« 司法の世界に広がりつつある歪み(一部変更) | トップページ | 今日のぐり:「8番ラーメン早島店」 »

2011年6月25日 (土)

親族間生体腎移植で不正行為?!

先日は臓器移植法改正に伴う親族優先指定移植開始に関連していくつかの予想される問題を取り上げたばかりだというのに、まさに現実は想像よりもさらに先を行ったというところなのでしょうか、親族間の移植にまつわるこういう事件が明るみに出てしまいました。

腎不全医師、元組員から腎臓売買逮捕へ(2011年6月23日日刊スポーツ)

腎不全を患った東京都内の医師(55)が元暴力団組員と虚偽の養子縁組をして、親族間の生体腎移植を装い、1000万円を支払って腎臓の提供を受けようとしたとして、警視庁組織犯罪対策4課は23日、臓器移植法違反(臓器売買の禁止)などの疑いで、医師と仲介役の組員(50)ら5人前後の逮捕状を請求する方針を固めた。

 移植をめぐる国内の臓器売買事件としては、2006年の宇和島徳洲会病院(愛媛県)の例があるが、医師と暴力団の関与の疑いが明らかになったのは初めて。

 高い倫理観が求められる医師が自ら移植手術を受けるため臓器の買い取りを企て、支払った多額の現金が暴力団の資金源になっていた疑いがあり、移植医療への信頼を根幹から揺るがす事態に発展するのは必至だ。

 組対4課は組員らによる仲介がほかになかったかなどを調べ、事件の全容解明を進める。

 捜査関係者によると、医師は東京都江戸川区内のクリニックの院長で腎不全を患っていた。

 医師は妻、仲介役の組員らと共謀。09年から昨年にかけて元組員との虚偽の養子縁組を区役所に届けて親族間の生体腎移植を装い、元組員から腎臓の提供を受ける約束をし、見返りに1000万円を支払った疑いが持たれている。

 元組員から腎臓を摘出し、医師に移植する手術は都内の別の病院で実施する予定だったが、仲介役の組員が追加の金銭を要求したため、医師とトラブルになり、実際には手術は行われなかった

 臓器移植法は臓器売買を禁じ、日本移植学会の倫理指針も生体間での移植が臓器売買につながらないよう臓器提供者を親族に限定。親族以外の場合は倫理委員会の承認などを求めている。

 宇和島徳洲会病院の事件は、臓器提供者に違法な金品提供をしたとして、移植患者と仲介者が臓器移植法違反の罪に問われ、06年12月、松山地裁宇和島支部は2人に懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。臓器提供者も罰金100万円などの略式命令を受けた。(共同)

臓器売買容疑で医師ら5人逮捕 組員が仲介(2011年6月23日中日新聞)

 腎不全を患った医師が、暴力団組員側に報酬を支払い、移植手術を受けようとしたとして、警視庁組織犯罪対策四課は23日、臓器移植法違反(臓器売買の禁止)などの疑いで、東京都江戸川区南小岩、「堀内クリニック」院長堀内利信(55)、仲介役で指定暴力団住吉会系組員の葛飾区高砂、無職滝野和久(50)の両容疑者ら男女5人を逮捕した。

 国内での臓器売買事件では、2006年の宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の例があるが、医師と暴力団の関与が明るみに出たのは初めて

 堀内容疑者は、滝野容疑者側との金銭トラブルから移植手術を受けず、別のルートで江戸川区の20代の男性と養子縁組をして昨年7月、宇和島徳洲会病院で、この男性の腎臓を移植する手術を受けた。同課はこのルートでも臓器提供者(ドナー)や仲介者との間で金銭授受がなかったか調べている。

 他に逮捕されたのは、堀内容疑者の妻で会社役員則子(48)、元住吉会系組員の江戸川区南小岩、無職坂上文彦(48)、葛飾区高砂、飲食店員佐々木ひとみ(37)の3容疑者。

 逮捕容疑では、堀内容疑者は09年10月~昨年4月、坂上容疑者との虚偽の養子縁組を江戸川区役所に届け、親族同士の生体腎移植を装って腎臓の提供を受ける約束をし、見返りに1千万円を支払ったとされる。

 同課によると、則子容疑者が知人の佐々木容疑者に相談し、話を持ち掛けられた滝野容疑者が臓器売買の交渉を仲介していた。5人とも容疑を認めているが、佐々木容疑者は「お金はもらっていない」と供述している。

