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2011年1月14日 (金)

判りにくい話はまとめてみました

一体これは何が起こっているのかと誰しも思うのが最近のNHK次期会長の人選を巡る一連の騒動なんですが、とりあえず時系列の順に件の人物の名が出てくるところまでを見てみることにしましょう。

不祥事発覚時の幹部除外=次期会長の条件-NHK経営委(2010年12月7日時事ドットコム)

 NHKの経営委員会は7日、来年の1月24日に任期満了を迎える福地茂雄会長の後任をめぐり、人選を議論する指名委員会を開いた。次期会長の条件として、2004年の番組制作費の不正流用など、不祥事が発覚した当時のNHK幹部は除外することで一致した
 会合後に記者会見した小丸成洋経営委員長(福山通運社長)は「次回(21日)までにある程度の方針を出したい」とした上で、NHKの内外を問わずに人選を進める考えを強調した。
 小丸委員長はこれまで、福地会長の続投が望ましいとの考えを示しており、この日も「気持ちとしては(続投してほしいとの思いは)ある」と語った。(2010/12/07-19:31)

福地会長の続投断念=NHK経営委(2010年12月21日時事ドットコム)

 NHKの経営委員会(委員長・小丸成洋福山通運社長)は21日、次期NHK会長の人選を議論する会合を開き、来年1月に任期が切れる福地茂雄会長の続投を断念することを決めた。同委が続投を要請したが、福地会長が固辞した。各委員が推薦した複数の候補者の中から後任を絞り込み、同月12日に決定する。

NHK会長に安西前慶応塾長(2010年12月29日時事ドットコム)

 来月24日に任期が切れるNHKの福地茂雄会長の後任に、慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏(64)が就任することが29日、固まった。人選を行うNHK経営委員会の打診に対し、安西氏が受諾の意向を伝えた。同12日の経営委に諮り、12人の委員のうち9人以上の賛成を得て正式決定する。
 経営委は今月上旬、福地会長が続投を固辞したことを受けて後任選びを本格化。経営改革を進めるためには外部出身のトップが望ましいとの意見が多数を占め、企業経営者や学識経験者を軸に人選が行われた。
 この中で、政府の教育再生懇談会座長や文部科学省の中央教育審議会委員を務め、豊富な学識経験を持つ安西氏が候補の筆頭に浮上した。アサヒビール出身の福地会長に続き、2代続けて外部出身者がNHKのトップに就くことになる。会長の任期は3年間。

とまあ、高齢の前会長が再任を固辞した結果、昨年末の段階では無難に安西氏就任ということでまとまっていたかのように見える報道ですけれども、ここでとりあえず注目しておいていただきたいのが数々の不祥事を受けてということなのでしょう、今回の会長選任に関してはとにかくゴシップに縁遠い、身辺のクリーンな人間をという意志が強く働いていたらしいということですよね。
しかし表向きは経営改革を進めるためと言いながら、慶応の塾長を二期務める間に巨額の損失を計上した(そして後任者に代わった途端に損失が激減した)というように経営手腕に優れるという評判も聞かない安西氏の名を出してきたあたり、今回の(今回も?)会長人事に関してはまず実力や実績よりも、表看板としての掲げ甲斐という点の方を重視して選考が進んだらしいという想像が成り立ちそうです。
もちろんその看板としての価値というものは外受けの良さなどもさることながら、掲げる側にとって無害であるという点も非常に重要な要素であったものと想像するのですが、どこで何を間違ったのか年明け早々にシナリオがあっさり崩壊してしまったのは各社報道でご存知の通りで、その発端はこんなところにあったようです。

NHK経営委「安西新会長」に賛否二分(2011年1月7日産経新聞)

 NHKの新会長人事をめぐり、5日に開かれた最高意思決定機関の経営委員会(委員長・小丸成洋福山通運社長)の臨時会合で、慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏(64)の会長任命に対して賛否が二分したことが6日、分かった。安西氏は経営委の就任要請を受諾する意向を示したとされるが、受諾に際して会長交際費などについて尋ねたことが一部の委員の不信を買っており、人事の行方が注目される。(草下健夫、三宅陽子)

