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2011年11月

2011年11月30日 (水)

大先生、ついにブログ閉鎖へ

実に5年間、182回にも及んだという本田宏大先生のブログがこのたびめでたく終了を迎えられたということで、来る新年にとっておきたいような今年一番の吉報かも知れませんね。

【参考】5年間お世話になりました。「勤務医よ、闘え!」最終回です。/本田宏(2011年11月28日日経メディカル)

今やどんな理不尽な医局命令にも唯々諾々と従っていた時代ははるか遠くに消え去り、多くの勤務医がそれぞれの立場から戦うようになってきたことは改めて言うまでもありませんが、本田大先生の長年主張するところである「とにかくOECD平均まで医者を増やせ」論に関してはこれで一段落した形で、多くの医師達にとっての福音となったのではないかと思いますね。
大先生の場合はある意味極めて古典的な医者らしいキャラと言うのでしょうか(苦笑)、ああいう人物であるだけにテレビなどでもひと頃ひっぱりだこでしたからその主張も思いの外広範囲に滲透してしまっているようで、世の中には「医者の皆さんはもっともっと医者を増やすことを望んでいる」と思っていらっしゃる方々も多いのかも知れませんが、少なくとも医学部をどんどん新設して大増員をなんて考えている医者は多くありません。
ところが先日も産経新聞にこんな記事が掲載されていましたが、読んで見ますとただでさえアレだった大先生の見解がさらに斜め上方向に拡大解釈されているかのような、何とも微妙な空気が漂ってきていますよね。

【主張】医学部の新設 門戸広げ活性化に繋げよ(2011年11月27日産経ニュース)

 大学医学部の新設問題を検討する文部科学省の有識者会議の議論が、年内にも報告書をまとめようとしている。

 深刻な医師不足を解消し広く人材を求めるため、医学教育を見直すことは喫緊の課題である。しかし医学部は昭和54年、琉球大学に設けられたのが最後だ。30年間も新規参入がないのは、閉鎖的と批判されて仕方あるまい

 現行制度では、新設を希望する大学があっても文科省の告示で申請すらできない。学部を増やすと、中長期的な医師過剰につながるという理由だった。

 文科省は医師不足の解消策として、平成20年度から既存医学部の入学定員の臨時増を認めてきた。これまで1300人近く増員しており、「新設よりも定員増で対応しては」という意見もある。医学部を増やすと、将来医師過剰になったとき、定員を削減しづらいとの配慮からだ。

 だが、医学部は地理的に西日本に偏っており、医師不足の地域間格差を招く一因にもなっている。東京周辺の県には極端に少ない。定員増だけでは、こうした問題は解決しないのではないか。

 そもそも、競争原理の働かないところに進歩はない。新規参入により既存医学部との役割分担が進んだり、地域ニーズに応えた医師育成が実現したりすれば、医療教育全体の活性化に繋(つな)がる

 私大医学部の学費が高額なため、医師の道を断念する受験生もいる。経営の安定した大学が参入すれば学費水準が低く抑えられ、受験のチャンスが広がる。門戸開放を進めるべきである。

 高齢化で、今後は75歳以上人口が激増する。医療が多様化し、複数の医師が連携して治療を行う場面も増えてきている。医学部生がどの程度増えると医師過剰に転じるのか、新設の是非の判断には客観的なデータが必要だ。

 具体的な教育そのものを見直す視点も忘れてはならない。臨床医育成は急務だが、先端医療や基礎医学といった分野を担う大学も整備しなければ、国際競争に太刀打ちできなくなる。東日本大震災で苦しむ東北地方などで辺地の医療を志す医師も育てたい

 高度化、多様化する医療に対応するためには、医学教育もたゆまぬ改革が求められる。意欲のある大学の参入を門前払いするようなことがあってはならない

「30年間も新規参入がないのは、閉鎖的と批判されて仕方あるまい」とは他ならぬお前らマスコミが言うなと言うべきでしょうか(苦笑)、「競争原理の働かないところに進歩はない」とはいかにも医療に関して高い見識(笑)を持つとかねて定評のある産経新聞らしいなという記事なのですが、基本的にこうした意見にも部分部分で見れば一理あるとは思います。
ただこの産経の論の問題点は、彼らの主張するような競争原理が働くためには単に「意欲ある大学の参入」を認めるばかりでは駄目であって、やる気のない大学をどう淘汰するかということが極めて重要であるわけですが、彼らの言う通りただ大学を増やすばかりでは学生救済とは全く結びつかないどころか、悲惨な結果になるということがすでに先行する法科大学院の例によって証明されているということです。
誰も司法試験に合格できず学費詐欺などと言われる低レベルロースクールが社会問題化している中で、敢えてその後追いをしたいという人々が未だにいるというのがどうにも理解できないのですが、産経はぽんぽんと大学は作るだけ作らせておいて、毎年国試合格率最低の大学を一つ一つ潰していけばよいなどとお気楽なことを考えているのでしょうか?
本田氏の主張するようなOECD平均を目指して急増員を続けてきた歯学部では今や定員確保もままならないという状況で、当然ながら選択も働かないものですから入学学生の質も急降下していると言いますが、それこそ産経の言うところの「競争原理の働かないところに進歩はない」ことを実証しかねない現状を知った上でこんなことを言うのは、やはり医療業界に対して含むところがあると判断すべきなのでしょう。

産経を始めとして世の中に妙な考えを広めてしまった本田氏の罪のうちでも最大のものとは、結局医療現場の過酷さが医師を始めとする人材不足にあり、その解消法は医師増員であるという誤解を与えてしまったことで、医師の勤務状況改善を目指すはずがいつの間にか医師不足解消に話がすり替えられてしまったという現実に対する責任は問われなければなりませんよね。
例えば医師数百人を擁し研修医も幾らでも希望者があるという巨大有名病院がありますが、そうした施設のほとんどが伝統的とも言っていい勤務の過酷さ、待遇の低さでも知られてきたというのは、世の中何事も需要と供給のバランスで相場が決定されるという当たり前の経済原則一つを知っているだけでも簡単に理解出来ることです。
無論のこと、若いうちからトレーニングとして、あるいは中堅実力派がさらなる高い境地を目指すために敢えて待遇は悪くとも修行できる場を選ぶということはあっていいことですが、仮に本田氏の主張するように全国各地の場末の病院にまで医師が余るほどに供給されるようになったとして、黙っていても医師など幾らでも使い潰せる病院当局が一体どういう理由で医師の待遇改善に乗り出さなければならないというのでしょうか?
本田氏のような病院の管理者側に立つ人間にとっては幾らでも安く医者を買いたたける状況はまさしくウェルカムなのでしょうが、そうなってしまえばもはや医師側には労働環境改善を主張するだけの交渉材料もなく、「先生方、10年前は一人あたり一億以上の売り上げがあったのに、今年は8000万とは努力が足りませんな」などと医局会のたびに事務方に嫌みを言われながら安月給で酷使される未来絵図しか浮かんで来ません。

医療費抑制政策が続けられた中で病院経営が極めて厳しいものとなったのは一面の事実ですが、同時に医療崩壊とまで言われたからこそここ数年で勤務医の待遇改善を行っていかなければという機運がかつてないほど盛り上がっていることも事実であって、例えばバブルなども余所目に過去三十年にわたって横ばいだった勤務医給与がこのところ病院の経営が厳しい中でも上昇に転じたなどと言われています。
もちろん金銭的評価だけが待遇改善を意味するものではありませんが、給料が高い人間を雑用に働かせるよりも給料が安い人間を働かせた方が経営上メリットがあるのは当然のことであって、職員が伝票を張ってくれるようになったなどと言ったいじましい報告の背後に、ようやく「高度専門職には専門職にしか出来ない業務に専念してもらった方が周囲にとっても得である」という当たり前の常識が広まりつつあることが見てとれますよね。
実際にこのご時世に勝ち組病院となっているのは医師らスタッフの待遇をきっちりと守り、優秀な人材を数多く抱え込んだ施設であるという傾向がはっきりしてきたわけですから、医師の過酷な労働環境を改善するために最も必要なのはOECD、OECDと何とかの一つ覚えで連呼することではなく、スタッフを守ることも出来ない病院に患者を守ることなど出来ないという当たり前のことを実例をもって示し続けることではないかと思います。

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2011年11月29日 (火)

大阪ダブル選挙 本当に負けたのは誰だったのか

ご存知のように全国的にも注目されていた大阪ダブル選の結果は、橋下氏と松井氏の維新コンビが20時の投票終了と同時に当確を出す圧勝という結果に終わりました。

大阪ダブル選挙「維新の会」が制す 市長選は橋下氏が大差の勝利(2011年11月27日J-CASTニュース)

 40年ぶりとなった大阪府知事・大阪市長の「ダブル選挙」は、いずれも地域政党「大阪維新の会」の勝利が確実となった。

 前大阪府知事の橋下徹氏(42)と、現職で再選を目指した平松邦夫氏(63)の一騎打ちは橋下氏が得票数で大きく差を広げたと見られる。

■橋下新市長「広域行政は府知事が決定権」

 大阪府知事・大阪市長選は2011年11月27日に投票が行われた。投票が締め切られた20時、NHKなど主要メディアが事前情報や開票所での出口調査をもとに「当確情報」を発表。7人の新人候補で争われた府知事選は、「大阪維新の会」公認で前府議の松井一郎氏(47)が、前大阪府池田市長で民主党府連や自民党府連が支援した倉田薫氏(63)らを破って初当選を果たすことが確実となった。

 市長選では、「大阪都構想」を掲げて府と市の再編を主張する橋下氏と、「大阪都構想」を「市民にとってメリットは全くない」と批判し、真っ向から対決姿勢を強めていた平松氏との間で、激しい選挙戦が繰り広げられた。投票日前日の26日にも、橋下陣営には石原慎太郎東京都知事が、一方の平松氏には民主党国会対策委員長の平野博文衆院議員らが応援にかけつけ、それぞれ支持を訴えた。しかしふたを開けると、早々に橋下氏の当選確実が報じられた

 松井氏、橋下氏はそろって20時40分ごろに報道陣の前に姿を現し、「勝利宣言」。最初に挨拶に立った松井氏は投票率が高かったことに触れて、「まず、政治に関心をもっていただいたことに感謝を申し上げたい」とひと言。「二元行政と呼ばれた今までの行政を根元から変えていく、そのスタートラインに立てたことをうれしく思っている」と話し、今後の橋下氏との連携を強調した。

 一方の橋下氏は、「大阪府庁、大阪市役所、教育委員会は今回の選挙の結果を重く受け止めてほしい」と促した。さらに、広域行政は府知事が決定権を持つことが必要だと指摘。「大阪市長は大阪市民の票しか得ておらず、大阪全体のことに市長が口を出すのはおかしい」と話したうえで、これまでの大阪府と大阪市の「争い」に終止符を打ちたいと述べた。

■「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」

 その後開かれた共同記者会見で、橋下氏は「大阪都構想をやりたい、という強い思いが多少なりとも有権者に伝わったのではないか」と勝因を分析する一方、「まだ不十分、さらに説明しなければならない」と語った。続けて、「市職員の給与体系の見直し、また一部職員は政治を軽く見ているので、そのような職員の意識を変えていく。さらに区長の位置づけなど組織全体も見直していく」と今後のビジョンを明らかにした。市役所職員に向けては「民意に基づいてしっかりやろう、という気持ちになってくれるかどうか。民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」と厳しい口調だった。

 一方、市長選に敗れた平松氏は会見で、「早々と残念な結果が出てしまったことで、私の力不足を痛切に感じている」と固い表情のまま支持者に対して謝罪。「4年間大阪市長として、市民の皆さんにいかに行政が寄り添えるかと2期目に挑戦したが、果たすことが出来なかった」と無念の様子を見せた。橋下氏については「強い相手だった」とだけ話した。

すでに橋下氏は「意味の分からない補助金、市職員の給与体系をしっかり見直す」「政治に足を踏み込みすぎた職員は潔く市役所を去ってもらいたい」といったコメントを出しているところで、未だに「橋下さんの近くで仕える気はない」などと甘い事を言っていたという市幹部も早々に辞めるか、辞めさせられるかの選択を強いられそうな勢いです。
さらに今回の圧勝劇に戦々恐々としているらしいのが既成政党総相乗りの形で橋下批判を繰り広げてきた各政党ですが、未だに「一地方選挙だ」という強がりの声も聞こえてくるものの、一方で「大局的見地から協力をしていきたい」などと早くも与野党各党から橋下人気にすり寄る気配が見えるなど、いささか恥ずかしい結果となってしまったようですよね。
しかしあれだけの総掛かり選挙戦を展開しながら惨敗した既成政党以上に恥ずかしい思いをしたのではないかと思われるのが、今まで必死に世論を誘導しようとして暗躍してきたマスコミ各社であって、すでに目に余る橋下批判を繰り広げてきた一部メディアなどは勝利会見の場で名指しで「バカ新潮と文春にはある意味感謝している」などと新市長から皮肉られる始末です。
元々は「私が行くほどのものではない」と今回の選挙戦に顔を出す予定のなかった石原都知事も「バッシング報道に腹が立った」と急遽応援に駆けつけるなど、今回の結果に各方面から「マスコミざまあw」の嘲笑と共に改めて批判が噴出していますが、「独裁か実績か」などと露骨なコピーまで掲げて総掛かりで橋下バッシングを繰り広げてきたマスコミ諸社の選挙後の反省の弁(笑)がこちらです。

天声人語(2011年11月28日朝日新聞)

 大阪人の気質をひとことで表すなら、それは合理精神だという。たとえば江戸っ子は初鰹(はつがつお)のような、値の張る初物にうつつを抜かす。だが浪速では、旬のものが出盛ったときに安く賞味するのを良しとした。芝居ひとつにしても、浪速は理づめに筋ができていたという▼いわば東京の情緒に対する大阪の合理だが、さて、その気質で説明がつくかどうか。大阪の市長と府知事のダブル選挙を、「大阪維新の会」の橋下徹氏と松井一郎氏のコンビが制した。既成政党による「包囲網」をものともしない勝利だった▼もっとも、タレント議員や知事で知られる土地柄である。合理などは古い話で、いまや「ノリと面白さ」が第一ともされる。大阪秋の陣が、政策論争よりも、橋下氏への「好き、嫌い」で人気投票めいたのは否めない▼とはいえ、しょせん選挙のツボは「この人にやらせてみよう」と思われるか否か。結果は、中央の政治の体たらくへの痛烈なパンチだろう。閉塞(へいそく)感と政治不信の世に英雄待望論が湧くのは不思議ではない▼課題を打ち出して「白黒をつける」のが橋下流と聞く。「独裁」は必要とも語り、多数決なら文句あるまいと言うが、多数決は手続きであり結果の正しさは保証しない。大阪は一種のあやうさを承知で、現状打破の可能性を買ったようだ▼小泉元首相への熱狂的な支持は、どうやら「不毛な興奮」だったと、後になって多くが気づいた。似ているとされる橋下流の行方はいかに。全国の目がそこに集まる。

【社説】大阪維新勝利―おごらず対話と協調を(2011年11月28日朝日新聞)

 40年ぶりの大阪ダブル選は、大阪都構想をかかげる大阪維新の会の勝利に終わった。
 市長となる前知事の橋下徹氏は、後継の知事に当選した同会幹事長の松井一郎氏とともに、府と市の行政の仕組みを根本的に変えると主張した。
 有権者は、経済が沈滞し閉塞(へいそく)感の強い大阪の現状打破を橋下氏の行動力に託したといえる。

 維新の公約は都構想と、教員や公務員の規律などを定める教育・職員の両基本条例、原発依存度の低下の4本柱だ。
 都構想については、選挙戦で論議が深まったとは言い難い。橋下氏は区割りや財政調整などの具体論には踏み込まず、焦点がぼけた印象はぬぐえない。
 都構想そのものが信認されたというより、「二重行政が大阪の発展を妨げている」という問題意識に共感した人が多かったのではないだろうか。
 維新は4年で都制に移し、生まれた財源で「稼ぐ自治体」をめざすという。法改正も伴う組織再編はさらに議論が必要だ。むだの排除や効率化をまず徹底し、実感できる成果を一日も早く示してほしい。

 橋下氏と維新の政治手法も大きな争点となった。
 市長選では現職の平松邦夫氏が「反独裁」を訴え、知事選でも倉田薫氏、共産の梅田章二氏が強権政治からの脱却を主張した。橋下流への疑問がぶつけられた選挙でもあった。
 維新が誕生して1年半。権力を手にするほどに責任も重くなる。強引な正面突破より政治勢力としての成熟を期待したい
 統一地方選後、公約になかった君が代起立斉唱条例を突然提案し成立させた。こんな手法を繰り返してはならない。有権者は白紙委任したわけでない。

 市議会で維新は過半数をにぎっておらず、対話と協調はいやでも政策決定の前提となる
 財政再建は府市ともに急務だが、予算カットや公的施設の統廃合などは、関係者との話し合いなしでは進まない
 府の教育委員全員が反対する教育基本条例案の行方が、維新の姿勢を占う試金石となろう。
 脱原発へ向けた新たな施策を示すことができるか、注目される。大阪市は関西電力の筆頭株主。橋下氏は株主提案権を行使し発送電分離で新規参入を促したいという。手腕が問われる。
 橋下氏の個性とアピール力、激しい論戦が、高い投票率につながった。一方で独自候補を擁立できずに埋没した既成政党は、新たなうねりとなった地域政党とどう対峙(たいじ)するか、抜本的な立て直しを迫られている。

【社説】大阪維新の会 勝利と白紙委任は違う(2011年11月28日北海道新聞)

 「大阪都構想」などを争点にした大阪のダブル選挙は、この構想を掲げた地域政党「大阪維新の会」が完勝した。
 知事選は、維新の会幹事長の松井一郎氏が前大阪府池田市長の倉田薫氏らを抑えた。市長選は、知事を途中辞任して今回の選挙を仕掛けた維新の会代表の橋下徹氏が、現職の平松邦夫氏を下した。
 大阪の府民、市民は都構想にゴーサインを出したことになる。

 ただ、有権者は橋下氏らに白紙委任状を渡したわけではない。選挙結果がすべてだとして、少数意見を無視して強引に物事を推し進めることは、民主主義とは相いれない
 橋下氏は当選後「府や市の職員、教育委員会は選挙結果をしっかり受け止めるように」と強調した。
 公約である職員基本条例や教育基本条例制定への反対は許さないという姿勢だ。
 考え方が違う勢力を敵と見なす得意の「けんか民主主義」を、今後も続けるつもりなのだろうか

 ダブル選挙の主役はまぎれもなく橋下氏だった。それだけに、このままでは「橋下氏による大阪支配」との批判が強まろう
 「独裁」で押し切るのではなく、政策への理解を得ていく姿勢が、橋下氏らには欠かせない
 都構想は、大阪府と政令市の大阪市、堺市を解体して大阪都に一本化することを目指している。
 両市の区は、中核市並みの権限を持ついくつかの特別自治区に再編される。区長も区議も選挙で選ぶ。
 住民と向き合う仕事は市町村や特別自治区が担い、経済の成長戦略や雇用対策など大阪全体に関わる課題は都が引っ張っていく考え方だ。

 人口や経済の規模が飛び抜けて大きい政令市と道府県の関係をどう位置づけるか、政令市内の分権をいかに進めるかは、全国共通の課題だ。
 北海道でも道と札幌市の連携不足が指摘されている。その意味では道民も、都構想の行方を注視する必要がある。
 心配なのは、広域行政について著書で「当然地元住民、基礎自治体の意見も聞くべきだ」としながら、「最後の決定権は誰にあるのかを明確にしておかなければならない」と明言する、橋下氏の認識だ。
 確かに行政のスピード感は増すだろう。しかし、地域で地道なコミュニティー活動を続けてきた人々からは、置き去りにされてしまわないかとの不安が出ている。
 教育基本条例も、教育の場に「勝ち組」「負け組」の構造が持ち込まれることへの懸念がぬぐえない。
 府議会、市議会での慎重な審議を強く求めたい

朝日などはよほどに悔しかったのでしょう、大阪の人間は芸人の目先の派手な言動にあっさり騙される馬鹿揃いと言いたい放題ですが、橋下バッシングを繰り広げてきた各紙に共通する特徴として「とにかく既得権益には十分に配慮せよ。勝手にこれを破壊するなどまかりならん」という強烈な主張を未だに繰り返し掲げていることでしょう。
そして「勝手なことをするな。何も変えるな」と橋下改革を必死に押しとどめようとしている彼らの思惑とは裏腹に、市民の声は全く逆に「職員の人は昔から頭凝り固まってるから、それを変えないと」「これから何をするか。実際に何もしないという例が今まで政治に多かった」などと、新市長が主張通りの改革をやらないことをこそ心配しているということが非常に象徴的なことなんだと思います。
未だにマスコミ的には昨今のいわゆるネトウヨの台頭などとこの圧勝劇を結びつけて何とか納得したいという考えもあるやも知れませんが、ナニワの素朴なおじちゃんおばちゃん達がこれほど選挙に高い関心を持ち圧勝劇を演出した、さらには全年齢層、全党派層に渡っての圧倒的な橋下支持が明らかになったという現実を前にしては、この種の解釈は何ら説得力を持たないと言えそうですよね。
要するに大阪の人々の抱いていた「このままでは大阪は、いや日本は駄目になる」という不安に対して、今度の選挙戦はいつしかマスコミ自身の手によって「最強の改革者vs既得権益擁護の守旧派」という構図に位置づけられてしまった、地道な市政改善を目指していただろう平松氏にしてはこの構図は痛恨時であったはずですが、援護射撃をしているはずのマスコミによって実は一番おとしめられてしまったのが平松氏であったという考え方も出来るかも知れません。

マスコミの利用法を熟知している橋下陣営にすれば、地味な実務家肌で(失礼ながら)さほど見栄えもしない現職市長を同じマスコミでの露出勝負という自分の土俵に引き上げてしまえば勝ったも同然であって、マスコミの「協力」もあって一方的に露出が増すばかりの橋下陣営に対して、平松陣営が自ら到底勝てないと直前討論のドタキャンを申し入れてきた時点ですでに勝負の行方は見えていたのでしょう。
例えばマスコミがあれほど熱心にバッシングを繰り広げた「日の丸、君が代」問題なども、在米ジャーナリストの冷泉彰彦氏などからは「初歩的な戦術に引っかかるとはなんと低レベルな」とあきれられていますけれども、冒頭に取り上げた橋下氏の勝利会見における馬鹿げた似非ジャーナリズムへの「謝意表明」なども、皮肉ではなく「思い通りに踊ってくれてありがとう」という全くの本音であったのかも知れませんよね。
今回の選挙をしてマスコミは「既成政党にノーが突きつけられた」などと人ごとのように総括していますが、結局のところ民意とかけ離れた主張をあたかも民意の代弁者であるかのように語り続け、橋下氏を一方的に叩くはずがまんまと思惑通りに踊らされ全国に大恥をさらした彼らこそが、最も誤解のしようのない形で民意によって「ノーを突きつけられた」のではないかという気がしてきます。

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2011年11月28日 (月)

診療報酬はやはり据え置き しかし目先の数字にこだわるのは得策か?

先日の仕分けに関わる話を見ていて、これは診療報酬の引き上げはないなと思っていましたら案の定、引き上げは見送りになりそうだとのアナウンスが直後にあったわけですが、当然ながらこの件に関しては各方面から「話が違うじゃないか」とクレームがついているようです。

診療報酬本体部分引き上げ、見送り示唆…厚労相(2011年11月25日読売新聞)

 小宮山厚生労働相は25日午前の閣議後の記者会見で、2012年度の診療報酬改定について、医師の技術料や人件費に当たる「本体部分」の引き上げを見送る可能性を示唆した。

 小宮山氏は従来、診療報酬の引き上げを主張していた。しかし、政府の行政刷新会議が提言型政策仕分けで、本体部分の「据え置き」か「抑制」を求めたことを踏まえ、「重く受け止めて検討していく」と述べた。

 ただ、小宮山氏は「産科、小児科、救急、外科のような力を入れなければいけない診療科目を支援し、勤務医の処遇を上げていくことは継続したい」と語り、本体部分の引き上げを見送った場合でも、こうした分野には重点配分する意向を示した。

公約守って…診療報酬引き上げ求め意見書(2011年11月25日読売新聞)

 医療機関に支払われる診療報酬の2012年度改定をめぐり、個々の診療報酬点数を決める中央社会保険医療協議会(中医協)の総会が25日、厚生労働省内で開かれた。

 医師や歯科医師ら診療側の委員7人は、「民主党は診療報酬を増額し、医療崩壊を食い止めると政権公約に掲げて政権を獲得した」として、引き上げを求める意見書を提出した。

 一方、健康保険組合連合会などの支払い側の委員7人は「医療機関の経営状況は、おおむね安定的に推移している」と引き上げ反対を訴えた。診療報酬の改定率は、政府が来月下旬、2012年度予算案の編成にあわせて決定する予定だ。

こういうニュースを見ると医療業界内では診療報酬引き下げケシカラン!公約違反トンデモナイ!と言われそうですが、実のところ管理人個人としては現時点での診療報酬引き上げを積極的に求める意志はなく、むしろ引き上げ見送りもありではないかと半ば肯定的に評価するものです。
その理由の一つとして今回に限らず診療報酬総額が幾ら引き上げられたから勝ち、据え置きや引き下げなら負けといった画一的な議論をする意味がなくなっていると考えていることがあって、日本の将来像を考えればいずれ破綻することが目に見えている現状のビジネスモデルを目先の診療報酬増によって生きながらえさせてしまうことは決して医療業界のためにも国民のためにもならず、今こそ別な道を考えるべきだということです。
もう一点は診療報酬抑制が長年続いてきたことが医療崩壊の主因であるとされていますが、一方で医療崩壊という現象がこうまで社会的に大きく取り上げられることになって始めて根本的な改革が必要であると認識され始めた部分も少なからずあり、例えば医療提供側においては医師を始めとするスタッフの労働環境を重視しなければ医療は続かないということがようやく認められ、改善が図られつつあるわけです。
また不要不急の救急・時間外受診、クレーマーやモンスターといった医療の利用者側の問題も同様に、医療崩壊という現象が取りざたされ始めてから「いけないこと」という社会的認識がされるようになったのも事実であり、医療に無制限なリソースや資本を投入することが非現実的であり需要の抑制が必然であるなら、現場での給付制限を行うに当たって診療報酬上の制約とは非常に使える「言い訳」になると考えています。

要するに現段階では目先の報酬増というカンフル剤で医療の諸問題を覆い隠してしまうよりも、危機的状況であることを契機に抜本的な改革を進めていくことが長期的に見ればより有益であって、同時にそうしたあるべき将来像に関する議論については未だ不十分であるという立場ですが、もちろん医師会や病院協会といった経営者サイドに近い視点に立てば全く異なる見解があるのは当然ですよね。
このあたりに関してはそれぞれの立場での考え方があるところだと思いますが、ただし後述するようにそれでは日医あたりが経営者サイドの視点からなるほど、これは素晴らしいと絶讚されるようなアイデアを提示してきているのかと言えば、それがはなはだ心許ないからこそ本当に大丈夫か?と心配になってくるわけです。
その一方で今どき選挙時の政権公約を云々するというのも極めて空しいものがありますけれども、あの劇的な政権公約の際に掲げられた公約がことごとく反故にされているという批判もある中で、せっかく獲得した日医を始めとする医療系支持団体を敵に回すようなことを言い出すというのは、好意的に考えれば現政権も目先の票対策を離れていよいよ腹をくくってきたかという考え方も出来るのかも知れません。
となれば、当然ながらこの際ですから徹底的に医療の歪みを空気を読まずに(失礼)是正していくべきではないかと思うのですけれども、どうも関連する話題を取り上げていくと未だに覚悟が不徹底であるかのような話に終始しているらしいのが気になるところで、結局選挙で批判を受けそうな部分は全く手つかずということになりそうな気配なのですね。

窓口100円負担、見送りで調整 前期高齢者2割負担も 一体改革で政府・民主党(2011年11月27日産経ニュース)

 政府・民主党は26日、社会保障と税の一体改革に向けた医療制度改革で、来年の通常国会に提出する法案について、外来患者の窓口負担に一律100円を上乗せする「受診時定額負担制度」の導入を盛り込まない方向で調整に入った。厚生労働省の社会保障審議会部会などで「治療が必要な患者の受診抑制につながる」との慎重意見が強いためで、今後の検討課題として先送りする公算だ。

70~74歳の医療費の窓口負担の1割から2割への引き上げも、高齢者への周知が間に合わないため実施を見送る方針

 小宮山洋子厚生労働相は一体改革のうち年金制度改革について、来年の通常国会への提出法案には給付拡充策を優先して盛り込む方針を表明している。財源となる消費増税関連法案の成立を優先させるため、負担増となる政策を極力先送りする狙いがあるが、年金や医療の財政健全化が停滞する懸念が出ている。

 受診時定額負担制度の導入で確保できる財源は約3700億円。一体改革案では、これを医療費の窓口負担が一定を超えると払い戻される「高額療養費制度」の拡充に充てることが明記されていた。政府はがん治療などの医療費の高額負担が指摘される中、高額療養費制度の拡充は実現したい方針。別途財源を確保し、一部でも実施に移す方向で再調整する。

 受診時定額負担制度は、病気で病院を訪れるたびに、窓口で100円(低所得世帯は50円)の追加負担を徴収する制度で、初診や再診のため病院を訪れるすべての患者が負担する。このため月平均4回は通院しているとされる高齢者に影響が大きい。民主党内の議論でも「低所得者、高齢者に厳しい制度だ」と反対論が強まっていた。

 一方、高額療養費制度の拡充は、払い戻しを受けられる自己負担額の月額上限(8万100円+医療費の1%)を(1)年収300万円以下で4万4000円(2)年収300万円超~600万円未満で6万2000円(3)年収600万~800万円で8万円-に引き下げる案が検討されている。

そもそも高齢者負担が一割に据え置きというのは本来の制度の趣旨からすればあくまで暫定的な措置だったはずですが、これまた高齢化進む日本においては大票田となる高齢者向け選挙対策として窓口負担の正常化(それでも二割ですから現役世代よりは優遇ですが)を見送った結果、結局そのしわ寄せは生活苦に喘ぐ現役世代に回ってくるということは言うまでもありません。
日本ではもともと窓口負担は高いのだから、窓口負担の引き上げによって受診抑制を図るのは間違いだという声がかねて根強くありますが、それでは日医を始めフリーアクセス堅持を主張し、いつどこであれ誰でもどんな医療機関に自由に受診する権利を持つと主張する方々はどのような方法論によって増え続ける医療需要を抑制しようとしているのでしょうか?
無論、日医ら経営サイドに近い立場の方々からすれば需要抑制などとんでもない、むしろもっと国民が医療を利用しお金を落としてくれるようにしなければならないと考えていらっしゃるのでしょうが、同時にあくまでも国民皆保険制度維持、自由診療も混合診療も反対と訴えているわけですから、結局公費を際限なく投じて業界を保護しろと主張しているのと同じ事だと国民からは見えることでしょう。
むろん今回国が言い出した再度の医療費抑制政策への回帰は医療への将来的展望に基づいてのものだとは到底考えられませんけれども、もしも医療業界が今後も診療報酬を上げ続けなければ生き残っていけないという稚拙な経営戦略しか提示できないというのであれば、そのやり方はいずれ必ず行き詰まるということは今や当事者以外の誰にでも目に見えているということです。

医療は経営的観点から行ってよいものではない、どんなに経営的には不利になっても全国津々浦々の僻地に至るまで高度な医療設備と各診療科の専門医を取りそろえた立派な病院を用意しておくのが理想であると言う主張は確かに受けは良いかも知れませんが、経営面はさておいてもそうしたやり方はすでに現場のスタッフからNOを突きつけられて破綻しつつあるわけです。
それを避けるためには身の丈にあった現実的な医療供給体制への戦線縮小を図るなど、需要側ではなく供給側の観点に立った永続可能な医療体制を模索すると同時に、例えば皆保険制度堅持にとどまらず、場合によっては自由診療・混合診療をも積極的に取り入れていくといった今までと全く違ったやり方も必要になるのだと思います。
ところが何もかも今まで通りのやり方を変えるのは一切まかりならん、ただそれでは経営が苦しいから診療報酬はどんどん引き上げろと言わんばかりの日医の主張を聞いていると、この国難続きの時代にあってひどく浮世離れした人たちなんだろうなという感想しか出てきません。
従来のやり方ではもはや確実な破綻が避けられない以上、身の丈にあって永続可能な医療体制への再編を図るなら今こそ業界的必然性もあり、国民の理解も得られやすい好機であると言えるはずですし、逆に言えば長期的にみて最も誰のためにもならない悲惨な結末とは僅かばかりの目先の報酬増と引き替えに、今まで通りのシステムの永続を約束して(させられて)しまうことではないでしょうか。

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2011年11月27日 (日)

今日のぐり:「荒木屋」&「かねや」&「波積屋」

先日出ていたこちらのニュース、何やら動画を見ているだけでも心臓の弱い人間にはきつそうなシロモノですよね。

気絶しそうな激速山下りコースター/オーストリア(2011年11月24日Yahooトピックス)

Mieders Alpine Coaster (with no brakes!!)

    オーストリアにあるアルペンコースターで一気に山を下る映像。ノンブレーキでどんどんスピードにのっていきます。後半、早すぎて見ていて怖くなる!

ちなみにこのコースターを外から見た映像がこちらだと言うのですが、画面の端につま先が写っていることからも判るように単なるボードの上に乗って2点式ベルト一つで固定しているだけですから、うっかり荷重移動を失敗すると林を切り開いたようなコースだけに大変なことになりそうにも思います。
今日は敢えて危険に挑むというオーストリアのチャレンジャー達に敬意を表して?、この世の中には思いがけないところに思いがけない危険が一杯というニュースを紹介していきたいと思いますが、まずはいつものように大分合同新聞からこちらの事件を取り上げてみましょう。

ハチに教わるホウレンソウ(報・連・相)/大分(2011年11月10日大分合同新聞)

 先日の昼、大分東署管内の交番の若手署員がバイクでパトロールに行こうとしたところ、駐車場の周りを1匹のスズメバチが飛んでいた。「危ないな」と思いつつもそのまま出発。交番に戻ってくると、パトロールから帰ってきた先輩署員がバイクを止めようとしていた。「そういえばさっき、ここにスズメバチがいましたよ」と伝えると、「刺されたら危ないだろ。そんな大事なことはその時に言ってくれよ」と怒鳴られた。「確かに、ささいなことでも報告・連絡・相談は大事だな」と反省する若手署員。

確かにスズメバチはうっかりすると命を落とす危険があるとは言え、例によって例のごとくなイラストからは全く危機感が伝わってこないのが大分だなあというニュースですが、しかしいつも思うことにこんなニュースまで拾い上げてくるとは大分合同の取材網はいったいどのようになっているのでしょうね?
アメリカではそれはさすがにどうなのよ?というこんなニュースが出ていますけれども、まずは夫にとっての思いがけない危機とも言うべき事件の顛末を記事からご覧いただきましょう。

アメリカ:ゲームにハマりすぎた夫をオンラインで売り飛ばそうとした奥さん/米(2011年11月23日livedoorニュース)

何事もほどほどに!!

アメリカ・ユタ州に住むある女性は、夫が『コール オブ デューティー』に夢中になり過ぎていることにイラ立ちをつのらせていました。そこで、ローカル情報を交換するためのサイト「Craigslist」で、夫を売ってしまおうと思い立ったようです。

「食べる事と1日中ゲームするのが好きな22歳の夫、売ります。世話は難しくありません。3~5時間おきに食べ物と水を与えて下さい。インターネットとゲームスペースの確保は必須です。優しい家庭に引き取られる事を望みます。条件によっては、トレードも受け付けます。」

21歳のアリス・バッドリーさんは、夫のカイルさんがあまりにも『コール オブ デューティー』に夢中だった為に、Craigslistで交換を持ちかけたとABC Newsに話しました。彼女は投稿する前に、義母に夫をCraigslistで売るつもりだと相談し、「あら、やっちゃいなさいよ」とノリノリな返事をもらったそうです。
誰からも連絡が来ないだろうというアリスさんの予想に反して、投稿してすぐに、数人からメッセージが届いたとのこと。

「ある女性はカイルを調教して私に返してくれると言いました。別の男性からは『自分は品行方正です。僕とカイルを交換して欲しませんか。ゲームよりも読書が好きです。』と書かれたメッセージが送られてきました。」

アリスさんとカイルさん夫妻は、カイルさんが兵役を完了する為にアフガニスタンに向う直前の2010年に入籍。アリスさんは、今回の投稿は全て冗談だったと語っています。

ちなみに「コール オブ デューティー」とは一兵卒としてひたすら戦場で敵を撃ちまくるというゲームですが、絵に描いたような幸せを謳歌するはずだった新婚の夫がアフガンから帰ってきたら部屋にこもりきりになってしまったと考えると、いたずらなどに講じていないでPTSDのようなものを考えて対応しておいた方が良かったようにも思いますね。
中国と言えば先の鉄道事故などもあってかすっかり高速鉄道にもケチがついたという状況のようですが、確かにこれでは思いがけない危険に遭遇もするだろうと思わされるのがこちらのニュースです。

鉄道建設を「素人」に発注の疑い、政府が調査乗り出す―中国(2011年10月22日サーチナ)

  中国政府・鉄道部は21日、中国国内メディアが先日「東北部のある鉄道建設工事を、建設業の素人である元コックの男性に発注した」と報じたことについて、「すでに調査を開始した」とコメントした。中国新聞網が伝えた。

  中国メディアの報道によると、2010年7月、吉林省白山市内を通る全長74.1キロメートル、総工費23億円(約275億円)の鉄道建設工事を、偽名の企業に発注したという。施工契約を獲得した企業側の工事責任者は、全く建設業界に関する知識のない元コックの出稼ぎ労働者だった。

  メディアは、建設プロジェクトは既にスタートしており、コンクリートを流し込んでつくる橋脚台に大量の石を投入してコンクリートを「節約」するなど、安全性に大きな問題が発生しているとも伝えていた。

  これに対して鉄道部の政治宣伝担当部門は「非常に重視しており、すでに調査を開始した」とコメントした。(編集担当:柳川俊之)

国家的プロジェクトをこんな怪しげな会社に発注するというのも怖い話ですが、そもそも中国においてはビルを建てるのにも建築設計士を入れずにいきなり作り始めるだとか信じられないようなことをやっているようなので、この程度のリスクはすでに織り込み済みということなのかも知れません。
同じく中国からこんな怖いニュースも出ていますが、しかしこの高圧空気というのは世界中でよくもこれだけ思いがけない危険をもたらしているものですよね。

ズボンの汚れ取ろうと尻に高圧空気噴射して腸管破裂=天津/中国(2011年10月21日サーチナ)

 天津市北辰区で17日、自動車修理店内で男性が腸管を破裂させる事故が発生した。中国新聞社が報じた。

 男性は自分の自動車がパンクしたため、近くの自動車修理店まで行き修理を依頼した。かがんでパンク個所を見ていたが、近くにいる人が、男性のズボンが泥で汚れているのに気づいた。

 そこで、汚れを吹き飛ばそうとタイヤに空気を入れるためのホースを男性の尻めがけて噴射した。強い圧力の気流が肛門から入り、腸管が破裂した。

 男性は病院に搬送され手術を受け、一命を取りとめた。

 専門家は、「タイヤに空気を入れるためにエアーコンプレッサーから出る気流は非常に強い。生き物の近くで噴射させるべきではない」と説明した。(編集担当:如月隼人)

どれくらいの時間でこういう事態に至るのかは記事からは判りませんけれども、押し当てずとも一瞬向けただけでこうまで大事に至るということであれば本当に操作には注意しておかなければならないでしょう。
一見すると同じような思いがけないリスクにも思えるのがこちらの事故なんですが、何しろ事が事だけに自業自得という側面も大いにありそうですよね。

【アジア発!Breaking News】「快感を得ようと」。ゴーヤをとんでもないところに入れた男性。/中国(2011年10月25日Techinsight)

中国広東省で肛門にゴーヤが入り込んでしまった男性が病院へ運ばれた。男性はゴーヤを肛門に入れて快感を得ようとしたところ、誤って入り込んでしまったと話している。

「新快報」が報じたところでは、病院へ運ばれたのは63歳の男性。奇想天外、長さ20センチほどのゴーヤを肛門に入れてみたはいいが、直腸、S状結腸まで入り込んでしまった。男性は手や箸を使ってなんとか取り出そうと試みたものの、取り出そうとすればするほど中に入り込んでしまう始末。とうとう出血してしまったため、病院へ運ばれ治療を受けた。

ゴーヤはかなり奥まで入り込んでしまっていたため、単純に肛門から取り出すのは難しく、手術によって中から押し出す方法が採られたという。男性にすれば、ちょっとした遊び心だったのだろうが、少々お遊びが過ぎたようだ。

内視鏡屋にすればこういう事態は多かれ少なかれいずれ経験せずにはいられないものですけれども、純粋にテクニカルな対処の難しさもさることながら事後のムンテラにおける話の接ぎ穂という点においてもなかなかに気まずいものではないかと思いますね。
思いがけないと言えばその存在自体がしばしば思いがけないのがブリと言うものですけれども、自称長い動物愛護の歴史を誇るブリとは言えこのリスクはさすがに想像も出来なかったに違いありません。

車動かなかった“犯人”はリス、車の内部にどんぐり約200個貯め込む。/英(2011年11月16日ナリナリドットコム)

車を日常的に利用している人なら、中にはJAF(日本自動車連盟)のお世話になったという人もいるだろう。英国にも、これと同様のサービスを行っているAA(英国自動車協会)という組織があるのだが、先日そのスタッフが不思議な車の故障に遭遇したそうだ。農場に停めた車が動かなくなったとの連絡を受けスタッフが現場に駆けつけてみると、見たところ何もおかしな点はなく、なぜ動かないのか、整備のプロたちは20分近くも頭を悩ませたという。

英紙ベージングストーク・ガゼットや英放送局BBCなどによると、11月5日、英南部にあるAAベージングストーク支部に勤めるアンディ・スミスさんは、1件の援助要請を受けた。車が動かずに困っているという所有者のもとへ、スミスさんはほかのスタッフと共に現場へ急行。木の下に停まっていたその車は、ザッと見た感じでは「特に何の異常もなかった」そうだ。

しかし、実際にアクセルを踏んでみると、確かにエンジンは動いているものの「パワーがなく」進まない。当初、スミスさんらスタッフは「ターボに関係する問題ではないか」と疑ったものの、そこに異常はなかった。そのほか、車が動かない場合に調べる箇所をくまなくチェックしたものの、結果はすべて異常なし。自動車整備のプロの経験則が当てはまらないケースに、スミスさんらは20分間車を調べ回ったという。

そして、さらに細かく調べようと「ボンネットを開けてエアフィルターを外した」(BBCより)スミスさんは、空気吸入口を覗いてようやく車が動かない原因を突き止めた。

そこにあったのは、約200個のどんぐり。なんとたくさんのどんぐりが「吸入口やパイプに押し込まれていた」という。どうやらこの車の空気吸入口をどんぐりの隠し場所に最適と考えた付近のリスたちが、木から集めたどんぐりの貯蔵庫として活用した結果、車はパイプを塞がれて動かなくなってしまったようだ。

やっと見つけた原因がリスの仕業と判明し、「みんな笑いが止まらなかった」(ベージングストーク・ガゼット紙より)と明かしたスミスさん。その後、携帯用の小型掃除機でどんぐりをきれいに吸い上げると、車は順調に走るようになった。まさかの行動を見せたリスたちに対し、スミスさんは「ほかの隠し場所を見つけておくれ」とお願いしたいそうだ。

無事に原因が判り対処出来たからこそ一同笑い話ですんだというものですが、これが仮に排気系の閉塞などであった場合には排ガス逆流や炎上など思いがけない事故にもつながったかも知れず、むしろ吸入口で助かったと言う考え方も出来るかと思いますし、あるいは冬を目前にして一冬の蓄えをいきなり失うことになったリスこそ最大の思いがけない被害者であったかも知れませんね。
各方面で思いがけず大きく取り上げられた結果ご存知の方も多いと思いますが、病気には病気自体の危険の他にもこんな思いがけないリスクもあるのだなと感じさせられるのがこちらの記事です。

「起きたらゲイだった」脳卒中から回復したラグビー選手、同性愛に目覚めて美容師に転職/英(2011年11月12日らばQ)

脳卒中などの発作の後にドラマチックに命が助かると、記憶を失っていたり、性格が急に変わったりということが時々起こるようです。
ラガーマンのイギリス人男性が発作を起こして倒れたのですが、目覚めると同性愛者になっていたというニュースがありました。

クリス・バーチさん(26歳)はラグビーをするストレート(異性愛者)の青年でした。ところが練習中にバク転に失敗して首を骨折、脳卒中の発作も起こしてしまいました。
どうにか回復するまで至ったものの、目覚めるとそれまでの仕事は辞めて美容師になり、彼女との婚約を破棄して男性とデートを始めたと言うのです。

「起きたらゲイだった」と言うクリスさん。
「変な話だけど、目覚めるとはっきりとした違和感があり、急に女性に興味が持てなくなった」と語っています。
以前は男性に興味を持ったことなどはなく、ゲイの友人もいなかったと言います。しかしながら、過去の自分がどんな風であったかはどうでもよくなり、自分の気持ちに正直にならなくてはいけないと感じたそうです。

事故を起こす前は、交際していた女性と結婚して落ち着き、週末にはスポーツや友人と飲んだりして過ごす予定でいたとのこと。
ところが事故前の自分の人生が全て嫌になり、知人ともうまく行かず、スポーツも嫌い、髪の毛にはブリーチを入れました。以前の彼を知る人は、現在の姿を見ても誰なのか判別がつかないほどだと言います。
専門家によると、卒中から回復する過程で脳が別の新しい神経を接続し直すため、それが引き金となって今まで気づいていなかった別の自分が表に現れることがある、と説明しています。

今は、自分の働く美容室の上階に男性の恋人が住んでいるとのことで、別の幸せをつかんだことに満足してるそうです。
人体の不思議を感じるニュースではありますが、元恋人にとっては、かなりショックな出来事だったのではないかと思います。

ま、本人達が幸せだと言っているのならこれまたハッピーエンドと言っていいのかも知れませんが、ただしなにぶんにもブリの事ですから、大病を患ったことを口実として今まで秘匿していた性癖を公然のものとした可能性もあるやに思うのですが…
そうまでして秘匿しなければならないという理由の一端を示すのがこちらの記事なんですが、しかし傍目には変○さんの巣窟のようなブリにおいてもこの種の事件が起きるということなんですかねえ…

ゲイマネージャーが生きたまま火あぶりに/英(2011年10月25日探偵ファイル)

先週土曜、スコットランド・カムノックの工業団地の道端で街灯に縛られた黒焦げの遺体が発見されました。
調べによると被害者はホテル従業員のスチュアート・ウォーカーさん(28)であることが判明。さらに殺害の状況としてこんなことがわかっています。

・殴る蹴るなどの激しい暴行を受ける
・街灯に縛り付けられる
・生きたまま火あぶりにされる

なぜ彼はそんな残酷な殺され方をしなければいけなかったのか?地元警察ではこんな推測がされています。

スチュアートがゲイだったから

「被害者遺体には生前に激しい暴行を受けた痕がある。また生きたまま火あぶりにする行為は大きな恨みや嫌悪からくるものだろう。同性愛者を激しく憎む者の犯行である可能性は高い」

スコットランドでは反同性愛者差別法などが施行されていますがそれでも同性愛者が被害者になるケースは少なくないといいます。英国全体として異性愛者の男性に比べ同性愛者の男性が被害者になるケースはおよそ4倍といわれています(2005年)。
彼が火あぶりにあったという街灯には地元の人はもちろん事件を知った遠方の人たちによる献花がされています。警察では現在監視カメラの解析や目撃情報の収集などをすすめているとのことです。

あくまでも状況から推測されているというだけで事実がどうであったかははっきりしませんが、ちなみに世の中には近親憎悪という言葉もあり、好きの反対は嫌いではなく無関心だなどとも言いますから、案外こんな事件が発生するほど同性愛者が憎悪されているというのも裏を返せば…

今日のぐり 出雲蕎麦その一「荒木屋」

とりあえず新蕎麦の季節と言えばそば処巡りということで、まずはやってきたのが山陰の蕎麦処出雲ですが、大社界隈に来れば必ず立ち寄るのがこちら「荒木屋」さんです。
何やらまた入り口周りを少し手を入れたのでしょうか、少しあつらえが変わっているようなのですが、脇に用意されたトイレも清潔な上に広々と観光地の店舗として模範的ですし、何より以前に来たときに多少の違和感を感じずにはいられなかった自動ドアをやめたらしいのはいいですよね。

新そばの張り紙が強い引力を発生する中での割子ですが、こちらの蕎麦はしゃっきりとした細打ちで舌触り、噛み応えそしてのど越しいずれも合格点、何より鼻に抜ける香りがいかにも新蕎麦らしく立っているのがいいですよね。
特筆すべきなのは観光地の食べ物屋というと多忙なのを口実にしてしばしばいい加減な茹でや洗いの店も多いんですが、この日の荒木屋は水切りまでも含めてほぼ完璧と言っていいレベルの仕上がりで、こうなるときちんと蕎麦と別皿に薬味が用意されているありがたみがしみじみと味わえるというものです。
割子蕎麦というとかなりはっきり甘いと感じる蕎麦つゆを合わせている店も結構あったものですが、こちらは普通に蕎麦つゆらしいと言うのでしょうか、甘口ではあっても甘過ぎない程度でこの蕎麦とのマッチングもいいですから、この界隈で食べるとしたらまずは入れておきたい鉄板ですね。
唯一の不満はせっかくいい具合になっている蕎麦湯が湯飲みで出ることなんですが、接遇も多忙さは感じさせるものの落ち着いて堂々としたものですし、老舗がいい感じに時代に適合した一例というところでしょうか。

今日のぐり 出雲蕎麦その二「かねや」

飲食店の建ち並ぶ表参道から入った裏通りにほぼ隣近所と言っていい立地で並んでいることから、荒木屋とセットのように訪問する事が多いのがこちら「かねや」さんですが、その蕎麦の方向性は全く真逆とも言えるものですよね。
きちんと蕎麦屋の蕎麦している荒木屋と比べるとこちら例によって短い太打ち…と言えば聞こえはいいんですが、太さも不揃いなら茹で加減も当然ながら不揃いで、ポキポキ硬いところもあれば半ば溶けかけているような部分もありと、田舎蕎麦の典型とも言っていいような仕上がりです。
普通に蕎麦屋として考えれば正直あまり高い評価は得られないんだろうなと思う仕上がりなんですが、出雲の蕎麦屋のかなり多くでこうしたスタイルのものが見られるのも事実で、元々は痩せた土地の救荒作物的に利用されてきた蕎麦の歴史を考えれば、本来こうした素人料理的なところが多分にあったはずなんですよね。

こちらの割子は薬味も全部載せた通常のスタイルで、これに甘めの蕎麦つゆをかけ回すと蕎麦の風味と噛み応えが強いという、出雲蕎麦本来の味わいを楽しめるというもので、これはこれで蕎麦農家にお呼ばれしたような気になってきますよね。
出雲蕎麦のもう一つの特徴とも言うべきなのが茹でた蕎麦をそのままどんぶりに入れた釜上蕎麦ですが、こちら蕎麦の食感は落ちるのですが蕎麦風味はさらに濃厚になると言うもので蕎麦掻きなどが好きな向きには楽しいものなんですが、それだけに意外に薬味が利いていて大根と海苔が新蕎麦の風味よりも強すぎたのがちょっと勿体ない感じでしょうか。
蕎麦湯はドロリと濃厚なタイプで、蕎麦自体は別に大盛りというわけでもないんですが、これを飲むとごちそうさまという感じになりますよね。
よく言えば昔ながらの小さな町の蕎麦屋風というのでしょうか、荒木屋と比べると総合的な快適性でずいぶん差があるのは仕方がないのかなとも思いますが、これはこれでかねやさんの味というものなんでしょう。

