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2011年5月21日 (土)

日々信用と品位を失い続ける人々

台湾と言えば先の震災に関連して、世界一の義援金を送ってくれた国としても知られていますけれども、日本政府はその大恩ある台湾に対して後ろ足で砂をかけるような行為をしたことが知られています。
さすがにこれはどうなのかと思った人が少なからずいたということなのでしょう、先日は心ある民間有志によって国の尻ぬぐいが為されたということで少なからず話題になっています。

日本を救ったつぶやき(2011年5月20日産経ニュース)

 今月初め、実にうれしい外電に接した。3日付の台湾紙「自由時報」と「聯合報」に、東日本大震災への支援に対する日本の感謝広告が載ったという記事である。

 「ありがとう、台湾」という日本語と、「愛情に感謝します。永遠に忘れません」という中国語のメッセージ。広告主は日本政府ではない。川崎市のフリーデザイナーらネットユーザー約6千人だという。そのことに、いたく心を動かされたのだ。

 話は4月11日にまで遡(さかのぼ)る。大震災から1カ月がたったこの日、日本政府は国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンと米英仏中韓露の1紙ずつの計7紙に支援感謝の広告を掲載した。支援の手を伸ばしてくれたのは、134カ国・地域もあったにもかかわらずである。

日本政府の感謝の対象にならなかった台湾は大震災直後、早々と救援隊28人を送ってくれた。約160億円もの義援金も集めてくれた。「台湾にもお礼したい」。フリーデザイナーがその思いをツイッターでつぶやいたところ、賛同者が集まり、感謝広告を出すためのお金が約1930万円も集まった。その額は台湾2紙への広告費240万円を軽く上回った。余ったお金は日本赤十字社に寄付されたという。

 注目してほしいのは240万円という広告費である。台湾は人口約2300万人。物価レベル等も考えると、この金額は世界標準とも言える数字だろう。そうだとすれば、134カ国・地域すべてに感謝広告を出しても、予算は3億円前後ではないか。その金額を出さなかった理由を外務省は、衆院外務委員会でこう言っている。

 「復興にお金を振り向けるなかで、ぎりぎりの範囲で予算の枠を設けたため

 いかにも情のない菅直人首相が率いる内閣らしい答弁である。さすがにまずいと思ったか、外務省はその後、感謝広告を他の国々でも順次出し、今月11日までに64カ国・地域で掲載した。それでもまだ、道半ばという遅々とした仕事ぶりも菅内閣らしい。

 ネットユーザーらが出した広告を見た台湾行政院(内閣)の楊永明・新聞局長はこうコメントしている。

 「お礼を期待していたわけではないが、みんな感激している

 これが人情というものだろう。菅内閣の失政を見事にカバーしたネットユーザーたちは日本の信用と品位を守ってくれた。厚く感謝したい。(編集長 安本寿久)

いろいろと難しい理屈をこねてやらない理由を探すよりは、ありがとうございましたと礼の一つもお返しするのが当たり前の人の道ではないかという基がします。
幸いなことにこうして日本の信用と品位を守ってくれる人々もいるのですが、他方では積極的に信用と品位を損なおうと日々暗い情熱を傾ける方々もいらっしゃるらしいというのが困りものですよね。
今回の震災に関しては台湾に限らず世界中から暖かい支援が続いていますけれども、そんなことは知ったことではないということなのでしょうか、商売のためなら何でもありというニュースを記事から紹介してみましょう。

フジテレビ 世界フィギュア放送に非難囂々(2011年5月6日現代ネット)

