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2011年11月10日 (木)

改革に対する最大の抵抗勢力とは

先日は朝日新聞にこんな社説が掲載されていましたが、もちろんネット上では「お前が言うな」の大合唱でしたね。

【参考】【社説】政治を鍛える〈序論〉―民主主義の技量を磨く改革を(2011年11月7日朝日新聞)

「時代にふさわしい民主主義を築くために、何をすべきか。次回から具体策を提言していく」のだそうですけれども、まさに今日の日本の政治状況を作り出してきた朝日のような大メディアが何を人ごとのような顔で言っているのかと誰でも思う話ですよね。
しかしそれ以上に問題なのは、表向き政治は変わらなければならないということをかくも声高に主張しながら、実際には変わろうとする力を一生懸命引きずり下ろそうとしているのもまた彼らマスコミであるということでしょう。
最近とみに報道で取り上げられる機会も多くなった大阪のダブル選挙に関しては、先日もメディアによる差別意識を露骨に示したバッシング報道がありましたが、もはやあらゆる政党とメディアとを問わず橋下バッシングをしかけているという状況にあるようですね。
不肖管理人は正直橋下氏には電波芸者の眷属としてあまり良い感情は抱いていませんけれども、こうまで総掛かりで責め立てられているのを見ると何やら応援したくもなるから不思議なものです(苦笑)。

橋下知事の「大阪都構想」高給取りの役人にとって面白くない(2011年11月7日NEWSポストセブン)

11月27日投開票の大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙を目前にひかえて、橋下徹・前大阪府知事への異様なバッシングが燃えさかっている。

『週刊新潮』(10月27日発売号)が、「『同和」『暴力団』の渦に呑まれた独裁者『橋下知事』出生の秘密」と報じれば、同日発売の『週刊文春』も、「暴力団組員だった父はガス管をくわえて自殺 橋下徹42歳 書かれなかった『血脈』」と題して、いずれも2週にわたって同じ趣旨の記事を報じている。

橋下氏が既成勢力から包囲網を敷かれた発端は「大阪都」構想だ。府知事時代、大阪府庁と大阪市役所を解体し、東京都のように強い権限を持つ「大阪都庁」に再編する構想を打ち出した。また橋下氏は、辞任前に公務員改革の基本となる「職員基本条例案」と「大阪府教育基本条例案」を提出した。

職員基本条例案は、能力主義人事の導入や信賞必罰の人事評価を細かく定め、怠慢役人のリストラ基準を明文化した。

しかし、都構想にも役人規範にも、当の役人たちが真っ先に反発した。府と市が一体化されれば、大量の役人が不要になる。とりわけ大阪市役所は全国有数の“役人天国”として知られ、現業部門の給料が特に高い。交通局が運営する市バスの運転手の平均年収は民間の2倍近い800万円弱(2009年)。過去には都市環境局で下水道の維持管理などに従事する職員の3割が年収1000万円を超えていたことも批判を浴びた。

職員の不祥事にも大甘だ。仕事をしないで給料をもらう組合の「ヤミ専従」が横行しているうえ、2007年には学歴を詐称して採用されていた職員が400人以上発覚したが、停職1か月で免罪した。

彼らに橋下改革が面白いはずはない。

狼煙をあげたのは府庁職員だった。本誌は「職員基本条例案の内容について確認を要する点」(9月30日付)と題す、府の総務部が作成した反論文書を入手した。そこには、〈「年功序列的な人事制度」は事実誤認〉〈「特権的な身分階級」について具体的な事例が府にあればお示しいただきたい〉といったクレームから、〈「コンピュータ」は「電子計算機」とすべき〉〈「前条」は「前項」の誤り」〈「除く」は「除く。」とすべき〉といった細かい表記の問題まで、約700項目が列挙されている。文書そのものが、改革の必要性を証明していることは大いなる皮肉である。

教育基本条例案についても、府の教育委員5人が連名で、条例可決の場合は総辞職すると文書で表明した。

大阪市役所は現市長が橋下氏と選挙で戦うため、表立った批判は府の役人にまかせているが、職員の間には、「橋下市長になれば生活はこう変わる」とシミュレーションした文書がひそかに回覧されている。

市職労関係者が語る。

「文書は“橋下の職員基本条例に従えば職員の5%がリストラに遭う”“バスの運転手やゴミ収集などの現業部門職員は一般職に配置転換が認められないから残れない”という内容で、不安を募らせた職員の家族も親兄弟や親戚に“独裁者の橋下市長になればお父ちゃんが失業する”と触れ回っている

職員の不安を煽って、本来は許されない公務員の組織的選挙活動を誘発する汚い戦略である。

関西財界人「若造の橋下が何をいうか、絶対勝たせるな」発言(2011年11月8日NEWSポストセブン)