今日のぐり 出雲蕎麦その三「波積屋」

一転して古風な民家を利用している風情ある店構えなのがこちら出雲空港にほど近い「波積屋」さんですが、やはり新蕎麦の時期に紅葉おろし他の薬味が入るのは勿体ないということもあって、こちらでは敢えて割子ではなくざるをいただいてみました。
蕎麦茶が何ともいい香りで期待値を高めてくるこちらの蕎麦、ちゃんとツユは徳利に入れてあるのも良いところなんですが、細打ちでしゃっきりとした打ち上がりの基本的にはいい蕎麦だと思います。
ただせっかくの蕎麦も荒木屋に比べてみると微妙な茹で加減もさることながら何より洗いが悪く、表面にぬめりが残っていて舌触りも悪いし、水切りも不十分で蕎麦つゆとうまく絡まないのはちょっと仕事の荒さを感じさせますよね。
割合に辛口の蕎麦つゆはざる蕎麦として程よい感じなんですが、そうなるとせっかくの新蕎麦に海苔トッピングはいらないかなとも感じてしまうもので、これまた荒木屋と比べると他の薬味は別に小皿に持ってあるというのに妙なところで惜しいなと感じてしまいます。

こちらの蕎麦湯もかなり濃厚タイプで、わざわざ蕎麦つゆの量を加減しなくてもきちんと湯飲みもついてくるのは親切と言うものですが、こういう配慮にも現れているように基本的に観光客向けの店というもので、そうは言ってもそこそこまともな蕎麦が空港からも通える距離で食べられるのはよいことですよね。
ちなみに接遇は少しバイトっぽさが抜けきらないというもので、何しろ建物にこれだけ味があるだけにかなりミスマッチなんですけれども、かつての庄屋の屋敷に奉公に来ている近在の娘さんを想像しながら食べて見るとこれもまたよし、なんでしょうかね…?
しかし今回は荒木屋の底力を思い知ったと言うのでしょうか、以前に店の空いた時間帯に行きましたら食べている間中隅に陣取った親父さんにじっと注視されてしまったと言うことがありましたけれども、なるほどそれだけ真面目に蕎麦屋をしているということなんでしょうかね。

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さらなる勢力拡大を図るあの方達の眷属

市民団体というといろいろとありますが、先日三重県は四日市からこんな市民団体の活動を示すニュースが出ていました。

四日市市立病院に8427人署名 委員会への市民参加求める/三重(2011年11月23日中日新聞)

 四日市市立四日市病院の医療安全管理委員会への市民参加などを求め署名活動をしていた市民団体「安全で安心な医療を願う会」の阪本則子代表(54)=同市あかつき台=は22日、市総合会館で8427人分の署名を同病院の村田智事務長に手渡した。一昨年9月から今月までに県内外で集めた。多くは四日市市民という。

 同委員会は医療事故の事例の検討などをする組織で、医師や看護師ら院内の10人で構成。阪本代表は、医療事故のとらえ方や情報公開の考え方で、病院と市民に隔たりがあると主張し、署名では委員会の体制強化と市民代表の参加を求めた

 村田事務長は、委員会内で個人情報を扱うことなどから市民参加に難色を示したが、「安心な医療を提供してほしいという思いは分かる」として、情報発信の手法の検討には前向きな姿勢をみせた。 (福岡範行)

一般論として医療の利用者が市民である以上、その利用者の視点を入れていくということは顧客満足度向上のためにも有益であると考えられますが、個人情報保護についてはすでに産科無過失補償制度において一般公開可能な書式についての議論が進んでいるわけですから、技術的な諸問題点については必ずしも解消出来ないものではないと思います。
それよりも根本的な問題となるのが市民の視点を取り入れるというのであれば、その大前提として取り入れられる視点が正しく市民のそれを代表していることが必要であるはずなのですが、単に声が大きいだけで市民目線からかけ離れた極論ばかりを主張するプロ市民の方々ばかりの意見を聞いていたのではとんでもないバイアスがかかってしまうことになりますよね。
この観点からすると「安全で安心な医療を願う会」なる団体の素性が今ひとつ明らかではないのですが、坂本則子氏についてはあの勝村久司氏が幹事を務めることでも有名な「医療過誤原告の会」の中部地区例会(本年5月開催)でも活躍をされているようですから、やはり勝村氏らの流れに連なる活動家の方ということになるのでしょうね。

三重県四日市市で「安全で安心な医療を願う会」を立ち上げた坂本則子さんから、医療事故問題解決後の被害者活動として、教訓的な報告をしていただいた。
お父様の医療事故を通じて、地元の市民病院が市民参加による医療安全のしくみをつくることを願い、医療安全委員会への市民参加を求める署名活動(到達8500名、目標2万名)を行っている

もちろん医療事故被害者の方々が独自の活動をされることは全く心情的にも理解出来ることですが、いわば医療ということに関して特殊な経験をされてきた彼らが一般市民代表としての地位を主張するというのは、逆に本当の素朴な市民の声を覆い隠してしまう危険性も大いにあるということです。
中医協なども「すべての医療裁判は隠ぺいや改ざんとの戦いにすぎない」と主張する勝村氏を患者側の代表として加えたことでどのような歪みが発生したかを思い出すとき、二度とその種のバイアスは避けなければ国民に等しく不利益をもたらすだけだと考えられますから、四日市市立病院においてもきちんと正しい道を見極めての対処を望みたいものですね。
ただ今後のことを考えるとこの種の団体が勢力を増しこそすれ弱まることはないだろうと考えるのは、近年の過剰とも言われる弁護士人口の急増で彼らを支援する弁護士には事欠かないという背景事情があるからで、実際にこのところ全国各地で相次いで医療事故相談窓口が開設されるようになっています。
かつては弁護士にしてもそれなりに信念のようなものがあって、「医療訴訟の件数がこの程度で済んでいるのは明らかな無理筋は我々のところで止めているからだ」と言う声も聞きましたが、何しろ新司法試験制度下で誕生し仕事にあぶれつつある弁護士はそうした判断を正しく行うだけの経験値に乏しく、何より食べていくのに四苦八苦しているという悲しい現実があります。

弁護士という職業の報酬制度を考えると、本来裁判に持ち込みさえすれば勝っても負けても一定額の弁護士報酬が得られるわけですから、ダメ元でどんどん訴えさせた方が確実に稼げる、しかしそれを今まで行ってこなかったのは恐らく医師が無駄な治療をよしとしないのと同様に、彼らなりの職業的なプライドというものがあったのだと思います。
しかし現実的に食べていくために手段を選んでいられないほどワープア化が進んでしまえば職業モラルが低下していくのも当然で、すでに当の法曹専門家の方からも弁護士は急激に増やしすぎだ、このままでは大変なことになるという警鐘が鳴りっぱなしという状況になっているわけですよね。
実際にこのところ全国各地で弁護士人口に関するシンポジウムも開かれているというくらい当事者の危機意識は高まっているようですが、単に平均年収が下がって弁護士が危機感を抱いているというレベルではなく、市民にとっても今後思いがけないことで訴えられてしまうリスクが急増するかも知れないという意味でも問題意識を持っていかなければならないはずです。

12月1日 法曹人口問題に関するシンポジウム(東京弁護士会HP)より抜粋

市民にとって望ましい弁護士の質と量

~司法の現場で今起こっている法曹人口・法曹養成をめぐる諸問題について弁護士会側の問題意識を提示し「市民の視点」からご意見を伺い検討します~

法曹人口は、2002年閣議決定に基づき、この10年間、急激な増員政策が取られてきました。日本弁護士連合会も 「国民の必要とする数を、質を維持しながら確保する」 という方針のもと、これを受け入れてきました。

しかしながら、2001年司法制度改革審議会意見書が予測した法的需要の増大が実際には十分に現われていない現実とも相俟って、司法試験合格者の急増は、現在、例えば以下のような懸念を生み出しています。

・ 合格者の一部に基本的な知識・能力不足の者が見受けられることから、法科大学院及び新修習制度が、急激な合格者増加に対応しきれず、「法曹の質」の維持という観点から見て十分に機能していないのではないか。

・ 司法修習生に深刻な就職難問題が発生しており、その結果、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)による実務家として必要な経験・能力の修得が十分にできていない弁護士が、社会に大量に生み出されるのではないか。

この問題は、質と量の両面において、どのような弁護士が市民に必要とされるのか、という問題でもあり、弁護士側の独りよがりにならないためにも、市民の目線で検討することが必要です。
(略)

このところ財政難もあってようやく日本でも抜本的な利権や既得権益の見直し議論が出てくるようになりましたが、一方では思うように世の中を動かしたいという願望を持った人たちがいて、他方ではその人たちに手段を提供出来る人々が仕事もなく世にあふれているというのは、考えて見ると新たな利権が形作られていくにはずいぶんと 都合のいい状況になってきたのかなと不安を感じています。
医師と弁護士と言えばともすると医療訴訟などを通じて敵対的な関係ばかりがクローズアップされてきましたが、お互いに数が急増しつつある今だからこそ専門職としてきちんと意思疎通を試みていかないと、思いがけない行き違いからとんでもない事件に巻き込まれる羽目にもなりかねませんよね。

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2011年11月26日 (土)

マスコミ業界の常識は世間の非常識?!

民間企業平均の50倍というその圧倒的に高い犯罪発生率を誇り、とりわけその性犯罪のあまりの多さから今や「不祥事のデパート」の異名をほしいままにするNHKですが、職員一同の興味の方向性をダイレクトに反映してか(苦笑)昨今取り上げるのは性関連の話題ばかりだとも噂されています。
そのNHKがまたもや国民の受信料を自分たちの欲望を充足する番組製作のために惜しげもなく投じていたと話題になっているのがこちらのニュースですが、こういう最初からそうありたいと意図してやっている行為までも「事故」と呼ぶものだとは知りませんでしたね。

料理番組で胸強調しすぎ、NHK謝罪(2011年11月25日スポーツ報知)

 NHK・Eテレの料理番組「楽ごはん」に今月中旬、バスト95センチのグラビアアイドル・手島優(27)が、胸元が大きく開いたエプロン姿で出演していたことが分かり、金田新・放送総局長が24日の定例記者会見で、不適切な演出であったことを認め、謝罪した。また、朝の情報番組「あさイチ」で、食事に含まれる放射性物質の量について、誤った数値を放送したことについても謝罪。思わぬ“ダブル謝罪”定例会見となった。

 NHKの深夜の料理番組で、グラビアアイドルが胸の谷間を強調するまさかの“放送事故”が発生していた。

 問題となった番組は、タレントや料理研究家らが週替わりで講師となり、毎日1品ずつ料理の作り方を紹介する「楽ごはん」(毎週月~金曜・深夜0時55分)。今月14~18日は「愛がいっぱいIカップ」というキャッチフレーズで活躍する手島優が講師として登場。栄養士の資格を持つ手島が「愛がいっぱい“ぷるるん”レシピ」と題して、エプロン姿でバスト95センチの胸を自ら両手で寄せて強調してみせる過激演出を連日みせた。5分間の番組の冒頭では、手島のビキニ姿の映像も放送された。

 金田新・放送総局長は定例会見で「今回は(度を)越してしまった。反省している」と不適切な演出だったことを認め、謝罪した。一部週刊誌報道を受け、記者からの質問に答えた。

 新山賢治理事は「NHKはお高くとまっていて、とっつきにくいイメージがあったので、目線の低い新しいNHKにしようと思ったのかもしれないが、私の目からみたらこざかしい演出」と制作現場に苦言を呈した。

 手島は、08年6月に「日テレジェニック2008」に選ばれ、グラビアアイドルとして活躍。今年8月には、プロボクシングWBA世界バンタム級王者・亀田興毅のV2戦で、熊田曜子らとともにラウンドガールとして登場。セクシービキニと自慢のIカップ巨乳で、日本武道館を沸かせた。

ちなみに有志の方からご提供いただいた実際の画像はこちらですが、しかし「今度は越してしまった」とはタイトルを見ても内容を見ても常にギリギリの限界を狙ってやってるんですかという話で、国民から強制的に金を取ってまでこういう料理番組(笑)を目指すNHKに比べれば、安宿の有料チャンネルの方が任意に選択出来るだけ遙かに健全で良心的というものでしょうね。
天下のNHKにしてこの調子なのですから、マスコミ関係者の方々の感覚というものはどうも少しばかり世間と乖離しているということなのでしょう、近頃のバラエティーは公開いじめを皆で馬鹿笑いして眺めるだけで低俗だと言う声もあれば、いやむしろ昔の方がずっとひどかったという意見もありと、いずれにしても歴史的にみても彼らテレビが世の批判の対象とならない時代はなかったという事ですね。
さて、かつて奈良県の名を全国に知らしめた大淀病院事件においても、捏造報道で現地の産科診療を崩壊させた青木絵美記者本人は大阪に逃亡して出産していたことが世の怒りを買っていましたが、再びそれを彷彿とさせるような事件が福島で起こったということです。

県民を怒らせた「福島テレビ」の女子アナの“逃亡”(2011年11月24日ゲンダイネット)

「福島テレビ」の女子アナウンサーが退職して故郷の金沢に戻った。6歳の子どもがいるうえに新たな妊娠が分かったからだが、この“避難”がネットで話題になっている。11月17日付の北陸中日新聞に実名で登場、福島県民が聞いたら「エーッ」という話を吐露したからだ。

 例えば――。

〈(震災後)初めて金沢に戻った時、友人が食事に連れ出してくれた。豊富な食べ物、汚染を気にすることもない。「これが普通の生活だったんだ」。涙が出た〉

〈伝えるニュースに「これでいいのか」という疑問がふくらんでいく。福島駅近くでサクランボをほおばる幼稚園児の話題。洗わないまま『おいしい』と言って食べる“安全性”のアピール。「これって放送していいの?」と思わずにいられない

 記事を読んだ福島県民の胸中は複雑だ。

「彼女は夕方のニュース番組を担当し、原発事故後も視聴者に『汚染は心配ない』というニュースを伝えてきました。彼女がいみじくも言うように『テレビが言ってんだから安全だべ』と考えた人も多かったはずです。笑顔で『安全、安心』の原稿を読みつつ、本心は疑問を感じていたのだとしたら、何なのか、と言いたい」

 この元女子アナは、福島テレビに15年勤務し、今年7月に退職した原田幸子さん(37)。いろいろ苦悩したのだろうが、ザンゲするわけでもなく、平然と新聞に出てこられると、県民ならずとも違和感を覚える

個人的には大規模災害において自らの身を守ることを最優先することは批判に当たらないとは思いますが、視聴者に対して自らも信じていない嘘を平然と放送し自分だけはさっさと一人逃げだしたというのであれば、実際の食品安全性がどうであれ福島の方々も良い気分にはなれないでしょうね。
ローカル局と言えば平素から地域社会に分け入って草の根の情報を探し出してくるのが仕事のようなもので、当然ながら地域社会に暮らす人々との間のコネクション、信頼関係の形成というものが職務上も非常に重要なものであったと思われますが、このアナウンサーにとってはそうした関係も仕事上の必要で仕方なくこなしていただけの職務的義務に過ぎなかったということでしょうか。
今どきマスコミなど信用する方が馬鹿だと言うのは定説ですが、またその定説の裏書きをするような事実をこうして突きつけられてしまうと、なるほど彼らの職業倫理とはこうしたものなのか…と改めて感じずにはいられませんよね。
職業倫理と言えば「テレビなどはしょせん俗悪極まるものである!マスメディアの本流は新聞だ!」と鼻息が荒かったのが新聞社ですが、先日は朝日も四半期決算で赤字転落するなど世間の支持を失いつつあるのもこういう事情があったのかと、改めて思い知らされるような事件が起こって話題になっています。

捜査員に千葉日報記者腕章貸す…バス立てこもり(2011年11月17日読売新聞)

 千葉市の路線バス立てこもり事件で、現場で取材中の千葉日報社の男性記者(28)が捜査員に同社の腕章を貸していたことが分かった。

 県警によると、荘司政彦容疑者が「マスコミを呼べ」などと要求したため、千葉中央署刑事1課長が、捜査員に記者の腕章を借りるよう指示。ほかの社の記者に断られ、同社の記者から借りたという。腕章を付けた同署員は約10分間、記者にふんしてバスの近くに立ち、説得中の捜査員が「報道関係者が来ている」などと話したという。

 千葉日報社によると、男性記者は「一刻を争う状況で人命を優先させて個人で判断した」と説明したという。同社の大沢克之助・編集局長は「人命救助を優先した人道的行為と受け止めているが、記者倫理に慎重、適切さを欠いた行為。本人には厳重に注意をした」とコメントした。

「人命救助に貢献すれば厳重注意」「社会常識的にありえねえw」「人としての倫理を捨てるのが記者倫理かよw」とすっかり炎上してしまったこの事件、マスコミ各社も一斉に報道したくらいですから現地には大勢の記者達が詰めかけていたものだと思われますが、他社は悉く警察からの協力要請を拒否したというのですから彼らの世界の常識ではそうなっているということなのでしょうね。
こうした方々が自称「社会の木鐸」として日本人の啓蒙に努めると言っているわけですから、彼らの理想とする社会がどんなものであるのかは想像に難くありませんけれども、幸いにも未だ多くの日本人に健全な常識が残っていると安堵させられるのが昨今彼らの経営状況がそろって悪化しているという事実で、いずれポストに新聞が入っていると言えば「あのお宅の皆さんはちょっと変わり者でねえ…」と噂されるような日が来るかも、ですね。
これがひと頃は社会的信用の低い存在の代名詞だった週刊誌などともなれば、最初からモラルなど期待出来ないものだという認識が先立つせいか今更批判する人も多くはないようですが、先日以来続いている大阪市長選の橋下候補に対するモラルを欠いたバッシング報道などはますます盛んになっているようです。

橋下徹氏 大阪の旧遊郭街・飛田新地組合の顧問弁護士だった(2011年11月25日NEWSポストセブン)

大阪通天閣よりさらに南、西成区山王3丁目一帯に、飛田新地という旧遊郭がある。この街と、橋下徹・前大阪府知事との間には、意外な関係があった。作家の山藤章一郎氏が報告する。

* * *
いまも見世に坐った20歳ほどの娘が通りを行く客にほほえむ。ファッション誌に載っているような美形ぞろいである。隣りに、「にいちゃん、寄ってって」と声を嗄らす婆さんがつく。

声につられて店の2階に揚がる。薄い布団が敷いてある。美形は全部脱いで、男を楽しませる。

売春が生業の地域である。15分1万2000円。組合で値段は統一されている。『さいごの色街 飛田』(筑摩書房)のルポ取材で12年通った著者の井上理津子さんは、2009年の秋、この組合会館の応接室に通されて、「おやっ」と思うものを目にした。

西成警察署、大阪市消防局の感謝状にまじって一枚の写真が飾られていた。茶髪の男と組合長が並んでいる。

〈「あれ? これ橋下知事。『行列のできる法律相談所』に出ていたころの橋下知事ですよね?」
「そうや。組合の顧問弁護士。一回、講演に来てもろた時に写したやつやな」と幹部〉

組合幹部の名札とともに〈橋下事務所〉という札もかかっていた。講演だけではなく、すでにこのころ、橋下は〈飛田新地料理組合〉の顧問弁護士だった

一見すると橋下氏が売春に関与していたかのような記事にも見えて、よく見ると色町の組合と言っても料理組合の顧問弁護士になることの何が問題?と感じる人も多い記事だと思いますが、一応伝聞に基づいて解説しておくとこの界隈にあるのはあくまで「料亭」であって、その内部で女性方と自由恋愛するのは構いませんよという形になっているということです。
「西成警察署、大阪市消防局の感謝状にまじって」などと書かれているように料理組合もまた地域の真っ当な自治組織の一つであって、そもそもどんな職業であれ顧問弁護士を雇う権利を持っているのは当たり前ですから、それが悪いことのように言うのであれば法治国家そのものが成り立たないのは当然ですよね。
公立病院などでは警察や刑務所からの搬送依頼というのはよくあるもので、マスコミ連中の手にかかれば犯罪者を寝る間も惜しんで必死で救命しようとした医者達も極悪犯罪の共犯であるかのように報道されかねないということなのでしょうが、本当にこの橋下報道を巡っては彼らマスコミ人の人権意識がよく判るという、語りに落ちる記事ばかりだというのが興味深いと思います。

マスコミとしては現職への応援記事のつもりなのでしょうが、百歩譲って料理屋の体を取った売春宿の存在が問題で、そんなものの存続に手を貸すのがケシカランと言うのなら、今までそれを放置してきた各既成政党が手に手を携えて総推しする現職市長の方が圧倒的に不利と言う事になってきませんか?
ちなみにその現職市長がマスコミ出身であることは知られた事実ですが、かつて子供の頃からすでに父親の膝の上で博打三昧、マンションを買えるほど負けているというくらいの博打好きを公言していたこの市長、今や報道ではこうした過去は悉く抹消されて無かったことにされているというのもマスコミの思惑を感じさせる話だと思います。
いずれにしても橋下氏も元々電波芸者として名を売った御仁ですからこうしたマスコミの流儀は百も承知ということなのでしょう、先日以来「普段人のことばかり調べてるんだから自分が調べられる立場を経験しなさい」「非常識な権力機関である週刊誌に対しての権力チェックも必要です」と週刊誌記者の実名ツイートを始めるなど反撃の構えを見せていますから、そういう観点からも注目を集めているダブル選挙ということになるのでしょうか。

ところでこうまでマスコミの常識は世の中の非常識だと言うことが明らかになってくると、そのマスコミからさんざん非常識だ非常識だとバッシングされてきた業界などは、むしろ世間的に見れば健全でまともな常識の持ち主であると言うことになってくるのでしょうか?(苦笑)

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2011年11月25日 (金)

仕分けの手がついに聖域に及ぶ?!

とりわけバブル崩壊以降の低成長、デフレ時代にあって、現役世代の不公平感は年々高まっていると言われる中で相変わらず放置されてきた問題についに手をつけられたというニュースが話題を呼んでいます。

最終日は年金制度と生活保護を議論 政府の行政刷新会議(2011年11月23日産経ニュース)

 政府の行政刷新会議は23日午前、「提言型政策仕分け」最終日を迎え、社会保障分野の年金制度を議論した。引き続き生活保護と雇用を取り上げ、締めくくりに小宮山洋子厚生労働相ら関係閣僚も出席し「持続可能な社会保障制度」について意見交換。増大する社会保障費の削減につながる提言ができるかが焦点だ。

 年金は少子高齢化の進展で財政が悪化、制度維持が困難になっている観点から、世代間の負担と給付のバランスを検討。仕分け人からは「物価の下落分だけ年金の給付を下げても問題ない。若い人と高齢者の間のバランスを公正にすべきだ」との指摘が相次いだ。
(略)

来年度から年金減額 7兆円「もらい過ぎ」(2011年11月23日47ニュース)

 政府の行政刷新会議は23日の「提言型政策仕分け」で、年金制度に関し、本来より高い年金支給の特例水準を2012年度から速やかに解消し、減額すべきだと提言した。財務省は特例により累計約7兆円の「もらい過ぎ」が生じたと指摘。提言を受け小宮山洋子厚生労働相は12年度から3年間かけて実現する意向を記者団に表明した。ただ年金減額には受給者のほか与党内からも反発が予想され、実施には不確実な要素も残っている。

 仕分けは、この日が最終日。社会保障については2日間にわたり、年金のほか介護サービスなどを取り上げ、増大する社会保障費の抑制に向けて提言した。

提言型政策仕分け:年金、来年度から給付減 物価スライド反映、仕分け受け厚労相(2011年11月24日毎日新聞)

 政府の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)は23日、「提言型政策仕分け」の最終日の作業を行った。年金分野では、本来より高い「特例水準」での給付が続いていることへの批判が続出。「12年度から速やかに解消すべきだ」と提言した。仕分けに参加した小宮山洋子厚生労働相は記者団に、12年度から3年間で引き下げに取り組む考えを表明した。

 公的年金には、物価変動に応じて給付水準を増減する「物価スライド」の仕組みがある。しかし、政府は「高齢者に配慮する」として、00~02年度の物価下落(計1・7%)に伴う引き下げを見送った。その後も物価の低迷が続き、特例水準による上乗せは11年度で2・5%に拡大している。

 財務省は仕分けで「特例水準で膨らんだ給付額の累計約7兆円は、意図せざるもらいすぎ」と説明。現役世代の負担感を軽くし、年金制度の持続可能性を維持する必要があるとして、仕分け人9人全員が、本来の水準に戻すよう主張した。小宮山発言通り3年間で本来の水準に戻す場合、国民年金を満額(月約6万6000円)受け取る人で月600円程度の減額となる。ただ、給付減に対しては「年金生活者への影響が大きい」との意見が民主党内にあり、調整は難航しそうだ。
(略)

この年金問題というもの、高齢化社会で年金世代はどこの政党にとっても大票田なのですから「調整は難航しそうだ」というのは理解できますが、何しろ今どきは必要なものでさえ皆さん我慢してもらうしかないという時代なのですから、本来より余計にもらっているなんて場合には返上いただくのが当然というものですよね。
そのもらい過ぎが累計7兆円にも及んでいるとなればこれは立派な既得権益と言うもので、民主党としても言うところの公務員特権だとか特別会計だとかいった火薬庫に手を出すよりは、こちらの方がまだしもリスクが少ないと判断したのかも知れません。
いずれにしても年金財政は逼迫しているのは事実で、国庫負担分を賄うために年金債を発行して消費税で償還しようなんて新たな世代間押しつけの話まで出ていると言いますが、その上現に受け取っている人々の給付はそのまま聖域化し、今後受け取る人々に対してはどんどん給付を切り詰めようでは到底理解が得られないのは当然で、現にお金を持っている人々にも応分の負担をいただかなければならないでしょう。
また単純にもらい過ぎ解消だけで終わるのではなく、例えば富裕層高齢者向けに年金分を国庫に返上(寄付)した場合には相続税等で優遇するといったより積極的な国庫負担軽減策も考えていってもいいかも知れませんね。

もちろんこうした動きに対して自分で働いて掛け金を長年支払ってきた見返りと考えれば年金生活者が文句を言う権利は当然あると思いますが、同時に一部の世代だけが払った以上にもらっているなどという批判を受けるような現状は年金の理念に反していると言う現役世代の声には耳を傾けてもらわなければならないでしょう。
いずれにしろ年金問題に関しては国もようやく重い腰を上げたというところで今後どこまでツッコミが入るかを見ていくべきところですが、むしろ一部では年金以上に不公平感を助長しているとも言われるのが生活保護の問題で、既得権益に関する強烈な抵抗ということではこちらの方がさらに目立っているとも言えるかも知れません。

生活保護“医療費一部負担検討を”(2011年11月23日NHK)

政府の行政刷新会議による「政策仕分け」で、受給者が増え続けている生活保護制度の見直しについて議論が行われ、生活保護費のおよそ半分を占める医療費について、「受給者に一部を自己負担してもらうことも検討するべきだ」などとする提言をまとめました。

生活保護の受給者は、高齢化や厳しい雇用情勢を背景に増加し、ことし7月の時点で205万人を超え、戦後の混乱期の水準を上回って過去最多となりました。生活保護費の総額は、今年度3兆4000億円を超える見通しで、このうちおよそ半分を医療費が占めています。これに対して、仕分け人からは「生活保護の受給者は自己負担がなく、過剰な診療が行われているおそれがある」とか、「医療機関への監督を強化すべきだ」といった意見が出されました。そして、「後で返還することを前提に、受給者に医療費の一部の自己負担を求めることや、価格の安い後発医薬品の利用の促進を義務づけることなどを検討するべきだ」という提言をまとめました。また、生活保護受給者の自立をどう促すかについて、仕分け人からは「低い賃金で働くよりも生活保護で暮らしたいという人もいる」とか、「働くことが可能な若い世代に対しては、働くことを条件に生活保護を支給すべきだ」といった意見が出されました。そして、「基礎年金や最低賃金とのバランスを考慮して支給額を設定し、働くことが可能な人については、NPOなどと連携して自立就労支援を図るべきだ」とする提言をまとめました。
(略)
蓮舫行政刷新担当大臣は、「政策仕分け」の閉会式であいさつし、「仕分けの対象とした政策の中には、残念ながら、これまで政治が先送りにしてきたものがあった。それがなぜ先送りされてきたのか、何がクリアされれば解決の方向性が見いだされるのか、いろいろな視点での提言を頂いた。今回の議論を多くの国民に見てもらったことが、提言を実現する最大の担保力だ」と述べました。

政策仕分け 生活保護切り捨て迫る 「医療機関・住む場所制限しろ」(2011年11月24日しんぶん赤旗)

 政府の行政刷新会議の「政策仕分け」は最終日の23日、生活保護の受給者の急増によって保護費が膨らんでいるとして、いかに削減するかを議論しました。

 仕分け人からは、「生活保護受給者は自立した個人といえないのに、医者を自由に選んでいいのか」「住む場所も、好き勝手にやらせているから問題が起きる」「家計管理能力が低いので保護費をアルコールやたばこ、不要不急のものに使いがち。そういった支出の分、保護費を減らせる」などの意見が続出。生活保護受給者について▽受診できる医療機関を制限する▽医療機関において価格の安い後発医薬品の使用を義務付ける▽住む場所を制限する▽最低賃金の適用を除外する―など、受給者の人権を侵害し、偏見を助長し、法の下の平等に反する施策を迫る暴論が相次ぎました。

 医療費の増大が保護費急増の要因になっているとして、医療費削減の方策を議論。「医療費の抑制に一番いいのは自己負担を増やすことだ」との意見が出され、現行は無料で受けられる医療に自己負担を導入するなど、「あらゆる方策」で医療費を抑制するよう求めました。

 また、最低賃金や年金水準の低さを問うことなく、「生活保護費が年金や最低賃金より高い場合があり、就労意欲を阻害している」などとして、生活保護支給額の引き下げを強く示唆する提言をまとめました。

今話題の大阪ダブル選挙においてもこの生活保護問題が大きな争点の一つになっているようですが、何しろ生保もデフレと所得減少が続いた結果、実質的に大幅支給増となっているということでは年金以上に大問題である一方、かねて言われているのが生活保護で遊び暮らしている人々の存在が、ワープア化が進行する国民の勤労意欲に大きな悪影響を与えているという件です。
もちろん働け働けと言っても働き先がないという言い分ももっともで、国はきちんと生活保護受給者に労働の場を用意する義務があるでしょうし、世の中を見回してみれば人手が必要であるのにやり手がないという仕事は幾らでもあるわけですから、そうした領域への厚労省お得意の(笑)労働力計画配置という観点でも大いに応用は利きそうですよね。
また低所得者層との逆転現象とも絡めて生保支給額の見直しがかねて言われるところですが、現金収入が同程度なら医療費等各種支出の免除が徹底されている生保受給者の方がはるかに良い暮らしが出来るのは当然で、不公平感解消のためにも時代にあった支給額の見直しとともにぎりぎりの生活を強いられている低所得勤労者層に対する一層の支援も早急に検討すべきでしょう。
そもそも貧困ビジネスなどと言われるものがはびこるのも生保受給者にまとまった現金を与えるからだという声は以前からあるところで、お金を手にすればすぐに酒やギャンブルで使い込んでしまうという批判を避けるためにも現金ではなく食料やチケットなどの現物支給に切り替えていくということも必要でしょうね。

これらとも関連して医療の面に関して言えば、かねて二重取りと言われてきた入院中の生保支給停止も早急に実現していかなければ、相変わらず「今月は飲み過ぎで金が足りないからそろそろ入院させてくれ」なんてことを言ってくる生保患者は後を絶たず、医療現場における士気低下にもつながりかねませんよね。
そもそも自分で労働して何とか自立している母子家庭よりも生保の方がはるかに裕福かつ安楽に暮らせると批判を受け、三年がかりでようやく廃止された母子加算をあっさり復活させたのが民主党政権ですが、その財源として災害対策予備費までつぎ込んでしまった挙げ句に今回の震災が起こったと考えると、何やら非常に象徴的な「天意」すら感じさせる出来事ではないでしょうか?
無論そうした「格差拡大政策」を推進する上で強力な援護射撃を行ってきたマスコミ勢力も責任は免れませんが、時代が大きく変化している以上は政策も適宜見直しをしていくことは何に限らず当たり前の事であって、年金や生保に限ってだけは相も変わらず前例踏襲、既得権益は手厚く保護では、ダム利権問題などをさんざん叩いてきた過去の言論との整合性も問われかねないでしょう。

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2011年11月24日 (木)

近頃ようやく見え始めた厚労省の本音

先日は今更に各社から開業医は儲けすぎ!的な記事が出ていたと思っておりましたら、またぞろ想像通りにこういう話が出てきました。

診療報酬、病院勤務医へ重点配分…厚労省方針案(2011年11月17日読売新聞)

 厚生労働省は17日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療部会に、2012年度の診療報酬改定で、救急や産科、小児科、外科などの急性期医療を担う病院勤務医らの待遇改善に重点配分するよう求める基本方針案を提示し、大筋で了承された。

 12月上旬に最終決定される見通しだ。

 方針案は、深夜勤務などの激務などを理由に勤務医の人材確保が難しい現状を踏まえ、「勤務体制改善の取り組みの適切な評価を検討すべきだ」と明記した。

 また、医療と介護の連携強化による在宅医療の充実も重点配分分野と位置づけ、退院直後で医療の必要性が高い患者に対する訪問看護の充実や、リハビリテーションを検討するとした。

 医療行為などの対価である診療報酬は医療機関の収入の柱となっている。2年ごとに改定されており、前回の10年度改定では引き上げられた。

前回も書きましたように、11月2日の中央社会保険医療協議会で厚労省から出された6月実施の医療経済実態調査の中にある「開業医である一般診療所院長の10年度平均年収は2755万2419円で、病院勤務医の1447万7620円の1・9倍」というデータを各社が一斉に報じた約2週間後、同じく厚労省の部会においてこういう話が出てきたということをまずご記憶いただきたいと思います。
先日も消費税増税に併せて仕入れにかかる消費税分を最終消費者である患者に転嫁できない医療機関の損税問題がさらに拡大し、最終的に多くの医療機関が経営危機に見舞われる恐れが出てきたという話を取り上げましたが、こういう議論の流れを見ている限りでは吝嗇な厚労省が消費税増税に併せて診療報酬大幅増を言い出すなんてことはちょっと考えにくそうですよね。
すでに以前から開業医の報酬を勤務医に回せ、特に救急など切迫する領域を優遇せよという話は何度も出ていたところですが、総額は抑制基調で一部領域に重点配分という方針の裏を返せば、開業医に限らず切迫する領域以外は医療費全般さらに絞りますよという強い意志を示しているということなのでしょう。
問題はその結果医療現場がどうなるのかということなのですが、先頃から始まっている仕分けの議論を見ていると厚労省の目指す方向というものがよりクリアーに見えてくるようです。

開業医と勤務医「収入同程度に」政策仕分け(2011年11月22日日テレニュース24)

 国の重要政策について議論し、方向性を提言する「政策仕分け」は、3日目の22日から医療や介護、年金など社会保障をテーマにした議論が始まった。22日の議論では、開業医に比べ、救急や産科などの勤務医は負担が多い割に給与が低いため、離職率が高く、医師不足につながっている問題が取り上げられた。

 仕分け人・玉木雄一郎議員「みんな、お医者さんですよね。同じお医者さんなのに、何でそもそも診療報酬が違うんですか

 仕分け人「結局のところ(厚労省が)正しいサンプリングを取っていない。実態をちゃんととらえて、診療報酬の効果とか、お医者さんの待遇状況を見ているんですか」

 厚労省側「今のご意見は今後、中医協(=中央社会保健医療協議会)で反映していきたい

 仕分け人「問題意識はほとんど同じという中で、なぜスピード感がないのかを議論している」

 議論の結果、仕分け人9人中6人が来年度の診療報酬改定では「総額を据え置くべき」とした他、中・長期的には開業医と勤務医の収入を同じレベルにすべきなどの提言がまとめられた
(略)

「提言型政策仕分け」3日目 「開業医と勤務医の収入を平準化すべき」との提言(2011年11月22日FNNニュース)

政府の行政刷新会議による「提言型政策仕分け」の3日目の議論が行われ、医師不足を改善する方策に関連し、「開業医と勤務医の収入を平準化すべき」との提言がまとめられた
(略)
議論では、救急外来や産婦人科の勤務医は負担が多いにもかかわらず、開業医に比べて給与が低く離職率が高いため、医師不足につながっている問題が取り上げられた。
また、この中では外科や内科の開業医の年収が平均1,900万円であるのに対し、眼科が3,500万円であるなど、診療科目ごとの収入格差や、医師の数が偏っている実態も指摘された
22日の議論では結果として、「勤務医と開業医、診療科目間での報酬配分を大胆に見直す」との提言がまとめられた
(略)
一方、22日午後、仕分け会場を視察した野田首相は、提言の実現に向け、議論の内容を予算措置に反映させると強調した。
野田首相は「最大の拘束力は、国民の皆さんが見ているということ。これは最大の拘束力ではないでしょうか。この国民の皆さんの前で議論したこと、出てきた方向性は、政府がしっかり受け止めて、特に予算編成にしっかりと反映していくということはあらためて私は各閣僚には指示をしたいと思います」と述べた。

そもそも勤務医と言えばサラリーマンであり収入=手取りですが、この収入と開業医の「収入」とはまったく性質の異なるもので、勤務医と開業医の収入は本来同じであるべきなのかというそもそも論は抜きにしても(同じ業界だからと店主と従業員の収入は同じであるべきという話には常識的にならないですよね)、全く違うものである両者の「収入」を同列に扱って多い少ないを議論すること自体に無理があるというものでしょう。
何も知らない素人の仕分け人がそこを混同して「こんなに収入が違う!おかしいじゃないか!」と言うところまでは予想の範疇だとしても、それに対してその違いを知っているはずの厚労省からは「いや、その実際の意味するところは違うわけでして…」と事を分けて解説をしなければならないはずなのに、実際には「いやごもっとも。これは中医協に反映します」と仕分けを渡りに船と首肯しているわけです。
もちろん冒頭に取り上げたような厚労省の動きを見ればこの流れは当然に予想できたわけですが、それにしても素人仕分け人のあまりにいい加減すぎる議論を自らの目的のために活用するというのは考えて見ればずいぶんと阿漕な行為ではありますよね。
厚労省がこんな手段を問わずというやり方を用いても開業医の診療報酬を大幅削減したいという背後には、かねて同省が悲願とする医師の集約化という目的が見え隠れしていることは言うまでもないことで、要するに彼らの意図としては開業医も赤字零細病院も全部潰れてくれれば万々歳ということなのでしょう。

面白いのはこの一連のニュース、ネットなどで見ていてもひと頃なら「開業医ざまあwメシウマw」で終わっていたでしょうに、設備投資など開業のリスクを認めた上で案外冷静に議論をしているということで、むしろ「役人は馬鹿なのか?」なんて声も多数というくらいですから、素人の皆さんにもすぐにばれるような詐術で事を進めようとする厚労省もどうなのよというものでしょう。
厚労省の悲願たる医師と医療機関の集約化、計画配置論の是非はまた別の話としても、さすがにやり口がこれでは開業医の代弁者たる医師会と言わずとも明日は我が身の勤務医も含めて現場の感情的反発は避けられそうにありませんが、そうは言っても金を出す側の都合が優先されるのは世の常ですから、今後診療報酬改定の場で基本方針が大きく覆ることはないものと思われます。
となると、そうしたお国の大方針に逆らわずにどう受け流していくかと考えた方が建設的かなとも思うのですが、例えばいっそのこと開業医の先生方は診療報酬大幅削減と引き替えに、開業医に関しては混合診療解禁を主張してみるといった思い切った方針転換をしてみるのはどうでしょうか?
あるいは医療機関の少ない僻地診療において診療所というものの果たす役割は非常に大きなものがありますが、こうした通常の経営が成立しがたい地域においても全国均一同一価格という皆保険制度の縛りをいつまでも固守するのがいいのかどうか、例えば僻地等特定地域においては都市部とは全く別の診療報酬体系を求めていくといった戦略もあってもいいように思います。

日本のCT設置率は世界的に見て異常に高いことが知られていますが、全国の開業医がミニ病院化しても仕方がないというもので、病院と開業医とは単に規模の大小で区別されるのではなく質的に異なる存在を目指すべきだということに多くの先生方は異論がないのではないでしょうか。
いきなりイギリスなどに見られるような家庭医制度導入とまではいかなくとも、やはり常識的に風邪の患者がいきなり大学病院にやってくるというのはおかしいと誰でも感じているのですから、単に病身病病連携と言うにとどまらず日医の言うフリーアクセス至上論の是非なども含め、この機会に考えるべきことは幾らでもありそうですよね。
国が本気で潰しにかかっている今だからこそ、潰される側はもっと必至になってビジョンを打ち出していくべきなんじゃないかと思うのですが、結局診療報酬が増えた、減ったという議論で終わっている限りはいつまでたってもポスト皆保険時代にも対応し得る新しいアイデアなど出てきそうもありません。
多くのしがらみに縛られた大組織である病院に比べれば、医師一人の医師がダイレクトに反映されやすいというのが開業医の強みでもあるのですから、全国均一の画一的な医療にばかり甘んじつついずれ国の大方針の通りに自然淘汰されていくのか、それとも自ら生き残る道を探るのかの分かれ目がすぐ目前に迫っているように思えます。

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2011年11月23日 (水)

今日のぐり:「うどん 一念天」

いきなりで強縮ですが、新婚早々に先日来日されたブータン国王が色々な点で「いい男」だと話題になっています。

【きょうの名言】世界一のイケメンは誰か判明(2011年11月17日産経ニュース)

 「イケメンすぎる国王」は本当にイケメンすぎる。国賓として来日中のブータン王国のジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王(31)は、国民から愛されているが、顔がいいからイケメンなのではない。その度量が素晴らしいからだ。

@tlkrncさんがツイートで紹介している。

 「ブータン国王と王妃のなれそめ⇒7歳幼女『お嫁さんにして』17歳男『大きくなっても覚えてたらね』⇒10年後、17歳娘『あの約束どうなりましたん?』27歳男『付き合おう』⇒結婚⇒国王は一夫多妻制度だけど嫁は生涯一人だけ宣言 なにこれ萌える」

 人口約70万人ほどの小さな国ながら、3月18日には100万ドルの義援金を日本に送ったほどの親日国。先月挙式をあげ、今回の来日がジェツン・ペマ王妃(21)との実質的なハネムーンとなる。

 そして、衆議院本会議場でのスピーチはまさに圧巻。日本が久しく忘れていた自信を思い起こさせる。

ちなみにその国会演説というものの内容がこちらですけれども、さすがに本物の風格と言うのでしょうか、どこかのブリの王族にもこれくらいの器量があれば始終ゴシップに追われるばかりということもなかったでしょうに…ねえ。
さて、そのブータン国王来日があまりに注目されている反動と言うのでしょうか、妙なところで妙な事件まで勃発してしまっているようなのですね。

ブータン国王が「ラーメン二郎」を所望? メルマガを発信した目黒店が「炎上」 (2011年11月20日J-CASTニュース)

  「世界一幸せな国」ブータンのジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク夫妻が国賓として来日したが、日本でいま最も話題の人気ラーメン店「ラーメン二郎」がメールマガジンで、国王夫妻の要望により、赤坂迎賓館まで出向きラーメンを献上することになった、と明かした。しかし、これは本当の話なのだろうか。
   ネットでは、「さすがは親日国の国王」などと大騒ぎに。「ラーメン二郎」が世界レベルで有名になっていた、などと喜ぶファンもいた。

「国王夫妻に幸せのとどめを刺して参ります」

   「ラーメン二郎」目黒店は2011年11月19日配信のメルマガで、今日の昼の営業は休みになると報告。その理由を

    「国民総幸福(GNH)が高い指標を誇るブータンの国王夫妻が来日中で、ラーメン二郎を食してみたいとのご要望があり、赤坂迎賓館まで出向いて参ります。美男美女の国王夫妻に幸せのとどめを刺して参ります。夜は真面目に営業いたします」

   と説明した。「ラーメン二郎」のメルマガは、臨時休店になる場合などによく使われる。
   この情報がネットに拡散し、掲示板や「ツイッター」などで大騒ぎになった。

    「まじかよw二郎は世界規模だな」
    「国王は親日っていうか日本詳しすぎるだろwうちの親だって二郎なんか知らんぞw」
    「国王は国民の腹をみたしてこそだからな。世界平和に貢献できるとかすげえな」

   などといった書き込みが出た。
   そうしているうちに、国王夫妻は京都に滞在しているはずであり、メルマガの内容は嘘に違いないとし、目黒店に対する批判が次第に増えていくことになる。

   実は、これまでも目黒店の臨時休業の際にメルマガには、現実にはありえないと思われる理由が書かれてきた。例えば

    「目黒店は3連休となります。のりピーの保釈金を工面するのに東奔西走して参ります。銀行関係の方、お金貸して下さい」
    「先日の東京マラソンで猫ひろしと同時に完走した自分へのご褒美に、千鳥ヶ淵あたりでひとりシャンパンファイトをしてみたいと思います」

今回のメルマガ発信者はなんと「清武元GM」

   また、「目黒店は終日お休みとさせて頂きます。WBC侍ジャパンのもとへラーメンの差し入れをして参ります」というものもある。
   メルマガの発信者も玉置浩二だったり、陣内智則、森光子、ジャイケルマクソンといった、その時々の話題の人物の名前を使っている。ちなみに、今回のブータン国王に関するメルマガは「清武元GM」だった。こうした内容のため、次の「ネタ」を楽しみに待っているファンもいる。
   本当に「ラーメン二郎」目黒店がブータン国王夫妻にラーメンを献上したのか、同店に聞いてみたところ担当者は、今回のメルマガに関してネットで批判が巻き起こって「炎上」していると説明。

    「冗談で書いたのですが、それが大事になってしまい、様々なところからお叱りを受けています。本当に申し訳なく思っています」

と平謝りだった。

こういうのもなんと言うのでしょうか、ギャグにしても微妙に本当なのか嘘なのかよく判らないようなくさいところを突いているばかりではあまり笑えないというもので、どうせならどこぞのブリのようにまさかそんなことがあるわけがと思わせておいて実は本当だったというくらいの気概を見せて欲しいですかね。
今日はわざわざ遠いところから来日いただいたブータン国王夫妻に敬意を表して、日本全国から未だ国王も見たことがないだろう「クールジャパン」の数々を紹介してみようかと思いますけれども、まずは地域ニュースとしてこちらなどはどうでしょうか?

