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2011年8月

2011年8月31日 (水)

正しくリスクに備えることは決して無駄金ではないはずです

新総理誕生が大きな話題になっている裏で、本来であれば結構大きな扱いをされていそうなニュースがひっそりと出ていました。

作業員が急性白血病で死亡=収束工事「因果関係なし」-東電・福島原発(2011年8月30日時事ドットコム)

 東京電力は30日、福島第1原発事故の収束作業に従事した40代の男性が、急性白血病で死亡したと発表した。同原発での被ばく放射線量は累計で0.5ミリシーベルトで、東電は「収束作業との因果関係はない」としている。
 東電によると、男性は8月上旬から7日間、同原発で休憩所の出入りや放射線量を管理する業務に従事。勤務を終えた後に体調を崩して入院し、東電は16日に死亡の報告を受けた。
 勤務前の健康診断で異常はなかったという。被ばく量のうち、内部被ばくはゼロだった。

さすがに発症のタイミングを考えても原発作業による影響とは考えがたい症例で、おそらく少し前から発症し進行してきていた疾患がちょうど微妙なタイミングで(恐らく現地では健康管理は神経質になっていたでしょうし)発見されたものと思われますが、作業員の被爆量を記録しないなどずさんな管理の目立っていた東電だけに、管理責任は問われそうですよね。
ひと頃は原発作業に赴く作業員に対して何故幹細胞採取をあらかじめ行っておかないのかという非難もあり、コストや手間を考えるとさすがに全作業員にそこまでのことを行うのは現実問題として難しかったのかも知れませんが、被爆の影響を検証する上でも形ばかりの就業時健診ではなくしっかりとしたチェックをしていれば、あるいは事前に拾い上げが出来ていたのかも知れないと残念に思えます。
多数の作業員が過酷な環境の中で心身のストレスがかかる作業に従事している、しかも年配の方々が多いだけにもともと様々な基礎疾患があってもおかしくないわけですから、事前に基礎データの収集もしておかないことには何か具合が悪くなっても被爆の影響なのかどうなのかもはっきりしないということになりかねませんし、将来同様の事故が世界のどこかで起こった場合にまた一から手探りでやらなければならないわけですよね。
作業員の方々を実験動物のように扱うのは反対だという気持ちにも理解は出来ますが、起きてしまった重大事故に対して徹底的な教訓を拾い上げて今後に生かしていくことだけは欠かさないようにしなければ、せっかく被爆のリスクを負ってまで作業に従事していただいた方々の志も報われないということになりかねません。
原発絡みの発癌リスク問題と言うことでは先日思いがけないところから別な騒ぎも持ち上がっていますが、その発端が一芸人の何気ないつぶやきであったというところが今の時代らしい話ですよね。

ガン保険のCMがなくなった理由!?  ほっしゃん。のTwitter発言が話題(2011年8月26日RBB TODAY)

 お笑い芸人のほっしゃん。が、「原発事故後のガン発症率が上がったので(ガン保険の)売り止めがかかっている」などとTwitterで発言し、話題となっている。

 ほっしゃん。は25日、「生命保険会社に勤める知人が、『最近、ガン保険のCMがなくなったと思わへん?』と。理由を訊いたら、外資系には共通の資料が回って来て、原発事故後のガンの発症率が上がったので売り止めがかかってると」とツイート。さらに「特に0~6歳の子供達の被爆が指摘されてて、北海道~関西圏が汚染地域として指定されてると」と続けた。

 このツイートにはフォロワーたちから「本当ですか?」などのコメントが寄せられ、ほっしゃん。はそれに対し「先ほどの呟きやけど、その外資系保険会社の知人に確認とったら、間違いなく確かやと」と返した。ほっしゃん。によると「もちろん誰でも見れる資料やなく、この会社では営業部長職以上の会議で示されたもんで、会社によって知り得るクラスが違うだろうと」とのこと。これらの発言に対しては、ネット上でさまざまな意見が飛び交っている。

この件について当事者である保険会社の方では別に売り止めもしていないし、保険料も契約件数も変わらないかむしろ震災後に伸びてきていると答えているそうですし、少なくとも事故後まだ間もない現段階で癌の発症率が目に見えるほど「上がった」というのは医学的にもあり得ない話ですから、ほっしゃん氏が何かしら誤解したか元ソースが間違っているかのいずれかである可能性の方が高そうに思います。
実際に「NATROMの日記」さんがこの件に関して保険料が変化していないことを実証していて、そもそも件の社員は実在しないか、あるいは実在したとしても「癌に対する危機感を煽り、がん保険の売り上げ増を謀った」のではないかと推測していますけれども、実際に売り上げが伸びていることなども併せて考えれば少なくとも売り止め云々は眉唾物という気がしますね。
チェルノブイリの事故後の経過を見ると癌罹患率の上昇は最も汚染の激しかった地域で50%くらいと言いますが、当時の人海戦術による被爆者数の多さや事故後は普通よりも厳重に健診等を行っていただろう背景、そして有名な小児の甲状腺癌のリスクに関してはもともと海産物からのヨード摂取の多い日本ではそれほどの脅威ではないという予測もあわせると、日本ではそこまでの患者増加はないのではないかなという印象を受けています。
今後は保険会社の方でも詳細なリスク評価を行った上で必要であれば保険料の変更などを行っていくこともあるでしょうが、発癌が増加するにしても数十年に渡って分散して発症するだろうということも考えると、現段階で大慌てで売り止めをかけなければならないほどのリスク上昇があるとも思えませんし、個人的な外資系保険屋(笑)のつてからも今のところそうした話は聞いたことがありません。

いずれにしても保険などもリスク分散のために上手に使っていくべき手段の一つであるわけですが、日本の場合こうしたことに敏感であるべき企業にしろどうもこの辺りのリスクマネージメントがあまりうまくないようで、例えばアメリカで商売をしている日系製薬会社の損害賠償のための保険の額があり得ないほど低額過ぎるなんて話も漏れ聞こえてくるところです。
これは世の中で何かしらの活動をするにあたってどこにどれだけコストをかけるべきかが理解できていないからとも言え、特に日本人の場合なまじいざその時になれば現場の個人が頑張って何とかしてしまうものだから組織として一定のリスクとそれに対する対策が必要であるという考えが根付かず、「事故を起こさないように頑張ろう!」と意味もないかけ声をかけて終わりにしてしまうという悪癖が身についてしまっているとも言えそうです。
有名な話で戦前の日本軍では小銃一つもお上からお預かりした大切なものだから一切勝手に手を加えることなどまかりならなかった、その結果装備にどんな不具合があっても猛訓練によって体の方を合わせるのが当たり前だったと言いますが、一方で米軍では装備の扱いをとにかく簡単にするとともに、文字が読めないずぶの素人でも短時間で操作を習得できるようにと絵だけで理解出来るマニュアルを徹底的に整備したと言います。
どんな無茶にも対応出来る神業的技量を持つ日本の軍人達は緒戦でこそ米軍を圧倒しましたが、消耗の激しいパイロットに代表されるように初期メンバーが消えてしまった後は交代要員の養成速度に圧倒的な差がついてしまうのは当然で、国力や技術力の差以前にかけるべきところに一見無駄なコストをかける判断が出来るかという、頭の使い方の差によって負けたとも言えそうですよね。
ところが実際には戦後何十年経とうがまるで反省も改善も出来ていない、同じような頭の使い方のまずさによって同じように失敗を繰り返しているというのはさすがに猿でも反省するという時代に許されない話で、今回の震災に絡めて池上彰氏もコメントしているように無駄に思える「コスト」を有益な「資産」に変えるような賢いリスクマネジメントの考え方というものを、我々もそろそろ身に付けていかなければならないと言うことでしょう。

【参考】【池上彰の「学問のススメ」】なぜ日本人はリスクマネジメントができないのか?(2011年8月30日日経ビジネス)

そういう観点で見ると今回被災地で津波による物理的なカルテ流出などが大問題になる一方で、電子カルテが(うまく使っていれば、ですが)データの復旧も早く後始末も楽であると思いがけずに見直されてきていますけれども、導入初期コストも高い上にとにかく使い勝手もよろしくないなどと批判されてきた面が多々ある電カルもまた、うまく使えば「コスト」から「資産」になった一例と言えそうですよね。
せっかく道具や技術があるのだから使った方がよいのなら使ってみればいいということでしょうし、みんなで使いながら知恵を出し合って改良を続けていけばいずれもっと使いやすいものに育っていくと言うもので、日本人はそうしたことは元来得意にしていたはずなのですから、この機会に単に旧に復するのみならず以前よりもずっといいものに変えていくくらいのつもりでやってみるべきだと言うことでしょう。
さて、そうした長々とした前振りを経て(苦笑)いよいよ本日の本題に取りかかりたいと思うのですが、先の震災において医療リソースも甚大な被害を受けたことなども鑑みてと言うことなのでしょう、先日は少しばかり唐突にという感じでこんな話題が出てきたということをご存知でしょうか。

政府、病院船導入を検討 内閣府が3次補正に調査費要求へ 被災地医療支援、国際協力活動に活用(2011年8月20日産経ニュース)

 政府が医療施設を備えた移動可能な「病院船」の導入に向けて検討を進めていることが19日、分かった。内閣府が平成23年度第3次補正予算案に調査費を要求、具体的な構想づくりに着手する。東日本大震災で被災地の医療施設が被害を受け、地震発生直後の移動手段も限られていたことから、医師、医薬品、医療機器、通信手段などを一体的に提供できる病院船導入の必要性があると判断した。海外での大規模災害への派遣や、海賊・テロ対策に当たる艦船の支援に活用することも視野に入れている。

 病院船は米国、中国、ロシアなど各国海軍が保有しており、日本に導入する場合も海上自衛隊による配備・運用を念頭に置いている。ただ、「病院船建造は護衛艦並みの数百億円の費用が必要」(政府関係者)。防衛予算を圧迫する懸念もあるため、内閣府が調達した上で運用は防衛省に移管する案も検討している。平常時には国際協力活動や離島での医療活動にも使うことを想定している。

 今後は病院船の規模、母港、医薬品の備蓄拠点など多面的に調査を行うほか、病院船を運用する諸外国に専門家を派遣する方針だ。

 病院船は平成7年の阪神・淡路大震災の際も政府・与党が導入を検討したが、平常時の維持・管理費がネックとなって実現には至らなかった。東日本大震災を受け、4月に建造を推進する民主、自民、公明各党有志による超党派の議員連盟(会長・衛藤征士郎衆院副議長)が発足している。

今回の震災においてもヘリコプターからホバークラフトまで積み込んだ海自の「おおすみ」型輸送艦が活躍したことは記憶に新しいところですが、実は平時から戦時まで何にでも便利遣い出来るこの種の多目的艦艇の建造が近頃は世界中でブームになっていて、フランスイタリアなどを始め最初から災害派遣にも使いますという名目で大型のドック型揚陸艦を建造している国も多いのです。
日本でも近年「おおすみ」型輸送艦「ひゅうが」型護衛艦のように広い甲板を持つ大型艦艇が増えてきて何かと便利が良くなってきていますが、こと病院船と言うことになれば是非ともその活用を前向きに検討して頂きたいのが、かねて懸案となっているテクノスーパーライナー(TSL)の活用です。
1万4千総トンを超える大型船でありながら航海速力約40ノットというとんでもない高速を発揮し、現状で丸一日以上かかっている小笠原航路の大幅な時間短縮を狙って建造されたこの高速優秀船が、折からの燃料価格高騰にあって船会社から引き取りも拒否されたまま空しく係留されているというのはなんとももったいない話で、まさしく国家的損失というしかありませんよね。

基本的には側壁のあるホバークラフトのような構造で、荒れた海には弱いホバークラフトと違って波のある外洋でも高速航行が出来るというのがTSLの売りですが、この卓越した航海能力は国内のみならず海外における緊急事態への支援に出向く際にも必ずや役だってくれるに違いないものと(あくまで個人的に、ですが)確信しています。
基本的に人間の輸送専用で大きさの割には車両など大型、大重量の貨物を積めないのがTSLの欠点とされていますけれども、病院船として使う分には工夫次第で何とかなるでしょうし、行き場もなく扱いに困っているような船であるわけですから改装費込みでも割合に安価に購入できるでしょうし、何より日本のような海洋国がこの種の船を持っていないというのは国内のみならず世界に対して当然の責任を果たしていないとも言われかねません。
ちょうど今回の震災においても被災地派遣で久しぶりに稼働したわけですから実績はすでにあるとも言えるわけで、総理が変わった騒ぎの中で有耶無耶に今後の検討課題にしてしまうというのではなく、この際是非とも早急な実現に向けて前向きに検討していただきたいものだと希望しておきたいですね。
無論、その際には思いがけないケチがついてしまった小笠原TSL(SUPRTLINER OGASAWARA)なる旧船名はいったん白紙に戻していただいて、例えば「国際救助船らいちょう」なんて素晴らしく格好良い名前を用意して頂きたいものだと思うのですけどね(笑)。

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2011年8月30日 (火)

社会保障の問題は相互に密接に絡み合っているものですが

この不景気の言われる時代にあって、考えようによってはひどく景気のいい話が先日出てきたところですが、おりからの政治の騒ぎに紛れて案外注目度は低かったようですね。

2010年度医療費、過去最高の36兆6千億円(2011年8月26日読売新聞)

 厚生労働省は26日、2010年度の医療費(概算)を発表した。

 総額は前年度比約1兆3700億円増の約36兆6000億円と8年連続で過去最高を更新し、伸び率(3・9%)も過去と比較できる01年度以降で最高となった。75歳以上の人にかかる医療費が約6600億円増え、全体の増加額の半分近くを占めた。

 医療費の増加は、高齢者が増えたほか、医療技術や機器が高度化したことが大きい。民主党政権が10年度予算で、医療機関に支払われる診療報酬を10年ぶりに引き上げたことも一因だ。

 国民1人当たりの医療費は前年度より約1万円多い約28万7000円だった。年代別で見ると、70歳未満は約17万4000円だったが、70歳以上では約79万3000円に上昇した。75歳以上は約90万1000円にはね上がっている。

2010年度の医療費概算3.9%増、伸び率最大に 厚労省 (2011年8月26日日本経済新聞)

 厚生労働省は26日、2010年度の概算の医療費が前年度比3.9%増の36兆6000億円になったと発表した。比較できる01年度以降で金額、伸び率ともに最高となった。10年度に医療機関に払う診療報酬を0.19%増やす改定をしたことに加え、高齢者の増加や医療技術の高度化で、医療費の増加が続いている

 概算医療費は、国民医療費から全額自己負担の医療費などを除いた金額で、国民医療費の98%程度とされる。国民医療費より1年程度早く発表され、速報値の役割がある。

 概算医療費の増加は8年連続。中でも、75歳以上は12兆7000億円と前年度比5.5%増えた。高齢化が進むと医療費は増える傾向にあり、全体の44.3%を70歳以上の医療費が占めた。

 患者1人の1日当たり医療費は、1万3900円と09年度より3.8%増えた。医療機関などに支払う医療費の単価を決める診療報酬の見直しで、救急医療への報酬を10年度に引き上げた影響や医療技術の進歩が主な要因という。

 同日発表の調剤医療費の動向によると、10年度の処方箋1枚当たりの調剤医療費は前年度比0.6%減の7984円。10年度に薬価を減額改定した影響などで、4年ぶりに減少した。

厚労省は医療費抑制に向け、機能別に病床を再編して効率化するなどの入院日数の短縮策のほか、新薬より安い後発薬の使用促進策などを打ち出している。ただ費用対効果や目標の実現可能性には不透明な面もあり、今後一段の対策が必要となりそうだ。

これだけの話でもなかなか示唆的な内容が豊富で、特に年代別の医療費などは大いに議論の余地あるところで、人間亡くなるときに一番お金がかかるのは当然ですから単に年代別医療費だけでなく終末期医療の年代別平均額なども出してみると面白いと思いますが、本日は細かい内容にまでは踏み込みません。
しかしながら思うに民主党政権としては医療には経済成長の牽引役として頑張ってもらうと言ってきたわけですから、本来であれば医療費が景気よく延びているというのは喜ぶべきことなんじゃないかという気がするのですけれども、マスコミ諸社の論調を見ていますと「また医療費が増えてしまった!早く何とかして削減の策を講じなければ!」といったものか、せいぜいが「まあ許してやるか…」といった程度なのは面白いですよね。
お年寄りなど身辺不自由な方が多いわけですから当然医療以外に介護などにも多大なマンパワーを要するわけで、それだけ需要が増えているのなら雇用も大いに伸びているはずだと考えれば悪い話ではないように思いますが、長年に渡って培われた医療費抑制政策の影響はものの考え方にまで根深く及んでいるということなのか、それとも政府が掲げた政策目標を誰も本気で受け止めてはいなかったのでしょうか(苦笑)。
何にしてもそれだけお金はかかっているわけですから当然ながら元手も必要であるわけですが、昨今のご時世にあって問題になっているのが無保険者の増加という話であって、とりわけ以前から財政状況が悪化している国保などにおいては金を集める自治体側の財政も待ったなしというだけに、現場ではずいぶんと生々しいことになっているようです。

国保滞納者の差し押さえ急増、4年で5倍 朝日新聞調査(2011年8月29日朝日新聞)

国民健康保険(国保)の保険料を滞納し、財産を差し押さえられる世帯が増えている。朝日新聞社が19の政令指定市と東京23区に聞いたところ、回答があった37市区の差し押さえ件数の合計が、2010年度までの4年間で5倍に増えたことがわかった。差し押さえた財産を換金するケースも急増。雇用悪化を背景に国保料収納率の低下に歯止めがかからず、強制徴収が加速している実態が浮き彫りになった。

 調査は7月、計42市区を対象に06~10年度の差し押さえ状況を聞いた。仙台、京都両市と東京都渋谷区は10年度分について「未集計」「非公表の段階」と回答。大田、板橋両区は「古いデータが残っていない」と答えた。残る37市区の差し押さえ件数は06年度、計3429件だったが、10年度は4.96倍の計1万7020件に増加。特に指定市の伸びが大きく、増加率は6.6倍に上った

 10年度でみると、指定市では横浜(2913件)、福岡(1745件)、名古屋(1254件)の順に多く、北九州は99件だった。23区は杉並区の943件が最多。差し押さえた財産の内訳は預貯金が50%で最も多く、保険(22%)、不動産(15%)と続いた。36市区が回答を寄せた差し押さえ金額(滞納額)は総額91億3千万円。4年前に比べて4.6倍となった。

一応自治体側の言うことによれば、差し押さえなどはあくまでも払える資産を持っているにも関わらず払わない人に対して行っていることであって、「これを持っていかれたら首をくくるしかない」といった状況ではないと言うのですが、いわゆるモンスター問題の一環と捉えるべきなのかどうかなど今回詳細には踏み込みません。
ただ、ご存知のように国保と言えば自営業者の他に無職や非正規雇用など多数の低所得層が加入しているもので、しかも雇用主が半額負担してくれるなんてことはありませんから保険料負担がかなり厳しいという人は多いのは当然ですけれども、以前であればそこまで厳しい取り立てを行っていなかったものが方針が変わってきたのが平成17年頃からと言います。
国から各自治体に国保収納率確保緊急プランの策定がすすめられ、強面の滞納対策が進められた結果として納付率もいくらか向上するといった一時的効果はあったわけですけれども、同時に各地で保険証の停止や資産差し押さえと言った話が出てくるようになってきたこともたびたびニュースで取り上げられるようになりました。
国としては財政の厳しい国保は市町村単位ではなく都道府県単位に統合して運用母体を大きくした方がいいと言っていますが、結局のところシステム上は稼ぎの無くなった人が次々と入ってくることになっている以上、多かれ少なかれ保険料負担に耐えられないという人が含まれていて当然ではあるわけですね。
自治体としては当然企業が応分の負担をしてくれ財政上もまだ恵まれている組合健保など被用者保険の方に大勢の人が行ってくれた方が助かるはずですが、そうした観点からするとこれは良いことなのか悪いことなのか微妙という話がこのたび出てきました。

年金「3号」で年収基準見直し  「130万円」下げ検討(2011年8月29日47ニュース)

 厚生労働省は28日、国民年金の保険料を納付しないでも給付が受けられる専業主婦ら「第3号被保険者」について、年収基準を現行の「130万円未満」から引き下げる方向で検討に入った。数十万円の大幅な引き下げも視野に入れる。

 パートなどで収入を得る主婦は、この130万円基準のほか、税制面で配偶者控除を受けられる「年収103万円以下」を意識して就業調整しているケースが多い。基準見直しが実現すれば、女性の働き方が大きく変わる可能性がある。

 9月1日に新設する社会保障審議会の特別部会で、非正規労働者の厚生年金や健康保険への加入拡大に関する論議に合わせ検討する。

サラリーマン家庭の専業主婦などに適合されるこの第3号被保険者問題というのも以前から言われていたところで、とりわけ言われてきた点としては保険料が免除されても年金を受け取れる人がいるなら誰がその分を負担するのかということですが、本来であれば稼ぎがある夫とその雇用主が二人分を払うというなら判りやすいところ、文字通りの免除ですから誰も払っていないというところにただ乗りという問題があったわけですね。
制度が創設された当時は夫の離職や離婚によって妻が無年金になることへの救済策として、当時はまだ財政的にも余裕があった厚生年金や共済年金の懐に頼る形で主婦は保険料を納めなくてもいいよと「政治的配慮」をしてしまった、その結果今や1000万人にも登る主婦達が既得権を持っているわけですから、それは保険財政も圧迫されようと言うものです。
またこうした時代における素朴な庶民感情として、年収基準上限を気にしながら形ばかりのパート仕事をしているような相対的に余裕ある家庭の専業主婦が免除されるのに、夫婦で必死に汗水垂らして働きながら生きている低所得者層からは容赦なく取り立てるというのは、やはり社会正義の観点からもどうなのかという見方もあるでしょう。
そうした事情からさっさとこんな既得権益は廃止しなければと鼻息が荒い人々も多いのはやむなきところとしても、現実問題としていきなり完全廃止も無理でしょうから段階的に制度を変更していくしかないでしょうし、その方向をどうするべきかというところでまた異論が数多なのですから話がややこしいですよね。

もともとあるべきではない制度という観点からすると、現行の年収基準を最終的にはゼロを目指してさっさと引き下げていくべきという理屈になりますが、そうなると自分はもう働くの辞めるわという人が増えるのか、それとも生活がやっていけないからお金を払うことになってももっと稼ごうと言う方向になるのかはっきり読み切れない部分があり、1000万人の動向は世の中にとっても大問題です。
無論、主婦からいきなりフルタイムの正規職員にというのも社会情勢上難しい話で、実際にはパートなどの労働時間を増やすということになるのでしょうが、新 たに保険料を支払うとなれば多少労働時間を増やしてもかえって手取りは減るということになりかねず、今までと同等の実収入を得るためにどれほど労働を増や さなければならないのかですよね。
当然ながら世界的に見ても(税金か掛け金かは別として)自分の年金は自分で働いて納付するという姿勢が基本なのは言うまでもありませんが、日本の産業構造として年収基準を意識して安いパート仕事をむしろ喜んで受け入れてきた主婦層の存在に支えられていた領域も多かったことを考えると、社会全般に相当な激震を及ぼしかねないわけです。

一方で雇用者側の立場からすると、むしろ基準を引き下げるよりは適当なところまで引き上げてもらった方が低賃金パートタイム労働者の雇用が確保しやすいし、パートにしてもある程度まとまった時間働くということになれば生産性も向上してコスト削減につながるという声が少なからずあるようです。
また社会的に見ると多くの主婦が上限を気にせず積極的に外で働くようになれば、家庭内の家事分担や子供の養育など今までになかった問題が顕在化してくるだろうし、託児所、保育所といったものの数一つとっても到底足りない中で、国だけが一方的に突っ走って貰っても困るという意見にも相応の説得力がありそうですね。
要するに、本当に主婦の労働の仕方が変わるほどの影響力があるとなれば思いがけないところにまでその余波が及びそうだし、他の社会保障制度改革と並行して議論するのは当然ということなのですが、個別の問題点もさることながら単に既得権益排除といった話以前に、今後の日本がどういう労働のあり方を目指すのかということも考えていくべきでしょう。

先進国の中でも日本は専業主婦率が非常に高く、見かけ上の失業率は低いようでも国民の約半数が失業者同然だなんてことが言われてきたわけですが、元々は夫は外、妻は内といった歴史的文化的な役割分担であったとしても、今回のようにわざわざ働かない方が得をするような制度を国が用意してしまったことは勤労意識の面からも問題ですよね。
年金財政も逼迫している以上は年収基準を引き下げる方向で改めていく以外に道はないとしても、大前提として自分の食い扶持は自分で働いて稼ぎ、その稼ぎで社会的義務を果たしていくという当たり前の価値観を肯定する方向で落としどころを探していく必要があるでしょうし、国にしても単に基準を引き下げるだけで終わらず社会全般のシステム変更や支援体制構築への対応、配慮も必要になるでしょう。
その結果国保保険料も滞納せざるを得ないような人々にとっては強力な雇用市場のライバルが出現するという考え方もあるかも知れませんが、考えて見ると正規の雇用市場では敬遠されがちな領域を長年パートの主婦達が支えてきたという部分もあるわけですから棲み分けは出来ない話でもないとも思えますし、未だに過労死が問題になる日本でワークシェアリングの考えが根付く好機にもなり得るかも知れません。
あちらもこちらも現代の日本は八方ふさがりのようにも見えますが、考えようによっては今までにない思い切った改革をするには良いチャンスでもあるわけで、単に盲目的な前例踏襲に終わらず劇的な社会の改革というものを目指して活発な議論を期待したいですし、それくらいのことはやってもらわないと日本の再浮上は果てしなく遠い道になってしまいそうです。

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2011年8月29日 (月)

思ってもいない事故が起こりえるとしたら、対策は必ず必要です

全然関係のない話ですが、最近何故か当「ぐり研」もスパム的なものが非常に激増していまして、トラックバックなどは基本的に自動振り分けである程度セレクションがかけられたものを確認してから削除することにしているのですが、以前にも何件か普通のトラックバックがスパム扱いされて仕分けられていたという経験をしています。
今のところ手動で全例必ず確認してから削除するようにはしていますけれども、判断するのに微妙な場合などはトラックバック先の記事と関連性があるかどうかなど主観的かつ総合的に判断させていただいていますので、時に「オレの真面目なトラバを無視しやがって!」と不愉快に感じられることもあるかも知れませんけれども、どうか笑って許してやっていただければと思います。

さて、先日報道されていたこちらのニュース、一見すると何の不思議もなさそうな話にも見えながら、状況が理解できている医療関係者の間では「いったい何が起こったんだ?」と話題になった事件で、本当にこうしたレアな事故が起きたのは当事者である患者さん側にとっても担当医側にとっても大きな不幸であったと思わざるを得ません。

ワイヤが心臓貫通し死亡 山形大病院で、がん治療中(2011年8月24日日本経済新聞)

 山形大病院は24日までに、がん治療中の70代男性の中心静脈にカテーテルを挿入した際に、カテーテルを導くワイヤが心臓を貫通し、男性がショック死したと発表した。病院側は「措置に問題はなく事故だった」とした上で、既に家族に謝罪し、賠償金も支払うとしている。

 病院によると、5月、主治医が抗がん剤治療などのため、中心静脈にカテーテルを挿入したところ、約20分後に男性の心肺が停止した。蘇生措置をしたが、間もなく死亡した。

 原因を調査した専門委員会は、ワイヤが心臓を貫通して出血、血液が心臓を圧迫したことが原因と指摘。ワイヤはJ字形で刺さりにくい構造になっており、貫通した原因は不明とした。

 久保田功病院長は「ワイヤの使用方法を変更するなどして、予防策を徹底する」と話した。〔共同〕

何も知らない人ですと「それはワイヤなんてものを無理矢理押し込んでたら心臓くらい破れることもあるんじゃないの?」と思いそうな事件なんですが、実際に中心静脈カテーテルのワイヤなるものを触ったことのある人間ほど「あれでどうして心臓を貫通する??」と疑問符がつくような事故なのではないかと思います。
ちょうど弁護士の谷直樹氏のブログで山形大の調査報告書が掲載されていたので拝見させて頂いたのですが、「J字型ガイドワイヤーを挿入した際に想定困難な状況が発生,右室穿孔をきたし,極めて短時間のうちにその穿孔部位より心嚢内に多量に出血,心タンポナーデをきたし心肺停止に至った」という「非常に稀なケース」であったことは確かなようですね。
カテは右鎖骨下から挿入され、およそ所要時間25分で特に困難もなく挿入されたと思われていたところ、20分後にいきなり患者さんが急変して直ちに蘇生処置を行うもその甲斐無く1時間後に亡くなったということですが、右室の「ごく細いものによる穿通性損傷」によって400mlの心嚢内出血を来たし心タンポナーデを発症したことが死亡原因であったとようやく判明したのも、当然ながら事後の解剖によるものです。
物理的にこの部分に到達して損傷を与え得るのがガイドワイヤーのみであったことから原因とされたわけですが、報告書自身も記載しているようにこうした細いものによる損傷が仮に発生したとしても「通常は心停止に至るまで1日~数日を要し,緊急手術等の対応で救命可能」であったはずですし、何よりも「ガイドワイヤーは柔らかくかつ先端がJ字型をしており右室壁を穿通する確率は極めて低い」のが医療の常識というものですよね。

結局のところ何故ガイドワイヤーでこんな場所に穿孔を生じたのか、そしてそんな小さな傷が何故こんなにも早い経過をたどり死に結びついたのかは不明なままで、報告書においても「ガイドワイヤーを挿入した際に想定困難な状況が発生,右室穿孔をきたし」たとお茶を濁さざるを得なかったわけですが、注目すべきはむしろ記事にもあるように、こんな「非常に稀なケース」を受けて山形大当局がどういう再発防止策を講じるつもりなのかでしょう。
カテ挿入の手技にも、当然ながらガイドワイヤーの使い方にも問題はなかった(挿入しにくいからと反対側を押し込んだなんてこともなかったようです)、そして何故そんな損傷が発生したのかも理解不能、さらには事後の対応も特に問題はなく救命可能性はないと判断せざるを得なかったとなれば、一体これからはどこをどう改善すればよいのかということになってしまいますよね。
記事によればワイヤの使用方法を変更するということですけれども、一番簡単な対策としては例えば全例透視下で挿入する、さらにはガイドワイヤーを物理的に心臓を損傷できない程度までしか挿入させないようにするといった方法を考えるのですが、前者は大学病院で…まあ大変ですねと言うしかないやり方でしょうし、後者も実際の手技を考えればむしろ厄介な側面があります。
今回選択された鎖骨下ルートからのカテ挿入というのは、実際に血管を刺す位置がかなり体内深くになることもあって最近JBM的にはあまり人気がないのですが、深いところまでガイドワイヤーを送り込まなければならないとはカテーテル挿入時にワイヤーがすっぽ抜けやすいということにもつながりやすく、カテーテルの逸脱を心配する医者ほどついつい用心して深めにワイヤーを送り込みがちになるものです。
山形大学の対策なるものがどういうものになるのかはまだ判りませんけれども、こうした症例報告者のレアケースの発生を心配するあまりに日常的に起こりえる事故対策上むしろ退歩するようでは本末転倒ですし、もちろん日常臨床上常識的な注意と労力によって実行出来る程度には簡便さも備えておかなければならないと、予想されるリスクとのバランス感覚が問われるものになりそうですよね(上がそこまで考えるかは別として、ですが…)。

いずれにしてもこうしたおよそ考えられない事故も起こりえるというのが人間の体の怖いところである以上、「事故を起こさないように細心の注意を払って医療にあたること」なんて精神論を唱えているだけでは意味が無く、一定のリスクとして事故は起こりえるものであるという考え方で当たらなければどうしようもないはずですよね。
そうした観点からすると以前からその必要性が言われていながらなかなか進むことのなかった話が、ようやく少しばかり前に進み始めたという話題が先日報道されていたのは本来喜ぶべきニュースなのでしょうが、どうもこのままですとまた何も決まらないままに終わってしまいそうな悪寒がしているところです。

医師に過失ない医療事故、救済制度創設を検討 厚労省初会合(2011年8月26日日本経済新聞)

 厚生労働省は26日、医師の過失がない医療事故の患者や遺族に補償金を支払う「無過失補償制度」の創設に向けた検討会の初会合を開いた。医療事故の訴訟は原因究明に時間がかかり、患者だけでなく医師側の負担も大きい。検討会は早期に被害救済し、再発防止に役立つ原因究明できる体制を目指す。

 検討会の冒頭、厚労省の岡本充功政務官は「医療でトラブルが起きた場合、行政として対応する機能が十分備えられているのかという意見がある」と指摘。「患者の救済や医療者の負担をどう軽減できるか考えてほしい」と年度内の取りまとめを求めた。

 委員からは「無過失補償制度は医療者の訴訟対策ではないかという声があるが、事故の原因を究明して再発防止に役立て、安全で質の高い医療を実現することが本来の目的だ」という意見が出た。別の委員は「訴訟では原因が分からず、損害賠償の対象にならない患者や家族が多い」として制度の創設を求めた。

 国内では出産時に新生児に重い脳性まひが起きた場合に計3000万円補償する「産科医療補償制度」がある。検討会はこうした国内外の制度を参考にしながら、補償額の水準や範囲、費用負担のあり方についても議論する。

無過失補償、医療事故再発防止と併せ検討へ- 厚労省検討会が初会合( 2011年08月26日キャリアブレイン )

 医師に過失がなくても、医療事故で死亡したり、障害を負ったりした場合に補償金を支払う「無過失補償制度」について検討する、厚生労働省の「医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会」(座長=里見進・東北大病院院長)の初会合が8月26日に開かれた。この中で、無過失補償制度と、医療事故の原因究明や再発防止策の仕組みを併せて検討すべきだとの意見が相次いだ

 同検討会は、政府が4月に閣議決定した規制・制度改革の方針で、「保険診療全般を対象とする無過失補償制度の課題などを整理し、今年度中に検討を開始する」としていることを踏まえ、補償の範囲や水準など制度の枠組みを議論する。

 初会合では、医薬品医療機器総合機構の「医薬品副作用被害救済制度」や、日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度」など、無過失補償制度などの現状について関係者から説明を受け、意見交換を行った。
 この中で委員からは、「医療事故に対する無過失補償制度と、原因究明や再発防止策を『車の両輪』とし、セットで議論すべきだ」との意見が相次いだ。初会合に出席した岡本充功厚労政務官も、「原因究明や再発防止策なしに、救済制度だけが出来上がるとは思っていない」との認識を示した。

 厚労省は今後、月に1回程度のペースで会合を開くが、報告書を取りまとめる時期などは決めずに、幅広い議論を促す方針。まず海外での無過失補償制度の現状などについてヒアリングを行い、それを踏まえて課題を整理したい考えだ。

言うまでもないことですが、こうした制度が必要であるという議論が盛り上がってきた背景が近年の医療訴訟の増加と、それに歩調を合わせるかのように社会問題化してきた医療崩壊という現象にあることはまず確かだろうと思われます。
公定価格で安くそれなりの医療を提供してきた日本の皆保険制度は医療と言うものがそれなりの贅沢品であるという「遠慮」が残っていた時代はともかく、普通の日本人にとっていつでもどこでも安く簡単に医療を受けられるのが当たり前という時代になってきますと、様々な矛盾が表に出てくるようになりました。
今さらいちいち事細かに挙げてみても仕方がないにしても、例えば医師の当直料一つとって見ても夜通し激務が続く急性期の病院よりも、しばしば寝当直と呼ばれる慢性期の病院の方がよほど高い場合が多いというのは、医療訴訟のリスクなどという話を持ち出さずとも労働に見合った対価という観点だけからしても釈然としないものがありますよね。
要するに医師を始めとする現場のスタッフにとって自ら進んでハイリスクな医療に手を出すメリットと言うものはほとんどない、そして雇用者である病院側にしても救急が経営上メリットになる時代ではないとなれば、せめて少しでもデメリットは減らしていくようにでもしないことには現場の自己犠牲的モチベーション以外に医療現場を支えていく原動力がなくなってきているわけです。

医療訴訟などで長年活躍してこられた井上清成弁護士などは以前から(弁護士として商売チャンスが減るにも関わらず!)「日本には無過失補償制度が必要である」と主張していますし、何より医療従事者と患者側とが事故を巡って不毛な対立関係に陥らずにすむとなれば、医療現場にとってもモチベーション上の好影響を期待出来るはずです。
ところが一方で根強い抵抗があるというのも、一つには記事からもうかがわれるように「医療従事者の責任を問わないというのはおかしいのではないか?」という素朴な反発があるためであり、もう一つには同じく原因の救命や再発防止といったことがおろそかになるのではないかという懸念があるためですよね。
今回の初会合において明確に「無過失補償と原因究明、再発防止はセットである」という大方針が示されたことはそうした懸念の一部に答えた形なのでしょうが、ここで改めて問題になるのが過去にも医療事故調を巡る議論の中で繰り返し議論されてきた「精勤追求と真相究明・再発防止は両立するのか?」と言うことでしょう。

もちろん表立って「医者を処罰できない制度では困るじゃないか」なんてことを言う人間はいないにしても、事故調議論の中で報告書の扱いをどうするのか、裁判なりの証拠として使われるようなことになっては誰も本当のことは証言しなくなるのではないかといったことは繰り返し議論され、とりわけ医療側からはそんな道が残されているのでは事故調なんていらないと言わんばかりの強い反発があったことは周知の通りですよね。
となると、今回の大方針を素直に受け止めれば事故調議論がまともに進まない以上、その先に存在する無過失補償も成立し得ないということになり、患者側としてはいつまでたっても「単に金額を決めるための場所」であるはずの法廷に、原理的にも実際的にもあり得ない「真相の究明」を求め続けるしかないということになりかねません。
患者側にとってもさることながら、医療側にとっても結局こうした制度が出来ない以上は従来からのリスクはそのまま存続するということですから何らのメリットもないわけですから、結局冷静になってみればお互いにとって何も良いことはないのに、妙な原理原則論にこだわって目の前にある実際的な解決策をみすみすスルーしているという印象が拭えないのは自分だけでしょうか。

例えば一般外来をやっていると高血圧だの高脂血症だのといったcommon diseaseは幾らでも来るものですし、「特に症状もないし別に不自由しているわけでもないのに、何故毎月高い医療費を支払って治療しなければならないのか?」といった不満を漏らす患者は臨床医であれば日常的に経験していることだと思います。
そうした場合の対応の仕方は人それぞれなんでしょうが、最大公約数的に言えば今までに出てきた統計データ上はそうした治療を行っていた方が結局は安上がりに、健康な生活を長く送ることが出来ますという言い方になると思いますけれども、もちろんとびきりの高血圧を全く放置しておいても元気に長生きされる方も世の中には大勢いらっしゃるわけですよね。
どんな薬であれ治療法であれ用いるにあたってはメリットとデメリットがあって、医者であればメリットの方がデメリットよりも大きいから、あるいはどうしようもないデメリットがあったとしても絶対に外せないメリットがあるからとその場その場で判断しながら治療を行っていく習慣が当たり前に身についているはずですが、制度論的な議論になると途端にそうした計算が影を潜めて巨大なメリットよりもささいなデメリットを重視する場合も多いようです。
基本的には医療は医者が個人の裁量でやっていることで、組織としてどうこうするということに慣れていないだけなのかも知れませんが、そろそろもう少し巨視的な視点に立って医療現場の維持にベストでなくともベターなものは何なのかを考えて見てもいい頃だし、本来「理屈より何より治したものが勝ち」な医療従事者ほどそうした実際的思考に長けているはずだと思うのですけどね…

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2011年8月28日 (日)

今日のぐり:「麺屋 哲 倉敷インター店」

またぞろ総理が代わろうかという騒ぎで、世界的にもすっかり「日本の政治はどうなってるんだ」とリーダーシップを発揮出来ない悪い見本のように言われているようですが、日本社会全体がどうも元気がないんじゃないかと感じている人は少なからずいるはずですよね。
そんな中でとある外国人がこんな記事を書いていますけれども、言われてみればまさしくその通りと思わされるような話です。

嵐の日本PRを外国人がメッタ切り(2011年8月19日ニューズウィーク日本版)

「日本がここまで世界の笑いものになる例がほかにあるだろうか」――今週発売の本誌8月24日号掲載のコラム「嵐がニャーと鳴く国に外国人は来たがらない」は、こんな強烈な一文で始まる。

 この「Tokyo Eye」というコラムページには毎週、東京在住の外国人コラムニストが交替で寄稿している。今週のコラムを書いたのは東京在住の仏フィガロ紙記者、レジス・アルノー氏。コラムの内容は、観光庁が外国人観光客を誘致するために制作したPR映像を批判するものだ。

 このPR映像では、人気グループ「嵐」のメンバーがそれぞれ日本の観光地を訪れ、招き猫のまねをして「ニャー」と鳴く。PR映像の詳しい突っ込みどころについてはコラムをお読みいただければありがたいが、アルノー氏が問題視しているのは、この映像で外国人を魅了しようという観光庁の「勘違いぶり」だ。いわく、「日本はなぜ『最高の顔』で自分を売り込もうとしないのか。洗練された職人や建築家、知識人、画家、料理人ではなく、国内限定のスターを宣伝に使うなんて」。

 アルノー氏は以前も、「観光庁のPRサイトは日本の恥」というコラムで観光庁による外国人向けPRを批判したことがある。だが、アルノー氏の観光庁批判は日本に対する愛情の裏返しだ。彼にとって一連の批判は、日本人が「素晴らしい国を自らばかにする」のをなんとか阻止しようという孤独な抗議デモ。冒頭で紹介した今週号のコラムを編集していた際、私が「今回のコラムはあなたのcynic(皮肉っぷり)が炸裂してる!」とメールを送ると、「僕はcynicじゃなくてromantic(ロマンティスト)だ。自分のことを、『日本の最後のウヨク』だと思っている」というメールが返ってきた。

 アルノー氏は、問題のPR映像が世界133カ国・地域の国際空港や飛行機などで流れることを憂いてコラムを書いた。だが幸いなことに、私が先週、東欧を訪れた際に使ったパリ、プラハ、ブダペストの空港では「ニャーと鳴く嵐」にお目にかかることはなかった(個人的には、観光庁に「ニャー」とさせられた嵐のみなさんに同情している)。その代わりにパリのシャルル・ド・ゴール国際空港で真っ先に目に飛び込んできたのは、 イギリス銀行大手HSBCの巨大な看板広告だ。看板1枚につき各国のイメージを1つずつ描いたその広告で、日本のイメージとして描かれていたのは「漫画を読む相撲取」だった。なるほど、日本人が考える「日本」と外国人が描く「日本」には、いまだに大きな差があるようだ。

 とはいえ、アルノー氏自身は以前のコラム「観光庁のPRサイトは日本の恥」で、「日本の価値を決めるのは、その95%が醜い高層ビルなど形あるものではない。その周りに存在する人間だ」と書いている。それは、例えば「外国人が日常的に体験する数えきれないほどの親切や気遣いの心」だと。

「外国の印象を決めるのはその国で出会った人間」――これは、先日の東欧訪問でも身に染みて感じたことだ。数カ国語でメニューが記載されているようなレストランで実際の2倍の値段をぼったくられ、鉄道駅でスリに鞄を開けられるという体験をしたプラハよりも、出会った人すべてが親切だったウィーンのほうがどうしても印象がいい。プラハの街並みは美しく、親切な人にも会ったと思うのだが、残念なことに嫌な経験というのは1つでも強烈に記憶に残るもの。反対に外国で思いがけない親切や気遣いに出くわすと、それだけでその国の印象が数割増しで美化されることもあり得る(私が単純なだけかもしれないが)。

 こうした傾向は、外国人にも通じるようだ。例えば、ブダペストで訪れたハンガリー産ワインの店では「日本がとても好き」という店員に出会った。理由を聞くと、「この店に来る日本人客はワインにまつわる様々なことに通じていて、彼らにはワインを尊ぶ文化がある。それに比べて、欧米人は何十種類も試飲したあげく、酔っ払って床の上でつぶれてしまう」と肩をすくめた。ブダペストのタクシードライバーは、こちらが日本人だと分かると「偉大なマエストロ、小林研一郎!」とクラシック談義を始めた(小林はハンガリー国立フィルの桂冠指揮者)。

 スシやサケ、マンガやスモウもいいが、日本と言って「日本人」が出てくるとなんだか嬉しい。観光庁がPR映像など作らなくても、外国人にとっては日本人1人1人が広告塔になり得るということだ。もちろんそれは、いい意味でも悪い意味でも。ましてや、外国人に向けて「ニャー」などと鳴かなくても。

問題の観光庁によるCFというもの、確かに一見して「これで世界に日本を売り込むというのは…」と疑問符のつく仕上がりで、国内ならまだしも到底世界に向かって通用する内容ではないとは多くの方々が指摘するところのようですね。
こんな訴求力のないものを高い予算を使って作り上げると言うのはどうかと思いますし、世界に向かって日本の魅力を発信したいと言うのであれば先日中国から伝えられてきたこんな素朴なニュースの方がよほど理解と共感を得られるんじゃないかという気がします。

日本チーム控え室に称賛の声、中国人が「ありえないぐらいキレイ」と驚く。(2011年8月24日ナリナリドットコム)

8月23日に閉幕した第26回ユニバーシアード競技大会(中国広東省深セン市で開催)。最終的に日本は87個のメダル(金23/銀26/銅38)を獲得し、中国、ロシア、韓国に次ぐ総合4位の成績を収めた。中国のネットでは、そんな日本チームの“ある行為”に注目が集まり、称賛の声が上がっている。

きっかけは日本チームが使用した後の控え室の写真。撮影したのは実際にユニバーシアード会場でボランティアとして働いていた中国人スタッフたちで、彼らがさまざまな会場の写真を微博(中国版ツイッター)にアップロードする中で、日本チームの控え室の「美しさ」を讃えたことからネットで話題を呼び始めた。

アップロードされた写真には、ゴミが一箇所に集められていたり、椅子や机がきれいに並べられていたりする様子が撮されており、これを見たネットユーザーからは「ゴミがまったく散らばっていない!」「中国ではありえない!」などと驚きと称賛のコメントが殺到したのだ。そうした声は微博上で広がりを見せている。

また、中には観客席を比較する人も。日本人と中国人、それぞれの観客が座っていた席の写真を掲載し、日本人の席のほうが圧倒的にゴミが少ない様子などを紹介している。

ネットではこうした話題が注目を浴びるにつれ、日本チームへの称賛とともに、“客”である日本チームに地元観衆が容赦ないブーイングを浴びせていたことを「無礼」と非難する意見が噴出。「招待客である日本がここまでキレイに控え室を使ってくれたのに、我が国の対応ときたら……」など、呆れとやるせなさが混じった気持ちを吐露する声も多く見られた。

実際にどういう状況であったかはリンク先の写真を御覧いただければと思いますけれども、毎回大きな国際スポーツイベントが開かれるたびに反日騒動が話題になる中国のような国においても、戦いのみならずマナーの面でも国を代表しての活動を行ってきた選手達が、日本の国際的なイメージを高めるということにどれほどの影響を与えてきたかを考えずにはいられませんよね。
今日は元気のない日本にエールを送るという意味も込めて、世界の中で意外なところで評価される日本と言う話題を紹介してみたいと思いますけれども、まずは観光庁のCFにならってこちらの話題から取り上げてみましょう。

海外で大絶賛!日本の『脳波ネコミミ』ってなに? (2011年5月11日MADAMERIRI)

メールやインターネットの普及によって、低下してしまったと言われる現代人のコミュニケーション能力。家族や恋人の気持ちがなかなか理解できず、悩んでしまう人も多いようです。
そんな人に朗報?
イギリス紙デイリーメールによると、とってもユニークなJAPANテクノロジーが大絶賛されている。そんな注目の製品は、neurowearが開発した『脳波ネコミミ』。猫の耳がついたカチューシャを頭につけると、ユーザーの感情がネコミミに表れるそうだ。

例えば、カチューシャをつけたユーザーが集中すると、耳はピンと上に立ち上がり、リラックスすると、耳はくたりと寝た状態になる。また集中とリラックスが同時に訪れると耳は立ち上がり、ピクピクと動く。
脳波を測定するセンサーが内蔵されてあり、脳波によってユーザーの感情を読み取れるというわけだ。
このユニークな『脳波ネコミミ』が外国人にも大うけである。外国人たちの声を集めてみた。

「やべぇ、日本人が好きになってきた。」
「次はしっぽが開発されるぞ。」
「日本だけかよ…。」
「日本人って世界で一番スゴイ人種だよ、きっと。日本初の新しいテクノロジーの記事を読むたびにそう思う。」
「超セクシーな女が通りすがるときに、ネコミミをつけた男の反応がどうなるか見てみたいな。」
「おぉぉぉぉ!ほしい!」
「俺の耳もこれと同じようなことするんだが。」
「オイ、お前ら放射能なんて気にするな!俺たちにはネコミミがあるからな!」
「これは真面目にすごい発明だと思う。そのうち、デートに誘う勇気がなくても。代わりに誘ってくれるロボットとかできるようになったりして。」
「そのうち何もしゃべらなくてもよくなるぜ。」
「ロイヤルウェディングに変な帽子かぶって来たベアトリス妃を見た時のネコミミの反応も知りたいな。」

いったい何がどうなっているのかはリンク先の画像の数々を参照していただくとして、かつてバウリンガルがイグノーベル賞を受賞したことにも現れているように、このあたりは今や日本のお家芸という感がありますね。
同じく日本らしいポップカルチャーが海外で大きな影響力を持っていることを示すニュースとして、こうした記事もあります。

バンコクで「コスプレサミット予選」開催迫る-アイドルもコスプレ姿に(2011年5月31日バンコク経済新聞)

 GMM GRAMMYビルのオーディトリアム(Soi Asoke)で6月4日、今年8月に名古屋で開かれる「第9回世界コスプレサミット」のタイ代表選考国内予選、「OISHI COSPLAY 5」が開催される。主催は大手緑茶飲料メーカー「OISHIグリーンティー」。

 日本の「漫画」「アニメ」「ゲーム」のキャラクターになりきって競い合う同コンテスト。日本で行われる「世界コスプレチャンピオンシップ」本戦では昨年、タイ代表が「ブラザー賞」を受賞する検討ぶりで、世界にそのレベルの高さを知らしめている。

 予選の出場資格はタイ国籍であること。2人1組で各チームごとに用意した音楽に合わせて2分30秒のパフォーマンスを行うというもの。ステージにはパパンAF4さん、アーティーさん、ハールさん、サーイパーンさんらGRAMMY所属アイドルらによるコスプレファッションショーで華を添えるため、多くの来場者が予想される。

 当日審査により残った上位20組と、既に決定しているチェンマイ代表1組は、今月18日にセントラルワールドで開かれるタイ代表選考会最終ラウンドに進出できる。この日は性別や年齢制限などがない自由度の高い「OISHIラッキー・コスプレコンテスト」も開催する。日本だけに限らず世界中の「漫画」「アニメ」「ゲーム」から好きなキャラクターに扮(ふん)することができる。

 Hot 915ラジオ広報担当のナッダー・ピーララーさんは「今回のテーマはスーパーヒーロー。タイのコスプレイヤーには日本行きを目指して盛り上がってほしい。会場ではサプライズも用意する。多くの人に参加してほしい」と呼び掛ける。

何やら現代の聖地巡礼の如き趣がありますが、タイにおける日本食産業大手である「OISHI」を始めとして、日本と縁がない人々の間においても日本ブランドが良品的イメージで滲透していることが垣間見える話です。
同じく日本のポップカルチャーの代表格としてアジア圏を始めとして広く人気を誇るのがこちらですが、思わぬところでその影響を及ぼしているようです。

ドラえもん効果、外国人に「どら焼き」人気 日本の土産の主力(2011年1月11日産経ニュース)

関西国際空港の国際線エリアに昨年12月にオープンした和菓子店で、アジア系の旅行者を中心に、どら焼きが土産物として人気を呼んでいる。海外でも広くアニメ放映されている人気漫画「ドラえもん」の効果で、早くも同店の主力商品に成長。他店でも商品名を「どらやき」に変更し、売り上げを伸ばしている。店側は「ドラえもんのおかげ」と喜んでいるが、人気の背景には、和菓子に対するヘルシーなイメージもあるようだ。

 ドラえもんは藤子・F・不二雄さん(故人)原作の漫画。未来から来たロボットのドラえもんが、さまざまな道具を使ってもう一人の主人公、のび太らを助けるという夢のあるストーリーで、ドラえもんの大好物がどら焼き-という設定になっている。

 発行元の小学館(東京)によると、アニメは国内だけでなく、韓国や香港、台湾、インド、スペインなど世界30以上の国・地域で放映。マンガも現在16カ国・地域で販売され、各国の子供たちに愛されている。

 岡山市に本社を置く和菓子店「源吉兆庵」は12月18日、関空の国際線エリアに出店。当初から大皿に盛ったディスプレーを使ってどら焼きを販売したところ、初日から300個以上が売れた。同店の商品の中でも売れ行きはトップ級で、河野勝美店長(53)は「とても好評。商品を切らさないようにするのが大変です」と話す。

 購入者はアジア系の旅行者が中心で、台湾の航空会社に勤務する女性(32)は「ドラえもんの好物だから、ついつい買ってしまう」と笑顔をみせた。

 また、国際線エリアの別の土産物店「萬(よろず)」では、これまで「鼓どら」としていたどら焼きの商品名を、昨年秋からずばり「どらやき」と変更。すると、たちまち注目度が上がり、売り上げは、変更前の月の倍近くになった。

 ドラえもん人気が好調の理由だが、和菓子に対する好印象もあるようだ。香港から訪れた30代の女性会社員によると「小豆を使ったどら焼きはヘルシーというイメージが強いので、香港でも売れている」という。

 いまだ衰えないキャラクター人気で、外国人旅行者にも好評などら焼き。小学館ドラえもんルームの編集者、徳山雅記さん(44)は「ドラえもんの好物が、海外の方にもうけているとは驚き。マンガやアニメを通じて、日本文化が海外に広がることはうれしい」と話した。

しかしどら焼きなどは比較的どこの国でも好き嫌い無く受け入れられそうにも思えますが、あまりタコを食べないはずのアメリカ人にもたこ焼きのマニアがいたり、ファミレスなどが「安くておいしい」と意外に好評だったりと、日本人が考えるよりも違った方向性で日本食が広く受け入れられる可能性はまだまだ残っていそうですね。
この路線の延長線上に昨今世界的にもその名が広がってきている「bento」などもあるのでしょうが、これまた意外な日本の食文化?が海外で受けているというこちらの記事をあわせて紹介してみましょう。

海外で衝撃「日本の給食はなんて健康そうなんだ!」(2011年6月13日らばQ)

日本の給食を知っている人は、海外のランチ事情を知るとがっかりすることになります。
もちろん行った先の国・地域によりますが、アメリカやイギリスなら落胆の気持ちでいっぱいになることでしょう。
逆に彼らが日本の給食を見たときにどう感じるのかですが、「なんて健康そうなんだ」と話題になっていました。

日本の給食メニューが並んでいるのですが、美味しそうなだけでなく、栄養も大変考えられています。
投稿されていたこれらの写真を見て、海外サイトでは大いに盛り上がっていました。
コメントを抜粋してご紹介します。

・それってロブスターなのか?なんてこった。
・ノォォォォ!それは絶対にエビだぁーーーー。
・そのロブスターが本物なら、きっと特別なイベント時だと思う。日本の学校で何年も働いたけど、一度もロブスターが出たことはない。もちろんバランスよく作られているけど、安く考えられている。だいたい一食250~350円だ。だから値段の安い魚がよく使われている。ロブスターは予算とは合わないよ。
・その経験からいうと、他のものはだいたいこんな感じだっていうのか?
・欧米で出されるよりも、揚げ物が多い感じなのにアメリカよりずいぶん健康そうだ。
・ベントウと呼ばれるランチボックスを見てみろよ。
・だから彼らは平均で10年くらい長く生きているんだ。
・食事+不在老人のデータだろ。
・ロブスターを探してくる。
・ジェイミーならきっと誇りに思ってくれる。(2005年から"Jamie's School Dinners"「ジェイミーの給食」という番組のシェフを担当。イギリスでは子供の食事内容があまりにひどいことから、"Feed me better"「もっといいもの食わせろ」キャンペーンが掲げられ、4シリーズにわたって放送され大反響を呼びました)
・これが理由でジェイミーは日本には手出ししなくて良かったのか。アメリカやイギリスの食事はショッキングなレベルだからな。
・彼がイギリスの給食をどれほど改善したかはびっくりするほどだよ。番組やキャンペーンが展開しているときに学校に通っていたが劇的に改善された。アメリカでもそうなることを望むよ。
・アメリカで彼の番組は、単に彼がよく泣く番組であるってだけだ。
・学校の食堂に行ったことがあるかい?あまりにひどくて涙が出るよ。
・彼を責められないね。
・日本では太るのが違法なんだ。
・じゃぁスモウはどうなるんだ。
・今の私にはとてもおいしそうに見えるが、たぶん太った13歳の娘はこれよりもピザやフライがいいと言う。
・それが理由で子供に食べるものを選ばせちゃいけないんだ。
・うちの子どもは私を嫌うだろうが、それで構わない。
・なんてこった。幼稚園からハイスクールまでずっと僕のランチはこんな風だったんだぜ。ここからおいしそうなプリンを引いて、牛乳はいつも凍っていた。
・それからピザだ、もっとたくさんのピザだ。
・それからプラスチックのようなチーズ。
・それからスポンジケーキだけど、パン生地というよりも菌生地という感じだった。
・そして灰色のホットドッグだ。
・お前らの学校のランチの文句は聞きたくない。オレは1日に1食で、給食は命の食事だった。
・だからこそ余計に改善されなきゃいかんだろ。
・もしそれが公立の学校のメニューなら、オレの国は思っているより貧困だ。
・この国はこの国の人々の程度を表しているんだ。安くて速い食い物を好む。この国の人間は先生だっていらないんだ。本物の食事に金を出すなんてありえない。
・大半のアメリカの食事より日本のほうが健康的である。だが時々ひどいものもあるよ。ちなみに一番の違いは出てくるサイズで、時々自分の国(アメリカ)へ帰ると多すぎて妻と分けなければいけない。
・僕は4年生のとき日本の小学校にいたんだけど、一番のお気に入りが給食だった。すごいもんで、グルメクオリティだったよ。インターナショナルスクールの食事とは雲泥の差だったな。
・健康的というだけじゃない。フランス人はクリームをたっぷり使うのになんで細いんだというのに似ている。量も正しいんだ。車でビッグマックを買って、あわてて食べるというわけじゃない。
・本当なのか、これが私立でもない学校の普通のランチなら、オレはもう自分の靴を食べるよ。
・子供の健康のことを考えてるっていう写真だろう。

