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2010年11月17日 (水)

医者の定着に必要なものは?

先日見ていまして持った湯飲みをばったり落とし…ではないですが、確かにその通りと言う話がこちらの記事です。

長時間勤務の外科医は燃え尽きやすく患者のリスクにつながる(2010年11月2日HealthDay News)

 長時間勤務する外科医が燃え尽き(burnout)状態やおよびうつ状態になり、患者の安全性に問題が生じるほか、依存症や自殺など医師個人での問題が起こるリスクも高いことが、新しい研究で示された。

 米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルチモア)およびメイヨー・クリニック(ミネソタ州ロチェスター)の研究グループによると、米国の外科医7,905人を対象とした2008年の調査データを分析した結果、週80時間以上の勤務を申告している外科医の50%が燃え尽き状態の基準を満たしており、約40%がうつ状態であることが判明。さらに、11%が最近3カ月以内に重大な医療ミスをしたことを認めており、20%が今選択できるなら再び外科医にはなりたくないと回答した。

 この知見は、長時間勤務と当直が外科医の苦悩をもたらすことを示すものであると、研究著者である米ジョンズ・ホプキンス大学医学部外科教授の Charles M. Balch博士は述べ、「仕事量と苦悩の間には強い相関があり、外科医の私生活および仕事にもそれが現れる」と指摘している。

 一方、週80時間以上の勤務や週3回以上の当直をしている医師を含めて、調査対象となった外科医の3人に2人が、勤務時間を制限することは却下している。ただし、給与制で働く外科医は、出来高給より勤務時間の制限を望む傾向があった。Balch氏は「勤務時間の減少によって、必ずしも医師の満足感や、医療の向上が得られるとのエビデンス(科学的根拠)があるわけではない」と指摘。「外科医が必ずしも自分の仕事量を監視されることを望んでいるとは考えられない」と述べ、勤務時間を規制するのではなく、燃え尽き状態になるリスクの高い外科医を早期に特定することに焦点を合わせるべきだとしている。この研究は、米国外科学会誌「Journal of the American College of Surgeons」11月号に掲載された。

原文

あの先生は夜通し患者のために働き通したなどと、まるで美談か何かのように語る風潮が世間のみならず医療現場にすらありますけれども、ではその夜通し働き通した医者に自分が診てもらいたいかと言われれば、たいていの人は「う~ん…」と躊躇するはずですよね。
むろんどんな仕事であれ人の命がかかっているともなれば、いざというときに通常の水準を超えた頑張りというものは必要になるのは言うまでもありませんが、逆に言えば日常的にその行動の一つ一つが人の命に関わらずにはいられない医療の現場であるからこそ、常に100%の力を発揮した上に非常事態にも対処出来るような余裕のある勤務体系を構築していかなければ、必ず患者のリスクが増大してしまうということです。
以前から旅客機のパイロットなどは厳しい就業の規定がありますし、長距離トラックの運転手なども過労につながるシフトを強いたともなれば会社がお上に叱責される時代にあって、何故か医療の世界においては奴隷公立病院の事務長などが「いやあ、そんなことを言われても医者のセンセイが来てくれないものでねえ。ワッハッハ」なんてふんぞり返っているのは、考えて見ると極めて奇妙な現象だと言えそうです。

こうした基本的人権感覚に対する認識の乏しい方々の施設の将来はともかくとしても、自らの命を預ける患者の側とすれば過労死寸前の医者など御免被りたいというのは当然ですが、では医者の過労を避けるべく何をどうしたらいいかと考えた場合に、誰でも真っ先に思いつくのが医者を増やせば一人あたりの負担も減るんじゃないの?ということでしょう。
実際国は医師大増員計画を絶讚遂行中ですし、どこの病院でも医者集めに必死になっているのは各種報道でも知られている通りですが、それでは医者よ来いと求人を出して黙って待っていたところでどこからも医者の来る当てなどないというのも、今の時代の常識というものですよね。
昨今では何事であれハウツーものというのが人気なんだそうですが、医療の世界においてもいろいろな立場から様々な「こうすれば医者は来る!」なんて提言が語られていて、見ていますとなかなか面白いものもあるようなんですね。