リンゴジュース出る“ご当地蛇口”が登場/青森(2011年11月18日デーリー東北新聞社)

 三沢市の三沢空港ターミナルビルに17日、リンゴジュースの出る〝ご当地蛇口〟がお目見え。乗客が生産量日本一の青森県産リンゴの味わいに親しんだ=写真=。18日までの期間限定。
 五戸町の倉石地域振興公社の協力を得て、ビル運営会社が2008年からリンゴの収穫時期に合わせて実施している。到着手荷物室では果汁100%ジュースの甘酸っぱい香りに誘われ、羽田便から降り立った乗客が列を成した。
 手荷物を受け取るターンテーブルには、大きな旅行バッグに交じって主力品種「ふじ」が詰まった籠も流され、リンゴを無料で持ち帰りできるサービスも。台湾出身で、千葉県から観光で訪れた会社員侯(こう)茉莉(まり)さん(29)は「面白いけど、びっくり」と目を丸くした。

蛇口からジュースと言えば愛媛県では蛇口をひねればポンジュースが出ると有名ですが、ついに青森もこれだけの誇るべきインフラを整備したということで何とも喜ばしいニュースだと思いますし、世界中が青森の技術力の素晴らしさに驚嘆したことでしょう。
同じくこちらも地域ニュースですが、諸外国ではブタと言えば食べるもので終わっているところを、日本ではこんなことも出来てしまうという驚くべきニュースです。

多彩な芸披露するミニブタが人気 高松農高生徒が飼育 4頭が出張/岡山(2011年10月27日山陽新聞)

 芸で心を癒やします―。高松農高(岡山市北区高松原古才)畜産科学科の生徒が飼育しているミニブタが、福祉施設や病院、祭りなどで芸を披露する「出張ショー」で人気者になっている。「お手」をしたり、跳びはねたりする愛らしい姿が見る人を和ませ、動物との触れ合いを通じて心身の癒やしを図るアニマルセラピー効果も発揮している。

 調教を始めたのは2005年の秋から。生徒が遊び半分で「お座り」を教えたのがきっかけ。「お手」やハードル(高さ約15センチ)の「ジャンプ」などもすぐに覚え、翌年4月の高松農高収穫祭でデビューした。

 ぽっちゃりとした体型から次々と“技”を繰り出し、「なんだか賢くてかわいい」と人気者に。うわさは口コミで広がり、地域の祭り出演などに声が掛かるようになった。近隣のデイケア施設への慰問や特別支援学校との交流も始め、今では年10回ほどのステージをこなしている。

 ショーでは、ぼたん(6歳)、そら(2歳)、くも(同)、リク(6カ月)の4頭(体長50〜70センチ、体重20〜50キロ)が共演。調教者の両脚を縫うように駆ける「8の字回り」、ちょこんと木箱に乗って頭を下げる「あいさつ」など披露する芸は多彩だ。

ちなみに岡山県と言えばかねて碁盤に乗る牛の産地として有名ですが、日本の誇る高い畜産技術を駆使すれば牛だろうがブタだろうが思いのままであることの証明であり、同校では「いずれ木にも登らせてみせる」と鼻息荒いとか荒くないとか。
マンガ、アニメ(ジャパニメーション)と言えばすでに全世界的なブランドとして確立された現代日本文化の代表ですが、本家日本ではこんな素晴らしい製品がすでに実用化されているというのですから驚きです。

ザクになれるブルゾン(2011年9月27日exciteニュース)

以前、「サク柄のアロハシャツ」というアイテムを紹介したことがある。ジャングルを思わせるヤシの葉から現れるザクとジオンマークを迷彩柄の上にデザインした、こだわりのアロハシャツだった。

だが、夏は終わった。寒い季節に備えたい。というわけで、12月中旬より株式会社コスパより発売されるのは『ザク中綿ブルゾン』。
またしても“ザク”だが、今度はブルゾンである。

とにかく、画像をご覧いただきたい。このアウターのフードを深めに被って、ジップを閉めると……。着てる本人が、ザクになる!
「通常は普段着として通用するけど、実はおもしろ機能が付いている。密かに、こんな仕掛けが施されている……。そんなアウターを、あえて狙いました」(同社・担当者)

そう。「普段着として街中で着ても、カッコいい」という点が、大事なのだ。しかし、その気になればザクになれる。
「ザクは、ガンダムを代表するモビルスーツです。当社の商品でも、全キャラクターの中で1、2を争う人気を誇っています。普遍的な人気でザクに対抗できるとしたら、『ガンダム』の中でもシャアくらいじゃないかなぁ……」(担当者)
同社では、上記のアロハシャツ以外にもTシャツやジーンズなど、ザクをモチーフとしたアイテムの開発を10年以上繰り返してきていた。

だが、今回のアウターのインパクトは格別。なにしろ、ザクになりきれてしまう。
「このように何かになりきれるアイテムとして、過去に『ドム フルジップパーカー』も発売しております」(担当者)
これも、スゴい。パーカーの最上部にまでジップを閉じると、我が身がドムになるという驚愕のシロモノ。こちらに関しても、普段使いとしてのカッコ良さはキープされているようだ。

それらの“なりきりコレクション”の好評を受け、今回は待望のザクの登場。しかも、今季は待望のアウターである。
「ガンダム系でのアウターの発売は今までにもありましたが、ザクに関しては初めてです」(担当者)
このブルゾンには軽くて暖かいミリタリー風の中綿が入っており、カラーは“ザクブルゾン”の為に染めたミリタリーグリーンを採用。
ファスナーは逆開式で、スタイリッシュな独特のフォルムを可能にしている。
様々なディティールに、小技を効かせているのだ。

そんな『ザク中綿ブルゾン』は、同社のホームページにて予約が受け付けられている。価格は11,550円(税込み)。
「ザクは、その形自体が人気のモビルスーツです」(担当者)
人気の形に自分がなりきることのできる、“ザクブルゾン”。「寒い時代だ」と嘆くより前に、このブルゾンで是非とも熱い冬を過ごしていただきたい。(寺西ジャジューカ)

リンク先の写真を見ればどこからどう見てもこれはザク!というものですが、このように戦車をも軽く一蹴する強力な装備が市中で簡単に入手できるというのも、憲法九条を堅持し平和を希求する日本人の強い自制心あってこそであることは言うまでもありません。
先日はついに自衛隊装備にもアニメキャラが?!と海外でも話題になったほど日本に根付いているアニメ文化というものですが、この夏の「ナウシカ」に登場する飛行機械「メーヴェ」がついにジェットエンジンの試運転にまでこぎ着けたというニュースに続いて、今度はこちらも実用化に向けて着々と進行中だということです。

天空の城ラピュタのフラップターを再現したラジコン動画がすごい 音まで似てるぅぅ!(2011年11月21日ITmedia)

 スタジオジブリのアニメ「天空の城ラピュタ」に登場する、4枚の羽が付いた乗り物「フラップター」をラジコンで再現してしまった人がニコニコ動画に現れ、動画は「科学カテゴリ」で再生回数ランキング1位になるなど人気を集めている。

 動画のタイトルは「フラップター:天空の城ラピュタ RCモデル 羽ばたきによる飛行に成功」。飛行実験の様子が収められており、オレンジ色の虫のようなボディーはまさしくフラップター。電源を入れると、サイドから生える4枚の羽はガシャガシャと音を立てながら動き始める。ああこの音! アニメそっくり! 紙飛行機を飛ばすようにして空へ放つと、羽をバタつかせながら辺りをふわ~っと飛び回った。自力で離陸することはできないようだ。

 この自作フラップターの完成度の高さに驚いた視聴者は多く、「うおおおお」「音が駿っぽいww」「すげええええ」と、興奮したコメントがたくさん投稿されている。「30万なら買う」「欲しい」といった声も。11月18日の午前2時に投稿され、再生回数は4万回を超えた。YouTubeに投稿している動画では、ラジコンの詳細が説明されている。

その詳細はリンク先の映像を実際に確認していただくとして、こんなとてつもないものがすでに8の字飛行までこなしているという現実を前にすれば誰であれ日本のアニヲタの底力に感動せざるを得ませんが、何しろこの動画に対するレスポンスの速さというもの自体が全世界の期待の大きさを表しているとも言えそうです。
日本の誇る自動車産業の中でもスバルと言えば、先頃惜しくも生産中止の決まった「赤帽サンバー」を始めその技術力の高さでも知られているところですが、そのスバルの素晴らしさを世界に周知させるこんなCMがあるというのですね。

日本車=セクシー?何回でも再生したい爆笑海外スバルのCM(2011年11月5日秒刊サンデー)

絶対日本では放送されない 外人の素晴らしき創造の世界へようこそ。「Sexy Comes Standard-今セクシーがキテる-」。このキャッチコピーで攻めてくるのは、北米発信「スバル」のCM。日本車がセクシー・・・どう表すか?!今度は一体何が起こるんだ?!とニヤニヤ流行る気持ちを抑え早速見てみる。やばい。のっけから、こうだ。ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥン・・・軽快なビートと共にガラガラとガレージのドアが開く。きっと 素晴らしい新商品のスバル車がお目見えだろう。

何回でも再生したい爆笑海外スバルのCM:YouTube

【解説】

キュートな上目遣いの相撲取りが 画面いっぱいに現れる。いや、良く見たら新商品と一緒に映っている。
が あまりにも彼のインパクトがでかすぎて 肝心の商品が目に入らない。
車の持ち主が出勤のようだ。ポーズを決めていた彼も「出発か」とごく自然に車に戻る。
どうやらこの相撲取りと車が一体のようだ。

車があるところ どこでも彼らがいる。2台駐車していると相撲取りも必然的に2人。一台で1人。いつもでも一緒。
目を合わせて持ち主を待つ2人(2台)
チケットを切られても ポリスを威嚇する彼(車)強いぞ!
勿論 美人にもモテモテ。彼(車)がクールだからだ。
洗車時も一体。何食わぬ顔で車上に居て洗ってもらう。いつも清潔を心がけたい。

とにかくいつでも一体の彼ら。ファミリーのお出かけにも後部座席に座り90%の割合を占め同行。
白人キッズも開いた口が塞がずポカーン。 
カップルの甘いデートの一時も、きちんと傍で見守る事を怠らない。

何カットにも及ぶ「セクシーの珍行動」が軽快なビートと共に繰り広げられ
その行動はどんどんエスカレートしていく。
もはや家族あっての車ではなく 車が主役、セクシーがこの世の主役になっていくようだ。
周りの人たちはただ日々繰り広げられていく珍行動に 口を開け 見守るしか術はない。

「Sexy Comes Standard-今セクシーがキテる-」
のキャッチコピー 改めて言わずとも セクシーを相撲取りで表している。
相撲取りで表すことによってパワフルだ。という事も匂わせる作戦だ。

しかし・・・この映像を見た後・・・もう、そんなことはどうでもいい。セクシーがなんだ パワフルがなんだ。
目を閉じるとまたあの軽快なビートが、彼らの上目遣いが瞼の裏に浮かぶ。
もう1回見ようかな? また見たいな。と依存率が高いCMだと言えよう。

しかし このCMその構成に意識を全て持っていかれ過ぎて 肝心な商品のインパクトがぼやけてしまうという商品殺しのCMとも言える。
実は「気持ち悪い」と素な意見も少なくもない。それほど強烈インパクトのCMだ

動画に寄せられたコメントの数々を見れば、全世界がスバルの素晴らしさに目覚めつつあるということがおわかりいただけるかと思いますが、ところでこれは結局何のCMでしたっけね…
車と同じくバイクも日本の誇る工業製品の一つですが、今度はバイクのCMということでこんな素晴らしいニュースもあるようです。

「日本にはうんちで走るバイクがある!」 TOTO広告に海外で「誤解」続々(2011年10月15日J-CASTニュース)

   日本で「人間のうんちを燃料に走るバイク(Poop-Powerd Bike)」が開発された――こんなニュースが、海外のニュースサイトで相次いで報じられている。
   話題となっているのは、TOTOが開発した「トイレバイク ネオ」。バイクの座席部分がまるまる洋式便器になっている、強烈なデザインのバイクだ。確かにこれなら「うんち」で走っても不思議はなさそうだが、TOTOによれば「人間のうんち」が燃料というのは誤解らしい。

燃料は家畜の排泄物や排水から出る「ガス」

   「トイレバイク ネオ」は、TOTOによるCO2削減を訴える環境ビジョン「TOTO GREEN CHALLENGE」をPRするために登場した「走るトイレ」。全国にTOTOの取り組みを伝えるべく、6日にTOTO本社のある北九州を出発し、現在東京まで1400キロ、およそ1か月の旅の真っ最中だ。
   燃料には、ガソリンではなく、家畜の排泄物や生活排水を発酵させて作る気体「バイオガス」が使われている。便器はあくまで座席代わりで、実際に「うんち」、あるいは排水などが積まれているわけではない。バイオガスはメタンやCO2を主成分とする次世代のエコエネルギーで、CO2排出量がガソリンに比べて格段に少ないという。
   スピードもなかなかのもので、最高時速は70~80キロ。また遠隔操作で「おしゃべり」する、ホーンで音楽を奏でる、LEDライトでメッセージを描くといった多彩な機能も搭載する。
   映画「イージー・ライダー」ばりのワイルドなバイクに、そのまま真っ白な便座が組み込まれているというインパクトある外見は、日本のみならず海外でも大きな話題を呼んでいる。しかし海外のネットユーザーの多くは、「便器にした『うんち』を、そのまま燃料にして走るバイクだ!」と誤解している様子だ。

ハフィントン・ポスト、人気ブロガーも勘違い

   たとえば大手ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」では現時時間の7日、
    「日本のトイレメーカー・TOTOは、糞便で走るバイクを開発した。人間の排泄物を座席に貯め、バイオ燃料に変換して3輪のバイクを動かすのだという」
と驚きとともに伝えた。やはり有名ネットニュースの「ゴーカー」でも、「この世界初のトイレバイクの座席は便器になっており、ズボンを下ろしてバイクに乗れば、理論上は『排出』しながらそれを燃料に運転できる」と解説。人気ブロガーのペレス・ヒルトンは「しかし、運転しながら『うんち』はできないだろう?」と首を傾げつつ、「なんにせよ、このバイクの後ろだけは走りたくないな! 大爆笑だ!」と紹介した。
   ほかにも複数のネットメディアがこの「トイレバイク」を報じているが、ほとんどは「うんちが燃料」と勘違いしていた。ただし前述の「ゴーカー」では読者からの指摘を受け、後日訂正文を掲載している。
   TOTOの広報部にこうした海外の反応について尋ねると、「デザインから、そう誤解する人もいるようですが……」と苦笑いしていた。もっとも原料となる生活排水の中には、人間の排泄物も多少は含まれているという。
   なお座席代わりの便器はTOTOが実際に発売している「ネオレストAH3」そのものだが、トイレとしては使うことができないそうだ。

その素晴らしい造形美はリンク先の画像を参照していただくとして、このどこから見ても目的を誤解させない素晴らしいデザインセンスこそさすがクールジャパン!と誇るべきなのでしょう、海外でも高い注目を集めているようです(人間一人の提供する燃料で十分なのか?などと疑問視もされているようですが)。
今や西洋文化圏でも当たり前に用いられるようになってきたのが箸というものですが、この箸に関しても素晴らしき日本のアイデアが詰め込まれた逸品があるというのですから驚きです。

あなたは使いこなせる!? 食事中に曲がっていく箸(2011年10月13日東京ウォーカー)

エコのための“マイ箸”使用が定着し、素材や見た目など豊富な種類の箸が出回っている中、「使っていると曲がっていく」というユニークな箸が登場! 「エス」から販売されている、その名も「曲がりなりにも箸」(3980円)だ。

これは、原料にスズ100%を使用した箸。一見すると普通だが、スズは柔らかい金属特性を持っているため、使えば使うほど曲がっていくという、箸の存在意義に挑戦し続けるアイテムだ。元の形に戻すにはゴムハンマーなどで形を整えなければならず、熱伝導がよいため、火のそばに置いたり熱いものを食べる時は、やけどしないよう注意が必要になる。

なんとも困りものの箸だが、開発のきっかけは「曲がったら困るものってなんだろう?」という会話だったそう。「エス」は本来ウェブサービス開発を手掛けている会社だが、各社員が平均勤務時間の5%に当たる時間を好きな分野の企画立案に使う「5%の可能性」という制度を推奨。その結果、独創的な製品が生み出されることとなり、今回も“困るから曲がらない”箸ではなく、“困るけど曲がっちゃう”箸が発売されることになった。

「宴会やパーティーなどいろんな人が集まる場所で使用して、その場の話題を独占していただきたいです」と、代表取締役社長の児玉さん。また、同商品は、梱包に白か黒の化粧箱を選ぶことができて、白黒セット(6980円)での販売も行っており、「白黒の箱を2つ並べると1つの絵が完成するおめでたいデザインなので、結婚式の引き出物や、誰が一番上手に食べれらるかを競争するなど、披露宴の余興としても使えます」(同・児玉さん)とのことだ。ほかにも同社では、食べづらくて食事の量が減るので“ダイエット”に、我慢強さが養われるので“精神力の鍛錬”になど、さまざまな用途を提案している。

現在、「曲がりなりにも箸」の注文を受け付けている同社サイトでは、「どのくらい曲がるのか」を確認できるプロモーション動画を掲載中。食事タイムの話題作りに困っている人や、ちょっと変わったダイエットをしたい人、心を鍛えてみたい人は、ぜひチェックしてみて!【東京ウォーカー】

「曲がりなりにも箸」http://www.es-c.co.jp/shop_hashi.php

日本人の独創的なアイデアここに極まれり!というものですが、今や諸外国でもダイエットフードとして注目されるという日本食の秘密の一端がこんなところにも隠されていたということでしょうか。
そろそろ寒さが実感される季節となってきただけに、日本の冬に必須のあのアイテムが望まれるところですが、すでに一足早く諸外国で話題になっているというのですから驚きです。

11月20日付 編集手帳(2011年11月20日読売新聞)

 「コタツ」は、意外に外国でも知られているらしい。日本の漫画やアニメの冬のシーンに登場するため、海外ファンの興味を引くのだろう。〈どこで買える?〉〈使い始めたら離れられなくなるよ〉などという英語のやり取りがネット上にあった。
 日本の知恵と文化が好評を博すことは無論うれしい。外国の方からその素晴らしさを教えてもらうのは、ちょっと複雑な気持ちではあるが。

 と考えていたら、先日、東京本社版の読者欄・気流で「家族の絆(きずな)温めるこたつ」と題した話が目に留まった。投書の主は札幌市の女性である。
 夫の転勤で北海道に住むようになって8年。備え付けのストーブで冬を過ごしてきたが、今年はこたつを買ったという。食後は子供部屋に戻っていた2人の息子さんは、リビングのこたつに足を入れて家族でたくさん話をするようになったそうだ。

 エアコンの家庭なら、それを止めてこたつにすれば節電効果も大。読むだけでほんわりした投稿の締めをそのまま引かせていただく。〈こたつ1台で家族の絆を実感できるなんて。皆さんも、今年の冬はこたつで家族と温まってみて下さい〉。

映画にもなった「のだめ」においてもそんなシーンがあり、まさしく世界に広がる冬のコタツ最強神話とでも言うべきものですが、ただしヒートポンプ式のエアコンに比べて電熱式のコタツが節電に有効かどうかは、いささか読売新聞社の見解に議論の余地あるところかと思います。
先の震災においても日本人の規範意識の強さが大きな話題になりましたが、最後に取り上げますのもそんな日本人の国民性を示すエピソードだと言えるでしょう。

「誰もが道を譲ってくれる発明を考えた」日本人の反応に驚く外国人たち(2011年11月14日らばQ)

日本のように人ごみの多いところでは、急いで先を行きたくても行けず、イライラすることがあります。
そんなとき、日本人の習性を利用してスムーズに抜かす方法を、とある外国人がひらめいたそうです。
それを証明する映像と日本人のリアクションに驚く、海外の反応をご紹介します。

方法はいたって簡単。マッドシティというあやしい(?)外国人が発明したと言う「人間が持つベル」。
要は自転車のベルを手に持っただけなのですが、鳴らすたびに片っ端から人が避けていきます。
ちょっと怖そうな人たちまで。
学生も。
サラリーマンも。
カップルも。
ホモセクシャルも。(と映像で説明されていましたが、外国人にはそう映るんですかね…。)
殺し屋も。(ちょっ、いや、まさか…。)
なんとエスカレーターでも通用。
さらにコンビニの店員まで。

映像は数年前のものですが、これを見た海外の人々は、日本人の几帳面なプログラムのされ方に驚きを通り越して、感心さえしていました。
海外の反応を抜粋してご紹介します。

・これはアメリカで使える手と思えないな。なぜなら自転車のベルの音どころか、音が鳴ったら道を譲るというルールがあることさえ知っている人が少ない。
・もう一つアメリカで使えない理由は、自転車は歩道を走ってはいけないし、車道にしかいない。
・携帯用のクラクションを持ち歩くべきだ。もうそれしか方法がない。
・これの一番に見所はエスカレーターで音を鳴らしても、自転車のために避けてくれることだ。
・いやコンビニの店員がよけたところだよ。
・本能ってやつだな…。
・きっとこれは脳のすごい奥深くに、刷り込まれているに違いない。
・これをドイツでやったら人を驚かせてしまう。まるでもうすぐぶつかるかのように横っ飛びして逃げると思うよ。この国ではベルは最後の手段なんだ。
・アメリカではダメだ。自転車に乗らないから。
・おお、これは気にいったぞ。オレはちんたら歩くやつにイライラするんだ。
・すばらしい、オレの車にも欲しい。
・カナダでは「エクスキューズミー」と言って、人を横にちょっと押すだけだ。
・それをアメリカでは決してやらないように。
・まるでアジアのモーゼだね。
・きっとパブロフは、これを見てすごく喜ぶよ。

まさにパブロフの犬で知られる条件反射と言えますが、ここまでみんなが、さささっと動く様子は日本ならではかもしれません。

Way to solve the slow walking problem

ナレーションといいこのノリは大阪か!と思っておりましたら、実は外国人だったと言うことで二度びっくりですけれども、しかし日本人の秘められていた弱点をこうも世界に向けてあからさまにされてしまうのはいささかの危機感を覚えるというところでしょうかね?
ちなみに記事の注記によれば「※自転車のベルはあくまで危険を知らせるのが目的なので、歩行者をよけさせる行為はマナー違反となります。節度のある使用を心がけましょう。(追記:道路交通法違反(第54条第2項)となり、処罰される(2万円以下の罰金又は科料、同法第121条第1項第6号)可能性もあるとのことです。)」だそうですので、悪用にはくれぐれもご用心ください。

今日のぐり:「うどん 一念天」

最近増床して大きくなったと売り出し中のイオンモール倉敷の近所、少し裏道に入りかけたところにあるのがこちら「一念天」さんですが、本場讃岐で修行した純手打ちのうどんが売りだというお店です。
以前に近所を通りがかった折に遠目からぶっかけという看板を見て以前から気になっていたのですが、実際に入っていますとごく小さなセルフスタイルのお店で、入り口の券売機で食券を買えば厨房にオーダーが通り、出来上がればカウンターに呼ばれるというスタイルのようです。
讃岐うどんもセルフ系慣れしていない人はオーダーでプレッシャーを感じることもままあると言いますから食券制も気楽でいいのですが、一方で食券にないオーダーにも対応するらしいというのはいいのか悪いのかで、いずれにしても見たところ厨房内のご主人一人でやっている(この日だけでしょうか?)お店のスタイルを考えると券売機導入は必須だったということなのでしょうね。

さて、今回は予定通り「ぶっかけ ひや」をオーダーしてみたわけですが、天カスなどの薬味はセルフというのはお約束だとして、面白いのはネギだけ盛り放題ではなく小皿で付くというのはコストの関係なんでしょうか、味への影響は置くとしてもマンパワーを考えるとわざわざ小分けして皿洗いも増やす手間の方が不経済にも思えますけれどもね。
うどんは世間の評判を聞くところによればコシの強いのが特徴だということなんですが、この日のうどんに関してはコシも相応には感じられるもののまず第一に硬いうどんという印象で、これも茹で置きだけに色つやなどももうひとつというのは残念なんですが、やや不揃いではあっても表面はなめらかで舌触り、のどごしなど基本的な素養は悪くないかなという印象でした。
讃岐系ぶっかけとしては味自体は割に辛めなのが珍しいというこちらのぶっかけダシは、少し生姜を多めに加えてやるとこのうどんともいい具合に合いそうな感じで、そのあたりは讃岐で修行したと言っても岡山風も入っているということなんでしょうか?
今回の味からすると絶賛するほどではないにしても悪くはないうどんという印象ですし、このうどんであれば茹でたてを熱々の状態で醤油あるいは釜玉あたりで食べたいなという感じですかね(もっとも釜玉はおろか釜揚げも券売機メニューにはないようですけれども)。

ちなみにさすがに手間などの都合がつかないということなのか、釜揚げがないというのは仕方のないところだと思いますけれども(たぶん頼めばやってくれそうですけどね)、券売機を見るときちんと「ゆだめ」と表記しているのもよいところで、全般の価格も讃岐相場に準ずるかやや高め程度といった水準ですし、バリューフォーマネーだけで考えても競争力は相応にありそうですよね。
前述のようにこの日見た限りではカウンターの中にご主人が一人いるだけという状態で、いくらセルフスタイルとはいえ平素から一人でやっているということであればお客がさらに増えるときつそうにも思うのですが、それだけに券売機にないメニューを頼むつもりであればマナーとしてきちんと時間帯等も考慮して行うべきだということなんでしょうね。
こういう状態ですから当然ながら接遇と言うほどのことはないのですが、逆に言えばお店に対して全く気を使うというところもないだけに、ただ黙々とうどんを食べたいという向きには気楽に立ち寄れるお店ではないかという気がします。

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2011年11月22日 (火)

消費税増税が一気に実現?!しかし先にやるべきことも多いのでは

すでに報道などでご存知だと思いますが、消費税増税で一気に話が進みそうな気配だということです。

消費増税「年内に結論」…首相会見(2011年11月20日読売新聞)

12年度予算 国債44兆円超えも

 野田首相が東アジア首脳会議閉幕後の記者会見で、消費税率引き上げの時期や税率を定める社会保障・税一体改革について、「年内をメドに結論が出るよう議論を深めていく」と述べ、年内取りまとめに意欲を示した。

 だが、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加をめぐり、野田内閣への反発も増える中、消費税の増税論議は難航が予想される。(山崎貴史、本文記事1面)

 政府は2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%に引き上げる方針に沿い、年内に大綱をまとめる方針だ。野田首相は、年明けから野党と協議し、来年3月までに関連法案を国会に提出する考えを示した。

 また、野田首相は12年度予算の新規国債発行額を今年度当初予算並みの44兆円以下に抑える方針も説明したが、実現は容易ではない。政府は12年度予算案での基礎年金の国負担分の財源不足(約2・6兆円)を穴埋めするため、将来の消費税増税での返済を前提とする「つなぎ国債」の発行を検討している。特別会計の剰余金など「埋蔵金」も枯渇しつつあり、「44兆円」を超える恐れがある。

 欧州の債務危機は国の財政規律の重要性を改めて示している。野田首相は消費税増税などの必要性を国民にわかりやすく説明し、とりまとめに向けて強い指導力を発揮する必要がある。

年金改革、消費税率10%でも将来不足…前原氏(2011年11月20日読売新聞)

 民主党の前原政調会長は20日のNHK番組で、月額7万円の最低保障年金創設などを柱とする年金制度抜本改革の関連法案を2013年の通常国会に提出する意向を示した。

 年金制度抜本改革は同党が09年衆院選政権公約(マニフェスト)に明記していたもので、関連法案に厚生、国民、共済に分かれている年金制度の一元化も含める考えだ。

 前原氏は、抜本改革の財源確保で必要となる消費税率について「どのようなパーセンテージで行くかはこれから詰めなければならない」と語り、将来的には社会保障・税一体改革で想定した税率10%では不足するとの考えを示唆した。

 政府・民主党の一体改革案には、年金制度抜本改革は含まれていない。このため、来年の通常国会に提出する消費税率引き上げの関連法案は一体改革案に沿って税率10%とし、年金制度抜本改革の議論とは切り離される予定だ。

しかしいつの間にやら埋蔵金がどうとか、特別会計がどうとか言う話は誰も言わなくなりましたよねえ…いやあ、不思議と言うしかないのですが、そういえばマニフェストでは増税はしませんなんてことも言っていたような気もするのですが、あれはどうなったのでしょう?
欧州債務危機は確かに以て他山の石とすべきものですが、ギリシア危機などを見て見れば公務員問題など放漫な支出を続けていればとんでもないことになりますよという教訓を読み取るべきで、支出を維持するために増税しますではかつて橋本政権時代に経験したようにかえって税収が落ちるんじゃないかという気もします(ちなみに、野党時代の野田さんは公約にない増税をさんざん批判していたのですが…)。
そもそも前原氏の言う年金改革を実現するためには10%ではまだまだ足りないという話ですが、社会保障と税の一体改革ということとはまた別に財政赤字対策などからも消費税増税が必要だという声は根強くあり、記事にあるようにこれら全て別計算として計上していけば一体消費税はどんな水準になるのか判らないと言うことですよね。
そもそも年金というものは自分たちでかけた掛け金で自分たちの面倒を見るというタテマエで、それがただでさえ世代間の負担のツケ回しで制度が歪んでいる現状を放置したままでただ税金で救済すればいい、財源は消費税増税だでは、結局今の現役世代の抱いている不公平感をますます拡大再生産するだけに終わってしまいそうです。

税と社会保障の一体改革となれば一方の老人医療費に関する議論も必要なはずなんですが、消費税を大幅増税してまで社会保障を真剣に改革するというのであれば、民主党がさんざん批判して実質骨抜きにしようとしている後期高齢者医療制度をきちんと真面目に考えていかないと仕方ないでしょうね。
そもそも一番お金を持っている高齢者が極端に低い自己負担で医療を好き放題使えるということが医療費を際限なく増大させていく大きな要因であったからこそ、若年世代とは別枠での医療を提供していくことで一つには本人達の自覚を促し、また将来的には医療給付も年代別に差別化していこうという方向性が示されていたはずなのですが、結局残ったのはお年寄りの特権だけだったわけです。
確かに日本はどんどん高齢化が進んでいて、しかも若年世代が減少している以上は大票田としての高齢者に対して厳しいことも言えないのでしょうが、だからといって社会全体がひっくり返ろうとしている中で一部特権の維持だけのために制度そのものを歪めていいという理屈にはならないですよね。
三階建てなどと批判される公務員年金(共済年金)の優遇問題などもそうですが、高度成長から低成長へと移り変わる中でもはや景気のいい事ばかりは言っていられない世の中なのですから、きちんと持てる者には応分の負担を求めていくという当たり前のことを行い、既得権益にはしっかりと切り込んでこそ政権交代の意味もあるというものでしょう。

年金問題の行方はともかくとして、それ以前に消費税増税でどうなるかと言われているのが医療機関のいわゆる消費税損税問題なんですが、残念ながら社会一般では(ごく控えめな表現をしても)さほど大きな関心を呼んでいるようには見えません。
ご存知のように商行為の各段階でかかってくる消費税というものは、最終的には消費者が支払うというのが原則ですけれども、何故か医療機関においては最終消費者である患者にこの消費税を転嫁してはならないという妙なルールになっていて、そのため仕入れ等の間に支払ってきた消費税分だけまるまる損になっているというのがこの損税問題です。
実際にこの損税というものがどれくらいの額になるのかが気になりますが、診療内容などによっても変わることから諸説あるものの一つの試算では保険収入の1.32%、一病院あたり年間7482万円と言いますから、これは決して少ない金額ではなさそうだと言う気がしてきますよね。

国のタテマエとして診療報酬に消費税込みで反映されているから転嫁する必要なしという理屈になっているのですが、しかし消費税が10%、あるいはそれ以上に大幅引き上げされるとなると、診療報酬もそんなに大幅引き上げが出来るのかということになりますが、どう考えてもこのご時世に「それでは消費税を10%に引き上げますから、診療報酬も5%引き上げましょう」なんて話がありえるでしょうか?
もちろんきちんと裏付けとなる理屈があるわけですから説明は幾らでも出来るでしょうが、コンマ以下何パーセント増やしたの減らしたので大騒ぎしている世界でいきなりそんな大幅増となれば実際の政府支出増も大変でしょうし、国民も理屈以前に感情の問題としてついていけないでしょう。
すでにこの問題は医療機関側からは以前から盛んに是正の必要性が叫ばれていたのですが、それがここに来て急に消費税増税問題が現実化しそうな気配になってきた、それもあるいは相当な大幅増税になりそうだとなればこれは死活問題で、すでに以前から各方面で警鐘が鳴らされているところなんですが、果たして一方の当事者である国民の耳に届いているのでしょうか?

「消費税が医療現場を追い詰める」 医療関係者が市民セミナーで訴え(2011年8月31日J-CASTニュース)

  消費税が病院の損税になっていることを知ってもらおうと、市民セミナー「医療と消費税」が2011年8月21日、東京・日比谷公会堂で開かれた。日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、日本精神科病院協会などの病院団体連合)の主催。消費税是正を目指す運動の第一弾。医療関係者が6割、一般が4割で、1800人以上の聴衆が集まった。

   医師・作家の海堂尊さん、ジャーナリストの堤未果さん、今村聡・日本医師会常任理事の3人が基調講演、続いてパネルディスカッションが開かれた。

医療を民営化したアメリカの失敗

   海堂さんは「医療とお金」をテーマに、医師や病院は国の医療費削減政策によって貧しくなっていること、国はもっと医療に投資する必要があること、それなのに、国民・患者は相変わらず「お医者さんは金持ち」と誤解していること、を指摘した。

   著書『ルポ貧困大国アメリカ』で知られる堤さんは、医療や教育を民営化し、商売にしたために起きた米国の惨状を強調した。さらに菅首相が積極的だった自由貿易協定は、日本の医療市場を米国医療資本に明け渡す危険性があると警告、「国民皆保険制度を守ろう」と訴えた。

   日本医師会で税制を担当する今村さんは、病院が薬や建築、医療機器の購入に消費税を払いながら、医療費が消費税非課税になっているために、病院の負担になっている仕組みを説明した。消費税1 件5%の現在で、一般病院で1年に数千万円、大学病院では3億6000万円もの負担になっているという。

   パネルディスカッションでは四病院団体協議会税制委員長の伊藤伸一・大雄会第一病院(愛知県)理事長が「診療報酬に消費税分を反映した」という国の主張がいかに不十分、不合理かを解説。税理士の船本智睦さんは医療界全体で消費税は6兆円の負担になっており、17兆円の関連生産額が失われているとの試算を示した。

   また、医療ジャーナリストとして参加を求められた筆者(田辺)は、消費税は大企業・輸出企業・富裕層に有利で、病院や介護施設、低所得層、小企業いじめになっている不公平税であることを強調した。「このままで消費税率が上がると、医療は崩壊する」とし、パネル参加者全員が、国の早急な是正が必要との意見だった。(医療ジャーナリスト・田辺功)

無論、消費税増税でより一層顕在化するこの損税問題が医療機関に対して新たな淘汰の圧力として働き、厚労省などがかねて主張している医療の再編、集約化に結果として寄与するという可能性も否定出来ませんが、そうしたことが必要だから行うというなら行うにしても、本来許されるべきではない制度の歪みによってそれを達成するというのもおかしな話でしょう。
一方では増税でさらなる特権を享受しようとしている人々がいて、他方では増税で今以上に不公平税制に泣かされてしまう人々がいるとなれば、税と社会保障の一体改革なるものが言うところの改革の中にこうした不公平の是正は含まれていないと言うことのないように、きちんと今から目を光らせておかなければならないということですね。

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2011年11月21日 (月)

聖地奈良より 生駒市と医師会が激烈バトル中?!

ひと頃は健診等自治体の医療関連業務は医師会にまず話を通してということが当たり前だったものですが、近年医師会の権威も低下してきているということでしょうか、時折自治体と地区医師会とのトラブルが報道されています。
先日奈良県は生駒市から出てきたこの話題もどうやら背景には自治体と医師会との間のいさかいがあったようなのですが、まずは一連の報道から取り上げてみましょう。

生駒市:妊婦健診離脱巡り公取委が注意 県医師会文書「独禁法違反」/奈良(2011年11月15日毎日新聞)

 生駒市は14日、県の妊婦健診集合契約からの今年度の離脱を決めた後、県医師会が医療機関などに配布した文書の内容などが独占禁止法違反(競争や活動の制限)だとして、公正取引委員会に3月に措置請求した結果、公取委から「独禁法違反の未然防止を図る観点から、関係人に注意した」との通知が来たと発表した。

 集合契約は県内市町村が県医師会と契約し、加盟の産婦人科で補助券を金券として利用できる制度。補助額は今年度から年9万5000円に1万円増額されたが、生駒市は「実績から増額は不要」と集合契約から離脱し、補助額8万5000円で、医療機関と個別に契約することにした。

 これに対し、県医師会は2月23日、医療機関に文書を配布。県内どこでも同一の公費負担の制度が壊れるとして、生駒市を念頭に、「市町村より個別契約の依頼等がございましても、これに乗ることなく、本会まで連絡くださるようお願いいたします」と依頼した。

 市によると、この文書が出た後、個別契約を断った医療機関が出たという。市の説明では、公取委はこの文書が医師らをしばり、独禁法違反につながる恐れがあると判断し、県医師会に口頭で注意したという。

 生駒市は14日、この文書を撤回し、撤回を医療機関に周知するよう求める文書を県医師会に送り、14日以内の回答を求めた。

 一方、県医師会の中尾克己・事務局長は14日、注意を受けたことを認めた上で、「現時点で撤回するつもりはない」と話した。【熊谷仁志】

公取委 妊婦健診めぐり、県医師会に注意 奈良(2011年11月15日産経ニュース)

 ■「独禁法違反につながるおそれ」

 生駒市は14日、公費助成の妊婦健診をめぐり、県医師会との一括契約から各医療機関との個別契約に変更した際、県医師会が会員に個別契約に応じないよう求めたことについて、公正取引委員会に措置請求した結果、公取委が「独占禁止法違反につながるおそれがある」として県医師会に口頭注意したと発表した。

 市によると、県内の十津川村以外の市町村は平成21年度から、妊婦健診14回分の公費助成について県を窓口に県医師会と一括契約していた。しかし、県医師会は23年度の助成額を計8万5千円から計9万5千円への増額を決定。市は市内の妊婦の利用額が平均約7万円で「増額の必要はない」とし、県内外の医療機関と個別契約を進めた

 これに対し県医師会は今年2月、「県内どこの医療機関でも同一の公費負担で受診できる制度が壊れる」として会員に個別契約を結ばないよう通知文を送付。市が3月、公取委に措置請求していた。

 市は公取委の回答を受け、県医師会に通知文撤回を要請。県医師会は「県民が同額で助成を受けられるよう一括契約を維持するための行為であり、通知文を撤回するつもりはない」としている。

行政ファイル:生駒市の妊婦健診集合契約離脱問題で県医師会が記者会見 /奈良(2011年11月19日毎日新聞)

 県の妊婦健診集合契約からの生駒市の離脱を受け、県医師会が2月に医療機関に配布した文書について、公正取引委員会が独占禁止法違反の未然防止の観点から、県医師会に口頭注意した問題で、県医師会の塩見俊次会長が18日、記者会見した。

 塩見会長は「あくまで一般的な注意を受けただけで、文書の撤回を求められたわけではない。『個別契約を結ぶな』とは書いていないし、何ら問題はない」と述べ、生駒市が求める文書の撤回に応じる考えがないことを改めて強調した。市が求めている文書での回答もしないという。

この記事だけを読んでいるとまた強欲な医師会が我が儘を言って自治体を困らせているのかという感じなのですが、どうも事情はそう簡単なものでもないようなんですね。
元々奈良県では2009年から県内の市町村で14回分の妊婦健診公費助成を行うということになり、これに関して県から県医師会に一括で契約し、妊婦は県内どこの医療機関でも同じように健診を受けられるというシステムになっていて、これにより各医療機関と自治体が医療機関と個別に契約をする必要がなく、また医師会側も手数料等で中間搾取は行っていなかったということです。
この契約に基づく助成金の金額が2009年度当初8万円だったものが、本年度は検査項目が増えたことなどもあって9万5千円になったのですが、何故かそこで生駒市だけが「いや、当市の利用実績では14回全てを受診した人でも平均7万1834円で、多くの妊婦はそれ以下しか受診していない」と言い出して、突然県主導の一括契約から離脱して各医療機関との個別契約に切り替えると言い出したと言うのです。
県医師会の塩見会長は「これまでの制度なら県内の妊婦はどこに住んでいても同じ補助で同じ診療が受けられるが、個別契約だと各市町村の財政力などによって妊婦の負担に隔たりが出て、健診を手控える恐れもある」云々と大いに批判をし今回の文書を出すという事態に至ったというわけですが、何故生駒市だけが唐突にこんなことを言い出したのかということが疑問ですよね。

興味深いのはこの妊婦健診の公費助成と言うもの、元々は一部だけの助成であったものが未受診妊婦が問題化したこともあって08年度から14回分の公費助成を行うことになったわけですが、その費用がどこから出ているかと言えば国の地方交付税と県の補助金とで半分ずつ賄われていて、実際に妊婦に14回分の補助券を交付し医療機関に支払いを行っている市町村は何ら持ち出し無しで全部やれるわけですよね。
そうなると別に助成金の額を幾らにしようが何ら生駒市の懐は痛まないはずじゃないかと思うところですが、実はここに大きなからくりがあって、確かに国と県から妊婦全員に14回分の健診を受けさせるお金は市町村に下りてくるものの、このうち国の地方交付税の使い道と言うのは別に妊婦健診に限定されているわけではなく自由に使えるもので、実際に自治体がそのうちの幾らを妊婦健診に回すかは勝手に決めていいというのです。
要するに生駒市としては国から地方交付税を受け取っておく一方で、実際の健診助成を安くあげればあげるほどその分のお金を他に転用することが出来るという非常においしいことになっているのかも知れないと言うことですよね。

実は当初完全無料化というかけ声でスタートしたこの妊婦健診の助成額が実際には各自治体毎に違うと言う問題と平行して、この交付税問題ということも以前から併せて問題になっていて、今回の生駒市にしても元は税金だったお金をいわば目的外使用しているとなればそれは筋が通らないだろうという話ですよね。
もちろんどんぶり勘定維持にご執心な医師会が日本の税制に対してそんな高尚な意識を持っているとも思えないところで、これは当然ながら公費助成が減れば医師会会員たる地域の医療機関の実入りも減るというシンプルな動機付けに基づく抗議だろうと思われますけれども、やっていることが子供じみている割には一応抗議自体は筋が通っているようにも見えると言うのが厄介ですよね(苦笑)。
生駒市の山下市長からこの健診助成金問題に関するコメントがブログにアップされているのですが、これまた金券ですから余れば使われないだけなのに結局何故生駒市だけが個別契約を結んでまで引き上げを拒否したかがはっきりせず(文字通り読めば医師会に対する子供じみた反発ですよね?)、ただ「これでも困らないでしょ?何が問題?」と的外れな弁明に終始しているのも本音を言えない難しさがあるということでしょうか。

妊婦健診に関する生駒市医師会の通信に対する本市の考え(2011年4月16日生駒市長ブログ)

 本日、「生駒市医師会 通信」というタイトルの緑色の文書が新聞に折り込まれていました。生駒市医師会の通信が会員に対してでなく、市民に対して広く配布されたのは初めてではないでしょうか。生駒市の妊婦健診に対する補助に関しての対応を批判する内容ですが、市議選告示の前日に配布されていることから、市議選で私が支援する候補の落選を狙ったものであることは明らかです。

 妊婦さん以外にはあまり馴染みのないテーマだと思いますので、この「通信」をそのまま信用されるかもしれません。そこで、簡単な解説と医師会の批判に対する反論を述べてみたいと思います。

 妊婦健診に対しては、平成21年度から14回分、公費で助成する制度が始まりました。これは、奈良県下の市町村が奈良県を窓口として、奈良県医師会と契約し、奈良県医師会に加盟する産婦人科で公費助成の補助券を金券として利用できるようにするという形で始まりました。契約の主眼は、補助券を金券として産婦人科の窓口で利用できるようにすることで、補助額を県下の市町村が統一する必要はありませんでした

 しかし、奈良県医師会は補助額の統一を要望し、平成21年度が妊婦さん一人に対して80,000円、翌22年度からは医師会の要望で85,000円に増額されました。医師会は、平成23年度は112,450円にして欲しいと要望してきました。しかし、生駒市のデータでは、公費補助の対象となる14回すべての健診を受診されている妊婦さんでも、補助券の利用金額は平均71,834円であり、85,000円の範囲内に収まっていたので、増額の必要性はないと判断しました。また、奈良県の85,000円という統一補助額は、近畿では大阪府の約46,000円、兵庫県の約78,000円、京都府の約86,000円と比べて、遜色なく、この点からも公費補助額の増額の理由はないと判断しました。

 しかし、医師会が増額にこだわったため、生駒市は奈良県を窓口にしての奈良県医師会との契約に加わらないこととしました。そして、生駒市の妊婦さんがよく利用される産婦人科と個別に、市が発行する補助券85,000円分を産婦人科の窓口で金券として利用してできるようにするための契約を結ぶこととしました。ちなみに、奈良県下の他の市町村は10,000円値上げの95,000円で奈良県医師会と契約することになりました。

 生駒市が、個別に産婦人科と契約を締結しようと、申し入れを始めたところ、奈良県医師会は、各地区医師会会長、各産婦人科医宛てに文書で、「市町村との個別契約に乗ることなく、本会まで連絡を下さるようお願いします。」と通知し、生駒市から契約締結の申し入れがあっても、それを拒絶するように指示しました。

 これに対し、医師会の措置は独占禁止法に違反するものであったため、生駒市は医師会に対し、独占禁止法違反であることを通知するとともに、上記文書の撤回を求める文書を送付し、厳重に抗議しました。そうしたところ、奈良県医師会は生駒市医師会加盟の産婦人科医を集め、「生駒市と個別に契約することは自由である」と口頭で通知しました。

 この結果、市内の8つの産婦人科及び助産院とはすでに85,000円分の補助券の窓口利用を認める契約を締結し、奈良県下の生駒市外の産婦人科及び助産院、32機関のうち、4月11日現在で18機関とも契約が締結できています。また、これまでは県外の産婦人科では、奈良県下の市町村の発行する補助券は利用できなかったのですが、京都府医師会加盟の産婦人科医でも23年度から利用できるようになり、利便性が増加しました。現在は、大阪府医師会にも契約締結をお願いしています。

 このように、奈良県の生駒市外の産婦人科でまだ補助券の利用ができないところがあるだけで、それ以外には妊婦さんの利便性は変わっておらず、むしろ、京都府で利用できるようになったことで利便性が増しています。今後、奈良県の生駒市外の産婦人科でも補助券が利用できるように引き続きお願いをしていくつもりです。また、補助額についても、14回すべての健診を受診されている妊婦さんの利用金額が、現在の平均71,834円より増加するようであれば、今後、増額を検討していきます。従いまして、今回のことで、妊婦さんにご迷惑をお掛けすることはあまりないと考えています。

 以上が、「生駒市医師会 通信」に関しての本市の言い分です。このような文書が市議選前に政治的意図をもって配布されることは大変残念です。なお、今回の奈良県医師会の取った行為に対して、本市は3月4日に公正取引委員会に対して独占禁止法45条に基づく措置請求をしています。

ま、どっちもどっちだと言えばそれまでなのですけれども、元々は14回全部が無料で受診できるようにという趣旨で始まった制度であり、そのためにわざわざ国からも県からもお金を出して自治体に負担なく行えるようにしているわけですから、「平均額はカバーしているから何も問題なし」というのはどうなのかで、実際に助成金額が他市より低いが故に「ご迷惑をお掛け」してしまう妊婦に対してはどう釈明するのでしょうかね。
今回の件とは直接関わりのないことですが、以前からお産に関しては自治体病院の不当なダンピング価格が地域の産科医を圧迫しているという声があって、これも分娩費用値上げは市議会に諮らなければならないとなれば今どき料金アップなどおいそれと認められるはずもありませんけれども、その結果今の医療水準に相応したお産に要する正当なコストすら請求できないということになっているわけです。
無論正当なコスト請求が出来ないということは院内における産科医の立場も高まらないのは当然で、ひと頃参加崩壊が叫ばれた頃には悪弊極まる公立病院をどう潰すべきかなんて議論まであったくらいですが、こうしたことを考えて見ると今回の助成金問題においても生駒市の方針には生駒市に相応しいレベルの産科医がついていくことになるのだろうなと言う気もします。
しかし「むしろ、京都府で利用できるようになったことで利便性が増しています」とは言い得て妙と言うのでしょうか、さすが産科医療における聖地とも言われる奈良だけの事はあると思いますけれども、先頃ついに放言で市長が辞任に追い込まれた小金井市のゴミ処理問題にも見られるように、今どきリソースの不足している領域でいつまで余所様の面倒まで見てくれるかと思うのですけれどもね…

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2011年11月20日 (日)

今日のぐり:「中国料理 洋明」

先日思わず感心したというのがこちらのニュースです。

部活リケジョ、「化学」大発見、米誌に掲載へ(2011年11月17日読売新聞)

 茨城県の女子高生らが新たな化学現象を発見し、権威のある米専門誌に論文が掲載されることが決まった。

 専門家は「高校生の論文掲載は世界的な快挙。今後は彼女らの実験結果を、プロの化学者が後追い研究することになるだろう」とたたえている。

 茨城県立水戸第二高の数理科学同好会に所属し、今春までに卒業した小沼瞳さん(19)ら5人で、2008年2月の金曜日、「BZ反応」という実験を行った。酸化と還元の反応を繰り返すことにより、水溶液の色が赤と青に交互に変わる。

 その日、水溶液の色は想定通り赤で動かなくなった。メンバーは器具を片付けないままカラオケへ。ところが月曜日に実験室に戻ると、液は黄色くなっていた。

 予想外のことで、観察を繰り返した結果、赤青の変化が一度止まった後、突然、始まった。全く知られていない現象だったが、試薬の条件が整えば、5~20時間後に変化が再開することを突き止めた。

プロジェクトXでも取り上げられたシャープの液晶開発秘話を思い出させるような話で、ちゃんと高校名で投稿しているというのが微笑ましいですけれども、当の学生が一連の経緯を書き記していて、これがなかなか理系教育というものを考えさせる一文ですよね。
本日は水戸第二項OG達に敬意を表して、世界各地からこれはちょっとすごいのでは?!という良い仕事の数々を紹介してみようと思いますが、まずはこちらの記事から行ってみましょう。

水平、垂直方向へ自在に飛ぶ球体…空中停止も/日本(2011年10月21日読売新聞)

 防衛省技術研究本部が開発した空飛ぶ球体のデモ飛行が20日、東京・江東区の日本科学未来館で始まった「デジタルコンテンツEXPO2011」で報道陣に公開された。

 大きさは直径約40センチで、重さはわずか350グラム。遠隔操作で球体内部のプロペラを回転させ、水平、垂直方向へ自由自在に飛ぶ。最高時速は推定60キロ・メートル。ペットボトルなど身の回りにある素材を利用しており、製作費は11万円だった。

 狭い建物内部にも入っていける小回りの利く飛行が最大の特徴。ヘリコプターのようにホバリング(空中停止)もできる。将来は偵察任務に使えそうだという。佐藤文幸技官は「原発事故のような人が近づけない場所での情報収集にも役立てたい」と話している。

いったいこれは何なんだ?と言うこの謎の球系物体の実際の飛行ぶりはこちらの動画を参照いただきたいと思いますが、何かこういうものを見て見ますと「オラなんだかわくわくしてきたぞ!」という気になってきませんでしょうか?
同じくちょっとした発明ということで、こちら洪水被害が未だ続くタイからの話題を紹介してみましょう。

浸水地域で使える乗り物のコンテスト/タイ(2011年11月17日日テレニュース24)

 洪水被害が続くタイ・バンコクで、浸水地域の住民が移動手段として活用できる乗り物のアイデアを競う政府主催のコンテストが開催された。

 浸水地域の住民は、金を払ってボートに乗るか、軍のトラックを利用するしか移動手段がないため、ボートの料金が高騰して問題となっている。

 そのため、タイ政府は被災地の住民が手作りできる乗り物のアイデアを募集し、コンテストを開いた。身の回りの材料で作れ、エンジンやガソリンを使わない乗り物が条件で、ポリタンクの上に自転車を載せた乗り物を作った大学生が優勝した。今後、政府が被災地域の住民に、この乗り物の作り方を教えるという。

 現在、バンコクの東部や西部では、広い地域で浸水が続いているものの、中心部に被害は出ていない。日本の外務省は16日、洪水被害が縮小に向かっているとして、渡航延期勧告が出ていたバンコク中心部の危険度を2段階引き下げた。

優勝者以外の数々のアイデアも含めてリンク先の動画を参照いただければと思いますが、現地では様々な改造車輛などが実際に活動しているということで、日本であれば「この非常時にこんなコンテストなんて不謹慎だ!」なんて潰されてしまいそうだと言うのに、これも若さということなんでしょうかね。
この時期巨大カボチャのコンテストなども開かれるようですが、遠くアメリカではこんなとんでもないものが登場しているようです。

ねぇ、怖い! 世界一大きなカボチャのカービング(写真ギャラリーあり)/米(2011年10月26日GIZMODO)

怖い。怖すぎよ。

ハロウィンと言えばカボチャのカービング。飾り付けの1つとしてカボチャを彫っていろいろな形のランタンを作ります。1818.5ポンド(約824キログラム)もある世界一大きいカボチャで作った世界一大きいカボチャのカービング。真にせまる怖さです。カボチャの中身も上手く使って何かのどろどろも表現されています。制作者はRay Villafaneさん。ハロウィンの間、ニューヨークのボタニカル・ガーデンに飾ってありますよ。
それにしても、リアル。カボチャ地獄からはい出してきた男。怖いよ。

どれくらい怖いかはリンク先の写真を参照いただければと思いますが、しかしこれを街中に飾りますか…暗いところでいきなりこんなものに遭遇したら思わず逃げ出したくなりそうですけどね。
先日亡くなったジョブズ氏の話題は林檎ヲタならずとも未だに続いているようですが、その偉業を称える一風変わった肖像画が登場したという話題を紹介しましょう。

食卓塩で描かれたスティーブ・ジョブズ氏のリアルな肖像画/米(2011年10月26日Pouch)

こちらの故スティーブ・ジョブズ氏のモノクロポートレート。実は、食卓塩と、“へら” 代わりの紙切れのみで描かれています。そのほかに必要なものは、柔軟な発想、たぐいまれなデッサン力、それに忍耐です。

制作者は、アフガニスタン生まれ、カナダ在住のイラストレーター、Bashir Sultaniさん。その彼が、ひたすら塩を黒の背景にふりかけ、先端を尖らせたへら代わりの紙ツールで描いていくこと90分。YouTubeではその様子が、約3分の動画で公開されています。

すでに、多くの人々に感動を与え10万回以上再生されているこの映像。氏が亡くなった今月5日のわずか2日後にアップロードされたものです。

再生ボタンをクリックすると、バックに流れるピアノ曲、J.S.バッハ「プレリュード ハ長調」の旋律に同調するかのように、ジョブズ氏の輪郭が徐々に浮かび上がり、何とも心に迫るアート作品になっています。しかも塩は再利用のため、作品はこの動画の世界でしか見ることができないようです。

つい先日も「pouch」では、同じ作者による『Art With Salt(塩の芸術)』、ピカチュウなどのアニメキャラクターやレディ・ガガ、オバマ大統領など有名人を題材にした作品群をご紹介しました。改めて、氏のご冥福をお祈りするとともに、Bashir Sultaniさんのさらなるご活躍を期待したいと思います。

(文=はぎぃ)
参照元:youtube=Bashir Sultani(http://p.tl/0iJN)

実際の製作の様子がリンク先の動画で公開されているのですが、しかしこれは確かにどこからどう見ても食卓塩ですよねえ…
モーゼと言えばあの海を割るシーンが有名ですけれども、まさにそれを彷彿とさせるような橋がこちらに登場しているということです。

「モーゼのようだ」水を割る橋、水面より低く建設されたデザインが話題に。/オランダ(2011年11月16日ナリナリドットコム)

大自然の渓谷から都会の大きな道路まで、利用者が安全に反対側へ渡れるように作られている橋。一般的に思い浮かべるイメージは、恐らく“地上よりも高い場所に架けられている”といったものだが、オランダのある濠には、水面よりも下に通路が設けられた橋がある。離れた場所から見ると、通行者がまるで水中を歩いているかのように見えるユニークな橋として、欧米のネットで注目を集めているようだ。

米デザイン情報サイト「Inhabitat」によると、この橋はオランダにある、17世紀に建設されたルーバル要塞の濠に架かる歩道橋。当時のオランダは、フランスやスペインの侵攻を阻止するため多くの要塞が次々と作られていた。ルーバル要塞もその1つで、囲むように作られた濠は「人が横断するには深く、船が通るには浅すぎる」深さに設計されているという。

そんな要塞を訪れる人たちのために、オランダの建設デザイン会社「RO & AD Architects」が濠に作ったのがこの歩道橋だ。まるで濠の水を分けて進むように見えることから「モーゼのようだ」とも言われているが、同社サイト上の説明によると、この橋は要塞の復元作業に合わせて新たに建設されたそう。それに合わせて、景観との調和と「意外な外観」という“オランダらしい考え”に基づいて設計を重ねた結果、今回の歩道橋が生まれたというわけだ。

人がすれ違うのもやっとくらいの幅で作られた橋は、すべて防水や防菌加工のコーティングがされた木材で建設。水を遮る通路の壁は、水面より若干高い程度に抑えられており、離れた場所から見ると、そこに橋があるとは到底気付かないほどだ。そのためこの橋を渡っている歩行者を見ると、難なく濠を進んでいるかのような不思議な光景が楽しめる仕組みになっている。

ちなみに、見ても使っても楽しめそうなこの橋は、オランダ国内で高い評価を受けているそう。また、ここ数日欧米メディアからも注目が集まり、斬新な橋と話題を呼んでいる。

これまた実際の様子はリンク先の写真の数々を参照していただければと思いますが、確かにこれはなかなか見る価値も渡る価値もありそうな素晴らしい出来なんですが、こういうものもしかし橋と言うのでしょうかね?
思わず渡ってみたくなるのがオランダの橋だとすれば、こちらはおそらく大多数の人々が思わず尻込みしてしまいそうだということになるのでしょうか。

押すなよ!絶対押すなよ!足元丸見え、断崖絶壁に設置された恐怖のガラス桟道「湖南省張家界市天山門」/中国(2011年11月15日カラパイア)

 海抜1430メートル。足がすくみそうになる高さの断崖絶壁に、いつ割れるんじゃないかとハラハラしそうな全長60メートルに及ぶガラスの桟道が、中国は湖南省張家界市の天山門に設置され、スリルを味わいたい人々の注目を集めている。

 まるで仙人になった気分で、天上人感覚を味わえるというこの名所。ガラス張りの床からは足元に広がる世界が見渡せる。高所恐怖症の人にとっては試練の桟道ともなりそうだ。

 また、透明なガラスに傷がつかないよう、この桟道を利用する際には靴カバーが必要なのだそうだが、まてよそれって余計つるつる滑るんでは?

