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2011年3月 3日 (木)

ニュージーランド地震 思いがけない方向へと延焼中

先日も少しばかり取り上げましたニュージーランドの被災現場でのマスコミがひどい!という話題なんですが、当初はネットで騒がれる程度であったものが、とうとう海外メディアにまで伝わるほどの騒ぎになっているようです。
相変わらず日本人の悪評を広めることには熱心な彼らの活動ぶりを、まずはこれらの記事から紹介してみましょう。

フジテレビがNZ地震被災者へ暴言インタビュー(2011年2月25日POP UP)

連日韓国のことばかり放送すると非難轟々のフジテレビがまたやらかした。ニュージーランドで起こった大地震の被災者に電話でインタビューを行ったのだが、それが驚くほどデリカシーのない失礼な内容だったのだ。

酷いインタビューが放送されたのは、2月25日放送の「とくダネ!」でのこと。大村正樹アナウンサーが、ニュージーランド大地震で救出され右膝下切断をした19歳の奥田建人さんに電話でインタビューを行ったのだが、そこで驚くような質問をしたのである。

今までのスポーツ歴などを優しい口調で聞いた後、「右足を切断すると言われたときのどんな気持ちだったのか?」「スポーツを今までやってきたのにもうスポーツができなくなったことについて、どんな気持ちか?」というような質問を行ったのだという

このあまりにも被害者の心情を考えない失礼な発言に視聴していた人からはすぐに怒りの声が上がった。当然のように2ちゃんねるでもスレッドが立てられ、Twitterでもこの情報を拡散しようという動きが起こっている。

確かにこれはあまりにも酷すぎる。被害者の様子やインタビューを通して災害の酷さや様子を伝えようとしているのかもしれないが、あまりにも被害者や関係者のことを考えていない行為といえる。マスコミの被災者や被害者に対するインタビューは、昔から傷に塩を塗りこむような人として最低な質問を時折見受けられよく世間の批判さらされてきた。そのたびに謝罪してきたが、また繰り返されたということはまったく反省していないからだろう。

このようなことが起きるたびに毎回思うのだが、こういうことをしでかす記者は報道の名の下になら何をやってもいいと勘違いしているのではないだろうか。もう一度報道とは何かということを見つめなおして欲しいものである。

フジTVアナの被災者への失礼極まりない質問、中国メディアも報道(2011年3月1日サーチナ)

  中国メディア、杭州日報は2月28日、「ニュージーランドで発生した地震被災者に対し、日本のフジテレビが失礼極(きわ)まりない質問をしたことで、日本の視聴者から怒りの声が上がった」と報じた。

  問題となったのは、25日にフジテレビで放送された、NZ地震被災者への電話インタビューだ。フジテレビの大村正樹アナウンサーは、右足を切断せざるをえなかった19歳の日本人男性にインタビューを行った。

  杭州日報は、「大村正樹アナウンサーは地震発生時や救助時の様子を聞いた後、意外にも『右足が切断されると知った時どんな気持だったか』、『もうスポーツができなくなることについては、どんな気持ちか』などと聞き始めた」と報じ、「被災者の心情を考えない失礼極まりない質問に対し、視聴者は即座に怒りの声を上げた」と報じた

  また記事は、「この出来事はインターネット上でも大きな話題となり、日本人ネットユーザーから『傷口に塩を塗る行為だ、非人道的だ』など、インタビューした大村氏とフジテレビに非難が殺到した』と紹介した。(編集担当:畠山栄)

ま、中国にしても先の四川大地震の一件もありますから、こういう話は決してひとごとではないということなんでしょうかね。
実際のところ引用に引用を重ねて元ソースと食い違っている記事も多々あるようですから、先日ご紹介いただきました実物の動画も紹介しておかなければフェアではありませんが、発言の内容がどうこう以前に被災者にこのタイミングでこんなことを聞いてどうするつもりなの?というのが率直な感想でしょうか。

【参考】【動画】「足を切断されてどう?」

麻酔からようやく覚めたところで気がつけば脚がない、しかも聞くところによれば「患者である男子学生には、まだ行方不明の学生がいることを周囲が伏せていたにも関わらず、大村が電話で告げ、学生がショックを受けていた」と言うのですから、普通であれば大混乱して当然の状況ではあったのによく冷静に受け答え出来ていたものだと感心します。
もし自分が身内なり友人であれば「いいからそっとしておいてやれよ!」と言いたくなる話だと思うのですが、マスコミの方々におかれましてはいささか異なった感覚がおありだと言うことなのでしょう、「報道の名の下になら何をやってもいい」どころか、むしろやるのが当たり前であり、されなくてもいい批判をする方が八つ当たりだと開き直った発言が出ているのですね。

奥田君インタビューはそんなにひどくない (2011年02月26日ニューズウィーク)

 ニュージーランド地震で足を切断しながら生還した奥田建人君へのフジテレビ「とくダネ!」のインタビューがひどいという批判がツイッターやネットで広がっている。まだ見ていない人は、実際に映像を見て欲しい。

 そんなにひどいだろうか?