開催国・ロシアの日本応援演出をカット

 GW中、もっとも多くの人が見た番組が4月30日の「世界フィギュアスケート2011女子フリー」だ。ビデオリサーチの調べによれば、関東地区の平均視聴率は29.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、次いで「女子SP」が27.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、放送したフジテレビは視聴率で他局に大きく水をあけた。
 そのフジテレビの放送姿勢に多くの批判が寄せられている。もともと今回のフィギュアスケート世界選手権は、3月下旬に東京で開催される予定だった。代替開催のロシアは震災の日本に配慮。日本のゴールデンタイムに合わせたプログラムを組み、開会式やフィナーレでは氷上に日の丸を映し、ロシアからのメッセージ「日本にささげる詩」も披露された。だが、独占中継していたフジテレビの地上波は、こうした演出をまったく紹介しなかった
「ロシアが日本のために演出を考えていたことをフジテレビが知っていたとすれば、リアルタイムでなくても放送する努力をすべきです。“こんなことがありました”くらいなら時間も掛からない」(立教大教授の服部孝章氏=メディア法)
 また、5月1日のエキシビションは、前日のリプレーやキム・ヨナの特集で引っ張った上、演技順序を入れ替えて放送。裏番組の人気ドラマ「JIN―仁―」にぶつけるように日本選手のエキシビションを流したのだ。あまりのあざとさにネットは「あれもこれもフジテレビはカットしやがって」「フジで見てたのでこんなん全然知らなかった」と大騒ぎだ。
「テレビ全体の収益が落ち込んでいる中で、特定の“お客”が必ず見込めるスポーツイベントはおいしい商品。中でもフィギュアスケートはキラーコンテンツで、CMスポンサーに高く売れます。それはウィリアム王子の世紀の結婚中継よりも、安藤美姫のスケート中継の方が視聴率が高かったことからも明らか。当然ながら裏番組のことは念頭にあったでしょう。でも、不要な演出で時間を延ばしてまで『JIN』にぶつけたのだとしたら、フジテレビの編成は大人げない」(上智大教授・碓井広義氏=メディア論)
 フジテレビは「担当者が不在で事実関係が確認できません」(広報部)とコメントしたが、大事なのは視聴率だけではないはずだ。

視聴率もさることながら、ここでも何故か韓国選手の特集が大活躍?したと言うことなんですが、フジテレビに韓国と言えばこれはハハン…と感じられる方も少なくないと思われるのも当然で、以前にも取り上げました通り彼らにとってはこれも自分達の儲けに直結する話だけに、なりふり構わぬ韓流プッシュに余念がないということなのでしょう。
しかし日本のフィギュアファンの心情はともかくとして、せっかく今回日本のために様々な配慮まで行ってくれたロシアの方々の思いすら彼らの儲けの前にはどうでもいいというのでは、これまた世界に日本の信用と品位を貶めて回っていると言われても仕方がないですよね。
このように相変わらず自己流絶好調という感じのこの業界ですけれども、目的のためなら社会のルール無視の姿勢もこれまた絶好調といったところらしく、先日もこんなトンデモ事件を起こしていたようです。

フライデー、拘置所で死刑囚撮影 リンチ殺人の元少年(2011年5月12日朝日新聞)

 12日発売の写真週刊誌「フライデー」(講談社)が、1994年の連続リンチ殺人事件で死刑が確定した元少年、大倉(旧姓・小森)淳死刑囚(35)について、判決確定前の3月11日に名古屋拘置所内で撮影したとする写真を掲載した。

 ジャーナリスト青木理さんが大倉死刑囚に面会してインタビューした記事に添える形で、大倉死刑囚が涙をぬぐう様子など3枚を掲載している。

 この事件では、大倉死刑囚ら当時18~19歳の3人の元少年が、大阪、愛知、岐阜で計4人の若者を殺したとして殺人などの罪に問われ、最高裁が3月10日に上告を棄却していた。

 法務省矯正局によると、拘置所の接見室での写真撮影を禁じる法律はないが、拘置所長の権限でカメラの持ち込みを禁じている。担当者は「拘置所へのカメラの持ち込みは認められておらず、不正に隠し撮りされたものだとすれば遺憾だ。今後の対応を検討したい」としている。

 フライデー編集部は「載せる意義があると考えた。撮影方法についてはコメントしない」と話している。

ルール無視、プライバシーも肖像権も無視と世間的にはあり得ないようなことだらけなこの一件、この「決まりがなんだ俺様が正義だ」な理論展開は最近もどこかで見たような記憶があるなと思っていましたが、何かしら思想心情的に相通じるものがあるということなんですかね…
写真を載せるどんな意義があると考えたのか、フライデー編集部が意義があると考えれば社会がどうであれ何でもありになってしまうのかと疑問は尽きないところですが、こうした行動はどうもこの業界ではごく当たり前に行われていることでもあるようです。
先日はホリエモンが収監されるという話が少しばかりニュースになっていましたけれども、その際にもこんな騒動があったということのようなんで、他人のプライバシーは幾らでも踏みにじっても自分達のプライバシーを晒されることは断固拒否するのだそうです(苦笑)。

「勝手に送別会撮影」ホリエモン怒る TBS関係者は反論「手続き踏んだ」(2011年5月16日J-CASTニュース)

   堀江貴文・元ライブドア社長が、TBS記者が勝手に収監前の送別会に来てビデオ撮影したと、ツイッターで怒りを露わにしている。これに対し、事情を知るTBS関係者は、反省点はあるが正当な手続きは踏んだと反論している。

   ネット上で人気のホリエモンこと堀江貴文元社長については、近く収監されるのを前に、連日のように関係者による送別会が開かれているようだ。

何ビデオ回してるんだ!

