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2010年12月30日 (木)

年の瀬と言えばそういう時期ですが

先日唐突に出てきまして、ちょっとした話題を呼んでいるのがこちらのニュースです。

ユニセフ募金活動、協会に届けを 県支部呼び掛け(2010年12月23日佐賀新聞)

年末年始に多い募金活動で、日本ユニセフ協会佐賀県支部の富崎鈴代事務局長は「協会に届け出ないでユニセフへの募金活動が行われるケースがある」として、届け出を呼び掛けている。

ユニセフへの募金活動を行う個人・団体は事前に協会への届け出が必要。届け出た協力者にはポスターや指定の募金箱などを貸し出し、寄付後には領収書を送っている。

富崎さんによると、数年前の正月、人通りが多い場所で同協会のポスターを持ち、活動する数人を見かけた。確認したところ「お金はユニセフに送っている」と領収書を見せられたが、募金箱は同協会指定ではなかったという。

同様の活動は以降、ほぼ毎年見かけられ、誤解を生むこともあるため、富崎さんは「ユニセフへの募金活動を街頭で行う場合は届け出を」と話している。同支部は電話0952(28)2077。

記事としては要するに詐欺師紛いの行為に対する注意というものを呼び掛けるという意図なのでしょうが、ユニセフへの募金活動を何故日本ユニセフ協会(以後協会)が我が事のように仕切っているのか、いったい何の権限があって言っているのかと事情を知る人間であれば誰でも思う話です。
国連組織であるユニセフに募金を行うのに協会に届け出をする義務などと言うものは全く存在していないわけですが(そもそも協会の英語名は「the Japan Committee for UNICEFF」ですし、日本にも本家ユニセフの事務所が存在し黒柳さんらの支援を行っています)、そうであるからこそ協会の言うこともあくまでも届け出の「呼び掛け」という、何ら拘束力のないものになっているわけですね。
実際に協会のHPも非常に微妙な表現になっていて、冒頭で「(財)日本ユニセフ協会へ事前に連絡することなく、街頭でユニセフ募金活動を行なうことはできません。」と断言しておきながら「全国では(財)日本ユニセフ協会が認知していない街頭でのユニセフ募金活動が実施されている場合がありますのでご注意ください。当協会が認知していない街頭での募金活動は状況を把握しかねますことをご了承ください。」ともあるのですね。
本当に禁止されているのであればあってはならないはずの行為が普通にあるかのように記載されているのはそういう事情があるわけですが、要するに募金の中抜きを商売にしている協会とすれば全ての募金を自分達経由で集めたい、そうであるからこそ法的根拠などは無視してでも「ユニセフ宛の募金は協会経由でなければいけないんですよ」なんて嘘をつかざるを得ないというわけでしょう。

そうなりますと「協会に届け出ないでユニセフへの募金活動が行われるケース」とは黒柳さんのことか?!と誰しも思ってしまいますけれども、この協会という組織が国連のユニセフという組織とは全く別物であること、そして国連組織である本家ユニセフが任命した国連ユニセフ親善大使である黒柳徹子さんとは微妙な関係にあるということは、以前にもお伝えした通りです。
協会としては当然ながら国連お墨付きの黒柳さんを表看板に使いたいのだけれども断られた、その理由というのが黒柳さんが協会のやり方にいい感情を抱いていないというところにあって、そうであるからこそ協会としては別な看板を独自に擁立するしかなかったわけですね。
ちなみに協会側では黒柳さんについて「”色々なお考え”からうちを通したくない方はどうぞ黒柳さんへ」と言っているようですが、ドキュメンタリーを中心に手がけ、黒柳さんともたびたび取材で一緒になる事の多いテレビプロデューサーの田川一郎氏が書いていますけれども、当の黒柳さんはこうした協会の活動を面白く思ってはいないようです。

第143話:国連ユニセフと日本ユニセフ協会(田川一郎氏HP)より抜粋

ユニセフは国連の一つの機関で『国連児童基金』といい、世界の子供達が健全に育ち、教育が受けられるように彼等をサポートしています。
 本部はニューヨークにあり、日本にはその支所にあたる駐日事務所があります。
 日本政府との交渉や物資の調達、広報などの仕事をしています。
 女優の黒柳徹子さんは、親善大使として、ニューヨークの本部と契約を交わし、駐日事務所がマネジメントをしています。

