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2011年10月29日 (土)

読売vs自由報道協会 新たな遺恨が勃発

先日は恒例の新聞週間の集いが開かれたということですが、震災報道などとも絡んで既存メディアのあり方を問い直す発言が相次いだようです。

各地で新聞週間記念の集い(2010年10月25日日本新聞協会)より抜粋

 新聞協会や地元の報道各社が主催する新聞週間記念の集いが、今年も東京、大阪、名古屋、福岡の4地区で開かれた。各会場で講演やパネル討議などさまざまな催しが行われた。

 東京地区は10月21日、東京・内幸町のプレスセンターホールで開かれ、パネル討議「東日本大震災―求められる情報発信とは」に160人が参加した。毎日新聞社主筆の岸井成格氏、ジャーナリスト・農家・宇宙飛行士の秋山豊寛氏、ノンフィクション漫画家・コラムニストの井上きみどり氏が登壇。学習院大客員教授でフリーアナウンサーの八塩圭子氏がコーディネーターを務めた。

 福島第一原発から32キロ地点に暮らしていた秋山氏は、事故を受けて避難している。事故当時の報道について「どれくらい危険なのか分からなかった。不安をあおらないようにと統制されている印象だった」と不満を述べた。岸井氏は「統制はないが、誰が言っていることが正しいのか分からない状態だった」と話し、大丈夫と伝えても、危ないと伝えても混乱を招く状況だったと振り返った。

 また秋山氏は「科学記者はある程度の専門家でなければならない」と話した。今回の事故で、地震や原発の専門家への不信感が生まれたと指摘。「一般の人もテクノロジーリテラシーを養わなければならない。それを媒介するのが記者だ。メディアや記者は自立し、権力の監視役という役割に立ち返ってほしい」と強調した。

 岸井氏は今後の報道について、原発事故の収束、除染作業、新エネルギー政策を伝えていくことが柱になるとした上で、「同時に報道は歴史の評価や検証に耐え得るものでなければならない」と述べた。

 仙台市在住の井上氏は「被災体験の記事を読んでいると、美談で終わっていて傷つくことがある。その人のストーリーや感情をそのまま伝えてほしい」と訴えた。岸井氏は「取材する側は、こんなに希望を持っている人がいると伝えたくなる。その結果、取材された人が地域で浮いてしまうことがある」と答えた。
(略)

昨今様々な専門領域において捏造、誤報を垂れ流すメディアへの反撃が盛んになってきている状況を考えるとき、「科学記者はある程度の専門家でなければならない」とは全くその通りだと思いますし、そもそも対象に関する何らの知識もないまま報道するなどとはプロフェッショナルとして不勉強に過ぎると言うべきでしょう。
今の時代においてはネットなどを経由して各方面の専門家があっという間に報道の検証をしてしまうことから、彼らお得意の情報操作もおいそれとは通用しなくなってきていますが、例えばマスコミが平野復興担当相を「情報操作」によって辞任に追い込んだ問題に関しても、世間では6割の人々が発言は問題なかった、あの程度の発言で辞任する必要はないと言う感想を抱いていると言います。
無論、今どきマスコミお得意の情報操作に自ら引っかかろうと努力するかのような口の軽い政治家に対する正当な報いだという意見も一部にありますが、いずれにしてもほとんどの人間がマスコミのペン先一つでいわば国政の行方すらも好き勝手に操作される現状にようやく危機感を抱き始めたということですよね。
先日行われた民主党の小沢氏による記者会見においてもマスコミとの間に相当な確執があったようですが、野田総理にしてもぶら下がり取材は一切行わないという方針を固持していると言いますから、この調子でいくと政治家とマスコミとは遠からず完全対立路線を歩むことにもなりそうですが、そこにあらたなジャーナリズムの未来も見え隠れし始めています。

小沢元代表記者会見で読売記者へ激しい抗議(2011年10月27日読売新聞)

 20日行われた小沢一郎民主党元代表の記者会見で、資金管理団体「陸山会」の事件について質問をした読売新聞記者に、会見を主催したフリージャーナリストらが「司会者の指示に従わなかった」と激しく抗議する場面があった。
 その様子はインターネット上で生中継され、読売新聞にも問い合わせが相次いだ。記者は司会者に言われるまま質問を打ち切るべきか、それとも追及を続けるべきか。問題となった会見を検証する。

