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2010年8月10日 (火)

今、ホメオパシーが熱い!

先日は新生児にビタミンK2を与えるかわりにレメディーなる砂糖玉を与えビタミンK欠乏性出血症で死に至らしめたとして、ホメオパシー推進派の助産師が親から訴えられたという一件を紹介しましたが、各ブログなどでも一斉にその危険性が取り上げられてきているようですね。
この時にも助産師会がホメオパシー講習会を主催するなど、同業界とホメオパシーが(ごく控えめな表現をすれば)ずいぶんと密接な関係を保っているのだなと推測されるところでしたが、さすがに社会的にもこの状況に対して危惧する声が上がり始めたようです。
ただ、ああいうものにハマっている開業助産師の人たちにこうしたまともな学会からの声がどの程度届くものなのかはっきりしないだけに、今後公的に何かしらの対応が取られるものなのかどうかが注目されますよね。

ビタミンK2投与を 周産期・新生児医学会が緊急声明(2010年8月6日朝日新聞)

 日本周産期・新生児医学会(理事長=田村正徳・埼玉医科大総合医療センター教授)は5日、新生児の頭蓋(ずがい)内出血を防ぐため、ビタミンK2シロップ投与の重要性を再確認するよう、会員の産婦人科医や小児科医、助産師らに求める緊急声明を出した。代替療法「ホメオパシー」を実践する一部の助産師が、シロップの代わりに「レメディー」と呼ばれる砂糖玉を渡し、新生児が死亡し訴訟になったことを受けた。緊急声明は長妻昭・厚生労働相にも提出、厚労省として積極的に指導するよう求めた。

「ホメオパシー」トラブルも 日本助産師会が実態調査(2010年8月5日朝日新聞)

 「ホメオパシー」と呼ばれる代替療法が助産師の間で広がり、トラブルも起きている。乳児が死亡したのは、ホメオパシーを使う助産師が適切な助産業務を怠ったからだとして、損害賠償を求める訴訟の第1回口頭弁論が4日、山口地裁であった。自然なお産ブームと呼応するように、「自然治癒力が高まる」との触れ込みで人気が高まるが、科学的根拠ははっきりしない。社団法人「日本助産師会」は実態調査に乗り出した。

 新生児はビタミンK2が欠乏すると頭蓋(ずがい)内出血を起こす危険があり、生後1カ月までの間に3回、ビタミンK2シロップを与えるのが一般的だ。これに対し、ホメオパシーを取り入れている助産師の一部は、自然治癒力を高めるとして、シロップの代わりに、レメディーと呼ぶ特殊な砂糖玉を飲ませている

約8500人の助産師が加入する日本助産師会の地方支部では、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、広島など各地で、この療法を好意的に取り上げる講演会を企画。2008年の日本助産学会学術集会のランチョンセミナーでも、推進団体の日本ホメオパシー医学協会の会長が講演をした。同協会のホームページでは、提携先として11の助産院が紹介されている。

 日本助産師会は「問題がないか、実態を把握する必要がある」として、47支部を対象に、会員のホメオパシー実施状況やビタミンK2使用の有無をアンケートして、8月中に結果をまとめるという。

 また、通常の医療の否定につながらないよう、年内にも「助産師業務ガイドライン」を改定し、ビタミンK2の投与と予防接種の必要性について記載する考えだ。日本ホメオパシー医学協会にも、通常の医療を否定しないよう申し入れた。

 助産師会の岡本喜代子専務理事は「ホメオパシーを全面的には否定しないが、ビタミンK2の使用や予防接種を否定するなどの行為は問題があり、対応に苦慮している」と話している。

 助産師は全国に約2万8千人。医療の介入を嫌う「自然なお産ブーム」もあり、年々増えている。主に助産師が立ち会うお産は、年間約4万5千件に上る。

 

テレビ番組で取り上げられたこともある有名助産師で、昨年5月から日本助産師会理事を務める神谷整子氏も、K2シロップの代わりとして、乳児にレメディーを使ってきた

 取材に応じた神谷理事は「山口の問題で、K2のレメディーを使うのは、自重せざるを得ない」と語る。この問題を助産師会が把握した昨年秋ごろまでは、レメディーを使っていた。K2シロップを与えないことの危険性は妊産婦に説明していたというが、大半がレメディーを選んだという。

 一方で、便秘に悩む人や静脈瘤(りゅう)の妊産婦には、今もレメディーを使っているという。

 ホメオパシーをめぐっては英国の議会下院委員会が2月、「国民保健サービスの適用をやめるべきだ。根拠無しに効能を表示することも認めるべきではない」などとする勧告をまとめた。薬が効いていなくても心理的な効果で改善する「偽薬効果」以上の効能がある証拠がないからという。一方、同国政府は7月、科学的根拠の乏しさは認めつつ、地域医療では需要があることなどをあげて、この勧告を退ける方針を示している。