実際にアメリカやイギリスの給食のレベルはひどいものがあり、その点で日本はとても恵まれているようです。
給食費未納の問題などがあったりはしますが、少ない予算から美味しく健康的な献立を作っている給食センターや栄養士さんの手腕は素晴らしいの一言ですよね。
世界の給食比較は以下の記事をご覧ください。

ひとくち食べ比べてみたくなる、世界の学校給食いろいろ

リンク先の写真を見る限りでは日本の給食もずいぶんとバラエティー豊富になってきたものだと思いますけれども、国内においてもなお噂に名高い某地区のように問題少なからずという地域も残っているやに聞きますから、なお世界の模範となるように一層の工夫努力が必要ということになるのでしょう。
最後にご紹介しますのはこちらの記事ですけれども、知っている人の間では結構有名な話題ですよね。

ザック、“サッカー王者”防衛!なでしことアベック戴冠(2011年8月11日zakzak)

 韓国に3-0で快勝した日本は、これで15試合連続無敗に。代表の史上最長記録をまたも更新した。同時にザッケローニ監督が就任して以来の不敗神話も、「12」まで伸びた。
 9勝3分け。指揮官の母国イタリアのサッカー哲学よろしく、サムライブルーはとにかく負けない。
 世界中の物好きなサッカーファンにも、日本の「世界王者」としての風格と安定感は、だいぶ認知されてきたはずだ。

 英国ウェブサイトが認定する「アンオフィシャル・フットボール・ワールドチャンピオンシップ(=UFWC、非公式サッカー王者)」の現王者である日本は、挑戦者の韓国を退けたことで、節目となる10度目の防衛に成功した。
 UFWCは1873年にスコットランドに勝ったイングランドを初代王者として、ボクシングのタイトル戦と同様に、国際Aマッチで王者を倒したチームに王座が移る方式を採用している。
 ザックジャパンは昨年10月の親善試合で、当時の王者アルゼンチンを破ってタイトル奪取。なお女子日本代表「なでしこジャパン」も、先月の女子W杯決勝で米国を下した際に、女子版UFWCの王座を手にしている。

 史上8カ国目(のべ10カ国目)のアベック世界王者は来月から、立て続けに“防衛戦”に臨むことになる。まず来月1日に女子が中国・済南でロンドン五輪アジア最終予選のタイ戦。翌2日には男子がブラジルW杯アジア3次予選の北朝鮮戦をさいたまで行う。
 いよいよ国際大会の出場権をかけた真剣勝負がスタート。日本のみならず、“世界王座”の行方を気にする世界中の好事家にとっても、手に汗握る季節の到来だ。

この裏世界王座、男子代表が久しくタイトルを防衛しているのは有名な話でしたが、このたび女子代表もタイトルホルダーになったというのは非常に喜ばしい話ですよね。
いよいよW杯やオリンピックの予選が目前に迫ってきましたけれども、どこまでタイトルを防衛できるかということも注目していきたいと思います。

今日のぐり:「麺屋 哲 倉敷インター店」

倉敷駅北側の幹線道路沿いは「天下一品」「一風堂」「どさん子」など有名チェーン店を始めとしてラーメン屋が建ち並び、今や一大激戦区となってきた感がありますよね。
休日の昼食時ともなるとどの店もちょっとした行列が出来上がるのですが、その中で少し奥まった店構えのこちらのお店は立地に加え知名度の問題もあってか、競合他店と比べるとお客の入りは控えめなのかなという印象があったものです。
それでも最近では行列待ちが出来るというほどではないにしても、結構流行ってきたということなのか食事時には満席が続いているようで、今回もなかなかいい感じで席が埋まっているようでした。

今回はねぎたっぷりそばを頼んでみたのですが、標準のものに比べてねぎがたっぷり170円分…と言うほどでもなく、まあ普通にねぎだくという感じでしょうかね?
久しぶりに食べるとこれが今の標準レベルということなのか、このお店などもかなりこってりと感じるスープなんですけれども、無論天下一品など近隣店に比べるとあっさりと言っていいくらいのものですし、醤油ダレも頃合いでいわゆる飲み干せるスープになっているのはいい具合だと思います(飲み干していいのかどうかはともかくとして)。
麺はデフォルトの茹で加減はかなり硬めで、個人的にこれくらいの状態も決して嫌いというわけでもないんですが、ラヲタ以外の人も結構入っているらしいこのお店でこれがデフォルトというのはどうなのかなという気もしました。
トッピングも今の時代なりの水準で見劣りするわけではなく、全体のまとまりも悪くはないラーメンだなと思いますし、全般的に濃いめを売りにした店が多いこの界隈で近隣店よりも比較的年配客が多いのも理解できる味かなという気がします。

接遇の方はそれなりに頑張っているのは判るんですが、お客が多い状態に対応し切れていないのか回りきってない印象が強い上に、いちいちフロアに大きな声で指示が入るのが食事する雰囲気を少なからずスポイルしていますよね。
この系統の味は決して嫌いではないので、激戦区で経営が軌道に乗って来たらしいのは歓迎なんですが、流行ってくればきたなりに何かと苦労も多いのが飲食店というものなんでしょうね。

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2011年8月27日 (土)

呆れ果てるしかないそのモラル フジテレビがまたやった

先日こういう記事が出ていて、これはまた世間からすれば「彼らならそれくらいのことはやって当然」と言うしかない話でしょうが、同業者の方々に言わせると「信じられない体験」になってしまうあたりが興味深いですよね。

【社説】「人の目」(2011年8月24日紀伊民報)

 東日本大震災直後のテレビ画像で、印象に残っているシーンがある。津波で崩壊した近所のコンビニから失敬した品物を運んでいる女性の後ろ姿だ。ところがカメラに気付くと、自責の念からか、品物を道端に置いて逃げ出した。

 ▼日本人は、いかなる時も秩序正しいわけでは決してない。他人に見られているかいないかが、決定的に重要なのだ。この主婦も見られていると分かった時、良心に立ち返った。外国ならそのまま持ち去るし、集団略奪に発展することさえある。

 ▼社団法人・日本記者クラブといえば、全国紙、テレビなどの法人、個人が加入し「知の殿堂」を自認する組織だ。外国の首脳が訪日する時もここで会見する。その記者クラブで最近、信じられない体験をした。

 ▼閲覧資料の外国雑誌を調べようとしたら、10冊のうち4冊から関係箇所が切り取られていた。会費も高く、相互信頼で成り立つ監視もゆるいクラブである。1枚10円のコピー機もそばにあるのに、こんなハレンチな行為が行われるとは。結局、人間の品性は貧富、知識の有無、学歴の高低などとは無関係なことが、この一事で自明だ。

 ▼日本図書館協会によると、一般の図書館でも資料の損傷、切り取りなどが後を絶たないのが悩み。利用者の公共意識の自覚しかないという。

 ▼隠れて不正をしたつもりでも、結局は「天知る、地知る、人知る、我知る」ことになる。我とは、自分の良心のことだ。(倫)

まあどこまで自分達を高みにいると勘違いしていたのかは知りませんが、普段からの行いからして地が自然に出たというだけのことなんですが、この記事の根底にあるのは自分達だけがモラルが低いのではない、むしろレベルの高い自分達ですらやっているようなハレンチな行為(笑)はお前ら国民だって当然やってるじゃないかという意識であるらしいことは留意いただきたいと思います。
さて、先日島田紳助氏が暴力団との交際問題によって突然の芸能界引退を発表したことが話題になりました。
島田氏と言えば過去にも様々な噂や事件の絶えない人物で、むしろこうした問題を承知の上で使われていたという見方が常識的であっただけに、世間では「何故今頃になって急にそれを問題視するのか?」と驚きをもって迎えられた話であったわけですが、当然ながら同様にすねに傷を持つ業界人というものは少なくないわけです。
テレビや芸能界がその方面と深い繋がりがあることは今さらな話題であるだけに、「この程度で引退しなければならない」という島田氏の言葉はまさしく彼らの実感なのでしょうが、そうした彼らマスコミ業界人の常識と世間の常識がいささかずれているのではないかと改めて実感させてくれたのがご存知フジテレビです。

島田紳助「暴力団関係者がトラブル解決」闇社会が勝手にやった!?(2011年8月24日J-CASTニュース)

(略)
本人の責任はどこまでか

   「名前が出れば出るほど窮地に立たされることは多くなりますよ」と、島田とは同業者の小倉智昭は言う。正当な手段では問題を解決できないときに、本人の知らないところで闇社会の人間が動いたとして、「本人の責任はどこまであるんだって考える必要がある」とオグラ。

それしかなかった

   「みなさん(視聴者を指すと見られる)の周辺でも、知らないうちにそういう(闇社会の)人が解決してくれるってことは起こるはずなんです」「ダメなことはわかってても、それしか解決方法がなかったって人はいると思うのね」。オグラは問題解決の方法について、いまいち歯切れの悪い、論旨がハッキリしない、逡巡的なコメントを続けた。

〈速報〉紳助さん関連 小倉氏発言に批判殺到(2011年8月25日朝日新聞)

 フジテレビ系「とくダネ!」で24日、小倉智昭キャスター(64)が島田さんの引退に関し「皆さんの周辺にも、(闇社会の人間が)問題を解決してくれることもあるはずだ」と語った。ネット掲示板などでは「ないよそんなの」「芸能界の常識を一般人に訴えかけるな」「普通は警察に助けてもらう」などの批判が殺到した。

 小倉氏は番組で視聴者に向け「皆さんもいろんな問題を抱えていると思う」と語りかけ「何らかの圧力を発揮して解決させる人がいるのも事実。圧力団体だったり、闇の社会の人だったり。それしか解決方法がなかった人もいると思う」と語った。島田さんの引退については「6年前にメールのやりとりがあった。それだけなのに」と擁護した。

フジ『とくダネ!』で小倉智昭が暴力団を肯定? 国民の声「アナウンサーが暴力団擁護すんなよ!」(2011年8月24日ロケットニュース24)

暴力団関係者と親密な関係を持っていたとして、タレントの島田紳助さんが引退を表明した二ュースは、日本中を揺るがす大スキャンダルとして大々的に報じられた。まだ騒動の全貌が明らかになっていないが、翌朝の情報番組でも大きく紳助さんの引退騒動を報じている。

フジテレビの情報番組『とくダネ!』で司会者の小倉智昭さんが、暴力団(闇社会)の存在を肯定するかのような発言をしたとして、インターネット上で批判の声があがっている。小倉さんの意図はわからないが、彼は以下のような発言を番組でしたのである。

・『とくダネ!』での小倉智昭さんの発言
問題の解決方法っていうのは、これは皆さんも色々な問題抱えていると思いますよ、テレビご覧の皆さんもね。名前が出れば出るほど、色々な窮地に立たされることが多くなりますよ。

そうすると、警察だとか、弁護士だとか、自分が所属する事務所だとか、企業だとかそういうところで、どうしても解決ができないときに、何らかの圧力を発揮して解決させる人がいるっていうのもこれ事実なんですね。圧力団体であったり、まあ闇の社会の人であったり。

で、特にそういうときに切羽詰まって、自分の知らないところであったとしても、それを解決した人が闇社会の人であったときに、その解決してもらった本人の責任はどこまであるんだ? ってこともね、これからきっとやっぱりいろいろ考えていかないと。

皆さんの周辺にもね、知らないうちにそういう人たちが解決してくれたっていうこと、どこかで起こるはずなんですよね。知っていて解決してくれることもありますよ。ダメなのはわかっているけれども、それしか解決方法がなかったっていう人がなかにはいると思うのね(発言ここまで)

……と、番組内で語っていた小倉さん。しかし多くの視聴者はこの発言に疑問を持ったようで、「アナウンサーが暴力団擁護すんなよ!」や「オズラは暴力団と付き合いがあるのはわかった」という声をあげている人も出てきている。

正直なところ、小倉さんの発言を聞いていると、あたかも小倉さん(または周囲の人たち)が闇社会の人に助けてもらった経験があるように思えてしまうのも事実だ。この小倉さんの発言に対して、インターネット上には以下のような視聴者の声があげられている。

・小倉智昭さんの発言に対する視聴者やインターネット上の声

「暴力団を肯定。これマズイんじゃ?」
普通の人はヤクザなんかとお知り合いになりませんって」
どこの世界の常識だよ」
「普通、闇社会の人に助けてもらうと後でとんでもないことになるんだが」
「そりゃ政治家とか芸能人とかはお世話になることもあるだろうね」
「小倉の暴力団擁護発言キターーーーーー」
「これは流石に、あまりにも一般とかけはなれた感覚での発言だな」
「あるはずだ…ってどんな環境にいたらそんな考えがでてくるんだろう
「芸能事務所や著作権団体や広告代理店も闇社会とズブズブなの? 教えて小倉さん」
「これは警察もドン引き」
「小倉もヤクザの腰巾着か。薄気味悪いわ」
「知らない間に解決ってヤバすぎだろ」
「この発言は大人としてどうなんだ」
「これはさすがにシャレにならんで」

冗談なのか本気なのか、「とくダネのスポンサーに抗議電話入れるのも怖くなってくるよな。闇社会の人が助けに出てくるかもしれないなんて」と意見を書き込んでいる人もいた。とにかく、多くの人たちは小倉さんの考えを理解できないようだ。

また、小倉さんが頭部に設置している装置によってマインドコントロールされていると推測している人もおり、「頭の上に乗ってる髪の毛の様な物体に操られてこんな発言をしてしまった可能性も捨てきれないよね?」と心配する声をあげている人もいた。真相は不明だが、小倉さんの発言が物議をかもしているのは事実である。

実際の放送の動画を参照頂ければお判りかと思いますが、暴力団は知らない間に入り込んで来るから注意しようとか悪いことだから止めようなどという話でも何でもなく、お前ら市民だって暴力団を使っているだろうに何故島田氏だけが非難されるのかと必死に弁護しているとしか聞こえない話で、国民に対してのみならず責任を取った島田氏本人に対してもひどく失礼どころで済む話ではありません。
要するにマスコミ関係者にとっては何かトラブルが発生すれば、その解決法として暴力団の活動というものが選択枝に上がってくるのが当然だという彼らの常識を思いがけず露呈したわけですが、さすがにこれは話を振られたデーブも得意のだじゃれで切り返す余裕もない浮世離れした感覚ですし、「この程度のことで辞めなければならないのか!?」というオヅラ氏の動揺ぶりが現れていた放送であったと言えそうです。
もちろん冷静な状況であればこの手の話題を公言することはまずいというくらいの分別はオヅラ氏としても働いたのかもしれませんが、これを「言葉が足りなかった」などと釈明してしまうあたりにますます彼らの痛さが表沙汰になってしまったのは皮肉な結果で、いったいこの業界はどれだけ痛い人材を抱え込んでいるのかと他人事ながら心配になってきますよね。

「どうも言葉が足らなかった」 小倉キャスター、暴力団容認発言で陳謝(2011年8月26日J-CASTニュース)

 島田紳助さんの芸能界引退をめぐり、フジテレビ系「とくダネ!」の小倉智昭キャスター(64)が暴力団の存在を擁護するともとれる発言をしていた問題で、小倉キャスターは2011年8月26日の放送で、「どうも言葉が足らなかった」などと釈明した。

 小倉キャスターは、8月24日の放送で、

  「みなさんの周辺でも、知らないうちにそういう(暴力団)人が解決してくれるってことは起こるはず」
  「ダメなことはわかってても、それしか解決方法がなかったって人はいると思う」

などと発言。暴力団によるトラブルの解決を肯定しているともとれる発言だったことから、

  「そんなことはない」
  「普通は警察に助けてもらう」

などとネット上で批判が殺到していた。

■「誤解があったとしたら、申し訳なかった」

 26日の番組では、小倉キャスターは

  「トラブルに巻き込まれて、その解決を警察とか弁護士ではなくて、結果的に圧力団体であるとかやみ社会の人が解決をしてしまうケースがあるという話をした。これは、私は『考えなければいけないことだ』と言ったが、これがどうも『小倉が容認しているようだ』と受け止められたようだ」

と釈明。「一般の人は暴力団とは関係ない」との反論については、

  「昔は暴力団という看板をかかげて、威嚇をしていた。ところが今は、身分を隠して一般社会に溶け込むような形で知らず知らずのうちに深く深く潜行していて、気がついたら巻き込まれていたということもある。ですから、『気をつけてほしい』ということで言ったつもりだったが、どうも言葉が足らなかった。誤解があったとしたら、申し訳なかった

例によって誤解した愚民が悪いと言いたげな口ぶりが例の洗脳装置の作用かどうかは不明ですが、あの発言からオヅラ氏の真意(笑)を理解した人間など一人もいなかったことは、スタジオでの「この○○親父は何を言ってるんだ?」という冷え切った反応が如実に現しているのではないでしょうか(苦笑)。
オヅラ氏の場合以前から定期的に降板説が流れていたくらいですから、むしろテレビ局側にとっては今回の本音暴露事件は渡りに船でさっさと首を切って終わりにするという可能性もあるかと思いますが、彼らマスコミお得意の論法にならって言えばここまで国民をバカにしておいて、任命責任を問われずに済む問題ではないと言うことですよね。
とりわけこうした問題がこのタイミングで他ならぬフジテレビから勃発したということが興味深い現象ですが、どうも先日以来のフジテレビ騒動などを経験すれば普通であれば局内でも気を引き締めて仕事にあたろうとなってしかるべきところ、このフジテレビでは相変わらず呆れ果てたような弛緩した仕事ぶりが世間にも知れ渡ってきていることは先日もお伝えした通りです。
そんな中でまた社員が大きな問題を起こしたのでは?という疑惑が勃発しているのですが、発端はごくささいな発言一つだったことが今の時代だなという気がする事件ですよね。

フジテレビ社員が「懸賞品」をヤフオク出品 (2011年8月23日YUCASEE MEDIA)

フジテレビのスタッフが懸賞品をヤフーオークションに出品していたことが23日わかった。ユーザーに特定されてしまい、現在は削除されている。

 「7冠馬ディープインパクトQUOカード」「スペインGPパドックパス(サイン入り)」「巨人戦年間シート」「岡田准一着用ヘルメット」などスタッフでなければ入手できない非売品が多数出されていた。

 この「井●●●」と名のるスタッフは、ツイッター(現在は削除)上で、22日のフジテレビ抗議デモについて「韓国ドラマやめろとか言うけど、平日の夕方ってあんたら見てんの? 日本のアニメはスペインで同時4局くらいジャックしてるし! 数字が落ちれば、イヤでも再編成されますけど…?」などとつぶやき不評を買っていた。

 特に「あんたら」と呼んだことがネットユーザーの怒りに火を付け、「井●●●」さんの愛車ベンツのボンネットに映ったわずかな景色から自宅の部屋を特定されてしまうなどした。

 今回のオークションについても追跡されてしまったようだ。一部では「横領ではないか」とする声もあるのが、入手経路などはまだわからない。

こういう品をオークションに流すという行為が横流しになるのか横領になるのかは不明だと言うことですが、仮に何らかの事情から廃棄されたものを譲渡されたなど明らかな犯罪性のない出品だったとしても、企業人のモラルとしてやってはならない行為であるのは言うまでもないことで、ここにも彼らの持つ「常識」の世間からの乖離ぶりが明らかになっているように思えます。
ちなみにこの一件が公になっていく過程というのは見ているだけでも空恐ろしいようなものがありますが、例によってここでも大活躍しているのが2ch既婚女性版のメンバーの方々、俗に言う「鬼女」であったというのは改めてその底力を思い知らされるに十分なもので、今や大手企業すらその動向を無視出来ないというのですからすさまじいというしかありませんよね。

【参考】大手企業も恐れる”ネット界最凶の炎上部隊”「鬼女」の正体とは!!?(2011年8月24日EXドロイド)

よくも悪くも2chを始めとするネット社会の特性として匿名性というものが言われ、マスコミを始めとしてこれを敵視する人々は必ず「実名でなければ責任ある発言など出来ないし、信用出来ない」といったことを主張しますけれども、それではそう主張する彼らがどれほど信用に値する人間であるかと言えば、かくの如しであるわけです。
そして犯罪捜査に関わって警察などが関わってくるような事件はもちろんのこと、上記のような例を見るまでもなく本当に完全な匿名性などはまず存在しないのはネットと実社会とを問わず当然のことであって、そうした全ての事情を承知した上で適切なネットの利用を心がけていくのが当たり前のネットリテラシーと言うものですよね。
そうした関係性を始めから放棄し、ひたすらネットを敵視し叩こうとする既存メディアの発想がどこから来ているのかということを考えれば、彼らにとってはよほど都合の悪いものがネット上には満ちあふれているからという解釈が自然に成立しそうなのが彼ら自身の徳のなさを示しているのでしょうね。
自分達の暗部を決して直視しようとしない彼らに、果たして更正の道はあるのでしょうか?

フジテレビが2ちゃんに反撃? 「薬物売買の舞台」と指摘(2011年8月25日J-CASTニュース)

フジテレビが報道番組で、2ちゃんねるの名を挙げて、薬物売買の舞台となったと指摘したことに、ねらーから反発が出ている。韓流偏重批判をしていた2ちゃんへの反撃ではないか、とのうがった見方もあるようだ。

 テレビでは、2ちゃんねるが「巨大掲示板」と匿名で取り上げられることが多い。ところが、フジテレビ系で2011年8月24日夕に放送された「スーパーニュース」は違った

■大物密売人が書き込んだと紹介

 その特報コーナーで、九州厚生局麻薬取締部がこの日に送検を発表した暴力団関係者の大物密売人について、独自に逮捕シーンを流した。その中で、薬物売買の舞台になったのが2ちゃんねるだと、その扉絵の映像を流しながら指摘した。

 そして、「被告が書き込んだ掲示板」だとして、2ちゃんのあるスレッドに書き込まれた「薬物広告」の文面を紹介。元密売人にインタビューして、「冷」と書かれたのが覚せい剤の隠語「冷たいの」の略だなどと語らせている。「冷」に続いて書き込まれた「05」「20000」は、それぞれ0.5グラム、2万円を表しているという。

 そのうえで、「今や暴力団もインターネットで薬物を売る時代。その汚染の実態は、相手や場所を選ばず急速に広がっている」と締めくくっている。

 これに対して、2ちゃんねるでは、これまでその韓流偏重ぶりを叩いてきただけに、フジテレビが反撃に出たのでは、との憶測が広がった。

 さらに、「薬、違法」といったスレはおかしいという声はあるものの、フジテレビが紹介したスレの書き込みは、10年1月10日と1年半前ものであったことに疑問が出た。

■フジ「韓流偏重批判への反撃でない」

 その「【シャブやってて良かったと思う事を書くスレ】」では、フジテレビが紹介した書き込みに対し、お金をだまし取る詐欺だとの指摘がスレ内で出ていた。このことから、実際に薬物を売っていたものではなかったのではないか、という疑問も出ている。

 「ネットで薬物驚がく実態」というフジテレビの指摘に対し、2ちゃんねるでは、「イメージ植え付けだろこれww」「2chよりも薬普通に売ってる掲示板あるのに」と不満がくすぶっている。

 スレの書き込みは、本当に被告のものだったのか

 九州厚生局麻薬取締部では、取材に対し、この点はフジの独自取材だとして、分からないとした。ただ、被告は、書き込みと同様な手口で、2ちゃんねるで薬物を売買していたのは事実だとしている。詐欺かどうかは書き込みだけでは判断できないとしながらも、こうした書き込みは、密売の手口としては一般的だという。

 フジテレビは、被告が書き込んだかどうか分からなくても、同じ手口としてスレの書き込みを紹介した可能性はあるようだ。

 こうした点について、フジの広報部では、「捜査当局発表の事実を放送しただけです」と言うのみだった。韓流偏重批判への反撃ではといった見方については、「関係ありません」と否定している。

【報道しない自由】フジテレビが2chを閲覧しながらも薬物を報道しデモを報道しない理由(2011年8月26日ガジェット通信)

先日8月21日に行われた『フジテレビ偏向報道・韓流ゴリ押しデモ』は、8000人にも及ぶ大規模なものとなり、フジテレビ周辺をデモ参加者が取り囲む形となった。主催者はフジテレビ抗議デモ実行委員会(1回目)とチャンネル桜(2回目)の2回に分けて行われ、どちらも規模は数千人規模となった。

海外のメディアであるイラン国営放送やMBC(韓国)、また台湾の主要ウェブメディアもこのことを報じているが肝心の国内マスコミは一切報道していない。まさか今回のデモのことを知らなかったのだろうか。これだけ大規模になっているにも関わらず知らぬ存ぜぬでは通せないだろう。かといって『デモのことは知らない』『2ちゃんねる』を見ていないと言うのもまかり通らない

先日の報道でフジテレビは『2ちゃんねる』や『mixi』を薬物販売の舞台としてを報道したのだ。それらの情報を知るには、『2ちゃんねる』や『mixi』に深く入り込まないといけない。つまりディープゾーンにまで入り込み取材を行っているわけだが、そこまでヘビーに『2ちゃんねる』や『mixi』を使用していてフジテレビデモを知らないはずが無いだろう。

つまりどういうことなのか? それは意図的に報道する素材を取捨選択しているのだ。自社に都合の悪い物は報道せず、それら以外の物はごく普通に報道してしまう。そう、フジテレビが選んだ選択は“報道しない自由”なのだ。フジテレビの報道の取捨選択を意訳すると、あきらかな「非」が無い限り報道しないというスタンスが見える。先日の取材車の信号無視の件は『スーパーニュース』にて謝罪が行われた。この様に謝罪という形で触れたのは明らかな「非」があるからだ。先日大騒動となった東海テレビ『ぴーかんテレビ』の「セシウムさん」もクレームが相次ぎ「非」があるため、あのように報道している。同じ理屈で言えば、フジテレビ社員(広報は派遣社員と説明)がジャニーズやF1関連プレゼントをヤフオクに出品してた件も報道しなくてはいけないはずだが、何故かこの件は無視されている。

では何故フジテレビデモや普段から言われている、コリアンウェーブプッシュ(韓流ゴリ押し)は報道しないのか? 「ゴリ押しはしていない」という見解なのか「ネットユーザーの意見は無視しろ」ということなのか、どちらにしろ知っていながら無視を決め込むのはメディアとして腐臭がする。そりゃ偏向報道と言われるわけだ。

利権メディアは「中立報道」なんて到底無理ってことなのだろう。

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2011年8月26日 (金)

今日は労働者の健康に関わる話題を

先日こういう記事が出ていたのですが、御覧になりましたでしょうか?

ドック「異常なし」最低を更新 昨年の受診者(2011年8月19日山陽新聞)

 日本人間ドック学会は19日、10年に人間ドックを受診した全国の約300万人について、「異常なし」とされた人の割合が前年を1・1ポイント下回り、8・4%と過去最低を更新したと発表。

 集計を始めた1984年から続く減少傾向に歯止めはかからなかった。同学会の笹森典雄名誉顧問は「診断技術の向上により、より多くの異常が発見されるようになった」としながら、「年代に関係なく成績が悪化している。ストレスへの対処や生活習慣の改善が不可欠だ」と話した。

 異常があった検査項目は多い順に肥満(27・7%)、高コレステロール(27・3%)、肝機能異常(27%)。

ちょっと調べて見ただけでも人間ドックだけでなく、各地の職場検診においても軒並み過去最高を更新してきているようですから、これは全国的な傾向と言っていいように思いますが、実際に国民の健康が悪化しているのか、基準の方が厳しくなっているだけなのかです。

健康に「異常あり」54% 県内の職場健診 過去最悪、全国で17番目(2011年7月22日熊本日日新聞)

 県内で2010年に職場の健康診断を受けた人のうち「何らかの異常がある」と指摘された人の割合(有所見率)が54・4%と過去最悪となったことが、熊本労働局のまとめで分かった。全国平均52・48%を1・92ポイント上回り、全国で17番目に高かった。全国平均を上回ったのは12年連続。

 調査は、厚生労働省と各労働局が毎年実施。10年は、健診結果の報告があった県内1266事業所の15万2861人のうち、8万3162人が「異常有り」と診断された。

 業種別では、タクシーなど運輸交通業の有所見率が69・52%と最も高く、次いで建設業64・83%、貨物取扱業62・94%だった。

 規模別でみると、従業員50人未満が61・35%、50~99人が57・49%、100~299人が54・69%、300~999人が51・74%、千人以上が49・41%。小規模の事業所ほど有所見率が高かった

 異常の項目別では、血中脂質が30・8%で最多。肝機能16・46%、血圧14・45%、血糖11・99%など。

 県内の有所見率は04年以降、7年連続で50%を超えており、上昇傾向が続いている。同局健康安全課は「脳疾患、心臓疾患など重篤な病気につながるケースもある。各事業所には健診結果を踏まえ、労働時間短縮や従業員に対する保健指導に取り組むよう求めたい」と話している。(楠本佳奈子)

福井県の労働者は不健康? 健診「異常あり」ワースト(2011年4月13日福井新聞)

 企業に義務付けられている定期健康診断で、血中脂質や血糖などの数値が「異常あり」とされた福井県内労働者の割合(有所見率)が65・1%(速報値)と、全国都道府県で最も高かったことが福井労働局の2010年調査のまとめで分かった。全国平均52・5%(同)を大きく上回り、08年から3年連続ワースト1位になった。

 脳・心臓疾患に関係する項目の割合が特に高いことから、同労働局では「企業に対し健康教育や保健指導を促し、有所見率を下げていきたい」としている。

 調査は、従業員50人以上の県内事業所の健診結果をまとめた。脳・心臓疾患関係の項目の中で最も「異常あり」が多かったのは血中脂質41・9%。次いで血圧22・2%、血糖15・3%、心電図検査11・4%となっている。これらの数値が悪化し過酷な労働環境が重なれば、動脈硬化から脳梗塞や心筋梗塞を招きかねない。

 本県では07年は55・4%だったが、08年65・9%、09年65・9%と高い水準で推移。ただ、「異常あり」と判断する基準値について全国統一の?物差し?はなく、各健康診断機関で判断が異なる。同労働局では、08年以降、本県の有所見率が急激に伸びた理由について、同年に導入された特定健康診査で厳格な基準値が示され、県内健診機関の多くがその数値を採用しているためではないかと推測している。「福井のサラリーマンが他県に比べ特段、不健康ということを示すものではない」としている。

 同労働局では昨年10月、有所見率改善に向けた計画を策定。事業者や労働者に対し、労働時間短縮や作業転換などの措置、医師による保健指導、健康づくり計画策定などを求めている。12年度までに有所見率を07年の水準まで減少させることを目標にしている。

昨今では職場検診などもずいぶんと厳しい事を言うようになってきて、昔ならばまあいいかで流されていたようなケースでも片っ端から精密検査に回されてくるような印象がありますが、これも近年国が音頭を取って予防医療に重点を移していくという方針を示していることがその理由なのでしょう。
2008年から特定健診(いわゆるメタボ健診ですね)というものが始まり、将来的に医療費を押し上げることになる各種重大疾患のリスクを増す生活習慣病に対して今まで以上に厳しく指導されることになったと同時に、とりわけ受診率や目標達成率によってペナルティが保険者(企業)に課されたというのが特徴ですが、この結果特に大企業ほど健診にひっかかる人間に対して雇い止めをするような問題が実際にあちこちで発生しているようです。
制度導入当初からこのようなことが起こり、結果として社会的弱者が一番の迷惑を被ることは予想されていたことですけれども、一般に生活水準と健康水準とは比例すると言われる中で相対的に疾患リスクの高い人々が正規雇用層から外れ、きちんとした健診すら受けられなくなっていくということであれば将来本当に国民全体での疾患リスクが低減されるのか疑問ですよね。
このように一見すると国民たる労働者の健康を守るための制度が、実際にはその役を十分に果たしていないのではないかということは実社会ではしばしば見られる現象ですが、この面でたびたび問題になるのが労災認定というもので、先日も後々揉めそうな判決が大阪地裁で出されたということです。

プログラマー過労自殺「困難な仕事でなかった」大阪地裁、労災請求を棄却(2011年8月24日産経ニュース)

 平成14年に大阪府豊中市のプログラマー、北口裕章さん=当時(27)=が過労自殺で死亡したのは、達成困難なノルマを課せられたためとして、会社員の父、久雄さん(68)が国に労災認定を求めた行政訴訟の判決が24日、大阪地裁であった。中村哲裁判長は「本人の能力からみて、特段困難ではなかった」として、原告の請求を棄却した。

 原告側は「入社1年足らずで複雑なシステムを組まねばならないのに、先輩や上司からの指導がなかった」と主張したが、中村裁判長は「会社の支援体制に問題はあったといいがたい」と退けた。

 判決によると、北口さんは13年10月に京都市内のコンピューター会社に入社。翌14年6月3日未明、豊中市内の雑居ビル5階から飛び降り自殺した。

過労自殺訴訟棄却に遺族「非常に残念」(2011年8月24日産経ニュース)

 「敗訴したが、ここで引き下がるわけにはいかない」。北口裕章さんの父、久雄さんは判決後にそう語った。

 北口さんはプログラマーだったにもかかわらず、自殺翌日の平成14年6月4日には、取引先に1人で打ち合わせに行く予定だった。精神的な負担は大きかったとみられ、周囲には「仕事が大変だ」とメールを送っていたという。

 北口さんの死後、仕事を引き継いだ元同僚は「入社したてでは絶対にこなせない難易度と分量だった」と話し、裁判でも同様の証言をしたが、判決では証言の大半が採用されなかった

 久雄さんは15年7月、労働基準監督署に労災を申請したが、行政段階で不認定が確定したため、20年9月に提訴。会社勤務の傍ら、コンピューターの技術職を目指す学生に体験を語るなど、過労自殺の防止に向けた活動を続けている。

 久雄さんは「仕事内容を最もよく知る元同僚の証言が唯一の救いだと思っていたが、取り上げられず非常に残念だ」と話した。

まずはお亡くなりになられた北口さんのご冥福をお祈りいたしますが、何やら記事を読む限りでは釈然としない話という印象を受けてしまうのは、本来であれば労働者を守るための制度であったはずのものが十分に労働者を守るために機能していないように見えるせいでしょうか。
仕事を一番よく理解しているだろう同僚が実際に仕事を引き継いでみて「こんなの入社したての新米には絶対無理」と証言しているのに(これも考えて見ると、会社を敵に回すような勇気ある発言ですよね)、その証言が採用されずこの程度の仕事なら特段困難ではなかったというのもおかしな話だなと思いますし、実際自殺までしているというのに労災認定もされないというのではご遺族も泣くに泣けない気分でしょうね。
ちなみに判決文の方は地裁のHPでもまだ公開されていないようで入手できなかったのですが、同裁判に関する支援活動をしているNPO法人POSSEのHPから同裁判の経緯なるものを引用させていただきましょう。

北口裁判(過労死事件)に関して、署名ご協力のお願い(2011年5月16日NPO法人POSSE member's blog)より抜粋

北口裕章さんは大学卒業(文系)後、コンピュータソフトウエアの会社でプログラマーとして2年間勤務しました。しかし、あまりの長時間労働もあって退社しました。その後約半年間で数十社の面接を受け、ようやく京都のS社に中途社員として採用されました。S社の仕事は学校関係に事務合理化のソフトウエアを販売し、それをその学校にあうように組み立てる(カスタマイズという)ということが業務の中心でした。

やっと見つかった新たな仕事でしたが、裕章さんは入社後わずか7ヶ月で自死されました。(2002.6、27歳)。翌日関東にあるS学園に一人で打ち合わせのために出張予定でありました。ご両親は仕事が原因で「うつ」を発症したことによる自死と確信し、翌年、京都上労働基準監督署に労災申請をされました(2003.7)が認められず、さらに京都労働局、中央審査会と上申されましたが、全て不支給決定が出されました(2008.3)。

会社は社長を先頭に「かん口令」を敷き、労基署の調査に対しても会社に都合のよい発言をする社員だけ応ずるようにしました。そして、労基署は入社後の教育は充分、援助体制もありS学園のカスタマイズは易しいものであったとの会社側の主張をそのまま是認し、労災の不支給決定をしました。そのような経緯もあり、ご両親は2008年9月に労災の認定をもとめて大阪地裁に提訴(行政訴訟)されました。 

その直後、両親は裕章さんの仕事の内容を最も知っていたベテラン社員と面談することができました。この社員は「裕章さんに与えられた仕事は入社半年足らずの人には絶対無理であった」と断言し、本件裁判でも新しい証拠に基づいて証言しました。つまり会社や被告(国)のそれまでの主張と全く反することが明らかになりました。

本件で原告側は、労基署段階では存在していなかった新証拠、新証人の証言を採用し、以下のことを認め、公正な判断にて、労災遺族補償不支給決定を取り消されるよう強く要請しています。

・裕章さんに与えられたS学園のカスタマイズ作業は達成困難なものであった。
・裕章さんは達成困難なノルマにより適応障害を発症し自死に至った。

ま、原告側の立場からの主張ばかりを取り上げるのも一方的と言うもので公平さを欠きますけれども、昔からプログラマーだのSEだのは激務で知られる職業だけにネタのような話も幾らでもあるもので、自嘲的に「現代の炭坑夫」なんてことを言う人もいるようですが、そうなる根本的な理由は受注時点の契約で収入が決まってしまうということにもあるようです。
締め切りも近づいているのに仕様変更などで面倒でこじれた作業が続くほど通常ならば人手が欲しいところですが、入るお金はすでに決まっているわけですから応援スタッフを出せば人件費分が赤字になっていく、その結果ひたすらサービス残業だけが増えていくという理屈ですよね。
救われないのが仮に自分で能力を鍛え上げ優秀な人材になったとして、会社とすればそういう人材をとことん使い倒す方が少ない人件費とマンパワーで大きな儲けが期待出来るものですからさらに仕事が集中する、要するに通常であれば能力が向上し仕事を素早く的確にこなせるようになれば楽になりそうなところを、ますます自分の首を絞めることになりかねないわけですね。
しかもそうやって会社のために尽くしても比較的職業人としての寿命が短いと言い、下手をすれば30代あたりから仕事についていけず離職せざるを得なくなるようで、あちらこちらの過労死で裁判沙汰になっている話を見ても他業界よりはずいぶんと年齢層が低く、普通なら駆け出しと呼ばれそうな年代に集中する傾向があるようです。

そういう話を聞けば「こんな使えない電カル組みやがってあの糞SEが!」なんて文句をつけるのも憚られようと言うものですが(苦笑)、要するに社会的にも厳しい職場であるという認識がかなり広く行き渡っていて、実際に過労死も続発している中でこうした事件が起こった場合には、敢えて過労死でないとするにはそれなりの明確な根拠が必要なんじゃないかと言うことです。
ところが記事を読む限りでは会社側の主張を丸呑みしたということなのか、嫌にあっさりと「いやそれは過労死じゃありませんから。はい次の方どうぞ」と言われているような印象すら受けるのが何だかなあと感じていたのですが、どうもこの中村哲裁判長なる人物は過去にも主文を読むだけで判決理由の読み上げを省略したりで法廷でトラブったようなこともあるような「筋金入り」の方だったらしいのですね。
法廷における一般的な流儀については存じ上げませんが、仮にも人一人の人生に関わるような判決を下すにあたってその理由も言わないのは一般的感覚からしてもどうなのかですし、それに対して説明くらいするべきだろうと抗議すると「うるさい」と言い残して退廷すると言うのはどうも変わったキャラクターなのかなと感じらて仕方有りません。

もちろん今回の裁判がトンデモ裁判長によるトンデモ判決であったと断定する根拠は今のところ全くありませんが、何やら漂う気配としては医療訴訟などでも過去にトンデモ判決を連発するトンデモ裁判官が何人かいるという噂が立っていたことを連想させる話かなと言う気がしてきます。
「国破れて3部あり」で知られる某有名裁判官のように明らかに特定の傾向をもった判決を連発することで知られている人物もいて、それを知っている原告の中にはその裁判官の担当に当たるまで訴えと取り下げを繰り返す人もいたなんて伝説がありますけれども、こうした話を聞くとどこの業界でも一部には必ずトンデモさんがいて、そういう人ほど後世に残る伝説を沢山持っているのかなと思わざるを得ません。
医療の世界ではいずれ医者余りの時代になってくれば出来の悪い医者など淘汰されてしまうだろうなんてひどく楽観的なことを言う人もいらっしゃるようですが、すでに一足先に人材供給が大過剰になってしまって大騒ぎしている司法の世界でそういう現象が果たして起こるのかどうかを見ていれば、そうした説が正しいのかどうかも判断出来るかも知れませんね。
もっとも、それが判ったからと言ってその時点から後戻りして修正できるかどうかは全くの別問題なのですが…

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2011年8月25日 (木)

産科無過失補償制度 初の「再発防止に関する報告書」出る

全然関係ない話ですが、ブログの記事をアップするときにはあらかじめ下書きを書いてからコピペするのですが、リンクなどを貼り付ける作業が案外手間がかかります。
そうやって苦労して仕上げたものをいざアップしようとした際に、回線の具合が悪いのかエラーが出て全てがパーになってしまった時の腹立たしさは弁舌に尽くしがたいものがありますね。
最近はこうした非常事態を防止するためにとりあえず編集が終わった段階で全文をコピーしておくのですが、うっかり忘れた時に限ってトラブルが起こりやすいような気がするのは何事も基本をおろそかにすべからずという神の意志が介在しているのでしょうか。

どうでもいい話はそれとして、産科の無過失補償制度に関して日本医療機能評価機構が「再発防止に関する報告書」を初めて公表したという話題を各社が揃って取り上げていますが、並べてみるとなかなか興味深いという印象を受けますね。

産科補償制度の再発防止で初の報告書- 医療機能評価機構(2011年8月22日CBニュース)

分娩に関連して一定の条件下で発症した重度脳性まひ児に対し補償金を支払う「産科医療補償制度」を運営する日本医療機能評価機構は8月22日、記者会見を開き「再発防止に関する報告書」を初めて公表した。同制度が始まった2009年以降に補償対象になり、昨年末までに原因分析報告書を公表した15例について検証し、再発防止策などを提言する内容。同制度に加入する施設や関係団体に配布して周知を図るという。

 報告書では15例について、「テーマに沿った分析」と「数量的・疫学的分析」を行っている。

 テーマに沿った分析では、(1)分娩中の胎児の心拍数聴取(2)新生児蘇生(3)子宮収縮薬(4)臍帯脱出―の4点に着目。(1)(2)(3)については、日本産科婦人科学会や日本産婦人科医会などの診療ガイドラインが徹底されていない例があったため、現場にガイドライン徹底を呼び掛ける
 また、(4)が起こった3例には、▽経産婦▽分娩誘発▽人工破膜―などの共通点があったことを踏まえ、学会などに対し、事例を集めて因果関係を分析するよう提言している。

 数量的・疫学的分析では、新生児が生まれた時間や妊産婦の年齢、体重などに分けて集計した。ただし、「15例と対象が少ないため、何らかの結論を導くことは難しい」としている。

 報告書をまとめた同機構の「産科医療補償制度再発防止委員会」の池ノ上克委員長(宮崎大医学部附属病院院長)は会見で、「現場では当然行われていると思われる内容も含まれているが、日々の診療行為の確認に活用し、産科医療の質の向上に取り組んでいただきたい」と述べた。

出産時の指針逸脱多発で注意喚起 促進剤過剰投与など(2011年8月22日47ニュース)

 出産で赤ちゃんが重い脳性まひになった場合に、過失の有無にかかわらず補償金が支払われる「産科医療補償制度」を運営する日本医療機能評価機構は22日、再発防止に向けて初めてまとめた報告書を公表。学会の指針を逸脱した陣痛促進剤の過剰投与や、心肺蘇生処置が不十分だった例が相次いでいたとして、関係学会や医療機関に注意喚起した。

 制度は2009年に始まり、機構はこれまでに208件を審査、うち192件の補償が決まった。報告書は、原因の分析が終わった13都府県の15件について、どんな問題があったかを分析した。

分娩誘発剤投与、6件で問題点=新生児脳性まひ-評価機構(2011年8月22日時事通信)

 財団法人日本医療機能評価機構は22日、2009年から10年に分娩(ぶんべん)で発症した新生児の脳性まひのうち、6件で分娩を誘発する子宮収縮剤の投与に問題点があったと発表した。
 投与は脳性まひの直接の原因ではないとされるが、同機構は日本産科婦人科学会などの「産婦人科診療ガイドライン」を順守するよう提言した。
 同機構は分娩で脳性まひとなった子どもを救済する「産科医療補償制度」が始まった09年1月から10年12月までに補償対象となり、状況が公表された15件について分析。6件で子宮収縮剤の投与量が多かったり、投与後の評価をしていなかったりしたという。

産科事故で不適切診療多発 医療補償例分析で判明(2011年8月22日産経新聞)

 分娩(ぶんべん)が原因で脳性まひになった子供の医療や養育を補償する産科医療補償制度の補償対象例のうち15件を日本医療機能評価機構が分析したところ、胎児の心拍の監視が不十分だったり、蘇生法に問題があったりするなど、多くのケースで不適切な診療が行われていたことが22日、同機構がまとめた再発防止に関する報告書で分かった。

 同機構は「今回指摘した診療行為が必ずしも脳性まひの原因になったわけではないが、産科医療向上のためにも防げることは防ぐようにしてもらいたい」としている。

 同機構は、平成21年1月から今年6月末までに補償認定が行われた178件のうち、原因分析を終えた15件を検証。報告書によると、15件中8件で、本来なら分娩時に必要な胎児の心拍の監視が不十分だったと指摘された。新生児の蘇生についても7件で“教訓”となる事例があったと説明。中には出生時に仮死状態だったにもかかわらず、助産所が蘇生に必要な器具や酸素を常備しておらず、状態を悪化させたケースもあった。

 陣痛を促進する一方、不適切な使用が事故につながる恐れがある子宮収縮薬については、基準量を上回って投与したり投与間隔が短かったりするなど、学会の指針に則さず使用されていたケースが6件あった。

産科医療補償制度で初の報告書 医療行為に問題も(2011年8月22日朝日新聞)

 お産の際の事故で重い脳性まひになった赤ちゃんに補償金を支払う「産科医療補償制度」で22日、支給が決まった中に診療行為に問題があった事例が多く含まれていることがわかった。運営する日本医療機能評価機構が、再発防止に向けた報告書を初めて公表した。

 この制度は2009年に始まり、医師の過失の有無を問わず補償される。

 報告書は2010年までに原因分析が終わった15件をもとに作成。病院が7件、診療所7件、助産所1件だった。問題があったとされたのは(1)胎児の心拍数を十分に確認していなかった=8件、(2)蘇生が不適切=2件、(3)陣痛促進剤の使い方が診療指針を逸脱していた=6件=など。1件の事故で複数の問題点が指摘されたケースもある。

 再発防止委員会の池ノ上克委員長(宮崎大学病院長)は「基本的なことが必ずしも守られているわけではなかった。医療機関は日々の診療をもう一度見直してほしい」と話した。(月舘彩子)

冒頭に取り上げましたCBニュースの記事などは多少のニュアンスめいたことも伝わってきますけれども、以下に並ぶ他社の記事を読んでいるだけではこれが「再発防止に向けた報告書」の話であるようには到底判らないような内容になっていますし、取り上げ方に各社のスタンスの違いのようなものもあって興味深いですね。
実際には池ノ上委員長の言うように「現場では当然行われていると思われる内容も含まれているが、日々の診療行為の確認に活用し、産科医療の質の向上に取り組んで」いくことを目的に敢えて基本的なところから事細かに指摘したということなのでしょうが、まるで現場ではガイドラインなど基本中の基本すら守られていなかったことが脳性麻痺につながったと受け止められかねない記述です。
脳性麻痺自体の発症原因は未だ明らかではなく(むしろほとんどの場合出産時というよりはもっと早い段階での脳障害が原因と推測されています)、ひと頃医療訴訟回避のためにアメリカで帝王切開率が急増したときも脳性麻痺は目立って減らなかったと言いますから、基本的に原因が分娩経過のどこかにあるんじゃないかと一生懸命追求することにどれほどの意味があるのかという考え方はあるでしょう。
ましてJBM的に脳性麻痺は帝王切開が遅れたからだ!なんて判断が示される中でお産の部分だけにフォーカスを絞って問題点を列挙するということは、世間の人々には「なるほど!こんなミスがあったから脳性麻痺になったのか!」と誤解されかねない話ですし、実際に世論を主導することになるマスコミ各社の論調がまさしくその通りの方向に(意図的に?!)行ってしまっていることは強く懸念されますよね。

ちなみにこの報告書、六月時点でまとめられたものだと言いますが、「テーマに沿った分析」と「数量的・疫学的分析」を二本柱としている割には異常の15症例の経過を分析するばかりで正常分娩との比較は行っていないなど、自ら「疫学的な分析としては必ずしも十分ではない」と告白していたものです。
すでに昨年の団塊で再発防止委員会の方からは「防げる事故は絶対に防止する」という意気込みで現場に積極的な提言を行っていくという姿勢が打ち出されていますが、問題は彼らの言う事故防止とは恐らく分娩時の事故一般というニュアンスであったでしょうに、前述のように世間的には脳性麻痺の防止と受け取られかねないと言うところにもありそうです。
産科の無過失補償制度は補償、原因分析そして再発防止が当初からその三本柱として挙げられていましたが、脳性麻痺というものの発症原因を考えた場合に現状では補償はともかく原因分析と再発防止の方はいささか物足りない印象が拭えないところで、非常に限定的な補償だけを扱うシステムの中に非常に大きなテーマを組み込んでしまった制度のいびつさをこんなところでも感じさせられますね。
日本医療機能評価機構などという胡散臭い天下り団体にこんな重要な仕事を任せても、例によって彼らの懐を暖かくするだけという批判は抜きにしても、医療の部外者であるはずの弁護士の方がよほど現場での実践に役立ちそうな原因と再発防止策を提示しているのが情けない気もするところで、委員になっている先生方にはよほど頑張っていただかなければ「誰も読まない報告書が形ばかり出されて終わり」ということになりかねません。

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2011年8月24日 (水)

フジテレビだけが問題ではない、には完全に同意いたします

下手な言い訳をしているとかえって事態が悪化するということはままありますが、こちら客観的な物証まで存在しているにも関わらずあまりに下手くそすぎる言い訳がむしろ寒いという話題を紹介してみましょう。

フジテレビ『スーパーニュース』の取材車が信号無視か? 「いっちゃおいっちゃお」と音声確認(2011年8月23日ガジェット通信)

フジテレビの『スーパーニュース』にて水戸インターチェンジで繰り返される大型トラックのUターン族。この問題は水戸インターチェンジにて降りると無料になることを悪用したトラック運転手が続発しており、近隣住民は迷惑を被っているだけで無く、1日に数多くのトラックが通ることから道路の形まで変形してしまったというものだ。

本来この水戸インターチェンジは震災後の物資輸送のために設けられた制度。しかし、震災への物資輸送に関係の無いトラックもこの制度に便乗し、高速道路代金を浮かしているのだ。

そんな問題を取材した『スーパーニュース』で、取材に使った車自身が信号無視をするシーンが撮影されていた。それはタクシー(またはハイヤー)でトラックを追跡する場面にて起きた。前のトラックの追跡にこだわるあまり信号が赤なのに左折するシーンが映っている。しかも小さい音声ながらスタッフの「いっちゃおいっちゃお」という音声まで入っているのだ。前のトラックを逃したくないために行われたこの道路交通法違反。前を走っていたトラックも信号無視しているのだろうか。

高速料金無料化の悪用は違法ではないが、フジテレビ取材車の信号無視は完全に違法。急いで編集した感のある内容だったが、そこに信号無視の瞬間が映っているとは気づいていなかったのだろうか。フジテレビはこの件についてまだコメントをしていない。

もし「NG大賞特番」があったらこれを大賞にすべきだろう。なんちて。

フジテレビ『スーパーニュース』の信号無視について「信号が変わるのに気づかす……」と謝罪 しかしVTRでは意図的に無視(2011年8月23日ガジェット通信)

フジテレビの報道番組『スーパーニュース』にて水戸インターチェンジの無料化に伴い、増え続けるトラックの悪用車両を追跡する場面でフジテレビ取材陣が起こした事件。それは前のトラックを追跡する際に信号無視をしてしまったのだ。これはテレビで放送されたVTRにも記録されており信号が赤なのがハッキリわかる

そんな『スーパーニュース』にて謝罪が行われたようだ。その謝罪は次の通り。

「先週の金曜日、常磐道水戸インターチェンジ近くの交差点でUターン族と思われるタンクローリーを追跡していた取材車両が、信号が変わるのに気づかずタンクローリーに続いて左折してしまいました。今後はこのような事が無いよう取材にあたって参ります

と謝罪している。しかし、ここで少し気になる点が。「取材車両が信号が変わるのに気づかず……」という箇所だ。前のタンクローリーが大きく信号が見づらかったのは確かだが、本当に気づいていなかったのだろうか。この信号無視の瞬間を見てみると小さな声だが「いっちゃおいっちゃお」と言う男性スタッフの声が聞こえる。となると「信号が変わるのに気づかず」という言い訳は通用しなくなるのだ。

謝罪したと思ったら今度が矛盾が生じるというやっかいなケース。フジテレビ社内ではこの「いっちゃおいっちゃお」の音声に気づいていないのだろうか。水戸インターチェンジを報道するのも良いが、信号無視の件をハッキリさせるべきでは無いだろうか。

問題の動画についてはこちらだと言うことですが、自分達の手前勝手な違法行為はスルーしても他人をバッシングすることにはご執心という彼らマスコミの本性と言うものがよく現れている一例ではあったと思います。
運送業界の抱える構造的な問題点に関しては当「ぐり研」でも何度か取り上げさせて頂いたところですが、一円でもコストを削減しなければ食っていけない背景がどこにあるのかを無視する一方で高価なヘリまで出動させて末端の零細労働者を叩いておけばよいという感覚は、いつも通りの下手な言い訳などよりもよほどに見苦しいと思わざるを得ません。
そのうえ番組内で謝罪などと言いますが実際には一言も謝罪はしていないわけで、このように自分達自身の行動に関してはとことん甘いという彼らの行動原理こそが、フジテレビに限らず繰り返されるオールドメディアの捏造問題の背景にあることは容易に想像出来る話ですよね。

さて、そのフジテレビと言えば先日以来取り上げている例の高岡氏発言に端を発する一連の韓流捏造問題と関連して、この21日に大規模なデモが繰り広げられたことはご存知の方も多いかと思います。
例によってこれだけの規模の集会となったにも関わらず既存マスコミは華麗にスルーしているという点がらしい話なんですが、ネットメディアを中心に各方面からの報道を取り上げてみることとして、それぞれの微妙なニュアンスの違いを感じ取って頂ければおもしろいかなと思いますね。

韓流偏重「なぜ抗議されなきゃ?」 フジ、文書受取り拒否の高姿勢(2011年8月21日J-CASTニュース)

   フジテレビの「韓流偏重」に抗議するデモは、日の丸やプラカードを掲げた参加者で埋め尽くされた。動画サイトによる生中継には、デモ開始前から2万人の視聴者が集まり、ツイッターでも刻々とコメントが寄せられる。

   人数は、主催団体代表に聞いたところ約6000人。「これほど大勢集まるとは」と驚くほどだ。フジテレビ前に着いたデモ隊は、口々に抗議の声を上げた。

韓国テレビ局記者「気になる」と憂慮

   2011年8月21日午後。東京・お台場の青海北ふ頭公園に長蛇の列を作ったのは、フジテレビの抗議デモに参加する人たちだ。主催者がマイクで「多くの人が集まってくれてありがたいです」と感謝すると、拍手が沸き起こった。

   集合場所にはメディアの姿も見られた。その一つ、韓国テレビ局SBSの記者に聞くと、「今回の動きは気になる」と憂慮していた。

   13時半過ぎ、デモ隊はフジテレビに向けて歩き出した。

    「フジテレビは韓流をごり押しするな
    「我々は韓国のドラマなんか見たくないぞ

とシュプレヒコールを上げる。俳優の高岡蒼甫さんの「韓流批判発言」に端を発した今回の抗議活動。8月7日にはお台場に2500人(主催者発表)が集結し、「韓流やめろ」の声を上げた。この時はデモの許可を得ておらず「散歩」と称していたが、21日のデモは主催者が、東京都公安委員会からのデモ許可証をネット上にアップして「正当性」を強調、参加を広く呼び掛けた。

   動画配信サイト「ユーストリーム」ではこの日、複数の生中継が実施され、開始直前には視聴者が「万単位」に上るものも見られた。ツイッターには「正直ここまで盛り上がるとは思っていなかった」との声もあり、大多数は「デモ支持」の内容を書きこんだ。

   フジテレビの社屋前に達すると、一段とヒートアップ。通行人や、フジテレビが開催しているイベントに遊びに来ていた人たちに向け「偏向報道に反対している」とデモの趣旨を訴えていた。先頭グループは14時15分ごろに最終地点に到達したが、その後も第2、第3の隊列が続き、1時間以上たっても流れが途切れなかった。

あくまでも「偏向報道」への抗議

   J-CASTニュースがデモ主催団体の代表に取材すると、「1000人集まってくれれば成功だと思っていました。これだけ大勢の人に共感してもらえるとは」と驚きを隠さない。一方で「デモはあくまでフジの『偏向報道』や韓流のごり押しに対する抗議。『反韓』『嫌韓』という主張ではありません」と、改めて明確にした

   実は主催者側は、デモに先立ってフジテレビに「偏向報道」に関する抗議文を提出しようとしたという。ところがフジに接触したところ、「抗議されるいわれはない」と文書の受け取りを拒否されたのだ。主催者代表は、「近日中に、公開質問状という形でインターネット上にアップする予定です」と話す。

   今回のデモで実行委は解散するため、次のデモは予定されていない。代表は「これでフジが変わってくれれば」と願うが、フジテレビはどう受け止めるだろうか。

8・21フジテレビ韓流ゴリ押し・偏向報道抗議8000人デモのまとめ(2011年8月21日ガジェット通信)

本日(8月21日)13時より行われた、8・21フジテレビ韓流ゴリ押し・偏向報道抗議デモ(通称、フジテレビデモ)。集合時間13時だが既にガジェット通信編集部が向かった頃には大勢の参加者でごった返しており、集合場所である青海北ふ頭公園海上デッキは数百人とも数千人とも取れる人で埋まっていた。速報記事にも書かれているが、主催者に聞いたところ6000人から8000人とのこと。この人数は1グループ350人から400人に分けられており、今回は20グループの集団があるので、このような開きのある人数になったという。
(略)
参加者の中に居たこんな参加者。ニコニコ生放送配信者は前回でもお馴染み。今回目立ったのは犬を連れていた参加者だ。また親子で参加している者やカップル参加者なども多く来ていた。若い女性参加者が予想以上に多かったのが意外であった。中には僧侶(本物?)らしき人も居たぞ。

主催者に聞いたフジテレビはどう反応すれば良い?