 『日本ユニセフ協会』という財団法人があります。
 募金活動が主な仕事です。
 カードの販売もしていますから、利用された方もあるでしょう。
 募金協力のダイレクトメールを受け取られた方もあるでしょう。
 7/9の東京新聞です。

 【ユニセフが流用】
 「地球の歩き方」読者37万人の個人情報

 寄付集めのダイレクトメール用の住所氏名を「地球の歩き方」の出版社から提供してもらったという記事です。
 本に挟み込んであるアンケート用紙を書いた人の住所氏名が渡されたようです。
 この本の読者は意識が高く、寄付の確率が極めて高い、と聞きました。
 この新聞記事はファックスで黒柳徹子さんからボクの職場に届きました
 メモがありました。
 「“私とは違う”と言いたい所です

 黒柳徹子さんは自分の口座を第一勧業銀行六本木支店に開いて独自に募金活動をしています。
 日本ユニセフ協会の募金活動と混同される事が度々あります。
 “黒柳徹子さんに寄付したのに、また募金協力の手紙が来ました。何故ですか?”
 このような混乱です。
 黒柳徹子さんはダイレクトメールは出していませんから、『日本ユニセフ協会』から来たものです。
 最近、『日本ユニセフ協会』はアグネス・チャンを『日本ユニセフ協会大使』に任命しました。
 二人とも肩書に“ユニセフ”と“大使”が付き、両名とも募金活動をするわけですから、どう違うのだ、という混乱があります。
 日本ユニセフ協会では“黒柳徹子さんは、地球規模で、アグネス・チャンは国内中心に活動してもらう”と説明しています。

 黒柳徹子さんがユニセフ親善大使になってから16年目になりますが、これまでにも
 募金を『日本ユニセフ協会』を通してユニセフ本部に納めて欲しい、という話はあったようです。
 黒柳徹子さんの意向は“頂いた募金は一円も無駄にしないで現地に届けたい”というものでした。
 『日本ユニセフ協会』が集める募金は経費(事務所経費、人件費、広告費、ダイレクトメール発送費など)として25%(ボクの推定)くらいを使いますから、募金金額が全部そっくり現地に届きません
 経費が掛かるのは当然ですし、それを非難しているわけではありませんが、“いいことをしているんだから、いいじゃないか”という思い上がりは、個人情報をもらう方も提供する方も謹んでもらいたいものです。
 新聞に載った両者の言い分は、そんな気分に満ちていました。
高い意識を持って意義ある仕事をしている人ほど守ってもらわなければならない社会のルールです。
自分の情報を使われて不快に思っている人もいるのですから。

最近しばしば話題になるのがこの協会の行っているDMなどの募金勧誘活動が、あまりに執拗過ぎるのではないか?という話で、黒柳さんならずとも不快に思っている人が日々増え続けているということです。
不快と言いますか、気持ち悪いと言いますか、ちょっと本当なのか?と思うような異常なことが行われているらしいという情報もあるわけですが、かれこれ数年前から社会的にもこの協会の無茶苦茶な活動ぶりが社会問題化していて、あちらからもこちらからも批判の声が上がっていることが一般紙にも取り上げられるようになっています。
元はと言えば協会のなりふり構わぬ勧誘が招いた結果ではあるわけですが、情報の入手経路など全く公開しないという姿勢を貫いている協会が、集めた巨額の資金を湯水のように使って更に自己拡大再生産を続けているという現状に何を感じるかということでしょう。

【参考】名字だけの募金依頼DM、ユニセフ送付に「本物か」(2007年1月6日読売新聞)

【参考】日本ユニセフ協会の一人勝ちで募金活動に出始めた“反発” なぜか一般公開されないDM送付のリスト入手先(2005年12月エルネオス)