 堀内容疑者は昨年6月、板橋区の病院で腎臓の移植手術を受けることが決まったが、滝野容疑者側が1千万円の追加報酬を要求してきたためトラブルとなり、交渉が決裂した。

 臓器移植法は、移植のために臓器を提供して報酬を得たり、要求したりすることを禁じている。あっせんも違反になり、5年以下の懲役か500万円以下の罰金、または両方が科せられる。

別の男性から腎移植 臓器売買容疑の医師(2011年6月24日東京新聞)

 腎不全を患った医師が暴力団組員側に報酬を支払い、移植手術を受けようとしたとされる事件で、警視庁組織犯罪対策四課は二十三日、臓器移植法違反(売買の禁止)と電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで、東京都江戸川区南小岩六、「堀内クリニック」院長堀内利信容疑者(55)と、仲介役で指定暴力団住吉会系組員の葛飾区高砂四、無職滝野和久容疑者(50)ら男女五人を逮捕した。堀内容疑者は滝野容疑者側との交渉決裂後、別ルートで江戸川区の二十代の男性から腎臓提供を受け、愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で移植手術を受けていた。

 宇和島徳洲会病院によると、堀内利信容疑者は滝野容疑者側との交渉決裂後、昨年七月二十九日に腎移植手術を受けた。臓器提供者(ドナー)の二十代の男性とは、この直前の六月下旬に養子縁組をしたばかりだった。

同病院では二〇〇六年、ドナーの女性に謝礼を渡したとして、国内で初めて臓器移植法違反容疑で、提供を受けた会社役員ら二人が逮捕された。警視庁組織犯罪対策四課は、堀内容疑者の昨年七月の移植手術をめぐっても、金銭授受がなかったか調べている。

 同病院によると、堀内容疑者は都内の徳洲会系病院から紹介された。男性との養子縁組の日付が手術と近かったため、病院は通常一回の倫理委員会を二回開いて審査した。

 手術前の面接で、堀内容疑者は「男性と(手術の)三年前から実質的な養父子関係があり、成人したら移植しようと話していた」と説明。倫理委は養子縁組が臓器提供を目的としたものではなく、「親族関係がある」と認定した。

 病院側は「倫理委で虚偽の養子縁組の可能性もあるという意見も出たが、適切な判断だった」としている。手術は万波誠医師(70)が執刀。術後の経過は良好だったという。

   ◇

 万波医師は共同通信の取材に「倫理委を通った手術をするだけ。何も知らない」と話した。

クローズアップ2011:臓器売買事件、再発 親族偽装、病院見抜けず(2011年6月24日毎日新聞)

 ◇暴力団、本格参入の危険性

 臓器移植法違反による逮捕者を初めて出した宇和島徳洲会病院事件から4年8カ月。23日発覚した臓器売買事件は、医師と暴力団組員が養子縁組を装ってドナー(臓器提供者)とレシピエント(移植を受ける患者)になり、倫理指針の網をすり抜ける「最悪の展開」(医療関係者)となった。死体腎ドナーの不足という現実を前に、生体移植の現場は臓器ビジネスにつながりかねない危うさをはらんでいる。【川崎桂吾、前谷宏、藤野基文、比嘉洋】

 臓器移植法には生体移植のドナー選定などに関する規定はない。日本移植学会は倫理指針を定めており、宇和島事件を教訓に、生体腎移植に特化した「提供に関する補遺」を追加した。執刀病院の倫理委員会が指名する精神科医らがドナーの自発的意思を確認したり、顔写真付きの公的証明書で本人確認を徹底するなど規制を強化していたが、事件の再発を防げなかった

 金銭を介在させた臓器提供を防ぐため、同学会の倫理指針は生体移植のドナーに関して「6親等内の血族か、配偶者と3親等内の姻族」と定めるが、審査は医療機関任せというのが実情だ。「書類がそろっていれば、移植にすべてを懸ける患者や家族を疑うのは難しい」と話す医療関係者も少なくない。今回も、堀内利信容疑者(55)とドナー候補の元暴力団組員、坂上文彦容疑者(48)は養子縁組により戸籍上は親族の体裁を整えていたため、移植を予定していた板橋中央総合病院(東京都板橋区)はゴーサインを出したとみられる。