デモ終了後に主催者に次の様なコメントをもらったのでご覧頂きたい。

    記者 フジテレビはどう反応すれば良いのか?
    主催者 韓流ゴリ押しとかを是正していってくれれば効果はあったと思います。すぐには効果は無いと思いますが……。
    記者 デモとかも数を重ねれば効果ってあるんですか?
    主催者 見て頂いたみなさんが1つでも「おかしいんじゃないか?」って思って頂ければ、例えば株主様が訴えて頂くとか、あとスポンサーも直せって言えばそれだけで効果はあると思います。そういうことを期待しています。

今回のデモもかなりの規模だったが、これだけではフジテレビは動かないだろうと睨んでいるようだ。むしろこの規模のデモが本社前で行われているのに反応を見せないフジテレビの体制はどうなっているのか気になるところだ。

海外メディアからも

今回は前回よりもメディアが集まった。把握している分だけのメディアを紹介。
講談社、NHK、J-CAST、ニコニコニュース、ガジェット通信、KBS(韓国放送公社)、SBS(Seoul Broadcasting System)、ナックルズ・ザ・タブー。
これはガジェット通信記者が把握している分。

今回のデモで韓流ゴリ押し及び偏向報道が行われていることが、多くの人知られたのではないだろうか。少なくともお台場合衆国に来ていた人は「何あれ」と思いつつも耳を傾けたに違いない。残念だったのが、デモとは関係無く街宣車で活動をしている集団がいたことだ。本人達は「右翼では無い」と言い張っていたようだが……。

デモ慣れしていない日本でこれだけの人数が集まるのは希のことである。もしかしたら3回目のデモも開催されるかもしれないぞ。

「韓流をゴリ押しするな!」フジテレビ前でデモ行進(2011年8月22日ニコニコニュース)

 「韓流偏重」などフジテレビの放送が偏向しているとして抗議するデモが2011年8月21日、同社がある東京・お台場で行われた。インターネット上の呼びかけに応じた数千人の参加者が集まり、フジテレビに対して抗議の声を上げた。

 集合時間の午後1時になると、出発地点のお台場・青海北ふ頭公園は大勢の人で埋め尽くされた。公園では「Get Back Japan」と記された500円玉ぐらいの大きさのバッジが参加者に配られたが、用意された1600個は間もなく底をついた。予想以上の参加者の数に「ここまで来るとは思ってなかった」とデモを企画した「フジテレビ抗議デモ実行委員会」のメンバーも驚きを隠せない様子だった。

 デモ行進が始まると、拡声器をもった先導役にしたがって、参加者たちは「フジテレビは韓流をゴリ押しするな」「フジテレビは放送免許を返上しろ」などのシュプレヒコールをあげながら、フジテレビに向かって行進した。先頭には「金の亡者フジテレビから公共の電波を取り返そう!」と大書された横断幕。隊列の中には、日の丸や「韓国ドラマより日本のドラマが観たい!!」「韓流ゴリ押しにNO!」といったプラカードをもった人も多数みられた。

 実行委員会によると、参加者は出発時点で4000名を超えており、デモ行進中も次々と飛び入り参加する人たちが加わり、最終的には約6000人に膨らんだという。(警視庁湾岸署の調べでは、出発時の参加者は3400人とのことだった――2011年8月22日10時23分追記)

 デモを率いた実行委員会は、インターネットの掲示板サイト「2ちゃんねる」を中心に情報交換を行いながら、フジテレビの放送姿勢に疑念を抱いている人たちが集まって組織された。8名のコアメンバーを中心として、警備班、救護班、誘導班など56名のスタッフが運営に携わった。スタッフは、会社経営者、サラリーマン、OL、主婦、学生など様々な立場の人たちによって構成されている。

 実行委員会の児玉健二代表は、デモ前日に行われたミーティングで「デモを通して、フジテレビの偏向報道に気づいていない人が一人でも気づいてくれればいい」と、デモへの意気込みを語った。副代表の相沢さんは「僕らを含めて、おそらく来られる方も一般人だと思います。普通にお勤めして、普通に家庭を持って、これまで政治活動をしてきたこともないという、何の思想も持たないノンポリの一般国民がフジテレビはおかしいと思って、これだけの人数が集まったということを伝えたい」と述べた。

 デモの当日、行進に加わった鈴木隆仁さん(21)は、参加した理由について「フジは日本を貶める報道をしている。メディアの役割はすべてに中立な立場で情報を発することなのに、フジテレビはその義務を負えていないということに憤りを覚えて参加しました」と述べた。鹿児島から来たという住職の白鳥浄之さん(43)は、フジテレビに対して「偏った報道によって、世論を間違った方向に、国民を扇動している」と話した。

 一方、フジテレビの本社前でデモに遭遇した人々からは冷ややかな声も聞かれた。お台場に遊びに来ていたルーマニア人のエレナさん(33)は、デモ行進に対して「おかしい」と批判的な見方を示し、「アメリカの映画やドラマもたくさん放送されているのに、なぜ韓国だけ批判するのか」と疑問を呈した。フジテレビ主催のイベント「お台場合衆国」に来ていた栃木県在住の女性(21)は、「デモを起こしても何が変わるのか」と怪訝そうな表情を浮かべていた。

「フジは韓流偏向報道やめろ!」台場で4000人がデモ(2011年8月22日スポニチ)

 フジテレビが韓流ブームに偏向していると抗議しようと、インターネット上で呼びかけあって集まった約4000人が21日、東京・台場でデモ行進を行った。台場ではフジ主催の屋外イベント「お台場合衆国2011」が開催中。家族連れでにぎわった会場は、100人以上の警察官が警備にあたった。列は日の丸を掲げ、フジ社屋前で「偏向報道をやめろ!」「日本を返せ!」などと絶叫。代表者が抗議文を局側に渡そうとする際、警備員ともみ合いになる場面もあった。

 小学4年の長女を連れてきていた春日部市の主婦(44)は「子供は怖がるし、身の危険も感じた。せっかく楽しみにしてきたのに残念」と話した。

当日参加した人達の声では実数3000~4000程度ではないかということですが、何にしろ数千人規模が都内に結集すると言えばちょっとしたイベントのはずですけれども、今回も例によって大手メディアが華麗にスルーしているのは様式美と言ってもいいほどですよね(さすがに今回は「いや知らなかったんです」の言い訳は使っていないようですが)。
しかし同じく参加者の声も取り上げているところですが、記事中にも散見されるように明らかにデモに便乗する連中も少なからず存在していたようで、しかもそうした存在をまるでデモの象徴のように取り上げてうまい具合に印象操作しようとしているメディアもあるようなのは興味深い現象だと思います。

お台場で1万人近くがフジテレビデモ チャンネル桜が妨害?(2011年8月22日サーチナ)より抜粋

  お台場のフジテレビ前にて2回目の大規模なデモ運動が昨日行われた様子を現地取材した。
(略)
  13時30分になると予定通りデモが開始され、順路通りに行進が行われた。デモ開始前にはマナーや禁止事項が主催者より参加者に向けて共有されていた。いわゆる差別発言は禁止となっていた。

  フジテレビ前に近づくとデモ参加者以外に一般人も多く集まり興味津々でデモに参加する状態だ。「なにあれ」、「なんのデモなの?」とデモの内容を理解していないようだ。それはそうだろう、急に現れたデモ行進を理解する方が難しい。しかし、中には「韓流に対しての反対デモなのね」と理解する人もいたほか、「最近の韓流ブームは少し目障り」と言う若い男性もいた

  デモ行進していきフジテレビ正面に着くと、街宣車が似たようなフジテレビ批判を行っていた。デモ主催者に聞くとあれは今回のデモとは全く関係無い団体のチャンネル桜と呼ばれる団体。このデモを乗っ取ろうとしているのか、邪魔しているのか不明だが、街宣車の上から「私たちは右翼ではありません」と叫んでいた
(略)

『8・21フジテレビ韓流ゴリ押し・偏向報道抗議デモ』に登場した街宣車と『チャンネル桜』はなんだったのか?(2011年8月22日ガジェット通信)

昨日行われた『8・21フジテレビ韓流ゴリ押し・偏向報道抗議デモ』は6000人とも8000人とも言われ正確な人数は未だに把握できていないが、前回の倍以上、いやそれどころじゃない人数が集まったのは確かだ。記者も現地に取材に行ったのだが、その参加者の多さに驚き、ここまで大勢の人が集まるとは正直思わなかった。

フジテレビ船の科学館前から出発し青海一丁目を左折、その後テレポート駅前を通過、その後にお台場中央を通過し台場(フジテレビ角の交差点)というルートなのだが、フジテレビ前が最も一般人が多い場所となっていた。しかしそんな最も人が多い場所で少々周りから浮いている集団を見かけた。それは街宣車だ。その街宣車の正体は『チャンネル桜』と呼ばれる団体。実はこの日、フジテレビに対する抗議デモは2回あったのだ。

しかし1回目のデモと2回目のデモは何の関係もなく、1回目のデモに便乗する形でチャンネル桜主催のデモが行われたといわれている。しかしチャンネル桜の主張は北朝鮮や民主党批判など、1回目のデモとは少々路線が違うもの。フジテレビ前では「チャンネル桜帰れー」という怒号が飛び交うも一切無視を決め込み街宣活動を行う同団体だった。

そして『8・21フジテレビ韓流ゴリ押し・偏向報道抗議デモ』が終わろうとしていたそのときに事件は起きた。公園で解散した際に、チャンネル桜が拡声器を持って2回目のデモの案内を始めたのだ。しかしこの公園は集合の許可が得られていないという。主催側からは「迷惑になるので向こう(公園の外)でやってほしい」と言われ続けるも、強引にその場(人がいる場所)で告知をはじめ、デモ本主催者と揉め事となったのだ。その場面の動画もあるのでご覧頂きたい(http://www.nicovideo.jp/watch/1313992011)。

チャンネル桜のデモ乗っ取り。みなさんはどのように思うだろうか? 一般人から見たらああいう街宣車がいるだけで全体が特定の団体に見えてしまうのは残念で仕方ない。下手すればデモが機能しなくなってしまう可能性もある。一部からは「妨害しにきたんじゃないのか」との声も挙がっていたようだ。

2回目のデモでは「私たちは右翼ではありません!」、「このあと数千人規模のデモ隊がやってきます」と数十分叫び続けたという……。ほとんどの人は1回目で帰ったよ。雨も降ってきたし。こういう揉め事があると折角のデモが台無しで残念な気分になる。もっとマナー良く主催側と事前に話し合えば良かったのになあ。スッキリ終わりたかったよね。

要するに右翼系メディアのチャンネル桜がまんまとフジテレビデモに割り込んでしまっていた、そしてあわよくば反フジテレビデモを自分達に取り込もうと画策したということなんですが、何故彼らがこのようなあからさまな妨害行動に出てくるのかということは非常に気になりますよね。
前述の国内報道のみならず海外メディアにおいてもこの現象は「右翼がデモに大挙荷担」などとして報じられ、しかもそれが当初から意図されていた行動であったかのように誤解されているというのは当然に予想できたことですけれども、当のチャンネル桜ではまるでこうしたデモを自分達の手柄か何かのように語っているというのは本来のデモ当事者からすると噴飯物でしょう。
彼らがこうした行動に走るのは単純に自分達の影響力を誇示したいという考えからであるのか、あるいはどこかの意図を代弁して文字通り桜になっているのかは判りませんが、フジテレビに対する抗議デモ参加者をまるで自分達の勝手な行動にも賛同している人達であるかのように公言して回るのはフジテレビなどと同様典型的な捏造と言うしかありません。
今後もフジテレビに対する抗議活動を継続するということであれば、主催者側はこうした異分子が混入し運動の方向性を捏造されないように、バッジ以上に誰でもそれと判るような識別手段を用意しておいた方がいいかも知れませんが、これだけの人数になったからには意思統一の面でも難しい部分が出てくるでしょうから、きちんと主義主張を明示した上で活動していく必要も出てきそうですね。

一方で韓国や北朝鮮のメディアがこうした動きにおおむね批判的であるのは当然であるとも言えるし、主催者側としては韓国に対する反対行動ではなくフジテレビに対する反対行動であると今後も証明を続けていかなければならないと思いますが、興味深いのは台湾中国などではむしろ日本以上に反韓流の動きがあるということですよね。
単純に出るものを打つ心理から外交的関係の反映など様々な要因があるのでしょうが、どこの国においても当たり前に自国文化への愛情が言われ外国文化ばかりが流入するのはよくないと普通に言われている中で、日本においては前述の記事などのように報道しているだけデモにも理解を示しているとも思われるメディアンにおいても、外国文化排除はいけないことであるという論調が主導的に見えます。
このあたりはおおっぴらに日本が好きと言いづらくなった現代日本の世相を考えると背景事情としても面白いなと思うのですが、業界の中の人が「フジだけじゃない。どこでも安くお手軽な韓流は偏重している」と言うのはまだしも、「いや保守系のフジや電通が意図して韓国を売り込むのはあり得ない」というのは、現実にフジのグループ企業である産経までもが韓流を売り込んでいるのを見ても説得力がない話です。

そもそも2002年W杯前後のおよそあり得ないような経緯を知っている人間には、今回マスコミ諸社が意図的にやっているのでないと考える方が難しいところですし、実際にこれはあの頃と全く同じ構図ではないかと感じている人々が少なからずいるのも当然と言えば当然のことでしょうね。
いずれにしても今回これだけの人数が動員されたと言うことは、仮に次回やるとすれば更なる大規模な動員があり得るということですが、彼ら当事者たる既存メディアがどこまでこの動きをスルーし続けられるのかも楽しみになってきました。

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2011年8月23日 (火)

事故はなるべく避けたいものですが、事故を避けることが目的化するのは違いますよね

先日は他ならぬ日医からまたこういう話が出ていまして、以前から断続的に出ている話の続報ではあるのですけれども、自分などは「大丈夫かな」と思いながら拝見させていただいているところです。

医療事故 再発防止策を提言(2011年8月22日NHKニュース)

診療中に患者が死亡するなどの医療事故が年々増えているなかで、日本医師会は、再発防止に向けた取り組みを進めるため、事故を起こしたすべての医療機関が調査委員会を設置するなどとした提言をまとめました。

医療事故などの情報を集めて分析している「日本医療機能評価機構」によりますと、診療中に患者が死亡したり重い障害が残ったりするなどの医療事故は年々増えていて、おととし1年間で1895件の報告があり、このうち死亡事故は156件に上っています。こうしたなかで、およそ17万人の医師が加入する日本医師会は、再発防止に向けた取り組みを進めるための提言をまとめました。

それによりますと、事故を起こした医療機関は、みずから積極的に調査を行う必要があるとして、地域の医師会などの協力を得ながら調査委員会を設置し、原因究明や再発防止策の検討を行う必要があるとしています。そして、調査委員会で原因が判明しなかった死亡事故については、大学の専門家らで構成する第三者機関で調査を行うとしています。また、調査結果については、患者の家族にも通知すべきだとしています。

日本医師会は、厚生労働省とも連携しながら提言の実行を目指し、医療事故の発生を防ぎたいとしています。

ま、失礼ながら会員諸氏の実際の臨床現場におけるポジションを考えた場合に、他ならぬ日医がこうした取り組みを主導するというのも斜め上方向に逸脱しそうな不安が拭えないのですが、まさか「私達はこんなに熱心に仕事をしています」なんてアピール目的に絵空事を並べるだけに終わるようなことのないようにしていただきたいものです。
しかし日医に限らず現実の世界から遊離した夢想家的な発想による再発防止策では全く意味がないのであって、その大前提として現場における実情を正しく把握し、地に足のついた実効性ある対策を立てなければならないことは言うまでもないはずですが、どうも頭のいい先生方はともすると「お前は無理だった。だがオレなら助けられた」的発想に走りがちということなのでしょうか。
先日は厚労省の研究班からこうした調査結果が出ていましたが、どうもそれはちょっとどうなのよと思わずうなってしまった人も多かったのではないかという気がします。

出産時出血死の妊産婦10人救えた?治療に不備(2011年8月21日読売新聞)

昨年1年間に全国で出産時の大量出血で死亡した妊産婦は16人おり、うち10人は、輸血などの処置が適切だったならば救命できた可能性が高いことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。

 研究班は、体内での出血の進行の見落としや、輸血製剤の不備などで、治療が手遅れになったと分析している。

 研究班は、日本産婦人科医会の協力で、全国約1万5000人の産婦人科医からカルテなどの提供を受け、死因や診療内容の妥当性を分析した。

 16人の年齢は26~42歳で、17~1・4リットルの出血があった。このうち、兵庫や東京、埼玉など9都県の10人が、救命できた可能性が高いと判断された。

 年間数千件の出産を扱う大規模な産婦人科病院のケースでは、39歳の母親が子宮破裂で出血。血圧が異常低下して、1時間後に輸血が開始されたが、輸血製剤が不足し、止血のためのガーゼが子宮に過剰に詰め込まれた。各委員からは「輸血体制が不備だった」「ガーゼで傷が悪化したのでは」などと問題点が指摘された

いやしかし子宮破裂で一時間後に輸血を開始したなんて決して遅れた対応のようには見えないのですが、それは輸血の備えが文字通りに万全であれば助かったかも知れませんが、その万全とは毎回お産のたびに17リットルの輸血をキープしとけってか?と思わず突っ込みたくもなります(年間数千件の出産をする産科病院でも、出産時の大量出血の確率1/300を考えるとそうそう輸血の機会はないはずですし)。
多くの医者達が出血の危険が予想される際にはそれなりの出血防止策をとり、場合によっては血液製剤等も確保しておいて事に及んでいるというのにお産に限らず出血による死亡が絶えないという理由の一つに、血液製剤が高価であるのみならず非常に稀少なものであり、なおかつ(製剤の種類にもよりますが)基本的に保存が利かないということがあります。
毎年のように「血液が足りません!ご協力をお願いします!」という呼びかけがあるのは周知の通りですが、特に利用する医療側から見ると昔は使用期限内の製剤は血液センターに返品することが出来、センターからまた緊急の輸血を必要とする別の医療機関に配達するという形で地域内での無駄が可能な限り減らせるようにしていたわけですよね。
ところが近年は返品どころか下手すると発注後のキャンセルすら受け付けてもらえなくなってきた、その結果連日大量の血液を使う一部の大病院はともかくとして、それこそ大野病院のような地域の中小医療機関では万一に備え膨大な赤字を覚悟でまず使われる事のない血液を常時ストックするか、それともリスクを覚悟で常識的な備えに留めるかの究極の二者択一を迫られているわけです。

日赤側の言い分としては製剤の安全性確保だとか血液適正利用の推進だとか色々とあるようですが、要するに賞味期限切れとなる不良在庫を抱え込み大赤字を出すリスクを病院側に押しつけたということですし、その根拠となったとも言えるのが厚労省が医療費削減政策の一環で進めてきた血液製剤使用の適正化政策であることは明らかです。
その厚労省が今回こんなことを言い出したというのはそれこそ「お前が言うな!」ものですし、産科学会のガイドラインでも輸血は幾らくらいは用意しておけと言った目安となる記載が一切ないのもそのあたりに対する政治的配慮かと深読みしたくなりますが(苦笑)、前述の研究班調査を見てもお判りのように一番突っ込まれやすい肝心の領域なのに「いやそこは担当医の判断で」と逃げを売っているとも取れそうです。
こういう話を一般社会に照らし合わせて考えて見れば判りますが、「泥棒による被害を検討した結果、監視カメラを設置し警備員を常時立たせておけば防げた可能性が高い」と言うのと同じで、それが例えば高額な収蔵品を多数納める美術館等であればそうしたコストも許容されるでしょうが、ごく普通の一般家庭においてそこまでのコストをかける意味も実現性もないのは言うまでもありませんよね。
前提条件を無視した現実性のない「こうすれば防げた」論は意味がないどころか時に有害ですらあるわけで、実際のところ客観的にどの程度のリスクがありどこまでが許容されざるリスクであるのか、それに対して社会的にどの程度のコスト投入が許されるのかということを考えなければ、実社会において有益な情報を還元出来るような実りある議論にはならないでしょう。

当の厚労省が数年前に発表したことですが、出産時に大量出血など一時的にでも生命の危機があるような重篤な状態に陥った妊婦は実際の死亡者の70倍以上、出産250件に一人の割合に登っていたと言うことですが、一方で国内の妊産婦死亡はおおよそ100万のお産件数に対して数人程度で、世界的な妊産婦の致死率0.45%から予想される4000~5000人という数とは比較にならない少数に留まっています。
少し古い文学作品などでは主人公の母親はお産絡みで亡くなっているものと相場は決まっていたくらいで、かつては日本においても周産期の妊婦死亡が決して珍しいことではない時代がありましたが、過去数十年に渡る関係者の地道な努力によって実に100分の1にまで激減していると言う事実は、基本的に今までの方向性が間違っていなかったことを証明するものですよね。
しかしどれほど少なくなったとしてもお産にまつわる死亡をゼロにすることは出来ないし、全ての妊婦さんを全科的に対応出来る大病院に入院させあらゆる事態を想定して備えをするということも現実的ではない(そして、それをやっても死亡はゼロにはならない)ことを考えれば、自宅の近くで産みたいだとか医療費や医療リソースは適正に使用すべきだと言った諸事情とどこかで折り合いをつけなければならないはずでしょう。

自動車事故による死者を無くすためには自動車を全て廃止すればいいという発想が現実離れしていることは誰でも判るわけで、一方では社会的に受容される範囲でコストをかけハードウェアとしての安全性を高めながら(実際に死者数はかなり減っていますよね)、他方では何かあった時に補償が出来るように保険加入を義務づけるなどの対応によって、世の中は何とか車との折り合いをつけているわけです。
産科領域においても近年非常に限定的ながら無過失補償制度の運用が始まるなど「折り合いをつける」ための試みが始まっていますが、こうした試みをさらに広範囲に適応させていくためには当然ながら原資が必要であるし、実際問題として際限なくコストを投じることが無理である以上はリスク低減にあまり効果がない割に多大なお金や労力を要する領域はある程度避けがたいものとして甘受することも立派なリスク管理と言えるでしょう。
要するに現実的には避け得ない領域のリスクまでも避けなければならないと重箱の隅を突くことに多大な労力を投じるくらいなら、その分のコストとマンパワーを他の部分に注ぎ込んだ方がよほど国民の幸福につながるんじゃないかと言うことですが、もちろん医療側の感覚における避けがたいリスクと、妊婦さんの側におけるそれとが必ずしも一致しないことには留意しなければなりませんよね。
その意味では先日もご紹介したような出産には適齢期というものがあり、それを逃せばリスクが高くなるという当たり前の常識すら知らない国民が多数派であるといった認識のギャップこそ、真っ先に解消していかなければならない産科領域最大のハイリスク要因であるとも言えそうです。

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2011年8月22日 (月)

石巻偽医師騒動続報 結局ここでも発端は同じ?

先日も取り上げました石巻の偽医者騒動ですが、逮捕と相前後するようにその乱脈な生活ぶりが次々と明らかになってきています。
ここまで情報が出そろって来ますとどこからどう見ても生来の詐欺師としか受け取りようがないのですが、被災地という環境での活動に善意を期待した人々の思いが見事に裏切られたということになるのでしょうか。

逮捕の自称医師、助成金を交際女性に使う(2011年8月20日日刊スポーツ)

 宮城県石巻市で資格がないのに医師を自称したとして、医師法違反の疑いで逮捕された住所不定、職業不詳米田吉誉容疑者(42)が、日本財団から受け取った助成金100万円の一部を交際していた30代の女性に渡したと周囲に話していたことが20日、分かった。県警石巻署は、米田容疑者が被災地で活動したのは、助成金目当てだった可能性があるとみており、100万円の使途を調べている。米田容疑者とボランティア活動をしていた関係者によると、米田容疑者は、自ら代表を務めるボランティア団体が受け取った100万円の一部を女性との飲食代や生活費に使ったと明かしていたという。米田容疑者は、この女性らとともに4月ごろから、石巻専修大学(石巻市)で活動。女性は「医療補助スタッフ」を名乗り、同容疑者の手伝いをしていたという。(共同)

逮捕の自称医師、札幌にも居住 周囲には「パイロット」(2011年8月20日北海道新聞)

 東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で資格がないのに医師の名称を使ったとして、宮城県警石巻署に医師法違反(名称の使用制限)の疑いで逮捕された住所不定、職業不詳の米田吉誉容疑者は、2002年前後に札幌市内に居住していたことがあった。当時、札幌市豊平区内の飲食店の常連で、周囲には「パイロット」とかたっていたという。

 この飲食店の男性店長(40)によると、米田容疑者は温厚で、いつも1人で店に来ては車の話をしていたという。

 また、キャンピングカーをけん引した高級外車も店先に止め、飲酒後はそのままキャンピングカーで寝泊まりしていたという。

 米田容疑者が逮捕されたことについて、男性店長は「人をだますような人間だとは思わなかった」と驚いていた。

詐欺師とはそうしたものだと言ってしまえばそれまでなのでしょうが、石巻市でも「うそであってほしいという気持ち、まだ信じられない」(佐藤正幸・石巻市社会福祉協議会課長)と言うように、普段の様子からはとても詐欺師には見えなかったというコメントが相次いでいて、テレビなどのインタビューに対しても非常に丁寧に受け答えしているように見えますよね。
本人の弁によれば手に余る患者は全部日赤等へ送ったから実害はないように言っていますが、実際にはまともな医療行為を行う能力がなかったことを物は言いようで誤魔化しているだけのようで、おそらく「今沖縄にいる」発言と同様に医師法違反という追及をかわす狙いでの攪乱作戦かとも思えます。
週刊誌等の情報によればもともとは関西在住であったようで、主に女性に対する詐欺的行為で数千万円に及ぶ収入があったとか、問題のキャンピングカーも女性を騙して得た金で手に入れたといった話も漏れ聞こえて来ていますが、結局今回の一連の行動も助成金目当ての詐欺が目的であったという解釈に落ち着きそうです。

逮捕の自称医師、助成金申請 複数団体に(2011年8月20日47ニュース)

 東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で資格がないのに医師の名称を使ったとして、医師法違反の疑いで逮捕された住所不定、職業不詳米田吉誉容疑者(42)が、複数の団体に助成金の申請をしていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。

 米田容疑者が代表を務めるボランティア団体は日本財団から100万円の助成金を受けていたが、ほかの団体には申請は認められなかった

 石巻署は、米田容疑者が助成金を目的に被災地で医師を名乗り、活動した可能性もあるとみて、詐欺容疑での立件も視野に調べている。

 日本財団によると、6月6日に助成金の申請があり、同月27日に交付

被災地での活動にそんなに簡単に助成金が出るものだとは全く知りませんでしたが、そういうところを細かくチェックして儲け話を探すのが詐欺師だとは言うものの、実際には複数団体に申し込みをしたところが一つしか認められなかったということから、同容疑者の言う通り結局は赤字になってしまった可能性もありそうですよね。
百万円というまとまったお金がそんなに簡単に出るのかと言う疑問は当然ながら、見て頂く通り日本財団以外の団体には申請が認められなかったというのは実績も何もない団体にお金を出さないという当たり前の判断とも思えますが、一方で三週間ほどの審査期間であっさり怪しい詐欺師にお金を出してしまう日本財団のお気楽ぶりが目立つ形で、同財団では今回の件に関して釈明に追われています
この「ワールドフュージョン(WF)」なる団体は米田容疑者が代表を務めお金の受け皿として用意した団体と考えられますが、同容疑者が現地で活動を始めたのが4月、そして「自費で活動しているので支援をお願いしたい」と日本財団他の諸団体に申し入れたのが6月で、この時点ではまだ実績不足などもあって?各方面から断られ一件しか認められなかったということですよね。
そして10日の朝日新聞「ひと」欄記事を皮切りに同容疑者がやたらとマスコミに露出し始めたのが8月ですから、恐らく同容疑者の考えとしては黙って現地で活動しているだけではいつまでたってもらちがあかない、ならばマスコミに取り上げられ知名度を高めることで助成金を取りやすくするという目的があったのではないかと思われます。
要するにマスコミ各社は同容疑者の営業活動を支援する形で利用されたということになりますが、実際同容疑者側としても結果としてメディアへの露出が計画の破綻を招いたとは言え、ここまで簡単に乗ってしまうマスコミの愚かさ加減には笑いが止まらなかったようです。

被災地ニセ医者「確認せず自分を取り上げる朝日新聞はアホ」(2011年8月19日NEWSポストセブン)

天下の朝日新聞が騙された。一体、どんな男にしてやられたのかと思いきや。本誌が直撃すると、関西弁を捲くし立て、自らの嘘を棚に上げ「マスコミはいいかげんやからね」と放言する。う~ん。見るからに怪しい。世間を騒がしたニセ医者は悪びれずにこう言うのだ。

「朝日だけやない。テレビのワイドショーも俺を取り上げとったなァ。でもアレ、やらせやで。『熱中症の人いませんか?』ってその場でADが具合の悪い人を探して、撮りたい絵だけ撮影して帰っていったからな」

朝日新聞の「ひと」欄に、ボランティア団体代表「米田きよし」を名乗る男が登場したのは8月10日のことだった。こう綴られている。

〈ボランティアの専属医を務める〉〈本来はカナダの小児救命救急医〉〈休暇帰国中に大震災に遭遇〉……だが、全てが真っ赤な嘘。朝日は2日後、〈「ひと」欄で紹介、おわびします〉と題した訂正記事を出す異例の騒動となった。さらに男はこう続ける。

「朝日ともあろうものがなァ。どこの馬の骨かわからない人間を、確認せずに取り上げるのはどうなんやろう。向こうがアホやろ。僕は韓国で生まれた北海道育ち。海外の大学で医師資格をもっているのはホントです。ただし、インターンは終わっても現場には出えへんかったけどね」

記事担当者は、30代後半の女性記者だという。以前は検察担当で小沢一郎氏を起訴に追い込んだ「真実を求める会」を他紙に先がけ取材するなど、「優秀」と評判の記者だというが、面目も丸つぶれだ。男は笑う。

「僕は狸ですよ。全部、計算でやっとるからね」

ただし、男の詭弁による被害は決して笑えるものではない。ニセ医療を施された人たちの健康不安もさることながら、日本財団は、男が所属するというボランティア団体に100万円を助成している。男の違法行為を近くで見ていたボランティアは憤りを露わにする。

「あの男は医師を装い、お年寄りの血圧を測って、『これは高い、死んでもおかしくはない。あとで降圧剤を届けさせるから飲んどいてや』と。今から考えれば恐ろしい行為ですよ。

彼が活動拠点としていたキャンピングカーの車内には、医師しか処方できない医薬品があった。それで信じてしまったんです」

米田きよしこと米田吉誉(よしたか・42)は19日、医師法違反容疑で宮城県警から逮捕された。キャンピングカーも警察から押収された。

韓国生まれの北海道育ちが何故関西弁やねん!と突っ込んでおきますけれども、今までテレビやマスコミへのインタビューで演じてきたキャラをすっかりかなぐり捨てたかのような地が出ているのは開き直ったということなのでしょうか、まさしく当事者の口から言われる通りにあまりに杜撰なマスコミ各社の仕事ぶりがよく判る話ですよね。
朝日はちょうど二年ほど前にも同じような形で「建築学者で宇宙研究者、そしてトルコ人初の宇宙飛行士候補」などと華々しく取り上げた外人さんが実は真っ赤な偽物であったということがバレて大恥をかいたはずですが、どうもこういういい加減な取材でやっつけ仕事をこなしてしまうのは単に取材能力が低いのか、あるいは権威に弱く盲信してしまう傾向でもあるのでしょうか?
今回の米田問題を最初に取り上げたのは「藤森かもめ」なる記者だそうですが、前述の記事にもあるように小沢事件で名を上げたと言えば聞こえは良いものの、実際には同事件の経緯にもずいぶんと怪しげな側面もあるやに指摘されているようで、どうも思い込んだら一直線のスクープ至上主義者という印象が拭いきれません。
全国に石巻の名を思いがけず知らしめることになったこの問題の発端が、「他社も狙っているこの人物をうちが真っ先に取り上げてやろう」という記者の勇み足と、そんなマスコミ心理をうまく利用しようとした詐欺師のいわば出来レースから始まっていたのだとすれば、マスコミ各社が口を拭って今度は米田容疑者を批判する側に回るのも「なんだかな~」という気がしないでもありませんね。

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2011年8月21日 (日)

今日のぐり:「手打ちうどん まつくら」

世の中から「この人はこういうタイプ」と強く思い込まれがちな人ほど、それから外れた際には周囲からより強い失望感や反発を招きやすいように思いますが、こちら世界的アイドルとも言うべき存在もあまり表沙汰にしたくないような秘密があったようですね。

パンダってすごく意地悪だなって思う決定的瞬間(2011年8月15日らばQ)

パンダがゴロゴロとしている姿ってなごみますよね。

愛らしい顔を見ると性格も穏やかだと思ってしまいますが、いつもそうだとは限らないんです。

「パンダが意地悪なとき」と説明されていた、1枚のアニメgif画像がありましたのでご紹介します。

絶対に落としてやるという、確固たる意思があるとしか思えません。

このやんちゃなイタズラ映像に対する、海外掲示板のコメントを抜粋してご紹介します。

・パンダ1:「スカー、助けてくれ!」
 パンダ2:「王よ永遠に」

・こういうの大好き。なぜアメリカじゃ面白いCMがないんだ。

・だから絶滅していくんだ。

・出来るものならパンダをペットにしたい。

・パンダは丘を転がり落ちていくとき以外は、嫌なヤツなんだと知った。

・そういう例(単数のとき)(複数のとき)

・きっと長い映像を見ると、落とされたパンダが復讐するんだ。

・これでパンダの中に人がいるという、自説の理論的な証明になった。

・オレはこれと同じことを小学4年生のときに女の子にやった。彼女はまだオレをうらんでいる。

確かに中に人がいると思われても仕方のないような狙い方でしたね。

こんなやんちゃなパンダですが、それはそれでかわいいと思います。

「だから絶滅していくんだ。」は良かったですが、真実と向き合ったこの後の二人(二匹)の関係がどのように悪い方に丘を転がり落ちていくのか、むしろそちらの方を興味津々で見守りたくなるような衝撃的映像でした。
本日は白っぽく見せてるけど本当は腹まで黒かった(それって単なるクマ?)と言うパンダに敬意を表して、世界各地から本当は怖かった動物の話とでも言うべきものを紹介していきますが、あらかじめお断りしておきますが本日かなりアレな話も多いですので、皆さん覚悟はよろしいですか?

イノシシにかまれ女性軽傷 レジ袋を奪い逃走 神戸・中央区/兵庫(2011年7月29日産経新聞)

 29日午後8時45分ごろ、神戸市中央区加納町の路上で「イノシシに襲われた」と女性から110番通報があった。

 兵庫県警生田署員が駆けつけたところ、路上にいた近くの会社員の女性(45)が左足などをかまれており、軽傷。イノシシは、女性からインスタントラーメンの入ったレジ袋を奪い、逃げたという。

 同署によると、女性は近くのスーパーから徒歩で帰宅する途中だった。同市内では5月末にもイノシシが暴れ、男女4人が軽傷を負っていた。

しかしこのあたりは先日も紹介した尼崎界隈でアライグマに襲われる人続出!なんて話が未だに決着がついていないようなんですが、野生動物がそうまで街中を闊歩しているということなのでしょうか?
奇しくも国内外で全く同様の事件が発生していたらしいことがこの問題の深刻さと被害の大きさを現していますが、二つの記事をまとめて紹介してみましょう。

シジュウカラ、公園の灰皿で子育て中-職員「タバコすてないで たのむ」と張り紙/石川(2011年6月2日金沢経済新聞)

 シジュウカラのつがいが辰口丘陵公園(能美市)の灰皿に巣を作り、子育ての真っ最中だ。卵からかえったばかりのひなはしきりに餌をねだり、親鳥は灰皿のすき間から出たり入ったりしながらせっせと虫を運んでいる。

 巣を作っているのは、シジュウカラのつがい2組。ゴールデンウイーク明けごろ、わずか2.3センチのすき間から灰皿の中に入り、巣を作り始めた。

 1組が生んだ10個の卵は5月31日までにほとんどがふ化し、ひなが小さなくちばしを開けて親に餌をねだっている。もう1組は親鳥が6個の卵を温め、わが子の誕生を今か今かと待っている。

 同園は禁煙のため、日頃は灰皿を置いていないが、毎年この時期はシジュウカラが営巣することから、以前、使っていた2基を特別に設置している。事情を知らずにタバコの吸い殻を捨てようとする来園者もいるため、職員が声を掛けたり、「小鳥がいます タバコすてないで たのむ」「タバコ×」などと記した紙を張り出したりして注意を呼び掛けている。巣に気付いた来園者は驚いた様子ですぐに手を止め、灰皿の中をのぞき込んで鳥の愛らしい姿に目を細めている。

 いしかわ動物園の竹田伸一飼育展示課主任によると、シジュウカラは「たくましく、条件の合う場所があると喜んで巣を作る鳥」。本来は山間部にある大きな広葉樹の枝が折れてできた穴に営巣するが、近年は山の手入れが行き届かず大木が育たない。このため、植木鉢やベンチのパイプの穴、郵便受けなどもよく利用するという。

 ひなは約2週間で巣立つ。同公園の職員は「巣立つころになると本当にかわいい。毎年、先に生まれたひなから順番にいなくなる」と話し、健やかな成長を温かく見守っている。

長い間道路に放置されていた三角コーンを持ち上げてみたら中には驚くべき物が/英(2011年6月2日GigaZiNE)

工事現場や駐車場などで交通整理のためによく目にする三角コーンですが、中には同じ場所にずっと置かれたまま放置されているものもあるかも知れません。

イギリス南東部のノーフォークに住むChris Blakeさんは、草刈りをするために放置されていた三角コーンを動かそうとして持ち上げたところ、中に驚くべきものが出来上がっているのを発見したそうです。

三角コーンの中身については以下から。

Family of great tits brought up yards from busy road in a traffic cone | Mail Online

問題の三角コーンはノーフォークにあるこの建物の近くの道路に置かれていました。

これがBlakeさんが持ち上げたコーン

持ち上げてみたところ、ぎっしりと詰まっていたのはシジュウカラ

先端部分に穴の開いたコーンであったため、穴からシジュウカラが進入し、巣を作ってしまったらしく、初めてBlakeさんが巣を発見したときは9つの卵が入っていたそうです。どうやらそのときBlakeさんは見なかったことにして帰ったようですが、「2週間たってまた来てみたら、卵は全部かえっていたんだ」と語っており、「壁の中に作られた巣とか、他にも変なところに作られた巣をいくつも見たことがあったけど、これは僕が見つけた中で一番変なところに作られた巣だね」と感想を述べています。

コーンは大通りの近くに位置していましたが、シジュウカラの家族は別段気にする様子もなかったそうで、餌をとってきた親鳥が、穴から三角コーンの中に入っていく様子が見られたようです。

Blakeさんは「僕がコーンを持ち上げたとき、親鳥は中にいなかったんだけど、片方は近くの木の上にいたみたいで、けたたましく鳴かれたよ」と当時の状況を振り返っています。

すでにシジュウカラの家族はこの三角コーンから旅立っており、Blakeさんは無事草を刈ることができるようになったそうです。

灰皿にしても三角コーンにしてもシジュウカラの手にかからなければ社会にとって有益な何かでいられたでしょうに、何と言うこれは世界同時多発テロと言ってもいいようなとんでもない事件ですよね。
とんでもないと言えばこちらの猫も猫としての分をわきまえないとんでもない輩と言ってもいいかも知れません。

「コレ開けて!」と人の手を借りるネコ/中国?(2011年5月6日Yahooトピックス)

=口=當?奴有時候真的很無言--Migou

「ネコの手も借りたい」とはよく聞く話ですが、この映像は人の手を借りようとするネコの映像です。

借りると言うよりは強制的に動員していると言うべき状況ですが、その果てしない食欲もさることながら人を人とも思わぬ声と態度で有無を言わせず使役するなど、まさに元動画にある通り「Sometimes it is really speechless to be a cat slave !」と言うべきケシカラン振る舞いですね!
このような猫族の横暴が目立つ背景には昨今彼らの知的進化が一段と加速しているからではないかという噂もありますが、その危険な徴候の一端を示すのがこちらのニュースでしょう。

猫だってiPadで遊んじゃう Friskiesが猫用ゲーム(2011年5月30日ねとらば)

 タブレットで遊ぶのは人間だけじゃないにゃん! ペットフードメーカーのFriskiesが、猫用のタブレットゲームを提供しています。

 ゲームは、画面を泳ぐ魚を捕まえる「Cat Fishing」、チーズや鳥をキャッチする「Tasty Treasures Hunt」、画面を飛び回るキャットフードにタッチする「Party Mix-up」の3種。HTML5とCSS3で作られているので、iPadでもAndroidでもインストールせずに遊べます。

問題のプレイ動画がこちらだと言うのですが、やはりこれはどこからどう見ても人類社会に不要の散財を強いようという猫族の邪悪な陰謀を感じずにはいられませんとも!
続いては南半球のオーストラリアから、色々な意味でその脅威ぶりに驚くしかないだろうという記事を紹介してみましょう。

ラクダのおならで地球温暖化?豪州で人工全滅計画が浮上 ハンティングという人道的な方法で駆除を検討/豪(2011年6月10日CNN)

(CNN) オーストラリア中部の砂漠地帯に100万頭以上生息するラクダのおならが地球温暖化の一因になっているとして、同国の起業家が野生化したラクダを全滅させて温暖化ガスの排出削減を目指す計画を提案した。

政府が農業分野の温暖化ガス排出削減策を模索する中、起業家ティム・ムーア氏が打ち出したのは、メタンガスを排出するラクダをすべて「駆除」して空気をきれいにするという提案。「野生化した動物(ラクダ)は人道的な方法で死なせる」とし、具体的にはヘリコプターや四駆車からラクダを射殺し、死んだラクダは解体して人間やペットの食用にするとした。

デイリーメール紙は、温暖化対策担当の政府当局者がこの提案を検討する意向を示したと伝えている。ムーア氏は同紙に対し、「わが国は革新の国であり、課題に対して革新的な解決策を見出す。これはその典型だ」とコメントした。

この計画について環境保護団体や動物愛護団体の意見はまちまちだが、菜食主義者からは、畜産農場の方がはるかに問題は大きいとの声も出ている。

オーストラリアのヒトコブラクダは19世紀にインドやパキスタン、アフガニスタンから持ち込まれた。当時は道路や鉄道の建設作業に重宝されたが、現在では野生化して牧草を荒らしたり固有種を脅かしたりする害獣とみなされることが多い。

ヒャッハー!が人道的というのであれば、どうもOGと我々とでは人道的という言葉に対する定義が異なるのでしょうが、しかし地球温暖化にまで寄与するとはラクダの放屁恐るべし!ですよね(ちなみに同様に人類にとって脅威となっているのが牛のゲップで、インドを除く全世界的にその駆除が進んでいることは周知の通りです)。
さて、いよいよシビアなニュースに足を踏み入れていくことになりますけれども、少し前にこんなニュースがほほえましい話題か何かのように紹介されていたことをご記憶の方もいらっしゃるでしょうか。

森からやってきたクマの子供たちが犬と出会った、そして相撲を取った/露(2011年8月4日らばQ)

ロシアの森でキャンプをしにきた人々の前に、2頭の子供のクマが遊びにやってきたそうです。

恐れるどころか、ついには犬と相撲まで始めてしまったという、好奇心旺盛な子グマたちをご覧ください。

クマたちは生後半年だというから、一番遊びたい盛りかもしれません。

詳細はちょっとわからないのですが、母グマと一緒に行動してないあたり、おそらく人間に慣れた環境のクマ達だと思われます。
(略)
すっかり遊び疲れた子グマたちは、このあと森へと帰って行ったそうです。

車を破壊したり人間の食べ物を奪ったり犬と異種格闘技戦を行うなどやりたい放題のクマたちの暴虐ぶりはリンク先の元記事を参照していただくとして、およそ日本のように猛獣とは縁がないような隔絶された島国であってもしばしば集落壊滅といった悲惨な事態をもたらすのがこのクマという生き物です。
中でもこのように人慣れして人間の世界に平気で出てくるようなクマが一番危ないということは言を待ちませんが、連中を軽々しくあしらうような行為がどれほど悲劇的な結果を招くかがこちらの悲惨な事件に示されています。

19歳少女、熊に襲われて死亡 「お母さん!今、熊に食べられてる!痛い!」→母親「また大げさな嘘ついてる」/露(2011年8月18日デイリーメール)

イギリスデイリーメールによると、ロシアのシベリア地方に住む19歳の少女Olga Moskalyovaさんが釣りをしている最中に、ツキノワグマに食われて死亡したとのこと。

熊に襲われている最中に3回、母親に電話して「今、熊に食べられてるの!!痛い!!助けて」などと助けを求めたそうですが、母親は 「また娘が大げさな嘘をついてるわ」と取り合わなかったとのことです。

しかし、熊の鳴き声と咀嚼音が電話から聞こえたため母親はびっくりして自分の夫に電話をしましたが、なんと娘と夫は一緒に釣りに来ており夫は娘より前に熊に食われて死亡していたため電話に出ず、母親は警察に通報しましたが救助は間に合わなかったそうです。

娘は最後まで母親との電話を切らず、最後の言葉は「お母さん、こんどは子供の熊が三匹来てまた私を食べてる・・・」「お母さん、もう痛くなくなった・・ 今までごめんなさい。 ママ愛してる・・・」だったそうです。

ちなみに元文ではツキノワグマではなくヒグマ(brown bear)で、たまたま釣り道具を忘れた二人が取りに戻ったところでクマに遭遇、先に父親が一撃死とも言うべき最期を遂げた後で逃げようとした娘も捕食されてしまったと言うことですが、クマという生物はテディーベアを始めとして世界的にも親しまれているところもありますけれども、容易に人間を捕殺し得る危険な野生動物であり、しかも日本においても日常的にその脅威と遭遇し得るという点でくれぐれも注意しなければならない存在です。
先日も修学旅行に訪れたイギリス人学生の一行がスバルバル諸島でホッキョクグマに襲われ死者を出すという悲惨な事件がありましたが、250キロのクマと格闘して全滅を防いだと言うと美談か何かのように聞こえますけれども、単純計算で赤ん坊と大人くらいの体格差と身体能力差があると言えばその無茶ぶり、奇跡ぶりが判ろうと言うものですよね。
最後に控えますのはこちら巨大な海獣の話題ですけれども、何しろ人間一人を本人も気付かぬまま丸呑みにしてしまうというのですから恐るべき存在ですよね。

英バージン・ブランソン会長、ジンベイザメに“食べられた”/英(2011年8月2日産経新聞)

 冒険好きで知られる英バージン・グループのリチャード・ブランソン会長(61)が先月初め、メキシコの海で巨大なジンベイザメに“食べられていた”ことが分かった。7月31日、英紙デーリー・テレグラフが伝えた。

 ブランソン会長はメキシコ南東部カンクン沖でジンベイザメと一緒に泳いでいる際、突然目の前が真っ暗になり、口の中に入ってしまったことに気づいたという。しかし、温厚なジンベイザメはブランソン会長を優しくはき出し、事なきを得たようだ。

幸いにもジンベイザメの方で口に合わなかったから良かったというものですけれども、海洋においてはいついかなる時に思いがけない危険に遭遇するか判らないということを改めて思い知らされる事件ですよね。
しかしこのヴァージンの会長さん、かねて斜め上なネタで人々を煙に巻くようなところが多々ありましたけれども、今度は巨大魚の腹の中に収まってしまったと言うことで、もしや最近妙に鼻が高くなってきたりはしていませんかね?

今日のぐり:「手打ちうどん まつくら」

岡山市街から路面電車の終点である東山を超え、裸祭りで有名な西大寺方面に行く途中にあるのがこちら「まつくら」さんで、達筆に過ぎる看板を見ていると「真っ暗」にも見えてしまうのが少し気になるんですが、店内は最近のセルフ系チェーン店と似たような感じの明るくしゃれたつくりで、むしろこれがセルフでも食券制でもないごく普通の一般店であるという事の方が意外性がありますよね。
メニューの方もそうした見た目に違わずカラフルなものなのですが、セットメニューの組み合わせの選択枝が色々とありなのはいいとして、オーダーを受けるスタッフの側で対応しきれていないように見えるのはちょっと困ったものかなと思います。
今回は一番目立つところに出ていたまつくらランチセットを冷ぶっかけうどんとかやくご飯の組み合わせで頼んでみましたが、このあたりの価格帯はおおむねセルフの店のものとそう大差はない感じでしょうか。

さて、細打ちで加水率やや高めのこちらのうどん、わずかに表面荒れ気味なのは画竜点睛を欠きますが見た目の輝き具合はなかなかいい感じで、いかにも茹でたてのうどんらしい色気が感じられるのは良いですよね。
食べて見るととにかくもちもちした食感が特徴のうどんで、この口の中の粘膜に吸い付いてくるような食感は独特と言うしかないんですが、それでいてのど越しも決して悪くないし、全体に柔らかめだがしっかり腰もあるしで、この系統のうどんが好きな人には合格点が出せる水準じゃないかと思います。
しかしぶっかけとして見ると薬味は本当に形ばかりついてるだけといった感じで、見た目もさることながら食べて見てもざるとかそんな感じと同じように感じられるのは、個人的にぶっかけと言えば天ぷらなり天かすなりの油気が味の形成上も不可欠だと思っていたせいなのでしょうか。
また味のバランスとしては割合甘さは控えて辛めに仕上げているのがこちらのつゆの特徴なんですが、醤油自体が弱いということなのかこの細打ちのうどんに合わせてもぶっかけとしては弱く感じると言うのは問題で、メニューとしてはもう少し煮詰め不足なのかなという印象は受けてしまいます。
かやくもやや辛めの味加減でごく普通に食べられる水準でしたが、同行者によれば丼物なども普通に美味しいということでしたし、おかずの天ぷらも天ぷらうどんにするにはまた少し違うかなと言う気もしますが形ばかりでなくボリュームもあり、単品の天ぷらとして食べるならともかくセットメニューのおかずとしては十分及第で、ランチセット自体が高くない値付けで量も結構ありますから値頃感はありますよね。
ちなみに他のメニューを見てみましても単品のうどん、特に種物は意外に高めに感じる一方でセットメニューは割安な印象を受けるのですが、この辺りは客単価を高めたい経営的な発想としてはもちろん妥当ではあるんですけれども、シンプルにうどんを楽しみたくてうどん屋に来るような向きには少し相性が悪いのかなという気がしないでもありませんでした。

看板に大きく生醤油うどんの文字があるので、個人的にごつい食感のうどんを想像していましたら予想を大きく外されたという感じなんですが、このタイプのうどんは好みは分かれるでしょうが比較的レアなので希少価値はそれなりにあるのかなという気はしますし、サイドメニューのつくりはしっかりしているようですから、少なくともたまたま入って明らかにこれはまずい、外れだと感じるような店ではないように思いました。
厨房内のオペレーションは少し(かなり?)不慣れな感じもあるのですが、一応はマニュアル通りにやっているらしいのが見ていておもしろくて、丼を茹で汁で暖めるのはいいんですが、うどんをいちいち計りで計るのがちょっとどうなのかなと言う感じの徹底ぶりです。
接遇面では今どきこの手の店と言えばマニュアル的対応を想像するのですが、厨房とは逆にフロアの方はいかにも昔ながらのうどん屋という感じで、しかもこの日に限っての事なのかどうかは判りませんが慣れていない様子もあり、繁盛時にはなかなか苦戦しているようでしたね。
店内のみならずトイレも広くてきれいですし、雰囲気的にも誰にとっても入りやすい感じですから客層がかなり広そうなのは理解出来ますし、この周囲には妙にうどん屋の看板が多いようなんですが結構繁盛してるようですから、実際それなりに競争力はありそうですよね。
しかし卓上に置かれた汗をかいた大きなヤカンが夏っぽくて涼を呼んでいるんですが、こうした小物アイテムがこれから涼しくなってくる時期にはどう変わっていくのか、その辺りも地味に気になりました(笑)。

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2011年8月20日 (土)

他人を批判してきたように、他人から批判されつつある人々

フジテレビ系列の東海テレビが番組内でとんでもないテロップを放送してしまった事件が、沈静化するどころかなかなか大変な騒ぎになっています。
すでに当事者のJAを始めスポンサーが相次いで撤退、同番組は打ち切りに追い込まれ同局社長以下の処分も決まったのみならず、民放連にも苦情・批判が殺到し緊急対策委員会の招集を余儀なくされるなど、まさに社長が思わず口にしたように「ローカル番組の不祥事がここまで反響を呼ぶと思っていなかった」という状況ですよね。
もっともこうした感覚はテレビの現場ではごく当たり前のことであったという指摘もあって、今回はたまたま「50代の外部スタッフの男性が、タイムキーパーが不適切な文言を削除するよう2度要請したにもかかわらず無視した(社長談)」というあり得ない事態(笑)によって偶然表沙汰になってしまったというだけのようです。

TV番組スタッフの知性と品性(2011年8月17日ゲンダイネット)

<弱者イジメ、差別発言を笑うセンス>

 東海テレビの情報番組「ぴーかんテレビ」が岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米 セシウムさん」とテロップで表示した問題は拡大の一途だ。

同局への抗議は1万件を超え、降板するスポンサー企業が続出。今月11日には民放連も緊急対策委を開き、徹底追及の構えだ。

 東海テレビは「リハーサル用のダミーテロップが操作ミスで送出された」と平謝りだが、ダミーであれ、放射能問題をジョークに落とすセンスはマトモじゃない。知性のカケラも感じられないし、笑いとしても低レベルだ。

 ところが、弱者を笑いモノにする感覚は、テレビの制作現場ではむしろ当たり前だという。

「情報番組やバラエティーのスタッフには“テレビマンはジョークを飛ばして現場を和ませてナンボ”みたいな風潮がある。男社会の制作現場で笑いが取れるネタは限られていて、代表的なものが下ネタ。それと差別的なネタです。だから性器の俗語や出自を揶揄(やゆ)するような話題が飛び交っている。どんな中身でも、内輪で笑いを取れば評価されるいびつな社会なのです。“ここは幼稚園か?”と錯覚してしまう知的レベルの低い制作現場もあります」(ある制作会社社員)

 最近のキー局は上場しているため、コンプライアンスに厳しい社員がいる現場ではタガが外れるケースは少ないという。しかし、下請けや関連業者だけでリハーサルの準備をしたり、今回みたいにダミーのテロップを作る際にモラルの低さが顕著になる。

 フリーディレクターの中川勇樹氏が言う。

「ダミーテロップの制作は若いアルバイトにもできる単純作業。ベテランスタッフの中にはイヤイヤ請け負うのもいます。だから問題も起きる。画面に映らないことが前提なので、退屈しのぎにブラックジョークを書いて遊ぶ人もいます」

 表ざたになっていないだけで、放射能を内輪ネタに悪ふざけをしていた局はほかにもあるという。

 米を侮辱された岩手県の達増拓也知事が「人の心の闇の奥深さを見せつけられた感じがする」と憤ったが、“セシウムさん”のテロップを作ったスタッフに心の闇はないだろう。頭に闇を抱えているだけだ。恐らくこんな騒ぎになっても、何が悪かったのか、いまだに理解できていないに違いない。

今回の東海テレビの事件でも表向き記者会見では平身低頭の社長氏ですが、実際にはこの事件が終わったときにはゴルフをしている最中で、しかも連絡を受けた後ものんびりとゴルフを続け普通に食事も済ませたと言いますから、自身も口にしている通り当初からこの程度の事故は何ほどのことはないと全く危機意識を持っていなかったことがよく判りますよね。
ちなみに大騒ぎになった「えひめ丸事件」の時、ちょうどゴルフ場にいた森総理をさんざんバッシングしたのが当のマスコミの皆さんなんですけど、我が身を振り返れば「危機管理意識上問題有り!」なんてことがよく言えたものだなと思うのですけれども、そうしたダブスタを平然と振り回せるようにならなければ生き残っていけないのがこの業界であるということなのでしょう。
最近各局が大好きな朝の情報ワイドショー番組なども独自取材などは全くなく新聞、雑誌のネタを丸写しするだけの安売り番組だと言いますが、これまた彼らの大好物なお馬鹿タレントの迷回答だけが楽しみ?な昨今のクイズ番組と同様、頭も悪ければ物も知らないコメンテーター(笑)なる連中がトンチンカンなコメントを吐くのを笑いながら眺めるだけの番組が一番の得意だと言うのが、彼らの立ち位置を明確に示していますよね。
先日の原爆忌翌日にわざわざ「LITTLE BOY」のTシャツを着せた俳優を登場させるなんて行為もそうですけれども、自分達の行動が他人にどう受け止められるかに対する想像力がまるでない、そしてそれを指摘されるといや何も知らなかっただけですと自分がどれだけ無知無学な人間であるかを告白すれば許されると思っている、そういうのは人並みな社会人の取るべき態度として真っ当と思われるかどうかです。
そうした番組ばかり作っている会社にまともな人材がいるとも思えないですし、同局としても外部スタッフが全て悪かったということにして話を終わらせたい気持ちは判りますが、あり得ないセンスの書き込みを軽いノリで流せてしまえる社内環境に問題があったとしか見えないわけで、やはり局内における現場の空気がそういう流れを容認するものであった、そして実際に同様の行為が日常的に行われていたらしいということなのでしょうね。

いずれにしても今回の事件で明らかになったのは、今の時代マスコミという存在はそれ自体がネタの供給源となっていて、彼ら当事者の意識はともあれどんな些細な事件でも(まさに長年に渡って彼ら自身が行ってきたように!)監視と批判の対象になり得るという現実であったと言えそうですが、そうなると対応を考えざるを得ないのはスポンサーとして関わりになっている各企業です。
先日以来お伝えしている高岡氏発言に端を発するフジテレビ韓流ゴリ押し問題においても、なぜか同局スポンサーの中でも花王に的を絞っての不買運動が叫ばれていることはお伝えした通りですが、直接のライバル各社にしても一時的にはライバル没落を喜ぶ気持ちがあったにせよ、明日は我が身と思えば気が気ではないはずですよね。
そんな中でまさに花王の当面のライバルとも言うべきライオンが長年続けてきたフジのスポンサーを降りるという話が出ていて、一見するとフジと関わり合いになることで次の延焼先になることを避けようとしているかのようにも見える話なのですが、どうもその背後を見ていくとむしろ今回の騒動は単にきっかけの一つに過ぎなかったんじゃないかという気配が見え隠れしているようです。