   TBS記者と一悶着があったのは、東京都内で2011年5月15日夜に開かれた送別会だ。堀江氏は、この記者を招待していなかったといい、ツイッターでいきなり、不快感をぶちまけた。

   記者の実名を挙げたうえで、「仲間たちとの送迎会に勝手にきて、DVカメラ回してたなう」とつぶやいたのだ。堀江氏は、送別会で「失礼なやつ」と問い詰めたものの、この記者は平然としていたとして、「やっぱり社会部と報道部は腐ってますね」とTBSを痛罵した。

   その後も発言を止めず、記者は、マスコミNGの会にもかかわらず、友だちのような素振りで入ってきたと指摘した。そして、うれしかった会なのに最悪の気分になったと吐き捨てている。

   これに対し、当日の様子をよく知るTBS関係者の話は、堀江氏の見方とは食い違っていた。

   それによると、記者の隠し撮りなどはまったくなく、正当な手続きでビデオを撮ったというのだ。

   この記者は、堀江氏とは2度会って飲んだこともあり、送別会には、ある人に誘われて行った。受付では、TBS記者としての名刺を渡し、ビデオカメラを持って入ることを明言。会場内では、堂々とビデオを回し、途中で堀江氏のマネージャーに聞かれ、経緯を説明して了承を得たという

最後に記者は、堀江氏に放送の了承をもらい、送別会や実刑判決への感想も聞こうとした。ところが、いきなり堀江氏が、「何ビデオ回してるんだ!」と怒り出した。

「水を差して、自分も悪かった」

   堀江貴文氏が騒ぎ出すと、送別会の友人たち数人が、TBS記者を押さえつけた。

   堀江氏も逆上して、ビデオカメラを記者から取り上げ、壊そうともした。さらに、友人たちに顔写真を撮られ、結局、映像が収まっているビデオ用メディアも取り上げられることになったという。堀江氏のマネージャーは、こうした対応は悪かったと思うと、後でこの記者に話したとしている。

   ただ、記者は、送別会の最後になって堀江氏から事後承諾を得ようとした形には変わりない。本人も、送別会に水を差す結果になって自分も悪かったと言っているという。とはいえ、前出のTBS関係者は、堀江氏のツイッター発言について、「影響力のあることを分かっていながら、記者のことを実名で書くのはフェアではない」と訴えている。

   堀江氏のマネージャーは、関係者の見方については、次のように説明する。

   送別会途中で記者に聞いたのは、一般の人からビデオ撮影のことを言われたからで、こうした人たちもいるので、撮影を控えたほしいと記者にお願いしたという。ただ、それまで撮った映像については、堀江氏の了承があればいいことを伝えたとしている。

   しかし、会の最後で、ビデオが録画状態なのを見つけ、注意したところ、堀江氏が、記者がいたことやビデオ撮影を初めて知って激怒したとした。映像については、本人の了承を得たうえで、マネージャーが保管することにしたという。マネージャーは、対応が悪かったとは記者に言っておらず、結果的に不快な思いをさせたことに気遣いの言葉をかけただけとしている。

   堀江氏自身もツイッターで、「親しい人しか呼んでない席にいきなり来て取材しはじめたら普通に切れるだろ」「仲間内の飲み会で報道のカメラ回す許可出す奴がいるか普通?」と話した。記者の実名を挙げたことについては、「対象者の人生すらズタズタにさせてしまう権力をもっているマスコミの所属者は実名を晒すべき。じゃないとフェアではない」と主張している。

いや、普通は当の本人に真っ先に了解を得てから事を行うのが世間一般の常識ではないかと思いますが、どうもマスコミ関係者にはまた別な常識があるようですね…
しかもビデオ撮影を控えて欲しいと言われたにも関わらず無視して勝手に商売用のビデオを回し続け、その上取材活動までしていたというのですからどう見ても業務で来ていることは明白ですが、こういうのが彼らの業界では当たり前のやり方と言うことになるのでしょうか。
一方でこういうのは死人に口なしということなのでしょうか、先日なくなった芸能人に対してずいぶんと失礼な行為をしているのではないかと話題なのがこちら日テレなんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

上原美優さん顔にボカシ、日テレにブーイング「まるで犯罪者」(2011年5月14日zakzak)

