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2011年10月

2011年10月31日 (月)

医師優遇税制(笑)も時代に合わせた改訂が必要かも知れません

役所の無駄遣いをチェックする機関とされる会計検査院から、先日こんなニュースが出ていました。

独法運営費で国交付金18億余る 会計検査院調査(2011年10月29日47ニュース)

 会計検査院が独立行政法人の運営費に充てる交付金を調べたところ、「労働者健康福祉機構」など3法人で約18億円余っていたのに、独法としての収支が赤字だったため国に返還されないままになっていたことが29日、分かった。

 調査したのは10年度末の時点で98あった独法のうち交付金を受けた83法人。特殊法人改革で独法が増えた04年度以降、運営費交付金は毎年1兆5千億円を超えており、検査院は「不要なものは国庫納付する必要がある」としている。

 余った交付金は法律上、国に返す決まりだが、収支が赤字の場合、会計上損失と相殺され「余り」がないことになる。

この会計検査院によるチェックというのも受ける側からするとずいぶんと面倒くさい話なんだそうで、そのあたりは保険の監査などと共通する部分が多分にあるのでしょうが、何にしろ昨今諸悪の根源のように言われる独立行政法人だけに放置するわけにもいかないのは当然とは言え、役人が役人(と天下りした役人)をチェックするのが正しいのかどうかはまた別問題でしょうね。
先年話題になった仕分け作業などでも報道を通じてお役所の論理というものがずいぶんと明らかになり、もちろんお役所というところは予算の融通が利かない以上あまりに杓子定規過ぎることを言っても仕事にならない側面はあると思いますが、民間企業がこれだけコスト削減で必死になってやっているのと比べるとやはり考え方が親方日の丸だなと感じた人も多いことでしょう。
こうした部分の大胆な改革こそ空気を読まない側面のある民主党政権に大いに期待したいところですが、その会計検査院が医療の方面でもこんなことを言っているという報道が他ならぬ毎日新聞から出ていました。

医師優遇税制:経費上回る控除 総額32億円を軽減 - 毎日jp(毎日新聞)

医療保険の診療報酬が5000万円以下の医師と歯科医師を対象にした優遇制度で、08~09年に延べ約1650人の所得税計約32億円が軽減されたことが会計検査院の調査で分かった。小規模医療機関が経費を把握する事務作業を軽減するのが目的の制度だが、実際には多くの人が経費を把握していることも判明。保険外の診療も含めると年収が1億円を超える人もおり、検査院は「税負担の公平性の観点から問題」として財務省と厚生労働省に見直しを求めた。

 この制度は、対象となる個人経営の医師や歯科医師に対し、収入に応じ57~72%の4段階の経費率を設定して概算の経費を算出し、実際の経費にかかわらず一律控除する。

 関係者によると、検査院は、08~09年に制度の適用を受けた全国の医師や歯科医師延べ約1900人を抽出、うち実際の経費を把握できた約1650人を調査した。ほとんどの人は制度の経費率で算出した控除額が実際の経費を上回り、その差額が1000万円を超える人が約300人もいた。調査対象者が納めた所得税はこの2年間で計約40億円だったが、検査院は制度がなければ約72億円だったと算出した。

 さらに、保険が適用されない自由診療の報酬も合わせると、年収が5000万円を超える人が約300人おり、うち数人は1億円を超えていた。検査院は「控除額と実際の経費に大きな差があり問題だ。高額な収入のある開業医や歯科医は医療機関として規模も大きく、制度の趣旨にあわない」と指摘。財務省と厚労省は「指摘を真摯(しんし)に受け止め適切な対応を検討したい」としている。【桐野耕一】

勤務医の場合一般に医師一人あたりの診療報酬が約一億円、そのうち医師の取り分が科によっても違いますが10~15%程度と言われていて、もちろん開業医の場合はもう少し違った内訳になるにしても、診療報酬5000万円以下で優遇制度の対象になるというのはごくごく零細な、それこそ老先生が長年地域の人々だけを相手に続けている小さな診療所くらいのものだと言われていました。
ちなみに例によって毎日さんは敢えてこうした記載をしているのだと思いますが(苦笑)、ここでいう収入一億円云々というのはあくまで診療所としての収入であって、そこから看護師や事務員らスタッフの人件費やら医療機材の減価償却費などなどを差し引いてようやく医者の手取りになると考えると、仮に「年収一億超え」などと言う1000人に一人の例外であっても給料のいい施設で勤務医をしていた方が儲かっていたかも知れませんね。
昔から折に触れてマスコミが「医師は税制上もこんなに優遇されている!」なんて話を取り上げてきたもので、実際にそうした「優遇」の実態を知っている人間であれば「なら優遇税制なんてやめれば?そこらの老先生が面倒くさくなってさっさと廃業するだけだよ」などと冷笑していたものですが、ただ今回の記事を見ていますとどうも批判されている一部の例外的な人々というのはそういう例とはまた少し異なっている様子ですよね。
具体的にどんな人々という情報が乏しいので推測ですが、ポイントとしてはやはり「保険が適用されない自由診療の報酬も合わせると、年収が5000万円を超える人が約300人おり、うち数人は1億円を超えていた」という部分で、歯科であれば保険外診療を積極的ににやっているところでしょうし、医科であれば不妊治療や美容整形など保険外の診療が中心の人々ということなのでしょう。

この見なし経費を認めている措置法第26条の計算というものでは保険診療分以外に自由診療の部分にも概算経費の算出法が決められていて、経費を算出する際にも共通部分はそれぞれに割り振って計算しなければならないわけですが、制度の趣旨からするとあくまで保険外診療はごくわずかで収入総額と保険報酬が限りなく等しい小規模医療機関を想定していると思われます。
ところが今の時代には自由診療クリなんて言葉もあるくらいで一部の施設は保険診療以外の部分が収入の中心になっている、そしてそうした施設が本来保険診療のみでやっている零細診療所を対象にした制度に乗っかって不相応に大きな控除の利益を得ているのだとすると、極端な話が保険診療での収入がごく一部しかない自由診療の巨大施設であっても優遇制度を使えることになってしまいますよね。
調査した1650人のうち年収5000万を超える人間が300人(約2割)ということはそこそこ多くのケースで保険外診療が無視出来ない額に登っているということですから、こうした場合にはあくまで詳細な税務計算の困難な零細開業医などを念頭に置いた制度の趣旨にあわないと考えるべきでしょうし、そもそも商行為として利益追求を目指す自由診療主体のクリニックなどが純粋に節税目的でこうした制度を使うことに違和感を感じるのも確かでしょう。

このあたりは自由診療クリなどというものがほとんど存在せず、文字通り国民皆保険で医療をやっていた時代に出来上がった制度ですから今の時代の実態に合わなくなっているのは当然で、現状では制度を利用するかしないかはどちらでも得な方を選ぶことが出来ることになっていますが、例えば自由診療での報酬が一定以上の額なり率なりになるような場合には制度の利用が出来ないといった制限の導入を考えてもいいと思いますね。
こうしたマイナーな制度改定であれば本当に零細にやっている地域の小さな診療所の先生方に悪影響があるとも思えませんが、実際に何か変更するとなれば例によって医師会などが十把一絡げで「診療報酬削減で経営難にあえぐ開業医潰しだ!」なんて強硬に反対してきそうですけどね(苦笑)。

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2011年10月30日 (日)

今日のぐり:「お好み焼き どん」

チリの落盤事故から生還した作業員がこういう証言をしているといいます。

空腹極限に達し「仲間食べること考えた」 チリ落盤事故の作業員が告白(2011年10月12日産経ニュース)

 チリ鉱山落盤事故で地下に約70日間閉じ込められた作業員33人が救出されてから13日で1年を迎えるのを前に、作業員の1人が国営テレビなどが制作した番組に出演し、地下生活で空腹が極限に達した数人が、最初に死亡した仲間を食べることを考えていたと告白した。地元メディアが11日までに伝えた。

 事故は昨年8月5日に発生。33人は地下約700メートルに閉じ込められ、探索用のドリルが届くまでの17日間は、地下避難所に残っていたツナ缶を2日おきに小さじ2杯ずつ分け合ったり、油まみれの汚れた水を飲むなどして生き延びていた。

 告白したのは33人の一人、サムエル・アバロスさん。アバロスさんは「誰が最初に死ぬかは運だった。(33人は)順番に死んでいく。動物と同じだ」と証言した。(共同)

極限状態からの生還と言えば南米では1972年のアンデスへのウルグアイ空軍機墜落事故が有名ですが、とにもかくにもこうした証言を行えるようになったということ自体が事故のダメージから脱却しつつある課程を示しているということなのでしょうか。
本日は奇跡の生還を果たした作業員達に敬意を表して、世界各地から食べるということにまつわる数々の話題を紹介してみたいと思いますけれども、まずは先日ちょっとした話題になったこちらのニュースから見て見ましょう。

2ちゃんねるの県名表示の愛知県の扱いが酷い! 「味噌県」って……(2011年10月12日ガジェット通信)

『2ちゃんねる』の一部の板(掲示板)では、書き込んだ人のホストから県名を特定し、県名を名前欄に表示するようになったのだが、それを遊び半分でいじった運営側が愛知県民を小馬鹿にしていると話題になっている。東京なら「(東京都)」、静岡なら「(静岡県)」と「名無しさん」の後に県名が表示されるのだが、なんと愛知県の県名表示が「(味噌県)」になっているのだ。味噌県って……。これは言わなくてもわかるだろうが、名古屋の味噌料理のことを指しているのだろう。

ほかにも香川県は「(うどん県)」となっていたり、こういった県名表示が原因で煽り合いにもなったりする。スレッドの流れが愛知県叩きや香川県叩きといった、一部の地域の人を叩く流れになるのはしばしばあること。それに加えて今回の(味噌県)や(うどん県)は「多少悪ふざけが過ぎる」との声や、「すべってますよ」と指摘を受けているが、一方ではどうせなら県名表示じゃなくて名物表記にした方がウケるのではという意見も出ている。

ほかにも(庭)や(禿)といった県名(?)表示がある。それぞれ何を指すのかなんとなく分かるのが悔しい! ネットスラングから取ってきてるのね。

っていうか名古屋の人ってそんなに味噌食わない。これガチで。日常口にするものって味噌汁程度で、味噌カツなんか滅多に食べないし名古屋生まれの記者は味噌カツ嫌いだし……。これが真実である。都市伝説の中でも酷いのはパンに味噌を付けるという噂。そんなもの気持ち悪くて食せない。

まあこういうネタにマジレスというのもどうなのかですが、ちなみにこの種のスラングとして有名なものに「うどん県(=香川県)」というものがあって、名古屋県と違ってうどん県の方では県観光協会が「うどん県に改名しました」なんて特設ページを開設するほどの入れ込みようだと言いますから恐れ入ります(ここの動画がまた無駄に気合いが入りすぎと言いますか…)
お隣韓国からはこんな妙な食べものが存在していて、しかもそれが外国で話題になっているというニュースが出ているのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

韓国の『意味不明』ジャンクフードが海外で話題に/韓国(2011年9月29日秒殺サンデー)

韓国で売られている謎のジャンクフードが、海外のサイトで受けている。このジャンクフードはアメリカ人が好きなバターを揚げたわけでもなく、コーラを揚げたわけでもなさそうだが、アメリカ人が大好きそうなアレを固めたたべものらしい。さらにその中心部にはこれまたアメリカ人が大好きなものが入っているというダブルジャンク形式だ。

その中身とは、そうフライドポテトにソーセージをくるんだ食べ物。ジャンクファンなら大喜びしそうなこちらの料理は韓国で売られていたそうだが、見た目はアメリカンドッグのような印象を受ける。果たして味はいかがだろうか。

おそらくポテトの味とフランクフルトの味をミックスさせた味に違いないだろうが、ジャンクフードが大好きなアメリカ人は、あまりの画期的な料理に驚きを隠せない様子。これならば近々アメリカでも商品化されることは間違いない?

―アメリカ人の反応

・どんな味がするのだ
・これ韓国で1ドルで売っていました
・なんという人種差別だ!
・アメリカ人である我々がこれを発明出来なかったのは恥ずかしことです
・こちらにレシピがあるようです
・韓国で受賞されるべき料理です
・コレステロールが凄そうだ
・本当のアメリカ人ならば、フランクフルトの周りにベーコンを巻く
・韓国はアメリカよりもアメリカンな料理を生み出した
・欲しい
・これは凄い!美しい
・韓国料理で一番おいしそうじゃないか。
・韓国で今まで発明した中で一番の産物だ
・次はアイスクリームでやれ、いらないけど
・オスカーがアイディアを盗みに来るぞ
・韓国でNO1料理間違いなし

日本でも縁日やお祭り会場で売ればある程度集客できそうだ。
商品化も近いか

リンク先の写真を見ていただければ確かにヤンキーの好きそうなこの不思議な食べ物の状態がおわかりだと思いますけれども、これはオリジナルの方は塩味ベースなんでしょうか、ヤンキーならケチャップ、日本人ですとソースなどつけたくなりそうな気もしますけどね。
ちなみに以前に中国のガソリン大好きというおじさんを紹介しましたが、さらに韓国のお隣北朝鮮ではこういう妙な名物料理もあるそうです。

こんなもの食べました(ハマグリのガソリン焼き)@北朝鮮(2009年10月19日お宝発見!体験型異次元空間)

龍岡温泉というか南浦名物《ハマグリのガソリン焼き》。南浦はアサリやハマグリが名産で、ここで獲れた貝が日本に輸出されていた。
ムシロを敷き、砂出しをしたハマグリの尻を上にして、隙間なく並べる(あればハマグリの外周に石を隙間なく置く)。
ペットボトルにガソリンを入れて、小さい穴が開いた蓋をする。ハマグリ全体にガソリンをかけて点火する。途中、切れ目なくガソリンを注ぎ入れる。
食べものに直接、ガソリンをかけるのって!

動画はコチラ;http://www.youtube.com/watch?v=oGTgy-NQFm0

ゴォ~ッ!!!
?????K?????A???o?n???Ω?????¶?Ω???}?????¨?B燃料がガソリンなので火力が強い。そのため貝が開くことなく息絶えるので、貝の中にガソリンが入ることはない(逆さまにしているし)。
バターナイフのようなもので貝をこじ開ける。既に半開きのものは中にガソリンが入ってしまっているので食べられない。
ハマグリはほどよい塩分があるため、何もつける必要はない。身が大きくプリプリで美味しい!北朝鮮産焼酎との相性はバッチリ。
不思議なことに、ガソリンの匂いも味もしないのだ。

宴のあと
使ったハマグリは10kg(1kg=千円)。
どんだけ贅沢な宴じゃ~!
・・・って、ガイド兼通訳兼監視員も運転手もガン食いするってどうよ???

リンク先の写真などをご覧いただけるとその不思議さは一目瞭然ですが、ガソリン臭くしないために一度に多量をぶっかけず、燃えていく端からちびちびとかけていくのがポイントなんでしょうが、なにより貴重品であるはずのガソリンをこんなことに使って!というあたりが一番の贅沢なんでしょうか?
食と言えば中国四千年の歴史がものを言うのは当然ですけれども、その素晴らしき斜め上方向への逸脱ぶりはさすがに期待に違わないという水準にあるようで、先日はこんな記事が話題になっていました。

中国の刀削麺ロボが進化しまくりでアツすぎる! ウルトラマンだけじゃない、ターミネーター、イケメンもいるぞ!!/中国(2011年10月16日ロケットニュース24)

麺の塊を専用包丁で削りだしてゆでる刀削麺(とうしょうめん)。モチモチしたうどんみたいな食感の中国の麺料理だ。

麺を均一に削りだすには熟練した職人技が必要だ。だが、職人技を持たない人でも、いつでもどこでも手軽に刀削麺を作ってくれるロボットが開発されていたのをご存知だろうか。過去にウルトラマン刀削麺ロボが話題となったこともあったが、現在、とんでもなく進化していることが判明した。代表的なものをご紹介したい。

【ウルトラマン】
元祖刀削麺ロボ。中国国内の特許を取得しているそうだ。コロンとデフォルメされたウルトラマンフェイスに確かな技と物珍しさで一斉を風靡(ふうび)した。

【イケメンシェフ】
ウルトラマン刀削麺ロボの後継機。イケメンフェイスがキラリと輝く大人な雰囲気の一品。

【ピノキオ】
可愛らしいものがお好きなあなたに。

【ネコのおまわりさん】
遠いところを見つめてひたすら麺を削るネコ。若干気味が悪いが、短めの麺が好きな方にお勧めだ。

【アイドル】
右手にマイク、左手に刀削麺、歌って踊って麺も削っちゃうぜ! 顔が機械むき出しのなのは気のせいだぜ!

……などであるッ。デフォルトとしては右手にナイフ左手に麺の塊、そして稼働中は目もしくは体の一部が光る仕様となっているようだ。人型である理由は不明だが、目立つことは間違いない。

ロボは面白いだけではない、職人と麺削り一本勝負を行ったところ、何とロボの方が削り出した麺の量、質ともに人間に勝ってしまうという結果まで出たのである。

なお、ネットユーザーは

「スゲェ!」
「人件費かなり浮くなぁ」
「ウケる(笑)」

と興味津々な一方、

「こんなフザけたものに刀削麺職人が追われるなんて」

と悲しみの声も出ている。

ちなみに気になるお値段は通販サイトタオバオによると8000元(約9万6000円)~とのことだ。
実はハイクオリティな刀削麺ロボ。日本に上陸する日は来るのだろうか。

その素晴らしきパチモノ…もとい、オリジナリティーあふれる造形の素晴らしさはリンク先の画像の数々を見ていただくとして、このクオリティーの高さには当の中国人ですら受けるというほどのようですが、実際の作業風景を見てみるとこの凝った造形には全く意味がないような気もしないでもないですよね。
さらには先日以来すっかり彼の地でのネット住民の注目を集めているのが中国製の駅弁だというのですが、まずはこちらの記事を一読していただきましょう。

いつまで経っても腐らない?!ありえない駅弁が話題に=検査結果は「異常なし」―中国(2011年10月17日レコードチャイナ)

2011年10月16日、東方網は、「品質保持期限6カ月」という異常な長さで話題となった中国高速鉄道駅弁問題についてとりあげた。専門機関が検査したところ、細菌量などに異常は見られなかったという。

先日来、話題となっているのが中国高速鉄道で販売されている駅弁だ。ご飯と肉、ジャガイモ、タマゴなどが入ったオーソドックスな弁当だが、なんと品質保持期限は6カ月という長さ。しかも「防腐剤無添加」で常温保存が可能だと表示されている。「これはありえない」「なにか問題やウソがあるのでは」と話題になった。

10月8日、上海市閔行区疾病予防管理センターの検査結果が明らかとなったが、特に問題はなかったという。なぜ品質保持期限がこんなにも長いのか。誰もが気になるところだが、製造メーカーは企業秘密だとして回答を避けた。

上海海洋大学食品学院院長、上海市食品学会副理事長の王錫昌(ワン・シーチャン)教授は、缶詰の要領で真空状態で密閉されているため、長持ちすると分析している。弁当は普通のプラスチック製容器に入っているように見えるが、それでこの品質保持期限を実現したのは驚きの技術力といったところだろうか。なお、味については「まずい」という声が圧倒的なようだ。(翻訳・編集/KT)

あちらのBBSでは日本の駅弁の1000倍も長持ちするこの素晴らしい中国文明の成果に関して大いに盛り上がっているようですが、逆にこの一件も関係してか今度は日本の駅弁に関する話題も妙に盛り上がっているということです。
昨今では男だろうが料理の一つもこなせなければお声がかからないという時代ですが、遠くオーストラリアでは幼児期から英才教育をしているということです。

肉まんもカツレツもへっちゃら、幼児のための料理教室が盛況 シドニー/豪(2011年10月5日AFP)

【10月5日 AFP】オーストラリア・シドニー(Sydney)のとある料理教室。生地をこねたりレモンをしぼったり、せわしなく動き回る子どもたちの喧噪のなかで、ルカ君は卵を割り、殻を使って黄身と白身を器用に分けている。

 これが弱冠3歳による手さばきかと、一瞬目を疑う。ルカ君は子どもたちにお菓子やおいしい料理の作り方を教えるクッキングスタジオ「リトルスプーンズ(Little Spoons)」の土曜朝クラスの常連だ。

「ルカは料理が大好きなの」と、母親のマデリンさんは話した。「料理に興味があるようだからここに連れてくることにしたのよ」

 マデリンさんにとって、リトルスプーンズは料理を作って食べるだけの場ではない。混ぜたり転がしたり形を作ったりといった動きを通じて運動能力を磨くことができ、測定や数量や衛生について学ぶこともできる。他の子どもたちと一緒に作ることで社会性も身につけられる。「ここは一生役立つライフスキルを会得する場です」とマデリンさん。

■大人顔負けのメニュー

 リトルスプーンズの生みの親は、2人の子を持つリサ・キャンベル(Lisa Campbell)さんだ。料理への情熱と「家庭に優しい」時間帯で働きたいという2つを両立させるべく、2009年にIT企業を退職して起業した。もっとも多い年齢層は8歳から12歳だという。

 リトルスプーンズの理念は、子どもたちに楽しい環境の中でヘルシーな食習慣を学んでもらうことだ。

 ビーフのブルゴーニュ風パイ、アップルガレット、ムーンケーキ(月餅)など、家庭でも作れるような料理がメイン。幼児クラスでは鶏肉のカツレツや肉まんなどを作るが、もう少し年上になると、ベトナム風イカのシーフード詰めやカンガルー肉のたたきの串刺し、チョコガナッシュ、ラベンダークリームを添えたラズベリータルトなど、手の込んだ料理に挑戦することができる。

 なお、子どもの健康を考え、どの料理にも塩は使わず、バターや砂糖の量も大幅に減らしている。また、幼児クラスのテーブルの上には鋭い刃物は置かない。包丁の正しい使い方も教えるという。

 同様のクッキングスタジオを経営している男性は、小中学校のカリキュラムから家庭科の授業がどんどん減り、夕飯を作る余裕のない子持ちのワーキングマザーが増える中、子ども向けクッキングスタジオに商機を見たと話した。

ま、オーストラリアもブリ文化圏だから食の方面では…などと言いつつ相当に本格的な料理に挑戦しているようですが、しかし日本でも子供に何でも危ないと言うあまりに鉛筆一つ満足に削れなくなったとひと頃話題になりましたけれども、こういう料理にしても子供の頃からきちんと基本を教育していくことは大切なことなんだろうなと改めて思いますね。
お次はアメリカから文字通り人生最後の食事に関して、少しばかりもの悲しくなってくるような話題です。

死刑囚の「最後の食事」の特権廃止、大量注文も食べずの例で/米(2011年9月24日CNN)

 米テキサス州政府は24日までに、刑の執行を直前にした死刑囚に与えられる最後の食事のメニューを選択する権利を廃止すると発表した。今後は他の服役者と同様のメニューが提供される。

この特権廃止は、今月21日に刑が執行された死刑囚が大量の食事を注文したものの、結局食べるのを拒否し、無駄になった例を踏まえた措置。同州議会の犯罪正義委員会のウイットマイアー委員長(民主党)が、死刑囚が犯した犯罪の犠牲者にはこのような慈悲を与えられなかったなどとして廃止を求め、必要なら法的措置に訴えると主張していた。

州の矯正施設行政当局によると、21日に刑が執行されたブルワー死刑囚(当時44)は最後の食事として、オニオンスライス添えのグレイビーソースで蒸し焼きにしたチキンステーキ2皿、ミートパテ三段重ねのベーコンチーズバーガー、チーズオムレツ、ケチャップをかけたボウル山盛りのオクラフライ、(メキシコ料理の)ファヒータ3品、ブルーベルのアイスクリーム、白パン半斤付きのバーベキューを注文。さらに、クラッシュドピーナツバターがかかったピーナツバターファッジ、ピザ、ルートビール3本も求めていた。

同当局は、ウイットマイアー委員長の主張に理解を示し、メニュー選択の特権を即時撤廃するとの声明を22日に出した。

ブルワー死刑囚は1998年に起きた、人種差別絡みの殺人事件に関与したとして死刑判決を受けていた。

一般的に考えてこの状況でこれだけのごちそうを食べられると言えば相当な筋金入りでしょうし、そういう人間にわざわざ温情をかけるのもどうかという判断があるのやも知れず、またどこの国でも財政上厳しい折に仕方のない判断なのかも知れませんが、願わくは現場の判断ででも高くつかない範囲での最後の希望くらいはなるべくかなえてやって欲しいものだと思いますね。
フランスと言えば日本でも近年レストランのガイドブックが発売されているように食に関しては一言あるお国柄ですが、そのフランスで妙なルールが出てきたということです。

フランスの学校食堂でケチャップ禁止令 米国に反/仏(2011年10月11日産経ニュース)

 米紙ロサンゼルス・タイムズによると、フランスはこのほど、全国の学校の食堂でフレンチフライ(フライドポテト)以外でのケチャップ使用を禁止した。

 脂肪の多い食事を減らし、野菜をもっと増やすことを狙った規則の一部だが、ケチャップ好きの米国に反発し、フランス伝統の食文化を守ろうという意識もある。

 ルメール農業・食料・漁業相は「フランスは世界の食のお手本であるべきだ」と話している。(共同)

ご存知のようにアメリカ人にとってのケチャップとは日本人にとってのソースやマヨネーズなどと同様に国民的調味料とも言えるものですが、さすがに基本的な味覚の部分で外国の味に染まってしまうことは食文化を誇る国として甘受できなかったということでしょうか。
最後に控えますのはご存知ブリですけれども、世界に先駆けてこんな研究成果が発表されたとニュースになっています。

りんごは炭酸飲料よりも歯に悪い / 英国メディアが報道/英(2011年10月13日ロケットニュース24)

りんごは炭酸ドリンクよりも歯にダメージを当たる可能性が高いようです。英国メディア「Mail online」によれば、りんごを食べることは、炭酸ドリンクを飲むよりも4倍歯に悪いとのことで、今回の研究を行った、英キングス・カレッジ・ロンドンのデンタル研究所、David Bartlett教授は、「(大切なのは)私たちが、それを(りんご)どのように食べるかだ」と述べています。

以下がDavid Bartlett教授の見解です。

「医者が述べるように、りんごを食べることは、良いことですが、もし、ゆっくりとりんごを食べるなら、その高い酸性レベルは、あなたの歯にダメージを与えることがあります。しかし、『歯を削るのでは?』 と囁かれる、例えばコーラなどは、さらなるリスクは発見されませんでした。つまりは、強い酸性が含んでいるかが重要な指標になるべきでしょう」

また、別の研究でも新事実がわかったようです。それが以下の2点です。

・りんごを食べた人は、歯質にダメージを与える可能性は3.7倍高く、一方、炭酸ドリンクを飲んだ人は、さらなるリスクはなかった。
・フルーツジュースは、エナメルにダメージを与える可能性が4倍、一方、酸性であるビールは、歯質損傷の可能性は3倍だった。

これはつまり、りんごが炭酸飲料よりも歯に与えるダメージが大きいことをあらわしています。

栄養士のGlenys Jones医師は、「果物は酸性であり、明らかに砂糖を含んでいる。しかし我々は、果物やフルーツを摂取させないように仕向けているわけではない。要するに、どう食べるかが大切であり、例えばカルシウムを含んだ、牛乳や1切れのチーズと一緒にりんごを食べるといいだろう。一緒に食べることで、酸を中和させてくれるからだ。また、リンゴを食べた後にすぐに水を飲むことも良い」と述べています。

さらにGlenys医師は「フルーツジュースを飲む場合はストローを用いること」、「食べる前に歯を磨くことも」、歯を守るために良い方法だと推奨しています。

意外に果物が歯に与えるダメージが大きい一方で、コーラなどは歯に関してはそこまででもないのだというのは少しばかり意外な結果と言えそうですが、しかし記事から見る限りでは昔から言う「甘いものは歯に悪い」というのは誤りで、実は酸性度の方がよほど重要な問題だったということですよね。
確かに齲歯の発生機序を考えると酸による蚕食がよくないのだろうなとは思えるのですが、深読みすればブリであるにも関わらずリンゴだコーラだとどうでもいい話にばかり終始しているといるというのは、やはり一杯のお茶の与える有害性は公開をもはばかられるようなレベルのものであったということなんでしょうか。

今日のぐり:「お好み焼き どん」

お好み焼きと言えばわざわざ食べに行くなら広島風という人間で、あまり関西風を食べに出かけるということはないんですけれども、たまに行くとなるとお邪魔するのがこちらの「どん」です。
一応は新幹線も止まる新倉敷駅から近いと言っても、なにしろ裏通りも良いところでとても通りすがりのお客が入るようにも見えない立地なんですが、相変わらず昼食時には行列待ちが出来るくらいの繁盛ぶりを続けていらっしゃるのは大変なものだと思いますね。
こちらは一般的な広島風のお店と比べると値段もわりあいリーズナブルなんですが、ベーシックなお好み焼きだけですと物足りないという向きにはモダンや大盛りを頼んでもいいし、焼きそばなどを追加してみてもいいのかも知れませんね。

というわけで今回は豚玉を基本に焼きそば、焼きうどんなどもつまんでみたのですが、まず味の中心となるソースが関西風としてはかなり甘口なんでしょうけど、おたふくソースなどの味になれるとやはり辛口なんだなと感じるのは自分でも驚きましたね(苦笑)。
ここはソースも特に当店のソースは特別製で云々と銘打っているわけでもなく、素材などもそれほど凝っているようにも思わないのにお好み焼きとしてはちゃんとうまいというのは、結局生地や焼き具合のバランスがいいんでしょうね。
関西風ですから自分で焼くことも可能ですが、親父さんが豚たまを焼く手順を見ているのも面白いもので、相変わらずざっくり切ったキャベツの食感と厚切りのかりかりに焼いた豚肉、そして柔らかめのふわとろ生地の食感の組み合わせがこちらの特徴なのかなと思います。
ただ親父さんも時折焼きながら気にしている気配がありますけど、ざっくりが過ぎて乱雑な切り方になっているキャベツが時折混入して食感を損ねているのは裏方がどうなのかと気になるところで、鉄板の上でコテでキャベツを刻むというのもシステムとしてどうなのよですよね。
おそらく誰でもうまいと感じるお好み焼きと比べると焼きそばや焼きうどんはさほど感銘を受けるほどの味でもないと言うのでしょうか、ややくったりしすぎな野菜の炒め加減といい、そもそも使っている麺自体がどうなのよという食感といい、お好み焼きのレベルには及んでいないかなという感じなのはちょっとばかり残念でしたね。

ちなみに以前は親父さんが一人で焼いていたようでしたが、この日はヘルプも入って二人態勢のフル稼働で鉄板もほぼ全面を使っている、それでも開店直後にも関わらずあっという間に行列待ちのお客が出るのは人気店の証かなと感心するのですが、しかしこんな何でもない田舎の小さな店(失礼)で老若男女これだけ客が入るというのは珍しいなあとつくづく思いますね。
以前に来た時も思ったのですが平素から調理の大部分は親父さん一人で切り盛りしているような状態らしく、フロアにまで目が行き届いていないせいかちょっとスタッフの質が統一されていない感じがするのは気がかりな点で、繁盛店だけに小さなお店に大勢お客が来て大変だとは言え、接遇はもとよりキャベツの件などを見てもスタッフ教育を一度練り直した方がいいんじゃないかなと言う気もします。
何にしろお好み焼きの味を見ても親父さんの腕に依存しているところは大きいんだと思いますが、さすがに毎日これだけハードワークですと色々と心配にもなってきますから、そろそろいい跡継ぎでも登場してくればいいんでしょうけどね。

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2011年10月29日 (土)

読売vs自由報道協会 新たな遺恨が勃発

先日は恒例の新聞週間の集いが開かれたということですが、震災報道などとも絡んで既存メディアのあり方を問い直す発言が相次いだようです。

各地で新聞週間記念の集い(2010年10月25日日本新聞協会)より抜粋

 新聞協会や地元の報道各社が主催する新聞週間記念の集いが、今年も東京、大阪、名古屋、福岡の4地区で開かれた。各会場で講演やパネル討議などさまざまな催しが行われた。

 東京地区は10月21日、東京・内幸町のプレスセンターホールで開かれ、パネル討議「東日本大震災―求められる情報発信とは」に160人が参加した。毎日新聞社主筆の岸井成格氏、ジャーナリスト・農家・宇宙飛行士の秋山豊寛氏、ノンフィクション漫画家・コラムニストの井上きみどり氏が登壇。学習院大客員教授でフリーアナウンサーの八塩圭子氏がコーディネーターを務めた。

 福島第一原発から32キロ地点に暮らしていた秋山氏は、事故を受けて避難している。事故当時の報道について「どれくらい危険なのか分からなかった。不安をあおらないようにと統制されている印象だった」と不満を述べた。岸井氏は「統制はないが、誰が言っていることが正しいのか分からない状態だった」と話し、大丈夫と伝えても、危ないと伝えても混乱を招く状況だったと振り返った。

 また秋山氏は「科学記者はある程度の専門家でなければならない」と話した。今回の事故で、地震や原発の専門家への不信感が生まれたと指摘。「一般の人もテクノロジーリテラシーを養わなければならない。それを媒介するのが記者だ。メディアや記者は自立し、権力の監視役という役割に立ち返ってほしい」と強調した。

 岸井氏は今後の報道について、原発事故の収束、除染作業、新エネルギー政策を伝えていくことが柱になるとした上で、「同時に報道は歴史の評価や検証に耐え得るものでなければならない」と述べた。

 仙台市在住の井上氏は「被災体験の記事を読んでいると、美談で終わっていて傷つくことがある。その人のストーリーや感情をそのまま伝えてほしい」と訴えた。岸井氏は「取材する側は、こんなに希望を持っている人がいると伝えたくなる。その結果、取材された人が地域で浮いてしまうことがある」と答えた。
(略)

昨今様々な専門領域において捏造、誤報を垂れ流すメディアへの反撃が盛んになってきている状況を考えるとき、「科学記者はある程度の専門家でなければならない」とは全くその通りだと思いますし、そもそも対象に関する何らの知識もないまま報道するなどとはプロフェッショナルとして不勉強に過ぎると言うべきでしょう。
今の時代においてはネットなどを経由して各方面の専門家があっという間に報道の検証をしてしまうことから、彼らお得意の情報操作もおいそれとは通用しなくなってきていますが、例えばマスコミが平野復興担当相を「情報操作」によって辞任に追い込んだ問題に関しても、世間では6割の人々が発言は問題なかった、あの程度の発言で辞任する必要はないと言う感想を抱いていると言います。
無論、今どきマスコミお得意の情報操作に自ら引っかかろうと努力するかのような口の軽い政治家に対する正当な報いだという意見も一部にありますが、いずれにしてもほとんどの人間がマスコミのペン先一つでいわば国政の行方すらも好き勝手に操作される現状にようやく危機感を抱き始めたということですよね。
先日行われた民主党の小沢氏による記者会見においてもマスコミとの間に相当な確執があったようですが、野田総理にしてもぶら下がり取材は一切行わないという方針を固持していると言いますから、この調子でいくと政治家とマスコミとは遠からず完全対立路線を歩むことにもなりそうですが、そこにあらたなジャーナリズムの未来も見え隠れし始めています。

小沢元代表記者会見で読売記者へ激しい抗議(2011年10月27日読売新聞)

 20日行われた小沢一郎民主党元代表の記者会見で、資金管理団体「陸山会」の事件について質問をした読売新聞記者に、会見を主催したフリージャーナリストらが「司会者の指示に従わなかった」と激しく抗議する場面があった。
 その様子はインターネット上で生中継され、読売新聞にも問い合わせが相次いだ。記者は司会者に言われるまま質問を打ち切るべきか、それとも追及を続けるべきか。問題となった会見を検証する。

 ◆質疑応答◆

 会見を主催したのは、フリージャーナリストらで作る「自由報道協会」(東京都千代田区)。小沢元代表はこのところ、自身の考えを述べる場に、インターネットで生中継されるネットメディアを選ぶことが多い。
 会見の第1部は、市民から寄せられたとされる質問に元代表が答えるもので、これが終了した後、記者らによる質問の第2部が始まった。最初に司会者から指されたのが、読売新聞社会部の恒次(つねつぐ)徹記者だった。

 「小沢さんは政治資金規正法違反に関して、脱税とか汚職を伴わない場合は、実質的犯罪とは言えないとの考えを再三述べている。国民の判断を誤らせる虚偽記入があれば、実質的犯罪と言えるのではないか」

 これに元代表は「あなたの意見がちょっと違う」と述べたが、政治資金収支報告書で国民の判断を誤らせることが実質的な犯罪に当たるかどうかについて、明確な回答をしなかった。
 このため恒次記者は「例えば」と前置きし、投資家の判断を誤らせることになる有価証券報告書の虚偽記載罪を例に挙げて、なお見解をただそうとしたが、司会者が「この辺で区切らせていただきたい」と制した。ジャーナリストで同協会暫定代表の上杉隆氏らも、「ルール違反だ」と抗議した。恒次記者はその後も質問しようとしたが、「ルール守れよ」などの声が上がった
 恒次記者の質疑応答に要した時間は約4分30秒。その後、4人から質問があり、平均約5分を費やした。

 ◆生中継◆

 会見終了後、恒次記者は上杉氏とジャーナリストの岩上安身(いわかみやすみ)氏に詰め寄られ、抗議を受けた。さらに別室に移動し、上杉氏は「なめてんのか、この野郎」、岩上氏は「ど素人か」「質問の仕方がへたくそ」と言いながら、司会者に従わなかったことに怒りをあらわにした。この模様は約25分間、生中継された。
 翌21日、同協会から恒次記者あてに抗議文が届いた。〈1〉司会者の指示に従わなかった〈2〉ゲストスピーカーの言葉を遮って発言を続けた――の2点を挙げて、「記者会見上のルールを無視し、進行を妨げたことは誠に遺憾」としていた。

 ◆反響◆

 抗議の模様はその後も、動画サイトで閲覧でき、視聴する人が相次いだ。このほか、夕刊紙「日刊ゲンダイ」が22日付の紙面で、「小沢会見 読売記者“大暴れ”」の見出しで記事を掲載。抗議の模様について、「場外乱闘の大パニックに発展した」と報じた。
 読売新聞読者センターにも、動画を見た人から、電話とメールによる意見が141件(26日現在)寄せられた。会見直後は、ほとんど恒次記者に対する批判で、「読売バカ記者」「恥を知れ」と同じ文言のメールが多数あった。これに対し、「紳士的で冷静」「あれくらい聞くのが当然。大変だろうが、頑張ってほしい」と支持する意見も寄せられた。
 上杉氏は22日、「読売新聞記者に複数回『暴言』を吐き、協会の健全性を傷つけた」として暫定代表の辞任届を提出したが、同協会は受理しなかったという。

「ルール違反」の当事者である読売の記事を読んでいるだけでは恒次記者が正当な追求をしているところに突然主催者側が妨害を仕掛けてきたかのようにも見えるのがおもしろいのですが、記事に触れられている事後の騒動に関しての生中継なる部分はこちらを参照いただくとして、主催者側から批判されているのはせっかく小沢氏を呼んで場を設定したのに何らの意味もない禅問答を続けた点にもあるようですね。
実際の質疑応答の様子についてはまずこちらの中継動画あるいはその文字起こしをご参照いただければと思いますが、そもそも相手の発言を聞く意志もないのでは対話になっていないし、ただオレ流認識を言い立てるだけでは何ら会見の実も挙げられないのは当然ですから、確かに他人のイベントに相乗りさせてもらって冒頭からこんなことをやっていたのでは場を荒らすなと言われても仕方がないでしょう。
読売にしても十年一日の同じことしか言えないのでは小沢氏も同じことしか答えないのは判りきった話で、これではせっかく中継を見ていた国民は知りたいことも聞けないとイライラしてしまいますが、どうも読売に限らず旧来のメディアは相変わらずの判で押したようなことしか言えなかったという状況ではあったようです。

「ルール違反だろ!」小沢一郎会見で″場外乱闘″ 上杉隆氏らと読売記者が口論に(2011年10月20日BLOGOS)より抜粋

 10月20日、自由報道協会が主催した小沢一郎・民主党元代表の記者会見で“場外乱闘”が勃発した。司会の進行を無視して、小沢氏に質問をぶつけまくった読売新聞の記者に、同協会の暫定代表でフリー記者の上杉隆氏が「あんたルール違反してるんだよ!」と激高。会見終了後も、上杉氏に加えてフリー記者の岩上安身氏も読売記者に詰め寄り「なんであんな質問をしたのか!解答をさえぎってたら質問にならないでしょ」と抗議した。読売記者も「会見であれぐらいは普通だ」と抗弁したことで十数分に渡って大騒ぎになってしまった。

 もともと同協会は、記者クラブに所属しないフリー記者やネットメディアが中心となってオープンな記者会見をするために誕生した。いつもは全国紙など大手マスコミの記者は足を運ばないが、東京地裁で公判中の小沢氏ほどの大物議員は別格で、朝日新聞や共同通信からテレビ局まで勢ぞろい。70人近い記者とカメラマンの熱気で、会場は蒸し暑いほどだった。

 

フリー記者らは小沢氏にTPP加入問題や日中関係など政策についてのみ質問。それに対して新聞記者の質問は、小沢氏の政治資金問題に集中するというように、くっきりと分かれていた。読売記者がしつこく小沢氏に食い下がったことにフリー記者が抗議したことは、マスコミ対フリーという新たな火種を産むことになりそうだ。【写真・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】

元々が「協会?やりたければ勝手にやれば?どうせ何にも出来ないだろ(プゲラ」で華麗にスルーしていたというのに、おいしそうな時だけやってきて場を荒らして去っていくでは普通は「お前らちょっとは空気読め」と言われても仕方がなさそうですけれどもね。
そもそも裁判にまでなった係争中の事件に関して政治家が公式見解以外のコメントを公の場でするはずもないことはいい加減学習しろよですが、既存メディアはそこから一歩も前に踏み出せないまま小沢氏の顔を見れば政治資金問題一辺倒、それも相手のコメントをうまく引き出すのではなくただ単に自分がしゃべり続けるだけでは今どき誰も相手にするはずもありませんよね。
こうした旧来のメディアのあまりに稚拙な質問の様子はこの手の現場が生中継されるようになって初めて国民も知るところとなってきたわけですが、いくら記者クラブ制度などという居眠りしているだけで記事が書けるという境遇にどっぷり浸かりきって久しいとはいえ、まさに旧来のメディアがすっかり時代に取り残されてしまったということを象徴するようなイベントになったということでしょうか。
読売としては陸山会問題を追及してきたのは自分たちだという自負があるのでしょう、今回の騒動に関してもわざわざ公式コメントを出して「司会の制止を振り切ってもやらなければならない時がある!」と全く反省の様子がないどころか、自分たちこそ絶対的な正義であると主張してはばかりませんけれども、一方の上杉氏始め自由報道協会側も徹底抗戦の構えのようです。

「理解に苦しむ」読売新聞が上杉氏に反論 泥沼化する記者バトル(2011年10月27日BLOGOS)より抜粋

(略)
■ 読売と自由報道協会がバトル

 上杉隆氏は翌21日、自由報道協会のHPに「自由報道協会主催記者会見でのルール違反について」とする恒次記者への抗議文をアップした。

     貴殿は2011年10月20日に行なわれた当会主催記者会見の場において、記者会見運用上のルールを無視し、司会者による再三の注意にもかかわらず発言を続け、多くの記者が参加する記者会見の進行を妨げました。これは誠に遺憾であり、下記の通り、抗議します。

    一、 司会者の指示に従わなかったことに対して
    二、 ゲストスピーカーの言葉を遮って発言を続けたことに対して

     今後、当会主催の記者会見に参加される場合には、ルールの順守を厳にお願い申し上げます。

 一方の当事者である読売新聞側は沈黙を守っていたが、27日、1ページをほぼ占拠するほどの大特集で反撃に出た。「当然すべき取材」という記事の中で、恒次記者のコメントが以下のように書かれている。

    「会見者が質問をはぐらかした場合に、そのことを指摘できなければ、追及にならない。司会の指示を振り切らなければならないことはある。ルール違反と過剰に騒ぐことは、会見者を追及から守ることにしかならない。ジャーナリストがなぜ、そのようなことをするのか理解に苦しむ」

 同僚の渡辺晋記者も以下のように援護射撃をしている。

    恒次記者の質問は、当然すべき取材だったと言える。虚偽記入が国民の判断を誤らせることになるため、実質的犯罪と言えるのではないか、とただす恒次記者に対し、元代表はきちんと答えようとしなかった。そのことをさらに追及しようとした時、司会者に制止されたのだ。これを振り切らないと、元代表の見解は引き出せない

 なお、上杉氏は恒次記者に「暴言」を浴びせたことの責任を取るとして、暫定代表を辞める意向を表明。自由報道協会に対して辞表を提出したが、同協会は受理しなかった。

■ バトルの裏にある「記者クラブ問題」

 もともと今回の騒動の根っこには、会見を主催した自由報道協会が、既存メディアの情報独占に対して反旗を翻して誕生したということがある。というのも、記者クラブが主催する会見の多くは、未だにフリー記者の参加が許されていないからだ。今回の小沢会見には大手マスコミも大挙して参加したが、同協会の設立趣旨はフリー記者の参入障壁を下げることにあった。今年1月の設立時に、上杉氏はダイヤモンドオンラインに以下のように寄稿している。

     ついに「自由な言論の場」をつくることにした。

     昨夜、フェアな報道の場を提供するための非営利団体「自由報道協会」(仮称)を立ち上げることを宣言した。

     戦後一貫して、一部のメディアのみが特権の上に胡坐をかき、政府の公的な情報を独占するという歪んだ社会構造にあった日本。それは端的に記者クラブの存在によるものではあったが、もはやそうした欺瞞にも限界が訪れたようだ。

     長年、フリーランス、海外メディア、雑誌、最近では、インターネット等の記者たちが交渉を重ね、国民の知る権利を満たすメディアシステムを構築しよう、と呼びかけてきたのだが、伝統的な新聞・テレビなどのマスメディアは結局これを拒否してきた。

     国民の税金で開催されている政府の公的な記者会見を勝手に占拠し、世界に恥ずべくシステムをいまだ続けている「記者クラブ」に、もはや自浄作用はない。よって、筆者は多くの有志とともに、「自由な言論の場」を作り、記者会見を主催することにしたのだ。それが「自由報道協会」である。

 上杉氏らは、フリー記者の出席を認めない官公庁などの記者クラブの閉鎖性を常々批判してきた。そこで、あらゆる人間に会見を開放する「自由報道協会」を新世代の記者クラブとして立ち上げることになったわけだ。

 今回、上杉氏らは協会のルールに違反した読売記者に対して、わざわざネット中継するカメラの前で怒りを露わにした(控え室までカメラを招き入れている)。彼らの行動には、既存マスコミに対するカウンターとして、同協会の立場を鮮明にしたいという思いが透けて見える。

小沢氏は既存の記者クラブや大手マスコミの会見要請には滅多に応じない一方で、ニコニコ動画などのネットメディアへの出演や、自由報道協会の会見には積極的に応じてきた。政治献金問題を抱える大物政治家だけに、自由報道協会にとって「小沢氏の会見を主催できる」という価値は非常に高い。彼の会見が引き金となり、新旧メディアの対立が一気に浮上したのは、ある意味で当然の帰結かもしれない。

管理人もジャーナリストとしての上杉氏のスタンスは必ずしも全面支持するものではありませんが、今回必要以上に劇的な形で対立軸を演じて見せたというのは彼なりの協会アピールの手段であると考えれば、わざわざ小沢氏会見にいの一番で読売を指名するなどという火種に点火するような真似をした意味が見えてきます(協会の趣旨から言えばまずフリージャーナリストが優先されてしかるべきでしょうしね)。
何とかの一つ覚えで予想通りの振る舞いだった読売にしても自分なりの考え方があるならあるで、他人の主催する場でルール無視して好き放題をしたいなら自分で勝手に場を設定してやれよと言う話ですが、情報とは記者クラブを通じて勝手に与えられるものという感覚に染まった彼らにはそうした知恵や配慮は存在しないということなのでしょうか?
いずれにしても既存メディア対ネットという対立軸で語られることの多かったこの国のジャーナリズムに、新たに既存メディア対自由報道協会という別な対立軸が生まれたことで、情報もより立体的になり国民としてもソース選択の自由が広がるわけですから、今後も両者でさらにヒートアップしてもらった方がよいということになりそうですね。
一次情報の発信を独占しているという唯一のアドバンテージが崩壊したとき、国民もようやく彼らメディアの功罪を正当に評価出来るようになることでしょう。

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2011年10月28日 (金)

教師の世界も危機的状況にある?!