大阪市長選に打って出る橋下徹・前大阪府知事に対して、役人、大政党、財界、記者クラブ、そして週刊誌メディアまでが十字砲火を浴びせている。週刊新潮は「今やヒトラーにもたとえられるほどの大権力者」とも評した。

橋下氏は、辞任前に公務員改革の基本となる「職員基本条例案」を提出した。能力主義人事の導入や信賞必罰の人事評価を細かく定め、怠慢役人のリストラ基準を明文化した。これには大阪府庁、大阪市役所の役人が猛反発。このままでは職員の5%がリストラされるなどと危機感を募らせている。これに対し、“役人天国”として知られる大阪市役所の職員も反発した。

「前門の虎」が役人なら、「後門の狼」は関西電力を中心とする関西財界だ。

大阪市は関西電力の9%の株を握る筆頭株主で、橋下氏は関電に脱原発を要求し、市長になれば株主提案権を行使して「電力自由化」を進める方針を掲げている。それが関西財界の怒りを買った。

関西の自民党議員が語る。

「橋下は完全に関電の『虎の尾』を踏んだ。関西の大企業は関電から格安で工場の電力供給を受け、工事の発注でもつながりが深い。関西の財界人は普段は選挙にかかわりたがらないが、今回ばかりは『若造の橋下が何をいうか。絶対勝たせるな』といってきた

自治労や日教組など左派を支持基盤とする民主党と、財界の支援を受ける自民党が手を組んで「橋下阻止」に回っている構図である。気色悪い与野党相乗りだが、共通するのは、どちらも既得権益集団の意を受けて改革阻止を至上命題としていることである。

橋下氏を、「独裁者」「ヒトラー」と呼んでいるのは、いずれも改革で既得権を奪われる人々であることとも無関係ではない。

(1)橋下氏、反維新包囲網「もう笑っちゃう」(2011年11月5日産経ニュース)

 27日投開票の大阪市長選に出馬を表明している前大阪府知事、橋下徹氏(42)と、現職の平松邦夫氏(62)の討論会が5日午後、大阪市内で開かれた。大阪の目指すべき将来像について、平松氏は「住民自治を大きな流れに」、橋下氏は「市役所支配からの脱却」を挙げた。

 討論会は産経など新聞4社が合同で主催し、午後3時半すぎから開かれた。平松氏はグレーのスーツに赤いネクタイ、橋下氏は白っぽいジャケット姿で出席した。

 まず、大阪市長選に出馬表明していた共産推薦の元市議、渡司(わたし)考一氏(59)が前日、不出馬を表明したことについて言及。

 平松氏が「私は『反独裁』を唱え、大阪維新の会が大阪市をつぶすといってきた。より幅広い戦線を築きたいと思うが、本当に驚いた」と述べたのに対し、橋下氏は「もう笑っちゃう。日本の政党が何のビジョンもなく反維新、反橋下でまとまってしまうという恐ろしさがある。政治の弱さの象徴だ」と話した。

 互いが目指す大阪市の将来像について、両者それぞれボードに書き込んでもらったところ、平松氏は「住民自治を大きな流れに」、橋下氏は「市役所支配からの脱却 市民の自立」と記入した。

 記載の意図として、橋下氏は「歴史をひもとけば、今の市役所体制は戦時体制のなごり。東京では区長公選制などを勝ち取り、戦時体制から脱却した。大阪は市長が公選だったこともあり、かつて区が独立していたという歴史を忘れている。こんな大規模な自治体で選挙で選ばれた市長が1人ではだめ。区長を公務員にするのは戦時体制そのもの」と語り、区長を公選で選ぶべきだと訴えた。
(略)

すでにこの選挙を巡っては昨今すっかり沈滞傾向著しい日本の政界を代表するトピックとして海外でも取り上げられているようで、失礼ながら一地方選挙というにあるまじき注目を集めているということですが、やはり注目されているのは橋下氏の思い立ったらとことん政策実現に向けて突き進むその政治手法にあるようです。
面白いのはこうした選挙では通常相乗りなどを潔しとせず独自候補を擁立するはずの共産党ですら政策はお預けで平松氏全面支援の構えを見せているということで、わざわざ橋下氏の自宅まで街宣車で出向いて個人攻撃を行ってみたり、赤旗紙上で橋下氏のパーティ券に関わる疑惑を取り上げたりとそのハッスルぶりが尋常ではない様子なんですが、ここでもキーワードは「独裁」だと言います。
当の橋下氏自身はどうせ批判されるならやるだけやって批判される道を選ぶと意に介さない様子なんですが、この橋下氏が独裁的権力を持って推進しようとしていることとはどういうことなのか、一例として平松氏との政策の違いを対比してみると判りやすいようですね。

大阪市長選3陣営、職員削減などの公開質問状に回答(2011年11月3日日本経済新聞)

 関西経済同友会は2日、27日投開票の大阪市長選に立候補を予定している主要3陣営に出した、公開質問状の回答を発表した。争点の一つである市職員(約3万9000人)の削減について、現職の平松邦夫氏が「削減目標を5000人とする」とする一方、前大阪府知事の橋下徹氏は「約1万2000人以上を減らす」と答えた
(略)