フジのお昼の長寿番組『ごきげんよう』のスポンサーが降りる? 花王不買運動がきっかけか(2011年8月17日ガジェット通信)

フジテレビのお昼の長寿番組『ごきげんよう』のスポンサー、ライオンが番組スポンサーを降りるという噂が出ている。すでにニュースサイト『リアルライブ』でも情報が出始めている他、以前より『2ちゃんねる』でもそのような噂がでていた。フジテレビ韓流ゴリ押し問題の最中、花王の不買運動が行われたのは記憶に新しいだろう。そんな花王の不買運動をみてか、同業者のライオンは矛先が向けられては業績に影響すると懸念したのだろうか、フジテレビの『ごきげんよう』から降板するという。

『2ちゃんねる』では8月6日に次のような書き込みがおこなわれ、噂となっていた。

    150 :Trader@Live! :sage :2011/08/06(土) 21:55:41.22 ID:eR38AhtC
      これがもしガチなら面白くなりそうだなw

    648 名無しさん@恐縮です 2011/08/06(土) 21:16:43.19 ID:beQDYzxZP
      猛獣社員だが広報から聞いた。
      昼の長寿番組スポンサー降板決定したよ。
      花王騒動がきっかけ。

    163 :Trader@Live! :sage :2011/08/06(土) 22:19:31.71 ID:E3TWNyEL
      ごきげんよう、さようなら

猛獣社員=(ライオン社員)と名乗る者が、お昼の長寿番組(ごきげんよう)降板決定と書き込んでいる。これが本当なら、さすがのフジテレビもかなりの痛手のはずだ。仮に嘘だった場合、風説の流布となる。

情報源は不明だがにニュースサイト『リアルライブ』にも、“「ごきげんよう」ついに「おやすみ」か!?”という見出しで同様の記事が書かれている。そのおかげで『2ちゃんねる』は再熱状態。噂だけの一人歩きとなっているが、実際どうなのだろうか。
不買運動をきっかけに降板したかったライオン、そしてマンネリ気味だった『ごきげんよう』のてこ入れができなかった、など様々な理由が考えられるが、新たな情報が入り次第お伝えしたい。

震災「効果」? 販売不振でもビール各社増益(2011年8月9日朝日新聞)

 ビール業界は8日にサントリーホールディングスが2011年6月中間連結決算を発表し、大手4社の業績が出そろった。東日本大震災の影響でビール販売が落ち込んだが、全社が営業利益を20%以上増やした。生産を主力商品に絞り込んだことや広告を見合わせたことが、逆にコストを削減する効果を生んだ

 各社は震災後、テレビCMやスーパーなどでの販売促進活動を控え、経費が浮いた。震災でビール工場が被災して供給が不足するなか、生産を主力商品に絞り込んだことも、「製造ラインの切り替えがなくなり、物流でもコストが削減できた」(サントリー千地耕造・財経本部長)といい、増益を後押しした。
(略)

毎日の捏造記事騒動において、各社がこれを機にと広報効果が怪しいと言われていた毎日への広告から一斉に手を引いたことはご記憶だと思いますが、もともと全国的な知名度があって特殊な嗜好品でもない日用品を扱っているようなメーカーにとって、今や高いお金を出してまでマスコミに広告を打つということの意味があまりないのではないかとは久しく言われてきたところだったわけです。
昨今ではどこの業界も不況で少しでも余計な軽費を節約したいのはやまやまですが、企業というものの性質としても日本人の性格としても同業他社がやっていることを自分達だけすっぱり止めるというのは難しい、そこへ震災によって強制的にCM中止を余儀なくされた各社が「あれ?CMやめたらむしろ儲かってね?」という明確なエヴィデンスを手にしてしまったわけですよね。
それは自分達のこととして考えて見ても、ビールなどどんな印象的なCMが流れていたかよりは味の好みや売り場での実売価格の方がよほど重要な購入決定因子ですし、花王やライオンが売っている日用品にしても似たような状況でしょうから、今回のように堂々と「騒ぎが起こってるみたいですからちょっと遠慮させていただきますね」と言える状況など、義理付き合いの長いスポンサー各社にとってむしろ渡りに船でしょう。
そういう意味ではスポンサーへの行動によって最終的にはテレビ局に対する影響力を行使したいと考えている人々にとっても、スポンサー各社というのは敵対的な存在ではなくむしろ共闘的関係を築ける可能性がありそうだし、名指しでの不買運動など一方的な攻撃をしかけるよりは「広告の件を考えていただけるならお宅の商品ひいきにしますけど」などと友好的かつ互助的に「協力」をお願いした方がよほど双方幸せになれそうですよね。

しかし今回の騒動も毎日事件と同様大手マスコミがどこも沈黙を続けていると言っていい状況ですが、どこの局も「次は自分達に飛び火するかも」と言う恐怖もあるのはもちろんでしょうが、単純に報道しなければ情弱な国民はそんな事件が起きていることも知らないまま済ませられるという計算があるという指摘があります。
それに対してネットを通じて問題をどんどん拡散させていくというのが今の時代のネットの存在意義の一つであり、そしてそれを情弱世代と言われる人々にも伝えようというのがデモなどの行動であると言えますが、こうしたネットを中心とした活動が大きく膨れあがることによって、ようやく既存メディアの中にも(その出発点の多くはもちろん、同業他社を出し抜くという経済的動機でしょうが)これらの動きを伝え始めたところが出てきています。
そして、ネット上での批判活動に対して各方面からコメントも出ているわけですが、ネットを離れた実社会には当然ながら(笑)全く流出させようがないこれらネット上のコメントを見ていれば、何やら彼らの隠れた人間関係や本音のようなものまで見え隠れしているようでおもしろいですが、結局のところこうした多様な意見のどれに対して説得力を感じるかでしょう。

【参考】「ああ、母局が袋叩きに…~“お好きなように”としか~」(2011年8月5日岩佐徹のOFF-MIKE)

【参考】フジテレビデモの正しいアジェンダ・セッティング(2011年8月15日BLOGOS)

すでに終わってしまっている新聞というメディアは元より、ひと頃は国民の娯楽としての地位を確立したかに見えたテレビすら今や終わりつつあるというのは各方面の指摘するところで、先日行われた地デジ化などにしても今後減る一方だろう珍しい純然たるテレビ依存層に対して不当な高額投資を強いることで、結果としてテレビ離れを加速するものになりかねないという声もあるようです。
先日はフジテレビで「K-POPよりもJ-POPが好き」などと不届き千万な発言に及んだ芸人が翌週から干され、CM終わったらクマのぬいぐるみが座ってたなんて話が本当にあるんだなと再認識させられましたし、事件の発端となった高岡氏にしても「誰もが思う事実。それを呟いただけ」と改めてメディア批判を再開するなど騒動の終わる気配は未だ見えませんが、そうした動きの持つ社会的な意味もまた考えるべき時期ですよね。
一部の人々の援護射撃によって今回の事件は韓流批判だ、民族差別だと誤解?され、またそれを助長するかのように振る舞っている人々もいるのも確かですが、韓国タレントを好きという人はせいぜい5%などという調査結果があるように、韓流云々などと言う話は世の中の大部分にとっても騒動の本質を理解している人々にとっても、しょせんどうでもいい「きっかけ」にしか過ぎないわけです。
それがたまたま批判のネタとして取り上げられた韓流と言うものが本当にフジテレビにとって核心に触れる話だったらしいことからガチの争いになってしまいましたが、本来は公共資源としての電波を不当な廉価で独占している連中が私利私欲のために好き放題やっている、そしてその特権的地位を未来永劫独占するために日夜暗い情熱を傾けているというということの方がよほどに国民の不幸に直結する大問題であるはずです。
そうした本当の問題点から人々の目をそらすため、この現状すらテレビ局の壮大な計算が働いているのかも知れませんが、これだけ節電節電と連日うるさく言っているにも関わらず、エアコンを切るよりはテレビを切った方がはるかに節電になるなんてレポートの存在はあっさりと黙殺して済ませる彼らのことですから、彼らが語りたがらないことにこそ世の中の真理が隠されているという法則だけは、これからの時代の鉄板と考えておいてよさそうですよね。

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2011年8月19日 (金)

暴走するまんべくん いいから少し空気嫁

ネットスラングだとか言う言葉もありますけれども、実社会とは違うネット上だけで流通している独特な言い回しというものが結構あって、一般的にはそうした言い回しを実社会で使うことは「痛い行為」とされていますけれども、たまに空気を読みながら適切に使いこなしてみると新鮮な表現になることがありますよね。
先日からちょっとした話題になっているのがこちらのコメントなんですが、一見どこかのコピペかと思ってしまうような表現ながら、後からじわじわと来るというタイプの発言であったと意外なほど受けているようです。

老人「お前が借金返して、俺の面倒を見て、敬え。ところで、お前元気ないな」(2011年8月15日YUCASEE MEDIA)

 「おじいさんからお前が一生働いて返せない借金があると打ち明けられ、老後の面倒を見ろと言われ。さらに敬え、そしてお前元気ないなと、これが日本で起きていること

 これは、グリー社長の田中良和氏が、とあるサミットで「半分冗談」と断った上で語ったものだとされるが、8月中旬になって急にツイッター上で拡がっている。

 もちろん冗談としても、今の日本の状況を的確に例えているからこそ、受け入れられているのだろう。

 老人が作った多額の借金を孫に引き継ぎ、さらに自分の面倒も見ろと要求。その上で、老人を敬えと無茶ぶり。そんなことをされれば、誰でも落ち込むのに、「元気がない」とトドメを刺される始末だ。

 年金は賦課方式となっているために、若者の方が損失を被るのだが、「年金は本当にもらえるのか?」(鈴木亘著)の試算では、現在21歳の人は2240万円~2280万円の損になるという。

 ちなみに、ツイッター上の反応は「無理ゲー」「的確」「良い例え」「おじいさんが死ねば半分解決だ」などというものだった。

ま、日本の問題を全て老人問題として片付けるわけにもいかないのは確かですけれども、いきなり巨額の負債を背負わされ不景気の世の中に放り出された形となった若者達にすれば「お前が言うな」と言いたくなるようなことも多々あるということなのでしょう。
近頃では世の中がだんだん2ch化していると言うのでしょうか、先日以来取り上げている商売の相手を公に叩くかのような高岡氏発言問題のように、ちょっと前では常識的にあり得なかったようなことが起こってしまうというのも、元来公の場では慎み深い態度に終始してきた日本人の性向までがネットでの本音発言に慣れた結果変化しつつあるのかも知れませんね。
もちろん「いつも笑っているが何を考えているか判らない」などと言われた古典的日本人像というものは、外国人にとっては銃を突きつけられ常に指導者様万歳!的発言しか許されない独裁国家の国民のように見えて気持ち悪かったらしいですから、基本的にはこうした変化は悪いことでもないとは思うのですけれども、少なくとも公人であれば時と場所、そして自らの求められている役割などについてはちゃんと空気を読んで貰わなければ困るわけです。

ゆるキャラ発言に苦情相次ぐ=「日本の侵略全てのはじまり」-長万部町ツイッターで(2011年8月15日時事ドットコム)

 「日本の侵略戦争が全てのはじまり」。終戦記念日を前に、北海道長万部町のゆるキャラ「まんべくん」が簡易ブログ「ツイッター」でした発言をめぐり、同町に苦情が相次いでいることが15日、分かった。同町総務課は「書き込みは業者に委託していた」としており、既に注意したという。
 書き込んだのは、同町出身のウェブサイト制作会社役員の男性。まんべくんの名前でツイッターを始めたいと申し出があり、昨年10月からスタートした。委託料などは支払っていないという。
 男性は14日、まんべくんのツイッターに「明日は終戦記念日だから、まんべくん戦争の勉強をするねッ」などと書き込んだ上、「日本の犠牲者三百十万人。日本がアジア諸国民に与えた被害者数二千万人」「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです」などと発言した。
 これを受け、ネット上で論争が起こり、同町にも「町の公式見解なのか」という電話やメールが相次いだ
 まんべくんは、町の公式キャラクターというイメージからはかけ離れた毒舌で人気を呼び、同ツイッターのフォロワー(読者)は約8万8000にも上るが、以前にも特定の芸能人を批判して謝罪したことがあるという。
 同課は「町としてはかわいいキャラを目指しているので、そんなに毒舌で売らなくても…」と困惑気味だ。

ゆるキャラが戦争責任を問い炎上!島田紳助にも暴言(2011年8月16日探偵ファイル)

北海道長万部町の公式キャラ「まんべくん」が、Twitterで炎上騒動を引き起こした。

まんべくんは突然、日本の戦争責任を語り始めた。「明日は終戦記念日だから、まんべくん戦争の勉強をするねッ」というツイートに始まり、「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです」、「日本の犠牲者三百十万人。日本がアジア諸国民に与えた被害者数二千万人」と持論を展開

学問上も国際問題としても論争が続く事柄に関して、町の公式キャラという立場での発言はいかがなものかと、批判が続出した。すると、批判してきた人々を「ネトウヨ」と称して攻撃。本件に関する問い合わせのメールの一部を公開し、こうしたメールは公務執行妨害であると断じた。

まんべくんは、過去にも物議を醸してきた札幌のゆるキャラ「テレビ父さん」を「身体障害者」と形容し、「いま一番妊娠させたいのは誰?」という質問には「栗林みな実」と回答。栗林に対しては、「ストーカーするか…」、「精神的に追い詰めるか…」、「盗撮しにいくか…」といった発言もある。

さらに騒動の最中、島田紳助への攻撃を始めた。「人生が変わる1分間の深イイ話」では2011年8月22日の放送で、まんべくんの特集がある。この件との関連で「紳助さん好き?」と質問されると、「嫌い」と即答。「紳助さんのどこが嫌い?」との問いには「しゃくれ具合」と答えた。

一連の出来事について、長万部町の総務課に取材した。同課では、過去のツイート内容も含めて把握していた。Twitterは委託先の業者が担当しているが、町の公式キャラということもあり、この度の件は放置しがたい状況のようだ。業者への使用許諾の取り消し、Twitterの中止も含め、検討中とのこと。「深イイ話」関連では、今のところ動きはないらしい。

今回の騒動は、町にとって「不快イ話」になってしまった。

長万部町としては思わぬところで全国に名が知られてしまう結果となったわけですが、役場には問い合わせや抗議が殺到しているということで町長が「今回のツイッター上での発言は、まんべくんのキャラクターの商標を許可している株式会社エム社のコメントであり、長万部町の公式な発言でありません」と公式におわびコメントを出す羽目になったと言いますから、まあ思いがけず降って湧いた騒動としか言いようがないですよね。
ちなみに同町のHPにいってみますとこの「まんべくん」というキャラクター、下記のような場合には使用できないということが明記されていますから、担当業者がやった行為は明らかにこうした規定に違反している以上、契約打ち切りもやむなしということでしょう。

1.イメージキャラクターの使用によって誤認または混同を生じさせるおそれがあるとき
2.イメージキャラクターのイメージを損なうおそれがあるとき
3.特定の個人又は団体の売名に使用されるおそれがあるとき
4.不当な利益を得るために使用されるおそれがあるとき
5.宗教的行事、政治活動等に使用するとき
6.その他イメージキャラクターの使用が適当でないとき

それにしても、まんべくんの中の人は一体何をどう考えてこんな空気の読めない行動に出たのかということが気になりますけれども、誰が中の人であるかということはすでに明らかになっていて、前述の記事にもある委託先の業者「株式会社エム」を立ち上げた佐藤健次郎なる人物であるということです。
記事にもあるようにこの佐藤健次郎、同町出身で自衛隊、菓子屋勤務を経てこの仕事を始めたと言いますが、かつて掲載されたこちらのインタビュー記事を見るだけでもなかなかに思い込んだら一直線な人物ではありそうですよね。

人気沸騰「まんべくん」の仕掛け人/佐藤健次郎さん(2011年4月28日北海道日刊スポーツ)

 北海道の自治体のキャラクターが、全国に熱狂的なファンを生み出している。長万部町の町制施行60周年記念事業として03年7月に誕生した「まんべくん」が、昨年から急速に知名度をアップ。その仕掛け人が株式会社エムの代表、佐藤健次郎さん(29)だ。「『1人でも多くファンを作りたい』ではなく『1人でもいいからファンを』と思う」と言う。

 人気は北海道にとどまらない。2日に東京で行われた「東京まんべ会」イベントのチケットは、発売5時間で150席が完売。今年に入って年賀状は320通、バレンタインのチョコレートは88個、全国から届いた。昨年10月から始めたツイッターのフォロワー数は1万7000人を超えた。ツイッターの閲覧数を集計する「ツイナビ週間アクセスランキング」では15日に9位に入った。ちなみに8位にGACKT、10位に田村淳(ロンドンブーツ1号2号)と著名人が並ぶ中、堂々のトップ10入りだ。

地元でも風化寸前のキャラクターは、なぜ人気になったのか。その陰に佐藤さんの思いがある。09年の秋のこと。まんべくんに「出会った」。地元のゆるキャラに、笑いが止まらない。事業をボランティアで始めたいと思った。地元の製菓店に勤める佐藤さんは自治体に掛け合った。「こんな実績のない若者が掛け合ったって話なんか聞いてもらえませんでした」。それでも粘った。半年の交渉の末、ようやく運営を任されることになった。

ゆるキャラらしからぬ行動が人気の秘密だ。ツイッターでは膨大に「つぶやき」、コメントは激辛。札幌や東京にも突如、出没。今年2月には女性ファッション誌にも登場した。意表を突く戦略だが、営業活動は一切していない。ファンの口コミのみが唯一の手段だ。「初めはぜんぜん商売として成り立ってませんでした。でも、クスッと笑ってもらいたくて」と苦笑いする。

 根底に地元への愛がある。「新幹線が開通したとしても、このままでは長万部に降りる動機がない。町のためにも、武器になるものがあればと思うんです。でも、人は飽きる。飽きやすく、ほかの成功をなぞったものが、いかに人をしらけさせるか。日本一のキャラクターではなく、長く愛される存在になればうれしい」。まんべくんとの二人三脚で故郷の再生を後押しする。【上野耕太郎】

 ◆佐藤健次郎(さとう・けんじろう)1982年(昭57)3月2日、長万部生まれ。長万部高を卒業後、自衛官に。退官後に地元の菓子店「青華堂」に入社。広告宣伝などを担当した。10年3月に株式会社エムを設立。「まんべくん」のプロモーション戦略、活動を展開している。独身。

 ◆まんべくん 本名おしゃ・まんべ。2003年(平15)7月31日、長万部町生まれ。性別は男。趣味はエコ活動、お散歩、温泉。特技は特技「コマネチ」など。髪はアイリスの花、耳はホタテ、体はカニ。腹筋は割れている。好きなものはラーメン、嫌いなものは二酸化炭素(CO2)。

 ◆佐藤さんの北海道特選
 長万部に「二股ラジウム温泉」という温泉があります。ここは世界でも有数とラジウム温泉といわれています。素晴らしい温泉なので多くの人に知ってもらいたいです。

本人としてはひたすら長万部の広報役として活動してきた、そしてそれに対して世間的にも実績を認められているわけであるし、今回の事でも全国的にさらに知名度が上がったというのに何を非難されることがあるのかと、あるいはその程度に考えているのかも知れませんが、世間的に見れば十分に歪んだ郷土愛でしょう。
元自衛官という経歴に違和感を覚えられる人もいらっしゃるかも知れませんが、いずれにしても思想信条の自由はどのような人間に対しても保証されたものであるとしても、委託された業務の中で自分個人の思想を垂れ流すということになれば、これは少なくとも職権の濫用と言われても仕方がないものであるし、長万部町民に対しては裏切りと言うべき行為ではないかと思います。
それでもまだ若いことでもあるし、ここまでの事であれば一時の気の迷いで思わずやり過ぎてしまったで済んでいたかも知れない事件なのですが、どうもこのあたりも世の中が2ch的になってきたのかなと感じるのは、これだけで話が終わらずさらに続いているらしいというところですよね。

まんべくん怒り心頭! 殺意の波動に目覚めたまんべくんツイッター開始(2011年8月16日Pouch)

北海道長万部町のゆるキャラまんべくんが自身の公式ツイッターで戦争に関する問題発言をしたことを受け、同町の町長は16日、まんべくんを運営していた外部業者の使用禁止やツイッターの停止が正式に発表された。

同ツイッターでの更新はすでに中止されており、ファンからはまんべくんの一連のコメントを非難する声のほか、残念がる声も多く寄せられている。

もう、あのまんべ節は聞けないのだろうか? と思っていたら、目を真っ赤にしたまんべくんの新たなツイッター「殺意の波動に目覚めたまんべくん(@satui_manbe)」が起ち上げられた。自己紹介には「我は長万部を極めし者なり」とある。

もちろん公式ではないが、数時間前まで、まんべくんを運営していた株式会社エムの男性が発言していると思われる。開始1時間も経たないうちに、すでにフォロアー数1500人を超えるなど、注目度もすごい。

さらに、いつものまんべくんを連想させるキレのあるつぶやきが続く。

「長万部町はなにかを忘れてしまった…… 壊す! 全て壊してやる!!」「町長に解るというのか…… 今のおれの痛みが!」「株式会社エムに委託したときから こうなる運命だった……」と述べ、さらに、「ツイッター中止など……なまぬるい!!」「『戦争発言が不適切だったからツイッターを中止した』と一般人に浸透させたい長万部町の腐った役所根性」などと、意味深なこともつぶやいた。

さらに、(株)エムの社長も同ツイッターでコメント。「みなさん、申し訳ありません」「ホームページのサーバーがダウンしておりますので、Twitterで謝罪させていただきます」とつぶやき、問題となった戦争のツイートにについても謝罪している。

ま、本当に中の人がやっていると言うのであれば、長万部なんてごくごく小さなムラ社会でしょうにここまで暴走してしまって、「ご両親は泣いているぞ!」と思わず呼び掛けたくなるのはこんな時なんでしょうが、そもそも騒動を起こした時点でネット上で本人同一性を担保することがどれほど難しいかを承知していてしかるべきであるし、理解していないのなら最初から公式キャラで暴走などすべきではなかったのです。
仮にこの「非公式ツイッター」が中の人とは無関係であったとしても、事後の言い訳などを見るにつけあまりに社会人として未熟すぎる対応なのは明らかで、結局のところは公の責任ある仕事をするには器でなかったと言う結論になるのでしょうが、町側としてもリサーチ不足、監督不足が思わぬ禍根を残したという形ですから、任命権者として町民に対する責任は自ら負わなければ仕方がないでしょう。
このまんべくんの中の人にはまんべくんの名で巨額の募金を集めながら、未だにどこにどれだけお金を出したのかもさっぱり公表していないという募金詐欺疑惑まで勃発しているようで、これまたいずれ中の人に対する損害賠償などにも話が発展するかも知れず、小さな北の町の小さな広報活動が思わぬ大事件につながってしまったと言うのもネット時代だからこそと言うべきなのでしょうか。

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2011年8月18日 (木)

石巻偽医者騒動 そこまでバレていても未だ正体は秘密?

先日少しばかりお伝えしましたように、石巻の被災地で働く偽医者を朝日などが医師として紹介した事件が意外な反響を呼んでいます。
その後もマスコミ各社があちらこちらでこの偽医者を本物として取り上げていたことがあきらかになり、各社とも朝日の失態に突っ込むどころか自らが釈明に追われる展開になっているところですが、おもしろいことに逃亡中と伝えられるこの偽医者氏と直接コンタクトを取ってのインタビュー記事があちこちから出ているんですね。
所在や連絡先がそこまで各社にバレているくらいならすぐ逮捕出来そうなものですし、何やらマスコミの利用法には非常に長けているらしい人物像が浮かび上がってきますが、しかし国境なき医師団云々は言ったことはないとの話が事実であるとすれば、そもそも当初の朝日の記事はまるきり捏造ということになってしまいますね(苦笑)。

医師認定証「作ってもらった」無免許診療の男性(2011年8月14日読売新聞)

 宮城県石巻市で医師免許を持たない男性が医師を名乗り、けが人の治療などをしていた問題で、この男性は13日、読売新聞の電話取材に、「法に抵触するから裁かれるだろう。近いうちに(警察に)出頭したい」などと話した。

 男性が市災害ボランティアセンターに提出した、実際にはない「医師国家資格認定証」は、大阪市の住民基本台帳カードをもとに「人に作ってもらった」と認め、「国は言えないが海外の医師免許は持っている」などと主張した。
(略)

ニセ医師沖縄に「認定書は2万円で偽造」(2011年8月16日日刊スポーツ)

 東日本大震災後に宮城県石巻市で医師資格を持たずに医療行為をし、実在しない「医師国家資格認定証」を示して医師であるかのように振る舞った疑いがある「米田きよし」を名乗る男性が15日、共同通信社の電話取材に「日本の医師資格は持っていない。医師法違反は認識している。認定証はインターネットを通じて6月中旬に約2万円で業者に作ってもらった。石巻市民には悪いことをした」と答えた。男性は沖縄県に滞在している。

 代表を務めるボランティア団体が日本財団から受けた助成金100万円について「炊き出しの代金や乗用車の修理代に使った」と説明。医療行為に関しては「1日に1件あるかないかだった」としたが「どこの国とは言えないが、海外の医師免許を持っている。活動を評価してくれる人もいる」と医師であることアピールした。近く宮城県警に出頭して事情を説明するという。

石巻で無資格診療男性、電話で語る 医師資格証は韓国で偽造(2011年8月16日河北新報)

 宮城県石巻市で医師資格がない男性が医師を名乗り、災害ボランティアのけがの治療などをしていたとされる問題で、この男性は河北新報社の電話取材に「逮捕状が出たら出頭したい」などと話した。
 石巻で名乗った「米田きよし」は本名で、外国の医師資格を保有していると主張。一方、市災害ボランティアセンターに提出した、実際には存在しない「医師国家資格認定証」は海外で偽造してもらったと語った。
 宮城県警は、医師法違反の疑いがあるとみて調べている。

 電話での主なやりとりは次の通り。
 ―医師免許は持っているのか。
 「日本のは持っていない。ほかの国のならある」
 ―「米田きよし」は本名か。
 「本名だ。読み方は『よねだ』だ
 ―「医師国家資格認定証」は公的には存在しない。どこで作ったのか。
 「韓国でブローカーに頼んで、偽造してもらった
 ―どのような「医療行為」を行ったのか。
 「血圧が高い人に薬を出したり、傷の手当てをしたりした」
 ―日本財団から受けた助成金100万円はどう使ったのか。
 「薬など治療に必要なものや、炊き出しの費用に使った。流用は一切していない
 ―なぜ、医師を名乗ったのか。
 「被災地で困っている人たちを助けたかったからだ。悪いことはなにもしていない
 ―地元の被災者に対しては。
 「自分の悪口を言う人はいないはずだ
 ―警察が捜査している。
 「出頭するつもりだ。石巻はお世話になった人たちに迷惑が掛かるので、宮城県警本部に出頭するかもしれない。ただ、逮捕状が出ていない。被害者もいないだろう

「医師・米田」名乗る男性との一問一答 「違法は認識」「今は沖縄」「費用の500万円は蓄えで」(2011年8月14日産経新聞)

「米田きよし」を名乗る男性が13日、産経新聞の取材に応じ、「違法は分かっていた」と話した。記者が知人に聞いた携帯電話にかけ「米田」と名乗った男性との主なやりとりは次の通り。

 --医師の資格は持っているのか

 「無資格でやった。違法なのは分かっていたし、裁きは受けるつもり

 --なぜ治療をしたのか

 「最初は行方不明者の捜索をしていた。ただ支援活動をするうちに、被災地に医師が少ないことに気づき、必要だと思ってやった。後悔はしていない。中学1年のころから医者を目指して毎日5時間勉強していたので、免許を取ろうと思えば取れると思う」

 --医療器具はどこから調達したのか

 「聴診器などは医師免許がなくても買えるので自分で買った。処方箋が必要な薬もインターネット通販で買った

 --ほかのの団体(リカバリー・フォー・ジャパン)の所属を名乗って名刺を配ったのはなぜか

 「その団体の代表から理事になってくれといわれてしたこと。団体と関係がないという代表の発言はうそ」

 --被災地をなぜ離れた

 「できることは全部やったと感じた。一緒に来ていた交際女性の精神状態もよくなかったので石巻市を離れた。もう戻ることはない」

 --警察とは連絡を取ったか

 「まだ捜査中だろうから連絡は取っていない。逮捕される前にきちんと自分で出向いて説明したい。ある程度警察も調べたお盆明け以降、いまいる沖縄県でやりたいことをやってから県警に出向いて話したい」

 --ほかにも支援活動の経験はあるか

 「(地震があった)台湾や(内戦があった)スリランカにも食糧の配給活動などをしてきた」

 --国境なき医師団にいた、と話していたという人もいるが

 「国境なき医師団にはいないし、そういうことを話した記憶もない。日本語と英語しか話せない」

 --なぜ、偽名を名乗ったのか

 「周りに迷惑がかかるから。それ以上は言えない。韓国で生まれて、北海道で育って、最近は大阪府でFXのデイトレーダーで生計を立てていた

 --被災地で印象に残っている出来事は

 「石巻市災害ボランティアセンターで、腕が腫れ上がった男性が訪れたので破傷風と診断して薬を処方した。1週間後に退院して『ありがとう』と言われ、やってよかったと思った」

 --支援活動の資金はどうまかなったのか

 「日本財団から100万円をもらった以外は、すべて自腹。500万円くらいかかっているが、蓄えがあるから大丈夫」

インタビューによれば違法行為とは認識していたがあくまで善意でやったことであり、費用もほとんどが持ち出しでやったことであると言うことなんですが、わざわざ車(それも相当に高くつきそうな特大キャンピングカー!)や薬まで自前で用意したという話が本当であれば、その活動にはよほど気合いが入っていたのだと考えざるを得ませんよね。
もちろん本人談のように善意の第三者がやむにやまれぬ思いから犯行に及んだという可能性もないではないでしょうし、実際にあまり儲けにはなっていなさそうなどころか恐らく赤字も相応に出ていたんじゃないかと思われますが、出頭するにせよ逮捕されるにせよいずれ法の裁きを受けるだろう本人が、意識的あるいは無意識的に自己弁護のストーリーを構築している可能性もありそうですね。
何にしろよほどの変わり者でなければ裏においしい狙いでもあったのかと考えるのが筋と言うものですが、その狙いを推察する上で非常に興味深いのが現地では当然少なからずの人々と直接的かつ長期にわたって接触をしていたはずなんですが、その相手によって偽医者氏から受けた印象というのが対照的と言っていいほどに異なっているらしいのですね。

医師免許持たない男、被災地で「治療」 (2011年8月12日CBCニュース)

 津波で被災した宮城県石巻市で、医師免許を持たない男が治療に当たっていました。朝日新聞の取材にも堂々と答えていたこの男。警察は医師法違反の疑いもあるとして捜査に乗り出しました。

 「あまり飾らない“ドクター”だった。うそであってほしいという気持ち、まだ信じられない」(石巻市社会福祉協議会 佐藤正幸 課長)

 「米田」という名字が書かれた医師国家資格認定証。実は、この身分証明書が全くのでたらめでした。宮城県石巻市の社会福祉協議会によりますと、この「米田」と名乗る男は、今年4月から大型のキャンピングカーで乗り付け、石巻市のボランティアセンター駐車場で、訪れたボランティアに対し、傷の手当てや投薬などの医療行為をしていました

 「被災地に来て、一生懸命やって、もし免許証が偽物だとすれば、何の益があるのか」(石巻市社会福祉協議会 佐藤正幸 課長)

 男は白衣と聴診器も用意して医師を装い、朝日新聞の取材にまで、堂々と答えていました。警察は医師法違反の疑いもあるとして、関係者から事情を聴くなどして捜査しています。

被災地の宮城・石巻市で無資格活動 ニセ医師?何が真実? 周辺「カネの話ばかり」「認定証でっち上げ」(2011年8月14日産経新聞)

 宮城県石巻市の東日本大震災の被災地で「ボランティアの専属医」として医療行為をしていた男性が医師資格を持っていなかった問題で、男性は初歩的な医療活動を展開する一方、「海外のNGOから助成金が出たら数億円」と吹聴し、周辺からは「本当に医師なのか」と疑念を抱かれていた。男性は今月初めにすでに現地から姿を消しており、宮城県警が医師法違反の疑いで行方を追っている。一体、男性は誰で、目的は何だったのか。

降圧剤を“処方”

 関係者の話を総合すると、「医師、米田きよし」を名乗る男性が石巻市周辺に姿を見せるようになったのは4月初旬ごろ。周囲には、北海道出身で阪神大震災でも支援活動に携わり、「国境なき医師団」に参加し、海外での医療経験もあると説明していた。

 キャンピングカーを拠点に、マスク姿で首から聴診器を下げ、血圧を測ったり目薬を処方したりするなど医療活動に従事。高血圧で悩む高齢男性の血圧を測り「血圧230だから、このままだと心筋梗塞で死んでしまう」と話し、どこからか仕入れた降圧剤を手渡したこともあったという。

 市社会福祉協議会の佐藤正幸課長は「地域で医療支援をしながら、炊き出しや物資の配給なども必要に応じてやっている方との認識だった」と話す。

診療所開設「しない」

 しかし、関係者は早い段階で疑念を抱いていた。

 被災地の支援活動を続けている「石巻市復興を考える市民の会」代表の藤田利彦さんは「朝から晩まで助成金の話しかしなかった。怪しいと思っていた」と男性について話す。

 実際、男性側は6月、日本財団が震災関連でNPO法人などに支給した助成金を申請、同月下旬に100万円を受領した。また、関係者に海外のNGO団体の名前を持ちだし、「ここから助成金が下りたら何億円単位にもなる」などと吹聴していた。

 被災地でボランティア活動をする医師は少ないため、藤田さんは何度も診療所を作ることを提案したが、男性は「日赤と医師会の圧力がすごくてできない」と理由をつけて断り続けた。学歴についても「聖マリアンナ医科大学卒業」と話したり、別のボランティアには「東京大学卒」とするなど一貫していなかったという。

 6月下旬には市社会福祉協議会に「男性は滋賀県で5年前に結婚詐欺で逮捕された男ではないか」という情報提供もあった。
(略)

 男性を偽医師と見抜けなかったことについて、同協議会の佐藤課長は「医師免許を見たことがなかったので本当か分からなかった。今後、医師会への確認が必要かもしれない」とコメント。今後のボランティアの受け入れも、「善意で来る人を拒みたくない。身元確認を厳重にすることはしない」としている。

人間というものは立場によってものの考え方まで容易に変わってしまうことはよく知られることで、例えば今回の場合であれば市の社会福祉協議会側とすればいわば無償で仕事を請け負って貰う立場である以上ボランティアはありがたい存在であり、どんなことをやっても悪くは見えないだろうなとは想像出来ます。
さらに言えば「いやあ、最初から怪しいと思っていたんですよ」なんて言えば何故受け入れたと責任問題にもなりますから、嘘であってほしいというのは正直な気持ちなのは確かでしょうし、そうであるからこそその願望に沿った記憶ばかりが強調されている部分もあるのでしょうが、逆に言えば人間の記憶の持つその種の曖昧さを利用するテクニックに長けているのがマスコミ関係者とも言えますよね。
おそらく現地で一緒に働いていた人々も「あれ、この人意外に処置は下手だな」とか「ずいぶん長いこと被災地で頑張っているんだな」とか様々な記憶を持っていたのでしょうが、そこにこうした事件の報道が入りマスコミが取材に来れば「そう言えば金の話ばっかりしてましたよ」と特定の記憶だけが抽出され、一人歩きするようになっていくわけです。
こういう話を聞くと自分はしばしば有名なドゴン族のシリウスにまつわる不思議な伝承なるものの顛末を思い出すのですが、何とも不思議な話だと思っていたものがひとたびネタバレされてみると何のことはない話に過ぎなかったなんてことは、この国でマスコミが関わるもの全てについて疑っていかなければならないことなのでしょう。

ま、余談はそんなところにするとして、事実現地で身近に接していた人々が最初から怪しいと思っていたと言うほどに怪しい態度をとり続けていて、朝から晩までお金の話しかしていないような判りやすいキャラだったのだとすれば、幾らなんでも佐藤課長も全く疑いの欠片すら持たなかったというのは話の筋が通りませんよね。
確かに確定した助成金としては100万円きりですが、名を売り実績を上げれば500万円の初期投資が数億円に化けると本人も吹聴していたと言いますから、一部報道に見られる通りにそもそもの動機がお金目的であったとすれば、これだけマスコミ各社の取材を受けまくっていたということも売名のための計算ずくの行為であったのだろうなと言う想定が成り立ちそうです。
そういう目で冒頭のインタビューにおける良い子ぶりを見ても相手によって随分とキャラを使い分けることが出来そうな様子ですから、佐藤課長ら権限のありそうな相手を前にした場合にはよほどにしおらしい態度を取っていたということなのでしょうが、一方で周囲からこれだけ突っ込まれるくらいですから常にそうした計算ずくの態度を維持するほどの演技力はなかったということなのでしょう。
むしろ本人の自称経歴によればあまり積極的に社会と関わり合いを持ってこなかったタイプなのかなと感じさせられるキャラであるのに、偽医者じゃないかとの通報が相次いでいたというのは、よほどに周囲に対する人望が欠如していたのかなとも推測されるところですよね。

それにしても不思議なのはこれだけ各社が直接コンタクトを済ませていて、あちらからもこちらからも幾らでも情報が入ってきているだろう状況であるでしょうに、未だに各社横並びで「米田きよしと名乗る男性」なんて曖昧な表記を続けていることなのですけれども、せっかくのネタを提供してくれるソースに対する遠慮のようなものでもあるということなのでしょうか。
冒頭の記事によれば「米田きよしは本名。認定証は韓国で偽造した」と発言しているのですが、一方で他のソースでは朝日の確認取材に対して「認定証はカナダ政府に作ってもらった。認定証の名前は偽名だ」と答えたなんて報道もあり、さらには具体的に本名を指摘するファックスまで寄せられていたというのですから、噂の裏取りは幾らでも出来るはずですよね。
何かしらそのあたりのことを追求し記事にしていくことが出来ない裏事情でもあるのかも知れませんが、そろそろ盆休みも明けてこの手の話が大好きな週刊誌にも記事が載り始める時期でしょうから、そちらの方からまた新たな展開が見られるようになるのかも知れません。

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2011年8月17日 (水)

高名な政治評論家の本澤二郎氏が東芝病院を刑事告訴

本日はもしかすると近日なかなか興味深い訴訟が起こるかも知れないという話題を紹介してみましょう。

患者死亡、東芝病院を遺族が告訴 (2011年8月15日MBSニュース)

 去年4月、東京・品川区の東芝病院で肺炎で入院中だった無職の本澤正文さん(40)が死亡したのは病院側の医療ミスだとして、15日、遺族が病院の院長ら4人を業務上過失致死の疑いで警視庁に刑事告訴し、受理されました。

 「医師、看護師の不注意は明らかです。業務上過失致死は疑いようがありません」(息子を亡くした本澤二郎さん)

 告訴状によりますと、本澤さんはたんの吸引が時間通りに行われず、病室に容態の変化を知らせる警報装置が設置されていなかったことなどから死亡したとされています。

 東芝病院は「正文さんの治療には全力を尽くした。医療過誤はない」としています。

「医療ミスで次男が死亡」 政治評論家の本澤二郎さんが東芝病院を刑事告訴(2011年8月15日産経新聞)

 東京都品川区の東芝病院で昨年4月、入院中の次男が死亡したのは病院側の過失が原因として、政治評論家の本澤二郎さん(69)が15日、同病院の男性院長や女性看護師ら計4人を業務上過失致死罪で警視庁大井署に刑事告訴した。

 東芝病院は「通常の医療の範疇(はんちゅう)で、医療事故ではなかった」とコメントしている。

 告訴状などによると、死亡したのは本澤さんの次男の正文さん=当時(40)。別の病院で脳手術を受けた後、植物状態となっていたが、昨年4月7日、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の疑いで東芝病院に入院。午後7時40分ごろ、院内の個室で死亡しているのが見つかった

 死因は、たんがのどに詰まったことによる窒息死だったが、告訴状では、看護師が約1時間40分にわたって巡回に行かず、異常を知らせる警報装置などを取り付けていなかったことが原因と主張している。

まずは不幸にしてお亡くなりになられた正文氏にお悔やみを申し上げます。
医療訴訟は数あれど、この場合は民事ではなく刑事であって、対象が病院ではなくスタッフ個人というところがポイントだと思いますが、いずれにしても現段階では告訴の団塊であって実際に裁判になるかならないかは検察の判断を待たなければならずで、最近の状況から類推するにその可能性は決して高くはないと個人的には想像するのですがどうでしょう?
それにしてもなぜ一般的な民事ではなく刑事を選択したのかですが、これに関しても各種の噂が流れていて、民事の方では引き受けてくれる弁護士がいなかったからやむなく刑事にせざるを得なかったのでは?だとか、あるいはこの方が熱心にやっていらっしゃる反原発運動つながりで相手が東芝病院であったということが心の琴線に触れたのだとか、どれもまあそんなこともあるのかなと思えるような話ではあります。
ただ本澤氏の本業の方でのスタンスからも伺える通りかなり強烈な個性を発揮されている方であるようで、特にご子息のことに関しては一切合切を本にして出版していたりもして、同様の経験をなされた方々にとってはある種のカリスマ的な存在となっているようですから、今回の告訴もどこであれ病院内でご子息が亡くなった時点で起こるべくして起こったと考えるべきなのでしょうし、いずれは同氏の著作として上梓されることになるのでしょうか。

しかしそもそもここまで医療に対する強烈な敵意と不信感を公にしてきた本澤氏が、何故よりにもよって東芝病院などという、疑いようがないほど明白な業務上過失致死を引き起こしてしまうようなレベルの病院に大事なご子息を預けることになったのか、そちらの事情も気になりますよね。
実は「恐るべき倫理観」を持つ帝京大病院医師の魔の手からご子息を取り戻した後、同氏は長らくご自宅にご子息を引き取っていらっしゃったということなんですが、その様子がとにかくも壮絶であったらしいと言うことが他ならぬご本人の発言からもうかがい知ることが出来ます。

「医師失格」の小さな反響(17)(2008年06月16日本澤氏ブログ記事)より抜粋

<正文快挙>
 2008年6月15日の朝は、父親と正文にとって記念すべき日となった。むせることなく栄養食品の流動食を、食べるのではなく飲み込んでくれたのだ。自宅介護での初体験である。

 6年間もの長期間、口から食事をする能力を奪われた正文は、径管栄養という細いビニール管を鼻から胃に押し込み、そこへと流動食を流し込んで生きてきた。それを無理やり、口に流し込もうとして家庭介護に切り替えた。かれこれ5年になろうか。なんとか肺炎にならないで、ここまできたのだが、正直なところ食事をさせることが一番の難題であることに変わりない。免疫力の低下があらゆる病気の原因である。
 入院して繰り返した手術も含めて、現在も往診の医師に「強力ミノファーゲンC」を打ってもらっている。筆者も、である。「強ミノは免疫力を高める。副作用がないいい薬だ」とは、製造元社長の宇都宮徳馬さんに100回近く聞かされてきた。それを息子にも実践させている。免疫力が肺炎抑止になっているはずである。
 むろん、宇都宮さんも「社長自ら人体実験をしている」といって毎日秘書に打たせていたものだ。93歳まで長生きして、その成果を教えてくれた。一般にはアレルギーと肝臓病の特効薬で知られる。

 嚥下能力の低下は相変わらずで、いつも流動食を少し口に入れると、激しくむせてしまい苦しそうに咳をする。肺のほうに流れて引っ掛かるものであろう。健常者には想像できない事態なのだ。おいしいという感覚での食事ではない。息子にとってそれは命がけなのである。
 食べさせるほうも大きな音を出しての咳き込みを聞くのが辛い。胸に響き、神経がいらつく。せっかく注入した食事を吐き出すことも珍しくない。舌をうまく動かせる機能さえ破壊されているのだから、これは本人の身になると、どんなにか辛いことだろう。それでも食べさせるほうは、うまく食べてくれないと当人の病状を、時に忘れて癇癪さえ爆発させてしまう。すぐに「ごめん」と謝るのだが、双方の呼吸が合わないと、まことに厳しい時間となる。デイサービスとかショートステイに預ける容態ではない。
 特に真夏になると、体温調節機能を喪失させられているものだから、余計にむせて吐き出す機会が増える。因果な運命にあきれるばかりだが、それでも気を取り直して原稿に活字を埋めていくように前進あるのみと心底心得ている。これが正文を生かせる唯一の秘訣なのだから。元の人間に戻るというようなことは全く考えられない。とことん生きるための脳を破壊されてしまっているのだから。それでも、生きている息子に感謝する人間が両親というものである。
 ふとこんな言葉を耳元でささやいてしまった。「正文は心臓が強い。おじいさんの遺伝子のお陰だよ」と。心臓が弱ければ、もう数回、10回近く死んでいることになる
(略)

そもそも家庭介護に切り替えた経緯が「口から食事をする能力を奪われた正文は、径管栄養という細いビニール管を鼻から胃に押し込み、そこへと流動食を流し込んで生きてきた。それを無理やり、口に流し込もうとして家庭介護に切り替えた」と言うくらいですから、それは「健常者には想像出来ない」ようなもの凄い決断だったのだろうなと想像できますよね。
むしろ「いつも流動食を少し口に入れると、激しくむせてしまい苦しそうに咳をする」ような命がけの行為を日々繰り返し強いられながら、それでも何とか数年間にわたって肺炎にもならなかったという息子さんの強靱な生命力にこそ驚嘆する思いですが、本澤氏自身が選びに選び抜いた数々の免疫力向上アイテムのもたらした、これはほとんど奇跡と言っても良いほどの成果であっただろうことは疑うべくもありません。
いずれにしても連日に渡って更新してきたブログに折々に触れてご子息の現状も記載してきた本澤氏ですが、2010年の4月7日だけは記事が存在しないということが同氏にとっていかに長い一日であったかを想像させますし、同氏にとってこれほどの生命力を持っていたはずのご子息が亡くなるということが、どれほどあり得ないことであったのかも理解出来るというものでしょう。

さて、実際に当時の状況の詳細が明らかになっていない現段階では、いったいどこにそれほど明らかな業務上過失致死に相当する過失があったのかははっきりしませんけれども、仮に「看護師が約1時間40分にわたって巡回に行かず、異常を知らせる警報装置などを取り付けていなかったこと」が過失致死を当然に問われるべき過失であると主張されているのだとすれば、全国医療現場においてなかなか影響力は大きそうですよね。
特に亡くなったのが午後7時40分、そしてその時点で1時間40分の間巡回が行われていなかったということですから午後6時が最終だったということになり、想像するに夕食時の配膳の際に見回ったと言うことではないかと思いますが、そこから食事や投薬など様々な作業を減り始めたスタッフで行うという最も多忙を極める時期で、これで訴えられるのかと愕然とする思いの医療関係者も少なくないのではないかと想像します。
こうした準夜勤や夜勤の時間帯ですと患者50人あたり3人の看護師がいればいいというのが国の基準ですから、もちろん3人の看護師が常時休み無く病棟の患者を見回り一人当たり一分、二分で手際よく数をこなしていけばもっと密な巡回が出来たはずだという計算は成立しますが、それを常時365日24時間維持しなさいではそれこそ「緊急帝王切開は30分以内に行うべし」のルールと同様に、ちょっとそれは臨床現場の実態に即していない机上の空論に近いのではないかなという気がします。
何より東芝病院にすればこじれにこじれた症例を最後に引き受けた結果として一番の貧乏くじを引かされたような形で、見たところ同院では看護師教育という面でも割合熱心にやってこられているようですから、医師もさることながらあり得ないような不注意と断罪された現場看護師達の心が折れてしまわないことを祈るのみです。

今後の事を想像しますと、仮に今回の告訴が裁判にまでいかなかったとしても今度は民事に訴えるということも当然に可能であるわけですし、いずれの場合にしてもいざ裁判となれば双方の主張を裏付ける専門家の証言が、どれほど裁判官に対して説得力を持つかということが重要になってきます。
ちょうど先日行われた医学鑑定絡みのシンポの記事を最後に紹介しておきますが、古来「トンデモ判決の陰にはトンデモ鑑定あり」などと言われるくらいですから、一時の功名心に駆られて明らかに医学常識に反するような鑑定書が飛び出すことにならないよう、今回の件に限らず医療訴訟に関わる専門家の方々はよほどに覚悟を持って事に当たって頂きたいものだと思います。
患者の健康を追求するという点に関して本来共闘すべき関係にあるはずの医療従事者と患者側とが、ささいな行き違いから不毛な対立関係に陥らずに済む世の中が来ることを願ってやみません。

「医学鑑定はどこまで検証されているのか」- 医療刑事裁判めぐり弁護士が訴え(2011年8月15日CBニュース)

 シンポジウム「医療刑事裁判における医学鑑定のあり方を問う―医師を裁くのは鑑定書―」が8月13日、東京都内で開かれ、「福島県立大野病院事件」の弁護団の1人だった安福謙二弁護士は、医療刑事裁判で証拠採用される医学鑑定について、医療側による十分な検証が行われるべきだと訴えた

 大野病院事件は、福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性が2004年12月に死亡した事件。執刀医だった加藤克彦医師が06年に業務上過失致死と医師法違反の容疑で逮捕・起訴されたが、08年9月に無罪が確定した。

 シンポジウムでは、同事件をめぐる裁判での医学鑑定のあり方を振り返った。
 弁護側の兼川真紀弁護士によると、検察側の病理医による鑑定では、肉眼的な観察や臨床上の所見が重視されず、手術手技の影響なども考慮されていなかったという。この点について安福氏は、「胎盤の写真などを見ることなく結論を導き出した」と検察側を批判した。病理医の鑑定書についても「これ(鑑定書)がなかったら、加藤医師の逮捕はなかったのではないか」と指摘。裁判で証拠採用される医学鑑定について、「どこまできちんと医学者、医療者が検証しているのか」「裁判所が誤りと判断した鑑定は、学会としてどうお考えになるのか。教えてほしい」などと問題提起した。

 刑事事件を専門に扱う後藤貞人弁護士は、起訴前の捜査段階で弁護側にできることをテーマに講演した。
 後藤氏は、医療刑事事件での「防御」(弁護)では、▽本当は何があったか▽医療の水準はどこにあるのか―の2点が重要になると説明。医療刑事事件は他の刑事事件と異なり、カルテを参照したり、事故が起こった医療機関のスタッフに話を聞いたりできるほか、医学会などの支援も得やすいため、これらの早期把握が可能との見方を示した。その上で、起訴されると当事者の負担が非常に大きいため、「無罪よりも起訴されないのが一番だ」と強調した。
 後藤氏はまた、「医療事故は原則、刑事事件にすべきでない。事故を調査して、再発防止につなげるのが本来のあり方」との認識を示した。

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2011年8月16日 (火)

国それぞれの医療事情がニュースにも反映されています

先日アメリカで注目すべき司法判断が下されたニュースは、すでに多くの方々もご存知だと思います。

米国:医療保険改革法は違憲 アトランタ連邦高裁(2011年8月13日毎日新聞)

 【ワシントン古本陽荘】米南部ジョージア州のアトランタ連邦高等裁判所は12日、オバマ政権下で昨年成立した医療保険改革法が、国民に保険加入を義務付けているのは憲法違反との判断を下した。医療保険改革を1期目の最大の成果と位置づける大統領には大きな痛手となった。

 3人の裁判官のうち2人が、14年から保険加入を義務付け、違反者に罰金を科すとした医療保険改革法の枠組みを違憲と判断した。原告は14州の共和党の知事や州司法長官。

 この法律をめぐっては、オハイオ州のシンシナティ連邦高裁が合憲との判断を出しており、最終的な判断は最高裁に委ねられる

 来年11月の大統領選でも、医療保険改革は争点となるのは必至で、最高裁の判断は大統領選前の来夏にも下される可能性がある。

健康で長生きしたいと言うのは誰しも持っているだろう基本的な欲望の一つであって、だからこそ昔から富や権力を手に入れた人間は少しでも不老長寿に近づきたいと様々な努力をしてきたものですが、今や世界に冠たる富と権力を持つ国家であってもそうした基本的な欲望の充足が思うに任せないというのは、考えて見ると少なからず不思議な気もする話ですよね。
とは言えオバマ大統領の理念は理念として、個人決定権の侵害となれば国民性の上からも大変な反発があるということは今さら言うまでもなく判っていた話である上に、実際の制度運用を考えてもアメリカの医療は現に世界一の高コストでやるようになっているのに、いきなりそこに皆保険を導入しようとすればそれは遠からず財政的に破綻するしかないでしょう。
マスコミも大好きな「世界一の医療大国」の実態と言えば踏み倒しや支払い不能を想定してERの料金は非常に高額となっている、医賠責の保険料高騰でリスクの高い産科医などはとても支払えないと逃げ出す羽目になっている、そして何より高額な医療費の支払いを支える保険会社が医療の全てを左右するという非常におかしな話になっていると、およそ医療大国というのも憚られるような現実があるわけですよね。
時期的に考えてもこの件は大統領選にも大きな影響を与えずにはいられないと思いますけれども、こういう話を聞くと未だ医療に対する要求水準も高くなく、いわばおおらかな仕事をしていられたあの時期に皆保険制度を導入し強制的に安い医療体制を構築させてしまったことが、日本の医療における本当の奇跡だったんだなと言う気がします。

アメリカでの医療と言えばこうした状況ですけれども、中国などでもまた別な意味で医療とお金は切っても切れない状況にあるということは、以前にも何度かお伝えしてきたところですよね。
とにかく何をするにもまず前金で費用を支払ってくれなければ救急車も動かないし薬の一つも出してくれない、その原因として医療費が払えなくて踏み倒す人が多すぎるという事情があり、前金制以外にもリスクを考慮して高めの値付けにせざるを得ないと言いますから、根本的にはアメリカなどとも共通する負の連鎖の構図であるとは言えそうです。
もっとも中国の場合先日も火災に見舞われたレストランで「避難する前に会計を済ませていってくれ」などと言われたなんて話もありますから、これまた国民性に根強く根ざした問題であるとも言えそうですけれども、その国民性のせいか今度はこんな事件までも起こってしまったと言うのですね。

治療費めぐって患者と口論、縫合した傷口を開いた医師、職業資格停止処分に―湖北省武漢市(2011年8月8日レコードチャイナ)

2011年8月8日、治療費が払えない患者と言い争いになったあげく、売り言葉に買い言葉で縫合したばかりの患者の傷口を故意に開いた医師に対し、病院側は職業資格停止処分を下した。楚天都市報が伝えた。

事件が発生したのは湖北省武漢市の武漢第3医院。誤って手の指を切った曹さんを同医院の賀医師(42歳)が診察、傷口縫合の処置を行った。だが、その治療費として1830元(約2万2000円)を請求されると、曹さんと付き添いの友人たちは高すぎるとして賀医師と助手の看護師と激しい口論になった。興奮した曹さんと友人は縫合した傷口を元に戻すよう要求。賀医師はこれに応じて抜糸した。

同医院の陳副医院長は7日、「このような事件は医院設立136年来で初めて。患者が興奮するのは理解できるが、医師はあくまでも冷静に対応すべきだ」とコメント。「縫合した傷口を開くのは、医師として間違った行為」と非難した上で、賀医師の職業資格停止と臨床現場からの異動を発表した。さらに詳しく調査した結果、同医師には厳しい行政処分も下される見込み。同医院は同日、患者の曹さんに正式謝罪。曹さんは謝罪には応じたが、同医院における治療の無料提供は拒絶している。武漢市衛生局医政処も事件に注目。同医院に対し、徹底した調査と関係者の処分を命じたという。(翻訳・編集/本郷)

こういうことになるから前金制は合理的なのだと言ってしまえばそれまでとしても、昨日の話からしても賀医師の気持ちもよく判ると言いたくなるのはやまやまなんですが、わざわざ抜糸するなどとこうした顧客により深く関わろうと自ら望むかのような行為をしてしまったことが彼の誤判断だったとは言えそうですね。
ただ医療保険のない場合の医療がどのようなものになるかと言うことを考えた場合に、そもそもそうした人達は多くは経済的にも恵まれてはいないでしょうから日本でもこうしたケースが発生することは想像出来ますし、現に今現在も一部地域の公立病院を中心に無保険者による未払い問題というのは無視出来ない規模に及んでいるわけですよね。
昨今では保険料が支払えないことから日本でも無保険者の増加がようやく問題視されるようになってきていますが、日常的に高額の費用が動く割には未だカード払いや分割払いといった制度も十分に整えられているとは言えない今の日本の医療機関において、今後こうしたリスクへの対策は欠かせないものになってくるはずだと思います。
こうした諸外国の生々しい事情に比べると、日本の場合先日は介護絡みでこんなニュースが話題になっていましたけれども、むしろ世界の多くの国からは「は?なんで文句まで言われるのにそんな熱心に面倒なんてみてるの?」と言われそうですかね。

部屋から扉開かないマンション…高齢者虐待疑い(2011年8月13日読売新聞)

認知症などの高齢者11人が住む堺市堺区の賃貸マンション(5階建て)で、全ての居室ドアに内側からは開けられない鍵が設置されていることがわかり、市は12日、虐待にあたる疑いがあるとして高齢者虐待防止法に基づき立ち入り調査をした。

 市の調査では、鍵は家主が管理。非常階段には入居者が出入りできないようにロープが張られ集合ポストは粘着テープで目張りされて郵便物が入れられないようにされていた。

 認知症などで寝たきり状態の人もおり、全員が1階にある訪問介護事業所から介護サービスの提供を受けている。市の聞き取りに対し、生活保護受給者を含む4人が「通帳を事業所に預けていた」と証言。市は「生活保護受給者の自立を妨げる恐れがある」として受給者らに転居を指導した。訪問介護事業所側は市に対し、「ロープは徘徊(はいかい)で外に出たら危険なため張った。目張りは盗難防止が目的」と説明したという。

 事業所は大阪市天王寺区の業者が運営しており、堺市内の複数の病院を通じて入院患者にマンションへの入居を勧誘。家賃は月額3万8000円程度という。

堺のマンション:高齢者ら閉じ込め 市が立ち入り調査(2011年8月12日毎日新聞)

 堺市は12日、訪問介護業者が堺市堺区のマンション(5階建て、14室)に利用者を集中的に住まわせ、外出などを制限していたとして、高齢者虐待防止法などに基づき立ち入り調査をした。同市は生活保護を受けて入居している70~80代の男女計4人について、最低限の生活が保障されていないとして、転居させることを決めた。部屋の内側から鍵を開けられないようにされていた入居者もおり、今後詳しい実態を調査する。

 市によると、この介護業者はマンションの1階に入居。マンション全体には65歳以上の高齢者11人が入居。家賃は月3万8000円で、入居者全員がこの業者から介護サービスや食事の提供などを受けていた。業者は07年に高齢者を訪問する訪問介護事業者の指定を大阪府から受けているが、有料老人ホームの指定は受けていない

 マンションを巡っては、昨年9月、市に入居関係者から「老人が監禁されている」という通報があり、市と市消防局が調査したところ、非常階段の踊り場にごみ箱が置かれたり、非常階段にロープが張られており、消防局が避難の妨げになると撤去を指導したという。

高齢者外出制限マンション、病院から入居者紹介受ける(2011年8月14日朝日新聞)

 堺市堺区の賃貸マンションに寝たきりや認知症の住人11人がまとまって住み、1階に入る訪問介護業者(大阪市天王寺区)から外出制限を受けていた問題で、この業者が病院などから紹介を受け、介護の必要な高齢者らに入居を働きかけていたことがわかった。

 13日、業者が大阪市内での記者会見で明らかにした。説明によると、業者は大阪府内の病院やケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所から、介護の必要な独り暮らしや低収入の高齢者らの紹介を受け、「行き先のない人がいれば相談に応じます」などと働きかけていた。「このマンションなら24時間365日サポートを受けられる」と説明。パンフレットで「私たちと家族として共に暮らしませんか」と紹介していた。

 このマンションの仲介をしていた不動産業者(大阪市西区)によると、マンションは学生や社会人が入居していたが、4年ほど前に業者が住人への介護サービスを始めた後は、高齢者ばかりになったという。

 堺市の調査で、業者は住人に対し、午後6時以降の外出を制限し、非常階段1階の出入り口をロープで張ったり、集合ポストをテープで目張りしたりしていたことなどが分かっている。

 業者は会見で、外出制限について「住人が外に出て帰ってこないことがあったので実施した」と説明。集合ポストは「不要なチラシ類が入れられるので、住人の同意を得て目張りをした」と話した。「外出や通信の制限と受け取られる可能性があり、反省している」とし、今後は市の指導に従い、是正するという。

 一方、住人7人の部屋の鍵を管理していたことを業者は明らかにした。「本人や家族の要望で、同意書も作成している。問題はない」「市の担当者に相談していた」と話した。

 市も13日に記者会見。住人は身近に親類がいなかったり、認知症の人もいたりすることから、鍵や通帳管理の経緯を詳しく調べるという。さらに「市の福祉事務所として鍵や通帳の管理を認めていないが、担当者に確認する」とした。(野中一郎、白木琢歩、室矢英樹)

鍵預かりなど「全て堺市と相談」介護事業者反論((2011年8月13日読売新聞)

 堺市堺区の賃貸マンション(5階建て)で、訪問介護事業者(大阪市)が、認知症などの高齢者を入居させて鍵を預かるなど行動を制限していた疑いがあるとして堺市の立ち入り調査を受けた問題で、この業者の社長らが13日、大阪市内で記者会見し、「鍵を預かっていることなどは全て堺市に相談していた」などと反論した。

 社長らは、入居者11人中7人から部屋の鍵を預かり、複数の入居者の通帳を管理していたことを認め、「本人や家族からの要望で同意書も取っていた」と説明。さらに、「堺市のケースワーカーに説明して了承を得ており、(立ち入り調査は)はしごを外された気分だ」と話した。

 全ての部屋のドアに外側からしか開けられない錠が付いていたことについては、「家主がつけたもので、一度も使ったことはない」とした。

 業者は大阪市内でも3か所の賃貸マンションで、病院を退院する高齢者約30人を入居させ、介護サービスを提供しており、やはり一部の入居者から鍵や通帳を預かっているという。

 社長らの説明に対し、堺市は「ケースワーカーに確認中だが、鍵や通帳を預かることを市として認めたことはない」としている。

今回の場合は形の上では痴呆老人相手の無許可グループホームということになるのでしょうが、高齢者の生保というくらいで恐らくどこにも面倒を見る人がいないような方々でしょうから、今後の落ち着き先があるだろうかと考えると「かわいそうな御老人達が開放されました。めでたしめでたし」と素直に喜ぶことは難しそうな話ですよね。
風の噂によれば現場は市役所の目と鼻の先で、無論役人が言質を与えるとも思えませんが堺市内には他にも同種の施設が多数あるということですから、昨今話題になった貧困ビジネスなどの側面もないとは言わないにしても、これもある程度黙認された形の必要悪と言える類の施設なのかなという気がします。
そしてこれが仮に正規の施設であったとしても、この種の徘徊認知症老人が外に出て事故でも起こそうものなら責任問題で下手すると一発で施設丸ごと飛んでしまいますから、形はどうあれ扉ロックなどに相当する人権抑制的措置が普通に行われているのが現状で、とかく身体能力よりも先に精神能力が衰えた人々の介護問題は一筋縄ではいかないところがあるのは事実ですよね。
堺市と言えば数年前にも入院費も払わないまま病院に居座っていた患者を公園に捨てたという事件があったところで、あの事件も家族がいない高齢者で実質的な身内とされた人からも引き取りを拒否された結果思い余っての行動だったと言いますから、恐らく一歩間違えばこういうことになりかねない御老人は数限りなくいらっしゃるのでしょう。

国は医療・介護のコスト削減の見地から何とか在宅介護に誘導しようと一生懸命アナウンスを続けていますが、久しく以前から核家族化の問題が叫ばれていたことからも判る通り自宅で見るにも介護する人間がいないというのが現実であり、また仮にその気があっても今の時代ですから介護をしようとすればまともな仕事も断念せざるを得ず、下手をすると一家揃って一気に貧困化しかねないというリスクがあります。
そんな中で正しいけれども老人の行く先がないという結果になるのが良いのか、それとも正しくはないけれども少なくとも落ち着き先はある方がまだしもマシだと考えるのかは人それぞれの考え方はあると思いますけれども、少なくとも行き場を失って怪しい業者だろうが頼らざるを得ない人間が大勢いるという現実だけは確実に存在するわけですよね。
国の政策上の問題は今ここで事細かにあげつらっても仕方がないものですが、医療関係者にしろ国民にしろ、そろそろ一日でも長く命長らえさせることが絶対の正義であり善であるという価値観から脱却していかないことには、今後ますます名目上の平均寿命ばかりが世界新記録を更新していく陰で実質的な高齢者の幸福度は下がる一方ということになりかねません。
それでも諸外国の状況を見ればまだ日本の現状はマシだとも言えるわけで、アメリカの医療は世界一だ、日本も追いつかなければと絶讚してやまないマスコミの皆さんも、こうした暗部が当たり前に見られるアメリカの現状というものに対しては全く耳を塞ぎ目を閉ざしているという事実こそが、日本の医療や介護の現場が限られた条件の中でどれだけ努力しているのかを如実に示していると思います。

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2011年8月15日 (月)

モンスター対策は永久に不滅です?