 インタビュアーがむりやり言葉を引き出そうとしているわけでもないし、足を切断したという相手の状況にそれなりに配慮した聞き方をしている。プロの記者が奥田君に話を聞いて「足切断」について聞かないことはありえない

 おそらく初出と見られる朝日新聞2月23日付夕刊の五十嵐大介記者の記事も、奥田君が足を切断した事実について触れている。足切断の事実と、「仲間がどんどん下に落ちていった」という表現があってはじめて、今回の地震の被害の大きさと、今後議論になるだろうニュージーランドの建造物の耐震構造問題の深刻さが読者に伝わる。繰り返すが「かわいそうだから聞かない」というのは、職業人としての記者のやることではない

ネットの怒りがフジテレビに向いているのは、あえていえば「八つ当たり」だろう。奥田君はこんな悲惨な目に遭いながら、なお快活さを失わないとても性格のいい青年だが、そんな彼がいわれのない被害にあったことへの憤りのターゲットにフジテレビがされてしまった――少なくとも筆者にはそう見える

 ただ、このインタビューとメディアスクラムの問題は分けて考えるべきである。現地のニュージーランド・ヘラルド紙が24日、取材のため病院に無理に侵入しようとした日本人ジャーナリスト2人が逮捕された、という記事を流した。この情報が正しければ、おそらく朝日新聞に被災者取材で先行されたいずれかの社の記者(あるいはカメラマン)が、無理に取材しようとした可能性が高い。

 スクープを「抜かれた」社が、必死になって抜かれたネタをフォローするのは当然だ。ただそれは時と場合による。今回、おそらく奥田君の元に日本メディアの取材が殺到しているだろうが、本人の状況を考えれば、十数回も同じインタビューを強要することはメディアの側が遠慮すべきだろう。

 日本メディアが1つのネタに狂ったように殺到するのは、ひとえに「横並び」「均質性」という特性ゆえ、だ。「奥田君で抜かれたのなら、別のネタを探せばいい」などと言えるデスクは、今でもごくごく少数派のはず。多くはヒラメ会社員的発想から、「何が何でも奥田君インタビューを取れ!」と現場に厳命する。そしてその意を汲んだ「現場」は、ときに一線を踏み外した取材をしてしまう。

本来されなくてもいい批判をされてしまうのは、いまだに冷静さを欠く取材を繰り返しているからにほかならない。

――編集部・長岡義博(@nagaoka1969)

いったいこれは火消しのつもりなのか火に油を注いでいるつもりなのか判断しかねるんですが(苦笑)、「プロの記者が奥田君に話を聞いて「足切断」について聞かないことはありえない」などと、なにかポイントを故意にずらされているような気がしますよね。
被災して脚切断した直後で、ようやく麻酔から覚めて現実を認識し始めているような人に向かって、見ず知らずの人間が「これまで、ね、スポーツも色々出来てたわけですよね」なんてねちねちと絡むのはありなのか?ってことで、自分が担当医であればいくらオブラートに包んだ体を装ったところで、患者の前でこんな馬鹿げたことを口にするような奴は即座に病室から叩き出しますよ。
そしてその結果得られるものが「足切断の事実と、「仲間がどんどん下に落ちていった」という表現があってはじめて、今回の地震の被害の大きさと、今後議論になるだろうニュージーランドの建造物の耐震構造問題の深刻さが読者に伝わる」とは、いったいこいつらは日本人のことをそこまで底知れぬ馬鹿だとでも思っているのかと言いたくなる話です。

甚大な心身のダメージを被った被害者に向かって傷口をえぐるようなことをやるからには相応の公益性が要求されるのが当然ですが、得手勝手なオレ流理論を振り回し自己正当化した挙げ句「八つ当たりするなよ」なんて身内で擁護しているのが痛すぎるというものですけれども、確かに平素からもっとひどいことを普通にやっているのだから「マスコミ的にはこの程度は当たり前」だというのであれば完全に同意します。
彼らが被災現場でどれほどひんしゅくをかっているか、こういう話を聞くだけでもよく判ることだと思いますし、数々の災害現場で彼らの傍若無人ぶりを見聞した人ほど「マスコミ的にこの程度は普通」だと言うことを実感してしまいそうですけれども、どうもそうした日本のマスコミ関係者の「常識」は現地の人々にとっても非常識であるらしいというのが、次第に明らかになってきています。