昨今ではこうした状況から「協会って何か変なんじゃないの?」と素朴な疑問を抱く人も多いらしく、そしてその気になって調べれば調べるほど前述のような怪しい実態というものが幾らでも出てくるわけですから、「あれれ?もしかして子供のためにと思って募金に協力してたのに、何か間違ったことしちゃった?」と思い直す人も増えているようです。
その結果ネット上では「協会に上納金を貢ぎたければどうぞ協会へ、世界の子供のためにユニセフに募金をしたければ黒柳さんへ」という声が盛んになってきていますが、そうなると募金の上がりで食べている協会としても困るということなのでしょう、昨今では火消しに一生懸命なんだそうですね。

日本ユニセフに対するネット上の誹謗中傷的書き込みについてを聞いた 「本家ユニセフとは別だがユニセフファミリー」 (2010年5月25日ガジェット通信)

日本ユニセフ協会がウェブサイト上に掲載した『当協会に対するインターネット上の誹謗中傷的書き込み等について』という文章。これはここ数年ネット上にて日本ユニセフへの誹謗中傷が相次ぎその内容について書かれたものだ。

しかしこの文章では具体性に欠けるので、ガジェット通信が日本ユニセフ協会に話を聞いてみたぞ。

記者 ウェブサイト上に掲載されている『当協会に対するインターネット上の誹謗中傷的書き込み等について』という文章が具体的にどういったものか教えて欲しいのですが。

担当 ブログとか『2ちゃんねる』への書き込みですね。そういった所に「ユニセフは本物で日本ユニセフ協会は偽物」という書き込みがあるのです。

記者 そんな書き込みがあるんですか! 何故そんなことが書かれるんですか?

担当 うーん、状況証拠と言えば状況証拠になってしまうんですが、日本ユニセフ協会が目に付けられ始めたのって2008年なんですよね。我々2008年に児童ポルノを無くそうというキャンペーンを行ったんです。

記者 それは大勢を敵に回しましたね。

担当 で、それ以来目に見えて増えたんです。

記者 なるほど、それが切っ掛けでネットのユーザーに誹謗中傷されるようになったと。

担当 なのかなと思うんですけどね。児童ポルノのキャンペーンは二次元の創作物なども入っているんですが、改正に賛同されているPTAの方にも誹謗中傷が殺到したんですよね。だからと言って状況証拠的なことしか言えないんですけどね。立証出来ないので。

記者 実際には日本ユニセフはユニセフのイチ協会なんですか?

担当 ユニセフはユニークな組織であって各国にユニセフ協会があって窓口として行っているのが日本ユニセフ協会なんです。世界に36箇所あるんですよ。近くでは韓国や香港にもあるんです。厳密には法律上では国際機関のユニセフと一緒では無いんですよ。日本でいうと特定公益増進法人という財団法人になります。

記者 日本独自で行っていると?

担当 そうですね、韓国は韓国、香港は香港で独自で行ってます。しかしユニセフの本部と協力協定という契約を結んでます。ユニセフの方では「ユニセフ・ファミリーの一員です」と言ってます。そういった意味では大きなくくりの中の一員です。

以上のように2008年頃の児童ポルノのキャンペーン以降に日本ユニセフ協会への誹謗中傷が増え、今回のようにウェブサイト上に掲載するに至ったという。しかしネットでの誹謗中傷はそれ以前から行われており、いいわけのようにも聞こえた
まるで児童ポルノを規制されたユーザーが私怨で誹謗中傷したかの言い方だ。ネットで書き込まれているもの全てが誹謗中傷というわけでなく中には苦情レベルの物もある。それらがひとくくりにされ今回の様に掲載された。今回のウェブサイト上のメッセージに対して早くもネット上にて反論が挙がっている。

そんな日本ユニセフが言うには「ユニセフ・ファミリーの一員」らしいぞ。

児童ポルノ法云々については確かにアグネス氏に対する反発という意味ではその通りなのかも知れませんが、前述の記事などにも見られるように協会批判はそれより以前から起こっていたということで少し無理のある話に感じられる一方、こうした反発に対して火に油を注いだらしいのが当の協会の弁解であったのは確かであるらしく、あちらこちらにそのあたりの経緯が掲載されていますのでご参照いただければと思います。
いずれにしても募金の中抜き、ピンハネ問題や、せっかくの募金から25億円もかけて「世界で唯一」のユニセフハウスなんて豪華なハコモノを建設することの是非はどうなのよと言うことなんですが、ここで考え方を変えて協会経由でユニセフに募金をするということの効率、有効性ということを考えてみたいと思いますね。
まずは協会による中抜きということに関連して、少し前にこういう記事が出ていましたが、御覧になりましたでしょうか。