先日は多くの人から失笑を買っただろうこんな記事が読売から出ていましたが、御覧になりましたでしょうか。

モンスター患者 体験踏まえ対策、阿南の病院が参考書…徳島(2011年8月1日読売新聞)

暴力事件から3年

 患者の暴力、暴言から病院スタッフを守り、安心・安全な医療を提供するための参考書として、徳島県阿南市羽ノ浦町の阿南共栄病院(三宮建治院長)が「モンスターペイシェント対策ハンドブック」(128ページ、定価1000円)=写真=を制作した。医療従事者向けに編集されたもので、実体験に基づく具体的な対策法を記した書籍は珍しいと言い、同書は22日から一般書店でも販売される。(楢崎基弘)

 同病院では、3年前に患者による暴力事件が発生して以来、県警と合同で院内研修会を実施し、暴言や暴力行為の事例報告も定期的に行ってきた。また、医師らを支援するメンタルヘルス小委員会、患者やその家族の意見を聞く相談室などを設置して、病院スタッフの保護と、安心・安全な医療の提供を目指してきた

 それらの経験を踏まえ、同書には、▽実践的なマニュアルの具体例▽病院内の体制作り▽警察や弁護士との協力方法――といったモンスター患者に対する有効な対応策を掲載。モンスター患者の特性や医療現場での関わり方、また、「酒酔い状態で来院し、多人数で暴力を振るう」「担当スタッフを指名し、治療に従わない」といった具体的な事例も紹介している。

 書店での販売に先立ち、同病院では29日、同書がスタッフに配布された。同時に院内で対策研修会が開催され、県警職員によるモンスター患者の実演などに病院スタッフら約150人が参加した。

 「院長を出せ」と無理難題を言うモンスター患者に、看護師ら3人が対応。講評も行われ、「まず本人なのか確認して、相手が落ち着くまでしっかりと話を聞いて下さい」などの具体的なアドバイスに、参加者は真剣な表情で耳を傾けた。

 同病院の看護師、成松ちどりさん(50)は「もっと早くこの本が出版されていれば。本や講習を通して、対応法を学びたい」と話し、執筆した産婦人科の滝川稚也部長(44)は、「地方の小さな病院が、モンスター患者に対応するにはどうすれば良いか、考える一助になれば」と話していた。

よりにもよって読売がモンスター対策を云々するとは「お前が言うな」と見るべきなのか、それとも言葉通り「体験踏まえ」ての記事であると言うことなのかは判りませんが、いずれにしても読売に語られるまでもなく医療現場においてモンスター対策が喫緊の課題であることは言うまでもありません。
医療の現場においては長年「患者は病気に苦しむ弱者である」というタテマエが存在し、そうであるからこそ「苦しむ患者が多少の問題を起こしたとしても敢えて騒ぎ立てるべきではない」という考え方が主流を占めてきましたが、こうした考え方は不当な要求には毅然とした対応が求められるモンスター対策においては最もやってはならないことであることは言うまでもありません。
何より医療現場において需要と供給のバランスが崩壊し、多くの善良な患者の皆さんが多かれ少なかれ不自由を強いられている今の時代にあって、モンスター患者ばかりが「ゴネ得」を享受しているというのでは社会正義の上でも大いに問題有りと言うしかないですよね。
先日も救急隊に暴行を働いたモンスターが逮捕されましたけれども、こうした手合いは自分自身にとってもその行為が不利益になるのだという教訓を得ない限りは何度でも同じことを繰り返すだけだとすれば、ついつい「この程度なら我慢できるから」と行ってきた甘い対応が後の禍根を産むということを考えておかなければならないでしょう。

救急隊員を殴打 傷害容疑で会社役員を逮捕 越谷(2011年8月8日産経ニュース)

 埼玉県警越谷署は8日、傷害の疑いで、越谷市大成町、会社役員、長谷川喜友容疑者(40)を逮捕した。

 越谷署の調べでは、長谷川容疑者は7日午後9時40分ごろ、越谷市相模町の飲食店で家族9人で飲食し、店を出たところ、母親(60)が突然倒れたため119番通報し、駆けつけた越谷消防署の救急隊員が車内で搬送先を選定していたところ、「遅いんだよ」などといって32~47歳の救急隊員3人に対して首をつかんだり、顔を殴打するなどして軽傷を負わせた疑いが持たれている。

 長谷川容疑者は犯行当時、酒に酔っていたという。

さて、モンスター対策は今や社会全体にとっても無視出来ない問題となっているわけですから、狭い医療の世界に限らず広く世間から知恵を拝借していくことも必要ですよね。
最近は司法関係からも対策Q&Aなどの書籍が各種出版されていたり、長年大手企業でクレーマー担当を行ってきた人々が講演を行ったりするなど、医療の世界でも次第に学習機会が増えてきていますが、やはり基本となるのは不当な要求に対しては終始一貫して毅然とした対応を取る、言い換えればゴネ得は最初の一度であっても決して許さないと言うことでしょう。
良くある例に明らかに保険医療上行ってはいけないはずの医療行為を平然と要求してくる、そしてそれは出来ないと言えば「でも○○病院ではやってくれた。なぜここでは出来ないんだ」と言うタイプがいますが、こういう不当な要求に変な特例を与えてしまった病院はその行為がどれだけ後々の迷惑を呼ぶかと言うことを考えなければいけませんよね。
要するに彼らはその行為を行えば自分の利益につながるという学習を繰り返してきたことによってモンスターに成長していたわけですから、ここではそれが通用しないと理解させることが彼らを居着かせないことにつながるわけですし、逆にそうした対応が出来ない施設は噂が噂を呼んで客層が悪化していくということにつながるということになります。

そうした観点からすると彼らを寄せ付けないためにはまず彼らの要求の背後に隠れた本当の狙い、真に望んでいることをいかに把握するかが最重要ということですが、彼らモンスターも基本的には人間誰しもそうであるように損になることは避けたい、そして得になることを要求したいということで、そのやり方や程度が社会的に問題視されるほど並外れているという捉え方が出来るかと思います。
程度の差こそあれ近頃では社会のあちらこちらで、かつてであれば「それはちょっと非常識だろう」と思われたような行為が散見されますけれども、モンスターの出発点としてこうした非常識人間の考え方を知っておくのも非常に参考になりますよね。
先日は登山客のマナー悪化が大変な問題になっているという記事を興味深く拝見したのですが、少しばかり長くなりますが引用させて頂きましょう。

富士山救助隊、ムダ出動増…すでに過去最多(2011年8月10日読売新聞)

携帯で手軽に「助けて」…有料と知ると自力で下山

 静岡県内の今夏の富士登山で、県警山岳遭難救助隊の出動回数が、過去最悪ペースで推移していることがわかった。

 富士宮口登山道では2008年の7、8月、過去最悪の13回を数えたが、今年は8日までにすでに14回。御殿場口、須走口を管轄する御殿場署も6回と、09年などの8回を上回る勢いだ。背景には、携帯電話の普及で手軽に救助を要請できるようになったことや、登山ブームで準備不足の登山者が増えたことなどが挙げられる。

 7月17日夜、東京都の男性(60)が6合目で道に迷い携帯電話から110番した。「その場にとどまるように」との県警の指示を無視して自力で下山し、翌朝発見された。捜索に出向いた御殿場、富士宮署員らは無駄足を踏まされた

 富士宮署幹部によると、救助の要請から救助隊の到着までは早くても4~5時間かかる。「事情を話すと登山者の半数近くは、自力の下山を選択する」といい、要請のハードルが下がっていることをうかがわせる。一部に、「ヘリを飛ばせ」などと無理な要求もある。

 県警の出動とは別だが、同月13日、富士山須走口の標高約3000メートルで、香川県の40歳代男性から「転んで手の指を骨折し、頭にもけがをして動けない」と携帯電話で通報があった。県警の依頼で5合目で山小屋を経営する連絡役の米山千晴さん(61)が「別の山小屋から登山用車両で救助に向かわせるが、有料になる」と告げると、「金がかかるならいい」と歩いて下山してきた。

 6合目で山小屋を経営する長田清一さん(61)は「出動中は山小屋を閉めなければならず、燃料代もかかるため1回3万円を徴収する」と話す。ただ、現金を持たない登山者も多く、踏み倒されることも珍しくない

「通常業務に支障」

 静岡県警地域課によると、富士山では2010年、過去最多の48件、55人の遭難があり4人死亡したが、50人は軽傷か無傷だった。県警や消防は緊急性が少しでもあると判断すれば救助に向かうため、不要な出動の増加は、深刻な事故への対応に悪影響を及ぼしかねない。

 実際、富士宮口登山道の場合、救助に出動する富士宮署の隊員は6人。1回で3~6人が出動するため、富士宮署幹部は「3件重なると、『少し待ってください』ということにもなりかねない」と危惧する。隊員は普段、交番などに勤務している。中には8日までの39日間で11回出動した隊員もおり、「通常業務に支障が出かねない」との声も出ている。

 同署は富士宮市と協議し、看板の設置など登山者への新たな注意喚起方法を検討しており、同署幹部は「必要な救助要請をためらうことはないが、装備や心構えをしっかりして遭難しないよう努めてほしい」と話している。

 米山さんは「山のトラブルは自己完結が原則。実力にあった山を選び、備えることで、不要な救助要請を減らすことが出来る」と警鐘を鳴らす。

富士登山があまりにもメジャーになりすぎた結果、登山客のマナーが低下する一方であるということは最近大きな問題になっていますが、まずは仮にも日本最高峰に登るという行為をあまりに舐めすぎてませんか?とはベテラン登山家ほど指摘するところで、安全上の観点からもこれは是非もう一度山では思いもかけないことが起こりえるし、それは自己責任であるという意識を徹底してもらいたいと思います。
こうした困った人々の一つの特徴として場それぞれの空気が読めない、いつもオレ流最優先ということもあるんじゃないかと思いますが、別に登山という状況に限らずどんな場所においてもそれぞれの場所に応じたローカルルールやマナーがあって、それに外れた行いをすれば我が儘に相応した経済的支出を要求されるか「お客さん、店間違えてんじゃないですか」と言われてしまうのは当然ですよね。
得に最近は現役を引退した高齢者の遭難が非常に多いということが問題になっているようですが、このあたりのいわゆる団塊世代というのはイケイケドンドンでやってきた方々であるせいか、自己抑制が効かない不良顧客として社会的にも問題視されてきた部分がありますから、言ってみれば起こるべくして起こった問題であるとも言えそうです。

いずれにしてもこうした話を聞いていると救急車利用のマナーが低下して救急搬送の現場が崩壊しつつあるなんて話と共通するものを感じざるを得ませんが、救急車や救急外来と違ってこちらは無料やどんな僻地でも全国統一料金のバーゲンプライスなどではなくて、社会的経済的事情に応じたそれなりの実費を請求されることになるという事情があり、結果としてそれが一定の歯止めの役割をも果たしていると言えそうです。
そもそも富士山など年中芋洗い状態になっていて、それが環境破壊にもつながっているというくらいですから、救助体制を整備するとか環境を保護する、あるいはいざという時の保険料も込みで相応の入山料を取れという声が根強くあるのも、言ってみれば「少しでも懐が痛むようなことは絶対に嫌」という危ない顧客予備軍を最初から排除するという効果も期待されているのは当然ですよね。
医療でも個々のモンスター達が何をもって利益と考え、何をもって不利益と捉えているのかは当然異なった考え方はあるのでしょうが、かなり多数派のモンスターにとって経済的利益、不利益というものは無視出来ない価値を持っているようで、実際に「そっちが勝手に○○したんだから金は払わない」式のクレームというのは医療機関でも最もありふれたものですし、何かあれば金銭的な「誠意」を求められる場合も多いですよね。
彼らは自分達に利益があるからこそモンスターになっている、だから利益供与的行動は絶対NGだとすれば、嘘にならない範囲で金銭的に彼らの損になる方向へ話を進めていくようなやり方は彼らにうまいこと「嫌われる」テクニックとして使えるということですよね。

173 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/15(月) 02:36:47.16 ID:2hyLHbiW0

こないだ来たジジイ、薬の減りが速いのでどうしたのかと聞いたら「妻も使ってます」
俺が唖然として「それは違法ですよ」と言うと
ジジイ「はあ?そんなことどうでもいいよ」と逆ギレして聞く耳持たず。

174 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/15(月) 05:24:07.44 ID:cqpNmsQ00

当院でよくあるパターン。

「風邪を引いた。昨日近所の藪医者がくれた薬を飲んだが全然熱が下がらない。熱が一発で下がる注射を打ってくれ」
「すみませんね。熱を下げる注射はあるんですけど、他の薬が効かない時にしか使っちゃいけないことになってるんですよ」
「それじゃ点滴の一つもやってくれ。明日は仕事だからとにかく今日中に治してくれ」
「申し訳ないんですけど今日中に風邪を治すのは無理ですし、そもそも風邪という病気に使っていい点滴ってのはないんですね」
「誰がそんなことを決めた。患者である俺がやれと言っているんだから四の五の言わずさっさとやれ」
「残念ですが国が決めてる保険診療の規則でそうなってましてね。ご希望でしたら全部自費でされますか?お値段は数倍になりますけど」
「もうええわ!こんな病院二度と来ないからな!」

企業のクレーム担当者の中には「クレーマーは経営上のヒントをもたらしてくれる重要な顧客である」と言っている人もいますが、それは業績を拡大していくことが正義となる一般の企業活動において言えることで、社会的に投入できるリソースの上限が決められていて、しかも公定価格かつ国全体での支払総額に厳しい制約が課せられがちな医療において何より肝に銘じるべきなのは「1%の顧客が10%のリソースを消費し、0.1%の利益にしかならない」という現実だと思います。
とりわけ近年国が推し進めるDPCに代表される無駄を削らなければ利益にならないようになった医療現場では、不良顧客にはどれだけ労力と時間をかけずに対応出来るかが肝心で、極論すればいかに最小手数でモンスターに「もう二度と来ない」と言わせるかが赤字回避と総合的顧客満足度向上に直結する診療ノウハウということになりそうですね。
もちろん患者全てに見境無く対モンスター対応というのでは大問題ですから、問診等を通じて相手のキャラクターをしっかり把握しながら臨機応変に対応していくということになりますが、この場合モンスターを適切に見極め不当要求に断固とした対応が出来ると言うことは、本当に困っている善良な患者の正当な要求に対しても適切に対応出来るということにもつながるはずです。
患者は決して平等ではないと言う逆転の発想が診療効率を向上させ総合的な顧客満足度を引き上げることになるのなら、相手を見てモンスターにも優良顧客にも適切に対応できる能力こそ、診断や治療などと同等以上に臨床現場における必須の診療スキルだと言えそうですね。

モンスターは最初からモンスターだったのではなく、医療側の対応が悪かったからモンスターにならざるを得なかったのだと主張する方々もいらっしゃるし、実際そうした側面もあるのかも知れませんが、だからといって現にそこにいるモンスターを放置して良いことにはならないし、今の逼迫する医療現場ではモンスターによって医療側が受けるダメージ以上に他の患者が被る被害の方がよほど問題となっているわけです。
「患者様は神様です」なんてタテマエの元にただでさえ不足しているリソースを声の大きいモンスターに吸い上げられ、黙ってじっと順番待ちをしている善良な患者ほど割を食ってろくな診療を受けられないというのは悲劇ですし、何より社会正義の上でそうした見かけの平等主義に起因する顕著な不平等が本当に良いことなのかどうかということですよね。
限られたリソースの範囲内で最善の医療効率を追求することがトリアージと呼ばれる行為なのだとすれば、無駄に費やされるべきでない貴重なリソースをモンスターに浪費してしまうことを避けることも立派なトリアージでしょうし、モンスターを鬼手で捌くことで産み出された時間は本当に困っている患者に仏心で対応するための余力となることでしょう。

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2011年8月14日 (日)

今日のぐり:「おらんく家 別館」

最近知ってちょっと感心したのがadidasの靴のCMなんですが、シンプルで判りやすい中にもちょっとした嬉しい不意打ち(笑)もあったりして、なかなかの傑作だなと思うのですが如何でしょうか?
一部ではすでに「神CM!」などと称讚する声すらあがっていると言いますが、こちら暴動の延焼で今や大変なことになっているブリからも「現人(女)神降臨!?」と話題になっている方がいらっしゃるということです。

世界が刮目! 英暴徒を本気で叱るハックニーの勇気ある女性のスピーチ/英(2011年8月10日GIZMODO)

英暴動が急展開を見せた8日夜、ハックニーの荒らされた店の前に立ち、フードを目深に被って放火して回る若者たちに杖を振りかざして「LOW UP(おやめ)!」と喝を入れる西インド系の勇敢なおばあちゃんのスピーチが世界に感銘を与えています!

この映像を撮ったのはマシュー・ムーア(Matthew Moore)さん。女性は放禁用語を随所に散りばめながら、こう叫びます。

「そんな人様の財産に火つけて回るのはよしな! 商売始めるのは並大抵の苦労じゃないんだから、人が一生懸命働いて始めた店に火つけて回るのはやめな! わかったかい?」

「あそこの店だってね、おかみさんがそりゃ必死に働いてそれでなんとか商売成り立ってんだよ。それに火つけるって、なんのために焼くのさ? 『戦士』気取りしたいんかい? このろくでなしめ」

「そもそもトッテナムで射殺された男が可哀想で抗議してんだろ? それを自分がやりたい放題やって、暴れて、あちこち壊して回ってどうすんだい」

「いい加減目を覚まして現実を見るんだよ、黒人。戦いは大義のためにやるもんだろ。うちら黒人は大義のためだけに戦うんだよ。ったく情けない。ハックニーに住んでる自分が恥ずかしいよ」

言葉は汚いけど本当のこと言ってるんだなっていうのが、ものすごく伝わってきますよね。Facebookには来年のロンドン五輪開催に向け、「聖火トーチをハックニーの勇気ある女性に持たせる会」が早速立ち上がってます!

この勇気ある行動については是非ともこちらの動画をご参照頂くとして、ブリでは今回の騒動に関連してamazonでの金属バットの売れ行きがなんと6541%アップした!と言うのですが、そこは植民地人の野蛮な球技の道具などではなくクリケット用を使用してこそ本物の紳士だろうなどと考え始めた貴方は十分ブリの暗黒面に転落している可能性があります。
それはともかく、今日は様々な理由で思いがけず世界的に話題になった人々の話題を紹介してみようと思いますが、まずはこちら有名になろうと志してスタートしたはずが別な意味で有名になってしまったという御仁からいってみましょう。

骨まで見える「カツオ人間」 高知アンテナ店のPR大使/高知(2011年7月31日朝日新聞)

 カツオの頭をモチーフにした「カツオ人間」が28日、東京・銀座にある高知県のアンテナショップ「まるごと高知」のPR大使に任命された。

 正面から見ると愛らしい表情だが、後頭部は骨も見える切断面。ネット上で「恐怖のカツオ人間」と話題になった「グロゆるキャラ」(担当者)だ。

 8月1日から銀座の店頭に着ぐるみで登場。カツオのたたきの販売や、一日店長などをこなす。後頭部はさておき、正面から「真っ向勝負」を挑む。

あまりと言えばあまりなその姿は記事の写真を見るだけでも一目瞭然なんですが、なぜそこで敢えて包丁を入れる必要性があったのか、そもそも鰹のさばき方はそうじゃないだろうといった話以前に、やる前に誰か止める奴はいなかったのか高知県人は…
とりあえずシーズンの戻りガツオの味に免じてここは華麗にスルーしておくとして、続いては口直し?にこういう話題は如何でしょうか。

美人すぎる女性剣士の居合斬り動画を世界が絶賛/日(2011年8月5日R25)

YouTubeに投稿された「技斬り風車出来ました」という居合斬りの動画が、再生回数180万回を突破。アニメさながらの美人女性剣士が居合斬りに挑む動画に、世界中のネットユーザーが萌えまくっている。

話題になっているのは、10~20代とおぼしき女性が、日本刀を手に道場で試し斬りに挑戦している動画。女性は、垂直に立てられた的と正対し、野球でいうところの左バッター、アッパースイング気味の二太刀で見事にスライスし、さらに切った的の上部が下に落ちる前にもういちど上部をスパッと切るという技斬りのひとつ「風車」に成功。一呼吸した女性が「よしっ」とガッツポーズしているところで動画は終了している。

このわずか14秒の動画は、昨年9月に投稿され、投稿後3カ月ほど経ってからじわじわと話題になっていった。8月4日現在では、再生回数181万回以上、「高評価」を付けた人が3000人を突破し、コメント欄には

「神の領域」
「お見事!」

と、賛辞のコメントが殺到し、

「ガッツポーズかわいすぎだろ」
「可愛らしいですね!斬ってる時とのギャップかなー
斬ってる時は格好良かったんだけど、急に女の子になって可愛かった^^」
「いやまさに見事としか言いようが無いね
まさかのガッツポーズで心まで奪われたわw」

と、集中しているときと喜ぶときのギャップにハートをつかまれた人が多数。

また、どこから噂を聞きつけたのか、英語、イタリア語、中国語など、コメント欄の半分以上は外国のネットユーザーからのもので埋め尽くされており、彼女のルックス、衣装、仕草、技に対し、世界中から絶賛コメントが寄せられている。

何やらコメント欄がすごいことになっていると噂の動画はこちらですけれども、何にしろ綺麗にすっぱりと斬れちゃってますよねこれは。
同じく女の子ネタということでこちらを取り上げさせていただきますが、これまたネットで有名になってしまったことで思いがけない災難に見舞われたというニュースを紹介しましょう。

フェイスブックで誕生パーティー告知、1600人超が殺到/独(2011年6月6日産経ニュース)

 ドイツの少女が交流サイト(SNS)のフェイスブックで自身の16歳の誕生パーティーに不特定多数のユーザーを誤って「招待」し、1600人以上がパーティーに詰め掛けるという出来事があった。

 警察によると、この少女は3日夕方にパーティーを予定していたものの、開催前にフェイスブック上で1万5000人がパーティーに出席すると回答したことから、警察に通報した。

 少女の自宅の前には警察官約100人が配置され、午後7時から翌日の午前2時までの間、治安維持のため警備に当たった。警察によると、この少女はパーティーがごく内輪の集まりであることをうっかり記載し忘れたという。

 警察の報道担当者は、物的損害などで今回11人の身柄を拘束したことを明かし、「ハンブルクではこれまで、計画されたイベントとしてもっと大きな規模の誕生パーティーが開かれたことはあるが、今回のパーティーはおそらく、準備されていない誕生パーティーとしては過去最大だろう」と述べた。(ロイター)

いやしかし、うっかりミスから招待されてわざわざ出かけて行く方も出かけて行く方ですけれども、妙なところでまめなのもドイツ人気質ということなんでしょうかね?
こういうことがなければあるいは歴史の中にひっそりと消えていたかもしれない人物ですが、思わぬところで最晩年に再び脚光を浴びることになってしまったというのがこちらのニュースで、少しばかり長くなりますが引用してみましょう。

標的の突破口は愛人だった 16年間逃亡 伝説のマフィア逮捕/米(2011年6月25日iZa!)

 マーティン・スコセッシ監督のアカデミー賞受賞映画「ディパーテッド」のモデルにもなった伝説のマフィアが22日、16年間に及ぶ逃亡の末、カリフォルニア州で米連邦捜査局(FBI)に逮捕された。国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者らとともにFBIの「十大手配犯」となっていた大物だ。FBIが一緒に逃亡生活を送っているとみられていた愛人の写真を公開、目撃情報が寄せられたことが逮捕のきっかけだった。

 ビンラーディンに次ぐ大物

 捕まったのは、19件の殺人に関与したとして起訴されているマフィアの元トップ、ジェームズ・バルジャー被告(81)=写真左。ボストンの貧しいアイルランド系の家に生まれた被告が初めて逮捕されたのは14歳のとき。その後も殺人、資金洗浄、恐喝、麻薬取引…と、ありとあらゆる犯罪に手を染めた。

 FBIの取り締まりにより、ボストンのマフィアのボスたちが淘汰(とうた)されていくなかで、被告は次第に勢力を拡大し、ボストンの街を牛耳るようになった。

 その陰の力となったのが、幼なじみのFBI捜査官だった。被告は他のマフィアの情報をこの捜査官に提供すると同時に、FBI内部の捜査情報も手に入れていたとされる。1995年に被告を告発する証人が現れたが、逮捕の直前に捜査官から情報を得た被告はボストンから逃亡。後にこの捜査官は被告らの逃亡を助けたなどとして有罪判決を受けた。

 FBIのCMが奏功

 2007年のアカデミー賞の作品賞など4部門を受賞した「ディパーテッド」は、ボストンを舞台にアイリッシュマフィアに潜入したFBI捜査官らの葛藤を描いている。

 ビンラーディン容疑者の殺害後、FBIは次のターゲットをバルジャー被告に定めた。被告につながる情報に200万ドル(約1億6000万円)の懸賞金を懸けるとともに、20日に被告と愛人のキャサリン・グレイグ容疑者(60)の逮捕への協力を求める30秒のテレビCMを放送。このなかでFBIは、グレイグ容疑者の顔写真=写真右=のほか、頻繁に美容院に行くことなど彼女の特徴を伝えた。

 AP通信によると、放送から2日後の22日、グレイグ容疑者についての情報がFBIに寄せられた。その情報によってロサンゼルス郊外サンタモニカのアパートに向かった捜査官は、何らかの方法で2人を外におびきだし、逮捕した。被告らはそのアパートに約15年間、暮らしていたという。

 FBIは被告の逮捕まで16年間もの年月を費やした理由について「やつは非常に用心深く変装の名人でもあった。逃亡資金もふんだんにあった」と説明。関係先から80万ドル(約6400万円)を押収した。

 サンデル教授のテーマにも

 バルジャー被告は最近、事件とは別のところでも話題となっていた。「ハーバード白熱教室」で知られるマイケル・サンデル教授(58)の「正義とは何か」を問う講義のなかだ。

 被告の弟、ウィリアム・バルジャー氏(77)はならず者の兄とは対照的な人物で、マサチューセッツ州議会上院議長や州立大学長を務めていたこともある弁護士だ。その彼があるとき、逃亡中の兄とひそかに連絡を取っていたことを告白したが、FBIへの捜査協力は拒んだ。もし、あなたが弟だったら、というわけだ。

 兄の逮捕についてウィリアム氏は23日夜、声明を出し、「(兄の犯罪で)傷ついたすべての親族の方々にお悔やみ申し上げる。関係者各位とともに、事件の解決を望む。同時に、私の家族のプライバシーが守られることも望む。この件でコメントすることはもうない」と述べた。

すでにこうして見るだけでも「映画化決定!」という声が出そうな話なんですが、しかし経緯の全てを解き明かしシナリオにまとめるだけでも大変な作業になりそうですよね…
昨今お天気お姉さんと言えば日本でも大変な人気なんだそうですが、これまたアメリカからまさに常識をひっくり返すようなニュースが飛び込んできました。

●ガチムチお天気兄貴、登場!/米(2011年8月8日ロケットニュース24)

天気予報といえば「美人なお天気おねえさん」と相場が決まっている。この傾向は日本だけのことではなく海外でも同じで、どこの国のどの天気予報を見ても、美人キャスターが報じている。しかし、その常識を打ち破ったテレビ局が現れた。

なんと、アメリカのとある地方局が筋肉質なガチムチマッチョの男性キャスターを天気予報に抜擢したのだ。しかも彼は、ロマンス小説の表紙モデルとして有名なガチムチ男性なのだ。アメリカではとても有名なガチムチっ子らしい。

天気予報に男性キャスターを採用したのは、オレゴン州のテレビ局「KOIN-TV」。キャスターに抜擢されたのは、イタリア人のファビオさん。彼は表紙モデルとして有名な人物で、インターネット上で「ライバルのガチムチっ子と決闘を繰り広げる」というプロモーション展開をして話題になっている人物でもある。

彼がライバルとして争っていた相手は、男性用化粧品メーカー「Old Spice」の専属モデル・ムスタファーさんだ。ムスタファーさんは同メーカーの看板として長らく君臨していたのだが、そこに突如、ファビオさんが登場し、インターネット上でユーザーの要求に応えながら各々の力量をぶつけ合っていたのである。

しかし残念なことに、ムスタファーさんに敗れ去り、同メーカーのモデルの座を奪うことができなかったのだ。2人の決闘は大変盛り上がり、対決をシリーズ化した動画はYoutubeで大人気となった。行く先をなくしたファビオさんであったのだが、突然天気予報のキャスターとして登場。視聴者をアッと驚かせたのである。つまり、彼は天気予報のガチムチお兄さんとして仕事を得たのである。

それにしてもムチムチとした彼の体つき、テレビの前の女性たちは喜んでいることだろう。美人キャスターばかりが登場し、面白くないと感じていたお茶の間の女性たちは、テレビかじりついているかもしれない。ひょっとしたら、彼の登場を機に、世界の天気予報に変化がもたらされるのではないだろうか。行け、ファビオ! マッチョの心意気を見せてやれ! 君の明日はきっと晴れるぞ!

どれくらいガチムチであるかはこちらの動画を参照していただくとして、いやしかしお茶の間の女性達にうけているのかどうかはともかく、思いっきり見せつけていますよねえ…
極東の島国では総理がどうにも煮え切らないとすっかり人気がないようですが、世界最強の国家元首を要する某大国といいあちら方面ではこういう人達が受けるということなんでしょうかね?

リトアニアの市長、違法駐車にブチ切れ自ら装甲車で実力行使に及ぶ/リトアニア(2011年8月2日DNA)

自転車専用レーンに違法駐車している自動車は邪魔なだけでなく危険ですらあります。各国様々な方法で違法駐車を摘発していますが、今回リトアニア・ヴィリニュス市の市長が「言うことをきかないヤツは軍事力をもって制圧する」という旧ソ連伝統のパフォーマンスを行ないました。

今回、BTR-60装甲車を持ち出したのはリトアニアのヴィリニュス市長、アーチュラス・ズオカス氏。市内の自転車専用レーンに違法駐車しないよう呼びかけるため今回の実力行使に至ったそうです。

いわゆる交通安全キャンペーンの一環なのか本気でキレたのかは定かではありませんが、市役所広報は市長のメッセージとして以下のように伝えています。

    自動車とカネを持っているからといってどこにでも駐車していいというわけではない、ということを忘れてはならない。最近、そういうケースが増えているがもう一度言っておく。他人をバカにするような行為はつつしむことだ。

……結構キレてたみたいです。

先日、違法駐車の自動車をよけるようにして道路工事を行なったイギリスの役所のニュースをお伝えしましたが、国が違えばここまで対応も違ってくるわけですね。さすが旧東側は違います。

追記:動画はこちらから。ネタというかパフォーマンスっぽいですがどうなのでしょうか。見るところでは市長は自転車派のようですね。
A.Zuokas tanku kovojo prieš nelegaliai statomus automobilius‬‏ – YouTube

ちなみに大陸から海を渡ってブリあたりになりますと、「地元開催なのに俺の家族のチケットも手に入らないとはどういうことだ!」なんて市長が五輪の運営に文句をつけていると言いますから、まあ何とも女々しく器が小さいのもブリ的ということなんでしょうか。
最後のそのブリからこういうニュースを拾い上げてみましたが、まあとりあえずは素直に記事を一読していただきましょうか。

体重139キロの英国人男性、「肥満じゃない」認定で法廷闘争/英(2011年7月13日AFP)

【7月13日 AFP】肥満手術を受けるには十分に肥満ではないとの理由から、英国民健康保険(National Health Service、NHS)に保険適用を拒否され、裁判で争ったものの主張が認められなかった英国人男性が11日、控訴院(Court of Appeal)に控訴した。

 体重139キロのトム・コンドリフ(Tom Condliff)さん(62)は、自分の命を救うためには腹部の手術が必要だと主張したものの、腹腔鏡の胃バイパス手術の保険適用をNHSに拒否された。コンドリフさんの肥満度指数(BMI)は、保険適用に必要な50よりも低く、40超だった。

 コンドリフさんは保険適用を求めて訴訟を起こしたが、高等法院(High Court)が4月にコンドリフさんの主張を退けたため、控訴した。控訴審での審理は11日に始まり、2日間の日程の予定。

 元警察官のコンドリフさんは、長期の糖尿病の治療で処方された治療薬のせいで肥満になったという。28種類の錠剤を飲み、呼吸マスクと吸入器を使っている。

 一審では、コンドリフさんが減量に取り組んだものの失敗したことから、コンドリフさんにとって手術が臨床的に適切であることは「誰もが認める」と認定された。だが一方で、裁判所は、NHS側が欧州人権条約(European Convention on Human Rights)に違反しているとのコンドリフさんの主張を退けた。

ご本人のお腹の具合はリンク先の画像を参照していただくとして、日本人的感覚からするといずれにしても超メタボだろうと考えるべきか、それとも世界に冠たるブリ食を食べ続けてこうまで成長できることに感嘆するべきなのか、微妙なところですかね。
しかし保険診療崩壊がささやかれているブリの実態というのがこういうものであるとすれば、なるほどそれは崩壊すべくして崩壊したということなのかなと思わないでもいられないニュースではありましたが、考えて見れば日本でも似たような話は幾らでもありますからねえ…

今日のぐり:「おらんく家 別館」

高知に数ある飲食店の中でも、見た目からして異彩を放っていると名が知られているのがこちら「おらんく家」なのですが、こちら愛宕町商店街に位置する別館さんは店の外から中までを貫通する巨大な鯨が目印となっています。
ちなみに昔は鯨が動いていたような気がしたのですが、これも昨今のご時世柄節電中ということなんでしょうか?何にしても見た目はイロモノくさいながらなかなかまともな寿司を食べさせると、根強い人気を誇っているようですよね。
店の中は鯨の尻尾に目をやらなければなかなかに小綺麗なつくりで、このあたりのデザインは昔ながらの寿司屋というより回転寿司など今風のテイストを取り入れた部分もあるのでしょうか、実際に若い方も入店していたりするようですからライト層の顧客にも敷居が低いのは良い傾向ですよね。

本日は料理長おすすめコースに鰹のたたきを塩とポン酢で、そしてウツボ唐揚げを頼んでみましたが、突き出しよりも早く最初に運ばれて来たのがそのウツボ唐揚げで、タレ無しで食べさせるらしいのはお店の個性なんでしょうが、個人的にウツボと言えば楽しみな皮と身肉、そして間のゼラチン質の食感の取り合わせが、この冷凍食品の鶏唐かというくらいにガチガチ過ぎる衣ですっかりスポイルされているのは残念でしたね。
戻りガツオのシーズンに入って来た鰹のたたきは焼き具合はまずまず頃合い、味の方も脂が乗っていながらさっぱりした味わいでわりあいに良い塩梅なんですが、塩とポン酢で薬味を変えているのがおもしろい工夫だなと思いました。
ここでようやく運ばれて来たコースの突き出しは場つなぎの形ばかりのものでなくしっかりと味も食べ応えもあるもので、特に那須がさっぱりうまいのが暑さ厳しいこの季節にはありがたいものでしたが、しかしこういうさっぱり系は最初に出して頂くと箸も進みそうな気がしないでもないような…
刺身で頂いた生の鰹もいいね!という感じで味自体は決して悪いとも思わないんですが、きちんと角が立ってない刺身ということもあってか食感は何か少しばかり感心しないですし、焼き物の代わりにと出てきたアサリも蒸し加減はいいんですが、身が痩せているせいか味はもうひとつな上に砂がじゃりじゃり言っているのはちょっと困ったものです。
メインとなる寿司の方はおよそ半人前強くらいでしょうか、もちろん量は少ないんですが見た目はセットらしからぬまともな寿司っぽいのは良いもので、少し溶けかけたウニなども見た目はともかく味は悪くないですし、ウナギはきっちり関西風なのは嬉しい驚きというものですが、こちら残念ながら少し焦げ臭いくらいに焼きすぎてガチガチになっているせいか寿司としてのマッチングは今二つくらいだったでしょうか。
トリを飾る茶碗蒸しは好みからすると気持ち硬めかな?とも思ったんですが、調味料よりも出汁の味で食べさせるタイプでとにかく量もたっぷりありますから、何かしら食べたという感じはしましたね。
ちなみに寿司の方でも卵が切れていて巻物になったと言うのは個人的に大幅な減点対象になりかねない失態なんですが(笑)、寿司にしろ刺身にしろ醤油が少し弱いような気がしたのは最近湯浅を始め濃いめのものを出す店になれていたということもあるんですかね。

料理はどれも大ぶりで満腹になりすぎるくらい量は多いし個々のネタも決して悪くないしで、価格と内容を客観的に考えると決して悪い内容ではないんですが、この値段でとお値打ち感が強かった本店のコースと比べると同じような値段で見た目も似たような内容なのに、食べて見れば少しずつ雑な仕事ぶりが気になるなあという印象を受けたのが残念でしたかね。
またこの日に関して言えば接遇はまるでやる気無しと言われても仕方ないくらい、あまりにお粗末な仕事ぶりがちょっとどうなのよと感じるほどではあったのですが、まあ時節柄多忙かつ人手不足になりがちな時期であったということもあるのでしょうけど、そうした点を含めて見てもどこもかしこも少しずつ突っ込みどころがある感じで、全体に本店の方が満足度は高いかなと思いました。
ここのお店もその昔の暇そうな頃にカウンターに座った時はもっといい仕事をしていたような印象があったんですけど、同価格帯の系列店なのに店舗毎に提供するサービスの内容に明らかな差が固定化しているのなら顧客としても困りものですから、グループとしても色々と考えていただきたいところですかね。

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2011年8月13日 (土)

被災地で続く窮状 その意外な?ラスボスとは

先日ちょうど震災から五ヶ月を経過して各地でイベントが行われましたが、被災地での医療体制は相変わらず安定には程遠い状況にあるようですね。
特に原発事故の現場などは避難解除などの状況も関わってくるだけに、シンプルに「今日からみんなで力を合わせて頑張りましょう」と言えるようなものでもないようです。

避難区域解除も病院は「見通し立たず」- スタッフ流出、患者の減少、資金難(2011年8月11日CBニュース)

 東日本大震災の発生から8月11日で5か月を迎えた。地域医療に大きなダメージを与えた福島第1原子力発電所の事故では、原発から20-30キロ圏内の「緊急時避難準備区域」の解除へと動き出した。しかし、区域内の病院では、今も続く入院制限などに伴い、運転資金を確保することもままならないほど収入が激減。退職を余儀なくされたスタッフは少なくなく、さらに、安全に対する不安もぬぐえない。各病院は、「区域指定が解除されても、医療者も患者も戻ってこない」「入院再開の見通しが立たない」と、9月上旬にも見込まれる区域解除に手放しでは喜べない状態だ。

 福島県南相馬市の緊急時避難準備区域にある4つの総合病院(計792床)では現在、110人ほどの患者が入院している。国は原則、区域内の入院を認めていない。「これでは急患に対応できない」という病院側の訴えに、制限が一部緩和されている格好だ。区域解除は同時に、この制限も完全に撤廃されることを意味する

■入院再開できず、給与もカット

 しかし、このうちの一つ、渡辺病院(175床)では、今も入院を再開できておらず、今後のめども立たないという。ハードルは、医師や看護師の不足だ。4月から8人を予定していた常勤医は、半数が県の内外に移り、4人になった。震災以後、入院収入がゼロになり、全体の病院収入は8-9割減にまで落ち込んでいる。病院の機能自体も縮小する中、多くのスタッフに休職してもらわざるを得ず、医師を含め175人いた職員は、約50人にまで減った。残ったスタッフについても給与を2割カットして、しのいでいる状況だ。

 「もっと早く入院制限がなくなっていたら、医師にも何とか残ってもらったのに―」。佐藤良彦事務長は嘆く。「『入院を再開したら戻ってきて』という話はしてあったが、もう避難先での仕事や生活が始まってしまっている。こんな中途半端な時期に、再びの異動は難しいでしょう」。当面は入院再開を見送り、法人が運営する老人保健施設に看護師らを復帰させるなど、地域医療の「受け皿づくり」の方に力を入れようかとも考えているという。

■医療者も住民も戻れない

 置かれた状況の厳しさは、ほかの病院も同じだ。
 12人いた医師が5人に減った市立総合病院(230床)は、「もともと医師不足の地域で、戻ってきてもらうにも、どんな方法があるのか分からない」と途方に暮れる。現在約40人が入院する大町病院(188床)でも、休職中の医師2人を除き、常勤医は12人から8人に。96人いた看護師は、半数以上が休職や退職を余儀なくされた。病院収入は75%の減。給与はカット、定昇やボーナスはもちろんなく、「生活が成り立たず、辞めようかという人も出ている。『地域の医療のために』と、どうにか引き留めているところです」(今野覚治事務長)。

 こうした状態は、区域指定の解除後も変わらないだろうと、今野事務長は見ている。放射線量が減るわけではなく、どの程度除染されるのかも心配だ。たとえ学校が再開しても、産業基盤や交通網が失われている街に、どれだけの医療スタッフと住民が避難先から戻ってくるのか―。「少しでも患者さんが増えればと思うが、すぐにはその見込みもない。今の入院数で続けるにも限界があり、このままでは長くは持たない」。医療だけでなく、地域インフラ全体を元に戻すための対策と財政措置を求める声は切実だ。

■「ここで医療をやらなくてもいいのか」

 入院の縮小に伴う病院収入の激減と、人材の流出、地域人口の減少が悪循環となって、避難準備区域の病院を襲っている。
 7月から30床の入院を再開した小野田病院(199床)は、「解除されたら、徐々に拡大に向けて頑張りたいが、もう運転資金がない」と悲鳴を上げる。今は退職金の支払いも待ってもらっているという。今後、休職者の雇用保険給付が切れたときに「戻ってきて」と言えるのか―。「十分な補償金の支給もなく、『われわれは、もうここで医療をやらなくてもいいんですか』と言いたくもなる」と憤る。

 こうした現状を踏まえ、県地域医療課は、文部科学省の「原子力損害賠償紛争審査会」などで、医療機関に対する補償を訴えると強調。また、「区域指定が解除されても、除染がしっかり行われなければ、いわば地雷が埋まっているようなもの。住民は戻れない」とし、安全性の担保を国に求めていく考えだ。

もちろん顧客である住民自体も大幅に人口移動しているわけですから、以前と同じ場所に同じハコモノ、同じ体制での医療をと言うのも本来おかしな話なのですが、地元の人間にとっては以前あったものが無くなる、縮小されるというのは医療受診の予定も立たないものですし、医療機関側にとっても経営再建の目処も立たないということになっては動きようもないということのようです。
こういうのをまさに悪循環と言うのでしょうが、今後も当分の間は大きな人口移動が続きそうな状況にある中で、診療所レベルならともかく中規模以上の施設では人を増やすにもハードウェアを再整備するにもまともな見通しなど不可能でしょうから、公立病院以外は泣く泣く施設を畳まざるを得ないというケースも今後少なからず出てきそうですよね。
原発事故などもそろそろ損害賠償の話が動き始めているようですが、こういうことになってくると一体どこまでを損害賠償のケースに含めるのか、そして実際に支払いが行われるまでに燃え尽きて倒れてしまった場合にはどうなるのかと考えると、財源の見通しが立ったとしても到底すんなり解決するようには思えないところです。

現地の固定インフラである医療機関がこういう先の見えない状況ですから、外から来てくれている医療ボランティアや派遣医療チーム等の働きが何しろ大いに期待されるのは当然と言えば当然で、マスコミなども被災地の救世主的な扱いで大きく報道しているようですよね。
ところが中には妙な人も混じっていたらしいということが明らかになって大騒ぎというのがこちらの話題なのですが、各社の報道から紹介してみましょう。

医師免許なく医療行為=ボランティア男性、石巻で-朝日新聞が紙面で紹介(2011年8月12日時事ドットコム)

 東日本大震災で大きな被害が出た宮城県石巻市で、ボランティア団体代表の男性が、日本の医師免許がないのに傷の手当てなどの医療行為をしていたことが12日、分かった。男性は朝日新聞の10日付朝刊にも医師として登場していた。
 朝日新聞によると、男性は遅くとも4月から同市内のボランティア活動拠点に常駐し、体調を崩した人らの手当てや投薬を実施。朝刊2面の人物紹介コーナー「ひと」欄で取り上げられた。
 しかし、外部から「医師ではない」との情報が寄せられ、男性に電話で話を聞くと、日本では海外の医師資格を書き換える仕組みがないにもかかわらず「米国で取得した免許を書き換えており、自分は医師だ」と主張。名乗っていた「米田きよし」が偽名だったことも判明し、同社は「医師ではない」と結論付けた。

被災地で治療 資格ない偽医者か(2011年6月12日NHK)

震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市で、けがをしたボランティアの治療に当たってきた団体の代表が、医師の資格がないのに医療行為をしていた疑いがあるとして、警察は関係者から事情を聞き、事実関係を詳しく調べています。

石巻市では、4月ごろからボランティア団体の代表の「米田きよし」と名乗る男性が、キャンピングカーなどでけがをしたボランティアの手当てをしたり、薬を処方したりする活動に当たってきました。ところが、ことし6月、この男性に不審な点があるとの情報が石巻市の社会福祉協議会に寄せられたということです。
社会福祉協議会が医師の資格を示すよう求めたところ、男性は「医師国家資格認定証」などと書かれた顔写真入りのカードのコピーを提示して、医師だと主張したということです。厚生労働省によりますと、医師であることを証明するのは「医師免許証」だけで、男性の提示した「認定証」は存在しないということです。警察は、医師の資格がないのに医療行為をした医師法違反の疑いもあるとして、関係者から事情を聞くなどして事実関係を調べていて、今後、本人からも事情を聞く方針です。
この男性は、朝日新聞が10日の朝刊で「救護所で250人余りを診察してきた医師」として紹介しましたが、12日の朝刊で「経歴について虚偽の疑いがあり、日本の医師資格は持っていないと判断しました」などとするおわびを掲載しました。男性はNHKの取材に対して「現在は石巻にはいない。電話では話はできない」としています。

日本で医師の国家試験に合格すると、厚生労働大臣から医師免許証が交付され、医師の戸籍に当たる「医籍」に登録されます。さらに、医師として医療機関で働くには2年間、医療現場で研修を受けなければなりません。医師は2年ごとに居住している都道府県の知事を通じて、働いている医療機関などを厚生労働省に届け出ることが義務づけられています
平成19年には医師の資格を確認するデータベースが作られ、名前で検索すると資格の有無や、業務停止などの処分を受けているかどうかを確認できるようになりました。しかし、このデータベースは医師の届け出を基に作られているため、届け出ていない医師についての情報を確認することはできません。このため、厚生労働省は、「データベースに登録されていない場合は、その医師の医師免許証を確認するしかない」としてます。

無資格で医療行為か 朝日新聞が医師として掲載、お詫び記事(2011年8月12日産経新聞)

 朝日新聞(東京)は12日、東日本大震災の被災地で医療活動するボランティア団体の代表として10日付紙面で取り上げた男性が、実際には医師免許を持っておらず、無資格で医療行為を続けていた可能性が強まったと、12日付朝刊紙面で訂正記事を掲載した。記事掲載後に外部からの指摘で発覚し、その後の取材で無資格と判断したとしている。
(略)
 朝日新聞東京本社報道局の福地献一局長は「日本の医師資格を持たず、経歴についても虚偽の疑いの強いことがわかりました。誤った内容を掲載したことを深くおわびします」とコメントしている。

また朝日ったのか!と言いたくなるような話なんですが、実はこの方も現地では結構な有名人?であったようで、朝日のみならず日テレなどでもしっかり取り上げていたようですし、他のボランティアの方々も現地で見かけた医師としてごく普通に名前を挙げていらっしゃるようですから、一目見て「あれ…?」と感じるようなお方でもなかったと言うことなんでしょうか。
東北地方で偽医者と言えば、ひと頃当「ぐり研」でも取り上げさせて頂いた県立宮古病院(そう言えば、今回被災したのですね)の偽医者騒動が有名ですが、お金が出るわけでもないボランティアでなぜ資格身分を詐称してまで参加したのかと思っておりましたら、記事によればそれなりの努力の果てに報酬ゲットに成功していたということです。

【新聞チェック】モグリだった“被災地の医師” ボランティアが混乱する事態が多発(2011年8月12日BLOGOS)

 被災地で多くの人々が善意のボランティアとして活動しているが、その中には怪しげな人物も混ざっているようだ。朝日新聞は8月12日付けの朝刊でお詫び記事を掲載した。2日前に掲載した“医師”の経歴に事実誤認があったというのだ。彼は宮城県石巻市を訪れるボランティアの人々への治療活動をしており、本人は「医師免許を持っており、海外の病院に所属している」と述べていた。しかし、同社の確認作業の結果、虚偽の疑いが強いことが判明したのだという。(BLOGOS編集部・安藤)

無資格だった“専属医”

 10日付け紙面の「ひと」欄で紹介された際の記事を引こう。ハンチング帽にマスク姿の男性の写真とともに、以下のように書かれている。

    被災地で「ボランティアの専属医」を務める 米田きよしさん(42)
    宮城県最大のボランティア拠点・石巻市。震災後、のべ約8万7千人が訪れた。ここで「ボランティアの専属医」を務めている。

泥出し作業中に釘やガラスを踏む人、家財道具の運搬中に手足を挟む人、ぎっくり腰になる人、持病の薬を飲み忘れて重体になる人もいる。「ボランティアの基本は自己責任」が口癖だが、善意で集う人を放っておけず、彼らが生活する石巻専修大学のテント村に3月半ばから住みついた

    「ボランティアのボランティアや」。救護所では、破傷風の予防や熱中症の患者をはじめ、250人余りを診察してきた。

 この記事では、米田氏のことを「カナダにある大学病院に所属する小児救命救急医」と紹介していた。海外から駆けつけた善意の医師にしか見えない。

 ところが、この記事が掲載した後、読者から「米田氏は医師ではない」と朝日新聞社に情報が寄せられたという。実際に、米田氏の名刺にあったカナダの病院に電話取材したところ、「この名前の医師は一度も働いたことはない」との回答を得た。

 しかし、なぜモグリの医者が、報酬も出ないはずの被災地に紛れ込んだのか。実は米田氏は自身を代表とするボランティア団体を立ち上げており、財団からの百万円の助成金を得ていたのだ。朝日新聞では以下のように伝えている。

    この代表の団体は、日本財団が被災地支援のためにNPO法人やボランティア団体に支給している助成金を申請していた。団体側には7月に100万円が助成された。

 どうやら、この助成金を目当てに医師を名乗って活動をしていたようだ。福地献一・報道局長は「掲載後、社外からの指摘で再取材した結果、日本の医師資格を持たず、経歴についても虚偽の疑いが強いことがわかりました。謝った内容を掲載したことを読者の皆様に深くおわびいたします」と、談話を発表している。

混乱するボランティアの現場

 猫の手でも借りたい被災地の現場では、ボランティアの身元確認が十分にできないことも多いが、今回のケースは新聞沙汰になるまで事実が確認できなかったという意味で、重大な問題だろう。この他にも、ボランティアをめぐる問題は多発している。フジテレビの「27時間テレビ」の収録の際に、宮城県南三陸町の特設会場に多くの一般ボランティアが動員されていた問題が発覚している。週刊朝日の記事には、以下のように書かれている。

    7月23日午前7時、ある旅行会社が参加費3500円で募った個人ボランティアを乗せたバスがJR仙台駅を出発した。42人の定員いっぱいで、地元ボランティアセンターからの指示を受けて南三陸町の志津川中学校へ直行。そこで待ち受けていた「ボランティア作業」が、27時間テレビの会場設営だった。

