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2011年2月 2日 (水)

グルーポンおせち問題 想像したよりずっと斜め上な内情

先日も取り上げましたネット上のクーポン共同購入サイト「グルーポン」のおせち問題でその後も続報が続いていますが、実態が明らかになるほどにそれはちょっとどうなのよ?と思われるような内情が明らかになってきています。
本日まずはその後のニュースを幾つか取り上げてみますけれども、それでは今までこの程度のこともやっていなかったのかとむしろ驚くような内容も並んでいますよね。

クーポンサイト各社が対策(2011年1月29日NHK)

見本と異なるおせち料理が送られてきたとして、苦情が相次いだトラブルなどを受けて、「クーポン共同購入サイト」の各社は、審査を厳しくしたり、基準を開示したりするなどの対策に乗り出しています。

インターネットのクーポン共同購入サイトは、一定時間内に決まった人数が集まると、飲食店や食品などの代金を大幅に割り引くもので、国内では去年から参入が相次ぎ、現在、およそ170以上のサイトがあるとされています。しかし、最大手の「グルーポン・ジャパン」が、去年の年末に提供した横浜市の業者のおせち料理を巡っては、見本の写真と比べて料理が少なすぎるという苦情が相次いだため、グルーポン社が謝罪して返金し、審査を厳しくするなどの再発防止策を打ち出す事態となりました。こうしたなか、ほかの各社も対策に乗り出し、「ピクメディア」は、今月、審査基準を公開し、生鮮食品は事前に実物を確認するほか、商品の生産能力を確認して適切な提供数を決めるなどとしています。また、「ルクサ」も、扱う商品は、業者側がすでに販売しているものを原則とし、不当に価格を操作したと疑われる商品は扱わないなどの審査基準を公開して、対策を強化しています。「ルクサ」の永田信執行役員は「まだ新しい業界なので、おせち問題のようなことが起きるとクーポン事業全体に悪い影響を与えてしまう。業界全体が一つ一つ信頼を積み重ねていくことが大事だ」と話しています。

おせちトラブル偽キャビアなど使用も判明  グルーポンがサイト上で謝罪(2011年1月31日J-CASTニュース)

   おせち販売トラブルで、共同購入型クーポン運営のグルーポン・ジャパンが、表示と異なる食材が使用され、おせち料理に偽装があったことをサイト上で明らかにした。さらに、通常価格の表示が不適切だったことも分かったとして、全面的に謝罪している。

   このトラブルでは、外食文化研究所が経営する横浜のレストラン「バードカフェ」が2010年11月下旬、グルーポンのサイトを通じて「謹製おせち」を販売。その後、購入者からは「中身がスカスカ」「食品に傷みがある」などとネット上での告白が相次いで、大騒ぎになっていた。

フランス産シャラン鴨のローストは、国産の合鴨

   ネット上では、このおせち料理について、ゴミ箱から取ったとみられるバードカフェの食材明細書が写真付きで暴露され、偽装の疑いも指摘されていた。

   その後、グルーポン・ジャパンが調べたところ、表示と異なる食材が使用されたことが判明した。同社では11年1月29日、このことをサイト上で明らかにして、購入者らに謝罪した。

   それによると、世界三大珍味の1つとされるキャビアが、実際はコピー食品としてよく使われるランプフィッシュになっていた。また、フランス産シャラン鴨のローストとうたってあったのは、国産の合鴨のローストだった。このほか、生ハムとカマンベールチーズが生ハム&クリームチーズに、鹿児島産黒豚の京味噌漬けがアメリカ産の黒豚の京味噌漬けに、鰊の昆布巻きがわかさぎの昆布巻きに、才巻き海老の白ワイン蒸しがバナメイ海老の冷製に、くわいのバルサミコ風味がたたき牛蒡に、それぞれ取って代わっていた。

   そして、焼き蛤との表示もあったが、実際の料理には欠品していた。

   グルーポン・ジャパンでは、偽装の理由について、外食文化研究所が500セット分の食材を調達できなかったことを挙げている。事前に、書面で表示の正確性について確約は取っていたという。そのうえで、おせち製造者ではないため、使用食材の仕入れ状況などを詳細に把握できず、事実確認に時間を要したと釈明している。

通常価格の表示が不適切だったことも判明

   このトラブルでは、そもそも通常価格2万1000円を半額の1万500円にするという割引自体に疑問も出されていた。つまり、通常価格は一体どんな根拠で算出されたのかということだ。

