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2011年8月 8日 (月)

今日は弁護士業界の話です

先日は大卒者の2割、実に10万人超が進路が決まらず、しかも留年者や大学院進学者を除くと就職率は6割であったと言う記事が出ていました。
今どきどこの学部でも就職は厳しいという世相ですが、ひと頃であれば引く手数多であったはずのこちらの世界でもとうとうこんな状況になってしまっているようです。

司法修習生の43%「就職未定」=過去最悪、不況など影響-日弁連(2011年8月3日時事ドットコム)

 日弁連は3日、2010年の新司法試験に合格した司法修習生のうち過去最多の43%が、7月時点で「就職先が未定」と回答したとする調査結果を公表した。

 調査は日弁連が修習生に対しメールを送るなどの方法で3月から毎月実施。7月の調査では、2022人の修習生のうち913人(45%)が回答した。

 同様の調査は4年前から実施しており、7月時点の未定率は8%、17%、24%、35%と年々悪化していた。

4割以上の就職先が決まっていないという数字自体もさることながら、注目して頂きたいのがわずか4年の間に就職未定者が8%から43%へと急上昇しているということで、しかもこの勢いが続きますと来年はさらに悲惨な状況になることも確定していそうですよね。
司法試験と言えば合格者の年齢もかなり高いもので、平成22年度のデータでは平均年齢29.1歳だったと言いますから社会人としてはかなりの遅咲きですが、見ていて気になるのは合格率の方も2006年度には48%だったものが年々低下し2010年度にはわずかに25%と、こちらもすっかり低くなってしまっていることです。
もともと新司法試験での合格率自体は最終的にはこの程度で落ち着くと予想されていたと言いますから、30歳も間近になって3/4が振り落とされるという事態も関係者にとっては予想されたことだったのかも知れませんが、それだけの狭き門をくぐれば食っていく道が半ば保証されていた時代ならまだしも、半数が就職先も決まらないということになるのでは学生としても「こんなはずじゃなかったのに…」という気にもなりそうですよね。

日本では長年諸外国に比べて弁護士が少ないということばかりが強調されていましたが、諸外国で弁護士がやっているような仕事を日本では弁護士以外にも司法書士など他の専門職が分担して行っていて、これらも含めた法曹関係人口全体では決して不足していたわけではないという声もあるようです。
噂に聞くところによるとすでに顧客を抱えているベテラン弁護士の方はひと頃ほどではないにしてもまだ食べるに困るほどではないらしく、その一方で弁護士の平均年収がこのところ急減してきているというのは、結局新規加入の若手達ばかりが大きく割を食っているということになるのでしょう。
そしてあっという間に弁護士資格を持つ人間が急増し職にあぶれるような状況になっても、裁判の迅速化などに役立つ裁判官や検事などはそこまで急には増えていないということですから、かねて言われているように仕事にあぶれた弁護士達があちらこちらで新規の仕事開拓を始めるようになると、下手をすれば減少傾向にあるという訴訟件数も増加に転じて裁判所はかえって多忙になってしまうかも知れません。
要するに質の低下を抜きにしても人間誰しも貧すれば何とやらということですが、しかもそれに輪をかけて困ったことになりそうなのが以前にも紹介しましたこちらの一件で、どうやらこの度いよいよ本決まりとなってしまったようですね。

修習生の給費制打ち切り=11月から貸与制-政府(2011年8月4日時事ドットコム)

 政府は4日午前、法曹養成改革に関する関係省庁副大臣らの検討会議を法務省で開き、司法修習生に月額約20万円を支払う「給費制」を打ち切り、11月から無利子の「貸与制」に移行する方針を確認した。また、奨学金返済を抱える低所得者の負担軽減策を講じることでも一致した。8月末に同会議を開き、正式に決定する。

計算上は2000人に月額20万を支給すると年額50億円ほどになるのでしょうか、民主党にしてもこの制度を打ち切ると言い出したり一転して存続を認めたりと煮え切らない態度が続いていましたが、結局のところこのタイミングで打ち切りを決めたというのも震災絡みで予算も逼迫しているという事情もあるのでしょうかね?
当然ながら日弁連などは反対しているようですが国としても無い袖は振れないという状況でもあるでしょうし、前述の司法試験事態の問題や合格後の就職難も含めて「このままでは金持ちしか弁護士になれなくなる」といった批判を回避するためにも、ここは弁護士全員加入の業界団体である弁護士会(日弁連)こそが積極的に動いていく必要があるんじゃないかと言う気がします。
ただでさえとびきり高い金額を取っているという会費の一部を司法修習生のみならず若手の支援に回すなりして自ら後輩を(厳密に言えば司法修習生は未だ弁護士でないと言うことになるのでしょうが)積極支援するという支援を見せれば、強制加入だけに何かと会員の不満も溜まりやすいだろう組織としては少しばかり頑張って見せないことには求心力も得られないでしょう。
人間誰しも一度きりの人生においてハイリスクを追い求めるほどハイリターンを期待するようになるだけに、あまりに弁護士を目指すことがハイリスクになりすぎると下手をすれば彼らの心根までも妙な方向に歪めてしまい、結果としてせっかく弁護士が増えたところで顧客である国民もかえって迷惑するということになりかねませんよね。

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コメント

グレーゾーン金利問題の特需もそろそろ終わりなので、次の飯のタネは、原発関連でしょうか?
医師の時間外労働なんかもおいしいと思うのですが・・・

投稿: 浪速の勤務医 | 2011年8月 8日 (月) 14時02分

銀行などもそれなりに裕福な家庭の人間でなければ就職が難しいという噂を聞いたことがあります。
いいことなのか悪いことなのかはともかく、悪いことが出来るだけの権限を持つ職場では、食べることに必死であるような余裕のない人では危ないという考え方なのでしょう。
日本の弁護士もアメリカのように悪徳の代名詞とまで言われるようにはなってもらいたくありません。

投稿: 通りすがりのただの人 | 2011年8月 8日 (月) 15時06分

原発特需はすごいことになりそうですが、一度そういうので食っていくようになってしまうと次のネタを探し続ける無限ループになってしまうでしょうねえ…

投稿: 管理人nobu | 2011年8月 9日 (火) 07時36分

あちらはもう戦線縮小せざるを得ないらしい。
それでもメディカルスクール推進派は持論を変えないままなのか。

法科大学院、初の統合へ=来年4月から、社会人教育強化―桐蔭横浜と大宮

時事通信 8月8日(月)20時20分配信
 桐蔭横浜大(横浜市青葉区)と大宮法科大学院大(さいたま市大宮区)は8日、来年4月から法科大学院を統合すると発表した。法科大学院の統合は2004年の制度開始以来初。
 両大は「有職社会人に積極的に対応してきた共通性があり、統合によって特色をさらに優れたものにできる」とコメント。それぞれの法科大学院では、今年4月の入学者は桐蔭横浜大が定員50人に対し38人、大宮法科大学院大が同70人に対し27人と厳しい現状にもさらされている。
 統合は大宮法科大学院大が12年4月入学の学生を最後に募集を停止。桐蔭横浜大が統合後の「桐蔭法科大学院」を運営し、単位互換制度などを実施しながら、教員や学生の受け入れを進める。大宮法科大学院大は16年3月をめどに終了する。 

投稿: kan | 2011年8月 9日 (火) 12時39分

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