個人的にも教員の世界とは色々と縁が深いものですから、世間で何かと言われている事柄に対する現場での実情であるとか率直な現場の感覚といったものはある程度理解しているつもりですし悪く言いたくもないのですが、今の時代にあってもなお「聖職者」の一種として世間から見なされているのが教師という職業でもありますよね。
そんな教師の世界においても残念ながら犯罪行為は起こらないわけではないのですが、不謹慎ながら「それどんなエロゲだよw」と話題になっているのが、先日発覚したこちらの事件です。

女児にわいせつ 1年間、十数回 幕別の小学校男性教諭/北海道(2011年10月26日北海道新聞)

 【幕別】十勝管内幕別町の小学校の男性教諭(52)が、同校の女子児童に対し、約1年間にわたって体を触るなどのわいせつな行為を繰り返していたことが25日、分かった。道教委は近く、この教諭を懲戒免職処分とする方針。

 同校などによると、教諭は2009年7月ごろから約1年間、休み時間などに同校の教室や体育館、プールなどで同じ女児の体を触るなどの行為を十数回繰り返した。他の児童もいる中で、周囲からは見えないように触るなどし、女児には「口止め」していたという。

 女児の祖母から11日、同校に被害の申し出があり、学校側が教諭に確かめたところ、事実関係を認めたため、14日に自宅待機を命じ、町教委を通じて道教委に報告した。同校は19日には保護者説明会を開き、校長が父母らに謝罪した。

 校長は「大変申し訳ない。二度とこのようなことがないよう教員の規律を徹底したい」と話している。

女児にわいせつ行為 北海道の小学校教諭/北海道(2011年10月26日日刊スポーツ)

 北海道幕別町の小学校の男性教諭(52)が、同校の女子児童の体を触るわいせつ行為を繰り返していたことが26日、分かった。北海道教育委員会は教諭の懲戒処分を検討している。

 幕別町教委によると、教諭は2009年7月ごろから約1年間、休み時間などに教室や体育館、プールなどで同じ女児の体を十数回触った。

 女児の祖母から今月11日、学校に被害の申し出があり発覚。学校側の調査に教諭は「いきすぎたスキンシップだった。魔が差した」と事実関係を認めたという。同校は19日に保護者説明会を開き、校長が父母らに謝罪した。

 校長は「2度とこういうことが起こらないように職員の服務規律の徹底を図りたい」と話した。(共同)

しかし子供に悪い記憶が残らないよう今後のメンタルケアの重要性は言うまでもないですが、すでに多くの人が指摘しているように近年こうした教師によるわいせつ事件の報道が非常に目立ち、しかもその多くが自らの教え子ないしは教え子と同年代の子女を対象にしているということは気になります。
普通この種の性犯罪行為でとりわけ職業を取り上げて注目されるということはあまりありませんから(下手すればマスコミによる職業差別です)、その意味で毎回「教師が」「教諭が」と騒がれる教師という職業は狙われているのでしょうけれども、ざっと最近の記事を簡単に検索しただけでも幾らでも引っかかってくるのも事実ですよね(しかしたった一週間程度でも何件でも出てくるとは…)。

買春容疑で高校教諭逮捕 女子高生が中学生紹介/北海道(2011年10月20日日刊スポーツ)

児童ポルノ容疑で北海道の小学教諭逮捕 職員室のパソコンに保存(2011年10月23日日刊スポーツ)

男子生徒にわいせつ行為=中学教諭を逮捕-静岡県警/静岡(2011年10月25日時事ドットコム)

わいせつ画像貼り48歳教諭懲戒処分/茨城(2011年10月26日産経ニュース)

たまたま北海道での事件が目につくのは取り上げるメディアのバイアスがかかっている可能性もあるやもですが(苦笑)、残念ながら実際には全国各地から年中同種の事件が報道されていて、特定地域の特殊性といった見方は残念ながら難しいのではないかという印象です。
とりわけ気になるのは教師の事件報道と言えばほぼ例外なくわいせつ事件絡みであることで、一般的な犯罪比率はそれほどでなくともとにかくわいせつ事件が多いというのが教師の犯罪の特徴だとすれば、これはニュースバリューがあるから報道も細かく取り上げるというだけで済ませてよいのか、あるいは実際に性犯罪が多いという特殊な事情があるのかですよね。
このあたりに関して数年前に神戸新聞がそのものずばり「教師のわいせつ事件考」という一連の特集記事を出していまして、同紙による独自の試算では中学校教師の性犯罪逮捕率は実に一般の15倍にも達するとも言いますから驚きます。

嘘だと言って 教師のわいせつ事件考(2002年12月14日神戸新聞)より抜粋

 教師によるわいせつ行為などの性犯罪は、本当に多いと言えるのか。いくつか試算してみた。例えば、兵庫県警が今年一―九月に強制わいせつ(未遂含む)容疑で摘発、逮捕したのは七十九人。県内の十五歳以上六十五歳未満人口を基礎にすると、四万八千人に一人という計算になる。

 一方、県内の中学校教師は臨時教員を含めて約九千五百人。同容疑で同じ期間に逮捕された教師は三人、三千二百人に一人だ。男女構成比の違いを無視した計算にはしても、発生率は、先の平均値の実に十五倍に上る

 こんな数字もある。県迷惑防止条例違反を含むわいせつ事案で逮捕された中学教師は五人。県内の中学校は三百九十五校。七十九校に一校が今年、逮捕者を出したことになる。中学教師の性犯罪は確かに多い。「個人の資質」では済ましようのない数字が並ぶ。

ま、周り中がいつもかわいらしい子女に囲まれていて、しかも崩壊したとは言っても一定の権威でもってこれに接することが出来るという立場はその種の性向のある人間にはたまらないのかも知れませんが、そうした傾向のある人間だからこそこうした職場環境を選んだのか、それとも職場環境がこうした人間を作り上げたのかということも気になります。
昔から例えば高校教師が教え子と結婚したなんて話は結構あったものですが、こうした例は当然ながら比較的若年者が多かっただろうと推測される一方で、前述の記事から容疑者の年齢を拾い上げてみますと52歳、46歳、48歳、39歳、そして48歳と、ある程度歳の言った層に多そうだという傾向は後者の環境要因説を支持するのかなとも思えます。
いずれにしても全国各地でこうした事件が頻発していることには当事者、関係者も相当に頭を痛めているようで、各地から対策の必要性は重々理解できるものの実際どうしたらよいものかと頭を抱えているという話が続出しているようなのですね。

横浜市で教職員の処分後絶たず、大半がわいせつ事案/神奈川(2011年10月18日カナロコ)

 横浜市で教職員の不祥事が止まらない。市教委は17日に2件の懲戒免職処分を発表。2011年度の懲戒処分はすでに計10件を数え、10年度の11件に迫る。市教委は「再発防止に全力で取り組む」としているが、懲戒免職処分の大半がわいせつ事案で個人の資質に関わる問題なだけに、歯止めをかけるのに苦慮しているようだ。

 教職員の懲戒処分件数は、08年度16件、09年度20件、10年度11件となっている。

 横浜サイエンスフロンティア高校(鶴見区)の副校長が無免許で数学を教え、停職6カ月の懲戒処分を受けるなど、11年度はまだ半年ほどしか経過していないにもかかわらず、懲戒処分が続出。市教委は「多いと感じている」と危機感を強めている。

 市教委は「学校訪問をするなど、職員一人一人の意識を変えていかなければならない」と再発防止を掲げるが、わいせつ事案が後を絶たない現状に悩まされている。

 懲戒免職処分は08年度5件、09年度9件、10年度4件、11年度4件。そのうち、わいせつ事案が08年度3件、09年度7件、10年度3件、11年度3件と大半を占める

 市教委は「基本的には個人の資質の問題と認識しているが、研修の仕方を見直すなど、対策を徹底していきたい」としている。

静岡県で8月からの3カ月で教師による性的不祥事6件相次ぐ(2011年10月26日FNN)

静岡県で教師の不祥事が続いていて、県の教育長は「万策尽きた」と話している。

中学1年の男子生徒に、わいせつな行為をしたとして、逮捕されたのは森田智也容疑者(39)。静岡・伊東市内の中学校に勤務する教師だった。
今、静岡県で教員の不祥事が相次ぎ、波紋を呼んでいる
20日の臨時校長会で、静岡県教育委員会の安倍 徹教育長は「それはやはり、万策尽きた」と語った。
安倍教育長が発したのは、諦めともとれる言葉

静岡県では8月10日に、中学校の校長が知人女性にセクハラをしたとして停職3カ月の処分。
そして、8月22日、県立高校の40歳の男性教師が、女子生徒にホテルでわいせつな行為をしたとして、懲戒免職処分になった。
9月7日には、沼津市の40代の男性高校教師が、女性の部屋をのぞこうとしたとして、住居侵入の疑いで逮捕された。不起訴となったものの、停職10カ月の処分となった。
また、9月26日には、県立高校の40代教師が、量販店で17歳の女子高生のスカートの中を盗撮したとして、県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された。
さらに10月には、県立高校の教師・森田 由紀夫容疑者(47)が、「お前の進路もただじゃおかないぞ」と、教え子の女子生徒を進路が不利になるなどと脅し、胸を触るなどわいせつな行為をしたとして逮捕された。
森田容疑者の元教え子は「少しニヤついていただけで、けられたりとか、(ニュースを聞いて)まさかそこまでとは思わなかったが、言われてみればというところはあります」と語った。

こうした事態を受け、静岡県教育委員会は20日、再発防止のため臨時校長会を開催した。
そこで出たのが、教育長の「万策尽きた」発言だった。
県内の親たちは、「何を信じたらいいのかと」、「手の施しようがないみたいなことを言っていますよね。そんなこと言わないで、もっとちゃんと考えてというか、お子さんを持っているお母さん方は、心配でしょうがない」などと語った。

そんな思いをよそに、臨時校長会のわずか5日後の25日、今度は伊東市の中学校の教師・森田容疑者が、2010年8月に、中学1年の男子生徒にわいせつな行為をしたとして、逮捕された。
伊東市の教育委員会は「(森田容疑者は、生徒を家に)泊まらせろと、アパートに泊まったと。布団が1つしかなかったと言って、同じ布団に入って寝たと。触るという意識はないと、(森田容疑者は)言っていました」と語った。
これで静岡県では、8月からのわずか3カ月で、教職員による6件の性的不祥事が発覚したことになる。

「万策尽きた」と語った安倍教育長に、26日にあらためて聞くと、「まだまだ、先生方1人ひとりに、われわれの思いというか、気持ちが届いていないのかなと。その(今後の)具体的な対応については、検討しているところです」と語った。
教育評論家の尾木直樹氏は、相次ぐ不祥事について、「わたしたちは、そういう不祥事はしませんという誓約書を、各職場から上げさせることをやった県もありますが、そういうレベルでは、もう対応できる問題ではない。ここで必要なのは、心理的な背景分析と、そうならないための行政支援だとか、あるいは1人ひとりの教師が何ができるのか、そこの分析に入っていく方が、科学的であり、しかも総合的」と語った。

教育長「万策尽きた」…わいせつ教師続出の静岡(2011年10月23日読売新聞)

 静岡県で教師が生徒への強制わいせつ容疑で逮捕されるなど性的な不祥事が止まらず、県教育行政トップの県教育長が「万策尽きた」と発言する事態になっている。

 県教委は、懲戒免職処分を受けた教職員の氏名公表に加え、研修などの対策を打ってきた。教育現場から教育長に理解を示す声も漏れ、無力感が漂う。生徒から「誰が生徒を守るのか」「先生は何やっているんだ」と厳しい声が噴出している。

 県立科学技術高校の男性教諭(47)が17日、女子生徒への強制わいせつ容疑で逮捕された事件を受け、県教委は20日、臨時校長会を開催。安倍徹教育長は「私としても万策尽きた」と苦渋の表情で語り、「学校で連帯感を持った人間関係を作ってほしい」と約120人の校長らに訴えた。

 静岡県内で、校長や教諭がセクハラで懲戒処分されたり、教諭が盗撮やのぞきで逮捕されたりするなど、8月からだけでも5件の性的不祥事が発覚。県教委は、外部講師による研修やセクハラ根絶のためグループ研修を導入してきた。

 ところが、研修を受けていた高校教諭が9月に女性のスカート内を盗撮した容疑で逮捕。生徒への強制わいせつ容疑で捕まった教諭も研修を受けている

 安倍教育長は「万策尽きたという言葉は、思わず口に出てしまった」と打ち明ける。不祥事防止を訴える機会が再三あり、「また同じような状況で同じような話をしなければいけないのか」と無力感に襲われたという。「適切な言葉でなかったと反省している。効果的な対策を考えていかなければいけない。具体策の検討を始めている」と話した。

 県高等学校長協会会長の浅羽浩・県立静岡高校長は「苦しい心境が表れた言葉」と理解を示す一方、「現場は万策尽きていない。即効性がある対策はないかもしれないが、まだ努力することはある」と話す。

これだけの状況を「個人の資質の問題」で済ませるのだとすれば、そもそも教師の採用段階での選考に深刻な問題があるとしか思えませんが、見た限りではそちらを問題視し改善しようという動きは一切無いらしいのは自己矛盾ですし、そもそも確信犯的犯罪行為にお仕着せの研修などどれほど有効かという疑問もあるでしょう。
いわゆる教員免許更新制の導入などもこうした事件続出も受けて出てきたということなのでしょうが、流行の表現をするなら「リピーター」教師を排除するだけでこうした事例は防げるのかどうか、教師の世界では新規性犯罪者の供給が非常に多いということになればあまり実効性はないのではないかという懸念もありますよね。
無論悪質な事件を繰り返すような犯罪者に対しては教育現場に関わらせないよう免許失効処分なりの対応も必要なのでしょうが、子供達に与える影響の大きさを考えれば事後処分の厳罰化よりは事件を起こさないようにすることが重要であることは言うまでもないわけですから、性犯罪に限らず教師として資質の高い人材がきちんと評価され、そうでないものは淘汰されていくということが理想ではありますよね。

学生の側から見ると担当が決まってしまえばほぼ確実に一年間はつきあわざるを得ない教師の選任に関しても、例えば予備校などで導入されている希望選択制や教員評価システムの導入など、もう少し学生側の意見も反映される体制があってもいいかなという気はしますが、そうした制度を導入するためにももっと教育にお金を投じて人員も増やさなければならないということになるのでしょうか。
しかし現場がこれだけ大変なことになっている時代に、大阪あたりの教育委員会では「俺たちの意見が通らなければ総辞職するぞ!」と知事を脅迫するような言動まで弄しているというのですから、どこの世界でも現場から遠い場所が一番腐っているという事情には変わりがないということなのでしょうか…

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2011年10月27日 (木)

医療に関わる最近見た判決から

一体これは何なのだろうなあ…と思ってしまうのが、先日出たこちらの判決です。

医師の「頑張れ」は違法=症状悪化と賠償命令-大阪地裁(2011年10月25日時事ドットコム)

自律神経失調症だった男性が、不用意な発言で症状が悪化し復職が遅れたとして、大阪府内の内科医に530万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁の寺元義人裁判官は25日、「『頑張れ』などの発言は違法」として、60万円の支払いを命じた。
 寺元裁判官は、内科医が「病気やない、甘えなんや」「薬を飲まずに頑張れ」などと力を込めて言ったことについて、「安易な激励や、自助努力を促すような言動で病状が悪化する危険性を避ける注意義務に違反した」と述べ、発言と病状悪化との因果関係を認めた

休職職員に「甘えだ」産業医に賠償命令 大阪地裁(2011年10月26日読売新聞)

 自律神経失調症で休職中、産業医に「病気でなく甘えだ」などと言われ病状が悪化したとして、奈良県に住む40歳代の団体職員の男性が、当時の産業医に530万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。寺元義人裁判官は「安易な激励や、圧迫的、突き放すような言動は病状を悪化させる危険性が高く避けるべきで、産業医としての注意義務に違反した」と述べ、元産業医に慰謝料など60万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2008年6月から同失調症で休職。治療で復職のめどが立った後の同年11月、産業医との面談で、「病気やない、甘えなんや」「生きてても面白くないやろ」「薬を飲まずに頑張れ」などと言われ、病状が悪化。復職の予定が約3か月遅れた

 この産業医は内科が専門で、裁判で「励ましの言葉をかけることはあったが、詰問や人格を否定するような発言はしていない」と主張。判決で寺元裁判官は「産業医は心の健康への目配りを通じて労働者の健康管理を行うことも職務だ」と指摘。同失調症を「うつ病などとの関連性が考えられる」とし、慎重な言動の必要性に言及した。

 この産業医は昨年3月、団体での勤務を辞めたという。

よく「鬱病患者を安易に励ましてはならない」なんてことは半ば常識的に言われるところですが、ここで問題になるのがこの原告側の病名が「自律神経失調症」なる疾患概念もはっきり定まっていないものであることで、はっきり言って印象がよろしくないと言うのでしょうか、不定愁訴ばかり多い方に無理矢理つける診断名というイメージが強いですよね。
報道から見る範囲では産業医の対応が安易であったと言われればその通りなんですが、そもそも産業医がこんなところに深入りしているというのが話がこじれた原因であったことを考えれば、余計な助言などをせずにさっさと心療内科なりに紹介状でも書いておけば済んだ話ではなかったかなと言う気もします。
裁判所にしても60万円という支払額からすると「まあこのあたりで手を打っておきなさいよ」という気持ちが込められているのかとも思えるところで、とあるサイトの弁護士費用計算機で計算してみるとせいぜいトントンかおそらく赤字になるあたりの金額ですから、あまり判決の意味を深刻に考えすぎない方がよいのかも知れません。
一方でこちらは以前から久しく係争中という話ですが、このたびはじめて最高裁判決が出たということで少しばかり深刻に考えておくべきなんでしょうかね。

混合診療禁止は「適法」 最高裁が初判断(2011年10月25日朝日新聞)

 健康保険が使える保険診療と適用外の自由診療を併用する「混合診療」を原則として禁じている国の政策が適法かが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)は25日、「適法」との判断を示した。そのうえで、保険診療分については保険が使える権利の確認を求めた患者の上告を棄却。患者の敗訴が確定した。

最高裁が混合診療の適法性について判断を示したのは初めて。結論は裁判官5人全員一致の意見だった。ただ、大谷裁判長ら3人が「補足意見」を、寺田逸郎裁判官が異なる理由を示す「意見」を述べ、それぞれ制度や運用のあり方に問題提起をした。

 訴えていたのは、神奈川県藤沢市に住む腎臓がん患者の清郷(きよさと)伸人さん(64)。保険適用の「インターフェロン療法」と併せて適用外の「活性化自己リンパ球移入療法」を受けたところ、すべての治療について自己負担を求められたため、「混合診療を禁じる法律的な根拠はないから、インターフェロン分は保険が使える」として提訴した。

 健康保険法に混合診療を禁じる規定はないが、国は法解釈で禁止してきた。その一方で、1984年の同法改正以降、特定の高度先進医療に限って例外的に混合診療を認めている

 第三小法廷は、禁止が「法律から直ちに導かれるとは言えない」と指摘しつつ、法改正の経緯などを踏まえて「医療の安全性・有効性の確保や、財源面での制約から、保険が給付される範囲を合理的に制限するのはやむを得ない」と述べ、国の解釈は妥当と結論づけた。

 個別意見のうち、弁護士出身の田原睦夫裁判官は「現行法は文言上、他の解釈の余地がある。対象者が広範囲に及ぶ場合、明快な規定が一層求められる」と注文を付けた。裁判官出身の寺田裁判官は「給付を認める基準や運用の合理性に疑問がある」との意見を述べた。

混合診療訴訟、がん患者男性が敗訴-最高裁(2011年10月25日CBニュース)

 保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療の原則禁止の是非をめぐり、がん患者の男性が保険給付の確認を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は10月25日、原告の上告を棄却した。現行の「保険外併用療養費制度」が例外的に混合診療を許容するものだとする国側の主張を容認し、2つの診療を併用した場合、保険診療に関しても保険給付が行えないことを妥当とする二審の判決が確定した。

 訴えていたのは神奈川県藤沢市在住の団体職員・清郷伸人さん。
 判決などによると、清郷さんは神奈川県立がんセンターで腎臓がんと診断され、保険診療の「インターフェロン療法」と自由診療の「活性化自己リンパ球移入療法」(LAK療法)の併用を2001年9月から開始した。LAK療法は当初、旧特定療養費制度で「高度先進医療」の承認を受け、保険診療との併用が認められていたが、その後「有効性が認められない」として承認が取り消され、06年4月から保険診療との併用ができなくなった

 このため清郷さんは、保険外診療を併用しても保険診療部分については受給できることの確認を求めて国を相手に提訴。一審の東京地裁は07年11月、清郷さんの訴えを認める判決を下した。これに対し、09年9月の二審の東京高裁判決では逆転敗訴となり、原告側が上告していた。

■「国のこれまでの主張が認められた」―小宮山厚労相が談話

 上告審の判決を受け、小宮山洋子厚生労働相は、「現時点で、判決の具体的な内容を十分に把握していないが、国のこれまでの主張が認められたと考えている」との談話を発表した。

ご存知のように現在の制度では先進医療のような例外に限って混合診療が行えることになっていますが、この先進医療にしても厚労省の認可によって大学など特定の施設で行われる場合に限って認められるものですから、実際的には保険扱いが関わる全ての診療を国が管理しているということですよね。
基本的に混合診療を認めてほしいといった場合の多くは国内ではまだ認められていないような海外の最先端の治療を行いたいという場合が多く、いわゆるドラッグラグ問題などを解消していくことで自然とその範囲も減らせるのではないかとも思いますが、そうした医療を行っている大病院の現場医師などは「混合診療?何が悪いの?」と考えている人も結構いるものです。
一方で長年厚労省の背後から「混合診療断固阻止!」と叫び続けているのがこの種の医療とはかなり遠いところにいるだろう日本医師会(日医)であるというのは興味深い現象で、日医などはかねて一般向けのパンフレットも用意して「混合診療はこんなに危険!」とアピールを繰り返すと同時に、この裁判に関しても地裁レベルから一貫して反対の論陣を張ってきているわけですよね。

いわゆる混合診療に係わる東京地裁判決への日本医師会の見解(2007年11月9日日本医師会)より抜粋

3.混合診療解禁についての日本医師会の見解

 混合診療解禁そのものについては、医療給付上の格差を拡大するものであることから、日本医師会は一貫して反対している。

(1)保険外診療は、事前に有効性、安全性が認められていないために保険外となっているものである。これを保険と併用した結果、なんらかの問題が発生した場合、患者にとって不利益となるばかりか、公的保険の信頼性が損なわれる

(2)「混合診療」が解禁され、新しい医療技術等は自己負担という流れができると、新たな医療技術等を保険下に組み入れようとするインセンティブが働きにくくなり、その結果、公的保険給付範囲が縮小する恐れがある。

(3)混合診療が解禁された場合、「全額自己負担」は、「保険診療の一部負担+保険外診療の自己負担」になる。しかし、すべての国民に、保険外診療の自己負担が可能なわけではない。逆に保険給付範囲が狭まった場合、保険外となるものが出ることも予想され、所得の少ない国民にとっては負担増となる。

 なお、本件、活性化自己リンパ球移入療法は、現在、臨床現場では積極的に採用されているとはいえない。

 仮に、有効性・安全性が確認されていない医療に門戸が開かれた場合、かえって、国民・患者の健康が阻害されるおそれがある。この面からも、日本医師会は、混合診療解禁に反対する。

ま、理由の(3)などはかなり無理矢理なこじつけかなとも見えるのですが、日医が気になっているのは混合診療導入の先がどうなるのかということなんでしょうね。
要するに日医の反対の論拠としては表向きはどうあれ、最終的に混合診療が認められることによって保険診療の範囲が限定されていく、あるいは保険からの支払いがさらに切り下げられるということを危惧しているものと思われますが、混合診療の対象となるような先端的な医療には手を出しにくいだろう日医会員の開業医の先生方にとってはもっともな話ではあるでしょう。
歯科などはご存知のように混合診療が非常に盛んで、昨今の歯科医激増によるワープア化もあって日頃から診療のさじ加減に苦労していると言う話も聞くところですが、実際に新しく良い治療法がどんどん開発されているにも関わらず一向に保険扱いにならない、高い自費でやるのでなければ相変わらず古くさい治療しか行えないという不満の声はかなり根強いようです。
逆に考えると混合診療導入によって国は保険診療に関わる公的費用を節約することも出来るようになりそうだと思えるのですが、興味深いのは医療費削減で吝い診療報酬改定を続けてきている厚労省が自らの利益に結びつきそうな混合診療を認めるつもりがないらしいということですよね。
すでに小泉内閣時代から規制改革の流れの中で混合診療解禁を求める声に対して、厚労省がしぶとく抵抗してきているという経緯がありますけれども、厚労省の役人が国民に安くて良い医療を提供しようと真摯に願っているなどということはまずないだろうとすれば、その理由としては皆保険制度という枠組みが外れることで厚労省の目の行き届かない領域が増えることに対する危惧があるのでは?という意見もあるようです。

もちろん世の中にはひと頃大騒ぎになったホメオパシー問題のように、黙っているととんでもないことを平気でやらかす人々も大勢いますから、好意的に考えれば厚労省は保険診療による縛りというものによってそうした好き放題をある程度掣肘していくというイギリス式のコントロールを図っているのだとも受け取れます。
しかし何を是とし何を非とするかの判断を行うのが、過去の数多の事例から医療関係者からも国民からもすっかり信頼を失っている厚労省ということであれば「おいおい、本当に大丈夫かよ…」と考えてしまうのが人情ですし、ドラッグラグなどの問題を見ても判断が正しい正しくない以前に行動がとにかく遅いということがとりわけ患者側からすれば不満を募らせる最大要因となっているのでしょう。
そこで混合診療に限らず医療全般にも関わってくる話ですが、厚労省にしろ日医にしろ混合診療導入で患者様に思いがけない不利益が及ぶことがあるかも知れないということを反対論の錦の御旗に掲げているのですから、今まではJBM的に曖昧なままにされてきた患者の自己選択権と自己責任ということをもっと制度的に確固としたものとして確立し、医療に一定の免責ということを導入してはどうでしょうか。

説明と同意といった部分をどのようなフォーマットで行うかは相当煮詰めが必要でしょうが、何かあっても一切自分の責任でやっていただくということを公式の制度として認める、同時に何かあったときには保険なりなんなりできちんと相応の金銭的補償も行うという制度を用意しておけば、混合診療ならずとも色々と便利に応用は利きそうですよね。
医療と言うものは一人一人が違っている人間が対象であるだけに、たとえ確立された治療法であったとしても何か起こらないという保証など何もないわけですから、曖昧かつ恣意的な区分で診療を制限するくらいなら最初からリスクはあるものとして対応策を用意しておくのが筋と言うものでしょう。

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2011年10月26日 (水)

今日は家庭医の話です

日本では家庭医と言えば一般的に地域の小さな開業医が担当することがほとんどだと思うのですが、当然ながら設備やスタッフの制約上も医療としてあまり難しいことが出来るわけでもありませんから、古来大きな基幹病院でバリバリ働く勤務医と比べると一段低く見られがちな存在ではありました。
さて、有名であるということの反面、いろいろと毀誉褒貶も激しいのが現夕張診療所所長の村上智彦先生ですが、その村上先生が先日また講演をされたという記事が出ていましたので最初に紹介させてもらいましょう。

過疎地「支える医療へ/北海道(2011年10月24日朝日新聞)

 財政破綻(は・たん)した北海道夕張市で、地域医療の再生に取り組む医師の村上智彦さん(50)が23日、飯塚市の嘉穂劇場で「地域における死生観のパラダイムシフト」と題して講演した。高度先端医療による「戦う医療」は都市部に任せ、人口の少ない地域は、在宅医療を中心にした「支える医療」を目指すべきだと話した。

 21日から開かれていた日本在宅ホスピス協会の全国大会の最終日に、市民公開講座として開かれた。

 村上さんは、2007年4月に医療法人財団「夕張希望の杜(もり)」を設立し、市立総合病院を引き継いだ。

 高度な専門医療を受ける人は人口1千人に1人というデータも示し、村上さんは人口1万3千人の夕張市にとって総合病院は身の丈を超えていたと考え、診療所として再スタート。訪問医療や訪問看護を軸にした在宅医療に切り替えた

 その結果、1軒もなかった訪問先が5年で100軒以上に増えたほか、救急車の年間出動回数は400件以上減ったという。

 「医療は目的でなく、健康になるための手段」と話す村上さんは、健康診断の受診率を高めるなど、住民が自らの健康を守る意識を育てることが重要と指摘。地域社会のことを熟知している看護師を中心に、在宅医療の充実を目指すべきだと助言した。

 聴講した医師から「医者を使いこなす看護師をどう育てればよいか」と質問が出たが、村上さんが「もともと患者を守りたいと看護師になった人たち。医師が頭を切りかえれば、案外、しっかり自立する」と答えると、会場から拍手が起きた。(今村建二)

正直臨床医としての村上先生は(ごく控えめに表現すれば)あまり高い評価を得ているという噂も聞かないのですが、社会資本としての医療、特に地域医療における土台を支える本来の意味での家庭医というものを考える上で一定の見識をお持ちの方であると見ています。
以前から夕張診療所では救急患者の受け入れ問題ということでたびたびニュースになっていて、自治体当局や地元マスコミと折り合いが悪いことから殊更悪者にされているという側面もあるのでしょうが、その考え方の根本として「永続可能な医療体制を守るためには決して無理をしないことが重要である」というポリシーがあるように感じますね。
臨床現場の医師としての能力が限られているなら出来る範囲で最も地域の健康水準維持に貢献できる道として、それこそ住民教育や健診などを努力すればいいというある種の割り切りがあって、それはそれで実際に大事な仕事である(そして、多くの臨床医は自ら進んでやりたがらない)のは確かですから、いわば医療におけるニッチマーケット開拓の先駆者と見てもいいのかも知れません。
今までであればこうした僻地診療と言えば何でも一人でやれるドクターコトータイプでなければ、という妙な思い込みが医療提供側にも患者側にもあったことは否定出来ませんが、実は必ずしも広く深い知識や技能を所有していなくても幾らでも仕事はあるのだと言うことを示しただけでも、地域医療に大きな足蹠を残した医師の一人であるという評価が出来るかも知れません。

無論のこと、今までであれば地元の診療所の先生があんなことやこんなこともしてくれていたのに今度の先生は紹介状を書いてよそに行けと言うだけだ、あの先生はとんだヤブじゃないかなんて陰口を叩かれる可能性もあるわけですから、村上先生方式を根付かせていくためには旧来の「黙って俺に任せろ」なんてやり方ではなく、きちんと口で説明し納得させるだけのムンテラ技術も必要になってくるでしょう。
村上先生がやたらにあちらこちらで講演などに出かけられているのも別に診療所が暇だと言うのでもなくて(苦笑)、「どうせこんな田舎町に来る医者なんて街では通用しないヤブ医者に決まってる」という僻地住民の抜きがたい偏見に対して、ある種の権威付けを行っていくことで対抗していくという先生なりの戦略の一環でもあるのかも知れず、ですよね。
何かそんなことを言えば「なんだこの先生は。結局世渡りのテクニックだけで医者人生を生きていこうとしているのか」なんて感じてしまう人もいるかも知れませんが、ピッツバーグ大関連病院の勤務歴などもある小嶋一先生が先日日経メディカルに掲載されたアメリカの家庭医教育に関する一文などを見れば、日本の医者がどれほど自分のキャリア設計にいい加減であったかを思い知らされるようです。

日本の家庭医はどうやって生き延びていけばいいの?(2011年10月21日日経メディカル)より抜粋

(略)
家庭医研修終了後、9割がすぐに開業医になる米国

 日本で開業する場合、後期研修を修了した後もある程度の期間を病院勤務医として過ごし、40歳前後で開業するというパターンが多いかと思います。一方、米国では、家庭医療研修が終わった後、9割以上の修了生はすぐに開業医となります。ただ、米国の開業医は、多額の借金を背負って新しくクリニックを“開設する”日本の開業医とは違って、診療所に“勤務する”という感覚のものです。

 米国では1人で新規のクリニックをオープンすることはまれで、通常は、複数医師が勤務するグループ診療(とは言っても通常2~4人の小規模グループ診療が中心です)を行うクリニックに就職します。

 さて、ここで少し想像してみてください。あなたは、米国で家庭医療研修を終えようとしている卒後3年目の医師です。卒業後は、他の医師と同じように開業医になろうと考えています。どのようなクリニックに、どれぐらいの待遇で、どのような勤務条件で働きたいですか? これが、私が米国で受けたPractice Management研修で投げかけられた最初の質問でした。この研修は、家庭医療研修の中のカリキュラムの一つとして設けられているもので、経済面を含めた家庭医としてのライフプランを考える上での基礎知識を教わるものです。

 「どのような生活を送り、どのような仕事をしたいのか。できるだけ具体的に話してみてください」。研修プログラムで最古参の指導医B先生は、こう切り出しました。私は1年目研修医として、同期のイギリス人研修医A君、そして1年先輩でカンザス出身の2年目研修医J君と一緒に、このPractice Management研修を行いました。

「車はピックアップトラックと通勤用のBMWが欲しいです」

 J君は、「私は故郷のカンザスに帰ります。そこで実家からほど近い都市部にあるクリニックに勤務しようと思います。小さなグループで、できれば信頼できる先輩と2人ぐらいの規模で仕事をして、5年ぐらいしたら1人だけの診療を行いたいと思っています。クリニックは普通の外来を行い、縫合とかS状結腸鏡などの簡単な手技程度はやるつもりです。週に2日は基本的には休み、車はピックアップトラックと通勤用のBMWが欲しいです。収入は年15万ドルぐらい欲しいです。子供はあと2人ぐらい欲しい。大家族が理想です。子供を大学にも行かせてあげたい」とスラスラと語ります。私は、「アメリカ人らしい考え方だなあ」と思いながらJ君の話を聞いていました。

 一方、A君は、こう答えました。「イギリスに帰ることは考えていません。研修プログラムで研修医を教えるような仕事をしたいです。週に2回ぐらい自分の外来を持って、外来での研修を中心に教えていきたいと思っています。医学生の教育にも携わりたいです。結婚のことなどは未定ですが、大きな借金もないので当面はのんびりと生活するつもりです。老後はイギリスに戻って暮らすつもりですが、それまではアメリカで仕事をします」

 ちなみに私の回答は…。その内容は次回のネタにするつもりですので、今回は秘密ということにさせてください(笑)。

年に15万ドル稼ぐために、1日何人の患者を診ればいいかを学ぶ

 3人の話を聞いて、指導医のB先生はこう続けました。「J君、年収15万ドル稼ぐためには何人ぐらいの患者さんを診る必要があるかわかりますか?」

 そこからは計算式が出てきます。例えば米国の外来診療は一般に、診療の複雑さ(レベル2なら簡単な湿疹、レベル3なら鑑別疾患もある程度考慮しなくてはならない腹痛、レベル4は詳細な既往歴や社会歴を含めた病歴と身体所見および検査所見を必要とするような診療…など)に応じて診療報酬が決まります。通常の家庭医の外来では、そのほとんどがレベル3になります。

 さて、レベル3の診療報酬が例えば60ドルだとします。その60ドルのうち、医師が手に入れられる収入は、クリニックの経営者との契約によって異なります。契約の相場は大体診療報酬の45~50%、すなわち60ドルのうち30ドルほどが医師の手取りとなるわけです。

「やっぱり車はトヨタに限る!」

 一方、家庭医の標準診療人数は1時間当たり約3人(1人当たり20分)というデータがあるので、家庭医の時給は約90ドルと計算できます。年間15万ドル稼ぐためには月1万2000ドルあまり稼がなくてはならず、ざっと計算すると月間140時間程度働けばいいことになります。

 それだけならさして無理な計画ではないように思えるかもしれません。しかし、外来診療だけではなく、書類仕事や自分の患者が入院した際の病棟業務なども行いますので、月に140時間の外来時間を確保するのは結構難しいことかもしれません。

 では、支出はどうでしょうか? まず、米国の医療訴訟保険の保険料は日本のそれとは比較になりません。年間数万ドル程度を覚悟しなくてはならないでしょう。また、生涯教育にかかる費用、認定医資格を更新するための費用なども必要です。当然、生活費、子供の養育費、老後の蓄えなども考えなければなりません。J君はPractice Management研修の後、「いや~ぁ、やっぱり車はトヨタに限るな!」と苦笑していましたが、笑うに笑えない現実を突きつけられた瞬間でした。

家庭医は臨床能力だけでは生き残れない

 Practice Management研修はお金の話だけにとどまりません。

 例えば待合室に必要な椅子の数はどうやって決めればいいのでしょうか? 家庭医療を提供するなら家族の付き添いもあるでしょうし、子供たちが遊ぶスペースも欲しいところ。1時間に3人診るのであれば、診察前後の人数も考えて4人分ぐらいのスペースは必要でしょう(米国では複数ある診察室に患者さんにあらかじめ入っていてもらい、医師が各診察室を渡り歩くのが普通のスタイルですので、待合室の椅子の数は日本よりは少なく済みます)。また、精神科のクリニックであれば、通常は1、2つだそうです。米国の精神科クリニックは1人の患者の診察に1時間程度充てるのが標準となり、待合室の椅子も最低限の数で足りるからです。

 米国のPractice Management研修はこのように、1カ月にわたり、家庭医としての診療(Practice)を支えるあらゆる要素を適切に管理するための方法論を教わるものです。もちろん、内科でも外科でも多くの医師が開業医になるので他科の研修でもPractice Management研修はあるのですが、家庭医療ほどしっかりとしたプログラムを提供している診療科はありませんでした。

 ちょっと言い方を換えると、家庭医として生き延びるための術を身につけることがこのPractice Managementの目的です。上記以外で学ぶ項目としては、以下のようなものがあります。

・診療の質をどのように改善するか
・職員の採用をどうするか
・アクセスをどのように保つか(特に予約システムについて)
・診療報酬単価をどのようにして上げるか
・ワークライフバランスをどう考えるか
・電子カルテや書類関係の処理について
・当直業務や代診などの連携について
・入院患者が発生した際の対応について
・キャリアプランについて
・生涯学習について
・クリニックの経営者との契約と自分の売り込みについて

 これらの項目について、1カ月の研修期間の前半は、講義を中心に基礎的な事柄について学びます。自分のクリニックのパンフレットを作成させたり、自分を売り込むという視点で履歴書(CV)を作成させたり…。実際の契約書を見ながら「契約書にはこの一文だけは付け加えなくてはならない」といった細かいポイントに至るまで、実践的なノウハウを実例ベースで学びます。後半は開業医として働いている先輩のクリニックを訪問し、Office Managerという日本で言えば事務長さんの話を聞いたり、開業医に1日くっついて回り、診療以外の業務の多さを学んだりします。

暗中模索の日本の家庭医

 米国の家庭医療学会(American Academy of Family Practice)は、このようなPractice Managementの重要性を理解し、経営、法律、設計、マーケティングといった分野について、医師以外の専門家の力を借りながら、家庭医の診療と生活を管理するためのノウハウを蓄積してきました。学会員としては、安心してそのノウハウを利用でき、情報を得ることができます。学会誌としても、Practice Managementに関する情報だけを提供するものがあります(Family Practice Management)。

 最古参の指導医B先生はこれまでの卒業生の進路を熟知しており、現役研修医たちのライフプラン、キャリアプランに応じてアドバイザーとなり得る卒業生を紹介してくれます。こうやって、人とつながることも大切なPractice Managementの研修の一つなのです。

 Practice Managementを学ぶことで普段の研修が非常に充実します。卒業後に自分はどのような診療を行うのか。そのためには何を学ばなくてはならないのか。学ぶことでどのようなことが起こるのか。一つ一つの研修について目的と意義を見出しながら学ぶことができるということは成人学習という視点から見ても非常に重要でしょう。
(略)

「家庭医は臨床能力だけでは生き残れない」という言葉は家庭医に限らず臨床医全般に関しても言えることではないかという気がするのですが、驚くのはアメリカでは家庭医として開業するということに関してここまで緻密な教育プログラムが用意されているということで、「俺もそろそろ開業でもするか…」と何となく勤務医生活を切り上げて開業してしまう日本の医者とは雲泥の差というしかありませんよね。
教育の内容を見るといわゆる業務上の知識に加えて一つには経営に関することの教育内容が非常に充実している、そしてもう一つは職員や同業の先輩を始め人間関係のノウハウとコネクション作りが極めて重視されているということが注目されますが、逆に言えば困った時には大学医局に日参すれば何とかなってしまう場合の多かった日本の医療と比べてそのあたりが非常にシビアだという現実もあるのでしょう。
記事の中にもアメリカの医師達は高額な保険料を始め支出も極めて多いことが触れられていますが、それなりの収入を得ようとせずとも食べていくためにはどれだけの患者が必要であるかということも具体的な数字として計算できてしまうということは、何しろこれでは開業医としてやっていけないということも数字で判ってしまうということですからね。
こういう話を聞くと医者に限らずアメリカ人がやたらにフレンドリーでコネクション作りというものを重視したくなる心境がよく判りますが、一方で卒後3年目という日本ならせいぜいが後期研修医やレジデントクラスに対する教育内容として、実際の医学的な診療教育というものはごくごく小さな扱いでしかないということに気づかされます。

ERなどを見ていただいても判るように、アメリカの場合学生の頃から日本などとは比較にならない厳しい医学教育を受けていますから、家庭医レベルで考えるとプラス3年の家庭医教育で当面事は足りるという考え方なのかも知れませんが、一般にそろそろ体に無理が利かなくなってきた大ベテランになってから開業して家庭医へと移行していく日本と違って、あちらでは最初から家庭医として専門教育をされているということですね。
アメリカのような訴訟社会でもこれでやっていけるというのであれば、日本においてもこと家庭医を務めるにあたって臨床能力による制約が問題になることはないとも考えられますが、同時にそれは家庭医としてここまで徹底せずとも相応にきちんとした教育を受け正しい考え方を身につけているという大前提があってのことで、そうした点で言えば長年勤務医としての習慣にどっぷり浸かってきたベテランなどある意味素人よりたちが悪いとも言えそうです。
要するに家庭医とは勤務医の代用品や粗悪品ではなく、全く別個の存在であると考えるべきだとすれば、昨今日本で言われているような「勤務医が激務過ぎるから開業に逃げていくのだ」なんて話が本質から外れていて、本物の家庭医からすれば全くおかしな議論であるということも見えてきます。
その昔とある僻地で診療に従事されている先生が「よく先生は何が専門かと聞かれるが、強いて言えば私はこの町の専門家です」なんて事をおっしゃっていて何か格好いいと思ったものですが、別に難手術を手がけたり高度な手技を用いたりはしていなくとも、きちんと教育されたプロフェッショナルというものはどの領域にいても存在感があるんだろうなと思いますね。

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2011年10月25日 (火)

社会をゆがませているものとの戦いが激化中

市長選と知事選の話題で賑やかな大阪から、先日選挙とも絡んでこんなニュースが出ていました。

大阪府は敬老パスの改革が必要 月8万円分を使用する高齢者も/大阪(2011年10月23日NEWSポストセブン)

11月27日に投開票される大阪市長選挙。10月21日には、橋下徹大阪府知事(42)が「大阪都構想」を掲げて出馬宣言する。橋下氏市長が誕生し、府知事選でも橋下氏を支持する候補者が当選すれば、グッと現実味を増してくる「大阪都構想」。

70才以上の大阪市民が、無料で地下鉄・バス・ニュートラムを利用できる「敬老優待乗車証(敬老パス)」。大阪都になれば廃止されると噂され、それが市民の反発を呼んでいる。

しかし、「敬老パスの制度は必ず残していきます」と、大阪維新の会市会議員団幹事長の美延映夫氏は強調する。

「ただ、問題点はあるんです。敬老パスを月額8万円以上使ってる人がいる。一番高い運賃を毎日乗っても1万8000円くらいですから、不正で使っている可能性が高い。ですから上限を設けて、それを超えた分は申し訳ないですけど自腹でお願いしますというような改革はしていかなあかんと思います」(美延氏)

大阪のバスと言えばかねて運転手の高額給与問題などが有名で、あまりにも有名になりすぎた結果ようやく当局もその是正に乗り出さざるを得なくなったと言う話ですが、利用する側にもこういう問題があったということは今まであまり表に出てこないことでした。
自治体独自の住民サービスの一つとしての敬老パスの制度の是非などはここでは問うところではありませんが、従来社会的弱者と言えば無条件で何でもありが許されるという傾向があった、ところが社会全体が低所得化だ、ワープア化だと言われるようになって、これまで弱者とされていた人々がもはや必ずしも弱者でないという逆転現象が生じてきたということですよね。
だからこそこれまでタブーとされてきたことにもきちんと批判が出来るようになる、そして今や妙な既得権益のようになってしまった部分にも切り込んでいけるようになりつつあるというのは、基本的にはよい傾向ではないかと思います。
先日も生活保護に関連してこうした逆転現象のことを書きましたけれども、事情を知っていれば何となく釈然としない、もやもやするというだけで流されていた部分が最近になってようやく突っ込みが入るようになったというのは、聖域無き改革が日本生き残りのために必要とされる時代だからこそ意味があることなのでしょう。

最近の世相の流れの中でクレーマーやモンスターといった言葉と並んで用いられるようになったものに「プロ弱者」という言葉がありますが、元々の意味は弱者であるということを主張し続けることで社会的な特権を享受しようとする人々、というくらいのことになるのでしょうか。
一昔前であれば弱者と認定された以上全てを是として肯定しなければならない、何かしら文句をつけるなどとんでもないという論調をマスコミなどが先導して作り上げてきたわけですが、表だって批判出来ないからこそ一歩裏に回れば「あいつらやっぱりおかしいんじゃないか」という疑問の声は幾らでもあったものです。
日本社会が変化して一生懸命努力しても報われず弱者たらざるを得ない人々がごく当たり前に見られるようになり、はじめて世間の方でも公式の場でプロ弱者に対する批判が出来るようになってきたとも言えると思いますが、以前からモンスター問題の一環として何度か取り上げてきた給食費未納問題などもようやく対策が取れるようになってきたということもこうした世相の変化と無関係ではないはずです。

米子市が学校給食「申し込み制」導入 山陰で初/鳥取(2011年10月19日日本海新聞)

 鳥取県米子市は18日、学校給食費の未納額を減らそうと、給食を2012年度から「申し込み制」にすると発表した。保護者に「学校給食申込書」を提出してもらい、給食の提供を契約化する。同制度の導入は鳥取、島根両県で初めてで、全国的にも珍しいという。契約の中には、未納者に対して法的措置を取る条項も盛り込む

 学校給食課によると、未納額は05年度1万円、06年度42万円から10年度は約300万円まで増え、05~10年度で計781万円となった。

 支払い能力がある保護者の滞納も多く、同課は「給食費を充てている食材の購入に支障が出る。負担の公平性も確保したい」と説明している。

 申し込み制は、学校給食を届けている市立小学校23校と淀江中、箕蚊屋中が対象で、各学校の保護者と市学校給食会が書面で契約を交わし、債務者と債権者を明確化する。契約は在校中であれば有効のため、毎年度交わす必要はない。

 申込書の配布時期は、新入児童は19日から始まる就学時健診の際、在校生は12年2月で、12年度分については2月末までに提出を求めるという。

 契約の条項では、市学校給食会が裁判所に未納者への督促申し立てなどの法的措置を取ることも可能。市が法的措置に踏み切ったケースはまだないが、他の自治体では法的督促によって徴収率が6割ほど上がった事例があるという。

 ただ、申込書の未提出や給食費を支払わなかった場合でも、給食の提供は続ける方針。同課は「制度によって保護者の意識が高まってほしい」と話している。

給食費の未納が増えると別に税金から補填されるなどというわけではなく食材費を減らしたりして対応するということですから、これまた一生懸命働いて子供のために給食費を稼いだ親にタダ乗りするプロ弱者問題とも言えますし、その結果安く質も悪い食材で量も少ない給食を食べさせられる真面目な家庭のお子さん達こそ被害者だと言えるでしょう(ちなみに現在の米子の給食はこんな感じだそうですが…)。
この給食費未納問題については以前から「お金があるのに払わないのは給食を受ける意志がないということだから、さっさと給食の支給を打ち切るべきだ」という声が根強かったのは当然ですが、そのたびに「いや、それでも教室で給食がない子供が出るとかわいそうだ」といった意見によって目立った対策もないまま問題解決が先送りされてきた自治体も多かったと思います。
今回ははっきり給食とは契約であるということを明示し、これを結ばない場合は給食を求める意志無しと認定するということですから、契約を結ばずとも給食の提供を続けるなど未だ限定的であるとはいえ「頼んでもいないのに勝手に出す方が悪い!」という一部の親に対する一つの対策にはなりますよね。
もう一つ、こちらは直接的に顧客側が原因も言い切れない話ですが、モンスターだクレーマーだといったものが増えてくる世相に社会が対応するようになってきた、その結果世の中が暮らしにくくなることもあるのだと言うことを示す好例として取り上げてみましょう。

車いす客を乗車拒否 草津のバス会社「安全確保できぬ」/滋賀(2011年10月22日京都新聞)

 帝産湖南交通(草津市)が大津市内で運行する路線バスで、車いすの乗客男性(44)=京都市右京区=が下車時に転倒し同社に抗議したところ、9月から乗車を拒否されていることが21日までに分かった。同社は「乗降時の安全が確保できないため」としているが、障害者団体からは「乗務員のわずかな介助があれば問題ないはず」という声も上がっている。

 男性は7月29日に上稲津~石山駅バス停まで乗車し、下車時にバスのスロープで脱輪し転倒。男性が「乗務員がしっかり支えていなかった」と営業所に抗議したところ、後日、同社から車いすでの乗車を拒否する通知が届いた。9月5日にも同区間を利用しようとしたが運転手に乗車拒否され、現在も利用できない状態が続いている

 同社はJR石山~栗東の5駅を起点に路線バスを運行し、このうち石山、瀬田、南草津の3駅からの路線は出入口の段差を解消したノンステップバスなどを走らせている。

 同社は「石山駅路線で車いすによる乗車は男性が初めてだった。同路線は道路の幅が狭く、バスポケット(専用停車所)がないバス停では安全が確保できないと判断した」と説明している。

 近畿運輸局自動車交通部旅客第1課は「ノンステップバスであれば車いすの利用について乗務員に研修した上で極力対応すべき」としており、同社が道路運送法違反に該当するか調査中という。

 公共交通機関のバリアフリー化を目指すパーフェクトバスを走らせる会(京都市南区)の宮川泰三代表は「車いす障害者の社会参加の機会を奪う不当な乗車拒否。安全に乗降できるよう社員への研修を徹底すべきだ」と話している。

双方にそれぞれ主張があるだろうこの事件ですが、ポイントを整理すればバス会社の乗務員の介助に満足出来なかった乗客が営業所に抗議した、これに対してバス会社側では責任が持てないからと今も乗車をお断りする状態が続いているということですよね。
この抗議というものがどのようなものだったのかは記事からは判りませんが、バス会社としては自分たちなりの対応に対して初乗車の顧客からいきなり「それでは不十分だ」と抗議を受けたわけですから、当然徹底的な研修なり施設改善なりによって顧客から求められるレベルの対応が可能となるまで利用をお断りするしかないというのもやむなきところかと思います(対応できないのに受け入れるではそれこそ責任問題です)。
どちらが悪いということは抜きにしても、今の時代このように「何か問題が起こりそうな気配が感じられた段階で未然に防ぐ」という対応が一般化してきた結果、例えば携帯電話の契約一つを取ってみてもとんでもなく面倒くさい話になって困るなんてことはしばしば耳にしますが、これも社会全体がモンスター、クレーマーというものに対して着々と対策を整えつつある、その結果ごく普通の人々が暮らしにくくなっているということの現れでしょう。

この事件にしても最初の段階でお互いに少しずつ譲り合い歩み寄る姿勢を示していればこんな大騒動になっていたとも思えませんが、ひと頃マスコミなどがよく主張していた「何か気に入らないことがあれば即座にクレームをつけましょう。それがより良い明日を築くのです」式のやり方が実際には世の中をかえって悪くしてしまったとも言えるかと思いますね。
元来「改善のためにクレームをつける」というのは、裏を返せばクレームをつけなければ何も改善しないという社会文化が背後にあっての話であって、日本のように過剰なほど顧客の意志に対応し言われる前に改善することが行われていた社会においては馴染まない慣習であり、また顧客の側もそれを知っていたからこそせいぜいがやんわりと匂わせる程度で済ませていたのです。
マスコミや進歩的文化人の口車に乗せられ形ばかりの外国文化を導入した結果社会全体がぎくしゃくするようになっては目も当てられないというものですが、こうした事態に至らないためにも今の時代はまともな顧客ほど「自分はクレーマーやモンスターの類ではない」という意思表示を積極的に行わなければならないということですし、クレーマー問題は善良な顧客にとってこそ大変な迷惑だという事が理解いただけるかと思います。
お互いに譲るべきところは譲り合い気持ちのいい社会を維持するためにも、何が社会にとって迷惑な行為なのかということにはきちんとコンセンサスを形成し、適切に対処していかなければならないでしょう。

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2011年10月24日 (月)

崩壊していく中国社会のモラル そこから日本が学ぶべき教訓とは

先週から中国国内で大きな騒ぎになっているこちらの事件、すでに国内でも報道されていることからご存知の方も多いのではないかと思います。

瀕死の女児を見て見ぬふり 中国、道徳崩壊に批判(2011年10月17日産経ニュース)

 中国広東省仏山市で女児(2)が車にひかれ、血を流して倒れているのに通り掛かった18人の人々は誰も助けようとせず、女児は別の車にもひかれた後に病院に搬送、意識不明の状態が続いている。現場の一部始終を収めた防犯ビデオ映像がインターネット上に出回り、「中国の経済は発展したが、道徳は失われた」などと嘆きの声が相次いでいる。

 中国紙などによると、女児が事故に遭ったのは13日夕方。映像によると現場は商店街の幅約4メートルの道路で、女児は道路を渡っていたところをワゴン車にひかれた。ワゴン車は走り去った

 女児は路上でうずくまり、苦しんでいたが、通行人の若い男性や子連れの母親、バイクや自転車に乗った人々計18人は女児に目をやりながらも素通りし、女児は別の車にも両脚をひかれた。(共同)

中国で2歳女児ひき逃げ、通行人ら相次ぎ無視に怒り殺到(2011年10月18日ロイター)

 [北京 17日 ロイター] 中国広東省仏山市で13日、2歳の女児がライトバンにひき逃げされ、通行人十数人が女児を無視して通り過ぎるという事件が発生。その一部始終をとらえた監視カメラの映像がテレビで放映され、ネットユーザーから怒りの声が上がっている。

 新華社が17日に報じたところによると、女児は狭い路地でライトバンにひかれ、通行人らに無視された上、さらに別のトラックにもひかれた。女児は最終的に女性が助け出したが、事故現場に約7分間放置されていた。

 女児は病院に搬送されたが昏睡状態で、英字紙チャイナ・デーリーによると、脳死宣告を受けた。ひき逃げした運転手2人は、その後逮捕されたという。

 インターネット上では、女児を無視した通行人らを非難するコメントが殺到。ユーザーの1人は中国版ツイッター「新浪微博」 に「中国国民の恥だ」と書き込んだ。また別のユーザーは、「本当にわれわれの社会はどうなっているんだ。みんな、こういった無関心を断ち切るために反省すべきだ」と訴えた。

上海余話 仏山に仏はいないのか(2011年10月20日産経ニュース)

 インターネット上で「この18人も逮捕しろ」「金持ちだらけの広東人から道徳が失われた」などと数百万件もの非難が殺到した。中国共産党機関紙の人民日報までが、「文明社会の市民の責任だ」と論評で指摘する騒ぎが広がっている。
(略)
 地元紙記者が数人を突き止めて聞いたところ、事故現場で明らかに女児を見ていたにもかかわらず「何も知らない」と言い逃れた男も。

 事故が起きた仏山に仏はいなかったのか。ただ人心荒廃は仏山だけではなさそうだ。先日も書いたが、中国各地で最近、人助けしたのに逆に加害者扱いされてカネをせびられる信じがたい事件が頻発している。

 通行人18人もたぶん、関わりを避けたかった以上に加害者扱いを恐れたのだろう。非難の世論は18人だけではなく、実は中国社会そのものに向けられていることに気付く人がどれほどいるだろう。(河崎真澄)

中国国内でも公開されているニュース映像はやや大きめで鮮明な画像ですがかなり重いようなので、ロイターの日本語版動画ニュースから参照いただいた方が概略の状況はわかりやすいかも知れません。
車にひかれそのまま立ち去ったなどと言われるといわゆる車に当たったという状況を想像されるかも知れませんが、実際には全く違う状況で文字通りタイヤで踏みにじっていったと言う方が正解でしょう(正直こういうものに弱い方は参照をおすすめしかねます)。

【参考】【動画】视频: 广东佛山2岁女童被撞 18路人漠然走过 111018 第一时间(2011年10月18日中国国内ニュース)

【参考】【動画】中国で2歳女児ひき逃げ、通行人ら相次ぎ無視に怒り殺到(2011年10月18日ロイター)

ロイターの方では彼女をひいた運転手のコメントも流していて、いわく「ひいたことは判っていた。もし彼女が死んだのなら1500ドル払えばすむことだ。でも生きているならその10倍は払わなければならない」と言っているとのことなんですが、もう一人の運転手の方も両親に対して口外しないことを条件に現金払いを申し入れたとのことですから、何となく現地の状況が想像出来ますよね。
交通ルールなど滲透していない東南アジアなどではこうした自動車事故は結構当たり前に起こっていて、いくらかのお金で解決するということはごく当たり前に 行われているということなんですが、中国でも広東省のような沿岸地域と言えば同国内でも最も羽振りがよく、言葉を換えれば一番文明化されている地域と見ら れるだけに、未だにこうした状況にあるという事実には驚かされます。
事件の背景を考えると以前にも紹介したように中国では「倒れた老人は助けるな(押し倒した犯人扱いされ慰謝料を請求される)」などと言う「常識」がまかり通っていることに加え、医療費支払い不能患者が多く救急搬送も医療行為も全て前金制になっていることから「うかつに救急車など呼んで関わり合えば後で治療費を請求される」という懸念もあるようです。
こうした事例は司法や医療が一般大衆の行動様式あるいは道徳観にまで影響し得るという実例とも言えそうですが、こうも相次いで見るに堪えない事故が続くということになるといずれ当局としても放置を続けるわけにもいかないはずですよね。

残念ながら脳死状態にあるとも伝えられた問題の女児は事故から9日目の21日未明に無くなったということですが、この悲惨な事態を受けて同省政府ではこの種の「見殺し行為」を処罰するか緊急対策会議で検討するだとか、同省の共産党の会合において幹部から「社会全体の道徳水準の向上に向けて、積極的かつ効果的な方策を取るように」と指示が出たといった話も伝わってきています。
ただしどうも問題は厳罰化だのといったレベルで対処出来るようなものではなく根本的なところに原因があるようで、例えば冒頭の記事にもあるようにようやく女児を助け起こした女性に対してこんな声も上がっているということなんですね。

18人が見て見ぬふり中国2才児ひき逃げ事件、救助した女性が「売名行為」だと非難される(2011年10月18日exciteニュース)

先日、中国広東省で2才児が車にひき逃げされたあと18人が見て見ぬふり、結果2度車にひかれることになったという痛ましい事件が起きた。19人目に現れた女性が道路でぐったりしている女の子を助け、女の子はやっと病院に運ばれた

彼女はその行為から有名人になったのだが、なんとその後「有名になりたかったから助けたんじゃないか」と心ない市民から非難されていることがわかった。

ひどい中傷を受けたのは陳賢妹(ちん けんめい)さん(58才)。2度ひき逃げにあい血まみれになっていた女の子を救助した女性だ。事件が事件だけに彼女は一躍有名人に。連日報道されていることはもちろん中国版Wikipedia「百度百科」にもページができてしまうほどだ。

だが、その状況が面白くなかったのか、一部の心無い市民から「売名行為だ」「有名になりたかったからやったんだろう」と激しく非難されていることがわかった。陳さんの家族も「正しいことをするのがそんなにいけないことなのか」と心を痛めている。

陳さんによると、彼女は読み書きができず電話も一人ではかけられないそうだ。倒れていた女の子を道路の脇に寄せ、周囲に救急車を呼んでくれるようを願い出たが、誰も応じなかったとのこと。やっとの思いで女の子の両親を見つけ、救急車を呼んだとのことである。

非難されるべきは陳さんでなく、ひき逃げ犯と素通りしていった18人、そして陳さんの要請を無視していた人々ではなかろうか。

ネットユーザーからは

「人の善意をそんな風に言うなんてひどすぎる」
「中国の恥、彼女がいなかったら中国社会はもっと恥をさらしただけだ」
「やっかんでるんだろう。そんなに有名になりたければ人助けをすればいいじゃないか」
「私は陳さんを尊敬します」

などとコメントしている。

また陳さんは「私が稼いだお金ではないから」と、政府からの感謝状と報奨金2万元を辞退。この行為にもネットユーザーたち「いい人はどこまでもいい人だ」と感心しているそうだ。
(略)

当時のビデオなどを見る限りでは到底売名目的の行動には見えないのですが、失礼な言い方をすれば読み書きも出来ず今の時代に十分に対応出来ているとも思えない人であったからこそ倒れている子供を助け起こそうという気持ちにもなったのだと思えば、その背後にある現代中国社会一般の実情というものが垣間見えてなにやら空恐ろしいような気になってきませんでしょうか?
こういう状況になってくれば例えば助けた人には報奨金を出すなどと言う制度などを作れば今度はお金目当てで事故を起こすということすら起こりかねず、ひとたび社会のモラルが破綻してしまうとその立て直しがどれほど困難なことになるかということは我々日本社会も他山の石としなければならないでしょうね。
もう一点興味深いこととして、今回の事故に関して当然ながらあちらこちらからネット上に声があふれているのですが、それに対して当局からかなり厳しい規制がかかっているようなのですね。

【中国ブログ】女児ひき逃げで通行人放置、「言論統制」されたリツイート(2011年10月18日サーチナ)

  広東省で2歳の女児が1台のワゴン車に2度もひかれて逃げられ、さらに別のトラックにもはねられた挙句、18人の通行人に無視され続けた事故について、中国人ブロガー「顔落」さんが感想を書いている

  女児は最終的にゴミ拾いのおばさんに助けられたが、事故後、このおばさんに対し「売名行為の自作自演でやったんだろう」という見当違いな批判もあったと報じられている。

  ブロガーは「ニュースを知って辛くなった。傍観者たちの冷淡で麻痺した感覚はひどかった。でも、私もただのニュースの傍観者でしかない。何と言ったらよいのだろうか」とひどくショックを受けた様子。

  そんな時、ブロガーはたまたま「微博(中国版ツイッター)」で、有名人の書いたあるコメントを見かけた。「自分の民族を強烈に卑下したくなった。18人もいたのに。この無力感や劣等感は、天宮一号を18機打ち上げても立ち直れないほどだ」というもの。天宮一号は、中国が9月29日に打ち上げた宇宙ステーション建設のための実験機。ブロガーはこのコメントに共感し、リツイート(転送)した

  だが翌日、そのコメントはネットポリスから「マイナスイメージを形成する」などの理由で非難を受けてしまったという。国家プロジェクトの天宮一号を引き合いに出したのが良くなかったようだ。

  これに対しブロガーは、「コメントを大げさに問題視する理由が理解できない」、「おかしなことが起きたら、それに対する不満や批判が出るのは当たり前ではないか」と反論。ネットポリスに対して恐れることなく、正論を主張した。

  文末では、「ニュースを見て最初は激しく憤ったが、今ではむしろ自問自答している。この民族は今こそ自問と反省を行うべきではないだろうか。『無関心はいけない』などのスローガンで終わらせてはいけない」と記し、中国社会を覆う道徳崩壊に対し、強い危機感を示していた。(編集担当:西山正)

ご存知のように中国では非常に厳しいネット規制が敷かれているのみならず、当局が常にネットを監視していることが知られていますが、一見すると何ら関係のなさそうなこうしたところにまでチェックが入るという意味は何なのでしょうか。
近頃では中国国内でも様々なあり得ないような事件があり、そのたびに市民の憤慨の声が政治批判に結びつかないように非常に神経をとがらせているという話も伝わってきますが、今回の事故に関してもそれが例えば経済一辺倒の成長第一主義への批判から、最終的に国政批判などに結びつくことを警戒しているということなのでしょうか。
特に単なるスローガンで終わらせてはならない、今こそ行動の時だとも読める呼びかけというのは、当局からすればここから延焼に延焼を重ねて第二の天安門事件にでもなってはたまらないという気持ちなのかも知れません(ちなみに検閲の甲斐あってか中国の若い世代は天安門事件自体を知らないそうですが)。
このあたりは全くの余計な深読みなのかも知れませんが、今回の事故と相前後して中国国内の掲示板にたてられた「日本人の民度の高さは習慣の問題?」なるスレにも今回の事故に絡めた自己批判めいた書き込みに混じって、「日本人の民度は強制されてできあがったもの。」なんて書き込みが上がっているというのがひどく意味深にも見えてきますね…

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2011年10月23日 (日)

今日のぐり:「くら寿司 倉敷浜ノ茶屋店」

かねて「彼女に取り上げられたものには必ず不幸が起きる」と言われて久しい東原亜希氏ですが、このたびまた新たな伝説の一ページを刻み込んでしまったようです。

【参考】東原亜紀「ソニーのカメラ買いました」 → タイ大洪水でソニーのカメラ工場が壊滅(2011年10月19日BBS)

ま、例によって東原さんがソニーのビデオカメラを買った後でソニーの工場が大被害を被ったことに何かしら意味があるのかどうかは判りませんけれども、何かこうした運命のようなものの下に生きている人と言うのもいるんでしょうね。
今日はもうこうなったら運命と割り切るしかないという世界のびっくりニュースを紹介してみようかと思いますが、まずはこんなところからどうでしょうか。

エベレスト登頂カラスで断念 8千メートル近い高所/ヒマラヤ(2011年10月18日朝日新聞)

 世界最高峰の登山で最大の難敵は、カラスだった――。エベレスト(8848メートル)に挑んだ日本の登山家が今月、こんな現実に直面し、頂上を前に登頂を断念した。

 数々の世界の高峰に挑んできた登山家、栗城史多(くりき・のぶかず)さん(29)=札幌市=は12日、エベレストの7800メートル地点でぼうぜんとなった。体を高所に慣らすことも兼ね、10日ほど前に登った時に雪の中に埋めた食料がカラスに掘り返され、食い荒らされていたからだ。

 最も痛かったのは、雪を溶かして飲み水を作るため、一緒に埋めた登山用コンロの燃料ボンベがなくなっていたことだ。

 標高8千メートル超では、酸素が平地の約3分の1しかなく、高山病予防のために大量の水分をとる必要がある。栗城さんは泣く泣く、ベースキャンプの仲間に無線で「登頂断念」を伝えた。「天気も良かったし、ここからが正念場というところだった。まさかカラスにやられるとは……」

 エベレストの8千メートル近い高所でのカラス、実は登山家の間ではよく知られている。1995年春、中国側から登頂した日大隊は、登る途中に7200メートルのキャンプがカラスに荒らされた。隊員だった古野淳さん(50)は「テントの布地をつついて破り、ソーセージなどが食い荒らされた」と話す。

 ヒマラヤでツルの調査をした「日本野鳥の会」主席研究員の金井裕さん(55)によると、栗城さんが被害にあった7800メートルもの高所にはエサがなく、通常カラスは生息しない。だが、春を中心に、現地スタッフも含め年間千人ほどが入山する近年は、登山隊の食料目当てに生息域の標高が上がっているらしい。

 2003年に登頂した登山家の三浦豪太さん(42)は「エベレスト登山で、万全なカラス対策は今は常識。食料や装備はしっかり梱包(こんぽう)して荒らされないようにするべきだ」と指摘する。(近藤幸夫)

カラスどれだけどん欲なんだよ!と思わず突っ込んでしまいそうなニュースですけれども、こんなところにまで登ってカラスで断念ではこれはもう運命だったと思ってあきらめるしかないということなんですかね…
運命の出会いなんて言葉がありますけれども、これなどはまさしく後世に語り継がれるべき運命の出会い、ということになるのでしょうか。

初対面!たけし、コマネチさんとコマネチ/日本(2011年10月13日サンスポ)

 たけしと白い妖精が奇跡のWコマネチ! タレント、ビートたけし(64)と、76年モントリオール五輪女子体操金メダリストのナディア・コマネチさん(49)=ルーマニア=が20日放送のBSフジ「等々力ベース」(木曜後11・0)で初共演。13日、フジテレビ系で中継する「世界体操東京2011」(後7・0)の女子個人総合決勝でコメンテーターを務めるコマネチさんが来日し、夢の対面が実現した。

 白いレオタード姿のコマネチさんから誕生した股を切り裂くギャグ「コマネチ!」で国民的人気を得たたけしは、12日に都内で行われた収録で「おお、ついに会えました!」と万歳三唱した。

 続けて「『コマネチ』は自分にとって谷啓さんの『ガチョ~ン』と同じ存在。一生やるギャグ。『コマネチ』の動きだけで地球を4周しました」と恩人に感謝した。それを聞いたコマネチさんは、「有名になった分、稼いだお金の50%をください」とお茶目に切り返し、たけしやスタッフを大笑いさせた。

 2008年放送のフジテレビ系「クイズ$ミリオネアSP」にたけしが出演した際、コマネチさんがVTRで伝説のポーズを披露したことはあるが、今回、ギャグ誕生から30年以上を経て、史上初のWコマネチが実現。

 体操の元女王は、“本家”に負けないキレのよさを発揮。「光栄です」と本気ではしゃぐ世界のキタノに、「100歳になっても一緒にやりたい」とノリノリ。お笑いコンビ、Wコマネチ結成も夢じゃない!?

