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2011年1月19日 (水)

閑話休題 とある調査を見ての雑感

まったくどうでもいいような話なんですけれども、全国千人の医師を対象に行ったというこんな調査が先日出ていたんですが、これをどう解釈すべきなのかちょっと考えてしまいました。

診療科イメージランキング(2011年1月11日日経メディカル)より抜粋

知ってるようで、意外と知らない他の診療科。
自分の科も、他科からは結構色眼鏡で見られていたりする。
医師1000人を対象に「診療科イメージ調査」を実施
キャラクター、モテ度、懐具合などに関する各科の印象を尋ねた。
少々ムッとするような内容が含まれていても、あくまで“イメージ”なので笑ってお許しを。

 穏やかできまじめな内科系、せっかちだが陽気な外科系─。今回の調査では、そんなイメージがはっきりと浮かび上がった。

「温和な人が多そう」の1位は、ダントツで小児科。2位は精神科で、これも3位以下を大きく引き離している。子どもやその両親、精神的な悩みを抱えた人など、繊細な対応が必要とされる患者と辛抱強く付き合うケースが多いからだろう。

 小児科は、「医局の雰囲気が良さそう」でも4位に入っている。「温和」というイメージが好印象につながったのかもしれない。

 一方、「短気な人が多そう」のトップは胸部・血管外科で、2位の消化器外科の1.5倍のポイントを集めての“独走”。生死にかかわる緊急症例を扱うことも多く、納得できる結果ともいえる。また、胸部・血管外科は、短気な印象からか「医局の雰囲気が悪そう」でも1位に。

 「きまじめな人が多そう」は内科系が上位を占め、トップは循環器内科。ただし、循環器内科は他の内科とは若干異なるイメージを持たれているようで、外科系が上位に名を連ねる「短気な人が多そう」「医局の雰囲気が悪そう」でも、それぞれ3位、2位に食い込んでいる。内科とはいえ、心臓カテーテルなどの処置を手がけ、緊急対応も多いことから、外科と似たイメージが漂うようだ。

 

「アバウトな人が多そう」のトップは整形外科で、これも2位を大きく引き離している。整形外科はまた、「社交的で陽気な人が多そう」の2位で、「医局の雰囲気が良さそう」は1位。おおらかで明るいというイメージが、医局への好印象にもつながっているのだろう。

 消化器外科も、整形外科と似たイメージが強い。「アバウトな人が多そう」では2位、「社交的で陽気な人が多い」では1位。同じ外科でも、胸部・血管外科や脳神経外科とは少々異なるテイストを感じさせるようだ。

自由意見欄から

●「同じホテルの別の会場での忘年会。内科はスーツ姿、外科はコスプレだった」(34歳、皮膚科)

●「整形外科、泌尿器科の先生は飲み会の場で脱ぐのが好き」(34歳、整形外科)

●「おとなしく几帳面だった人が、消化器外科に入り明るく気の強い雰囲気を醸し出すようになったり、チャラチャラしていて授業にも出なかった人が、血液内科に入り研究を始めた途端、英文ペーパーを大量に出し学年トップレベルになったしまったり・・・。診療科は人を変える」(51歳、総合・一般内科)

●「外科系の医師の駄洒落は、時に苦痛。勉強会の時の病理の先生や小児科の先生の熱心さには頭が下がります」(52歳、消化器外科)

●「脳神経外科は自信家が多い。患者を紹介する際の印象は、総じてあまり良くない」(48歳、消化器内科)

●「放射線科には、物静かな先生が多い」(41歳、循環器内科)

●「自分が所属する消化器外科は、“外科の王道”という意識から他科を見下しがち。内科系の先生方は、やはりまじめで勉強熱心な印象。ただ、少々話しかけづらい雰囲気があり、コミュニケーションに困ることがある」(31歳、消化器外科)

●「精神科医には変わった人が多いような気がします」(51歳、消化器内科)

得票を見ていておもしろいのは、医局の雰囲気などはどの科も大差ないドングリの背比べ状態なんですが、例えば「温和そうな人が多いのは?」という質問に対して小児科が圧倒的支持を得ていたり、同様に「短気そうな人が多いのは?」という問いに胸部・血管外科がこれまた二位以下を圧倒していたりと、妙に固定観念が根強い領域もあるらしいんですね。
個人的に頷いてしまったのは「アバウトな人が多そうなのは?」という質問に対して、独走状態で一位を獲得したのが整形外科であったということなんですが(苦笑)、医局の雰囲気も一番いいという評価ですから決して悪い評価というわけでもない…んでしょうね、たぶん…
こういう調査、医師同士で調べるのと一般人に問うのとではずいぶんと結果も違いそうな気がするんですが、そもそも一般人においては呼吸器内科と消化器内科の違いも特に意識していなさそうにも思えますから、設問自体が成立しないという可能性も高いんでしょうかね?
さて、どうせなら「最も忙しそうな診療科は?」なんて調査もやってみればよかったのにとも思うのですが、先日見ていてこれもおもしろい調査だなと思ったのがこちらの記事です。

医師の出勤時間 正規の診療開始時間の30分~1時間前 3人に1人と最多(2011年1月17日ミクスonline)