この人に聞く:地域への医師定着、必要なことは? 茆原順一・秋田大病院長 /秋田(2010年11月9日毎日新聞)

 70年に戦後初の国立大医学部として設立された秋田大医学部。県内外に多くの人材を輩出してきたが、近年は研修医の減少など課題も抱えている。また県内病院の医師不足も深刻さを増す一方だ。同大出身者では初めて付属病院長に4月就任した茆原順一さん(59)に、病院の取り組みや医師不足解消への課題を聞いた。【聞き手・岡田悟】

 ◇大学と往復で人材育成 医療の質と将来性確保を

 ●県内でも医師不足が叫ばれており、育成や派遣を担う秋田大医学部や付属病院への期待は大きい。

 医学部設立時と06年の県内の人口10万人あたりの医師数を厚生労働省の資料を基に解析したところ、大幅に増えている。地域医療に果たしてきた役割は少なくない。県内で多くの出身医師が活躍しており、県全体の医療体制が不十分だとの指摘や批判には身を切られる思いがする。

 ●卒業生の定着状況や、定着のための取り組みは?

 (09年度の卒業生100人中、付属病院での初期臨床研修医11人は)多いとは言えず、反省しないといけない。(卒業生が研修先を自由に選べる)新医師臨床研修制度が04年度に始まる前から、この制度では地域医療がめちゃくちゃになると懸念していた。ただ、県内の他の研修指定病院にも卒業生の研修医はいる。

 付属病院では、模型を使って内視鏡検査や心肺蘇生などを訓練する「クリニカル総合シミュレーションセンター」(仮称)を来秋にも設置する。県内の医師や看護師らへのキャリア教育を充実させ、県内医療全体の向上につなげる。初期臨床研修後に専門医研修を受ける医師も増やしたい。

 ●医師定着のために必要と考える県内での取り組みは?

 秋田は、医師1人あたりでカバーする面積が広い。そのうえJA秋田厚生連の新築病院の多くは交通アクセスが良くない。また医師数を増やすだけでなく、地域医療の質や将来性を維持することも重要だ。研修医をただへき地に派遣すればいいというわけではない

 医学部としては研修医一人一人の特性を見極め、将来に責任を持って教育する必要がある。

 付属病院はダイナミックな教育システムとして有効だ。研修医が県内病院での一定期間の研修後、付属病院に戻ってより難しい症例に挑むなどキャリアアップし、再び他の医療機関で活躍するという方法を提案したい。実現には県内の研修指定病院の理解が必要で、丁寧に説明したい。

 ●県や厚生連が打ち出した湖東総合病院(八郎潟町)再編論議で、県議会から「秋田大が医師派遣に難色を示している」との見方も出されたが?

 秋田大が派遣している医師を引き揚げて(病院を)つぶすという考えはまったくない。教授の命令一つで医師を派遣したり引き揚げたりできる時代でもない

 秋田大医学部として言いたいことは、こちらの人材を有効に活用してほしいということ。行政や厚生連が地域医療への姿勢を明確にしたうえで、秋田大に求める役割を示せば、こちらもできる限りのことをする。

秋田大学と言えば記事にもありますように、先日もJA秋田の運営する新病院に大学からは医者を出せないなんて話があって、県当局から地域医療への貢献も必要だろうと苦言を呈されたのは記憶に新しいところですけれども、その秋田大病院長が医者集めのノウハウを語るなんてのは、何かしら故・横山やすしが子育て本を出すような怪しさを感じなくもないですよね(苦笑)。
大学病院マンセーな内容は立場上仕方がないとしても、ここでは「研修医をただをただへき地に派遣すればいいというわけではない」と、医者を使う側の責任というものに関しても一定の言及をしている点は評価できるところで、逆にいえば世間の要求に従って医局の人事機能を手放し、医者の将来に責任を持てなくなったからこそ大学医局はその存在価値を失ったとも言える話ですよね。
そして秋田大学流の取り組みが到底成功しているとは言えない以上、臨床研修プログラムを魅力あるものにするといった話だけでは仮に成功したところで、研修医をただいっとき大学病院に囲い込むだけに終わってしまうとも言え、地域への医師定着には到底つながらないという現実をまず認識しなければならないでしょう。