元記事を見れば確かに「世界のコマネチ」さんが「コマネチ!」をやっているようなんですけれども、往年の白い妖精にいったい何と言うことをさせるんでしょうね(苦笑)。
こちら自分なども動画を見て常々すごいなと思っていたところですが案の定と言うべきでしょうか、ついに事故の犠牲者が出てしまったということです。

「死の道」MTBダウンヒルで邦人女性死亡/ボリビア(2011年6月3日日刊スポーツ)

 南米ボリビアの主要都市ラパス郊外のユンガス地方で「死の道」と呼ばれる未舗装の山道をマウンテンバイクで下るツアーに参加していた日本人女性、上村尚未さん(32)が誤って谷に転落、頭を打つなどして死亡した。在ボリビア日本大使館や地元警察が2日、明らかにした。

 同大使館やボリビア外務省は「遺族の意思により出身地は明らかにできない」としている。上村さんはボリビア旅行中の先月31日に現地でツアーに参加、転落後、同日中に地元警察が遺体を引き上げた。

 未舗装の山道を標高約4000メートルから自転車で一気に下る同ツアーは外国からの旅行者に人気だが、例年多くの死者が出ており、同大使館は注意を呼び掛けている。(共同)

いやしかし年間百人単位で死者の出る難所に加え、聞いた話では結構交通量も多い場所でもあるようなんですが、ここを自転車で一気にというのはさすがに無理がないか?とも思うのですけれども、本人としてはもはや思い残すことはないという心境だったのかも知れずですよね。
それもこれも運命だと考えれば人間少々の艱難辛苦には耐えられる部分もあるのでしょうが、さすがにこれは耐えられなかったのだろうなと同情する人も多そうなニュースがこちらです。

役作りのために約14キロも体重を増やしたジョー・ペシ 降板させられプロデューサーを訴える/米(2011年7月29日シネマトゥディ)

 リンジー・ローハンのカムバック作品としても話題になっている映画『ゴッティ:イン・ザ・シャドー・オブ・マイ・ファーザー(原題) / Gotti: In the Shadow of My Father』に出演するはずだったジョー・ペシが降板させられ、プロデューサーを訴えた。

 訴状によると、ジョーは製作会社側からゴッティの親友で用心棒だったアンジェロ役をオファーされ、出演料は300万ドル(約2億4,000万円)だったという。しかし、ここにきて映画会社は100万ドル(約8,000万円)のギャラで小さな役への変更をオファーしてきたとのこと。

 ジョーは、映画の宣伝と製作費を集めるために自分の名前を使い、いざ撮影となったところで汚い手にでたと怒りをあらわにし、支払われるべきだった300万ドルと懲罰的賠償金を要求しているという。TMZによると、彼はアンジェロの役のために体重を増やしており、これも怒りを増大させているようだ。「ペシ氏は健康的で厳格な食生活をやめ、大きく、ずんぐりとした体格で知られるアンジェロを演じるため30ポンド(約14キロ)も体重を増やしたところです」とジョーの弁護士は語っている。プロデューサー側は訴訟については聞いていないとコメントしている。(澤田理沙)

いや判ります、その気持ちは大いに判りますとも!と言いたいところですが、しかし事実こういう経緯であったということであればさすがにそれは気の毒な話ですよね。
運命は自分で切り開くと言えばもちろん理想的ですけれども、文字通り自分で切り開いてしまったという人がちょっとした話題になっているようです。

就職の天才現る…ズボンを脱いだ映像を送りつけた男性、Googleなど80社と面接にこぎつける/米(2011年9月26日らばQ)

就職難はもちろん日本だけではなく、世界中で起きています。
特に人気企業となると書類選考の段階で厳しい競争があり、面接にこぎつけることさえ難しいのが実情です。

アメリカの24歳の若者が、ツケヒゲをつけて、スーツのズボンの脱いだり、腕立て伏せをしたり、ペディキュアをするといった突飛なアピール映像を作成して送りつけました。
するとなんと、GoogleやMicrosoftなどを含む80社から、面接のお呼びが掛かったと言うのです。

この動画を作ったのはサンフランシスコに住むマット・エプスタインさん(24歳)。自分の特徴を出した何かインパクトのあるものを提示したいとして、自分を売り込むムービーを作り、各社に送ったそうです。
その結果、第一志望のGoogleを始めとしてMicrosoft、Amazonなど、合計80社からの連絡が来たそうです。
マーケティング部門での就職を希望していると言い、以下の映像はGoogle社に送ったものだそうですが、なんとその2日後にGoogleから電話があったそうです。

Googleに送った映像 - YouTube

動画に登場する彼はジョークともつかぬ独特の語り口で、自分の趣味がスコッチを飲むこと、読書、エクササイズ、ペディキュアに動物だと伝えています。
残念ながらGoogleへの就職は叶いませんでしたが、SigFigというアメリカの投資会社の内定を得ることに成功したようです。

動画を作る前は、普通のやりかたで就職を目指していましたが、すべて失敗に終わったことから、新しく変わったやり方を考えたそうです。
当の本人も、まさか80社からも連絡が来るとは思わず驚いたそうですが、「他の意欲はあっても就職活動でうまくいってない人々に、こういうやり方もオススメ」とコメントしています。
奇をてらった方法ではありますが、結果を出しているのが素晴らしいですね。確かにこんな映像を見せられたら、どんな人物なのか自分の目で確かめたくなるかもしれません。

ただし日本企業を相手に同じことをして、大失敗に終わったとしても自己責任でお願いします。

実際の動画を見るとおいおい、このセンスはどうも…と思いたくもなってくるような内容なんですが、何にしろ努力によって成果を得たというのは素晴らしいですよね。
同じくアメリカと言えばスーパーヒーローが人気ですけれども、リアルヒーローに対して運命は必ずしも甘いものではなかったようです。

シアトルの「スーパーヒーロー」が御用 暴行の疑いで/米(2011年10月11日産経ニュース)

 米シアトルの路上で無法者を懲らしめ、一部の市民から人気のあったスーパーヒーロー「フェニックス・ジョーンズ」こと、ベンジャミン・フランシス容疑者が9日未明、暴行の疑いで逮捕された。10日、AP通信が伝えた。

 当局によると、フランシス容疑者は路上で踊っていた男性2人をけんかしていると思い込み、2人に催涙スプレーを吹きかけたという。フランシス容疑者は月に数回、仲間と市内を“パトロール”している。

いや、元記事に添えられた容疑者の写真があまりに正体不明過ぎて失礼ながら吹くんですが、正直ちょっと日本人的な感覚からすると正義の味方と言うよりは…ねえ…?
真面目に考えると本当に悲惨と言うしかないような事件なんですが、これもまた運命なのかとも思ってしまうのがこちら中国からのニュースです。

「双頭の赤ちゃん」誕生=子どもたちをどう養うのか、悲嘆に暮れる農民の両親―四川省遂寧市/中国(2011年5月8日レコードチャイナ)

2011年5月5日、四川省遂寧市で結合双生児の赤ちゃんが生まれた。一般的な事例と異なり、赤ちゃんは頭部こそ二つあるものの、その下の体は結合しており、一つしかない。きわめてまれな例であり、中国では初だという。7日、華西都市報が伝えた。以下はその抄訳。

双子の父親・廖国軍(リャオ・グゥオジュン)さんと母親の包橋英(バオ・チャオイン)さん。昨年8月、出稼ぎ先の広東省で妊娠に気がついた。ほどなくして2人は故郷に戻り、出産に備えた。今年2月、エコー検査を受けた時には単胎と判定されたが、今月3日、病院の検査で結合双生児であることが判明した。

2人は妊娠中絶を望んだが、すでに出産目前の時期。もう間に合わなかった。5日、帝王切開で双子は生まれた。きわめてまれな「双頭の赤ちゃん」誕生は現地のビッグニュースとなり、同じ病院にいる妊婦やその家族らが一目見ようと集まってきたという。

娘の誕生を見た廖さんと包さん。2人の顔に喜びはなかった。「双子の娘を授かったのは、本来ならば嬉しいことです。ただ双子の娘を見た時、最初は受け入れられなかったほどです」と廖さんは話す。

農民の自分がどうやって娘たちを養えるのか、分離手術はできるのか、娘たちはどうやって暮らしていくのか。廖さん夫妻には多くの悩みが突きつけられた。「もしトラック1台分のさつまいもを売ったとしても、入院1回分の費用にもならないでしょう」と廖さんは話す。

6日、専門家による会議が開催された。双子は頭部、脊柱、食道は二つあるものの、心臓は一つ半、他の器官は一つしかない。分離手術は不可能との結論に達している。(翻訳・編集/KT)

結合双生児の分離手術と言えば日本でもベトちゃんドクちゃんの例が有名ですけれども、運命と言うにはあまりにも過酷なこの一家の行く末に幸い多かれと願うしかありませんよね。
先日は韓国の歌手が某大手カレーチェーンで10辛超えの超激辛カレーを平気で食べているなんて話題が出ていましたが、普通の人間の場合それはこうなるだろうというニュースを最後に取り上げてみましょう。

慈善目的の激辛カレー大会で参加者2人が病院に運ばれる騒ぎ/英(2011年10月7日時事ドットコム)

【ロンドンAFP=時事】英エディンバラのカレー料理店で今月1日、慈善目的で行われた激辛カレーを食べるコンテストで参加者2人が病院に担ぎ込まれる騒ぎがあり、店側は針のむしろに座らされている。(写真はロンドンのカレー料理店の調理風景。2009年撮影)
 コンテストは子どもの慈善事業のための募金を集める目的で、赤十字メンバーの立ち会いで行われた。しかし、同店特製の激辛カレーを食べた参加者2人が体調を崩し、通報を受けてスコットランド救急サービスが駆け付ける騒ぎに。
 米国からの女性交換留学生キュリー・キムさん(21)はコンテストで2位になったものの、BBC放送に対し「ホットソースを塗ったチェーンソーで切られたような感じで胃がものすごく痛み、周囲で何が起きているか分からなかったほどだった。病院で消化剤をもらった」と話し、「もうこんなことはすべきでない。募金を集めるならもっと痛くないやり方がいくらでもあると思う」と店側を批判した。救急サービスもコンテストの見直しを求めた。
 主催者のアブドル・アリ氏はトラブルに対処できなかったことを認め、「われわれはお手上げだった。救急サービスを呼ばねばならなかった」と反省の弁を口にする一方、コンテストの参加者全員が今は元気であり、1000ポンド(約12万円)の募金が集まったと語った。しかし、地元議員は今回の騒ぎを「めちゃくちゃだ」と非難している。

いやしかし、慈善大会に出かけていって激辛カレーで入院したなんで言われると家族も何が起こったのか意味不明でしょうが、そのあたりの止まらず突っ走ってしまう感性がブリということなんですかねえ…
不詳管理人もひと頃は激辛に凝っていた?時期があって13辛あたりまでは食べたことがありますが、カレーもある程度以上辛くなるとうまいもまずいもなくなってしまいますから、やはり人間おいしくいただける限度と言うものがあるということをわきまえていないと滋養によいどころか健康を害するということにもなるのでしょうね。

今日のぐり:「くら寿司 倉敷浜ノ茶屋店」

いわゆる百円回転寿司も昨今では単に安かろう悪かろうではお客に受け入れられないそうで、それぞれに仕入れやメニュー構成など独自のルートで工夫をされているようですよね。
本日はこちら倉敷駅の北側にあるくら寿司さんの浜ノ茶屋店にお邪魔したのですが、周囲に沢山の飲食店がひしめいている中でも結構大勢のお客が入っていらっしゃるようで、なるほど今の時代まず何よりもお値打ちと感じなければ顧客は呼べないということなんでしょうかね?
ちなみに今月は愛媛の食材がテーマということでそのあたりのおすすめメニューを中心につまんでみましたが、百円寿司とは言ってもこうした季節のメニューは二皿分の特別価格になるということには注意が必要です。

宇和島鯛めし風軍艦なるものは鯛飯の軍艦の上に半熟卵が載っているというもので、どうも先日お邪魔した佐田岬半島の「まりーな亭」さんといい魚介系の味に卵を合わせるのが愛媛の流儀なのか?とも思うのですが、ほとんど半熟卵の味に染まってしまって自分の知っている鯛めしの味とはまるで違うものとはいえ、これはこれでなかなか旨いしよく工夫してあるなと思いますね。
漬けかつおの握りはよくある生臭い鰹にはなっておらず濃厚な鰹の血の味が楽しめるようにはなっているんですが、まぁ何かこの醤油ダレの強い味で風味をごまかされているような気もしないでもないですよね(苦笑)。
活け締め真鯛の握りはとにかく鯛の身が厚切り過ぎて、味よりも何よりも身の食感ばかりが勝ってしまいシャリとのバランスも何もあったものではなく、残念ながらこれは寿司になってないと思わざるを得ません。
この時期特に食べておきたいのが秋鯖ですが、さばしそ巻きは鯖の脂を中和するしその味わいがなかなかいい味のバランスになっていて、これなら自分のように焼き鯖は好きだが締め鯖は嫌いといった人でも食べられそうな感じですよね。
こちらの場合だしまきという普通の卵焼きとは別の一カン単位の卵焼きがある(別に普通の卵焼きもある)ようなんですが、残念ながら本日は売り切れのようで結局珍しく玉を取らずに投了ということにいたしました。

普段に比べるとごく軽くで終わったのは腹具合がよかったせいばかりではなくて、実はこちらの寿司の配送システムが非常に気になって食べるのに集中できなかったという事情もあるのですね。
最近では回転寿司と言っても売れ残りのリスク回避の意味もあってオーダーが入ってから握るという場合が増えていて、あちらでもこちらでも独自の工夫を凝らした配送システムを用意しているのはいいんですが、こちらの場合自分たちの席の前まで寿司が回ってくると電子音が鳴るというだけ(画面にも表示はされますが視野角が狭い)というもので、一応注文品であることは判るにしても席ごとの色分けなどは何もされていません。
これがどこの席でも同じ電子音な上に何しろ満席近くに埋まっているわけですから、あちらでもこちらでも始終ピーピー鳴っているばかりで一体いつ配送されてくるかと全く気が抜けない状態で、正直せめて音色なりメロディーなりで区別してくれないと落ち着いて食べられないかなという気がしました。
しかし回転寿司もそれぞれにこうも配送システムが違うというのはおもしろいとも言えますが慣れない人間は混乱するなと思うのですが、こういうハードウェアの差異が営業成績にどれくらい影響するものかということも調べて見るとおもしろいのかも知れませんね。

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2011年10月22日 (土)

民主党政権すら気付き始めたマスコミの真実

この夏に新聞協会会長に選任された朝日の秋山社長が、その就任時のコメントとしてこんなことを言っていたということです。

新聞協会会長に秋山氏=「世論引っ張っていく」(2011年7月20日朝日新聞)

 社団法人日本新聞協会は20日、会員総会を開き、会長に秋山耿太郎朝日新聞社社長を選任した。副会長には、喜多恒雄日本経済新聞社社長、村田正敏北海道新聞社社長、山本治朗中国新聞社社主・会長をそれぞれ選んだ。
 記者会見した秋山会長は「東日本大震災や社会保障の問題など、日本は大きな危機に直面している。世論に誤りがないように引っ張っていくのが新聞の役割だし責任でもある」とあいさつした。
 また、若者の新聞離れが進む中、学校教育に新聞を取り入れる動きがあることを「業界にとって千載一遇のチャンスだ」と指摘。子どもの頃から新聞に親しんでもらうことが、購読者を増やすためにも有効だとの考えを示した。

さすが社会の木鐸を自称するだけのことはあると言うべきでしょうか、いずれにしても若者の新聞離れ(笑)などとのんきなことを言っている間に先日は2010年度の全国新聞社総売上が発表され、前年度比3.5%減とめでたく五年連続前年割れを絶讚継続中であるということですから、言ってみれば日本人の新聞離れとでも言うべきなのでしょうか?
その理由はいろいろとあると思いますが、ネットによる既存マスコミの攻撃などはあるいはマイナーな因子であって、実は新聞、テレビからしか情報を入手していないいわゆる「情弱」の人たちによる既存マスコミへの忌避こそがその本質なのかも知れないという気もしています。
その理由として彼らマスコミが好んで使う「我々」という実態のないフレーズと、国民の素朴な感覚との間に明かな乖離があるようだということが第一にあげられると思いますが、このあたりの空気を示すものとして政治家によるマスコミへの反撃が相次いでいるということを取り上げなければなりません。

マスコミが世の中悪くしている 輿石氏(2011年10月20日産経ニュース)

 民主党の輿石東幹事長は20日の党代議士会で、平野達男震災復興担当相の「逃げなかったバカなやつ」発言に関する報道を受け「マスコミが半分くらい世の中を悪くしている。これからもそう言い続ける」と断言。

 鉢呂吉雄前経済産業相の「死の町」発言に関しても「ゴーストタウンといえば許され、死の町と言えば大臣の首が飛ぶ。そんな国会でいいのか」と語った。

ここで取り上げられている平野復興担当相の「逃げなかったバカなやつ」云々の発言というのは先日同氏が民主党の参院研修会でのあいさつの中で出したという発言ですが、「私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカなやつがいる。彼は亡くなったが、しょうがない」云々という言葉からは同氏なりに友人に対する無念の思いも込められていたのかも知れません。
この発言を受けてマスコミ諸社は一斉に「またも大臣暴言!辞任もやむなし!」と一生懸命炎上させようとしているようですけれども、国民は全く相手にしていないどころか「この非常時にいったい何をやっているのだ」と冷め切った目でマスコミの方を見ているということを彼らが理解しているのかどうかですよね。
政治家という動物はそのあたりの世論の流れには非常に敏感なもので、すでに国民の目線はマスコミの言う「誤りがないように引っ張って」いこうとするところとは全く別方面に向けられているということを感じているのでしょう、ここはマスコミに向かって平身低頭するよりもむしろマスコミの非を鳴らすべきだと一斉に反撃に立ち上がりつつある気配があります。
先日は鉢呂前経産相の辞任騒動を受けてか、野田総理が今後はぶらさがり取材には応じないと宣言した話題をお伝えしましたけれども、当時から「あるいはマスコミによる捏造か?」と言う疑惑がささやかれていた鉢呂事件の顛末に関して、上杉隆氏がこんなことを書いています。

上杉隆氏 鉢呂前経産相の「死の町・放射能」発言の裏側明かす(211年10月18日NEWSポストセブン)

 誰がどう見ても、それは異様だった。小沢一郎・民主党元代表が陸山会事件裁判の初公判後に行なった記者会見は、やや大袈裟にいえば小沢氏と新聞・テレビの記者たちの罵り合いの場となった。

 そこには記者クラブ側の巧妙な仕掛けが施されていた。完全オープンな記者会見を主催する自由報道協会代表の上杉隆氏が、鉢呂芳雄前経産相を辞任に追い込んだ「死の町」発言の裏事情を解説する。

 * * *
 記者クラブの悪質な情報操作の手口が次々と露呈している。小沢氏や堀江貴文氏といった記者クラブの「敵」を、これまで新聞・テレビがいかに「人物破壊」してきたか、いよいよ国民も気付き始めている。

 典型的なのが、鉢呂吉雄前経産相の辞任である。

 鉢呂氏は、「死の町」発言と「放射能つけちゃうぞ」発言の“合わせ技一本”で辞任に追い込まれたが、実は福島の住民たちは「死の町」発言に怒っていない。大多数は「本当のことを認めてくれた」と肯定しているのだ。警戒区域内の牛を保護しているエム牧場浪江農場長・吉沢正己氏は自由報道協会の会見で、「『死の町』という表現があったがその通りだ。絶望の町と捉えている」と述べた。

「放射能つけちゃうぞ」発言にいたっては、完全に新聞・テレビの捏造である。鉢呂氏はそもそも「放射能」という言葉を使っていない。福島からの帰りで防護服姿だったため、記者から「放射能付いているんじゃないですか?」といわれ、近づいただけだ。そのやり取りに記者も笑っていたという。実は記者の1人がICレコーダーで録音していたから、その気になれば真相は検証できるはずだが、そうした報道はない。これが、各紙バラバラだった「放射能」発言の真相である。

 つまり、本来なら二つとも問題にならない言動だったのだ。それなのに、なぜ彼は辞任に追い込まれたのか。鉢呂氏は、私が司会を務めるCS朝日ニュースター『ニュースの深層』(10月11日放送)に出演し、「外部から入るのは記者クラブメディアからの情報だけで、それ以外に(自分の発言に)賛同する声もあったことは辞任してから知った」と、後悔の念を口にした。

 鉢呂氏は福島第一原発周辺の放射線量を年間1ミリシーベルトへ下げる除染作業を提唱し、経産省の原子力行政改革にも意欲的だった。原子力ムラにしがみつく官僚とメディアは、情報操作によって鉢呂氏を「辞任」に追い込んだのだ。

 その後釜に座ったのが、官房長官として原発事故対応に失敗した枝野幸男氏というのは、何とも皮肉な話だ。つまりこれは、「『死の町』を認めた男と作った男」の交代劇だったのである。

記者クラブと敵対的な立場にある上杉氏のバイアスを差し引いても、マスコミが何よりも重視するはずの生音声等があるのに誰もそれを使う気配がないというのは興味深い現象で、あるいはこれは本当に記者クラブによる捏造だったのか?とも勘ぐれてしまいそうな話ですよね。
自分でも言った覚えがないという発言でさっさと辞任してしまった鉢呂氏自身の外部から入るのは記者クラブメディアからの情報だけで、それ以外に(自分の発言に)賛同する声もあったことは辞任してから知った」という後悔の弁によく現れていますが、冷たいことを言えば仮にも国家の要職にありながらマスコミとの正しい関わり方も知らなかった同氏の未熟が招いた自業自得の結果という言い方も出来るでしょう。
椿事件を始めとして旧自民党政権はとことんマスコミから叩かれた挙げ句に政権の座を追われましたが、その後釜にマスコミによって担がれたはずの民主党政権すらこうしてマスコミに対する対処法を学習し始めたのだとすれば、いったいマスコミは次の選挙でどこの政党を担いで「世論に誤りがないように引っ張っていく」つもりなんでしょうね?

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2011年10月21日 (金)

今日は生活保護に関わる話です

ワープア問題というものは今に始まったことではありませんが、慢性的な不景気が続きそこから抜け出せそうにないという空気が社会全体に蔓延してくると、社会にとっても好ましいはずの健全な上昇志向さえもスポイルされてしまうのだなというのが少し前に出ていたこちらの記事です。

「将来に希望ない」64% ワーキングプア急増 (2011年9月9日産経ニュース)

1日7時間、週5日働いているのに生活が苦しく、64%は将来に希望が持てない-。連合が年収200万円以下の千人を対象にアンケートをしたところ、こんな結果が出た。連合は「正社員並みに働いているのに賃金に反映されていない」として、賃金底上げの必要性を訴えている。

 調査は6~7月、携帯電話のサイトを通じて行い、20~59歳の千人が回答。それによると勤務は平均して週4・8日、1日7・0時間。現在の生活実感について聞くと、複数回答で「格差社会の中にいる」が80%、「収入アップは無理」が79%、「世の中の厳しさや薄情さを感じる」が74%、「将来に希望が持てない」が64%などとなった。

食費は1日平均768円。最低賃金の全国平均である時給730円を低いと思っている人は73%。連合は「ワーキングプア(働く貧困層)が急増している。最低賃金を少なくとも800円以上に引き上げなければ」としている。

730円の最低賃金で一日7時間、週5日働いて28日間の収入が10.2万円、一方で食費が一日768円として同じく28日間で2.2万円、残り8万円で住居や社会保障関連の支出をこなそうと思うとなかなか厳しいだろうなとは想像出来るのですが、最低賃金というからには本来人並みに仕事をすれば生きていけるという水準が担保されているべきだと言う考えもありますよね。
昨今ではこれも非常に厳しい労働環境にある人も多いという正社員に比べて週の労働時間が少ないという点からはワークシェアリング等も機能していないという見方も出来そうですが、やはり汗水垂らして働いている人間がその見返りが得られていないと不満を抱く、結果として「どうせ働いても無駄だ」と勤労に対する意欲が低下していくというのは社会にとっても全く良いことではありません。
その点で一生懸命働く低所得層からもきっちり社会保障費などを徴収し税金も取っている一方で、ひとたびそこからさらに一歩下がって生活保護を認められれば単純に収入は増える、年金や医療費は全て免除になり支出は激減すると、突然待遇が改善してしまうわけですから、低所得層にとっては無駄どころか「働けば働くだけ損をする」ということになってしまいますよね。
ひと頃日本にこうした低所得層がさほど沢山はいなかった時代には、このあたりの話はマスコミ報道においても批判的論調はある種のタブーと言うのでしょうか、あまり公に語られることもなかった面がありましたが、最近ではあちらでもこちらでもこの生活保護受給者に対する風当たりが強くなっているかのような報道が目につきます。

「受給者のままでいい」 生活保護4か月連続200万人(2011年10月12日読売新聞)

4か月連続で200万人を上回った生活保護受給者。今年に入って59年ぶりに大台を突破した背景には、働くことが可能な世代の受給者の急増があり、そこには、ひとたび生活保護を受けると泥沼に沈むように働く意欲を失ってしまう受給者の姿も浮かぶ。全国最多の約15万人の受給者を抱える大阪市で、現状を探った。(鈴木隆弘、梶多恵子)

 午前8時半。開庁時間を迎えた大阪市西成区役所に、長い列が吸い込まれていった。
 月1度の生活保護費の支給日だった9月30日、現金支給を受けに来た約200人で、3、4階の窓口前は満員電車並みに混雑し、「1列に並んで下さい」と職員が大声で呼び掛けて回る。同区は人口約12万人のほぼ4人に1人が受給者。市内24区の中で、群を抜く。
 午前9時のチャイムと同時に受給者は一斉に窓口に押し寄せ、職員から茶封筒を受け取る。その多くは50~60歳代の男性だが、若年層もちらほらだがいる。

 Tシャツにジーパン姿で茶髪の男性(34)がいた。窓口を離れ、1階に下りると、待ち構えていた若者に受け取ったばかりの保護費を手渡す。相手はアパートの大家で、家賃4万5000円を支払ったのだという。
 あいりん地区にある、そのアパートを訪ねた。古い簡易宿所を転用した6階建ての典型的な受給者向け。6畳一間には備え付けのテレビと布団、冷蔵庫があるだけで、「1人でいると刑務所にいるような気持ち」と男性。他の住民との付き合いは全くないという。
 数年前から仕事をせず、生活保護は5月から。住宅扶助も含めた月12万5000円を受給するが、家賃と光熱費を除くと「ほとんど酒代」。ガールズバーやキャバクラに出入りし、2、3日でなくなることもある。2年前にアルコール依存症と診断され、借金も数百万円あるという。
 建築作業員など様々な職に就いてきたが、人間関係が煩わしくて続かず、親にも勘当された。それでも「最初は生活保護が後ろめたかった」。職探しに励み、清掃会社の面接を受けたこともある。だが不採用。以後、就職活動はやめた
 「仕事しなくても金が入っちゃう。やる気なくしますね」と、男性は苦笑いを浮かべた。将来の夢は「仕事をして家族を持ち、普通の生活をすること」。このままではダメとわかっている。でも、どうしていいかわからないという。

 「生活保護でようやく、人並みの生活ができるようになりました」と、区役所で出会った別の受給者の男性(37)は笑顔で話した。保護を受けて4年。この間仕事はしたことがない
 約10年前に両親が死亡し、実家マンションを家賃滞納で追い出された。あいりん地区の簡易宿所で暮らして派遣で清掃などに従事、仕事がない時は野宿していたが、不況で仕事が途絶えた。
 うつ病と診断され、生活保護を受けたが、初めて保護費を受け取る時は「恥ずかしかった」。だが就職活動は、100件近く応募して面接に至るのが10件ほど。ある工場に採用が決まった時も、1日7時間の労働が「厳しすぎる」と辞退した。
 医師からは「じきに完治する」と言われているが、「まじめに働いても、月10万円ちょっとでは……」と働く気が起きない。ハローワークにも行かず、スロットマシンで遊ぶ日々。「プロになるまで、生活保護のお世話になろうかな」。悪びれることなく言った。

生活保護費260万円不正受給「パチンコ代に」 56歳女を逮捕(2011年9月5日産経ニュース)

 収入を少なく申告して大阪市から生活保護費を不正受給したとして、大阪府警港署は5日、詐欺の疑いで、同市港区市岡元町のパート従業員、上村フジ子容疑者(56)を逮捕した。同署によると、上村容疑者は「お金が欲しかった。子供のおもちゃ代や洋服、パチンコ代に使った」などと容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、平成20年10月~22年3月の間、同市内の食品加工会社のパート従業員などをしていたのに、収入の一部しか同市に申告せず、生活保護費計約260万円をだまし取ったとしている。

 同署によると、上村容疑者は同市に対して、「お好み焼き店でバイトをしている」と述べていたという。

生活保護受給者の家賃 京都市、民間住宅でも代理納付(2011年10月16日京都新聞)

 京都市は、生活保護受給者に毎月支給している保護費から家賃分を差し引き、市が受給者に代わって家主へ支払う「代理納付制度」を民間住宅にも導入する。家賃として支給した保護費が別の用途に使われ、滞納された家賃を得られない家主が泣き寝入りするケースを未然に防ぐのが狙いという。コンピューターシステムの更新を進め、2015年度からの実施を目指す。

■滞納の防止狙う

 生活保護費は、家族構成や現在の収入などに応じて家賃や食費、光熱費、学用品費などが算定され、一括して受給者の口座に振り込まれる。支給の目的に従って使う必要があるが、実際、振り込み後の使い道をチェックできない
 市営、府営の公営住宅ではすでに代理納付を行っているが、民間賃貸住宅の場合、借り手が生活保護受給者であると貸主側に分かるなどプライバシーの問題のほか、住宅が多数に上るため電算処理が追いつかず導入が難しかった。
 保護費の算定を行う電算システムの更新が14年度末までに終わることから、システム一新に合わせて民間賃貸住宅でも代理納付を行うことにし、プライバシー保護のため、受給者の同意が得られた世帯のみで実施する。

 8月末現在の市内の生活保護受給世帯は約3万1500世帯で、このうち、民間賃貸住宅を借りている約2万6千世帯が対象になる見込み。府内ではすでに亀岡市や城陽市などが民間賃貸住宅への代理納付を始めており、19の政令指定都市でも13市が導入している。
 市地域福祉課は「代理納付で家賃が確実に支払われる態勢を整えるとともに、引き続き受給者には支給目的に沿って保護費を使うよう指導していく」としている。

不要な入院に国費4億円 19自治体で生活保護64人分(2011年10月19日朝日新聞)

 生活保護の一種で医療費が全額公費負担になる「医療扶助」について会計検査院が調べたところ、自治体の福祉事務所のチェックがなおざりで、必要がない長期入院を続けている受給者が少なくとも19自治体で64人いたことがわかった。余分に支払われた入院費用は国費分だけで計約4億2千万円に上るという。

 検査院は厚生労働省を通じ、全国の市町村や区、県の福祉事務所が入院の必要性を十分にチェックするよう求める方針。

 厚労省の通達によると、医療扶助の受給者の入院が180日を超えた時点で、主治医側が受給者の症状などを書いた意見書や診療報酬明細書(レセプト)といった書類を提出。福祉事務所の嘱託医らが、入院の継続が必要かを書類でチェックする。さらに確認が必要と判断すれば、嘱託医やケースワーカーは主治医との面談などで意見を聴く。そこで入院が必要ないとされた場合には、退院後の受け入れ先の確保などを支援することになっている。

医療関係者はその職務上あらゆる社会階層の人々と付き合いがありますが、一部公立病院の夜間救急に押しかけてくるのが高級車に乗った生活保護受給者ばかりなんて例は極端にしても、生活保護をもらっても遊んでばかりという人間があまりに多いことは昔から誰しも感じているところで、その意味では保護費でパチンコだスロットだといった話が一般紙に堂々と載るようになったかと思うと隔世の感がありますかね(苦笑)。
いくら一定額の現金収入があるとはいえ、彼らが何故そうまで遊んで暮らせるかと不思議に思う人もいると思いますが、最後に紹介した朝日の記事に示されているように生活保護受給者はお金がなくなると「そろそろ入院させてくれ」と病院にやってくることがしばしばあり、何しろ入院すれば医療費は全て無料の上に月々の保護費ももらえるわけですから、ただ寝ていればお金が貯まっていくという仕組みになっているわけです。
一昔前は親方日の丸で取りっぱぐれが無いとこうした生活保護者ばかりを入院させるというブラック病院も各地にあったやに聞きますが、さすがにお上の目も厳しくなってきたことに加えて今日日そんなブラック病院で働きたがる医療従事者もいませんから、医療の方面においても今や彼らに対する目線は厳しくなってきているのは幸いでしょうか。
しかしこうした生保のシステムがあまりに勤労意欲をスポイルしてしまうことを反面教師とするのも必要ですが、本来ならそれよりも上の生活を求める権利があるはずの低所得勤労者が一番苦労をしているというのは社会正義の上でもおかしな話であるし、このあたりはシステム的にも早急に逆格差を解消して行くべきだという世論が高まることを期待したいところですね。
一方で少し離れた立場から別なことを言う人々もいますが、まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

政府が国民に生活資金を支給(2011年10月17日朝日新聞)

◆ベーシックインカムを紹介◆

すべての人が生活に必要な所得を無条件で得る「ベーシックインカム(基本所得)」について考える講演会が16日、松江市朝日町の松江テルサであった。山森亮・同志社大学経済学部教授(41)=社会政策=が「憲法の生存権を尊重する立場に立てば、政府が一定の金額を給付するしかない」と参加者に話しかけた。
 不登校や引きこもりの若者の自立支援に取り組むNPO法人「YCスタジオ」(松江市)が、「所得を保証されることは、若者が引け目や不安から解放される社会的方法になる」と考えて主催した。

 ベーシックインカムは、政府が国民全員に無条件で、生活に最低限必要な現金を支給する政策。生活保護制度よりも、低所得者の働く動機を高める可能性があるとされる。
 山森教授は、自身も20代で生活保護申請を考えるほど困窮した経験をまじえながら、仕組みを紹介した。
 その上で、子ども手当を含む一律の給付が「バラマキ」と非難される情勢について「社会的地位に関係なく生存権を保証するという哲学が欠落した日本だけの特徴」と指摘。「『働かざる者食うべからず』であれば『働かなくても食べられる人』をなくすために相続税を100%にするなど、矛盾はなくさなければならない」と主張した。

 参加者からあがった「導入への道筋はあるのか」の質問には「子ども手当などの個別の保障を拡大し、他の保障と統合するなど段階的な導入が考えられる」と答えた。(竹野内崇宏)

ま、さすがに経済学者さんは言うことが極端だなと感じずにはいられない話なんですが、全ての人に同一額の支給をという制度の利点は年金や生活保護といった様々な面倒くさい話が全て不要になるということでもありますから、そのあたりに要する多大な経費や作業の面倒くささなども考えると一見して悪くないか?とも思えるのがこのベーシックインカムという制度です。
しかし文字通り全ての国民に最低限の生活資金をと言う観点から例えば月に10万円を支給するとすれば、日本人1億2756万人に対して毎年153兆というちょっと現実的でない数字になりますから、財源をどうするかという話を考えるとこの1/10くらいがせいぜいなのかなという気がしますから、なんだ結局は一部の人にだけということになるのならあまりありがたみもないのかなとも思えてきますね。
実際にこうした制度を日本のような大きな国家規模で大々的に導入した例は未だかつて無く、自治体レベルなどごく限定的な範囲で行われている例が散見されるだけだと言いますから、例えば被災地に特区を創って限定的に導入するといったくらいしか実現の道はなさそうに思いますし、逆にそうした限られた用途に向けては決して悪くない話かも知れないとも思うのです。
ただここで注目していただきたいのは「引け目や不安」という言葉が出てきていることですが、前述の記事にあるように当初生活保護に引け目を感じていた人々もいつしかそれにどっぷり安住してしまうという現実があるのに、例えばかねて「生保に現金を渡すからいけないんだ!生活必需品しか買えないチケットにしろ!」と言う意見に「彼らが引け目を感じるじゃないか」と一部から強い反対の声があるのですよね。

いわば低所得社会における勝ち組とも言える生活保護受給者が増え続ける一方で、しかもそこから積極的に抜け出そうというモチベーションを発揮する様子が無く対策が急がれている現状からすると、頑張って働く人に比べての生保であることのデメリットがあった方が当然生保離脱へのモチベーションにつながるはずですが、未だに「生活保護受給者=社会的弱者」という公式を押し通そうとする人々がいるなら対策が必要でしょう。
そこで前述のベーシックインカムという話に戻って考えるのですが、その導入が無理だとしても子ども手当や年金など広範な対象にお金を出すという類似の制度はすでにいくつもあるわけですから、生活保護受給者と同時並行でこれらの方々への支給の一部なりともチケット制にさせていただくというのはどうでしょうか?
むろん年金世代などは実質家族に養われている人々も多いでしょうし「孫に小遣いをやるのに現金の方がいい」という人も多いでしょうから、例えばチケット支給であればなにがしかの割り増しをするといった措置で社会の各方面からチケットが使われていくようになれば、生保受給者にしても堂々とチケットを用いていくことに引け目を感じることはなくなる理屈ですよね。
このチケットに関しては例えば有効期限を短めに設定させてもらう等すれば消費を促す呼び水になるという可能性もありますから、国として是非ともその導入を前向きに検討してみられてはどうかと結構真面目に提案をしておきます。

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2011年10月20日 (木)

ポリオワクチン問題 まだまだ時間はたっぷりかかります

小児学童に対するワクチン接種と言えば一頃はさんざんマスコミにバッシングされた結果、日本ではすっかり集団接種なども廃れてしまい「ワクチン後進国」の汚名を甘受するしかない状況となっています。
そんな中で感染によって非常に重大な結果を生むポリオなどは先日もお隣中国で感染が確認され、WHOからアジア各国に広がるリスクが高いと警報が出ていますが、日本では未だにこんなことを言っている段階なんだそうですね。

<ポリオワクチン>輸入急増 副作用恐れ自費で「不活化」(2011年10月14日毎日新聞)

 乳児が受けるポリオ(小児まひ)の予防接種に、海外から輸入した「不活化ワクチン」を使う人が急増している。輸入代行業者の中には、今年1~9月の販売数が、昨年1年間の約7倍になったケースもある。国内で集団接種などに使われている生ワクチンは、ごくまれに重い副作用がみられるため、不安視する保護者が自費での接種に踏み切っているためだ。【河内敏康】

 副作用の原因は生ワクチンに含まれるウイルス。毒性を弱めてあるが、厚生労働省によると100万人に1・4人の割合で手足にまひが発生する副作用がある。接種した子どもから家族に感染する場合もある。一方不活化ワクチンは、ウイルスを殺して毒性をなくしてある。

 医薬品輸入代行業者「RHC」(東京都)によると、ポリオの不活化ワクチンの販売数は、09年に899本だったのが、10年には7770本と約9倍に急増。今年も全国の医療機関から問い合わせが相次ぎ、9月末現在で5万2644本を出荷した。

 別の業者「Monzen」(同)は今年に入ってから月平均1万本を販売しているという。

 生ワクチンによる定期接種は公費負担のため親の負担はないのに対し、不活化ワクチンを希望する人は輸入品を扱う医療機関を探し、全額自己負担で受けざるを得ない。負担は1回5000~6000円程度で、計4回接種が必要だ。また、万一副作用が起きた場合も、国の救済制度は適用されない

 患者団体や保護者の再三の要求に応じて国は、ポリオの不活化ワクチンとジフテリアなど3種混合ワクチンとを混ぜた国産ワクチンを、早ければ13年春にも導入する方針だが、ワクチンに詳しいナビタスクリニック立川の久住英二院長は「生ワクチンでまひが起きてからでは遅すぎる。国は緊急避難的にでも海外の不活化ワクチンを公費で接種できるようにすべきだ」と指摘する。

一頃小児麻痺がひどく猛威をふるったとはいえ、基本的にポリオというものは現在の日本では野生種(自然界に存在するウイルス)は確認されておらず、予防接種の目的としては万一国外からの持ち込みや海外旅行中の感染に対する用心という意味で行われているわけですが、この際に用いられるのが昔ながらの生ワクチンであるということがしばしば問題視されているわけですね。
ポリオの生ワクチンに関してはかねてごく低い確率ながら感染が成立し得るということが知られていて、1999年以降日本で5例(一説には15例)ほどが報告されているということですから極めてレアなケースとはいえ、野生種の撲滅された1980年代以降国内で発生した小児麻痺は全てこの生ワクチンによるものであるとも言います。
これに対して近年では世界中で感染の危険性のない不活化ワクチンへの切り替えが進んでいて、ほとんどの国々が全面的に切り替え済みか切り替え中であるというのに、日本はアフリカや南米などと並んで未だに生ワクチンを使用している「少数派」になってしまっているのが現状です。
何しろ国が公式に使用を認めていないのですから勝手に輸入してでも使うしかないということで、先日はついに神奈川県も独自に不活化ワクチンを導入するなんて言い出した(この経緯もなかなか興味深いので、ロハス・メディカルの記事も是非ご参照ください)わけですが、そうした世間の動きに対する国のコメントが火に油を注ぐようなものだと話題になっています。

ポリオ不活化ワクチン、神奈川県が独自接種へ(2011年10月15日読売新聞)

 神奈川県は、ポリオ(急性灰白髄炎)の予防接種で、生ワクチンより安全性が高いとされる「不活化ワクチン」を独自に輸入し、希望する県民に接種する方針を固めた。

 年内にも実施する。

 厚生労働省は不活化ワクチンの来年度中の承認を目指しており、承認まで生ワクチンの接種を控える動きが広がっている

 県では直接輸入できないため、医療機関に協力を求め、個人輸入の形でフランスやスイスのメーカーから不活化ワクチンを輸入し、県の保健福祉事務所で接種する方針。国内では未承認のため、事故が起きた場合に県が責任を負わない旨の同意を取り、接種費用は自己負担してもらう。

 黒岩祐治知事は「ポリオに感染する危険性のあるワクチンをそのまま使っているのはおかしい。国の対応は遅すぎる」と話している。

ポリオ不活化ワクチン提供、厚労相「望ましくない」(2011年10月18日朝日新聞)

 ポリオの予防接種で、神奈川県が国内ではまだ承認されていない不活化ワクチンを提供する方針を打ち出したことについて、小宮山洋子厚生労働相は18日の閣議後の会見で「健康被害が生じた際に救済制度がないなど、行政上望ましいことだと思わない」と述べた。

 厚労相は「(生ワクチンに対する)国民の不安をあおって、結果として全国的に生ワクチンの接種を控える人が増え、免疫を持たない人が増加する恐れがある」とも指摘した。

 厚生労働省は、病原性をなくした不活化ワクチンが導入されるのは早くても来年度末になるとし、それまでは、生ワクチンの接種を受けるよう呼びかけている

ま、実際問題として生ワクチンのリスクが極めて低いと言えばその通りではあるし、そうであれば現時点で一年二年を急ぐ必要もないだろうと言われればこれまたごもっともなんですが、さかのぼればすでにアメリカなどでは2000年に切り替えが終わっている話を、今になってもまだ導入に向けて鋭意努力中だなどと胸を張って言っているのがおかしいのではないかということですよね。
日本では03年にようやく不活化ワクチン導入が必要と厚労省も言いだし、昨年春になってようやく製薬メーカーに不活化ワクチン製造を急いでくれと要請が出ているというのんびりした状況で、どうせ導入が既定の方針であるのなら当座海外から輸入なりとすればよいだろうと誰でも思うところですが、断固としてそうした行為は認めないというのが国の姿勢であるということです。
このあたりは例によって天下りなど製薬メーカーと国との関係がどうこうという噂が飛び交っていますけれども、ちょうどこの10月14日に(ようやく!)第二回のポリオ不活化ワクチン検討会が厚労省で開かれたものの、これだけ世間が賑やかしいことになっているのも知ったことではないとひどくあっさりと流されてしまったというのですからおもしろいですよね(苦笑)。

第2回ポリオ不活化ワクチン検討会 進展なし(2011年10月16日ロハス・メディカル)より抜粋

一昨日、第2回「不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会」が開かれ、傍聴してきました。正直なところ、予想していたとおりの=厚労省の筋書き通りの展開で、残念を通り越して摩訶不思議な感覚に襲われました。世間でこれだけ議論が巻き起こり、生ワクチンに対して向けられている「NO」の声も、あの厚労省の会議室の中では“どこ吹く風”。世間と隔絶された空間にいるようでした。
今回の議事内容をざっと振り返ってみると、第1回(8月31日)から約1ヶ月半経過していることもあり、まずはポリオ生ワクチンの接種率の調査結果報告が行われました。それを含め、要点は以下のとおり、

●ポリオの生ワクチン(OPV)を今年4-6月に接種した人は、前年同期に比べて17.5%減
●不活化ワクチン(IPV)を個人輸入している医療機関でワクチン接種を受ける人が、今年に入って急増、医療機関への患者への不活化ワクチンに関する問い合わせ・希望も増えているが、希望者に比べ実施施設が少ないのが現状。
●輸入ワクチンはサノフィ・パスツール社製がほとんどで、1回当たり接種料金は診療所の場合4000~5000円が最も多い。
●厚労省は10月4日付で各都道府県に対して、「(IPVの導入は)早くても2012年度の終わり頃の予定」「(OPVの打ち控えは)おすすめできません」「ポリオワクチンを接種することが、ポリオを予防する唯一の方法です」等とするリーフレットを添えて広報依頼の通知を行った。
OPVだと免疫がつきやすいのは確か(腸管免疫も得られる)で、万が一の流行時のためにストックは必要。ただし、IPVでも合計4回の接種で免疫がほぼ完全となる。
●OPVからIPVへの切り替えには、①ある時期から一斉に切り替える方法、②生まれた時期で線引きをする方法、③一定期間はIPVとOPVの併用(合計4回接種のうち、IPVとOPVを組み合わせる)などが考えられる。
●ワクチン関連麻痺(VAPP)は、OPVの初回接種後に生じるケースが最も多い。IPVを2回接種した後にOPVを接種すると、VAPPの発症は相当低下する。
●ワクチン製剤の種類が増えることによるワクチンの互換性(有効性・安全性)や、単抗原ワクチンの開発の遅れによる問題(DPT接種開始後でOPV未接種の人が20万人以上になる見込み⇒DPT-IPVを接種すると、結果的にDPTが過剰になり、局所反応が強く会われる可能性)なども課題。

(略)
こうして、OPVの接種率低下や、他方、IPVの供給が需要に追いついていない現状が確認されたわけですが、ここで改めて丸橋構成員が、

「被害者としては、『生ワクチンを打たねばならない状況は許されない』としか言えない。IPVへの問いあわせの多さ、接種希望の多さを考えると、(それにも関わらず依然、国としてOPVを打たせ続けて)もしこれで被害者が出たら、誰が責任をとるのか。なんとしてもIPV単抗原ワクチンを早期導入して混乱を抑えてほしい」

と発言。
自然と、これに対する答えに注目が集まりますが、これに対し正林結核感染症課長は、

製薬メーカーには早くと言っている。早ければ4価(4混ワクチン)は来年度終わりにも導入できるだろう。単価も同じ頃にできればと、急ぐよう働きかけている。中国での野生株ポリオ流行も考えて、手元にある生ワクチンをPRしている

との旨だけ回答。予想していた通りではありますが、分かりきったことを繰り返すだけで、回答にも何にもなっていないなあ、という内容でした。分かってはいても、がっかりです。傍聴席にもあきらめたような、白けたような、やっぱりなという空気が漂いました(と、私は勝手に感じました)。
しかしそこで終わらずに、なおも場をかき混ぜたのが、やはり保坂構成員でした。

「緊急輸入には、個人的には賛成ではないけれども、だめな理由等をこの場で説明してくれればいいが、(国は)緊急輸入について全く考慮していない、とこちらは思っている」として、緊急輸入についての国のスタンスを明確にするよう求めました。

さらに保坂構成員は畳み掛けます。細元参考人(福島医大小児科)提出の資料、日本小児科学会と日本小児科医会を対象とした「不活化ポリオワクチンの個人輸入の実態調査〈速報〉」の中で、調査項目に「不活化ポリオワクチンによる健康被害に対する保険をかけていますか?」という質問があり、病院の100%、診療所の94.9が「補償制度のある輸入代行業者を利用している」との回答でした。それについて、

「この『保険』は、まったく無意味に等しい。予防接種後の有害事象にはそもそも“紛れ込み”も多いものだが、本当に何かあったときには、この『保険』ではどうしようもないことを知っておいてもらいたい。この『保険』というのは、接種後の副作用であると訴訟を起こして、原告が勝った場合に、それでも医療機関側に責任がないと認められる場合にのみお金が出るものであって、定期接種について予防接種法が規定したり、任意接種についてPMDA法で規定されているような、『救済』とは全然違う」

と指摘したのです。
ただ、相手も筋金入りですから、まったくブレません。赤川審査管理課長は、「まず、前半の緊急輸入、これは薬事法に基づいて安全性・有効性を確認しなければいけないわけですから・・・(中略)・・・国内での臨床試験結果が蓄積していない今では・・・」云々と、基本原則の説明をして終わりました。要するにそれが回答ということなのでしょうが。
これに岡部座長も補足し、緊急輸入が過去2回あったが、1回目は5000~6000人の患者が出た1960年のポリオ大流行時の措置、2回目は先の新型インフルエンザ騒動の治験を前提としたものであったことを説明。さらに清水構成員が海外の状況と接種率の低下によって「流行リスクが大きくなった場合でも、緊急性がないといえるのか」とちょっぴり食い下がるも、岡部座長と林課長補佐が「ウイルスが入ってきた場合など、緊急性が高い場合はWHOの方針としてもOPVを投与するはず」「危険性が差し迫ったときはOPVという判断も、保護者の合理的判断としてもありうる」と、これまた教科書どおりの美しい答えであっさり受け流します。
ここで岡部座長はさすがに気が引けた(?)のか、「一方で、丸橋構成員のような被害者がいらっしゃることも確か。不活化ワクチン導入のプロセスは始まっている、進めていく」といったようなことを一応言い添えたのですが、これに加えて林下方補佐が「定期接種で被害にあわれた方については救済制度があり、そちらで対応しますので・・・」という趣旨のダメ押しの一言を投じました。

でも、これってどうなんでしょうか。
確かにどんなワクチンにも副作用のリスクはついて回りますし、だからこそ救済制度が設けられています。しかし、その前提には、「“その”ワクチンがその病気を予防する唯一あるいは最善の選択肢だ」というコンセンサスがあるからこそ、ごくわずかな副作用の被害者の発生も致し方ない(大多数の人が病気に普通に感染してひどい目にあうよりまし)と判断し、また納得でき、受け皿として救済制度が作られているはずですよね。しかし、このポリオに限って言えば、今すでに「生ワクチンが最善だ」というコンセンサスはすっかり崩れてしまっている、少なくとも当事者である保護者のおそらく半分近くがNOと言っている、そして実際、IPVというもっと安全かつ十分に有効な選択肢が、国がその気になって動けば苦もなく手が届くところに存在しているのです。
それなのに、IPVを緊急輸入をしない理由さえ結局は明確にしないまま、「定期接種=OPVで被害が出たら救済制度がある」という発言は、実は横柄な態度ではないでしょうか。でなければ、思慮に欠けていますよね。揚げ足取り、と言われるかもしれませんが、そもそも「救済制度がある」で済まされないから、IPVへの切り替えを進めているのですから・・・。

この後、話はIPVへの切り替えの方式、単抗原ワクチン導入の時期と兼ね合いといった話に切り替わってしまいました。30分以上そのあたりの話が続き、次に斬り込んだのは、丸橋構成員。単抗原ワクチンの検定について「できるだけ早く対応したい」という清水構成員の発言を受けたものです。

「検定自体、切り替えを進めるために行うものだとわかるが、時間がかかるのも事実。『急ぐ急ぐ』と言っているが、待っているだけではだめだと思う。なぜサノフィパスツール製の不活化ワクチンを今、導入しないのか

これには目黒調査官が回答。
薬事法に基づいた審査をなぜやっているか。製造物の有効性・安全性を第3者に確認し、販売後にどういう注意が必要が知ってもらうための添付文書を作成しなければならない。どうしても薬事法上のプロセスとして必要・・・」云々。