    42人の男女に配られたのは、首から下げる「スタッフ」パス。番組スタッフらしき女性に指示されながら、男性はテントや土嚢の設営を、女性は飲み物の仕分け作業などを手伝わされた

 参加者からは「これってフジテレビへのボランティアじゃない?」という声も漏れたという。マスメディアがボランティアに混ざったモグリ医師に振り回される一方で、ボランティアを体よく利用してしまうケースもあるようだ。震災から5カ月目を迎え、人々の「善意」が支えるボランティアの重要性は高まっている。でも「善意」という言葉を、無防備に信用してしまうのは禁物になっているようだ。

たれ込みによって発覚したというくらいですから面識のある人間が新聞なりテレビなりを見ていたということなのでしょうが、今のところとは言えこれだけ多彩な患者を扱いながら特に仕事の面でどうこうという話が聞こえてこないところを見ると、あるいはスタッフ等として医療現場で働いたようなキャリアでもあったのでしょうか?
正直わざわざ団体まで立ち上げて手弁当で被災地に赴き、ああした環境下で何ヶ月も長期常駐して250人も診察するという行為に対して見返りが100万円では何とも微妙と言いますか、他にもっと効率の良い稼ぎ方もないものだろうかと思わないでもないのですが、これだけメディアに露出しているところを見ると知名度を上げた上で今後さらに大きな仕事までやってやろうと画策していたのかも知れませんね。
震災ビジネスというとどこかの某有名団体のように義援金名目でがっぽり!といった話ばかり注目されていたところもありますが、こういう個人レベルで地道に活動していらっしゃる方々も案外多くいて、しかもそのバリエーションも非常に多彩になってきているということを考えると、今後いよいよ本格的に被災地復興に大きなお金が動くようになれば更なる対策の徹底が求められそうですよね。
それにしても、こんなところでも自らの歪んだ欲望のためには被災地の迷惑も顧みずに好き放題やってボランティアまで目的外使用とは、いったいフジテレビという会社はどこまで斜め上方向に独走していけば気がすむと言うのでしょうか。

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2011年8月12日 (金)

フジテレビ騒動 思いがけずおもしろいことに

本題に入る前の余談ですが、先日もお伝えしましたようにフジテレビ系列の東海テレビが視聴者プレゼントの岩手産米当選者に「怪しいお米セシウムさん」などとふざけた名前をふざけて誤表示してしまった問題で、当事者のJAのみならず各方面からCM打ち切りや同局と共同制作によるDVD発売延期などが相次ぎ、最終的に当該番組は打ち切りとなったようです。
東海テレビと入力しようとしたら何故か倒壊テレビと出てしまったのがまんざら誤入力とも言い切れないような話ですが、何しろ民放連会長すら「あまりにも常識を欠いた表現」と断じたくらいなトンデモ事件ですから、今の時代にスポンサーもこんなことで企業イメージを損なうことを恐れるのも当然と言えば当然でしょう。
ところがこれに懲りたと言えばさに非ず、今度は本家本元のフジテレビでまたしても非常識極まる放送事故があったと言うのですから、これはもうネタでは済まされないという話ですよね。

【Sports Watch】松田さんの通夜で放送事故、笑顔でおどけるフジ・アナに怒りの声(2011年8月9日livedoorニュース)

8日、群馬・桐生市内の斎場では、34歳の若さで急逝したサッカー元日本代表・松田直樹さんの通夜が営まれ、松田さんの家族や友人、共に切磋琢磨を続けてきた戦友やファン、関係者ら約2000人が参列し、故人の早すぎる死を悼んだ。

だが、その模様を中継したフジテレビ「FNNスーパーニュース」では、あろうことか、現地に赴いた梅津弥英子アナウンサーが笑顔でスタッフと談笑するシーンがカメラとマイクに拾われてしまった

中継では、松田さんの母・正恵さんが、マリノスサポーター&松本山雅サポーターに向け、それぞれ感謝を込めて作成したというポストカードを紹介した梅津アナ。その後、中村俊輔がマスコミに向けコメントする場面に映像が切り替わり、再びカメラが梅津アナを映し出した瞬間、「入ってないの?うっそーん」と笑顔でスタッフと話している様子が電波に乗ってしまった

これに気付いた梅津アナは、すぐさま「あっ、大変失礼致しました」と言いかけたが、いい終わる前には、次の場面に映像が切り替わってしまうというお粗末ぶり

放送事故により、意図せず現場のやり取りが映ってしまったとはいえ、緊張感なく笑顔でおどける様子を露呈した梅津アナには、ネット上でも、「なぜ人の不幸を笑うのか。通夜で笑ってスタンバイなんて最低」、「しかしフジはわざとなのか社員の質が悪くなってるのかわからんな」、「きっとアナもスタッフも軽口の飛び交う笑い声に溢れた楽しい撮影現場だったんだろうね…若くして亡くなったお通夜の会場で」、「こいつらカメラが回ってないところではこんなもんだろ」、「フジというかこのリポーターはプロ意識も人としての倫理感がないんだね」といった怒りのコメントが次々と寄せられた。

フジ・梅津アナがKYぶりを噛み噛み謝罪(2011年8月10日livedoorニュース)

 8日に放送されたフジテレビのニュース番組「FNNスーパーニュース」で、群馬県桐生市の斎場で営まれた、急性心筋梗塞(こうそく)で亡くなったサッカー元日本代表、松田直樹さん(享年34歳)の通夜を現場から生中継した際にスタッフと談笑していた様子が放送されてしまった梅津弥英子アナが9日、同番組で謝罪した。

 神妙な面持ちの梅津アナは番組内のスポーツコーナーで「昨日一部の地域を除いて、松田選手のちゅやで不手際がありませ…ありました。大変申し訳ありませんでした」と一礼。短い謝罪だったにもかかわらず噛み噛みで動揺ぶりを伺わせた。

 「系列の東海テレビは不適切テロップ問題により、続々とスポンサーが降板。梅津アナの問題に関しても放置しておくと大問題に発展する可能性があるため、早々に謝罪させたのだろう。それにしても、こんな短い文章で噛んでしまう女子アナを夕方のニュース番組に起用するしかないとは、改めてフジの人材不足が浮き彫りになった」(芸能記者)

 8日の生中継で梅津アナはVTR放送の間、自分の姿が映っていないと勘違いしたのか、中継スタッフと「(中継が)まだ入っていないの? うっそーん」などと談笑している姿が生中継され、その映像が放送直後からネット上の動画サイトなどにアップされ大バッシングが巻き起こっていた。

 「ほかのテレビ局もそうだが、特に系列の制作会社の社員だと薄給でこき使われているため、やる気がなくいまいち緊張感の足りないスタッフが多い。といって、大半の社員は高給にあぐらをかいていてモチベーションが低い。この悪循環が年々ひどくなり、番組の質が低下し続けている」(テレビ関係者)

 いずれにせよ、このままだと、梅津アナと同じような不祥事を起こす女子アナが出そうだ。

一般論としても他人の不幸を報じる立場にあってこういうことをやっているのではやる気がないで済むレベルではないのは当然で、先の震災報道においても数々の「放送事故」が報じられましたが、結局のところいずれこうしたことが起こるのは単なる必然であるということなんでしょうが、よりにもよって松田選手の通夜の場で起こったというのが象徴的ですよね。
余談ながら松田選手と言えばマリノスのみならず「マイアミの奇跡」など数々の代表戦も非常に印象的な選手で、特に「(試合に)出さなかったら殺すぞというオーラが出ている」とまでトルシエ監督に言わしめた2002年W杯での活躍ぶりが記憶にありますが、あまりに数多くのやんちゃ発言に当時からマスコミによって「トルシエ-松田不倶戴天の不仲説」をでっち上げられたのは有名な話ですよね。
トルシエ監督は周知の通り時の絶対的権力者・川渕氏との確執もあって、その意を受けたマスコミから実績に関わらずバッシングが絶えない人物でしたが、「当然勝てた相手に日本を負けさせた監督」とまさに追われるように離日していったトルシエ氏に対して、「まだあの人に何も恩返しできていない」と一番衝撃を受けていたのが松田選手だったことはほとんどのマスコミが報道しなかったことです。
松田選手にしてみれば最後の最後までマスコミに翻弄されてしまった形になったのは何とも残念というしかないことになってしまいましたが、いずれにしても今はただその偉大な業績を末永く記憶に留め、ご冥福をお祈りするばかりですよね。
しかしそういう昔ながらのマスコミのやり方という事を言い始めるとこちらもその流れということになるのでしょうか、高岡氏発言に始まった今回のフジテレビ騒動に関して、先日行われた反フジテレビデモに対して一般メディアからもこんな報道が出ていますが、これがなかなか興味深い印象操作をやっているようなんですね。

フジテレビ前に「ノーモア韓流」“デモ”(2011年8月8日デイリースポーツ)

 俳優・高岡蒼甫(29)が、韓国ドラマを放送するフジテレビを批判するコメントを短文投稿サイト「ツイッター」に書き込み、所属事務所を退社したのを受け、フジテレビに抗議しようとネット上で呼びかけあって集まった約1000人が7日、本社がある東京・お台場でデモ行進を行った。

 お台場ではフジテレビが主催する夏の屋外イベント「お台場合衆国2011」を開催中。日曜の昼間とあり、多くの来場者でにぎわう会場は、無数の日本国旗に加え、拡声器の声と怒号で騒然となった。デモ行進の許可を得ていなかったため、当初はフジテレビ社屋近くの公園で集会を行い解散する予定だったが、「散歩」という形でデモを始めた。

 だが、フジテレビ社屋前を通過したあたりから参加者は興奮。「日本を返せ!」「ノーモア韓流」「ツイートしたぐらいで事務所は解雇するなー!」などと絶叫。日章旗を持った男性を先頭に、行進の列は約500メートルにも達した。警察官は見守るだけで手出しはせず、怒号渦巻く行進の恐怖で泣きだす子供もいた

どうもマスコミとしてはこの反フジテレビ活動は危ない右翼の主導する差別的活動であって、世間の人達はこれを恐怖心と共に遠巻きに見ているというシナリオにしたいらしいということが見て取れる記事だと思いますが、この「反フジテレビではなく反韓国であって、右翼的な差別主義者の主導する反社会的行動である」という視点は、先日紹介しました茂木健一郎氏などにも共通して見られるものです。
余談ながら個人的には正直茂木氏なる人物の事はあまり存じ上げなくて、テレビなどでも露出が多い上にノーベル賞も間近いという噂ですからひとかどの脳科学者か何かなのかなと思っていたのですが、今回初めて1st authorで書いた論文が一本きりでしかも一度として引用されていないなんて話を聞いて、「え、そうだったんだ」とむしろ逆の意味で感心してしまったくらいです。
それはともかく、その茂木健一郎氏と言えば民団を上顧客にしていらっしゃる背景はすでにお伝えしたところですが、実は密かにフジテレビ批判を人種差別問題にすり替えて英語で全世界に発信していたことが明らかになり、「そこまでやるか!」「第二の毎日WaiWai事件じゃないか!」とただいま絶讚炎上中というのですから、これはハンパな覚悟で援護射撃をやっているわけではないことが明らかに見て取れますよね。
ちなみによく見て見ますとこの発言、きっちり「韓日関係に関して(about Korea-Japan relation)」なんて表現になっているところが非常に芸が細かいと思いますが(苦笑)、外国産コンテンツ規制は差別だと批判をしたいのであれば当の韓国内においても日本産コンテンツがどのように規制されてきたのかということも言及しなければ、一方的かつ恣意的な批判と言われても仕方ないですよね(笑)。
もちろん先日も批判しましたように、今回の騒動にこと寄せて実際に一部の過激な人々が乱入してきて運動の方向をねじ曲げようとしていることは十二分に注意しなければなりませんし、メディアによる世論コントロールを批判する流れで出てきた今回のフジテレビ批判にこと寄せて、嫌韓だの愛国だのと関係のない話を取り混ぜるのは部外者による便乗と批判されるべき行為でしょう。
しかしそうした一部の行為を針小棒大に取り上げて、茂木氏のみならず芸人なども高岡氏やデモを批判している人々に共通するのが、今回の騒動は全て右翼の仕業であるというレッテル張りであるようなんですが、これに関してはどういに組織的な行為であるらしいということが某巨大掲示板の書き込みから明らかにされたようです。

フジテレビ社員が狼板の高岡スレでfusianasanに引っ掛かりIPを晒す(2011年8月11日2ch)

高岡土下座
http://hato.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1312960220/404,460

404 名前:fw.bsfuji.co.jp[] 投稿日:2011/08/10(水) 19:48:41.93 0
希望どおり韓流ネタが壊滅したとして
その後釜に中国ドラマや台湾ドラマが放送されたら?
台湾推しや中国推し、なんてことになったら同じ反応するのか?

460 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/08/10(水) 22:18:25.99 0

fw.bsfuji.co.jp: [ドメイン情報]
a. [ドメイン名] BSFUJI.CO.JP
e. [そしきめい] かぶしきがいしゃ びーえすふじ
f. [組織名] 株式会社ビーエスフジ
g. [Organization] BS FUJI,INC.
k. [組織種別] 株式会社
l. [Organization Type] Company
m. [登録担当者] YT1363JP
n. [技術連絡担当者] SM062JP
p. [ネームサーバ] dns-b.iij.ad.jp
p. [ネームサーバ] dns-c.iij.ad.jp

※狼板は名前欄に何も入力しない時の名無しがfusianasanに設定されています
※専ブラ以外でこのシステムを知らずに書き込むとfusianasanに掛かります

要するに高岡氏に関連するスレッドでうっかり反フジテレビ批判っぽい書き込みをしたところが、板の設定から見事fusianasanトラップに引っかかってフジ関係者であることが暴露されてしまったということなんですが、今や同書き込みをした中の人の検索歴などまで暴露される騒ぎになっているようですね。
2chの中でも非常に過疎な板での書き込みというのが本当っぽいという意見もある一方で、今どきfusianasanトラップに引っかかるというのもどうも釣りくさいという声もあるようですが、仮に板の設定を知っていた上で敢えて書き込んだなんてことがあるのだとすれば、あるいは先日も紹介しましたような同局内部で戦っている人による燃料投下か?とも思えてくるのは考えすぎでしょうか。
いずれにしてもネット工作員の存在自体は今回に限らず過去に何度も問題になってきたことで、しかも彼らが発見して駆逐されると直後から「ネトウヨ」という書き込みが消えるということが今までにも報告されてきたわけですが、今回の場合も全く同じ現象が報告されているようです。

13 名前:名無しさん@涙目です。(三重県)[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 05:57:47.29 ID:4N/Jl4UZ0 [1/2]

>>1の狼のスレを「ネトウヨ」で抽出すると、
フジのリホモバレする460までは111回もネトウヨ連呼レスがあるのに
460以降はぴたっと止まって1000まで一切なくなってるのなww

【レス抽出】
対象スレ:高岡土下座
http://hato.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1312960220/
キーワード:ネトウヨ
抽出レス数:111

452 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/08/10(水) 20:53:44.38 0 ←これが最後

ネトウヨ読んでおけよw
たぶん発狂すると思うけどw

505 名前:名無しさん@涙目です。(兵庫県)[] 投稿日:2011/08/11(木) 06:58:58.66 ID:BXt1i6Sr0 [1/2]

>>13
ネトウヨ連呼厨=ブジ社員
ってこと?

58 名前:名無しさん@涙目です。(千葉県)[] 投稿日:2011/08/11(木) 06:04:20.18 ID:CdCfft/j0 [2/12]

しかし本当にネトウヨ連呼が工作員の仕業だったとはw

フジの対策会議でネトウヨと書き込みましょう!って議論してるのは笑える

ここまでバレてしまうとさすがにしばらくは工作もやりにくいんだろうなとは思うのですが、しかしすぐにまた懲りずに再開するというのは彼らにしても業務としてやっているという哀しい事情があってのことなんでしょうね。
ま、フジテレビに限らず彼らマスコミに都合の悪い存在はネトウヨだ、右翼だと言うレッテル張りをしておこうという発想があからさま過ぎるという話なんですが、どうもマスコミの方々はネットの影響力など大したことはないと矮小化したがる一方で、何か実社会に問題が起きればそれはネトウヨのせいだと断定するように、都合良くダブスタを平気で使いこなす姿勢が身についていらっしゃるようですね。
当のフジテレビ内部でも「人気があるものを取り上げるのに何が問題?」と現状に何ら無批判なままで流されている人もいれば、「長い目で見ればテレビ離れが加速するのでは」と疑問を感じている人もいるようですが、結局のところは自前でまともなコンテンツを作り上げる能力を喪失してしまっていることがそもそもの発端となっていることだけは間違いなさそうで、他人が悪いと叫ぶ前にまずやることはあるだろうと言うことです。
今回の一連の騒動が結果としてフジテレビの改善につながり、素晴らしい番組が相次いで放送されるようになれば、暑い中わざわざデモに参加した人々にとってもこれ以上の幸せはないはずですが、ネトウヨ認定に忙しいフジテレビの中の人がそれに気付く日は来るのでしょうか。

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2011年8月11日 (木)

今度は歯科医の話ですが

先日は新司法試験導入の余波で弁護士業界が大変なことになっているということを紹介しましたが、その折にもご紹介いただきましたようにいよいよ過剰と言われる法科大学院の統合も行われそうな勢いです。
弁護士をもっと増やせと養成システムまで変えたと言うのにわずか数年で頓挫するとはどんな甘い予測なのかという話ですが、学生が集まらず大赤字は出るわ合格者は出ず授業料詐欺と言われかねないわでは、さすがにこれは無理だと判断されるのも当然ですよね。
さて、こちらもひと頃から増えすぎて困っていると言われるのが同じ国家資格である歯科医で、近年供給過剰から市場が崩壊しつつあるのみならず、歯学部などはどこも大変で統廃合が検討されているというのですから全く同じ構図と言えるのは単なる偶然でしょうか?

受験生離れ、国試不振…歯学部統廃合論も- 歯学部サバイバル時代(上)(2011年8月8日CBニュース)

 歯科医の供給過剰が叫ばれる中、受験生の歯学部離れが深刻化している。中には入学者の数が定員の半分を割り込むケースもあり、大学側は歯科医を志す優秀な学生を一人でも多く獲得しようと躍起だ。歯学部は、文字通りの「サバイバル時代」を迎えている。(木下奈緒美、兼松昭夫)

 文部科学省によると、国公立、私立を合わせた全国29歯学部の今年度の入学定員は計2459人だが、入学したのは2158人(87.8%)。11の歯学部で定員割れとなった。
 特に、私立大の苦戦ぶりは深刻だ。全国に17ある歯学部のうち、今年度は10大学(58.8%)で入学者が定員を割り込んだ。定員に対する充足率は、最低の奥羽大歯学部で25%と2割台になった。また、競争率が2倍未満の歯学部は14校(82.4%)で、松本歯科大では受験者81人全員が合格した。

 歯学部全体の受験者数は、2008年度の1万359人から翌09年度は7122人に激減。10年度も6472人に減少したが、今年度は6805人と微増した。「下げ止まり」との楽観的な見方もあるが、これまでの減少幅を考慮すれば改善したとは言いにくい。

 受験生による歯学部離れの背景には、歯科医の過剰供給問題があるとされる。
 1960-70年代の学部増設などに伴い、歯科医の養成数は急激に増加。厚生労働省によると、歯科医院数も2009年には6万8097軒で、1984年からの25年間でほぼ6割増えた。一方で、医療費全体に占める歯科医療費の割合は、62年度は12.4%だったが、08年度には7.4%にまで下がった。

 大学関係者らは、このほかにも、▽歯科医の「ワーキングプア」などの報道▽経済状況の悪化▽医学部の定員増―などが、受験生の歯学部離れに拍車を掛けているとみている。
 「今や歯学部を受ければ合格する状況。学生の質低下が避けられない」―。そんな嘆きの声すら出始めている。

 学生不足に喘ぐ中、歯科医師国家試験(国試)の結果が振るわずに苦悩する大学もある。文科省によると、今年の新卒者の国試合格率は、全体で81.8%だった。これに対し最低の岩手医科大歯学部は64.8%で、最高の広島大(100%)との間には、35.2ポイントの格差がある。

 優秀な学生を集められずに国試の合格率が低迷し、それが受験生のさらなる歯学部離れを促しているとの見方もある。

■民主・川口氏「統廃合視野の歯学部再編は不可避」

 こうした中で、文科省も対応に乗り出している。
 同省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」は09年1月、優秀な入学者を確保するため、国家試験の合格率が低い大学などの入学定員の見直しを提言。その後、各大学の取り組みをフォローアップし、「現状の教育課程に改善が必要な歯科大・歯学部も散見された」と指摘した。
 具体的には、▽十分な臨床能力を身に付けることができていない▽留年者数や国家試験合格率の状況改善に結び付いていない▽競争倍率が限りなく1倍に近づくなど入学者選抜が機能していない―などの課題を挙げている。

 同省では引き続きフォローアップを実施するが、今年5月25日に開かれた会合では、「(大学側の)自主的な改善に任せていいのか」「根本的な改善策を考える必要がある」など、委員から厳しい意見が上がった。これに対し同省の新木一弘・医学教育課長(当時)は、「改善がない場合にどういうアクションを取れるのか、法的なことも含めて検討したい」と応じた。
(略)

「やれること何でも」学生獲得あの手この手-歯学部サバイバル時代(下)(2011年8月9日CBニュース)

 受験生の歯学部離れに歯止めを掛けようと、大学側のサバイバル戦略が本格化している。

 「やれることはすべて、何でもやろうという感じだ」―。鶴見大歯学部の黒井和男事務部長は自嘲気味に話す。
 同大の歯学部では今年度の募集人員128人に対し、97人が入学した。来年度は募集人員を115人に減らす方針だ。背景には、受験生の減少と文部科学省からの要請がある。
 同大歯学部では、2008年度は622人だった受験者数が翌09年度には半数以下の263人に急減。さらに10年度には160人となり、小林馨歯学部長は「抜本的に考え方を変えなければならないと感じた」という。

 学生獲得策として、今年度の入試から初年度学納金を200万円程度減額。AO入試やセンター試験利用入試などを導入したほか、受験生向けの学部紹介ビデオを製作し、今夏からインターネット上で公開し始めた。また、多くの症例を学生にみせるため、土曜日にも病院での診療を行い、来院する患者に学生診療への参加協力を求めるなど、教育の充実に取り組んでいる。
 学費の減額に取り組む歯学部は多いが、設備の維持や教員の確保、病院への投資などにはどうしてもコストが掛かる。黒井事務部長は「コスト戦略で他大学に対抗すると、本来の学部の在り方が損なわれる。教育の質の維持・充実で差別化を図りたい」と話す。
(略)

 3年前から定員割れしている日大松戸歯学部では、今年度も受験者数が減少し、08年度(476人)と比べると約3分の1の157人だった。うち合格者は149人で、競争倍率は1.05倍。近年の選抜機能の低下により、授業についていけない学生も出てきているという。
 しかし、山本浩嗣教授は「(在学中に)学生がどれだけ伸びるかが大事だ」と強調する。同大が昨年創設した「教育・学習総合センター」では、学習面だけでなく、生活面も含めた学生の状況を把握し、サポートする体制を取っている。また、卒業した学生の国試対策などのフォローアップにも力を入れている。
 学生獲得に向けては、来年度の入学生から6年間の学費を計360万円削減受験科目を3科目から2科目に変更するほか、試験の会場・種類の増加なども実施する。

■大学側「定員割れ続けば歯科医不足に」

 新たな入試制度の検討、学費の減額、教育の充実による差別化、学生のサポート…。多額の費用と労力を掛けて学生獲得に取り組む大学関係者は、統廃合を含む歯学部の再編をどうとらえているのか―

 鶴見大の小林歯学部長は、「歯科医養成の全体的なグランドデザインなしに議論しても現実的ではない」と指摘する。過剰といわれる歯科医だが、大学側への求人は減少しておらず、むしろ「今の定員割れの状況が長く続けば、10年もたたずに若い歯科医人口が不足する」という危機感を持っている

 日大松戸歯学部の山本教授も、疾病構造の変化に対応するため、歯科医の需要は増すと見る。一方で、「現状を維持する必要はなく、環境に適応できた大学が残るべきだ。自助努力をしなければ淘汰(とうた)されていくと思う」と指摘。ただ、「政府主導型で(統廃合)という時期ではない」との認識だ。

 大学関係者らが期待するのは、少子・高齢社会での新たなニーズの開拓。歯科医療には今後、患者の全身状態を考える総合的な診療や、訪問診療、高齢者へのきめ細かいケアなどが求められる。これらを新たな歯科医のやりがい、魅力として積極的にアピールし、優秀な学生の獲得を目指す。
(略)

ま、学生の学力低下云々などというのはどこかで聞いたような話でもあるわけですが、国試合格はおろか大学での勉強にもついてこれないレベルの学生で数だけを揃えたところでどうするのかという話で、実際に国試合格率も低迷している学部ほど学生からも見放されているわけですから、どう見ても定員が過剰であるというしかなさそうです。
そしてこうした底辺私大としては学部定員減は収入源から直ちに経営危機に結びつくわけですから、過剰だ過剰だと言われてもおいそれと定員を削るわけにもいかないところで、こうなるとそもそも国が音頭を取って歯学部増設を進めてきた当初の政策が正しかったのかという話にもなりそうですよね。
さすがに司法試験並みとはいかないまでも歯科においても国試難易度引き上げによって過剰問題に対処しようとしているらしく、合格基準の引き上げが発表された平成18年からの国試合格率は以前からすると考えられないような数字が続いていますが、実際には必要数から計算すると合格率50%程度で良いという意見もあるようですから、今後さらに一段と厳しい基準が採用されるかも知れません。

おもしろいのは現場で地道に臨床をしていらっしゃる開業の歯科医の先生方が青息吐息で収入も下がるばかり、このままではやっていけないから定員を減らしてくれ!と怨嗟の声すら上がっていると言うのに、記事にもあるように大学の偉い先生方は「いやそんなことはない!歯科への需要はまだまだあるはずだ!」と全く危機感の欠片もないようなコメントばかりを出していることですよね。
記事にも登場している日大の山本教授などは「歯科医は儲からなくなったなんて報道するから学生が集まらないじゃないか!」なんて逆ギレしているそうですけれども、確かに大学で年俸幾らで雇われているような先生方にとっては危機感が薄いどころか、元々開業志向が強くて手駒が少ないだろう歯科講座にとっては安く使い倒せる手駒を揃える格好のチャンスであると言う考えもあるのでしょう。
このあたりは大病院の管理職におさまっていながら講演とツィッターばかりしているらしい(笑)某大先生などを筆頭に、際限なく増えた医者を安く大量に抱え込めるようになれば大いにメリットがある方々が口を揃えて「メディカルスクールをさっさと作って医者を大量に養成せよ!」なんてことを主張していらっしゃるのと同様の構図が垣間見えて、非常に興味深いものがありますよね。

歯科医の世界でも弁護士と同様、すでに地域の顧客をがっちり抑えているベテランの先生方はまだしも深刻なことにはなっていないという話で、歯科医余りでワープアだと泣くような目に遭っているのはやはり新規開業の若手の先生に多いようなんですが、当然ながらこうした方々は歯科医のヒエラルキーの中でさしたる発言力も持ち合わせていないだろうと推測されます。
歯科保険医協会なども「自助努力を超えている。何らかの法的な対応を取らないと、歯科医療は崩壊してしまう」などと国会議員に働きかけ始めたようですが、自助努力を超え法的な対応が必要であるというのは要するに現場のそうした危機感を裏腹に、大学界隈でたむろっている先生方には全くその気がないという現状をオブラートに包んだ表現とも言えそうですよね。
そして医師の場合は近年ようやく権利意識に目覚めた医者達があまりにもひどすぎる職場からは逃散するという労働者としての当然の権利を行使し始め、それが医療崩壊などと呼ばれる社会現象ともなった結果ずっと据え置きだった勤務医の給与が最近ようやく上がり始めたなんて話もありますが、文字通り「嫌なら辞めろ。代わりは幾らでもいる」状態になっってしまった歯科医にはもはやそんな交渉の道すら閉ざされてしまっているわけです。
「仲間が増えれば仕事も楽になるよ~?」なんて一時の甘いささやきにうっかり乗ってしまうとどんな運命が待ち受けているか、弁護士や歯科医の例を見れば誰でも判りそうな話だろうということですが、こうすればいいよと大きな声で主張している人々の言葉に耳を傾けるに当たっては、それが誰にとってどんなふうに良いのかということも念頭においておかなければならないと言うことでしょうか。

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2011年8月10日 (水)

福山てんかん事故は禁錮1年だそうです

本年5月10日に広島県は福山市内で集団登校中の小学生の列に車が突っ込み、4人が重軽傷を負うという悲惨な事故がありましたが、ちょうど栃木でやはり小学生の列にクレーン車が突っ込むという悲惨な事故のあった直後で、しかも双方とも運転していたのがてんかん患者であったということから大いに話題になりました。
栃木の方では過去にも同様の事故歴があるにも関わらず薬の内服を怠り、しかも前日深夜まで交流サイトでチャットをしていたことなどから「いくらなんでもひどすぎる」と社会的批判も相当なものでしたが、福山の事件においても発作が続き医師にも運転を止められていたにも関わらず、免許更新の際にもてんかんの持病を隠すという違法行為まで行って運転を続けていたということで、相応に厳しい司法判断が下されたようです。

広島・4児童負傷事故で禁錮1年 「発作予想できた」(2011年8月8日朝日新聞)

 広島県福山市で5月、軽乗用車を運転中にてんかんの発作で意識を失い、登校中の児童4人をはねて重軽傷を負わせたとして、自動車運転過失傷害罪に問われたアルバイト警備員村田真樹被告(38)=同市沼隈町下山南=の判決公判が8日、広島地裁福山支部であった。森脇淳一裁判官は「発作により人を死傷させる可能性を認識しながら運転を継続した過失は大きい」として、禁錮1年(求刑禁錮1年2カ月)を言い渡した。

 判決によると、村田被告は5月10日午前7時45分ごろ、医師から止められていたのに軽乗用車を運転し、てんかんの発作で意識を失って小学生4人をはねた。

 森脇裁判官は「自宅は公共交通機関の便が悪く、自動車を運転できない不便さは相当のものがあるが、無自覚で安易な姿勢は厳しい批判に値する」と指摘した。

てんかん事故禁錮1年 地裁福山支部判決(2011年8月8日山陽新聞)

 車を運転中に持病のてんかん発作を起こし、登校中の小学生4人に重軽傷を負わせたとして、自動車運転過失傷害罪に問われた福山市沼隈町下山南、アルバイト警備員村田真樹被告(38)の判決公判で、広島地裁福山支部は8日、禁錮1年(求刑禁錮1年2月)を言い渡した。

 判決理由で、森脇淳一裁判官は「過去にてんかん2 件発作による事故を起こした経験がある上、医師から運転をしないように指導されていた」と指摘。「免許がないと通勤が不便になるため、更新の際も意識喪失の事実をふせていた事故は偶発的ではなく、無自覚で安易な姿勢は厳しい非難に値する」と述べた。

 争点となった事故の予見性については「処方された抗てんかん2 件薬を服用していても、1年から1年半の割合で発作が起きていた」と言及し、執行猶予付き判決を求めた弁護側の「予見できた可能性は低い」という主張を退けた。

 判決などによると、村田被告は5月10日午前7時45分ごろ、福山市藤江町の県道を軽乗用車で通勤中、発作で意識を失い、児童10人の列に突っ込み4人を負傷させた。

てんかん無自覚、運転38歳に禁錮1年 4児童重軽傷事故(2011年8月8日産経新聞)

 運転中にてんかん発作が原因の事故を起こし、小学生4人に重軽傷を負わせたとして自動車運転過失傷害の罪に問われたアルバイト警備員の村田真樹被告(38)に広島地裁福山支部は8日、禁錮1年(求刑禁錮1年2月)の判決を言い渡した。

 判決理由で森脇淳一裁判官は「てんかん発作で事故を起こす可能性を認識しながら運転を継続した」と指摘。「事故は偶発的ではなく、無自覚で安易な姿勢は厳しい非難に値する」と述べた。弁護側は執行猶予付き判決を求めていたが「過去の事故の記憶を失っている上、公判で供述を変更する態度は心から反省しているとは認めがたい」として退けた。

 判決によると、村田被告はてんかんの持病があり、医師から車の運転を控えるよう指導されていながら軽乗用車を運転。5月10日朝、広島県福山市の県道で発作を起こし、登校中の小学生の列に突っ込み、4人に重軽傷を負わせた。

禁錮1年という量刑が重いのか軽いのかですが、ざっと調べた範囲では昨年栃木で同様に小学生の列に突っ込んで5人に重軽傷を負わせたという事故の場合、同じく事故後に別な追突事故まで起こしているという問題ある状況に対して禁固2年・執行猶予5年という判決だったと言いますから、執行猶予がついていないことを考えるとこんなものなのかとも思えます(しかしこの栃木の事故も怪しいですよねえ…)。
てんかん患者の起こした事故については未だ司法判断も一定していないようで、心神喪失で無罪となったものもあれば実刑が出ているものもあるようですが、医師から運転を止められていたとか薬の内服を怠っていた、あるいは発作を繰り返していたにも関わらず運転を続けていたといった場合にはおおむね相場相応の有罪判決が出ているという捉え方でよいのでしょうか。
要するに運転中止義務を課せる程度に運転中に発作を起こすことへの予見性があったかどうかがポイントなんだと思いますが、この予見性というのも実際の運用を考えるとなかなか面倒なところがあって、ネットで見かけたこんな書き込みには思わず「う~む…」とうなってしまいました。 

発作を伴う病気を持つ者に免許を持たせない、奪うことを徹底しなかったドライバー社会が悲劇を生んだ!
ドライバーらの腐った性根を警察への積極的な通報、役所や議員に自動車の規制取り締まり強化で叩き直していこう。

・法定速度、制限速度以下で正しく走らない暴走ドライバー = あらゆる重大死亡事故の元凶 一秒でも早い免許剥奪を
・3秒前ウィンカー守れないクズ = 二輪巻き込み事故の元凶
・駐車場所守らないクズ = 違法駐車や路上駐車は反社会的行為であり、れっきした犯罪行為、重大死亡事故の元凶でもああります
・信号のない横断歩道で人が渡ろうとしているのに停止しないクズ = 横断歩道は歩行者絶対優先です
・交差点等の右左折で徐行や停止もせず、歩行者や自転車に異常接近するクズ = 交差点は事故多発危険エリア 最大限に慎重かつ安全、交通弱者に威嚇や恐怖を与えない運転を
・側方間隔1.5メートル以上空けないスレスレ追い抜き、幅寄せするクズ = 側方間隔1.5メートルは教習所でも習う基本事項。それ以下の間隔で抜けない場合は抜かないよう心がけよう。危険運転に該当する反社会的行為です。
・「警笛鳴らせ」の標識がある場所以外でのクラクション使用するクズ = 犯罪行為 http://nemonemo.nobody.jp/dourokoutuuhou.html 
・制限速度以下で道交法を守り正しく安全運転をする善良なドライバーに対して「法律にしがみつき自分勝手」「トロトロ運転」と暴言を吐き煽り運転するクズ 
 = (車間距離不保持という重大死亡事故の元凶である犯罪行為であり殺人未遂行為
・駐車場内や学校の敷地内ですら徐行しないクズ = 子供が大勢殺傷されています。そして加害者ではなく遺族や子供を誹謗中傷するのも恥ずべき日本の歪んだドライバー文化です。

自動車は悪魔的な殺傷力を有する凶器 自動車の運転は徹底的に控えることが善良な市民の努めです
善良で理性のある市民ほど、自動車を運転せず、自転車や公共交通機関を活用しています。

上記のような素人が目で見て判る危険行為ならまだしもですが、てんかんでは患者も取り締まる側も病気自体には素人ですから、最終的にどの程度予見性があったかどうかも医者の判断ということになるのでしょうが、例えば低血糖発作を起こした糖尿病患者に運転禁止を申し渡すかと言えば、おそらくほとんどの医者が(患者側から可否を聞かれた場合は別として)積極的にそこまでは言及していないんじゃないかと思います。
てんかんの有病率は0.8%、そのうち車に乗っている人がどれくらいになるのかは判りませんが、およそ急な意識障害を来しそうな疾患の中では決して多数派と言うほどではなさそうなだけに、こちらばかりを突き詰めて厳しく対応するほど他の疾患は放置しておいていいのか?という話になってきそうですよね。
何よりこういう判決が出て社会的にもてんかんが注目されるようになってくると、今度はコントロール良好な患者がたまたま何か起こした時でも担当医の方が「なぜ運転を止めなかった!?」と(まさしく「いわき病院事件」のように!?)責任を問われかねず、これまたJBM的にはてんかん加療歴のある患者には一律運転禁止を申し渡すべきということにもなりかねません。

相次ぐてんかん患者の事故を受けてか、客観的な証拠として免許取得・更新時に脳波なりをチェックするようにするべきだという意見も少なからず見られるようですが、通常の状態では脳波異常が出る確率はあまり高くないこともあって司法での取り扱いも脳波異常が無くともてんかんと認定したり、あるいは脳波異常がないからてんかんではないと認定したりと、今ひとつ曖昧な部分があるようです。
何より正確な診断のためには睡眠時と覚醒時両方の脳波を記録(完全脳波記録)することが必要だと言いますが、当然ながらこれは記録するのにも非常に長い時間が必要となるのは誰でも判る話で、しかも毎年毎年新規取得あるいは更新に訪れる膨大な免許取得者の数を考えると、コストや手間は間違って何とかなったとしても所見を見て異常の有る無しを判断する医者が到底足りそうにはありませんよね。
普通にちょっとあり得ないような事故を起こした場合には漏れなく脳波をチェックせよなんて声もありますが、それではチェックするのはてんかんだけで良いのか、てんかん患者ばかりを特別扱いして厳しく規制することに社会的正義は認められるのかという話になってきて、これは非常に面倒な問題になってきそうだなと思えます。
いずれにしてもてんかんに限らず対策を考える上で事故発生率などの基礎的データは必要になるわけですから、当面全数とは言わずともサンプリング調査であっても基礎疾患と事故率について何かしらの客観的な調査は行ってみるべきなのかとも思うのですが、あまり例のない調査だけにやってみると思いがけないような意外な結果が出てくることもありますかねえ…

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2011年8月 9日 (火)

フジテレビ問題 余計な脱線はよろしくないです

先日の話題から引き続いて今日もフジテレビ関連の話題をやってみようかと思いますが、騒ぎが大きくなる一方なのに反比例するかのようにメディアの扱いが小さくなるばかりというのもおもしろいですよね。
さて、8月8日という日は末広がりが二つ重なって縁起がよいせいか、いろいろな記念日が重なっているようなんですが、今年はなんでも「8月8日はみんなでフジテレビを見ないことにしよう」というフジテレビの日なんだそうです。
この日を前にして同7日に行われる予定だった反フジテレビデモは結局警察の許可が降りず、有志による「散歩」という形で行われたようですが、当然ながら国内メディアにおいてはあまり報道されるところとはなりませんでした。
一方で韓国、中国などがこうした話題に飛びついてくる事情はある程度想像はつくのですが、おもしろいことに国内メディアより状況を冷静に整理出来ているようにも見えるところもあり、近隣諸外国での反応も引用しつつ紹介してみましょう。

お台場騒然、「韓流やめろ」コール フジ批判デモに多数参加(2011年8月7日J-CASTニュース)

    「少女時代……KARA?フジテレビがどうしたの?」
    「これ何……デモ?」

   2011年8月7日の昼すぎ。日曜日とあって子ども連れやカップルでにぎわう東京・お台場のフジテレビ周辺に突然、プラカードや日の丸を掲げた集団が現われ、騒然となった。彼らは、2ちゃんねるやツイッターなどの呼びかけを通じて集まった人々で、フジテレビの韓流偏重に抗議するのが目的だ。主催者発表によると、参加者は2500人。フジテレビの周囲で響く「韓流やめろ」の叫びは約1時間に渡って続いた。

中学生、子ども連れ、カップルの参加者も

    「韓国の手から、フジテレビを取り戻すために我々は集まったのです!」

   呼びかけ人の男性が、集合場所のお台場・潮風公園で叫ぶと、参加者から一斉に拍手が上がった。

   今回のデモは、高岡蒼甫さんのフジテレビ・韓流批判をめぐる騒動のさなか、7月末に2ちゃんねるで呼びかけられた。しかしデモの許可が警察から下りなかったこともあり、呼びかけ内容は二転三転。一時は完全中止、という情報も流れ、ネット上では、

    「結局毎度毎度の口だけか」

といった揶揄(やゆ)する声も少なくなかった。

   ところが、集合時間の午後2時には、「反韓流」「反フジ」のプラカードや日の丸を携えた参加者たちが続々と集まってきて、あたりは異様な雰囲気に包まれる。参加者の中には中学生くらいの少年や幼い子どもを連れた母親、カップルの姿もあった。

   主催者は、この日はあくまで今月21日のデモに向けたミーティングだとし、解散を宣言したが、一部参加者の呼びかけで、「散歩」と称した事実上の無許可デモが発生。「ノーモア韓流」などと叫びながら、フジテレビ周囲をおよそ1時間あまりにわたって練り歩いた。

ニコ生・ユーストでは10万人以上が試聴

   行列に加わっていた女性は、フジの韓流偏重に「不快感」を感じていたと話し、

    「SNSを通じて巻き起こった、エジプトの革命のようなことが日本でも起これば面白いなって」

と参加に踏み切ったきっかけを語った。

   また日の丸を掲げた男性は、

    「こうしたマスコミを直接攻撃するデモは画期的。政治家や外国を批難するデモよりも反響は大きいのでは」

と主張した。

   突然始まったデモ行進に、その場に居合わせた女性はネット上での「フジ・韓流批判」について「全く知らなかった」と困惑を隠せない。また、デモ参加者の中には「韓流フジ潰れろ」「朝鮮人は半島に帰れ」などと過激な叫びを上げる人もいたが、それを見た子どもの「あれなあに」という質問に困った顔を浮かべる親の姿も見られた。

   デモ行進は3時過ぎ、再び潮風公園に集まり、「君が代」を合唱して解散した。デモの様子は「ニコニコ生放送」や「ユーストリーム」といった動画サイトでも生中継され、合わせて10万人を超える視聴者があった。

フジテレビの抗議デモ参加者2000人もメディアは冷静(2011年8月7日秒刊サンデー)

本日お台場フジテレビ本社前で大規模な抗議デモが行われた。抗議内容は以前からネットで問題となっている、フジテレビの過剰な韓国寄りの姿勢だ。高岡蒼甫から端を発したフジテレビ批判は、スポンサーの不買運動にとどまらず、株価の下落そして本日の抗議デモへと発展、今後どのような動きを見せるのかは分からないが、本件を取り扱ったのは一部のメディアのみだった。

抗議デモは、Ustreamやニコニコ動画といったメディアでストリーミング配信され、同時にTwitter等への写真の投稿等が行われた。

それら統計によるとデモは2000人を超え(正確な数値は不明)、ストリーミング配信の視聴者数は20万人にも及ぶという。参加者の全てがあらかじめネットで情報を仕入れた者かどうかは分からないが、この騒動に夏休みのお台場は多くの人々が騒然となった。

しかし本件に関して大手メディアは非常に冷静。取り扱っている企業はJ-CASTなどごく一部にとどまり、他のメディアは様子を伺っているようにも思える。

だが一つ懸念事項がある。デモ自体は実施されたが、Twitter等の書き込みによるとデモの許可が下りていないなどの情報も発覚しており、今後更に発展していくのかそれとも終息していくのかが見えない状況だ。いずれにせよネットでは本件の話題に持ちきりになっており2ちゃんねるなどの大手掲示板の書き込みも衰えを知らない

これら情報に詳しい人物によると、『彼らは単にフジテレビが嫌いなだけ。批判材料さえ揃えばいつでもデモは行われる』ということだ。大手メディアからすれば、毎度いつものことなのかもしれないし、『触らぬ神に祟りなし』という言葉があるように、怒りの矛先が自分たちに向かってくるのではないかという不安もあるのかもしれない。

フジテレビ「不視聴運動」拡散、全国ニュースで報道―中国(2011年8月8日サーチナ)

中国中央ラジオ局のニュース番組が、日本のネット上で「フジテレビ不視聴運動」が盛り上がっていることを報じた。中国広播網が伝えた。

  中国中央ラジオ局は7日のニュース番組「全国新聞聨播」上で、「韓流番組を過剰に放送している」としてフジテレビに反感を持つネットユーザーたちが、8月8日の「フジテレビの日」に同局の番組を視聴しないとする運動を起こし、急速に広まっていると伝えた。

  「不視聴運動」は「国民的スター」宮崎あおいの夫、高岡蒼甫の発言がきっかけであったとし、ほかにも同局のスポーツニュース番組で「韓日戦」との表現を用いていたことも原因の1つであるとした。同局が韓流番組を「寵愛」する理由については、「株主であるスポンサーが韓流に関わっているうえ、韓流番組は本土の番組より低価格なため、低コストで高い収入が期待できる」との分析を紹介した。

  「全国新聞聯播」は1951年に放送開始した、中央ラジオ局の看板ニュース番組の1つ。(編集担当:柳川俊之)

日本メディアの「韓流偏重」は韓国人にとっても不自然=中国(2011年8月8日サーチナ)

  俳優の高岡蒼甫による韓流偏重批判が大きなうねりとなっている。7日、フジテレビがあるお台場では韓流偏重に対する抗議デモが行われ、主催者発表によればデモには2500人が参加した。ネット上を中心に展開される韓流偏重批判は中国、韓国でも注目を集めた

  中国メディアの新浪娯楽は、韓国メディアの報道を引用し、「日本のネットユーザーの多くは高岡蒼甫に賛同している」と報道、「日本のテレビ局で韓国の番組ばかりが放映されることには確かに問題がある。まずは自国の番組を第一に考えるべきと主張している」と紹介した。

  一方、記事によれば韓国のネットユーザーからも、「日本の芸能人が韓国ばかりで活動していたら反感を覚える」、「メディアが過度に韓流を売ろうとする姿勢は、見ていて不愉快になる」、「韓国を批判したわけじゃなく韓流が嫌なだけ。こういう意見があるのは当然」などといった声があがっているという。

  新浪娯楽は、「日韓両国のインターネット上では高岡蒼甫を支持する意見が多く、韓流偏重批判に反対する声はわずか2割程度だ」と指摘し、日本メディアの韓流偏重は、韓国人にとっても不自然に感じられるようだと報じた。(編集担当:及川源十郎)

驚くのはこの状況で当の韓国国内でも「それってやっぱり何かおかしくない?」という声があがってきていることなのですが、その理由の一つとして韓国内で芸能人が少しでも有名になってくると、あるいは有名になる以前の売り出し中の段階からでも片っ端から日本に「青田買い」されているという現状があるようです。
一部報道などでご存知のように韓国での芸能活動は「奴隷契約」などとも呼ばれているようで、それなりに名の知れた人々でもごく低収入に甘んじているところに「高額の収入と最高の活動を保障!」なんて声をかけられれば、それは韓国内での仕事など放り出してでも日本に飛んでいこうかという話になりますよね。
お目当てを奪われた韓国内のファンにとっても問題ですが、日本国内においても作為的な韓流で本来のチャンスを奪われることになった芸能人のファンにとってはとんでもない話で、「俺は○○ちゃんが見たかったのに何故外国人ばかりなんだ!」と歯がみしている人も少なくないんじゃないかと思いますし、それが実際の顧客の声を無視して意図的につくり出された状況だとすればこれは差別と呼んでもよい話ですよね。
これが例えばアメリカなどで白人歌手ばかりを取り上げて黒人歌手は一切スルーする、そして「世の中ホワイトがブームなんだぜ」なんて煽るようなテレビ局があれば「それはおかしいじゃないか」と誰しも考えるでしょうが、本質的に今回のフジテレビ問題も同種の批判にさらされるべき話かなという気がします。
ところが抗議活動も今ひとつ混乱しているところがあって、本来であれば国籍や出身を問わず平等にチャンスが与えられるべきところを会社ぐるみで偏った扱いが行われている現状に抗議すべきなのでしょうが、そこに単なる「嫌韓」の人達も乱入してきて意味不明なことになっている、そしてマスコミも(恐らく意図的に)彼らは単なる過激な民族差別主義者であるかのような扱いをしているというのは困ったことですよね。

ま、デモの方は今後さらに「本番」が控えていて今回は単なる予行演習だということですから、今後の成り行きを引き続き見守りたいと思いますが、いずれにしても今回の騒動を通じて「フジテレビ=韓流」という図式が広く滲透したということは、当事者自身が「フジテレビは韓流だけじゃない」などと自虐?ネタとして取り上げ、周囲も即座に理解できるという状況からも確実であるようです。
業界の中の人からも「もうそろそろブームも下火」などという冷めた見方も出てきているようですから、このまま放置しておいてもブームそのものが(実際存在していたとして)自然消滅する可能性も高そうですが、視聴率が低迷しスポンサー離れしかねない状況になってもなお韓流プッシュを続けるのかがフジテレビに対する踏絵とはなりそうですよね。
ただそれが待てないという人達が今盛んにしかけているのがスポンサーに対する攻勢であって、本当に何故そうなったのかは判らないのですが不思議と今回は花王という会社がほぼ単独でターゲットになっているらしいというのは、そもそもの発端となった高岡氏のみならずあちらからこちらからも「何故フジテレビ批判から花王に行く?」と疑問符だらけの声が出ているようです。

実際の売り上げにどの程度影響しているのかははっきりしないにしても、こういう状況を見ると便乗して競合他社の陰謀でも働いているのか?とも思える話ですけれども、どうもネット上での炎上ぶりなどから推察する限り、花王と言う会社は今の時代にあって珍しくネットリテラシーが低かったということなのか、電凸などにもひどくナイーブな対応をしてしまったことがますます火に油を注ぐ結果になっているようですね。
企業においては前世紀末頃からクレーマーと呼ばれる人々の対応が大きく取り上げられるようになってきて、個別の相手に対する対策はどこもかなり進んできましたけれども、電凸というものは一人の背後に数千数万のネット参加者がじっと見守っているというイメージを持たずに同じようなつもりで対応していたのでは、それはあっという間に大炎上もするだろうなという気がします。
花王にとって今回のことは痛い教訓を得るための思わぬ高い授業料になったということかも知れませんが、何気ないクレームに対する自分達の対応が逐一ネット上で中継されている、そしてそれを元ネタに波状攻撃が来るという今の時代のクレームの怖さを、今回の件で改めて思い知ったという企業も少なからずいるのではないでしょうか?