 経営委は11日の会合で再び安西氏の新会長任命について議論し、委員12人中9人以上の賛同が得られれば、12日に安西氏に正式に就任を要請する。

 複数のNHK関係者によると、昨年暮れに経営委から就任要請を受けた安西氏は、受諾に当たっていくつかの質問を経営委側に投げかけ、その中に、(1)都心に居宅を用意できるか(安西氏は神奈川県在住)(2)副会長は自分が連れてくることができるか(3)会長の交際費はあるのか-の3点が含まれていたという。

 

安西氏が受諾の意向を示したことがNHK内に伝わった際に、この3点を安西氏が会長就任の「条件」として示したとする見方が広がり、波紋を呼んだ

 NHK幹部の一人は「質問なのか、条件なのかは分からない」と前置きしながら、「交際費のことを最初に聞くとは。福地茂雄現会長はそういうことに関心を寄せなかった」と戸惑いの表情を見せる。経営委員の一人は「不祥事があれば謝り、国会で責任を追及されるのがNHK会長の仕事。ボランティアの側面があり、処遇を先に気にするようで務まるのか」と不信感をあらわにする。

 また、安西氏が塾長在任中の平成20年度決算で、269億円の支出超過となったことなども、「経営者」としての手腕を不安視させる要因となっているようだ。

 経営委で9人の賛同が得られなかった場合、会長人事の焦点は、2番目の候補とされた早稲田大前総長の白井克彦氏(71)らに移る。ただ、福地会長の任期切れは24日に迫っており、経営委はより厳しい立場に追い込まれる。

混迷するNHK経営委 会長人事・安西氏辞退(2011年1月11日朝日新聞)

 24日に任期満了を迎えるNHKの会長人事で、任命権をもつNHKの経営委員会は、次期会長に前慶応義塾塾長の安西祐一郎氏(64)を起用する案を撤回することを決めた。同委員会が一度は決めた会長人事を翻したのは、NHK関係者の間で広まった「3条件」の話がきっかけだった。

 安西氏が、経営委からの就任要請を受諾したのは昨年12月27日。当初は安西氏が固辞していたこともあり、委員の間では安堵(あんど)の空気が広がった。ところがこの直後から、安西氏が就任にあたって「交際費の使用」など三つの条件をつけたという話が広まる。一部のスポーツ紙や週刊誌などにも掲載されたこともあり、一部の委員が安西氏起用に異論を唱え始めた

 安西氏は即座に「事実無根の話が広まっている」と小丸成洋委員長に抗議。5日の非公式会合でも委員の前で全面否定した。しかしその会合の安西氏がいない場で、安西氏の擁立を進めてきた小丸委員長が「実は安西氏のことをよく知らない」と発言し、さらなる紛糾を招いた。

 「知らない人に任せられない」。経営委が安西氏に受諾撤回を迫った理由はこの一言につきる。だが、「知らない」人物に公共放送のトップに就くよう求めたのはほかならぬ経営委であり、無責任のそしりをまぬがれない。

 経営委は11日午後から改めて人選に入るが、難航は必至だ。24日までに新会長が決められなければ、放送法の規定により、福地茂雄会長が緊急避難措置として会長職にとどまることになるが、その可能性も現実味を帯びてきた。(丸山玄則)

NHK会長人事、白紙に 安西氏、異論受け辞退(2011年1月11日朝日新聞)

 24日に任期満了を迎えるNHKの会長人事で、次期会長への就任を受諾していた前慶応義塾塾長の安西祐一郎氏(64)が11日、会長就任を辞退した。任命権をもち、就任を要請していたNHKの経営委員会が態度を一転させ、辞退を迫ったためだ。いったん経営委の総意で決めた人事が、経営委側の意向で白紙に戻る異例の事態となった。

 記者会見した安西氏は「経営委員会に対する不信は頂点に達した。会長就任を不本意ながら拒絶する」と語った。辞退の理由については「いわれなき中傷を含む風評に依存して動く経営委員会であれば、会長に就任してもNHKをさらによいものにするのは困難であると判断した」と語った。

 一方、経営委の小丸(こまる)成洋委員長(福山通運社長)も別に記者会見をし、「安西さんには大変ご迷惑をおかけした」と釈明した。異例の事態を招いた自身の責任については「会長の選択を、まだやらせていただきたい」と述べた。12日に、会長の選任方法を改めて議論するという。

