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2011年10月14日 (金)

これだから公務員は…と言われてしまいそうな話

自他様々な経験から類推するだけでも、やっぱり公務員だなあ…感じてしまうことは多々ありますけれども、先日出ましたこのあたりの記事もなにやら公務員だなあと感じてしまうような話ですよね。

焦点/借り上げ仮設家賃/宮城県の「滞納」深刻化/宮城(2011年9月26日河北新報)

 東日本大震災の被災者向けに民間賃貸住宅を仮設住宅として借り上げ、公費で家賃を負担する制度で、借り主となる宮城県の家賃「滞納」が深刻化している。支払い済みの件数は全体の1割未満。入居した被災者らは長期の立て替えを余儀なくされており、「このままでは貯金が底を突く」と悲鳴を上げている。

◎被災者、立て替え限界/家主、収入途絶え悲鳴

 「立て替えが半年も続き、家計は限界。いつまで自己負担が続くのか」
 仙台市内の自宅が津波で流され、宮城野区鶴ケ谷の借家に移り住んだ女性(53)は、いら立ちと不安を募らせる。家族5人で4月に入居して以来、月4万5000円の家賃を払い続ける。負担額は敷金と礼金を含め約50万円に上るという。
 豆腐店を営んでいたが再建の見通しは立たず、失業状態にある。「これ以上の出費は厳しい。蓄えもなくなりそう」と頭を抱える。
 宮城県の借り上げ仮設の入居決定件数は、16日現在で2万3360件。このうち家賃の支払いを終えたのは2172件と9.3%にとどまる
 貸主が県に直接家賃を請求する場合、県の「未納」は即減収につながる。仙台市内の不動産業者は「家主側から『行政に協力して貸したのに、いつになったら入金するのか』との苦情が殺到している」と明かす。
 「大家から退去を迫られた」。借り上げ仮設に住む被災者から14日、仙台市に深刻な相談が寄せられた。家賃が滞り、貸主が資金難に陥ったためとみられる。同市震災復興室は「本当に退去させられるようなことがあってはならない」と重大視し、県に対応を催促したという。

 大幅な支払いの遅れについて、県は手続きの煩雑さや件数の急増を原因に挙げるが、2万1860件(20日現在)を扱った福島県では「ほぼ100%終了した」(建築住宅課)。岩手県でも3898件(15日現在)の大半で支払いが終わり、宮城の遅れが際立つ
 ある不動産業者は「宮城は他県に比べ書類審査が厳しすぎるなど、しゃくし定規な対応が遅れに拍車を掛けている」との見方を示す。
 宮城県は支払いの迅速化を図るため、12日に手続きの一部民間委託に着手した。「スピードアップを図り、10月中旬にかけて集中的に振り込みを進めたい」(震災援護室)としている。

被災地の避難所で救援物資を配布しようとしたところが「人数分そろわなければ不公平になるから」と役場からストップがかかった、なんて話も漏れ聞こえていましたが、救援活動に要した経費の請求書が全国自治体から被災地へ送られているだとか、瓦礫の処理や仮店舗での営業一つとってもいちいち法の規制だとストップがかかるとか、今回の震災で明らかになったお役所仕事の問題はいくらでもあるわけですよね。
役人の方にももちろん言い分はあって、「ルールを作るのは政治家の仕事。自分たちはルールの範囲内でやるだけ」と幾らでも言えるのは確かでしょうが、こうした話が相次ぐのを見れば世間のイメージというものはますます固定化され、ただでさえ「現代日本の特権階級」あどと公務員に対する目線がさらに厳しくなることは避けられないでしょう。
もちろん政治家の側にしてもかねて有事法制の不備が問題だとか言ってきたのであれば、こうした現在進行形で明らかになっている諸問題に対して二度と再発しないよう即座にルール改定を検討しなければならないはずですが、今のところ全くそうした方面の議論が進んでいるという話も聞かないところを見ると、何の問題とも考えていないということなのでしょうか?
そんなこんなで公務員に対するイメージがますます悪化していく中で、先日は「あれ?」と思うような記事が出て話題になっていましたけれども、これもよくよく見ると実は…という話なんですよね。