 しかし、ドナーをあっせんしたのが広域暴力団の現役組員だったことは、生体移植が臓器ビジネスにつながる危険性を浮き彫りにした。暴力団などの組織犯罪グループは、つながりのあるヤミ金などを通じて、多重債務者らに臓器提供を持ち掛けやすい。結婚や養子縁組を通じた身分偽装はさまざまな犯罪の常とう手段であるにもかかわらず、親族偽装に対するチェックの緩さは致命的といえる。

 湯沢賢治・日本移植学会広報委員は「逮捕された2人の年齢差などを見れば、養子縁組が臓器移植を目的としているということは明らか。にもかかわらず移植の手続きが進んでいたことが一番の問題だ」と、審査体制の甘さを問題視する。専門家によれば、欧州の一部では各医療機関ではなく、公的な第三者委に審査を任せているという。資金源獲得に躍起となっている暴力団が臓器ビジネスに本格参入する余地を与えないためにも、チェック体制の見直しが急務だ。

 ◇死体腎ドナー不足、深刻

 捜査関係者らによると、堀内容疑者は05年夏ごろから慢性腎不全に悩み、ドナーを探していたとみられる。

 末期の腎不全患者にとって、生命維持のための選択肢は透析療法と腎移植だけだ。日本ではほとんどが透析療法を選んでおり、09年末時点で約29万人。一方、長く健康でいられると期待される腎移植は年間1201例(08年)と、英米仏に比べ圧倒的に少ない。しかも日本の場合はその大半が健常なドナーの体に傷をつけ「本来望ましくない」(日本移植学会倫理指針)とされる生体移植だ。

 背景にあるのが、死体腎ドナーの不足だ。腎移植には脳死や心停止となった人から臓器提供を受ける「死体腎移植」と、健康な人からの「生体腎移植」がある。臓器移植法のガイドラインは生体移植を「例外的」、死体腎移植を「本来あるべき姿に近い」と位置づけている

 死体腎移植の希望者は日本臓器移植ネットワークに登録し機会を待つが、日本移植学会によると、待機患者は09年11月時点で1万1814人に対し、08年の実施件数は210例。平均待機日数は約15年にも上る。このため移植を希望する患者は親族からの生体腎移植に望みをかける。08年の実施件数は991例で、腎移植全体の82・5%を占める。

 宇和島事件で有罪判決を受けた男は親族のドナーを見つけられず、知人女性に売買を持ちかけた。判決は「臓器不足を背景とした、起こるべくして起きた事態」と指摘、国や関係機関に再発防止への取り組みを促した。09年には臓器移植法が改正され脳死下での移植条件が緩和されたが、現状は大きくは変わっていない。
(略)

 ■ことば
 ◇宇和島徳洲会病院事件

 06年10月、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で生体腎移植を受けた患者の男と内縁関係だった女が、「義理の妹」と偽りドナーとなった女に現金30万円と新車を提供したとして、臓器移植法(臓器売買の禁止)違反容疑で逮捕された。男と内縁の妻は懲役1年、執行猶予3年、ドナーも罰金100万円の有罪が確定。親族確認が不十分だった病院の管理体制も問題になった

暴力団が関わっていることですでに何がどうあっても社会的に許容されるところとはならない事件ですが、これだけ大々的に報じられた犯罪的な事件がよりにもよって医療関係者から出てしまったというのは頭が痛い話ですかね。
とにかく色々なテーマで議論が出来る事件だと思いますけれども、逮捕された堀内容疑者はすでに別の養子縁組によって移植手術を受けているということですから、この系路での移植というものがすでに商業的に成立しているということになっているのであれば今後も幾らでも同様の事件が出てくることになりそうです。
記事にもありますように生体臓器移植に関しては法的にドナーを限定する規定はなく(今回の逮捕もあくまで金銭の受け渡しによるものです)、ただ強制力のない学会の指針において「6親等内の血族か、配偶者と3親等内の姻族」とのみ規定されていますけれども、それをどこまで遵守するかは医療機関側の考え方次第で、極端なことを言えば全く無視して移植を行うことも出来るわけです(不妊治療のように学会から除名はされるかも知れませんが)。
実際こうした親族間の臓器移植に先立つ血縁関係のチェックは施設によってバラバラなのが実情で、戸籍謄本による確認を行う施設もあれば保険証などによる名前だけの簡単なチェックだけで終わってしまう施設もある、そして何かしらこれは怪しいぞという場合の対応も統一基準はないわけですから、当然ながら移植を狙う側としてはチェックの緩い施設さえ押さえておけばよいということになりますね。