 ガラスの桟道も確かに怖いのだが、それを設置している作業員の方を見ているほうがもっと怖い?

状況はリンク先の写真の数々なども参照していただくとしても、しかしこれは…おっかなびっくりという顔で渡っている観光客の表情がまたいい味を出していますね。
日本人的感覚からすると時にそれはちょっと…と感じてしまうこともあるのがドイツ人の美意識なのかも知れませんが、これは現地の反応はどうなのよ?と思わずにはいられないというニュースでしょうか。

巨大すぎて恐い 独の湖に謎の金髪マーメイド出現/独(2011年8月5日ロイター)

 [ハンブルク(ドイツ) 3日 ロイター] ドイツ北部ハンブルクのアルスター湖に3日、高さ4メートルの巨大な「マーメイド」の像が出現した。

 この像は、アーティストで広告代理店を経営するオリバー・フォス氏が制作したもので、金髪の女性が顔と両膝部分だけを水面に出し、アルスター湖につかっているというもの。

 湖面にはいくつものボートやカヌーが浮かび、不思議な像を遠巻きに眺める人や、近くまで寄って顔をのぞき込む人の姿もあった。像は8月12日まで展示される予定。

リンク先の写真を見ていただければ判る通り、ロイターがわざわざ「不思議な像」などと書いているくらいですからよほどに…と言うものなんですが、しかしこれが何をもってマーメイドだと言っているのかがよく判らないですよね。
ブラジルと言えばラテンのノリで性に対しても奔放なイメージがありますけれども、奔放すぎるのもどうなのかという調査結果が先頃公表されたということです。

動物と性交渉すると、陰茎がんのリスクが高まるそうです/ブラジル(2011年11月12日GIZMODO)

あなたは大丈夫です...よ...ね?

身に覚えのある方は多くはないことと思いますが、念のためお知らせします。ある研究でブラジルの農村地域に住む18歳から80歳の男性492人を調査したところ、35パーセントの人に、馬や牛、豚、ニワトリ(!)などの動物との性交渉経験がありました。3人にひとりってそれ自体びっくりなんですが、さらにこの比率は、調査対象の中の陰茎がん患者118人においては45パーセントに高まります。この差は統計的にも有意で、つまり動物との性交渉経験のある人の方が陰茎がんになりやすいことがわかったのです。

以下もうちょっと具体的になるので、その手の話が苦手な方は読まないでくださいね...。

この調査結果を分析した論文が、10月24日発行の医学誌「Journal of Sexual Medicine」に発表されています。そこでは、動物との性交渉が習慣化している人に関して、その継続年数や頻度も明らかにされています。たとえば、5年以上継続している人が21パーセント、1~5年の人は59パーセントだそうです。つまり8割の人は1年以上習慣にしているということですね。頻度は週一回以上の人が39.5パーセント、月一回の人が15パーセントという具合です。

これらの動物と性交渉経験のある人は、がんだけでなく性感染症にかかる確率も高くなっていました。研究者は、その原因は集団での性行為にあると考えています。今回動物との性交渉をしていた人のうち、30パーセントを超える人たちがそれを複数人で行っていました。

で、動物との性交渉がなぜがんにつながるんでしょうか? ブラジル・サンパウロの泌尿器科医で上記論文の主著者であるステニオ・デ・カシオ・ゼキ氏はLiveScienceでこのように説明しています。

    「動物との激しい性交渉を長期にわたり行っていると、人間の陰茎組織に微小外傷ができてしまいます」とゼキ氏は言います。「動物の性器の粘膜には人間の性器とは異なる性質があり、体液も動物と人間では違います。おそらく動物の組織は人間よりも硬く、人間以外の動物の体液も我々にとっては有害だということなのでしょう」とゼキ氏。

なお、交渉を持った動物の種類や頭数、人間側が集団の場合の人数などには、がんのリスクとの関連は示されませんでした。

今回の調査はブラジルの農村地域で行われたものですが、都市部の人には無関係かというと、そんなことはありません。2003年に発表された論文「Archives of Sexual behavior」では、動物性愛者を自認する人たち114人を対象に調査を行っていますが、その人たちは米国、オーストラリア、ニュージーランドやヨーロッパに住んでいました。そのうち36パーセントは大都市に居住し、83パーセントは大学教育を受けています。約半数は情報科学やテクノロジー分野で働き、高収入を得ている人たちも含まれていました。

そんなわけで、もし親しい人が動物との性交渉の習慣がある、またはそれを検討しているようだったら、「陰茎がんのリスクが高まるよ」って忠告してあげるといい...って、そういう問題なんでしょうか?

陰茎癌と言わずとももう少し別なリスクの方が現実的に心配されるべきだろうとも思うのですが、このノリは何やらラテンというよりもブリという気もしないでもないですよね。
そのブリからの話題を取り上げてみたいと思いますが、この無駄なところで無駄な努力を壮絶に、そしてそれが何の成果にも結びつかないというのがブリの本領ということでしょうか。

刑務所の囚人がマッチ棒で作ったFF武器が精巧すぎる/英(2011年11月8日ロケットニュース24)

英ウェールズのとある刑務所で、囚人がマッチ棒を組み合わせてとんでもないものを作り上げたと話題になっている。その囚人は、推定数千本にもおよぶマッチ棒を組み合わせて、人気ゲーム『ファイナル・ファンタジー』(以下:FF)に登場する武器を作り上げたのである。それも1本や2本ではなく、6本もの刀を執念で完成させ、隠し持っていたのだ。看守はこの武器が、実際に人に危害を加えるおそれがあるとして、没収したのである。

武器が見つかったのは、ウェールズ・モンマスシャーにあるクラスC(重犯罪者を収容する刑務所)の「アースク刑務所」だ。この一室から、マッチを材料にした刀のようなもの見つかった。それらはいくつものマッチ棒を接着して作られたものである。

どうやらこれらはFFの武器をモデルにしており、作品の7作目に登場した「バスターソード」や8作目の「ガンブレード」が含まれている。いくらマッチで作られているとはいえ、他の囚人や慰問客、看守に危害を加えるには十分の出来栄えであったために、看守はこれを没収した。

同刑務所の所長を務める・スティーブ・クロス氏は「これらは施設に関わる人にとって、本物の脅威になりえる」として、没収したいきさつを説明している。

公開された画像を見ると、これらの武器がマッチ棒でできているとは、にわかに信じがたい。無数のマッチを重ね合わせているために、その1本1本を判別するのが難しいほど、精巧に仕上げられているのではないだろうか。

丹精に作りこんだ囚人の執念にはおそれいる。そして事件が起きる前に、看守に回収されて本当によかった。しかし、囚人の落胆を想像すると、少々かわいそうな気もするのだが……。

その実態はリンク先を参照していただくとして、しかし刀剣などというありきたりすぎるものを作ってしまったあたりがこの囚人の紅茶成分の不足しているところなんでしょうかね?
ちなみにブリ的な感性、無駄な情熱の注ぎ込み方というものの一端を知りたいという奇特な御仁はこちらの方も参照いただければと思いますけれども、「今どきの車はどうも味気なくてね…」などと考え始めた頃にはそろそろ紅茶のおかわりを用意しておいた方がよろしいようですね。

今日のぐり:「中国料理 洋明」

岡山市役所から少し離れて瀬戸大橋線の高架に近いあたりにあるこちらのお店、何やら少しばかりよさげな雰囲気があるなと以前から気になっていた店なんですが、今回ようやく初訪問することができました。
外から見ていた時には間口は狭くてカウンターだけでやっているようなごく小さな店かと思っていたんですが、入って見ると小ぶりではあるものの思っていたよりも奥行きはあって、ちょっとした団体客にも対応は出来そうな程度のスペースはあるようですね。
メニューもごく一般的な大衆中華を想像していましたら、結構本格的な内容でこれまた少しばかり意表を突かれましたが、これがどうも単品中心で今回のように一人だけでは量的にちょっときついかな…とメニュー選択には少し迷ってしまいました。
一応はカウンター席もあるので一人客もありのお店だとは思うのですが、お昼の時間は(なかなかに安くてうまいと評判らしい)ランチをやっているそうなので、そちらのお客向けということなのでしょうか、何にしろ一人で行くよりは二人、三人と連れだって行った方がよいというのは中華の基本ですよね。

今回は初回ということで味を見るのが主目的になりますが、結局選んだのがレタスと蟹の塩味炒めにレタス炒飯とレタス尽くしになったのはなんだかな…でしょうか、何にしろこのレタスという食材も加熱して使うとなるとなかなかに扱いが難しいですよね。
レタス炒飯の方はわずかに胡椒がきつうかな?とも思うものの全体の味加減は悪くないものなんですが、一方でクリスピーとも言えるまでに徹底的に鍋で煽っているのでしょうか、チャーハン自体もパラリと言うよりはカリカリで飯粒が堅くなってしまっていますし、何より肝腎のレタスの食感が全くと言っていいほどなくなっているのは残念ですよね。
ちなみに付け合わせの卵スープの方はごくマイルドな味で何かほっとするものがありますが、こういうちゃんとしたスープがあるのであればあんかけチャーハンの方がいい具合なんでしょうね。
レタスと蟹の塩味炒めの方もやはり胡椒の加減はわずかに強めで、このあたりは店としてのこだわりなんでしょうか、同じくレタスの方もくったりと完全に軟菜状態で炒めと言うより煮込みかなと思える仕上がりです。
見た目のデロデロとしたちょっとアレな具合は別として味の方はまずまずいい具合で、これまたスープのボディが結構しっかりしているので味に安心感はあるのかなと思います。
レタス炒めと言えばこの界隈で大衆中華の王道を行く「香徳園」さんの豚野菜などはレタスの食感もさることながらとにかく油の使い方のうまさが印象的な一品でしたが、しかしこちらもこういう料理だとして食べて見れば決して味は悪くないし、何よりこちらの方がカロリーも低そうですよね(苦笑)。

店員さんのしゃべり方などを聞いていると微妙にネイティブっぽいところがあって、なるほど胡椒の加減など味の微妙な違和感はそういうことかと納得はしたのですが、接遇面で見るとさすがに店内で大きな声で顧客批判じみたことを言っているのはどうなのかで、このあたりは微妙なカルチャーギャップを感じてしまうところでしょうか。
同じくネイティブ系のお店の多い福山界隈の店に比べると驚くような安さというのは感じられない価格設定で、もちろんまともな店としては十分お値打ち価格にしてあるのは判るのですが、周囲他店との比較や絶対値としては格安店でもないのに箸やおしぼりはカウンターに置きっぱなしでご自由にどうぞというのは、どんなファミレスかと突っ込みたくなりますね(フロアは結構暇そうなんですけどね…)。
また見た目も今風の店構えで少しおしゃれ系の中華としても使えそうなのはいいのですが、カウンター上の寿司屋のようなネタケースが妙な違和感があるのがちょっとミスマッチですし、気のせいなのかも知れませんがトイレ空間が歪んで見えるのが微妙に気持ち悪いところではありましたね。
そうは言っても基本的にはまともなお店という印象で、この味の方向性なら次に来るとすれば今度は海鮮系の煮込み料理かな…などと思いつつ、少しばかり過度に満腹になったお腹を抱えて店を後にしたのでした。

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2011年11月19日 (土)

それはさすがに斜め上?! テレビ業界最近の話題から

先日思わず笑ってしまったのがこちらの記事ですが、さすが子供は遠慮がないということでしょうか。

「テレビだからどうだっていいじゃん」子供に言われてショック 民放連が“メディア・リテラシー”のシンポジウム(2011年11月14日BLOGOS)

 日本民間放送連盟(民放連)が主催するメディア・リテラシーについて考えるシンポジウムが11日、東京都内で開かれ、民放キー局の関係者ら約100人が出席した。メディア・リテラシーとは、「情報を評価・識別する能力」のこと。民放連の「メディアリテラシー実践プロジェクト」の5年間の成果を振り返るとともに、デジタル放送時代のメディアリテラシー活動の展望について活発な意見が交わされた。【写真・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】

震災で「メディアの重要性」を再確認

 まず最初に「実践プロジェクト」の副主査を務めた、東大大学院情報学環の水越伸教授が登壇。「アメリカでは地方紙が廃刊が続いてます。廃刊になった途端に汚職が増えたので、住民がお金を出し合ってジャーナリストを雇うという、保安官を雇うような動きが出ています。日本でも震災後にソーシャルメディアやマスメディアが敵対関係ではなく、両方必要だということがよく分りました。テレビもラジオもツイッターもフェイスブックもみんな重要。だから批判するだけでなく、『メディアを読み解く』こと。そして、各メディアが共同体を作っていくことが今こそ重要になっています」とあいさつをした。

子供の忘れられない一言とは

 続いて報告をした民放連番組部の山田眞嗣氏は、アンケートの集計を紹介した上で、各社の取り組みについて説明。小学生の視聴者とともに番組を作った地方局を例に出して次のように述べた。

「実戦プロジェクトに参加して頂いた社の回答に、興味深い物がありました。この社は子供達に実際に番組を作ってもらうという企画をしたんですね。水族館に取材に行って、それを番組にしたんです。その水族館にいる魚の数をちゃんと職員の人に確認しないで『この水族館には魚が何万匹います』ってナレーションを入れようとしていたんです。『それっておかしいでしょ』って放送局の人が指摘したら、その子供は『テレビなんだから、どうだっていいじゃん!』と答えた。その局の人は、非常にショックを受けたということでした。今のテレビが、『子供たちのみならず社会全体からそういう風に見られているのではないか』と思ったということです。『この一言を忘れないようにしたい』と、この担当者の方は答えています」

 山田氏が紹介したこのエピソードは、メディア・リテラシーの問題に踏み込む物だったが、残念ながらこの点について、踏み込んだ意見の応酬はなかった。今回のシンポジウムでは、民放各社が自主的に行ったということもあり、「やらせ」や「放送事故」などの問題点を具体的な事例を挙げて検証することはなく、「一般視聴者による模擬番組」の紹介や、「被災地でラジオが信頼されている」といったデータの披露にとどまる内容となった。

「テレビなんだから、どうだっていいじゃん!」はけだし名言というものですが、シンポジウムの内容を見てもまさに「我々はこんなことも考えてやっているのですよ」というアリバイ作りと自画自賛とが目的で、世間でマスコミ被害として深刻に捉えられている諸問題を真摯に解決しようなどという殊勝な心がけとは縁遠いイベントだったのだなということがよく判る記事ですよね。
しかし「震災後にソーシャルメディアやマスメディアが敵対関係ではなく、両方必要だということがよく分りました」なんてことを言っていますが、実際には震災を機に大本営発表を垂れ流すしか能がないマスメディアは役立たずどころか、被災地ではすっかり嫌われ者になっているという事実がすでに明らかになっているわけです。
その甲斐もあってか?昨今では出版業界でも雑誌の売り上げが激減だと騒がれていますが、「ザテレビジョン」などテレビ関連誌もすっかり壊滅状態だというのはテレビ不況の煽り直撃かという話ですし、そもそも週刊誌ネタの中で大きなウェートを占めてきたテレビ関連の話題に世間の関心が乏しくなってきたことも大いに関連しているのでしょう。
そんな中で先日話題になっていたのがこちらの一件ですが、それにしても今どきテレビに取材協力をするなどろくな事にならないという「常識」を改めて思い知らされるような話ではないでしょうか。

取材協力:大阪の男性、襲われ重傷 TV局を提訴へ(2011年11月8日NHK)

 貧困ビジネスの実態を放送した「読売テレビ放送」の報道番組に匿名で取材協力した大阪市内の男性(51)が8日、放送直後に襲われ負傷したのは音声加工など身元を隠す処理が不十分だったからだとして、同社に慰謝料など計約6300万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴する。男性は向精神薬売買の様子を明かした番組放送の2日後に襲撃されて頭蓋骨(ずがいこつ)骨折の重傷を負い、大阪府警が殺人未遂事件として捜査中。男性は「事件は取材協力への報復だ」と訴えている。

 訴状などによると、同社は昨年12月28日の番組で、生活保護受給者らが医療扶助制度を悪用して無料で入手した向精神薬が、大阪市西成区・あいりん地区で売買される実態を放送。男性は昨年11月から数回取材を受け、薬の入手方法を説明したり、売買現場近くまで記者を案内したりする映像が流された

 男性は事前に、記者から「顔は出さない」と聞かされ、番組では顔だけはぼかす画像処理がされていた。自宅玄関や室内の様子はそのままで、声も手を加えないで放映された。男性は放送終了から約40時間後の12月30日午前9時半ごろ、同市旭区で殴られるなどし、4カ月入院。後遺症で障害認定を受けている。

 男性の弁護士は「(男性は記者に)暴力団関係者が関与していると話しており、読売テレビは報復の危険性が極めて高いと予測できたはず」と話している。

 ◇「十分な配慮した」

 読売テレビ放送の話 被害に遭われたことはお見舞い申し上げます。しかし、取材協力者のプライバシーに関して十分な配慮をしたと考えており遺憾です。

マスコミによる犯罪協力と言えばオウムの坂本弁護士一家殺害事件の発端となったTBSのカルトへの協力ぶりが未だに語り継がれるところですが、このときも当のTBSは「オウムにビデオなど見せていない」と徹底的にシラを切り続けた挙げ句、当のオウムからの証言が出てからは一転して「検証番組」などというお粗末な特番でお茶を濁して終わったという経緯があります。
今回も「顔は出さない」などと言葉巧みに誘われた結果文字通り「顔だけは出さない」という放送をされ、当然ながら知っている周囲の人間には直ちにモロバレだったと言うのですから笑うところですかそれは?なんですが、放送を見た視聴者の率直な感想によれば犯罪行為を得意げに話す被害者にスタッフがむかついたのでわざと甘い消しで放送した感じだったとも言いますね。
事実そのような意図があっての確信犯だったのだとすれば、さすがに社会を正しく導くのが自分たちの使命と本気で考えているらしい彼らマスコミにふさわしい姑息なやり方だったのかと思える話ですが、いずれにしても読売テレビとしては今回の件では全く何の落ち度もなかったと言っているわけですから、今後同社の取材を受ける方々は同様の目に遭っても何ら不思議はないと覚悟しておくべきなのでしょうね。
そんな他人への配慮には縁遠いテレビ局ですが、一方では過剰とも言える配慮を働かせるという場合もあるようで、こちら一部方面にカルトな人気を誇るという番組がいきなり放送中止になってしまったということが話題になっています。

アニメ「銀魂」が突然放送休止 蓮舫大臣ネタが過激すぎた?(2011年11月15日J-CASTニュース)

  CS放送のアニメ「銀魂(ぎんたま)」の1話分が突然放送休止になり、蓮舫行政刷新相(43)のネタが影響したのかと波紋を呼んでいる。このアニメはCSに先行してテレビ東京で放送されているが、その中の1話に、「過激な表現」があったというのだ。

   「銀魂」は、週刊少年ジャンプに連載された同名の人気漫画が原作。コメディータッチのSF時代劇で、江戸時代末期に来襲した宇宙人がドタバタ騒ぎを巻き起こすストーリーだ。高層ビルやバイクなど現代の産物も自在に登場する。

酷似キャラが高齢者らに唐揚げ投げつける

   テレビ東京では、2006年から2010年に第1期の「銀魂」、2011年4月4日から第2期が放映されている。問題の第232話「忘れっぽい奴は忘れた頃にやってくる」は10月31日夕に放送された。

   その後、CS放送のアニメ専門チャンネル「AT-X」でも、この232話が11月15、18日に放送予定だったが、11日になっていきなりAT-Xのサイト上で放送休止のお詫び文が緊急告知された

   そこでは、番組購入元のテレ東の要請で、放送権が行使できず、233話以降を22日から再開すると説明されていた。休止の理由については、「テレビ東京の都合」とだけ書いている。

   その真相を巡って、ネット上では騒ぎになり、様々な憶測がなされた。

   有力とされたのが、蓮舫大臣のネタが問題視されたとの説だ。232話では、「レンホウ」とはっきり書かれた選挙カーの上で、蓮舫氏に似た目隠しキャラが手を振るシーンが出てくる。このキャラは、公園では唐揚げを食べており、周りから「刈り上げが唐揚げ食ってるぞー」と突っ込みが入る。そして、キャラがいきなり高齢者女性らに唐揚げを手当たり次第に投げつけるのだ。

   さらに、公園内なのに、バリカンでいきなりキャラが髪を刈り上げ始め、髪の毛が辺りに散乱する様子が出てくる。キャラの刈り上げについては、同様に短髪で知られる歌手の加藤登紀子さん(67)を連想したらしく、「それは賀藤登紀子と同じ床屋で刈りあげたんですか」との質問も出されていた。

   232話では、震災で何度も放送されたACジャパンの公共広告をパロディー化した部分もあり、それが問題になったのではないか、などと諸説も次々に出て混乱した。

蓮舫氏側「抗議した事実はございません」

   実は、テレ東での番組放送前に、銀魂の監督らがツイッターで意味深な発言を繰り返していた

   アニメの監修をしている高松信司さんは2011年10月26日、次回放送分について「この期に及んでまた戻されてしまう。 下ネタなら仕方がないれけどこれもダメなのか」とつぶやいた。そして、同じ日には、「『アニメ銀魂』が『銀魂』のままでいられない時が来たなら、『銀魂でない何か』を放送するより『テレビアニメ』であることをやめるべきだと思う」とも言っている。29日に一応決着したとしながらも、放送日の31日に「放送始まって以来の当日納品でした」と何かあったことを示唆。そして、11月14日にはツイッターをしばらく休止すると明かした。

   また、監督の藤田陽一さんもツイッターで、放送日の10月31日、「みんなアレが何かわかっても呟いちゃりしちゃダメだよ?。アレしちゃったからね」などと何かをにおわせている。

   いったい、放送現場では、何があったというのか。

   テレビ東京のアニメ局では、銀魂の担当者が「諸般の事情」で放送休止をAT-X側に要請したことを取材に対し認めた。そして、その事情については、「特定の個人を想起させる描写があったため」と説明した。

   それが蓮舫大臣であるかや、何か申し入れがあったかについては、「こちらからお答えできません」と繰り返すのみだった。

   蓮舫氏の国会事務所では、取材に対し、「抗議した事実はございません。放送・放映については、放送局側のご判断なので、特にコメントはございません」との回答を寄せた。

実際にどれくらい似ているのかはこちらの参考画像を見ていただくとして、まずは事実関係を整理してみれば放送できなかったのがテレビ東京側の要請であった、そして監督らが放送に対して何らかの圧力が掛かっていたことを示唆する発言を繰り返していて、どうやら何らかの局内タブーに触れてしまったらしいということですよね。
当日の放送内容からそのような局内コードに触れそうな内容が幾つか取り上げられていますけれども、テレ東側の説明としてその問題の箇所とは「特定の個人を想起させる」ものであったと明言しているわけですから、どう見てもACジャパンのCM云々は的外れであると言えそうです。
別にイギリスのTV番組ほど斜め上方向に爆走しろとは言いませんが、そもそもアニメ番組とは言えパロディーなどが売りの番組で公人相手にこの程度の毒すら許されないということであれば、それこそ高松氏の言うように「アニメ銀魂』が『銀魂』のままでいられない時が来たなら、『銀魂でない何か』を放送するより『テレビアニメ』であることをやめるべき」だということですよね。
蓮舫氏と言えば元々は業界出身でもあり、しかも今を時めく政権与党の表看板の一つなのですから様々な政治的配慮とやらも働いたのでしょうが、他愛のないお笑い番組ですらこうまでの配慮を徹底している彼らが、肝腎の政治報道においてどれほどの配慮を働かせているのかと考えて見ると非常に興味深い事件だったなと思います。

さて、先日はとうとう受信契約を結ばない人々を提訴したというニュースが報じられたNHKですが、金を集めるためには今後もあらゆる努力をというそのNHKの広報局が凄いことになっているとちょっとしたブーム?になっているというのですね。

NHK広報局がTwitterで皮肉タップリ(2011年10月12日トピックニュース)

 今やNHK=「視聴者の皆様のための優等生」ではない。Twitter上で36万人以上にフォローされているNHK広報局の“皮肉発言”と、その後の静かなキレっぷりに注目が集まっている

「片仮名」を使ってほしいということですか? RT @kakojirou: @NHK_PR NHKはどうしてカタカナを多用するのか?日本語の名詞、動詞を知らないのか? カタカナは日本語に無いものだけにして欲しい。もっと日本語を大事にして美しい日本語を世界に発信して欲しい。

 NHK番組内におけるカタカナの多用を批判しようとしたユーザーが、カタカナを使ってきたことに皮肉を呈したわけだ。更に、この呟きに反論してきたユーザー対しても畳み掛けるように呟く。

    『自分で考えるクセがない人は、いくら点が出てきても現象が「面」で見えず、方向も判別できない

 NHK広報局アカウントのプロフィールでは、「公式ですが、やや癖のあるツイートをしますので、苦手だとお感じの方はアンフォロー推奨です」と事前に断っている。しかしこのツイートを見ていると、あるTwitterアカウントを思い起こさずにはいられない。北海道山越郡長万部町のイメージキャラクター、まんべくんだ。NHK広報局が、奔放な発言を繰り返した挙句にアカウント中止となったまんべくんと同じ道を辿らないことを願うばかりである。

ちなみにまんべくん問題に関しては過日取り上げたところではありますが、あれも本人はこれで人気が出たと錯覚していたらしいですけれども、実際には人気というよりネタあるいは炎上状態であったのに自覚がないというのがかなりイタかったなとは思いますね。
実際のつぶやきの内容はこちら公式の方を参照していただくとして、NHKの広報局が公式につぶやいているというのですから全国の皆さんから脅し訴えてでもかき集めてきた貴重な受信料を使ってやっている事業の一環となりますが、自分たちの払ったなけなしのお金がこんなことに使われているとなれば何かと考えずにはいられないという人にともまた数多いことでしょう。
ま、NHKであれどこであれ所詮広報用のキャラですからそういう設定で売るというならどうぞご自由にと言うしかないのですが、しかしその内容がお前が言うな!と言われかねないというのがあるいは自虐キャラ路線を密かに目指しているということなのでしょうか、それでは美しい日本語とともに天下のNHK広報局がどんな素晴らしい番組を世界に発信しているのかと言うのがこちらの記事です。

NHKのセックス発言連発に「解体しろ」(2011年11月17日トピックニュース)

15日~17日にかけて、NHKの情報番組「特報首都圏」のツイッター公式アカウントが“セックス発言”を連発し、フォロワーの間に衝撃が走っている。

NHK「特報首都圏」は、ツイッター上で、18日放送予定の「インスタントセックス~さみしさを埋める若者たち~」について意見を求めていたが、次第に主観を交えた意見を何度もつぶやきはじめ、瞬く間にリツイートや返信の数が急増したのである。

    「安易に」「即座に」そんな"インスタントセックス"あなたの周りにもありますか?

    ネットで知り合い、その日のうちに性行為をするいわば「電脳型セックス」や飲み会の度に、来ているみんなで性行為をする「合コン型セックス」。このようなことが、日常的に起きているという若者たちの性の実態…。

    何で自分はセックスしたくなるんだろう…何を求めているんだろう…もっと若い世代の人は?自分もまだ30歳の若輩者ですがそんなことを悩みながら制作しています。

これらのつぶやきに対してフォロワーは「昔からそういう人はいる」「本人の自主性ならいいでのでは?」「理解できないし自分でもありえない」と真面目に回答する一方で、「ダイレクト過ぎるツイートにビックリ。あさイチの番宣かと思った」「NHKは解体せよ!」「フォローやめます」という批判の声もあり、18日の放送前から賛否両論が噴出する格好となった。

いやあ、美しい日本語で世界に向かって愛を語りかけますか…ってネタかよおい!と思わず突っ込みたくなるような話なんですが、皆さんの受信料を使ってこれですから、それは確かに賛否両論も噴出しようかと言うものでしょう。
昨今NHKが妙にこの手の話題にご執心であることはすでに世間でも注目されるようになってきていますが、先日も取り上げましたようにその背後に彼らNHKスタッフの飛び抜けて高い性犯罪率があると言うのであればどんな会社だよですし、仮にも公的放送の内容を自分たちの欲望の赴くままに左右するというのであれば困ったことですよね。
先日これまたセックスレス問題を取り上げた「あさイチ」なども天下のNHKが朝からこんな番組をと良くも悪くも大いに注目を集めているようで、無論少子化傾向の続く日本国民にとっての大事なテーマを真面目な姿勢で取り上げたことは良いことだという肯定的意見にも理解できる部分はあるのですが、結局のところ彼らがどういうターゲットを設定してこうした企画を通しているのかということが問われるのだと思います。

生殖年齢にある若年層と言えば今やワープア化が進む一方で夫婦といえども昔のような専業主婦などと悠長なことは言っていられず、朝ともなれば多忙でのんびりテレビのセックスレス特集など見ている暇があるとは思えませんけれども、肝腎のターゲットの生活環境を無視したまま自分の主張だけを一方的に言い放つだけということであれば、まんべくんにも通じる「空気の読めなさ」をここでも感じずにはいられませんよね。
テレビという媒体はその性質上放送業者側から視聴者側へと一方的に垂れ流す形になるのは仕方がないのかも知れませんが、そうであるからこそ逆方向の拾い上げを行うアンテナは何重にも張り巡らせていなければ容易に独善に陥ってしまうでしょうに、視聴者の率直な意見に無視や皮肉で返して終わりではなるほど、こういう番組ばかりが並ぶことになるのかとよく判るのが昨今のテレビ業界だと言うことでしょうか。

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2011年11月18日 (金)

イレッサ訴訟、高裁逆転判決下る

すでにご存知のように先日はイレッサ訴訟に関して高裁での逆転判決がありましたが、すでに原告側が上告を決めているようにこの問題はまだまだ尾を引きそうですよね。

注意文書欠陥認めず イレッサ遺族側逆転敗訴 (2011年11月16日日本経済新聞)

 肺がん治療薬「イレッサ」を巡る訴訟で、原告側逆転敗訴とした15日の東京高裁判決は、国と会社の責任を認めた一審・東京地裁判決から一転、説明文書の欠陥を認めず、両者の責任を否定した。会社の責任だけ認めた大阪地裁判決も含め、司法判断が3つに割れた格好。重い副作用が前提の抗がん剤被害の救済の難しさが改めて浮き彫りになった。

 原告側は判決後、上告する方針を示した。

 イレッサの医療機関向けの添付文書には当初、間質性肺炎の副作用についての「警告欄」がなかった。別の欄には記載があったものの、下痢など他の症状に続く4番目の記載にとどまっていた。原告側は「致死的との注意喚起が必要だった」と主張した。

 園尾隆司裁判長は判決理由で、間質性肺炎を「抗がん剤や抗リウマチ薬など多くの薬で発症する一般的副作用。イレッサを使うがん専門医らは間質性肺炎での死亡があり得ることを把握していた」と指摘。強い警告の表現がなくても、専門医なら副作用のリスクを認識できたはずだとの判断を示した。

 さらに肺がんは難治性で死因の特定が難しいことや、海外の臨床試験での死亡事例がイレッサと因果関係があるとはいえなかったことなども挙げ「文書に欠陥はなかった」と結論付けた。

 製造物に欠陥がないと判断した以上、原告側が安全対策を怠ったと主張した国の責任も「前提事実がない」として認めなかった。

 控訴審は2回の口頭弁論で結審し、文書の欠陥を認めた一審判決を覆した。

イレッサ訴訟 国・企業の責任認めず(2011年11月16日東京新聞)

 肺がん治療薬「イレッサ」に重大な副作用の危険があったのに適切な対応を怠ったとして、死亡した患者三人の遺族が、国と輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)に総額七千七百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(園尾隆司裁判長)は十五日、国とア社の責任を認めた一審東京地裁判決を取り消し、原告側の請求を棄却した。原告側の逆転敗訴となった。 

 判決は医師の副作用告知のあり方に影響を与える可能性がある。原告側は上告の方針。

主な争点は、副作用で間質性肺炎を発症する危険性の注意喚起が十分だったかどうか。ア社は二〇〇二年七月の輸入承認時、医師向け添付文書の「重大な副作用」欄に間質性肺炎を記載しただけで、致死的な副作用などを記す警告欄や、死亡の可能性があるとの表示もなかった

 二審判決は、処方する専門医は間質性肺炎による死亡の可能性を知っていたはずだなどとして、「警告欄や、副作用が致死的となり得るという記載がなくても、欠陥とはいえない」とア社の製造物責任を否定。間質性肺炎の記載が「重大な副作用」欄の四番目だったことについても「一~三番目の副作用も死亡の可能性があった」と順序の妥当性を認めた

 また原告側の死亡患者三人のうち一人については投与と死亡との因果関係を認めなかった。八百人以上の副作用報告の死亡症例の中には、副作用によるといえないものが相当ある可能性も指摘した。

 三月の一審判決は「警告欄を設けるか、致死的となる可能性を記載するよう指導すべきだった」と国の責任を認めたうえで、患者二人の遺族に計千七百六十万円を支払うよう命じていた。

 イレッサをめぐる訴訟は東京、大阪両地裁で起こされ、二月の大阪地裁はア社の責任だけを認めて国の責任を否定し、一審の判断は分かれていた。大阪訴訟は高裁での審理が続いており、高裁の判断は初となった。

◆主張認められた

 小宮山洋子厚生労働相の話 イレッサの副作用で苦しみを受けた方々、亡くなった方々に心からお悔やみを申し上げる。国として法的な責任はないと主張してきたことが認められた。判決の内容にかかわらず、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)の徹底、医薬品安全対策の強化、抗がん剤による健康被害の救済などの政策課題を着実に実行していく。

◆薬事行政に禍根

 原告側弁護団の水口真寿美弁護士の話 国と企業の責任を否定する極めて不当な判決で、これではおよそ薬害を防止することなどできない。将来の医薬品安全対策、薬事行政に禍根を残す。全面解決まで闘い抜く。

イレッサ控訴審、企業と国の責任認めず 原告逆転敗訴(2011年11月15日朝日新聞)

 肺がん治療薬イレッサをめぐり、副作用で死に至る危険性を十分に説明していなかったとして、死亡した患者3人の遺族が販売元のアストラゼネカ(大阪市)と国に計7700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、東京高裁であった。園尾隆司裁判長は、ア社と国の双方の責任を認めた一審・東京地裁判決を取り消し、遺族側の請求を全面的に退けた

 高裁判決は、副作用の危険性は説明書に書かれており、医師も危険性を認識していたことから、製造物責任法の「指示・警告上の欠陥」はなかったと判断してア社の責任を否定した。さらに、ア社の責任を認めない以上、国の責任も認められないとした。

 イレッサの副作用をめぐっては、東京、大阪両地裁で遺族らが提訴。大阪地裁では2月にア社の責任だけを認める判決が出て大阪高裁で控訴審が続いており、高裁段階の判断は初めて。製薬会社、国双方の責任が認められなかったことは、国が検討している抗がん剤の副作用被害救済策の議論にも影響を与えそうだ

 イレッサは2002年7月に輸入が承認され、販売が始まった。当初の説明書では、動脈に酸素が取り込みにくくなる間質性肺炎が「重大な副作用」の4番目に書かれ、死に至る可能性は明記されなかった。しかし、発売直後から間質性肺炎による死亡例が相次ぎ、厚生労働省の行政指導を受けたア社はこの年の10月、説明書に「警告」を追加して注意を呼びかけた。

 今年3月の東京地裁判決は、警告を出すまでの国とア社の対応を違法と認め、それまでに服用した患者2人について計1760万円を支払うよう命じていた。国の責任は「臨床試験の結果から副作用で人が死ぬ可能性があると認識していたのに、ア社に十分な説明をするよう行政指導をしなかった」と判断。ア社には「指示・警告上の欠陥」があったと指摘した。これに対し、ア社と国がいずれも控訴していた。

肺がんはがんの中で死者数が最も多く、09年には約6万8千人が死亡した。イレッサの年間使用患者数は推計で約1万6千人(09年)に上る。

 二つの訴訟では、東京、大阪両地裁が今年1月に和解を勧告し、遺族側は応じる姿勢を見せたが、国とア社が拒否して和解が成立せず、判決に至っていた。(根岸拓朗)

不幸にして亡くなられた方々のご冥福をお祈りするしかありませんが、確かにこの訴訟の行方は「将来の医薬品安全対策、薬事行政に禍根を残す」と以前から言われているところではありますよね。
さて、当「ぐり研」でも以前からたびたび取り上げているこのイレッサ訴訟問題というもの、訴訟の細部はともかくとしても現場医療関係者にはやはり幾らかの違和感があるのではないかと思います。
その一つは争点となっているのが添付文書の記載問題だということなのですが、記載の順序や警告表示の有無などがひどく大きな問題だとして取り上げられていますけれども、そもそも抗癌剤を用いるに当たって添付文書を元にして治療計画を組み立てる医師がどれほどいるのかということです。
もちろん一般論として添付文書に一通り目を通しておくのは常識ですが、通常こうした強力な治療は学会等で標準プロトコールなどという形で治療法が提示され、副作用情報や対策などもそちらから提供されてくるのが当たり前になっていますから、正直なところ添付文書上の記載順序が何番目だったのが問題などと言われても「はあ、だから何か?」と感じている医師も多いのではないでしょうか?
また肺癌の中でもイレッサの治療対象となるのは非小細胞癌と言われるタイプで、このタイプでは手術適応とならず化学療法に回らざるを得ないという段階で治ることはない病気だという認識が一般的ですから、「父はイレッサに殺されたんだ!」と言われても「いやいや、肺癌のせいだろう」とやはり違和感を覚えてしまうのも正直なところですよね。

いずれにしても社会的関心を呼ばずにはいられないこの訴訟の行方は各紙も注目しているようで、社説などを見ていますとそれなりに各方面に配慮したと言うことなのでしょうか、主張が総花的結論に流れがちな面もありますが、一部紙面ではかなり批判的論調でこの判決を取り上げているようです。

【社説】イレッサ判決 薬の副作用 徹底説明を(2011年11月17日北海道新聞)

 肺がん治療薬「イレッサ3 件」の副作用をめぐる訴訟で、東京高裁が国と製薬会社に対する遺族側の賠償請求を棄却した。

 イレッサは副作用を考慮しても効果があり、医師向け説明文書に欠陥はなかったとして、国と製薬会社の責任を認めなかった。

 今年3月の一審東京地裁は、国と製薬会社の責任を認めていた。東京高裁は2度の弁論を開いただけで、正反対の結論を出した

審理は本当に尽くされたのだろうか。原告側の怒りや悲しみを見るにつけ、そんな思いに駆られる

 同様の訴訟で大阪地裁は2月に、会社だけに責任を認める判決を出した。今回を含め、3通りの異なる判断が示されたことになる。

 原告側は上告する。今後の裁判に注目したい。

 東京、大阪両地裁は患者の救済を優先し、幅広く因果関係を認めた。東京高裁は新薬開発が萎縮することにも配慮し、厳密に判断したといえよう。

 ただ、これでは、裁判中の遺族はもちろん、抗がん剤治療と向き合う患者も戸惑うばかりではないか。

 国と製薬会社は控訴審で勝訴したとはいえ、副作用があった事実は重く受け止めなければならない

 大切なのは、製薬会社や医師が薬の有効性や副作用の可能性を丁寧に患者に説明し、納得して治療を受けてもらうことだ。

 イレッサはがん細胞だけを攻撃する「夢の新薬」として、厚生労働省が2002年に世界に先駆けて輸入販売を承認した。だが、副作用として間質性肺炎を併発する例が相次いだ。

 イレッサ訴訟の最大の争点は、副作用の注意喚起が十分に行われたかだ。

 東京高裁は、▽副作用と死亡の因果関係は明確ではない▽医師は説明書により副作用の危険性を十分に認識していた-などと指摘。国と製薬会社の副作用の指示・警告に欠陥はないと判断した。

 だが、説明書に、よりはっきりとした警告があれば、防止できたのではないかという意見もある。記述が改善された後は、副作用が原因とみられる死亡例が減っているからだ。

 がん患者は、わらにもすがる思いで新薬の承認を待っている。

 そうした願いに応えるために、国は迅速な審査を心がけるべきだが、承認後の状況についても責任があるのは言うまでもない

 一連の裁判を教訓に、国は副作用情報を集め、いち早く医療機関や国民に公表することを徹底してほしい。抗がん剤専門医の養成を支援するなど、より安全な治療環境の整備も急ぐ必要がある。

【社説】イレッサ判決 安全は誰が責任を持つか(2011年11月17日西日本新聞)

 新薬が承認されるとき、すべての効能や障害が明らかになっているとは限らない。だが、他に治療法がない、薬がないとなれば新薬に対する期待は高まる。国は早急な承認を迫られることになる。

 ただ、誰にでも同じように効くとはいえない。逆に新薬服用の結果、重い副作用が起き、死に至ることもあり得る。

 このとき、誰に責任があるのか。新薬を勧めた医師か。服用を決めた患者か。承認した国か。販売した製薬会社か。事例によって責任の程度は変わるだろう。

 ただ、国や製薬会社が、副作用など安全に関する情報を迅速に、正しく、あまねく伝達していることが大前提になる。

 では、肺がん治療薬イレッサの場合はどうか。イレッサは2002年7月に承認され、販売が始まった。このとき、製薬会社による副作用などの情報提供は十分だったか。国による行政指導は適切だったか。裁判所の判断は分かれた。

 イレッサの重大な副作用の危険を知りながら適切な対応を怠ったとして、死亡した患者3人の遺族計4人が、国と輸入販売元の製薬会社アストラゼネカ(大阪市)に計7700万円の損害賠償を求めた控訴審判決が東京高裁であった。

 一審の東京地裁は、イレッサの最初の添付文書では、イレッサを使用する医師などに対し、患者が間質性肺炎を起こし死に至る恐れがあるとの情報提供が不十分だった、と製薬会社の責任を認めた。

 さらに、国は製薬会社に対し、安全確保のための行政指導をしなかった、とその責任を認めた。原告の勝訴だった。

 発売当時、イレッサが「夢の新薬」などと騒がれたことが背景にある。イレッサは従来の抗がん剤と違う、副作用も軽い。そんなイメージを患者も医師も抱きやすい状況だったことを考慮に入れた。

 では、二審の東京高裁はどう判断したか。製薬会社と国の責任は認めず、原告の請求を棄却し、逆転敗訴になった。

 理由はこうだ。専門医は、がん患者が間質性肺炎にかかって死に至ることがあり得ることは承知している。問題の添付文書第1版には、間質性肺炎は重大な副作用の4番目に記載されていたが、順番にかかわらず、医師は注意するはずだ。

 承認前の国内の臨床試験で間質性肺炎の発症が3例あったが、死亡例はなかった。以上から添付文書の記載で指示・警告上の欠陥があったともいえない。東京高裁は、製薬会社に過失などがない以上、行政指導する国の責任もないとした。

 だが、患者の急変に対応できる施設にいる経験豊富ながん専門医だけがイレッサを使ったのか。そうではあるまい

 イレッサ発売から3カ月後、厚生労働省は緊急安全性情報を出し、重い間質性肺炎の発症に対する「警告」を発した。

患者と医師、製薬会社は現実には対等ではない。患者が自分で治療法を選択するには国の手助けがいる。迅速で分かりやすい医療情報の提供だ。東京高裁の判決で国の責任が軽くなるわけではない

ま、いったい誰が「夢の新薬」などと騒いだのかと言った細部はいちいち突っ込みませんが、どうも医師と一般人の間の認識の差というものが見え隠れする記事だなと思うのですが、しばしば使われる副作用が重い、軽いということがどういう意味を持つのかと言う事を、医療関係者も含めてもう一度きちんと定義していかなければならないと思います。
以前にこのイレッサ訴訟の東京地裁判決が出た際にも取り上げましたが、そもそも内服薬で一般的な抗癌剤と比べて副作用も少ないということを医療側ももちろん患者に伝えるわけですが、嘔気や脱毛など抗癌剤治療に伴いがちな副作用は軽めであるという意味で伝えているものを、患者側は死につながるような重大な副作用は起きないというイメージで捉えていたというギャップがあったということですよね。
「ビタミン剤とはいわないまでも、抗生物質くらいか」という患者遺族の言葉に象徴されますが、例えば10人に一人の割合で軽微な副作用が出る薬と10万人に一人致死的な副作用が発生する薬とではどちらが「副作用が軽い」のか、このあたりは患者のみならず医療関係者の間でも状況によって言葉の使い方に混乱があり、時として思いがけない誤解につながっているように感じます。
重い軽いといった主観的な言葉はきちんと使っていかないと抗癌剤に限らず認識のギャップは決して埋まることはありませんし、そうした情報伝達のトレーニングというものは学生教育のレベルからきちんと行っていかなければならないはずなのに、未だに現場各個人の経験頼りな部分が極めて大きいというのも医療現場の大きな課題ではありますよね。

そしてもう一つ、副作用というものは程度の差こそあれ何の薬でも必ず起こるわけですから、もちろんそれが発生した場合にきちんとした補償を行っていくルートが確保されていなければならないというのは全くその通りなんですが、それと責任がどこにあるのかという話は全くの別問題であるのに未だに同じ文脈で語られがちであるということです。
このあたりは肝炎訴訟などにも共通する課題ですが、薬剤承認時には未だ判明していなかった副作用がその後大きな問題としてクローズアップされてくるということは普通にあるわけで、そこで承認手続きの是非など責任の所在を問う訴訟と、補償を受けられるかどうかという問題は本来リンクさせるべきではないのです。
あなたの場合には国に責任があることだから補償します、あなたの場合は責任が認められないから補償対象外ですでは患者側が納得出来ないのは当然ですし、またその結果何かあればとにかく国や製薬会社の責任を求めて争わざるを得ないとなれば当然国や製薬会社も慎重にならざるを得ず、ますますドラッグラグ問題なども深刻化していくのは当然ですよね。
薬害に限らず医療行為に起因する障害は全て無過失補償の対象に、なんて話になればこのご時世またぞろ財源をどうするのかということになりますが、多くの人々にとって有益な効果をもたらしている薬剤すら一部の副作用によって迅速適正な利用が阻まれるということになれば、一体日本の医療は患者を治すための治療を目指しているのか、それとも副作用ゼロの治療を目指しているのかと問われかねません。

このあたりは「クレーマーは高い店よりも安い店に多い」という逆説と同じで、実のところ誰でも安く平等に医療を受けられる日本だからこそ深刻化してくる話なのかも知れませんが、例えば諸外国ではお金がないから副作用覚悟で新治療の実験台になるなんてことはごく普通にあることですし、患者側も自らリスクとメリット、デメリットを勘案しながら自分で選択するというのが当たり前になっているわけです。
ところが日本では「先生よろしくお願いします」で黙っていても最善の医療が出てくるのが当然という妙な認識が定着してしまっていて、インフォームドコンセントの徹底における最大の阻害要因が患者側の無理解であるなどと言われるのはどうなのかですが、患者側が自ら主体になって自分の命と健康の行方を判断するという習慣を定着させるためにはこうした訴訟も意味があると前向きに捉えておくべきなんでしょうか。
病院にも市販薬にも関わり合いになることなく原始そのままの生活を続けていれば確かに副作用被害者はこの世から根絶されるでしょうが、それが国民の福祉と健康のためになるかと言えば全く別問題であるという当たり前のことが、当たり前の大前提として理解されるようにするところから話を始めていかなければならないのかも知れませんね。

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2011年11月17日 (木)

じわじわと被災地復興は進んでいます、が…

ようやく復興の動きが目に見えてきたかな?と言う気配もある一方で、もう半年以上も過ぎて未だにこの程度か?とも感じてしまうのが今回の震災被害ですが、いずれにしても一年、二年で片付くような話でもないだけに特区導入なども絡めて十分な再建計画立案が必要なのは言うまでもないとしても、目前に迫る冬対策だけは十分な手配を行って欲しいものだと思いますね。
そんな中でこれは思ったより大きな影響があるかも知れないと思えるニュースが出ていましたが、ご覧になりましたでしょうか。

病院4団体、東電に損賠請求へ 計画停電で医療行為制約(2011年11月15日産経ビズ)

 東京電力福島第1原子力発電所の事故による計画停電で、医療行為が制約され損害が生じたとして、全国の民間医療機関の連合組織が、東電に対し損害賠償の集団請求を検討していることが14日、分かった。損害額は少なくとも約6億7000万円に上る見込み。

 請求を行うのは日本医療法人協会▽全日本病院協会▽日本病院会▽日本精神科病院協会の4団体で構成する民間医療機関の連合体「四病院団体協議会(四病協)」で、月内にも集団請求を行うプロジェクトチームを設置する。

 四病協は9月、東電管内(1都8県)の会員医療機関1342カ所を対象に、計画停電による損害状況を調査。回答があった544の病院のうち、182の病院で実際に計画停電が行われた。

 その結果、停電に備えて患者の受け入れを断ったことによる減収が、外来・入院あわせて4億7500万円に上ったほか、停電に備えて購入した備品や機材などが1億6300万円、職員の超過勤務手当などの人件費が3000万円となり、計約6億7000万円の損害が生じたことが判明した。

調査では未回答だったが損失を抱えた病院も多いとみられる。ある四病協役員の病院長は「実際の損失額はこの倍以上ある」と強調した。

実際には被災地では病院そのものが完全に崩壊してしまったという事例も少なからず見られるわけですから、計画停電のみならず地域医療全体での損害額ともなれば到底こんな金額で済むとも思えませんけれども、被災地界隈はもともと医療過疎が言われる東北一帯であっただけに、今回の請求も民間病院からのものばかりと言うのは妙な気がしますね。
公務員仕事で公立病院は請求額の確定もまだだというのであれば僻地診療を担ってきた公立病院は潰され損ですが、しかし今更少々の損害補償をしてもらったところで到底再建もおぼつかなさそうな施設も多そうなだけに、地域医療の再建、再編と言うことについてはなおも頭の痛い状況が続きそうに思います。
しかし医療と言えば地域の産業の中ではごく小さな一部に過ぎないわけですから、その医療からの請求のそのまたごく一部に限っても少なからずの金額になってくるとなれば、地域全体からの損害賠償請求はすごいことになりそうで東電さんもこれから大変だなあと思いますが、回り回って結局国民が負担することになるとなれば釈然としない人も多いのでしょうね。

損害賠償の件はそれとして、地域の再建ということに関して言うとそろそろ汚染地域への避難住民の帰還ということが話題になってきていますが、それに関して何やら非常に興味深いと言うのでしょうか、まさに「ありそうな」話題が出ていましたので紹介してみましょう。

「まず除染」大合唱の陰でホンネを言えなくなった飯舘村の“移住希望”村民/福島(週プレニュース)

除染か避難か―。東京電力・福島第一原発事故によって放射能汚染された市町村で住民同士の対立が起きている。

除染費用は巨額だ。国が2012年度までに計上した除染費用は計1兆1400億円。だが、ある経済産業省職員が首を振る。

1兆1400億円という数字はこれから数十年かかる除染の費用のごく一部。しかも、細野豪志環境相・原発事故担当相が除染対象地域を年間追加被曝線量5ミリシーベルト以上から1ミリシーベルト以上に引き下げたため、除染作業で出てくる汚染土も当初の試算の2倍、5600万に膨らむ。これは東京ドーム約45杯分です。この汚染土を長期保管する中間貯蔵施設の建設・維持費も含めると、除染費用はおそらく数十兆円に膨らむはずです」

このため、汚染地では今、除染ビジネスフィーバーが起きている。建設、土木、住宅業界はもちろん、造園業、清掃業、果ては便利屋などの代行業までもが公金投入で巨額の受注が見込める除染ビジネスに参入しているのだ。

計画的避難区域に指定され、全住民が村外へと避難している福島県飯舘村の20代男性村民が悲鳴を上げる。

「村役場はもちろん、村の年配住民も『除染して村に戻ろう!』と言うのですが、僕ら若い世代の意見はちょっと違う。村外に移り住みたいという声も少なくないんです。だけど、『まずは除染』の大合唱の前に、それがなかなか言い出せない。避難という言葉も『ネガティブだから使うな、保養と呼べ!』と怒られる始末です」

9月28日に飯舘村が発表した除染計画によると、2年後までに宅地、5年後までに農地、そして、20年後までに森林を除染する。その概算費用総額は3224億円。飯舘村の人口は約6000人だから、ひとり当たり5000万円以上にもなる計算だ。前出の20代飯舘村民がポツリとこう漏らす。

「飯舘村の75%は森林です。ということは、村の4分の3のエリアは20年後まで除染ができないということ。年配の人はそれでもいいかもしれないけど、僕らはこれから結婚して子供もつくるんです。すべての除染が完了しないまま18年も住むなんて怖すぎる。それよりも、ひとりにつき5000万円もらって、ほかの土地でやり直したいというのが本音です。彼女とふたりで1億円。新しい土地で再起するには十分すぎる金額です。だけど、その本音が言えない。『おまえは村を愛していないのか! ふるさと再生に協力しないのか!』と叱られるから……」

福島市渡利地区などの除染を支援する神戸大大学院の山内知也教授が同情する。

除染が終わっていないのに、20年近くも汚染された土地に住めというのはあまりに酷(こく)です。除染で故郷を再生したいという人々の気持ちはよく理解できますが、健康被害の危険性を考えれば、いっそ移住したいという若い人たちの言い分ももっともです。行政は除染だけでなく、避難や移住という選択肢も用意すべきでしょう」

同じような住民の対立は福島第一原発から20㎞圏内にすっぽりと入る浪江町でも起きている。全町民の帰還を目指す町長に対し、商工会の若手メンバーは全町移転を唱える

故郷再生のかけ声のもと、除染という巨大プロジェクトが利権化し、住民を放射線量の高い土地に縛りつけてしまうようなら、それは本末転倒だろう。国は避難と移住の自由も認めるべきだ。

除染利権とも言うべき新たな地域利権の発生も非常に興味深い話で、何しろ田舎に行きますとまとまった現金収入が得られる道が本当に限られますから、国が巨額のお金を投じて今後延々と公共事業めいた作業を行っていくとなればそれは人も群がってくるでしょう。
ただ金は天下の回り物というくらいで、元々土建王国日本などと言われるくらいにこの方面での金の使い方は熟知している日本の官僚が金の手配をするとなれば手慣れたものでしょうから、ただ義援金だ、救援物資だと支給を続けていくよりは作業に従事してもらった方がよほど住民の自活にもつながるし、新たな需要創出効果も期待は出来そうですよね。
ただそれ以上に興味深いのは「そんな巨額のお金を先の見えない除染作業に投じるくらいなら、いっそそのお金をそのまま支給してくれた方が…」という声が密かにあるということで、なるほど「新しい土地で再起するには十分すぎる金額」と言われてみればまさにその通りと思ってしまうような巨額資金がこの作業に延々と投じられていくことになるわけです。

もちろん一人あたりで割ればそれだけの金額になる計算だとは言え、地域全体の除染をする作業経費ですから「除染作業を選ぶか、それとも5000万円を選ぶか」といった単純な計算にはならないのは言うまでもないですが、もともと地域にさほどの思い入れがない人々にとっては本当に馬鹿らしいと感じられる話なのかも知れませんね。
行政が除染か移住かの選択を用意せよとはもちろんごもっともなのですが、除染作業にしても地域の様々な行事と同様に全体でまとまってやらなければ意味がないという性質のものだけにどちらの主張にも一理はあるのですが、むしろ注目したいのが今どき敬老精神?何それ食べられるの?状態だなどと陰口を叩かれ、年長者相手でもタメ口きき放題だと言われがちな今どきの若者をこうまで萎縮させてしまうムラ社会の底力でしょう。
とりわけ「お前は村を愛していないのか!ふるさと再生に協力しないのか!と叱られる」云々の話が非常にリアルで「あ~あるある!」と言うのでしょうか、まさしく現地の空気はそんな感じなのだろうなと思ってしまうのですが、こんな話を聞くと思わず中島みゆきの「ファイト!」を思い出してしまったのは果たして自分だけでしょうか。

薄情もんが田舎の町に あと足で砂ばかけるって言われてさ
出てくならおまえの身内も住めんようにしちゃるって言われてさ
うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき

ちなみにこの曲、初出は1983年発売のアルバム収録曲で当時はレコード盤(!)で売られていたと言いますから今やどんな大昔だよ!ですが、当時ですら一昔前の思い出話として語られているような光景が平成の時代になっても未だ現役とは、さすがに田舎は侮りがたいと感心するべきなんでしょうか…

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2011年11月16日 (水)

京大病院肝移植患者事故死 それは起こるべくして起こった?!