正直、「ああ、またか」という感じの答えで、どっと疲れが出ました。このあたりまでくると、もはや私の集中力も続かなくなってきます。その後もこのような調子で、少しでも“不穏な”動きが見られると早い段階にきれいにはぐらかされて、まるで交通整理がされていくように、予定されたゴール(といっても前回同様、「あくまで本日この場で結論を出すわけではないですが」という断りが座長から、ことあるごとに差しはさまれるのですが)に向かって話が流れていくのでした。
(略)

まあしかし、ここまで確固たる決意のもとに突き進んでいるというのは非常に興味深いことだなと誰でも思いますし、その背景にはいろいろと官僚なりの事情があるのでしょうけれども、このポリオワクチン問題でもう一つ興味深いのはいわば今の日本をワクチン後進国に追いやった元凶であるマスコミ諸社が、近頃ではまるで安全性確認など適当でいいからさっさと新しいワクチンを導入しろと言っているようにも聞こえることでしょうか(苦笑)。
過去のマスコミの論調を借りるならば(少なくとも表向きは)慎重の上にも慎重を積み重ねたような厚労省の姿勢は全く批判に当たらない、むしろ不幸な薬害を避けるために最大限努力していると称讚されてもいいくらいだと思うのですが、まさか数々の薬害バッシングを巡る一昔前の話など知らない、全く覚えていないと口をぬぐって今更ドラッグラグ批判などと言い出しているのでしょうか?
民主党などもかつての言い方であればこのあたりはさっさと政治主導で解消するような雰囲気でしたが、前述の小宮山厚労相の官僚答弁そのままのようなコメントを見る限りではすっかり取り込まれているんだなという気配ですし、なんだかなあと思わずにはいられない顛末ですよね。

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2011年10月19日 (水)

時代を先導していたはずが、いつの間にか取り残されつつある人の悲劇

「とにかく医師増員、何があってもOECD平均まで医師増員」の持論で名高い本田大先生がまた吠えていたということなんですが、恐れ多くもその御高説を引用させていただくことにいたしましょう。

◆本田宏の「勤務医よ、闘え!」医師免許制度は必要ない?―フリードマンの名著に学ぶ(2011年10月14日日経メディカル)より抜粋

 全国各地で社会問題化している医師不足と医療崩壊を受けて、ようやく日本でも、医師増員や医学部新設の話が持ち上がっています。

 しかし、寂しいことに、この期に及んでも、医師会や大学の重鎮の方々の中には、種々の「増員できない理由」を挙げて、抜本的な医師増員や医学部新設に反対する声が多いのが現実です。

 私は10年以上、年ごとに厳しくなる医療現場から、グローバルスタンダードと比較して日本の医師がいかに不足しているのか、なぜ医師養成数を増やす必要があるのかを、それこそ「痩せガエル」が柳の枝に飛びつくように、繰り返し、繰り返し訴えてきました

 そのような私をきっと気の毒に思ったのでしょう。先日、私の若い同僚が一冊の興味深い書籍を私に紹介してくれました。その一冊とはミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』(村井章子訳、日経BP社)です。

 ミルトン・フリードマン(1912年~2006年)は、米国のニューヨーク出身で、1976年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者です。競争的市場を信奉するシカゴ学派の主要人物である彼が1962年に世に出した本書は、当時、米国で大ベストセラーになりました。今回後輩が、私にぜひ読むようにと進めてくれたのは、同書の第9章「職業免許制度」でした。これを読んで、私は、なぜ医師が医師増員に反対なのか、その理由が明確に分かったのです。
(略)
 フリードマンは、「免許制度では本質的には中世のギルドと同じような規制が行われる」と指摘し、具体例として、医師免許の問題についてこのように述べています。

    275p:医師免許制度は、まず何よりも、医者が同業者の数を制限するための重要な手段となっている。(中略)米国医師会(AMA)は、アメリカの職業別組合の中でおそらくいちばん力が強い組織である。そして職業別組合で力が強いとは、その職業に従事できる人の数を制限できるということだ。

    280p:その職業の技術水準にこだわるあまり、一流の技術を持つ者しか認めるべきではないと言いたくなるのはわかるが、しかしこれでは、そのために一部の人が医療を受けられなくてもやむを得ないと言っているのと同じことである。

 フリードマンは、「『無能な輩に医者をやらせるべきか』と質問されたら、ノーと答える」しかない、としつつも、現実には、医師免許制度が医師による同業者参入制限の最大の武器として使われており、これが医師の数を減らし、医療の質を低下させている、と断じています。

    284p:参入制限があるために医師の数が本来必要な数を下回り、医者が誰も彼も精一杯働くとすると(現実にもそうなっている)、正規の医師による医療行為の総量、具体的には延べ医療時間は、参入制限がない場合よりも少なくなる。(中略)医療の平均的な質というものがもしあるとしたら、それは、実際に行われた医療の質を平均しただけでは得られない。それでは、死ななかった人だけを対象に治療効果を判断するのと同じである。質を考えるときは、参入制限の結果「行われなかった医療」が増えたことも考慮しなければならない

 フリードマンは、本来は市民に良質の医療を提供する社会的責任を持つはずの医師が、医師免許制度が存在するがために、逆に医療を受ける国民にとってマイナスの行動をとってしまうことがある、と警告しているようです。

 先日、私は、全国から研修医が集まる超有名病院の院長に「医師を下手に増員すれば医師の質が落ちる、OECD並みの増員に私は反対だ」と言われました。

 先方は、断るほどの数の研修医が全国から集まる病院。一方当院は、全国でも有数の医師不足地域である埼玉県の北端で医師不足に喘いでいる病院ですが、その時にはうまく反論できませんでした

 もし再びその方にお会いできたら、私はこう尋ねてみたいと思います。「医療の質を維持することはもちろん重要です。しかし医師の数が足りないがゆえに『行われなかった医療』が増えている日本の現状をどう解決するのですか?」。この質問は、医師増員に反対している他の医師会代表や大学病院の方々にもぶつけてみたいと思っています。

 先進国のどこよりも早いスピードで高齢化が進んでいる日本では、今後も、有病者や死亡者の数が増加することは確実です。その現実を正視せずに、いつまでも抜本的な医学部定員増や医学部新設に反対する多くの医師たち

 私自身はフリードマンのように「医師免許制度は不要」とまでは考えていませんが、もし、人口当たり医師数が先進国の中で最も不足している今の日本で、日本の医師が医師増員に反対する状況をフリードマンが見て「私が言った通りだろう」と言ったとしたら…返す言葉もありません。まさに医師が医師増員に反対する構図の根底には、「職業免許制度」が宿命として抱える弊害があることをよく理解できました。

 日本の医療問題を解決するには、医療崩壊によって「行われない医療」を、どう具体的・建設的に解決するのか、その視点が重要です。いつまでも建設的な議論が行われないのでは、あまりに国民が救われないと痛感しました。

「いつまでも建設的な議論が行われない」というのは、「行われない医療」が日本にどの程度存在し、それがOECD並みの医師数大増員でどのように解消するのかを示すことも出来ず、まともに相手にされていない状況を評して言う言葉でしょうか(苦笑)。
しかし医療崩壊という現象がこうまで社会的な関心を呼ぶようになり、医療と国民との関わり方を考える上でも大きな影響を与えたということは誰にも否定出来ないことだと思います。
早い話がマスコミなどが長年医療バッシング一色であったものが、このところはほんの少しでも自分たちの行動による社会的悪影響というものを考え始めているのでは?とも取れるような気配が見られ始めているというのは、まさしく自称弱者の味方として強者を叩いてきたつもりの彼らが、実は医療が強者などではなかったということに彼ら自身がようやく気付き始めたということなのでしょう。
そもそも強者たる医師の象徴として彼らの批判の的になってきた日医という組織が、事実彼らマスコミや本田先生の言うような「職業別組合の中でおそらくいちばん力が強い組織」というくらいの存在感ある団体であれば、毎年診療報酬は切り下げられとりわけ開業医は冷遇され、日医公認候補は選挙にもあっさり落選し、あげくに時の政権からも相手にされないなんてどんな無能な最強組織だよ!と突っ込まれるはずですよね。
論理によって相手を論破することが出来なくなった人間が、ただその攻撃手段を倫理や道徳などという極めて恣意的、主観的な論拠に頼り始めるのは末期的症状としてよく見かけるものですが、世間の批判に対して「うまく反論でき」なくなった大先生もとうとう他人の権威にすがり職業的責任に反するなどと主張することしか出来なくなったのかと考えると、この一文にもなかなか感慨深いものがありますでしょうか。

最近の大先生などは見ていてほとんど痛々しいという感情しか湧いてこないのですが、一方で今日の「医療が大変なことになっている!」という世論を形成する上でひたすら声が大きく、キャッチーなフレーズを並べ立てて押しまくる大先生のキャラが一定の存在感を発揮してきたことは誰しも否定出来ないと思います。
大先生の持論に賛成だろうが反対だろうが医療が危ないことになっているという認識は関係者の誰もが共有していたわけで、その中でとりあえずテレビ受けのする人間に現状を変えるため最もパワーを要する初期の推進力として大先生がマッチしていたとすれば、ある意味で皆から利用され踊った挙げ句に「俺の意見は皆から支持されているんだ!」と勘違いしてしまった大先生も被害者とも言えるかも知れませんね。
ただ世の中が医療の側から発信される言葉に耳を傾けるようになってきた中で、今必要とされるのは冷静かつ客観的な分析と現場の実情に基づく的確な情報発信であって、例えばですが「全国でも有数の医師不足地域である埼玉県の北端で医師不足に喘いでいる病院」の副院長が自分たちの病院でも幾らでも安く医者を雇えるようになりたいと言う身勝手な理由からの主張であっては困るわけです。
世に医療崩壊だ、直ちに何とかしなければと説く人間は幾らでもいますが、それぞれ何を目的としてそれを主張しているのかという部分まで理解した上で聞いておかないと、気がつけばあれれ?こんなはずではなかったのに…なんてことになってしまっているかも知れませんよね。

十年一日の大先生の主張はそれとして、興味深いなと思ったのがこれだけの有名人ですから記事に多数のコメントがつくのは理解できるとして、その論調がさすが大先生!いつものことながら素晴らしいご意見!なんて信者の絶讚コメントが並んでいる…どころか、むしろその逆らしいということでしょうか。
さすがにこの問題も議論が煮詰まってきた時期だということなのでしょう、それぞれの問題点がかなり整理されてきたことがコメントを見ているだけでも判りますけれども、要するに世の中に警鐘を鳴らし時代を先導しているつもりだったはずの大先生が、いつの間にか世の中から取り残されているとも言えますよね。
コメントに指摘されている様々な意見の中から一例を挙げるならば、これも多くの方々が指摘しているように日本の医療はただでさえ多忙な医師が医師にしか出来ない仕事に専念出来ていないというところに大きな問題があるということですよね。
レストランで言えばシェフならば料理も出来るし掃除も接客も全部出来る、だからスタッフは全員シェフだけで統一しようなんて主張する人間がいないのは当たり前で、それぞれの職種ごとの技能や適性、そして何より雇用に要するコストや雇いやすさといったことを総合的に勘案した上でスタッフ構成を決めなければ、とんでもない無駄と現場の士気低下が発生し店そのものの運営が立ちゆかなくなるのは当然です。

もちろん大学病院界隈にたむろする「私たちのお仕事は看護研究です。看護その他の仕事は先生にお任せしますね」な茄子の類がいくら増えても仕方がないのは当然ですが、きちんと院内の仕事を再整理しコメディカルの能力も十分に引き出し、専門職は専門職としての職務に専念できるようにしていった上で初めて高度な教育と技能を要求される専門職の大増員を主張するのが筋と言うものでしょう。
そのためには皆保険制度下で行われる医療であれば診療報酬の配分は果たして適正なのかという議論が必要ですし、場合によっては果たして皆保険制度が絶対的な正義なのかという再検証も必要になってくるかも知れないのに、そうした全ての段階をすっ飛ばしてただ医者が足りない、何があってもOECD平均だと何とかの一つ覚えを繰り返すばかりでは、さすがに医療を皆が真面目に考え始めたこの時期誰も相手にしません。
世に有害無益という言葉がありますけれども、日医にしても大先生にしてもその主張がまるで医療業界内の主流派か何かのように世間で受け取られるようなことがあるとしたら、これはあきらかに状況を悪くしていくばかりですからきちんと訂正していかなければならないと思いますね。

vsepr(2011/10/18 12:11)

地方の大学病院勤務です。もちろん深刻かつまったく歯止めのかからない医師不足に喘いでいます。しかしながら、少なくとも私の地域では、なんとか必要な医療が提供されているのではないかと思います。あるい医師不在地域の軽症を大学病院で受け、あるいは3時救急病院からの早期転院を徹底させ、開業医の先生方とも協力して、毎日が薄氷を踏む思いですが、どうにか適切な医療が提供できなかったという事態は回避しているように思います。私の地域ですら可能なのですから、「行われなかった医療」というのは、日本では極小なのではないでしょうか。平均年齢が世界最高という結果が、それを如実に表していると考えます。

ドクターキリコ(2011/10/18 08:15)

329床の済生会栗橋病院と300床の久喜総合病院は比較的近い場所に位置しています。本来であればこの両病院を経営統合して500床クラスの病院を作って人員を集中させ 残りの病床でリハビリテーションを、以後は訪問看護や介護施設で見て行くべきです。病院同士の経営統合と急性期から介護までの切れまないサービスを行うことによって問題は 解決します。山形県・酒田市病院機構など先行例はあります。医師を粗製乱造しても悪徳が増えるだけです。政治的困難があるからといって安易な医師増員に走るべきではありま せん。

田舎暮らしの小児科医(2011/10/16 18:01)

本田先生は医師不足のために『行われなかった医療』を問題にしていますが、日本の医療で行われている『行わなくても良い医療』にも目を向けるべきではないでしょうか。前者よりも後者の方が圧倒的に多いように思います。医師の診断能力や資質に依存すると思われる問題点です。厚生労働省はその点も問題視しているように思います。やはり医師の質が担保されない形での医師増員は危険であると考えます。既に法曹界で同じような問題が起こっているのではないですか?

Kaoru(2011/10/15 07:15)

一定以上の技術をもつもの意外にも医療を認めるのであれば、一流と二流で受診料に差をつけるべきです。医師になるのが自由になり、貧乏人相手の医者が増えるのであれば、当然その逆の金持ち相手の医者も増えます。自由診療、混合診療も増えて、一部の人は一流の医療を受けられなくなり、結局同じではないでしょうか?この人の意見は、極論すれば嘘つき偽医者でもOKなの?問題は、受験科目が出来る人ではなく、医師の素質(学力、気持ち)のある人に、いかに医師になる機会を与えられるかでは。医学部の入学定員を増やし、逆に途中でどんどん退学者を増やして篩いにかけ、残った人に国家試験の受験資格を与えてほしい。同時に、医学部を退学した後に、他の職業につくという選択肢が選べるような社会にしてほしい。今の制度のままだと、一度医学部に入学してしまうと、医師になるか、無職になるかの選択になってしまいます。再チャレンジしやすければ、医師以外の選択肢にうつりやすいです。

TETSUYA(2011/10/14 12:50)

医師不足の現場にいない人のとんちんかんなコメントは無視しましょう。 今回の話はとてもよくわかりました。例えればこうですね。 戦争中、最前線のとある野戦病院には医師がひとりしかいなかった。彼はハイレベルな医療技術で患者を治療したが、一部の患者しか診られず、多くの患者は助からなかった。彼自身も疲労困憊していた。そこで、軽症の負傷兵達に基本的な医療を教えて診療させたところ、病院全体の医療の質としては下がったが、多くの患者が助かるようになった。彼も少し休めるようになった。 という感じですね。 実際の救急現場では、軽症の患者なら慣れた救急室の看護師さんでも十分に診療が可能とは思いますが、法律上できません。なかなか来ない疲れて多忙な当直医を待ちながら、軽症患者さんの前で歯がゆく思っているかもしれません。それで、今回の話からは医師の増員よりもNPとかPAという準医師的な職業を新設・増員した方が現実的で良いと思いました。本田先生はそう思いませんか。 それから、大組織のトップの人というのは、他の中小組織のことなど屁とも思っていません。国全体・社会全体を考えないせこい人物ばかりで、とても残念です。

元神経内科(2011/10/14 11:18)

先日ある神経系の慢性疾患で当クリニックのかかりつけの方がクリニックで手に余る病状になったため、近くの大病院(大学病院分院)を紹介受診したところ朝の8時に行って診察が終わったのは16時。相変わらずの大病院志向で軽症者も含めて多くの市民がその大病院へ殺到して半日以上待つというのが現状です。別の方に聞くと慢性疾患があるにもかかわらず、病院がそういう状況なので2~3回で通院を諦めてその後クリニックにも通院せずそのまま病気を放置していたとの事でした。これが「行われない医療」の一つのよくありがちなエピソードなのかと感じました。医療側だけでなく患者側の医療に対する意識教育も変えていかないと慢性疾患に対して日常的に正しく「行われない医療」は増えるばかりです。

アメリカ医(2011/10/14 11:01)

人口当たりの医師が不足しているのは事実かもしれません。しかし医師以上にはるかに不足しているのは看護師や医療事務など医師以外の医療従事者ではないですか。 アメリカでは400床規模の病院で1万人以上の医者以外の医療従事者が働いているのをご存知ですか。病院とは、それほどに忙しいところなのです。 結局、医療従事者の人手が圧倒的に少ない日本では、医者が雑用に追われて忙しくなっている部分が大きいのではないでしょうか。 医者の数だけに注目すれば、医師を毎年100人、200人増やすのが正解にみえるかもしれません。しかし、医者以外の医療従事者を100万人規模で増やす必要があるのを無視しては改悪になりかねません。 僕は、医療従事者の増員が最優先事項だと思います。

自称医師(2011/10/14 10:59)

赤チン先生や有能な主婦を増産するなら先生のやり方でいいと思います。被災地の自称医師と同じです。優秀でなくても、「行われなかった医療」を少しでも減らすために彼のような人材が求められているのですね。わかります。 現在のやり方を批判するのは簡単だけれども、医師を増員することによって生じる弊害についても、フェアに論ずるべきだと思う。増産して次にどうするか、コンビニのように医院が乱立するのが望ましいのか、医師数に見合うだけの患者数が求められ、サービス競争が激化してホテル並みの接客応対が求められるような病院が要求されるのが良いことなのか、「先進国最低の医療費」に更にパイを分割していけば先生の危惧されている医療崩壊も簡単に達成できるとおもいますよ。 増やすのは簡単だけど、減らすのは至難の業です。放射性物質と同じです。大学で学生増やすのは簡単、医者にしてから半減期は・・・、結構長い

昔麻酔科(2011/10/14 10:01)

どこの領域でも、既得権益の問題は進化を阻害しますよね。医師による医師数制限も、既得権益を守るためのものであるのは事実です。 既得権益の網の目をこわすためには、主張している自らが、既得権益を捨てる姿勢を見せないと、周囲の理解は得られないでしょうね。さてそれができるかどうか。 結局、皆それはできないので、強制力(戦争とか天災とか)が天から降ってくる形でリセットされるのでしょう。 ここでのフリードマンの主張はあくまで思考実験と考えるべきでしょう(できっこないことはわかっている)。規制と既得権益の網の目をとっぱらってシンプルにした世界を考えてみる。当然様々な問題がでてくるが、それと現状とどっちがいいか。 自由競争とマーケットメカニズムは合理的な仕組みですが、それと医療の目指すところはかなり乖離するところがありますよね。医療はあくまでも個々の患者についてベストを目指す(机上の理想論をふりまわしてかまわないどころかそれを求められる)。マーケットは、全体が効率化するように動く。全体の効率化のなかで倒れる個人もでてくるが、それはあまり気にしない。 個人の生活も大切ですし、、、、、医師数増加に関しては、歯科医や弁護士の現状についての明確に述べないと、多くの医師の理解はえられないのではないでしょうか。まず自分の既得権益を捨てられるかどうか

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2011年10月18日 (火)

TPP 医療の世界も無関係とはいかない気配です

主に経済界や農業などの方面から様々な意見の噴出しているTPPネタですが、先日は珍しく医療畑からこんな記事が出ていました。

TPP参加 医療団体から懸念(2011年10月12日NHK)

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の参加に慎重な民主党などの国会議員が開いた勉強会で、日本医師会など医療関係の団体から、「TPPに参加すれば、所得によって受けられる医療に格差が生じる社会となる」などと懸念が示されました。

勉強会には、鳩山元総理大臣や国民新党の亀井代表のほか、TPPへの参加に慎重な民主党や自民党などのおよそ50人の国会議員が出席しました。この中で、会長を務める民主党の山田前農林水産大臣は「きのう党のプロジェクトチームの役員会もあり、いよいよ早期に結論を出すという形で動き始めた。しかし、慎重にやっていかないと大変なことになる。単なる農業の問題ではない」と述べました。

このあと、勉強会では、日本医師会や日本薬剤師会など、医療関係の4つの団体からTPPに参加した場合の影響などについて、意見を聞きました。この中では、「規制緩和や市場開放が進むと、所得によって受けられる医療に格差が生じる社会となる」などと懸念が示されたほか、「薬の自由化が進むと、安全性をどのように担保するのかが問題となる」といった指摘も出されました。

勉強会のあと、山田前農林水産大臣は、記者団に対し「政府からの情報提供が不十分ななかで、判断できるわけがない。交渉参加に慎重な対応を求める署名は、民主党だけでおよそ190人分集まっているので、そうした主張をしっかり政府に伝えていきたい」と述べました。

ま、この件に関しては山田前農水相の言う通りで、とりあえず賛成派、反対派双方ともあまりに情報発信が少なすぎてどうにも判断しようがないと考えている国民が多いのではないでしょうか?
例によって日医が医療関係者の代表のような顔をして出ているのもどうなのかですが、とりあえず日医の方からTPPに関するコメントが公式に出ているのでご参照いただければと思います。

医療における規制改革とTPPについての見解(2011年2月20日日本医師会)

 中川俊男副会長は,「このところの急速な,医療に関する市場原理主義の導入,医療の新自由主義的再編の波について,大変危惧している」と述べ,日医の見解を説明した.
 同副会長は,まず,日本の公的医療保険が,外国からの市場原理の導入,外国資本の参入を求められてきた歴史的な経緯を示し,さらに,二〇一〇年六月,政府が「新成長戦略」を閣議決定し,医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付け,医療の国際化推進を決定したことにより,営利を追求する意見や動きが目立ってきたと指摘した.
 また,同副会長は,「現在,行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会や総合特区制度において,医療の市場開放に向けての議論が急展開しており,さらに,TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋連携協定)は,内閣官房が,“国を開き,日本を活性化するための起爆剤”と位置付けている」と述べ,二〇一〇年十一月に閣議決定された「包括的経済連携に関する基本方針」により,外国人医師の受け入れの拡大や病院が外資系になる可能性等を懸念するとした.
 そして,外国人医師の受け入れ拡大の問題点として,公的医療保険の診療報酬では高額な給与を支払えないため,病院は高額の自由診療を目指すことや,クロスライセンス(お互いの国の医師免許を認めること)により,教育水準の違いから,日本の医療水準が低下する危険もあると指摘.日本の医療は,高い医療水準が確保されている日本の医師免許のもとで行うべきであり,医師不足は,日本の医師数増加によってきちんと解決すべきであると主張した.
 また,外国資本を含む企業などが日本の医療に参入することの問題点については,「外資系を含む営利企業の病院などは,いずれ公的医療保険ではなく,高額の自由診療を行うようになる.高額の自由診療を行う病院が増え,病院は自由診療で良いということになると,国は公的医療保険の診療報酬を引き上げず,公的医療保険で診療していた地方の病院などが立ち行かなくなる」と述べ,国民皆保険制度の崩壊を危惧した.
 最後に,中川副会長は,「医療が自由価格で提供されるようになれば,本当にお金がなければ医療が受けられない時代が来てしまう.外国資本の営利企業は,日本に自由価格の医療市場を迫っており,『混合診療の全面解禁』『医療ツーリズム』『株式会社参入』『外国人医師』は,その象徴である.日医は全力を挙げて,国民皆保険制度を守る」と明言した.

ちなみにこの日医のTPPに対するスタンスとして、厚生連病院を運営する厚生連の武藤喜久雄氏が解説的な記事を載せているこちらも併せてご参照いただければと思います。

【参考】どうなるの? 私たちのくらし 【TPP―医療(1)】(2011年月7日農業協同組合新聞)

昨今何でも反対の日医がTPP賛成!なんて言い出す方がよほど気持ちが悪いというもので、こうして反対を表明してくること自体は何ら不思議でもないのですが、その理由というのが毎度おなじみの自由診療反対、皆保険制度固守はともかくとして、「教育水準の違いから,日本の医療水準が低下する危険もある」なんて公の場で口にしてしまっていいものかどうか疑問にも思われるような内容ではありますよね。
日医として教育水準を云々するのであれば、一例としていわゆる底辺私大の廃止運動なども積極的に展開していなければ単なる外国人差別と取られかねませんが、「いやそんなことはない、卒後教育で十分カバーできる」というのであれば国民水準から抜きん出たエリートであるだろう外国人医師の方がよほど高いレベルに到達する素養がある道理です。
どうも昨今の日医は口を開く前に自分たちが何を発言しようとしているかをもう一度添削し直した方がいいんじゃないかと思うのですが、こういう団体の偏った意見ばかりを採り上げて「医療業界ではこんなことを言っている」なんて言われるのもどうなのかなと思わざるを得ません。

ただ国にしても日医あたりの言う懸念は無視出来ないものを感じているのでしょう、このたび用意された想定問答集では「営利企業の医療参入は議論の対象外」だとか「どの資格を相互承認するかは日本が主体的に判断」などと反論をしていますが、問題は日本政府がそう主張したところで相手国がそれを受け入れるかどうかは全くの別問題だということです。
ちなみにTPP絡みでよく問題視されるのがISD(Investor –State Dispute=投資家対国家間の紛争)条項と呼ばれるものですが、これは「外資が公正な競争を阻害されたか否か」だけを判断基準にして企業が国を訴えることが出来、そして世界銀行傘下の委員会で判断が下れば一切文句もつけられず拒否も出来ないという興味深いものです。
少し考えて見てもこれは様々な独自慣行などでがんじがらめになった国内諸産業に大きな影響を与えそうだなとは理解できるものですが、特に医療と言うことになればまさしく日医が金科玉条のごとく掲げている「国際相場からして不当な廉売を強要し他からの参入を阻害している」日本の国民皆保険制度というものを直撃しないではいられませんよね。
公的な医療保険の強制が果たして最善解なのかどうかは多くの異論があると思いますが、少なくとも現状の日本における医療業界の対応としては皆保険を前提にしたシステムで成り立っているだけに、公的であれ民間であれ皆保険という前提自体が崩れてしまった場合、無保険者が一定数以上押し寄せ巨額の支払い不能事例などで潰れる医療機関が続出するリスクは相当にあるものと思います。

しかし考えて見ればどこの業界でもこの種のリスクはあるもので、未払い対策の保険なりが無理なら例えば無保険者はカード払い限定にするといった簡単な対策だけでもリスク分散になるわけですから、このあたりは業界内部での対応次第でなんとでもなりそうだとも言えるでしょう。
となると結局は金銭によって医療内容に差がつけられるということが一番の問題ということになるのでしょうが、考えて見ると世界中多くの国でお金を余分に出せばよりよい医療が受けられるなどというのはイギリスなど皆保険制度の国でも当たり前のことであって、まさにそれこそが日本の医療の閉鎖性を補償する最大の非関税障壁だとも言えるわけですよね。
「生活保護受給者が一番いい医療を受けられる」などと揶揄される日本の医療を多少なりとも世界標準に近づける好機、とまで言えば言い過ぎになるのでしょうが、どこかの日医のようにとにかく現状から少しでも変えるものは何でも反対という姿勢では問題だらけの日本の医療を改善することも出来ないとなりかねないだけに、自ら変わる契機の一つとしてTPP問題をとらえていくという考え方はありかも知れません。
何にしろ、この問題はもう少し関心を持たれてもいいように思います。

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2011年10月17日 (月)

牛丼屋も大変なんだそうです

管理人は牛丼屋というものはもう久しく行っていないのですが、近頃ではどこも熾烈な値下げによる過当競争で大変なんだそうですね。
さて、以前からネットなどで言われていることをまとめた形なのがこちらの記事ですが、確かに時折新聞ネタになるような事件がことごとく…というのは意味があることなんでしょうね。

牛丼店強盗、9割が「すき家」=レジ1台に現金集約など―警察庁が防犯体制強化要請(2011年10月13日時事通信)

 今年1~9月に発生した牛丼チェーン店への強盗事件(未遂含む)は71件で、うち9割に当たる63件は「すき家」に集中していたことが13日、警察庁のまとめで分かった。同庁は「治安悪化の要因になり得る」と指摘。すき家を運営する外食大手「ゼンショー」に防犯体制の強化を要請した。
 警察庁によると、すき家を狙った強盗事件は2009年ごろから増加。同庁は、被害が集中する要因として▽深夜にアルバイト店員が1人で勤務レジが出入り口付近に1台しかなく、現金が集約される人通りの少ない郊外に店舗が多い―といった点を挙げている。
 被害は19都道府県に広がり、同一店舗が2回被害を受けたケースも、埼玉や愛知、京都で計4店に上った。
 警察庁は昨年11月、ゼンショーに夜間の勤務体制強化などを要請。しかし、今年6月に調査したところ、被害店舗を含め、ほとんど改善が見られなかったという。
 すき家をめぐっては、インターネットで防犯対策の甘さを指摘する書き込みがあるほか、警察が摘発した容疑者が「1人勤務で狙いやすい」と供述したケースもある。今年3月には京都市の店舗に強盗が入り、アルバイト店員が切り付けられる事件もあった。 

ネット上ではかねて「すき家は狙い目」なんてことが言われていて、なんでも実際に「ネット上の書き込みを見て自分でもできると思った」だとか「毎度おなじみのすき家強盗です。カネを出せ」などと狙い撃ちされている気配があるのは事実らしく、「すき家」でググると関連ワードとして「すき家強盗」と出てくるくらいにその筋では有名なんだそうですね。
今年に入ってすでに愛知県警から10回以上防犯体制の改善を繰り返しているのにすき家は全く対応を取っていないと言いますし、確かにコストの上では防犯対策の方が強盗被害より金がかかるのかも知れませんが、強盗に押し入られる店員の安全性を考えるとずいぶんと無責任ではないかという声が多いのは当然でしょう。
実際にはレジには最小限の現金しか置かれておらず、現場でも強盗が来たら抵抗せずに素直にレジのお金を渡すということが徹底されているとも言いますから、本音の部分はコスト至上主義であるにしても、さすがに警察からこうまで言われている中で軽くスルーしていたのでは企業の社会責任としてどうなのかと言うことなんですが、そんな中で話題になっているのが読売から出たこちらの記事です。

警察庁が指導、「すき家」ゼンショーの経営姿勢(2011年10月13日読売新聞)

 警察庁は12日、「すき家」の運営会社「ゼンショー」に、防犯体制に不備が目立つとして指導を行った。

 指導を受けた、ゼンショーは東証1部上場。今年3月期連結決算の売上高は3707億円で、日本マクドナルドホールディングスやすかいらーくを抜き、国内の外食チェーンの売上高トップとなった。

 今回の指導について、ゼンショーの広報担当者は「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか考えたい」と発言。防犯カメラの設置などの対策を進めていると説明した上で、「複数の夜勤がいた店が被害に遭った事件もあり、従業員を増やしたところで強盗は防げない」と同庁の指摘に疑問を投げかけた。また、出入り口付近にレジを設置していることについては、「客が出入りしやすい場所なので配置している。変える必要があるか検討したい」と話した。

 警察庁生活安全局の幹部は、こうしたゼンショーの姿勢について、「大手企業として防犯に対する意識が足りない。街の治安悪化にもつながりかねないので、徹底的に指導したい」と話している。

あらら、とうとう言っちゃったよこの人たちは…というようなコメントが全国紙に載ってしまったというのは企業イメージの上ではひどくマイナスなのは明かですし、実際にネット上でも「さすがゼンショーw」とかなり炎上気味という状況になっているようです。
ただ興味深いのはこの件に関して、当のゼンショーの方からは「そんなことは言っていない。読売の事実無根のでっち上げである」というコメントが出ているようなんですね。

“経営を度外視してまで”発言は「事実無根」 ゼンショー、Twitterで一部報道を否定(2011年10月14日B!ニュース)

牛丼チェーン店「すき家」を運営するゼンショーは10月13日(木)、一部メディアに掲載された「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか」という同社の発言について、Twitterの公式アカウントで「このようなコメントはいっさい出しておりません」と否定しました。

Twitter / ゼンショー広報室長: ゼンショーからこのようなコメントはいっさい出しており ...

読売新聞の記事中の当社発言内容について (PDF)

警察庁が指導、「すき家」ゼンショーの経営姿勢 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

警察庁は10月12日、全国の「すき家」店舗で強盗事件が多発していることから、ゼンショーに防犯体制の強化を指導しました。この指導について、ゼンショーの広報担当者が「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか考えたい」と発言したとする記事が、読売新聞の10月13日夕刊や14日朝刊などに掲載されました。記事中の発言に、2ちゃんねるやはてなブックマークでは「あきれる」「酷い」などのコメントが相次ぎ、"炎上騒ぎ”となりました。

痛いニュース(ノ∀`) : すき家ゼンショー 「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか」 - ライブドアブログ

しかし、ゼンショーの公式Twitterアカウント「ゼンショー広報室長(@zensho_pr )」は、10月13日夜のツイートでこの発言を“事実無根”と否定しました。ほかにも、「新聞に書いてあることがすべて真実であるとは限らないということを、身をもって体験しました」「(読売新聞に)厳重に抗議します」「他紙をご覧いただければ、1紙だけが違う内容であることにお気づきになると思います」などのツイートを投稿しています。併せて、公式サイトでも報道内容を否定する書面を公開しています。

ゼンショーのツイートに、はてなブックマークのコメント欄には、「どういうこっちゃ」「真相はどうなのだろう??」「ではなぜああいう報道になったのだろう。どちらかが嘘をついたということだからかなり問題だが」などの声が寄せられています。

同社は警察の指導を受けて、10月13日に防犯対策の拡充とその内容を発表しています。

「すき家」の防犯対策の拡充について (PDF)

この一件に関してどちらが本当のことを言っているのかは現時点では判りませんが、とりあえず今まで繰り返し指導されてきたにも関わらず満足のいく防犯体制を取っていなかったゼンショーが、今回の一連の報道を受けてようやく重い腰を上げたという形でしょうか。
リンク先にあるように「本年12月 末までに全店舗の60%、2012年3月 末までには全店舗を目標に、深夜の時間帯の複数勤務体制を確立することといたします。」ということですから、言い方を変えればやる気になればすぐにできる対策を今まで行っていなかったということになりますよね。
ちなみにすき家と言えば以前に残業代不払いで同社と訴訟沙汰になった店員を、「まかない飯を余分に食べたのは窃盗だ」と逆告訴したことでも知られていますが、この際に非常に興味深い主張をしてきたことが知られています。

牛丼「すき家」のアルバイトは業務委託であり、残業代は発生しない(首都圏青年ユニオン)より抜粋

(略)
① アルバイトは勤務シフト表を自分たちで作成し、会社の業務指示で業務をしていない。だからこれは請負契約に類似する業務委託契約であって、雇用契約ではない

② アルバイトの勤務日や時間帯は、アルバイトの自由裁量で会社の指示がない。すべてアルバイトの裁量である。

③ 請負契約に類似する業務委託契約であり、残業代が発生するという前提を欠いている

また、仮にアルバイトと雇用契約を結んでいるとしても、スイングマネージャーと呼ばれる上級アルバイトは管理監督者であるため、残業代の請求はおかしいという主張をしています。
しかしながら、すき家ではホームページ上でアルバイト・パート募集情報(http://j-sen.jp/t/sukiya/)を掲載しており、このページのどこにも「業務委託」などという言葉は出ておりません
(略)

要するにすき家にとってはアルバイト店員は雇用契約を結んでいる対象ではないと言うことなんですが、勝手に事故裁量で働いている連中には残業代も払う必要がないというくらいですから、当然ながら勝手に居残って働いていた店員が強盗被害にあっても会社から何かしらの補償が出るなど考えられないということですよね。
全国のすき家で働いている方々はこうした会社側の方針をよくよく承知した上で、万一の際に我が身を守るのは自分しかいないということをよく理解して日々の業務にあたらなければならないということでしょうし、顧客にしてもすき家では会社と従業員の関係はそうなっているのだと理解しておかないと無用の危険を被りかねないということでしょうか。
こういう話になっているのであれば、強盗に入る方々もせめて従業員に無用な危害を加えないような配慮をお願いしたいところですが、話を聞く限りではネットで情報を集めて狙いを定めている人が大部分なのでしょうから、こうした事情であるということもあわせて承知しておいてもらいたいものだと思います。
しかし牛丼業界と言えば安売り競争が激しいらしいとニュースに聞くくらいで内情は全く知らなかったのですが、こうまで労働者の忠誠心を期待しないどころか敢えて最初から無いものとしてかかっているような経営モデルが永続的に成立するものなのか、人ごとながら興味を引かれてきました(苦笑)。

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2011年10月16日 (日)

今日のぐり:「まりーな亭」

国際社会における存在感を強めている中国ですがその反映と言うことなのでしょうか、こういうジョークが登場したそうです。

【ジョーク】もしドイツ人、日本人、中国人が無人島漂着したら(2011年10月4日NEWSポストセブン)

『ジョークで読む国際政治』の著者でジャーナリストの名越健郎氏はジョークに対して非常に造詣が深い。そんな名越氏から空母の試験航海を開始した中国にまつわるジョークを教えてもらった。

* * *
■キャメロン首相はロンドンの暴動でツイッターやフェイスブックなどネットツールが悪用されたとして、サービスの中止を検討。中国のネットユーザーが「それでも民主国家か」と批判を浴びせた。キャメロン首相が言った。

「中国なら、戦車が暴動を鎮圧しているはずだが」

※若者の失業者やニートが人種を問わず決起した英国の暴動は戦後最悪となり、来年のロンドン五輪安全開催に黄信号が点滅した。首都ロンドンはグローバル経済の進行で、金融の中心として華やかに発展したが、英国は金融・サービスに特化し、物づくりを軽視したため、雇用機会が失われ、若者の失業率は20%を超える。保守党主導の連立政権が昨年、財政赤字削減策として緊縮政策に踏み切ったため、弱者の生活苦が高まり、暴動につながった模様だ。貧富の格差拡大や若者の就職難、ニート化現象は、日本を含めほぼすべての先進国に共通する現象。グローバル経済の負の側面が今後拡大しそうだ。

■国際観光船が故障し、見知らぬ無人島に漂着した。

ドイツ人は故障の修理を始めた。

フランス人は島に女性がいないか探し始めた。

日本人は漂着後にどうすべきか本社に問い合わせた。

中国人は島の領有権を主張し始め、本国に空母の出動を要請した。

※中国初の空母が試験航海を開始。新たに国産空母も建造中で、南シナ海や尖閣の領有権問題に一石を投じそうだ。

ジョークへの登場が増えるということはそれだけ存在感が増してきたということの裏返しだと思いますけれども、なにやら昔とは少しばかりイメージが変わってきているところもあるのでしょうか。
今や西にブリあり、東に中国ありとも噂される中国初のニュースの数々を今日はまとめて紹介したいと思いますけれども、玉石混淆というのか何とも言い難いような話題が入り交じっているのもお国柄を示すものなんですかね?

中国製マトリョーシカを開け続けていたら最後の最後にウンコみたいなモノが出てきた(2011年9月5日ロケットニュース24)

ロシアの民芸品と言えばマトリョーシカ。パカっと開けると一回り小さいサイズの同じ人形が入っている。それがどんどん続く入れ子状の人形だ。日本でもキャラクターグッズになったりとなかなか可愛らしい奴である。

中国の東北部はロシアとの国境付近とあって、たくさんのロシアグッズを買うことができる。小さくなるにつれ激しくクオリティダウンしていく中国製のマトリョーシカを見ては楽しんでいたのだが、最後のひとつを開けるとありえないものが出てきた。

このマトリョーシカは中国黒竜江省 ハルビン市のロシア工芸品の専門店で購入されたものだ。一番表のものは結構手が込んでいる。1つ開けるとマトリョーシカ、また開けるとマトリョーシカ。何の役に立つか不明だが楽しい。

だが3つめを開けたところでラメなどの装飾がなくなり一気に質素な雰囲気に。そして小さくなるにつれ、パッチリおめめのお嬢さんの顔はいつの間にやら呪術系ドールのようになってしまっていた。

それだけでもかなり楽しめるのだが、中国製マトリョーシカの真の実力はそんなものではなかった。最後のひとつを開けてみると、人形の体裁をなさない赤い物体が転がり出てきたのである。

他のマトリョーシカは頭と体の二段造り。どんなに小さくても一応顔が描かれている。だが最後に出てきたものは、顔のない赤一色の物体。そしてどう見ても三段造り。むにっと押しつぶされたような下二段をよそに、てっぺんでは堂々とツンしたツノが立っている。どう見てもウンコだ。

職人が途中で力尽きたのだろうか。いや、それでは三段であることの説明がつかない。まさかの遊び心? だとしたらめちゃめちゃレベルが高い! 真相を確かめることはできないが、ロシア文化とチャイナクオリティの結晶であることは確かである。

なぜに中国でマトリョーシカなのかという点は置くとしても、元記事の写真を見るだけでも途中からひどく劣化しているのみならず、最終的には確かにこれは…としか言いようがないものになってしまっていますよね。
こんなものばかりではまるで粗悪品を売りつけているかのようにも見えますが、中国4000年の歴史に基づく?アイデアは時としてこんな素晴らしいひらめきを示すこともあるのですから侮れません。

中国に現れたハイテク自転車が凄い! 走ると地面に水滴でメッセージを残せます(2011年10月1日Pouch)

中国で生活の必需品といえば、やはり自転車! 最近はユニークな自転車がお目見えしました。

その形状は荷台の付いた三輪車タイプで、中国や東南アジアで見かける屋台のようにも見えます。だけど何か物を売っているようにも見えません。この自転車はいったい何をするものなのでしょう?

自転車が動く様子が紹介した動画『Water Calligraphy Device』を見ると、意外にもハイテクであることがわかります。ハンドル部分にはノートパソコンが取り付けられています。そして、荷台には水の入ったポリタンクがふたつ、そこからチューブのようなものが伸びて、いくつかの管に分配されているのです。ますます、意味がわからない!

自転車が走り出すと、カチカチという音と共に、いくつもの管から水の滴が地面に落ちます。いったい何かと思ったら、なんとなんと、水滴が文字を作っていたのです! 地面には「全国文明城区(‘常識ある都市’ などの意味)」という標語が出現。こんなの欲しかった!

その仕組みもスゴイです。ハンドル部分に取り付けられたノートパソコンから好きな漢字を入力し、その文字情報が電子的にバルブに送信され、水の分配を制御しているのだそうです。決まった文言ではなく、自由にメッセージを変更できるとは恐れ入りました。

実はこの自転車、26日から開催されている『北京国際デザインウィーク2011』のために、カナダ人アーティストのニコラス・ハンナ氏が制作したもの。水で地面に文字を書く中国の路上書道にヒントを得た作品なのだそうです。自転車には『Water Calligraphy Device(水の書道機械)』という名前が付けられています。

北京国際デザインウィークは9月26日から10月3日まで、北京の中華世紀壇というところで行われています。このスーパー自転車のほかにも様々なアートの展示やインスタレーションが行われているので、旅行やお仕事で北京に行く方がいれば、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。この書道自転車にもお目にかかれるかもしれませんよ!

元記事の動画を見ると通行人のおじさんが唖然として見送っているシーンが気になって仕方がないのですが、しかし確かになかなか画期的なアイデアとはいえもう少しデザインも格好良くまとめられればなおさらクールだったことでしょうね。
中国と言えば人間も多いだけにいろいろな一がいることは理解できるのですが、こちらはさすがにちょっとどうなのよ?と思ってしまいそうな話でしょうかね。

4歳女児が公道で車を運転(2011年9月5日ゆかしメディア)

 中国の公道の上を4歳の女の子が車を運転する動画がインターネット上にアップされており、ユーザーたちを騒然とさせている。

 左ハンドルの車を運転するのは4歳の女の子。しかも、追い越しをしたり、ハンドルを右に切って停車もしたり。両親は2人とも後部座席に座って、カメラで娘が運転する姿を収めたりしている模様だ。

 約2分という短い時間の動画だが、最後には父親が後部座席から交代のため出てきた。アクセルとブレーキには、子供用に身長を合わせるためなのか、何やら特別な器具を付けているようで、今回が初めてではないことをうかがわせる。

元記事の動画を見ればどう見ても家族が撮影しているようですからお得意の人肉捜索でたちまち特定されてしまいそうですが、今回が初めてではないってまさか夜ごと豆腐でも配達していると言うのでしょうか。
中国ではこういう子供ですら運転をさせているくらいですからその交通マナーもどうなのかですが、一方でこれに対抗するかのようにこんなびっくりネタも報じられています。

自殺未遂、飛び降りたら車にひかれて負傷…運転手相手に訴訟=北京(2011年10月4日サーチナ)

  北京市の昌平法院(裁判所)はこのほど、「交通事故で負傷し、両足を切断する障害が残った」として、クレーン車の運転手らを相手に損害賠償を求めていた女性(30歳)の訴えを、全面的に退けた。女性は自殺目的で陸橋から飛び降りた際に、走ってきたクレーン車にひかれた。中国新聞社が報じた。

  女性は仕事上の悩みなどから自殺しようと思い、2010年6月22日に昌平区内の陸橋から下の道路に飛び降りた。女性が飛び降りた直後にクレーン車が走ってきて、女性の足をひいた。女性は、命は助かったが両足を切断することになった。

  女性は鉄道が通る陸橋から、下の道路に飛び降りようとした。陸橋の上では、警察官1人が人が近づいて、思いとどまるように説得したが、女性は聞き入れず飛び降りた。

  下の道路では、別の警察官ひとりが車両の通行を止めようとしていたが、一部車両はそのまま通過した。女性は「クレーン車が強引に走行を続けたので、両足を切断することになった」と主張して、車主や運転手を相手に、15万元(約180万日本円)の損害賠償を求めた。

  クレーン車の運転手は、「警察官が通行を規制しはじめたことは分っていたが、前の車に続いて走行を続けただけ。上から女性が落ちてきたので急ブレーキをかけた」、「彼女が自殺の行動をした。なぜ私が賠償せねばならないのか」などと反論した。

  昌平法院は、「女性は、(下の道路で)自動車にひかれる可能性があると知りながら、自分の意思で飛び降りた」、「道路では、赤信号が青信号に変わったので、自動車の列が動き出した。警察官が正式に通行禁止の措置に入る前だった」との判断を示し、クレーン車運転手に過失はなかったとして、女性の訴えを全面的に退けた。(編集担当:如月隼人)

ええと…どこから突っ込んでいいのやら判らないような話なんですが、彼の地ではもはやなんであれ生活の全てが謝罪と賠償の対象になってしまうということなんですかね?
こういうとんでもない巻き込まれ災害は勘弁してほしいというのが正直なところでしょうが、こちらになるともはや人間ですらない?という驚くべきニュースです。

“火星人”が物乞い…「故郷に帰るために5元ください」=中国(2011年7月4日サーチナ)

  中国で浙江省舟山市の定海文化広場に出現する“火星人”が評判になった。銀色の“宇宙服”に身を包み、巨大な頭部に大きな目。広場の一角にしゃがみこみ、足元には白いチョークで「火星に帰るために5元ください」と書いている。中国新聞社が報じた。

■「宇宙人」に関する写真

  “火星人出現”の情報は、インターネットなどで次々に転載された。当初、撮影地点などは紹介されていなかったが、ユーザーの指摘で舟山市の定海文化広場と分かった。

  当の“火星人”もミニブログで他のユーザーと「交流」。詳しい個人情報は公開していないが、「実は廈門(アモイ)の出身」と打ち明けた。

  約半年前に舟山市に来て仕事を始めたが、見知らぬ土地で親戚も友人もおらず、気が滅入ってしまったという。6月上旬になり、「火星人になってみよう」と考え、衣装を着用して定海文化広場に出かけた。注目度は抜群で、実に気持ちがよかった。写真を撮ってくれ、笑顔で話しかけてくれる人もいた。「やみつきになった」という。

  “火星人”になるため、衣装代などに約400元を使った。いただいた「火星までの帰郷費」は計300元あまり。初期費用を回収できたわけではないが、「引退」することにした。父親にけしかけられた小さな子供に、“宇宙服”を切り裂かれたからだ。「おもしろがってもらっていると思っていたが、もうやめた。少なくとも舟山ではね」という。

  集めた300元の一部分は使ってしまったが、残りは小動物保護協会に寄付でもしようと思っている。今は仕事が忙しいが、時間があったらエサを買って贈りたいという。

  その後、広州(広東省)、南寧(広西チワン族自治区)、湖南省、湖北省でも、同様の“宇宙人”が大量に出現して、インターネットでも紹介されはじめた。“元祖・宇宙人”の男性は「インターネットとはそもそも、情報を共有するものだからね」と言い、「パクリの出現」は気にしていない。「でも、ボクみたいにやせぎすで、本当に宇宙人みたいな体型の人はいないな」と、ちょっと自慢げに語った。

  写真は中国のインターネットで紹介された物乞いする“火星人”。(編集担当:如月隼人)

もはやここまで来ると単なる趣味を超えて路上パフォーマンスの一種と考えてもいいのでしょうが、しかし子供をけしかけて宇宙人と戦わせる親ってどうなんですか…
これくらいのことなら笑って済ませられるというものですが、それだけでは済まないところが中国の恐ろしさということなのでしょうか、こちらいささか洒落にならないニュースです。

女性どろぼうをさらし者にする人権無視=服を切り裂き半裸姿で歩かせる―浙江省台州市(2011年10月11日レコードチャイナ)

2011年10月11日、台湾・NOWnewsは、中国浙江省台州市で人権無視の「市中引き回し」が行われた可能性があると報じた。

先日、ネット掲示板で台州市の非人道的事件が報じられた。女性のどろぼうが捕まった後、警察に通報される前に暴力をふるわれた。しかもカミソリで服もブラジャーも切り裂かれた後、上半身は布1枚巻いただけの半裸姿でさらし者にされたという。

背中には直接マジックで「私は泥棒です」と大きく書かれていた。メディアの取材に答えた台州市警察は「初期的な調査を実施したが、噂されているような事実は確認されていない」とコメントしている。

ネット掲示板の書き込みは話題となり、中国本土メディアも取り上げる騒ぎとなっている。かつての中国では犯罪者を街頭でさらし者とすることが一般的だったが、現在では人権侵害との批判も高まり政府も禁止している。(翻訳・編集/KT)

犯罪に対する刑罰には国ごとにいろいろと考え方もあるのでしょうが、元記事を参照いただければわかる通り多数の写真まで出ているにも関わらず「噂されているような事実は確認されていない」で終わってしまうというのも正直すごいなと思いますね。
中国と言えば爆発だの炎上だのという話題は今更驚きませんが、他方ではこういうネタも豊富だというところがお国柄ですよね。

中国で下水の廃油1万トンを食品転用騒動 報じた記者殺される(2011年10月10日NEWSポストセブン)

食料品を中心とした物価上昇が止まらない中国で、とんでもない食品安全問題が発覚した。当局の発表にメディアのキャンペーンが加わり、パニック状態になっているという。今回の主役は“地溝油”だ。ジャーナリストの富坂聰氏が解説する。

* * *

中国でいま再び食品安全問題が大きな話題となっている。

今回の主役は久しぶりに脚光を浴びる“地溝油”である。地溝油とは捨てられた油(主に大規模レストランやホテルなど)を再生して造られた油のことだ。再生などというと「エコ」っぽい響きがあって誤解を招くが、要するに下水に混ざった廃油を汲みあげて造られたものなのだ。

背景には食料品を中心とした物価上昇が収まらない中国の事情がある。CPI(消費者物価指数)上昇目標を年間4%とする政府をあざ笑うように食料品は対前年比で13~14%も上昇し、材料費を浮かせるため、業務用を中心に“地溝油”への需要が爆発的に拡大したと考えられているのだ。

現状、中国はさしずめ小さな“地溝油”パニックと呼ぶべき状況だが、きっかけは湖南省で大規模な闇工場が摘発されたことだ。その工場からは高級ブランド品として知られるメーカーの空ボトルが大量に見つかり、見た目ではとても区別出来ないと分かったこともパニックに拍車をかけた。

しかも当局が「少なくとも1万トンの地溝油が市場に出回った」と発表したのである。現在、当局に加えメディアも大キャンペーンを張って地溝油撲滅に力を注いでいるが、密造業者の方も一歩も引く様子はない。

9月末には、この地溝油の地下工場の存在をスクープした記者が、殺されるという事件まで起きているのだ。

しかし中華料理と言えば油は切っても切れないだけに困った問題ですが、大手メーカー品にもそこまで大々的に広がっているということはもはやどこに出回っているかも判りませんね…
これまた中国らしい話題と言えば話題なんですが、まずは黙って記事から見ていただきましょう。

旧日本軍と戦った米軍ハローキティ??=博物館に展示されていたありえないアイテム―中国(2011年10月10日レコードチャイナ)

2011年10月9日、雲南網は、[シ眞]緬抗戦博物館に展示されていたバッジに日本のキャラクター・ハローキティが使われていたと報じた。ハローキティ誕生の30年も前に米軍兵士がキティを身に着けて戦闘していた計算となる。

【その他の写真】

雲南省徳宏タイ族チンプオ族自治州にある[シ眞]緬抗戦博物館。同館は1938年に完成したビルマ公路を記念したものだ。ミャンマー・シャン州のラシオと雲南省昆明市を結ぶこの道路は、援蒋ルートの一部として日本と戦う中国国民党軍を助けた。2005年、ビルマ公路の戦いをを記念して民間の博物館が設立された。

この[シ眞]緬抗戦博物館にとんでもない所蔵品があることがネットユーザーの投稿でわかった。今年の国慶節休暇に参観した楊さん、展示されていた米軍スティルウェル道路護衛隊のバッジのマークがなんと有名な日本のキャラクター・ハローキティであることに気がついた。ご丁寧にも「Kitty」という文字まで刻印されているので間違いない。

ハローキティは1974年にデザインされたもの。それから30年以上前の時代に「タイムスリップ」して日本と戦っていたことになる。突如発見されたこの「ご当地キティ」はたちまち中国ネット界のホットトピックとなっている。(翻訳・編集/KT)

何というオーパーツと見るべきか、中国はすでに半世紀以上も前に歴史を超越する手段を手にしていたのだ!と受け取るべきかは微妙なところですが、とりあえず版権問題はきちんと解決されているのかが気になりますね。
最後に控えますのはこれまたいかにも中国らしいと言うべきでしょうか、思わず「ネタかよ!」と突っ込みたくなってしまうような話題です。

豪華遊覧船が進水式で沈没…お披露目の特設ステージの目の前=甘粛(2011年10月11日サーチナ)

  甘粛省内の黄河の川岸で9月29日、同省で「最も豪華な遊覧船」の鳴り物入りで完成した「酒鋼号」が、お披露目の進水式で沈没した。10月10日になり一般ユーザーがミニブログで発表したことで知られるようになり、メディアも報じはじめた。

  「進水式」が「浸水式」になってしまったのは、同省皋蘭県の黄河川岸。「酒鋼号」は後ろ向きに進水したが、船尾部分から水に沈んだ。船体は大きく前後に傾いた。船体の後半部分は水没し、前の部分は水面から飛び出た格好で止まった。

  同船は酒泉鋼鉄集団(酒鋼集団)が蘭州市に1768万元(約2億2300万日本円)を寄付した形で建造した。甘粛省では「最も豪華」、「最も先進的」、「最も大きく」、「最もすぐれた機能を持つ」遊覧船という。船体は全長が32.9メートル、幅は7.5メートル、満載排水量は130トン。

  進水式のために、特設ステージが設けられ、「酒鋼号」も色とりどりの小旗などで飾りつけられていた。通例からして、進水式には市政府の要人も出席していたと思われる。

  「酒鋼号」は10月10日までには引き上げられた。船内の設備の一部を取り外して上海に送り、点検と調整をするという。

  蘭州市交通局宣伝処長によると、「作業のミスで、船体後部にある機械室に水が入った」と説明した。修理後に、改めて進水させるという。

  同事故による死傷者は伝えられていない。(編集担当:如月隼人)

この事故というか人災と言うのか、ネット上で進水式ならぬ浸水式の模様が公開されているのがいかにも悲劇に輪をかけているところですが、作業ミスとか何とか言うよりもその進水のさせ方そのものに素人目にも無理があるように思え、高いお金を無駄にしておいて「心傷つき取材に応じられない」なんて言ってる場合ではないと思うんですけどね。
しかし新造船が早々にこんな調子では、せっかくお偉い方々を呼んでお披露目を行おうとした関係者一同もさぞや浮かばれなかったことでしょう…

今日のぐり:「まりーな亭」

日本で最も細長い半島として知られるのがご存知愛媛県は佐田岬半島ですが、その中程を過ぎたあたりの三崎の市街地入り口あたりに位置するのがこちら「まりーな亭」さんです。
一見すると地の魚介類を中心に扱うよくある産地の料理屋のようにも見えるのですが、ジャコカツバーガーなんてあるあたりが妙にB級グルメっぽさを醸し出していて、ご主人はなかなかにしゃれっ気のある方とお見受けしましたがどうでしょうか?
本格的な地のものの料理もランチ系のメニューも取りそろえてあるということなんですが、今回はおすすめの佐田岬コースに三崎の海のお友達丼、じゃこミックス定食に刺身盛り合わせといったあたりを適当にシェアしながらつついてみました。

いくつかあるコース系メニューの中でも佐田岬コースというのはこちらオススメのシーフードメニューをほぼフルコースでという感じのようなんですが、時期のマサバ塩焼きは豪快に半身がついていたりと中々にボリュームの方も盛りだくさんで、普通にランチとして食べるのでしたらもうちょっと下位グレードのコースにしておいた方がお腹が重くなりすぎないかも知れないですね。
刺身の盛り合わせはどうやらどのメニューでとっても同じ内容のようなんですが、要するにその時期その時期の魚を出すと言うことなんでしょうか、ちょうど旬だという太刀魚の刺身はいい案配ですし、鯖なども脂が強いのかと思えば意外にあっさりさっぱりした味で、またこの濃くて甘い醤油がなかなかいいですよね。
じゃこミックス定食は名物のじゃこカツなどをちょっと洋食屋っぽくあしらったものが中心なんですが、この一角に付け合わせで出てくる名物太刀魚巻焼なるもの、三枚におろした身を竹に巻いて照り焼きしたというちょっと見た目に不思議な料理で、一方で味は太刀魚の照り焼きそのものなので巻く意味が果たしてあるのか不明という、なかなか微妙な一品です。
こちらなどはぱっと見た目にごく普通の洋食屋のランチっぽいところがあって、なるほどそう考えて見ると太刀魚もよくある牛肉の巻き焼きのシーフード版なのかと思えばこういうのもありかなと思いますし、特にこだわりもなくランチに立ち寄ったといったノンポリ派にはこのあたりが量的にもちょうどいいんじゃないでしょうか。
ちなみにこちらの味噌汁は土地柄なんでしょうか、個人的にこういう甘口のはあまり好きな方ではないんですが、この実に使われている豆腐がよくある形ばかりのものではなくきちんとした食感の中に大豆タンパクのうまみがしっかり感じられるまともな豆腐で、こういうところは好感が持てますよね。
三崎の海のお友達丼というのもよく判らないネーミングなんですが実際はいわゆる海鮮丼で、トッピングは基本的におすすめ刺身盛り合わせなどと同じものにシラスをたっぷり乗せているのが特徴なんですが、これにかけるのが単なる醤油ではなく出汁に卵を溶いたものというのがもう一つのポイントなのでしょう、このスタイルは卵が少し勝ちすぎるという難点は感じるにせよさすがにこれだけやられるとまずいはずもないですよね。

接遇面ではさほど愛想はないものの特に不親切という感じでもないし、トイレなどがきちんとしているのは好印象なんですが、テーブルがごく普通の小さめサイズなのにトレーが巨大なものですから、セットメニューに加えて単品など頼もうものなら置き場所がなくなってしまうというのが困りものですよね。
なんでもご主人がかつて「料理の鉄人」の助手をされていたとかで、店内には道場六三郎直筆のお品書きが飾ってあったりするのですが、メニュー構成などちゃんと工夫してそうに見える割に出てくるまでの手際は今ひとつかなと感じられるのはどこが問題なんでしょうかね?
全体的にはひとめ見てこれは安い!と言うほどでもないにしても、随所にちょっとしたこだわりを感じさせる内容を考えると十分にお値打ちといえるものですし、漁師である父が採った魚を料理人の息子が調理するという店のコンセプトが単なる漁師料理に終わらずなかなかいい感じで成立していて、こういう港町にあってちょいと今風の店構えにメニューにも洋食屋っぽさもあって誰にでも利用はしやすいお店だと思いますね。

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2011年10月15日 (土)

事件は現場で起こっているんじゃない!マスコミの手のひらの上で創られているんだ!?

