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2011年3月18日 (金)

あまり触れたくもないのですが、斜め上の話題も届いています

本題に入る前に「天漢日乗」さんで取り上げている話題ですけれども、日本ホメオパシー医学協会が被災地に出向いて砂糖玉を配らせろと厚労相に掛け合っているそうですね。

【参考】東北地方太平洋沖地震 日本ホメオパシー医学協会「ボランティアで現地に行き、レメディ(砂糖玉)を配ってお役に立ちます」とサイトに細川厚労相宛公開書簡(2011年3月16日天漢日乗)

一部には「皆が空腹なんだから砂糖玉をなめるくらいいいじゃないか」という声もあるようですが、彼らホメオパス達が数十人現地に訪れることによる兵站の負担を考えれば、その分きちんとした物資と人員を送り込んだ方がはるかに有益であるということは言うまでもありません。
まして「孤独・極度の不眠や疲労・薬物・栄養失調等」による一時的な精神活動の低下に付け込むのはマインドコントロールの基本テクニックですから、この非常事態においてここまで露骨な布教活動を許すということになればむしろ政府の姿勢の方が問われることになるでしょうね。
今日は地震に付け込んで自らの思うところを見たそうとするこうした人々の話題を取り上げたいと思いますけれども、残念ながらあちらこちらで「地震詐欺」の横行している現状も認めないわけにはいかないようです。

義援金集め装い振り込み要求 大震災に乗じた詐欺か(2011年3月17日朝日新聞)

 震災の義援金を募っています――。そんな言葉で振り込みなどを誘う電話が出回り始めたとして、各地の警察が注意を呼び掛けている。

 兵庫県警によると、16日午前7時と同11時ごろ、神戸市須磨区の無職女性(84)の自宅に若い女から電話があり、「宮城県の地震で募金を募っている。住所と生年月日を教えて欲しい」と求めてきたという。女性は不審に感じて電話を切り、須磨署に通報した。

 岡山県津山市の30代の主婦宅には、14日正午ごろ、津山市職員を名乗る男が「市で義援金を送っている。金額は気持ち次第で振り込んで」と電話をしてきた。岡山県警は、被災地への義援金名目でカネをだまし取ろうとした振り込め詐欺未遂事件とみて、16日発表した。男は、口座番号は告げなかったという。

言うまでもありませんが、自治体にしろまともな団体にしろ電話で勧誘したりすることはありませんし、例によって街頭募金詐欺などが多発しているようですから、被災地のために真摯にお金を届けたいと願うなら、きちんと公的なアナウンスに従って指定された口座に振り込む等の対策が必要になると思いますね。
また昨日も紹介しましたように、今回の一件に関連してすでに出所不明の怪情報が書かれたチェーンメールが横行しており注意が呼び掛けられる状況になっていますが、くれぐれもこうしたチェーンメール転送等で自らがその拡散に荷担するようなことのないように注意しなければならないでしょうね。

さて、こうした国内初の問題とは別に国外からも様々な問題が持ち込まれているようなんですが、本日特に取り上げたいのはかねて過激なテロ活動で話題になっているシー・シェパード(SS)の件です。
今回の地震を前にしてイルカが打ち上げられたなんて話が話題になりましたけれども、ちょうどこの地震に前後して被災地にSSの活動家が入り込んでいたというのですね。

岩手でシー・シェパードが震災・津波に遭遇…「日本人は親切だった」(2011年3月16日サーチナ)

  環境保護団体を標榜(ひょうぼう)するシー・シェパードのメンバー6人が11日、岩手県の三陸海岸にある大槌町で、地震と津波に遭遇していたことが分かった。「イルカ保護のため」として、同地を訪れていた。6人全員が無事だった。リーダーのスコット・ウェスト氏は手記を発表し、甚大な被害に驚き、心を痛めると同時に、自分たちに向けられた「日本人の親切さと温かさ」を強調した。

  津波が押し寄せた時、メンバーらは、イルカ処理施設を見ることができる高台にいた。そのため、巨大な津波が街を破壊する様子を目の当たりにした。夕方になり、残骸(ざんがい)の上で漂流する女性が助けを求めている悲鳴を聞き、ロープを投げるなどしたが届かず、道路に出て消防車を呼んだ。消防隊員が救出しようとしたが成功せず、女性が乗る残骸は海の方にゆっくりと流されていった。あたりは暗くなり、女性の声も聞こえなくなった。ウェスト氏は「ショックだった。信じられなかった」とつづった。