 経営委は当初、11日からの会合で安西氏の会長就任を正式に議決する予定だった。ところが一部の委員から異論が出たため情勢は流動化。小丸委員長ら3人は10日、安西氏に会い、経営委で議決に踏み切った場合、否決される可能性が高まったと伝えた。

 その際、安西氏には受諾を撤回するよう促した。安西氏はいったん回答を保留したが、一夜明けて辞退を決意し、小丸委員長に伝えた。

 経営委は昨年12月の委員会で、小丸委員長が推薦した安西氏に会長就任を求めることを決めた。ところが、12月27日に安西氏が受諾したあと、会長就任にあたって「交際費の使用」「副会長を連れて行く」「都内に部屋を用意する」の3条件がついたという話がNHK関係者の間に広まり、一部の委員が安西氏の起用に難色を示し始めた。

 安西氏は5日に開かれた経営委の非公式会合に出席し、3条件を全面的に否定したが、委員との溝は埋まらなかった。

 安西氏は記者会見で3条件について「条件を提示した事実は一切ない。仕事の環境について説明を求めたことはあるが、そのことが条件として曲解されたのであれば、曲解されること自体が問われるべきだ」と話した。

「一貫した姿勢ない」安西氏…NHK後任混迷(2011年1月11日読売新聞)

 NHKの福地茂雄会長(76)の後任会長人事は11日、経営委員会が最優先候補として就任を要請し、これを受諾していた慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏(64)が就任拒絶を表明したことで振り出しに戻った。

 福地氏の任期満了を今月24日に控え混迷の様相を深めている。

 「会長就任の要請が実は必ずしも経営委員会の総意とはいえないことが判明した」「一貫した対応姿勢をまったくもたない小丸委員長、および風評に依存して動く経営委員会」。

 11日、NHKで就任拒絶の記者会見をした安西氏の発言は、NHK経営委員会の小丸成洋委員長らに対する不信感に満ちていた。

 経営委員会は先月21日の会合で、安西氏を最優先候補として就任要請をすることを決定した。実際、この日の決定について、「候補者が受諾すれば全会一致で賛成することを申し合わせた」と証言する委員もおり、安西氏が就任要請を委員会の総意として受け取ったことは間違いない。

安西氏の就任拒絶「残念な結果」=NHK経営委員長が謝罪(2011年1月11日時事ドットコム)

 NHK経営委員会の小丸成洋委員長(福山通運社長)は11日夜に記者会見し、24日に任期満了を迎える福地茂雄NHK会長の後任人事をめぐり、慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏(64)がいったん受諾した就任を拒絶した問題で、「残念な結果になって申し訳ない」と謝罪した。その上で、「24日まで(後任選びを)何が何でもやっていかねばならない」と述べ、改めて人選を急ぐ考えを強調した。
 小丸委員長は、安西氏への就任要請について「できるだけ若い人を選びたかった」と振り返った。10日に同氏に辞退を求めたことに関しては、安西氏が就任に際し12人の委員が賛成で一致することを求めていたが、「要請に応えられなかった」と理由を説明した。
 次期会長の候補には、早稲田大前総長の白井克彦氏(71)、日本郵船前会長の草刈隆郎氏(70)が挙がっている。小丸委員長は、両氏に打診するかどうかについては「12日に議論する」と明言を避けた。

「不祥事があれば謝り、国会で責任を追及されるのがNHK会長の仕事」とはあまりに率直すぎる話ですが、例の三条件なるものが流出してしまった件も含めてどうも安西氏ではゴシップ誌のネタになりかねないという懸念もあったようで、いきなり表看板が泥にまみれることを警戒する気持ちが根底にあったのかなという想像は働きます。
ただ背景の思惑はそれとしても、表だって伝えられる報道の通りに「乗り気でない安西氏に就任を要請、その後今度は手のひらを返して就任辞退を迫る」という話であったのなら、これはどんな裏事情があったにせよ社会常識として話にならないというものですし、安西氏が怒り心頭というのも当然のことと誰しも思うところですよね。
誰がどう考えても非常識すぎる話であるだけに、当のNHK経営委員会にしてもこういう非常識すぎる話には相応の理由提示がなければ「またNHKの不祥事か!」とますます悪評高まることは必至ですから、「処遇を先に気にするようで務まるのか」だの「知らない人には任せられない」だの子供じみた理由ではない、筋の通った説明が求められるという気がしますね。
この点で当事者の話がどうなっているのかが気になるところですけれども、安西氏側の声明が報道各社に送られてきているようですので、まずはこちらから参照してみることにしましょう。

