が導入され、そうした施設では劇的に客層が良くなったという事になった場合、モンスター対策に苦労している現場からは改めて解禁待望論が出てくることになるのでしょうか?

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コメント

夜中に一人でいるときあの宇宙人に遭遇したら本気で怖いと思う…

投稿: kan | 2011年12月 8日 (木) 10時33分

実家医院の業務用エアコンが5年弱で壊れました。10万円以上もの請求書にぶち切れたわてくし、
「オレの認識ではエアコンなんて5年で壊れるようなもんじゃねーぞ不良品だろこれそうでないなら不良品でないって証明しろPL法って知ってるだろあqwせdrtfyぐいh@あqstdyふじこ」

タダで修理してくれましたw

…結局なんやかんや言ってもまだまだ民度が高い日本ではゴネた方が得な局面が多いんですよね。すくなくとも損はしないw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2011年12月 9日 (金) 11時31分

まさにご指摘の点がポイントなのですよ。
なぜモンスターが増えるのかと言えば、学習によってそれが得だと学んだから。
とすれば現場対策のみならず、教育課程からモンスター対策をしていかなければとなるのですが…

投稿: 管理人nobu | 2011年12月 9日 (金) 13時28分

>教育課程からモンスター対策をしていかなければとなるのですが…

このままモンスターが殖え続ければいずれはモンスターでない方がお徳って事になってえーとゲーム理論?(多分違
実際はモンスター同士の生存競争になりそうですなあ、某国みたくw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2011年12月 9日 (金) 14時20分

日教組とマスコミがモンスターを育てたんだから、こいつらをさっさと排除するのが一番の原因対策ってことでFA

投稿: てっちゃん | 2011年12月 9日 (金) 15時11分

ゴミ売りの「発言小町」をみれば、エゴな読者から更にツッコミが入るような超エゴな主張を繰り返して反省しないトピックスが満載です

ゴミ売りが啓蒙ということを抜いた紙面構成をしているので、モンスター・ホイホイのようにモンスターが吸い込まれて行くんだろうなぁ

一見モンスターに迎合するように見えて、ちゃっかりモンスターを食い物にしているホリスティックやら、統合医療、代替医療がゴミ売りに親和性があるのも、倫理なく商売しているゴミ売りならずとも、日本のメディアの節操のなさの一面なのでしょう

投稿: ゴミ売りファン | 2011年12月 9日 (金) 23時35分

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