すでに報道などでご存知だと思いますが、京大病院において肝移植後の患者の不幸な死亡事故が発生したようです。

脳死肝移植患者 医療ミスで死亡(2011年11月14日NHK)

京都大学附属病院で、今月、脳死肝移植を受けた50代の男性患者が、手術後の人工透析で看護師が交換する部品を間違えたため、脱水症状を起こして、14日、死亡したことが分かりました。病院は、医療ミスと認めて遺族に謝罪しました。

京都大学附属病院によりますと、死亡したのは、5日、脳死からの肝臓移植を受けた50代の男性患者です。男性は、腎臓の機能が低下していたため、移植手術のあと人工透析を受けましたが、12日、看護師が、血液中の老廃物を取り除く部品を機械に取り付けるべきところ、間違えて血液中の血しょう成分を取り除く部品を医師に手渡し、医師も確認せずに取り付けたということです。男性は、このあと脱水症状を起こして意識不明となり、14日、死亡しました。部品の間違いに気付いたのは、男性が死亡したあとだということで、京大病院は、医療ミスと認めて遺族に謝罪するともに、警察に届け出ました。

会見で、京都大学附属病院の三嶋理晃院長は「病院の過失により、このような結果となり、責任は誠に重大だ。心からおわびを申し上げたい」と謝罪しました。京大病院では、先月、40代の女性患者が、脳死からの肺移植を受けた際、血液中に酸素を送り込む装置が動かなくなり、脳に重い障害を負って意識不明の重体となる医療事故が起きたばかりです。

京大病院:器具誤装着 脳死肝移植後、透析中の男性死亡(2011年11月14日朝日新聞)

 京都大病院(京都市左京区)は14日、人工透析の際に間違えて別の装置を取り付けるミスで、入院中の50代の男性患者が死亡したと発表した。三嶋理晃病院長は「病院の過失」と認め、「社会の信頼を損なう結果となり、おわび申し上げます」と謝罪した。病院から報告を受けた京都府警は、業務上過失致死容疑での立件を視野に捜査を始めた

 京大病院によると、患者は今月5日、脳死による臓器提供での肝臓移植手術を受けた。経過が良好だったため一般病棟に移った。もともと腎不全で透析を受けており、12日夜に当直医2人が透析用の濾過(ろか)装置を交換した。ところが、その約3時間後に血圧が低下するなど容体が悪化。治療を受けたが、翌13日午前10時50分に死亡した。

 その後の調査で、付けられていた透析用の装置が、血液中の老廃物を取り除く本来の装置ではなく、血液の成分を分離するための別の装置だったことが分かった。当直医の指示で看護師が装置を取りに行き、保管場所の隣にあった別の装置を誤って持ってきた。当直医も確認を怠って装着したという。装置は形は似ているが、色や大きさは違う

京大病院で機器取り違え 男性患者が死亡(2011年11月14日日テレニュース24)

 京都大学病院で脳死肝移植手術を受けた50歳代の男性患者が、透析用の機器の取り違えで死亡する医療ミスがあった。 京大病院によると、男性は今月5日に脳死肝移植手術を受け、経過が順調だったことから、6日後に一般病棟に移った。男性は元々、腎不全を患っていたため透析治療をあわせて受けており、12日夜に透析用のカラムという機器を交換した約3時間後に容体が急変、13日朝に死亡した。病院側が調査したところ、機器を交換した際、腎臓疾患ではなく、肝臓疾患に用いられる別の機器が装着されていたことがわかった。 機器は形が似ている上、隣り合わせに保管されており、交換した医師ら3人は、機器が大きいなどの違和感があったにもかかわらず確認を怠ったという。

まずは不幸にして亡くなられた患者さんに対してお悔やみを申し上げますとともに、そのご冥福を祈りたいと思います。
もともとの状態が肝腎症候群などを呈するような肝不全の末期だったということなのでしょうか、いずれにしてもかなり重篤な状況で移植術を受けられたのでしょうし、それだけに一つの取り違えが致命的になったのだろうと推察します。
今回の事故の経緯をまとめると看護師が透析用の機材を取りに行ったところがたまたま隣にあった類似のものと取り違えてしまった、そして医師も機材が異なるという違和感を抱きながら漠然と取り付けてしまったということで、結局のところ各段階における確認が足りなかったという要約にしてしまえば話は非常に簡単です。
ちなみに先日あったという別件の移植絡みのトラブルについてはこちらの記事の通りですが、これまた何らかの機材絡みのトラブルがあったのでは?とも想像させるような状況ですよね。

京大病院:脳死肺移植後に脳障害…40代女性が意識不明(2011年10月18日毎日新聞)

 京都大病院(京都市左京区)は18日、40代女性患者が10日の脳死肺移植手術後に脳障害を起こし、意識不明になったと発表した。手術中に心肺補助装置(PCPS)が停止するトラブルがあったが、因果関係は不明で「現時点で医療ミスとは考えておらず、肺移植手術の自粛はしない」としている。外部の専門家らによる調査委員会を設置し原因を究明する。【榊原雅晴】

 一山智副病院長(医療安全担当)と執刀医で呼吸器外科長の伊達洋至教授が会見。患者は重症の肺リンパ脈管筋腫症で、山梨県立中央病院で脳死判定された60代男性の両肺の移植手術を受けた。

 手術は10日午前10時38分開始。人工心肺装置を装着して左右の肺を摘出し、提供者の肺を移植。約4時間後に人工心肺装置を外した。しかし、血中の酸素濃度が低下したため午後5時59分に心肺補助装置を作動させた。13分後、血液を流す管の中に気泡が生じ、安全装置が作動して停止。4分間で気泡を除き、再稼働させた。

 同9時50分、集中治療室に移した時には異常はなかったが、翌朝、左右の瞳孔の開きに差があり、検査の結果、脳障害が分かった。

 伊達教授は「ドナーの肺が山梨から届くのに約6時間かかったこともあり、移植肺が機能不全を起こし、酸素濃度が低下したのではないか」と話した。補助装置に生じた気泡については「初めてのトラブル。装置に異常はなく、原因は不明。ただ、停止中の酸素濃度は必ずしも低酸素脳症を起こすほどではなかった」としている

 京大病院では06年、脳死肺移植を受けた女性(当時30歳)が死亡し、その後、肺移植手術を自粛した。事故調査委員会が移植チーム内のコミュニケーション不足などを指摘。07年に岡山大から、日本初の生体肺移植を行った伊達教授を招き、09年に脳死肺移植の再開を決定した。今回は再開後11例目。現在、京大病院では約30人の患者が肺移植を待っている。

今回の事件では今後業務上過失致死などで刑事訴訟になるのかどうかはまだ判りませんが、しかし前述のような「確認不足でした」という簡単な要約で事件を総括したつもりになってしまっては幾らでも今後同じ事故が発生してもおかしくないという危険が大いにあるのではないかと思いますね。
以前に書きましたように神戸中央市民病院でのボンベ取り違え事件が発生した折にも、類似の形状をしている酸素ボンベと二酸化炭素ボンベを同じ場所に保管している、そして誤接続が出来ないようコネクター形状を変えるなどの対策品を使用していなかったことが事故に結びついたことを指摘しましたが、今回の事件においても全く同様の構図が見られるだけに、何ら学んでいない大学当局の管理責任は問われざるを得ないでしょう。
特に透析などは患者にとって日常的かつ生涯にわたって続く行為だけに一度の取り違えが命がけということになっては困った話で、すでにガイドライン等でも誤接続に対する対策が提唱されているようですけれども、メーカー側も早急に物理的な対策を講じていただきたいものだと思いますね。
しかし京大病院ではただでさえ先日事故があって世間の注目を浴びたばかりだというのに、立て続けに今度は明らかな事故原因を放置したばかりに患者が亡くなったとなれば院内の管理体制はどうなっているのかと思われても仕方がありませんが、こうしたハードウェアの問題だけで事故原因を語れないことに今回の問題の大きさがあります。

そもそもこの種の機器の扱いも本来であれば機器の門外漢である当直医などではなく専門家(この場合は技師)が扱うのが筋であるし、一般病院であればそうなっていたはずであるのにわざわざ素人の看護師と医師とが慣れないことをやって事故を起こしてしまったということも大いに問題ですよね。
東京女子医大の事件にしても回路内に組み込まれたガスフィルターが水滴で閉塞を起こしたことが事故原因だったという説があり、結局高裁判決では機器不良ではなく大静脈へのカニュレーションの位置不良が問題であったという判決になりましたが、この時の判決文でも水滴によるフィルター閉塞などが起こりえるのだという知識を医師が持っているのが当然だとは言えないという裁判所の見解が出てきます。
以前からこの種の機器取り扱いの問題が医療事故に結びついたという事例はたびたび起こっていますが、例えば当直中の医師が慣れない自動分包機を使った結果思いがけない薬の取り違えが発生したといった事故があった場合を考えれば、やはり問われるべきは扱い慣れない機器の操作を違えた医師ではなく、きちんとした薬剤師等の専門家を置いておくなりといった対策を怠った施設の安全管理意識ではないでしょうか?

特に今回の場合は事件が起こったのが大学病院であるだけに、独自の労働基準問題において(苦笑)夕方五時以降は元より技師などは不在であったのではないかとも推測しますが、そうなると今回の外科系講座を始め別に透析の専門家でもない当直医が機械を扱わざるを得ないということも当たり前に発生し得るわけですよね。
今回の当直医がどういったキャリアの方だったのかは判りませんが、きちんと専門の技師が機械を扱うのが当然という外病院でやってきた医師が大学に出戻りで当直などをやっていると、そもそもこんなものを触った経験もほとんどない人も多いでしょうから渡されたものをそのまま使うしかないでしょうし、今回看護師の取り違えなどがなくともいずれ起こるべくして起こった事件だったのかなと言う気がします。
今回の事件を受けて大学病院当局としても何らかの対策を打ち出さずにはいられないでしょうが、その対策というものが例えば「当直医は当直中に操作する可能性のある全ての機材の構造、原理に精通し、かつ何らかの操作においては必ず上級医とのダブルチェックを行わなければならない」なんてぶっ飛んだものであれば、京大病院を改めて見直すことになるんですがね…

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2011年11月15日 (火)

なんだか医療政策がまた迷走している…?

そういえばそんな話もあったなと思い出さされるのが先日出ていたこちらの記事ですが、今もまだそんなことを言っているというのがむしろ驚きでしょうか。

震災と原発騒動で下火となった医療ツーリズム 経産省の秘策、“医師の輸出”で復活なるか(2011年10月27日週刊ダイヤモンド)

東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故で、メディカルツーリズムはすっかりトーンダウンしてしまったが、海外進出による方法ならば、まだまだ可能性はある」――。
 こう語るのは、ある有名大学病院の院長だ。

 メディカルツーリズムとは、健康診断や手術など良い医療を求めて患者が国境を越えて移動する“医療のための旅行”だ。
 近年、日本でも「自由診療のために、病院の収入増に結びつく」(首都圏の民間病院院長)として、中国やロシアなどの外国から富裕層の患者を受け入れようとする動きが活発化していた。経済産業省も、産業振興の観点から外国人患者の受け入れのための調査事業などを実施し、音頭取りをしてきた経緯がある。
 しかし、3月11日の震災以降、来日する外国人患者は激減し、一気に下火になってしまった

 ところが、冒頭のコメントにあるような日本の医療機関や医師の海外進出という方法の転換で、復活の芽が出てきている
 つまり、組織的に日本の医師を海外に派遣して最先端の診断や治療を行って、外貨を稼ぐ──という“医師の輸出”であり、現在、経済産業省を中心に事業が進められているのだ。
 具体的には、同省の「医療サービス国際化推進事業」の一環。
 主に中国やロシアなどの高度医療を受けられない外国人患者への医療サービス提供によって、日本の医療産業の発展を図るのを狙いとしたものだ。従来の産業政策のような単なる医療機器や医薬品の輸出にとどまらず、実際に診療拠点を開設して日本の医師による治療や診断などの医療サービスを行うのが特徴だ。

 現在、野村総合研究所が事務局となって、今夏から中国やロシア、カンボジアなどで内視鏡を用いた診断や手術のほか、IT技術を駆使した遠隔画像診断などの6つプロジェクトの実証実験に入っている。各地の有名病院の医師や院長らにも協力要請やヒアリングが行われており、計画では、来年2月末までに報告書がまとめられる予定だ。
 これら報告書を基に、経産省では、より踏み込んだ医療の国際化政策を策定する計画だ。

 もっとも、難民などを相手にした人道的な医師の派遣ならいざ知らず、外国の富裕層を相手に、日本のベテラン医師を派遣することについて、医療界では賛否両論があるのが実情だ。
 賛成論としては「日本の高度医療に光が当たり、日本の医療産業と医師の海外経験が増して技術力向上にもつながる」という意見がある。
 その一方で、日本医師会をはじめ「医師不足や医療崩壊が問題視されるなか、外国の富裕層相手に貴重な医師を派遣することは(おカネを積めば、高度な医療を受けられるという)医療格差に拍車をかける」との批判も根強い

医師は日本国民にとっても、貴重な“資産”であり、“インフラ”でもある。それだけに“医師の輸出”となれば、議論は簡単には収束に向かいそうにない。

しかし医師が国民の資産でありインフラであるというのであれば、そもそもその採算性がどうこうと言われること自体がおかしいという考え方もあって、例えば警察や消防がどこでも大赤字だ、これは大問題だなんて声は全く上がらないことに比べてどうなのよ?ということですよね。
まあそういったそもそも論や、医師輸出計画の成功確率はどの程度かと言った話は置くとしても、他の話が全部潰れた後で唯一残ったのが医師輸出計画では、いったい国は何を考えているのか、もう少し国民の足下を見た政策を考えろと言った声も大いに出てきそうですよね。
実際に今も各地から国が主導しての医療政策を求める声が幾らでも上がっていますが、少なくともその中心に医師輸出計画を据えるべきだなどという賛同の意見は全くないようです。

医療政策国が枠組みを 病院や行政意見交換会 /島根(2011年11月13日読売新聞)

病院や行政意見交換会

 県内の医療の実情を国政に反映させるための意見交換会が12日、出雲市のビッグハート出雲で開かれた。民主党県連の主催で、医療従事者や自治体の担当者らが出席。出席者からは中山間地域や離島を中心にした医師不足などが指摘され、医療政策の明確な枠組みを作るよう国に求める意見が相次いだ。(矢沢慎一)

 県の中川正久参与(病院事業管理者)は、医師・看護師の確保への支援のほか、電子カルテ整備、高度ながん診療機器の活用への助成など、2009~13年度に県が行う計約88億円の地域医療再生計画を説明。「医療について国が基本的な枠組みを整備しないと、市場原理主義に流されてしまう」と危機感を示し、国に明確な医療政策を求めた

 隠岐病院(隠岐の島町)の小出博己院長は、夜勤ができる看護師の不足や、常勤薬剤師が1人のみの現状のほか、島根大からの産婦人科医派遣が04年に中止されて以降、助産師による外来設置や県立中央病院からの医師派遣などでしのいでいる実情を報告。「地元での治療や出産を望む島民は多く、医師確保などで国レベルの支援を」と述べた。

 医師不足に悩む公立邑智病院(邑南町)の石原晋院長も「救急車は断らず、地域の医療施設との連携を深め、ドクターヘリを活用するなど工夫しているが、地域全体で医療従事者の不足が深刻」と指摘。国が医師の配置を強制的に行える法制度の整備を要望した。

 意見を聞いた民主党厚生労働部門会議副座長の梅村聡参院議員は「適切な医師配置ができる判断基準や労働条件、地域に根ざした総合医の育成などを早く検討したい」と語った。

民主党主催でこういう会を開くというのも結局は「現場はここまで医師強制配置を望んでいる!」という言質を取るのに使われているということなんでしょうが…ま、同じ日本国の医師免許を持っていても立場は人それぞれ、考え方も人それぞれですからね。
しかし地域医療の現場にとっては「我々の土地ではこんなに医者がいないんだ!外国に医者を送り出すなんてとんでもない!」というのも率直な意見でもあるでしょうし、地方で医師不足に喘ぐ公立病院などは国が主導して医師を地方に強制配置する仕組みを作れ!なんて物騒な意見も昨日今日出てきた話ではありません。
しかし考えて見るとこの医師の地方強制配置論というもの、配置される側の医師にとっては見ず知らずの土地に送り出されるということでは海外輸出と何ら変わりのない話で、それならば海外富裕層を相手にお金の心配もなく好きな医療を追求出来る方が良いのか、それとも失礼ながら下手すれば心の僻地などと言われる地域に強制配置されてやりたくもない仕事を押しつけられるのが良いのか、案外考えどころですよね。
そう考えると医師輸出計画などというのも働く立場にしてみればそう悪い話でもなく、むしろ僻地強制配置などということが実現すれば合法的かつ国のバックアップを受けて国外脱出を図るには良いシステムではないか…なんてことを考え出す先生方が出てきても不思議ではないようにも思います。

他の様々な政策と同様に医療政策というものもこのように、誰がどんな立場で考えるかによってその評価が全く変わるということは今更言うまでもない話で、例えば研修医集めに四苦八苦している基幹病院管理職を務めるような先生にとっては安く幾らでも医者が買い叩けるような医者余りの未来図というのは極めてウェルカムであるわけですよね。
民主党は長年冷遇されてきた医療業界を立て直すということを選挙の中心命題に据えて大きな支持を集めたという背景もあるのですから、当然ながら彼らの主張していた医療政策がどうなったかということには多くの関心が寄せられるわけですが、今のところさほどに劇的な変化があるわけでもないと感じている人間が多いのではないでしょうか?
もちろんこうした政策の成果が実感出来るのは一年、二年と言った話では全く駄目で、ある程度長期的に見ていかないと判断出来ないということも確かなんですが、先のTPP交渉参加に関する議論に見られる日医の慌てぶりなどを見る限りでも実はそろそろ「あれ?こんなはずじゃなかったのに…?」と失望感が広がりつつあるのも確かなようなのですね。
そんな中でまたぞろ火に油を注ぐようなことを…と思わずにはいられないのが、先日前原氏の口から唐突に飛び出したこんな意見です。

医療・介護制度見直しを…前原氏、歳出削減強調(2011年11月13日読売新聞)

 民主党の前原政調会長は13日、兵庫県西脇市内で講演し、社会保障・税の一体改革に関連して、「医療や介護制度を見直さないと、社会保障の財源となる消費税の税率に上乗せされる。税率がいくらあっても足りないので、問題点を精査しながら、持続可能な制度設計をしっかりと進める」と述べ、社会保障の歳出削減を進める必要があるとの認識を示した。

あれれ?医療・介護主導で成長戦略を描くなんて言っていたのは当の民主党だったはずなんですが、これはいったいどうしたことなのかと思うような発言で、政府としても前原氏個人の見解と言う事で黙殺するのか、それともかねてささやかれているように再び医療冷遇の時代に戻らざるを得ないという認識が政府与党内でも台頭しつつあるのか、もう少し続報を待ちたいところですよね。
ただ一般論としてもちろん歳出削減をより一層進めていく必要があるのは言うまでもないことですが、国際的に比較してもことコストパフォーマンスという点では非常に高い評価を受けている日本の医療から更に多くの金が絞り出せるかと言えば、乾いた雑巾をさらに絞り上げるようなものであまり効率の良い話とも思えません。
もちろん介護領域にしてもあまりの低賃金にこれだけ需要も大きく必要性も叫ばれているにも関わらず超絶的な人材不足が続いているくらいですから、これまた現状以上に絞り上げれば地域の介護システムそのものが崩壊しかねず、結果として在宅介護などで家族は外で働くどころではないという状況が加速してしまいますよね。

そんなこんなで医療業界の一般的反応としては「は?何言ってるのこの人は?」とずいぶんと否定的な声が圧倒的なようなんですが、個人的意見としてはいきなりまた削減というのはさすがに空気読めだとしても、中・長期的に医療費に抑制をかけてある程度上限を設定していくという考え方は必ずしも反対というわけではありません。
ご存知のように日本の医療は何かと夢見がちな日医などを筆頭に「命は地球よりも重い」を馬鹿正直に固守して、お金のことで医療格差が生じるなど以ての外、どんな貧乏人でもお金持ちと同じ医療をというタテマエが徹底されていて、日本では生活保護受給者が最も良い医療を受けられる…なんて陰口まで叩かれているくらいです。
もちろん理想主義的考え方としてはそれは立派なことだったと思いますが、現実問題として右肩上がりの経済成長が終わった後の時代になっても顧客側の要求に無制限に応じる形で医療の質的、量的拡大を続け、アクセスも改善していくということでは、医療リソースをどこまで巨大化させていっても需要に追いつかないということになってしまいますよね。
海外では例えば保険による人工透析に年齢制限を設けているところは少なくありませんし、「寝たきり老人など一人もいない」と絶讚される北欧諸国のように「自分で食事が取れなくなれば一切何もしない」という割り切りが徹底されている国々もあり、誰にでも安価に提供される医療はここまで、これから先は希望があれば自費でやってくださいというスタイルがむしろ一般的であるわけです。

要するに日本ではどんな人間にも医療に格差をつけてはならないというタテマエが滲透してしまった結果、24時間365日どんな僻地であろうとも直ちに専門医による高度な医療を受けられるべきだと考える国民が続出し、マスコミなどでは全国民にその機会が均等に保証されるのが当然であるという妙な考えまでが「常識」のように語られてしまっているわけですよね。
あるいは何年も寝たきりで拘縮しきっているような老人にも「出来ることはなんでもしてあげてください」の家族の一言で超絶濃厚医療が施されたりする、やはりそこは社会資本の適正な配分として見ても本人のためになる医療という考えからしてもおかしいし、格差がないことがその異常性を増強してしまっていると言えるでしょう。
お金で医療を制限すると言えば何やら一方的に悪いことのように日医などは主張しますが、「あそこの家族はろくに病院にも掛からせないで死なせた」などと陰口を気にするあまりに寝たきり老人が急性期基幹病院のベッドを占有しているなどというおかしな現実を思えば、むしろある線から先はあくまで任意でという形で金銭的に線引きをしていった方が社会正義にかなうように思いますけどね。
このあたりは同様に人の命が関わる領域でもある自動車保険における強制と任意の使い分けなどが参考になるところかも知れませんが、最低限これは必要という部分はもちろん全国民に義務的に担保されていなければならない、しかしそこから先は各人の考え方や利用の仕方などによって様々なスタイルを選択可能なシステムというのは、そんなに受け入れ難いものだとも思えません。

医療費削減論者としては財政状況などに基づいて医療費削減の必要性を示しつつ、いずれ医療業界の側からこのままでは経営が立ちゆかない、混合診療させてくれと泣きついてくるのを待っているという形なのでしょうが、単に絶対反対!断固反対!と何とかの一つ覚えのように叫ぶばかりでなく、その過程をしっかりコントロールしていくことこそ正しい医療の実現に結びつくんじゃないかという気がします。
もちろんその課程において例えば皆保険システムだけでは経営が立ちゆかないような状況に追い込まれた医療機関が、応召義務をなお強いられ続けるのはおかしいのではないか?といった付随的なテーマも幾らでも出てくることだと思いますが、最初からそれはあってはならないことで思考停止していたのでは何の知恵も打開策も出てこないことだけは確実ですよね(苦笑)。

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2011年11月14日 (月)

TPP問題 とりあえず交渉への参加は決まる

先日11日は総理によって参加表明があった、いやあれは参加表明ではなく単に話は聞いてみるというだけだとか賑やかしいのがTPP問題ですが、特に根強い反対意見のある医療、農業関係者からはこの事態に大きな反響があったようです。

TPP問題、最大焦点は関税撤廃 農業、医療で米圧力(2011年11月11日中国新聞)

 野田佳彦首相が11日、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加を表明した。しかし、TPPを主導する米国が今後、最大の焦点である農作物の関税撤廃や、医療分野などの規制緩和を求め、日本に強い圧力をかけてくるのは必至。国内でも関係団体の反発が一層高まりそうで、首相の手腕が問われるのはこれからだ。
(略)
 ▽隔たり

 最大の焦点は関税で、どこまで例外を認めさせられるかだ。日本が要求する例外品目は「日本の食文化の源であるコメが最有力候補」(筒井信隆農林水産副大臣)。コメは約778%の関税で守られている。農水省の試算では、関税がなくなると、国産米のほとんどが値段の安い外国産米に置き換わり、国内生産量が90%減少するという。

 ただ、TPPで仮に例外品目が認められるにしても、1~2品目程度との見方がある。コメ以外にも牛肉、麦、砂糖など地域で重要な農産品は多い。そのため、業界団体や産地から例外を求める声が高まりそうだ。

 外務省は「関税撤廃の例外品目は認められる可能性がある」との見解を示している。9カ国の交渉で、米国も砂糖の例外扱いを求めているとされているが、TPPは関税撤廃が原則のため各国の意見は分かれている。実際に認められるかどうかは不透明だ。

 生活の安全・安心に深く関わる医療分野でも懸念が強まっている。政府は保険適用の診断と適用外の自由診療を併用する「混合診療」の全面解禁について「(今後)議論される可能性は排除されない」と認めた。医薬品分野でも、開発などで圧倒的な競争力を持つ米国が、自国企業の販路拡大のため規制改革を強く求めてくる可能性がある。

 公共事業の入札をめぐり、関係書類の英語表記化などで小規模自治体に大きな負担も懸念されている。金融サービスでは、民間企業との公平な競争条件になっていないとして米国が、郵政民営化や共済制度の優遇措置見直しを強く要求してくる可能性も否定できない。
(略)

【TPP】国民皆保険危ぶむ声 県内医療関係者/静岡(2011年11月12日静岡新聞)

 環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加方針を野田佳彦首相が正式表明した11日、県内の医療関係者からは、国民皆保険制度が崩れると危ぶむ声が上がる一方、理解を示す声も聞かれた

 県医師会の篠原彰副会長は、株式会社の医療参入や保険がきかない自由診療と保険診療を併用する「混合診療」の全面解禁に反対の立場。それらが認められれば、「国民皆保険制度が崩壊する」と交渉参加に危機感を示した。医師や看護師などの労働力の受け入れについても「日本の医療の質を下げる可能性がある」と指摘した。
 県薬剤師会の明石文吾副会長も「日本の医療を守るため、どういう条件を出していくか明確にしないまま、交渉に入るのは拙速」と切り捨てた。

 一方、県立総合病院の神原啓文院長は皆保険制度の堅守を前提とした上で、医療品や医療機器の貿易自由化に関しては、「グローバルな競争の中で、質が高く安価な製品が使えれば、患者にとっても有益」と話した。

かつて米輸入騒動の時にも明らかになった事ですけれども、日本人の口に合う食味のジャポニカ米は元々生産量に比べて貿易量の少ない米全体のわずか15%ほどを占めるに過ぎず、しかもこの場合輸出国として問題となるアメリカなども近年自家消費分が増えてきているわけですから、どうも農水省の試算なるものが何らかの思惑を含んだものではないかという気もしますけどね。
それはともかく医療に関して言えば、例によって日本医師会(日医)は絶対反対の一辺倒ということで、全国紙などは専らこの日医らの主張ばかりを取り上げて「医療業界からはこんなに懸念の声が続出している!」と言っているようですけれども、現場に近い筋ほど「いや、実はそんなに悪いものでもないんじゃない?」という声も出ているということは注目されますね。
さらに実際の臨床を担当する現場医師達に問えば皆保険制度堅持などといった日医反対論の中心命題に対しても別な意見が出てきそうですけれども、いずれにしても日医の意見がすなわち医師達の意見を代表するものなどではないことを示す実例として、先日はこんな調査結果が出ているようです。

TPP交渉参加、「賛成派」の医師が過半数-ケアネット調査(2011年11月8日CBニュース)

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉参加について、「やむを得ない」と考える「消極意見」まで含めると、医師の過半数が「賛成派」であることが、8日までのケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。

 ケアネットは、TPP交渉への参加の是非について、4-7日に同社サイトの会員医師を対象にインターネット上で調査を実施。1000人から回答を得た。

 その結果、全体では、TPP交渉について「参加はやむを得ない」と考える医師が44%で最も多く、以下は「参加しないほうがよい」30%、「全面的に反対」14%、「全面的に賛成」9%などの順。ケアネットでは、「やむを得ない」を「消極意見」として「賛成派」にカウントしており、「賛成派」が53%と過半数に達した
 このうち、勤務医の「賛成派」は56%だったのに対し、開業医では「全面的に反対」が22%、「参加しないほうがよい」が30%と「反対派」が半数を上回った=グラフ=。

 アンケート調査に寄せられた 「賛成派」のコメントでは、「医療にも競争、効率化が必要と思う」「是々非々ではっきりと日本の利益になるように主張すべき」「医療に競争原理はそぐわないが、不要なものは淘汰されるべき」などがあった。一方、「反対派」のコメントでは、「医療格差を助長し、ひいては現在の保険制度の崩壊につながりかねない」「国民皆保険制度は絶対守るべき! コメは輸入できても、健康は輸入できません」「医療にも経済観念が持ち込まれ、おかしな方向に行きそうな気がします」などがあった。

 TPPについては病院団体などから、混合診療の解禁による国民皆保険制度の崩壊や、海外資格医師の流入などを危ぶむ声が上がっている。

ま、そんなところなんだろうなとは予想できた話なんですが、先日も書きましたように日医の(表向きの)反対理由というものも「いやそれでは国民が困るから…」などと全く要領を得ないものばかりで、業界団体として「なぜ我々はこれに反対しなければならないのか」という説得力が皆無なのですから仕方がない話ですよね。
ただその中でも勤務医と開業医では賛成派、反対派の比率が少しばかりながら逆転しているというのがまさしく日医の支持母体を明示する結果になっているわけですが、しかし逆に見れば開業医にしても消極的反対派まで総ざらえしてもたかだか52%と、日医の主張するように「いやもう交渉の余地なし!断固反対!」などという雰囲気とはほど遠いのが現場医師達の意見であるとも言えそうです。
コメントを見てみても賛成派のコメントと反対派のコメントのポイントになるものは「競争」とか「淘汰」とか言う言葉に象徴されそうですが、賛成派はそれらによって医療が変わることを求めているのに対して、反対派は自分たちにとってどうこうという視点で主張しているようにも見えないところが、両派の間に横たわる当事者意識の差なのかなという気もします。
すでに日医が反対論の根拠としている混合診療解禁なども議論の対象となることが(密かに?)明らかになっていますが、これなども亀田などの例を出すまでもなくかねてやる気のある現場からは「何故やらせないんだ?!」とむしろ早期解禁を望む声も出ていたくらいで、少なくとも日医の絶対反対論が医療の世界の主流的見解であるように受け取られるのは間違いだということが明らかになったと言うことでしょう。

しかし日医などの主張するように本当に日本の医療制度が世界に冠たる素晴らしいものだと言うのであれば、各国間でオープンな状態になった場合に強い競争力を発揮するのは日本の医療の側になるはずだと言う理屈が成り立つはずですけれども、そういうことは言わないというのがどれだけ自分に自信がないのかという気がしますけどね(苦笑)。
日医の理屈抜きにしても、アメリカにとっていわばアキレス腱とも言える医療分野で世界の優等生たる日本に参入してきてもそうそう一般国民に相手にされるとも思えず、あちらの医療制度の実情を知るほどにむしろ日本の医療制度がどれほど恵まれたことであったかが誰にも判ろうと言うものでしょうし、実際に先行して解放された保険分野なども外資はやはり…という声が出ているわけです。
そう考えると実際に外資が脅威の対象となるのは医療よりも製薬の方ではないかと思いますし、こちらの方面では明らかにアメリカの製薬業界は世界的なメジャーブランド揃いですから国内製薬会社の商売相手として厳しいと言えば厳しいのですが、一方で医薬分業のおかげで薬で儲けることのなくなった今の医者は安いから、メジャーブランドだからという理由で薬を選択することもないようにも思いますし、患者にすればどこの国の会社かよりもドラッグラグなどの方が大問題でしょう。
ただ例の非関税障壁を外国企業が一方的に訴える事の出来るというISD条項を野田総理が何も知らないまま交渉を進めるつもりであったというのが非常に気になるのですが、悲観論ばかりでなくこちらもストロングポイントに関しては負けずにどんどん訴えていくというくらいの気構えはあっていいはずです。

いずれにしても医療に限らずTPPを巡る議論を見ていて個人的に思うことは、例えば農業などはJAを中心にTPP反対派の中核勢力のように言われていますが、北海道静岡、あるいは新潟など全国各地のやる気のある現場生産者からはむしろTPP歓迎、世界に打って出るチャンスだという声も続々と出ているということです。
無論日本の農業が高コスト体質であることは事実なのでしょうが、それでは国内顧客に限っても国内産にこだわる顧客が安かろう悪かろうの農作物を求めているのかと言えばそんなはずはないわけで、昨今輸出対象となっている海外富裕層向けなどと同様に多少割高でも質が良くて安心して食べられるものを求めている人も多いのですから、高コスト体質だから90%が潰されるというのは必ずしも当たらないと思います。
むしろTPPの話がなくとも就農人口が減少する一方で農業が先細るだけだと言う状況こそ憂慮すべきで、現状をただ維持したところで将来に何もよい目はないということを考えれば、日本の農業の存在意義や目指すべきところをここで真剣に議論し、惰性で続ける人ではなく本当に将来を背負って立つ意志のある人々にゆだねていく方策の一つとしてTPPを活用するくらいの気構えはあっていいですよね。

ある意味では農業以上にガラパゴス化が進んでしまった日本の医療もまた、TPPという外圧によってあちらもこちらも大きな変化が生じざるを得ないのでしょうが、結局のところ医療のような高度のマンパワー集約型産業では日本人相手の仕事は日本人が主体となってやっていかざるを得ない現実は普遍なのですから、「何が何でも絶対反対!」などと耳を塞ぎ目を閉ざすばかりでも仕方がないのかなという気がします。
一昔前に「アメリカでは大統領が内視鏡をやるのにも麻酔が必要で、全軍の指揮権を副大統領に移譲してからやらないとダメ!」なんてびっくりニュースがありましたけれども、そんな素晴らしきアメリカの医療が日本に流れ込んできたら怖くて夜も眠れない、これでは商売あがったりだと恐れおののいている方々であれば、それはなんとしてもTPP絶対反対だと声を上げなければならないのでしょうけれども、ねえ…

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2011年11月13日 (日)

今日のぐり:「麺工房たつみや」

先日見ていて思わず「なるほど!」と思ってしまったのがこちらの記事なのですが、まずはご覧いただきましょう。

25歳美女「お金持ちと結婚したい」に的確すぎる回答/米(2011年11月9日YUCASEE MEDIA)

 「どうやったらお金持ちの男性と結婚することができますか」。25歳の女性が、米銀行大手のCEOとされる人物に送った質問と、それに対する回答が、的を射ているとして話題となっている。もちろん、実在する話なのか、女性が実在するかどうかは不明だが、「お金」と「美」という2つの資産についてよく考察されている。

お金持ちの奥さんて普通なのに結婚できるとは…

 わたしはいま25歳で、年収50万ドル(約3900万円)以上の男性と結婚したいのです。見た目も可愛いく、スタイルもいいと思っています。確かに、欲張りだと思うんですけど、ニューヨークの中間所得層の年収が100万ドル(約7500万円)くらいだし、大した事ないと思うんです。
 それで、このフォーラムに来てる人で年収50万ドルの人っていますか? それとも、みんな結婚してるんですか? どうしたらお金持ちの男性と結婚できるのですか。

 実際に、年収25万ドル(約1940万円)くらいの人とは付き合ったことはあるんですけど、それ以上の年収の人と付き合った事なくて、もしニューヨーク西部のNYシティガーデン? という所に引っ越すと考えたら、25万ドルの収入では少ないと思うんです。

1 独身のお金持ちの男性はどこで遊んでいますか?(レストラン、バー、ジムなどの名前)
2 狙うべき年齢層は
3 なぜお金持ちの奥さんは見た目が普通の人が多いのか。何人か会ったことがあるけど、みな標準以下。それなのにお金持ちの男性と結婚できるとは…
4 どうやって結婚する女性を選ぶのか。また、どういう人が彼女向けなのか

 一人の若い女性より

 次ページで、米銀行大手CEOという人物が回答した文章を見てみる。

「美」という資産は劣化する

 若くて美しい女性へ
JPモルガン、ジェイミー・ダイモンCEO

 あなたのように考える女性は少なくありませんが、ここでは一人の投資家としてお答えさせていただきます。わたしの年収は100万ドル以上で、あなたのいう条件は満たしているので、資格はあると思います。
 しかし、あなたと結婚するのは間違った選択と言えるでしょうね。その理由とはたいへんシンプルなものです。

 あなたは「美しさ」と「お金」を交換しようとしています。例えばAさんが「美しさ」を差しだすその対価としてBさんは「お金」を払う、ということなのです。
 Bさんのお金は無くならないけど、Aさんの美しさはいずれは衰えます。しかも、Bさんの収入は年々増えるけど、Aさんは毎年綺麗になる事はありません。
 わたし魅力的な「資産」だけど、あなたの資産価値は低い。あなたの価値は今後10年で驚くほどに劣化していくでしょう。

 ウォール街には、トレードの際には、短期の売買があるが、あなたとのデートはそれに該当するでしょうね。もし、トレードした物の価値が将来的に下がるならば、つまり、トレードする物が「結婚」だとしたら、
 あなたは資産としては、レンタルした方が賢明だと思います。わたしたちはあなたとは結婚しなくて、デートだけするということですね。
 だから、お金持ちと結婚することは忘れて、自分で年収100万ドル稼いで金持ちになった方が、いいと思います。
 でも、もしもレンタル、いやデートする気があったら連絡して下さい。

 この「お説教」を聞いた女性は懲りただろう。やはり他力本願ではダメだ。自分で100万ドル稼いだ方が早そうだ。

何とも気の利いた切り返しという気がいたしますけれども、いずれにしてもこういうちょっとどうなのよ?と感じられるような話も含めてのアメリカンドリームということなんでしょうね。
本日は勇気ある告白をした彼女にちなんで、世界中からちょっとした意外性のある告白というものを取り上げてみようかと思いますが、まずはこちらも美人でスタイルもいいという女性の衝撃の?告白から行ってみましょう。

釈由美子、iPhoneと間違えてiPod touch購入……ハイテンションから一気に「しょぼーん」/日(2011年10月20日RBB TODAY)

 タレントの釈由美子が、iPhoneと間違えてiPod touchを購入してしまったようだ。そんなお茶目な失敗がネット上で話題となっている。

 釈は18日、「つっ、ついに!私も正真正銘、スマホデビューしましたぁ」とブログを更新。「カイタイトキガカイカエドキーっていう有名なことわざを思い出したので、思いきっちゃいました。よく、電車のなかでやってる人たちをみかける、忍法親指スイスイの術~。あたし、カッコいい。。。」「大人の階段昇りたいと思います」などとハイテンションにブログをつづった。

 しかし、続く記事で様子が一変。「昨日、あんなに嬉しそうに新型iPhone自慢をしていましたが、どうやら、この子はiPod touchという子らしいです」とiPhoneと間違えてiPod touchを購入してしまったことを明かし、「何度も説明されても違いがよくわかりません。だって、話題のアプリというのが入ってるし、ネットも音楽もメールもできます。親指スイスイの術も使えるしテレビ電話だってできました。これを、スマホと呼ばずに何と呼ぶの」と不機嫌そうな様子をみせている。

 「ようは、ニュアンスの問題ですかね。マクドナルドを東京ではマックというけど、大阪ではマクドという」と持論を展開する釈は、「見た目的に紛らわしくて、ややこしいので、これからiPhoneを検討している人は、間違えないように気を付けてください」と読者に注意を促し、「しょぼーん」とブログを締めくくった。

いやまあ、狙っているのか天然なのか微妙なところなんですが、ちなみに不肖管理人もiPod touchユーザーですけれども、電話機能は別としてモバイルルーターで複数の機械を使い回すような人間にはこちらの方が薄くて軽くていいんじゃないかと思うんですけどね。
同じく日本からの話題ですが、こちらもまた功成り名を遂げたかの有名人の驚くべき告白を見てみましょう。

かっこよく撮ってくださーい!/日(2011年10月21日ガチャピン日記)

今日は雑誌の取材がありました。

こんにちは。
はじめまして、ガチャピンですっ!
ぼくは、青虫じゃないよ。カエルでもないよ。
あと、イモムシでもないよ。恐竜だよ!
まちがえないで書いてくださいね。

「知ってますよ」だって。
(^○^) よかったぁ。
「よく、まちがえられるの?」
はい、そうなんです(・ε・)

青虫くんもカエルくんも、イモムシくんも、
みーんなカワイイです。
でも、ぼくは恐竜です。
恐竜として生まれたことを、ぼくは幸せに思っています。

いや、まあ、さすがに天下に名の知れたガチャピンを青虫やカエルに間違えたことはないんですが、かといってそれでは何だと言われるとなかなか…え?恐竜?またまたそんなご冗談を、ははは。
不肖管理人ならそのイメージを問われて「こいつらそろいもそろっておバカばっかり…(嘆息)」と答えるところですが、人によってはこういうイメージを持っているらしいというのがこちらの告白です。

大学に行かなかった人が想像する『大学』のイメージとは? 「毎日飲み会している」「英語ペラペラ」「出会いだらけ」など/日(2011年9月30日Pouch)

みなさんは大学に行きましたか? 何らかの事情があり大学に行かなかった人は、大学に通ったことのある人が想像する以上にいると思います。実は私もそのひとり。
大学に行ったことのない人にとっては、「大学」がどのような場所であるのかチンプンカンプンなのです。そこで何が行われているのか。どのようなシステムなのか。とにかく謎だらけなのが「大学」です。そもそも日本に数ある大学の名前も、大学野球や駅伝出場校しか知らないレベルです。
ということで今回は、私のまわりにいる「大学に行かなかった人」からかき集めてきた、彼らが思っている「大学像」をご紹介したいと思います。

まずは肯定的なイメージや疑問から。

・全員とりあえず頭がいいらしい。
・大学生はみんな英語がペラペラらしい。
・少なくとも英語がバリバリ読めるらしい。
・歴史とかも暗記しているらしい。
・ヤンキーがいないらしい。
・学生プロレスがさかんらしい。
・チアリーダーがいるらしい。
・授業に出なくてもいいらしい。
・よく会話に出てくる「単位」ってのは何だ?
・よく会話に出てくる「学部」ってのは何だ?
・高校の時に塾に通って勉強しまくったんだから、素直に尊敬する。
・広い広い教室みたいなところで、教授というのが話すらしい。
・美大生は全員デッサンがすごいうまいらしい。
・美大生はエプロンを着てベレー帽をかぶっているらしい。
・メガネをかけた「ハカセ」みたいなのがいるらしい。
・緑の芝生の「庭」みたいなところで、寝転びながら本を読んでいるらしい。
・よくメシを食う。「大盛り」や「特盛り」が大好きらしい。
・大学の中にレストランみたいなのがあるらしい。そこで昼めしを食べるらしい。
・ほぼ全員が、ミクシーやFacebookなどのSNSに登録しているらしい。
・好き勝手休んでもいいらしい。

……どうでしょうか? あっていますか?

続いては、やや否定的なイメージや疑問です。

・チャラいのがたくさんいるらしい。
・毎日のように飲み会をしているらしい。
・なぜゲロを吐くまで飲んでしまうのか。これが若さというものか。
・とにかく出会いだらけで、合コンも盛んらしい。
・男女ともに、恋人が2~3人ずついるらしい。
・性的に乱れまくっているらしい。
・サークルという部活動みたいなものがあるらしい。
・サークルの合宿というのが、また乱れたものらしい。
・勉強している学生がいないらしい。
・決まった教室がなくて、クラスというカンジではないらしい。
・パラパラを踊っている人が多いらしい。
・中高時代にマジメだった人も、大学に行ったらハジケてしまうらしい。
・親に仕送りをしてもらって、さらに遊び呆けている大学生がいるらしい。
・みんな流行の服を着ているらしい。
・男女交際がとにかく盛んらしい。

……どうでしょうか? こんなカンジなのでしょうか?