大学病院という旧来の権威がこの調子ですから、各地の医師不足にあえぐ地域、病院は自ら新たなモデルを構築していかなければならないわけですが、実際に全国各地で医者を呼び込む、そして何より医者が逃げ出さないようにするという取り組みが行われています。
今の時代にあって何より医者を潰しかねないのが業務量の過剰であり、おいそれと医者を呼ぶこともままならないということになれば、これはどうしても業務量の制限のために医療需要の側に制限をかけざるを得ないという話になりますが、この点で医療の受益者たる市民の自己抑制がどれほど働くかということが、昨今の医者が最も気にしている地域の民度と言われるものを反映する指標だとも言えるわけですね。

地域医療守り育てる 袋井のNPO、活動を本格化 /静岡(2010年11月10日静岡新聞)

 医療危機の解決に向けて地域医療と住民との間の信頼構築を目指すため、袋井市のNPO法人「ブライツ」(村田朝子理事長)は、「安心できる地域医療を守り育てる市民活動」を11月から本格的に展開する。
 全国的に医師不足や診療科の閉鎖が伝わる中、袋井市でも総合病院へのいわゆるコンビニ受診や救急車の安易な利用など、健全な医療サービスの崩壊につながりかねない実態がアンケートなどで浮かび上がっている。
 ブライツは、医療従事者や行政関係者を交えた市民座談会を開催し、市民側の認識の軌道修正を図る考え。かかりつけ医、かかりつけ薬局を持ち、病状に応じて総合病院と診療所を使い分ける本来の受診の在り方を構築していく。
 袋井市は現市民病院を閉鎖し、掛川市民病院と統合した新病院を2013年に開設する。統合の背景には医師不足があるが、村田理事長は「『大きな病院ができる』とむしろ喜ぶ人もいるのが現実」と指摘。地域医療の正しい理解はもちろん、究極的には「体調の悪い人が近所にいたら助け合う、自助の形をつくりたい」(村田理事長)としている。
 市民座談会は「しゃべり場救急座談会」と名付け、第1弾は16日午後7時から同市方丈の「ふらっと」で行う。
 同法人の活動は市の協働まちづくり事業の一環。年間活動費約40万円に対し、3年間は市から約26万円が助成される。

「『大きな病院ができる』とむしろ喜ぶ人もいるのが現実」と言うのも確かなんでしょうが、今の時代にそうした情報はあっという間にネット上で共有される時代ですし、何より今どき地方公立基幹病院と言えば地雷原そのものというのが常識化していますから、各地で公立病院統合などと行政が熱心にやっている割には、立派な新病院を作れども医者は来ないということになっているわけですよね。
記事にもある通り、最近では不要不急の受診を「コンビニ受診」なんて言い方をしますけれども、多忙な現場の感覚としてこんな人たちが増えてもらっても困るのは当然ながら、実際にデータの上でも「いつでも気軽に病院へ」という好ましからざる風潮が広がっていることが示されるようになってきました。

◆レセプトを読み解く レセプトデータから見た「コンビニ受診」の実態(2010年8月4日日経メディカル)より抜粋

 数年前から、「『コンビニ受診』の増加により医療崩壊が進んだ」といった内容の報道が目に付くようになりました。ただ、 実際にコンビニ受診はどのくらいあるものなのでしょうか?いつものように健保組合のレセプトを分析してコンビニ受診の実態に迫ってみたいと思います。
(略)

「休日」受診比率が高い中小病院

 次に、中小病院(20~199床)における初診の時間外受診の実態を調べてみました(図3、4)。診療所と比べると、0~10代の小児・若年層における時間外比率が2割前後になっているのが特徴的です。

 また、休日受診がぐっと増えて、時間外受診の約半数を占めています。「深夜」受診も、診療所より高い比率です。小児・若年層における時間外受診が増えているのは、休日受診の多さがその主たる要因のようです。診療所の場合、休日も対応しているケースはまれです。一方、親としては、どんな時間帯であっても子どもの不調は心配ですから、結果的に、病院での受診比率が高まるのでしょう。