  11日夜は、メンバーが乗ってきた自動車の中で過ごした。外気はセ氏0度程度に冷え込んだが、ガソリンが十分にあったので、凍えることはなかったという。夜明けごろに山火事が発生し、人々が逃げてきた。周囲の道路は自動車が走行できる状態ではなかったので、徒歩で脱出した。その後、安全な内陸部に向かうことにしたが、警察官に事情を話したところ、遠野市にあるホテルを手配してくれた。約50キロメートルの道のりだったが、歩くしかなかった。大槌町の市街地は壊滅状態で、レンタカーを利用することも、不可能だったという。

  すると、住民男性のひとりが、遠野市に向かう自動車2台を手配してくれた。運転してくれたのは、経営していた商店が津波で流されてしまうなど、「すべてを失った人だった」という。ウェスト氏は「この日、われわれに向けられた親切と寛容さを、書きつくすことはできない」、「日本の人々は暖かくて親切だと、これまで以上に確信することになった」と記した。

  ただし、クジラやイルカ漁に反対する立場は変わらず、「イルカなどの虐殺をやめれば、日本は海洋保護のリーダーになる可能性が大いにあるのだが」との考えを示した。(編集担当:如月隼人)

記事だけを読んでいると何やら美談のようにも聞こえてくるからおもしろいのですけれども、そのあたりの詳細はまた後ほど検証するとして、ちょうどこの大槌での一部始終を当事者が動画に撮影しているのですね。
まずはSS元メンバーのリチャード(リック)・オバリーが主催し日本での反捕鯨活動の窓口ともなっている「save japan dolphins」が、まさに記事にあるとおり地震直後の大槌から脱出する緊迫の一部始終を撮影し公開しているのですが、これが少しばかり興味深い話につながっています。

【参考】3/11/2011 Otsuchi Japan Dramatic Earthquake, Escape and Tsunami footage.

トヨタプリウスに乗り込んだ活動家の一行が逃げる人々の間をかき分けながら高台にまで避難し、津波によって崩壊していく街を克明に写しだしているという大変興味深いこの動画、はっきりと「save japan dolphins」によるものであることが明示されているにも関わらず、彼らのサイトでは全く触れられてもいないと言うのは何とも不思議なことですよね(ちなみに上記は第三者による転載動画のようです)。
代わりに同じ動画から編集したと思われるこちらの動画が「シー・シェパードから」公開されているのですが、こちらでは街からの脱出行などは一切カットされ、ひたすら暗い海面と押し寄せる津波を写すのみという何とも陳腐な内容になってしまっています。

【参考】Sea Shepherd's Cove Guardians witness the tsunami in Otsuchi, Japan on March 11, 2011

いったいこれはどういうことなのかと思うのですが、いずれにしても彼らにとって全ての活動は資金集めのプロパガンダに結びついているわけですから、前者の動画では不都合であって後者の動画でなければならないという、営業上の理由があるのかなとは推測されるところです。
そう考えると上記動画に関する書き込みにこんなものがあって、実際のところ彼らの意図はどうか判らないんですが、何かしら「普通に生活している町の人々がある日突然津波に巻き込まれてしまった」という事実を公表したくないのかなと勘ぐりもしたくなる話ですね。

別のビデオで、Sea Shepherd の連中が街中から高台まで行く道のりとその後を撮影したビデオを­見た。そのビデオの中には、街の人々が歩いて避難しているのが撮­影されていた。そのビデオは最初に、支援者らしき二人の日本人が­何かを叫んで車に乗る姿と、Sea Shepherd の連中がプリウスに乗るシーンから始まり、何処かの工場の白い作­業服を着た人達と、子供と手をつないで歩く母親が撮影されていた­。Sea Shepherd の連中が高台に着くと、何故か現場に居た消防車や海岸ばかりを撮­影するから不思議に思っていた。するといきなりカメラを横にスラ­イドしたと思ったら、そこには濁流に飲み込まれて滅茶苦茶になっ­ている街だったものが撮影されていた

私が見たあのビデオは、今はもう削除されて無くなっている。Se­a Shepherd の連中は、わざと津波に飲み込まれる街中を撮影しなかったのだ。­それは自分達が撮影したビデオで、日本人に同情が集まるのが許せ­なかったからだと思う。

ちなみに被災地に居合わせた活動家の皆さんはその後人間の救出には全く興味も示さずさっさと国外に脱出していったそうですが、なんでも逃げ出す前にきっちりと「一匹の魚を助けていった」んだそうです(苦笑)。
このあたりの事情は例によって産経新聞の佐々木記者が詳しく取り上げているのですが、非常に興味深い話も多いところですから、少し長くなりますが引用させていただきましょう。