安西氏「風評だけで評価」「不信は頂点」 NHK人事 会長就任「拒絶」の発表文全文 (2011年1月11日日本経済新聞)

 11日、NHK会長への就任を拒絶した安西祐一郎・前慶応義塾長が報道機関に配布した発表文の全文は以下の通り。

 日本放送協会(NHK)会長職について、12月19日に小丸NHK経営委員長から就任の要請がありましたが辞退し、さらに22日にも辞退しました。しかし、12月23日に、NHK経営委員会の総意として、小丸委員長からあらためてNHK会長への就任を要請されました。

 これに対して、私としては任が重すぎるため重ねて辞退しましたが、小丸委員長からその後もさらに要請が続きました。こうした中で、NHKが将来さらに良いものになりそれを通して日本が浮上する一助になればと考え、27日に、小丸委員長および経営委員会の全面的協力を前提とすることの了解を小丸委員長から得たうえで、まったくの善意で内諾の意向を伝えました

 なお、会長就任の要請から内諾時、さらに今日まで、一部報道にあるような条件を提示した事実は一切ありません。内諾するにあたって仕事の環境について説明を求めたことはありますので、そのことが条件をつけたと曲解されて伝わったのではないかと想像しますが、仮にそうであれば、曲解すること自体が問われるべきことだと思います。

 さらに、1月5日午後1時半から開催予定であった経営委員会打ち合わせ会合に出席してほしいとの小丸委員長からの懇請があり、それを受けて、同会合に同日午後2時半過ぎから出席しました。その場で、経営委員会が一致団結してNHK改革に取り組むことがNHKを良くするには必須だということを述べました。また、いくつかの条件をつけたという一部報道は事実ではないこともそこで述べました。これに対して質問はなく、またNHKの将来に対する私の考えに対しても具体的な内容を問う質問はありませんでした

 この間の経緯を垣間見るに、小丸委員長が私に対して会長就任の要請を何度も続けてこられたことが、実は必ずしも経営委員会の総意とは言えないことが判明してきました。また、経営委員の方々は、私のこれまでの経営・学術・教育改革等に関する活動や会長としての私に期待することなどを、十分に理解して要請したと認識していたのですが、実はそうではなく、要請しておいてから後になって、いわれなき中傷を含む風評だけで私を評価するようになったことも判明してきました。その一方で、小丸委員長に申し上げた情報が、曲解された形で流布され続けました。この間、小丸委員長に伝えた情報がまったく曲解された形で流布されることが度々起こりました。さらに、小丸委員長がいったん就任要請をし、私が内諾したにもかかわらず、今度は一転して私に辞退の勧告をするということも起こりました。この辞退勧告については、私は回答を留保いたしました。一部報道にあるような、経営委員会が会長就任要請を撤回したということは、私の知る限りまったくありません

 こうしたことが前提となって、私の小丸委員長および経営委員会に対する不信は頂点に達しました。とくに、一貫した対応姿勢をまったく持たない小丸委員長、および風評に依存して動く経営委員会では、仮に私がNHK会長に就任しても、NHKをさらに良いものにしていくことは困難であると判断します。

 以上に鑑み、今般小丸委員長を通じてNHK経営委員会から要請のあったNHK会長就任につきましては、不本意ながらこれを拒絶することを、小丸委員長に通知いたしました。

 なお、上記の件は、会長選任にかかわる経営委員長および経営委員会への不信と、それに基づくNHK会長就任辞退の理由に関するものであり、NHKの活動全般についての件ではありません。NHKの発展はこれからの日本にとってきわめて大切であり、NHKの活動につきましてはこれからも応援させていただく所存です。