 小児・若年層と比較すると、大人の休日受診率はそれほど高くありません。多少の不調は我慢して、休み明けに受診する傾向が強いのでしょう。以前、この連載で曜日別の患者数を分析しましたが、ほとんどの病気において休日明けの月曜日の患者数が多かったことを思い出しました(2008.12.19「初回受診の患者が多いのは何曜日?」 )。

200床以上では「深夜」比率が高いのが特徴

 最後に、200床以上の病院について見てみます(図5、6)。年齢を問わず初診の時間外受診の比率は総じて上昇し、0~10代の小児・若年層に至っては5割前後、20~40代でも2~4割に達します。200床以上となると救急指定病院も増えますので時間外受診の比率が高まるのは分かりますが、こんなにも多いとは驚きです。

 時間外の内訳を見ると、深夜の比率が高いのが特徴です。10歳以下ですと、時間外受診の2割前後が深夜です。深夜受診は、大病院に集中しているといっていい状態です。

 ここまで分析してきて、ふと不思議なことに気がつきました。 1人当たり医療費や受療率などについては、小児が高く、20代で下がり40代以降にまた上昇していくという谷カーブになるのは周知の事実です。要するに、中高年になるに従い、病気になる確率が上がるわけです。そういった背景があるにもかかわらず、時間外の受診比率は40代以降が低くなっています。20~30代よりも40代以降の方が、骨折や脳・心疾患は増加しますので、この傾向は少々不思議です。

 これは若い世代でのコンビニ受診が多くなってきたことの表れなのでしょうか?それとも、加齢に伴い全般的に受診機会が増えるため、相対的に時間外受診の比率が下がるということなのでしょうか?

これが、時間外受診の傷病ランキング!

 ここからは、時間外受診の理由となった傷病名に話を移します。ちまたでいわれているように、コンビニ受診が多数を占めるのでしょうか?

 まずは、診療所から見てみましょう(表2、3)。表に示したのは、男女・年代・時間帯別の上位5傷病です。いずれにおいても多いのは、風邪(急性気管支炎、急性上気道炎など)やインフルエンザといった感染症です。時間外の中で受診の心理的ハードルが最も低いと思われる夜間・早朝については、男女問わずほとんどの年代で、急性気管支炎が傷病名のトップです。また、20代以降においては、深夜・休日に急性胃腸炎が顔を覗かせるのが一つの特徴です。

 傷病名だけでは判断できませんが、軽症例が比較的多いのではないかと推察される結果です。

尿管・尿路結石、脱水症の意外な多さ

 次に、200床以上の病院について見てみます(表4、5)。

 診療所と違ってインフルエンザや急性気管支炎、急性上気道炎などは少ないかと思っていたのですが、ここでも上位を占めました。男女、時間帯を問わず、その多さは圧倒的です。これについては、昨年流行した新型インフルエンザが大きく影響しているのでしょう。今回のデータは2008年12月~2009年11月の入院外レセプトが対象ですが、もう少し前の期間をベースにして調べたら、これほど多くはなかったかもしれません。

 これ以外で特徴的だったのが、男性における尿管・尿路結石の多さです。深夜に関しては、30代以上の全年代で、上位5傷病の中に入っています。男性の場合、50代以降になると脳梗塞や心筋梗塞、狭心症も上位に入ってきます。一方、女性の場合、急性胃腸炎や胃潰瘍、嘔吐症などがランクインしているのが、男性との違いでしょうか。これ以外では、男女問わず、20代以降の脱水症の多さが目立ちます。
(略)

気管支炎だとか胃腸炎だとか言う病名はいかにも保険病名っぽいと言いますか、おそらく感冒症状や腹痛といった症状であまり緊急性のないものをこのように記載したものが大多数だと思いますが、実際にこうして軽症患者が増えている、特に大病院に飛び込みで来る若年者においては時間、症状の軽重を問わず「何かあればとりあえず病院」というコンビニ受診の定着ぶりが見て取れますね。
あまり定量的なデータではないため実際の各疾患の比率がどうかは何とも言えませんけれども、とりあえず中高年以上の場合はある程度診療時間というものを気にしている気配も見え、実際夜間に受診してくる患者にはそれなりの重症と思われる疾患名が並んでいるわけですから、医者の疲弊対策としては当面何より若年者のコンビニ受診を何とかしなければならないと言う結論になりそうです。
考えようによってはひと頃日医あたりが主導して「日本は皆保険制度によって皆が早期受診をする。重症化しないからアメリカのように医療費が高くならずに済んでいるんだ」なんて皆保険制度擁護論を張っていた、そうした刷り込みが生まれながらに染みこんでいる世代が彼らだとも言えますが、同時に生まれついての不況世代として重症だとでも思わない限り病院などに行く余裕はないという人も含まれているかもですね。