ほかにも「大学サッカーや大学野球の選手たちは、一日中練習しているのかな? どうやって生きているのか謎すぎる」や、「大学出てるから何でも出来る人だと思ったのに、高卒のオレよりバカっぽかったからショックだった」などの意見もありました。
ちなみに、大学に行かなかった人に「本当は大学に行きたかった?」と聞いてみたところ、これまた意見は半々。「実は大学に行きたかった。時間を戻せるなら、行ってみたい」という人もいれば、「大学になんて行かなくて本当によかった。バカになる」という人も。
プロレスラーの大仁田厚や西村修、のりピーこと酒井法子さんなどは、けっこう歳をとってから大学に入りました。また、過去には80歳になって東大の法学部を卒業した男性もいるのだとか。もし「実は大学に行きたかった」という人がいれば、今からでも遅くはないかもしれません。

ちなみに今どきパラパラを踊っている人が多いのかどうかは大学に限らず微妙なところだと思いますが、しかしこのあたりの実像も大学や学部によってずいぶんと違うものなんでしょう、うちの大学では当時流行の服なんてものを着ている人間はついぞ見かけませんでしたけどね。
こちらはある意味でもっともだ!と感じてしまうような告白なのですが、まずは記事をご覧いただきましょう。

子育て調査:親の8割が「うちの子って天才」って思った経験あり/日(2011年10月7日毎日新聞)

 子育てについて保護者に聞いたところ、約8割の人が自分の子どもが天才だと思った経験があることが、ベネッセコーポレーションの調べでわかった。

 調査は、子どもの好奇心などについて調べている同社のプロジェクトチーム「こどもメガネ委員会」が、同社の0~6歳を対象にした幼児教育事業「こどもちゃれんじ」の会員の保護者を対象に、9月20~27日にインターネットで実施。有効サンプルは2284人だった。

 「『うちの子って天才!? 才能あるかも!?』と思ったことがありますか」という質問に、「頻繁にある」(13.3%)と「時々ある」(67.3%)を合わせて80.6%の保護者が「ある」と回答。また、天才だと思った時期を聞いたところ、「2歳」が87.1%で最も多く、4歳(84.8%)、3歳(84.6%)の順だった。

 「どんな場面で天才と感じるか」について聞いたところ、「物事の理解が早い」(30.9%)で、「言葉を覚えるのが早い」(24.3%)に並んで、「テレビなどで流れる曲をすぐに覚えて歌っている」(30.3%)、「音楽に合わせてリズムをとった」(29.4%)などが多く、日常の中から才能を見いだす場面が多かった。

 また、どのような職業に就いてほしいかを聞いたところ、男の子では公務員(10.1%)、女の子では薬剤師(11.4%)が1位で、安定感のある職業を望む声が多かった。ただ、「子どもの自主性に任せて、将来を築いてほしい」と思っている保護者が85.1%を占めた。

 子育ての場面で、子どもの気持ちがのぞける“めがね”があるとしたら、「どんなめがねがほしいか」という質問には、「子どもの一見ネガティブな行動の理由がわかる」めがねと回答した保護者が43.4%で最も多かった。次いで、「子どもの才能の芽が見える」(39.1%)、「子どもの空想した世界がのぞける」(30.1%)、「いたずらをした時に、しかるべきいたずらと見守っていいいたずらの判別がつく」(29.4%)と続いた。(毎日新聞デジタル)

むしろこの場合子供の才能よりもそれを見いだす側の才能が問われるんじゃないかという気もするのですが、しかし子供に望む将来の職業第一位が公務員というのも時代を反映してのことなんでしょうが、何か天才が目指すには夢のない話だなという気もしますかねえ…
こちらは単なる間抜けと言うべきなのか根が真面目というべきなのか評価に迷うところなしとしないのですが、とりあえず社会にとっては喜ばしい告白であったようです。

盗んだけど不安になった…ダイヤ飲み込んだ男、交番に相談し御用/日(2011年10月6日スポニチ)

 千葉県警船橋署は6日までに、宝石店で指輪を飲み込み盗んだとして、窃盗の疑いで住所不定、無職の男(21)を逮捕した。同署によると、男は事件の約3時間後、飲み込んだことで不安を感じて交番に相談、発覚した。

 逮捕容疑は4日午後4時40分ごろ、同県船橋市浜町2丁目のショッピングセンターの宝石店で、ダイヤの指輪(時価38万円相当)を盗んだ疑い。

 男は店員にショーケースから指輪を出させ、床に落としたふりをして飲み込み、立ち去った。店員の110番で市内の交番から署員が駆け付け、防犯カメラに不審な動きをする男が写っているのに気付いた。

 午後8時ごろ、交番に男が訪れ「知り合いの子どもが指輪を飲み込んだ。どうすればいいか」と相談。防犯カメラの男に酷似していたため署員が問いただすと容疑を認め、エックス線検査で指輪を確認して5日に逮捕した。指輪は6日未明に排せつされた。

しかし不安になって相談するにしてもなぜ交番なのか?という気がするのですが、考えて見ると病院にこういう手合いが来られると守秘義務との絡みで難しい問題をはらむのも確かなんでしょうね。
昨今ではぶっ飛んだネタの質量ともに他を圧すると評判の中国ですが、こんな驚くべき告白をしている方もいらっしゃるようです。

下水油“創業者”供述 苦心を重ねて品質改善、商品化成功/中国(2011年10月12日サーチナ)

  中国の警察当局は9月13日、浙江省、山東省、河南省など広域で「下水油」を製造・販売していた関係者を一斉摘発した。“大物”のひとりとされる柳立国容疑者の供述内容の一部が、最近になり明らかになった。中国誌・新民周刊などが報じた。

  柳容疑者は山東省済南市の農村部の出身で、身分証の出生年は1975年。ただし年齢をごまかしており、実際にはもう少し若いと見られている。高校と同等の中級専門学校を卒業し、最初はアルミ工場で働いた。2003年に辞職し、小さな「油脂加工会社」を設立。飲食店近くの下水や生ごみなどから抽出した「下水油」の研究を始めたのは05年という。

  柳容疑者によると「近くにはすでに『下水油』を製造している工場があり、影響を受けた。私の工場なぞ(摘発時でも)中程度の規模にすぎない」という。警察官のひとりも、少なくとも2005年ごろには、柳容疑者と比べてはるかに大きな規模で下水油を製造していた者がいたと認めた。

  現在では下水油を製造する技術も普及し、比較的簡単に“創業”できるが、柳容疑者が「開発」を始めた当時は事情が違った。最初にできた「油」は、しょうゆのような色が付いていて、食用油として販売することは不可能だった。費用にも行きづまり、柳容疑者は下水油の開発を進めていた「研究所」も手放さざるをえなくなった。

  しかし、柳容疑者はあきらめなかった。地道な研究を続け、少しずつ品質を改良した。品質の向上とともに下水油は少しずつ売れるようになり、柳容疑者は資金の回収と蓄積に成功した。“事業”が軌道に乗ってからも、柳容疑者は4年間にわたり、自ら下水油の品質の向上に心血を注いだという。
(略)
  柳被告は2007年、知人とともに山東省臨沂市に「下水油」を生産するための企業を少なくとも5社、設立した。企業によっては経営を他人に任せており、実質的な「企業グループ」を形成していた。日産能力は120トン以上、30トン以上、60トン以上、80トン以上など、それぞれだった。

  柳被告は2010年5月、済寧格林生物エネルギー有限公司を設立した。会社所在地は農村部で、地元住民が参加する環境評価公聴会も行った。最終的に山東省科学院が、「環境面で問題がない」と認定した。

  同社は「年間4万トン以上のバイオ・ディーゼルオイルを生産」などの業務内容を登記していたが、「下水油」の製造・販売で会社を成長させるとの信念に、揺るぎはなかったという。一方で済寧格林生物エネルギーは地元政府からバイオ企業と認定され、政策上の優遇の対象になった。

  同社設立にあたり、柳被告は従業員30人あまりを募集した。月給は3000元前後で、周辺地域の企業ではありえない高給だった。ただし、秘密保持などは極めて厳格で、会社外の人間との交流も禁止した。

  地元住民によると、柳容疑者は地元の共産党・政府幹部との関係構築に熱心で、一部幹部とは親族関係になっていたという。(編集担当:如月隼人)

いや、まあ…あまりに突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込んだらいいものか迷うのですが、一説によれば中国で消費される食用油の少なくとも一割がこうした「下水油」であるということですから、どこで何を食べることになるのか判ったものではないということですかね。
時折車に「子供が乗っています」なんて掲示を張り出している人もいて、あれは何をどうしろと言うのか対処に迷う人も多いようなんですが、こちらの場合は少なくとも対処に迷うことはなさそうですよね(?!)。

台中 「追突したら結婚」?/台湾(2011年10月13日人民網日本語版)

 台湾のある住民が先ごろ撮影した「大齢剰女 追撞必嫁」(熟女の未婚女性 追突したら結婚してもらいます)と書かれたステッカーの貼られた車が話題を呼んでいる。この車を見た人は熟女と結婚するはめにならないよう、慌てて車間距離をとるという。結婚という人生の一大事をジョークにしてしまうこのメッセージに眉をひそめる人もいるが、こうした自動車用ステッカーはインターネットで手軽に購入可能だ。

リンク先には問題の車の画像があるのですけれども、しかし日本でも婚姻年齢の上昇が問題視されている中でこれはあるいは一つの打開策になり得るという考え方もあるのでしょうか?
最後に控えるのはこちら諜報の本家とも言うブリの話題ですけれども、バラしてしまうと言うことはすでにその目はなくなったということでよいのでしょうかね?

英首相がKGBからの「勧誘」暴露、露大統領「優れた情報員に」/英(2011年9月13日ロイター)

 [モスクワ 12日 ロイター] ロシアを訪問中のキャメロン英首相が、学生時代に旧ソ連の治安当局から「勧誘」を受けたと暴露し、同国のメドベージェフ大統領は12日、キャメロン首相が非常に優れた情報員になったはずだと笑いを取った。

 首相就任後、初めてロシアを訪問したキャメロン首相は先に、モスクワ大学で講演。その中で、冷戦下にあった1985年にソ連に滞在していたことに触れ、英語を巧みに操る2人のロシア人に食事に連れ出され、英国での生活や政治についての考えなどの質問を受けたというエピソードを披露。

 さらに、英国に戻った後、大学の講師にその話をしたところ、講師に面接だったのかと質問されたことも明かし、「もしそうだったとすれば、私は仕事をもらえなかったようだ」と語った。

 この話について、記者から尋ねられたメドベージェフ大統領は冗談めかして、キャメロン首相が優れた情報員になっただろうと回答。首相もすかさず「その質問に対する答えはノーだと思う」と笑わせた。

何とも冷戦チックな話題だなということなんですが、しかし今の時代にあっても極東某国や某国は同じようなことを普通にやっていると聞きますから物騒な話ですよね。
しかし法律畑出身の同大統領であるからこそ笑いも取れるというものですが、これがかのプーチン氏であれば笑顔の中にも目は笑っていないということになっていたのでしょうかね。

今日のぐり:「麺工房たつみや」

水玉ブリッジラインの西側終点近くにあるこちらのお店、小ぶりなんですがわりあいと新しそうなうどんのお店のようなんですが、やっているのは結構年配のご夫婦らしきお二人というのがどういう物語があったのかと少し気になるお店です。
さて、メニューを見ますといわゆる普通のうどん系メニュー一式に日替わり定食、珍しいところで何故かセットメニューとしてデミカツ丼があるのがうどん屋なのに何故?と思うのですが、この日は日替わり定食を冷たいぶっかけうどんでいただくことにしました。

さてこちらのうどん、見た目で言いますと表面がわずかに荒れ気味のようなんですが、どうもこれは茹でや洗いがどうこうと言うよりも製麺の問題か?と思えるところで、うどんの色つやはいいし舌触りも悪くない、やや硬めで腰も相応に強いというタイプのしっかりしたうどんです。
しかし惜しむらくはこのうどんにつゆが少し負けるかな?と感じられるところでしょうか、味自体は悪いものではないんですが結構甘口なこともあって、ぶっかけとして食べるには少しうどんとマッチングが良くないかなと言う気がしますね。
面白いのはこちらのぶっかけの見た目なんですが、定番のわさびなどの薬味に加えて生卵が載っているのはまあいいとしても、それに加えてさらに厚焼き卵までトッピングされているというのは卵に対する並々ならぬこだわりでもあるのでしょうか?
ちなみにうどんはざるの方でも少し食べて見まして、こちら大盛りにするとざるが二枚来るのがユニークなんですが、ぶっかけに比べるとこちらの方がまだつゆが強く感じるんですが、基本的には同じ傾向を感じるあたりはお店側の好みということもあるのでしょうね。

うどん自体は悪くないですので、この味の組み立てからすれば「かけ」などで食べる分には普通にうまいうどんなんだろうなと思うのですが、この店の場合うどんよりも何よりもこの日替わりの定食部分がとにかく凄いということで、これが刺身に南蛮漬けにタコ唐揚げに和え物など、とにかくこれでもかと言うくらいにてんこ盛りなんですね。
それぞれにしっかり素材の持ち味が楽しめるさっぱりした味付けで、きちんとした飯屋などで出てきても合格点をあげられるものなんですが、小ぶりの茶碗とは言えこれで飯も付くのですから正直普通の人ならうどんは要らないという感じになるのかも知れません。
これで値段はそこらの定食屋と大差ないレベルなのですからコストパフォーマンスは最強という感じですが、とにかく定食部分のインパクトが凄すぎてうどんの方が相対的に印象が薄くなってしまっているのは少しうどん屋としては痛し痒しなんでしょうかね?

この日はお客が少なくてたまたまなのか知れませんが、妙にサービスがよいというのも好印象ではあるのですが、見た目の愛想がいいとかよく気がつくとか言うタイプの接遇ではないだけに、ただ黙って食べて出て行く分にはそうしたところに気づきにくいだろうなとも思えるのは残念ですよね。
ちなみにこれまた地味なポイントですけれども、お昼時だけの営業というこの界隈では珍しいスタイルも「らしい」というものですが、そうしたところからしても定食の内容からしても何やら趣味性を感じさせるようなお店ではありました。
ところでこのお店からそう遠くもない金光駅近辺にも「たつみや」という名の知られたとんかつ屋があるらしいのですが、そう考えて見ますとうどん屋にはちょっと珍しいデミカツ丼という唐突な組み合わせが意味ありげに思えてきますよねえ…

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2011年11月12日 (土)

必然的帰結として没落していくテレビ業界

先日から政治家とマスコミの関係がすっかり冷え切っているという話が続いていますが、そんな中で東京都議の土屋敬之氏もまたこんな発言をして注目されています。

【土屋たかゆきの真実はこうだ2】テレビ局社長の皆さん・番組をお孫さんに見せられますか(2011年11月6日YamatoPress)

最近と言うより、以前からだがテレビ番組の低能愚劣さは拍車がかかっている。特に最近は。
「女子大生」と称する、およそ女子大生の見本とは言えない女性が多数出演。お笑い芸人がおもしろおかしく誘導する。誘導にのってかどうか知らないが、援助交際の話、複数、彼を作りそれがばれた話。高額なプレゼントをせしめた話などを得意満面に話す
それがゴールデンタイムに。

更に「公共放送」を自称するNHK教育テレビに銀座のホステスが登場。『生理用品まで買わすのが(客に)テクニックだ』と言った趣旨の話を得意満面に話す。これは深夜番組だが、「教育」と言えば教育だが、そんな教育は自分の金を使って「学習」するもので、公共放送が、それも深夜わざわざ、貴重な電源を使って流す内容ではない
セックスレス夫婦の問題もそう。朝、日中、これも公共放送NHKが流している。秘書が朝見て、私が昼見たと言うことは「再放送」していることになる

東日本大地震の折、天皇陛下にはわざわざ、テレビカメラの前に立たれ、哀悼とご激励のお言葉を国民に発せられた。ところが、その放送は、NHKが一度だけノーカットで流し、後は編集。民間放送では全て編集
国家の象徴たる陛下がマイクの前で国民に語りかけるのは、昭和陛下の時以来。極めて異例なことだ。雑誌「WILL」によれば、フランスでは何度となくノーカットの陛下の放送をテレビで流していたそうだ。
となれば、NHK、民間放送は、陛下のお言葉より、いかれた「おねいちゃん」の下世話な話の方が「大切」だと考えていることになる。

昔、森田健作(現、千葉県知事)や石原慎太郎原作の青春ドラマは根性、友情があふれていた。それを少年や青年は家庭で大人たちと見たものだ。
ところが近頃の学園ドラマはどうだろう。女教師、女生徒とSEXをして、妊娠する。服装は乱れ、ネクタイもきちんとしていない
それが「学園」の本来の姿と思って制作しているのか。

テレビ局の社長さんは、果たしてお孫さんとこうした番組を見られるか。見せられるか。もし可能ならお聞きしたいものだ。
私の推測だが、そうした富裕層の子弟は生活指導の行き届いた私立に行っている。つまり、自分の孫はきちんとした教育をするけれど、視聴率確保のためなら、国民の教育はどうでもいい。この子供たちがどんなふうに育っても関係ないと言うのが本音だ。
違うと言うのなら、お申し出いただきたい。ディベートをしようではないか。

ちなみに「陛下のお言葉より、いかれた「おねいちゃん」の下世話な話の方が「大切」だと考えている」NHKなどは犯罪発生率が民放と比較しても30倍以上。民間企業と比較するとなんと50倍以上ととてつもない数字を叩きだしていて、「不祥事のデパート」とも揶揄される異常な事態にようやく上層部も腰を上げる気配だと言うことですが、特に目立つのが盗撮事件で逮捕される職員が極めて多いことだと言います。
どうも銀座のホステスだのセックスレス夫婦だのという話題も彼らの関心が向かう先を手っ取り早く番組化しているだけじゃないか?と勘ぐってしまいそうですが、いずれにしてもあまりにテレビ番組の質がひどすぎないか?という声は別に土屋氏に限らず各方面から指摘されていることだと言いますね。
正直こうした番組を詳細に見聞したことがないもので、どの程度愚劣なものであるのかは何ともコメントしがたいのですが、ゴールデンタイムなどでもいわゆるバラエティーと言うのでしょうか、とにかく安く上げることだけを最優先にして作ったのが見え見えの番組ばかりということは全く珍しくなくなりましたが、やはりその背景にあるのは先立つものの乏しさという声があるようです。

テレビは他人のふんどしで相撲をとりすぎてはいないか?(2011年10月12日ガジェット通信)

バブルの時期を頂点にして、テレビの番組制作費は下がり続けている。その主な理由は、景気の低迷や視聴率の低下にともなうスポンサー料の減収などであろう。特に後者は深刻であり、いまやテレビを持っていない人や持っていても見ない人はかなり多く存在する

たいがいの情報はネットで得ることができる環境のなか、あえて人々に「テレビを見よう」というモチベーションを持たせることは至難の業である。私たちが「見たい」と思うような番組は、主にしっかりと取材をした上で放映される報道番組やドキュメンタリー、さらにはきっちりと作り込まれたバラエティ番組やドラマなどがあげられる。だが、しっかり取材し、きっちり作り込めば、それなりに制作費がかかってしまう。

無駄な予算を使う必要はないが、私たちが「見たい」と思うような番組にはそれなりの制作費がかかる。このまま制作費の低予算化に歯止めがかからなければ、テレビ局は「番組の質が下がる」「視聴率が下がる」「スポンサーがつかない」「予算が下がる」という負のスパイラルから抜け出すことはできない

なかには「お願い!ランキング」(テレビ朝日系)のように、予算がなければないなりに工夫をこらした番組もないわけではない。しかし、芸能人をひな壇に座らせ、海外の資料映像を買い付けて垂れ流したり、ネットに出回る動画を垂れ流す、いわば工夫のない番組があまりにも多い。番組の改編期にあたる10月の第一週に放映された各局の特番は、工夫のなさを象徴している。

筆者が愛読する「TV Bros.」(東京ニュース通信社)から、その手の番組を取りあげてみよう。10月2日の「世界ぶっちぎり映像6 秋の超新作大放出SP」(TBS系)、同3日の「世界まる見え!テレビ特捜部 秋の2時間SP」(日本テレビ系)、同4日の「超ド級!世界のありえない映像博覧会8」(フジテレビ系)、同5日の「ザ!世界仰天ニュース キレイになりたい!命懸け大変身ビューティー祭り!」(日本テレビ系)、同8日の「奇跡の笑撃ハプニング 超カワイイ映像とにかく見せますSP!」(TBS系)……。

日テレの番組に関しては、元のネタは独自ではないものの、独自取材や再現シーンの制作など、多少の作り込みは感じられる。その他の番組は、多くの場合、買い付けた動画や無料の動画をそのまま垂れ流し、ひな壇の芸能人が感想やらコメントやらを述べて終了。もはや番組制作で重視されるのは企画力ではなく検索力なのではないか、と思ってしまうほどの工夫のなさである。

そういえば、NHKも日曜の夜に「特ダネ!投稿DO画」なるものを放映している。また、平日の午前に放映されているフジテレビの「知りたがり!」には、その日の5時~9時くらいまでに他局で報じられたネタをそのまま使うコーナーがある。それを言いだしたら、NHKとテレビ東京を除くすべてのキー局が、朝の報道番組で「新聞記事の紹介」を内容の中心に持ってきている。そんなことをやっていたのは、当初、テレ朝の「やじうまテレビ!」くらいだったのに。

制作費が低下しているなか、他人のふんどしで相撲をとることに関しては仕方のないことだとは思う。とはいえ、自助努力がないまま他力本願の番組作りを続け、つまらない番組ばかりを垂れ流していたら、番組制作の負のスパイラルは深刻化する一方となる。くわえて、この負のスパイラルの一因がテレビ局正社員の馬鹿高い給料と番組制作会社スタッフの低賃金という歪んだ関係にある、と筆者は考えているが、その件はまた別の機会に。

実のところお金がないから質が悪い番組しか作れないというのは制作側の言い訳としては非常に通りやすいのかも知れませんが、それでは幾らでも湯水のごとくお金が使えたとも言うバブル時代の番組がそんなに素晴らしかったかと考えて見るといいかと思います。
ドラマなどのヒットで単に今のような視聴率低落が目立たなかっただけで、番組の質自体は別に特別感銘を受けるようなものであったとも思えませんから、要するに金がないから良い番組が出来ないなどというのは単なる彼らの言い訳にしか過ぎないのでしょう。
その背景にあるのは巨大な組織にふくれあがってしまったテレビ局側の正社員が相も変わらず高給を取っていて、その原資として良い番組作りのために必要だという名目で少しでも制作費を多く手にしたいという事情なのでしょうが、そのお金も実際には制作会社ではなく彼ら正社員のポケットに収まるのですから馬鹿げた話ですよね。

新しいアイデアや工夫に満ちた番組がないからつまらないのかと言えば、ラジオなどはネタ切れという感覚がとっくの昔から聞いている側にもやっている側にも共通認識としてあると言いますが、その一方で運転や仕事をしながらの「ながらで聞ける」というストロングポイントを自覚した上で、いつでもどこでも安心して聞けるお約束に徹していくという開き直りもあるようです。
昨今テレビなどでもニュース解説番組などが人気だと言いますが、別にそこには何らの新しいアイデアも特別な工夫もこらされているわけでもないのに視聴者から喜ばれ視聴率も上がるというのは、要するにテレビ番組が作り手側の論理で作られ垂れ流されているだけで、本当に視聴者側の求める視点で作られた番組が極めて少ないという事実を端的に示すものでしょう。
例えば前述の記事のようなランキング番組というのは結局「スポンサー企業の商品を宣伝する場」にしか過ぎないし、芸人がぞろぞろ並んだバラエティー番組などは単に「売れない芸人の顔と名前を売る場」であるということを視聴者からも見抜かれている現在、そうした売り込みたい側の要素を外してしまえば何のおもしろみもない番組に誰が長時間付き合うだろうかということですよね。

日本のマスコミはことあるごとにネットを敵視し、ネットなどに染まっている連中は社会的危険分子だ!と刷り込みを図ろうとしていますけれども、生まれた時からゲームなどで自ら操作し行動することの楽しさに慣れ親しんでいる世代にとっては、ニコニコ動画などを始めとして自ら制作側として参加し、他人に提供するメディアが感覚に合うのかも知れませんね。
そういう観点から見ると当初から双方向性を前提として成立し、ある時点での視聴者が別の時点での番組提供者にもなり得るというネットに対して、幾ら多チャンネル化が進もうが不特定多数相手の放送というスタイルから脱し得ないテレビは最初から不利な競争を強いられているわけで、テレビの前にぼーっと座っていて何が楽しいの?と言う問いかけが出てしまう人たちを今からテレビ党に取り込むのは極めて難しいでしょう。
海外などではすでにテレビというメディアも先は見えているというのは常識であって、その先に何が来るのかというところに議論が進んでいるようですけれども、先日は例えばアメリカからこんな記事が出ていました。

テレビ離れが本格的に進んだ場合, NetflixやYouTubeは緊急時放送の義務を負うべきか?(2011年11月10日TechCrunch)

まず、昔話をしよう。昔々は、老いも若きも真空管の熱で暖を取り、送信塔を去ったときとまったく同じ順序でそこから放射される陰極線を、それが何であれ歓迎していた。きみがI Love Lucyを見ていると、なんと!、ぼくも I Love Lucyを見ているのだ。同じ時間に!。同じ回を!。そして彼らは、きみのうちでもぼくのうちでも、完全に同じことを同時にしゃべっているのだ!。そしてそんなぼくたちは、Chillすら使っていないのだ?!*。ばっかみたい。〔*: Chill, 音楽ではなくビデオのDJをするWebアプリ。〕

口うるさい人たちは、テレビは脳を腐らせる、人の成長を遅らせる、と言ってきたが、でも猛烈に熱心なテレビたたきの人たちにも否定できない強みが、テレビには古くからある。それは、どんな時でも、国民の大多数に何かを到達させられることだ。緊急時に、ドアのすき間に板を張り、窓枠にガムテープを張れ、と大衆に伝えたいとき、ほかに良い方法はない。

その後、DVR〔日本語: VTR〕という邪魔者がやってきた。緊急放送のときのための、配慮はなかった。そしてそれから、Netflixes、Hulus、Youtubesなどのオンラインストリーミングサービスがやってきた。目は、新たなやり場を獲得した。緊急放送のことなど、やがて、誰も気にしなくなった。でも、それでいいの?

この記事はやや大げさに書いているが(ほとんどの家庭にまだテレビはあるから)、でも、毎日少しずつ、ケーブル離れをする人たちは増えている〔訳注: アメリカでは、テレビを見ること≒ケーブルテレビを見ること〕。そこまでしない人たちでも、インターネット上でメディアを消費する時間が日に日に急増している。目と耳が新しいやり場を見つけたとき、というか、新しい日常的たまり場を見つけたとき、ストリーミングサービスは義務として、災害告知なども行うべきか?。20世紀前半のラジオと、後半のテレビに、緊急放送の義務があったように、NetflixやHuluなどすべてのストリーミングサイトが、その義務を引き受けるべきか?。それとも、大きなサイトには義務化し、小さなサイトには義務を免除すべきか?

しかしそれを実際にやるとなると、課題も問題も多い。ぼくみたいな技術者でない者にもすぐに分かるのは、任意の時点にストリーミングをやっているサーバの台数は膨大であり、しかもビデオの規格が何十種類もあることだ。10にも満たないキー局の番組に割り込むことのような、簡単な操作ではないだろう。

また、地域や場所が特定される緊急放送はどうするのか? 放送の場合は、IPAWSにも規定されているように、地域限定の対応が可能だ。でもインターネットに関しては、明確な地域境界がない。IPを位置情報でくくる手はあるが、あの、”ただ今あなたのお近くで260名の方があなたにお会いしたがっています”の広告が言う’お近く’は、半径150マイルぐらいある。使えない。

それに、ありとあらゆるセキュリティの問題もある。緊急システムに実効性があるためには、正規の組織や担当職員などではなく、住民の自主性に期待しなければならない部分が多い。しかし、あの賢いベンおじさんも言ったように、強大な権力には強大な責任が伴う(with great power comes great responsibility)。アイドルのビデオを夢中になって見ている人たちに向かって、15歳のぼくなら、真剣に、”たいへんです! 小惑星が地球に衝突します。地下室に2週間避難してください”と言うだろう。おそらくいちばん議論になるのは、今のインターネットには規制のようなものがなく、しかもそれがインターネットの偉大さであることだ。緊急時に関わる規制のようなものができたら、まずいことの始まり、と言えるかもしれない。

今のぼく自身は、インターネットの緊急時対応について、具体的な意見や考えはない。みんなで考えていくための、きっかけ作りをしたかっただけだ。衛星テレビが緊急時放送をやるようになったのは、やっと2007年だから、インターネットはまだまだ時間がかかるだろう。現段階では、早すぎる話題かもしれない。その衛星テレビですら、今朝(米国時間11/9)の試験放送は無惨に失敗していた。しかしそれでも、いずれは考えなくてはならないテーマであることは、確実だろう

技術的な問題点というのは過去にあった様々な問題と同様、いずれその必要が来てコストを投じることが認められれば解消されてしまうものだと思いますが、ここでは「脱テレビ化されたネット時代の緊急放送」という興味深い問題提起よりも、その背後にある状況に思いを巡らせていただきたいと思いますね。
ご存知のようにアメリカでは日本と違って極めて膨大なチャンネル数を誇るケーブルテレビがごく普通で、同時間帯の選択枝がたかだか数局で終わる日本と違ってもの凄くマニアックな番組や諸外国の原語放送なども含めて幾らでも視聴の選択枝があるのですけれども、そのアメリカにしてもすでにこの段階にまで話が進んでいるということです。
日本ではどこのチャンネルを回しても同じような顔ぶれのタレント達が同じような内容のお馬鹿番組を垂れ流しているといったことは全く珍しくありませんが、単純に好みに合った選択枝という点でも圧倒的にアメリカの状況に劣っている日本のテレビ事情を考えれば、アメリカよりもはるかに早いテンポでこうした議論を真剣に考えなければならない時代が来るだろうと思えますよね。

テレビ放送というものは各種の規制や免許によって雁字搦めになっていて、社会の規制緩和の必要性を事あるごとに訴えるマスコミこそ最も規制に守られた業界だとも言えるのですが、ネット上では彼らのアドバンテージなど全く存在しない、むしろ過去の悪行の数々を考えれば最初から大きなハンデを背負っているようなものであるだけに、彼らも今頃さぞや必死であり不安でもあるのでしょうね。
彼らがこのまま沈む船と一緒に静かに消え去っていくつもりなのでなければ、どこかで口を拭って自分達の過去の言動を裏切るような振る舞いに及ばざるを得ない時期が来るはずですが、彼らがそのときどんな突飛な言い訳をしつつやってくるのかが見物ではありますが(苦笑)。

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2011年11月11日 (金)

久しぶりに地域医療の話題ですが、相変わらずという状況のようで

先日は以前にも紛糾している件を取り上げた舞鶴市の公的4病院再編計画の修正案がまとまったという記事が出ていたのですが、驚くなかれ聖地と言われひとたび崩壊しながら赤字を垂れ流しつつ公務員を養ってきた舞鶴市民病院を、療養病院として移転新築するというのですね。
需要もないのに公務員の勤務先維持というだけで続けるのもどうかという話で、今度は土建屋利権までとことんしゃぶり尽くそうというのですから驚くしかない話ですが、これで地域医療再編ということにして例の国からの補助金25億円を取ろうというのですからびっくりするような話です。
自治体の税金でやるならともかく、国の財政もこうまで緊迫している折にこんな杜撰な計画で認める方もどうかしているというもので、認可に当たっては国もきちんと審査をしていただきたいと思いますけれども、自治体病院の迷走ぶりは別に舞鶴市民病院だけの専売特許というわけではありません。
かねて自治体基幹病院が一瞬で潰れたという伝説を残した銚子市民病院では、その後総合病院復帰を目指して暫定開業中ということですけれども、その現状を見てみると驚くような事実が浮かび上がってきているのですね。

銚子市立病院が給与不払い 労基署が是正勧告/千葉(2011年11月8日産経ニュース)

 銚子市立病院(千葉県銚子市前宿町)が、職員の給与を不当に少なく支払っていたとして、銚子労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが7日、関係者への取材で分かった。関係者によると、不払いは医師を含めた職員106人に対し、残業代など4月分から計約1千万円に上るとみられ、同病院は「給与計算が間違っていただけ。いま計算中で11月か12月中に全て支払いたい」としている。

 関係者によると、ほかにも同署は勧告で、同病院に労働時間や給与などを定めた就業規則がないこと、産業医ら衛生管理者がいないことなどを指摘している。

 市は「勧告を受けたとは聞いているが、詳細な内容を把握していないのでコメントできない」。同病院の指定管理者である銚子市立病院再生機構も「担当者が不在のためコメントできない」としている。

 市によると、同病院は病床数53床で、職員数106人。1日当たりの外来患者数約140人、入院者数約10人。診療科目は内科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科。

 平成20年に財政難に伴う医師不足から閉鎖されたが、昨年5月に同機構による運営で診療を再開した。

今どき公立病院の給与不払いなど珍しい話でもなく、労基署もようなく病院相手にも仕事をするようになったかと時代の変化を感じるのみですけれども、ここで注目いただきたいのは病院であるのに産業医すらおいていないとか、労働時間や給与すら定められていないとかいった「え?ブラック病院?とっくに知っていますがそれが何か?」な問題ではなく、「病床数53床で、職員数106人。1日当たりの外来患者数約140人、入院者数約10人」という部分です。
いや、最初見た時は正直ちょっと目を疑ったのですが、名目上53床と言っても実際の利用はほとんどない(何しろ患者自体がろくに来ていないのですから当然ですよね)有床診療所レベルの自称市立病院に職員106人って、いったいどんな病院なのか想像がつきますでしょうか?
もはや職員同士で仕事を奪い合うようにしなければ一日の勤務時間を潰すにも苦労するんじゃないかと思えるようなあり得ない話なんですが、こうまでして雇用を確保しなければならないほど銚子市の公務員は仕事に困っているということなんでしょうかねえ…
ま、こうした「地元スタッフの雇用維持のための病院存続」の問題は舞鶴市民病院などでも見られる自治体病院永遠のレゾンデートルというものですが、それのみならず少し前の記事を拾ってみれば予想に違わず、この病院は一体どうなっているのかと思うような状況であるようです。

病院長はや3人目が退任へ 千葉・銚子市立、1年半で/千葉(2011年9月16日朝日新聞)

千葉県銚子市立病院の轟健院長が10月末で退任することが、16日までにわかった。昨年5月に病院が再開されてから、早くも3人目の院長交代となる。市病院再生室は「重大な事態であり、今後の対応を注意深く見守りたい」としている。

 病院再生室によると、病院運営の指定管理者「銚子市立病院再生機構」が9日に開いた理事会で轟院長の契約延長をしないことが決まり、12日に同機構から市に連絡があったという。

 なぜ退任させるのかなど詳しい理由について、機構から説明はないという。また、後任の院長を含めた今後の対応についても「聞いていない」としている。

 2次救急病院をめざして市立病院は昨年5月に再開した。8月に副院長が辞めており、轟院長が10月末で退任すると、これまでの常勤医師7人は5人に縮小することになり、当直体制など病院の運営がいっそう厳しい事態となる。

 入院患者の伸び悩みなどから、年度当初に見込んでいた病院の赤字は1億3200万円から、3億5200万円に膨れあがる見込み

 市は赤字補充のために約2億4200万円を一般会計から繰り出す補正予算案を9月市議会に提出している。

三顧の礼で迎えただろう貴重な常勤医である院長すらろくに続かず次から次へと辞めていくなんてどんなブラック病院よ?ということですが、こんな小さな有床診療所レベルの病院でありながら巨額赤字を垂れ流している上に、おそらく今後もますます赤字がふくれあがるだろうと言うのも、それは前述のようなあり得ない雇用状況を見れば納得ですよね。
地元では「病院再建が進んでいる!」「目指せ二次救急再開!」と喜んでいるようですけれども、今どき公立病院で1億2億の赤字補填は仕方ないじゃないかとは言うものの、その実態が「病院の経常収支は2010年度には収入が約3900万円なのに対して、支出が約1億9300万円に達しており、差し引きで約1億5400万円の赤字」なんて状況では、いくら何でも常勤医複数を抱えた病院の収入じゃないですよね。
そもそもこの銚子市立病院を巡っては、その再開を目指していた頃から「税金を投入して設立した銚子市立病院再生準備機構のスタッフは市長の友人縁者ばかり」などというとんでもない事実が市議会の質疑で明らかになったなどという経緯もありますから、もともと就職等を巡ってはよほどに縁故などが強いという土地柄なのでしょうか?
銚子市民が自らの税金を使ってするだけのことであれば縁故採用だろうが公務員雇用死守だろうがご自由にということで済むのですが、ただでさえ全県的に医師不足が言われている地域にあってこんな無茶苦茶なことをやっている以上は、他地域から貴重な医者を引っ張り込むようなことは間違ってもないように人材も全て自前産での運営をお願いしたいものです。

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2011年11月10日 (木)

改革に対する最大の抵抗勢力とは

先日は朝日新聞にこんな社説が掲載されていましたが、もちろんネット上では「お前が言うな」の大合唱でしたね。

【参考】【社説】政治を鍛える〈序論〉―民主主義の技量を磨く改革を(2011年11月7日朝日新聞)

「時代にふさわしい民主主義を築くために、何をすべきか。次回から具体策を提言していく」のだそうですけれども、まさに今日の日本の政治状況を作り出してきた朝日のような大メディアが何を人ごとのような顔で言っているのかと誰でも思う話ですよね。
しかしそれ以上に問題なのは、表向き政治は変わらなければならないということをかくも声高に主張しながら、実際には変わろうとする力を一生懸命引きずり下ろそうとしているのもまた彼らマスコミであるということでしょう。
最近とみに報道で取り上げられる機会も多くなった大阪のダブル選挙に関しては、先日もメディアによる差別意識を露骨に示したバッシング報道がありましたが、もはやあらゆる政党とメディアとを問わず橋下バッシングをしかけているという状況にあるようですね。
不肖管理人は正直橋下氏には電波芸者の眷属としてあまり良い感情は抱いていませんけれども、こうまで総掛かりで責め立てられているのを見ると何やら応援したくもなるから不思議なものです(苦笑)。

橋下知事の「大阪都構想」高給取りの役人にとって面白くない(2011年11月7日NEWSポストセブン)

11月27日投開票の大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙を目前にひかえて、橋下徹・前大阪府知事への異様なバッシングが燃えさかっている。

『週刊新潮』(10月27日発売号)が、「『同和」『暴力団』の渦に呑まれた独裁者『橋下知事』出生の秘密」と報じれば、同日発売の『週刊文春』も、「暴力団組員だった父はガス管をくわえて自殺 橋下徹42歳 書かれなかった『血脈』」と題して、いずれも2週にわたって同じ趣旨の記事を報じている。

橋下氏が既成勢力から包囲網を敷かれた発端は「大阪都」構想だ。府知事時代、大阪府庁と大阪市役所を解体し、東京都のように強い権限を持つ「大阪都庁」に再編する構想を打ち出した。また橋下氏は、辞任前に公務員改革の基本となる「職員基本条例案」と「大阪府教育基本条例案」を提出した。

職員基本条例案は、能力主義人事の導入や信賞必罰の人事評価を細かく定め、怠慢役人のリストラ基準を明文化した。

しかし、都構想にも役人規範にも、当の役人たちが真っ先に反発した。府と市が一体化されれば、大量の役人が不要になる。とりわけ大阪市役所は全国有数の“役人天国”として知られ、現業部門の給料が特に高い。交通局が運営する市バスの運転手の平均年収は民間の2倍近い800万円弱(2009年)。過去には都市環境局で下水道の維持管理などに従事する職員の3割が年収1000万円を超えていたことも批判を浴びた。

職員の不祥事にも大甘だ。仕事をしないで給料をもらう組合の「ヤミ専従」が横行しているうえ、2007年には学歴を詐称して採用されていた職員が400人以上発覚したが、停職1か月で免罪した。

彼らに橋下改革が面白いはずはない。

狼煙をあげたのは府庁職員だった。本誌は「職員基本条例案の内容について確認を要する点」(9月30日付)と題す、府の総務部が作成した反論文書を入手した。そこには、〈「年功序列的な人事制度」は事実誤認〉〈「特権的な身分階級」について具体的な事例が府にあればお示しいただきたい〉といったクレームから、〈「コンピュータ」は「電子計算機」とすべき〉〈「前条」は「前項」の誤り」〈「除く」は「除く。」とすべき〉といった細かい表記の問題まで、約700項目が列挙されている。文書そのものが、改革の必要性を証明していることは大いなる皮肉である。

教育基本条例案についても、府の教育委員5人が連名で、条例可決の場合は総辞職すると文書で表明した。

大阪市役所は現市長が橋下氏と選挙で戦うため、表立った批判は府の役人にまかせているが、職員の間には、「橋下市長になれば生活はこう変わる」とシミュレーションした文書がひそかに回覧されている。

市職労関係者が語る。

「文書は“橋下の職員基本条例に従えば職員の5%がリストラに遭う”“バスの運転手やゴミ収集などの現業部門職員は一般職に配置転換が認められないから残れない”という内容で、不安を募らせた職員の家族も親兄弟や親戚に“独裁者の橋下市長になればお父ちゃんが失業する”と触れ回っている

職員の不安を煽って、本来は許されない公務員の組織的選挙活動を誘発する汚い戦略である。

関西財界人「若造の橋下が何をいうか、絶対勝たせるな」発言(2011年11月8日NEWSポストセブン)

大阪市長選に打って出る橋下徹・前大阪府知事に対して、役人、大政党、財界、記者クラブ、そして週刊誌メディアまでが十字砲火を浴びせている。週刊新潮は「今やヒトラーにもたとえられるほどの大権力者」とも評した。

橋下氏は、辞任前に公務員改革の基本となる「職員基本条例案」を提出した。能力主義人事の導入や信賞必罰の人事評価を細かく定め、怠慢役人のリストラ基準を明文化した。これには大阪府庁、大阪市役所の役人が猛反発。このままでは職員の5%がリストラされるなどと危機感を募らせている。これに対し、“役人天国”として知られる大阪市役所の職員も反発した。

「前門の虎」が役人なら、「後門の狼」は関西電力を中心とする関西財界だ。

大阪市は関西電力の9%の株を握る筆頭株主で、橋下氏は関電に脱原発を要求し、市長になれば株主提案権を行使して「電力自由化」を進める方針を掲げている。それが関西財界の怒りを買った。

関西の自民党議員が語る。

「橋下は完全に関電の『虎の尾』を踏んだ。関西の大企業は関電から格安で工場の電力供給を受け、工事の発注でもつながりが深い。関西の財界人は普段は選挙にかかわりたがらないが、今回ばかりは『若造の橋下が何をいうか。絶対勝たせるな』といってきた

自治労や日教組など左派を支持基盤とする民主党と、財界の支援を受ける自民党が手を組んで「橋下阻止」に回っている構図である。気色悪い与野党相乗りだが、共通するのは、どちらも既得権益集団の意を受けて改革阻止を至上命題としていることである。

橋下氏を、「独裁者」「ヒトラー」と呼んでいるのは、いずれも改革で既得権を奪われる人々であることとも無関係ではない。

(1)橋下氏、反維新包囲網「もう笑っちゃう」(2011年11月5日産経ニュース)

 27日投開票の大阪市長選に出馬を表明している前大阪府知事、橋下徹氏(42)と、現職の平松邦夫氏(62)の討論会が5日午後、大阪市内で開かれた。大阪の目指すべき将来像について、平松氏は「住民自治を大きな流れに」、橋下氏は「市役所支配からの脱却」を挙げた。

 討論会は産経など新聞4社が合同で主催し、午後3時半すぎから開かれた。平松氏はグレーのスーツに赤いネクタイ、橋下氏は白っぽいジャケット姿で出席した。

 まず、大阪市長選に出馬表明していた共産推薦の元市議、渡司(わたし)考一氏(59)が前日、不出馬を表明したことについて言及。

 平松氏が「私は『反独裁』を唱え、大阪維新の会が大阪市をつぶすといってきた。より幅広い戦線を築きたいと思うが、本当に驚いた」と述べたのに対し、橋下氏は「もう笑っちゃう。日本の政党が何のビジョンもなく反維新、反橋下でまとまってしまうという恐ろしさがある。政治の弱さの象徴だ」と話した。

 互いが目指す大阪市の将来像について、両者それぞれボードに書き込んでもらったところ、平松氏は「住民自治を大きな流れに」、橋下氏は「市役所支配からの脱却 市民の自立」と記入した。

 記載の意図として、橋下氏は「歴史をひもとけば、今の市役所体制は戦時体制のなごり。東京では区長公選制などを勝ち取り、戦時体制から脱却した。大阪は市長が公選だったこともあり、かつて区が独立していたという歴史を忘れている。こんな大規模な自治体で選挙で選ばれた市長が1人ではだめ。区長を公務員にするのは戦時体制そのもの」と語り、区長を公選で選ぶべきだと訴えた。
(略)

すでにこの選挙を巡っては昨今すっかり沈滞傾向著しい日本の政界を代表するトピックとして海外でも取り上げられているようで、失礼ながら一地方選挙というにあるまじき注目を集めているということですが、やはり注目されているのは橋下氏の思い立ったらとことん政策実現に向けて突き進むその政治手法にあるようです。
面白いのはこうした選挙では通常相乗りなどを潔しとせず独自候補を擁立するはずの共産党ですら政策はお預けで平松氏全面支援の構えを見せているということで、わざわざ橋下氏の自宅まで街宣車で出向いて個人攻撃を行ってみたり、赤旗紙上で橋下氏のパーティ券に関わる疑惑を取り上げたりとそのハッスルぶりが尋常ではない様子なんですが、ここでもキーワードは「独裁」だと言います。
当の橋下氏自身はどうせ批判されるならやるだけやって批判される道を選ぶと意に介さない様子なんですが、この橋下氏が独裁的権力を持って推進しようとしていることとはどういうことなのか、一例として平松氏との政策の違いを対比してみると判りやすいようですね。

大阪市長選3陣営、職員削減などの公開質問状に回答(2011年11月3日日本経済新聞)

 関西経済同友会は2日、27日投開票の大阪市長選に立候補を予定している主要3陣営に出した、公開質問状の回答を発表した。争点の一つである市職員(約3万9000人)の削減について、現職の平松邦夫氏が「削減目標を5000人とする」とする一方、前大阪府知事の橋下徹氏は「約1万2000人以上を減らす」と答えた
(略)

大阪市長選立候補2氏、市政について議論(2011年11月6日朝日新聞)

(略)
 ――市長就任後、まずやりたいことは。

 平松 高度経済成長時代のように、行政にお金がいっぱいあって何でもやれるという時代ではない。市民の力で、この街を支えることにつなげていってほしい。

 橋下 市長の仕事の仕分け。知事選で維新の会の知事が当選すれば、統合本部をつくり、市役所の仕事を広域行政の仕事と基礎自治の仕事に仕分けし、広域行政の仕事は統合本部で処理する。

 ――生活保護の問題にどう取り組むか。

 橋下 大阪都をつくり、国に制度改正を迫っていく。能力があるのに生活保護を受けている人たちには就労義務を課し、義務を果たさない場合は一定の負担をお願いしていく

 平松 一昨年9月にプロジェクトチームをつくり、全国の政令指定市に声をかけ、国に対し直接(国との協議を)言っている。ここまで国に迫っているのは私が初めて。指定市を代表して言い続けていく。

 ――市の教育にどう取り組むか。

 橋下 8~9ブロックに教育委員会の分室をおき、各ブロックごとに決定権や予算編成権を与え、住民の皆さんに近いところで教育行政を決めていく

 平松 住民自治でも小学校、中学校が果たさなければならない役割は非常に大きくなってくる。学校を地域の拠点でという思いで、社会総掛かりで子どもを育てる。

 ――市営交通の今後の在り方や民営化の是非、敬老パスの取り扱いは。

 橋下 民営化はただちに実行すべきだ。サービスの向上や料金の値下げにもつながる。敬老パスもシステムをよくすれば、80億円を投じる市費を下げられる可能性が出てくる。

 平松 将来の民営化は否定しないが、改革型公営企業としてとことんやらせてほしい。敬老パス制度は堅持するが、方法については今後議論する。

 ――エネルギー政策は。

 平松 大阪市は関西電力の筆頭株主。単に反原発とか脱原発という言葉で株主権を行使しようとは思っていない。

 橋下 株主総会で市長が意見を出しても電力会社は動かない。株主権を行使して提案すればいい。エネルギー政策は関西圏域で考えないといけない。
(略)

こうしてみると橋下氏の主張というのはおおむね市職員を大幅に削減し、その権限を民間等外部に移譲していくという方向性であるということが言えるようですし、また全国一とも言われる生活保護問題や過日話題になった教育問題などにも見られるように、一定の義務ということを強調しているという点が独裁者などと揶揄される所以ではあるのでしょう。
しかしそうした話がすなわち悪いことであるかと言えば、財政破綻が叫ばれる大阪における公務員改革の必要性などはとっくの昔から言われ続けていることであるし、全国の生活保護受給者が集まると言われる現状などもしかり、どれもこれも昔から抜本的改革を求められながら遅々として進まなかった領域ばかりだとも言えそうですよね。
そうした話が今まで何故進まなかったかということを考えれば、まさにそれぞれの領域において利権を持つ人々が抵抗勢力となって改革を妨げてきたとも言えるのでしょうし、それら勢力が今また一つの大きな連合を形成して橋下バッシングに走っているというのも判りやすい構図ではあるのかなという気がします。
そして面白いのは、普段口ではこうした抵抗勢力は押し切ってでも改革の推進を…などと綺麗事を言ってきたマスコミこそが、抵抗勢力の後押しをし諸勢力を統合する最大の抵抗勢力になっているということですよね。

今回のダブル選挙に限ったことではなく、マスコミなどは何かと言えば「いやそれでは少数意見が」と改革潰しに必死ですけれども、大多数がそれでいいと思っていても少数意見が反対しているからやってはいけないという論法が通用するとなれば、これは民主主義社会では何の変化も起こし得ないということになってしまい、それこそ彼らの大好きな独裁者登場へとつながりかねませんよね。
とかくどんな世界でも何かを大きく変えるということには反対意見が出るものですが、すでにこのままではどうしようもないという認識が国民の広く共有するところとなった現状こそ、逆の目で見れば根本的な改革を行うにあたってこれ以上ない好条件でもあるのに寄ってたかって潰すというのもどうなのよですし、東北特区構想などと同様大阪というのは国政応用を図る上でも手頃なモデルケースになり得るはずです。
世界の中では政治家や官僚に代表される東京流が通用しないことは今や誰の目にも明らかになってしまった、そしてトヨタなどに代表される名古屋流もすっかり下火になってきている今の時代だからこそ、ここらでそろそろ大阪流とも言うべき大きな流れで日本を力強く牽引していくべきだという考えもあっていいと思いますし、バッシングにも関わらず橋下氏が高い支持率を得ていることが地元での期待の大きさも示しているようにも思えます。

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2011年11月 9日 (水)

ついに保険会社まで… 日本もアメリカ型の訴訟社会に?