そもそも安西氏擁立は小丸委員長が独断専行で動いているに近いものであった、ところがそれを経営委員会の総意と考えていた安西氏が就任受諾後実際に経営委員会に出てみるとどうも雰囲気が違う、委員は彼に対して最初から白けムードである上に今度は当の小丸委員長までが辞退勧告を出してくるというもので、これでは確かに一緒に仕事をしようと言う気にはなれないという話に見えます。
小丸氏の独断で話が進んでいたらしいことは先の1/11付け朝日の記事によっても判る話で、その上で肝腎の小丸氏が「実は安西氏をよく知らない」なんて言い出したものだから一気に場が紛糾したことは判るのですが、どうも流れを見ると当初は安西氏就任に賛意を示していたはずの委員会の人々が、年末から年始にかけての時期に一気に強固な反対派に回ってきたのかなという印象も受けるところです。
その理由が先に出たような三条件であったのかと考えるといささか情けない話であるような気もするのですが、いったい委員会メンバーの心中で何がどうなっていたのかということを類推するのに産経の記事が参考になりそうです。

迷走するNHK会長人事 小丸経営委員長の責任論も(2011年1月12日産経新聞)

 一度は経営委員会の「総意」で安西祐一郎氏に会長就任を要請しながら、手のひらを返したように要請を事実上撤回し、「就任辞退」を安西氏に求めた経営委員会と小丸成洋委員長。前代未聞の迷走となった人事の背景には、NHKの最高意思決定機関であるはずの経営委員会の混乱があった。

 ■駆け巡った風評

 安西氏によると、小丸氏から最初に会長就任要請があったのは昨年12月19日。「任が重すぎる」として辞退した安西氏に対し、小丸氏は再三、就任を要請。27日に「小丸委員長および経営委の全面的協力が前提」との了解の上で、安西氏は受諾の意向を示した。

 当初は「固辞」が伝えられた安西氏が受諾したことで、経営委員の間には安堵(あんど)の空気が流れたが、28日夜には「風評」も同時に駆け巡った

 「安西氏は会長交際費がどれぐらい使えるか聞いたらしい」「副会長を連れてくることと、都内に居宅をもらえることを条件としたらしい」…。NHK関係者によると、こうした風評は、小丸氏の福山通運側の側近社員を介して広まったとされる。不信はNHK幹部にも伝わり、ある幹部は「週刊誌に最初から書かれるようだと大変なことになる」と危機感を示した。

 ■これまで面識なし

 この風評については、スポーツ紙などが29日朝に報道。安西氏は出席を請われた1月5日の経営委臨時会合の席でこれを否定した。安西氏が小丸氏に決定的な不信を抱いたのも、この席だった。

 「経営委員会が一致団結してNHK改革に取り組むことがNHKをよくするには必須だ」

 会長就任を前提として熱弁を振るった安西氏に対し、経営委員らの反応は微妙なものだった。NHK運営についての考えを具体的にただす質問は出ず、安西氏が風評を否定しても質問は返ってこなかった。

 「就任要請は総意ではなかったのではないか」「私のこれまでの活動を理解して要請したのではなく、要請後になって風評だけで私を評価しているのではないか」…。

 一方の小丸氏は、安西氏と会長の就任打診まで面識がなかったことが判明。委員の一部から「よく知らない人に会長を任せるのか」と批判が噴出した。

 その結果、5日時点で「賛否二分」とされた委員の態度は、10日には「7~8人が任命反対」の情勢となり、12人中9人の賛同が必要な安西会長の任命は絶望的になった。

 関係者によると、安西氏の起用は片山善博総務相の後押しがあったとされる。

 ■総意固めぬまま

 小丸氏は11日夕の会見で、安西氏の会長就任が実現できなかったことを「思わぬことで全く予期していなかった。甘いと言われればそうだと思う」と反省の意を示し、候補者の扱いや人選方法を改めて検討する方針を示した。ただ、小丸氏は昨年11月、福地茂雄現会長が退任の意向を示していたにもかかわらず「続投を確信している」と述べ、今回も、経営委の総意を十分固めないままに、先行して安西氏と接触を重ねていた。こうした行動が混乱の元になっており、経営委内では小丸氏の責任を問う声が高まっている。