今回その狙い所となったのがかの有名な宇和島徳洲会病院というのはいかにもと言うことなのでしょうが、一応同院においても最近の養子縁組の事実は把握していた、そして内規によれば移植は認めないとされているケースであるにも関わらず移植に踏み切ったということですから院内倫理委員会の実効性はもちろん、そもそもこうしたケースをどこまでを許容するのかという社会的コンセンサスも求められそうです。
単純に考えると養子からの移植は全く認めないか、少なくとも養子縁組からある程度の年数を経過しなければ移植は認めないと言う全国的なルールを作る、そしてその縛りとしては敢えて移植目的での養子縁組という行為を行うことが無意味になる程度の長い期間を設定するということが、こうした事件の防止という観点からは最善の解決策ということになるのでしょうが、移植医療推進の側から見ると別な見解もあるはずです。
前回の親族間移植の話においても出ましたように、すでに自国民向けの臓器は自国内でまかなうべきであるという考えが世界的に滲透している中で、国内でのドナーを少しでも増やし移植を推進していくという立場から一連の臓器移植法改正が行われてきたわけですから、いきなり目的に対して退歩するかのような再改正というのも患者側からも反発も出るでしょうし、政治家・官僚のメンツにも関わりそうですよね。
そしてまた、こうした移植目的の養子縁組以外にも親族間移植には大きな問題が少なからずあるのですが、そのあたりを知る上でちょうど数年前の臓器移植法10周年の際に読売新聞から出たこんな記事を引用してみましょう。

命をつなぐ 臓器移植法10年 (3)ドナーのケア 置き去り(2007年10月14日読売新聞)

美談の陰で大きな犠牲

 「『手術は成功した』というセリフは、移植患者の容体だけでなく、ドナー(臓器提供者)の心身の状態も含めて言ってほしい

 自宅のソファに、右腰をかばいながら座り、西日本に住む女性(42)は言った。シャツをまくり上げると、胸の間から両腰にかけ、縦20センチ、横50センチの大きな手術跡が残る。肝臓の6割を夫に提供した後、腹部にうみがたまり、2週間の予定だった入院は、転院先を含め3か月に及んだ。手術から約3年たった今も、傷が痛むという。

 確かに、手術同意書にサインはした。しかし、本当は望んで提供したわけではなかった。「人の命がかかっていた。本心は口に出せませんでした

 夫とは、遺伝的な肝臓病で余命が短いことを知った上で結婚した。「おれは(生体移植は)いらんからな」と言われていた。食事制限に気を配り、休みのたびに子どもと3人で旅行して、思い出作りに努めた。

 夫の体調が急に悪化した結婚8年目の夏。脳死移植の待機登録のため、夫婦で大学病院へ行った。脳死移植が少ないことは十分知っており、最後の気休めのつもりだった。

 ところが、医師のひと言で状況は一変する。

 「余命は3か月。脳死を待ってたら間に合わない。生体間移植をしよう

 死を受け入れていたかに見えた夫は、その日からドナー探しに躍起になった。

いったん臓器提供を了承したおじは家族の反対で断念した。家族と医師の会議で、夫の両親と姉は「私は提供できません」と次々に席を立った。一人残った女性に、医師は告げた。

 「誰もいなければ、奥さん、あなたですよ

 手術の前々日、女性は「怖い。手術したくない」と看護師に訴えたが、予定は動かなかった

 健康な人が患者に臓器を提供する生体移植。脳死移植が進まない一方で増え、腎臓は昨年939例、肝臓505例に上る。「美談」と見られる陰で、ドナーのケアは後回しにされてきた

 2003年5月、京都大病院で娘に肝臓を提供した40歳代の女性が死亡した。翌年、日本肝移植研究会はドナー経験者へのアンケートを初めて行い、約1500人から回答を得た。

 成人間の移植で「ドナーになることへの期待」を患者本人から感じた人は33%、他の家族からは31%、医師から感じた人も20%に達した。手術後、患者との関係が良くなった人が57%いる一方、悪化が16%、離婚・断絶も10%あった。