ここまでコテコテですと思わず「大阪か!」と突っ込んでしまいたくなるようなニュースが、東京から出ていました。

「妻の手術ミス認めろ」「街宣活動もできるんだぞ」 医師に脅迫容疑で暴力団関係者逮捕/東京(2011年11月2日産経ニュース)

妻(51)が受けた手術に絡んで医療ミスを認めるよう迫ったとして、警視庁城東署は、脅迫の疑いで、東京都江東区北砂、指定暴力団山口組系組関係者、礒辺末記容疑者(70)を逮捕した。同署によると、「言っていない」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は7月中旬と8月上旬、江東区内の病院で股(こ)関節の手術を受けた妻の経過が良くないことから、執刀した男性医師(67)と助手の男性医師(64)に対し、それぞれ電話で「医療ミスを認めろ。若い衆が黙っていないぞ」「必要もない手術をしただろう。病院に街宣活動もできるんだぞ」などと脅迫したとしている。

 同署によると、礒辺容疑者は5月から8月にかけて、2人の勤務先の病院や自宅に電話したり、自宅に出向いたりして20回以上クレームをつけていた

この場合容疑者がなぜ担当医の自宅を知っているのかが気になるところで、まさか病院側が教えたということであれば大問題となるところですが、しかし執刀医が67で助手が64ですか…日本一医者が集まると言われる東京でも実際にはこんな感じなんでしょうね。
ただこの種のモンスターなどとも呼ばれる社会的にも問題あると認識され得るような個人への対処に関しては、医療現場においてもようやくきちんとした対策が講じられつつあるところで、組織としての対応策が確定してしまえばそれほど大事にはならなくはなってきているようです(今回の場合はそのあたりがまだまだだったのでしょうけれどもね…)。
しかし一方で以前からそうしたことが行われれば困ったことになるだろうなと言われていた問題が現実に発生してみると、やはり困ったことになったなと感じさせられるのがこちらの訴訟です。

保険会社 後遺症で病院を提訴/香川(2011年11月7日NHK)

8年前に、香川県で起きた交通事故で大けがをした女性に、病院が適切な治療をしなかったため後遺症が残り、多額の保険金を払うことになったとして、損害保険会社が、病院を相手取って、1億7000万円余りの支払いを求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、外資系の損害保険会社で、東京に日本支社がある「AIU保険」です。訴状などによりますと、平成15年9月、香川県坂出市の高松自動車道で起きた乗用車の自損事故で、けがをして香川大学医学部附属病院で手当てを受けた当時20歳の女性に重度の手足のまひが残ったということです。この事故を巡って、AIU保険は「病院がすぐに女性の首を固定せず、適切な治療をしなかったため、後遺症が残った」として、病院を相手取ってAIU保険が払ったおよそ3億5000万円の保険金の半分に当たる1億7000万円余りを支払うよう、ことし4月、高松地方裁判所に訴えを起こしました。訴えについて、香川大学医学部は「係争中なのでお答えできない」と話しています。医療過誤の問題などに取り組む「医療事故情報センター」の柴田義朗理事長は「治療を巡り、保険会社が病院側を訴えるのは、あまり例がない」と話しています。

AIU保険、香川大を提訴/香川(2011年11月7日読売新聞)

 香川大病院(香川県三木町)が適切な措置を怠ったため、交通事故の被害者に重い後遺障害が残ったとして、損害保険大手のAIU保険が同大学を相手取り、被害者らに支払った自動車保険金の半額約1億7500万円の損害賠償を求める訴えを高松地裁に起こしたことがわかった。

 訴状などによると、香川大病院は2003年9月、知人運転の車で事故に遭った20歳代女性の救急搬送を受け入れた。女性は入院後、首の脱臼が原因の手足のまひを発症。女性は知人に対して損害賠償訴訟を起こし、高松高裁で約2億2600万円の支払いを命じる判決が確定した。AIU保険は判決確定までの医療費などを含め3億4876万円を被害者らに支払った

 AIU保険は「搬送時にまひはなかった。香川大病院が速やかに首を固定しなかったため、脊髄損傷が広がった」と主張、2分の1の負担を求めて提訴した。

 AIU保険の広報担当者は「個別の訴訟案件については答えられない」とし、香川大の担当者は「係争中で、具体的なことはコメントできない」と話した。

 医療事故情報センター(名古屋市)理事長の柴田義朗弁護士は「保険会社が医療過誤を問う訴訟は珍しい。同様の訴訟が増える可能性がある」と話している。

AIU保険:女性患者巡り、香川大を提訴/香川(2011年11月7日毎日新聞)

 香川大医学部付属病院(香川県三木町)に救急搬送された女性患者を巡り、損害保険大手のAIU保険日本支社(東京都)が「適切な措置を取らなかったため重い後遺症が残った」などとして同大を相手取り1億7438万円の支払いを求める訴訟を高松地裁に起こした。

 訴状によると、同病院には03年9月、知人の運転する車に乗っていて事故に遭い、負傷した女性が運ばれた。女性は入院した日の夜、手足などに搬送時にはなかった重いまひが見られるようになり、知人を相手に提訴。2億2575万円の賠償を認める高松高裁判決が確定した。知人の車に保険が掛けられていたAIU保険は、賠償金や治療費など3億4876万円を払った。同保険はこのうち半分について、「付属病院が速やかに首を固定しなかったため、脊髄(せきずい)損傷が広がった」として過失を指摘し、負担を求めている

 香川大医学部総務課は「係争中のことで具体的なことは答えられない」と話している。

 AIU保険日本支社は「法廷のみで事実を明らかにしたいのでコメントできない」と話している。【広沢まゆみ、鈴木理之】

これは全くの個人的偏見というものですけれども、かねて癌保険などでもトラブルになるのは何故か決まって外資系保険会社であるという印象を持っていましたが、今回の件も最初に来たのが外資系ということを聞いて正直「やはりそうなったか…」という気がしています。
そうした偏見はともかくとしても、以前にも精神科を退院した患者が殺人事件を起こし、病院側が事件の被害者から訴えられるという「いわき病院事件」なども取り上げましたが、あの事件にしてもかなり特殊な状況とは言え精神医療に大きな影響を与えずにはいられないだろうと騒ぎになったものでした。
今回は保険会社の側が治療ミスで大きな障害が残り多額の保険金支払いという損害を被ったから病院も半分負担しろということなんですが、以前から言われているようにこの交通事故絡みのトラブルというのは非常に危惧されていたところで、例えば人を轢いて死なせてしまった運転手が「過失致傷ではなく過失致死になってしまったのは病院の医療ミスで被害者が死んでしまったせいだ」なんて訴えるパターンも考えられるわけですよね。
保険会社と言えば当然に医療上の問題点に関して様々な助言を行う医師を抱えているでしょうから、今回の訴訟にしても十分に勝算があると踏んで訴訟にしているのでしょうが、ここでも有名な加古川心筋梗塞事件のような「完璧な対応が出来ないのなら決して患者を受けてはならない」というJBMが新たに確立してしまうのかと危惧されるところです。
判決の行方がどうなるにせよ、昨今ただでさえこうした重大外傷患者は搬送の引受先を探すのにも四苦八苦しているというのに、寝る間も惜しんで必死に治療しても今度は世界を股にかける巨大資本と争わなければならないリスクも出てくるということであれば、わずかでも完璧な対応に不安を感じる施設や先生方が無用なリスクを冒してまで引き受けるつもりになるかと言うことですよね。

何でもとりあえず訴訟という流れが医療をどれほど歪めてきたかは今更言うまでもありませんが、実のところ社会全体で見てもそうした傾向は近年顕著になってきているようで、例えば先日は京都のシステム開発会社で社員が辞めたいと申し出たところ「辞めるなら損害賠償請求するぞ」と脅され、実際に退職後に2000万円の賠償請求訴訟を起こされたというびっくりするような事件がありました。
この事件に関しては元社員の側が「残業代を支払っていない」と会社を逆提訴した結果、会社側の請求は全て棄却され残業代その他として1100万円の賠償を命じる判決が出たことで一応一件落着した形ですが、そもそも辞めるなと脅迫めいたことを言うまでならまだしも、実際に巨額の賠償金を求めて辞めた社員を訴えるなんてことはちょっと考えられない話ではないかという気がします。
ただご存知のように例の新司法試験導入以後世間ではすっかり弁護士余りのワープア化などと話題になっている有様で、当然ながら彼らも食べていくためにはあちらこちらへ営業活動を仕掛けていくしかないでしょうから、今後この種の訴訟は増えることはあっても減ることはちょっと考えがたいですよね。
医療訴訟などにおいてもかつてはとりあえず弱者救済的判断が多かったものが、JBMなどと言う言葉が生まれ医療崩壊の主原因の一つとしてトンデモ判決が大きく取り上げられるようになってから司法判断もずいぶんと変わってきたという声がありますが、社会が崩壊してしまってから対応を考え直すよりは崩壊する前に考え直して欲しいというのが国民の偽らざる心境ではないでしょうか。

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2011年11月 8日 (火)

日医はTPP反対 その理由がまた胡散臭いんですが…

APECでの交渉参加表明の見通しでにわかに急展開すら見せそうなTPP議論ですが、日本医師会(日医)らが再び反対のコメントを出しているようです。

公的医療保険を対象外に 医師会など3団体が声明(2011年11月2日産経ニュース)

 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の3団体は2日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加について「国民皆保険が維持されないならば参加は認められない」として、公的医療保険にはTPPのルールを適用しないよう政府に求める共同声明を発表した。

 日医の原中勝征会長は記者会見で「(公定価格で)同じ内容の医療サービスを受けられる国民皆保険は、なくてはならないシステム。TPPで風穴をあけられ、将来崩壊してはまずい」と強調。「政府は『安心、安全な医療が損なわれないよう対応する』と言うが、抽象論にすぎない」と懸念を示した。

 保険適用の診療と適用外の自由診療を併用する「混合診療」の全面解禁や、株式会社の医療参入についても、認めないよう要望した。

国民に対しての文書での約束を国に求める 日医など3師会「皆保険堅持の確約なくばTPP参加には反対」(2011年11月3日日経メディカル)

 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会は、11月2日に合同記者会見を開き、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けて見解を発表。日本医師会会長の原中勝征氏は「国民皆保険を守ることを表明し、国民の医療の安全と安心を約束しない限り、TPP交渉への参加は認められない」と述べた。

 3師会は「TPPへの参加を否定する訳ではない」と前置きをした上で、日本の公的医療保険制度を交渉対象から除外する、混合診療の全面解禁を認めず医療に株式会社を参入させないといった、日本の医療保険制度を堅持する考えを文書をもって国民に約束することを政府に求めた。

 原中氏は、TPPの議論の対象に公的医療保険制度は含まれていないとの政府の推測に対して、「楽観的すぎる。私達はTPPに参加することで公的医療保険制度が崩壊することを危惧している」と訴えた。その理由として、混合診療の全面解禁や株式会社の参入などによる日本医療への市場原理の導入を米国が求めていることや、今年3月の外国貿易障壁報告書で日本に対し営利目的の病院の参入を要求していることなどを挙げた。

 その上で、TPPの交渉次第では混合診療が全面解禁され、公的医療保険制度が自由価格での医療市場の拡大を妨げていると提訴される恐れがあると指摘。具体例として、米韓での自由貿易協定(FTA)の内容が医薬品や医療機器の還元価格に踏み込んでおり、これにより韓国の公的健康保険の基本的な構図が崩れ始めていることを示した。

 日本歯科医師会会長の大久保満男氏は、「日本の公平な医療制度は苦しい状況でも守るべきだ。いかに日本が安い価格で制度を保ってきたかを一度評価する必要がある」とコメント。また、日本薬剤師会会長の児玉孝氏は「TPPの交渉内容について不明瞭な部分が多い。もっと明確な情報が欲しい」と話した。

ま、別に日医らが認めてくれようがくれまいがTPPの議論は粛々と進められていくだけだと思いますけれども(苦笑)、とってつけたように「TPPへの参加を否定する訳ではない」などと弁解してみせずとも、日医らの本音が反対にあるということは誰の目にも明かですよね。
ネットなどで見ていても日医の言うことは全く信用されていない気配が明らかなんですが、この団体がこうまで胡散臭く見えるのも長年開業医の利権を強力に代弁してきた業界利益団体であるにも関わらず、何を反対するのにもまるで自分たちは困らないけれどもあなた達国民が困るでしょ?といった上から目線を崩さないところにもありそうで、誰だってそんな綺麗事ばかり言われても信用できませんよね(笑)。
そもそも業界利益を代弁しない業界団体など存在価値がないことは明らかなのですから、彼らの主張の背後には必ず業界内(この場合は主に開業医)の損得勘定がある、それを隠したまま日医がいくら混合診療解禁や市場原理導入で国民が困ると宣伝したところで、それなら国民はそれを納得し受け入れるならあなた達は反対する理由はないよね?と言われるだけですよね。

どこの業界でも商品なりサービスなりに付加価値をつけて少しでも高く売れるようにしようと努力している中で、一人日医がもっと安く売るべきだと主張しているのが非常に奇異に見えますが、その一方で彼らが診療報酬引き上げを要求しているというのは結果として医療の定価を高くしろと言っているわけですから、自己矛盾と言うしかありませんよね。
このからくりは彼らが患者自己負担引き上げにとことん反対し、むしろ公費を投じて自己負担を引き下げろと主張しているあたりにあるわけですが、要するに見かけの支払い単価を引き下げて顧客をますます医療漬けにした上で、公費からがっぽり儲けだけは確保しようという算段に他ならず、このあたりが世間から「国民皆保険制度におんぶにだっこでぼろ儲け」と批判される所以でもあります。
業界団体としてその主張を真っ当なものにするためには、まずTPPによって当の業界がどんな利益なり不利益なりを被るかということを明確にした上で損得勘定を示さなければならないはずで、そうした基盤があってこそ国民からも「なるほど、彼らはそういう視点で見ているのか」と納得され判断材料になり得るはずなのに、日医は正確な情報を発信するつもりはまるでない(あるいは、出来ない?)のが問題です。
試みに一般人がTPP導入後の医療にどのような未来絵図を思い描いているのかを、週刊誌の記事から引用してみましょう。

TPP参加で「自由診療」普及 金持ち用病院登場する可能性も(2011年11月2日NEWSポストセブン)

 政治家だけでなく、経済学者の間でも意見がまっぷたつに分かれているTPP。関税廃止による農業への影響はよく語られるが、もうひとつ医療への影響も大きいとの予測がある。

 TPPはモノだけでなく、「ヒト、サービス」も自由に行き来できるように、各国で統一のルールを整える。なかでも医療が大きく変わりそうだ。

 日本の医療は皆保険制度。国民全員が保険料を国に納め、国が平等に医療を受けられるように保障する。このため、医師が自由に料金を設定できる「自由診療」は、先進医療や美容手術などの場合を除き、厳しく制限されている

 しかし、これは日本独自のシステム。アメリカなどではその「自由診療」が主流だ。TPPに参加すると、各国の診療体系が同一化されるため、日本もまた「自由診療」が普及する公算が大きい。

 現在の国民皆保険制度のもとでは、治療費は国が定める範囲でしか決められないので、腕のいい医師が治療しても、腕の悪い医師が治療しても、基本的には同じ料金しかかからない。いい換えれば、腕のいい医師はあまり儲けられないシステムになっている。そのため、スーパードクターといわれる医師が、海外に流出する弊害がある。ジャーナリストの山田厚史さんはこう予測する。

「TPPが導入されると、医療の自由競争が進み、営利のために病院を経営する株式会社の参入が拡大、医師はたくさん稼ごうと思えば稼げる環境になります。これまで国内で治療できなかった難病を治せる医師が登場するかもしれません」

 しかし、「自由診療」の普及は、医療格差を広げるという。

「自由診療ばかりを扱い、保険での診療を極力避ける病院が増える可能性があります」(山田さん)

 つまり、お金のある人は医療を受けられるけれど、お金のない人は医療を受けられない病院がでてくる可能性があるのだ。また、保険での診療を扱っている病院には患者が集中する。疲弊した医師たちが自由診療を希望するようになれば、医師不足にも拍車がかかることになってしまう。こうした点から、日本医師会はTPPに猛反対している。

国民にとってはどうかということは国民が判断することとして、医療の提供側にとって大きなポイントは営利的運営も含めた自由競争の激化と、皆保険制度の破綻がどのような影響を及ぼすのかということになりそうですが、前者の視点でしばしば取り上げられるのがアメリカ系資本による病院買収が進むだろうということです。
この結果医療の内容は今まで以上に営利追求になってくると予想されていますが、多くの方々が指摘しているように同様の経営を行っているアメリカの病院では日本よりはるかに医師の収入もよく待遇も恵まれているということを考えると、新たな環境に適合すべく努力する気のある医師にとっては今まで以上に働きやすく報われる職場の選択枝が増えそうだと言うことになります。
一方で今でさえ医師不足と経営難に喘いでいる地方の中小公立病院などは今まで以上のペースで廃業が進みそうですが、そもそもそうした施設はスタッフにとってろくな環境ではなかったからこそ人材が流出していったとも言えるわけですから、淘汰されるべくして淘汰されたと言うしかありませんよね。
一方で今までお金のことを気にせず半ば趣味の医療を続けてきた先生方にとってはやりにくい局面も増えるかも知れませんが、世界一保険屋の口出しが厳しいアメリカが世界一の医療技術開発大国でもあることを思うとき、本当に価値ある医療行為であれば自分でスポンサーを見つけるなり病院と契約を結ぶなりといった努力で継続可能になってくるんじゃないかとも思えます。

むしろより直接的かつ広範な影響を与えそうなのが皆保険制度の破綻という問題で、アメリカなどの例を見れば無保険者や支払い不能者が急増する恐れが大いにあり、この場合前述の病院の営利追求化と併せて現場スタッフはどのように対応していくべきか迷うところが多々ありそうですよね。
未払い保険なり未収コストの上乗せなり何らかの形で医療側も対応を迫られそうですが、こうした対策を講じる一方でやはり皆保険という一定額の支払い担保が無くなる以上、応召義務の撤廃ということもセットで求めていかなければならないだろうと思えます(そういえば、この応召義務も下手すると非関税障壁に取り上げられそうですが…)。
一方でアメリカなどでも行われているように支払い不能者を対象とした医療機関も必要とされるでしょうが、日本の現状では地域の公立病院がその役割を担うことになると予想され、こうした施設が地雷として今以上に忌避されることになるのか、それともコスト面を考えず自由な診療を行える施設としてカルトな人気を博するようになるのかは微妙なところでしょうか。
ちなみにコスト面もさることながら窓口での支払いを巡ってのトラブルが激増しそうですが、当然ながら大きな施設ではその種の問題への担当者が置かれることになるでしょうが、医師一人でやっている零細クリニックなどは経営面以外にも新たなストレスが増えそうに思えますね。

総じて医師にとっては今まで以上に稼ぐチャンスがある一方で、今までよりもコストやサービスなど経営的な側面にも配慮しながらの診療が求められそうだということになりますが、患者側も今まで以上に医療にコスト意識を要求してくるとなれば「高い金を払っているのにこんな診療か!」と不満もたまるのは当然ですから、やはりサービス業従事者的な考え方はずっとシビアに要求されてくるでしょうね。
この部分とも関連して今までの医師の報酬体系と言えば「卒後○年で幾ら」といった横並びの年功序列的スタイルが一般的でしたが、これでは努力して良い評判を得て多くの患者を集めるほど同じ給料なのに仕事だけが増えていくじゃないか!と不満が貯まる医師も出る一方、わざと手抜き診療をして患者から嫌われれば楽して儲かるじゃないかと考える医師も出てきそうですよね。
そうした不公平感を拭うためにも出来高払いとまでは言わないにしても、努力した分に応じて各人なりに報酬が得られるような体系の整備が必要ではないかと言う気がしますが、単に医師間、施設間の過当競争を煽ると否定的に捉えるだけではなく、収入はそこそこでいいから自分はのんびり診療をしたいという道もありなのだと肯定的に捉えることも大事でしょう。
そんな調子で医療の側から見たTPPの損得勘定は他にもいくらでも考えられるのでしょうが、そうした予想をとりあえず立てた上で国民の側でどう判断すべきかと言うことになると、結局医療側からの損得勘定と国民側からの損得勘定がどこが一致し、どこが対立しているのかを見極めるということが第一歩になってくるんだろうと思います。

もちろん実際の医療がどうなるか細かいことはその場になって見なければ判りませんが、医療提供側にとっての損得勘定と国民側の損得勘定が決して対立する概念ではなく、意外に多くの局面で重なり合っているのではないかと考える根拠として、医療が高度なマンパワー集約型産業である以上は、スタッフのモチベーションこそが顧客満足度に直結する最大の要素であると言うことがあります。
医師を始めスタッフ一同やる気のある施設と、お前らよくこんな糞病院に来るなという顔をしている施設でどちらがいい医療を受けられそうかと考えてみればよいかと思いますが、幸いにも?日本では医療スタッフは今非常に不足であると叫ばれている中で、当然ながら営利を追求しようとする施設ほどスタッフを厚遇し多くの人材を集めようとすると予想されますよね(すでに現状でもその傾向が出てきていますが)。
顧客満足度を向上させようと努力し多くの集客力を発揮出来る医師はより良い条件で招かれるようになる一方、仕事なんて最低限だけ適当にやっておけばよいというタイプは次第に居場所がなくなってくると考えれば、良い病院とは良いスタッフにとっても、そして良い顧客にとっても望ましいものであり、医療の自由化はそうした業界再編を一気に促進していく原動力ともなっていきそうです。
そう考えると何も考えず言われた施設で言われた通りの仕事をしてきた古い世代の先生方には面倒くさい、気の重い話だと感じられるかも知れませんが、就職先探しから待遇交渉まで自分でやるのが当たり前になってきた今の時代の若い医師達にすれば、むしろTPP導入後の医療の方がごく自然な感じで受け止められるのかも知れませんね。

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2011年11月 7日 (月)

徐々に進むNP議論 医療の永続性を担保するものは何か?

夕張診療所の村上先生が今度は滋賀で公演したと言う話題を本日最初に取り上げてみましょう。

医師不足対策を紹介 彦根で夕張市の医師が講演/滋賀(2011年11月6日中日新聞)

 地域医療の在り方を考える会が5日、彦根市野瀬町のひこね市文化プラザであり、北海道夕張市で地域医療を担う医師村上智彦さんが講演した。

 村上さんは、病院の医師不足を食い止める手だての一例として、兵庫県丹波市で住民たちが掲げたスローガン「安易に救急を利用するコンビニ受診を減らす、日常的な診療をお願いするかかりつけ医をもつ、医者に感謝の気持ちをもつ」を紹介。「住民が医者を大事にすると分かれば医師は集まる。医療を守る運動を、住民が盛り上げていく必要がある」と訴えた。

 また、長寿県の長野県の例を挙げながら、健康診断の受診率の高さが長寿につながることを説明。予防医療の大切さを伝えていた。

 会は、市内で医療の勉強会を開いている住民団体「彦根市の地域医療を守る会」が主催。市民や医療関係者ら100人が参加した。 (森若奈)

しかし村上先生には失礼ながら、その方面では全国に名を轟かせる聖地・彦根で「住民が医者を大事にすると分かれば医師は集まる」とは皮肉かネタかと思ってしまいますけれども、まあおっしゃることはまったくその通りとしか言いようがない話ではありますよね。
先日も村上先生の講演ネタを少しばかり取り上げましたが、一臨床医としてそれほど高い評価を得ているという話を聞かない(重ね重ね失礼)村上先生であっても地域医療でそれなりに大きな仕事が出来ているということは、まさに先生の示すところの「高度な専門医療を受ける人は人口1千人に1人」であり、大多数の地域住民は高度な技術によるcureよりも日常的かつベーシックなcareの方が重要だと言うことを示しているように思います。
よく医療の破綻などと言うことが言われ、「今の患者は24時間365日専門医に最高の医療を提供されて当たり前と思っている」と批判する声がありますが、そうした声の生まれた背景に医療提供の側自体も長年とにかく医療のレベルを高め、常時最高の医療を提供するべく寝る間を惜しんで努力することが当たり前だと考えて邁進してきた事実があることも見逃せませんね。

いま医療を制約しつつあるものは幾らでもあるとして、その中でも主要な2点として診療報酬などに代表されるコストの問題、そして医師不足や地域医療崩壊などリソース不足に象徴されるマンパワーの問題が挙げられることは多くの方々にも異論がないと思いますが、このいずれも突き詰めれば金や手間を無視してとにかく医療の質だけを追求してきた過去の医療従事者達のつけが顕在化してきているとも言えると思いますね。
未だに某大先生のように医者が足りないのだからもっと医者を増やせ、OECD平均並みまで無条件で増やせと壊れたレコードのように(これもしかし、今は通用しなさそうな表現ですね…)繰り返す人がいますが、ではそうやって医療の水準を維持しさらに高いレベルを目指す体制を整えれば、また患者側の期待値、要求水準も上がって無限に続くイタチごっこになってしまうのは明らかですよね。
特に高齢化、過疎化が進んでいる僻地などでは実質放置された患者も多く、真っ当な医療をやってきた熱心な医者ほど「探せば幾らでも疾患が隠れている!」とテンションを上げてしまいますが、命は何よりも重いという観点から医療がどんどん高度に専門的にと突き詰められてきた流れがそろそろ破綻を迎えつつある今だからこそ、引くべきところでは敢えて引くということも重要になってくるんじゃないかなと言う気がします。
そういう意味ではものの判っていない人間に医療を無茶苦茶にされてはたまらないと一部でさんざんな評判なナースプラクティショナー(NP)あるいは特定看護師というものも、何でも出来る限り最高の医療をやっておけばそれでいいんだと言っていられない今こそ真剣に検討しなければならないテーマなのかも知れませんね。

医師補助の「特定看護師」、床擦れ治療や鎮痛薬も(2011年11月5日中国新聞)

 看護師が医師の補助として、高度な医療行為をすることを認める「特定看護師」の導入を検討している厚生労働省は5日までに、具体的な基準を盛り込んだ「看護師特定能力認証制度」の原案をまとめた。

床擦れで壊死えしした組織の切除や、がんの鎮痛薬の投与量・用法調整の判断などを、医師の指示の下ですることを「特定行為」として認める内容。5年以上の実務経験を持つ看護師が、専門研修を受け国家試験に合格することを条件とする。

 2013年度の開始を目指し、来年の通常国会に保健師助産師看護師法の改正案を提出する方針。7日に厚労省で開く会議で公表する。特定行為の内容は、既に各地の医療機関で始めているモデル事業の実施状況を踏まえさらに検討する。

 高い能力を持つ看護師に医師の業務を補助してもらうことで、医師の負担を軽くし、患者の生活の質(QOL)も向上させる狙い。高齢化が進み在宅医療のニーズが高まる中、不足する医師に代わり、細かいケアにつなげる狙いもある。

 現行法も、看護師は医師の指示の下で「診療の補助」として医療行為ができると定めているが、その範囲ははっきりせず、医療現場で混乱が起きていると指摘があった。

 新制度では、こうした医療行為についての規定を法律で明確に位置付ける。「大学院修士課程に相当」とする2年間の研修か、8カ月程度の研修を義務とし、その期間に応じた医療行為を認める。

 一般の看護師は医師に患者の状態を逐一報告し、具体的な指示を仰ぐ必要があるが、特定看護師になれば、医師の治療計画を超えない範囲で、患者の症状を自ら判断し処置できる。認証を受けた看護師には、その後も研修を受けることを求める

例によって何でも反対の日医あたりはこのNP制度導入に関しても「患者にとって不幸な結果をもたらすだけでなく、生命をも脅かすことになりかねない」などと唱えて絶対反対の構えですが、そこまで患者さんのことを考えるなら医師会の先生方も盆暮れ正月には患者を近所の病院に丸投げして優雅にバカンスなんて無責任なことをせずに死ぬ気で働けと言いたい先生方も多いことでしょう(苦笑)。
ま、日医の見解はともかくとして多くの真面目なお医者さん達が感じている素朴な感情として「勝手にやるのはいいが、ちゃんと責任も自分でとれや」と言うことがあるのは想像に難くないところで、とりわけ医者の目の届かないところで無茶苦茶なことをやって自分は何の責任も取らず、後の尻ぬぐいだけは医者に押しつけるなんて制度を認めてしまった開業助産師の二の舞だけは避けたいというのは当然ですよね。
しかし一方では全国各地で慢性化しつつある産科医不足解消の補助的手段として滲透しつつある院内助産という例もあるわけで、このあたりは医療は個人ではなくチームで行うものであるという現代の考え方からすると工夫次第で幾らでもNPの働ける余地はあるだろうし、またNPに限らず医者からコメディカルスタッフにもっと仕事を割り振る体制を構築していかなければならないと感じています。

特に医療の大部分を占める日常管理などではとにかく患者との接触時間が長い人間の方が気づきやすいという側面もあって、医師より看護師、看護師よりも家族の方が最初の徴候にいち早く気づくということもままあるわけですから、問題はNPという制度導入そのものよりもそうした何かが違うという徴候を正しく拾い上げ伝達していくシステムを構築できるかという運用にあるんじゃないかと思いますね。
またそれとは別に個人的に感じているNPの問題の一つに資格認定をどうやるかという部分があって、特に高い能力云々の担保条件として、間違っても「大学病院で○年間高度な看護研究に従事し」なんて受験資格を盛り込まないように(苦笑)気をつけて見ていかなければならないのかなと思っています。
また研修必須などということになるとまたぞろ組織を作りスタッフを雇ってなんて話も出てきそうな気がしてならないんですが、例によって厚労省あたりの天下り先にならないようにこれまた目を光らせていく必要はあるでしょうね。
そしてもちろん、どのような分野を特定看護師に認めるのかという議論が重要なのは言うまでもないですが、それ以上にそれによって医療現場がどう効率化されリソース不足が改善されるのかということは絶対的な議論の大前提にしなければならないと思います。

民主党政権の唱える医療、介護分野の主導による経済成長戦略なんてことを言われるまでもなく、国内産業による輸出がTPPなどどう頑張ってもせいぜいが現状維持の頭打ちになっていくだろうことを考えれば内需で莫大な潜在需要がある医療、介護領域に大きな雇用の道があることは自明の理ですし、持っているばかりで使わない高齢層から収入の少ない若年層へお金を流すためにも意味があることです。
しかしそうした拡大路線を取っていく上で、いつまでも医師が動かなければ何も進まないというシステムで行ってしまうと医者自身どんどん仕事が増えてますます大変になっていくのは当たり前ですから、どこかで他人に仕事を任せるということも進めていかなければならない道理ですし、そのためには他人を信じ任せて育てるということもしなければならないでしょう。
未熟な人間に仕事を任せれば当初は幾らでも問題は出てくるのでしょうが、今現場を支えている多くの医師達は若手や研修医の指導などを通じて人材を育てるにはとにかく根気と忍耐、そして寛容がいるということを判っているはずですし、他業種の事に関してももう少し広く長い目で見ていければいいのかなという気がします。

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2011年11月 6日 (日)

今日のぐり:「餃子の王将 国道太子店」

一体これは何がどうなったんだ?と思うような記事が先日出ていましたのをご覧になりましたでしょうか?

凶暴ザルに襲われ格闘、取り押さえたが死ぬ/山口(2011年10月29日読売新聞)

 28日午前11時半頃、山口県下関市小月町の男性(70)が自宅の庭で釣りの仕掛けをつくっていたところ、突然サルに襲われ、左手をかまれた。

 格闘の末に取り押さえたが、サルはしばらくして死んだ。同市では8月末以降、サルにかまれたり、ひっかかれたりする被害が17件起きていた。市は死んだのはこのサルとみている。

 サルは体長56センチのオス。男性によると、いきなり体当たりし、かみついてきたため、両前脚をつかみ、抱きかかえるようにして捕まえた。激しく抵抗したが、10~15分ほど押さえ込むと、急に動かなくなった。その後、市が埋葬した。

 男性は左手5か所をかまれ、軽傷。

いや、猿に老人が襲われて格闘になったところまでは判るとして、なぜ取り押さえられた猿の方が死んでいるのか、あるいは一世一代の大勝負に敗れて自らを恥じたということなんでしょうか?
今日は激闘の末惜しくも?力尽きたこの猿に敬意を表して、世界中から動物にまつわる話題を取り上げてみようと思いますけれども、まずは被災地から意外な話題を取り上げてみましょう。

被災地のゴルフ場バンカーでカメ産卵!日本初の珍事?(2011年9月27日zakzak)

 震災で被災した栃木県高根沢町にあるゴルフ場「東雲ゴルフクラブ」のバンカーに今年7月、カメが産卵するという珍事があった。ゴルフ場関係者は、大惨事の中に生まれようとしている小さな命を待ち焦がれている。

 カメの産卵を目撃したのは同ゴルフ場の運営部長の横山裕之さん(37)。7月1日早朝、整備のため10番ホール(パー4)近くを訪れると、体長30センチほどのカメがコース中央左側にあるフェアウエーバンカーに入って産卵を始めたという。

 「バンカーから30メートルほどのところに直径300メートルほどの天然の池がありますので、そこから上がってきたのでしょう。慌ててカメラを取りに帰って撮影したのです」(横山さん)

 カメはバンカーを約30センチ掘ると間もなく20個ほどの卵を産み落とした。横山さんは数個を保護し、植え込みの土を入れた鉢の中へ。残りはそのままバンカーの中に残してある。

 同ゴルフ場は震災でクラブハウスの柱や水道管の破裂など大きな被害を受け、1週間以上休業を余儀なくされた。「周辺にも被災したゴルフ場も多い。明るいニュースなのでぜひ孵化してほしい」と祈っている。

 カメ専門水族館「伊豆アンディランド」(静岡県河津町)の千田英詞支配人(36)によると、このカメはミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)。受精卵は通常60日で孵化し、誤差はプラスマイナス5日間ぐらいという。

 「バンカーの中にカメが産卵とは聞いたことがありません。3カ月が経過していますので、奇跡を願うしか…。ただ、カメは同じような場所に産卵することが多いので、来年はここで新しい命が生まれるかもしれません」(千田支配人)。

 いつかきっとバンカーを力強く這い上がる子ガメの姿を見ることができるはずだ。

こちらよくある感動の一シーン…かと思いきや、大丈夫なのかそれは?と思わず心配になるようなニュースなのですが、しかし産卵場所注意ということにもなればうっかりバンカーに打ち込む訳にもいきませんよね。
今や動画投稿サイトと言えば世界中からユニークな動画が投稿されて大盛況ですが、先日ちょっとした話題になったこちらの動画を紹介してみましょう。

子猫がジェダイの騎士となってライトセイバーで戦うムービー(2011年9月20日GigaZiNE)

ついにブルーレイが発売された「スターウォーズ」シリーズですが、下に掲載するのは、ネコがジェダイの騎士のようにライトセーバーを持って戦うムービーです。インターネット上には、ネコにライトセーバーを持たせたコラージュ画像が沢山ありますが、ライトセーバーを持って戦うシーンを収録したムービーというのは少ないようで、YouTubeでも人気を博しているようです。
下のムービーが、子猫がライトセーバーで戦う「Jedi Kittens」。

Jedi Kittens - YouTube

緑のライトセーバーを持つ白い猫。
青いライトセーバーを持つ黒い猫。
二匹が軽快な動きで死闘を演じます。

飼い主登場。
戦いに水を差された二匹。このムービーは8月25日にアップロードされたものです。
そして下のムービーは「Jedi Kittens」の続編、「Jedi Kittens Strike Back(ジェダイ子猫の逆襲)」。

Jedi Kittens Strike Back - YouTube

今回は題字付きです。
さらにXウイングも登場。
もちろん子猫が乗っています。
TIEファイターも登場。
こちらは黒猫が乗っています。

TIEファイターの攻撃をかわしつつ進むXウイング。
住人と激突寸前に。
不時着。
続いてTIEファイターも不時着します。
そして双方ライトセーバーを構えて再び激突。

白熱の戦いは続きます。

元記事の写真やリンク先の動画をご参照いただければいったいこれはなんじゃい?と思うしかないような状況なんですが、この不思議な動画の閲覧数がすごいことになっているというのですから猫たちも大変ですよね。
同じく動画ネタで今度は犬の話題ですけれども、家の中で迷惑千万な格闘劇を演じる猫と比べるとこちらはずいぶんと出来た犬だなと言う気がします。

絶妙に優しく手加減をして赤ちゃんにボール遊びを教える犬(2011年10月4日GigaZiNE)

まだハイハイもおぼつかない小さな人間の赤ちゃんに、ペットの犬がとても優しくボールの遊び方を教えているムービーです。

ピンク色のつなぎを着ている赤ちゃん。
座ってボール遊びをしていたのですが、手の届かないところまで転がっていってしまいました。
そこに犬が登場。
ボールをくわえてぽとりと赤ちゃんの前に落として渡してあげています。

赤ちゃんはしばらくボールをもてあそんでいましたが、再び遠くに転がしてしまいます。
再び拾い上げてボールを戻してあげます。本来犬はボール遊びが大好きで、一度くわえたら離さないこともあるのですが、この犬は赤ちゃんに迷わずボールを譲ってあげています。
赤ちゃんもいよいよ要領をつかんできたのか、意図的にボールを犬の方へころころと転がします。
そしてまたボールを赤ちゃんに戻す犬。終始かなりソフトな渡し方で、相手を思って手加減しているのが見て取れます。
再び赤ちゃんはボールを転がします。だんだん遊び方が分かって楽しくなってきたようです。

赤ちゃんのおぼつかない手つきや、犬の優しいボール遣いなどは下記ムービーから見ることができます。

Dog Teaches Baby to Play Ball - YouTube

これまた元記事の写真やリンク先の動画を参照いただきたいのですが、どうもこういう双方の振る舞いを見ていて「ET」などのファーストコンタクトものを思い出したのは自分だけでしょうか?
せっかくですからもう一つ動画ネタを取り上げてみようかと思いますが、こちらもおそらく当の本人?達はものすごく真剣だったんだろうなという動画です。

「待てー!やっぱ逃げろー!」ラジコンに翻弄される牛の群れ(2011年9月21日らばQ)

牛や羊を追うのは牧羊犬の役目ですが、かわりにラジコンバギーを使ったらどうなるのでしょうか。
激しく翻弄される牛たちの映像をご覧ください。

RC Round Up !Very Funny! - YouTube

犬が追うように逃げていくのかと思えば、追ったり追われたりを繰り返している様子。
図体は小さいので負けてられないと言う気持ちもあるけど、追われるとやっぱり怖い……。
そんな心境なのでしょうか。懐かしい感じのBGMもいい味出ていますね。

ジャズ演奏に興味を示す牛たちの映像もどうぞ。
すごくない?ジャズを聴きにわらわらと集まってくる牛たち(動画)

牛の方も近くで見たいのやら逃げているのやらよく判らないところなんですが、どうも基本的にはものすごい興味を持っているらしいというのが意外なところでしょうか、よほど牧場は娯楽が少ないんでしょうかね…
昔からある言葉で「獅子は千尋の谷に我が子を突き落とす」なんてことを言いますけれども、実はそうではなかったらしいというのが明らかになったというニュースです。

【動物】「ライオンは崖から落ちた子ライオンを助け出す」…俗説を覆すこの真実!一部始終をカメラが捉えた(2011年9月25日デイリーメール)

断崖絶壁に必死になってしがみつき、助けを求めて悲鳴を上げるライオンの子ども。母親ライオンは崖の上までやってくる。3頭の雌ライオンと雄ライオン1頭も一緒だ。
雌たちはみんな、崖を這い降りようとし始めるが、切り立つ急斜面に恐れをなして引き返すハメに。結局のところ、命懸けで子ライオンを助けようと決心できるのは唯一、「母性愛」あってこそである。

母ライオンは怯える子どもの方に向かって喘ぎながら崖をゆっくり降りて行く。今にも崩れそうな断崖を彼女の強力な爪がしっかり掴む。ここで滑り落ちようものなら、共に谷底に落ちて一巻の終わりだ。
疲れきった子ライオンが今にも落ちてしまいそうに思えたその時、母親は彼の下方に回り込み、あごで支え上げた。続いて彼女は崖の上までの険しい道を辿ることになる。
数分後、母子は無事に到着、母親は怯えている子どもをいたわるように頭をひとなめする。

この劇的な救出シーンはケニアのマサイ・マラ禁猟区で野生動物写真家ジーン・フランソワ・ラルゴ氏によって撮影された。
密猟を阻止するために監視員が見張って守っているが、ライオンの日々の生活から危険が消え去ることはない。今回、子ライオンがその厳しさを体験したように…。

実際の救出の様子はリンク先をご覧いただくとして、ライオンはご存知のように草原地帯の生物ですからジャングルや山岳地帯に済むわけはないのですが、本来この「獅子」というのは中国の霊山に棲むという想像上の生き物であるということで、当然ながら今回のカメラマン氏も極東ではそうした伝承があるということを知って撮影した訳ではないと思いますね。
最後にこちら例によってブリからの話題ですけれども、どうもこの連中に限っては何かしら犯罪行為すらも斜め上方向に逸脱する気があるということなんでしょうかね?

夫の愛人のネコを盗んだ英国議員の妻に有罪の認定(2011年10月3日AFP)

【10月3日 AFP】英イングランド中部のバーミンガム刑事法院(Birmingham Crown Court)は9月30日、国会議員の夫の愛人宅からネコを盗みだしたクリスティーン・ヘミング(Christine Hemming)被告(53)を、窃盗罪で有罪と認定した。判決は10月28日に言い渡される。

 ヘミング被告は夫のジョン・ヘミング(John Hemming)英自由民主党議員と別居を始めた3日後の2010年9月29日、夫宛ての郵便物を夫の愛人のエミリー・コックス(Emily Cox)さん宅に届けに行った際に、生後4か月の子ネコの「ビューティー(Beauty)」を盗み出したとして窃盗の罪に問われていた。

 バーミンガムにあるコックスさん宅の窓の下で、ヘミング被告が四つんばいになり、敷地内に入るところが防犯カメラに記録されていたが、ヘミング被告はネコを盗み出した記憶がないとして罪状を否認していた。

 子ネコはその後発見されていない。

しかし窓の下で四つん這いになって侵入する様子がカメラに写って御用とは、いい年をしてどれだけ後代に恥をさらしたのかということですよね。
子猫がその後発見されていないというのが極めて重大な問題だと思いますけれども、ブリには150年も続く動物福祉施設があるというくらいに動物愛護の歴史だけは長いということですから、いずれ成長した子猫が七つの海を駆け巡りながら船底のネズミを狩っている未来を想像したいものです。

今日のぐり:「餃子の王将 国道太子店」

別に王将付いているとか言うことは全くないのですけれども、巡り合わせの妙ということはあるもので、今回はこちら兵庫県は太子の王将に挑んできました。
ちなみに非常に紛らわしいことに同じ王将で太子店というのが別にあって、そちらは商店街の中にあるということなんですが、こちらは幹線道路沿いにある郊外型のいかにも今風の店構えで、小綺麗な店内はまさしくファミレス風で(当然のように喫煙席か禁煙席か聞かれます!)昔の王将のような独特の雰囲気は全く感じられません。
レギュラーメニューはほとんど基本メニューとその組み合わせで、それほど特殊なメニューはないらしいのが少し残念なのですが、今回は比較的オリジナルっぽいメニューの取り合わせとなっている本日のランチを頼んで見ました。

メインとなる鶏丼というのはご飯の上にタレを絡めた鶏唐揚げが載ってくるというよくあるスタイルで基本的にはそう悪くもなかったのですが、この唐揚げが非常にカリッと揚がってクリスピーと言えれば良かったのですが、この日に関しては揚がり過ぎて硬いと言うべき仕上がりだったのは残念でしたし、個人的好みから言えば少しタレの味が強すぎてくどかったかなという気もしますね。
これまた炭水化物と塩分摂取が気になりそうな取り合わせなのが塩ラーメンなんですが、味より何よりむしろ素ラーメンとも言うべき素っ気ない見た目はともかくとして、麺茹での頃合いをかなり過ぎてしまった麺といい、形ばかりで味の抜けたチャーシューと食感も何もないメンマといい、これで間違って麺大盛りなど頼んでしまった日には一体どうなるんだと心配になるような出来ですよね。
一応今回このランチを選んだ理由でもあるのがおかず?としてついてくる野菜炒めなんですが、まぁ実際にはほぼ完全なるもやし炒めであるのはお約束としてもヒゲの処理が何とも中途半端というのが実にどうなのよですが、炒め加減や味自体はそれほど悪くないかなと思いますし、これならいっそトッピングにして野菜たっぷりラーメンにでもしたほうが見栄えも良かったのではないかという気がします。
しかし3皿それぞれに見た目のボリューム感だけはあるのですが、どれもこれもハンパモノを組み合わせた印象が強いと言うのでしょうか、コストを考えると頑張っているのは理解できるにしてももう少し味の面でもこれはと思うような柱の一品があってもいいですかね。

テーブルの備品では王将名物の山積みの小皿が二枚目から使うようにと指示されているのが理由はすぐ判るにしても面白いなと思ったのですが(そういうことを気にする人が王将に来るというのもちょっとしたカルチャーショックですかね…)、タレやラー油の容器はいかにも100均っぽいなぁという安物感が全開で、よく手にするものだけにこれくらいはもう少し張り込んでもいいのかなとも思います。
一方でトイレなどは殺風景なんですがスペースだけはたっぷりなのは美点として、食事時なのを割り引いても厨房もフロアもややキャパシティオーバーが続いているようで、何しろ食器も足りないから器を変えさせていただきましたなんてのは洗い場の問題なのか、それとも客数に見合った食器を確保していないことによるものなのかどちらでしょうね?
席数は減らせないならもう少しスタッフがいれば良いのかなと思って見てみればそこそこ人数はいるようなんですが、どうもオペレーションがうまく設定できていないのか混雑している中で妙に手持ちぶさたな顔で立っている人がいるというのも気になるところで、これは確かにオリジナルメニューどころではないという状況ではあるのでしょうね。
徹底して味にこだわるというのでなければ値段とボリュームのバランスは悪くないですし、昭和時代八省のチェーン点が今の時代にあったスタイルに進化しつつある一段階だと思えば、こういう店が大いに繁盛している理由も判るような気もします。

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2011年11月 5日 (土)

マスコミの差別意識が明らかになった橋下氏報道

近頃では与野党を問わずすっかりマスコミと政治家の仲が冷え切っているようで、元々マスコミ業界出身者が多くマスコミ利用に長けていたはずの民主党でさえ全面戦争の構えを見せ始めていると言います。
そんな中で民主党の仙谷氏がここまでのことを言っているようです。

「朝日は出入り禁止!」どじょうを掬ったオヤジ 仙谷さまのお通りだい(2011年10月29日現代ビジネス)より抜粋

朝日新聞は当分の間、出入り禁止だ。デタラメなことばかり書きやがって(『週刊朝日』に在日韓国系の企業経営者と不透明関係があるなどと書かれたこと)。上の奴に電話をかけて『何を考えとるんだ。許さんぞ!』と直接、文句を言ってやったわ。最近の新聞は本当にレベルが低い

 そう言い放つのは、民主党の仙谷由人・政調会長代行である。

 菅政権で内閣官房長官や同副長官を務め、"陰の総理"と言われた仙谷氏は、最近は「黒子に徹する」と称し、表面上おとなしい。

 だが、野田佳彦首相を総理候補として掬い上げたのが仙谷氏なら、党の政策面での責任者・政調会長に、前原誠司氏を据えたのも仙谷氏である。"最高権力者"がおとなしくしているわけもなく、むしろ目立たないのをいいことに、好き放題な発言を続けている。

 野田首相は、官邸でのぶら下がり会見をまったくしないが、これも実は、仙谷氏の入れ知恵のようだ。

ぶら下がりはしなくていいんだよ。菅さんも、『記者どもが日本を悪くしているんだから、ぶら下がりはいらない』って言ってた」
(略)

少しばかり放言癖の気があるというのでしょうか、仙谷氏と言えば発言の真意を問われるという場面がしばしばある人物ですが、この発言にしても「朝日はデタラメなことばかり書きやがって」だの「最近の新聞は本当にレベルが低い」だのと言われると、まるで朝日以外の新聞や他メディアはまともなことを書いていてレベルが高いかのように誤解されかねないですよね。
先日も記者クラブ制度に反旗を翻した上杉隆氏らの自由報道協会の設定した共同記者会見の場において、読売新聞の記者がルール違反をしたと新たな遺恨が勃発していましたけれども、自分たち流のやり方が政治家の本音を引き出すという現実の課題を全く解決出来ていないにも関わらず旧態依然のやり方を繰り返すというのは、よほどに学習能力に深刻な問題でもあるということなのでしょうか。
無論朝日や読売といった新聞ばかりではなくテレビ業界なども大きな問題を幾らでも抱えていることは当「ぐり研」でも何度となく取り上げてきたことですが、最近話題になっているのが週刊誌が大阪府の橋下前知事について好き放題書いているという問題です。

【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】334(2011年10月29日産経ニュース)より抜粋

 『週刊文春』と『週刊新潮』(ともに11月3日号)が揃(そろ)って橋下徹大阪府知事の出自の問題を特集している。

 『文春』が「暴力団員だった父はガス管をくわえて自殺 橋下徹42歳 書かれなかった『血脈』」。
 『新潮』が「『同和』『暴力団』の渦に呑まれた独裁者『橋下知事』出生の秘密」。

 両誌ともほとんど同じ内容で、橋下知事が大阪・八尾市の同和地区に生まれ、父親と叔父がヤクザで父親は自殺、従兄弟が1999年に金属バット殺人事件で逮捕--というもの。

 これまで書かれなかった出自のことが、なぜ今? なぜこのタイミングで?
 府知事辞任、市長選出馬表明というこの時期を考えると、明らかにネガティブキャンペーンの一環としか見えない。

 だいたい橋下知事の出自を問題にすることに何の意味があるのか
 しかも、この件は両誌に先行して『新潮45』11月号で、自らも同和地区出身であることを公表しているノンフィクション作家、上原善広氏がレポートしているのだ。
 月刊誌署名記事の後追いという形でしか記事にできなかったところに週刊誌ジャーナリズムの衰弱を感じる。『文春』が上原レポートに一切触れていないのはフェアじゃない。
 『文春』ならむしろ、このタイミングで、こういう記事が出て来た背景をこそ探ってほしかった。
 両誌とも後味が極めてよくない
(略)

「子供の権利は配慮されるべき」 橋下知事が雑誌記事批判 (2011年10月29日J-CASTニュース)

  月刊誌や週刊誌に相次いで否定的な記事を掲載された大阪府の橋下徹知事が、ツイッター上で自らの見解を表明した。週刊誌が指摘した親族に関する事柄については、ある程度認め、「僕は公人だから何を言われてもある意味しょうがない立場」ともつづっている。その一方で、「親が公人でも、子供の権利は最大限尊重され、配慮されるべきだ」と、親族や子どもに影響があったことについては憤りを隠していない。
   月刊誌の「新潮45」11月号を皮切りに、「週刊新潮」「週刊文春」の最新号では、橋下氏の出自に焦点を当てた記事を掲載している。その中では、実の父親が自殺したことや、実の父親の弟に犯罪歴があることなどを指摘している。

「公人の子供であれば、超プライバシーにあたる事項も全て公開か」

   これまで橋下氏は一連の記事に対して明確なコメントをしてこなかったが、2011年10月29日朝、ツイッターに16回連続でツイート。自らの見解を明らかにした。実の父親は橋下氏が小学校2年生の時に自殺したことを明かしたが、

    「物心ついたころには実父は家にいなかったのでほとんど記憶なし

と説明。父親とその弟について、

    「むちゃくちゃやんちゃくれで、暴力団関係者であったことは周囲の話からは聞いた。同和地区に住んでいたことも事実

と、記事に書かれていたことは大筋で認めたが、橋下氏自身については、

    「暴力団との付き合いは一切ない。特定団体への補助金を優遇したことは一切ない

と、暴力団とのかかわりを否定した。

   その上で、

    「子供は、事実を初めて知った
    「公人本人はどうでも良い。自分で選んだ道だから。では公人の家族はどうなんだ?