 経営委は12日、改めて人選を協議するが、難航は必至。24日までに新会長が決まらなかった場合、放送法の規定で、福地会長が現職にとどまるという緊急避難措置の可能性も出てきた。

「週刊誌に最初から書かれるようだと大変なことになる」と言う言葉を見ても安西氏にまつわる風評なるものが大きく関係していたことは明らかですが、見てみますと報道の形で風評が出たというのが29日朝であり、これに対して委員会内部に風評が駆け巡ったのが28日夜ということで、記事によればリーク元は小丸氏の側近ということになっているようですが、あまりに早すぎるマスコミへの流出も含めてこれは何とも奇異な話に聞こえますよね。
27日に安西氏が受託の意志を示したということですが、経緯を見ればこの段階までは小丸委員長が(委員会の内諾は得ていたとしても)ほぼ独断で動いていたらしいということが判りますから、小丸氏はせっかく一生懸命努力してきた安西氏就任の話を、それが実現しそうになった途端に自らぶち壊したということになってしまいます。
ここで別の推測をするならば、小丸氏の説得によってそれまで固辞を続けていた安西氏がついに翻意した、これを伝え聞いた何者かが正式決定になっては困るとばかりに慌てて風評をリークしたという考え方も成り立ちますが、そうなりますとNHK内のどこか(おそらく委員会以外)に安西氏に対する強力な反対勢力が存在していたということになるのでしょうか。

安西氏に関しては表に出た風評以外にも近々また大きなゴシップが表沙汰になるのでは?という噂もあって、何より会長には外受けの良い表看板に徹することを期待している向きにはそのあたりが意に反したのかも知れませんが、それならそれでこうまでもつれる前に反対の意思表示をしていれば済むことで、どうも経営委員会自体が何者かに踊らされていただけなのか?という気もしてきます。
星新一の作品に「企業内の聖人」という話があって、無能だけれども善良きわまりない男が企業のトップに祭り上げられ結果として会社を救うという物語なんですが、NHK内部で会長職とは単にそうした役割であるという認識があったのだとしたら、年間三千万ものお金を使ってそんなスケープゴート(あるいは、NHKの言うところのボランティアですか)を雇うことにスポンサーたる国民の理解が得られるものでしょうか。
表から見ても裏から見ても斜め上としか言いようのない事情が明らかになっていくほどに、いったいこの巨大組織の内部に潜む闇はどれほど深いものなのかと改めて思い知らされるような気がしてきます。

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NHK経営委員長辞任 会長人事の混乱で引責
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2011012602000021.html
2011年1月26日 中日新聞朝刊

 NHK経営委員会は25日、小丸成洋委員長(福山通運社長)が委員長と委員を辞任したと発表した。同日、総務省に辞表を提出した。会見した小丸氏は、辞任理由について、会長人事で混乱を招いた責任を認め、この日NHK会長に前JR東海副会長の松本正之氏(66)を迎えたことを「区切り」にしたと説明した。

 委員長は当面空席となり、安田喜憲委員長代行(国際日本文化研究センター教授)が委員長職務に当たる。経営委員長の任期途中の辞任は、2007年4月に本業への影響などを理由に辞任した石原邦夫氏(元東京海上日動火災保険社長)以来。

 今回のNHK会長人事をめぐっては、委員が挙げた複数の候補者のうち支持の多かった安西祐一郎前慶応義塾長に、小丸氏が就任を打診し内諾を得たが、その後、風評などで委員に不安が広がり撤回を要請。安西氏が就任を拒絶する事態となり、小丸氏の責任を問う声が上がっていた。

 同日、NHKで会見した小丸氏は「新会長を選任でき委員長としての使命を果たせた。きのう(辞任を)決めた」と強調。一方で、「決定までに時間がかかり混乱もあった」とも述べ「人事は速やかに神経を使ってやらなければならなかった」と振り返った。

 会見には安田委員長代行も同席。空席となった新委員が決まった後に互選で新委員長を決める考えを示した。

 この日就任した松本会長は「今日聞いてびっくりしたが、いろいろ考えての決断。受け止めるしかない」と話した。

投稿: | 2011年1月26日 (水) 09時46分

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