岩手・大槌町でシー・シェパードメンバーが撮影した津波来襲前の映像 避難誘導した大槌町の方々たち(2011年3月16日ブログ記事)より抜粋

 シー・シェパード幹部のスコット・ウェスト氏が岩手県・大槌町のイルカ漁に圧力を加えようと、三陸の静かな港町を訪れたのは、3月9日のことでした。
(略)
 その矢先のあの津波です。かれらは、まったく日本語を理解しておらず、そのうえ、岩手の港町の避難場所など把握していないですから、私は、最悪のケースになるかもしれないということが頭をよぎりました。

 彼らの家族もとても心配していました。携帯電話はもちろんつながらないし、現場からの生存情報もない。ネット上で捜索依頼を出して、日本側に協力を求めていました。私もスコットを捜しました。

 しばらく連絡が途絶えましたが、翌日、生存しているとの情報がもたらされました。彼らは埠頭の大槌町の方々の避難誘導により、高台に逃げて、津波から逃れたのです。

 彼らはレンタカーで高台へ逃げる際、車からビデオをまわし、街の風景を撮影していました。

 それがこの映像です。

http://www.youtube.com/watch?v=GJLT0tm-jWw

 映像にはキャプションがついており、映画The Coveに出演したイルカ保護活動家リック・オバリー率いるSave Japan Dolphonsの活動家、Brian Barnesが撮影したようです。ウェスト氏は、オバリー集団とも一緒に行動していたのですね。

 正直に言いますが、私はこの映像を見て言葉を失いました。

津波に遭って破壊される直前の街並みが映し出された貴重な映像だったからです。

白い作業着のまま走り去る人々、自転車に乗って移動する子どもたち、ゆっくりと歩くお祖父ちゃん、お婆ちゃん、街にはサイレンの音が鳴り響きわたっています

 おそらく、彼らは津波の恐ろしさを知らなかったのでしょう。車の中で談笑する光景も収録されています

 この映像の中にはきっと、波にさらわれた犠牲者や行方不明者の最期の姿も映されていることと思います。

 大槌町は壊滅地区になりました。町長も行方不明になっています。地元の漁師たちの生活の糧となっていたイルカ漁に圧力を加えようとした彼らは生き残り、一方で、大槌町では、漁師をはじめ、多くの方々が犠牲になりました

 そして、彼らは波がひいた後の港を歩き回り、映像や写真を撮った後、すぐに秋田空港から韓国へと飛び、日本を脱出しました。ソウル経由の便で到着したシアトルでは、笑顔の家族や関係者にでむかえられました。

http://www.youtube.com/watch?v=uCRCHZ0ODzY

 シー・シェパードは、Cove Guardianの生還を大々的にアピールしました。

http://www.seashepherd.org/news-and-media/news-110312-1.html

 ウェスト氏は大槌町の津波について手記を書き、このようにも記しました。

I cannot begin to describe the amount of kindness and generosity shown to us this day.  It confirms my beliefs that Japanese people are warm and kind.

The activities of the dolphin molesters in Taiji and the porpoise molesters of Iwate are aberrations and absolutely not the rule.  There is so much hope that we will see the end of the slaughters and that Japan will become the leader it should be in marine conservation.

 現地の人々に助けられたスコット氏は、日本人の温かみや寛容さをたたえながら、なおもイルカを殺す岩手の人々を「molester」(虐待者)といい、言語道断だと言います。そして、この大量殺戮をやめれば、日本は海洋保護のリーダーになりうると言っています。

 一方、ポール・ワトソンはこんな詩をFacebook上に公開しました。

Tsunami

Neptune’s voice rolled like thunder thru the sky

Angrily he smote the deep seabed floor

From the shore echoed mankind’s mournful cry...

From out of the East with the rising sun

The seas fearful wrath burst upon the land

With little time to prepare or to run

Against a power no human can stand

The sea rose up and struck fast for the shore

 翻訳はしません。判断は皆様にお任せします。

 ただ、冒頭のNeptune(古代ローマの海神ネプチューン)という言葉だけ説明します。ワトソンは、自らの抗議船をNeptune Navy(ネプチューンの海軍)と呼んでいます。つまり、自らは海の神に仕える艦隊であるして、クジラやイルカの命を守ることが、自らの使命であることを謳っているのです。