本日まずは、今回の震災に関わる二つの記事を並べて紹介させていただきましょう。

情熱大陸:世界が賞賛した「6枚の壁新聞」生んだ記者達の壮絶取材の記録 番組初の生中継も(2011年9月8日毎日JP)

 東日本大震災で4000人近い死者・行方不明者を出した宮城県石巻市にある地域紙「石巻日日新聞」の記者たちに、毎日放送制作のドキュメンタリー番組「情熱大陸」が密着。震災から半年を迎える9月11日午後11時から、番組初の「生中継」を交えながら彼らの半年間の闘いを伝える。

 「石巻日日新聞」は宮城県石巻市にある社員28人の小さな地域紙。2011年3月11日、東日本大震災の発生と同時に6人の記者は一斉に現場に飛び出した。その直後の津波。印刷室は浸水し、新聞社の「命」である輪転機が止まった--。

 新聞が発行できないという存亡の危機に直面した時、彼らは「電気が無くてもペンと紙さえあれば伝えられる」と手書きの壁新聞を決意する。

 津波で家を失い、家族の安否も分からない中で壮絶な取材を続けた彼らが作った「6枚の壁新聞」は被災者の重要な情報源となり、「ジャーナリズムの原点」として海外でも高く評価されることに。米国の新聞博物館で壁新聞が永久保存されることになり、『石巻日日新聞』の知名度は飛躍的に高まった。

 だが、記者たちの日常に変わりはない。大手メディアとは違って彼らに異動は無く、今後もずっと地域に密着していくのだ。

 番組カメラが彼らの密着取材を開始した初日、突然地元の方に撮影を止められる場面に遭遇した。「情熱のカメラはここまでで止めて下さい。地元紙はOKですが……

 この半年、被災地にはTV局や大手新聞などいわゆる「中央メディア」への不信感が募っていたのだ。それは石巻日日新聞の記者達も然り。取材中にある記者がこんなことをポツリと漏らした。

震災直後、僕たちは車のガソリンも無く歩いて取材しているのに東京のマスコミは違う……正直悔しかった

 あれから半年。9月11日という節目に彼らは一体どんな紙面を作ったのだろうか? 番組ではドキュメンタリー取材のVTRと、1998年の放送開始以来初となる生中継を通して、彼らの「今」をお伝えする。窪田等ナレーターも勿論「生読み」だ。果たしてどんな一夜になるのか? 是非、皆さんにご覧戴きたい。

海外有力ブロガーを日本に招待 風評対策で外務省(2011年10月11日47ニュース)

 外務省は東日本大震災や東京電力福島第1原発事故による国際的な風評被害対策として、インターネットの交流サイト「フェイスブック」や、短文投稿サイト「ツイッター」などネット上で情報発信している海外の有力ブロガーを近く日本に招待する。

 東北地方の被災地を訪れ復興に取り組む姿を世界に伝えてもらい、日本への観光客の減少や、農産物の売り上げ減に少しでも歯止めをかける狙い。中東の民主化運動でも発揮されたネットの影響力に着目した。

 米国や中国、中東などで読者の多いブロガー計15人程度に在外公館を通じて参加を呼びかけ、早ければ11月から数回に分けて招く。

今回の被災地と言えば失礼ながら東北の片田舎にある寒村なども多いわけですから、そこに住んで被災した方々と言えば決して情報リテラシーに明るい方々ばかりとも思えませんけれども、そんな方々にとっても(おそらく多くの人々にとっては)初めて目にしただろうマスコミというものの正体は一目でバレバレであったのだとすれば、いったい被災地でどれほどの無法無体をやってのけたのかですよね。
そうであるからこそどうせお金を使って招待するなら、マスコミよりもよほどアルファブロガーの方が頼りになる…と外務省が思ったのかどうかは知りませんが、いずれにしてもマスコミというものが今の時代にあってどれほど信用を失いつつあるのかということが、今回の震災を通じて改めて判ってきたとも言えそうです。
かつての阪神淡路大震災などでも彼らの傍若無人な活動ぶりが直接見聞きした方々の証言によって今に伝えられていますが、それまでにも当然にこうした事例は幾らでもあっただろうに世の中に広まっていかなかった、ところが90年代頃からそろそろネットなどマスコミ以外での情報拡散ルートが一般化することによって、ようやく世の知るところとなってきたとも言えそうです。
となると、彼らマスコミがあえて知っていながら語りたがらないことにこそ重要な何かが隠されているはず…などと言えば妙な陰謀史観か何かのようにも聞こえてしまいますが(苦笑)、実際に後になって事情があきらかになってきてから初めて「ああ、あれはそういうことだったのか…」と理解できるようになる事例も少なからずあるわけですよね。

さて、ここで少しばかり話は変わって、福島県で発生した「大野病院事件」と言えばそれまで医療になどさほどの関心を持っていなかった方々にも「ああ、そういえばそんな話を聞いたことがあるなあ」というくらいに広く世の中に知られることになった近年の一大トピックですが、医療現場に与えた多大なる衝撃と影響もさることながら、当初からマスコミとの関わりということが話題になった事件でもあります。
その象徴的な場面が事故から一年が過ぎ、現に日常診療に従事し逃亡などの恐れも一切考えられない加藤先生を、わざわざ奥さんの出産直前の時期を選んでマスコミ一同のカメラの前で逮捕してみせるというあの有名な光景にあったわけですが、マスコミ各社も先を争うように加藤先生を批判するかのような報道を繰り返していたことは記憶に新しいところですよね(はっきり「医者のかばい合い」と書いた新聞もありました)。
そんな状況を思い出していただいた上で、先日尼崎で行われたシンポジウムでその加藤先生が講演をされた、その際の様子がロハス・メディカルメディカルで取り上げられていて、これが非常に興味深い内容ですので是非全文をご一読いただきたいと思いますけれども、まずは舞台背景から紹介させていただきましょう。

「妊婦さんの笑顔を見たい」―大野事件・加藤医師が公開シンポで講演(2011年10月13日ロハス・メディカル)より抜粋

(略)
 主催は元朝日放送アナウンサーの関根友実氏が立ち上げた医療支援ボランティア団体「医療を支える関西オカンの会」で、発足以来毎年医療をテーマにしたシンポジウムを行っている。今年のテーマは、「患者力Ⅲ 産科医療~かけがえのない新しい命を育むための患者力とは」。

 パネリストは、毎回参加しているコラムニストの勝谷誠彦氏、参院議員で医師の梅村聡氏、奈良県立医科大准教授で救急医、小児科医の西尾健治氏。今回のゲストとして、加藤氏、日本産科婦人科学会副幹事長の澤倫太郎氏を迎えた。参加者には医療者や加藤氏の患者だったという妊婦の姿も見られ、定員200人の会場はほぼ満席だった。

 午後1時半に開始。関根氏は最初、自らが医療支援ボランティアを始めたきっかけが大野病院事件だったこともあり産科医療をテーマに開催したいと考えてきたが、事件を取り上げるのは「とても重く、扱い切れない部分があるのではないか」とためらっていたとした。「今年の3月11日に東日本大震災が起きて、福島第一原発の事故が起きて、その時の地図を見て中に大野病院があったのを見た時に、今年立ち上がらなければいけないと直感的に思った」と、加藤医師を呼んでの開催に至ったと話した。

*それにしても、加藤氏が一般聴衆の前に立つ日が来ると一体誰が想像しただろう。加藤氏を呼んだのは、パネリストでもある梅村議員だ。彼なら人脈はもちろんのことだが、東日本大震災での透析患者搬送など福島県周辺で彼に恩を感じている人は多い。先日は梅村議員主催の中医協委員5人を呼んでのフォーラムが開かれたばかりでもあり、医療界にとって彼の存在の大きさは日ごとに増しているのか、筆者は霞が関周辺から「関西は一体何をやろうとしているんだ」と聞かれたこともある

(略)

ある程度参加した顔ぶれからも方向性が判るかと思いますが、議論は今回の震災現場における災害医療というテーマから幕を開け、例によって勝谷氏による役人批判(苦笑)なども織り交ぜながら、やがて加藤先生が遅れて議論に加わるという進行だったようです。
ところで今回の震災報道、特に福島の原発事故関連の報道を見ておられた方はすでにお気づきになったように、福島県立大野病院という施設はあの福島第一原発からわずか3kmというきわめて至近の距離にあった事が知られていて、この地域にはあの「患者を置き去りにして逃げた!?」と思わぬ風評被害に遭遇する羽目になった双葉病院なども立地しているのはご存じの通りですよね。
梅村氏の言う原発作業員の幹細胞採取に関する厚労省の「100ミリシーベルト以上浴びるような作業をするはずはないから、それを前提にした政策はしない」なんて話も日本人の言霊信仰という観点からも興味深いのですが、そうした議論を受けて行われた加藤先生の産科医療に関する講演の中でこんな言葉が出てきます。

(略)
翌年3月に県の医療事故報告書を発表する前に見させていただいたんですけども、当時の事務長に「これでは逮捕されてしまいますよ」という話をしたんですけども、「ご遺族が補償を受けられるように、このような書き方になった」と、いうふうに返答されて、それで終わりな話でした。その後ですね、警察署の中で数回の事情聴取を受けて、その事情聴取を受けた時点で、弁護士の先生に相談しておけば状況も変わって、逮捕とか、つながれることもなかったのかなとも思うんですけども、実際どうかは分からないんですけども、警察と話をするような機会ができてきたら、弁護士に一度ちょっと話をしておいたほうがいいというようなことは、後々でも言われました。
(略)

そもそも逮捕に至る一番のきっかけになったとも言われるのが県の医療事故調査委員会が当初作成した「加藤医師にミスがあった」とも受け取られかねないような内容の報告書の存在ですが、この「こう書かないと賠償金が出ないから」云々という福島県当局のごり押しは加藤先生の所属医局である福島県立医大産婦人科の佐藤章教授も証言しているものです。
このときは単に県側も訴訟になるのを嫌い示談で済ませたいという気持ちだったのではないかと佐藤教授も推測されていて、なるほどそういうものかで流していたわけですが、とりあえず県側がこうした手厚い配慮?を当初からしていたということはご記憶ください。
さて、今回の加藤先生の講演を受けて行われたディスカッションの中でもこの報告書に絡んで検察のあり方、そしてそれに関わるマスコミというものに関して次々と興味深い指摘が行われていますが、いくつかを拾い出してみましょう。

 口火を切った澤氏は「検察がこの重要な報告書を証拠として要求していない。ものすごい矛盾。検察は変な話だけど、裁判の中で新聞を見て言っている。報告書を証拠としていない」と立件に関する疑問を指摘。

 これを受けた勝谷氏は、石川知裕衆院議員が小沢一郎民主党元代表の資金管理団体の収支報告書虚偽記入事件で有罪判決を受けたのと同じ構図と指摘。「石川の場合は裁判所が検察調書を証拠採用しなかった。都合の悪いものを採用しないでいて、こう推認される、こう推測される、状況証拠はこう言っているということであの3人が有罪判決を出した」と主張。「本当に怖いです。司法国家としてあるまじき。検察審査会は検察が白だというのを黒だと言う。マスコミ報道は毎日『こいつは極悪人だ』と報道する。それで世間の心象ができる。そしたらそれで司法が動く。幸い加藤先生の場合は最後の最後の裁判官がちゃんとした判断を下したけれども、これは要するにリンチ。大阪でもあった一連の調査の捏造、そして小沢さんや3人の裁判、そういうものを見ていると、(大野事件が)そういうことのさきがけだった」。

 梅村氏は、「攻めれば落ちやすい人を徹底的に黒くしていくことが警察、検察のやり方」と、検察の手法では事実を明らかにすることはできないとした。
(略)
 加藤氏を逮捕した富岡署が福島県警本部長賞を受賞していることについて勝谷氏はこうコメント。「警察も検察も役所ですからアピールしたいわけです。だから、拘置所でご自身(加藤氏の意)が看守さんの目の前のところで自殺を(しないように)ものすごく気を付けられていたというのは、自殺させちゃいけないよと言ってるというのは、これは大事な大事な"財産"なんですよ。世間にアピールして有罪を勝ちとったら大変なお手柄になるわけで、富岡警察署は、署長というのは大体中央から来ているキャリアで、それに勲章を付けてやって上に上がって、下もそれにぶら下がって出世していくのが警察の出世コースですから、だからそれに利用したわけです。明らかに」。

 澤氏は大野病院事件について県警内で本部長に抗議した警察官がいたことも明かし、「かなり無理筋をゴリゴリ押していた」事件だったとした。
(略)
 加藤氏は「印象に残っているのは第一回公判の時のニュース報道を、一応録画しておいたんですね。後から見た時にですね、レポーターの方が『専門用語ばかりで私には理解できませんでした』という話をしていたんですね。それを公の場で言っちゃっていいんでしょうかという話で、だったらもっと勉強してから行くべきだな、とは思いましたね。そこから、マスコミから取材依頼があってもお答えすることはしないようになりました」と述べた。

 勝谷氏が勾留中の報道についての印象を問うと、加藤氏は「中に入っている時も、弁護士の先生がえらいことになっていると、支援の輪が広がってて、報道もとんでもないような状態になっているというのはお聞きしていたので。実家に帰った時に親が全部切り抜きを置いていたので、それを見させていただいたんですけども・・・、違うな、というのはありましたね。こんなこと言ってないよというようなものももちろんありましたし。報道の方って、警察の方から色々話を聞きますよね。結局警察の方ではいい話しか出さないんですね。有利な話しか。そんなことちょっとは言ったかもしれないけど、メインはこっちだったとは言ってくれないんですね。それがマスメディアなのかなと僕は理解しました」と答えた。

 続いて勝谷氏が現在の記者クラブ体制を批判。「日本には記者クラブ制度という世界一珍妙な制度があります。ホワイトハウスの会見でも、僕でも身分証をきちんと登録すれば入ることができる。だけど週刊文春の記者だった僕は、例えば加藤先生の事件を県警本部が発表しているその場に入ることすらできません。入れるのは大マスコミの方々だけです。さっき言ったように、医学用語を勉強していないような駆け出しでも、その会社の名刺を持っていれば入ることができます。そういう連中が、なぜか同じ記事を書きます。最近特にひどくなった。事件事故の記事がほとんど同じ。なぜなら今の記者は、ある支局長が嘆いていましたけど、昔の似たような記事をデータベースから呼び出してきて、場所と時間と人名だけを変えて入れるそうです。それを各新聞がみんな繰り返していると、どんどん記事が似通ってきます。ウィキペディアを張り付ける学生と同じ。でもそういう状態で、どこの世界にライバル会社と横に机並べて、『お宅どうする』と言いながら。これはまさしく談合ですよ。それでその記者クラブは県警本部の中とか県庁の中にあるんです。どこの世界に監視する対象の中に部屋をもらって、昔は家賃まで払ってもらっていました。山口組の本家の中に派出所があるようなものじゃないですか。それで監視なんかできるわけがない。検察に関してはひどい。検察は司法記者クラブ。検察がこれを書けと言ったことを書かなかったら翌日から出入り禁止。書くなと言ったことを書いても出入り禁止。そうすると自分とこだけ『特落ち』(他社がみな扱っている大ニュースを掲載し損ねること)になって記事を書けなくなるから、みんな検察の顔色を見ながら書いている。だから向こうの言いなりのことが大量に垂れ流されて、世論というものができて、裁判長の心象もできるわけです」。

 梅村氏は、このシンポジウムのチラシを厚生労働省の記者クラブに配ったと話した。「するとある大手の、全く厚労省と関係ない記者さんが来て、『梅村さんはお医者さんなのでこうやって加藤先生を呼んで、お医者さんがかわいそうだという事をあおるつもりなんですか』と言ってきました。いや違うと。そうじゃなくて一般の市民の方にお話を聞いていただいて、どう感じるかは市民の方一人一人が判断する話。むしろ『あおる』と言う事自体が、あなたが頭の中に対立構造を作って考えているという事なんでしょう、ということなんです。その一言にすべてが表れている。だから今回僕が加藤先生をお呼びしたのは、今は判断する材料が新聞しかない。患者力というのはリテラシーを高めるという事だから、皆さんに判断していただきたいと思った」。

ここでも指摘されているように、件の県の報告書は結局証拠として出されていないというのは非常に興味深いことだと改めて思いますけれども、検察の側としても個人なり役所としてなりの功績としてアピールしたいという心境が行動原理の一つとして組み込まれているのだとすれば、そのアピールする直接的な対象として「いかに世間で大きく注目されるか」ということも一つの指標となるだろうことは理解出来ますよね。
その意味で近年警察や検察がマスコミを巻き込んでの劇場型とも言うべき活動が目立つようになってきたとは指摘されるところですが、彼らの行動目的を達成する手段としてセンセーショナルなネタを求めるマスコミとの間に互恵的な関係を構築しているのだとすれば、加藤医師の逮捕劇がなぜああまで大袈裟でなければならなかったのかも理解しやすくなるのは確かです。
このあたりの両者の関係は一頃マスコミによる警察、検察へのバッシングが盛んであったことなども考えると非常に興味深いものがあって、一番のマスコミ対策とは金なりネタなりを十二分につかませておくことであるという金言?を思い出しますけれども、その意味で言えば東電などはまさしく十二分な金を(最近はネタも、でしょうか)マスコミに提供してきたという「上得意」であったわけですよね。
その東電が原発事故の絡みですっかり株を下げているのは周知の通りですけれども、おそらく賠償金の捻出絡みで関係各方面への付け届けも思うにまかせなくなってきているということなのでしょうか、今だから言えるというぶっちゃけ話も飛び出しているようです。

(略)
 加藤氏が退出してからは、これまで公の場で語られることの少なかった東電と大野病院事件との関係について踏み込んだディスカッションが展開された。

 澤氏は自身が特別弁護人を引き受けるようになった経緯について、地元の弁護士に相談したところ「案件が悪過ぎる」と言われた述べた。「要は、今にして考えると向こうは原子力村なんです。弁護士さんが手を出したがらないのが当たり前、という感じなんですよね。こういったことを憶測も入ってですね、多分我々が言っていることが一番真実に近いんですけども。真実に近ければ近いほど多分報道はされない。言っちゃっていいのかなと思うんですけど、まさしくその通りでした」。

 続けて梅村氏。「あえて真実の話をしますと、実はある医療事故を担当されている大手新聞社の論説委員と言われる方が私の元にやってきました。3時間ぐらいお話をしました。例えば『梅村さんの民主党という立場はどうもお医者さん寄りのことを言い過ぎているんじゃないか、国民の方を向いたらどうなんだ』というふうな最初の問いかけをされてこられました。僕は何のことを言われているのかよく分かりませんでした。よくよく話を聞いてみますと、以前に政府が出された医療事故調査委員会大綱案を我々は葬り去った。これは刑事が入る仕組みになってましたから、我々はこれはやめとこうと話したのですが、そのことをどうも抗議をしたかった。その時にこの大野病院事件のことを、『これは関係者の方も含めて色々原発関連の方も入っていますからね』ということを言った瞬間に、『梅村さん、それは言わない方がいいですよ。それを公の場であまり言われると梅村さんのためにならないと思います。我々の調査ではそういう事実はないんです』。こうはっきり言われました。私も真実を知らないから、別にそういうことを言うつもりはない。県警が出てきてやれば必ずそういう目で見られるから、そこは注意しないとだめですよね、というつもりで言ったんだけど、『梅村さんのこれからの政治活動に色々支障が出ますよ』と。なんでそんなことをね、わざわざ忠告を受けないといけないのか。結局それはそういうことも含めて、県の官僚と、そういう立場と、医療と、患者さんの関係を常に見ておかないといけないですよという問題提起をしたつもりなんだけど、そういう言い方をされたんです。この国のマスコミは一体どこを向いているのかと。私にあなたは『患者側を向いていない』と言われましたけどね、その前にあなたは国民の側を向いているんですかと。150円払って読む読者の方を向いてないのか、どっちなのかと。僕はそういうことを言いたかったんです。だけどその方ははっきり言いましたね。『そういうことを言うべきじゃない』と。私はいろんな話をいろんなところから聞いているから決め打ちはできないけど、これは単なるサイエンス、医療の事案の話だけでなくいろんな力関係が働く。だからそこは検証しないといけない。だけど今は原発の真っ最中だから、『あいつは反原発のポピュリズムに乗ってそういうことを言っているのか』と言われかねないので黙っていますけど、そういう圧力というか、はありました。だからこの国は真実を話す場はどこにあるのかなと。そんな思いが私にはあります」。

 さらに勝谷氏。「僕は記者クラブに入れない人間だから、当初から大野病院事件は東電案件だという事を、記者クラブ以外の報道に携わる人々はみな知っていました。小さい声で囁くんです。東電は当時ブイブイ言ってましたから。東電だったら警察は動かざるを得ないだろう、東電だったらマスコミは書かざるを得ないだろう、ただし県の佐藤栄佐久さんはどちらかというと原発反対派だったので、そこが微妙なところだね、という話でした。福島原発から大野病院は3キロです。大野病院自身、東電の原発関係者の人たちが非常に深くかかわっている病院ではあります。この事件から検察がどんなにひどいかが分かりました。だから検察を言えるようになりました。東京電力は下手を打ちました。だから東電のことも言えるようになりました。この二つのタブーが消えたから、我々は壇上からこの話を言えるようになったし、この二つの地獄の釜の蓋が開いたから、色々なものが見えるようになってきて、いまだからああなるほどと。この国は本当に怖いところです。これがこの出来事の本質で、加藤先生がいる前では言えませんでしたけれども、おられなくなったので私の責任においてお伝えする次第です」。

 そこに澤氏。「被害者の旦那さんも東電の社員です。当時の病院局は県立病院だから、トップは知事です。この知事は後々反原発でわけの分からない収賄で逮捕されるんです。それで加藤君や病院の事務がいくら言っても家族の人は会わないんですね。会わせなかったのかもしれないし。それで行ったら『土下座をしろ』と言ったんです。加藤君はお墓の前で土下座したんです。あの辺の人たちは、東電の社長も行ったら『土下座をしろ』と言われたから、そういう文化なのかもしれない。すごいところに来ているなと僕は思ったんですけど」。また慶應大学医学部の医局は他の東電関連の病院にも医師を派遣していたが、加藤医師逮捕直後の大野病院への派遣要請は断っていたと明かし、「当時彼を助けようと考える人は誰もいなかった」とした。

勝谷氏一人が言っていることであればいつもの勝谷節か…で終わる話なんですが、実際に複数の関係者の口からこうした証言が出てくるということになるとこれは非常に興味深い話で、結局のところ事件発生当時からネットなどで盛んに流れていた数々の噂はおおむね正解であったということにもなってくるのでしょうか?
このあたりの事情はひとたびこうして世に触れる形で公にしてもいいんだという認識が広がってくればさらに新たなネタが出てくるかも知れないと注目しているのですが、さらにもう一つ興味深いのは掲載後わずか一日足らずでこの部分だけがネット上からも削除されてしまい、しかもご丁寧に当該urlが別ファイルに差し替えられているということでしょうか(おかげで記事のつながりが不整合になっていますが)。
一応キャッシュ等でそうした記事がひとたびは掲載された事実は確認出来ますし、幸いにも世間の注目を集める事件ですから各方面でコピペしておいてくれている方もいるわけですけれども、失礼ながらロハス・メディカルさんクラスにまで何らかの力が働いたということになれば、これは思った以上に問題の根は深いのかなという気もしてくる話ですよね。

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2011年10月14日 (金)

これだから公務員は…と言われてしまいそうな話

自他様々な経験から類推するだけでも、やっぱり公務員だなあ…感じてしまうことは多々ありますけれども、先日出ましたこのあたりの記事もなにやら公務員だなあと感じてしまうような話ですよね。

焦点/借り上げ仮設家賃/宮城県の「滞納」深刻化/宮城(2011年9月26日河北新報)

 東日本大震災の被災者向けに民間賃貸住宅を仮設住宅として借り上げ、公費で家賃を負担する制度で、借り主となる宮城県の家賃「滞納」が深刻化している。支払い済みの件数は全体の1割未満。入居した被災者らは長期の立て替えを余儀なくされており、「このままでは貯金が底を突く」と悲鳴を上げている。

◎被災者、立て替え限界/家主、収入途絶え悲鳴

 「立て替えが半年も続き、家計は限界。いつまで自己負担が続くのか」
 仙台市内の自宅が津波で流され、宮城野区鶴ケ谷の借家に移り住んだ女性(53)は、いら立ちと不安を募らせる。家族5人で4月に入居して以来、月4万5000円の家賃を払い続ける。負担額は敷金と礼金を含め約50万円に上るという。
 豆腐店を営んでいたが再建の見通しは立たず、失業状態にある。「これ以上の出費は厳しい。蓄えもなくなりそう」と頭を抱える。
 宮城県の借り上げ仮設の入居決定件数は、16日現在で2万3360件。このうち家賃の支払いを終えたのは2172件と9.3%にとどまる
 貸主が県に直接家賃を請求する場合、県の「未納」は即減収につながる。仙台市内の不動産業者は「家主側から『行政に協力して貸したのに、いつになったら入金するのか』との苦情が殺到している」と明かす。
 「大家から退去を迫られた」。借り上げ仮設に住む被災者から14日、仙台市に深刻な相談が寄せられた。家賃が滞り、貸主が資金難に陥ったためとみられる。同市震災復興室は「本当に退去させられるようなことがあってはならない」と重大視し、県に対応を催促したという。

 大幅な支払いの遅れについて、県は手続きの煩雑さや件数の急増を原因に挙げるが、2万1860件(20日現在)を扱った福島県では「ほぼ100%終了した」(建築住宅課)。岩手県でも3898件(15日現在)の大半で支払いが終わり、宮城の遅れが際立つ
 ある不動産業者は「宮城は他県に比べ書類審査が厳しすぎるなど、しゃくし定規な対応が遅れに拍車を掛けている」との見方を示す。
 宮城県は支払いの迅速化を図るため、12日に手続きの一部民間委託に着手した。「スピードアップを図り、10月中旬にかけて集中的に振り込みを進めたい」(震災援護室)としている。

被災地の避難所で救援物資を配布しようとしたところが「人数分そろわなければ不公平になるから」と役場からストップがかかった、なんて話も漏れ聞こえていましたが、救援活動に要した経費の請求書が全国自治体から被災地へ送られているだとか、瓦礫の処理や仮店舗での営業一つとってもいちいち法の規制だとストップがかかるとか、今回の震災で明らかになったお役所仕事の問題はいくらでもあるわけですよね。
役人の方にももちろん言い分はあって、「ルールを作るのは政治家の仕事。自分たちはルールの範囲内でやるだけ」と幾らでも言えるのは確かでしょうが、こうした話が相次ぐのを見れば世間のイメージというものはますます固定化され、ただでさえ「現代日本の特権階級」あどと公務員に対する目線がさらに厳しくなることは避けられないでしょう。
もちろん政治家の側にしてもかねて有事法制の不備が問題だとか言ってきたのであれば、こうした現在進行形で明らかになっている諸問題に対して二度と再発しないよう即座にルール改定を検討しなければならないはずですが、今のところ全くそうした方面の議論が進んでいるという話も聞かないところを見ると、何の問題とも考えていないということなのでしょうか?
そんなこんなで公務員に対するイメージがますます悪化していく中で、先日は「あれ?」と思うような記事が出て話題になっていましたけれども、これもよくよく見ると実は…という話なんですよね。

食材費を7千万円安く偽装 人気の国民宿舎「鵜の岬」/茨城(2011年9月27日朝日新聞)

全国の国民宿舎で一番人気の「鵜の岬」(茨城県日立市)で2008年以降、料理の食材費を実際よりも低く見せるため、食材の在庫量を過大に報告していたことが分かった。経費節減を迫られる一方で現場からは料理の質を下げることに抵抗があり、板挟みになった経理担当者が不正に会計処理していた。

 宿舎を運営する県開発公社の内部調査で発覚した。公社は10月1日付で、経理を担当していた前管理課長(44)を停職1カ月、管理課員(41)を3カ月の減給10%の懲戒処分としたほか、監督責任を問い前支配人ら2人を訓告、事務局長ら3人を厳重注意とした。

 公社によると、今月に外部監査人が調査したところ、台帳上は900キロあるはずの冷凍肉が実際には60キロほどだったり、2千キロあるはずの魚が100キロしかなかったりといった事例が次々と見つかった。架空計上分は8月末時点で7088万円にのぼった。

 鵜の岬は全国122の公営国民宿舎の中で22年連続で宿泊利用率が1位。一方、公社は県からの収支改善要求を受け、食事の売上高に占める食材費の割合を07年度の43.1%から08年度は41.5%に引き下げる目標を立てていた

 前管理課長は仕入れ担当者に食材費引き下げを求めたが、現場の料理人らは「質を落としたくない」と反対。実際には食材を使い切ってしまっているのに、残っているように経理処理し、結果的に原材料費が下がるように見せかけていた。課長は「目標達成のプレッシャーを感じていた」と話しているという。

 在庫食材は会計上は「資産」として処理するため、公社は7088万円を今年度決算で特別損失として処理。昨年度は黒字だった鵜の岬の決算は、赤字に転落する見込みという。

 鵜の岬は昨年度から年2回、外部監査が行われ、台帳の数字はチェックされていたが、実際の在庫量は確認されていなかった。26日に会見した公社の北川明雄常務理事は、水増し分が09年度末時点で3416万円、10年度末で6670万円分にのぼっていたと説明し「年度末決算の時点で気付くべきだった。申し訳ありません」と謝罪した。チェック体制強化のため、年2回の外部監査を今後は4回に増やし、管理課以外の部署による在庫確認も行うという。(松井望美)

ちょっと見ると判りにくい話なんですが、上の方から経営改善のために経費を減らせ、特に食材にかかる経費を何とかしろ(要するにもっと安物を使えと言うことですね)と言われた現場がせっかく料理が一番の売りなんだから質は落としたくないと言い張った、そこで現場と上との板挟みとなって悩んだ経理担当が中心になって不正経理を働いたと言うのですね。
こういう不正経理絡みの事件と言えば誰かが懐に入れていただの横流ししていただのと言う話がつきものですが、調査の結果関係者の着服や横領、横流しといったことは一切行われていなかったことが明らかになっていて、当然ながら利用した顧客の側には料理の質が下がったとか粗悪な食材を食べさせられたといった不利益もなかったということです。

この記事を最初に目にして気になったのが食材費(原価率)が43.1%にも達していたという点なんですが、通常飲食店の原価率というものは3割程度が採算ラインだそうで、経費を極限まで切り詰めた100円均一の回転寿司でやっと5割行くかというレベルだと言いますから、これは非常に高いんじゃないかという印象を受けますよね。
一般に原価率を高く設定している店というのはバイトレベルでも対応できるような簡単な調理しかしないもので、ここのようにまともな料理を出す店では当然に調理自体に手間暇もかかれば専門的かつ高度な知識や技術も要求されるはずで、その分スタッフも安いコストで集めるというわけにもいかないはずですから、飲食専業でなく宿泊もあるとはいえ見た目の原価率以上に経営には負担になっていたのではないかと思います。
それでも昨年まではきちんと黒字になっていたというのは、何より22年連続で宿泊利用率トップという高い人気と実績に裏付けられていたはずで、何しろ一ヶ月分の予約が半日で売り切れてしまうというのですから国民宿舎というものに対するイメージを覆すような人気ぶりですが、その集客力の中心になっていたのが料理の高い質だったわけです。
あちらこちらで口コミで聞く限りでもサービスの質の高さもさることながら「とにかく料理がいい!」という声は圧倒的で、実際に公式サイトから料理の内容を見てもこれはお得だろうなと思わせるもののようですから、そもそも毎年1億前後の黒字を出していたというのに一番の集客のストロングポイントを自ら放棄するような真似をするということの妥当性も疑問ですし、その結果赤字になってしまったと言うのであれば馬鹿げている話だと誰しも思うでしょう。

記事にあるようにこうした話がそもそも勃発した背景として、運営を行っている茨城県開発公社なる組織が余計な口出しをしてきたということに原因があると見るべきでしょうが、この県開発公社なる組織は「飛ばす路線もない空港」として一躍有名?になった茨城空港の運営にも関わるほか、あちらこちらの不動産に手を出して巨額の赤字を計上、平成21年から県の公費で多額の支援を受けた組織として知られています。
当然ながらこれは責任問題とならざるを得ないわけですが、これを受けて同公社では平成21年から県による経営改善の指導を受けるハメになり、この際に茨城県出資団体等経営改善専門委員会の出した「経営改革に関する意見書」の中では先の国民宿舎「鵜の岬」の生んでいた利益が「他の福祉施設の恒常的赤字の一部を補填してきた」と評価されています。
要するに貴重なドル箱と公式認定された形ですが、しかし一方で公的施設として土地、建物等に対する応分の負担をしておらず、今後民間業者との競争も激化すれば今までのような利益計上は難しいだろうから「体質改善を図るべく、各種見直しが必要」だとも指摘されているわけですね。
その一環として公社の指定管理者が切れる時期を見計らって民間に移譲せよだとか、最終的には民間と競合する福祉施設部門全体からの撤退を意見しているのですが、こうした県からの厳しい突き上げも前述のような事態に至る大きな理由となったことは間違いないところでしょう。

同公社と言えばバブル崩壊後どんどん運営状況が悪化しているにも関わらず、160億もの巨費を投じて新公社ビルを建設するなど特に不動産関連での放漫経営ぶりはあきらかですが、県としても後始末のために1300億円規模の資金が用意出来ないことには公社の解散もできないというのでは、「つぶせるものならつぶしてみろ」とますます公社側が増長するのも当然でしょう。
しかし一方で公社内での位置づけとして「鵜の岬」は赤字を減らしてくれる稼ぎ頭であったわけですから、わざわざ料理の質を落として競争力を自ら弱めるようなことをする意味もないところで、県と公社という経営素人と経営音痴がタッグを組んでとんでもない迷走を現場に強いたと批判されても仕方がないところでしょう。
土地建物の費用を払っていない公的施設がこんな経営をやっているのは民業圧迫だという意見もあるようですし、結局経営コストの一部を県が公費で負担しているだけじゃないかと言う考え方もあるでしょうが、ではその負担した分の利益がどこに向かっているかといえば結局は利用する県民に還元されているわけですから、これは行政の基本機能の一つである住民サービスの一環と考えていいはずですよね。
とかく公務員がこの種のサービス業的な領域に口を出すとろくなことにならないという事例は全国各地で枚挙にいとまがありませんが、現場の努力で奇跡的にうまくいっていたとも思われる希有な事例まで余計な口出しで潰しにかかってくるとは、さすが公務員半端ねえと言われてしまいそうですね。

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2011年10月13日 (木)

大人気のスマートフォンですが、思わぬ落とし穴もあるようです

近頃は仕事にプライベートにとスマートフォンが大活躍で、新規の携帯契約に占めるスマホの割合は増える一方だと言いますから、特にガラパゴスなどと言われるほど高機能携帯がもともと人気だった日本ではよほどの事がない限り今後はスマホが主流になっていくのでしょう。
そんな中で、先日何気なくネットを見て回っておりましたら、とある場所でこんな書き込みがあってびっくりしました。

病院からスマートフォンが支給されたんだけど、カレログってソフトが
入ってる。

ちょっ…w
ちなみにこの昨今大いに話題となっているカレログというアプリ、ご存じのない方のためにプレスリリースからその素晴らしさを引用するとこんな感じになります。

恋愛&家族の絆を支援するAndroid アプリ&クラウドサービス「カレログ」。
大切な人から決して目を離さない最新アプリがついに登場!!

●カレログとは?

家族やパートナーが現在どこにいるかを把握するスマートフォンのGPS機能を用いた位置情報通知サービスです。
あらかじめ彼氏や家族の持つAndroid携帯電話に、カレログアプリをインストールしておけば、彼氏の現在のGPS位置情報を常にあなたはチェックすることが可能です。

●カレログ サービス概要

【無料体験会員&本会員】

★彼氏や家族の携帯の位置をGPSで特定できます。
★端末のバッテリー残量もわかるから、「電源が切れちゃった」なんて言い訳は通用させません!

★サービス利用はバックグランド操作で行うから、どのタイミングで情報取得しているかは彼氏の端末で一切わかりません

【プラチナ会員】
本会員の機能に加えて…

★さらに!
彼氏の携帯電話通話記録まで、リアルタイムに入手可能!

もう浮気や電話代の無駄使いは絶対にさせません。

★さらに×2!
彼氏の携帯電話にインストールしたアプリも丸わかり!

出会い系アプリやHなアプリを入れてもすぐにチェックできてしまいます!

いや、これわざわざインストールする人間がいるのか…と思うような素晴らしく斜め上な機能がてんこ盛りなんですが、見ておわかりのようにこうしたアプリが職場支給のスマホにインストールされていることの意味を考えると、どう考えてもあまり楽しく仕事ができそうな職場環境には思えません。
当然ながらこのカレログ、登場以来あちらこちらで大いに議論を呼んでいるわけですが、おもしろいのはカレログ対策アプリの方がたくさん出るんじゃないか、なんて声もあるところで、なにやらPCウイルスの最大の供給源はウイルス対策ソフトのメーカー社員だなんて噂に通じるものを感じてしまいます。

彼氏追跡アプリ「カレログ」にネットで賛否 対策アプリまで登場(2011年8月31日ニコニコニュース)

 彼氏を追跡することができるというスマートフォンのアプリ「カレログ」。2011年8月29日の公開から間もなくインターネットで大きな話題を呼んだ。一部では、カレログに疑問を呈する意見も出ていおり、こうした声を反映してか、カレログがインストールされているかどうかを判別する「対策アプリ」までリリースされた

 カレログとは、公式サイトによると「(彼氏のスマートフォンに)インストールしておけば、彼氏の現在のGPS位置情報を常にチェックすることが可能」というサービスだ。また、居場所だけでなく、「電源が切れちゃった(から連絡できなかった)」と言い訳されないように「バッテリー残量もわかる」という。さらに、プラチナ会員(有料)になると、「彼氏の携帯電話の通話記録まで、リアルタイムに入手可能」や「インストールしたアプリも丸わかり」といったオプションも付く。「サービス利用はバックグランド操作で行うから、どのタイミングで情報取得しているかは彼氏の端末では一切わかりません」という徹底ぶりだ。

 ツイッターでは、カレログに対して「ぜったいイヤだ」「これは本当に安全なの?」などの否定的な反応をする人が多くみられる。その一方で「おもしろい」「カレログを入れてくれる彼女がほしい」といった肯定的な意見もある。情報セキュリティの専門家でもある高木浩光氏が自身のツイッターで違法性も指摘するほどにまで議論は広がり、まさに賛否両論だ。

 こうした声に応えてか、別の開発者から「カレログチェッカー」なるカレログの「対策アプリ」も公開された。これはスマートフォンに「充電ケーブルを接続したときにその時点でインストールされているアプリケーションを検索しカレログのパッケージ名に一致するものが見つかったら警告を表示」するもので、ツイッターでは「カレログよりもカレログチェッカーのほうがダウンロードされるのでは」という声が出ている。

こうした世間の騒ぎだけでも提供元としてはあるいは「してやったり」なのかも知れず、先日はこれらの声に応えるということで今後は勝手に使われてしまうことがないよう対策を講じますなんて発表したようですが、機能を考えればむしろ勝手に使われないというケースが本気であり得ると想定していたのか?とも思えてしまいますね。
かつてはコンピューターのソフトと言えば非常に高くてショボいもので当たり前という時代もありましたが、その普及とともに質はともかくとして次第に価格もこなれてきた、そして何より昨今のスマートフォン等の普及によってアプリの単価が劇的に下落したことを実感している人は多いでしょう。
しかし一方で薄利多売方式で「とりあえずお試しで大勢にダウンロードさせれば勝ち」と考えているかのような悪質なケースも増えているようで、先日は利用者心理を突くかのようなこんな記事が出ていました。

【アプリ】iPhoneでロック画面をAndroid風に変更出来る神アプリ? 「実は壁紙でした」→レビューでクレーム殺到(2011年10月11日ガジェット通信)

『iPhone』でロック画面を変更できるとうたっているアプリ『ロック画面をカスタマイズ』が10月5日にリリースされた。『iPhone』のロック画面はスライドさせるものか、もしくはパスワード番号によるロックしか選ぶ事ができない。しかしこのアプリはAndroidのように指でなぞった通りにロックを解除することができると説明文に記載されている

しかし現在のiOS4のAPIではロック画面はさわれないはず。おかしいと思いレビュー画面を見てみると……。なんと詐欺アプリと多くのユーザーがクレームを書いている。どうやらこれはAndroid風のロック画面を壁紙にして「セキュリティを高めていると思わせる」ためのアプリだったのだ。少しややこしいが、いわゆるただの壁紙集。怒っている人はそれなりに理由がある。

ただダウンロードしただけなら放置で済むが、実はこれ有料アプリなのだ。85円と安いがアプリ代金を支払ってしまったことに怒りレビューで星1の評価をつけコメントも酷評の連続である。

しかし説明文をよーくみると……。

不可解なロックされた画面を見せかけることによってあなたの携帯のセキュリティは向上します。このアプリケーションは、実際に画面をロックしたり、新しいロック解除機能を提供しません。これは詮索好きな人対処のためのもので、デバイスの実際のセキュリティシステムではありません。

と、下の方に書いてある。しかしアプリ説明文の最初の方にはあたかも新しいロック画面を提供するかの触れ込みが書かれている。ちょっと紛らわしい? ユーザーもよく説明文を読んでから購入しましょう。なおiOS4ではロック画面はいじれません! 今後この類のアプリが出たときは偽物だと覚えておこう。やりたければ脱獄しましょう。
なお、アプリ開発者のウェブサイト(Spark So Web)および、サポートサイトには接続出来なくなっている。一時的なものなのかクレームが怖くて逃げたのか……。皮肉にもこのアプリは現在AppStoreで2位となっている。

App Storeでアプリの詳細を見てみれば「ついにあなたのiPhoneのためにさまざまなロックのテーマを選択することができるようになりました! このアプリケーションは、セキュリティを向上させる特殊なロック解除画面を作成するのに役立ちます。他の人にはあなたの携帯はロック...さらに見る」なんて表示されるわけですから、肝腎の部分は見えないよう画面上での表示文字数まで考慮に入れた上での行動なのでしょうね。
ここまで来るとほぼ確実な詐欺と言っていいような話ですが、これだけ大勢の人間を巻き込んだところで逃亡すれば済むというのであれば、それは騙した者勝ちでいくらでも模倣犯も出るだろうなと誰でも思うでしょう。
リンゴマークのスマホはアプリを全てチェックした上でApp Storeに登録したものしかインストールできないと言うことも売りになっていますが、こうした事例を放置するということになればいずれは訴訟大国アメリカあたりで会社側の責任も問われかねないのではないかという気がしますね。
むろん、こうした事例はハードの別を問わないことは言うまでもないことで、先日はこんなトンデモアプリが平然と提供されていたということでこれまた大きな騒ぎになっています。

アニメのアプリと思ったら…利用状況を無断収集(2011年10月11日読売新聞)

 アニメ視聴用のアプリ(ソフト)だと思ってスマートフォンに入れたら、実はインストール中のすべてのアプリの利用状況を無断で収集されていた――。

 こんなアプリを東京都内のソフト会社が行動ターゲティング広告用に開発し、無料で配信していたことが分かった。「プライバシー侵害」との批判を受け、この会社は10日にサービスを停止。会社側は「同意をとらなかったのはミス」と釈明しているが、専門家からは「利用者の意図に反した動作で、ウイルス作成罪にあたる恐れがある」と批判が出ている。総務省も問題がないか調査する方針。

 このアプリは、ソフト開発会社「ミログ」が開発した「アップティービー」。基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン向けに、アニメなどの映像視聴用アプリとして今年7月から無料でサービスを提供していた。

 同社によると、このアプリをスマートフォンに入れると、端末固有の番号と、インストール中のアプリすべての名称、いつアプリを起動したかなどの情報が1日1回、同社に送信される仕組みになっていた。約2000人が利用し、そのうち少なくとも約300人には同意をとっていなかった。今月に入り、インターネット上で批判が出ていた。

 同社の城口洋平社長は「どんなアプリを使っていたかを解析すれば、広告やマーケティングに役立つ」として目的を説明、「利用者の同意をとるつもりだったが、ミスで無断収集となってしまった」としている。

うっかりミスなどと言っているのが実際には確信犯なのかどうかは判りませんが、昨今ではどこから個人情報が流出し不正利用されるかも判らないという怖さを改めて思い知らされる話ですよね。
最近ではスマートフォンがこれだけ普及した結果、PCなどなくともスマホがあれば十分だという人も増えているようですが、気をつけていただきたいのは携帯電話の延長という感覚で子供などに気安く渡していたりすると、いつなんどき犯罪まがいの行為に巻き込まれるかも知れないという新たなリスクが発生しているということです。
ウィルス対策をしていないPCをネットにつなげば20分以内に感染してしまう危険性が高いという調査もあるくらいで、今どきセキュリティー対策もしていないPCを使っている人間などいないはずですし、メーカーなども当然にそうしたものは最低限組み込んで売っているものですけれども、今の段階でスマホにおいてもそこまでの認識と対策が進んでいるかと言えば疑問ですよね。
スマホが優れた携帯性と適度の機能を併せ持った便利なツールであることは言うまでもありませんし、今後この種の個人的デバイスは形を変えながらますます普及していくのは確定的だと思いますが、小さな筐体の中に時には持ち主や周囲をも傷つけかねないだけのパワーをも秘めているのだという自覚は常に持っておかなければいけませんよね。

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2011年10月12日 (水)

喫煙者はますます肩身が狭くなってきているようで

以前にも原発事故関連の発言で当「ぐり姸」にご登場いただいたことのある中部大の武田邦彦教授ですが、先日はこんな発言で再び脚光を浴びることになりました。

「タバコと肺がんはほぼ無関係」 武田邦彦教授発言は暴論なのか(2011年9月7日J-CASTニュース)

  原発事故への発言でも知られる武田邦彦中部大教授が、統計データを元にタバコと肺がんはほぼ無関係とブログに書いて、論議になっている。これが本当なら、「健康のため」の増税論議は無意味になってしまうのだが…。

   小宮山洋子厚労相の1箱700円発言をきっかけに、政府内で、タバコ増税について閣内不一致を生むほどの論議になっている。増税の根拠について、小宮山氏は「健康のため」を挙げたが、武田邦彦中部大教授(資源材料工学)が、こうした観点からの増税に異論を差し挟んできた。

喫煙は減ったのに、肺がんが増えている

   武田教授は、自らのブログで2011年9月6日、これまでの「先入観」を否定し、「タバコと肺がんはほぼ無関係」とまで言い切ったのだ。

   ブログでは、国の統計データから、この40年間で、男性の喫煙が8割から4割へと半減し、女性は2割弱で変化がないことを指摘。それにもかかわらず、男性は7倍に、女性は数倍に肺がんが増え、男女合わせれば5倍以上に増えていることから、タバコが肺がんの主要な原因とは言えないとした。

   これに対し、統計から、年齢が上がるほど発がん率が高くなることが分かっているとして、肺がんの増加は、高齢化が主な原因との見方を示した。武田教授は、100年前に比べ、平均寿命が40歳ぐらいから80歳前後にまで伸びていることが大きいとしている。

   そのうえで、武田教授は、タバコには、楽しみや精神的安定などのメリットもあると指摘。酒なども健康に害があるのに、タバコだけ社会的に制限して、値段を上げたり、喫煙者を追放したりするのは誤りだと断じている。

厚労省「調査結果から関係ある」

   こうした武田邦彦教授の主張に対し、厚労省の生活習慣病対策室では、「様々な研究をしている専門家の方がいますので、個別にコメントは出しかねます」と述べるに留まった。

   一般的には、必ずしもタバコのみで肺がんにかかるわけではなく、年齢が上がるにつれて発がん率も上がるのは確かだとした。とはいえ、生活習慣病対策室では、「肺がんとタバコの関係はあり、非喫煙者に比べて肺がんにかかる危険が高いことは分かっています」と話す。

   その調査結果として、国立がん研究センターで1966~82年に、当時の平山雄疫学部長が喫煙の影響を調べたところ、喫煙者は非喫煙者に比べ、男性が4.5倍、女性が2.3倍も発がん率が高かったことを挙げた。また、アメリカのがん協会が82~86年にがん予防研究の調査をしたところ、男性は22.4倍、女性は11.9倍もの高い発がん率を示したとしている。

   厚労省のがん対策推進室でも、「一般的には、肺がんとタバコの関係は深いと言われていて、それが覆ったとは特に聞いていません」と言っており、武田教授の発言は、さらに論議を呼びそうだ。

ま、シロウトの思いつき発言の是非についてここでは事細かに追求する意図はありませんけれども、武田教授もいやしくも科学者として教授という地位にまで上り詰めた御仁だというのに、このところの発言はいささか科学者としての適正すら疑われかねないようなものになっているのは残念ですよね。
さすがに武田教授としてもこれが無理目のこじつけ、あるいはためにする議論の類であることは承知しているだろう(と信じたい)ところで、要するに主張の眼目としては昨今のタバコ増税議論に関連して「社会的に制限して、値段を上げたり、喫煙者を追放したりするのは誤り」だという部分にあるのでしょう。
臨床医からすればこの種の「○○は決して有害ではない!」「○○だけが悪者のようにいうのは許せない!」式の主張は別に喫煙者に限らず、大量飲酒者やホメオパシー愛好家など多方面でみられる日常的なもので、「昨日み○も○たもこう言っていた!やはり俺が正しかった!」なんて主張する患者など今更目新しいものでもないでしょう。

管理人自身は非喫煙者ですが幸いさほど煙に神経質になる方でもないこともあり、リスクなどもきちんと承知した上で人様に迷惑を与えず利用する分には好きにしたらよいのではないかと思いますし、喫煙に限らず日頃熱心に患者指導をされている臨床医の先生方の多くも本音の部分では「他人の健康など知ったことか」ではないかなとも勝手に推測しています。
ただ納得ずくで使った本人の健康被害はともかくとして、アルコール中毒で家庭が崩壊したとかホメオパスの砂糖玉処方で妊婦と子供に健康被害が出たとかいった周囲への悪影響が出る以上は問題は社会的なものにならざるを得ませんから、「誰の迷惑にもなっていない」という部分が保証されない限りは社会も相応に対応せざるを得ませんよね。
喫煙ということに関しては近年いわれる受動喫煙問題などは周囲の健康被害のみならず部屋の汚染など環境自体への悪影響もいわれていますが、何より肺癌のみならず各種疾患に対する明確な悪影響を考えれば、タバコが医療費増大に大いに貢献しているということは認めざるを得ません。
となると、財政上の観点から盛んに支出の抑制が叫ばれ、とりわけ近年ではメタボ健診を始めとして少しでも生活習慣に起因する健康リスクを回避し医療費を抑制する政策が強力に推進されている中で、タバコだけが「個人の自由だ」とその例外となるというのもおかしな話だという考えもあるということです。

【社説】たばこ値上げ―財源より健康のために(2011年10月10日朝日新聞)

東日本大震災の復興財源として、たばこ増税が検討されている。1本当たり2円、1箱にすれば40円になる。

 復興に多額の資金を要することは事実だが、取りやすいところからとる安易な議論でなく、たばこ価格は国民の健康の観点から考えるべきだ。

 英国の医学誌「ランセット」は先月、日本の皆保険制度導入の50周年を記念する特集号を発行し、日本の保健医療制度を高く評価すると同時に、将来に向けての課題を挙げた。その筆頭が「喫煙率の高さ」で、禁煙政策の重要性を訴えた

 日本も批准したたばこ規制枠組み条約も、国民の健康を守るため、禁煙を進めるさまざまな政策を求めている

 たばこの健康への害はいうまでもない。肺がんだけでなく心臓など循環器系や脳血管などにさまざまな病気を引き起こす。全国で毎年13万~20万人が亡くなっていると推定される。

 他の人のたばこの煙を吸う間接喫煙による死者が約6800人、との推計もある。

 そのリスクは、いま問題になっている放射線と比べても大きい。国立がん研究センターによれば、非喫煙者の女性のがんのリスクは、夫が喫煙者だと0.2~0.3%高まる。一方、放射線による発がんの影響が明らかになるのは、少なくとも累積で100ミリシーベルトという高い線量の被曝(ひばく)で、がんになるリスクは0.5%高まる。

 医療費の増加や労働力の損失など、喫煙による社会的損失は年5兆円以上との試算もある。男性の喫煙率が4割近くあり、「たばこ大国」と呼ばれる現状を放置することは許されない。

 禁煙のためにきわめて重要なのが価格だ。欧米諸国に比べて安い日本のたばこ価格を上げることは、とりわけ若年層が新たにたばこを吸わないようにするうえで効果が大きい

 昨年10月、過去に例のない1箱100円の大幅値上げが実現した。政権交代後、政府税制調査会で初めて、健康問題としてたばこ増税が議論された結果だ。ようやく始まった健康の観点からのたばこ価格の議論を、後戻りさせてはならない。