そして一番思い知るべきなのは当然ながらフジテレビそのものであるはずなんですが、騒動には基本的にスルーを決め込んでいるようでも世間は正直ということなのか、じりじりと株価が下がってきていることがそろそろ市場でも注目されるようになってくるかも知れません(もっとも、今回の騒動が原因なのか長引く業績低迷が原因なのかはっきりとはしませんが)。
加えて興味深いのは先日も韓流利権を持つフジテレビが韓流プッシュを続けるのは放送法第51条の2(広告放送の識別のための措置)違反ではないかと総務省に電凸した人がいるのですが、それに対して総務省側はその可能性があると認めつつも、政権交代以降「放送局、BPO等自分たちで対処するので総務省から意見を言ってはいけないっていう取り決めが出来た」ので関与出来ないという驚くべき回答をしたと言うのですね。
本当にそんな取り決めが知らない間に出来ていたのだとすれば、現状ですら他者に律されることもないまま暴走を続けてきたマスコミの強大な権限を、政府の方でも公式に認めたようなものだとも言えそうですが、実際にそんな事実が存在するのであればこれまた大問題にも発展するかも知れません。

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2011年8月 8日 (月)

今日は弁護士業界の話です

先日は大卒者の2割、実に10万人超が進路が決まらず、しかも留年者や大学院進学者を除くと就職率は6割であったと言う記事が出ていました。
今どきどこの学部でも就職は厳しいという世相ですが、ひと頃であれば引く手数多であったはずのこちらの世界でもとうとうこんな状況になってしまっているようです。

司法修習生の43%「就職未定」=過去最悪、不況など影響-日弁連(2011年8月3日時事ドットコム)

 日弁連は3日、2010年の新司法試験に合格した司法修習生のうち過去最多の43%が、7月時点で「就職先が未定」と回答したとする調査結果を公表した。

 調査は日弁連が修習生に対しメールを送るなどの方法で3月から毎月実施。7月の調査では、2022人の修習生のうち913人(45%)が回答した。

 同様の調査は4年前から実施しており、7月時点の未定率は8%、17%、24%、35%と年々悪化していた。

4割以上の就職先が決まっていないという数字自体もさることながら、注目して頂きたいのがわずか4年の間に就職未定者が8%から43%へと急上昇しているということで、しかもこの勢いが続きますと来年はさらに悲惨な状況になることも確定していそうですよね。
司法試験と言えば合格者の年齢もかなり高いもので、平成22年度のデータでは平均年齢29.1歳だったと言いますから社会人としてはかなりの遅咲きですが、見ていて気になるのは合格率の方も2006年度には48%だったものが年々低下し2010年度にはわずかに25%と、こちらもすっかり低くなってしまっていることです。
もともと新司法試験での合格率自体は最終的にはこの程度で落ち着くと予想されていたと言いますから、30歳も間近になって3/4が振り落とされるという事態も関係者にとっては予想されたことだったのかも知れませんが、それだけの狭き門をくぐれば食っていく道が半ば保証されていた時代ならまだしも、半数が就職先も決まらないということになるのでは学生としても「こんなはずじゃなかったのに…」という気にもなりそうですよね。

日本では長年諸外国に比べて弁護士が少ないということばかりが強調されていましたが、諸外国で弁護士がやっているような仕事を日本では弁護士以外にも司法書士など他の専門職が分担して行っていて、これらも含めた法曹関係人口全体では決して不足していたわけではないという声もあるようです。
噂に聞くところによるとすでに顧客を抱えているベテラン弁護士の方はひと頃ほどではないにしてもまだ食べるに困るほどではないらしく、その一方で弁護士の平均年収がこのところ急減してきているというのは、結局新規加入の若手達ばかりが大きく割を食っているということになるのでしょう。
そしてあっという間に弁護士資格を持つ人間が急増し職にあぶれるような状況になっても、裁判の迅速化などに役立つ裁判官や検事などはそこまで急には増えていないということですから、かねて言われているように仕事にあぶれた弁護士達があちらこちらで新規の仕事開拓を始めるようになると、下手をすれば減少傾向にあるという訴訟件数も増加に転じて裁判所はかえって多忙になってしまうかも知れません。
要するに質の低下を抜きにしても人間誰しも貧すれば何とやらということですが、しかもそれに輪をかけて困ったことになりそうなのが以前にも紹介しましたこちらの一件で、どうやらこの度いよいよ本決まりとなってしまったようですね。

修習生の給費制打ち切り=11月から貸与制-政府(2011年8月4日時事ドットコム)

 政府は4日午前、法曹養成改革に関する関係省庁副大臣らの検討会議を法務省で開き、司法修習生に月額約20万円を支払う「給費制」を打ち切り、11月から無利子の「貸与制」に移行する方針を確認した。また、奨学金返済を抱える低所得者の負担軽減策を講じることでも一致した。8月末に同会議を開き、正式に決定する。

計算上は2000人に月額20万を支給すると年額50億円ほどになるのでしょうか、民主党にしてもこの制度を打ち切ると言い出したり一転して存続を認めたりと煮え切らない態度が続いていましたが、結局のところこのタイミングで打ち切りを決めたというのも震災絡みで予算も逼迫しているという事情もあるのでしょうかね?
当然ながら日弁連などは反対しているようですが国としても無い袖は振れないという状況でもあるでしょうし、前述の司法試験事態の問題や合格後の就職難も含めて「このままでは金持ちしか弁護士になれなくなる」といった批判を回避するためにも、ここは弁護士全員加入の業界団体である弁護士会(日弁連)こそが積極的に動いていく必要があるんじゃないかと言う気がします。
ただでさえとびきり高い金額を取っているという会費の一部を司法修習生のみならず若手の支援に回すなりして自ら後輩を(厳密に言えば司法修習生は未だ弁護士でないと言うことになるのでしょうが)積極支援するという支援を見せれば、強制加入だけに何かと会員の不満も溜まりやすいだろう組織としては少しばかり頑張って見せないことには求心力も得られないでしょう。
人間誰しも一度きりの人生においてハイリスクを追い求めるほどハイリターンを期待するようになるだけに、あまりに弁護士を目指すことがハイリスクになりすぎると下手をすれば彼らの心根までも妙な方向に歪めてしまい、結果としてせっかく弁護士が増えたところで顧客である国民もかえって迷惑するということになりかねませんよね。

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2011年8月 7日 (日)

今日のぐり:「ちゃんぽんやさい畑 連島店」

うまい話には必ず裏があるとは言いますが、先日は思わず眉に唾をつけてしまうような話に遭遇してしまいました。

バクテリアの除染に効果 飯舘の水田、線量が大幅低下/福島(2011年8月4日福島民報)

 南相馬市、飯舘村で微生物を活用した除染実験に取り組んでいる田崎和江金沢大名誉教授(67)は2日、放射性物質を取り込む糸状菌のバクテリアを発見した同村長泥の水田の放射線量が大幅に下がったと発表した。南相馬市役所を訪問し、桜井勝延市長に報告した。

 水田の表面は毎時30マイクロシーベルトの高い放射線量だったが、7月28日には1桁台に下がっていた。水田では無害のバリウムが確認されており、田崎名誉教授はバクテリアの代謝によって放射性セシウムがバリウムに変わったとみている。

 金沢大低レベル放射能実験施設で水田の土1キロ当たり447ミリグラムのバリウムを検出した。バリウムは通常、土壌からは検出されないという。今後の除染実験に使用するため、バクテリアの培養も行っている。

 同村長泥の放射線量が高い湿地で根を伸ばしたチガヤも確認した。根にはカビ類が大量に付着、除染効果との関係を調べる予定。南相馬市原町区の水田では、バクテリアと、粘土のカオリナイト、ケイ藻土の粉末を使って稲を栽培、除染効果を確認している。

 報告には、実験に協力している同市の庄司建設工業の庄司岳洋副社長、庄建技術の佐藤直営業部長、高橋正則技師長が同席した。成果は学会誌「地球科学」に発表する。

いやまあ、実際にバクテリアによって核種が変換されるなんてことがあるのならこれは大発見ということになりそうですけれども、バリウム自体は自然界の水の中にも結構含まれているようですから、何らかの生物濃縮が起こったとしてそれと放射線量減少との間にどういう関係があるのかですかね。
研究の方は今後の進展に期待するとして、今日は一見して「本当かそれは?!」と思わず言いたくなるような話を紹介してみようかと思いますが、まずはこちらの不思議な記事からいってみましょう。

空から降ってきた?お告げ? 諫早の防空壕跡に謎のコイ/長崎(2011年6月15日長崎新聞)

 諫早市城見町のみやま保育園(山崎稔園長)の防空壕(ごう)跡にたまった雨水に13日、謎のコイが泳いでいるのが見つかり、園の職員らが不思議がっている。同園によると防空壕跡には普段水はなく、近くにコイを飼っている池もない。「オタマジャクシ騒動みたいに空から降ってきたのでは」「何かのお告げでは」とさまざまな臆測を呼んでいる。

 先週末からの大雨が上がった13日朝、同園の非常勤職員、野中和徳さん(65)が裏の斜面の防空壕跡の横にあるイモ畑を見に行ったところ発見。体長40センチほどの黒いコイがたまった雨水の中を悠々と泳いでいた。

 防空壕跡は奥行き約30メートルで、入り口は大人が入れるほどの高さ。雨が降ると水たまりができることはあるが、普段は「カラカラの状態」(野中さん)という。先週末からの大雨で、どこからか流れてきた可能性もあり、近隣の家を尋ねて回ったが、池のある家もなく、「ミステリーだ」と野中さん。山崎園長(74)も「先月、こいのぼりは揚げたが、まさか本物のコイが現れるとは…。どこからどう来たのか」と首をひねるばかりだ。

 そのままにしておくと水が干上がってしまうため、14日は園児が見守る中、朝から捕獲作戦を開始。だがこの日は水が思うように引かず、15日以降に持ち越した。捕獲後は本明川に放流する予定。

 【編注】山崎稔園長の崎は、大が立の下の横棒なし。野中和徳さんの徳は、ツクリの心の上に一

この話が不思議なのは普段は水がない壕の中に水がたまったと思ったらすぐ鯉が出現したらしいということで、しかも記事の写真を見ても結構大きな鯉であるだけに鳥が運んだにしてもこれだけの鯉をぶら下げたなら傷跡くらいは残っていそうですけどね…
お次の場合は明らかに人災としか言いようがないんですが、状況を想像するとこれまた何とも不思議なとしか言いようのない怪事件です。

すき焼きCO中毒か 閉めきった室内…13人搬送/京都(2011年7月17日スポニチ)

 京都市西京区大枝西長町の男性(60)方から16日午後6時50分ごろ、「部屋ですき焼きをして、気分が悪くなった」と119番があった。消防が男女13人を病院に搬送した。全員軽症のもよう。一酸化炭素(CO)中毒の疑いがある。

 府警西京署によると、60~77歳の男性12人と女性(67)。6畳の2部屋を使って午後5時ごろから、3つのテーブルでそれぞれ炭火をたき、すき焼きをしていた。部屋は閉めきった状態で、次々と気分の悪さを訴えた。町内会の懇親会だった。

いやまあ、何を食べても別に個人の自由だと言えばその通りなんですが、夏の殺人的な暑さで名高い京都で夏の食べ物と言えば幾らでもあるでしょうに、よりにもよって部屋を閉め切って炭火ですき焼きというのは何かの罰ゲームででもあったのでしょうか?
アメリカからはこんな記事を紹介してみますけれども、これまた「本当かそれは?!」と思わず眉に唾をつけたくなるような話ですよね。

目が覚めたらイギリス訛りに!? 「外国アクセント症候群」の女性が語る /米(2011年6月5日エキサイトニュース)

[米オレゴン州セーレム 5日 AP] カレン・バトラーさんは米オレゴン州の女性だが、英国訛りでしゃべる。しかし、彼女は欧州に行ったことがない。

あるとき口腔外科手術を受けた彼女が目覚めると、しゃべり方が変わっていたのだ。手術から1年半経ってもなお、彼女の「外国風」のアクセントは残っている。そして、彼女の話は世界中に知れ渡った。

バトラーさんはオレゴン州トレドに住む56歳の租税コンサルタント。彼女はこの歯科処置で人生が変わったと感じている。義歯が入ったのに加え、どう感じるかは人によって違うが、東欧、スウェーデン、またはイギリス風のアクセントがついてきた。バトラーさんは2009年11月に、歯肉炎のため上の歯すべてと下の前歯を抜いた。1週間後、腫れはおさまったにもかかわらず、彼女のしゃべり方は依然としておかしな感じだった。歯科医は、新しい歯に慣れなければいけないと言うだけだった。しかし、何週間経っても変わりなかったので、バトラーさんは自分でネットを調べることにした。

彼女は自分が「外国語アクセント症候群」であるという診断に行き着いた。これまで確認されている症例はたった数十件のみの病状だ。この症候群はしばしば脳損傷の影響であらわれるとされている。オレゴン保健科学大学神経学部の教授兼副学部長、ヘルミ・ルセップ博士は、珍しい症例だが、ほとんどの神経科医がキャリアにおいて少なくとも一度は目にするものだ、と述べた。アクセントがわずかに変わるだけ人もいれば、より激しく劇的になる人もいるという。「それが何故どのように起こるのか、はっきりとはわかっていませんが、単純に言語のリズムに影響します。私はそれが現実の現象であることを確信しています。彼らが作り話をしているわけではありません」と、彼は語った。

バトラーさんは、自分は打撃を受けておらず、脳損傷も無いと信じている。彼女は脳スキャン検査を受けようとしたが、医療保険が適用されないと言われたため、叶わなかったそうだ。「訛りがあって困ることはありません」と、イリノイ州ブルーミントンで生まれ、1歳になる前にオレゴン州に引っ越してきたバトラーさんは言う。人口およそ3500人の小さな町トレドでは、異国風のアクセントでしゃべるバトラーさんは珍しい存在だ。 彼女はテレビ番組「トゥデイ」に出演し、その他にもヨーロッパからオーストラリアまで世界各地の12以上のテレビ番組、新聞記事、ラジオ番組に取り上げられている。
(略)
メディアの関心を除けば、自分の人生はあまり変化していないとバトラーさんは言う。たくさんの質問を受けるのにも慣れ、前に比べて物怖じしなくなった。家族はアクセントを「新しいおもちゃ」のように扱い、彼女にいろいろな言葉やフレーズを言ってみてくれと頼んでいたそうだ。彼女は、自分がしゃべっている時のアクセントを自分で聞くことはできないが、語を以前とは異なるやりかたで出しているのを感じると言う。彼女は娘のジェイミーさんを「トゥエンティー・ヴン」歳だと語る。 最初は「トランシルヴァニア風」のきつい訛りだったが、時間が経つにつれて和らいだ、と彼女は語っている。

バトラーさんの娘シンディ・ミラーさん (36) は、ただ留守番電話メッセージを聞くだけのために母親の携帯電話に電話をする。バトラーさんは手術以来メッセージを変えていない。「いろいろあって、私は今それを聞きたいのです。私の声がどんな風に聞こえたか思い出します。でも、内面は全く変わっていません。私はこれまでと同じく、年を取った私です」と、バトラーさんは語っている。

「外国語様アクセント症候群」なるこの不思議な話、少し調べて見ると結構ある症状のようで、ちょうど一年前にもニュージーランドの女性に同様の事件が発生したという記事が出てきましたが、こちらの場合は脳の小さな損傷が原因ではないかと疑われるそうです。
そのニュージーランドからはもう一つちょっと信じがたい事件を紹介してみますが、まずは記事をそのままご一読いただきましょう。

NZ地震の被災金魚、驚異の生存 4カ月ぶり発見/ニュージーランド(2011年8月2日livedoorニュース)

 【シドニー共同】日本人を含む181人が死亡した2月のニュージーランド大規模地震で被害を受けて以来、立ち入りが禁じられていた区域で7月上旬、水槽に放置されていた2匹の金魚が無事に生きているのが見つかった。4カ月半ぶりの“生存者”発見として話題となっている。

被災地クライストチャーチにある会計事務所で、2月22日の地震後、初めて一時的な立ち入りを認められた女性職員らが7月6日に発見した。

これだけを見ると不思議ではあるものの何ともめでたいと言うしかないというニュースなんですが、別ソースによりますと当然ながら餌も与えられず濾過装置も働いていない水槽の中で、他に数匹いたはずの金魚達は発見時には影も形も見えなくなっていたそうです…
同じく南半球のオーストラリアからはこんなニュースが出てきていますけれども、ちょっとそれはどうなのよとも思えるような出来事でしたね。

犬がサメにかみつくネット映像が話題「信じられない!」/豪(2011年7月21日産経ニュース)

 西オーストラリア州ブルーム近郊のビーチで撮影された犬がサメにかみつく映像が、動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿され、すでに2700万回以上視聴されるなど話題を呼んでいる。

 投稿された映像では、海岸近くで泳いでいた2匹の犬が、サメ数頭を岸に追いやっていたところ、1匹の犬が突然水中に潜り、サメに対して攻撃を始めた。

 映像を撮影した男性は、犬の行動を見て「犬がサメにかみついている。信じられない」と叫んでいる。かみつかれたサメの様子についての言葉は発せられなかった。(ロイター)

ちなみに問題の動画というのはこちらなんですが、これを見ますととにかくもう犬強えよ!ってかなんでこんな浜辺近くにサメがうようよ泳いでんだよ!と思わず突っ込みたくなるような状況だったようですね。
北欧はスウェーデンからはこんな記事を紹介してみますが、さすがにそれは様々な意味でどうなのよと思わずにはいられない話ですよね。

スウェーデン男性、家で原子炉を作り逮捕される /スウェーデン(2011年8月4日livedoorニュース)

    31 歳のスウェーデン人男性が、自宅アパートで原子炉を作り逮捕されたそうだ (The Local の記事、本家 /. 記事より) 。

    放射性物質は通信販売で購入したそうで、また煙探知機からも手に入れたとのこと。この男性が原子炉制作に取りかかったのは 6 ヶ月前であり、研究の経過は特に隠すことなくブログにもアップしていたとのこと。逮捕のきっかけとなったのは、本人がスウェーデンの原子力安全保安院にあたる機関に「家庭で原子炉を作ることは合法か」と問い合わせたこと。当局からは放射線レベルの調査に人が送られてくると告げられたとのことで、実際には警察も一緒にやってきて家宅捜索が行われ、逮捕されてしまったとのこと。

    その後男性は釈放されたとのことで、「今後は原子物理学の理論を中心に研究を続ける」と話しているという。なお、自身の持っていたガイガーカウンターの数値では全く問題はなかったとも話しているそうだ。

いや色々と突っ込みどころがあり過ぎてどこから突っ込むべきか迷うんですけれども、とりあえず実際に機能するものであったかどうかはともかくとしても、どう考えても連鎖反応が起こるレベルの核物質を個人がアパートで持ってちゃいかんでしょjk…しかしその昔雑誌に原爆の作り方が載っていたと話題になりましたが、結局放射性物質をどう入手するかがネックだと言われていたものを今や原料まで通販で買えるようになりましたか。
何もしないのにデパートが勝手に崩れ落ちる国として一部で非常に有名な韓国で先日は高層ビルが大揺れしてすわ!倒壊の前触れか!?と大騒ぎになったことはご存知かも知れませんが、その原因究明がようやく終わったということなんです、が…

犯人は…エアロビでした=高層ビル謎の揺れ/韓国(2011年7月19日時事ドットコム)

 【ソウル時事】韓国ソウルの高層ビル「テクノマート」(39階建て)の中高層階で5日、原因不明の上下の揺れが起き、入居者が3日間退避した問題で、安全検査に当たった専門家は19日、集団でのエアロビクスが原因との暫定結果を明らかにした。聯合ニュースが報じた。

 当時、12階のフィットネスクラブで、テコンドーとボクシングをアレンジしたエアロビクス「テボ」を約20人でしていた。当初、揺れの原因として、土台の損傷や、座席が振動する映画館、風などの可能性が指摘されたが、テボによる振動の周期が問題の揺れに最も近かったという。

いや、しかし仮にも高層ビルがたかが20人かそこらのエアロビで大挙避難しなければならないほど大揺れするって、そちらの方がよほど重大な問題じゃないでしょうか??
この件はこれとして、中国からは子供絡みのやはり信じられないと言うしかない事件を二つばかりお送りしてみましょう。

食堂でワンタン食べてて見失った息子、アメリカで発見/中国(2011年6月28日サーチナ)

 19年前に駅前の食堂で見失った息子が、このたびアメリカ国内で発見されるという出来事があった。中国新聞網が伝えた。

  1992年5月、江蘇省蘇州市に住む男性の李緒文さんは同省南京駅前の食堂でワンタンを食べていたところ、一緒だった5歳の息子を見失った。いくら搜しても見つからず、警察にも届け出たが、息子は戻ってこなかった。しかし、最近になって中国児童福祉・養育センターから手紙が届き、息子はアメリカの家庭に引き取られていることが判明した。

  息子の李祥さんは今年24歳、優秀な大学院生になっており、家庭生活は健全かつ幸福に満ちているという。李緒文さん夫婦はこの知らせに大喜び、捜索に協力してくれた人に感謝の気持ちを示すとともに「1日も早く会いたい」との思いを明かした。

  「中国に帰るか今の生活を続けるかは本人の意思に任せる」と語る李緒文さんだが、息子へ宛てた手紙では「昔は生活が苦しかったが、今は家も車もある。君がいなくならなかったら、円満な家庭そのものだっただろう」とつづり、息子への未練を募らせた。また、「家を売ってでも息子を支援して、実の親の責任を果たすつもりだ」と語り、「アメリカにいる息子を探すのは金もうけのため」という世間の憶測を否定した。

  李祥さんが実の両親と会う意志があるかは分かっていない。また、失踪してアメリカに渡ることになった詳しい経緯も明らかになっていない。19年の時間を埋めるには相当な時間がかかりそうだ。(編集担当:柳川俊之)

いや、19年前に5歳で失踪した子供がはるか地球の反対側で見つかったという経緯もさることながら、どうやって本人と立証できたのかも判らないのですけれども、当然ながら色々と憶測を呼んでいるらしいことは記事からも伺えますよね…
もう一つ「信じられないかも知れないが本当だ」という記事を中国からお伝えしてみますが、こちらは本当でなければ良かったのにとも思ってしまうような話であるようです。

事故隠し、ここでも!幼稚園、食事中に死亡した園児を山に埋める―雲南省玉渓市/中国(2011年8月3日レコードチャイナ)

2011年8月2日、法制日報は、事故死を隠蔽するため園児の遺体を埋めた幼稚園園長及び職員に有罪判決が下ったと報じた。以下はその抄訳。

事件が起きたのは今年3月31日。雲南省玉渓市の智多星幼稚園に通っていた1歳8カ月の園児・翔翔(シヤンシヤン)くんが、食事をのどに詰まらせて死亡した。幼稚園職員は翔翔くんを病院に連れて行ったが、治療の甲斐なく死亡。事故隠しをはかって翔翔くんを近くの山に埋めた。

幼稚園側は「外に出た時にはぐれてしまった」との主張を押し通そうとしたが、園長のオートバイに血痕が残っていたことが見つかり、発覚した。先日、裁判が結審し、幼稚園側には計18万元(約216万円)の賠償が命じられた。(翻訳・編集/KT)

いやまあ、預かっている子供に事故があれば気が焦る気持ちも判らないではないですけれども、幾らなんでもその後の経緯があまりに斜め上過ぎるという気がしませんでしょうかね…
最後に控えますのは我らがブリからの話題ですが、「本当かそれは?!」と思ってしまう度で言えば本日一番のニュースであるかも知れません。

紅茶を愛するイギリス人は過去の遺物?/英(2011年6月29日ニューズウィーク)

 自分の生まれ育った国が変わったのを実感させられるのは、時にはほんの些細なことだったりする。僕がいま直面しているのは、紅茶を愛する国民として有名だったイギリス人が、いまや「完璧な1杯」よりも「お手軽な1杯」を選ぶようになったという事実だ。

 僕に紅茶を語らせたらきりがない。だからほどほどにしておくつもりだが、紅茶はポットに茶葉を入れ、きちんと蒸らして入れるほうがおいしい、と言えばそれで十分だろう。ティーバッグ、それもカップに入れてお湯を注ぐだけでは味が劣る。

 僕はスーパーマーケットに行くと紅茶のコーナーに足を運ばずにはいられない。何か興味深い商品やお買い得品がないか探すためだ。

 もっともその答えは、「今はもうない」。まずは約4年前、僕のお気に入りブランドの1つであるトワイニングが、6~7種類あった茶葉の商品ラインアップを3~4種類に減らした(オレンジペコもロシアンキャラバンもさようならだ)。トワイニングが生産部門を改革して再発売してくれるのを期待したが、そうはならなかった。

 この10年というもの、スーパーはどんどん巨大化していくのに、紅茶の茶葉売り場はどんどん縮小している。最近ではティーバッグは何十種類もあるのに(棚を何列も占領している)、茶葉はもう3種類くらいしか置かれていない。

 おまけに茶葉タイプには特売セールがなくなった。大半のスーパーは客寄せのためにさまざまな商品を持ち回りで「限定大特価」にするもの。彼らがもはや茶葉を特売品にしないのは、客がティーバッグから茶葉に戻ることはないと諦めきっている証拠であり、紅茶を茶葉で買う一握りの紅茶マニアは値段など気にしない、と考えている証拠だ(この点において彼らは正しい。数年前にはしょっちゅう60%引きセールで茶葉を買っていた僕が、今でも茶葉を買い続けているのだから)。

■食の関心は高まっているのに

 もちろん今でも、紅茶の専門店に茶葉を買いに行くことはできる。なかでも有名なのはフォートナム・アンド・メイソンだ。客は店内にずらっと並んだ大きなポットから少量をすくい、何十種類もの茶葉の香りを「お試し」することもできる。

 だが、誰かの家を訪れたときにきちんとポットでいれた紅茶をふるまわれることなど極めて稀になってしまった。大抵、出てくるのはティーバッグの入ったカップだ。

 これは残念なことだし、謎でもある。なぜ謎かというと、イギリス人の間で食への関心は確かに高まっているからだ。イギリス人はもうパルメザンチーズとモツァレラチーズの違いを知っているし、スパークリングワインのプロセッコとアスティ・スプマンテも区別できる。しかもどんな料理のときにぴったりか、というような知識も持つようになった。

 ところが偉大なる人生の喜びである紅茶をたしなむことにおいてだけは、大きく後退してしまったようだ。

 僕にとってこれが残念な理由は、紅茶を入れるのは一種の儀式だから。ポットを温め、茶葉の種類によって量を正確に計り、ちょうどいい時間で蒸らす......。これはとても感覚的な作業。出来上がるのを待つのも楽しみの1つだし、正しい手順にそって紅茶を「つくり上げた」と達成感を味わうことでもある。使った茶葉はガーデニングに使うことだってできる。いい肥料になるからだ。

 だがこんな風に紅茶をこよなく愛することで、僕はどんどん「古いイングランドの遺物」と化しているようだ。

いやいやいや、アメリカ人がケチャップを手放すとか、ロシア人がウォッカを手放すなんてことがあり得ないのと同様に、ブリがまともな紅茶を手放すなんてことがあるはずがないじゃないですか!
あるいはしかし、こういうことなんでしょうか?仮にブリがまともな味覚に目覚めつつあるなどという世迷い言が真実の一端を突いているのだとすれば、もはや彼らは全てのブリ的味覚を紅茶によって洗い流す必要もなくなりつつあるのだと…それはしかし、すでにブリとは呼べない別の何かであるはずですよね。

今日のぐり:「ちゃんぽんやさい畑 連島店」

倉敷市連島のショッピングモール内に設置されているこちらのお店、以前は何やら複数のラーメンを提供するミニテーマパークのようなお店で、さらにその前はラーメン大統領の直営店だったように思いますが、今回また海藻を果たしてメガ盛り系のお店として再出発を果たしたようです。
正直良く変わるなと言う印象を受けるだけに経営的にはどうなのか?とも心配されるのですが、今回もちゃんと大統領系列ではあるらしく本家本元の大統領のラーメンもあるようで、ちなみに岡山市内にも同名店があるようですが(そちらにもここと同様鯛焼き屋が併設されているようです)、大統領系列内における経営戦略ということなんでしょうかね?
ちなみに売りのメニューである特製ちゃんぽんは野菜500gが入っている!と言うのが一番のポイントだそうで(ちなみに野菜300gのものもあるそうです)、他にも特盛や野菜大盛りもありますからまさにがっつり食べたい向きのお店ということになるのでしょう、当然ながらこれを食べたら他には何も食べられないみたいなことを言われれば食べてみずにはいられないですよね。

さて運ばれて来ました問題の特性ちゃんぽん、野菜500gと言ってもほとんどがもやしばかりで他の具材は辛うじて混入しているのが判る程度ですから、野菜不足解消と言っていても栄養価の面では果たしてはどうなのかですが、まずはそれよりも何よりも味が気になりますよね。
ラーメンとは主にタレで差別化しているのでしょうか、やや頼りないスープにかなり胡椒を効かせた味はちゃんぽんと言うより五目そば風なんですが、野菜(というか、もやしですね)の炒め加減、味加減ともまずまずでスープとの相性も悪くないので、トッピング部分に関しては割合に良い感じで箸を進めることが出来ました。
とはいえ、やはり貧弱に過ぎる具材などを見てもこれでちゃんぽんを名乗るのは無理だろうとも思えるところで、普通にもやしそばでいいんじゃないかと思うのですが何故そうまでちゃんぽんの名称にこだわったのかは謎ですよね。
とりあえずトッピング部分はまずまず順調に片付けながら隠されていた麺の方にも箸を延ばしたのですが、太打ち高加水で確かにちょいとちゃんぽん風と言った感じの麺ではあるのですが、これが最初から柔らかめに仕上がっている上に何しろトッピングがこんな調子ですから、後半はやはり味、食感ともツラいかなと言うしかありませんね。
とりあえず一杯を完食はしましたけれども少なくとも味を期待して食べるような内容ではないと言うのでしょうか、まさに一昔前のラーメン屋でよく出していた名ばかりのちゃんぽんって味の組み立てはこんなものだったなと思うものなんですが、これが看板メニューではきついかなとも思わざるを得ません。

以前の店舗のときからそんな印象もあったのですが、要領の悪さなどオペレーション部分は置くとしても相変わらず接遇は最低限と言うか事務的と言うか、食べるだけ食べてさっさと出ていけと言う感じの愛想のなさのせいか、店内の雰囲気がとにかく暗いのが気になりますよね。
結構子供連れの若い人なども来ているのですが、普通だったらこういう客層でこういう店であれば結構賑やかになっていてもおかしくないところ、皆とにかく黙々と箸を動かしているという感じなのは満更メガ盛りであるばかりでもない理由がありそうです。
単に空腹を満たす手段として考えればこの値段で暖かい食事が腹一杯食べられると言えばコストパフォーマンスははそこそこですが、いくら不景気とは言え食事を単に腹ふさぎのためばかりで取る人間もそう多くはないだろうと考えてみると、また近いうちに改装かなという予感がしないでもありませんね。

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2011年8月 6日 (土)

ますます加速するフジテレビ その背後にあるものは

大震災以来放射能汚染の話題が根強く続いていますけれども、先日はフジテレビ系列の東海テレビがとんでもないことをやらかしたと話題になっています。

岩手産米プレゼントで「怪しいお米 セシウムさん」 東海テレビ番組中に不謹慎な表示(2011年8月4日ITmedia)

 東海テレビ放送(フジテレビ系列)が8月4日午前、番組で実施した岩手県産米プレゼントの当選者を「怪しいお米 セシウムさん」と表記して放送する事故があり、同社はWebサイトで「常識を欠いた不謹慎な内容が画面に出てしまった」と謝罪した。ネットでは放送時の映像が出回り、同社への批判が相次いでいる

 事故は午前9時55分から放送した「ぴーかんテレビ」内で起きた。岩手県産の「ひとめぼれ」10キロが当たる視聴者プレゼントの当選者を発表する画面中、当選者3人の住所と氏名が記載されるはずの欄に「怪しいお米」「セシウムさん」と表示して放送した。

 放送直後にアナウンサーが「違う映像が出てしまいました。考えられないような不謹慎な内容でした。本当にすいませんでした」と謝罪した。Webサイトにも「大変常識を欠いた不謹慎な内容が画面に出てしまい、視聴者の皆様に不快な思いを与えたことに対し、深くお詫び申し上げます」という文章を掲載した。

 当選者名を入れる前のダミーデータが誤って表示されたとみられるが、ネットでは「リハーサル用だったとしてもテレビ局として悪ふざけが過ぎているのではないか」といった声が上がっており、掲示板などで“祭り”状態になっている。

担当者がふざけ心でやってしまった」などとふざけた言い訳をしているようですが、彼らがどういう気持ちでこうしたプレゼントを用意したのか、こうして事前にわかったことは不幸中の幸いと考えておくべきなんでしょうか。
ちなみに問題のシーンというのはこちらの画像で、ネット上では多数の動画まで上げられて話題になっていますけれども、名高いフジテレビのネット検閲部隊によってこれも早晩削除されることになるのでしょうね。
先日以来話題になっているフジテレビの強引すぎる韓流推しに対する批判問題ですが、もはや同局としても開き直ったということなのでしょうか、幾らなんでも悪のりしすぎだろうという勢いでますます韓流一直線に邁進している状況で、むしろ視聴率稼ぎのために意図してやっている節すらあるようですね。

今度は人気ドラマで「ゴリ押し韓流」か? 多くの視聴者が違和感「気持ち悪いわ」(2011年8月2日ロケットニュース24)

フジテレビをキー局としているテレビ局・東海テレビ放送。そこが制作した人気ドラマ『明日の光をつかめ2』に、「韓流をゴリ押し」しているように思える描写があったとして、視聴者やインターネットユーザーらが批判の声をもらしている。

ドラマ内でスーパーマーケットのシーンが映されたのだが、風景に映っていた値札に「Karaメール会員様特別価格商品」と書かれていたのである。メール会員を募集している店で「空メール」という表記をしているお店は多くあるが、ドラマ内ではなぜか「Karaメール」と書かれていたのである。

この件に対して視聴者やインターネットユーザーらは「やるなら自然にやれよカス」や「キモすぎ」、「これはアウトだとおもうなー」、「どんどんどんどん韓国が嫌いになってくわ」、「まぁしかしよく考えるよなフジも。呆れて乾いた笑いしか出んわ」などの意見を寄せている。また、以下のような意見もあった。

・インターネット上の意見
「空メール送って会員登録してください」なら分かるが「KARAメール会員様 特別価格」なんて表記はないだろ。「店の名前+メール会員様」だろ普通(引用ここまで

……と、さまざまな憶測がインターネット上で飛び交っている。どうして「空メール」や「からメール」ではなく「Karaメール」なのか? スーパーの店名なのだろうか? 真相はまったくの謎だが、最近はマスコミの「ゴリ押し韓流」が物議をかもしているため、今回の「Karaメール」は疑念を持たれても仕方がない表現かもしれない。

参照元: YouTube Rootsbrend.

フジ『めざましテレビ』が韓国歌手を3連続でイチオシ紹介 / 視聴者「完全に開き直りやがったな」(2011年8月3日ロケットニュース24)

2011年8月3日午前5時50分ごろ、フジテレビの人気情報番組『めざましテレビ』が韓国の人気歌手を十数秒ほど紹介したところ、多くの視聴者が過剰反応。インターネット掲示板に「韓国きたあああああああああああああああああああああああ」や「節操なし」などのコメントを書き込みをしていた。

ここ最近、フジテレビが「韓国ブームをゴリ押ししている」と物議をかもしており大きな話題となっていた。以下は、韓国人歌手が『めざましテレビ』で紹介された瞬間、インターネット上に書き込みされた視聴者たちの声である。

・ネットに書き込まれた視聴者たちの声
挑発されてるんじゃね」
「フジテレビは懲りないなあw」
わざとやっているのか、フジは」
「キターー! キターー! キターー! キターー!」
「今日も一日一韓」
「はい案の定挑発きたあああ」
「きましたw」
「きたな」
「キターーーーーーーーーーーーー!!」
「カンコックw」
「ねじ込み」
「逆に喜んでる韓国、ねぇ喜んでる?」
「実力がない奴まで来日すんな」
「おはよーと思ったらいきなり韓国」
「今日も懲りずに」

6時8分ごろにも韓国人俳優が『めざましテレビ』で紹介され、「きたあああああああああ」や「キター」、「うわああああああああああ」、「きゃあああああああああ」、「悪ノリの極み!」などの声が寄せられた。

また、驚くことに6時10分ごろにも韓国ダジャレ系アイドルグループ『シークレット』が紹介され、「一日一韓」や「いい加減にしろ」、「またキターーーーー」、「きょうはKごり押しだな」、「フジはやっぱりフジだった」、「また新しい奴のごり押しかよ、KARAだけにしてくれ」、「完全に開き直りやがったな」などの視聴者の声が書き込みされた。

どうしてここまで連続して韓国人歌手らが朝の情報番組に登場するのか? さすがに疑念の声があがっても仕方がないかもしれない……? 日本国民から鬼のようにバッシングされても韓国情報を流し続けるフジテレビに対して「こりてねえwwwww ぜんぜんこりてねえwww」とコメントしている視聴者もいた。

フジテレビの雑誌ブログで担当者が語尾に「ニダ」を書きまくって掲載 / 韓国気分に浸ってるニダ(2011年8月24日ロケットニュース24)

フジテレビホームページ内に掲載されている婦人誌『ESSE』の公式ブログが、インターネット上で話題になっている。編集スタッフが書いた原稿の語尾に、なぜか「ニダ」という韓国語が書かれているらしいのだ。しかも連発してしつこいくらいに。

さっそく同ブログを確認してみると、確かに「ニダ」が連発して書かれていた。どうやらブログ担当は相当な韓流好きのようで、身の回りのグッズを韓国のもので固めているらしい。調味料、枕、小物入れ、消しゴム、石鹸、チャン・グンソクの写真、マッコリ、すべてが韓国。オススメのマッコリは「クッスンダン マッコリ」だという。

韓国が好きなのはいいとして、違和感を感じるのは語尾の部分。なぜか「キャラが変になってるニダ」、「昨日 地下鉄でコレ 気になったニダ」、「韓国気分に浸ってるニダ」など、無駄に「ニダ」を連呼しているのである。このブログに対してインターネットユーザーたちも違和感を感じているようで、彼らは以下のようなコメントを残している。

完全に煽ってるだろこれwww」
「これはさすがにドン引き
完全に韓国バカにしてるな」
「韓流暗黒面に堕ちてやがる。」
「ニダニダって韓国人差別だろこれほんとフジってひどいな」
「ぶれないなコイツら」
開き直ってんじゃねえよ」
「うわっ気持ち悪い」
「なに言ってるか解らん」

「韓流ゴリ押し」と感じている人もいれば、「韓国をバカにしているのでは!?」と思っている人もいるようだ。いつもならばさほど気にならないことかもしれないが、「フジテレビが韓国ブームをゴリ押ししている」と言われているこの時期、「裏に何かあるのでは?」と思ってしまうのは仕方がないことかもしれない。

ちなみに『ESSE』10月号では韓国特集を掲載する予定だという。公式ブログにも「鋭意制作中の10月号で韓国行った気分を満喫できるほど最近すごいことになっている「新大久保」特集を準備中」と書かれている。

参照元:ESSE BLOG

他にも韓国俳優を韓国歌謡のランキングを紹介する番組のメインMCに起用しようとしたところが、当人が飲酒運転で捕まってしまったため急遽中止になるなんてハプニングもあったりで、本当に大変な肩入れぶりと言うしかありませんよね。
ニダ連呼まで来るとあまりにネタ臭すぎて鼻につくという感じなんですが、彼らはこういう行為が何より韓国自身に対して失礼極まりないものであるという自覚を持っているのでしょうかね?
フジテレビと言えば有名なサッカーに限らずゴルフだろうがバスケットだろうが日韓対抗戦となれば「韓日戦」表記をしていることでも有名ですが、どうもこうした表記が表に出てきたというのが2009年頃からのようで、こうした急激な韓国への傾倒ぶりの理由がどこにあるのかは世間でも話題になっているようです。
今のところ諸説が入り乱れて真相は藪の中というところなのですが、おそらく単独の理由というわけではなく複数の要因が相乗効果でこういうことになってきたのではないかと言う気がします。

フジテレビが異常なほど韓流に肩入れする理由(2011年8月3日ゲンダイネット)

<日枝久会長が韓国の大学から名誉経営学博士号>

 宮崎あおいの夫・高岡蒼甫のフジテレビ批判騒動が飛び火している。高岡はツイッターでフジがK―POPものや韓流ドラマなどが多すぎることを真っ向から批判。「8は今マジで見ない」と言い切ったのだが、今度はふかわりょうが暗にフジを批判したのだ。

 ふかわは自身のラジオ番組で「ある局」とした上で「公共の電波を用いて私腹を肥やすようなことは違反」とし、韓国ものを流すのも「単純に量の問題だと思う」「日本はそういったブレーキを掛ける機関が働いていない……テレビは時代を映す物ではないな……完全に終わったなと思いました」と辛辣なのだ。

 タレントとすれば不用意な発言は今後のために慎んだ方が得策で、こうもフジ批判が続くのは異常だ。実際にフジは今も午後に「製パン王キム・タック」と「恋愛マニュアル」の2本の韓ドラを放送し、音楽番組ではしょっちゅうKARAなどを登場させている。

 そこで調べてみるとフジと韓流の関係は組織的にも強固なのだ。というのも、フジは傘下にコンテンツ会社を持っており、ここでK―POPの権利をガッチリと押さえ、最新のドラマなどを買い付けている。この流れで、フジは10億円を出資して今春には東京・恵比寿に「Kシアター」をオープンさせた。

「ドラマの買い付けは札びら作戦です。これまでドラマはCSやBSで買い付けることが多く、安価に購入できたのですが、フジなどの地上波が乗り出したことで値段が上がってしまった。また、新作は主演と脚本がわかった段階で地上波が手を打つのでCS、BSはそのおこぼれしか残らなくなっているのが実情です。余談ですが、音楽、ドラマのPRも韓流でフジは韓国側にベッタリです」(マスコミ関係者)

 それにしてもなぜここまでフジが韓流に肩入れするのか。こういうのは放送ジャーナリストだ。

「フジの日枝久会長が昨年2月に日本と韓国のコンテンツ産業発展に寄与したとして、高麗大学から名誉経営学博士号を授与されました。それが肩入れのひとつのキッカケです。トップが韓流に関わりが深くなければ、ここまで入れ込むことはないと思います」

 高岡やふかわがいうことも一理あるということか。

【ネットトレンド】フジテレビ関係者の内部告発!? 遂にラスボスの存在も・・・。 (2011年8月3日日刊テラフォー)

内部告発者の話が話題に! 7,300回ものTweet。

韓国・高岡問題で揺れに揺れているフジテレビ。不買運動にも発展しているこの問題だが、遂にラスボスの存在が明らかになった。
それはTwitLongerというTwitter関連のサイトで公開されている。

フジテレビ内部者からの告発

フジテレビは内部で戦っています。 ホリエモン買収対応で、携帯キャリアでもあるS社系SBIに助けてもらったので、外国人系勢力が 経営側でチカラを出してきましたが、報道部はサンケイ新聞とともに、外国人系勢力に喧嘩を売って戦ってます

どうかみなさんの応援で助けて下さい。外国人系勢力のしつこさとえげつなさには、正攻法では戦えないです。

テレビ側が言うのはおかしですが、ネットで話を盛り上げて助けて下さい。 盛り上がれば多くの芸能時の人の耳にも入り、さらに話が大きくなると思います。

日本のメディアは瀕死状態です。 助けて下さい。行動を起こして下さい

応援お願いします。
※一部、特定の団体や社名を伏せて引用。

かなり衝撃的な内容だ。この内部告発ではラスボスとして携帯キャリアでもあるS社の名前が上がっている。これが事実なのか否かでネット上では話題になっている。真偽の程は不明だが、S社関連製品・サービスに対して不買運動が展開されかねない事態となっている。

そして早くもネットでは、この問題に隠れた別の問題にも言及し始めた。高岡蒼甫フジテレビ批判発言から端を発したこの問題の収束点はどこにあるのか。

未だ誰も見出せていない。

こうした騒動は海外でも注目されているようで、当の韓国はもちろんのこと中国においても高岡氏の事務所退社などに対して「これはひどい。言論の自由があるの?」などと言われていたり、台湾などでは韓流番組規制法案が可決されそうな自国の状況と照らし合わせて「決して他人事ではない」と危機感を抱いているようですよね。
日本国内では「日本のドラマと韓流ドラマ、どっちが好きですか?」という東京MXテレビのそのものズバリな調査によって実に9割が日本を支持と圧倒的な結果が出ているような状況を受けてか、多くの人間は「安物を買ってきて勝手にブームだと売りつけてるだけ。ニーズに見合ってないんだから勝手にさせとけばいい」という立場であるようで、それはそれでもっともな意見だと思います。
ところが一部では先日も紹介しましたように非常に熱心にフジテレビを擁護している方々もいらっしゃるのが興味深いと思うのですが、浜村淳はずっと四天王寺ワッソの司会を務めるなど元より韓国贔屓で知られている人物ですし、茂木健一郎にしても韓国大阪青年会議所主催の講演会を開くなど民団と深い繋がりのある人物と、バックグラウンドを見て見れば何を言うやらミカンやら、すぐに事情が透けて見えるような話ですよね。
逆にフジテレビにも重用されていた木村太郎氏などは当のフジテレビ番組内で「韓国政府がK-POPをブランド化しようと力を入れている」などと空気を読まない?発言をした結果、すっかり干されて心労から激やせしているなんて話もあり、ことこの件に関しては何かと自由な発言をすることは難しいようです。
思うに数々の疑惑にまみれた2002年W杯の不本意な共催が決まった頃からこうした傾向が目に見えて増えたようにも感じるのですが、あのとき敢然と「それはおかしい!」と声を上げた飯島愛氏のその後をも思わず考えてしまいますよね。

いずれにしても事態の発端となった高岡氏自身は以前に朝鮮日報の捏造報道によって大炎上した経験から、韓流そのものに対してもそれなりに思うところがあったのでしょうが、ここまで騒ぎが広まってくると「不買運動はやめよう、意見があるのなら要望を出せばいい」とむしろ火消し役に回っているくらいですし、当然ながらフジテレビ側にしても韓流の主要顧客であるネットリテラシーの低い人々にまで騒ぎが知られたくはないわけです。
ネラーを筆頭とするネット住民としては今までにもフジテレビには何度も炎上してきた経緯があるだけに、今後は更なるフジテレビ批判を図ろうとする(何しろ突っ込みどころには事欠かないのですから)ネット住民と事態の沈静化を図りたいフジテレビとの攻防になってくるのでしょうが、何しろ熱しやすく冷めやすい日本人の国民性もあるだけに韓流ブームなるものそのものが思いがけない結末を迎えることになるかも、でしょうかね。

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2011年8月 5日 (金)

上見て暮らすな下見て暮らせでいいのでしょうか

先日こういう記事が出ていまして、御覧になった方も多いんじゃないかと思います。

病院から看護師が消えていく・・・崩壊寸前の医療現場(2011年7月30日ガジェット通信)

 今、全国の病院で看護師不足が深刻化している。厚生労働省によると、全国で約5万6000人の看護師が不足しているという。看護師不足は彼女・彼らの過重労働につながり、医療ミスや医療過誤を誘発、結果的に国民の健康を脅かすことになりかねない。2011年7月25日に放送されたニコ生トークセッション「看護崩壊~病院から看護師が消えていく~」では、ゲストに日本医労連副委員長の山田真巳子さんと、現役看護師を招き、看護師が医療現場から消えていく原因を検証。崩壊寸前の医療現場での過酷な労働環境の実態が浮き彫りとなった。

■看護師の23人に1人は過労死危険レベル

 日本の医療水準は長年世界1位の座を維持してきた。しかしそのポジションは、看護師をはじめ医師など現場で働く者たちの犠牲によって、何とか維持されてきたという現実がある。日本看護協会の推計によると、全国で約2万人の看護師が過労死危険レベルとされる月60時間以上の時間外勤務をしており、看護師の23人に1人はこうした勤務状態に。その結果、全業種の平均勤続年数は約9年にも関わらず、看護師は約7年と短く、毎年およそ10万人もの看護師が過酷な労働環境を理由に離職しているという。

 匿名で出演した現役看護師によると、看護師が離職する主な理由は、

    「アンケート結果によると、仕事の(肉体的・精神的な負担が重い)わりに給料が低い。人員が少ないのでなかなか休みが取れない。勤務者が少ないので、受け持ち患者数が夜勤で十数名、日勤だと6~7名になり、責任ある仕事なので(医療)事故を起こすことがあるのではないかと不安を抱いている(ことなどが理由)」

 人員が少ないため、「8-16時」「16-24時」「0-8時」の3交代制と言いつつも、16時から0時過ぎまで働いてから引継ぎし、帰ったその日の朝8時から勤務するという「準夜日勤」と呼ばれるものもある。生理休暇はほとんど取れず、丸1日休めることは少ないという。

 そもそも看護師不足の背景には、「増大する医療費が国を滅ぼす」と、1980年代から政府が推し進めてきた「医療費抑制政策」が発端にある。医療費が抑制されたことによって病院は不採算経営に陥ってしまい、必要とするだけの看護師を雇えなくなった。その結果、少人数で患者に対応しなくてはならなくなり、一人当たりの負担が増大、厳しい労働環境が離職を促進、さらに労働環境が悪化と、悪循環に陥ってしまっているのだ。

■看護師の数は80年代から2倍近くに。なぜ不足?

 しかし山田さんによると、1980年代と比べて看護師数は2倍近くも増加しているという。では、なぜ看護師はいまだに不足しているのだろうか。山田さんは看護師が不足している要因をこう分析する。

    「医療が高度化し、入院日数が本当に短くなり、年齢の高い方が入院されるようになった。それから事務的な書類の手続きがすごい増え、業務が増えたので、(結果的に)看護師の労働状況は改善されていないのが実態」

 仕事が増加・複雑化・高度化したので、他の職種との業務分担を積極的に行っていくべきだとした。また、全国で60万人いる看護師免許を持っていながら従事していない看護師(=潜在看護師)の存在も、看護師不足の一因だと指摘。

    「60万人いる潜在看護師が働けば、働き続けていれば、もっと(看護師の労働環境は)改善するのに、どんどん辞めていってしまうからなかなか改善しない」

 この潜在看護師を現場に呼び戻すためには働きやすい環境を作ることが必要で、そのためにはやはり看護師数を増やすことが必要だと、山田さんは話す。

    「働き続けるためには、最終的には人手(の充足)しかない。人手を確保するためには、病院は経営をしていかなければならないので(看護師を必要数雇えるだけの額に)診療報酬を見直していただかないと。そして8時間勤務が本当に8時間勤務で終わるように。それから、夜ちゃんと寝られるだけの時間間隔があるとか、そして例えば子供を持っても結婚しても、習い事に行きたくても研修に行きたくても、それが計画できるような勤務体制(を確立してほしい)」

 看護師の養成数は増やしているが、結局労働環境が厳しいため長く働くことが出来ず、大量採用・大量離職の悪循環に陥っている看護師不足問題。養成数を単純に増やすだけではなく、今看護師免許を持っている人たちの利用、つまり離職率をいかに減らし大量の潜在看護師を活用出来るかが、この悪循環を断ち切るための鍵となってくるだろう。看護師の労働環境を守ることは、質の高い医療・看護提供体制が整えられ、私たち患者の健康と安全を守ることにもつながる。

現場に看護師が足りないとか言う話題でありながら7:1看護の話題には一切触れていないあたりが非常に違和感を感じる記事なんですが、当然ながらこういう記事を書く以上は取材の上でも看護協会とは仲良くしなければならないでしょうから、あまり迂闊なことも口に出来なかったと言うことなんですかね?
なんでも看護協会ではさらに5:1看護を目指すなんてことも言っているそうで、それは国全体でこれだけ看護師が不足している中で大学病院あたりが高度な看護研究に勤しむ(笑)優秀な看護師を多数囲い込むようなことになればますます在野の医療機関は看護師不足に泣くことになるでしょうから、四病協や日医など経営サイドに近い筋では断固反対を主張しているようですね。
経験的に看護師の士気が高い職場というのは幾つか共通点があるのかなと思っているのですが、医師が少々多忙なのは耐えられても雑用仕事ばかり押しつけられれば「やってられない」となるのと同じで、看護師にしてもきちんと専門職としての業務に専念出来ている施設では忙しくても辛抱が効きやすい印象があって、経営者としてはそのあたりをまず改善していくことが喫緊の課題でしょう。
とりわけ記事中にもあるような高齢患者の増加と言えばcureよりもcareの方で非常に手がかかるだけに、非専門職スタッフをうまく使いこなすことが勝ち組病院となるチャンスに結びつくことは医師の逃散問題などとも共通する施設側のポイントと言えそうです。

まあしかし、一昔前であれば「8時間勤務が本当に8時間勤務で終わるように。それから、夜ちゃんと寝られるだけの時間間隔があるとか、そして例えば子供を持っても結婚しても、習い事に行きたくても研修に行きたくても、それが計画できるような勤務体制(を確立してほしい)」なんてことを言えば「さすが看護師様はQOLの目標が高くていらっしゃる」なんてやっかみ混じりの批判も出ていたところでしょうけれどね(苦笑)。
医師と看護師の専門性というのももちろん違いがあって、極論すれば医師はなるべく働かせないようにしていくのが医師の働きやすい職場環境構築のコツと言えますが、看護師の場合はどうしても体を動かしてナンボ、数がそろってナンボという部分は否定出来ず、両者の対策を全く同じように考えるわけにもいかない部分は確かにあります。
ただとりわけ民主党政権になって以来顕在化してきた日医と看護協会の政治的影響力の差に象徴されるように、実際に声を出し要求していかなければ何も変わらないということは実証されているわけですし(昔の日医はその意味でも強かったですよね)、そして現場の医者にしても行動すれば何かが変わるということを実感し始めているのが近年の流れではあるわけです。
看護師がまた楽をしているなんてやっかむよりは、共に立って非専門職スタッフをもっと入れろと共通項部分を病院に働きかけでもする方が実効性があるでしょうし、国が音頭を取って医療を経済成長の原動力にと言っている時代の流れにも沿った話だと思うのですが、そうした要求が成立する背景には医療が国家資格に裏打ちされた高度な専門職であるという「売り」があるのは言うまでもありませんよね。
その点で今の時代に専門性の低い業界ほど大変だろうなとは誰でも想像はつきますが、例えば以前から当ぐり研でも運送業界の問題は何度か取り上げていて、とりわけあまりに悲惨だとその労働環境が問題になり近年法的規制も次々と導入されていることは競争の過酷な業界であるだけに当然だと思いますけれども、立場の弱い身というものはこうまで虐げられなければならないのかと改めて感じさせられるのがこちらの記事です。

「臭いものにふた」の荷主の体質 労災申請に口挟まれ(2011年8月3日物流ウィークリー)

 仕事中にドライバーが怪我をすれば、事業者は労災保険を申請し、治療費などを労災保険で賄うのが通常だ。この際、申請は事業者が行うが、そこに荷主が口を挟んできたら──。労災保険の申請で事業者に代わって一切を取り仕切った上場企業の荷主から見えたものは、「臭いものにふたをする」という企業体質だった。

 千葉県の運送事業者は上場企業を荷主とし、その指示に従って業務を遂行している。事故は荷物を積み込む最中に起こった。

荷主の現場で同社のドライバーが操作を誤り、足を負傷したのだ。作業続行が不可能で、治療のためドライバーはすぐに病院に向かったという。何針も縫う怪我で、通院が必要と診断された。

 仕事中の怪我なので当然、同社は労災保険の申請を行おうとしたが、荷主から「待った」が掛かったという。最初は理解できなかった同社長だったが、その後のやり取りですべてを理解した。

荷主は同社に代わって、労災保険の申請書類をすべて準備し、同社長にその書類を提出するよう求めたのだ。書類を見た同社長は、書類の中に、荷主の名前が一切入っていないことを確認した。あくまで同社の作業でドライバーが負傷したもので、荷主には一切関係のないこととして処理されていたという。

 同社長によると、ドライバーは荷主の担当者らと作業を行っていたという。本来は当然、その事実を書いて申請する必要があるが、荷主に関する一切のことが省かれていた。

 「労基署や会社のイメージ悪化を恐れているのだろうが、そこまで隠さなければならないのかと、あっけに取られた」という同社長だったが、「荷主に迷惑はかけられない」と、結局、その指示に従ったという。

 「怪我は確かにドライバーの不注意もあるが、現場の担当者にも責任の一端はある」と指摘する同社長は、「原因をすべてうちの非に置き換え、まったく関係ないという荷主の姿勢はショックだった」。「上場企業としてのイメージも大切なのは分かるし、うちが全責任を負うのもやぶさかではないが、臭いものにふたをするという企業体質が透けて見えてきて、何となく後味の悪い出来事だった」と話している。

責任問題ということで言えば契約が絡んで難しい部分があるのだそうで、聞くところでは運送業者が積み込みや荷下ろしまで一括して請け負うことで契約しているのであれば、一緒に作業をしていても荷主側に法的責任はないということになるとも言うのですが、もちろんこの場合批判されるべきはそういう話ではなくて、わざわざ事実関係を隠蔽するような書類まで作り上げてお上に提出しようというその姿勢であることは言うまでもありませんよね。
運送業界に限らず今年などは全国各地で熱中症患者が多発していると言いますが、大手企業などでは熱中症が出たなどと言えば労災管理の責任問題になるせいか、わざわざ病院に運び込んで治療を受けさせたくせに「熱中症なんですか?!本当に熱中症なんですか?!何の根拠でそう言うんですか?!」なんて担当医をしつこく問い詰めるような方々もいらっしゃいます(それなら最初から運んでくるなよ…という気もしますが)。
もちろん診療に関して嘘を強要するようなことがあればこれは犯罪ですから一昨日に再診くださいとお答えするしかないところですが、双方の力関係によってはこうした事態もあり得るということを考えるとやりきれないですし、今の時代ですから下手に情報が流出でもすれば労災発生どころではない企業イメージの悪化にも結びつきかねないはずなんですけどね。

運送業界の過酷な状況を招いている理由の一つに業界に長年横たわる過剰な下請け構造があると国政の場でもようやく取り上げられ始めましたが、「空荷よりは油代だけでも貰った方がマシ」といった考え方が結局自分自身の首を絞めることにつながってきたのだとすれば、そろそろ業界全体の問題として自ら声を出していかなければなりませんよね。
面倒なのはこうした下請け、孫請け構造の場合は孫請けにとっては下請けも雇い主であるという関係になりますから、業界が一致団結して荷主と条件交渉をなんて構図にはなりがたいことで、利用する側にとっては分断統治の成功例ということになるのではないかと思いますが、それだけに内部改革もおいそれと進みがたいのでしょうね。
実際にトラック事業者の2割が荷主から一方的に取引を断られ、過去半年で6割以上の事業者が荷主から一方的な運賃引き下げなど何らかの強要をされたとか、実に9割の事業者が希望する運賃を収受出来ていないという業界のアンケート結果があることを思えば、むしろ業界内部よりもそれを利用し一方的な不利益を強要している荷主の側にこそ早急な規制が必要なのではないかという気もします。

こういう時代ですから某大手企業のエリート社員が下請けにどういう態度で接しているかなんて話は風の噂に幾らでも聞こえてくるわけで、それがひいては企業イメージの悪化にもつながってくることを思えば、運送業界を利用する側も目先の運賃カットに血道を上げているばかりでは肝心なところで大きな不利益を被るなんてことになっているのかも知れませんよね。
もちろん実際に現場で仕事を請け負っているドライバー達があまりの劣悪な待遇に先を争って逃げ出し、後には荒廃し破綻した流通の抜け殻だけが残されたなんて話にでもなれば国民全体に関わる大問題ですから、真面目に仕事をしようとしている人々がきちんと報われるように環境を整えるべく国にも主導的な役割を期待したいところです、が…ねえ…

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2011年8月 4日 (木)

若手医師の苦労はまだまだ続きそうです

は?ネタですか?と思ったら本当にあってびっくりしたのがこちらのニュースなんですが、まずはそのネタぶりを見ていただきましょう。

25年後、埼玉の医師の労働時間が週168時間に (2011年8月2日YUCASEE MEDIA)

 「埼玉県25年後の医療」と題したレポートを、東大医科研研究チームが2日発表した。2035年には医師数が現在から30%増となるものの、医師の労働負担は47都道府県で最下位の水準にある、としている。

 日本全体で見た場合には、2035年には、医師数は10年から20%ほど増加。これまで医師100人の労力を必要としていたところが、75人の労力となり負担は軽減される。

      埼玉県人口 医師数
・2010年 約700万人  約9300人 
・2035年 約630万人  約1万2350人

 県の人口は減少し、医師の数は増加。人口1000人あたりの医師数で見ると10年が1.31だったものが、35年には1.97となる。一見すると大きく改善しているように見えるが、47都道府県中では最下位。全国平均では35年には3.14となっており、大幅に下回っていることがわかる。

 問題点は、医師の高齢化、さらに患者の高齢化で仕事の負担が減少どころか、増加することが予想されている点にある。ちなみに、2010年並みに戻そうとすると、若手医師は週168時間労働になる。しかし、言うまでもないが、1週間は168時間しかない。

 2010年水準に戻すためには、後期高齢者死亡数指標では、220%の増員が必要。さらには地域医療を担う医師を育成する医学部を新設することも必要だとしている。

しかし素朴な疑問なんですが、何故東大医科研が埼玉県の医療をこうまで心配していらっしゃるんでしょうかね?(苦笑)
ソースの方には各種の図表があって参考にしていただきたいのですが、医師が増え人口が減るのになぜ仕事量が増えるのかと言えば医師の高齢化が進み、働かない老医ばかりが増えてくる結果若手が激務にあえぐことになるという計算なんだそうです(いやマジで)。
正直この内容自体は「220%の増員が必要」だとか「地域医療を担う医師を育成する医学部を新設することも必要(どんな医学部だ?)」といった「結論」を誘導する目的でのためにする議論と言う印象が強いのですが、天下の東大においてもこういうことを主張する人々がいらっしゃるということは記憶しておくべきだと思いますね。
先日は初期研修を終えた医師の4人に1人は医師不足地域には行きたくないと考えているという記事を紹介しましたが、こうした現実を踏まえた上で強制力を発揮させるために自治医大あるいは地域枠のようにお金なりで若手医師の将来を縛りつけるような方法をさらに強化したいのだとすれば、ベテランが楽をするために若手に週168時間労働を強いるのと全く同じ搾取の構図ではないですか。

余談ながらこういう話を見て思うことには、埼玉県が将来の医師数が全国最低水準になる!絶対数は増えているがもっと増やさなければ乗り遅れる!と頑張るのはいいとして、その結果またどこかで全国最低に危機感を抱いた都道府県がもっと頑張るようになる、そんな果てしない向上の連鎖をどこまで続けていっても終わりなんてないはずですよね。
昨今では司法の場などでも盛んに言われるようになった「標準的な医療水準」なんて言葉もそうですが、努力して平均値を上まろうと向上を果たしたところで今度は平均値自体が上がってくる、高い水準を追い求めるほどついていけない個人や組織が出てくるのは当然で、その結果「おいおい、そんなの一般医療機関じゃ無理だよ」なんて無茶な基準が学会ご推奨として打ち出されてきたりする。
救急搬送にしても「全国平均は○分なのに当県は×分、問題だ!」なんて話がよく見られますけれども、必要とするコストやマンパワーといったものを考慮にも入れないでただ子供のような純粋さで質の向上だけを追い求めていられる時代は、医療に限らずこの日本ではとっくに終わったんじゃないかと言う気がするのは自分だけでしょうか。
出資者がどれだけのコストを投入することを許容するのか、そのコストのうち人件費に使えるのが幾ら、設備投資に幾らと何にどう割り振るべきなのか、予算の範囲内で集められる人材等の質と量はどの程度になるのかといったことをまるで考えないで、ただ人間はどんどん増やせ、仕事の質は天井知らずに引き上げろなどと言う人間がいたら、真っ当な会社なら「あほか!企画書全部やり直し!」と上司に叱責されて当然でしょう。
日本の医療はヒラリーの「聖職者さながらの自己犠牲」とも評する現場スタッフの献身的努力によって国際的に見てもコストパフォーマンスが低い方ではありませんが、奴隷的とも言っていい現場の過度の献身を前提にさらに歪みを強化していくかのような発想で斜め上方向への「カイゼン」を推し進めていくばかりでは、いずれ全てが破綻するのは目に見えているんじゃないかと思いますね。

脱線はそれとしても、さすがに使える予算という限界を身に染みて知っている厚労省の方ではもう少し即物的な考え方をしているらしく、昨今ますますかねての持論である医師集約論を推進しようとあの手この手でジャブを放ってきている気配があります。
今回の診療報酬改定では日医などは「震災もあったのだからあまり大きな変更はしないで」などと温いことを言っているようですが、厚労省の方ではむしろ抵抗勢力が弱体化した好機とも捉えているということなのか、先日の中医協DPC評価分科会での様子をロハス・メディカルさんの記事から取り上げてみましょう。

厚労省の「医師密度」案に異論噴出(2011年8月2日ロハス・メディカル)
より抜粋

 「東大が一番得をするんだろう」「医師の獲得合戦という変な方向になりかねない」─。厚生労働省は医師がたくさんいる大病院に高い報酬を設定する「医師密度」という基準を提案しているが、異論が噴出している。(新井裕充)

 自公政権下の「社会保障国民会議」の最終報告(2008年11月4日)で示された医療・介護のシミュレーション、それを引き継いだと言われる現政権の「社会保障・税一体改革成案」でも高度急性期を重点的に評価する方向性が見える。

 全国8650病院のうち、急性期病院の代名詞である「DPC対象病院」は約1400施設。厚労省はこれをさらにグループ化して、トップランナーの「医療機関群」を選別する作業を進めている。その要が「病床当たりの医師密度」という基準。

 来年4月の診療報酬改定に向け、8月1日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会で厚労省は、「一定の機能や実績の要件を満たす一定以上の医師密度・診療密度の医療機関について、独立した医療機関群として設定することを検討してはどうか」と提案したが、委員から異論が噴出した。

 瀬戸泰之委員(東京大大学院医学系研究科消化管外科学教授)は、「東大が一番得をするんだろうが、その『医師密度』の中に研修医を入れていいか、入れるべきかは個人的に疑問」と指摘。酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)も、「5年目までの医師の獲得合戦という変な方向になりかねないということも念頭に入れた上で、という部分もやはり必要になるのではないか」と述べた。