 東京都内の自宅で12日未明、首をつって自殺したタレント、上原美優さん(享年24)をめぐり、日本テレビに批判の声があがっている。すでに収録済みだった上原さんの出演番組を放映した際、上原さんの顔にボカシをかけていたのだ。

 問題の番組は、13日夜に放送された『世界☆ドリームワーク~カラダを張って稼ぐぞSP~』。お笑いタレントらが世界各地で珍作業をして稼ぐという趣旨の番組で、上原さんも出演したが、出演シーンは原則としてすべてカットされた、だが、他の出演者らと一緒に映る「引き」の場面はカットできなかったため、上原さんだけ顔全体にボカシ処理を施されていた。これに対し、ネット上では、「これはひどかった」「まるで犯罪者扱い」と上原さんへの同情の声が続出。「『この番組は○月○日に収録されたものです。上原美優さんのご冥福をお祈りします』というテロップすら出せないのか」と、日テレの不誠実な対応に怒りをあらわにする声も出ている。

 上原さんの出演番組に関しては、TBSが14日にバラエティー「飛び出せ!科学くん」を放送予定だが、同局は特に編集を加えず、予定通り放送。番組中で哀悼のメッセージを流すことを明らかにしている。このほか、19日の『ビーバップ!ハイヒール』(朝日放送)など、計3回の収録済み番組があるという。

この日テレという会社については以前から文句を言わずに仕事をこなす上原さんを好き勝手に使い潰していたなんて話も出ているようですけれども、文字通り亡くなるまで酷使した挙げ句にこんな扱いをされたのではご家族の方々にしてもどうかと思えます。
実際に同局の方では別にご家族に希望を聞いたわけでもなく全くの自主的判断でこんなことをやったようですが、図らずも同局の姿勢というものがこれでよく判ったと感じている出演者の方々も多いのではないでしょうか。
かのノーベル賞が創設されたのも、生前のノーベルがうっかりミスで出された自分の死亡記事で死の商人扱いされたことにショックを受けたからだ、なんて説もありますけれども、日テレもこの調子では後の時代になって思わぬところで名を残すということになるのかも知れませんね。
ここから話が変わって、原発問題と絡めて自然エネルギーの活用ということも今まで以上に注目されるようになっていますけれども、そんな中で朝日新聞がこんなタイムリーな記事を載せていました。

風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算(2011年4月22日朝日新聞)

 環境省は21日、国内で自然エネルギーを導入した場合にどの程度の発電量が見込めるか、試算した結果を発表した。風力発電を普及できる余地が最も大きく、低い稼働率を考慮しても、最大で原発40基分の発電量が見込める結果となった。風の強い東北地方では、原発3~11基分が風力でまかなえる計算だ。

 同省は震災復興にあたり、風力発電を含めた自然エネルギーの導入を提案していく方針だ。

 今回の試算は、理論上可能な最大導入量から、土地利用や技術上の制約を差し引き、さらに事業として採算性を確保できることを条件に加えた。

 試算によると、固定価格買い取り制度など震災前に政府が決めていた普及策だけでも、風力なら日本全体で約2400万~1億4千万キロワット分を導入できる。風が吹いているときだけ発電するため、稼働率を24%と仮定。それでも出力100万キロワットで稼働率85%と仮定した場合の原発約7~40基分に相当する。

 ただし東北など電力需要を上回る発電量が期待できる地域がある一方で、電力会社間の送電能力には現状では限界がある。試算どおりに導入するのは短期的には難しいとみられている。

 家庭以外の公共施設や耕作放棄地などを利用する太陽光発電や、用水路などを活用する小規模の水力発電についても検討したが、多くの導入量は見込めなかった。これらを普及させるには、さらに技術開発を促すなど追加的な政策が必要だという。

風力に限らず代替エネルギーの開発は世界的にも優先されるべき課題で、特に日本の場合はせっかく先行していた太陽光発電なども今やすっかり低迷しているという現実もありますから、いきなり40基分とは言わずとも総論としてこれら代替エネルギーの利用を増やしていくことに反対する人も少ないでしょう。
そんな中でこれは一見すると風力もやるじゃないかという記事なんですが、問題はこの記事の内容が当の環境庁筋関係者からバッサリ否定されてしまったということなんですよね。

「風力で原発40基分可能」朝日新聞の報道に東大名誉教授苦笑(2011年5月11日niftyニュース)