 厚生労働省研究班の調査では、禁煙者の約7人に1人が昨年の値上げがきっかけと回答した。価格が500円なら36%、さらに600~700円なら21%の人が禁煙すると答えた。

 健康を守るには、思い切った値上げが必要だ。

 私たちはこれまで、1箱千円でもいいと主張してきた。この考えは今も変わらない。

「1箱千円でもいいと主張してきた」なんて言ったところで朝日の社内でも陰では「冗談じゃないよ」という声も相当数あったのではないかと推測しますが(苦笑)、とりあえずタバコ値上げにより社会の被る害を減らす一方で、タバコ増税による税収増までも達成されるなら何ともおいしい話じゃないかという声は以前から根強いということです。
これに対して被害の減少はともかくとして、値上げによる需要減も考えれば税収は増えない、むしろ減るんじゃないかという声もまた少なからずあったわけですが、幸いにもと言うべきか残念ながらと言うべきか、値上げで売り上げ本数こそ減ったものの売り上げ金額ではすでに値上げ前の水準に回復したというデータがすでに出ています。
となるとさらに喫煙者の反応を見ながらうまい具合に値上げを行っていけば健康被害が減り医療費は抑制できるだろうし、税収もさほど減らないかあるいは今よりも多い状態を維持出来る可能性があるとなれば、これは国の側からすれば非常においしい話だろうなと思えてきますよね。
もちろん純粋に健康の面から考えるとタバコなど1本1万円にしてでも全部やめさせた方がいいのでしょうが、現実問題として国と地方合わせて2兆円規模という巨大な税収源として位置づけられているわけですから、言葉は悪いですが喫煙者は生かさず殺さずでうまい落としどころを見つけて行かざるを得ないのでしょう。

ちなみに日頃から患者相手に偉そうに生活指導などをしている医者の日常生活はかなり不健康で紺屋の白袴どころではない、なんて指摘も以前からあるわけですが、こと喫煙率ということに関して言えば実は意外に「優等生」であるという調査結果が出ています。

医師の喫煙率9%、診療科間で4倍超の差-ケアネット調査(2011年10月3日CBニュース)

医師の喫煙率は9%で、日本人全体の喫煙率23%を大きく下回っているとの調査結果を、ケアネット(東京都千代田区)がこのほど発表した。診療科別に見ると、最低の呼吸器科(3%)と、最高の麻酔科、整形外科(共に14%)とでは、4倍超の差があった。

 ケアネットは、小宮山洋子厚生労働相が記者会見でたばこ増税に言及したことを受けて、9月21-28日に同社サイトの会員医師を対象に、インターネット上で調査。4000人が回答した。

 それによると、医師の喫煙率は9%で、このほか「以前に喫煙していた」が34%、「喫煙したことがない」が57%だった。厚労省の「2009年国民健康・栄養調査結果」では、日本人全体の喫煙率は23%で、これを大きく下回った

 診療科別に見ると、9%を下回ったのは、呼吸器科(3%)、神経内科(5%)、眼科(6%)、小児科と内科(共に8%)。一方、上回ったのは、麻酔科、整形外科(共に14%)、泌尿器科、脳神経外科、産婦人科(各13%)、精神・神経科と耳鼻咽喉科(共に12%)、外科(10%)だった。

■喫煙医師も過半数が「値上げすべき」
 また、たばこの適正価格を尋ねたところ、喫煙医師の52%が現行の400円より高い価格を選んだ。17%は「1000円」と答えた
 一方、非喫煙医師では、96%が400円より高い価格を選んだ。52%が「1000円」と答えたほか、選択肢の中で最も高い「1300円以上」と答えた人も20%いた

呼吸器科医が喫煙率最低であるのは呼吸器学会の専門医認定の要件に「非喫煙者であること」なんて物々しい一文が加えられたこととも大いに関係しているのでしょうが(苦笑)、おもしろいのは喫煙者の対処で大いに苦労していそうなイメージのある麻酔科医の喫煙率が最高であるということですよね。
もう一つ興味深いのは喫煙医師も含めて医者の世界ではタバコ値上げ論者が多数派らしいということで、それもちょっとやそっとの値上げではなく大幅値上げを主張している人間が当の喫煙者にも多いというのは、自分の意志ではやめられないがここまで値上げをすればやめられるだろうという他力本願的な考えから来るものなのでしょうか。
平素から他人には厳しいことを言っている人間の自己管理というものも問われる問題だなと意地の悪い見方もできそうですが、逆に考えれば自分たちの行っている生活指導というものがどれほど意味あるものだったかがあきらかになったとも言えるわけで、点数を稼ぐために形ばかりの指導でお茶を濁すことのないよう自戒も必要ですよね。

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2011年10月11日 (火)

年金制度 どうせ何をやっても改悪にしかならないのなら

政治絡みでよく言われる報道業界の豆知識として、省庁からの重大発表は週末に行われる(ことが多い)という話があるそうです。
驚くようなニュースに遭遇して「何じゃこりゃ!?」と早速詳しく突っ込もうとしても、省庁の方ではすでに週末で休みに入っているので取材もしようがない、結局先方から出された公式発表をそのまま垂れ流すしかないということになるのだとか。
省庁の方ではなぜそういうことになるのかということについて言い訳のネタはあるようなんですが、実際にこういうものが突然ポンと出てきますと「あれ?何それ困るんですけど」と言いたくもなりますよね。

年金の財源不足穴埋めで国債発行…埋蔵金枯渇(2011年10月9日読売新聞)

 政府は8日、2012年度予算で、基礎年金の国の負担分の財源不足約2兆6000億円を補うため、将来の消費税率の引き上げで返済することを前提とした「つなぎ国債」を発行する方向で調整に入った。

 特別会計の積立金など「埋蔵金」による穴埋めが困難になったためだが、消費税率引き上げが実現しなければ、国の借金がさらに膨らむ

 厚生労働省は12年度予算の概算要求で、国の負担分の費用として10兆6743億円を要求した。このうち8兆円超は消費税などで確保できているが、残る約2兆6000億円は調達のメドが立っていないため財務省と厚労省は12年度の不足額は国債発行で確保し、将来の消費税引き上げで償還する方向で調整を進める。

底をつく埋蔵金、基礎年金の国負担どう捻り出す?(2011年10月10日読売新聞)

 政府が2012年度予算案の編成で、基礎年金の国庫負担の一部を「つなぎ国債」でまかなう方向で調整するのは、これまで活用してきた特別会計の剰余金などの「埋蔵金」が底をつき、借金に頼らざるを得なくなっているためだ。

 ただ、「つなぎ国債」の発行は、消費税の引き上げ法案の取りまとめが前提で、実現に向けたハードルは高い。

 基礎年金の国負担割合は、04年に成立した年金改革関連法で、09年度までに2分の1に引き上げることが決まった。現役世代の負担が重くなり過ぎないようにしながら、年金給付額の減少を避ける狙いだった。

 当時、政府が財源として想定したのが消費税だ。安定した財源の確保には、すべての国民が負担する消費税が適しているとの判断だ。しかし、消費税の引き上げは実現せず、毎年の予算編成で巨額の財源不足が課題となっている。

 09~11年度は、現行の消費税収などによる国の負担は36・5%にとどまり、残りは埋蔵金と呼ばれる財政投融資特別会計の準備金や剰余金などで穴埋めしてきた。しかし、埋蔵金も東日本大震災の復興財源に優先的に充てることになり、12年度予算では当てに出来なくなった。過去には年金の積立金から国が負担金を借りた例もあるが、運用が難しくなるなど問題が多い。

 政府は中期財政フレームで、12年度の新規国債発行額を44兆円以下に抑える方針を掲げており、年金財源として国債を2・6兆円発行すれば、12年度の新規発行額が目標を超過してしまう恐れがある。また、「つなぎ国債」の発行には、反発が強い消費税の引き上げ論議の決着が前提になる。

 政府の新年度の予算案は例年、12月下旬に閣議決定される。政府・与党が予算編成までに消費税の引き上げ時期や増税幅を決定できなければ「つなぎ国債」の発行は12年度予算案に盛り込めない。国の負担をどう捻出するか、正念場を迎える。(経済部 有光裕)

おいおい、また後代の肩にこれ以上の借金を積み重ねるつもりかと言いたくもなりますが、近年の短命内閣が選挙対策として?税率引き上げに同意してこなかったことが諸悪の根源であると言うシナリオだとすれば、もうどうやっても金が足りないと言い出した省庁の側では「さっさと消費税率を引き上げろ」というプレッシャーをかけたいというのが本音なのでしょう。
ここでは消費税率引き上げの是非については踏み込んだ話をするつもりはありませんが、税のシステムを議論するというのは政治家の取り扱うべき仕事であるはずなのに、それを省庁側がこうして実質的な口出しのようなことをしてくるというのもどうかなと感じる話ですよね。
これだけのネタでは不足だと言うつもりなのでしょうか、厚労省の側からは前後してこういう話も飛び出してきていますけれども、こちらの方も考えて見るとずいぶんとひどい「聞いてないよ」という話です。

年金支給開始年齢 引き上げ検討へ(2011年10月9日NHK)

厚生労働省は、年金の支給開始年齢について、急速に進む少子高齢化に対応するには、将来的に68歳から70歳程度へ引き上げることを視野に検討を進める必要があるとして、今週から本格的な議論を始める方針です。

年金の支給開始年齢を巡っては、厚生年金について、男性は2025年度、女性は2030年度までに段階的に65歳まで引き上げ、基礎年金と合わせることがすでに決まっています。これについて、厚生労働省は、急速に進む少子高齢化に対応するには、さらに68歳から70歳程度へ引き上げることを視野に検討を進める必要があるとして、今週から社会保障審議会の部会で本格的な議論を始める方針です。具体的には、引き上げるスケジュールを3年に1歳ずつから2年に1歳ずつに早めて、65歳への引き上げ時期を前倒ししたうえで、基礎年金とともに、68歳から70歳程度へ引き上げる案などを示し、定年制の見直しなど高齢者の雇用対策も含めて慎重に議論を進めることにしています。一方、60歳から64歳で、年金と給料の合計が月額28万円を超えると年金が減額される、「在職老齢年金制度」の現在の仕組みについて、働く意欲を阻害しているという指摘があることから、厚生労働省は、減額の対象となる限度額を、65歳以上と同じ46万円や、平均的な給与水準に合わせた33万円に緩和する案などを示し、検討していくことにしています。

今や日本中が不況だ、就職難だと大騒ぎになっていることは周知の事実ですけれども、高齢者雇用安定法の改正によって65歳までの安定雇用が企業に求められた結果、多くの企業がようやく継続雇用制度導入で対応してきている現状で、さらに70歳まで引き上げろと言うのでは企業の側が追いつけるかどうかです。
ちなみにネット上では10年後には支給開始年齢が75歳になってるだろうとか、いや65歳への引き上げがあっさり決まったことを考えれば10年度頃か5年後には再引き上げだとか様々に言われていますが、この調子ですと果たして死ぬまでに払い込んだ分も取り戻せるのだろうかと不安になってきますよね。
ありがたいことにそのあたりの損得を計算してくださった方がいらっしゃったのでこちらに引用させていただきますが、国民年金を25年払い込んだところでやめるという前提(これもなかなか実際は怪しいところだと思いますが)に立つとおおよその目安としてこういうことになるんだそうです。

国民年金納付額
月 約15,000
年 約180,000

給付基準の25年
  4,500,000

国民年金の平均給付額
   約50,000

男性の平均「寿命」の80歳までの支給額(0歳児換算として今後の寿命の延びをくりこみ)
   約6,000,000

収支
   約△1,500,000

25年間分の保険料を支払うかわりに貯金なり運用なりをしていた場合の利回りなども考えると、年金とはそれなりに長生きをしなければ元は取れない制度になっているのだなと思えてきますが、当然ながら黙っていても誰もが儲かるような制度設計ではそもそも成立するはずがありませんから、これは仕方のないことだと思います。
ただあまりに支給開始が遅くなるということであれば年金の意味がなくなると考える人が増えるでしょうし、仮にそれが「どうせ元が取れないのに、納付なんて馬鹿馬鹿しい」と年金制度からの離脱者多数を招くことにつながってくるのなら制度の前提そのものの破綻であって、年金制度を維持しようとしてかえって根本的な破壊を招くということにもなりかねません。
もういっそ年金支給は100歳以上とかきりのいい数字にしてみるのもいいのではないかというと叱られそうですが、たとえば今でも自治体から祝百歳で金一封が出ますけれども、ついでに「おめでとうございます!あなたは晴れて年金受給の資格を手にすることが出来ました!」なんて言うことになれば話としてはシンプルで判りやすいじゃないですか(苦笑)。
もちろん実際にそんなことになるとは思えませんけれども、年金制度から少し離れて高騰を続ける医療費という別な財政支出の観点から見た場合、例えばお爺ちゃんお婆ちゃんの年金で暮らしているという家族から「何があっても死なせてくれるな!もし死なせたら訴えるからな!」なんて無茶な要求をされた経験を持つ医師など別に珍しくもないはずなのです。
年金にしても医療費にしても一部は国庫から賄われていることに違いはないわけで、しかも医療費の非常に大きな部分を高齢者の治療費に使われているなんて言われると、この辺りの相互に関連しそうな領域はトータルで勘案していかないと一方で何とか支出を削っても別なところで大きく支出が増えた、なんてことにもなりかねないかなという気もしてくるわけです。

この点からすると年金支給による国の支出を減らすために年齢制限を厳しくしていくと言うのであれば、支給開始を遅らせるのとは逆の考え方として支給開始年齢を引き上げずにさっさと支給を開始するかわりにたとえば20年を過ぎれば打ち切るといったように、年金支給年数の上限を決めるというやり方もあるわけですよね。
こう言っては言葉が悪いですけれども、高齢者と言ってもやはり60代くらいでまだまだ現役なみに元気な方々と、とっくに平均寿命を超えられた超高齢者の方々ではご本人やご家族はもちろん社会にとっての意味も異なるわけで、やはり人情としてまだまわ若くて元気の良い方には少しでも手厚い対応をしてあげたいという気持ちがあることは否定出来ないでしょう。
ところが実際には年金制度の設計からは前述のように「長生きをしなければ元は取れない」わけですから、結局のところ長生きすることは唯一絶対の正義であるかのようなことにどうしてもなってしまうわけで、老人医療が年金でまかなえる程度の自己負担で済み、結局入院させておくのが一番儲かるということの弊害が医療現場に大きな影を落としています。

これは老人医療のみならず、たとえば俗に「ナマポ」などと言われる一部の生活保護受給者による不適切な医療リソースの浪費問題などもそうですが、病院に入れば一切の支出なしに公費で食べていける、そしてその間も生保の給付金はもらえるという制度設計によって、「今月はパチンコで使いすぎたからカネが貯まるまでしばらく入院させてくれ」なんてことをまじめに言ってくる人が少なからずいるわけです。
とりわけお年寄りが一番お金を持っているなんて言われるこの時代、それが老後の楽しみに使う趣味のお金であれ、あるいは生活費や介護医療など生きていくのに要するお金であれ、基本的に長年の労働で溜め込んだお金はそのまま抱えていかれるのではなく、生きたお金として使っていただかないことには社会が回らないようになってきていますよね。
そこでたとえばお金を持っている高齢者にはきちんと使っていただく、その代わりに手持ちのお金が尽きた場合には生活保護なり貧困高齢者専用の制度なりできっちり国が面倒を見るという体制を考えると、特に平均寿命を超えたあたりからはどんどん数が減っていくわけですから、それ以上の超高齢者に対する保護は数の多い60代あたりへの支援と比べてさほどに青天井ということにならないはずです。

無論そうした制度のいわば副産物として、こう言っては語弊がありますが今まで単に生きていればお金がもらえるから、あるいは別に家族にとっても負担にはならないからといった理由でただ生かし続けることだけを目的とした濃厚治療を施されてきた超高齢者の方々の、看取り方と言うものを皆が考え直していく契機にもなってくる可能性がありますよね。
日本では国民皆保険制度に加えて高齢者にはほとんど医療費がかからないようになっていて、もちろん社会の功労者に対してきちんと報いるのはひとつの正しい道ではあったと思いますけれども、制度として幾らでもその中で安住できるようになっているからこそ、当事者それぞれが妥当な制度の利用法というものを考えていく義務があるとも言えると思います。
皆保険制度が出来る前には社会的存在としてはすでに活動を終えた高齢者ともなれば、たとえ具合が悪くなっても家族が医者を呼ぶのは息が止まって臨終の確認をしてもらうときだけ、なんてことも珍しくなかったとも言いますが、自然なお産なんてものがこれだけもてはやされる時代であるからこそ、少なくとも時と場合によりけりで自然な看取り方というのもありなんじゃないかということです。
財政難からどうせ制度改悪と言われる方向にしか改めようがないということであれば、せめて回り回ってでも社会に正しい影響をもたらせる方向で改められた方がいいはずですよね。

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2011年10月10日 (月)

今日のぐり:「西の屋 湯郷店」

先日行われた調査によると、人間の意識というものはこういうことになっているようです。

男性の半数は「女性同士の浮気なら許す」ことが判明!/米(2011年8月7日ニコニコニュース)

「ごめん、俺、A子ちゃんと寝ちゃったよ」or「ごめん、俺、B男と寝ちゃったよ」、あなたにとって、どちらの告白がショックですか?

浮気相手が女性というのも、もちろん嫉妬に駆られますが、男性が相手というのも、それはそれで大問題。この先、彼とうまくやっていけるかどうか自信がないという女性が多いのではないでしょうか。

実は、女性とは異なり、男性の場合はパートナーの同性愛に対して意外と寛容であるということが、米国の情報サイト『YourTango』で紹介されています。

■男性はやや半数が恋人の同性愛を許容?

テキサス大学オースティン校は、700名の大学生を対象に、恋人が異性または同性と浮気した場合にどう対応するかという質問を行いました。

男性は、恋人が同性と浮気した場合でも、50%が別れないと回答しましたが、異性との浮気の場合、別れないというのはたった22%でした。

女性は、恋人が異性と浮気した場合、別れないのは28%。同性との浮気なら21%という結果が出ました。

つまり、男性は、恋人の浮気相手が同性のほうが、異性の場合よりも2倍以上も許しやすいのです。一方、女性は、同性でも異性でも許せないけど、やや同性愛のほうが不快に感じるようです。

調査を行ったJaime C. Confer氏は、「男性と女性では、嫉妬がかきたてられるきっかけが異なる。男性の場合は、自分の子孫が残せないという点、女性の場合は見捨てられたという点に脅威を感じる」と述べています。

■同性愛を許容する男性の本心とは?

では、男性はなぜパートナーの同性愛に比較的寛容なのでしょうか?

前述の調査を行った研究者らは、男性の場合、パートナーの同性愛を、浮気相手の女性とも関係を持てる機会と見て、より多くの女性と交わりたいという欲望を満たすのだと述べています。

つまり、恋人が同性愛に走っても許せるのは、「浮気相手ともヤレるかも。あわよくば3人で……」なんて妄想があるからだというのです。

不義を許してくれるというのは嬉しいのですが、彼が内心でそんなこと考えているとすれば、それはそれでショックかも!?

いかがでしたか? 男性と女性とで、浮気に対するとらえ方が異なるというのは興味深いですね。

あなたも一度、彼に「私の浮気相手、男と女だったらどっちがイヤ?」と質問してみるのもおもしろいかもしれません。ただし、実際の浮気は、相手が女性でも男性でも絶対にダメですよ!

いやまあ、実際にそうした理由によるものなのかどうかははっきりしませんけれども、妄想たくましくした結果人に対しても寛容になれるということであれば必ずしも悪いことでもないのでしょうが…
今日は人間心理の根本を見つめ直す機会ということで、およそ人間の性にまつわる話題を取り上げてみたいと思いますけれども、まずは何と評価すべきか微妙なこちらの記事からいってみましょう。

男湯乱入し「裸見られた!」旅館恐喝の17歳少女逮捕/香川(2011年7月12日産経ニュース)

 香川県警高松北署は12日、「旅館の説明が悪く、間違って男湯に入って裸を見られた」と言い掛かりを付け現金を要求、3万円を支払わせたなどとして、恐喝と傷害の疑いで松山市の無職の少女(17)を逮捕した。

 逮捕容疑は、高松市内の旅館で4月14日、現金支払いに応じない旅館専務の腹部を蹴ってけがを負わせた上、「もらうもんもらうまで帰らん」と居座り経営者に3万円を出させた疑い。

 高松北署によると、少女は午前7時ごろ男湯に入り、旅館側の落ち度だと一方的に主張して110番。駆け付けた警察官が仲裁に入り、いったんは旅館を後にした。昼ごろ旅館に戻り、再び現金を要求した。少女は調べに対し「示談交渉や」などと話し、一部容疑を否認している。

いったいこれは何がどうなっているのか理解しがたいという話なんですが、どうも記事の書き方から見る限りではいわゆる当たり屋的な故意犯ということになるのでしょうか、世の中本当にいろんなことが起こるものですよね。
故意にということではこちらの事件などもそうなのでしょうが、犯罪とまでは言わないもののかなり恥ずかしい結果に終わったのは言うまでもありません。

尿道内に電線1.1メートル挿入…抜けなくなり男性が手術=広州/中国(2011年9月15日サーチナ)

 広東省広州市で最近になり、60代男性が自ら尿道内に電線を挿入して、抜けなくなって手術を受けた。電線の長さは1.1メートルあった。性的快感を得ようとしての行為だったという。広州日報が報じた。

 苦しんでいる男性を、親族が病院に運んだ。医師が診察すると、端の部分の約10センチメートルを残し、電線が尿道に挿入されていた。電線は内部でもつれて、抜くことができなくなった。電線の長さは1.1メートルあると分かった。

 医師によると、電線や箸(はし)、クリップなどの異物を尿道など体内に挿入して抜けなくなった患者は男女ともにそれほど珍しくないが、これほどまでに長い異物の例は初めて。「幸いなことに、感染症はなかった」という。

 医師らは、切開手術で男性の体内から電線を取り出した。術後の状態は良好だが、まだしばらく入院しての観察が必要という。

 同男性が尿道内に異物を挿入して手術を受けるのは、これが2回目という。

しかしこれで手術が2回目とはいい歳をして懲りないと言うべきなのでしょうか、人間の性癖というものはまさしく人それぞれなのだなと思わず嘆息するしかありませんね。
同じく風変わりな性癖ということではこちらも相当なものだなと思うのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

女性の足指に執着する50歳前科者、10年後に再び逮捕/米(2011年9月27日ロイター)

[リトルロック(米アーカンソー州) 26日 ロイター] 米アーカンソー州で1990年代に数々の事件を起こして逮捕された「女性の足指に執着する」男(50)が26日、女性2人に近寄ったことをきっかけに再び逮捕された。同州コンウェイ市の警察当局が明らかにした。

 警察の広報担当者によると、男は地元の店で女性2人に近づき、足指を吸っていいか尋ねた。2人は男の顔を認識していたため、逮捕につながった。

 また今月に入り、83歳の女性が自宅前に座っていたところ、ある男が近づいてきて片方の靴を脱がせ、足指を吸い始めたとの通報も警察に寄せられていたという。

 男は1991年、コンビニエンスストアの女性店員に対し、足を切断してその指を吸いたいなどと脅し、4年の禁錮刑を科されたが、1年あまりで出所した。また1999年には、デパートで女性に足のない女性の写真を見せ、足を切断してほしいかと尋ね、逮捕されている。

こちらも再犯というくらいですから当然に習慣化しているということなのでしょうが、しかしここまで犯罪性を帯びてくるとやはり個人の趣味では済まされない話ですよね。
習慣性と言っていいのかどうかは微妙ですが、ここまで来ると単なる偶然を通り越して何やら怖いような…と思うような事件があったようです。

これって赤い糸!?バツ1男性、結婚相談所6社から同じ女性を紹介される―江蘇省鎮江市/中国(2011年6月26日レコードチャイナ)

2011年6月25日、6社の結婚相談所から紹介された女性に会ってみると、すべて同じ女性だった―そんな経験をした男性が江蘇省鎮江市にいるという。揚子晩報が伝えた。

50歳の李さんは離婚歴1回の独身男性。大学生の1人娘がいる。会社を経営し、家も車も所有。再婚相手を探すためいくつかの結婚相談所に登録した。再婚相手に求める条件として「若くて美人で安定した仕事に就いている女性」と記入した。24日夜、鎮江市の喫茶店で結婚相談所から紹介された女性の到着をわくわくしながら待っていた李さん。そこに現れた女性と李さんは目が会うと同時に「なんでまた、あなたなの!?」と叫んでしまった。2人が会うのはこれで6回目だったからだ。

女性は再婚相手に「経済力のある男性」を希望していた。この女性は若くてきれいだったが定職についていない。最初に紹介されたとき、李さんは彼女を「いまいち」と判断して断ったのだが、他の結婚相談所5社も彼女を紹介したのだ。個人情報の管理が厳しい結婚相談所では、登録者の顔写真や名前などは事前に一切知らされず、実際に会って初めて相手のことが分かる仕組みだという。このニュースには約4800件のコメントが寄せられているが、「よっぽど縁があるんだ。結婚しろよ」という趣旨の書き込みがほとんど。

どういう偶然がこうした結果をもたらしたのかははっきりしませんけれども、しかしこうまで繰り返して同じ結果になるというのはお互いに多くの点で条件に合致しているということなのでしょうから、多少のことは妥協してもよさそうに思うのですけれどもね。
妥協を許さない姿勢が時に世の中の平和に結びつくということがあるのだとすれば、これもその一例とみなされるべきなのかと感じられるニュースがこちらです。

男たちの争いを止めた妻たちのスト戦術は…/フィリピン (2011年9月20日CNN)

(CNN) フィリピンンのミンダナオ島で、争いを続ける男たちに業を煮やした女性グループが夫とのセックスを拒否するスト戦術を展開し、7月に争いをやめさせることに成功した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が報告書で明らかにした。

同島のダド村では1970年代から続く分離独立運動の影響で村が荒廃し、現在UNHCRの支援で地域社会の再生を進めている。女性たちはこの一環として縫製プロジェクトに取り組んでいるが、村同士の争いのために主要道が封鎖されて製品が届けられない事態になっていたという。

そこで女性たちは、争いをやめると約束するまで夫婦の営みには応じないと夫に通告する戦術に出た。

UNHCR広報によると、この戦術が奏功してスト開始から数週間で戦闘が止み、主要道が開通したという。女性たちも製品を届けられるようになり、村の経済は再建に向けて動き出した。

UNHCR報道官は「女性たちは夫に戦いをやめてほしいと望み、女の武器を行使してその願いをかなえた」と話している。

女性たちのセックス拒否作戦は今に始まったことではなく、古代ギリシャの時代には女性たちがストを展開してアテネとスパルタの戦争をやめさせたという話が伝わっている。

女の方がよほど大人であったということなのかも知れませんが、結局争いをやめることで双方win-winの関係になってきているというのであれば何の争いだったのかということで、男ってつくづく面倒くさいということでFAでしょうか。
日本でもひと頃政治家の性的スキャンダルが話題になりましたけれども、こちらはさすがにブリの遺伝子を引くだけのことはあるということなのでしょうか。

豪コメディー番組に批判、首相役が官邸で性行為/オーストラリア(2011年9月21日ロイター)

[キャンベラ 20日 ロイター] オーストラリアの国営テレビ局ABCが放送するコメディー番組で、コメディアン演じるジュリア・ギラード首相が官邸の床で国旗をシーツ代わりにして性行為に及ぶシーンを放送し、問題となっている。

 コメディー番組「アット・ホーム・ウイズ・ジュリア(原題)」は、ギラード首相とパートナーのティム・マシーソン氏の私生活を題材にした内容。ギラード首相は番組の風刺に対し静観の構えだが、現役かつ初の女性首相を扱った番組として不適切との批判も多い。

 野党保守党のスポークスマンによると、ある保守党議員は20日に開かれた非公開の連邦議員の会合で番組を批判。「首相が官邸で国旗に包まれて性行為の及ぶなど、もう我慢ができない。気分を悪くさせる内容だ。われわれははっきり(反対の)立場を示すべきだ」と述べた。また別の議員は、番組は首相官邸をおとしめる内容であるとして、ABCに対する公的資金の投入を見直すべきだと語ったという。

 批判に対しABCは、問題のシーンは「非常に穏やかな」ものだったと反論。「われわれが様々な理由で国旗で体を覆うことが許されるのであれば、愛の象徴として首相を国旗で覆うことが許されない理由が分からない」としている。

このセンスは明らかにブリ直系の…と言いたいところですけれども、女性首相のお相手がちゃんとオリジナル準拠で素直に男性であったと言うあたりはまだまだ詰めが甘いなと言う気がしないでもないところですかね。
その点で考えますとこちらなどはブリ文化圏であれば何が問題?と言われていたのかも知れませんけれども、ムスリムの方々は真面目すぎて面白くないと言うべきなのでしょうかね?

タイ女性のはずがニューハーフ 売春婦殴打でイラン人4人逮捕/タイ(2011年10月3日ニュースクリップ)

【タイ】22日未明、タイ東部パタヤ市の警察署に、イラン人の男4人から暴行を受けたとタイ人ニューハーフのAさん(18)が訴え出た。警察は4人を暴行容疑で逮捕し、取り調べを進めている。

 調べによると、Aさんはイラン人のムハンマド容疑者(25)と1回500バーツで売春することに合意し、容疑者が宿泊しているホテル客室に入った。客室には容疑者の親せきの男3人がおり、全員がそれぞれ500バーツAさんと性交することになった。しかし、Aさんがバスルームでシャワーを浴びようとした際に、Aさんが女性でないことが発覚。容疑者らに立ち去るよう言われたAさんが500バーツを要求したところ、容疑者らに殴られた。パタヤデーリーニュースなどが報じた。

ちなみにタイと言えばその筋の方々には超有名なお国柄ですけれども、「幾らなんでも男だろう?!」と感じられた方はまずこちらの記事をご一読いただくことをおすすめします(ちなみに自分にはさっぱりでした…)。
最後にこれは妄想力たくましい世の男性諸氏からすればまことにケシカランと言いたくなるシチュエーション…と言いたいところですが、これがブリ発のニュースであるということを一瞬たりとも忘れてはならないということでしょうか。

夜はストリッパーとして活躍していたセクシー教師/英(2011年9月3日GigaZiNE)

昼は勤勉な教師として知られていた人物が、夜になると肌をあらわにしてストリッパーとして踊っていた……などという筋書きのフィクションがあったとしても大して驚きませんが、これは何と現実の話。教師がひそかに送っていた二重生活が明らかになり、当然ながら学校は大騒ぎになりました。

Benedict Garrett aka porn star Johnny Anglais CAN carry on teaching | Mail Online

ロンドン東部のBeal高校で、社会と健康教育を担当していたBenedict Garrettさん(31)は、Johnny Anglaisという偽名でストリッパーのアルバイトをしていたことについて、Birminghamで行われた教育全体会議の場においてとがめられました。

彼の夜の顔が暴かれてしまったのは、生徒が見たアダルト映画にGarrettさんが出演していたため。その後調査が行われ、確かに映画に出演していたポルノ俳優が、Garrettさんと同一人物であることが確認されました。

Garrettさんは、自身はプロとしてポルノ産業で働いていたわけではないので、副業は違法行為には当たらないと主張しています。また、教職として生徒と向き合ってきた4年間、自身がいかにオープンで敬意を払い、かつ忍耐強く職務に当たってきたかということを説明しました。

ストリッパー・Johnny Anglaisとしての彼のウェブサイト上に書いてあるところによると、彼は映画への出演のほかにもごく私的なナイトパーティーの席で踊り、ストリップをし、また裸の状態で食べ物を提供していたということです。

これが彼のウェブサイト。トップページの写真が次々と変わっていくのですが、どれも見事な肉体をおしげもなく披露したベストショットばかりです。

Welcome
http://www.johnnyanglais.com/

Garrettさんは会議の席で、自分自身の弁護を申し出て、自身がいかに性の問題について生徒にオープンに対応してきたかを強調。学生に「先生、バイブレーターって何なの?」と聞かれた際にも、それを正直に説明したというエピソードなど、熱のこもったスピーチによって、7人の生徒との対話を例示しました。

これらのやりとりが終わった後、処分を決める委員会のチェアマンのDerek Johns氏は、「Garrett君は自らが成人向け産業にかかわっていたことを認めた上で、教師がポルノ映画やストリップ劇場で働くことは不適切だとするべきでないと主張しています。委員会が彼の切実な訴えに心を動かされたのは確かですが、われわれが彼の主張を認めたところで、世間一般の目は厳しいものです。そのため、委員会としては、彼がポルノ産業で働いていたことは、教師としては認めがたいことで、責任が発生するものと判断しました」と語っています。

この件とは別に、Garrettさんは生徒とFacebookを通じてメールなどで連絡を取り合っていたことについても責任を問われました。その内容に後ろめたいことはなかったとのことですが、委員会は「教師は生徒と『友達』になってはならない」として、このことについてもGarrettさんに過失があったとして議題に挙げました。

2件の違反の責任を取る形で、Garrettさんは2008年1月1日から続けてきた教員としての職を、2010年7月16日づけで解雇されてしまったということです。

解雇という扱いが妥当なものかどうかは別として、その美しすぎる肉体を是非ともこの目で見たい!とお考えの方々は元記事及びリンク先のHPをご参照いただければと思います…
しかしまあ…案外こういう教師というのも人気が出るんじゃないかなと思うのですけれども、やはり気になるのは「委員会は「教師は生徒と『友達』になってはならない」として、このことについてもGarrettさんに過失があったとして」云々の部分でしょうかねえ…?

今日のぐり:「西の屋 湯郷店」

こちら西の屋グループさんは岡山県内で多店舗展開する創業40年の老舗で、純和風の店構えで「旅のレストラン」を標榜するドライブイン的な営業をされている和食のお店なんだそうですが、こちら湯郷店さんなどまさしくそうした形態の営業をされているようですよね。
田舎の街道沿いで周囲に大きな駐車場を持つ大容量の飲食店は他にあまりなく、時間帯によっては湯郷温泉などへ向かうらしいバスの団体観光客が凄いことになるようですが、なかなかに風雅な造りで結構本格的な和食も出しているらしい一方で、おみやげや軽食など道の駅的な機能もあるというのは何とも不思議な感じがします。
季節のものを取り入れた日替わり定食的なメニューもあってなかなか悩ましいのですが、今回はこの時期売り出し中だという地鶏シリーズの中から、地鶏の親子丼うどん付きというものを頼んでみました。

一見して大振りに切った鶏の肉が目立つというこの親子丼、確かに肉の味はしっかりしているし全体の味加減もなかなかよく決まっていて、親子丼と言っても定食屋ではなく旅館の味という感じでしょうかね。
この鳥の味メインで考えるのでしたら習慣的に入っているようにも見える玉ねぎはなくてもよかったかなとも思うのですが、しっかりとダシの味も染みていて飯との相性ということでは別に邪魔になるようなものではありませんし、なかなかうまい親子丼だと思いますね。
元をたどれば街道沿いの立ち食いうどんのお店だったそうですからセットで出てくる小うどんなどはどうかなと期待したのですが、見た目は確かに小綺麗に仕立てあるんですが味の方はあくまでオマケレベルといったところで、特にこの腰もなく伸びてしまっているうどんはいかにも昔の鄙びたうどん屋風と言うのでしょうか、今の時代のように休日は讃岐うどんなどを食べ歩くという方々にはあまり向きそうもありません。
これでしたらうどんをつけるよりは親子丼単品で大盛りにでもしたほうが満足度は高そうに思うのですけれども、それでも観光客向けの店として考えると特に味に文句をつけるようなものでもないですし、絶対値としてもそう割高な値付けでもありませんからコストパフォーマンスはまずまずかなと思います。

これだけの席数で団体客が押し寄せてくるという店で接遇面を云々するのも野暮というものですし、食券式でさほど濃厚な対応というものもないんですが、少なくともこの日に関してはフロア担当はちょっとね…という感じだったでしょうか(いくらなんでも客の上からお盆通しちゃいかんでしょう)。
それでも田舎のドライブインと考えればそこそこいける和食系のメニューがいつでも手軽に食べられるのは主要顧客だろう年配の方には嬉しいでしょうし、案外ボリュームもあるようですから休憩がてら立ち寄った若い人にとっても敬遠するほどでもないしで、普通のドライブインで味気なくラーメンやカレーを食べているよりはまだしも季節感のあるこちらの料理をいただいていた方が旅も楽しそうですよね。
これが街中などにある純然たる和食の店として考えると味自体の評価はそれほど高くならないかも知れませんけれども、立ち食いの店から始めて今やここまで大きな商売になっているというのは、ドライブインの食事などと言えばあくまで実用本位でつまらないというイメージが強い中で、敢えてこういうスタイルでやるというアイデアが秀逸だったんじゃないでしょうか。

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2011年10月 9日 (日)

今日のぐり:「朝まで屋台 真備店」

先日はアップルの創業者として有名なスティーブ・ジョブス氏が亡くなり、各方面から哀悼の意が寄せられていることは報道などでご存知だと思います。
アップルは前CEOに関して「世界はスティーブによって、計り知れないほどよくなった」というコメントを発表していますけれども、先日はそのコメントを裏付けるかのようなこんな発表がありました。

過去50年で最も偉大な発明=1位はiPhone、2位はウォークマン―英メディア(2011年10月3日レコードチャイナ)

2011年9月、英ガジェットサイト「T3.com」は「過去50年間で最も偉大な発明トップ10」を発表した。9月30日、新浪網が伝えた。

1位となったのはアップル社の「iPhone」。アップル社は3位に「iPod」、5位に「iPad」と3製品を送り込んでいる。2位に入ったのがソニーの「ウォークマン」となった。「T3.com」は「30年後でも、ソニーのウォークマンはiPod以上の偉大な発明だったと評価されているだろう」とコメントした。

トップ10は以下のとおり。1位:アップル社「iPhone」、2位:ソニー「Walkman」、3位:アップル社「iPod」、4位:マイクロソフト「ウインドウズ」、5位:アップル社「iPad」、6位:Youtube、7位:ソニー「トリニトロン」、8位:スカイプラス、9位:Facebook、10位:VHSレコーダー。(翻訳・編集/KT)

個人的には歴史の中でどちらが革新的だったかと言えばiPhoneよりはウォークマンを推したいとは思うのですけれども、いずれにしてもジョブス氏の手がけた魅力的な各製品が軒並み取り上げられているということは大変なものですよね。
今日は亡くなったジョブス氏の数々の業績に敬意を表して、もしかしたら歴史に残るかも知れないという話題を取り上げてみようかと思いますが、まずは文字通りに「世界新記録」が誕生したというニュースからいってみましょう。

えび狩り“世界新”165匹、秋穂で選手権/山口(2011年8月28日山口新聞)

“クルマエビ養殖発祥の地”として知られる山口市秋穂地域の中道海水浴場で27日、恒例の「えび狩り世界選手権大会」があり、県内外や海外から参加した約1600人がクルマエビのつかみ捕りを楽しんだ。

秋穂観光協会がクルマエビ養殖発祥の地をPRしようと1991年から続けており21回目。浜辺にクルマエビ約1万5千匹を放流し、制限時間40分間に手づかみで捕まえた数を競った。

参加者はスタートの合図で砂浜を猛ダッシュ。波打ち際で足元を飛び跳ねるように逃げるエビを追いかけたり、砂の中に手を突っ込んで潜ったエビを探すなど、家族や会社の仲間らと夢中で捕まえた。

優勝は、初参加で165匹捕まえた北九州市の会社員、山口高広さん(42)。これまで最多だった07年の155匹を10匹上回り新記録となった。山口さんは「足元にたくさんいた。人生で一番うれしい」と金メダルを手に家族で喜んだ。

参加希望者は毎年増加傾向にあり、今回の参加者は応募総数約4万800人の中から抽選で選ばれた。競走倍率約25倍と、今年も狭き門だった。

失礼ながら4万人もの応募者があるというこんなイベントが存在していた事自体を知らなかった不明を恥じるしかありませんけれども、今や1600人がひたすらエビをすくうというのは初代世界チャンピオンとも称される酒井忠次もびっくり仰天しそうですよね。
誰しも一度くらいはやったことがあろうかというものですが、ここまでくるとなかなかの偉業ではないかというのがこちらの記事です。

9段の人間ピラミッド成功 熊本の高校、総勢160人/熊本(2011年10月2日朝日新聞)

 高さ約7メートル、9段もの「人間ピラミッド」が熊本県人吉市の球磨工業高校の体育大会で1日、披露された。柔道場で練習を重ね、約160人で完成させた。

 3年男子の伝統の出し物で、かつては10段に成功したことも。最下段には45人を配置し、掛け声で気合を入れながら1段ずつスピーディーに組み上げた。

 東日本大震災の被災者を元気づけようと、最上段で「球磨工パワー、発信」と声を張り上げた立石祐樹君(17)。「全力で叫んだ。被災地に届いたと思う」

今ひとつ想像力が追いつかない方は記事の写真を御覧頂ければと思いますが、しかしこれは万一崩れでもしてしまうと中の人は相当に…
ワサビという香辛料は唐辛子などとも違う独特の辛さを持っていて、近頃では欧米諸国においても妙なところで注目を集めていたりするようなのですが、そのワサビを巡って先日また輝かしい偉業が達成されました。

わさびで覚醒に成功=5年連続で日本人―イグ・ノーベル賞(2011年9月30日時事ドットコム)

 【ニューヨーク時事】ユーモアがあって考えさせられる独創的な研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」の授賞式が29日、米マサチューセッツ州のハーバード大学で行われ、「わさびのにおい」を使って睡眠中の聴覚障害者らの覚醒に成功した滋賀医科大学の今井眞講師ら研究者7人が「化学賞」を受賞した。日本人の受賞は5年連続。

 今井講師らは、わさびのにおいには睡眠からの覚醒作用があり、特に聴覚障害者に有効であることを臨床実験で実証。火災時に睡眠中の聴覚障害者や耳の遠い高齢者らが逃げ遅れる問題を解決するため、警報音の代わりに「わさびのにおい」を使って知らせる火災報知器の開発に道を開いた。

素晴らしい偉業であることはもちろん疑いようもないのですが、一般的にはユーモアや独創性などの面で必ずしも高い評価を受けているとは言えない日本人がこうした賞を五年連続で受賞するというのも面白いですよね。
今どき映画化決定!?などと言えば何やら安っぽさの代名詞のようにも扱われてしまいがちですが、こちらはそのドラマチックさや規模の壮大さからまさしく映画化決定に値する偉業というべきでしょうか。

妻の病気を機に“思い出”作り、夫婦でハンバーガーチェーン722店舗行脚。/米(2011年8月18日ナリナリドットコム)

米国に、妻の病気をきっかけに“人生の思い出”を残していこうと決めた70代の夫婦がいる。その“思い出”は、2人が50年近くも愛し続けるハンバーガーチェーンの全店舗(722店)制覇の旅。現在、夫妻は米国内の店舗を巡る旅を続けているという。

米地方紙コーパスクリスティ・コーラータイムスによると、この旅を始めたのはテキサス州ロックポートに住む75歳のカール・ヘプナーさんと、73歳の妻キャロルさん。彼らがこよなく愛するハンバーガーチェーン「Whataburger」に出会ったのは、今から48年も前の1963年のことだった。1950年にテキサス州にオープンしたこの店のハンバーガーを初めて口にした2人は、あまりの美味しさに感激。その後、軍の任務で世界中を飛び回った2人は各地でハンバーガーを食べたが、「これよりうまいハンバーガーは世界にない」と思うに至ったほど、「Whataburger」の味の虜になったそうだ。

今では「朝は毎日、昼もほとんど」(米フード情報サイトbites.today.comより)このハンバーガーを口にするというヘプナーさん夫妻。そんな2人に今後の人生を考えさせる出来事が今年初めに起きた。それは、キャロルさんの目に血液のガンが見つかったこと。妻が23日間にわたる放射線治療を行う中で、ヘプナーさんは残された人生の時間に思いを巡らせるようになり、「家で過ごしていくより、ほかに何かをしたい」と、頭に浮かんだのが「Whataburger」の全店舗を巡る旅だった。

実はこのアイデアには伏線がある。昨年8月、行きつけの地元の店舗を訪れたカールさん夫妻は、「Whataburger」が創業60周年を記念して、エッセイコンテストが行われることを知った。そこで夫婦が「なぜ1番のファンなのか」(コーパスクリスティ・コーラータイムス紙より)をレポートにして応募。すると、カールさんの作品が優勝となり、2人には店から1万ドル(約78万円)の賞金が贈られたのだ。

その際に2人はこの内の7,000ドル(約54万円)分について、「7ドル(約540円)のギフトカード1,000枚」での受け取りを求めると、地元警察や消防署、生活困窮者や慈善団体に寄付。店や地元にも大きな感動を呼んだそうだが、さらにカールさんはコンテスト優勝のお返しとして「ほかの『Whataburger』の店舗にも行ったほうがいい」と考えたようだ。そこから、米国内10州に広がるWhataburger全店舗722店を巡る旅の計画が立ち上がった。

第一歩として、まずは地元テキサス州内を車で周り始めた夫妻。「Whataburger」ではコンテストで知られた有名人だけあって、先月末に訪れた225店舗目ではマスコットが2人を出迎え、店側も「ようこそカール、キャロル」と書かれたケーキを用意する歓迎ぶりだったという。

夫妻は全スタッフと握手をすると、メッセージを書いてもらうためのカードを渡し、いつものようにハンバーガーなどを注文。カールさんはレシートとメッセージカードを受け取ると、訪問の記念としてスクラップブックに大事にしまったそうだ。

これまでに7,000食以上を食べても、飽きることなく「Whataburger」のハンバーガーを愛し続けるヘプナーさん夫妻。まだまだゴールまでの道のりは長いが、2人は食べる喜びを噛みしめながら、お互いの大切な思い出作りも目一杯楽しんでいるようだ。

まあ、その…ハンバーガーを7000食以上も食べれば誰でも病気の一つにもなってしまいそうだなどと考えてしまうのはこの場合、野暮と言うものなんでしょうけれどもね…
こちらは正真正銘ギネスも認めた世界記録というものですが、しかしこうしたものに関してもきちんと世界記録というものは存在しているのですね。

34年間ペンキ塗り1.5tの球に、ただの野球ボールが“継続は力”で世界一。/米(2011年9月28日ナリナリドットコム)

9月15日に最新版となる「ギネス・ワールド・レコーズ2012」が発売され、世界に存在するさまざまな記録を見聞きした人も少なくないだろう。日本からは今回、ジャニーズ事務所の総帥・ジャニー喜多川社長が「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物」として認定され注目を集めたが、同時に認定された13頭の犬による大縄跳び53回の記録のように、アイデア次第で誰にもチャンスがあるのがこの記録の魅力だ。そんな1人である米国の男性は、1977年から野球のボールにペンキを塗り重ねて重さ1.5トンにまで成長させ、「世界一のペイントボール」のギネス記録を保持している。

この世界一のボールを作ったのは、米インディアナ州アレクサンドリアで暮らす64歳の男性、マイケル・カーマイケルさん。彼が作り上げたのは、現在「円周179センチ」「重さ1,587キロ」(英紙メトロより)となった、巨大なカボチャのような球だ。今では建物の破壊に使う鉄球のようにしか見えない大きな球の始まりは、もともと「円周22.9センチ」のただの野球用ボール。1977年からひたすらペンキを塗り重ねて成長させ、その作業に34年を費やした結果、世界一と認定される作品を生み出したというわけだ。

カーマイケルさんの公式サイトによると、このアイデアを思い付いたきっかけは、彼が高校生だった1960年代までさかのぼる。高校の野球チームに所属していたカーマイケルさんは夏休みのある日、アルバイトをしていたペンキ屋で友人たちと店の中でキャッチボールを始め、誤ってペンキ缶に当ててボールをペンキまみれにしてしまった。当然、そのときはボールをきれいにしたものの、その様子を見て、ボールにペンキを塗り重ねて大きくしていくアイデアが閃いたという。

それから高校を卒業するまでにさまざまな色のペンキを使い、大きさや円周を記録しながら1,000回塗り重ねたカーマイケルさん。卒業を機にペイントボール作りはいったん終了し、球はその後博物館へ寄贈したという。しかし、やがて大人になって結婚し、息子も生まれて幸せな家庭を築いていた彼は、1977年に新たなペイントボールを作ろうと決意。こうして1977年1月1日、1個の野球ボールを用意したカーマイケルさんは、息子のマイク・ジュニアくんに灰色のペンキを塗ってもらい、新たな一歩を踏み出した。

以来、34年間ペンキを塗り続けたボールは実に2万2,894回も塗り重ねられ、ギネス・ワールド・レコーズ社から「世界一大きなペイントボール」として認定されるまでに成長。ボールにペンキを塗るだけの単純かつ気軽にできる作業だが、まさに“継続は力なり”で世界一の作品を生み出した。

「乾燥した日なら、1日に10回は塗り重ねられる」と、未だボール作りに没頭している日々。ただ、ボールが成長するにつれてペンキもかなりの量が必要になるようで、これまでにペンキ代だけで「数千ドル(1,000ドル=約7万6,000円)使った」という。ちなみに彼のボールには、近隣のみならず世界中からペンキを塗りにやって来るほど有名になっているそうだ。

今のところ終わらせる予定もなく、今後もボールを成長させるつもりとのこと。6人いる孫も興味を示したというこのボールは「たぶん、一家の家宝になるんじゃないかな」と嬉しそうに話すカーマイケルさんがどこまで大きくさせていくのか、楽しみなところだ。

今ひとつイメージの湧かない方は例によって記事の写真を参照頂ければと思いますが、野球のボールがこうなるということがすでに一つの偉業ですよね。
こちらは極めて学術的なテーマですけれども、思いがけないところから思いがけない結果が生まれたという話題です。

ゲーマー、科学の難問を3週間で解明/米(2011年9月23日読売新聞)

 【ワシントン=山田哲朗】10年以上にわたり科学者を悩ませてきたたんぱく質の形を、オンラインゲームの参加者がわずか3週間で解き明かした。

 成果は専門誌の電子版で発表され、貢献したゲーム参加者2チームも論文に名前が載った。

 このオンラインゲームは「フォールドイット(たため)」と呼ばれ、米ワシントン大の研究者が2008年に開発した。複雑に折りたたまれたたんぱく質の立体構造をパズルのように探るソフトで、参加者はパソコン画面で、たんぱく質の素材となるアミノ酸の鎖をいじり回し、効率のいいたたみ方を競い合う。

 同大のデビッド・ベイカー教授らが猿のウイルスの酵素を出題したところ、世界中の参加チームが次々と改良を重ね、安定した三次元モデルを作りあげた。教授らは、このモデルを基に数日のうちに構造を確定した。

人間にしろコンピューターにしろ多数を集約して解きがたいような難問を解くというテーマは古来SFなどでもお約束ですけれども、いよいよネット時代となりそうしたことが現実になってきたということでしょうか、今後の各方面への応用も期待したくなります。
こちらは中国から偉業達成!というニュースですけれども、何しろ中国というだけで思わず眉に唾をつけたくなる(失礼)のは自分だけでしょうか。

滞空時間30秒~!自作UFOの飛行に成功―湖北省武漢市/中国(2011年9月28日レコードチャイナ)

2011年9月26日、自作のUFOで空飛ぶことを夢見るある男が、中国・湖北省武漢市でテストフライトに“成功”した。チャイナフォトプレスの報道。

農業に従事する46歳の舒満勝(シュー・マンション)さんは、幼少時から機械づくりがライフワーク。これまでに2度、自作のUFOを完成させたことがある。1回目は昨年5月。20秒の飛行に成功したが、着地に失敗して負傷してしまう。2回目は今年8月。1カ月をかけての製作を終えるが、マスコミを呼んで行ったテスト飛行は失敗に終わった。

UFOとはいっても実際は円盤型の飛行機器、と言った方が正しい。今回の挑戦では「飛行高度約2メートル、飛行時間約30秒」の“新記録”を達成した。しかし、本格的な飛行を成功させるつもりならば、このロケーションはいかがなものか?少しでもブレたら周囲の何かに激突するのは確実の狭い場所で、テスト飛行は行われた。(翻訳・編集/愛玉)

元記事の写真を見るかぎりでは単にフレームに多数のプロペラを取り付けたものを円形のカバーで覆っただけのように見えるのですが、UFOなるものが実際にこのような仕組みであれば人類としてもエイリアンからの侵略の脅威に怯えずに済みそうですよね。
最後に取り上げますのはこちらブリからの話題ですけれども、期待に違わずブリらしいオチがついて偉業達成!とはならなかったようです。

英慈善団体が「ブラチェーン」の世界記録に挑戦、ブラジャー絡み断念/英(2011年8月3日ロイター)

[ロンドン 1日 ロイター] 英国のチャリティー団体が寄付金集めを目的にブラジャーをつなげて作る「ブラチェーン」の世界記録更新に挑んだものの、途中でブラジャーが絡んでしまい、計画を中止した。

 ウェストミッドランズ州ウースターで行われたこの取り組みでは、ボランティアの参加者が寄付された不要のブラジャー20万枚をつなげて長さ1.6キロ以上のブラチェーンの作成に挑んだ。これまでの世界記録は、オーストラリアで達成されたブラジャー16万6000枚で作られたもの。

 しかし、箱の中に保存されていたブラジャーがお互いに絡み合ってしまい、ブラジャーをつなげる作業に予想以上の時間がかかってしまったという。

 主催グループのラウナ・ウォーカー氏はロイターに対し、「ブラを箱から出してつなげるという作業を過小評価していた。あちこちにブラが散らばっていた」とコメント。9時間にわたって作業を続けた後、中止を決めたと述べた。ただ、世界記録更新に再度取り組む意向を示しており、不要になったブラジャーの寄付を受け付けている。

 今回のイベントは、英国の乳がん啓発団体や家庭内暴力の被害者を支援する団体などが主催した。

いったいこれは何をやっているのかという問いかけはとりあえずNGなのでしょうが、恐るべきはブリのみならず他国においても同様の不逞な企てが行われていたという事実です(もっとも、歴史的経緯から考えて旧宗主国由来の遺伝子が斜め上方向に逸脱していた可能性がありますが)。
こういうことに意味を見出すというのも無粋なのでしょうが、慈善というからには恵まれない人々に手を差し伸べるといった目的で行われているのだとして、「あなた達はブラジャーによって救われたのですよ」なんて言われるのも救われる側からすればありがたいようなありがたくないような微妙なところではないでしょうか。

今日のぐり:「朝まで屋台 真備店」

こちら文字通り深夜営業の屋台系居酒屋チェーン店のようなのですが、サイトによって「朝まで屋」と書いてあったり「朝まで屋台」と書いてあったりして判りにくいとは言え、一応チェーン本部のHPによれば「朝まで屋台」という表記になっているようですので今回こちらで統一させていただきます。
時折通りかかることがある他所にある店舗ではいつやっているのかと思うような店なのですが、こちら真備店では昼はラーメン屋として営業されているということで、今回そちら目的でお邪魔させて頂きました。
看板などを見る限りではラーメンにもそこそこ力を入れているようなのですがやはり本来は飲み屋だなと言う感じで、馬刺しがおすすめなんて渋いんじゃないかと思うのですが(ちなみに昼の時間帯はラーメン系のメニューだけのようです)、面白いなと思ったのは朝までと言いながら実際には朝まではやっていないようなのですね。

今回は一番オーソドックスに醤油ラーメンとギョーザを注文したのですが、見た目はいかにも昔ながらという醤油ラーメンといった風情で、結構店内に入ると豚骨臭が濃厚なんですが、飲んでみる限りではスープのボディは弱いなぁというところでしょうか。
麺は硬めに茹でてあるので何とか恰好はついていますが、トッピングなどの仕上がりも特別感心したものでもなく、全般的に見れば手間もコストもかけないで仕上げた飲み屋のサイドメニュー的ラーメンと言う感じが拭えません。
一応こちらでは醤油の他に塩や味噌も用意されているようなのですが、このスープが共通になるということもあってどっちもどっちといったところで、強いて言えば飲み屋に時々あるようなやたらに塩分の濃いラーメンにしなかったのはいいかなと言うところでしょうか。
ギョーザの方は居酒屋などでも定番のメニューということで羽根つきの一見本格的な感じのものなんですが、食べて見ると皮の腰が全くなくなっているのはご愛敬として、ラーメンよりはまだしもこちらの方が食べる価値があるという気がしますかね。

おしぼりが冷たいというのはまだ日中の暑さが残る時期だからということなのでしょうが、一方で換気の悪そうな場所で大火力を使っているせいか店内は妙に蒸し暑いというのも確かで、正直この環境で長居するのはちょっと勘弁したいなあという気がしました。
従業員などを見るとあるいは家族経営?とも思うような雰囲気なのですが、夜の疲れが残っているのか全般的に元気がないなあと感じるのは居酒屋としてどうかですし、味は好みの問題としておくとしても正直ラーメン屋を名乗るには手際が悪すぎるという印象も拭えず、味の問題も含めてラーメンの方ではあまり熱心にやっているようにも感じられませんでした。
こういう状況では他にお客の入る様子もなさそうなのは仕方がないかなとも思うし、現状ですと体力をすり減らし余計なコストを使ってまで昼の営業を続けるほどの値打ちがあるのかどうかですが、そのあたりは本部との契約内容などとも関わってくるということなのでしょうか?

