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2010年11月 4日 (木)

「この集会は茶番劇」には完全同意ですが

先日は名古屋で生物多様性条約会議が開催され、例によって環境テロリストらの活動を警戒して警察の皆さんは大変だと言う話ですが、すでに月を超える単位でテロ組織が常駐しているというのが和歌山県は太地町です。
本日まずは捕鯨の町太地町とも関わりのあるちょっとした小ネタから紹介してみますが、これだけの量になりますとそれなりに流通にも影響が出てきそうな話ではありますよね。

対日鯨肉輸出を本格再開 アイスランド、500トン超(2010年10月30日47ニュース)

 【ロンドン共同】商業捕鯨実施国のアイスランドが今年、鯨肉の対日輸出を本格再開したことが30日、分かった。同国最大の捕鯨会社クバルルのロフトソン社長が共同通信に対し、ナガスクジラ肉を日本に「計500~600トン」出荷したと述べた。

 日本では調査捕鯨で得た主にミンククジラ肉が年4千トン前後供給されているが、消費低迷で在庫は増加気味だ。味が良く市場価値が高いとされるナガスクジラの輸入肉が市場に出れば、鯨肉価格全体に影響を与える可能性もある

 同社は今年、日本市場を念頭にナガスを148頭捕獲したが、日本の調査捕鯨での捕獲はこの2年で2頭のみにとどまっている。同社長は「ミンクの消費を減らすために(ナガスを)売るわけではない。両者は(市場で)共存可能。両国の利益になる」と話した。水産庁捕鯨班は「民間の活動にコメントできない」としている。

 同社は2008年、17年ぶりに66・6トンのナガス肉を試験的に日本に輸出したが、昨年は輸出しなかった。

先日ちょうどそのナガスクジラを食べる機会があったのですが、確かにそこらのスーパーで売っているような「鯨肉」とはさすがに明らかに別物の味で、どうせ食べるならうまい方がいいという人は増えそうですし、実際に価格帯を比べてみると当地でのそれは日本の数分の一程度と言うことで、商業的に利用できるものなら市場的な需要はありそうです。
ただしご存知のように資源量からすれば大型のナガスクジラなどはミンクとは比較になりませんから、かねて反捕鯨団体の格好の標的にされてきたという経緯があることに加えて、かつての輸出中止の原因であるとも言われる汚染問題も今ひとつ不鮮明なところがありますから、継続的な輸出という点ではまだ予断を許しません。
一方で日本側としても調査捕鯨がそれなりに在庫はあるという状況で、これだけの外来鯨肉が流入すればいよいよ在庫のだぶつきが懸念されるということになりますが、そうなると反捕鯨団体の「ほら見ろ!だから調査捕鯨などやめるべきなんだ!」と言う主張に勢いを与えかねず、正直捕鯨関係者にとってはいささか対応に迷うところではないでしょうか。
このあたりはすでに出荷までされたという鯨肉が実際に日本市場に出回ってから実際の影響を最終判断していくことになるのでしょうが、当面今度の捕鯨シーズンをどうするのかと早速頭を悩ますところではあるのでしょうね。

さて、先日ご紹介しました太地町のテロとの対話路線へ路線変更か?!という一件ですけれども、予定通り11月2日に意見交換会が開かれたということです。
この意見交換会なるものに関しては一体何の意味があるのかと誰しも疑問に感じるところで、こういうものを開くように主張し司会役を務めた某団体の立ち位置も疑問視されているわけですが、まずは国際的にも大きな注目を集めたという意見交換会の模様を記事から紹介してみましょう。

映画「ザ・コーブ」舞台の太地町と「シー・シェパード」初の意見交換会始まる 海外メディアも殺到(2010年11月2日産経新聞)

 日本のイルカ漁を批判した米映画「ザ・コーヴ」の舞台となった和歌山県太地町で2日、町側と環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」など反捕鯨団体との初の意見交換会が行われた。

 町側の会見によると、反捕鯨団体側は「イルカ漁をやめない限り、活動を続けていく」と主張したという。町側は「伝統ある地域産業で、許可に基づき正当に行っている。批判されるものではない」と訴えた。

 鯨類追い込み漁が解禁された今年9月ごろから、SSメンバーらが町内に滞在して抗議を続けるなかでの開催。町側は「科学的根拠に基づき、国の設定した枠内で漁を続ける」として対話を拒んできたが、県内の民間団体がイルカ漁を考える機会をつくろうと双方に呼び掛け、実現した。

 意見交換会には、町側から三軒一高町長や三原勝利町会議長、町漁協幹部が、反捕鯨団体側からはSS幹部で米国人のスコット・ウェスト氏らが出席。「ザ・コーヴ」にも出演したイルカ保護活動家のリック・オバリー氏は「この集会は茶番劇」として急遽(きゅうきょ)、出席を取りやめた