食材費を7千万円安く偽装 人気の国民宿舎「鵜の岬」/茨城(2011年9月27日朝日新聞)

全国の国民宿舎で一番人気の「鵜の岬」(茨城県日立市)で2008年以降、料理の食材費を実際よりも低く見せるため、食材の在庫量を過大に報告していたことが分かった。経費節減を迫られる一方で現場からは料理の質を下げることに抵抗があり、板挟みになった経理担当者が不正に会計処理していた。

 宿舎を運営する県開発公社の内部調査で発覚した。公社は10月1日付で、経理を担当していた前管理課長(44)を停職1カ月、管理課員(41)を3カ月の減給10%の懲戒処分としたほか、監督責任を問い前支配人ら2人を訓告、事務局長ら3人を厳重注意とした。

 公社によると、今月に外部監査人が調査したところ、台帳上は900キロあるはずの冷凍肉が実際には60キロほどだったり、2千キロあるはずの魚が100キロしかなかったりといった事例が次々と見つかった。架空計上分は8月末時点で7088万円にのぼった。

 鵜の岬は全国122の公営国民宿舎の中で22年連続で宿泊利用率が1位。一方、公社は県からの収支改善要求を受け、食事の売上高に占める食材費の割合を07年度の43.1%から08年度は41.5%に引き下げる目標を立てていた

 前管理課長は仕入れ担当者に食材費引き下げを求めたが、現場の料理人らは「質を落としたくない」と反対。実際には食材を使い切ってしまっているのに、残っているように経理処理し、結果的に原材料費が下がるように見せかけていた。課長は「目標達成のプレッシャーを感じていた」と話しているという。

 在庫食材は会計上は「資産」として処理するため、公社は7088万円を今年度決算で特別損失として処理。昨年度は黒字だった鵜の岬の決算は、赤字に転落する見込みという。

 鵜の岬は昨年度から年2回、外部監査が行われ、台帳の数字はチェックされていたが、実際の在庫量は確認されていなかった。26日に会見した公社の北川明雄常務理事は、水増し分が09年度末時点で3416万円、10年度末で6670万円分にのぼっていたと説明し「年度末決算の時点で気付くべきだった。申し訳ありません」と謝罪した。チェック体制強化のため、年2回の外部監査を今後は4回に増やし、管理課以外の部署による在庫確認も行うという。(松井望美)

ちょっと見ると判りにくい話なんですが、上の方から経営改善のために経費を減らせ、特に食材にかかる経費を何とかしろ(要するにもっと安物を使えと言うことですね)と言われた現場がせっかく料理が一番の売りなんだから質は落としたくないと言い張った、そこで現場と上との板挟みとなって悩んだ経理担当が中心になって不正経理を働いたと言うのですね。
こういう不正経理絡みの事件と言えば誰かが懐に入れていただの横流ししていただのと言う話がつきものですが、調査の結果関係者の着服や横領、横流しといったことは一切行われていなかったことが明らかになっていて、当然ながら利用した顧客の側には料理の質が下がったとか粗悪な食材を食べさせられたといった不利益もなかったということです。

