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2011年11月 5日 (土)

マスコミの差別意識が明らかになった橋下氏報道

近頃では与野党を問わずすっかりマスコミと政治家の仲が冷え切っているようで、元々マスコミ業界出身者が多くマスコミ利用に長けていたはずの民主党でさえ全面戦争の構えを見せ始めていると言います。
そんな中で民主党の仙谷氏がここまでのことを言っているようです。

「朝日は出入り禁止!」どじょうを掬ったオヤジ 仙谷さまのお通りだい(2011年10月29日現代ビジネス)より抜粋

朝日新聞は当分の間、出入り禁止だ。デタラメなことばかり書きやがって(『週刊朝日』に在日韓国系の企業経営者と不透明関係があるなどと書かれたこと)。上の奴に電話をかけて『何を考えとるんだ。許さんぞ!』と直接、文句を言ってやったわ。最近の新聞は本当にレベルが低い

 そう言い放つのは、民主党の仙谷由人・政調会長代行である。

 菅政権で内閣官房長官や同副長官を務め、"陰の総理"と言われた仙谷氏は、最近は「黒子に徹する」と称し、表面上おとなしい。

 だが、野田佳彦首相を総理候補として掬い上げたのが仙谷氏なら、党の政策面での責任者・政調会長に、前原誠司氏を据えたのも仙谷氏である。"最高権力者"がおとなしくしているわけもなく、むしろ目立たないのをいいことに、好き放題な発言を続けている。

 野田首相は、官邸でのぶら下がり会見をまったくしないが、これも実は、仙谷氏の入れ知恵のようだ。

ぶら下がりはしなくていいんだよ。菅さんも、『記者どもが日本を悪くしているんだから、ぶら下がりはいらない』って言ってた」
(略)

少しばかり放言癖の気があるというのでしょうか、仙谷氏と言えば発言の真意を問われるという場面がしばしばある人物ですが、この発言にしても「朝日はデタラメなことばかり書きやがって」だの「最近の新聞は本当にレベルが低い」だのと言われると、まるで朝日以外の新聞や他メディアはまともなことを書いていてレベルが高いかのように誤解されかねないですよね。
先日も記者クラブ制度に反旗を翻した上杉隆氏らの自由報道協会の設定した共同記者会見の場において、読売新聞の記者がルール違反をしたと新たな遺恨が勃発していましたけれども、自分たち流のやり方が政治家の本音を引き出すという現実の課題を全く解決出来ていないにも関わらず旧態依然のやり方を繰り返すというのは、よほどに学習能力に深刻な問題でもあるということなのでしょうか。
無論朝日や読売といった新聞ばかりではなくテレビ業界なども大きな問題を幾らでも抱えていることは当「ぐり研」でも何度となく取り上げてきたことですが、最近話題になっているのが週刊誌が大阪府の橋下前知事について好き放題書いているという問題です。

【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】334(2011年10月29日産経ニュース)より抜粋

 『週刊文春』と『週刊新潮』(ともに11月3日号)が揃(そろ)って橋下徹大阪府知事の出自の問題を特集している。

 『文春』が「暴力団員だった父はガス管をくわえて自殺 橋下徹42歳 書かれなかった『血脈』」。
 『新潮』が「『同和』『暴力団』の渦に呑まれた独裁者『橋下知事』出生の秘密」。

 両誌ともほとんど同じ内容で、橋下知事が大阪・八尾市の同和地区に生まれ、父親と叔父がヤクザで父親は自殺、従兄弟が1999年に金属バット殺人事件で逮捕--というもの。

 これまで書かれなかった出自のことが、なぜ今? なぜこのタイミングで?
 府知事辞任、市長選出馬表明というこの時期を考えると、明らかにネガティブキャンペーンの一環としか見えない。

 だいたい橋下知事の出自を問題にすることに何の意味があるのか
 しかも、この件は両誌に先行して『新潮45』11月号で、自らも同和地区出身であることを公表しているノンフィクション作家、上原善広氏がレポートしているのだ。
 月刊誌署名記事の後追いという形でしか記事にできなかったところに週刊誌ジャーナリズムの衰弱を感じる。『文春』が上原レポートに一切触れていないのはフェアじゃない。
 『文春』ならむしろ、このタイミングで、こういう記事が出て来た背景をこそ探ってほしかった。
 両誌とも後味が極めてよくない
(略)