医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、医師の出勤時間に関する調査結果をまとめた。正規の診療開始時間の30 分~1時間前が33%と最多。次いで開始時間の15分前が24%、15分~30分前が21%――だった。書類整理やメールチェックなどを30分程度行っているようだ。また、開始時間の1時間~2時間前が18%、2時間以上前も4%いて、予約外来に伴うカルテチェックのため5時間前に出勤しているとの医師もいた。MedPeer会員は約3万4000人。

調査は昨年の12月10日~23日に実施した。有効回答数は2598件。調査は会員医師が他の会員医師に日常診療などの素朴な疑問を聞き、回答を得るもの。今回は施設への出勤時間を聞いた。

その結果、最も多かった正規の診療開始時間の30分~1時間前と回答した医師からは、「前日の病院日誌、夜間の入院患者と救急患者、当日の予定、メールチェックなど」(60代、消化器外科等)、「朝8時までに集合し、前日実施した画像検査を全員でチェックしている」(40代、整形外科等)、「入院患者の回診のみなら30分で済む。カンファレンスなどがあると1時間以上前」(40代、脳神経外科)、「メールチェックや書類整理など」(30代、一般内科等)、「電車が止まるなどの事故に備え約1時間前に到着」(40代、一般内科等)――などのコメントが寄せられた。

15分前との回答医師からは「外来のみの仕事だから」(50代、皮膚科)、「子供と過ごす時間をとるようにしているため、ギリギリの出勤」(30代、小児科)、「早い出勤だとスタッフに嫌がられる」(50代、眼科)、「公立病院勤務につき、公務員として始業直前勤務。もちろん終業も勤務終了直後」(40 代、一般内科)――などが見られた。

一方、1時間~2時間前では、「医局の雑務処理」(50代、産婦人科)のほか、「外来業務の前に入院患者の回診と指示を済ませたい」(50代、一般内科等)や「医師が指示を出してはじめてコメディカルが動ける」(50代、整形外科等)など通常業務がスムーズにいくためとのコメントも目立った

医者の世界と言いますととかく残業が多い、勤務時間が長いとどこの病院でも不平不満が渦巻いていますけれども、もちろん絶対的業務量が多いという背景事情もあるにしても、見ていますとひどく時間の使い方が下手な先生と言うのもいらっしゃるようで、その仕事のやり方では確かに帰るのが遅くなるだろうなと傍目からでも思えるような場合も結構あるものです。
以前にとある先生が見ている限り絶対に残業をしていないように見えるのが不思議で、一体どんなことをやっているのかと観察していたことがあるのですが、確かに仕事自体も決断が早く手も良く動く先生ではあるんですけれども、何より一日の業務量を見極めて仕事の多い日には必ず早出出勤で始業前に出来る仕事を片付けてしまっているという点が印象に残りました。
医者の世界においては仕事のこなし方をきちんと系統立てて教わるということもあまりないことですが、ビジネスの世界では早起きして早朝から仕事を始めなさいということは様々なノウハウ本などでも必ず言われていることですし、自分の仕事の時間配分を自分できちんとマネージメント出来ているという姿勢は上司の信頼にも結びつくものですから、学ばない手はありませんよね。

研修医や若手の先生によく見られるパターンですが、毎日夜遅くまで病棟に居残ってへとへとになって帰宅する日々が続いている、そして毎日のように遅刻しそうになりながら朝食も取らずに始業時間ぎりぎりに駆け込んでくるということでは、それは一日の始まりから負けが確定しているようなもので、一生懸命頑張っているのは判るんですが一番効率は悪い仕事ぶりですよね。
多くの病院では検査や処置と言った複数の人間、部署が関わる業務はなるべく9時から5時のコアタイムに入るようにしていると思いますが、逆に言えば病棟回診や翌日以降の指示出しといった一人で出来る業務はいつやっても良いわけですから、何も一日の仕事が終わった後に空腹を抱え疲れた足を引きずり低血糖で働かない頭をさらに酷使して、病棟巡りなどといういつでもいい仕事をしなくてもいいだろうということでしょう。
例えば朝一番で入院患者のチェックを済ませ、夜の間に変化があればその場で追加の指示を出すなり、出勤してきた上司や他科医と相談するなりしておけば通常業務と同じ流れでほとんどの場合に対処出来るわけで、一日で一番頭の冴えている朝と疲れ果てた夜とでは同じ仕事をこなすにしても効率がまるで違うはずですし、何より夜間や時間外にバタバタと指示出しをしていた頃に比べると看護師はじめスタッフの視線は必ず好意的なものになってくるでしょうね(苦笑)。

ただし一般に勤務時間帯以後の仕事は超勤の対象になっても、勤務時間帯以前の仕事は(絶対に、というわけではないようですが)普通対象にはなりませんから、その点では少しばかり損をしたような気になるかも知れませんけれども、正しいリズムで要領よく仕事をこなせるようになれば一日を通しての空き時間は必ず増えるはずですから、かえってお得だという考えも出来るんじゃないでしょうか。
「それで、空いた時間に何をすればいいの?」という仕事中毒の先生もいらっしゃるかも知れませんが、そういう時こそ「ぐりとは何か?」とその理解と研鑽に努めるというのが当「ぐり研」のそもそもの趣旨なのですから、日本全国にぐり研の精神が広がっていけば世の中もっと平和になるんじゃないかという野望も、あながち的外れなものでもないのかも知れません(笑)。

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