この記事を最初に目にして気になったのが食材費(原価率)が43.1%にも達していたという点なんですが、通常飲食店の原価率というものは3割程度が採算ラインだそうで、経費を極限まで切り詰めた100円均一の回転寿司でやっと5割行くかというレベルだと言いますから、これは非常に高いんじゃないかという印象を受けますよね。
一般に原価率を高く設定している店というのはバイトレベルでも対応できるような簡単な調理しかしないもので、ここのようにまともな料理を出す店では当然に調理自体に手間暇もかかれば専門的かつ高度な知識や技術も要求されるはずで、その分スタッフも安いコストで集めるというわけにもいかないはずですから、飲食専業でなく宿泊もあるとはいえ見た目の原価率以上に経営には負担になっていたのではないかと思います。
それでも昨年まではきちんと黒字になっていたというのは、何より22年連続で宿泊利用率トップという高い人気と実績に裏付けられていたはずで、何しろ一ヶ月分の予約が半日で売り切れてしまうというのですから国民宿舎というものに対するイメージを覆すような人気ぶりですが、その集客力の中心になっていたのが料理の高い質だったわけです。
あちらこちらで口コミで聞く限りでもサービスの質の高さもさることながら「とにかく料理がいい!」という声は圧倒的で、実際に公式サイトから料理の内容を見てもこれはお得だろうなと思わせるもののようですから、そもそも毎年1億前後の黒字を出していたというのに一番の集客のストロングポイントを自ら放棄するような真似をするということの妥当性も疑問ですし、その結果赤字になってしまったと言うのであれば馬鹿げている話だと誰しも思うでしょう。

記事にあるようにこうした話がそもそも勃発した背景として、運営を行っている茨城県開発公社なる組織が余計な口出しをしてきたということに原因があると見るべきでしょうが、この県開発公社なる組織は「飛ばす路線もない空港」として一躍有名?になった茨城空港の運営にも関わるほか、あちらこちらの不動産に手を出して巨額の赤字を計上、平成21年から県の公費で多額の支援を受けた組織として知られています。
当然ながらこれは責任問題とならざるを得ないわけですが、これを受けて同公社では平成21年から県による経営改善の指導を受けるハメになり、この際に茨城県出資団体等経営改善専門委員会の出した「経営改革に関する意見書」の中では先の国民宿舎「鵜の岬」の生んでいた利益が「他の福祉施設の恒常的赤字の一部を補填してきた」と評価されています。
要するに貴重なドル箱と公式認定された形ですが、しかし一方で公的施設として土地、建物等に対する応分の負担をしておらず、今後民間業者との競争も激化すれば今までのような利益計上は難しいだろうから「体質改善を図るべく、各種見直しが必要」だとも指摘されているわけですね。
その一環として公社の指定管理者が切れる時期を見計らって民間に移譲せよだとか、最終的には民間と競合する福祉施設部門全体からの撤退を意見しているのですが、こうした県からの厳しい突き上げも前述のような事態に至る大きな理由となったことは間違いないところでしょう。

同公社と言えばバブル崩壊後どんどん運営状況が悪化しているにも関わらず、160億もの巨費を投じて新公社ビルを建設するなど特に不動産関連での放漫経営ぶりはあきらかですが、県としても後始末のために1300億円規模の資金が用意出来ないことには公社の解散もできないというのでは、「つぶせるものならつぶしてみろ」とますます公社側が増長するのも当然でしょう。
しかし一方で公社内での位置づけとして「鵜の岬」は赤字を減らしてくれる稼ぎ頭であったわけですから、わざわざ料理の質を落として競争力を自ら弱めるようなことをする意味もないところで、県と公社という経営素人と経営音痴がタッグを組んでとんでもない迷走を現場に強いたと批判されても仕方がないところでしょう。
土地建物の費用を払っていない公的施設がこんな経営をやっているのは民業圧迫だという意見もあるようですし、結局経営コストの一部を県が公費で負担しているだけじゃないかと言う考え方もあるでしょうが、ではその負担した分の利益がどこに向かっているかといえば結局は利用する県民に還元されているわけですから、これは行政の基本機能の一つである住民サービスの一環と考えていいはずですよね。
とかく公務員がこの種のサービス業的な領域に口を出すとろくなことにならないという事例は全国各地で枚挙にいとまがありませんが、現場の努力で奇跡的にうまくいっていたとも思われる希有な事例まで余計な口出しで潰しにかかってくるとは、さすが公務員半端ねえと言われてしまいそうですね。

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コメント

せっかく評判いいんだから余計な口出ししなければよかったのに…

投稿: 通りすがりのただの人 | 2011年10月14日 (金) 17時16分

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