「子供の権利は配慮されるべき」 橋下知事が雑誌記事批判 (2011年10月29日J-CASTニュース)

  月刊誌や週刊誌に相次いで否定的な記事を掲載された大阪府の橋下徹知事が、ツイッター上で自らの見解を表明した。週刊誌が指摘した親族に関する事柄については、ある程度認め、「僕は公人だから何を言われてもある意味しょうがない立場」ともつづっている。その一方で、「親が公人でも、子供の権利は最大限尊重され、配慮されるべきだ」と、親族や子どもに影響があったことについては憤りを隠していない。
   月刊誌の「新潮45」11月号を皮切りに、「週刊新潮」「週刊文春」の最新号では、橋下氏の出自に焦点を当てた記事を掲載している。その中では、実の父親が自殺したことや、実の父親の弟に犯罪歴があることなどを指摘している。

「公人の子供であれば、超プライバシーにあたる事項も全て公開か」

   これまで橋下氏は一連の記事に対して明確なコメントをしてこなかったが、2011年10月29日朝、ツイッターに16回連続でツイート。自らの見解を明らかにした。実の父親は橋下氏が小学校2年生の時に自殺したことを明かしたが、

    「物心ついたころには実父は家にいなかったのでほとんど記憶なし

と説明。父親とその弟について、

    「むちゃくちゃやんちゃくれで、暴力団関係者であったことは周囲の話からは聞いた。同和地区に住んでいたことも事実

と、記事に書かれていたことは大筋で認めたが、橋下氏自身については、

    「暴力団との付き合いは一切ない。特定団体への補助金を優遇したことは一切ない

と、暴力団とのかかわりを否定した。

   その上で、

    「子供は、事実を初めて知った
    「公人本人はどうでも良い。自分で選んだ道だから。では公人の家族はどうなんだ?

と、記事が子どもに与える影響について疑問を呈した。それでも怒りは収まらなかった様子で、午後にも

    「公人の子供であれば、超プライバシーにあたる事項も全て公開か。子供は自分でも知らなかった今回の週刊誌報道にかかる事実をこれから背負わされる。週刊誌はそのことに関してどう考えてるのかね」

などと3回にわたってメディア批判のツイートをしている。

   府知事選と大阪市長選のダブル選の投開票日は11月27日で、1か月後に迫っている。10月29日には弁護士で自民党参院議員の丸山和也氏が府知事選に出馬する意向を党関係者に伝えている。党府議団は池田市長の倉田薫氏の支援を決めたばかりで、混乱は必至だ。

正直橋下氏の出自云々に関してはオヅラ氏の頭部偽装問題などと同様、誰しもそんなことを今更書いて何が言いたいの?と言うほどのネタだと思うのですが、もちろんこのタイミングでこうしたバッシングを繰り広げてきたことはダブル選の行方に危機感を抱く人間の意図するところがあるということなのでしょう。
橋下氏の政治的志向に関しては賛否両論あるとは言えとりあえず大阪での支持率は未だに根強いものがあるようで、とにかく日本がよくない、何とか大胆に変えていかないとこのままズルズルと地盤沈下してしまうという危機感を誰しも抱いている時代にあって、良い悪いはともかくとしても何かしら大胆に現状を変える行動力がありそうだという点が期待を集めているのでしょう。
当然ながらその対抗勢力となるのが現状維持最優先、何をするのもとりあえず反対という守旧勢力と言う構図になりそうですが、今や終わりつつある旧勢力の一つの典型のようにも言われるマスコミ業界がこうした行為に走ってきたと言うことはなかなか興味深いですよね。