と、記事が子どもに与える影響について疑問を呈した。それでも怒りは収まらなかった様子で、午後にも

    「公人の子供であれば、超プライバシーにあたる事項も全て公開か。子供は自分でも知らなかった今回の週刊誌報道にかかる事実をこれから背負わされる。週刊誌はそのことに関してどう考えてるのかね」

などと3回にわたってメディア批判のツイートをしている。

   府知事選と大阪市長選のダブル選の投開票日は11月27日で、1か月後に迫っている。10月29日には弁護士で自民党参院議員の丸山和也氏が府知事選に出馬する意向を党関係者に伝えている。党府議団は池田市長の倉田薫氏の支援を決めたばかりで、混乱は必至だ。

正直橋下氏の出自云々に関してはオヅラ氏の頭部偽装問題などと同様、誰しもそんなことを今更書いて何が言いたいの?と言うほどのネタだと思うのですが、もちろんこのタイミングでこうしたバッシングを繰り広げてきたことはダブル選の行方に危機感を抱く人間の意図するところがあるということなのでしょう。
橋下氏の政治的志向に関しては賛否両論あるとは言えとりあえず大阪での支持率は未だに根強いものがあるようで、とにかく日本がよくない、何とか大胆に変えていかないとこのままズルズルと地盤沈下してしまうという危機感を誰しも抱いている時代にあって、良い悪いはともかくとしても何かしら大胆に現状を変える行動力がありそうだという点が期待を集めているのでしょう。
当然ながらその対抗勢力となるのが現状維持最優先、何をするのもとりあえず反対という守旧勢力と言う構図になりそうですが、今や終わりつつある旧勢力の一つの典型のようにも言われるマスコミ業界がこうした行為に走ってきたと言うことはなかなか興味深いですよね。

政治的見解に対する路線対立はともかくとして、政治家を批判したいのであればその識見やせいぜいが本人の問題に対して行うべきであって、本人が全く選択する余地もない出自や血縁によって批判を行うというのは現代の文明社会においてあり得ない話で、例えばアメリカ大統領選で「○○候補の先祖にアフリカ系の血が!」なんて記事を書けばどうなるか想像すれば判ることだと思います。
そうした行為を行う側の見識の方がはるかに問題視されてしかるべきではないかなと思いますが、彼ら自身は無論選挙も間近になってきた現時点でこうまでやらずにはいられないほど追い詰められ、思い詰めていたにせよ、元々こうした行為がどのような意味を持つのかという問題意識すら持っていないということなのでしょう。
その程度の理屈も判らずまっとうな倫理観も備えていない品性下劣な人間が、ただ他人を全国ネットで強力にバッシングする権力だけは持っていることの怖さはまさに何とかに刃物と言うしかありませんが、現代社会において大きな権威を持っているとされるマスコミ自身の権力監視はどうやって行うべきなのかという命題が改めて浮上してきそうですよね。
先日も社会学者の加藤秀俊氏がやたらに風評被害、風評被害と連呼するマスコミ自身が風評被害を作り出している第一の加害者ではないかと看破していましたが、世の中に幾らでも存在しているマスコミ暴力の被害者がようやく自らの声を発信出来る時代になったことで、少しずつ彼らに対する監視と矯正のシステムを構築していけるようになるのでしょうか。

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2011年11月 4日 (金)

TPPは現代の黒船になるか?

昨今賛成派、反対派とも非常に賑やかなことになっているTPP関連の話題ですが、反対派の中核的勢力としてJAと医師会が共同戦線を張る気配を見せるなど、まるで医療の業界では反対一色であるかのような騒ぎになっています。
こんな中でまたぞろ日医あたりが「TPP絶対反対!」と大騒ぎしそうな話題が農業新聞から出ているのですが、まずは問題の記事を紹介してみましょう。

医療自由化目標「入手していた」米国文書で厚労相 (10月28日日本農業新聞)

 米国政府がTPP交渉で、公的医療保険の運用で自由化を求める文書を公表していたにもかかわらず、日本政府が「公的医療保険制度は交渉の対象外」と国民に説明していた問題で、小宮山洋子厚生労働相は27日、「9月16日に外務省を通じて受け取っていた」と述べ、入手していたことを明らかにした。公的医療制度の根幹である薬価の決定方法が交渉対象になる可能性も認めた。

黙っていれば判らないだろうと言う考えであったとすれば小宮山厚労相もとんだ厚顔ですけれども、皆保険制度のような極めて特殊な制度がTPPのような議論の中で取り上げられないでいると考える方がどうかしていますから、話が出ていたこと自体は別に意外でも何でもありません。
ただそうした当たり前に議論に取り上げられそうな話を敢えて取り上げられないと説明する、それもそうでないことを知っているにも関わらず嘘をついた形になっているというのは、これだけ大騒ぎになっているTPP問題に小さくない一石を投じた形ですよね。
どうもこの一件、発端として民主党の長尾たかし議員からの内部情報発信などが拡散し騒ぎになってきたようなんですが、西村幸祐氏がツイートで拡散した長尾議員のメッセージを引用してみましょう。

重大な事実が分かった。
国民向けTPP資料には、「公的医療保険制度は(TPP議論の)対象になっていない」と明記していた。我々議員にも繰り返しそのような説明がなされていた。医療保険制度自体を交渉するTPPの「金融サービス分野」では議論の対象とはなっていないというもので、実は別の分野である、「物品市場アクセス分野」で取り上げられる可能性を厚生労働大臣が認めたのだ。ではこれをいつ認識したのか。なんと、9月16日に「米国政府が公的医療保険の運用で自由化を求める声明」を、大臣は外務省を通じて受け取っていたのだ。

いや、確かに「金融サービス分野」では議論の対象となっていないにしても、「物品市場アクセス分野」では取り上げられそうだと言うのであればさすがに議論の対象外は詭弁もいいところですが、どうもこういう意図的な隠蔽工作まがいのことをやってのけたというのは指導力を発揮し切れていない小宮山厚労相というよりは、官僚主導でやっていることのように思えますね。
TPP交渉の是非に加えて皆保険制度を交渉に入れるかどうかといった話はまだまだ大変な議論にならざるを得ないところだと思いますが、こういう意図的な情報隠蔽と受け取るしかないような策を弄してまで勝手に話を進めていこうということであれば、やはりそれは公平な議論の結果出てきた結論とは到底言えないものでしょう。
これだけでも「皆保険制度は金科玉条」という日医にとっては頭に血が上りそうな話だろうなとは容易に想像出来ますけれども(苦笑)、このところさらに日医の老幹部の皆様方の血圧を跳ね上げそうな話が出てきているというのですから彼らの健康状態が懸念されますよね。

診療報酬引き下げ検討 12年度、賃金低迷とデフレで(2011年11月1日47ニュース)

 政府、民主党は1日、公的医療保険から病院や薬局などに支払われる診療報酬について、2012年度改定で引き下げることを視野に検討に入った。賃金の低迷が続き、デフレ脱却のめども立たないため、医療機関の収入増を図ることに国民の理解を得るのは難しいと判断した。東日本大震災からの復興に巨額の費用が見込まれ、医療費の一部を負担する国の財政が逼迫している事情もある。

 ただ、党の厚生労働部門を中心に、プラス改定を主張する意見も根強く、年末の予算編成まで激しい折衝が続きそうだ。

 医療費の財源は保険料が49%、税が37%、患者負担は14%。

何しろ震災後あちらでもこちらでも復興関連の予算をどうやって捻出しようかと大騒ぎになっている中で、放っておいても年々自然増加が見込まれる医療費だけをさらに積極的にプラス改定ということになれば時期が悪いという考え方は理解できます。
このあたりは長年続いてきた医療費削減政策との絡みで、日医の自民党から民主党への歴史的乗り換えたことが政権交代の象徴とも言われただけに、今更民主党政権から「やっぱり医療費は引き下げます」と言われても「それは話が違う」と言いたくもなるでしょうが、同時に医療崩壊などに国民の関心が集まる中でこの医療費問題もまた国民の関心を呼ばざるを得ないでしょうね。
とりわけ昨今では日本社会全体がワープア化が進んでいる中で、特に貧困化にあえぐ若年労働世代において諸政策のメッセージ性が非常に注目を集めるようになってきていますけれども、厚労省もマスコミ諸社を通じて一斉にこうしたニュースを発信してきているあたりがなんとも判りやすい世論対策の構図かなという気がします。

病院の平均収支、大幅改善…診療報酬改定効果か(2011年11月2日読売新聞)

 厚生労働省は2日の中央社会保険医療協議会で、6月に実施した医療経済実態調査を報告した。

 医療法人や国公立を含む一般病院(病床数20以上)について、収入から経費を差し引いた月額の平均収支は、2009年6月に1249万円の赤字だったのに対し、11年6月は140万円の黒字と大幅に収支が改善した。

 年度単位で一般病院の平均収支をみると、10年度も赤字だが、赤字幅は大幅に縮小した。赤字額は09年度の7686万円が、10年度は354万円だった。

 調査は診療報酬改定の参考にするため、2年に1回実施。一般病院の平均収支の改善は、10年度の診療報酬のプラス改定により、救急医療、産科、小児科などに手厚い配分を行った効果が表れたものとみられる。開業医である一般診療所院長の10年度平均年収は2755万2419円で、病院勤務医の1447万7620円の1・9倍だった。

診療報酬のプラス改定影響、病院の赤字縮小 厚労省調査(2011年11月2日朝日新聞)

 厚生労働省は2日、病院や診療所の経営状況を調べた最新の医療経済実態調査の結果を公表した。2010年度は前年度に比べ、一般病院(介護収益が2%未満)で利益率がマイナス2.5%からマイナス0.1%に改善。診療所でもプラス11.6%から12.1%に微増した。10年度に診療報酬が10年ぶりにプラス改定された影響とみられる。

 来年度の診療報酬改定を議論する中央社会保険医療協議会で示した。一般病院1施設あたりの赤字額は、7686万円から354万円に縮小。医療関係の収入が伸びた。診療報酬改定で病院の救急医療などに重点配分されたことが一因とみられる。診療所は高い利益水準を維持したが、黒字額は平均1498万円から1587万円の微増にとどまった

開業医の平均年収2755万円 前年度比0・5%増(2011年11月2日47ニュース)

 厚生労働省は2日、医療機関の経営状況などを調べた「医療経済実態調査」の結果を中央社会保険医療協議会に報告した。開業医が多い診療所(医療法人経営)の院長の2010年度の平均年収は2755万円と前年度より0・5%増えた。医師の年収は民間病院を除くと増加しており、おおむね待遇が改善していることが示された。

 実態調査は、診療報酬改定の前年に実施され、改定作業の基礎資料。地域や診療科によって医師不足が続いていることなどから、厚労省は12年度改定で、前回重視した産科や救急などに引き続き配慮するとともに、介護との連携を視野に在宅医療にも手厚く配分する方針。

特に日医を狙い撃ちするかのように開業医はまだまだこんなに大儲け!と連呼しているあたりが非常に判りやすいと言いますか、まあ日医からも例によって反論のコメントが出てくるのでしょうけれども(苦笑)、よくよく見れば民間病院医師の年収が伸びていないなど、単にアレな公立病院でようやく医師給与を引き上げただけの話かとも思える話です。
いずれにしても「このご時世にまたぞろ医者だけはこんなに儲けている!国民の金で養ってもらっているくせに何ともケシカランじゃないか!」なんて投書欄が目に浮かぶような話ですし、実際にそうした国民世論を喚起するのがまさに厚労省の狙いなのでしょうけれども、日医など医療系団体にしても診療報酬プラス改定で医療機関の収支が改善しつつあるということまでは異論がないわけですよね。
前述のメッセージ性ということを考えれば、国民の方を向いて「やっぱり医療費だけは特例で増やします」とは言いにくい、一方でせっかく優良支持母体として新規獲得した日医の方を向かっては「いやあ、プラス改訂は無理でした」とも言いにくい、となればおそらく両睨みでの妥当な落としどころとしてプラマイゼロに限りなく近い自然増加分だけの改訂というシナリオになるのかなという気がしています。
ただこうした国民の批判の声と財政上の要請をどちらもクリアしながら、なおかつ医療機関側では今まで以上の収入を得られる(可能性がある)道があって、それこそが他ならぬ国民皆保険制度の見直しによって混合診療なり自由診療なり、公費を使わない私費の診療で医業収入を稼いでいく道であるというのは非常に象徴的かなという気がします。

TPP参加の議論はもちろん各方面に諸説あるところだろうし、賛成派反対派どちらの言うことにも一理あっていずれかが正解、他方が間違いということもないんだと思いますが、一方でTPPに強硬反対している中心勢力が医療や農業分野といった、いわば現代日本でそろそろどうしようもないほど行き詰まってしまっている気配が強い領域であることが象徴的ですよね。
国民全体にしても日本がどうも具合が悪くなってきているという漠然とした気配を感じている、そしてそれを打開するためには今までとまるっきり異なった発想で旧体制を根本からひっくり返すような改革を続けていくしかないと薄々理解はしている中で、何となく不安ではあるけれどもTPPくらいの衝撃がないことには明治維新や戦後のような一大転換はなし得ないんじゃないかと言う気も実はしているのかも知れません。
将来的に国が保険診療にこれ以上金は出せない時代となり、例えばどんな診療行為をやっても100円ぽっきりの定額性なんてとんでもない診療報酬体系が設定され保険診療機関が続々と潰れている、一方でいち早く民間保険併用の自由診療に移行した医療機関は我が世の春を謳歌しているという状況になったとしても、相変わらず日医は「国民皆保険制度死守!混合診療絶対反対!」と叫び続けるつもりでしょうか。

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2011年11月 3日 (木)

今日のぐり:「餃子の王将 東岡山店」

先の震災と言えば今も大きな被害が残っていますが、その震災被災地のために一肌脱ごうという企画が大阪から出てきたというニュースがこちらです。

巨大アヒル、再び出番 被災地癒すため一役/大阪(2011年10月20日朝日新聞)

 大阪・中之島の水面に浮かんで人気をあつめた巨大アヒルが、今度は東日本大震災の復興支援に一役かう。22日からのチャリティー展示にあわせて限定グッズを販売し、支援金を被災地へ寄付する。

 アヒルは、大阪市の不動産会社「千島土地」が、オランダの新進芸術家フロレンタイン・ホフマンさんに発注してうまれた、身長9.5メートルのオブジェ。「ラバー・ダック」という名前で2009年の夏に初登場し、愛らしい姿が人気を呼んだ。

 震災後、このアヒルで被災地を応援できないかと会社側が考え、今回の企画に結びついた。ホフマンさんも「ラバー・ダックは国境は関係なく、人を癒やす力を持っている。日本の人々に、特にこの困難な時期に必要とされる力を与えることを望んでいます」とのメッセージを寄せた。

 展示は22~30日、中之島公園のバラ園付近で。支援グッズは、ホフマンさんのメッセージ入りのレプリカ(1500円)とTシャツ(3千円)の2種類で、会場近くで販売される。それぞれ500円の支援金が含まれ、同社も同額の500円を加えて1点につき千円を寄付する。販売は、午前10時~午後9時(平日午後2時~3時、土・日曜午後5時~6時は休止)の予定。詳しくはホームページ(http://www.chishimatochi.com/)へ。(尾崎千裕)

「ラバー・ダックは国境は関係なく、人を癒やす力を持っている」とは一体何のことやらと知らない人なら誰でも疑問符でしょうが、実際の画像を見てみると(【画像1】【画像2】【画像3】)人を癒す力はともかく、何かしらものすごい精神的衝撃力はありそうな感じですよね。
今日はラバーダックの活躍によって被災地の人々が心癒されることを祈願して、世界各地からある日突然人に降りかかった危機的状況に関する話題というものを取り上げてみたいと思いますが、まずは文字通り奇跡の生還というこちらのニュースからいってみましょう。

献花に出る日、漁船から転落の父1週間ぶり戻る/三重(2011年10月9日読売新聞)

 三重県志摩市御座岬沖の海上で漁船から転落し、今月2日から行方不明になった同県南伊勢町五ヶ所浦、漁業近藤翼たすくさん(68)が9日朝、同町阿曽浦漁港付近で1週間ぶりに保護された。

 鳥羽海上保安部の発表によると、近藤さんは2日午前11時半頃、足を滑らせて船から転落した。流木2本につかまって泳ぎ、同日夜に約13キロ離れた南伊勢町阿曽浦の海岸に漂着したが、周りは険しい岩場と山林で、近藤さんは雨水などを飲みながら、山中をさまよっていたという。9日午前6時頃、漂着した海岸から2キロほど離れた阿曽浦漁港付近の路上で住民が見つけた。

 近藤さんにけがなどはなく、命にも別条はないが、衰弱しているため2~3日入院するという。近藤さんの家族は同日朝、1週間近くたっても見つからないことから、行方不明になった現場海域に漁船に乗って献花に出かけるところだった。

まあこのお年でよく無事に帰ってこられたものだと感心するやら驚くやらですが、これでうっかり葬儀まで済まされてしまっているとまた大変なことになっていたかも知れないですよね。
一見するといつもの大分合同かというのがこちらのニュースですが、まずは記事から紹介してみましょう。

「けがさせぬ」はしご車からネコ救出/大分(2011年10月22日大分合同新聞)

 先日の昼、大分市中央消防署の駐車場に止めていた救急車からネコの鳴き声が聞こえてきた。署員がボンネットの中にいるネコを見つけたが、かみつこうとし、逃げ出した。夕方、再び署員が駐車場にいくと、はしご車の方から、またネコの鳴き声。下からのぞき込んだが、姿が見えない。エンジンの隙間に入り込んでいるらしいが、確認するためにははしごを動かさなければならない。エンジンをかけると、ネコがけがをする可能性があるため、エンジンをかけずに、はしごを動かし救出した。「ネコが入り込んだ状態ではしご車の出動がなくてよかった」と署員。

例によって例のごとくな大分合同のイラストでは全く危機感が伝わってきませんが、ネコという生き物は暖かい場所を好むせいかエンジンのあたりに潜り込みたがる性質があるようで、特にエンジン周りに隙間の多い古い車などでは「ボンネットを開けてみると何故か血まみれの毛皮の断片が」なんて大惨事に発展することもあるため注意が必要なのですね。
こちら一見すると日本のニュースか?とも思えるような話ですが、実ははるか地球の裏側での出来事だというのですから万国共通の危機ということなのでしょうか。

世話に疲れた両親、41歳息子の別居求め法廷へ/イタリア (2011年9月22日CNN)

(CNN) イタリアの地元メディアによると、41歳の息子を自宅で世話することに疲れたベネチア在住の両親が弁護士を雇い、6日内に実家を離れるよう求める措置に訴えた。弁護士は、息子がこれに応じない場合、法廷闘争に持ち込むと通告している。

父親によると、息子はまともな職に就きながら実家に住み続け、衣類の洗濯やアイロンがけや、食事の用意などを「要求」、実家を離れる意思はないことも示しているという。地元メディアは息子の性格についてきついところがあると伝えている。

父親は息子の世話にもう疲れ果てたとし、母親はストレスがたまり入院を強いられる事態にもなった。弁護士は息子に手紙を送り付け、6日内に家を離れなければ、両親の保護措置を求め裁判所に訴えるとしている。

イタリアでは成人した子どもが実家に住み続ける例が多く、社会的な論議も招いている。2002年には、「母親っ子」を含む成人した子どもは無期限に両親に頼って生活出来るとの判決も出ていた。

しかし成人した子供のすねかじりを無期限に認めるなどと、どこの国でもトンデモ判決は…とも思ってしまいそうな話ですが、単に消極的な引きこもりではなく積極的な確信犯として寄生しているということになると確かにそれは問題ですよね。
楽しんでいたはずがいつの間にやら悲劇になっていたというのは恐怖映画のパターンですが、こちらも思いがけない結末を迎えてしまったようです。

楽しいはずの迷路で迷子に、警察に救助求めた家族/米(2011年10月13日AFP)

【10月13日 AFP】米マサチューセッツ(Massachusetts)州で10日、トウモロコシ畑に作られた迷路で、子供連れの家族が迷路から出られなくなり、携帯電話で警察に助けをもとめるという事件があった。

 同州のコナーズ農園(Connors Farm)で、生後3か月の乳児を含む4人家族はトウモロコシ迷路を楽しんでいた。だが、日が暮れて周囲が暗くなっても、まだ出口を見つけることができず、一家はパニックに陥り、妻は緊急電話番号にダイヤルし救助を求めた。

 地元テレビは、妻と緊急電話担当者との通話記録を放映している。

妻:「ほんとに怖いんです。もう真っ暗で」

オペレーター:「とにかく落ち着いてください。ご主人も一緒にいるんですよね」

妻:「ええ、でも赤ちゃんが」

 通報をうけ、救助犬とともに迷路に急行した警察は、難なく迷路の出口から8メートルほどの地点にいた家族を発見。一家は全員、無事救出された。

 同農園の経営者リッチ・ポター(Rich Potter)さんは、背が高く成長するトウモロコシの収穫にあわせて、毎年、迷路を作っている。オペレーターとの会話では、一家の妻も「面白そうだと思ったんだけれど」と話している。

 ポターさんは、「この家族はもう2度と来てくれないだろうね」と地元紙に語った。

ま、たった8メートルとは言っても実際には色々と障壁があって出るに出られなかったのでしょうが、しかしそこまでの巨大迷路を農場に作ってしまうあたりがヤンキーの凄さというべきか馬鹿馬鹿しさと言うべきか何とも微妙ですよね。
明らかにそれはちょっとどうなのよ?という危機的状況であるにも関わらず、まあそのくらいはありか…と思えてしまうのがこちら中国というお国柄でしょうか。

旅行中、自宅が「間違いで」取り壊しに=昆明市/中国(2011年10月20日大紀元)

 【大紀元日本10月20日】家族旅行中に、自宅が「間違い」で取り壊された。そんな事件が今月4日、雲南省昆明市で起きた。

 雲南日報によると、被害を受けた張清さんが住む昆明市龍泉路中馬村は今年6月、市当局から立ち退き改築地区に指定された。しかし、張さんはこれまで業者と一度しか面談しておらず、立ち退きに関する補償問題の協議には至っていない。ところが4日、張さんが家族と旅行に出かけている間に、近所の人から、自宅が取り壊されたことを知らされた。急いで戻った張さんが目にしたのは、瓦礫と化した3階建ての自宅の1階部分のみだった。

 「(業者から)電話1本もらっていない。いない間にこっそり取り壊すなんて!家具や電気製品も壊された。少なくとも100万元の損を蒙った」と張さんは憤慨する。

 張さんの訴えに対して9日、地元当局は、張さんの家を取り壊したのは業者の作業ミスだったと弁明した。「建築業者は番地を間違えたようだ。村民の損失は業者が賠償する」という。

 「間違った、なんて誰が信じるか」「既成事実を作り上げてから賠償金の協議を無理矢理させる。いつものやり方だ」。インターネット上の書き込みには当局の説明は信用できないとするものが多い。

 「賠償金の話よりも、先に家を元通りにしてほしい」と張清さんの怒りは収まらない。

しかしこの話を見ていて思うのは、何しろ中国だけに間違いでも何でもなく確信犯的にやってしまっている可能性もあるということですよね…
嘘のような本当の話という言葉がありますが、こちらどこからどう見ても危機的状況ではないか?というのがオーストラリアのゴルフ場です。

冗談だろう!?ゴルフ場の池に人食いザメが棲みつく…/豪(2011年10月11日サーチナ)

ゴルフ場の池から覗いて見えるのは……なんとサメの背びれ!
冗談みたいな写真ですが、実際にオーストラリアのゴルフ場にサメが棲みついてしまったそうです。

ゴルファーにとって池ポチャは怖いものですが、別の意味でも恐怖のコースだと話題を集めています。

オーストラリア・ブリスベーンにあるクイーンズランド・ゴルフコースでは、14番コースの中央にある池に、オオメジロザメがいるそうです。
メジロザメは淡水でも適応でき、人を襲う最も獰猛なサメの一種として知られています。
6匹ほどいて、水面からヒレを出して泳ぎまわる姿が普通に見られるそうで、2.5~3メートルくらいとかなりのサイズ。

この池にサメがいる理由ですが、数年前に洪水が起きたときに川の堤防が壊れ、そのときに入り込んだとみられています。その後水かさが減ったことで閉じ込められ、そのまま棲みついてしまったのです。
それから成長し、繁殖して数も増えました。池の構造上、目の前で泳いでいるサメを見ることができるそうです。

カーブルック・ゴルフクラブのマネージャー、スコット・ワグスタッフ氏によると、今のところ特別な問題は起きておらず、むしろコースの名物として肯定的に捉えているとのことで、ワグスタッフ氏自身もサメを好きになりつつあると述べています。
池には他の魚も豊富に生息していますが、時折エサの肉を投げ入れたりしているとのこと。
なんともスリリングなゴルフ場ですが、このコースなら池ポチャの数は減るのか気になるところです。

サメの映像は以下よりどうぞ。
Carbrook Golf Club Shark in the Lake - YouTube

いやしかし、元記事やリンク先の映像を見る限りでもこれはありなのか?と思ってしまうような状況ですが、この調子で増えていった挙げ句にはいずれ餌代も大変なことになるでしょうに、その際にはオージー名物のカンガルー肉でも与えることになるのでしょうか?
さて、いよいよ真打ブリ発のニュースに取りかかるとして、ブリと言えばかの殺人許可証を持つ大物スパイをはじめとして権謀術数の国というイメージがありますが、一方でこんな調子で大丈夫なのか?とも思えるのがこちらのニュースです。

英閣僚、公園のごみ箱に公式文書捨てる/英(2011年10月14日AFP)

【10月14日 AFP】英キャメロン政権の閣僚が、ロンドンの首相官邸近くの公園のごみ箱に、破った公式文書を捨てている写真が大衆紙に掲載され、スキャンダルとなっている。

 英ロンドン中心部、首相官邸のあるダウニング街(Downing Street)からほど近いセントジェームズ公園(St James's Park)で、携帯電話をかけながら公式文書を破り捨てている写真を英紙デイリー・ミラー(Daily Mirror)に掲載されたのは、キャメロン内閣のオリバー・レトウィン(Oliver Letwin)国務相(政策助言担当)。

 捨てられた文書の中には、英当局のテロリスト容疑者の尋問方法に関するものも含まれ、英情報機関の上層部が尋問への英国の関与について「真実の究明に失敗した」経緯が説明されているものもあった。また、有権者の住所や電話番号などの個人情報の詳細が記された文書もあった。

 与党保守党のレトウィン国務相の広報担当は、機密保護違反にはあたらないとし、「オリバー・レトウィン氏は出勤途上に度々、同公園内で議会の連絡や支持者との通信を行うことがあり、時に公園内に文書を捨てることがあった。しかし、扱いに慎重を要する類の文書ではない」と擁護している。

 レトウィン国務相はデービッド・キャメロン(David Cameron)首相に対し、英政府の政策の広範囲にわたって助言を与える任にあり、政府の最も機密度の高い文書にも接することができる。

ま、地の部分でこれだけ抜けているからこそ陰謀を巡らせる楽しみもあるということなのかも知れませんが、しかし何故こんな軽率な行為に走るのかと考えてしまうのはまだブリ的思考法に習熟していないということなんでしょうね。
傾いているが故に有名なのがご存知ピサの斜塔ですが、こちら傾いてはならないものが傾いてしまうとどうなるのかというニュースです。

「ロンドンの斜塔」誕生か、ビッグベンの傾きが顕著に/英(2011年10月11日ロイター)

 [ロンドン 10日 ロイター] ロンドン名物で「ビッグベン」の愛称で知られる英国議会の時計台が目に見えて傾いていることが、議会当局などによって委託された調査報告書で明らかとなった。

ロンドンのビッグベンで文字盤の調査実施、高さ70メートル

 報告書によると、1858年に建設された高さ96メートルのビッグベンは、北西の方向に傾いているという。インペリアル・カレッジ・ロンドンのジョン・バーランド名誉教授は英サンデー・テレグラフ紙に対し、「議会広場から川に向かって東を見ると、傾いているのが目に見えて分かる」と語った。

 2003年以降、傾斜の度合いは年間0.9ミリと、それまでの平均0.65ミリを上回っている。ただ、危険なレベルではないという。バーランド名誉教授は「傾きの度合いが増すようであれば対処しなくてはならないが、向こう数年はその心配はないだろう」との見方を示した。

 ビッグベンの傾斜は地盤状態の変化のほか、地下駐車場の建設や地下鉄の拡張など、長年にわたる地下開発が原因とみられている。

傾いて見えるのは単なる目の錯覚ではなかったということなんですが、しかし町中でこの高さの塔が崩れるようなことになると…まさしくブリ的な光景が見られるということですよね?!
最後にこちら、あまりに傾きすぎた結果すでに回復不能に陥っているのでは?とも噂されるのがなんと軍だということですから困ったものです。

ここは倒産寸前の会社?=士官の士気、最低-英軍調査/英(2011年9月17日時事ドットコム)

 【ロンドン時事】「賃金、手当のカットにとどまらず、クビ切りまでしている(倒産寸前の)会社のようだ」-。英国防省が軍人を対象に実施した今年の調査で、士官クラスの士気が過去最低を記録していることが明らかになった。
 英国では金融危機を受けて支出削減が最優先課題で、アフガニスタンやリビアで「戦闘継続中」の軍も例外ではない。英紙サンデー・テレグラフによると、こうした結果、士気が低下していると半数以上の士官クラスが調査で回答した。
 とりわけ空軍でその傾向が顕著となっており、士気が高いと答えた士官はわずか2%。70%は「低い」と述べた。海軍と陸軍でも「低い」と答えた士官は、それぞれ59%、48%に達したという。
 ある上級将校は「これほどの士気低下は見たことがない」と嘆き、「(倒産寸前の)会社で働いているようなもので、組織にとどまる理由に疑問を感じている」と指摘。「しかも軍人は何かあれば戦地に赴き、命を投げ出すことが求められる」と不満げに語った。

何しろ世界中どこででもホームシックにかからずに仕事が出来るようにと、兵士達にはまずいと噂のブリ飯の中でもとびきりブリ的な精粋を与えてきたとも噂されるブリ軍の事ですから、むしろこの程度の逆境は「ん?どうも紅茶成分が不足しているのではないかね?」の一言で済んでしまいそうではありますけれどもね。
しかし士気の向上し意気軒昂なブリ軍と言うのも何しろ核兵器まで持っているだけに何とかに刃物と言うのでしょうか、果たして諸外国からして望ましいことなのかどうなのか微妙ですが…

今日のぐり:「餃子の王将 東岡山店」

王将と言えば京都と大阪がありますが、こちらは京都系列餃子の王将、それもかなり昔ながらのという風情を漂わせている店構えで、店内に入っても客層からして昨今のおしゃれっぽい若者も入るような新規店とは一線を画しますよね。
王将と言えば基本となるレギュラーメニュー以外の料理やセットなどは各店舗の自由裁量に任せられていて、こちらでも壁の張り紙を見ていると宴会用のセットなるものがあるそうなんですが、これがなにやらまともな店でコースが食えるような値段なんですね。
さすがに王将でその価格設定は無理がないか?と思ってよくよく見ましたら、どうやら4~5人前でこの値段ということらしく、それなら一人あたりでそう高いものではないと言うことなのでしょう。

余談はともかくとして、今回は東岡山店オリジナルメニューの中から季節物の茄子定食なるものを頼んで見たのですが、よくある麻婆茄子やオイスター系の炒め物ではなくてスイートサワー系の肉野菜炒めというところにまず意表を突かれましたね。
茄子以外にも色々と野菜も入っているし、味も炒めも特記すべきところはないにしろ量はたっぷりあるのでおかずとしては十分で、見るからに油たっぷりギトギトというのを気にしなければランチとしてそう不満はないものでした。
これについてくる汁が味噌汁と言うのも定食屋的な感じで中華料理屋としてどうなんだかと思うのですが、おもしろいのは同じ定食メニューでも回鍋肉だとスープになったりと、味噌汁と中華スープとが入り乱れているというのはどういう基準で決められているのでしょうか?
量は結構たっぷりついてくるご飯の方は昔ながらの王将の味という感じであまり質の良くないご飯を軟らかめに炊いて、しかも炊きあがり後の扱いも感心しないというものですが、王将の場合チャーハンなどは例の専用品を使うようですからもう少し白飯として魅力あるものに仕上げていただけるとうれしいかなといつも思いますね。

近頃の新規出店では妙にファミレス的になっているところもありますが、こちらの接遇はまさに昔ながらの町の中華料理屋という感じで、お客様何名でしょうか?お煙草は?なんてやりとりは一切ありません。
そのかわりに見るからにそれっぽいおばちゃ…もとい、おねえさんがどこか疲れた風情で対応してくれるのですが、こういう町中のチェーン店でこういう緩い接遇を残しているというのも今やむしろ味というものですよね。
かつて関西あたりの見知らぬ下町で昼飯はどこに入ったものかとさんざん迷った挙げ句、結局裏通りの小さな小さな王将で餃子にチャーハンなんて食べた経験のある身としては、やはり王将ってこうでないとなんて妙にノスタルジーすら誘われる原点回帰の店ではありました。

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2011年11月 2日 (水)

お金持ちへの一方的な優遇政策は見直すべき時期では?

先日以来相次いで「高齢者に厳しい」という性索が検討されているというニュースが流れていますが、まずはこちらの記事をまずご覧いただきましょう。

70~74歳の医療費2割負担に 市販類似薬全額自己負担も 厚労省提案(2011年10月26日産経ニュース)

 厚生労働省は26日、70~74歳の医療費窓口負担について現行の1割から2割に引き上げる案を社会保障審議会医療保険部会に提示した。かぜ薬や湿布薬など市販薬と類似する医薬品を医療機関が処方した場合、公的医療保険の適用外として全額を患者の自己負担とする案も示した。ただ、70~74歳の自己負担を2割に引き上げる案には民主党内に反対論が強く、実現するかは不透明だ。

 2割負担への引き上げについては、新たに70歳になる人から順次適用し、5年間で完全移行させる。

 70~74歳の2割負担は平成18年に成立した医療制度改革法に盛られたが、自公政権が翌年の参院選で敗北したため実施を凍結した。その後の政権も特例措置を継続しており、実施予定の20年から3年間1割負担に据え置かれたままだ。

 政府は、1割負担維持のため毎年約2千億円の税金を投入している。厚労省は高齢化で悪化する医療保険財政の立て直しには特例措置の撤廃が必要としており、25年度からの実施を目指している。市販品類似薬の全額自己負担も医療給付費を抑える狙いがある。

 2割負担案は、政府与党による6月の「社会保障と税の一体改革」議論の中で浮上。しかし、民主党の調査会で反対論が相次ぎ、最終案で「自己負担割合の見直し」との表現に後退した経緯がある。

 現在の医療費の窓口負担は69歳以下が3割(乳幼児は2割)、70歳以上は1割(現役並み所得者は3割)

介護保険:一部2割負担案示す 民主反対で昨年見送り--厚労省(2011年11月1日毎日新聞)

 厚生労働省は31日の社会保障審議会介護保険部会に、介護費の自己負担割合について、一定所得以上の人は今の1割から2割に引き上げるなどの給付抑制策を示した。ただ、いずれも12年度実施を想定しながら民主党の反対で昨年末に法案化を見送ったものばかり。「リベンジ」を狙う同省は次は12年度途中以降の導入を目指すが、同党の反発を招いた状況に変わりはない。

 同日示された給付抑制策は、年収320万~380万円程度以上の人の自己負担割合を2割に▽ケアプラン(介護計画)作成に自己負担導入▽低所得の施設利用者に食費、居住費を補助する補足給付の支給を厳格化▽相部屋の施設入居者から室料を徴収▽生活援助などの軽度者の自己負担割合を1割から2割に引き上げ--など。

 厚労省は昨年11月にも同部会に同じ案を示したが、異論が相次ぎ、意見書には賛否両論が記された。民主党でも反対が噴出し、結局同省は12月、12年度当初の実施は諦めた。

 給付費は膨らむ一方で、65歳以上の月額平均保険料(現在4160円)は来年度に5000円を超える可能性がある。このままでは負担困難な額になりかねず、同省は見送りから1年足らずで同じ策を部会に持ち出す異例の対応に出た。だが、31日は理解を示す意見もあったものの、「介護保険を遠ざける」といった慎重論が重ねて出された。一方、同日は40~64歳の介護保険料を、12年度から収入に応じて徴収する「総報酬割り」とする案も示された。【山田夢留】

高齢者負担が引き上げ!なんて言われると大変な高齢者冷遇のように聞こえますが、医療費窓口負担にしても若年者の3割負担に対して高齢者が1割であったものが2割になるだけですから、未だに年金問題といい高齢者ばかりが優遇される現状には変わりがないとも言えそうです。
そもそもこの窓口負担の話も介護保険の自己負担の話もとっくの昔に是正していてしかるべきところを、選挙がらみでズルズルと先延ばしにされてきたというのはまさしく老人票の強さというものを感じずにはいられませんが、高度成長期からバブルを経て大いに儲け続けた現高齢者世代という「金満層」が、ワープア化にあえぐ若年貧困層の一方的な犠牲の上にあぐらをかく構図というのは社会正義の上でも疑問の余地なしとしないでしょう。
先日も年金支給に関して支給年齢引き上げの話題が出ていましたが、これまたよくよく聞いてみれば若年層にばかり一方的な損になる話だというのですから困ったものですよね。

年金70歳引き上げで45歳以下は払い損、高齢世代は“年金天国”(2011年10月24日NEWSポストセブン)

野田内閣が推し進める増税と年金支給年齢の引き上げ。7月に閣議了解された『社会保障と税の一体改革案』では、現在65歳の年金支給開始年齢を「68~70歳」へ引き上げることが盛り込まれており、小宮山洋子・厚労相は、早速、社会保障審議会年金部会に具体案を提示して最大70歳支給への制度改革の検討を指示した。

今回の年金改訂で見逃せないのは、「世代間格差」が大きく広がることだ。
すでに年金支給を受けている「団塊の世代」より上の年齢層は多額の年金で老後の生活を保障される。対して、現役サラリーマン世代は給料から天引きされる年金保険料より受け取る年金額が少ないという「払い損現象」が起きる。

厚労省が5年ごとに行なっている年金の財政検証(2009年版)の平均モデルで比較すると、現在75歳の厚生年金受給者は、サラリーマン時代に総額1800万円(労使合計)の保険料を支払い、平均寿命までに総額5600万円の年金を受け取ることができる。年金給付倍率は「3.25倍」だ。
65歳の場合も、保険料2400万円支払って年金は4700万円。給付倍率は約2倍で、まだ得する世代であることがわかる。
だが、50歳代から下は改悪のあおりをモロに受ける。例えば55歳のサラリーマンは、現行制度なら3600万円の保険料に対して年金総額は5100万円とやや上回る(1.45倍)ものの、即「70歳支給」に切り替えられたとすると、そこから1000万円ほど減額され、年金総額は4100万円まで下がる計算になる。
現在45歳の現役サラリーマンが損得分岐点に立っている世代だ。保険料4800万円で受給額は5900万円(1.15倍)だが、70歳支給になると4900万円に減り、保険料を“タンス預金”したのとほとんど変わらなくなる
この世代より下は確実に払い損になる。

なぜ、給付倍率に大きな格差が生まれるのか。
現在45歳のサラリーマンが社会に出た1985年に、基礎年金制度が導入され、20歳以上の国民全員が強制的に年金に加入することになった。専業主婦の第3号被保険者制度(配偶者が厚生年金や共済組合に加入している専業主婦は保険料を払わない国民年金第3号被保険者として取り扱われる制度)もこのとき始まった。
ちょうどその年に退職した世代(現在85歳)の厚生年金支給額は、平均加入期間32年で夫婦合わせて月額17万3100円。現役時代の平均月収の68%に達していた。今より多い。それほど支給基準が高かった。
制度がそのままであれば、当時の新入社員(現在45歳)が40年勤務して定年を迎えるとき、夫婦(妻が国民年金40年加入の場合)合わせると現役時代の平均月収の108%の年金をもらえて悠々自適の生活が約束されていた。それが現実には、官僚の手で現役時代月収の4割にまで落ち込んだ

年金制度に詳しい社会保険労務士の北村庄吾氏はこう指摘する。
現在の70~80代は“年金天国”です。そのしわ寄せがすべて現役世代にツケ回しされた。企業では退職年金などの財政が悪化すると、現役社員だけではなく、OBの年金支給額を減らして公平に負担するやり方が行なわれているのに、公的年金は世代間の負担の公平が全くない
理由は選挙です。現在の年金受給者は団塊の世代を中心にざっと3500万人いる。年金額を減らすといえば、その政権は猛反発を受ける。だから時の政権は高齢者を優遇し、投票率の低い若い世代を虐げる。今回の70歳支給はその最たるものです」

年金財政が豊かだった時代は自民党政権が年金をかさ上げして高齢者の票を買い、年金財政が悪化すると民主党は若い世代の負担で高齢者世代の年金を守ってやはり票を買う。
その結果、現役世代は高齢者の年金を負担するのに加えて、自分たちの世代の年金まで二重に負担させられるのである。

元はと言えばきちんと選挙にもいかなかった人々の自業自得という声も確かにありますが、しかしさすがにこうまで露骨な世代間格差をつけてまで高齢者を一方的に保護する必要があるのかと考えれば、むしろ若年世代並みなどと小さいことは言わず、医療や介護の最大の受益者である高齢者は若年世代以上に負担してもらってもよいのではないかなという気がしてきます。
とにもかくにも国民所得が減り、とりわけ若年世代において貧困化が進む日本という国において今もっともお金を持っているのが高齢者であるというのは明らかな現実であり、税制などでもそうですが持てる者が持たざる者のために少しばかりの余計な負担をするというのが現代社会では当たり前のコンセンサスですよね。
高齢者はお墓の中にまで資産を持って行くわけにはいかないのですから、遺産相続をどうしようかと悩まずともいいくらいにしっかりとお金を使っていってもらい、そしてそのお金で社会を回していかないことにはどうしようもない時代なのですから、いつまでも「年寄りは貧乏だから…」なんて根拠もない妄想に浸っていても仕方がないというものでしょう。
そしてしっかり高齢者から出してもらったお金で医療や介護をさらに充実させ若年世代の雇用と収入も確保し、民主党政権の言うところの医療・介護主導による経済成長戦略を実現できるならば、これは高齢者にとっても若年者にとってもwin-winの関係になる願ってもない話ではないでしょうか。

年金などもその典型ですけれども、基本的に国民全員が参加する前提で成り立っている制度であまりにも参加者を冷遇しすぎれば、制度から離脱した方が得だと考える人が続出し結局制度そのものが崩壊するということにもなりかねず、そうまでして一部の既得権所持層に特権的地位を保証していく意味があるのかと考えてみなければならないはずですよね。
もちろんそした持てる者を甘やかさない政策を実施する上で、いざお金が尽きて持たざる者となった高齢者はきちんと国が最後まで生活の面倒を見る必要があるのは当然で、そうしたセーフティネットが存在するという安心感があって初めて彼らも資産を使う気になるはずですから、国は併せてその方面の整備にも十分な仕事をしていってもらいたいところです。

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2011年11月 1日 (火)

無料ゲームサイト(の一部)が結構ヤバい?!

近頃では携帯向けのゲームサイトなどが非常に大きな需要があるようですが、先日何気なく出ていましたこちらの記事はすでにご覧になったでしょうか?

GREEのドリランドからメールが大量に来る 『ドリランド』アプリを削除しようとしたら「削除だめ」「停止も不可」(2011年10月29日ガジェット通信)

記者は1ヶ月以上ほど前に『東京ゲームショウ2011』の予備知識としてGREEの目玉ゲームでもある『探検ドリランド』を開始した。これはアプリを追加し登録することによって始めることができる。もちろん基本無料だが、ガチャによる課金やスタミナ回復薬、体力回復薬は有料となっている。1円も課金せず1ヶ月以上遊んだのだが、お誘いのメールが1日に30件以上来るのでそろそろ退会したくなってきたわけだ。
このゲームはキングモンスターというかなり強力な敵が出てくるのだが、1人では倒せないようになっており、討伐するには仲間を呼んで助けてもらうしかない。時間を掛けて倒しても良いのだが、いかんせんキングモンスターを倒す時間は2時間と限られている(2時間経過すると逃げてしまう)。
そのため前出にも書いた通り、お誘いのメールがわんさか来るのだ。

GREEのヘルプでこのお誘いメールだけ止めることができないのかと探したところ、受信範囲を「友達のみ」にすることによりメールの量が減るという。しかしこれでは根本的な解決にならないので『探検ドリランド』をやめることにした(というものの今時点で既に遊んでいない)。更にヘルプを漁っていくと驚くべき項目にたどり着く。

「探検ドリランドをやめたい場合はどうすればいいですか」という質問に対する回答だ。その回答は次のように書かれている。“探検ドリランドはGREEのサービスの一部として提供させて頂いております。※探検ドリランドのみを、やめることはできかねます。また、ご自身の利用中アプリから削除を行う機能はございません。

え、削除出来ないの? 一度登録したゲームアプリが削除できないって……。では、せめて利用停止とかできるんじゃ。そう思って別の項目もあさってみた。
どうやらGREEにはアプリ停止機能があるようだ。これにより一時的に遊ばないゲームを停止状態にすることが可能。この機能を使って『探検ドリランド』を停止にすれば万事解決だ。続きを読んでみると……“アプリの停止をご希望の場合は、携帯版GREEにて操作を行って下さい。)”と書いてある。いわゆるガラケーからしか利用停止ができないのだ。パソコン、スマートフォンユーザーは為す術無しである。

このまま毎日30通ものドリランドの勧誘メールを受け取らなくてはいけないのか……。一度アプリ登録したら削除(停止)出来ないという仕様は如何なものか? GREEは退会するにも一苦労させると話題になっているが、そこまでして辞めて欲しくないのだろうか。

なお『探検ドリランド』はGREE入会時にデフォルトで登録されているアプリではない。自ら登録するものである。上記のヘルプの文章だとまるでデフォルトで組み込まれているかのような書き方だ。

※上記で書いているアプリという言うのはiPhoneアプリではなく、GREE内アプリを指す。iPhone用のGREEアプリ及び探検ドリランドアプリは削除可能だが、削除後もメールは送られて来る

林檎教徒出身のiPhoneユーザーであればこの程度の面倒などは「仕様です」の一言で納得出来てしまう(?)のかも知れませんが、それにしてもずいぶんと念入りに面倒な仕様にしたものだなと言う気はしますよね。
記事中でも他にも問題が多々あることを匂わせているように、このGREEと言う会社はこうした「メールボム」だけでなく個人情報を垂れ流していると言う噂もまことしやかにささやかれていて、登録した途端にスパムメールがてんこ盛りだという経験談も数多くあるようです。
何しろGREEの公式FAQにおいてもこんな記載があるというのですから、うっかり一度登録してしまった場合には末代まで祟られることを覚悟するしかないということでしょうか。

利用中のアプリを停止することはできますか(GREE公式サイト)

(略)
※『釣り★スタ』『ハコニワ』『モンプラ』『海賊王国コロンブス』『探検ドリランド』は、削除を行うことはできかねます

探検ドリランドをやめたい場合はどうすればいいですか(GREE公式サイト)

探検ドリランドはGREEのサービスの一部として提供させていただいております。また、該当のゲームをご利用いただかない状態であっても、月額利用料金などは発生いたしません。ご安心ください。
探検ドリランドのみを、やめることはできかねます。また、ご自身の利用中のアプリから削除を行う機能はございません

いやあ、正直意味がわからない仕様と言いますかね…
ま、これで納得出来るという方だけがご利用いただくべきだというのも確かにその通りなのでしょうが、こういう情報をきちんと提供してからアプリ追加の是非を判断させていればFAQとして登録されるほどの問い合わせが来ることもなかったのではないでしょうかね?
このGREEの問題はこれだけにとどまらず、記事中にも少しばかり触れられているようにいったん入会すると退会するのも困難であるという事情もあって、むしろこちらの方が大変な問題として騒がれているのですね。

【参考】「正しい「退会理由」でないと退会できない」・・・『グリー』の退会引き止め方法がひどすぎる件(2011年10月3日はちま起稿)

【参考】退会しにくい? グリーとモバゲーの退会手続きを試してみた[訂正](2011年10月7日KOTAKU JAPAN)

何がどうなっているのか判りにくいかと思いますが、要するに退会しようと思うとまずいくつかの選択枝から退会理由を選ばなければならない仕様になっているのですが、ここで「間違った」選択枝を選ぶとそれに対する対処法のページに飛ばされてしまい、結局正解の選択枝を選ぶまで退会手続きが出来ないということなんですね。
昔懐かしのアドヴェンチャーゲームかよ!と思わず突っ込んでしまいますけれども、これまた公式サイトではきちんとFAQが用意されているというのですから全く改善する意志はないということなのでしょうね。

GREEを退会したいのですが、アンケートを選択しても退会することができないのはなぜですか(GREE公式サイト)

退会時のアンケートでは、退会せずに解決できる理由を選択した場合、設定方法などをご案内する画面へ移動します。それでも退会をご希望の場合は、アンケートにて一番適切な内容をご選択ください

正解を見つけるまでは退会できないというこのグリーの退会手続き、当然ながら各方面から不評どころの騒ぎではない非難の声が上がっていて、「そうまで会員を確保したいのか!」とさんざんな評判ですけれども、虚構新聞あたりでも「ソーシャルゲーム「グリー退会」、100万DLを最速突破」なんてネタにされるくらいですから終わっているというしかありません。
こうまで執拗に会員数を確保することはもちろん「会員なんだからちょっと使ってみようか」という需要を引き出すことにもつながるでしょうし、むろん額面会員数幾らで景気のいい数字を並べれば株価などにも好影響があると思われますし、また会員である間は個人情報なども会社の好きなように使っていいわけですから色々と副収入?も期待出来るということなのでしょう。
先日行われたゲーム開発者向けのオンラインゲーム開発に関する講演においても、基本的に顧客が課金アイテムを使ってくれなければ収入にならないオンライン無料ゲームのキモが語られていますけれども、とにかくネットワーク上でメールなどコミュニティ要素を取り入れて顧客が離れられないように「しがらみ」を作っていくということが非常に重要視されているようで、こうした販売戦略の一環として行われていることなのでしょうね。
しかしその結果このようにユーザーに大きな迷惑をかけているというのであれば、それは客商売の心がけとしてちょっとどうなのよという話でしょう。

表向き無料をうたっていながら、実際にはこうした課金によってユーザーから高いお金を巻き上げるというオンライン「無料」ゲームの問題に関してはすでに以前から指摘されていて、先日は消費者庁から景品表示法の違反対象となることが告示されたと言いますから、ようやくその危険性に社会も気付き始めた段階だと言ってもいいかもしれません。
中でもこのGREEという会社に関しては、かねて非出会い系サイトで子供が犯罪被害にあった場合の原因サイトとして突出しているというデータもあって、せっかく業界で努力して被害を減らした分をただ一社の激増で帳消しにしてしまい「特定の会社のせいでSNS全体が悪く見られると、一生懸命やっている事業者が救われない」などと同業他社からも批判されているとも言います。
さらには中の人にとってもGREEを退職しようとしたところ「辞めるなど許さない」「君は四人分の働きをしていたのだから四人分の金を払え」などと理不尽なことを言われたり、「IT エンジニアとして今後一定期間働かないこと(要約)」などという追加契約を要求されたりと大変な目にあっているという情報もありますから、世間ではなるほどそういう会社か…とどうしても見てしまいますよね。
高い広告費用を投じて何も知らない人たちをどんどん会員に取り込むのはよいとして、その結果ただ悪評だけを世間に広めているということになれば、これは長期的に見て経営上も決してプラスにはならないと思いますが、そうした部分の損得勘定もちゃんと考慮した上での確信犯でやっているのでしょうかね…

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