 ◆質疑応答◆

 会見を主催したのは、フリージャーナリストらで作る「自由報道協会」(東京都千代田区)。小沢元代表はこのところ、自身の考えを述べる場に、インターネットで生中継されるネットメディアを選ぶことが多い。
 会見の第1部は、市民から寄せられたとされる質問に元代表が答えるもので、これが終了した後、記者らによる質問の第2部が始まった。最初に司会者から指されたのが、読売新聞社会部の恒次(つねつぐ)徹記者だった。

 「小沢さんは政治資金規正法違反に関して、脱税とか汚職を伴わない場合は、実質的犯罪とは言えないとの考えを再三述べている。国民の判断を誤らせる虚偽記入があれば、実質的犯罪と言えるのではないか」

 これに元代表は「あなたの意見がちょっと違う」と述べたが、政治資金収支報告書で国民の判断を誤らせることが実質的な犯罪に当たるかどうかについて、明確な回答をしなかった。
 このため恒次記者は「例えば」と前置きし、投資家の判断を誤らせることになる有価証券報告書の虚偽記載罪を例に挙げて、なお見解をただそうとしたが、司会者が「この辺で区切らせていただきたい」と制した。ジャーナリストで同協会暫定代表の上杉隆氏らも、「ルール違反だ」と抗議した。恒次記者はその後も質問しようとしたが、「ルール守れよ」などの声が上がった
 恒次記者の質疑応答に要した時間は約4分30秒。その後、4人から質問があり、平均約5分を費やした。

 ◆生中継◆

 会見終了後、恒次記者は上杉氏とジャーナリストの岩上安身(いわかみやすみ)氏に詰め寄られ、抗議を受けた。さらに別室に移動し、上杉氏は「なめてんのか、この野郎」、岩上氏は「ど素人か」「質問の仕方がへたくそ」と言いながら、司会者に従わなかったことに怒りをあらわにした。この模様は約25分間、生中継された。
 翌21日、同協会から恒次記者あてに抗議文が届いた。〈1〉司会者の指示に従わなかった〈2〉ゲストスピーカーの言葉を遮って発言を続けた――の2点を挙げて、「記者会見上のルールを無視し、進行を妨げたことは誠に遺憾」としていた。

 ◆反響◆

 抗議の模様はその後も、動画サイトで閲覧でき、視聴する人が相次いだ。このほか、夕刊紙「日刊ゲンダイ」が22日付の紙面で、「小沢会見 読売記者“大暴れ”」の見出しで記事を掲載。抗議の模様について、「場外乱闘の大パニックに発展した」と報じた。
 読売新聞読者センターにも、動画を見た人から、電話とメールによる意見が141件(26日現在)寄せられた。会見直後は、ほとんど恒次記者に対する批判で、「読売バカ記者」「恥を知れ」と同じ文言のメールが多数あった。これに対し、「紳士的で冷静」「あれくらい聞くのが当然。大変だろうが、頑張ってほしい」と支持する意見も寄せられた。
 上杉氏は22日、「読売新聞記者に複数回『暴言』を吐き、協会の健全性を傷つけた」として暫定代表の辞任届を提出したが、同協会は受理しなかったという。

「ルール違反」の当事者である読売の記事を読んでいるだけでは恒次記者が正当な追求をしているところに突然主催者側が妨害を仕掛けてきたかのようにも見えるのがおもしろいのですが、記事に触れられている事後の騒動に関しての生中継なる部分はこちらを参照いただくとして、主催者側から批判されているのはせっかく小沢氏を呼んで場を設定したのに何らの意味もない禅問答を続けた点にもあるようですね。
実際の質疑応答の様子についてはまずこちらの中継動画あるいはその文字起こしをご参照いただければと思いますが、そもそも相手の発言を聞く意志もないのでは対話になっていないし、ただオレ流認識を言い立てるだけでは何ら会見の実も挙げられないのは当然ですから、確かに他人のイベントに相乗りさせてもらって冒頭からこんなことをやっていたのでは場を荒らすなと言われても仕方がないでしょう。
読売にしても十年一日の同じことしか言えないのでは小沢氏も同じことしか答えないのは判りきった話で、これではせっかく中継を見ていた国民は知りたいことも聞けないとイライラしてしまいますが、どうも読売に限らず旧来のメディアは相変わらずの判で押したようなことしか言えなかったという状況ではあったようです。