 また、地方の中小病院の立場から、「大病院がない地域で、受けざるを得ない所で頑張っている所を何らかの形で適正に評価しないと破綻する」(金田道弘委員・特定医療法人緑荘会理事長兼金田病院長)との意見もあった。
(略)

ま、東大が一番得をするかどうかはともかくとして、トップランナーとして設定する医療機関なるものを例えば大学病院のような見た目の医師密度は高いけれども、実際の(特に急性期の)臨床能力は必ずしも高くない施設を中心にしていくというのであれば、地域の医療向上に結びつかない単なる数合わせの論理と言われかねない懸念はありますよね。
実際の議論の叩き台となるのは厚労省の出して来たこちらの資料なんですが、特に事務局自身が本日のまとめとして提示してきた部分としては以下のようになるようで、やはり大学病院は含めるのがデフォルトの設定ということになりそうですから、地域によってはこれまでの医療秩序が崩れかねない懸念すらありそうにも思えます。

4.まとめと今後の対応

(1) DPC/PDPS調整係数の置換えに伴う基礎係数で設定する医療機関群は、当面、①大学病院本院群、②大学病院本院以外の医師密度の高い病院群(名称については別途検討)、③前記以外、の3つの医療機関群とする方向で検討を進めてはどうか。(この場合、最終的に①②を別の医療機関群とするか、合わせて一つの医療機関群とするかも含めて検討)

(2) 上記(1)の医療機関群に関する要件の更なる具体化作業については、これまでの検討状況を中医協に報告し了承を得た上で、今後着手してはどうか。

(3) 他病棟との連携機能については、医療機関群として設定は行わず、次回診療報酬改定に向けたDPC/PDPS算定ルールの検討作業の中で対応してはどうか。

質疑応答の冒頭に社会保険中央総合病院名誉院長の齊藤壽一委員が「いったいこんな分類をすることで何のメリットがあるのか」なんていきなりな質問をぶつけていますけれども、厚労省が提示した資料によれば医師密度が高い施設ほど難しい手術をこなしたり、一日あたり点数が高かったりする、また同じDPC病名でも実際の患者重傷度も高いと、要するに診療密度も高いのだというのですね。
当然ながらDPC病院なら診断病名ごとの定額払いですから、同じ病名で重症患者を診ている施設ほど相対的に儲けが少なくなってくるという道理で、「同じ「基礎係数点数」(基礎償還点数?)にしてしまえば、重症の患者を診るインセンティブは当然なくなってしまう(丸山慧保険局医療課主査)」というのが(表向きの)理由付けであるということです。
実際そうした傾向が見られるにしても、当然ながら医師密度と診療密度は連続的に分布しているわけですから「ここからはA級、ここからはB級」なんて明確な区切りも難しいだろうと言う突っ込みが入るのですが、だからこそ線引きをどこにするかは「今後検討」なんですというのは、そんな区割りを検討しようと言い出した側としては詭弁のようにも聞こえる話ではあります。
こうした話になると基本的に診療側委員は反対なのかなと思っておりましたら、東京都看護協会会長の嶋森好子委員が敢えて賛成票を投じたと言うのは興味深いなと思うのですが、それに対してこういう突っ込みが入るというのは何かしら医療の内部におけるヒエラルキーの反映を感じさせるような話かなとも思いますね。

[池上直己委員(慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授)]
 今のご意見はまさに、看護師の......、(委員ら、笑い)......7対1とまさに同じ議論。(会場、笑い) それを妥当と見るなら、これも妥当だと思います。

それはそれとして、ここから医師密度の算出に研修医を入れるべきかどうかが長々と議論になってきて、厚労省の資料では医師全体とキャリア五年以上とで分けて出して来ていることについて、分けるなら2年目までの初期研修医であるべきではないかとか各種異論が出るわけですが、結局のところ研修医を多くかき集められるブランド研修病院がそのまま勝ち組病院になってしまう制度にしていいんですか?ということですよね。
「東大が一番得をする」かどうかはともかく、どこで区分けをするにしても若く流動性の高い医者の頭数を揃えた施設が優遇される(のでしょう)となれば人材の奪い合いが病院の死命を制するという、「看護師の7対1とまさに同じ議論」が繰り返されることになりかねませんが、実はこの議論のそもそもの出発点は単に医師の数だけで評価をするのではなく、病院の研修機能を評価しようという話だったようです。
つまり研修医を頭数に数えるべきか数えざるべきかなんて議論は本末転倒で、「重症度がすべて反映されているのであれば別の方策で本来対応すべき」であると、そうであるから技術なり重傷度なり幾つかの要素を勘案した上で、さらに医師密度一定以上というのを必要条件にした区分けをというのが厚労省の考えであるようなんですね。
そうなると当然ながらこういう時代ですから、研修医が来たがらないような地方の病院には最初から評価にハンデを負っているようなことになるわけですから、他に病院がない中で地域内の救急を全例引き受けざるを得ない地方の病院にとっては「おいおい冗談じゃねえぞ」と感じるのも当然で、旧郡部で中小施設ながら地域の基幹病院として孤軍奮闘してきた金田病院などは当然こう反論したくもなるのでしょう。

「重症救急の受け入れ率も非常に重要」 ─ 金田委員

[金田道弘委員(社会医療法人緑荘会理事長兼金田病院長)]
 ご指名いただきましてありがとうございます。重症患者を診る機能を評価する、これはよく分かります。(救急受け入れ機能の評価を主張する元慶大病院長の)相川委員もおられますけれども、重症救急のことが7月23日の全国紙に載っておりましたけれども......。

 重症救急の「たらい回し」率が4年連続して1万人を超えたと。最多は41回、東京都の60歳の男性が拒否されたと。こう考えれば、重症救急もやはり、受け入れ率というのも非常に重要な意味がありますし、いくら病院があっても拒否すれば(病院が)ないと一緒ですよね、患者さんにとっては。

 個人的な例で申し訳ないのでけれども、昨日は私、当直していまして、朝出てきたんですが、夜間に5台救急車が来まして、圏域外からも2台来ましたけれども、全部受け入れました。そういうふうな大病院がない地域で、受けざるを得ない所で頑張っている所を何らかの形で適正に評価しないと破綻するということを申し上げたいと思います。

 ▼ 会議終了後、発言の意図するところを金田委員に尋ねたところ、次のように話してくれた。
 「重症患者を診る医療の質の高い機能を適切に評価する必要があることは十分理解できます。ただ、重症患者の中には重症救急患者もおられると思います。大病院だけが重症救急患者を受け入れているわけではありません
 7月23日の日本経済新聞に、『平成22年度の重症救急搬送で、病院の受け入れ拒否3回以上が過去最多の1万6千件。東京がトップ4077件。最多拒否は東京都の60歳男性の41回。救急隊員は3時間搬送先を探し続けた』とありました。素朴な疑問として、医師密度が高く、医療の質の高い大病院が集中している東京で、なぜこのようなことになるのか、実に不思議な気がします。受け入れを拒否されたら、その救急患者にとっては、その病院がどんなに医療の質が高くても、病院がないのと同じことになります。
 私たちの医療圏では、わずか人口5万人の医療圏に中小病院ばかり7病院あり、いずれも2次救急輪番制に参加していますが、重症救急搬送拒否3回以上の割合は、岡山県内消防本部単位でも、最も低い(平成20年)か、第2位(平成21年)で、大病院や救命救急センターのある医療圏よりむしろ低い結果となっています。
 私たちの病院でも、大病院がない医療圏で深刻な医師不足ですが、何とかみんなで工夫して頑張って受け入れています。当院は、医療圏内の救急搬送の約40%を受け入れており、一方、当院に搬入される救急車の22%は、他の医療圏から受け入れが困難で来られます
 当院はケアミックスで、DPC以外に亜急性期病床、医療療養病床もあります。大病院か中小病院か、ケアミックスか否か、亜急性期病床併設か否かではなく、病院単位で医療圏内で果たしている『役割』を適正に評価すべきではないかと考えます。バックグラウンドによって、その病院が果たしている『役割』に対する評価は全く変わってくるはずです。
 実は、昨夜私は当直で、夜間だけで救急搬入が5件ありましたが、うち2件は隣接する他の医療圏からの搬送でしたが、副当直医の協力を得て、何とかすべて断らずに受け入れることができました。
 私たちは、自分の病院に責任を持つだけでなく、地域に責任を持つことが期待される存在だと考えています。極めて深刻な医師不足が最大の課題であり、1日でも早く改善することを切望します。そこで提案しているのは、地域の中小病院へ医師を派遣することを診療報酬上で評価することです。そうすれば、派遣元の大病院も地域への医師派遣のインセンティブになるし、医師不足で崩壊の危機にある地域の中小病院も頑張れると思います。
 派遣先の病院選定については、地域医療計画を策定している都道府県の意見を聴くべきではないかと考えます。必死の思いで、使命感を持って、懸命に地域の役割を果たそうとしている全国各地の中小病院が適切に評価され、全国の地域医療がさらに崩壊しないことを心から願ってやみません。医療の『質』と、地域における『役割』が評価され、初めて適切な評価と言えるのではないでしょうか」

続いて発言した美原記念病院院長の美原盤委員なども「高度な技術とか重症患者とかに関しては、高度っていうのは本当に特殊なもので、それはやはり大学病院なり特殊なセンターがなさっているものであって(中略)重症と高度とまた違うと思うんですね」と発言していますが、地域で実際に救急車を引き受けてきた施設にすればまさに首肯すべき意見ではないのかなという気がします。
大学病院などは確かに特殊な疾患を多数抱え金に糸目をつけずに医療をやっていますから平均の点数は幾らでも高く出るでしょうが、それでは大学病院が救急車を医師数に見合っただけ受け入れているかと言えばむしろ逆で、地域の施設で「これは大学病院でないと」と紹介されてくる症例しか相手にしないと言う場合も多いわけですよね。
別に厚労省が医師集約化を目指す方向性自体を必ずしも否定するものではありませんが、その基準としてこういう指標を用いるというのであれば下手をすると地域の実臨床能力が低下し、患者からすれば「大病院が出来たのにいざというとき診てくれない、地元にあった病院は先生がいなくなってつぶれてしまった」なんて話にもなりかねないということでしょう。

結局のところ厚労省としては臨床研修制度で勝ち組、負け組病院が明らかになってきた、そうであればここを足がかりにもう一押しすれば持論の医師集約化が達成できるという読みがあったのかも知れませんが、さすがにこれは話のひねりすぎで現場から受け入れられるところとはならない気がしますが、ただ支払い側に何かしらのメリットがあるということであれば中医協などの場での評価はまた変わってくるかも知れませんね。
いずれにしても若手医師が沢山いる施設の方が重症患者を沢山抱えているなんて話は、実際の現場の状況を想像すると涙無しでは語れないような気もするのですが、不眠不休で臨床現場の奴隷働きをしている彼らの苦労が国からは単なる数合わせとしてしか見られていないのだとすれば、これほど報われない話もないですよね。

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2011年8月 3日 (水)

フジテレビ騒動 高岡事件続報

先日もお伝えしました高岡蒼甫氏によるフジテレビ批判発言ですが、その後も騒ぎは沈静化するどころか拡大する一方となっているようです。
今のところネット上での動きが主体で一般マスコミはさほど大きな扱いをしているようではありませんが、そろそろスポンサーの方でも対応の必要性を感じ始めているようですね。

「韓流偏重批判」巡りネット大騒動 著名人から共感の声、フジ抗議デモ告知…(2011年8月1日J-CASTニュース)

   俳優の高岡蒼甫さん(29)が韓流偏重とフジテレビを批判したことを巡り、2ちゃんねるで500以上もスレッドが乱立する大騒動になっている。著名人から共感の声が寄せられる一方、テレビ局の内情を訴える声もあるようだ。

   2ちゃんねるで騒ぎが過熱したのは、高岡蒼甫さんが2011年7月28日、所属事務所を解雇されたことをツイッターでほのめかしてからだ。

片山議員もツイッターで高岡さんと連絡

   高岡さんを支持し、フジテレビを糾弾する声はかなり多く、ネット上の書き込みだけに留まらない動きもみられる。

   フジテレビのスポンサー企業にクレームの電話で突撃する「電凸」を呼びかけることが、その1つだ。また、フジテレビで8月7日に抗議デモをしようという告知まで現れた。そこでは、「フジテレビは韓国のTV局ですか?」などと書いたTシャツの写真まで掲げられている。

   著名人の中でも、高岡さんの主張に共感を示す声も出てきた。

   元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄さんは、ツイッターで7月29日、「テレビで韓流ドラマが一日中流れていることに私も違和感を感じています」と明かした。そして、「公共の電波を使って韓国の情報戦略に協力することは止めてもらいたい。しかし、どこからかカネでも出ているのかもしれません」とつぶやいている。

   また、元横浜市長の中田宏さんは、ツイッターで、「正論言ってるよね。ずっとそう思ってた。一体どこの国のテレビって感じ」と高岡さんを支持。元国交相の中山成彬さんは、ブログで「乗っ取られているテレビ界の内実を知って我慢ができなかったのでしょう」と書き込み、自民党参議院議員の片山さつきさんもツイッターで、高岡さんと連絡を取ったとし、「彼が提起し皆さんが共有する危機感に焦点を当て、攪乱勢力を排して行きましょう!」とさえ呼びかけている。

   一方で、過激なフジテレビ批判に首をひねる人たちもいる。

「視聴者から要望が多いものを流しています」

   お笑いタレントの田村淳さんは、韓流偏重だと思えばフジテレビを見なければいいとツイッターで指摘。「ブームが去ればまた新しいブームがくるだけの事じゃないの?」と自らの見方を披露している。また、パーソナリティの浜村淳さんは、毎日放送のラジオ番組で、韓流がウケるのはよく出来ているからだとし、高岡蒼甫さんの発言については、「もの凄い反発が来ていますね」とした。

   テレビ業界からは、フジテレビにも内情があると訴える声もある。

   地方テレビ局勤務というブロガーは、そのブログ「ニセモノの良心」で、視聴率を取らないとCMを確保できないが、広告収入減でテレビ局に十分な番組制作費がないと指摘。韓国ドラマは購入費用が安いのにもかかわらず、視聴率をある程度稼げるという事情を説明している。

   そして、「要はコンテンツ業界のユニクロ。すげー安くてそこそこ品質がいい」とした。

   ただ、こうした意見も、ネット上でさらに批判を浴びている様子だ。

   2ちゃんの騒ぎは、毎日新聞サイトが海外に「変態ニュース」を発信したときを彷彿させるほどだ。フジテレビも、同じマスメディアとして叩かれており、規制に守られる中で視聴率集めに走っているところが反感を買ったらしい。

   フジテレビの広報部では、韓流偏重については否定し、こう説明する。

    「朝から晩までやっているわけではありません。ゴールデンタイムもすべて韓流ではなく、ほかの国のものもあります。私どもとしては、適正ではないかと思っています

   そして、制作費の指摘について、「韓国ドラマは、安く上げられるからということはありません。予算の都合ではなく、視聴者から要望が多いものを流しています。いいものは国籍を問わないと思います」としている。韓流番組については、視聴者からは、数十件の意見が来ており、「多すぎる」「見たいので続けてほしい」と多岐にわたっているという。

韓流ドラマ放送フジ「ダントツ」1位 自社制作より安く、視聴率も取れる(2011年8月1日J-CASTニュース)

 韓流ドラマの1か月間の放送時間は「フジテレビがダントツで多い」ことがTBS系情報バラエティ番組で紹介された。フジテレビに対し批判的な意見が相次ぐ一方で、「単に経済原則に従っているだけでは?」といった声もある。

   発端は、俳優の高岡蒼甫さんがツイッター(2011年7月23日)で、「8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思うこともしばしば」などとつぶやいたことだ。「8」は首都圏の8チャンネル、フジテレビのことと見られ、ネット上で波紋を呼んでいる。

「韓流ドラマをゴリ押し」批判も

   高岡さんのツイッター発言をめぐる「大騒動」を、各局の韓流ドラマ放送時間の情報とともに伝えたのは、7月31日放送の「アッコにおまかせ!」(TBS系)だ。高岡さんのツイッターの内容に触れつつ、各局の1か月の韓流ドラマ放送時間をパネルで紹介した。

   パネルには4局登場し、「NHK4時間 TBS20時間 テレビ東京12時間 フジテレビ40時間」と書かれていた。フジテレビの放送時間が「ダントツ」だとも紹介された。出演者らのコメントはなく、あっさりと別の話題に移った
(略)

   フジテレビの同時間帯は、過去の番組の再放送枠であることが多かったこともあり、ツイッターなどでは「日本ドラマの再放送より韓国ドラマ放送の方が、その時間帯の視聴率を取れる、とフジテレビがみているだけの話ではないか」という指摘もある。フジテレビが韓流コンテンツを視聴者に「ゴリ押し」している、といった批判が相次いでいることに対し、違和感をもつ人もいるようだ。

   自社制作番組をつくるより韓流ドラマを流す方が安上がりだったり、広告を取りやすかったりという側面などから「単なる経済原則」なのではないか、というわけだ。他局との差については、「戦略」や「視聴率の読み」の違いとみている人もいる。

BSでも韓流ドラマが多い

   もっとも、韓流コンテンツの「急増」に批判的な意見をネット上で表明する人たちが気にしているのは、フジテレビ系の韓流ドラマのことだけではなさそうだ。同局系の音楽番組やバラエティ番組でK-POPグループや韓流スターらが度々紹介されることを指摘する声もある。

   また、フジテレビだけでなく、他局やBS各局の韓流ドラマ放送を含めて「洗脳だ」などと懸念を表明する人もいる。BSでも韓流ドラマが多いという印象をもっている人は少なくない。
(略)

フジテレビの番組スポンサーが慌て出す? 韓流推し騒動でマイナスイメージに危惧(2011年8月1日ガジェット通信)

高岡蒼甫氏の一連の騒動以降、動揺しているのはフジテレビ局内だけではなく、番組を支えるスポンサーにまでその影響は出ていることが発覚した。「疾走マン(sissouman)」と名乗る人が『Twitter』で言及しており、次のように投稿している。

    「月曜から沖縄に来ていたTV関係の知人が、例のフジテレビの騒ぎで慌てて帰って行った。局内よりもクライアントが動揺しているらしい。不買運動などが起こったら局としても命取りだ。そもそも高岡氏の発言は単なるきっかけで長年の局の放映姿勢がバッシングにあっているので収束の着地点が見えない

    「確かにCXの韓国偏向報道姿勢は行過ぎな所があった。視聴者はそれを敏感に感じていたが、今回の高岡氏の件で溜まっていた不満がバッシングとなっていた。デモまで計画されているというから凄い。株主構成を考えればすぐには報道姿勢は変えられないだろう。だが広告出稿に影響が出るとそうはいかない。」

    「CXの韓国偏向の理由。株主構成≒広告主、K-popの権利関係が系列企業にある、安価な韓流コンテンツの費用対効果、等で局全体が親韓(反日)ムードの方向に進んでしまった。しかし放送という公的業務を生業としている限り偏向放映姿勢は糾弾されて然るべきだ。しかし今回の騒動は先行きが見えない」

    「CXの騒動はTV、新聞の旧メディアのほとんどが高岡、ロンブー淳、ふかわ等の芸能ネタの延長としてしか扱っていない。CXがメディアリテラシーを無視して金儲けで親韓に走り視聴者に反感を買っている事にCX自体が気付いていなかった。またネットメディアの伝播力と影響力を未だに黙殺している。続」

    「これは原発事故の政府発表とそれを当初追求しなかった新聞TVと酷似する。CXは今回の騒動に対して釈明をしないともっと大きな波となって自らに帰ってくる。そして親韓嫌韓という単純な二元論となり対立軸だけが強固になってしまう。例えば自民議員韓国入国拒否など全く違う問題も混同されていく。続」

    「TV新聞は原発報道と一緒で核心は報道しないでしょう。私も中にいたので判りますが、報道にも多くの利権が絡みそのメディア関係の誰かの懐が痛む場合ほとんどが報道されません。だからネットメディアの重要性が問われると思います。」

フジテレビの番組スポンサー企業には今回のフジテレビバッシングは痛手になるはずだ。直接企業叩きにはなっていないが、ネット上では不買運動や更には電話でクレーム抗議などを行うといった活動が実際に行われている

そんなスポンサーの行く末は番組スポンサーからの離脱だ。すると制作費を失った局側はほかの番組から補充してもらうか、その番組を打ち切りにせざるを得ない。ではなぜこのような境地に立たされてまでフジテレビは韓流特集を行うのだろうか。一説にはコストが安く番組を組めることにあるという。韓国ドラマにしても日本国内の物よりクオリティが高く、潜在固定視聴者がいるため、放送を行う。韓国ドラマだけに限らず『24』、『プリズン・ブレイク』と言った人気ドラマを放送するのにはそういった理由がある。

しかし現在のフジテレビはその枠を超えており、流行っているとあたかも思わせるような放送を行ってきている。それが問題視されネット上でも議論となっているのだ。そんな韓流推しを急にやめることができるのだろうか。

スポンサーが降りるなどの相当な打撃がない限り、このまま韓流推しは続けられそうな雰囲気である。手遅れになる前に何かしらの手を打った方が良いと思うのだが……。

 フジテレビの韓国推しに対してネットのスポンサー不買運動が激化! 『花王』は犠牲に……(2011年8月2日ガジェット通信)

フジテレビの韓国推し問題が激化しているなか、ネット上では同局主要スポンサーの不買運動まで起きている。そのターゲットにされたのが大手企業『花王』だ。ターゲットにされた『花王』の洗剤『アタックNeo つめかえ用』のアマゾンレビューに大量の酷評投稿がされており、星1つが現時点で150個を超える状態となっている。そんなレビューの中から気になる物を抜粋してみた。

    ・日本国民を大切にしてくださる企業の商品の方がいいですよね。
    ・反日局を支援するような会社の製品は二度と使いたくありません。
    ・残念ながら、清潔感ある日本人向けではないと思われます。

というレビューというよりイタズラに近いレベルの投稿がされている。もちろん『アタックNeo』は実際には購入していないだろう。しかし今回の不買運動、こうした声が広がり実際に売り上げにも響くのは事実だ。『Twitter』、『2ちゃんねる』を代表とするインターネットの匿名コミュニティ上では花王製品の一覧が書き込まれ、またスポンサー対応表なるものも掲載されている。

これはネットユーザーがフジテレビのスポンサーに、今回の韓国推しの件を質問しその回答を集め掲載したものだ。ここで花王は「ネット見て電話したんですよね? フジテレビを支持しております」と回答しそれが切っ掛けでターゲットになった。もちろん切っ掛けはそれだけではなく、花王がフジテレビの大手株主であることも原因の1つにあるだろう。この記事を書いている現在もアマゾンレビューはヒートアップしており、さらにほかの製品(キッチンハイター)にまで飛び火が行こうとしている。

洗剤や石けん、シャンプーといった生活用品は代用製品が他社にあるのが花王にとっての痛恨だろう。これがゲーム機や書籍などであれば代わりが無い。これは一刻も早く手を打つべきだと思うが。

また8月7日にはフジテレビ前にて大規模デモが行われるようだ。過去の積もり積もったネットユーザーの怒りが今回の件で一気に爆発したとも考えられ、今回ばかりはうやむやに終息することが出来なさそうだ。

フジテレビとしては安くあがって視聴率が取れるのに何が悪いのかと言うことのようですが、記事にもあるようにフジテレビが突出して韓流なるものに肩入れしているというデータが示されている上にドラマ以外にも「露骨過ぎ」な韓流プッシュを続けている事実があるわけで、しかもどうやらそのソースが捏造混じりなのではないか?という疑惑も濃厚であるわけですよね。
鍋料理ランキングなどと言えば街頭で道行く人に聞いた結果を発表しているものと考えそうですが、テレビ局の中の人によれば全く違う独自のやり方で算出されたランキングであるそうで、なるほどこういうバイアス混じりのことをやっているのであれば目的に応じて好きなようにランキングを作ることも可能なのだろうなと納得はできる話です。
いずれにしてもフジテレビとしては(少なくとも表向きは)視聴率という指標によって韓流を推進することにメリットがあると考えている、しかし一方で視聴率はポジティブな評価をする人々の声だけを反映する指標ですが、今回の不買運動の盛り上がりにあるようにネガティブな評価をする人々も少なからず社会に存在することは、一向に上向く気配のない視聴率低落傾向が如実に示していますよね。
仮にこうした動きがさらに進んでフジテレビにとって明らかに不利益が多い段階に至っても、韓流をなお推進するのかどうかが同局のものの考え方を如実に示すことになりそうですが、今の勢いですとそうした判断を迫られる時期は案外そう遠くはないということにもなりかねません。

フジテレビの方針はそれとして、おもしろいのは今回の高岡氏に関わる騒動で各方面から賛否両論の声があがっているわけですが、非常に熱心に高岡氏を批判している人々も一部にはいらっしゃるということです。
高岡氏自身は今回の騒動で一躍株を上げたようなところもあって、各方面から「見直した」という声が相次いでいるようですからいずれまた復活の目もあるんじゃないかと思いますけれども、同業界人も真っ二つに割れている状況と言うのは何やら背後関係などに想像をたくましくさせるものがありますね。

浜村淳がラジオ番組で高岡蒼甫を批判するも、韓流絶賛で逆に反発の声(2011年7月30日リアルライブ)

 俳優・高岡蒼甫がツイッター騒動で芸能事務所「スターダストプロモーション」を退社したが、余波はしばらく続く気配をみせている。
 テレビのワイドショーでもこのニュースは大きく報じられた。そもそもの原因が最近のメディアの韓流押しに対する苦言だが、ワイドショーは高岡蒼甫だけを批判する内容に終始
 その中でもネット上で論議を呼んでいるのは、浜村淳がMCを務める毎日放送のラジオ番組「ありがとう浜村淳です」である。

 コーナーの冒頭で高岡蒼甫が不良であると浜村淳が紹介して、まず印象付けのジャブを放つ
 高岡がツイッターで発信した内容については「もの凄い反発が来ていますね」と語り、賛同する意見が出ていることには一切、触れることはなかった
 「韓流映画とかね、K-POPSとかね、KARAや少女時代がウケるのかよう考えてみいや。面白いからや。理屈も何もあったもんやない。よう出来ているからなんですよ」
 韓国のエンタテイメントが日本に進出する理由をキム・デジュン大統領の文化推進政策や兵役の例を出して浜村淳が絶賛し、日本の政治家を一方的に皮肉った。また、冒頭の高岡批判と違い、ウオンビン主演の韓国映画「アジョシ」を「おもろい」と声を弾ませて紹介。韓国の映画だけではなく、芝居、スポーツも優れているとした
 さらには、「8は今マジで見ない。韓国のテレビ局かと思うこともしばしば」という高岡のツイートに対しては、「言葉がきついのを通り越して無礼やないか」と声を荒げる。フジテレビが朝から晩まで韓流ばかり繰り返し放送していないため、高岡の発言は間違っていると結論づけた。

 番組の放送直後からツイッターや2ちゃんねる、ニコニコ動画、YOU TUBEを中心に「浜村淳が高岡蒼甫の件に関して捏造か」というタイトルで反発の声が多く上がり始めている。
 この件について、「ありがとう浜村淳です」の番組内で説明する日は来るのだろうか?

茂木健一郎「韓流のどこが悪い」 フジテレビ「不視聴」を批判(2011年7月30日J-CASTニュース)

   俳優の高岡蒼甫さんがツイッターで「8は今マジで見ない。 韓国のTV局かと思う事もしばしば」などと韓流コンテンツを推すテレビ局を批判する発言をしたことをきっかけに、ネット上の一部ではフジテレビ「不視聴」の呼びかけが広まっていた。これに対し、脳科学者の茂木健一郎さんが2011年7月30日、ツイッターでこうした動きを批判した。

「みんなフジテレビみろ!」

   ツイッターで茂木さんは「地上波テレビ批判と、これ(編注:テレビの不視聴)は別。幼稚すぎる。韓流のどこが悪い。グローバリズムの時代だぜ。幼稚な自国文化主義は、アホなだけでなく、日本をますます弱体化させるだけです」と持論を展開。次の投稿では「みんな、レベルの低いたわごとはいいから、猛勉強しようよ。日本は、このままだと、三流国になるよ。いつわりの愛国主義、くだらない自己主張、誰もついてこない事大主義、ぜんぶ捨てないと、もう愛する日本はダメだ」などと主張した。別の投稿で「みんなフジテレビみろ!」と述べてツイートをいったん切り上げた。

   これらの書き込みに対して、ネット上では「まあ一理ある。文句言うのはいいが自分達を高めないとあかん」という擁護意見もあるが、ほかの書き込みには「韓流が悪いのではなく、韓流専門チャンネルか?というくらい韓流を流すことに(高岡は)批判しているんですよ。論点がずれていると思います」「(韓流コンテンツばかりの)ごり押しが嫌なだけであって自国文化主義とは関係ない」「ヒストリーチャンネルぐらい見ごたえがあればいいんだが」といった反論も出た。

   これらを受けて、7月30日夕方、茂木さんは再びツイッターを更新。「高岡蒼甫さんの発言については、私は一切言及していません」としたうえで、「ぼくがよく理解できないのは、『韓流』を『フジテレビ』が『ごり押し』しているという感情が、一部の人たちの間に非常に強いらしいということ」だと指摘した。

「好まない人は見なければいいだけの話」

    「ぼくは、民放というものは、基本的に経済原則で動いていると思っているので、いわゆる『韓流ブーム』の中での編成をしているだけのことではないでしょうか?」

   今の民放テレビ局は、ケーブルテレビやインターネットを含めた競争の中にあるから、「(たとえ)あるコンテンツを『押しつけている』というのが事実だとしても、それを好まない人は見なければいいだけの話」だといい、選択肢のひとつとして選ぶ自由があるはずだと書いている。また、「みんなフジテレビみろ!」という書き込みについては、「『不視聴運動』に対しての『対義語』のようなもの。テレビを見る、みないは、それぞれの人の自由なのは当たり前」だと説明している。
(略)

ふかわりょう高岡蒼甫に共感? 韓流偏重「テレビ終わったな」(2011年7月31日J-CASTニュース)

  韓流を強く推すテレビ局の姿勢を批判し、事務所を退社した俳優、高岡蒼甫さんが話題になる中、お笑いタレントのふかわりょうさんが騒動についてコメントし、ネット上で話題になっている。

   ふかわさんがパーソナリティを務めている、「ROCKETMAN SHOW」(J-WAVE)の2011年7月31日放送回で、高岡さんの騒動について触れられた。

「言論統制が行われているような空気感」

   高岡さんが俳優業を諦める事態にまで発展していることについては、「言論の自由っていうのが、言葉だけは存在しているけど、実際には、凄く閉鎖的で、言論統制が行われているような殺伐とした空気感。村八分社会が未だに続いていて、なんか違うことをやるとやり玉に挙げられる

   その後、「本当か分からない」としながらも、例えば「あるテレビ局」が韓国政府からK-POPを流すようお金をもらい、さらに楽曲の権利も持っていて、K-POP歌手が売れれば売れるほど、テレビ局にお金が入る仕組みがあったとして、「だからその局がK-POPをバンバン流すというのは駄目なことか」と問題提起する。

CMを流すのとは違うと指摘

   ふかわさんは「法律はない」とするも、「影響力がある公共の電波を用いて一企業の私腹を肥やすやり方を推進するのは違反なことだと思う」と指摘。さらに、ある局がお金をもらってK-POPのCMを流すのと、番組の中で流れるのは「決定的に違う」とし、

    「CMだったら視聴者はCMとして受け止めるけど、番組で取り上げるのは世の中の現象がこうなっているかのように偽装している。そこにメディアの大事な境界線がある」「刷り込みとかって、僕らはまだ判断できるけど、小中学生はそれが全てになってしまうから」

   今回の騒動で、「テレビは時代を映すものではなくなった」と感じたといい、「完全に終わったなと思った」「テレビの画面を通して世界を見てたら、自分が痛い目に遭う時代になっちゃった」。かつて、時代を見るために映画館に行く人がいなくなったように「テレビの役目が変わった」とする。騒動の結論としては、「言いたくなる気持ちも分かるけど、批判しても結果的にあんまいいことない。我慢して自分の世界を突き進むのが正解な気がする」と話している。

   ふかわさんの話はネット上で大きな話題となり、「説得力ありすぎ」「凄い言葉を選んでるね」「よく言ったふかわ 完全に応援する」といったものや、「言ってることは正論で真っ当だが、ふかわはこの件に関わるな。潰される可能性がリアルにあるとか異常な状態だからな」と心配する書き込みが寄せられている。

江川紹子氏、“韓流推し”騒動に物申したふかわりょうに「中身がない」(2011年8月1日RBB TODAY)

 Twitter上でテレビ局の“韓流推し”を非難し、事務所を退社する事態にまで発展した俳優・高岡蒼甫の騒動について、お笑い芸人のふかわりょうがラジオ番組でコメント。その発言に対し、ジャーナリストの江川紹子氏がTwitterで「中身がない」などとツイートしている。

 ふかわは、自身がパーソナリティを務めているラジオ番組「ROCKETMAN SHOW」の7月31日放送回で高岡の騒動に触れ、「本当のことはわからない」などと前置きしたうえで、「公共の電波を用いて一企業の私腹を肥やすようなことはいけない」などとコメント。さらに、「テレビの画面を通して世界を見ていたら、自分が痛い目にあう時代になってきている」などと自分の考えを語った。

 そんなふかわに対し、江川氏が「自分の経験を語って批判するのはいいけど、確認もせずに非難するのはいかがか。しかも『公共の電波』を使って」とツイート。読者からの「ふかわりょうさんの発言全て聞いた上で発言されてますか?」といった質問に対しては「がまんして半分聞いた」「中身のないのに半分も、聞いた」などと答えた

 さらに、「『本当か判らないけど』という前置きをそのまま読み取るのはいかがかと」というコメントには、「『公共の電波』で流すことを云々するなら、本人も公共の電波では少なくとも本人が本当と考えることを言うべきかと」と返し、「ふかわという人は知りません。だから好きでも嫌いでもにゃい。けど、他者を批判するには、それなりに根拠がなければいけません。それが何も示されないのでは、仕方ありません」などとツイートしている。

ま、どの人間の言い分に説得力を感じるかは人それぞれなんだと思いますけれども、批判するなら根拠を示せと言いつつ元発言を聞いてもいないとか、とりあえず自己矛盾しているようなことを平気で言い放ってまでも何かを主張したがっている人もこの件に関しては多いらしいという印象は受けるところですかね?
基本的にテレビなど娯楽なのですから何を見ようが個人の勝手というものですが、そう言いながら「みんなフジテレビみろ!」では「誰もついてこない」と思いますけれども、もちろん業界内部にある人々にとって業界という構造それ自体を批判するのは強力なタブーであるという状況は理解出来ますし、単なる一個人の意見と黙殺すれば済む話を徹底的に叩かなければならない事情もわかります。
それらが判っているだけになお「それっておかしいんじゃない?」と敢えて声を上げた人々が善悪理非全てを抜きにしても勇気ある行動と讃えられているわけですが、現在進行形で絶讚炎上中のこの一連の騒動に関しては今後も引き続きフォローアップしていきたいと思いますね。

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2011年8月 2日 (火)

結婚適齢期はないかも知れませんが、出産適齢期は確実にあります

最近では婚活というものがちょっとした流行り言葉のようになっていますが、もはや婚活では遅すぎるとばかりに「妊活」なるものまで登場したそうです。

妊娠学ぶ“妊活”のイベント(2011年7月31日NHK)

結婚や出産する年齢が高齢化する中で妊娠についての正しい知識を身につけてもらおうと、“婚活”ならぬ“妊活”と銘打ったイベントが東京で開かれました。

このイベントは出版社などが開いたもので、東京・港区の会場には20代から40代の男女300人が参加しました。はじめに国立成育医療研究センターの齊藤英和医師が、30代後半になると流産する割合が高くなることなどを説明し、「若いうちから妊娠・出産を含めた人生設計を考えてほしい」と呼びかけました。イギリスの大学が世界18か国で行った調査では「女性の妊娠能力は40代では30代より低下する」ことを知っている人が、日本は46%にとどまるなど、正しい妊娠の知識を持つ人が欧米に比べて少なくなっています。

イベントでは妊娠について正しい知識を身につけることを“妊活”と銘打って、妊娠の基本的な知識をクイズ形式で学んでもらったり、専門の医師が質問に答えたりしました。4か月前に結婚したという37歳の女性は「妊娠に適齢期があるなど知らないことだらけでした。仕事をバリバリやりたいが、今は家族を作りたい気持ちが強いので、“妊活”に本気で取り組みたい」と話していました。主催した講談社の川良咲子副編集長は「“妊活”という言葉を通じて後悔しない知識を身につけてもらうとともに、社会や企業にも出産と仕事が両立ができる仕組みを考えてほしい」と話していました。

さすがに妊娠能力が加齢によって低下することを半数が知らないなんてネタだろう?と思いたくなるような話ですが、先日高齢出産を果たしたことで話題になった野田聖子氏なども30代後半以降妊娠が難しくなることを「そんなこと、学校でも教えないから、私は気がつかなかった。」と言い、出産適齢期を仕事に明け暮れていたことを後になって後悔したということですから、案外世間の認識はこんなものなのかも知れません。
女性の社会進出が年々進んできていることに加えて、近年は不況による収入源の影響もあってか晩婚化に加えて晩出産化も進む一方だということですが、一方で近年ではお一人様だの自分磨きだのと晩婚化は決して悪いことではない、独身でいることも有りなのだということを世に広めてきたマスコミという存在もまた無視するわけにはいきませんよね。
このあたりは鶏が先か卵が先かの議論にもなりかねない話ですが、現実問題として例えば東京都などでは女性の平均初婚年齢が30歳近くになり、すでに20代後半よりも30代後半の方がより多く出産するようになっているわけで、今や妊娠出産年齢の高齢化は平均値レベルで生物学的な警戒領域に突入しつつあるのかなという印象を受けます。
もちろん結婚という行為は単に社会的な行事ですから何歳で行ってもらっても構わないわけですが、生物学的な縛りから逃れられない出産という行為には厳然たる適切な時期というものがあるということを考えると、そちらが遅れることによるデメリットを今まで伝えずにきたマスコミもまた片手落ちであったと言わざるを得ないでしょうね。

高齢出産によるデメリットは数々あって、よく不妊治療などで問題になるように妊娠自体が成立しにくい(若年者と比べて流産率が倍増)、妊娠中毒症のリスクが2~3倍も高くなることなどに加えて、非常に有名なのが胎児異常を来す確率が激増することで、有名なダウン症などは30歳未満に比べて40歳以上の出産ではリスクが15倍!(50~100人に一人)にもなるとされています。
前述の野田聖子氏などもお子さんが非常に多種多様な障害を抱え集中治療室に入っていらっしゃることを公表され話題になりましたが、この場合も肝臓と心臓の障害については妊娠中にすでに発覚していたということですから、産む立場としても母親となる立場としても実際の出産にいたるまでにも様々な葛藤があったのではないかと推察されますよね。
高齢出産がこうまで増えてくれば当然ながら胎児異常の発生率も高くなる、そして胎児に対する出生前診断のレベルも年々向上していくわけで、とりわけ藁をもすがる思いで不妊治療にかけてきたような方々にとっては非常に悩ましい事態が、以前よりもはるかに容易に発生し得る状況であることはデータからも明らかになってきています。

出生前診断で異常発見し中絶、10年間に倍増(2011年7月23日読売新聞)

 胎児の染色体異常などを調べる「出生前診断」で、2009年までの10年間、胎児の異常を診断された後、人工妊娠中絶したと推定されるケースが前の10年間に比べ倍増していることが、日本産婦人科医会の調査でわかった。

 妊婦健診の際に行われるエコー(超音波)検査で近年、中絶が可能な妊娠初期でも異常がわかるためとみられる。技術の進歩で妊婦が重大な選択を迫られている実態が浮き彫りになった。

 調査によると、染色体異常の一つであるダウン症や、胎児のおなかや胸に水がたまる胎児水腫などを理由に中絶したと推定されるのは、2000~09年に1万1706件。1990~99年(5381件)と比べると2・2倍に増えた。

 調査は横浜市大国際先天異常モニタリングセンター(センター長=平原史樹・同大教授)がまとめた。

 全国約330の分娩(ぶんべん)施設が対象で、毎年100万件を超える全出産数の1割をカバーする。回答率は年によって25~40%程度だが、調査では回答率が100%だったとして「中絶数」を補正した。

 人工妊娠中絶について定めた母体保護法は、中絶が可能な条件に「胎児の異常」は認めていない。だが「母体の健康を害する恐れがある」との中絶を認める条件に当たると拡大解釈されているのが実情だ。平原教授は「ダウン症など染色体異常の増加は妊婦の高年齢化も一因だ」と話す。

 調査結果は22日から都内で開かれる日本先天異常学会学術集会で発表される。

 玉井邦夫・日本ダウン症協会理事長の話「個々の選択がどうだったかわからないが、エコー検査が、ダウン症児は生まれてこない方が良いという判断を助長していると考えられる」

 ◆出生前診断

 胎児の染色体や遺伝子の異常を調べる検査。エコー検査の他、ダウン症など染色体異常を調べる羊水検査や絨毛(じゅうもう)検査、妊婦への血液検査で胎児に異常のある確率を割り出す母体血清マーカーなどがある。

余談ながら記事にもあるように、胎児異常を理由にする人口妊娠中絶は現在のところ法的には認められてはいないことから、このあたりの領域はもともとグレーな部分が非常に大きいわけですが、とりわけ昨今の診断技術の進歩から妊婦に対して半ばルーチン的に行われている胎児エコーすら「出生前診断」であると産科学会が見解を出してきたことは先日もお伝えした通りです。
要するに胎児に異常があるかないかを聞く心構えが出来ていない妊婦にたいして、ルーチン検査として行われるエコーによって「あ、異常がありますね。どうしますか中絶しますか?」なんて話になるようではショックが大きすぎるのは当然ですから、あらかじめ告知を希望するかどうかなど十分なインフォームドコンセントを取っておきなさいよということです。
さらにややこしいのは確かにエコー上は異常が疑われ、親としては苦渋の末にそのまま産むという決断をしたところ、生まれてきた子供には特に何の異常もなかったというケースがしばしば認められることで、このあたりは診断能力の限界と言ってしまえばそれまでですが、逆に何の異常もなかったにも関わらず生まれ出ることもなく葬り去られていった胎児も少なからずいただろうと考えるとやりきれませんよね。
妊婦検診を担当する医師は一度の検査で安易に障害と決めつけず、セカンドオピニオンの紹介なども含めて慎重な検討を行うべきことはもちろんでしょうが、妊婦やご家族にしても安易な結論に飛びつくことなく、しっかりした説明を受けた上で決断を下すということが必要であることは言うまでもないことです。

子供なんて欲しくないだとか、そもそも結婚する気もなかったなんて方でもその後気が変わって思わぬ高齢出産になってしまうケースも当然にあるでしょうが、そうした決断にいたる前段階としてきちんとした妊娠と出産に関わる情報を知っているのと知らないのとでは、出てくる結論もまた変わってくる可能性があるはずですよね。
もちろん早く出産すればこうしたリスクが全くなくなるというわけではありませんが、少なくともダウン症などに見られるように顕著なリスクが明らかに軽減される可能性があることを考えると、少なくとも生涯に子供を産む気があるのであればいつでもいいやではなく、メリットとデメリットをきちんと計算をした上で産むべきタイミングを決めていった方がいいでしょうということです。
こういうご時世ですから今を生きるに必死で結婚や出産なんて考えていられないとか、子供は産みたいけど相手がいないとか色々な事情はあるのでしょうが、結婚にあたって相手の学歴だとか年齢だとかばかりを気にするくらいなら、ついでですからもう一つ生物学的な条件も同じくらいには考慮していただきたいわけです。

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2011年8月 1日 (月)

最近の医学部教育に関わる話

先日「最近の若手医師はなってない?」という話題を取り上げましたけれども、若手医師のみならず医学部学生もなっていないという声が大きくなっていると言いますが、先日日経メディカルの方でその話題が当の学生の手によって取り上げられていましたのでご一読いただければと思います。

◆心に刺さったニュース 医学生の学力が低下…それがどーしたの?(2011年7月28日日経メディカル)

9割の医学部で「学生の学力低下を危惧」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201106/520358.html

 これは「全国医学部長病院長会議」が行ったアンケートの結果を報じた記事です。医療系サイトのm3.comやキャリアブレインなどでも報じていました。これらを読むと、約9割の大学で、医学部の教員が学生の学力低下を危惧しているほか、この2年間で医学部の留年者や休学者、退学者が増えていることなどが、明らかになったそうです。

 このアンケートは、全国医学部長病院長会議の「学生の学力低下問題に対するワーキンググループ」が、昨年12月から今年1月にかけて、全国80大学の医学部長もしくは教育責任者を対象に実施したものです。この調査結果を受けて同会議は、医学部の新設や定員増に改めて反対するという立場を表明しています。

 しかし私は当事者である医学生として、この発表内容に強い違和感を覚えました。まず、学力低下について。

 調査結果では、学力低下を示す事柄として「1年生の生物、物理、化学の成績低下」「授業中の態度(私語や教員の指示への対応)の変化」などが挙げられましたが、これらはゆとり教育や社会の教育(いわゆるしつけ)レベルの低下の結果でしょう。今の時代に生まれ、ゆとり教育を受けてきた身としては、「学生のせいじゃない」と言いたい。こうした流れを容認してきたのは、日本の社会全体です。子どもは生まれる環境や時代を選べないのです。

 調査では、2008年以降、留年者や休学者、退学者の数が増加しているほか、医学部の最終合格者におけるセンター試験の平均点と最低点が低下しているという結果も出ています。2008年といえば、国の施策で医学部の定員が増員された年です。定員が増えれば、“成績ピラミッド”の裾野が広がるのは当然のことで、今さら驚くには当たらないのではないでしょうか。

 それよりも、「医学生の学力の低下」の背景にある時代の流れが問題だと思うのならば、その問題を医学部としてどう解決していくかに力を注ぐべきです。今回の発表のように、学力低下だけをことさらに取り上げて問題だと騒ぐだけでは、責任逃れにしか見えません

 記事では各大学が講じているという「学力低下対策」にも触れていました。例えば「1年生に不足分野の補習を行っている」「講義・実習の出席を厳しくチェックしている」などです。しかし、これにも疑問があります。補習はともかく、出席を厳しくチェックすることが実際に功を奏しているのでしょうか

 筆者の実感としては、学生は「この先生の話を聞きたい。この講義は出る価値がある」と判断すれば、何もしなくても出席するものです。授業内容が変わらないのに、締め付けばかり厳しくしても良い医師の育成にはつながらないどころか、かえって学生のモチベーションが下がる原因を作っているように思えます。また、先生方には、レジュメを読み上げるだけ、ぼそぼそ喋るだけ、といった講義になっていないか、学生がどう受け取っているのか、今一度振り返ってみてほしいと思います。

 学力低下を示す事柄として、このほか「進級試験不合格者の増加」も挙がっています。しかしこの裏には、大学側の「試験を難しくして学生を締め付ければ、国試合格率が上がる。ひいては大学の評価が上がる」という意図が見え隠れします。これは様々な大学の学生から耳にする話です。試験を難しくすれば留年者が増えるのは当然の話であり、それを「学力低下」のせいと断定するのはいかがなものでしょうか。

 さらに言えば、極論ではありますが、医学生の学力が落ちて何の問題があるのでしょう?患者さんが求めているのはどんな医師なのか?現場が必要としているのはどんな医師なのか?そこが一番重要なのではないでしょうか。それらを見定めた上で、学力の問題にとどまらず、きちんと医学部が教育していこう、というような前向きな議論に持っていくことはできないのでしょうか。

 イマドキの学生は、一方通行の講義では身に付かない知識や経験を得ようと、能動的に学びにいっています。例えば、学生たちの交流(勉強会など)は昔よりも活発になっているはずです。メーリングリストやTwitterで大学や地域の壁を越えて交流したり学んだり、という学生達も大勢います。困ったときにすぐ「あれなんだっけ?」と聞ける仲間が全国にいる。少し前だったら考えられない状況ではないでしょうか。

 大学には、国試合格率を上げなければ、大学の入学希望者が減ってしまう、という苦しい事情があることも確かで、同情の余地はあります。しかし、国試合格率を上げるために大学自ら留年者を増やしたり、国の施策に乗っかって定員を増やしたりしておいて、一方では「学生の学力が低下した」と嘆いてみせるのはおかしな話です。

 大変多忙と思われる医学部長がわざわざ集まって会議をするなら、「医学生の学力低下を理由に医学部新設・定員増に反対する」という後ろ向きな議論を展開するのではなく、「各大学が、時代の要請を反映しながら、いかにして質の高い臨床医、研究医を育成し、社会的責任を果たしていくか」という前向きな議論をしていただきたいと切に望みます。

 その上で、「教育者が足りない」「教育施設が足りない」といった問題が顕在化してくれば、そのことは国や国民に積極的にアピールしていくべきですし、今まで通りの教育体制で良いのか?代替手段はないのか?と自らを省みることも必要だと思います。工夫のしどころ、色々あると思うんですけどねえ・・・。(水)

まあ昨今の至れり尽くせりの予備校の授業などを経験した学生達に、医学部の講義に文句のつけようがないほど素晴らしい!と感じている人間と、幾らなんでもあれはないだろうjkと感じている人間とどちらが多いかと問えば、間違いなく後者の方が圧倒的に多くなりそうですけれどもね(苦笑)。
国試合格率が入学希望者数に反映されるような大学というのはよほどにアレな大学なんじゃないかなという気もしますけれども、とりあえず最近の学部教育がやたらと学生を子供扱いしていることだけはこうした当事者の声からもひしひしと感じるところですかね。
一昔前は医学部の学生と言えば他学部と比べて授業態度も不真面目で出席も悪いと教養の教官からも毛嫌いされるような傾向がありましたが、それでは彼らダメ学生全員が不真面目でダメな医者になっていったかと言うとむしろ真面目一方の堅物だった学生が案外伸び悩んだりする一方で、要領よく必要なことを手早く片付けていくスキルを身に付けたタイプの方が意外にその後大成していたりします。
大学などという場所は別に義務教育でもなんでもなく自ら求めて学びに来た場所ですから、そこで出席がどうこうなどと言う方がナンセンスなんじゃないかなと思うのですが、こういう目に見える結果だけを求めるような「対策」ばかりが先行していく現状を見ると医学部の医師国家試験予備校化が進行している気がしてなりません(それならそれで講師陣をもう少し何とかしろよですが)。

そもそもまともな講義をこなせる教官が医学部にどれだけいるのか、多くは学生教育など片手間仕事のように考えている彼らがどんな教育者としてのトレーニングを受ける機会があったのかを考えて見れば、教育の素人がいくら顔を集めて話し合ったところでまともな教育改革のアイデアなど出てくるはずがないわけです。
彼らが学生の学力低下を云々するのであれば、まず彼ら自身がきちんとした教育者になるべくトレーニングに時間と労力を費やし、一人前の教育者として世間に認められるスキルを身に付け相応の実績を手にして初めて「俺たちはこれだけのことをやっているんだから、お前達もそれに応えて見せろ」と言うだけの資格があるんじゃないかと言う気がします。
記事では「患者さんが求めているのはどんな医師なのか?現場が必要としているのはどんな医師なのか?そこが一番重要なのではないでしょうか。」とありますが、近頃の学生は質が悪いと嘆く以前に象牙の塔にこもった住人達がどれだけの教育が出来ているのかと自問してみることが先決なんじゃないでしょうかね。
医学部の教官というものが学生に御高説を垂れる資格があるほどご立派なのか?と考えさせられる最近の一例として、「学生ばかりが悪いようなことを言っていたところが、実は一番悪いのは教官の側だった」という事件が実際に起きてしまいちょっとした話題になっていることを紹介しておきましょう。

土下座させ学生の頭踏む=医学部教授を停職―横浜市立大(2011年7月29日時事通信)

 横浜市立大医学部の男子学生=当時(20)=に暴言を吐いたり、暴力を加えたりしたとして、同大は29日、医学部の50歳代の男性教授を停職3カ月の懲戒処分とした。
 同大によると、教授は被害者学生とは別の医学部の学生から相談を受けた際、被害者学生の問題行動が原因と思い込み、2月22日の医学部の学期末試験開始直前、試験会場で被害者学生に名誉を傷つける発言をしたという。
 被害者学生は身に覚えのない暴言の理由を聞くため教授の部屋を訪ねると厳しい叱責を受け、土下座をさせられ、頭を足で踏みつけられ、頭を丸めることを要求された
 教授は同大の調査に対し、自らの一方的勘違いに基づき暴言や暴力を振るったことを認め、「心よりおわびし反省している。大学教員として持つべき品位、品格を持ち得ていなかった」と話しているという。 

学生を土下座させ頭踏んだ医学部教授、停職(2011年7月29日読売新聞)

 横浜市立大は29日、学生を土下座させ、頭を足で踏んだなどとして、医学部の男性教授(51)を停職3か月の懲戒処分にした。

 発表によると、教授は2月22日、学期末試験開始前の会場で、医学科2年(当時)の男子学生(20)に「ストーカー」「犯罪者」などと暴言を吐いた。身に覚えがなかった学生が理由を聞こうと、試験終了後に教授室を訪れたところ、教授は学生に土下座させ、頭を足で踏み、翌日までに頭髪を刈り、反省文を提出するよう求めたとされる。

 教授は市大を通じて、「私の行為は、教育に携わる者が決して行ってはならない許されざるもので、真摯(しんし)に反省し、心よりおわびする」とのコメントを出した。市大人事課は「教授の誤解による行動で、ハラスメントを超えた暴力行為」としている。

 市大は、医学部長(64)についても管理責任を問い、戒告とした

見て判る通り事件そのものは今年の早い時期に起こったもので、探してみると少し前に学生側が同教授を提訴したという記事が出ていたのですが、この6月20日に開かれた第一回の口頭弁論において教授側は事実関係についてはおおむね認め、すでに謝罪しているとして損害賠償額のみを争うという姿勢を示したということです。
事件そのものの経緯としては逆にふられたのは女子学生で、その逆恨みから担当教授を始め周囲にあることないこと喋り回っていただけで、事情を知っている同級生などは唖然としていたとか様々な噂があるしているようですが、そちらの方は今回あまり関係のない話ですから割愛するとして、ここで取り上げたいのはこの教授氏のとった行動です。
記事などから総合すると女子学生の訴えを聞いて男子学生がストーカー行為を働いていたと勘違いするまではまだあり得る話としても、もう一方の当事者を呼び出して話を聞くでもなくいきなり試験場に現れて男子学生を公衆の面前で罵倒する、そして訳がわからず説明を求めて訪問した(それはそうでしょう)同学生に対してこうした行為に及ぶというのですから、どう考えても普通の人間のとる行動とも思われませんよね。
「大学教員として持つべき品位、品格を持ち得ていなかった」と言いますが品位と言うより元からのキャラクターの問題では?と思われる話ですが、これまた噂によれば必要な品位、品格を持っていないことを自覚しているはずの同教授はすでに復職しているとも言いますから、今後の民事訴訟の場においてこのあたりが「全く反省の態度もない」と言われることになるのかも知れません。
ただこの教授個人の人物はそれとして、現在の医学部のシステムを考えるとこういうあからさまに斜め上な人物でも教授になれてしまうと言うことの方が問題で、しかも教育者としてどれほど不適格であっても(事実上教育を放棄していたとしても)それを理由に教育の場から排除する道もないというのは学生にとって一番の悲劇ですよね。

ちなみにネット上では明らかに別人物であると思われる同大教授の名がやたらにあげられているのですが、二年生に試験をしていたということですから医学部のカリキュラムを考えれば大体の当たりはつくにしても、もちろんここで個人を特定したりする意図も意味もないことですが、以前にも学位取得の謝礼金問題で新聞沙汰になった同大ではどうも教育する側に大きな問題があるのかなという印象が、また全国に広まってしまったことは確かでしょう。
しかしこうまで明白なDQN行為の処分がなぜこんなに遅れたのかと思うところですが、実は四月の時点ですでに処分が下されていたのに延び延びになっていたらしいというのはこんな事情があったらしいのですね。

横浜市大と解任医学部長が和解(2011年5月12日産経ニュース)

 横浜市立大の医学部長の解任を今年4月に通知された黒岩義之教授が、解任は無効として地位保全を求めた仮処分申し立ての審尋が12日、横浜地裁であり、教授が7月末に医学部長を辞任することなどで、和解が成立した。

 教授側代理人と横浜市立大によると、和解内容は、大学側が通知した平成23年4月30日付の解任を撤回して黒岩教授が医学部長の地位にあることを確認し、黒岩教授は任期途中の同7月31日付で部長を辞任するというもの。

 黒岩教授は「次期理事長人事を画策したとの事実無根の誤解があった。任期途中の辞任は不本意だが、紛争長期化を避けるため決断した」。横浜市立大は「学生の不安や動揺を解消し、医学部の運営を正常化するため、和解案を受け入れた」と説明している。

解任を撤回し戒告とした上で自ら辞任するという、いわば形の上で辛うじて名誉だか体裁だかを守った形での退任劇となったということですが、医学部長と教授の関係を考えると上司と部下と言うにはいささかアレですから正直とばっちりという気もしないでもないとしても、やはり管理責任上全く責任をとらずでは済まされない話ではありそうですよね。
記事を見ているだけでも何やら学内人事に関わる暗闘なども背後に関わっていた印象を受けますが、これまた聞くところによれば学内における同大出身派と学外出身派との勢力争いに絡んで問題が複雑になっているとも言い、万一にもそうした思惑が絡んで学校側が誠意ある対応を取るに遅れるところがあったのだとしたら学生側としては救われない話です。
いずれにしてもこうしたアカハラめいた話は程度の差こそあれ全国各地の大学で起こり得ることで、医学部の教官は本業の方で業績さえあげておけばどんな人格破綻者でも教育不適格者でも出世できるのかと思われても仕方がないところがありますが、そうした歪んだ個性によって構成される大学側が良かれと考え実施しようとする大学教育の改革とは本当に大丈夫なのかとここでも心配になってくるわけです。
医学部教育を抜本的に改革するにはちょうど今が良いタイミングであるという考え方自体はありだと思いますが、やるならやるで素人の思いつきではなくきちんとした教育の理論とエヴィデンスに基づいたことをやってもらわないことには、前より悪くなったんじゃないかと言われてしまう可能性がかなり高いものになりそうな気がします。
それにしても、今の医学部教授の中で学生教育を真剣に考えている人間というのはどれくらいいるものなのでしょうね?

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