 傷の痛みなどの症状が残る人は5割。最新の調査で、全国3005人のうち105人(3・5%)は胆汁が漏れるなど重症だった。

 大きな犠牲を払うドナーの心と体をどう守るのか。愛媛県で昨秋発覚した臓器売買事件を踏まえ、厚生労働省は今年7月、〈1〉提供の任意性を家族、移植医療スタッフ以外の者が確認する〈2〉提供に伴う危険性も説明する――など、生体移植に関する規定を臓器移植法の運用指針に初めて盛り込んだ。だが、ドナーの後遺症の医療費負担など課題は多い。日本移植学会は、ドナーのための傷害・生命保険も検討している。

 手術の2か月後。女性よりひと月先に退院した夫は、病床の女性の携帯に電話をかけてきた。「離婚してくれ」。結局、手術の時以来、顔を合わせていない

 女性は言う。「夫も医師も、私のことは見ていなかった。見ていたのは、私の肝臓だったんでしょう

すでに海外ではドナー提供後に離婚に至った夫婦の間で臓器を返せ、いや返さないといった騒ぎが少なからず発生しているようですが、救われがたいのがこうした移植手術自体が夫婦不和から離婚にいたるそもそもの根本原因となることが少なからずあるということです。
いわゆる臓器移植よりはずっと体への負担が軽いと考えられている骨髄移植のドナーなども、実際に経験した方々のうち「こんなことだと知っていればやらなかった」と言う声が少なからずあると言いますが、臓器移植ともなれば後々まで体のダメージは残り、しばしばそれが原因で健康だったはずのドナーまでも体調不良に陥ってしまうという事があり得ます。
そして家族の中でも夫婦とは唯一自らの意志で関係を形成した間柄であると共に、ただ一人血縁関係のない他人でもあるわけですが、そうであるが故にさながら「踏絵」のように有形無形のプレッシャーを最も受けやすい立場であるということも言えそうです。
このあたりのドナー側の問題は以前から生体臓器移植における非常に大きなテーマとして議論されてきたところですけれども、死体移植だけでは到底臓器需要はまかなえそうにない状況にある中で、生体移植の根幹にも関わる今回のような事件を非であるとして規制すればするほど、それではいったい何が是であるのかという問題提起をせずにはいられないんじゃないかなという気がします。

|

« 司法の世界に広がりつつある歪み(一部変更) | トップページ | 今日のぐり:「8番ラーメン早島店」 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

今の状況では、生体移植は血族に限定しないと同じことが繰り返されるでしょう。
妻やら養子やらは今回の様なケースでなくとも、移植が行われた後トラブルになる可能性も高いです。

余談ですが、私は最初このニュースを読んで「腎移植を持ちかけて養子縁組を結び、その後医師を殺して遺産をゲットしようとして失敗」みたいなものかと思っていました。

投稿: クマ | 2011年6月25日 (土) 08時34分

暴力団も暴力団だが、あくまで養子縁組で臓器ゲットを狙うレシピエント医師も倫理的にどうなんだ。
万波センセもかれこれいい年だろうに一向に話題が絶えないな。

投稿: aaa | 2011年6月25日 (土) 08時55分

私は移植医療自体がパンドラの箱だったと思っています。
さまざまな害悪とともに最も罪作りな「希望」まで生み出してしまったところ、まさにそっくりです。

投稿: JSJ | 2011年6月25日 (土) 09時58分

ま、究極的にはそういう話になるんですけどね…
今まで移植医療というと脳死問題ばかりが話題になってきましたが、生体移植はドナー側の健康が絡むだけに、こちらこそもっと慎重でなければと世間に一石を投じた形かなと思います。

投稿: 管理人nobu | 2011年6月25日 (土) 11時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/52029145

この記事へのトラックバック一覧です: 親族間生体腎移植で不正行為?!:

» 堀内クリニック [NEWS]
親族間生体腎移植で不正行為?!...東京都江戸川区南小岩、「堀内クリニック」院長堀内利信(55)、仲介役で指定暴力団住吉会系組員の葛飾区高砂...東京都江戸川区南小岩六、「堀内... [続きを読む]

受信: 2011年6月25日 (土) 13時03分

« 司法の世界に広がりつつある歪み(一部変更) | トップページ | 今日のぐり:「8番ラーメン早島店」 »