倒れた被災者に「ちょっとそのまま!?」 NZ震災報道で問われる日本マスコミのモラル(2011年3月1日日刊サイゾー)

 悲惨な大地震に見舞われたニュージーランドのクライストチャーチで、日本のマスコミの評判が最悪のものとなっているようだ。

 日本人の被災者が多かったことで、多数の報道陣が現地入りしているが、2月24日のニュージーランド通信によれば、病院に無断で侵入しようとした日本人記者が逮捕されたとも伝えられる。同社の記者に問い合わせたところ、保健局の職員が事前に「身分証明書と許可が必要です」と警告していたにもかかわらず、職員の目を盗んで2名の日本人記者が病院内に侵入し、写真などを撮影。これを発見した関係者が一時身柄を拘束したのだという。

「被災者のプライバシーを含めた情報保護の観点から、基本的には病院内の取材は厳しく規制されています。亡くなった可能性のある方の遺族ですら自由に出入りはできません。日本のマスコミはこの国のルールを守るべきです」(現地記者)

 また、地元警察からは夜間外出禁止令を破って深夜の取材を行なっていた日本のテレビ関係者もいたことが漏れ伝わる。

 さらに、現場で取材を続けるオーストラリアの記者によると「血を流して倒れていた男性が起き上がろうとしたところ、これを撮影していた日本人カメラマンが『ちょっとそのまま』と被災者を制止するような感じだったため、それを見ていたボランティア男性が怒ってカメラを地面に叩きつけ、両者がもみ合いになったのを目撃した」という。

 現時点では、こうした取材マナーの酷い記者たちがどこの媒体の者かまでは伝わってきてはいないが、よほど目に余ったのか、現地警察は「疑わしい行動に対しても逮捕など厳しい処分をする」と異例の通達を出しているほどだ。

 一方、現地に滞在中の日本人や、続々と帰国する日本人の中には、被災現場を撮影した動画や画像などをマスコミに売ろうとする者が出始めている。

「成田空港で帰国者を取材していたら、若い男性から『現場の動画がたくさんあるので10万円で買ってもらえないか』と言われました。高いと答えたら『それなら他社に売りますが、いいんですか?』などと捨て台詞を吐かれました」(朝刊紙記者)

 また、ある帰国者が「大聖堂の一部だよ」とガレキの一部を持ってはしゃぐ姿も見受けられた。国際的にも注目される惨事の中で、いま日本人のモラルが問われている。

まあ日本国内においても大規模災害などのたびにさんざんに悪評をとどろかせた方々ですから、遠い異国であればなおさら「旅の恥はかき捨て」で好き放題もやろうというものですけれども、日本のマスコミ流に慣れていない現地の人はそれは普通に切れて当たり前ですよね。
ちなみにこの現地での日本マスコミの傍若無人ぶりというものはちょうど「天漢日乗」さんでも取り上げられていますけれども、もはやこうなると常識非常識という以前に遵法意識の問題で、それは確かに現地の方々も「ルールを守るべき」なんて子供相手に噛んで含めるようなことを言いたくもなるだろうなとは思いますが、彼らがマッカーサーの言うところの「何も知らない12歳の子供」であるかどうかは大いに議論の余地あるところだと思いますね。

【参考】ニュージーランド大地震でメディアスクラム 日本のマスコミがやっていること@現地在住日本人の方のblogから(2011年3月1日天漢日乗)

いずれにしてもこんな状況ですから、すでに現地のメディアにおいても日本人マスコミ関係者が追放されたなんて話が大々的に報じられているような状態で、まさに彼らの狙い通り「火の気がなければ自ら放火して回る」という有様なんですが、いったいこうまで好き放題をする権利を単に「プロの記者だから」の一言で付与されるなどという心得違いを、彼らがどうやって手にするに至ったのかということの方が不思議ですよね。
ちなみに件の大村氏の存在に頼らずともかねてから十分に名高い(笑)「とくダネ!」からは今回の一件に関して何らのリアクションもないようですが、なにやら遠からずスタッフ総入れ替えを図ろうとしているなんて話もあるようで、こればかりは積悪の報いとも言うべきもので仕方がないんでしょうかね。