 日本では、長妻昭厚生労働相が1月の参院予算委で、代替医療について、自然療法、ハーブ療法などとともにホメオパシーにもふれ、「効果も含めた研究に取り組んでいきたい」と述べ、厚労省がプロジェクトチームを立ち上げている。(福井悠介、岡崎明子)

マスコミと言えば今まで何かと自然なお産って素晴らしい!的な記事を連発してきた印象が強い中で、とりわけ朝日のようなメディアがこういう批判的(なんですよね?)な記事を取り上げてきたというのもおやおや?と思うところですけれども、助産師会のこれまでの姿勢に対する突っ込みがまだまだ甘いかなという気もするところで、今後このあたりをもっとつつき回していく必要がありそうですよね。
この方面でのホメオパシーと言えば院内助産師ではなく開業助産師中心に広められてきた印象があって、周産期・新生児医学会にしても正直こういう疎遠な方面には手を出しにくいのでしょうが、そろそろ医者側としても専門家として何かしらの態度表明を求められている時期ではあると思います。
ちょうどこの件について、日本におけるホメオパシーの総本山とも言うべき日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)が前述の朝日新聞の記事に対して反論を出していまして、これがなかなか興味深い内容ですので引用させていただきましょう。

朝日新聞等のマスコミによるホメオパシー一連の報道について その1 (2010年8月7日日本ホメオパシー医学協会)

8月5日付朝日新聞朝刊、社会面にトップに掲載されている(1)~(8)の記事内容について、日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)からコメントします。
http://www.asahi.com/national/update/0804/TKY201008040482.html

この山口地裁の訴訟については、昨日 (8/4)、第1回の口頭弁論があり、JPHMA会員の助産師側は、損害賠償請求の棄却を求めています。つまり、原告の請求事実を認めず、裁判の場で争い、事実を明らかにしていくというプロセスに入ったので、真相は裁判を通じて今後明らかになっていくものです。このように事実に争いがある中で、予断をもったマスコミの報道姿勢に基づく一方的な内容の記事には、大きな問題があると考えています。

また、本件に関連したマスコミ報道の中で、あたかも乳児死亡がホメオパシーに原因があるかのような印象をもつような記事も見かけますが、そもそもホメオパシーレメディーをとって死亡することはありません
この記事を読んだ読者が誤解しないように、誤解しそうな部分を抜粋し以下にひとつひとつ説明していきます。

なお、山口での訴訟に関係する内容については、現在民事訴訟が進行中ですので、JPHMAとしては現段階でのコメントを控えさせていただきます。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(1)「ワクチンを打つなとか、薬を飲むななどと主張する過激なホメオパシーグループも存在する」

ホメオパシーを医者だけに推進している、川嶋朗准教授の発言として掲載されていますが、この記事を読んだとき、人はJPHMAがあたかもそのグループであると誤認してしまうことが懸念されます。川嶋氏は以前にも、このように事実でないことをJPHMAの問題責任のように、ある雑誌に発言していたことがありました。
川嶋氏に、その事実の確認を依頼しましたが、なかなか回答が得られず、弁護士を通じて、回答するように抗議をした結果、最終的には、JPHMAの問題ではないということを明らかにした事例がありました。

JPHMAは、法律的に義務化されていない限り、国民1人1人がワクチンやクスリの害と効用をしっかりと知り、選択すべきものであると認識しています。当然、ワクチンを打つなとか、薬を飲むななど主張する立場でもなく、そのような主張を行っているという事実も全くありません。国民1人1人が判断する材料として、ホメオパシーの考え方や臨床経験から情報提供しているのみです。

また、JPHMAは、協会倫理規定にも書かれている通り、現代医学とホメオパシー医学の両者の長所を生かして医療機関との協力体制を理想とする姿勢を1998年の設立以来一貫して打ち出しています。
現在、川嶋氏に上記発言の事実確認、事実である場合、過激なホメオパシーグループは本当に実在するのか?実在するとしたらそれはどのグループなのか確認しているところです。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(2)「レメディーを投与するのは医療行為である。」

川嶋氏の発言として掲載されていますが、この発言が事実であれば、川嶋氏は、医師法17条の解釈を間違って解釈していると考えられます。すなわち、医師法の17条「医師でなければ、医業をなしてはならない」の解釈として、治療してよいのは医師だけであると川嶋氏は判断していると考えられます。しかしそうすると、日本国憲法の職業選択の自由に抵触しますから、必然的に、医師法17条が意味するのは、「現代医学を修得した医師しか、現代医学に基づく治療をしてはならない」と解釈しなければなりません