 4月22日の朝日新聞に、夢のような見出しが躍った。

〈風力なら原発40基分の発電可能 環境省試算〉

 記事によれば、日本全体で風力発電を導入すると、約2400万~1億4000万kWの出力になり、稼働率を24%としても、原発7~40基分に相当するというのである。検証してみよう。

 日本で発電可能な風が吹く時間は年間約2000時間とされるから、「稼働率24%」は妥当といえる。

 日本で導入されている大規模風力発電で使われる2000kWクラスの風車で考えるならば、原発1基(100万kW)を代替するには、およそ1770基が必要になる(原発の稼働率を実績から85%と仮定し、風力の稼働率を24%と仮定)。

 互いに干渉しないためには風車を最低でも100mずつ離す必要があるから、直線に並べれば177kmになる。ざっと東京~いわき間の距離だ。

 40基分となると、この40倍だから7000km以上。北海道の稚内から鹿児島の指宿を結ぶJR線の距離が約3000kmなので、風車が列島を南北に1往復する計算になる。これが現実的でないことは、もはや言葉を要しない。

“大朝日”が、なぜこんな大間違いを書いたのか。記事は環境省試算を根拠にしているが、その同省が所掌する「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会」の委員である安井至・東京大学名誉教授はこう苦笑する。

委員で風力だけが代替エネルギーとして有力だという人は一人もいません。朝日の記事にある試算とは、可能な場所をすべて風力発電で利用し尽くした場合の『ポテンシャル』の数字であり、現実的なものではありません。

 ポテンシャルについては風力だけでなく地熱、水力、太陽光なども発表していますが、朝日はその一部の数字から独自の計算をして『原発40基分』などと書いたのでしょう。昔から反原発派の人々は『風力推進派』が多く、そうした思想が背景にあるのかもしれません」

 風力発電は、ヨーロッパなどでは大規模な導入実績や計画があるが、日本には当てはまらないという。

 安井名誉教授が続ける。

「大陸の西端にあるヨーロッパでは、一定して西風(偏西風)が吹きますが、東端の日本は風向も風力も安定しません。また、ヨーロッパの海は遠浅で洋上風車が建設しやすいが、日本はその点で不利なうえ、台風や落雷が多く、実際に被害も起きています

 日本は風況の良い場所が少ないうえ、僻地になってしまう。北海道の稚内は有力地ですが、そこで発電して、どうやって東京まで電気を持ってくるかは難題なのです」

 日本の「風況」が安定しないことはよく知られており、最も適した北海道でも、2009年の例で、利用率データのある38の風力発電所のうち、計画された発電量を5%以上上回ったのは1か所。逆に5%以上下回るものが21か所あり、平均で26.3%の稼働率だった(「北海道における風力発電の現状と課題」北海道産業保安監督部=2010年)。

 これが「国内最適地」に開発された風力発電所の実績であり、この面でも朝日の机上の空論は明らかだ。

当の環境省の所掌する委員会においても「風力だけが有力だという人は一人もいない」などと言われるといったいこれはどうしたことなのか、あるいはまたぞろ得意技でアサヒったのかなどと考えてしまいますけれども、どうも意図してのミスリードだと言うのでなければ単純に朝日の記者に理解力がなかったというだけなのか、どちらにしても大朝日らしさ全開の記事だったということになりそうですね。
そもそも環境省の試算がどのようなものであったかはこちらの元資料を参照頂くとして。(こちらでもすでに突っ込みをされているようですけれども)当の環境省自身も書いてあるようにこれはコストや導入にかかる年月などを全く無視して「日本の国土に吹く風を風力発電換算すればこれくらいのエネルギーになります」という程度の意味でしかありません。
そもそも風力の場合は昨今低周波問題なども昨今新たな公害だと現地では散々な言われようで、しかも台風銀座とも言われる日本のような過酷な環境ではまともに維持するだけでも大変な労力がかかると言うことですから、果たして未来永劫周辺への公害が続くようなものを次世代エネルギーの主役に据えてよいものかという議論こそ欠かせないはずなんですが、そうした視点はまるでない記事だとも言えそうです。
先日は東電の公的救済と言うことに関連して「東電株を持っている高齢者がかわいそうではないのかなどという質問が大手メディアから来る」と河野太郎議員が呆れていましたけれども、どうもこの国のメディアの方々は世間とは少なからず異なった独自の感覚をお持ちだと言うことなのでしょうか、少なくとも彼らの言うことを真に受けていては明るく真っ当な日本の将来像は描き出せそうにもない気がします。

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