   この点について、グルーポン・ジャパンはサイト上で、通常価格の表示が不適切だったことを認めた

   それによると、外食文化研究所は、通常価格が記載された申し込み画像をグルーポン側に送付し、バードカフェ店頭で常連客にこの内容でおせち料理の案内を行っていると説明していた。このことから、グルーポンでは、サイト掲載時点では、おせちが店頭で販売実績があると判断していたという。

   ところが、景品表示法で通常価格として表示するには「最近相当期間にわたって」の販売実績が必要であるにもかかわらず、このおせちには、そのような販売実績があるとは認められないことが調査で分かった。つまり、「通常販売」の実態をよく把握していなかったということだ。

   グルーポンでは、おせちの製造・販売者ではないとしながらも、「販売に関与した者としての社会的、道義的責任を重く受けとめております」と謝罪している。今後については、サイトにおける表示をより正確で適切なものにするため、サービス提供会社に対して、商品に関する情報の客観的な根拠の説明や提出を求めることに努めるとしている。また、社内でも、より一層の業務管理体制の強化を図っていくという。

そもそも通常価格2万円のところ1万円と言われたところで実際2万円の価値があったのかどうかですが、ネット上では問題のおせちをそっくりそのまま再現してみたところ「多めに見積もっても2203円で作れました」なんて検証動画も出ているようで、このあたりは実物を確認出来ないという構造的なネット販売の落とし穴であるとも言えそうですし、「不当に価格を操作したと疑われる商品は扱わない」というのも遅きに失した感があります。
今回の事件も当初予定していた100という数を超えて何倍もの予約が殺到したことが原因であったとも言われ、社会責任上も「商品の生産能力を確認して適切な提供数を決める」など当たり前のことではないかと思うのですが、この商品の提供数を決める主体がいったい誰なのかという点が何やら曖昧な言い方になっている点には留意ください。
いずれにしても前回取り上げましたようにネット販売自体の危険性もさることながら、販売店側が幾らなんでも身の程もわきまえず無茶な予約を取りすぎだろうと言う批判の声が大きかったわけですが、どうやらそう簡単な問題でもなかったらしいということが判明してきたのですね。

被害店が告白! 私はグルーポンに騙された(2011年1月25日アメーバニュース)

末に「グルーポン」が販売したスカスカおせちに苦情が殺到した問題は、17日、米本社のアンドリュー・メイソンCEO(最高経営責任者)が謝罪のメッセージを出し、ひとまず解決した。

グルーポンは、大量に購入してもらうことを前提に、飲食店や美容院などが大幅な割引を提供するサービスで、50%から80%オフになることも珍しくない。問題となったおせち料理は、定価2万1千円の50%オフ、1万500円で販売された。通常、その半額の5250円が店舗の、残り半額が手数料としてグルーポンの取り分となる。

CEOの謝罪は、「店舗様が許容量以上のクーポンを提供することを、グルーポンとして未然に措置する」というもの。まるで、店舗側が勝手に販売枚数を増やしているような言い方だが、本誌が類似ケースの取材を進めると、むしろグルーポンの強硬な営業姿勢が多くのトラブルを引き起こしていることが判明した。

名古屋市で居酒屋を営むAさんは、当初300枚くらいのつもりだったクーポンが、1千枚を超えているのをあとになって知った
「どう考えてもさばききれない」。所定の予約がすぐ埋まり、Aさんは期限内に入れなかった購入者から「金を返せ」などと、24時間の苦情電話に悩まされ、インターネットの中傷も続いている

伝説を作りましょう!」。昨年9月、営業マンの調子のいい言葉に、都内で美容専門鍼灸院を営むBさんは、2730円で300枚のクーポン発行を了承した。即日完売したことを受け、グルーポンは口頭で300枚の追加発行を無理強い。「半分入ります」と約80万円を支払うかのようなことを言われ、認めた。
しかし、Bさんに振り込まれた金額は今も5万円にすぎない。

前払いされたクーポンは期限内に使われない場合、払い戻しされないので、基本的に全額がグルーポンの取り分になる。Aさんも、Bさんも来店したクーポン購入者を必死で迎えるが、さばききれない分はグルーポンの総取りだ。