「ルール違反だろ!」小沢一郎会見で″場外乱闘″ 上杉隆氏らと読売記者が口論に(2011年10月20日BLOGOS)より抜粋

 10月20日、自由報道協会が主催した小沢一郎・民主党元代表の記者会見で“場外乱闘”が勃発した。司会の進行を無視して、小沢氏に質問をぶつけまくった読売新聞の記者に、同協会の暫定代表でフリー記者の上杉隆氏が「あんたルール違反してるんだよ!」と激高。会見終了後も、上杉氏に加えてフリー記者の岩上安身氏も読売記者に詰め寄り「なんであんな質問をしたのか!解答をさえぎってたら質問にならないでしょ」と抗議した。読売記者も「会見であれぐらいは普通だ」と抗弁したことで十数分に渡って大騒ぎになってしまった。

 もともと同協会は、記者クラブに所属しないフリー記者やネットメディアが中心となってオープンな記者会見をするために誕生した。いつもは全国紙など大手マスコミの記者は足を運ばないが、東京地裁で公判中の小沢氏ほどの大物議員は別格で、朝日新聞や共同通信からテレビ局まで勢ぞろい。70人近い記者とカメラマンの熱気で、会場は蒸し暑いほどだった。

 

フリー記者らは小沢氏にTPP加入問題や日中関係など政策についてのみ質問。それに対して新聞記者の質問は、小沢氏の政治資金問題に集中するというように、くっきりと分かれていた。読売記者がしつこく小沢氏に食い下がったことにフリー記者が抗議したことは、マスコミ対フリーという新たな火種を産むことになりそうだ。【写真・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】

元々が「協会?やりたければ勝手にやれば?どうせ何にも出来ないだろ(プゲラ」で華麗にスルーしていたというのに、おいしそうな時だけやってきて場を荒らして去っていくでは普通は「お前らちょっとは空気読め」と言われても仕方がなさそうですけれどもね。
そもそも裁判にまでなった係争中の事件に関して政治家が公式見解以外のコメントを公の場でするはずもないことはいい加減学習しろよですが、既存メディアはそこから一歩も前に踏み出せないまま小沢氏の顔を見れば政治資金問題一辺倒、それも相手のコメントをうまく引き出すのではなくただ単に自分がしゃべり続けるだけでは今どき誰も相手にするはずもありませんよね。
こうした旧来のメディアのあまりに稚拙な質問の様子はこの手の現場が生中継されるようになって初めて国民も知るところとなってきたわけですが、いくら記者クラブ制度などという居眠りしているだけで記事が書けるという境遇にどっぷり浸かりきって久しいとはいえ、まさに旧来のメディアがすっかり時代に取り残されてしまったということを象徴するようなイベントになったということでしょうか。
読売としては陸山会問題を追及してきたのは自分たちだという自負があるのでしょう、今回の騒動に関してもわざわざ公式コメントを出して「司会の制止を振り切ってもやらなければならない時がある!」と全く反省の様子がないどころか、自分たちこそ絶対的な正義であると主張してはばかりませんけれども、一方の上杉氏始め自由報道協会側も徹底抗戦の構えのようです。

「理解に苦しむ」読売新聞が上杉氏に反論 泥沼化する記者バトル(2011年10月27日BLOGOS)より抜粋

(略)
■ 読売と自由報道協会がバトル

 上杉隆氏は翌21日、自由報道協会のHPに「自由報道協会主催記者会見でのルール違反について」とする恒次記者への抗議文をアップした。

     貴殿は2011年10月20日に行なわれた当会主催記者会見の場において、記者会見運用上のルールを無視し、司会者による再三の注意にもかかわらず発言を続け、多くの記者が参加する記者会見の進行を妨げました。これは誠に遺憾であり、下記の通り、抗議します。

    一、 司会者の指示に従わなかったことに対して
    二、 ゲストスピーカーの言葉を遮って発言を続けたことに対して

     今後、当会主催の記者会見に参加される場合には、ルールの順守を厳にお願い申し上げます。

 一方の当事者である読売新聞側は沈黙を守っていたが、27日、1ページをほぼ占拠するほどの大特集で反撃に出た。「当然すべき取材」という記事の中で、恒次記者のコメントが以下のように書かれている。

    「会見者が質問をはぐらかした場合に、そのことを指摘できなければ、追及にならない。司会の指示を振り切らなければならないことはある。ルール違反と過剰に騒ぐことは、会見者を追及から守ることにしかならない。ジャーナリストがなぜ、そのようなことをするのか理解に苦しむ」