昨今では例えば時間外選定療養費徴収によるコンビニ受診抑制などは結構効果があると言うことがデータとして出てきていますが、お金に不自由している若年世代にすれば「仕事も休めないから夜に来たのに、この上余計に金まで取るのか!」なんて不満が炸裂するでしょうし、実際に病院窓口でトラブルとなっているのはこうした人々が多い印象ではないでしょうか。
そうなりますとこういう面での制限を強化するとなれば、日医あたりが「金銭による受診の制限なんてとんでもない!それじゃアメリカと同じことになるじゃないか!」なんて言い出しかねませんが、世間の常識と同様に営業時間外の方が別料金で高く付くのは医療の世界も同じであるわけですから、少なくとも割り増しが嫌ならちゃんと診療時間の間に来てくれと主張することは何ら悪いことではないように思いますね。
そして本当に重症であれば時間外選定療養費は取らないという施設が多いにも関わらず、実際大多数の患者が支払わざるを得ないということは、先ほどの夜間救急を受診する若年者のほとんどが軽症であるというデータとも一致しているわけで、ここでも万一の場合のゼロリスクを追及するあまり、ごく日常的な問題である勤務医疲弊という現実の脅威を放置するのかと反論の余地は多々ありそうに感じます。

こういう若年者の受診行動に関してどう考えるかですが、文字通りコンビニ文化に慣れ親しんだ世代だけに24時間、365日が当たり前という考え方も出来るでしょうし、一方で慢性疾患持ちは少ないでしょうから病院慣れしていない上に、世帯構造の変化で身近に相談できる年長者もいないだろうことから、好意的に解釈すれば病院受診に関するマナー自体を知らないという可能性もありそうですよね。
それだからこそコンビニ受診に関しては悪いことであると平素から、そして実臨床の現場においても常に啓蒙していかなければならないという言い方も出来ますが、ネットなどで医療相談なんてものが結構書き込みがあるところを見ても、昨今各地で試みられているような専門家による24時間の電話相談のようなものでかなりの受診が抑制できそうにも思えます。
さらに加えて昨今都市部を中心にコンビニ型の薬局も増えているわけですから、OTC薬をもっと広汎に拡充し電話相談等による専門家の助言の元に使用できるようなシステムを構築していけば便利そうですが、例によってまたぞろ日医あたりから激しく横やりが入りそうではありますかね(苦笑)。

こうして考えてみると「軽症なのに時間外に押しかけないでくれ」という医療側の過労回避の要求と、「病院にいかなくとも手近で安くすめば助かるのに」という患者の利便性向上の要求とは結構重なるところがありそうに思いますが、最終的には医者の側がどこまで自分の目の届かないところでの医療(類似)行為を容認し、そして社会がその結果生じるリスクを受け入れるかに尽きるのでしょう。
アメリカなどは医療費の面から貧困層の受診抑制が発生していたわけですが、日本の場合は勤務医の疲弊とその結果の医療崩壊を回避するために受診制限をせざるを得ないとなれば、これはトータルで見れば住民の健康を向上させるために行われる行為であるわけですから、その結果一定確率で発生する重症患者取りこぼしといったリスクは、住民福祉に責任を負う自治体が請け負うくらいの決断はしてもいい頃だとも思いますね。
あちらこちらの自治体で医者を集めるために様々なアイデアをこらしているようですけれども、「市民の健康のために専門家として最善と思えることをやってくれ。その結果起こる全ての責任が我々が負う」なんて格好いいことを言ってくれる自治体があれば、医者なんて単純な生き物は案外あちこちから集まってくるかも知れません。

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