要するにこのグルーポンと言う会社のシステムというのはどういうことになっているかと言うと、まずネット上でクーポンを売った売り上げをグルーポンと販売店で折半するわけですが、逆にいえば販売店側としてはただでさえ大特価の大幅割引きで売っているうちの半分しか収入にならないわけですから、よほどの事がなければ儲からないという計算になってしまいますよね。
これを避けるための方法の一つが今回まさに疑われているような、「もともと2000円のものを定価2万円と称し、50%引きの1万円として売る」というやり方ですが、先のグルーポン側の釈明では「販売店がそんなことをやっているとは知らなかった。我々は当事者ではないが責任を感じている」などと、まるで善意の第三者がしおらしく語るかのようなコメントを出しているわけです。
ところが実際にこういう詐欺紛いの販売行為をさせていたのがグルーポン側だったことが明らかになってきていて、例えばあるお店などは「手数料50%ではとても儲けが出ない」と断ったにも関わらず、グルーポン側から「5000円で売っている商品を定価10000円にして、それを4500円で売らせて欲しい」としつこく営業を掛けられたという話を公にしていますが、こんな話を聞けばグルーポンが「知らなかった」では済まされませんよね。

もう一つ、こういう商売で儲けを出す方法として「クーポンを売るだけ売って、実際の商品と引き換えさせない」というやり方がありますが、今回のおせち料理のようなものでは引き換え率が高いと想像されますから、お店側にとっては引き返せずに期限切れということを期待するには難しい反面、クーポンを売った時点で儲けが確定するグルーポン側としては売れば売るだけウハウハだという話になりますよね。
今回のおせち騒動もそうですが、前述の記事でも販売店側を丸め込んでどんどんクーポンを発行させようというグルーポン側の営業が強力で、結局グルーポンだけが大儲けをしてお店側は破綻してしまうという構図が存在するらしいことが見て取れると思いますが、実はグルーポンと言う会社はこうした「退蔵金ビジネス」で繁栄を謳歌してきたという歴史的経緯があるようです。
こういう話であれば販売店の側はよほどの自制心を持ってグルーポンの「もっと数を出しましょう!」攻勢をはねつけないといけないわけですが、なんと実際にはもっと恐ろしいことになっているらしいのですね。

グルーポンとポンパレ・2強じゃなく2悪?(2011年1月9日ブログ記事)
より抜粋

(略)
以前私が購入した美容針のクーポン
(略)
たった3人のスタッフの弱小店舗なのに
「好評につき」600枚販売!
(これ、実際、冷静に考えると、頭おかしいよね?)

私が予約の電話をすると、何度電話しても応答なし
頭にきて、営業時間の30分前に電話すると、いきなり

グルーポンのクーポンの人ですか?
 (訂正:この当時、まだQpodですので、「Qpodの人ですか?」の間違いです。)

と、先制攻撃くらって面くらっていると

グルーポンに勝手にクーポンを売られて
(以下すべてグルーポン=Qpodに訂正します)
3人のスタッフの一人が病気になって倒れてしまい
二人ではどうにもならない!

と、その後延々グルーポンの悪口を聞かされて
結局予約はとれなかった。ショック!

後日、グルーポンの方から
クーポンそのものがキャンセルされて返金されたけどむっ

その、美容針の人が言うには

グルーポンとの契約では
追加されるクーポンの枚数決定権はグルーポンにあって
店舗側には何の相談もない

そうです。

実際に商売しているお店の都合も何もお構いなしに勝手にクーポンを追加されるとは驚きというしかありませんが、要するに「不当な二重価格問題」も「販売実績・能力に不相応な過剰なクーポン発行」もいずれもグルーポン側の主導で行われてきたらしいという話であるわけですね。
さて、こうまで事態を主導してきたはずのグルーポンが、一体どんな顔をしてクーポンの販売数分の食材を調達出来なかった販売店側が悪いと言えるのか、自分達が売ったわけではないけれども道義的責任は感じてますなどと他人事のようなセリフが出てくるのか、むしろその方が不思議ではないかという気がします。
今回の事が公になってからあちらからもこちらからも「グルーポンに騙された!」と販売店側からの被害報告が相次いでいるということですが、すでに社会問題化しつつある気配も見えるだけにいったいいつまでこの会社がシラを切り通すことが出来るのか、むしろそちらの方が楽しみな状況になってきた気がします。

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