羽鳥慎一に怯えるフジ! ニュージーランド地震の無神経放送により小倉智昭ほか『とくダネ!』スタッフ総入れ替え!?(2011年02月28日livedoorニュース)

 朝の各番組のキャスターの中で、最も視聴者から支持が多いのが羽鳥慎一である。“無理な毒舌”や“自分大好き発言”で顰蹙を買うお馬鹿キャスターが多い中、フェアで真っ当な発言が信条である彼のファンは多い。

 羽鳥は特に主婦層から好まれており、『ズームイン!!SUPER』で集めた人気は、今も不動であり、「羽鳥さんが出るからこの番組を見る!」と公言する主婦も少なくない。その圧倒的な人気を誇る羽鳥がフリーとなり、テレビ朝日の朝の顔となるのだ。

 この動きに各局が神経を尖らせている。中でもフジテレビは、小倉智昭と中野美奈子を擁した朝の情報番組『とくダネ!』を放送しており、羽鳥の新番組と正面衝突する形になる。そんな中でまたしても『とくダネ!』で問題発言事件が起こってしまった

 2月25日の放送中にレポーターの大村正樹が、ニュージーランド地震で右足を失った被災者に電話インタビューしたのだが、無神経な発言を繰り返し、視聴者から大顰蹙を買ってしまったのだ。

 同番組は今までも小倉の失言が何度も問題になっており、フジテレビの関係者には、番組の未来を危惧し、キャスターの入れ替えを口にする者もいた。今までは、小倉の功績を評価しその声も押し潰されてきたが、繰り返される問題発言や羽島ブームの前に、夏前に番組の大幅テコ入れ、キャスター、スタッフ総入れ替えの噂が立っている

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コメント

判っててやるんだからたちがわるいな

余録:震災と心のケア
http://megalodon.jp/2011-0303-0106-55/mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20110303k0000m070128000c.html

 阪神大震災では被災者の心のケアのために多くの精神科医が現地に入った。そのうちの何人もが被災地から帰った後にも心の緊張が続いたり、
悪夢を見たりする異常を体験したという。震災はその救援に駆けつけた専門家の心にも深い傷を残すのだ▲以前、神戸に住んでいた人が、
テレビでその地の被災の映像を見ただけで心身症になったケースもあったという。また過去の戦災や、大規模災害の経験者がPTSD
(心的外傷後ストレス障害)を再発させた例も見られた(中井久夫編「昨日のごとく」みすず書房)▲一瞬のうちに巨大な力によって
多くの人の生死を理不尽に断ち分け、人間を深い無力感の中に置き去りにする震災だ。それはまるで触れるものをみな傷つける刃物のように、
かかわる人すべての心を悲嘆と絶望でさいなむ▲救援の医師やテレビの視聴者すら傷つける震災ならば、所在不明のわが子らの安否情報を
被災地で1週間も待つ家族の心の内はいったいどう言い表せるのだろう。ニュージーランド震災のビル崩壊現場を初めて日本人家族が訪れたと聞きながら
言葉の無力を痛感する▲多くの安否不明者が出た現場から早期救出された若者も、喜べない幸運に表情が曇る。似たような状況を経験した人の
サバイバー(生還者)症候群と呼ばれる罪悪感などの後遺症が気がかりだ。日本赤十字社は家族や被災者の心のケアにあたるチームの活動を始めた
▲大地震の前では無力な人間だ。どこの震災であれ、その惨状に心を痛めた人はみな「被災者」なのだろう。深い心の傷もそのいたわり合い、
助け合いの中でいつか癒やされるよう祈りたい。

投稿: 匿名希望 | 2011年3月 3日 (木) 10時25分

大村正樹レポーターは、この手の報道の常習犯だそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=jafyxu7pJgI
とくダネ!大村正樹の煽り報道はNZ地震に限らない

投稿: | 2011年3月 3日 (木) 12時55分

レポーター個人の資質もさることながら、やはりかねて話題に上ることの多い「とくダネ!」ですから、番組そのものの意識の問題という印象を受けますね。
オヅラ氏もこのまま何も知らぬ顔ですませるのなら、まさに業界的には「これの何が問題?」という感覚だということを世に知らしめる形になると思います。

投稿: 管理人nobu | 2011年3月 4日 (金) 10時14分

マスコミとかニュースキャスターなんかは神経疑う奴ばかりですよね。

投稿: 花 | 2012年8月17日 (金) 08時54分

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