パラリンピック募金で行政指導 NPO活動実態に問題と厚労省(2010年8月30日47ニュース)

 「日本パラリンピック委員会」(JPC)からパラリンピックの名称使用許可を受けて募金活動をしているNPO法人の活動実態に問題があったとして、厚生労働省は30日までに、JPC側にこのNPO法人との契約解除を行政指導した。

 厚労省によると、NPO法人は「日本パラリンピック支援機構」(東京都新宿区)。JPC側からパラリンピックの名称使用の許可を得て、2004年から選手強化費の一部に使われる募金活動を始めた。

 厚労省は、機構が募金にかかる経費を一律3割取っていた点や、JPC側との契約に基づいた、募金やチャリティーオークションなど各事業ごとの決算報告をせず、公表もしていなかった点に問題があったとしている。

 JPC側によると、機構は04~08年度に計約6100万円をJPCに寄付。機構が募金経費を一律3割としていたことについてJPC側は「04年当初から容認していた」と説明。決算報告の提出がなかった点には「毎年求めたが、提出してもらえなかった」としている。

要するに募金の三割も中抜きするのは問題だと行政指導が入ったと言うことなんですが、協会側は本家ユニセフから25%までの中抜きは認められているのに、うちは経費節約に努めたったの20%しか抜いていないんだから良心的だ、無問題であると言っているようです。
いずれにしても協会を経由した段階で二割引なのは確定なのですが、その潤沢な資金を誇る協会公認の広告塔であるアグネス氏ともなるとさすがにと言うべきか、ボランティアに関わる領域の人としては異例に高い講演料金(100~130万)がかかるということなんですね。
さて、先日は協会の九州本部主催でアグネス氏の講演会が行われたそうですが、その結果募金箱に集まった募金がなんと13万円!だそうで、もちろんこれ自体は非常な大金で募金活動としては大きな成果を上げたということになるのでしょうけれども、それなら最初から講演料百万円を丸々ユニセフに送っておけばスタッフ人件費等の余計なコストもかからず、はるかに良かったのではないかと誰でも思う話ですよね。

常々「いただいた募金は一円たりとも損なうことなく送りたい」と公言している黒柳さんですが、自身のサイト「トットチャンネル」でこんなことを書いています。

7)『世界ふしぎ発見』のトップ賞でいろいろな商品をもらいますが、私の場合、ペンダントヘッドが多く、パソコンとか、純金の時計とか、高価な物をもらったことがありません。
 それでも、年末には、私の1年間に着た衣装と一緒に日本場の高島屋でバザーを開きます
 1千万円くらいの売り上げになります。
 『青年と共に歩む会』に寄付しています
 こ施設で過ごした子供が中学を卒業すると同時に施設を出なければなりません。
 そんな変な法律があるのです。
 その子たちのための家を作る資金にしています。
 今までに3軒建てました。

一方でアグネス氏と言えば正直本業?の芸能人としては失礼ながらさほどアクティブな活動をしているようにも見えないわけですが、何故か非常に立派な豪邸をお持ちであるということでも有名なお方ですよね。
ご本人は「あれは豪邸じゃなく事務所」「協会の大使は無償」と言ってらっしゃいますけれども、協会からは無報酬でも協会の大使という肩書きを使って巨額の講演料を稼いでいるということであれば、少なくともボランティア活動で儲けているのはどうよ?と言う声は上がっても全く不思議ではないと思いますがどうでしょう?
結局のところ子供達のために家を建ててあげたいと思うのなら黒柳さんに協力すれば一番確実であるし、アグネスさんのために豪邸を建ててあげたいと思うのなら協会に協力した方が効率がよいということになるのでしょうが、後はお金を出す一人一人がどう考えるかということではないでしょうか。

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