 主催者によると、AP通信など海外メディアも取材に駆け付け、小さな捕鯨の町に世界の注目が集まった。県警も不測の事態に備え、会場となった公民館周辺の警備態勢を増強した。

 追い込み漁は国際捕鯨委員会(IWC)の規制外で国の指導で県が許可している。シーズンは毎年9月から翌春までで、イルカ類とクジラ類合わせて計約2100頭の捕獲が認められている。

      ◇

 【用語解説】ザ・コーヴ

 映画の題名は「入り江」の意味で、古式捕鯨発祥の地である和歌山県太地町が舞台。イルカ保護活動家のリック・オバリー氏らが出演、漁師がイルカを入り江に追い込み、棒を突き刺して漁をする様子などを隠しカメラで撮影した。3月の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞。日本での公開に当たり、抗議や街宣活動の予告を受けて一部の映画館が上映を中止した。

各方面からの情報を総合しても、お互い一方的に喋るばかりで全く対話としてはかみ合っていなかったということなんですが、問題は当初テロリストなど完全に無視する姿勢を決めていた太地町側がわざわざ心変わりをした形をとってまで、こうしてうまく機能するはずもない場を設定する意味がどこにあったのかということですよね。
今回の意見交換会を仕切った某政治団体のHPを見て面白いのは、「ザ・コーブ」に対する抗議活動等と書いてあるのですが肝腎の捕鯨自体へのスタンスは全く書かれてはいないということで、とりわけ「太地町町長、シーシェパード幹部との直接会談を提案、実現させる事に成功させ、会議での司会進行を務める」などと何らの目的もないまま表記されたところで、単なる売名行為の類か?と取られても仕方のないところでしょう。
同会の活動としては現職知事への反対運動がその一つの中心になっているとも聞きますが、例えば政争の道具としてこうした活動が手頃な道具に思われているのだとしたら乗せられてしまう太地町側も太地町側であるし、地元においてもマイナー団体だというこうした組織の要求を易々と入れて方針変更するに至るには何かしらの背後事情もあったのか?とも思えるところです。

ちなみにこの意見交換会に参加したSS幹部のスコット・ウェストはインタビューに答えて曰く、町の態度が明らかに変わり自分たちを無視出来ないようになってきた、漁師達は自分の行いを恥じているなどと言いたい放題ですけれども、その根拠となっているのがこうした対話の場をわざわざ設けたことだということですから、結局は予想通り連中の宣伝のための場にしかならなかったということでしょう。
SSのポール・ワトソン代表はちょうどこのタイミングで太地町宛てにメッセージを出していますけれども、世界中から100人を超える報道陣が参加したというこうしたイベントに合わせて出せばそれは注目度も高まろうと言うもので、このあたりのメディア戦略は相変わらず手慣れたものを感じさせますよね。
一方で興味深いのはこの集会に意欲満々だったはずなのに、いままで同町をプロパガンダの道具としてさんざん利用し放題だったはずの肝腎のリック・オバリーが、なぜかドタキャンを決め込んだということです。
元シーシェパードの顧問であった同氏が「茶番劇」とはお前が言うなという話ですけれども、このあたりはワトソン代表の隠された何かしらのシナリオの範疇であるのか、それとも何らかのメンバー間の齟齬があったということなのか、今後詳細が判明してくるまで判断は保留するしかなさそうですね。

先日はニューヨークで「チキンマックナゲットの鶏の扱いは残虐だ!」なんてマクドナルドに対する抗議活動があったと言いますけれども、オーストラリアの野生動物大量虐殺問題などを始めとして世界中には幾らでも環境テロリストのターゲットになりそうなネタはあるにも関わらず、実際にとりわけ過激派と目されるテロリストの活動対象となるのはごく一部でしかありません。
メキシコ湾の原油流出事故に際しても日本の捕鯨など問題にならないくらい鯨達にとっての絶滅の危機であったわけですが、反捕鯨を声高に叫ぶSSら一派が油にまみれて活動したなんて話も全くありませんから、なるほど彼らの行動基準というものは非常に明確であるということが判る話で、それを単にracismなどと文化論的に捕らえてしまうと対応を誤りますよね。
彼らに偏愛される日本としてはどう対処すべきかという方法論を考えると、彼らのメディアへの露出とスポンサー獲得という経営戦略にはなるべく非協力的となる方向でやっていかなければならないだろうし、そうした戦略に協力したがる関連勢力にも相応に注意を払っていかなければならないということではないでしょうか。

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今回は、一昨日行われた和歌山県太地町と Sea Shepherd の Scott West 氏達による会談の補足(またか) いや、なんせ、会談前に設けられた制限も去ることながら、中平氏の動きについても結構面白い話が出てきたので・・・(手抜き)... [続きを読む]

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