大阪市長選立候補2氏、市政について議論(2011年11月6日朝日新聞)

(略)
 ――市長就任後、まずやりたいことは。

 平松 高度経済成長時代のように、行政にお金がいっぱいあって何でもやれるという時代ではない。市民の力で、この街を支えることにつなげていってほしい。

 橋下 市長の仕事の仕分け。知事選で維新の会の知事が当選すれば、統合本部をつくり、市役所の仕事を広域行政の仕事と基礎自治の仕事に仕分けし、広域行政の仕事は統合本部で処理する。

 ――生活保護の問題にどう取り組むか。

 橋下 大阪都をつくり、国に制度改正を迫っていく。能力があるのに生活保護を受けている人たちには就労義務を課し、義務を果たさない場合は一定の負担をお願いしていく

 平松 一昨年9月にプロジェクトチームをつくり、全国の政令指定市に声をかけ、国に対し直接(国との協議を)言っている。ここまで国に迫っているのは私が初めて。指定市を代表して言い続けていく。

 ――市の教育にどう取り組むか。

 橋下 8~9ブロックに教育委員会の分室をおき、各ブロックごとに決定権や予算編成権を与え、住民の皆さんに近いところで教育行政を決めていく

 平松 住民自治でも小学校、中学校が果たさなければならない役割は非常に大きくなってくる。学校を地域の拠点でという思いで、社会総掛かりで子どもを育てる。

 ――市営交通の今後の在り方や民営化の是非、敬老パスの取り扱いは。

 橋下 民営化はただちに実行すべきだ。サービスの向上や料金の値下げにもつながる。敬老パスもシステムをよくすれば、80億円を投じる市費を下げられる可能性が出てくる。

 平松 将来の民営化は否定しないが、改革型公営企業としてとことんやらせてほしい。敬老パス制度は堅持するが、方法については今後議論する。

 ――エネルギー政策は。

 平松 大阪市は関西電力の筆頭株主。単に反原発とか脱原発という言葉で株主権を行使しようとは思っていない。

 橋下 株主総会で市長が意見を出しても電力会社は動かない。株主権を行使して提案すればいい。エネルギー政策は関西圏域で考えないといけない。
(略)

こうしてみると橋下氏の主張というのはおおむね市職員を大幅に削減し、その権限を民間等外部に移譲していくという方向性であるということが言えるようですし、また全国一とも言われる生活保護問題や過日話題になった教育問題などにも見られるように、一定の義務ということを強調しているという点が独裁者などと揶揄される所以ではあるのでしょう。
しかしそうした話がすなわち悪いことであるかと言えば、財政破綻が叫ばれる大阪における公務員改革の必要性などはとっくの昔から言われ続けていることであるし、全国の生活保護受給者が集まると言われる現状などもしかり、どれもこれも昔から抜本的改革を求められながら遅々として進まなかった領域ばかりだとも言えそうですよね。
そうした話が今まで何故進まなかったかということを考えれば、まさにそれぞれの領域において利権を持つ人々が抵抗勢力となって改革を妨げてきたとも言えるのでしょうし、それら勢力が今また一つの大きな連合を形成して橋下バッシングに走っているというのも判りやすい構図ではあるのかなという気がします。
そして面白いのは、普段口ではこうした抵抗勢力は押し切ってでも改革の推進を…などと綺麗事を言ってきたマスコミこそが、抵抗勢力の後押しをし諸勢力を統合する最大の抵抗勢力になっているということですよね。

今回のダブル選挙に限ったことではなく、マスコミなどは何かと言えば「いやそれでは少数意見が」と改革潰しに必死ですけれども、大多数がそれでいいと思っていても少数意見が反対しているからやってはいけないという論法が通用するとなれば、これは民主主義社会では何の変化も起こし得ないということになってしまい、それこそ彼らの大好きな独裁者登場へとつながりかねませんよね。
とかくどんな世界でも何かを大きく変えるということには反対意見が出るものですが、すでにこのままではどうしようもないという認識が国民の広く共有するところとなった現状こそ、逆の目で見れば根本的な改革を行うにあたってこれ以上ない好条件でもあるのに寄ってたかって潰すというのもどうなのよですし、東北特区構想などと同様大阪というのは国政応用を図る上でも手頃なモデルケースになり得るはずです。
世界の中では政治家や官僚に代表される東京流が通用しないことは今や誰の目にも明らかになってしまった、そしてトヨタなどに代表される名古屋流もすっかり下火になってきている今の時代だからこそ、ここらでそろそろ大阪流とも言うべき大きな流れで日本を力強く牽引していくべきだという考えもあっていいと思いますし、バッシングにも関わらず橋下氏が高い支持率を得ていることが地元での期待の大きさも示しているようにも思えます。

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