政治的見解に対する路線対立はともかくとして、政治家を批判したいのであればその識見やせいぜいが本人の問題に対して行うべきであって、本人が全く選択する余地もない出自や血縁によって批判を行うというのは現代の文明社会においてあり得ない話で、例えばアメリカ大統領選で「○○候補の先祖にアフリカ系の血が!」なんて記事を書けばどうなるか想像すれば判ることだと思います。
そうした行為を行う側の見識の方がはるかに問題視されてしかるべきではないかなと思いますが、彼ら自身は無論選挙も間近になってきた現時点でこうまでやらずにはいられないほど追い詰められ、思い詰めていたにせよ、元々こうした行為がどのような意味を持つのかという問題意識すら持っていないということなのでしょう。
その程度の理屈も判らずまっとうな倫理観も備えていない品性下劣な人間が、ただ他人を全国ネットで強力にバッシングする権力だけは持っていることの怖さはまさに何とかに刃物と言うしかありませんが、現代社会において大きな権威を持っているとされるマスコミ自身の権力監視はどうやって行うべきなのかという命題が改めて浮上してきそうですよね。
先日も社会学者の加藤秀俊氏がやたらに風評被害、風評被害と連呼するマスコミ自身が風評被害を作り出している第一の加害者ではないかと看破していましたが、世の中に幾らでも存在しているマスコミ暴力の被害者がようやく自らの声を発信出来る時代になったことで、少しずつ彼らに対する監視と矯正のシステムを構築していけるようになるのでしょうか。

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コメント

大阪が本社の毎日も橋下バッシング始めたみたいですね
なるほど平松氏は毎日出身だったか

▽J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2011/11/04112259.html?p=2
毎日新聞は11月3日付朝刊の「記者の目」欄で、橋下氏による平松氏へのツイッター上などでの論評
について、「(略)とこき下ろす。公人の発言としては違和感を覚えるほど攻撃的だ」と断じている。
橋下氏は、この「記者の目」記事が、「両陣営間では批判合戦ばかりが目立つ」などと指摘したことに
反発しており、ツイッター(3日)で、これまでの会見やツイッターの記述などで政策論を具体的に展開
しており、「批判合戦」との論評について「(記者が)勉強してないだけ」と「攻撃的」に批判している。

もっとも、この毎日新聞への反論ツイッターでも、平松氏が毎日新聞の「友好会社」である毎日放送
(MBS、本社=大阪市)出身であることに触れ、「(毎日新聞と平松氏の間に)何があるのか知らないが」
とチクリと皮肉る余裕もみせている。

橋下氏の「余裕」が指摘される根拠のひとつは、11月1日付朝刊で朝日新聞が報じた世論調査結果だ。

大阪市長にふさわしい人物について、府内有権者で「橋下20+ 件氏50%、平松氏26%」とほぼ
ダブルスコアの結果が出て、大阪市民に限っても「同様の傾向を示した」。橋下人気は、大阪市内に
限っても健在、というわけだ。

しかし、同じ日の読売新聞の紙面では、「橋下氏と平松氏が横一線」とする世論調査結果が報じられて
いる。朝日調査と比べると、全く異なる印象を受ける。

ある大手新聞社の大阪関係者によると、取材の感触としては「橋下氏が圧勝の流れ」だとして、
朝日調査の結果の方が実態に近いのでは、との見方を示した。

前号で橋下氏への厳しい見方を載せた当の週刊文春の最新号(11月10日号)でさえ、大阪の下町を
歩いてみると、「批判報道すら、橋下陣営にとって追い風になる勢いだ。エールを送る府民の多さに
圧倒される」と舌をまいている。

橋下氏支持でも平松氏支持でもない、と話すある60代の大阪市民の男性は、「橋下氏の強権的な姿勢
に違和感をもつ人が増えてきた印象もあるが、一方で、閉塞感がある現状を変えてくれるのは橋下氏だ、
と漠然と考えている人はまだまだ多いのも事実」
と話した。

大阪市長選は11月13日に告示される。ほかに前共産市議の渡司考一氏が立候補を表明している。
渡司氏のサイトの「近況報告」欄では11月4日、「橋下前知事や維新の会の独裁と暴走にストップ掛ける
(編注:原文ママ)ために全力を尽くします」と書いている。平松氏についての記載はない。

▽記者の目:大阪府市ダブル選挙=小林慎…毎日新聞
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20111103k0000m070134000c.html
▽Twitter…橋下徹
http://twitter.com/#!/t_ishin

投稿: てんてん | 2011年11月 5日 (土) 08時42分

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