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2011年10月31日 (月)

医師優遇税制(笑)も時代に合わせた改訂が必要かも知れません

役所の無駄遣いをチェックする機関とされる会計検査院から、先日こんなニュースが出ていました。

独法運営費で国交付金18億余る 会計検査院調査(2011年10月29日47ニュース)

 会計検査院が独立行政法人の運営費に充てる交付金を調べたところ、「労働者健康福祉機構」など3法人で約18億円余っていたのに、独法としての収支が赤字だったため国に返還されないままになっていたことが29日、分かった。

 調査したのは10年度末の時点で98あった独法のうち交付金を受けた83法人。特殊法人改革で独法が増えた04年度以降、運営費交付金は毎年1兆5千億円を超えており、検査院は「不要なものは国庫納付する必要がある」としている。

 余った交付金は法律上、国に返す決まりだが、収支が赤字の場合、会計上損失と相殺され「余り」がないことになる。

この会計検査院によるチェックというのも受ける側からするとずいぶんと面倒くさい話なんだそうで、そのあたりは保険の監査などと共通する部分が多分にあるのでしょうが、何にしろ昨今諸悪の根源のように言われる独立行政法人だけに放置するわけにもいかないのは当然とは言え、役人が役人(と天下りした役人)をチェックするのが正しいのかどうかはまた別問題でしょうね。
先年話題になった仕分け作業などでも報道を通じてお役所の論理というものがずいぶんと明らかになり、もちろんお役所というところは予算の融通が利かない以上あまりに杓子定規過ぎることを言っても仕事にならない側面はあると思いますが、民間企業がこれだけコスト削減で必死になってやっているのと比べるとやはり考え方が親方日の丸だなと感じた人も多いことでしょう。
こうした部分の大胆な改革こそ空気を読まない側面のある民主党政権に大いに期待したいところですが、その会計検査院が医療の方面でもこんなことを言っているという報道が他ならぬ毎日新聞から出ていました。

医師優遇税制:経費上回る控除 総額32億円を軽減 - 毎日jp(毎日新聞)

医療保険の診療報酬が5000万円以下の医師と歯科医師を対象にした優遇制度で、08~09年に延べ約1650人の所得税計約32億円が軽減されたことが会計検査院の調査で分かった。小規模医療機関が経費を把握する事務作業を軽減するのが目的の制度だが、実際には多くの人が経費を把握していることも判明。保険外の診療も含めると年収が1億円を超える人もおり、検査院は「税負担の公平性の観点から問題」として財務省と厚生労働省に見直しを求めた。

 この制度は、対象となる個人経営の医師や歯科医師に対し、収入に応じ57~72%の4段階の経費率を設定して概算の経費を算出し、実際の経費にかかわらず一律控除する。

 関係者によると、検査院は、08~09年に制度の適用を受けた全国の医師や歯科医師延べ約1900人を抽出、うち実際の経費を把握できた約1650人を調査した。ほとんどの人は制度の経費率で算出した控除額が実際の経費を上回り、その差額が1000万円を超える人が約300人もいた。調査対象者が納めた所得税はこの2年間で計約40億円だったが、検査院は制度がなければ約72億円だったと算出した。

 さらに、保険が適用されない自由診療の報酬も合わせると、年収が5000万円を超える人が約300人おり、うち数人は1億円を超えていた。検査院は「控除額と実際の経費に大きな差があり問題だ。高額な収入のある開業医や歯科医は医療機関として規模も大きく、制度の趣旨にあわない」と指摘。財務省と厚労省は「指摘を真摯(しんし)に受け止め適切な対応を検討したい」としている。【桐野耕一】

勤務医の場合一般に医師一人あたりの診療報酬が約一億円、そのうち医師の取り分が科によっても違いますが10~15%程度と言われていて、もちろん開業医の場合はもう少し違った内訳になるにしても、診療報酬5000万円以下で優遇制度の対象になるというのはごくごく零細な、それこそ老先生が長年地域の人々だけを相手に続けている小さな診療所くらいのものだと言われていました。
ちなみに例によって毎日さんは敢えてこうした記載をしているのだと思いますが(苦笑)、ここでいう収入一億円云々というのはあくまで診療所としての収入であって、そこから看護師や事務員らスタッフの人件費やら医療機材の減価償却費などなどを差し引いてようやく医者の手取りになると考えると、仮に「年収一億超え」などと言う1000人に一人の例外であっても給料のいい施設で勤務医をしていた方が儲かっていたかも知れませんね。
昔から折に触れてマスコミが「医師は税制上もこんなに優遇されている!」なんて話を取り上げてきたもので、実際にそうした「優遇」の実態を知っている人間であれば「なら優遇税制なんてやめれば?そこらの老先生が面倒くさくなってさっさと廃業するだけだよ」などと冷笑していたものですが、ただ今回の記事を見ていますとどうも批判されている一部の例外的な人々というのはそういう例とはまた少し異なっている様子ですよね。
具体的にどんな人々という情報が乏しいので推測ですが、ポイントとしてはやはり「保険が適用されない自由診療の報酬も合わせると、年収が5000万円を超える人が約300人おり、うち数人は1億円を超えていた」という部分で、歯科であれば保険外診療を積極的ににやっているところでしょうし、医科であれば不妊治療や美容整形など保険外の診療が中心の人々ということなのでしょう。

この見なし経費を認めている措置法第26条の計算というものでは保険診療分以外に自由診療の部分にも概算経費の算出法が決められていて、経費を算出する際にも共通部分はそれぞれに割り振って計算しなければならないわけですが、制度の趣旨からするとあくまで保険外診療はごくわずかで収入総額と保険報酬が限りなく等しい小規模医療機関を想定していると思われます。
ところが今の時代には自由診療クリなんて言葉もあるくらいで一部の施設は保険診療以外の部分が収入の中心になっている、そしてそうした施設が本来保険診療のみでやっている零細診療所を対象にした制度に乗っかって不相応に大きな控除の利益を得ているのだとすると、極端な話が保険診療での収入がごく一部しかない自由診療の巨大施設であっても優遇制度を使えることになってしまいますよね。
調査した1650人のうち年収5000万を超える人間が300人(約2割)ということはそこそこ多くのケースで保険外診療が無視出来ない額に登っているということですから、こうした場合にはあくまで詳細な税務計算の困難な零細開業医などを念頭に置いた制度の趣旨にあわないと考えるべきでしょうし、そもそも商行為として利益追求を目指す自由診療主体のクリニックなどが純粋に節税目的でこうした制度を使うことに違和感を感じるのも確かでしょう。

このあたりは自由診療クリなどというものがほとんど存在せず、文字通り国民皆保険で医療をやっていた時代に出来上がった制度ですから今の時代の実態に合わなくなっているのは当然で、現状では制度を利用するかしないかはどちらでも得な方を選ぶことが出来ることになっていますが、例えば自由診療での報酬が一定以上の額なり率なりになるような場合には制度の利用が出来ないといった制限の導入を考えてもいいと思いますね。
こうしたマイナーな制度改定であれば本当に零細にやっている地域の小さな診療所の先生方に悪影響があるとも思えませんが、実際に何か変更するとなれば例によって医師会などが十把一絡げで「診療報酬削減で経営難にあえぐ開業医潰しだ!」なんて強硬に反対してきそうですけどね(苦笑)。

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コメント

間違いなく反対するな>日医w

投稿: aaa | 2011年10月31日 (月) 19時04分

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