ワトソンは、海の神が怒ったことをTsunamiで表現したのでしょうね。

スコットのコメントが元文に当たりますと、前述のオブラートに包んだような記事とはずいぶんと異なった印象を受けることにお気づきでしょうか?
ここで紹介されているポール・ワトソンの「詩」の解釈については各人各様ですけれども、当然ながら国内外で大きな反響を呼んでいて、はっきり言えば彼らテロリストとそのシンパにとっては非常に「メシウマ」な状態であるということですし、前述の当事者のコメントからもその空気は十分伝わってきます。
ちなみに当のワトソンは今回の騒動に関して盛んに反応していて、「え?嫌だなあ、あれは単に自然の驚異を詠んだ詩だよ。反日なんてとんでもない(This was simply a poem about the power of nature. It was not anti-Japanese.)」などと言っていますけれども、またしてもSSやその一派に関するイメージを強化する一助になったのは間違いなさそうですよね。
それでも救いであることは、文字通り不毛と言うしかないこの手の連中にネット住民ですらこの種の手合いに関わりあいになるつもりもなく、「今はそんなことやってる時とちゃう」とばかりに華麗にスルーする姿勢を決め込んでいることでしょうか。

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コメント

とっくの昔から言われてた噂は事実だったってことなんだが
身内からこんな話がリークされてくるようじゃ終わってるな

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、米政府が原子炉冷却に関する技術的な支援を
申し入れたのに対し、日本政府が断っていたことを民主党幹部が17日明らかにした。

 この幹部によると、米政府の支援の打診は、11日に東日本巨大地震が発生し、福島第一原発の
被害が判明した直後に行われた。米側の支援申し入れは、原子炉の廃炉を前提にしたものだった
ため、日本政府や東京電力は冷却機能の回復は可能で、「米側の提案は時期尚早」などとして、
提案を受け入れなかったとみられる。

 政府・与党内では、この段階で菅首相が米側の提案採用に踏み切っていれば、原発で爆発が
発生し、高濃度の放射性物質が周辺に漏れるといった、現在の深刻な事態を回避できたとの指摘も
出ている。

 福島第一原発の事故については、クリントン米国務長官が11日(米国時間)にホワイトハウスで
開かれた会合で「日本の技術水準は高いが、冷却材が不足している。在日米空軍を使って冷却材を
空輸した」と発言し、その後、国務省が否定した経緯がある。

▽読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110318-OYT1T00096.htm

投稿: aaa | 2011年3月18日 (金) 07時40分

ただ政府と東電の言い分だけでもこれだけ食い違っているので、情報発信者のバイアスがかかっている可能性も高いのでは。

<福島原発>東電全面退去打診 首相が拒否…水素爆発2日後
毎日新聞 3月18日(金)2時33分配信
東京電力福島第1原発の高濃度放射能漏れ・爆発事故で、東電側が14日夜、同原発の職員全員を退去させる方針を政府に打診していたことが分かった。
現地での作業継続は困難と判断したとみられ、自衛隊と米軍にその後の対応を委ねる構えだったという。菅直人首相は打診を拒否し、
東電側も一部職員を残すことになったが、東電はその時点で高濃度の放射線被ばくが避けられない原子力災害に発展する可能性を認識していたことになる。

 複数の政府関係者によると、東電側が14日夜、「全員退去したい」との意向を枝野幸男官房長官と海江田万里経済産業相にそれぞれ電話で申し入れた。
両氏は認めず、首相に報告した。首相は15日午前4時過ぎ、清水正孝・東電社長を官邸に呼び、「撤退はあり得ない。合同で対策本部をつくる」と通告。
その後、東京・内幸町の東電本店を訪れ、「東電がつぶれるということではなく、日本がどうなるかという問題だ」と迫ったという。

 政府当局者は14日夜の東電側の打診について「全員を撤退させたいということだった」と明言した。

 一方、東電側も首相への不満がくすぶる。東電によると、同原発では協力会社と合わせ計4000~5000人が働いているが、
現在、現地に残っているのは約300人。発電所の制御や復旧などの作業にあたっている。

 東電関係者によると、15日早朝に首相が東電本店を訪れた際、事故対応に追われる社員が会議室に集まったが、
首相は「こんなに大勢が同じ場所にいて危機管理ができるのか」と非難した。
東電関係者は「『撤退は許さない』というのは『被ばくして死ぬまでやれ』と言っているようなもの」と漏らした。

 東電幹部の話 (必要最低限の作業員を残し、あとは退去する)部分的な撤退を検討したのは事実だが、全員撤退を検討した事実は絶対にない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000015-mai-soci

投稿: 通りすがりのただの人 | 2011年3月18日 (金) 08時47分

東電トップは雲隠れしてるし
菅はわめくしか能がないし
こんなことで大丈夫なのか…

投稿: | 2011年3月18日 (金) 19時07分

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