 同僚の渡辺晋記者も以下のように援護射撃をしている。

    恒次記者の質問は、当然すべき取材だったと言える。虚偽記入が国民の判断を誤らせることになるため、実質的犯罪と言えるのではないか、とただす恒次記者に対し、元代表はきちんと答えようとしなかった。そのことをさらに追及しようとした時、司会者に制止されたのだ。これを振り切らないと、元代表の見解は引き出せない

 なお、上杉氏は恒次記者に「暴言」を浴びせたことの責任を取るとして、暫定代表を辞める意向を表明。自由報道協会に対して辞表を提出したが、同協会は受理しなかった。

■ バトルの裏にある「記者クラブ問題」

 もともと今回の騒動の根っこには、会見を主催した自由報道協会が、既存メディアの情報独占に対して反旗を翻して誕生したということがある。というのも、記者クラブが主催する会見の多くは、未だにフリー記者の参加が許されていないからだ。今回の小沢会見には大手マスコミも大挙して参加したが、同協会の設立趣旨はフリー記者の参入障壁を下げることにあった。今年1月の設立時に、上杉氏はダイヤモンドオンラインに以下のように寄稿している。

     ついに「自由な言論の場」をつくることにした。

     昨夜、フェアな報道の場を提供するための非営利団体「自由報道協会」(仮称)を立ち上げることを宣言した。

     戦後一貫して、一部のメディアのみが特権の上に胡坐をかき、政府の公的な情報を独占するという歪んだ社会構造にあった日本。それは端的に記者クラブの存在によるものではあったが、もはやそうした欺瞞にも限界が訪れたようだ。

     長年、フリーランス、海外メディア、雑誌、最近では、インターネット等の記者たちが交渉を重ね、国民の知る権利を満たすメディアシステムを構築しよう、と呼びかけてきたのだが、伝統的な新聞・テレビなどのマスメディアは結局これを拒否してきた。

     国民の税金で開催されている政府の公的な記者会見を勝手に占拠し、世界に恥ずべくシステムをいまだ続けている「記者クラブ」に、もはや自浄作用はない。よって、筆者は多くの有志とともに、「自由な言論の場」を作り、記者会見を主催することにしたのだ。それが「自由報道協会」である。

 上杉氏らは、フリー記者の出席を認めない官公庁などの記者クラブの閉鎖性を常々批判してきた。そこで、あらゆる人間に会見を開放する「自由報道協会」を新世代の記者クラブとして立ち上げることになったわけだ。

 今回、上杉氏らは協会のルールに違反した読売記者に対して、わざわざネット中継するカメラの前で怒りを露わにした(控え室までカメラを招き入れている)。彼らの行動には、既存マスコミに対するカウンターとして、同協会の立場を鮮明にしたいという思いが透けて見える。

小沢氏は既存の記者クラブや大手マスコミの会見要請には滅多に応じない一方で、ニコニコ動画などのネットメディアへの出演や、自由報道協会の会見には積極的に応じてきた。政治献金問題を抱える大物政治家だけに、自由報道協会にとって「小沢氏の会見を主催できる」という価値は非常に高い。彼の会見が引き金となり、新旧メディアの対立が一気に浮上したのは、ある意味で当然の帰結かもしれない。

管理人もジャーナリストとしての上杉氏のスタンスは必ずしも全面支持するものではありませんが、今回必要以上に劇的な形で対立軸を演じて見せたというのは彼なりの協会アピールの手段であると考えれば、わざわざ小沢氏会見にいの一番で読売を指名するなどという火種に点火するような真似をした意味が見えてきます(協会の趣旨から言えばまずフリージャーナリストが優先されてしかるべきでしょうしね)。
何とかの一つ覚えで予想通りの振る舞いだった読売にしても自分なりの考え方があるならあるで、他人の主催する場でルール無視して好き放題をしたいなら自分で勝手に場を設定してやれよと言う話ですが、情報とは記者クラブを通じて勝手に与えられるものという感覚に染まった彼らにはそうした知恵や配慮は存在しないということなのでしょうか?
いずれにしても既存メディア対ネットという対立軸で語られることの多かったこの国のジャーナリズムに、新たに既存メディア対自由報道協会という別な対立軸が生まれたことで、情報もより立体的になり国民としてもソース選択の自由が広がるわけですから、今後も両者でさらにヒートアップしてもらった方がよいということになりそうですね。
一次情報の発信を独占しているという唯一のアドバンテージが崩壊したとき、国民もようやく彼らメディアの功罪を正当に評価出来るようになることでしょう。

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