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2011年10月 8日 (土)

鯨の季節が本格化してきました

先日は台風被害に見舞われた和歌山で、こんなありがたい話があったということです。

トルコから和歌山へ 121年分の恩返し/和歌山(2011年9月18日日刊スポーツ)

 121年前の恩返しが、和歌山県の復興を後押しする。1890年(明23)に同県串本町沖でトルコ船「エルトゥールル」が沈没し、地元住民に救助されて以来、トルコは日本との友好関係を継続。台風12号による紀伊半島豪雨を受け、都内のトルコ寺院を救援物資の集積所として提供している。トルコ大使館は、今後の人的・物的支援を予定。東京・六本木のトルコ料理店は、和歌山県内の被災地で出店する意向を示すなど、支援の輪が広がり始めている

 トルコ寺院「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」の地下室には、下着や衣類、紙オムツ、即席ラーメンが入った段ボールが積まれていた。台風12号の被災地は、個人からの少量の支援物資を受け付けていないため、全国からの小口荷物をいったん、同寺院に集積。大口荷物にして、第1便の4トントラックを13日に和歌山県庁に送った。

 20日にも第2便が和歌山に向かう予定。支援活動の担当者は「トルコと縁の深い串本町は、比較的被害が少ないため、和歌山県庁で状況に応じた配分をしてもらうつもり」と話した。

 トルコと日本の絆は、121年もつながっている。初のトルコ使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号は、1890年6月に横浜港に到着。同9月にトルコに向かって出港したが、台風による荒天で和歌山県串本町沖の紀伊大島で座礁、沈没。乗組員約600人が死亡する大惨事になったが、島民の献身的な活動で約70人を救助。手厚く看護し、日本の船でトルコへ送った。トルコはこの恩義を忘れず、今回の紀伊半島豪雨でも、串本町を含めた和歌山県の支援に乗りだした。

 トルコ大使館文化広報参事官室の大森正光氏(33)は「困った時に助け合うのが、真の友。トルコも自然災害が多く、共感する気持ちがある。今後は物資だけでなく、人的支援も含めて継続的に和歌山県をサポートしたい」と話した。1985年(昭60)のイラン・イラク戦争では、トルコ政府が日本人救出のための特別機を飛ばし、イランからトルコへの脱出をアシスト。99年のトルコ北西部地震では、日本がいち早く救援隊を送るなど、相互救助の歴史を積み重ねている

 東京・六本木のトルコ料理店「デニズ」は、要請があれば、被災地で出店する意向を持っている。店員のトルコ人カヤ・ハリルさん(34)は「出店でも何でも、力になれることがあれば手伝いたい。トルコ料理はおいしいし、日本人の口に合うと思う」と話し、地元の肉料理「ケバブ」を勧めた。両国の相思相愛の関係は、復興支援という具体的な形になろうとしている。【柴田寛人】

ご存知のように遠いトルコという国に親日感情が根強い背景には記事にあるエルトゥール号事故の救助に加えて、長年その脅威にさらされてきた大国ロシアを日本が打ち破ったからだとも言われますけれども、何にしろ遠いところからわざわざ支援頂けるというのはありがたいことです。
その一方で和歌山と言えば以前にもお伝えしているように反捕鯨団体の活動が活発化し現地警察なども厳重な警戒態勢を敷いていることが報道されていますが、その和歌山でついに「他人が困っている時にはさらに叩く」という彼らの本性がむき出しになってきているようですね。

「殺す」…クジラ漁の太地町漁協に脅迫状 刃物で「首」切断/和歌山(2011年9月17日産経ニュース)

 鯨類追い込み漁が行われている和歌山県太地町漁協に、反捕鯨団体によるとみられる脅迫状が届いていたことが17日、関係者への取材で分かった。脅迫状には「殺す」などと書かれており、届けを受けた和歌山県警新宮署が脅迫事件として捜査している。

 脅迫状は14日に届き、消印は香港となっていた。封書の中にはA4判の紙が2枚あり、日本語と英語で「殺す」と書かれ、インターネットなどの画面を撮影したとみられる写真も同封。写っている漁協職員の首の部分が鋭利な刃物で切られていた

 漁協職員からは「気味が悪くて、不愉快だ」という声が出ており、同署が周辺への警戒を強めている。

この脅迫事件に関しては産経の佐々木記者が詳しく取り上げているので参照いただければと思いますが、日本語が含まれているものの翻訳されたような不自然な文体で香港の消印であったということで、香港と言えば佐々木記者も言及しているように今年8月にテロ組織シー・シェパード(SS)メンバーが美食展に乱入、日本のマグロ業者の妨害をするという事件があったことを思い出さずにはいられません。
この時活躍?したGary Stokesなる輩は例の「鯨戦争」にも出演したほどで彼らの中核メンバーの一人と思われますが、この手合いのおよそ文明人とは考えがたい振る舞いぶりは今に始まったことではないわけで、日本においても数々の文明諸国と同様にこうした行為は犯罪として摘発されるものであるという社会常識を学ぶにはいささかなりとも良い機会になるのかも知れません。
以前にもSSのワトソン代表が今回の震災に関連して数々の暴言を吐いたことが知られていますけれども、今回の台風被害に関しても同代表がどのような暴言を吐いているかということをご存知テキサス親父の怒りのコメントから紹介してみましょう(ちなみに親父の言及しているリンクに関してはこちら元動画からご参照ください)。

【参考】字幕【テキサス親父】日本の災害を嘲笑・冒涜する悪党シー・シェパード

和歌山県は太地町ではすでに9月1日からイルカ漁が解禁になっており、今後さらに一層彼らの妨害活動が活発化するとも考えられる一方で、何しろ肝心なところでは腰抜けとも言われるワトソン代表一派のことですから、警察などが厳重な警戒態勢を敷く同地で今までのような無法は行えないのでは?という見方もあるようです。
ただワトソン代表が今後も全世界のスポンサーからさらなる資金を引き出してますます肥え太っていくためには、いずれにしても今までよりもさらに過激に絵になる活動を行っていくしかないはずですから、太地でなければどこかで別なターゲットを見出していくというだけのことですが、ちょうど良い具合に彼らの新たなターゲットが出てきたようです。

農相、調査捕鯨を今冬も継続表明 監視船派遣し、安全強化(2011年10月4日47ニュース)

 鹿野道彦農相は4日の閣議後の記者会見で、反捕鯨団体の妨害が激化している南極海での調査捕鯨について、今冬も継続する方針を表明。南極海での調査捕鯨は今年2月、反捕鯨団体「シー・シェパード」の妨害行為で中止に追い込まれており、水産庁が監視船を派遣して安全対策を強化する。調査捕鯨に監視船を派遣するのは初めて。

 鹿野農相は商業捕鯨を再開するためには、調査捕鯨の継続が不可欠と指摘。反捕鯨国から批判もあるが「わが国の考え方を主張していきたい」と述べた。安全対策では農林水産省が海上保安庁に巡視船の派遣を要請していたが、海保側は難色を示していた

シー・シェパード、今季も日本調査捕鯨を妨害へ(2011年10月4日読売新聞)

 【ジャカルタ=梁田真樹子】反捕鯨団体「シー・シェパード」オーストラリア事務所の広報担当者は4日、本紙の取材に対し、南極海での日本の調査捕鯨船団に対する妨害活動を今季も行う方針を改めて表明

3隻から成る船団を組み、活動家総勢100人を派遣するなどと説明した。シー・シェパードは昨季も発煙筒を投げつけるなどの激しい妨害活動を行い、日本の船団は安全確保のため予定より1か月早く調査捕鯨活動を打ち切っていた。

豪・NZ両政府、日本の調査捕鯨継続を非難(2011年10月6日読売新聞)

 【ジャカルタ支局】ニュージーランドのマカリー外相は5日、日本政府が調査捕鯨継続を表明したことについて、「ニュージーランドやオーストラリアの国民の強い懸念をまったく尊重していない」と非難した。

 調査捕鯨の科学的データ収集の目的についても「非常に疑わしい」と疑念を示した。

 豪政府は4日、日本の調査捕鯨継続についてラッド外相、バーク環境相、マクレランド法相の連名で非難声明を出し、「あらゆる商業捕鯨に反対する」とした上で、「外交的に解決できない場合は法的措置を追及する」と表明、国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)での決着を目指す方針を示した。

このあたりの各方面の反応はもはやお約束的な様式美の世界ですけれども、テロ組織の体制がすでにこうして明らかになっているわけですから、少なくともそれに対してきちんと対処出来るレベルの体制は整えて出かけて行かないことにはまた昨年と同じようなことになりかねず、今回海保派遣は実現しなかったとは言え水産庁の監視船が同行するというのは良いことだと思います。
ちなみに水産庁最大の監視船である東光丸などは海保のヘリ巡にも相当するような立派な大型船で、長年違法操業と戦ってきた水産庁にしても荒事には慣れているのかも知れませんが、こうした場合の対処する主体として水産庁が果たして妥当なのかどうかは法整備などの問題も含めてなお検討を要する課題ではないかという気がします。
こうした日本側の動きに対するSS側の対応は例によって佐々木記者が調べてくださっているようですのでご参照いただきたいと思いますが、彼らにしても昨年よりもなお一層の戦力増強を図っているということがうかがわれる部分を抜粋させていただきましょう。

【シーシェパード宣戦布告】作戦名は「カミカゼ」 3隻の抗議船で妨害へ 太地と2面作戦展開 (2011年10月6日佐々木記者ブログ)より抜粋

(略)
去年と彼らの〝戦力〟は一緒のように見えますが、実はこの夏、大きな増強を図っています

 さまざまな理由から、この場ではすべてをお伝えすることはできませんが、その一つを紹介します。

 シー・シェパードはいま、昨期まで日本船を攻撃するためにもちいていた高速ゴムボートを売りに出しています。

http://www.seashepherd.org/uk/uk.html

 このゴムボートは船外機もついていたり、通信機器も充実させていましたから、おそらく一隻数百万円クラスの代物だと思われます。

 SSは古くなって高速ゴムボートを売りに出して、新しいゴムボートを使って、日本船への攻撃に使おうとしているのです。

 この夏、ドック入りさせたボブ・バーカー号にも彼らは改造を施しています

 和歌山県太地町には、シー・シェパードのメンバーも張り付いています。日本に常駐させることで、南極海調査捕鯨にまつわる情報収集も活発化させていくことでしょう。

 この冬、シー・シェパードは日本国内と南極海での2面作戦で、団体をPRし、寄付を集めようとしています

ま、無駄に肥え太って金満なSSのことですから今さらこの程度の出費は屁でもないということなのでしょうが、昨季と比べても戦力的には増強されてくるということが明らかであるわけですから、少なくとも昨季の攻撃にプラスアルファのレベルに対処できるものでなければまたも同じことの繰り返しという結果にもなりかねないでしょうね。
仮に連年それなりに成果を上げてしまうということになれば彼らテロ組織が今後思いがけない力を得てしまうことにもなりませんから、日本としても国際社会に対する責任上もきちんとした対応をとっていくことは義務であるとも言えるのではないでしょうか。
まだ本決定と言うわけでもなく今後も政府や関係省庁の間で話し合いが行われていくのでしょうが、テロ対策の実が上げられるだけの対策が取られるということもさることながら、テロにより船団など関係者に万一の被害や事故もないことを祈りたいところですね。

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2011年10月 7日 (金)

医者だって人間ですから、意味もなく苦労したいとは思いません

先日日経メディカルに神経内科医の小鷹昌明氏が医学教育に関する一文を寄せていて、その中にこんな文章があることに思わず笑ってしまいました。

「医学教育」再考論(前編)医学部で教えるべきは、現場の不条理さ(2011年9月28日日経メディカル)より抜粋

(略)
 多くの医師を見ていて感じることだが、「成績が良いから医学部へ来た」という、強い動機なき進学の方が、実はそれほど深刻な問題にならない。 そういう人たちは医師という仕事にあまり先入観がないので、真っさらな気持ちで、入学後に刷り込まれた慈悲の精神や信頼される喜びといった価値観がそのまま定着して、良心的な医師になる場合が多い。

 私の友人にも、弁当屋や農家の息子で「何となくやりがいがありそうだから医者になった」という者がいて、救命救急や小児科などの激務の現場に身を投じて働いている。彼らは、医師があまり恵まれた仕事ではないことに多少のギャップを覚えたかもしれないが、先入観がないだけに、早々と「医者なんて、こんなもんか」という気持ちに切り替えられたのだと思う。

 問題なのは、中途半端に親戚に医師がいたり、安定した収入を期待して親の勧めで医師になったりした人のほうだと感じる。役人の子息などに多いと言っては極端かもしれないが、「使える免許を取って、あとは楽にリッチに生活する」ことを夢見ていた人は、いざ就職すると、あまりの忙しさに「話が違う、こんなはずでは…」となりがちで、明らかに現実とのギャップの切り替えに失敗したケースを散見する。
(略)

あらら、言っちゃったよこの人はという話なんですが、世間では昔から医学部が難関であるとされていることに関して「試験の点数ではなく医療に対する熱意や情熱の有無の方が問われるべきではないか?」と否定的な意見が散見されましたが、医学教育と言うものを知る多くの人間が首肯するだろう事に「何も考えずただひたすら受験戦争を戦い抜いて入学してきたような連中が一番使える」という一面の真実があります。
逆にいえば「医療に対する熱意や情熱」に満ちあふれて医学部に入ってきたはずの社会人入学者などがほぼ例外なく医師としては厳しい環境には耐えられなかったり、ドロップアウトしていったりという現実があるわけですが、それはもちろん世の中がどのように回っているかということを知っていれば今どき奴隷労働になど我慢出来るはずもないですよね。
つまりは世間知らずの純粋な人間ほど洗脳はしやすいということなんですが、しかし小鷹氏の記事の後編などを拝見していると日本の医学教育というものは戦前の士官教育に通じるようなところがあって、果たしてこのままでよいのかと考えると、むしろ社会人入学者などの持っている健全な常識を一つの目安として、医療の世界にも世間並みの常識が通用するように図っていくことこそ求められているのかも知れません。
そうした観点からすると近年多忙な現場で深刻な医師不足が叫ばれる一方でドロップアウト先が順調に埋まっているという現状は、一昔前の「基幹病院で奴隷奉公することこそ医者の本望!」なんて考えが必ずしも通用しなくなり、薄給激務の職場よりも楽して高い収入を得られる職場の方に人気が集まるという当たり前の常識がようやく医療の世界にも根付いてきた証拠と言えそうですよね。

全国の医師数、2%増 最多は高知で格差2倍(2011年10月4日47ニュース)

 昨年10月時点の全国の医師数は19万5368人(常勤換算)で、前年より2・2%増加したことが4日、厚生労働省のまとめで分かった。厚労省は「医師確保策が反映された」と分析。人口10万人当たりの人数は、最も多い高知県と少ない埼玉県で2倍以上の格差があった。

 人口10万人当たりの医師数は全国平均で152・6人。多かったのは高知(221・6)に次いで徳島(204・7)、福岡(194・7)の順。少ないのは埼玉(105・6)、千葉(118・2)、三重(118・6)。

 一方、「小児科」を掲げる病院は全国で前年比45施設減、「産婦人科」「産科」を掲げる病院は42施設減で、いずれも17年連続減

「小児科」「産婦人科・産科」病院が17年連続減 厚労省調査(2011年10月4日産経ニュース)

 「小児科」「産婦人科・産科」の病院が全国で17年連続で減少したことが、厚生労働省が4日に発表した調査で分かった。

 昨年10月1日時点で、全国で「小児科」を掲げる病院は前年比45施設減の2808施設、「産婦人科」または「産科」を掲げる病院は同42施設減の1432施設だった。

 厚労省は「夜間や休日に患者が集中するなどの厳しい就業環境や、訴訟リスクに対する懸念などが、施設減という結果に表れている」と分析している。病院全体でみると前年比69施設減の8670施設だった。

 一方、全国の病院に勤務する医師(常勤換算)は前年比2・2%増の19万5368人だった。人口10万人当たりの勤務医数は全国平均152・6人で、前年の149・9人から2・7人増。厚労省は「医師確保策が反映された」としている。ただ勤務医数は年々増加傾向にあるものの、医師不足・偏在は依然、深刻な状態にあるとみられる。

実際の調査の元データはこちら厚労相のHPから御覧頂きたいと思いますが、よく言われるように「少子化なんだから産科も小児科も減って当然では?」という意見も一見すると正論のようにも思えるものの、そうした説が成立する大前提として医療に要するリソースが昔と同じであるということが必要であるはずですよね。
例えば内科外科の領域でも昔なら治りませんで終わっていた病気が多大な人手と時間、そしてコストを投入することで治らないまでもある程度長期的にコントロール出来るようになったという事例には事欠きませんが、産科領域においても妊婦の高齢化によりお産自体が極めてハイリスク化している一方で、産科医の高齢化、女医の増加が進んで昔ほど力業が利かなくなっている現状があります。
小児科にしても20世紀前半からみて周産期死亡率が実に1/100にも激減したということは、裏を返せば昔のように子供は簡単に死んで当たり前、何とか死なずに成長したら皆でお祝いをするという時代ではなく死んだら医療ミスだと言われるとなれば、それだけの結果がもたらされるだけの医療リソースを否応なしに投入しなければならなくなったという意味でもあるわけです。
単に激務が約束されているのみならず様々なリスクが極めて高い、そしてその見返りとして別に特別のものがあるわけでもないとなれば、自分がこれから医者稼業で食っていこうかと考えた時にわざわざそんな見るからにヤバそうな領域に進みたがるのはよほどの精神的変○者じゃないかと考えたくもなりますよね。

現象面の背後にこういう事情があるとなればその解消を図っていかないことには何ら事態は好転しないだろうと想像がつくはずですが、大まかに激務を解消できるか、激務に見合った待遇を用意できるか、そして数々のリスクに対してどうするかといった辺りが主要な対策ということになりそうです。
激務の解消ということになると例えば産科領域ではかねて助産師の活用ということが言われているし、小児科領域では受診に至る前の電話相談などの拡充が叫ばれているところですが、どんな対策であれ注目頂きたいのはこれらの対策はそれまでのベテラン産科医に診て貰うだとか、いつでも気兼ねなく小児科医にかかれるといった状況と比べると、顧客の側からするとサービスの低下に他ならないことです。
例えば他の業種で言えば「忙しくてコックが足りないので、今日から簡単なお料理は皿洗いが担当させていただきますね」なんてことを言われて納得できるかと言われれば、結局のところ医療とは単なる商売ではなく(少なくとも一面では)公共サービスや社会資本の類であることを顧客たる国民の側が理解出来るかどうかにかかっていると言うことでしょうね。
そして昨今話題のモンスター問題などにも共通するところが多々ありそうですが、医療崩壊が叫ばれる状況においては「オレはお客なんだから何をやっても許されるんだ」という妙な勘違いを一人一人の顧客が捨て去ったとき、初めて社会としても真っ当な医療を手に入れられるようにもなるのだということを承知してもらわなければならないでしょう。

報酬については産科や小児科に限らず、診療報酬のたびに激務に配慮してコンマ○パーセント引き上げましたなんて恩着せがましいことを言いますけれども、激務にさらされている基幹病院勤務医にとっては診療報酬が上げられようが病院の収入が多少なりとも増えるだけで、別に自分の懐が温かくなるわけでもないのですからありがたくもなんともないわけです。
この問題を何とかするためには日医などが強固に反対する(笑)ドクターフィー導入などスタッフに対する直接的な報酬導入が言われますが、個人的には時間外軽症受診には割増料金を取るところまで行っているのであれば、その割増料金の部分に関しては実際に働いた現場スタッフで山分けするくらいのことはしてもいいんじゃないかという気がします。
ともかくも産科小児科に限らず、今の医療現場は働いた分が真っ当に報酬という形で帰ってこない、むしろ真面目に働いた結果疲労困憊しミスを犯したり、うっかり地雷を踏んで訴訟リスクを引き当てたりすることを考えれば「働いたら負け」という考えが正解になってしまうという現状を何とかしないことには、誰も労基法違反を犯してまで他人のために汗水垂らして苦労しようとは思わないのも当然ですよね。
個々の医者によって「もうちょっと給料上げてくれたらがんばれる」だとか「いや給料はいいから、少しでも仕事を減らしてくれ」だとか求めるものは違うと思いますから、職場の管理者にとってはこうした現場スタッフの多様な価値観をどう実現し士気向上に結びつけていけるかという手腕が問われるところだと思いますし、「先生方もっと業績を」なんて単に尻を叩くだけのやり方が通用する時代でもないということでしょう。

そして特に産科小児科領域でしばしば問題視されやすいのが訴訟リスクやモンスター(クレーマー)顧客の問題ですが、何しろ子供が少なくなっているだけに昔よりも一人一人の子供に対する周囲の注目度が高まるのは仕方のないところで、このあたりは「子供はかわいいけど親はとにかくムカツク!」と言う先生方が多いのも当然ではありますよね。
その意味では特にこの領域で医療に対する期待値と、それを裏切られたと感じた時の批判が高まるのは仕方がない部分もあるのでしょうが、期待するなり批判するなりにしても正しく問題の所在を理解した上で行われる批判と、なんでもかんでも目についたところにとりあえず噛みついとけという批判とでは意味が全く違うのは当然でしょう。
狭く曲がりくねった霧の山道を猛スピードで走っている車に対して「曲がり角では必ずクラクションを鳴らしましょうね」なんて指導しても間違ってはいないにしても明らかにピント外れなのと同じことで、なぜそんな危険な行為をしているのか、そうしなければならない理由があるのならそちらを解消するために何をどうすべきかを考えないことには、問題の本質的な解決には何ら結びつかないということです。
その意味では何が一番大きなリスク要因になっているのかということも理解しないまま、ただ何とかの一つ覚えのように同じ事だけを叫び続けるような人間は医療安全にも、そしてリスク増加の根本原因である医療の置かれた危機的状況の改善にも結びつかないことは明らかなのですから、そんな人間を「とりあえずうるさい奴には適当な椅子でもあてがっとけ」とばかりに責任ある地位に就けている側の見識も大いに問われそうですよね。

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2011年10月 6日 (木)

最近の流行りはモンスター、であるようです

マスコミの医療報道にもときどきの流行があって、例えば一昔前にマスコミに批判されて話題になった過剰医療だ、スパゲッティシンドロームだという話は今や全く聞かれなくなり、ひと頃はあれだけ喧伝された救急たらい回しと言っても「今どき何言ってるの」とニュース性がないせいか取り上げられる機会が激減しています。
では近頃では何が一番ニュース性があるかと言えば、どうも医療を利用する患者側のモラル低下問題であるようですね。

背中かゆい・便出ない…安易な救急車利用続々/神奈川(2011年9月27日読売新聞)

 「背中がかゆい」「病院に行くタクシーがつかまらない」――。

不適切な救急車利用とみられる119番通報に横浜市が頭を悩ませている。

 市内の救急車利用は8月末時点で約11万274件と、昨年同期比で5444件増え、過去最多を記録する勢い。市消防局は「適切な利用を」と呼びかけている。

 同局救急課が、救急車を呼ぶのにふさわしくなかったとみられる軽症事例を調べたところ、「背中がかゆいが自分で薬を塗れない」(70歳代男性)、「1週間、便が出ない」(50歳代男性)、「指のささくれをいじっていたら腫れた」(20歳代男性)などがあった。

 また、「診療所が混んでいて、待合室にいると病気がうつる」「今日入院予定だから」など、救急車をタクシー代わりに利用しようとする事例も報告されている。「けがをしている。とにかく早く来てくれ」などと状態を具体的に伝えずに、119番で救急出動を要請することも多く、「程度が分からないため、とりあえず出動してみる」(救急課)のが実情という。

 救急車をタクシー代わりに使うなどの不適切な利用は2004年頃から、社会問題化。全国各地の消防本部が広報で安易な利用を控えるよう呼びかけてきた。

 その効果もあり、横浜市でも16万2536件と最多を記録した05年以降、救急出動の件数は減少。08年には14万6145件と大幅に減った。ところが、09年には再度増加に転じ、その後も増え続けている。

 救急課によると、6月末までの搬送人員は7万286人。うち軽症は3万7845人と53・8%を占めた。担当者は「軽症でも深刻な事態の前兆ということはあるので、119番して悪いわけではない」とした上で、「本当に救急車を必要とする人のところへ救急車を向かわせるためにも、緊急性のない利用は控えてほしい」と訴える。

 横浜市救急医療情報センター(045・201・1199)では、夜間や休日に診療している病院を24時間紹介している。

救急車などは一刻を争うという緊急性のある場合に用いるべき社会資本であって、不要不急の人間がタクシー代わりに便利使いするなどもってのほかであることは言うまでもありませんが、そのもってのほかという行為を規制する何らかのルールなりシステムなりが存在しないということがこの種の不正利用による「使い得」を助長しているということでしょう。
そうなると結局一番不利益を被るのは本当に救急車が必要な重傷者という「弱者」なのですから、不要不急の救急車を防ぐためにも有料化するなり、時間外救急のように軽症者には何らかの加算料金なりをとるべきだという意見が出るのも当然ではあるのですが、今日の本題から外れるのでここでは深入りしません。
さて、最近だけでもあちらこちらからこの種の利用モラル低下を示すニュースが相次いでいるのですが、いわゆるコンビニ受診などと言われる安易な救急利用有り、果ては言語道断の暴力行為もありとバラエティに富んでいるなあと思う一方、現場の人間にすれば「こんな話は昔からの事なのに何故今さら取り上げる?」と思うところも多々あるのではないでしょうか?

モンスター患者「ゴルフに行くから朝7時から診療してくれ」(2011年9月13日NEWSポストセブン)

 京都の病院では看護助手が入院患者の爪をはがすというショッキングな事件が起きたが、一方で、昨今ではモンスター患者も“事件”の主役になっている

“ゴルフに行くから、朝7時から診療してくれ”という患者がいた」(東京都内の医師)

予約も取らずに診療に来て“院長か部長を出せ! 手を抜いているのか”と文句をいい続ける患者がいる」(埼玉県内の看護師)

 患者が看護師を家政婦のように扱ったり、医師に殴りかかったりするシーンは日常茶飯事となっているそうだ。

 東京都内の歯科病院に勤める歯科医・F男さん(45)が嘆く。

「50代の男性患者さんだったんですが、3回ほど通院された後、“まだ治らないのか! 金を返せ”と怒鳴り込んできた。二言目には“医療ミスで訴えるぞ!”“医師会に抗議するぞ!”と脅迫する。きっと病院からなら、お金がふんだくれると考えていたのでしょう。こちらも折れず、2時間ぐらい懇々と説明すると、“もうここには通わない! ○○病院に行くから紹介状を書け”といいはじめました。もう来てほしくなかったので喜んで書きましたが、その後のことは知りません…」

【富山】 「コンビニ受診」にあえぐ救急医療(2011年9月5日朝日新聞)

■ 軽症でも救急外来へ/県「安易な利用やめて」 ■

 コンビニエンスストアを利用するように、気軽に休日や夜間に救急医療機関にかかるケースが県内で目立っている。業界では「コンビニ受診」という。急患のはずが多くは入院を必要としない軽症患者で、救急医療現場の負担を増やす原因となっているという。

 「深爪をしてしまって血が出た」「とげが刺さって抜けない」……。

 夜間や休日に救急医療機関に駆け込む、身勝手な「急患」の症状はおおむねこの程度だという。さらに「平日の日中だと仕事で来られない」「夜間だと日中より待ち時間が短い」という理由で訪れる患者もいる。いずれも入院の必要がない軽症患者で、「何のための救急医療なのか」と医療関係者のため息は深い。

 「救命救急センター」は本来、急性心筋梗塞(こう・そく)や脳卒中など、生命に危険が及ぶような患者を受け入れる地域医療の「最後のとりで」と言われる。県内では県立中央病院と厚生連高岡病院の2病院だ。

■ 7割は入院不要 ■

 県医務課によると、昨年度に、この2病院を訪れた患者は2万1324人で、うち、約7割にあたる1万5023人は入院の必要はなかった。ここ数年、不要不急とみられる患者数は同程度に推移しているとされる。

 決して身勝手な理由ばかりではないが、このような状況が続けば、医師の負担は増えてしまい、心配されている「勤務医離れ」が加速しかねない。また、本当に救急医療が必要な重症患者が、適切な治療を受けられなくなる恐れもある。

 実態を重くみる県は、9月9日の「救急の日」に併せて実施される救急医療週間(4~10日)の間、人出の多いJRの富山、高岡両駅に広告を出し、安易な利用を戒める。なるべく通常診察時間内に受診する▽夜間・休日などは、「当番医」を利用する▽安易に救急車を呼ばない――などを呼びかけている。

■ 小児電話相談も ■

 また、子どもが急に熱を出したりケガをしたりした場合には、医療機関にかかる前に、看護師や小児科医に電話で相談できる「#8000」(県小児救急電話相談、午後7時から翌朝9時まで)もある。

 男性勤務医の一人は「大人の身勝手な救急の受診はもってのほか。現場が疲弊している」と嘆く。「子どもが急病になると、焦ってしまうのは親心。だけど、まず一呼吸おいて『本当に必要か』と考えてほしい」と訴えている。

<調査>看護学生の6割が、患者からの暴力を経験(2011年8月22日毎日新聞)

 看護学生が実習中に患者から受けた暴力の実態を、筑波大の江守陽子教授(看護科学)らの研究チームが調査した。学生の6割が暴力を受け、うち性的暴力が精神的暴力と並んで4割を超えていた。日本看護協会の調査では看護職員への暴力は約3割とされ、学生は2倍もあった。看護学生への暴力の実例に基づいた本格的な調査と分析は初めてという。

 関東地方の看護専門学校、短大、大学計15校の看護学生712人を対象に07年に調査した。593人(83.3%)が有効回答をした。

 暴力を受けたと答えた学生は352人(59.4%)で、総件数は1498件。種類別では▽精神的暴力44.7%▽性的暴力43.1%▽身体的暴力12.2%。性的暴力では「胸を触られた」「手を握られ、お尻を触らせてと言われた」「後ろから抱きつかれ、頬にキスをされた」「声をかけられ、ずっと追いかけられたり、わいせつな発言があった」などの被害があった。

 最も困った事例について具体的に記述した95人のうち20.0%は、暴力を受けた際、誰にも相談しなかった。「怒り」「嫌悪感」を覚え、「辱めを受けた」「人格を否定された」と感じたという。

 研究チームは、担当看護職員に向けられた不満やストレスのはけ口として経験が浅い学生が攻撃対象となったと分析。三木明子准教授は「暴力は弱い立場の者に向く。患者との距離感の取り方など暴力防止の実技講習を行い、まず予防が大切。防犯ブザーを持たせるなど暴力を受けない環境作りも必要だ」と話している。【安味伸一】

こういう話を聞くと戦後長年に渡ってマスコミや一部の方々が個人の権利意識というものを一生懸命拡大しようと努力していらっしゃった、その結果肥大した自我が医療に限らず社会のあらゆる領域でモンスターを生み出しているのだと言う声が根強くあって、確かにそうした側面も多々あるかとも思うのですが、一方でそれ以前の時期に自我を確立してしまっているはずの高齢者などでも同様の問題が見られるのも事実です。
もちろん例えば夜型生活者が増えたという時代背景が夜間救急における問題を顕在化させている側面は否定出来ないとは言え、この種の迷惑行為の数々も個別に見ていれば昔からどこにでもあったもので、むしろ昔は表立ってそういう患者を批判してはいけないという空気があった、ところが今はそうではなくなってきたということに注目すべきだと思いますね。
そもそも一昔前までは学部教育であれ現場教育であれ「患者様は病に苦しんでおられる。だから苦しさから暴力などを振るわれることがあっても仕方がない。黙って受け入れてあげなければならないのですよ」式だったものが、今では当たり前に院内に警察関係者などを呼んで「患者の不当な行為には毅然とした対応を」なんて講習をやるようになっているのだから時代は変わるものですよね。
つまりは今になってモンスターが劇的に急増したから問題になり始めたのではなく、元からそこにいた迷惑な何かをこれはモンスターなんだ、迷惑な存在なんだと捉えるようになった、そういう状況に対する認識の変化があったからこそモンスター問題が顕在化してきたのだと考えているのですが、その前提になっているのはマスコミなどを始めとする社会の論調の変化ではあるのでしょう。

かつて接遇教育なんてものがちょっとしたブームになって、「これからは患者様とお呼びしましょう」なんてことを大まじめで推進する医療機関が結構あったものですが、現場の認識としては単に業務命令でやる作業の一つという程度で意識改革になど全く結びついてはいませんでした。
ところがマスコミも大いにモンスターの話題を取り上げ社会的ブームのようになってくると「そう言えばオレも…」と身近な経験談を見聞する機会も増え、その結果石器時代のような水準でずっと留まっていた医療現場の顧客対応が近頃本質的な部分からもの凄い勢いで進化(あるいは環境に順応)しているように見えます。
医療バッシングが盛んな時代であれば何かトラブルがあっても「どうせ医者が無茶苦茶をやってたんだろう」で終わっていたところが、昨今では医療批判の急先鋒であったマスコミですら「お医者さんは絶滅しそうなかわいそうな生き物なんです。大事にしてあげましょうね」なんて気持ちの悪いことを言うようになった、そして今や手のひらを返して「お医者をいじめるな!」と患者批判に方針転換するまでになっているわけですよね。
こうした世間の認識の変化が先にあってこそ医療従事者側も「そうか、やっぱりこういう手合いにはそれなりの対応をしていいんだ」と受け取り始め、ようやく世間並みの対応を取ることに躊躇しなくなってきたのだとすれば、長年にわたって望まれてきた医療現場の意識改革というものが思わぬ形で実現してしまったとも言えそうです。

基本的には「不当な要求には毅然とした対応を」だとか「暴力にはすぐに警察を呼びましょう」などという話は世間で広く行われ、公に推奨もされている当たり前の対応ですから、この方面に関しては医療機関側は粛々と世間並みのことを進めていけば何ら問題はないと思いますが、モンスターにはモンスターとして対処するようになると困ったことになるという方々もいらっしゃるでしょう。
今まで脅迫やゴリ押しで不当な要求を押し通してきたような方々はともかくとして、一般人がそんなつもりもないのにモンスター扱いされてしまった結果不利益を被るというのでは困ったことになりますけれども、先日中国で出された衛生省のガイドラインなども世相を反映してか思わぬところで話題を呼んでいるようです。

上海余話 高齢者に気をつけろ!/中国(2011年10月4日産経ニュース)

 「高齢者の転倒を目撃しても、あわてて助け起こしてはならない」。中国衛生省が最近公表したガイドラインの一文だ。心臓や呼吸の状態などによっては、むやみに動かすとかえって事態を悪化させるとして、慎重な対応を求めている。ところが、広東省で起きたある“事件”で、このガイドラインがにわかに脚光を浴びることになった。

 報道によると、男性が自転車で通りかかった路地に高齢者(男女不明)が倒れ込んでいるのを見つけ、救急車を呼び病院まで付き添った。ところが駆けつけた家族が「おまえが自転車でぶつけて倒したんだろう」と逆に男性をなじり、治療費として3千元(約3万6千円)を払わせたという。

 事情を聴いた男性の同僚らが目撃者を捜して証言を得て、家族から3千元を取り返すことに成功したのだが、中国のインターネットでは、衛生省のくだんのガイドラインを取り上げ、「政府もたまには良いことを言う」とする妙な解釈も流布された

 聞けば、中国では突然倒れた高齢者自身が、助けてくれた若者に「おまえが私を突き飛ばした」などと大声でわめきちらし、被害者を装ってはカネをせびる問題が横行しているのだという。医学的見地から出されたガイドラインだが、その実、“本質”を突いていたのかも…。(河崎真澄)

記事にもあるように、すでに中国では「倒れた老人は助け起こすな」「善行をすれば裁判沙汰になる」なんてことが常識的に言われているとも言いますが、一部の人間が馬鹿げた振る舞いに及んで一時の不当な利益を得た結果、本当に病気なりで倒れた人が放置され死者まで出るという状況になっていると言います。
ここで考えて頂きたいのは誰かが倒れていたとして、それを放置して通り過ぎる人間にとっては倒れた人間が本当に病気だろうが偽装だろうが何も違いはないし、むしろ余計な手間暇をかけて仕事に遅れたり面倒な裁判沙汰に巻き込まれたりするといったデメリットは何もない、またプロの詐欺師にしても「また次を狙うか」で軽く済ませられる一方、本当に病気なり怪我なりで倒れてしまった人間にとっては放置されることは非常に困るということですね。
医療現場においても「本当はモンスター化するはずがなかった患者が、病院側の過剰な対応によってモンスター化に追い込まれているケースがある」と批判する人がいますが、病院や大多数の善良な患者からすれば暴れているのが真性のモンスターだろうが、状況によってやむなくモンスター化した患者であろうが迷惑の程度に本質的な差はないわけですから、手順通りモンスターとして対応することが最善解となります。
そして最初から不当な利益を求める真性モンスターならモンスター認定されて治療拒否されようが「今回はしくじったか」で終わる話ですが、仮に本当の患者が状況から思わずモンスター化してしまった結果正当な治療を受ける機会を失ったとしたら、本人にとっては大変に大きな不利益になってくるということですよね。

モンスター問題と言えばともすると真性モンスターと、それに対して否応なしに対応を迫られる側との問題としてのみ捉えられがちですが、ひとたびモンスター対策が整えられてしまうと実は本物のモンスターよりも、その他大勢の一般顧客にとってこそ最も大きな影響を与えるのだということがお判りいただけるかと思いますが、そうであるならモンスター扱いされたくない善良な顧客こそどうすべきかを考えなければならないでしょう。
ひと頃はマスコミなども医療と患者との対立関係を煽る流れで「病院側の対応で少しでもおかしいと思ったら断固とした対応をとりましょう。それが明日の医療をよくすることにつながるのです」なんてことを盛んに喧伝していましたけれども、そんな言葉に乗せられた結果本来得られたはずの利益を医療から受けられなくなった患者がどれくらいいるかと考えれば、馬鹿な煽動を繰り返した連中は責任をとってしかるべきではないでしょうか?
今の時代は医療に限らず良いサービスを受けようと思えば、まず顧客の側から自分はモンスターではないことを証明する努力をしなければならない…と言えば何やら難しいことのように聞こえますが、人間の当たり前の感情として尊大にふんぞり返っている相手より腰が低く丁寧な物腰の相手には好印象も抱くし、なるべく親切に対応したくもなるだろうという常識を働かせ実践していれば、そうそう悪い顧客にはならずに済むんだろうと思いますね。

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2011年10月 5日 (水)

noblesse obligeなどと高尚なことは言いませんが、空気くらいは読んでくれと

最初はごく何気ないスタートから始まる事件というのはよくあるものですが、この発言も最初の時点では全く注目されることなく流されていたということが判るのがこちらの第一報です。

朝霞公務員宿舎建設「変更するつもりない」野田首相が明言(2011年9月26日産経ニュース)

 行政刷新会議の事業仕分けでいったんは凍結された埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎の建設工事が今月1日に始まり、「復興資金に回すべきだ」と住民から批判を浴びている問題について、野田佳彦首相は26日の衆院予算委員会で、「いまは特段変更するつもりはございません」と建設計画の見直しは行わない方針を示した。自民党の塩崎恭久元官房長官への答弁。

 予算委で塩崎氏は、東日本大震災の被災地では仮設住宅の入居率がまだ100%に及んでおらず、台風15号の暴風雨で入居前日に浸水した仮設住宅があることなどを指摘。「なぜこの時期の建設なのか。先進国G7で公務員や国会議員宿舎があるのは日本だけ。いますぐストップし、復興資金に回すべきだ」などと追及した。

 これに対し、野田首相は「全体的な宿舎の見直しはやってきている」などと弁明。「そうした事情を含めたうえでの判断だった」として計画を見直すつもりはないことを明言した。野田首相は、建設再開を決めた際の財務相だった。

 問題の宿舎は鉄筋コンクリート13階建て2棟(全850戸)で、総事業費は105億円。21年11月の事業仕分けでは、当時仕分け人を担当した枝野幸男経済産業相らが「公務員に宿舎を提供しなければならない合理性はない」などと凍結を決めており、地元住民らが工事の中止を求める要望をしている。

 また、この日の予算委では安住淳財務相が、宿舎建設は朝霞市内の公務員宿舎12カ所1067戸を廃止したうえで行うことや、新宿舎のうち550戸は独身者向けであることなどを説明。「私もNHK時代には、給与では生活できず社宅に住んだ。多少宿舎の便宜供与もあってしかるべきだと思う」などと述べたほか、「私の地元(宮城5区)では仮設住宅はほとんど建設が終わっている」などと説明した。

公務員宿舎の必要性があるのか、あるとしてもどの程度金をかけるべきかという議論は当面置くとしても、わざわざ今この時期に百億単位の費用を注ぎ込んで豪華な宿舎を急ぎ建設する必要があるのかという疑問は現政権に批判的な産経ならずとも誰しも感じるところでしょうし、だからこそ各メディアが一斉にこの建設強行という総理の答弁を批判的に取り上げたわけです。
その後非難囂々となった結果、最終的に宿舎建設は五年間凍結しますなんて結論になったと言いますから、最初から仕分け通りで行っていればそもそも何も騒ぎにならなかったという馬鹿げた話なんですが、注目していただきたいのはこれだけ答弁が注目を浴びている事案であるにも関わらず、総理に援護射撃する形の安住淳財務相の発言には産経ですら何ら特別な注意を払っていなかったらしいということですよね。
安住淳財務相と言えばご存知のようにNHKの政治担当記者出身ということでこうした発言が出てきたというわけでしょうが、一見すると公務員宿舎の必要性を補足説明しているように見えて、彼らの庶民感覚の欠如と空気の読めなさぶりを一層強調する発言になっているというのは笑えるところでしょうか?

総じてマスコミ業界の圧倒的な年収の高さは以前から知られているところで、それが彼らの浮世離れした感覚 を育んでいる原因なのではないかとは以前から指摘されているところですけれども、その中でもNHKというのは少しばかり別格といった立場であるようで、以前から各方面でその実態というものが明らかにされています。

【参考】立花孝志 高卒32歳、年収1000万はNHKだと当たり前

【参考】NHKの平均年収1600万円、 それでも支払い義務化を検討するのか?

当然ながらネット上では野田総理の建設容認発言よりもむしろ安住財務相発言の方が「1000万以上もらっておいて生活できないなんて、あまりに感覚がおかしいだろう?!」と大騒ぎになり、あちらこちらでスレが乱立するという事態になったわけですが、面白いのは前述のように当初主要マスコミの方ではこの発言の何が問題なのかも理解出来なかったのでしょう、全く注目していなかった節が見られるということです。
マスコミと言えばかつて総理大臣がカップ麺の価格を知らないなどとかホテルのバーに通っていたなどとして、さんざん「庶民感覚の欠如だ!」などとバッシングした経緯がありますけれども、実際には彼ら自身の方こそよほどに庶民感覚が理解できていないということを思いがけず知らしめてしまったということですよね。
さすがにネットでこれだけ炎上したことを気にしたということでしょう、民主党議員の中からも改めて「NHKは優遇されすぎではないか?!」と批判が飛び出したり、後日になってからようやく一部マイナーメディアから「何かおかしいのでは?」という批判調の記事も出てきているようですが、相変わらず主要メディアの方では何ら問題視する気配がないというのは彼ら自身「え?何?これの何がおかしいの?」と考えているからなのでしょう。

マスコミ出身の安住財務大臣「とても給料では生活できなかった」(2011年10月2日ガジェット通信)

先週ご紹介させていただいた塩崎恭久議員の予算委員会での質問。いくつか印象に残ったやりとりがありましたが、やはり安住財務大臣の「とても給料では生活できなかった」発言は特にインパクトがありました

安住淳氏はNHK出身の衆議院議員。NHK時代は政治記者として活躍、政治討論番組の司会なども担当しておられます。
先程紹介させていただいた発言は、現在注目が高まっている朝霞の国家公務員宿舎の問題に対する塩崎議員の質問に対する答弁の中で出たもの。発言の前後を見ると、以下のようなものとなります。

    「わたしもNHKに入って社宅を借りて住みました。とても給料では生活できなかったからです。そんなに豊かな家ばっかりじゃないですから。地方から出てきて、国家公務員になられて、それは私は、多少は宿舎の便宜供与等もあってしかるべきだと思ってます。」
    (9月26日予算委員会にて)

マスコミ業界の給与水準は高いということはよく知られていると思います。NHKの平均年収は1000万を超えるといわれており、そのNHK職員が「とても給与では生活できない」なんてことはありえない話です。

マスコミ業界の人に宿舎が必須でそれがなければ生活できないというのであれば、マスコミの給与水準に達しないすべての国民に宿舎が必要になっちゃいますよね。現実的だと言えるでしょうか。大震災のときに「学校のプールにガソリンを貯蔵できないか」と述べたとされる安住財務大臣ですが、時々、不思議な発言をされるようです。

野田首相は10月3日に朝霞の国家公務員宿舎建設地を視察し、宿舎建設の是非について考える予定とのことですが、どのような結論を出すのでしょう。

尚、東電は9月中旬に社宅や寮などを売却して賠償費用とすることを決め、2014年度末までに7400名のリストラをすると発表しています。

安住財務大臣の発言部分動画

安住大臣発言に対する塩崎議員コメント

この安住大臣コメントを受けて、26日に質問をされた塩崎議員に改めて感想をきいてみました。

    塩崎議員コメント抜粋:
    「僕の地元の松山にもNHKの社宅がありますけど、最高級の一等地に建ってます。なぜそのように優遇されたNHKと同じように公務員がやらなくてはいけないのか」
    「中小企業の人がきいたらふざけるなと言うような話。社宅なんてなかなか設けられるものではない。」
    「古くなった公務員宿舎の売却益はそのまま被災地復興へまわすべきで、新しい宿舎建設に使うべきではない」

NHK豪華社宅と高額給与(2011年10月3日ゲンダイネット)

<ハッキリ分かったチンピラ大臣の金銭感覚>

 国民はみな、ア然としているのではないか。

 国会で朝霞の公務員宿舎の着工問題を追及され、「私もNHK時代は給料で生活できず社宅に住んだ。多少の便宜供与もあってしかるべきだ」とヌケヌケと答えた安住財務相のことだ。案の定、身内の民主党議員からも突っ込まれ、同じNHK出身の小宮山厚労相まで「職員の平均年収は1041万円」と答弁させられる羽目に陥った

 よくまあ、1000万円ももらっておいて「生活できなかった」なんて言えたものだが、そもそも、NHKの厚遇は給料だけじゃない。社宅だって、公務員宿舎に引けを取らない格安家賃だ。

 東京・広尾にあるNHK職員の社宅「羽沢寮」もそのひとつ。

 広尾といえばタレントやセレブが多く住む高級住宅街だが、そのド真ん中、2200平方メートルの広大な敷地に3階建ての社宅が3棟も並んでいる

 コンクリート打ちっ放しのオシャレな外観の社宅で、民間の家賃相場なら月30万円は下らないだろう。それがNHK職員であれば、年齢などの条件によっては、3LDK3万円程度の格安家賃で住めるのだ。

 NHKはほかにも、渋谷や目黒、信濃町など都内の一等地に格安社宅を保有している。もちろん、地方の有力都市にもあって、全国に立派な社宅を持っている。これらはぜ~んぶ、国民が払った受信料で建てられたものだから、腹が立ってくるのだ。

 元NHK職員でジャーナリストの立花孝志氏がこう言う。

社宅に住まない場合でも、NHK職員には月十数万円からの住宅手当が出るなど、福利厚生が民間とはケタ違いです。NHK時代の安住大臣のように、政治部記者ともなると、時間外手当も“青天井”。平均年収1000万円といわれていますが、さまざまな手当を含めたら、実際は職員1人当たりに平均1700万円くらいは出ていると思います」

金銭感覚がマヒした財務大臣に「増税しかない」と言われても、庶民は納得できるわけがない

一般論として努力して相応の地位に就けば良い収入が得られるというのは社会にとってのモチベーションにもつながることですし、例えば銀行が行員採用にあたって本人のみならず家庭の状況までしっかり調べるという話を聞いても、職業的に高いモラルを要求される仕事であれば目先のお金のために妙な不祥事をやらかさないでいいくらいの待遇が用意されるべきなんだと思います。
しかし例えばある病院であったことですが、新しく病院敷地内に立てられた立派な宿舎に「家族持ちが優先させて貰うからねえ」なんて言い訳しながら高給取りの部長先生が先を争って入居して楽しい勤務生活を送っている、一方で安月給の研修医達は自費で借りた遠いアパートから渋滞の中を通勤し、毎夜のように呼び出されて満足に体を休める暇もないというのは、良い悪いという以前にひどくカッコワルイことではないでしょうか?
もともと決して所得的に恵まれているわけでもなかった方々も多いだろう被災地の方々が収入も途絶え、貧弱な仮設住宅の中でこれからどうやって暮らしていこうと暗澹たる思いに暮れているというのに、安全な場所で豊かな生活を送っている人々が更なる豊かさを求めて国のお金まで要求することの是非は百歩譲って問わないとしても、今この時にそれをするというのはさすがに少しは空気読めと言われても仕方がないでしょう。
高い給料を貰って社会への相応の貢献を期待されている以上は、こんな非常時にこそとりわけ自分達の衣食住くらいは自分で用意するのが当たり前だろうと思いますし、どうしても住む場所が必要なのに用意出来ないというのであれば何も一等地に高級官舎などを構えずとも、それこそ安上がりにプレハブでも建てておけば済むことでしょう(まさか他人にはプレハブを押しつけて自分達はそれじゃ住めないとは言いませんよね?)。

この件に関連して興味深いのは時を前後して総務省の方から「災害時の非常用電源や予備回線の確保を後押しするため」と称してテレビ局の法人税や固定資産税の減免を要望するような動きがあるということで、税収減で予算をとにかく削れと言われているこの時期にわざわざ国の役所が自ら税金を減らすようなことを言い出すのは不思議なことだなと誰だって思いますよね。
主要新聞においては「増税やむなし」と消費税などの引き上げを求める論調が極めて主導的な状況ですけれども、国民全体を見回してもトップクラスの豊かな生活を送っているだろう彼らがそれと並行して消費税軽減税率の適用を国に求めているという事実はほとんど知られていないようで、要するに彼らの言っていることは「金が足りないんだからお前らもっと税金払えよ。俺たちは出さないけどね」と舌を出していることに他なりません。
その根拠はドイツやフランスなど諸外国では新聞には軽減税率が適用されているからだと言うのですが、そうまで他国に横並びを望むのであれば自ら「我々にもっと増税を!」と主張したフランスの富裕層にならって、大手マスコミも自分からもっと多額の税金を納めさせてくださいと全社一斉にキャンペーンでも張ってみせればいいはずですよね(苦笑)。

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2011年10月 4日 (火)

進む福島県当局のプロ弱者化

ある程度予想された事ですが、数字としても出てきたというのがこんな話です。

福島の医師、12%が自主退職…原発から避難?/福島(2011年9月28日読売新聞)

 東京電力福島第一原発事故後、福島県内の24病院で常勤医師の12%に当たる125人が自主退職していたことが、県病院協会の調べでわかった。

 原発事故からの避難などのためとみられ、看護師の退職者も5%に当たる407人(42病院)に上った。県内の病院では一部の診療科や夜間救急の休止などの影響が出ている。

 調査は7月下旬、県内の医師らの勤務状況を調べるため、全139病院のうち、同協会に加盟する127病院を対象に実施。54病院から回答を得た。

 主な市町村で、原発事故前の医師数に占める退職者の割合が高いのは、南相馬市の4病院で46%(13人、警戒区域の1病院1人を含む)、いわき市の5病院で23%(31人)、福島市の6病院で9%(41人)、郡山市の4病院で8%(25人)。

 看護師では、南相馬市の4病院で16%(44人、警戒区域の1病院2人を含む)、いわき市の7病院で8%(113人)、福島市の9病院と郡山市の6病院は4%でそれぞれ68人、54人減少した。

研修医の希望先、宮城と福島は昨年同期比1割減(2011年10月1日朝日新聞)

 卒業後1、2年目の医師に義務づけられている臨床研修で、宮城、福島両県内の病院を研修先の第1希望に挙げている医学生が、昨年同期と比べて約1割減っていることがわかった。研修医は医療の担い手としても期待されており、大幅に減ることになれば両県の医療に影響が出かねない。

 医学生と受け入れ側の臨床研修病院の双方の希望を組み合わせる業務を担当している「医師臨床研修マッチング協議会」が30日、全国の病院別に、来春卒業予定の医学生の第1希望者数(29日現在)を中間発表した。希望登録の締め切りは10月13日。

 中間発表によると、宮城県では18病院の来年度の募集定員計170人(昨年度比18人増)に対し、医学生の第1希望者は計89人で昨年同期より10人減っていた。福島県は16病院の募集定員計146人(同3人減)に、第1希望者は計54人で8人減だった

岩手県は12病院の募集定員計126人(同7人増)に、第1希望者が計62人で1人増えていた

被災地では医療体制が崩壊して退職を迫られる病院スタッフも少なからずいたということですから、ある程度減ると言う事は予想の範疇ですけれども、約1割という数字が多いのか少ないのかですよね。
先日の報道によれば福島県からの県外避難者は5万5793人で県人口の3%程度だと言いますが、7月1日時点での数字と比べて1万人以上増えているというのは今さらそんなに避難者が急増したというよりも現状把握が進んだと考えるべきでしょうから、例えば住民票等は変更していなくても実際の避難者の数はさらに多数になっている可能性も否定出来ません。
現地では当座の雇用もないでしょうから今後もおいそれと人口が回復するとも思えず、誰も住まない町で暖簾を出していても仕方がないのは当然ですから、それならば需要のある他地域に出て働こうと考える人間は医療職に限らず多いことでしょうね。
まして失礼ながら医療業界では全国に名を知られた聖地である福島でのことですから、過去の様々な出来事ともセットで「やはり福島だけはやめとこう」と考える人間は今後も増えこそすれ減るとも思えず、むしろ一割程度の減少でよく済んだものだと感じる人も多いかも知れません。

さて、その福島においては先日避難準備区域の解除が行われ住民の復帰が始まっているとのことですが、住民と一緒に医療スタッフもただちに戻ってくるかと言えば経営上の一般常識で考えても、当面は住民の戻り具合を見てから業務再開を判断すると言う施設が多いだろうなとは推測できるところですよね。
被災地では顧客激減のみならず設備面でも相応にダメージを受けているでしょうし、それを整備してスタッフを再招集し営業を再開するとなれば医療でなくとも初期投資がかなり必要であるわけで、他地域での競合が激しく進出移転の余地がないといった産業であるならともかく医療専門職と言えば自分の腕一つで幾らでも働き口はあるのですから、わざわざ厳しい環境に舞い戻って経営上のリスクを冒す必要もないわけです。
そう考えると被災地で医療始め各産業を元通りに復旧するのがよいのか、あるいは住民分布の変化なども見ながら全く新しい体制を構築すべきなのかの議論も必要ですし、民営であってもインフラとして必要なものであれば再開のコスト負担など何らかの公的補助なりも考えていくべき状況だと思うのですが、どうも現状では明快なビジョンもなくなし崩しに話が進んでいるようにも見えるのは気になりますね。

緊急時避難準備区域解除 深刻な医師不足、震災前から激減 福島(2011年10月1日産経ニュース)

 ■国の力で拡充を

 原発から主に20~30キロ圏の緊急時避難準備区域が30日、解除された。だが、インフラや市民サービスの復旧は道半ばだ。特に医療サービスの不足は深刻。南相馬市は常勤医が震災前から半減し、県全体でも約12%の医師が自主退職した。医療現場からは「国の強制力がなければ医師拡充は期待できない」(南相馬市健康づくり課)と悲鳴が止まらない。(中川真)

                   ◇

 避難した住民が帰還するための大きな条件のひとつに医療サービスがある。しかし、緊急時避難準備区域から解除された南相馬市原町区にある同市立総合病院では、震災前の3月1日に21人いた常勤医が10人(8月1日現在)に半減した。

 この結果、18科あった診療科のうち、産婦人科や眼科など6科が休診したままだ。「市内での出産は2つの民間医療機関に委ねるしかない」(南相馬市)という。仮に除染が進んでも、妊産婦が安心して帰還できる環境とは言い難い。

 入院機能の弱さも深刻な問題だ。同市内の各病院は震災前、計1329病床を擁していたが、震災後の避難や規制の結果、現在機能しているのは285床だけだという。

 県病院協会の前原和平会長(白河厚生総合病院院長)は、「震災前から医師不足が深刻だった地域で、一旦離れた医師復帰は難しい」と指摘する。

 同協会が7月、県内127病院に行った調査(54病院が回答)でも、浜通りや県北・県中を中心に、震災前に1168人いた医師のうち、67人が3月末までに離職し、7月までに全体の約12%にあたる計135人が離職した。

 看護師も同様で、震災前は6554人いたが、7月までに464人(約7%)が離職している。

 日本医師会や日本薬剤師会などでつくる「被災者健康支援連絡協議会」では全国から医師派遣を続けているが、数週間の短期支援が多いのが実情だ。「施設説明などで期間が終わってしまう。半年、1年来てほしいのだが」(前原会長)という。

 南相馬市では「解除されても見捨てられた状況は変わらない」(飲食業女性)との憤りは住民に根強い。全面帰還に向け、国の幅広い対応が求められる

福島:医療支援拠点を設置 避難準備区域の医師不足解消に(2011年10月2日毎日新聞)

 細野豪志原発事故担当相は2日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、9月30日に解除した緊急時避難準備区域の医師不足解消に向け、厚生労働省の「医療従事者確保支援センター」を近く福島県に置く考えを表明した。同センターの設置で医療スタッフの確保を支援する。

 同区域内にある市町村の復旧計画では、病院再開に向けて医師不足が課題となっていた。細野氏は会談後、記者団に「戻って来るかどうか、医療の問題で迷っている方がかなりいると思う。福島県(沿岸部)の相双地区に拠点を作り、医師確保や病院経営をサポートしていく」と語った。
(略)

南相馬に医療支援センター 原発相示す(2011年10月3日福島放送)

東京電力福島第一原発事故の緊急時避難準備区域解除を受け、政府は地域への住民の帰還を促すため、南相馬市に相双地方の医療体制の再生を目指す「医療従事者確保支援センター」を近く開設する。

細野豪志環境相兼原発事故担当相が2日、県庁で佐藤雄平知事と会談し、明らかにした。

ただ、具体的な医師確保策は示されなかった

支援センターは厚生労働省の出先機関の位置付けで、同市の県相双保健福祉事務所内に設ける。

当面は同省職員2人を派遣。

旧緊急時避難準備区域内の公立、民間病院の医師と看護師の数を把握した上で、必要人員の確保に努める

病院への財政支援も検討する。

ただ、全国で医師不足は深刻化している。

原発事故の影響で警戒区域が設定され、放射線量の低減に向けた除染作業の進められている相双地方で、どれだけ医療関係者を確保できるかは不透明だ。

福島界隈ではいったいいつから市の健康づくり課が「医療現場」に転じたのかと疑問に思うのですけれども、仮に聖地としてすっかり手垢がついてしまった福島の行政当局が、震災復興を錦の御旗に「国の強制力」による医療資源の囲い込みを期待しているというのであれば、結局同県としては過去と現状に対する何らの総括も贖罪もなしに済ませてしまう心づもりであるということなのでしょうか?
聞くところによれば福島県ではこの機会に乗じて、県立医大の放射線医療拠点化を画策しているということですけれども、失礼ながら震災被害で現地の人々が今をどうやって生きていこうかとあっぷあっぷしている状況でこんな巨大なハコモノを立ち上げ、貴重な復興予算を横取りするのみならずただでさえ不足している県内医療リソースを食いつぶそうとしているかにも見えるというのは、到底真っ当な考え方とは思えません。
同構想には「被災者の生活再建とは無縁」「火事場泥棒のような予算要求」と厳しく切って捨てた小松先生を始めとして各方面から批判が相次いでいますけれども、失礼ながらそれだけの力量もあるとは思えない福島県立医大にこんなものを作ったところで本来の目的上もさしたる貢献が出来るとは思えず、自ら望んで予算をドブに捨てようとするかのような県当局の姿勢こそ問われるべきでしょう。

【参考】Vol.277 福島県の横暴、福島県立医大の悲劇(2011年9月27日医療ガバナンス学会)

【参考】Vol.275 福島県立医大の放射線医療拠点化構想を問う~事業仕分け人の視点から~(2011年9月23日医療ガバナンス学会)

福島と言えばすでに震災前からあの手この手で医師の動員を画策してきた土地柄ですが、崩壊を続ける県内の医療体制を抜本的に立て直そうと知事が土下座までして見せたという岩手県では研修希望も増えてきているという冒頭の記事を思い出す時、なるほど聖地と呼ばれるのは何も一つの事件が起こったからと言うだけではないのだなという気がしてきます。
医療関係者からすれば原発事故云々ということもさることながら「あの福島で働く?う~ん…」と最初から及び腰になっているところに、彼の地から聞こえてくる話がどれもこれもこんな調子では到底行ってみようという気持ちにはなれないのも当然ですが、音頭を取るべき県が自らを省みることなくひたすらクレクレ君に徹するばかりでは今後復興予算を注ぎ込んでもどんな斜め上の使い方をされるか判ったものではないですよね。
県側も身の丈にも不相応なら現実にもそぐわない夢想の世界にいつまでも遊んでいないで、厳しい現実世界にしっかりと向き合った上で地に足の付いた政策を早急に打ち出してこないことには、医療に限らず福島県土の復興ははるか遠い夢のまた夢ということにもなりかねないでしょう。

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2011年10月 3日 (月)

ミスはいずれ起こるもの、という前提に立っての事故対策

先日はこんな医療事故の報道がありましたが、御覧になりましたでしょうか。

「安全管理が不十分」 神戸・中央市民病院、誤吸入事故 /兵庫(2011年10月1日神戸新聞)

 神戸市立医療センター中央市民病院で7月、80歳代の男性患者に誤って二酸化炭素を吸入させ、男性が一時心肺停止になった問題で、外部委員らによる事故調査委員会は30日、新病院への移転に伴う運用ルール変更の周知徹底や二酸化炭素ボンベの安全管理態勢が不十分だったとする報告書を公表した。

 病院によると、男性は7月13日に緊急手術を受けたが、14日未明に集中治療室に移動させる際、酸素ではなく誤って二酸化炭素を吸入させられた。男性は一時心肺停止となった。

 病院は当初、会見で「移転による影響はない」としていたが、事故調は7月1日の新病院への移転により、「術後に患者を移動する際の酸素ボンベの準備で、一部ルールの変更があったが、看護師らに周知できていなかった」と指摘。二酸化炭素ボンベの保管場所も決まっておらず、手術室内に残されたままだったことなど安全管理が不十分だったとした。

 同病院は事故後、二酸化炭素ボンベを酸素ボンベより大型のボンベに変更し、保管場所を指定するなどした

 月江富男医療安全管理室長は「危機管理の認識が甘かった。深く反省している」と謝罪した。男性は意識が戻り、回復傾向にあるという。

事故そのものに関しては「東京日和@元勤務医の日々」さんが当時の報道を取り上げていらっしゃいますので参照いただければと思いますが、要するに窒息したのと同じ状態ですから一歩間違えればさらに大変な結果になっていたかも知れない事故で、幸いにも患者さんは回復傾向にあると言いますから最悪の事態だけは免れたというところでしょうか。
手術室での炭酸ガスと言えば、例えば腹腔鏡を行う際に腹部に炭酸ガスを送り込んで視野を確保するといった使い方をしますけれども、麻酔にも使う酸素や亜酸化窒素などは近頃の病院では中央配管で手術室の壁のコネクターから供給されるようになっており、この場合はガスの種類によってコネクターの色と形状が違い誤接続をしたくても出来ないようになっています。
ところが二酸化炭素のようにあちらこちらでときどき使うようなものですと配管ではなくボンベで対応するのですが、この場合はボンベの種類(工業用炭酸ガスボンベなど)によっては同じチューブで異なるガスボンベに接続できてしまうことから、誤接続を防ぐには当事者が注意するという以外にないという状況が続いているわけですね。

困ったことに以前からこうした事故はときどき起こっているのですから、今回のように単なる色違いでサイズも形も似通った容器にわざわざ取り違えると致命的になりかねないものを入れて同じような場所においておくというのは自殺行為ですし、実際にこうした取り違え事故への対策としてそれぞれのガスによって接続部の形を変えた医療用ガスボンベというものもちゃんと用意されています。
つまりはルール変更やボンベ置き場がどうこうという問題ではなく、わざわざ間違える可能性のある道具を使用した結果起こるべくして起こった事例であるとも言え、昨今のヒューマンエラーはいずれ必ず起こるものとして可能な限りエラーの発生が重大事故に結びつかないようシステムの方を整えていくという考え方からすると、せっかく新病院に移転したと言うのにずいぶんと旧態依然なことをやっているんだなと思わざるを得ません。
実は先日大きな話題になりました全日空機の「背面飛行」事件なども、よく状況を見ていくとシステム設計上それはおかしいだろうと思えるような話があるようなのですね。

全日空機急降下事故 事故の際、機体はほぼひっくり返った背面状態で急降下(2011年9月28日FNNニュース)

9月6日、乗客・乗員117人が乗った全日空機が飛行中に急降下し、客室乗務員がけがをした事故の際、機体が、ほぼひっくり返った背面状態で急降下していたことがわかった。
運輸安全委員会は「ほとんど背面飛行で、その間、1,900メートルくらい降下しております」と話した。
状況を描いたアニメーションは、国土交通省の運輸安全委員会が、急降下した全日空機のフライトレコーダーを解析し、機体の飛行姿勢を再現したもの。
この事故は9月6日、静岡・浜松市沖を飛行中の那覇発東京行きの全日空機で、副操縦士がトイレから戻った機長をコックピットに入れようとした際、ドアの開閉スイッチではなく、機体を制御するスイッチを誤って操作し、機体がおよそ30秒間で、1,900メートルほど急降下したもの。
元全日空機長の前根 明氏は「方向舵(だ)のトリムというスイッチに触ってしまったわけ。そうすると、飛行機の翼の左右に揚力の差ができると、瞬間的に飛行機の傾きが変わってしまう。背面までいってしまったと」と話した。
運輸安全委員会によると、急降下した際、機体は最大で、ほぼひっくり返った背面状態になる131.7度傾き、また、機首は地上方向に最大35度傾いていたという。
また乗客には、最大で地上のおよそ2.7倍の重力が加わったが、夜間でシートベルトをし、着席していたとみられることから、けが人はいなかった
乗客は、夜間で外が見えなかったため、機体が背面状態になっていることに気がつかなかった可能性が高いという。

「よく立て直せた」「不幸中の幸い」 全日空機トラブルは“間一髪” (2011年9月29日産経ニュース)

 航空ショーなどで見られるスリル満点の「背面飛行」が、旅客機で起きていた。28日、運輸安全委員会が明らかにした全日空機の急降下トラブル。専門家は「よく立て直せた」と間一髪の事態だったことを指摘した。

 運輸安全委が作成したコンピューターグラフィックス(CG)によると、機体はゆっくりと左に90度近く傾いた後、一度はわずかに右方向に回復したが、再度左に傾き始めた。最終的には最大131・7度と、ほとんど裏返しになって急降下した

 再び機体が90度前後に戻るまでに7秒ほどかかっているが、機体はこの間、大きく旋回するような軌道を描いており、乗客は遠心力で座席に押しつけられたとみられる。いわば、ジェットコースターに乗っているような状態だったのだ。元ジャンボ機機長で航空評論家の小林宏之さんは「乱気流などの場合だと急降下の際に上向きの重力がかかり、シートベルトをしていないと天井に頭を打つ乗客が出るが、今回の場合は大きく旋回しており、乗客は機内の変化に気づかなかった可能性もある」と指摘する。

 大手航空会社では、背面飛行からの回復をフライトシミュレーターを使って訓練することになっているといい、CG映像を見た小林さんは「実際に出くわすことはほとんどない事態だったと思うが、ゆっくりと機体の体勢が回復されており、冷静な対応だったともいえる」と話した。

 ただ、航空機の航路は約300メートルごとに設定されており、急降下の際に他の航空機とニアミスする恐れは十分あった。小林さんも「トラブル発生時の空域には夜間のため他の航空機が航行していなかったことが、不幸中の幸いだったかもしれない」と話した。

CG映像の様子はこちらのテレビ報道から御覧いただきたいと思いますが、大型旅客機が突然の背面飛行による急降下から無事立て直せたということも稀な幸運ですし、普通ならとんでもないことになっていただろう客席にも大きな被害がなかったことも不幸中の幸いですが、これら全てが奇跡的と言ってもいいほどの非常に危うい偶然の連続の上に成立していたということは大変な問題ですよね。
ただ事故の危険な経過はそれとして、ここで改めて記事を見て頂きたいのはそもそもの発端となった操作ミスの部分で、ドアの開閉スイッチと方向舵を動かすスイッチなどというおよそ間違えそうもないものを何故間違えるのか?と誰でも思いますよね。
これについてはすでに関係者の方々が各方面から証言をしてくれていて、何故こんな素人目には不思議と言うほかない取り違えが起きたのかということを解説してくれています。

    487 名前:飛行機の人 ◆hIkokIA2zs [sage] 投稿日:2011/09/08(木) 01:03:06.71 ID:OoXoddJx0

    >>483
    推測ですが、エルロントリムをいじってしまったんだと思います。

    512 名前:飛行機の人 ◆hIkokIA2zs [sage] 投稿日:2011/09/08(木) 01:05:16.37 ID:OoXoddJx0

    >>498
    両主翼の翼端についてるエルロンという小さい羽を微調節するものです。
    これを動かすと操縦桿を左右に動かしたのと同じ事が起きます

    584 名前:飛行機の人 ◆hIkokIA2zs [sage] 投稿日:2011/09/08(木) 01:14:05.20 ID:OoXoddJx0

    これがB737-700のコックピットですが、
    一番手前にある丸いつまみに「FLT DK DOOR」と書かれてるので
    これがドア開閉スイッチでしょうね。
    その前にちょっと大きめのつまみ
    これがエルロントリム。
    よく似ていてすぐ隣になるわけです。

【参考】コクピット内部

【参考】問題のスイッチ

写真を見て頂けるとお判りいただけるかと思いますが、こんな全く異なった機能のスイッチが同じような回転操作系の似たような形状で、しかも物理的にもすぐ隣と言っていい場所に配置されている、しかもうっかり取り違えると今回のような大事故につながりかねないスイッチなのだと言われれば、「えっ?!なんでそんな無茶な配置にしてんの?!まさか突っ込み期待してわざとボケてんの?!」と誰でも感じるでしょう。
皆さんお使いのPCのキーボード一つとっても何とも不思議に思える配置が長年の慣習として続いていることから想像すれば、こういう配置になっていることにもコクピット内配置の伝統なり歴史的経緯なりがあるということなのかも知れませんが、「いつか必ず起こるヒューマンエラーが事故に結びつかないようにシステムを設計する」という理念からはかなり遠いという気はしますよね。
厳密には報道だけでは実際にこうしたことが起こっていたかどうかまでは確認出来ませんけれども、仮に別な事情で今回の事故が起こっていたのだとしても「エルロントリムとドア開閉のスイッチが間違えやすい」という事実には変わりないとすれば、「うっかり間違えないようにしましょう」などと注意を喚起したりでお茶を濁さず、重大事故が起こってしまう前に何とか物理的な配置なりスイッチ形状なりを改めるべきでしょう。

そんなこんなでヒューマンエラーはいつか必ず起こる、その前提に立った対策が必要であるという理由はお判りいただけるかと思いますが、もちろん世の中にはいくら物理的な対策をしても結局最後には個々人の能力頼りという仕事も多いのですから、人間というファクターを無視して語ることは出来ません。
人間そのものをシステムの中の一要素として捉えるならば、そのエラーを減らすためには与える指示を誤解の余地なく明快かつシンプルなものにする、複数作業を同時並行させない、あるいはよくあるダブルチェック体制の確立といった様々な対策が浮かんで来ますが、例えばダブルチェックでも取り違えが起こった、ならばトリプルチェックにしようで現場の人手不足がさらに深刻化し、過労からミスが多発するようでは対策の意味がないわけです。
そう考えるととりわけ現在の医療現場のような慢性的に人的リソースが不足している上に、一つの間違いも許されないと緊張を強いられている現場で最も有効な事故対策の一つとしてスタッフの過労防止ということが当然に出てくるはずですし、これを見過ごすと言うことは明らかに事故を起こしやすい状況を放置しているということに他なりませんよね。

外科医の7割、当直明けに手術 うち8割「質が低下」(2011年9月29日朝日新聞)

 病院などで働く外科医の7割が当直明けに手術を経験し、うち8割が手術の質の低下を実感していることが29日、日本外科学会(会員約3万8千人)が公表した調査で明らかになった。

 調査は3月にメールで実施した。会員985人(平均年齢46.7歳)が回答。9割強が病院の勤務医だった。

 当直明けの手術は、「いつもある」が約31%、「しばしばある」が約26%などで、合わせて71%が当直明けに手術を経験していた。このうち「まれに手術の質が低下」「手術の質が低下することが多い」が計約83%。「医療事故やインシデント(事故につながる恐れのある出来事)経験がある」も約4%あった。

週の勤務時間(アルバイト、当直除く)は平均59.5時間で、「50~70時間未満」が約半分を占めた。若手やベッド数が多い病院の医師ほど勤務時間が長くなる傾向があり、20、30代は約67時間、500床以上の病院では約65時間だった。

今まで見てきた事例から考えると、この場合「今週の安全標語:疲れたときこそ確認の徹底!いつも以上に念入りなチェックを!」などと念仏を唱えていても仕方がないというもので、事故を少しでも減らすために何をどうすべきかは誰にでも判ることですし、何しろ顧客である患者自身が「そんなヨレヨレの先生に命を預けたくないよ!」と考えていることでしょう。
しかし世の中には業務安全改善委員会だのとやたらに会議が好きな方々もいらっしゃるようですが、単に意味のない会議で無駄に時間を潰すだけならまだしも、その結果ますます現場のリソース不足やスタッフの疲労が深刻化した結果新たな事故が起こっている、なんて馬鹿げたことにだけはならないようにしていただきたいものですね。

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2011年10月 2日 (日)

今日のぐり:「創作沖縄料理ちゃちゃぶー 大供店」

先日イギリスでこんな不思議な事件がありまして、各方面で大いに話題になっているようなのですが、とりあえず元記事の写真を参照していただきましょう。

【参考】【速報】イギリス終了か クジラが何故か草原のど真ん中で死んでいるのが発見される(2011年9月29日Daily Mail Reporter)

なかなかにこのインパクトはすさまじいものがありますが、まさかいきなり先祖返りをしたというわけでもないでしょうし、仮に重機等で運んだにしても損傷なり轍の跡なりが残るでしょうから、単純に物理現象として考えてもいったい何が起こったのか不思議に感じてしまう事件ですよね。
今日はこの不思議な鯨に敬意を表して?世界中から「信じられないが本当だ」といった類の事件を取り上げてみようかと思いますが、まずはこれまたちょっとした話題になっている沖縄発のニュースから取り上げてみましょう。

クモが鳥を食った 糸満/沖縄(2011年8月30日沖縄タイムス)

 糸満市米須の駐車場そばの森林で、体長約15センチのオオジョロウグモがシジュウカラを食べているところを、パイロットの榎並正一さん(60)がカメラに収めた。今月10日午前10時ごろから翌11日午前9時ごろまで、断続的に撮影した。生物学が専門のゲッチョ先生こと盛口満沖縄大学准教授は「珍しい。クモが鳥を食べるらしいと聞いたことはあったが、写真では初めて見た」と驚いた。

 オオジョロウグモは、セミやチョウを食べるが、クモの仲間では糸が強く、鳥を食べることもある。食道の小さいクモは、巣にかかった鳥に毒を入れて動けなくさせ、時間をかけて汁にして飲み込むという。

 榎並さんによると、クモは翌11日の午前9時まで食べ続け、最後は羽毛だけが残ったという。20年以上、昆虫など自然の生き物を撮り続けているが「鳥がクモを食べるのなら分かるけど、初めは誰かのいたずらじゃないかと思った。人間がする訳もないし…。今でも信じられない」。

これまた元記事の写真のインパクトはなかなかすさまじいものがありますが、実はこのオオジョロウグモと言えばつい先日も「コウモリを食べた!」と話題になったクモで、こうして画像が相次いで出てきたことで研究者も俄然注目していると言うことです。
この種の話題と言えば毎回のように登場するのがご存知大分合同新聞ですが、今回もまさに「信じられないが本当だ」と言うしかない大事件が発生したということです。

犬、サル、キジ…気分は桃太郎!?/大分(2011年6月8日大分合同新聞)

 先日の昼、別府署のベテラン署員が同市東山の県道をパトカーでパトロール中のこと。林の間を抜ける道の路肩を野良犬が1匹、歩いているのを見掛けた。
 そのまま少し進むと、今度は何やら木の上が騒がしい。見上げると数匹のサルが木の上で鳴き声を上げて騒いでいた。
 同乗していた若手署員と「今日は動物が多い日だな」と話しながら署に戻ろうとすると、道路脇のやぶから見慣れない姿の鳥が現れてゆっくり歩いて横断していった。近づいてみると、野生のキジ。
 「なんだか桃太郎にでもなった気分だな」と署員。

いや確かにとんでもない偶然だけれども!毎回毎回こんな調子で本当に大丈夫なのか大分の警察官!と思わず突っ込みを入れたくなるような事件ではありましたが、いったい大分合同新聞の取材がどのようなルートでなされているのかには毎度のことながら興味をかき立てられずにはいられません。
海の向こうはメキシコからは同じく警察絡みでこんなとんでもない話題が出ているようですけれども、いったい現地はどうなっているのかと誰でも思いますよね。

警察官20人が全員辞職 メキシコ、麻薬組織恐れ/メキシコ(2011年8月5日産経ニュース)

 メキシコ北部チワワ州政府の当局者は4日、米国との国境に近いアセンシオンを管轄する警察署の警官20人全員が辞職したことを明らかにした。AP通信などが伝えた。

 同署では、5月に署長を含む署員3人が射殺されたのに続き、今月2日に3人が殺害された。20人はこれを麻薬密輸組織の犯行と考え、さらに攻撃されるのを恐れて辞職したとみられる。

 アセンシオンは人口約1万3千人の小さな町。麻薬組織が力を持ち、メキシコで最も治安が悪い都市の一つ、シウダフアレスに近い。

 20人の辞職を受け、治安維持のため州警察と連邦警察の警官が現地に派遣された。(共同)

先日はこれまた麻薬組織絡みでなんと一挙に35人が殺されているのが見つかったというのですから驚きますが、中南米の麻薬犯罪というものがどれほど根深いものであるかということを示す一件だとも言えそうです。
そのお隣アメリカではこれまたちょっと信じがたいような話が出ているようですけれども、まずは記事から紹介してみましょう。

米西部でカーナビ過信に注意呼びかけ、48日間迷子も/アメリカ(2011年5月16日ロイター)

[サーモン(米アイダホ州) 13日 ロイター] 衛星利用測位システム(GPS)を利用して車で米国を旅行していたカナダ人夫婦がネバダ州での荒野で48日間放浪した出来事を受け、米当局は同国西部を車などで移動する旅行者に対し、GPSを過信しないよう呼び掛けている。

 この夫婦はカナダのブリティッシュコロンビア州からラスベガスに向かう途中、アイダホ州ボイシとネバダ州ジャックポット間の近道を携帯型のGPSで検索。指示に従って道なき道を進んでいたところ、荒野に迷いこんでしまったもよう。

 アイダホ、ネバダ、ワイオミング各州の郡保安官事務所は、GPSを利用した旅行者が近道をしようとして標識で記されている道や舗装された高速道路を外れて走行し、トラブルに陥るケースが過去2年間で増えていると指摘。カリフォルニア州にあるデスバレー国立公園はトラブルの増加を受け、GPSに頼り過ぎないようウェブサイトで注意を呼び掛けている。

 当局は、西部で道が二手に分かれていた場合、より多く車の通っている道を選ぶよう助言。ワイオミング州南西部オールバニ郡の郡保安官代理は「GPSが近道として提示した道を走行していて、荒野に入り込んでしまう人がいる」と述べたほか、アイダホ州南西部オワイヒー郡の郡保安官は「(GPSは)最も近いルートを提示するかもしれないが、現在地と目的地の間に通行できない峡谷があることまでは考えていないだろう」

と語った。

狭い日本そんなに急いでどこへ行くの日本人の感覚からすると本当に迷っていたのか?何か「これってネタになるよねw」なんて実は楽しんでいたんじゃないか?とも思ってしまうのですが、よくガソリンや水、食料が保ったものだと考えると極めて危険な状況だったということが判りますよね。
これまたアメリカ絡みの話題ということになりますが、率直に申し上げて競技を間違えているのでは?という気がしないでもない話です。

中国選手が馬乗りで米国選手にパンチ バスケの試合で大乱闘/中国(2011年8月19日産経ニュース)

 【ワシントン=佐々木類】米中両国のバスケットボールチームが親善試合で大乱闘を演じ、中国側の暴力行為が米メディアで大きく取り上げられた。

 試合は18日、北京オリンピックスポーツセンターで行われた。対戦したのは米首都ワシントンにあるジョージタウン大と中国人民解放軍所属チーム。

 19日付ワシントン・ポスト紙(電子版)は、両チームの選手同士による小競り合いの後、米国人選手がコートに倒れているところを選手以外の中国人が蹴りつけている写真を掲載した。

 同紙は、試合途中で米国人選手がコートから引き揚げようとした際、観客が水の入ったペットボトルを選手に投げつけたほか、会場にいた警官がもみ合いを見て見ぬふりをしていたと報じた。

 米経済誌フォーブス(電子版)は、試合のビデオ映像を掲載。中国人選手が倒れた米国人選手に馬乗りになって殴りつけたり、米国人選手に椅子が投げつけられたりする場面もあった。

 ジョージタウン大のトンプソン監督は試合後、「遺憾の意」を表明。米国務省高官は「不幸な出来事だが、スポーツを通じて中国との相互理解を深めていきたい」と語った。米当局からは、穏便に済ませようとの配慮が伺えるが、中国選手の暴力行為に米世論の批判が高まりそうだ。

 米中両チームのバスケットボール試合は、バイデン米副大統領の訪中に合わせて行われた。前日の17日には、バイデン氏がジョージタウン大と別の中国チームの試合を観戦している。

リンク先の写真を見ていただくと状況だけは一目瞭然という感じですが、サッカーのみならずバスケットでもカンフー炸裂ということになるとこれはうっかり中国と試合をするのも躊躇するということになりませんか。
同じく中国ネタではもはや何かが炎上した、爆発したなどというレベルでは驚きもしませんけれども、こちらはさらにその先があったと言うことです。

共産党書記と副村長が乱闘…発端「家電に火噴かせる変電器」=広州/中国(2011年9月16日サーチナ)

  広東省広州市白雲区にある村の会議で、同村の共産党委員会書記と副村長の乱闘が発生した。発端は村にある電力施設の変圧器。性能が不安定で、各世帯に送る電圧が異常に高くなり、電化製品が火を噴いて燃え出す事態が相次いでいた。新たな変電施設を作る方向で話し合っていたが、設置場所で揉めた。中国新聞社が報じた。

  乱闘が発生したのは白雲区江高鎮雄豊村の工作会議。同村の人口は約3000人で、変電施設の性能が不安定で、停電や異常な高圧送電を繰り返していた。電化製品が火を噴いて燃え出すこともしばしばで、「世帯ごとに電圧安定期を備えていないと、電気をまともに使えない」状態が続いていた。

  村長と副村長は、住民の選挙で選ばれる。副村長は4月の選挙で当選し、就任の際に「村は昨年(2010年)、新たな変電施設の設置場所を決めた。しかし共産党委員会の書記が同意しないので、着工できない」と述べた。

  その後、副村長は「住民3000人以上に関係する問題だ。変電施設の設置場所については、改めて住民投票で決めるべきだ」などと主張。しかし書記は、共産党委員会と村の行政の会議を行うよう主張した。

  会議が始まってすぐ、共産党委員会の書記は副村長に殴りかかったという。副村長によると「私の胸をこぶしで殴り、頭も殴った。共産党委員会の幹部2人が書記を後ろから抱きかかえて、暴力をやめさせた」という。

   副村長は60代で、軽い脳梗塞になった病歴がある。殴られたことで、血圧が180に上昇した。けがを診察した病院によると、左脳に梗塞があると見られる以外に、右脳が挫傷した可能性もある。副村長は10日以上、入院したという。

  共産党委員会の書記は40歳だ。副村長が主張する変電設備の設置場所については、「風水の問題や、電磁波の放射などを理由とする反対意見もある」と説明し、副村長の強引さを批判した。

  暴力については、「殴ってはいない。押しただけ。ちょっとした衝突」と述べた上で、「たしかに先に手を出したのは私。しかも相手は高齢者だった。私の責任の方が、やや重い。しかし、彼にも問題があった」と主張した。

  書記は、「自分の責任の分として、治療費の7割を支払う」と申し出たが副村長は拒否。「金はいらない。もっと払うと言われても拒否する。会議で暴力を振るったことについて、共産党の紀律委員会が処理してほしいと願っているだけだ」と述べた。(編集担当:如月隼人)

こういう話を聞くと逆説的に日本の電源が国際的に見ても非常に安定しているということのありがたさを感じるわけですが、そうした不安定な環境にあるならあるで商品の側も何らかの安全対策を講じてもらわないことには怖すぎてうっかり家も離れられないですよねえ…
こちらお隣韓国からの話題と思いましたところが、元をたどればやはり中国発だったというびっくりニュースです。

「人肉カプセル」、韓国で売買=中国から密輸、捜査へ-月刊誌報道/韓国(2011年7月21日時事ドットコム)

 【ソウル時事】韓国の月刊誌「新東亜」は最近発売された8月号で、死産の乳児らの人肉でつくった粉入りカプセルが中国から持ち込まれ、薬としてソウルの市場などで密売されていたと報じた。韓国関税庁は近く、検察などに捜査を依頼するという。
 同誌は今年初めにこの情報をつかみ、その後、中国とソウルでカプセルを入手。関税庁の協力を得て、韓国国立科学捜査研究所に成分分析を依頼した。
 その結果、人間の遺伝子と塩基配列が99%一致。男性の染色体も確認され、女性の胎盤でないことも分かった。関税庁関係者は時事通信に対し、「塩基配列から人間に間違いない。男女双方の遺伝子が確認された。ほかの動物とは考えられない」と語った。
 中国の関係者は、ブローカーが吉林省延辺朝鮮族自治州の病院から乳児の遺体を買い取り、カプセルを製造すると説明。韓国で密売に関わった中国朝鮮族の男性によると、カプセルは同自治州から韓国に送られた後、漢方薬業者を経て、市場に持ち込まれた。術後や大病で衰弱した人に効く薬として、100個80万ウォン(6万円)程度で密売されていたという。

これまた先日中国人業者が摘発されたという続報が入っていますけれども、中国古典などにも割合当たり前のように登場するこの伝統というものが今の時代も生き残っていると噂ではあったものの、科学的にはっきり立証されたというのは自分が知る限り初めてのケースではないでしょうか?
時としてその存在自体があり得ないなどと言われてしまうのがブリですけれども、先日はこんな悲惨な事件があったということです。

高架下を通り抜けようとしたら大惨事! バスの天井は壊滅…乗客は?/英(2011年9月24日Pouch)

この、まるでブリキでできたおもちゃのようなバスをご覧ください。その屋根は無残に引きはがされてしまっています。手で裂いたかのようなその姿は、一瞬我が目を疑う異様な光景です。

なんとこの二階建てバスは、自身の高さよりも遥かに低い鉄橋の下を無理やり通過したために、このような姿になってしまったのです。バスは、その屋根そして後部をそっくりむしり取られて、ひとつの鉄の塊のまま事故現場に佇んでいます。

被害に遭ったのは、イギリス・ダーリントンにあるクイーンエリザベス大学付属高校のスクールバス。当時バスには、50名以上もの生徒が乗車していました。しかも事故現場は、目的地の学校からたった1.6キロの距離だったそうです。

事故を目撃した人の証言によると、現場の壮絶さがうかがえます。「頭や腕から出血した生徒たちが大勢泣き叫び、次々に救急隊員によって手当を受けていた」「バスの運転手や通行人が、ひとりの男の子を泣きながら救出していた」。一時騒然となった状況を想像すると、背筋が凍ります。

公式の発表によると、病院に運ばれたのはバスの運転手を含む14名。鎖骨骨折や頭部への外傷など、いずれも軽傷とのことでした。クイーンエリザベス大学付属高校の校長ティム・フィッシャーは、「バスに乗っていた全ての人が大きな怪我をしなかったことは、幸運だった」とコメントしています。

しかし、バスとぶつかった鉄橋を比べてみると、どう考えても下を通るのは不可能なように思えます。自身の車を運転中に事故を目撃したアンジェラ・ソーンベリーもそのように感じ、走行するバスを見ながら不安を募らせていたようです。「だって、どう見たって鉄橋よりもバスの背の方が高いし、絶対通り抜けられないと思ったわ」とのこと。

そしてアンジェラの不安は的中し、事故は起きました。現場には生徒たちの絶叫が響き、軽傷とは言えど、皆心と体に傷を負ってしまったのです。避けられるはずだったこの事故は、なぜ起きてしまったのでしょうか。現在も地元ダラム警察が事故原因の捜査を続けているそうです。

デイリーメールの元記事の写真が状況をより詳細に示しているようなのですが、この状況で死者も重症者も出なかったと言うことの方が「信じられないが本当だ」というところでしょうか、何にしろ決まった経路を走るだろうスクールバスであってさえこんなあり得ない事故を起こしてしまうあたりがブリの真骨頂発揮ということなんでしょうか。
最後に控えますのはこちら日本初のニュースですが、世界中で「信じられないが本当だ」と話題になっている話だということです。

23億円が戻ってきた!?日本の道徳心はありえないと海外で話題に/日本(2011年8月22日らばQ)

東日本大震災から5ヶ月余りが過ぎました。いまだにその影響は計り知れないですが、各地で復興に向けての努力が続けられています。
震災によって多くの人がさまざまなものを失いましたが、紛失していた現金23億円分が返還されたというニュースが海外に伝わり、「日本人の道徳心は素晴らしすぎる」と感動の声が上がっていました。
紛失した現金は財布からだったり、家庭の金庫だったりといろいろのようで、ボランティアによって見つけられた現金も含め、合計23億円もの現金が持ち主に返還されたそうです。
このことが海外のメディアでも報じられ、日本人の誠実さを表していると、驚きや称賛の声が各方面から上がっています。
海外掲示板でも大きな盛り上がりを見せていたので、一部をご紹介します。

・これと同じことが(地震後、略奪が起きた)ハイチで起こる可能性 = 0.0000000000000001%。人というのは違うんだ。
・そりゃそうさ、まずハイチで23億円が見つかるわけないじゃないか。
・飢死してるんだから、そりゃそうだろう。
・少なくとも世界には道徳心のある人々もいるってことだ。
・同種族の人ばかりの環境では容易なのかも。
・かつ、世界で宗教から最も遠い国民でもある。
・きっと「日本人でいる」という宗教なんだ。
・だが、密度の高いとてもうるさい環境で、長時間労働と、次のゴジラ襲撃のストレスにより、自殺率と精神疾患は高いレベルにあるんだ。
・おい作り上げるのはやめようぜ。そんなにうるさいわけではない。
・その頃イギリスでは2000万ポンド(約25億円)以上が台無しになり、それを祝っている。
・これこそが日本だろ。女子サッカーがW杯で優勝したかと思えば、バカな誰かが第二次世界大戦のことを言い出すとか。
・日本は素晴らしかったよ。住んでたときは楽しかった。財布、傘、パスポートなど、何をなくしても戻ってくるチャンスは100%だった。しかも財布に現金が入ったままで戻ってきたんだ。
・ついこの間、高齢の人々が福島の第一原発での仕事のボランティアを名乗りあげているというニュースがあったばかりで、今度はこれだ。もう日本人は世界でもっとも良い人柄なんだと思えてきた。
・おれはJALの社長がパイロットより給料を安くしたって話が好きだった。バスで仕事に行って、カフェテリアで食事をしていたぞ。
(参照:JAL社長の給料がパイロットより低い…「アメリカとは大違いだ!」アメリカ人たち大絶賛
・日本の社会は世界の他の場所に比べると、極端に安全だ。しかし社会システムや慣習により作り出される環境には大きな犠牲もある。
 日本でほとんどが戻ってくる理由は、規則、階層、社会的な決まりごとが強いためである。
 日本では権力にたてつくことや、規則を破ることが良しとされず、個人的な表現でさえも、少しでも流れに逆らうことなら、しかめっ面される。規則は規則であって日本では破られない。
 僕は日本でマヨネーズがついていないサンドイッチを注文することさえ不可能だった。なぜか、それは日本のサンドイッチにはマヨネーズがついてくるものだからだ。
 比べてアメリカでは、個人の意見は尊重され、規則というのは破られるものと言われているのが一般的だ。そういう社会構造はよく議論され、個人の自由がうたわれる一方で、わがままな態度も増える。
 日本の凝り固まった方法は、社会としてはよく機能している。その反面、息苦しくも感じる。
 女性は男性より地位が低いと受け止めているようで、そのため女性の政治の参入や女性の給料は先進国としては、ショックなほど低い。
 さらに自殺は他国に比べてそれほど悪いことだと受け止められていない。個人にのしかかる連続したストレスなどが原因で自殺率が高いのもうなずける。
 言いたいことは日本も完璧ではないということだ。社会システムは大半の国よりよく機能しているが、いったい社会システムのどこに価値を見出してるかを考えなくてはいけない。
 秩序がいいのか?自由がいいのか。個人の幸せがいいのか、コミュニティとしての機能を求めるのか。両方を選べないのか?
・4年間教師をしていた自分もよく似た意見だ。創造性がないことや、同一性を促していることほどイライラすることはない。
 生徒のほとんどは見られることや失敗を死ぬほど恐れているし、英語の授業では単調な文法の暗記がほとんどだよ。
・実体験を話そう:
 日本で一番犯罪が多いところ(大阪のミナミ)に1年半ほど住んだ。そうしたら犯罪は全然多くなかった。僕はロサンジェルス出身で、犯罪が多いってことがどういうものかを良くわかっている。
 日本はクレジットカードが使えないところが多くあるので、現金を持ち歩く(500ドルとかを一度にだ)。ある日、ぼくは3万円をATMで引き出し、その場に忘れてきたことがあった。
 すると20分後に銀行から電話があって、誰かがATMでそれを見つけてすぐに銀行に返し、銀行はすぐに僕を割り出して口座に戻しておいたと言う。
 僕は地下鉄でカメラを2回も忘れ、両方戻ってきた。一度なんて酔っ払って倒れていたとき、目が覚めたらマクドナルドのセットが目の前に置かれていた。
・それはおもしろすぎる。きっと「うーん、外人が気絶してる……。どうするかな、きっとハンバーガーを好きだろうな。よしマクドナルドに行こう」こんな感じだな。
・きっとホームレスだと思われたんだよ。
・オレのストーリー。東京で散々酔っ払って、JRのトイレに寄った。最高の気分で家に帰った…つもりが最悪だった。トイレで僕の軍のIDやジュネーブ会議のカードの入った財布、ポケットの中身すべてを落としていたようだ。
 一週間して警察から電話がかかってきた。「財布が届いているのでとりにきてください」と。しかも現金も中にあった。クレイジーな国だ。

アメリカやイギリスのメディアでも、多額の現金が戻ったことに驚きと称賛の論調ばかりでした。
どの国でも良い点・悪い点はあり、視点や考え方によって変わってくるものだと思いますが、他所から見て良いとされているものはもっと誇っていいのかもしれません。

Japanese police say people have returned $78 million in missing cash after quake.

まあゴジラ襲撃はストレスというよりは今や祭りなどと同種のある種イベント的側面が濃厚かと思いますけれども(苦笑)、日本の常識が世界の非常識というこれはその一例になるということなのでしょうか。
今回の震災にあたっては驚くなかれ(失礼)あの生まれついての皮肉と諧謔の徒であるかのようなブリからも極めて率直かつ真摯な応援メッセージが多数寄せられていますけれども、日本が再び立ち上がることが彼らの支援と声援に対する何よりの恩返しになると言う気がしてなりません。

今日のぐり:「創作沖縄料理ちゃちゃぶー 大供店」

岡山市の中心部近く、市の水道局向かいあたりから少し入ったところにあるこちらのお店、なにやら調べて見ると同じ岡山市内にも別店舗があるようで、チェーン展開しているということなんでしょうか。
ちなみにこの店名、もしや沖縄方言か何かなのかなと思ってネットで検索をかけてみましたら妙なモンスターばかりがヒットしてくるのですが、よもや店内で突然襲われたりなんて趣向じゃないですよね??
創作沖縄料理と言うことですけれども、当方名前を知っているくらいで本格的に沖縄料理を食べたこと自体がないものですから、どこらあたりが創作なのかは正直区別が付きかねるという点はご容赦ください。

聞くところによれば食べ放題コースなどというものもあるそうですが、今回は適当に同行者らの頼んだものをつつくという形で色々と試してみたのですが、まずは前菜的に出てきた「じーまみー豆腐」なるピーナッツ豆腐というもの、確かに沖縄の郷土料理なんだそうですけれども、本土においてもこと岡山県内に限っては珍しくも何ともない味、ということになるんでしょうかね…
沖縄らしいというと「ミミガー(豚の耳)」なんてものも本格的に食べたのは初めてですが、唐揚げは軟骨系の少し歯ごたえのある食感でなかなかうまいし、これがサラダになると何やらクラゲのような食感で面白いしで、これは食材としてはなかなか面白いものですね。
沖縄料理と言えば他にも豚肉料理が豊富だと言うことですが、一度食べてみたいと思っていた「そーき(豚バラ)煮込み」などは実際はやはり骨の部分は食べられないというものの軟骨は確かに柔らかくなっていて、豚バラ煮込み系が好きな人にはこのこってり味がたまらないのでしょうね。
ただ幻の豚とも言う「あぐー豚の餃子」なんてものは食べた感じではごく普通の焼き餃子と言うところですし、どこをどう見ても沖縄料理に見えない豚キムチなどは豚肉が厚切りなのが存在感を主張しているものの豚キムチそのものの味ですし、このあたりはさすがに沖縄っぽさはそれほどに感じられないですよね。

沖縄っぽくないと言えば中華の定番であるエビマヨが何故かあって、こちらのマヨネーズソースの塩梅はかなり良い感じで結構好みなんですが、飲み屋の定番である鶏唐は妙に鶏肉が柔らかく仕上がっているのはいいとして少し揚がりすぎですし、沖縄料理の「ひらやーち(沖縄風ちぢみ)」なども玉子リッチな生地はいいとして妙に焦げ臭いしで、火加減にはもう少し改善の余地があるのかも知れません。
あちこちで食べるたびに全く味が違っていている沖縄名物タコライスですが、こちらのはまさにチリソース!という感じの激辛ソースで、うまいまずい以前にこの辛さに耐えられない人には向かないかも知れませんね。
ゴーヤチャンプルーがポーク缶ではなく普通の薄切り肉だったのが個人的にちょっと残念だったんですが、味の方は苦みも抑えられていておかずにもつまみにも合いそうなものですし、楽しみにしていた沖縄ソバなどは製法上麺の食感が劣るのは仕方がないとして、今まで何度か食べた中ではここのスープは一番良かったなと思います。
今回は手を出しませんでしたが海ぶどうなどいかにも沖縄らしいものも一通りそろっているようですし、沖縄料理と言うくくりを離れても全般的な味の組み立ては悪くない感じでしたから、場所柄ちょっとした集まりなどに利用するのにもいいかも知れませんね。

接遇面からすると料理屋と言うよりは居酒屋という感じで、実際に定番の泡盛を始めアルコール類もなかなか充実しているようなんですが、今回はシークワーサージュースなどノンアルコール主体でも種類豊富で結構楽しめたことは追記しておきます。
顧客に対してきちんとサービスしていこうという気持ちは見えるし、全般にスタッフの士気も高そうなので悪い印象を受ける店ではないのですが、比較的なじみの薄い沖縄料理であることと表通りから少し入って見えにくい立地ということで、集客面では少しばかり不利になるのではないかなと他人事ながら心配になってはくるところです。
もっともこの日の客の入り具合を見る限りでは地味な感じの店構え(失礼)にも関わらず結構繁盛していらっしゃるようですし、実際に複数店舗も構えていらっしゃるわけですから口コミでのリピーターも多いということなんでしょうか、何にしてもたまには珍しい料理を食べてみたいという向きにはおすすめのお店かも知れませんね。

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2011年10月 1日 (土)

フジテレビ問題 常に基本に立ち返らなければ迷走しかねません

危惧されたようにどうも先日以来のフジテレビの偏向報道に対する反対活動が妙に曲解されているというのでしょうか、妙な右翼団体が絡んでいることでおかしな難癖をつけられている側面があるようです。
そもそもマスコミの偏向報道に対する抗議であったものが何故か反韓流などと(主にマスコミ関係者によって)言われていることもその一つですが、先日はとうとう「モテナイ君とか不細工な男の怨念て凄い」「韓流を見習えばいい」などとトンチンカンなことを言い出す人まで登場したようです(苦笑)。
以前からマスコミのあり方に対する危機感を募らせてきた挙げ句に今回の実行動に至った多くの真面目な人々にすれば、日本語による意思疎通の限界を感じて嘆息する思いなのでしょうが、興味深いことに実際にはデモ参加者は「モテナイ君」どころではなかったという奇妙な報道が出ています。

デモは出会いの場と化した!!? フジTV抗議デモ主催者に女性トラブル続発中(2011年9月27日EXドロイド)

巨大掲示板「2ちゃんねる」を中心に広がった、フジテレビの韓流ゴリ押しに抗議するデモ活動。東京・お台場のフジテレビ社屋周辺や、フジの主要スポンサーの一つである花王の本社前などでデモ活動が展開され、海外メディアにも取り上げられるなど注目を集めている。

ところが、デモの運営側に女性絡みのゴタゴタが相次いで発生するという事態が起きている。9月19日、主催者の男性がデモで知り合った女性と結婚を前提に交際していることを自身のブログで告白。「今まで色々な活動で男女間の問題が活動自体の障害になってしまった例を見たり聞いたりしているので、この様な事になった自分にはもう表舞台に立つことは許されない」として、デモの主催から降りることを宣言した。

デモの主催は別の人物に引き継がれたが、今度は新主催者が恋人がいる身でありながらデモで知り合った女性と浮気をしていたことが発覚。女性の書き込みによると、女性側から主催者に近付いたらしく、当初は彼女がいることを理由に断っていたが、程なくホテルに何度も行く仲になったという。

この女性は、自分から誘ったのだから主催者は悪くないと擁護するような発言をしているが、ネット上で関係を暴露するというのは明らかに逆効果であり、デモを支持するネットユーザーの間からは「花王の工作員が仕掛けたハニートラップだ」との陰謀説まで上がっている。

主催の男性は自身のツイッターなどで謝罪を表明し、次回デモを新運営に引き継いで表舞台から身を引くことを宣言した。

1970年代の学生闘争でも、組織内での男女のゴタゴタはつきものだった。「運動に加わればモテる」という理由で学生闘争に身を投じた男子学生も少なくなかったといわれる。右と左の違いこそあれ、フジ抗議デモにおいても同じようなゴタゴタが繰り返されているといえるだろう。

フジテレビ抗議デモはネット右翼(ネトウヨ)が中心となったデモといわれるが、意外にも参加者に20~30代の女性が多いことも、色恋沙汰を引き起こす原因となったと見られる。そして、同じ目的を持ったサークル内において、実力者の男性に引かれる女性が一定数いるということも大きい。あさま山荘事件で知られる「連合赤軍」のマドンナ・永田洋子も、恋人だったメンバー・坂口弘を捨てて、リーダーの森恒夫に乗り換えたことは有名だ

もちろん、そういった女性ばかりではないが、このタイプの女性が確実に存在することも事実。デモの主催などの要職に就けば、どんな男性でもモテるようになると言っても過言ではないだろう。特に若い女性が多いフジテレビ抗議デモは、格好の「出会いの場」「婚活の場」になる。「テレビの内容が気に食わない」という情けないきっかけで発生したフジTV抗議デモだが、出会い系に変貌することで少子・晩婚化が叫ばれる日本の役に立っているとすれば、非常に有意義なデモといえるだろう。(佐藤勇馬)

花王のハニートラップかどうかはともかく、デモの趣旨からしても個人情報保護の観点からしても全くどうでもいい話題かなというのが正直なところで、一読したところ勝手な決めつけばかりで印象操作を試みたかのような内容で、一体これは何の目的で書いた記事なのかという気がします。
面白いのはこの妙な記事を発信しているEXドロイドなる会社、元々をたどっていくと経営陣は軒並み韓国系であったり韓流スターの版権管理を行っていたりで明らかに今回のデモには辟易しているだろうと推測される会社だそうですから、なるほど要するにこれも「情けないきっかけから発生したデモなどしょせん口実で、結局ぶさ夫が女にもてたいだけ」というイメージを植え付けるネガキャンの一貫であったということなのでしょう。
すでにこの偏向報道問題に対しては「本気でメディアを変えたいのであれば働きかける方向性が違う」という指摘もあって、とりわけ花王が取り上げられるというのは明らかに一部の人々が迷走(あるいは、意図的にでしょうか?)しているという気がしてなりませんけれども、他方でこうした動きを受けてマスコミ内部においては「韓国絡みで迂闊なことをすれば大炎上につながるかも…」と警戒する動きは出てきているようですね。
ところが当のフジテレビの方では相変わらず偏向報道という批判を肯定し炎上のネタを提供しているとしか思えないような行動に終始しているというのですが、その一例として先日問題となったACLでの一幕を紹介してみましょう。

C大阪怒り心頭 スタンドの「大地震をお祝い」横断幕に抗議/韓国(2011年9月27日スポニチ)

ACL準々決勝第2戦  C大阪1-6全北 (9月27日  全州)

【写真】スタンドに掲げられた横断幕

 全北のスタンドに心ない言葉が書かれた横断幕が掲げられ、C大阪側が抗議するハプニングがあった。

 「日本の大地震をお祝い(し)ます」などと東日本大震災を中傷する内容で、C大阪側の指摘を受けて前半途中に撤去されたものの、C大阪関係者は怒り心頭だ。

 ベルギー1部リーグではリールセの日本代表GK川島がゲルミナル・ベールショットのサポーターから「フクシマ」と連呼されて問題になったばかり。C大阪側は試合後、AFCに抗議文を提出した。

ご存知のように先日はベルギーリーグで川島選手に「カワシマ!フクシマ!」という心ないヤジが飛んだことが大問題になった後だけに、またぞろこういうことをやってしまうというのもどういう考えなのかですが、この件に関しては当然のことながら全北からの謝罪もあり、当該サポーターには10年間の観戦禁止処分が下されたことで公式には一定の決着を見ています。
ただこのスポニチの写真入り報道を受けて韓国内では様々な意見で紛糾していて、特に一部韓国メディアが「周囲の観客の顔を露出させたのは特定の人格を毀損する素地がある」と言う主張を行ったということを周知頂いた上で、フジテレビによる下記の報道を御覧いただければと思います。

【参考】【動画】FNNスーパーニュース 9月28日 中傷する横断幕

韓国内での上記報道も伝えていることから知らなかったわけではないことは明白ですが、スポニチの写真と比べていただけると判ります通り「周囲の観客の顔を露出」させないように巧妙な配慮が行われているのがお判りかと思います。
まさに韓国紙の言う通り、今の時代にこの種の露出は別な問題を引き起こしがちであることは明白ですからこうした配慮?を行うこと自体は別に構わないのですが、問題は同じ報道内で取り上げられている川島選手の事件のシーンでは観客の顔を隠すそぶりもなく丸出しにしているということで、ここでも以前から指摘されている「フジテレビによる韓国に対する特別の配慮」を垣間見ることが出来ますよね。
このあたりの特別な配慮の存在を推察させるもう少し別な話ということで、先日これもフジテレビの番組内で発生したハプニングについても取り上げてみましょう。

笑っていいともで皆藤愛子失言!? 仰天の旅行エピソードで愛ちゃん大ピンチ(2011年9月28日サーチナ)

  フジテレビ「めざましテレビ」の元お天気お姉さんで、現在はキャスターも務める皆藤愛子が、「笑っていいとも!」(フジテレビ系列)の番組中にて発言した内容が注目を浴びている。

■リアルライブ - サーチナ・トピックス

  問題の発言は9月27日に放送された番組内の人気コーナー、「中居正広のまさかのオールYES」にて。このコーナーにゲスト出演した皆藤は、「タクシーで怒ったことがある?」という質問に「YES」と回答。

  「外国でタクシーに乗った時に、行き先と違う知らない道、人気のない暗い所に連れて行かれてしまい、途中で『降ります!』って怒って降りました
と、海外旅行でタクシーを使用した際に遭遇したアクシデントの話をした皆藤。母親と二人で利用したそうだが、雨の中タクシーがどんどん違う方、それも暗い所に行くので彼女はドアをガチャガチャ動かしたりして抵抗したらしい。皆藤はその時の印象を「怖かったですね」と述べていた。

中居が「どこの国ですか?」と質問した所、皆藤は「韓国です!!」と答えた。これには流石に中居にタモリも苦笑い。他の出演者も答えに詰まっていた

  というのも、この日のテレフォンショッキングのゲストは人気K-POPグループの東方神起。また、彼女の出演している「めざましテレビ」でもK-POP情報の紹介は人気のコンテンツ。韓国のイメージダウンに繋がりかねない皆藤の発言に、視聴者からも「こんな事言っちゃって大丈夫?」と彼女を心配する声が上がっていた。

  とはいえ、海外旅行にトラブルはつきもの。日本人は特にトラブルに遭いやすいと言われているし、それが非力な女性ならば尚更だ。彼女の経験談は、楽しいだけが海外旅行ではない、海外ではもっと身の危険に対して注意をすべきという事を伝えるキャスターならではの良い発言だったと言えるだろう。

  彼女の発言にこれからも注目していきたい。(情報提供:リアルライブ)

実際の動画を見て頂ければ判る通り、単に仕切り役の中居氏の周囲の投げかける質問に答えていただけで何が問題なのかと思うのですが、当日のゲストが韓国人グループであったり彼女の担当番組で韓流ネタを取り上げられているといったあたりが「表向きには」問題視されているようです。
ちょうど先日も一人でミャンマーを旅行中の女性がタクシー運転手に殺害されるという事件が起こったばかりで、どこの国でも一定の確率で発生しうる残念な事件の一つなのではないかと思うのですが、フジテレビと韓国ネタということで多くの人々が注目したということも関係あるのでしょう、あっという間に韓国内にも知られるようになりました(よく知られている通り、韓国メディアは日本のネット発の話題をよく取り上げる傾向があります)。
せっかく韓国からゲストが来ているところにこういう発言をするとは一般常識からしてもちょっと不用意だったとは言え、あくまで話の流れで出ただけのことですから別にそこまで大騒ぎするような話でもないと思うのですが、面白いのは放送が終わった後に何やら不穏な一幕があったという妙な噂が急速に拡散しているようなのですね。

皆藤愛子さん番組終了後に在日社員からビンタ?(2011年9月29日ぶっとびニュース)より抜粋

皆藤愛子さん“笑っていいとも”の「生番組放送中での発言」です。この発言は打ち合わせなしの本音でしょうね。

 そしたら皆藤さんは、番組終了後に在日の社員からビンタを喰らったと書き込まれ、ご丁寧にも証拠写真と思われる「手ぬぐいで頬を抑える皆藤さん」の画像まで公開されています。もし、これが事実なら、フジテレビでは露骨な言論弾圧が堂々と行われているという証拠になるでしょう。
(略)

実際のところそうした行為があったのかどうかソースがはっきりしませんし、公開された写真なるものを見る限りでは「番組出演時と服や髪が違う」とか(確かにこちらは本放送用の格好とは思えません)、顔を叩くにしては紙袋を持っているのは不自然だとかいった指摘もあり、個人的にはどうも全く無関係な画像を利用しての便乗ガセネタなのではないかなという印象を受けています。
とはいえ、こうしたちょっとした配慮を欠いたうっかり発言で済むはずの話が前述のように大々的に取り上げられる、そしてどこででも起こりえる話であるにも関わらず「仰天の旅行エピソード」「大ピンチ」などと言われてしまうというのは、要するにマスコミ他社の間においてもフジテレビでうっかり韓流を批判するような発言をした者は干されるという認識が常識化しているということを示すものでしょう。
実際にこの件に関して皆藤愛子氏に何らかの処分なり叱責なりがあるものか(それとも、すでにあったのか?)は判りませんけれども、この程度の話題にすらそこまで気を遣わなければならないのだとすれば、そんな言葉狩りのような行為が健全なマスコミのあり方であり正しい日韓関係のあり方と言えるのかということですよね。
フジテレビに対する抗議は妙な勢力の乱入によっていささか混乱を来しているのは事実だとは言え、本来的に見れば決して反韓流などといった性質のものではなく、むしろ隣国との間に正常な善隣関係を構築していく上で有害無益な障壁を排除することにもつながるのだと、関係者一同はもう一度しっかりと基本をおさらいしておくべきなのでしょう。

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