治療法は現代医学の治療法以外にもたくさんあり、それぞれの治療法を習得したプロフェッショナルであれば、その知識と技能を用いることを生業としてよいわけです。

ホメオパシーは200年前から世界的に膨大な治療実績がある治療法であり、日本ホメオパシー医学協会が認定するホメオパスは、プロの基準を満たしているので、ホメオパシー治療を職業とするのに何の問題ないというわけです。なお、川嶋氏に発言の事実確認および事実であるなら発言の根拠を求めていきます。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(3)「薬の処方権がある人以外がホメオパシーを使うのは大きな問題だ。」

川嶋氏の発言として掲載されていますが、ホメオパシーのレメディーは、薬ではなく食品となっており、レメディーを与えることは医療行為に当たりません。レメディーがあたかも薬であるかのような表現をすることは、事実誤認であり、多くの人に誤解を与える表現です。

ホメオパシーは現代医学とは全く異なる考え方をし、専門知識が必要であり、ホメオパシーをしっかり学んで資格をとったものがプロのホメオパシー療法家としてホメオパシー療法を行うべきであり、現代医学の医師や歯科医師といえども、ホメオパシーをしっかり学んでいないものが行うべきではありません。

一方で、全世界的にもホメオパシーは代替医療の主流と認められており、世界各国の空港、スーパーマーケット、ドラッグストア等で誰でもレメディーを購入することができ、セルフケアの方法としても一般的です。川嶋氏の医師しかホメオパシーを扱うべきではないという考えは世界的な流れに逆行するものです。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(4)「日本ホメオパシー医学協会にも、通常の医療を否定しないよう申し入れた。」

これは日本助産師会の発言として掲載されていますが、JPHMAは日本助産師会からそのような申し入れを受けたという事実を有しておらず、今、日本助産師会に事実確認を行っているところです。このような書き方をした場合、あたかもJPHMAが通常の医療を否定しているかのような印象を人々がもってしまいます。事実は前述した通り、JPHMAは通常医療を否定しておらず、現代医療と協力してやっていくという立場をとっています。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(5)「ホメオパシーを全面的に否定しないが、ビタミンK2の使用や予防接種を否定するなどの行為は問題があり、対応に苦慮している」

これは日本助産師会の岡本専務理事の発言として掲載されていますが、これもこの記事を読んだ場合、JPHMAがビタミンK2の使用や予防接種することを否定しているかのような印象をもってしまいます。事実は前述(1)した通りです。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(6)「元の物質の分子が残らないほどに希釈した水を含む砂糖玉が体に作用を及ぼす」との考えが科学的におかしいのは明らか。」

大阪大の菊池氏の発言として掲載されていますが、もしこれが事実としたら、研究もせずに、自分の持つ価値観、自分が学んだ範囲でのみ考えて結論を出し、頭から否定するというのは、科学者として頭が固すぎるといわざるを得ません。過去の歴史からも、未知のものを既知としていくところにこれまでの発見があり、発展があるということを学ぶことができるのに、そのことさえも認識されていません。
科学的に根拠に関しては、以下のRAHUK体験談の管理人のコメントが参考になると思います。
http://www.rah-uk.com/case/wforum.cgi?mode=allread&no=2329

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(7)「限りなく薄めた毒飲み「治癒力高める」

あたかも毒が入っているような表現であり、ホメオパシーに関する誤解を生じかねません。この記事の中で毒が強調されているように思いますが、レメディーの原料として確かに毒物もありますが、毒物でないものもたくさんあります。また原料として毒物として使うものも最終的には無毒化されており、薄めた毒という表現は適切ではありません。

朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
(8)100倍に薄めることを30回繰り返すなど、分子レベルで見ると元の成分はほぼ残っていない

100倍希釈を30回繰り返した場合、10の60乗倍希釈となり、原成分はほぼ残っていないのではなく、1分子も全く、残っていません

※約10の24乗倍希釈で原成分は1分子もなくなります。

まあ、いちいち突っ込むのも空しいと言いますか…何やら電波ゆんゆん過ぎて頭がくらくらするだとか、いったいこいつらはどこの世界の言葉でしゃべっているんだと感じられた方、おそらくあなた方はまだ正常な部類なんだと思います…。
同協会の医師法解釈の下りなどはあまりに独自の電波を飛ばしすぎていて、なるほどこういう解釈を取るのであればこれは現代医学に基づく行為ではない、これは薬ではないと主張する限りにおいて、エセ医療的に何をどうしようが誰にとっても自由であると解釈出来る大胆な説ですよね。
ときどき重病人にまともな医療も受けさせずに亡くなって、今やすっかりミイラ化したようなご遺体を「この方は亡くなっていない!いずれ復活する!」なんて主張しているような人々の記事が出てきますけれども、その前提としてこういう解釈をしているのかと勉強にはなった気がします。

「そもそもホメオパシーレメディーをとって死亡することはありません」なんて言い回しは、判って言っているのであれば非常に巧妙で何かしらこの種の係争に手慣れた感じがしますけれども(「手かざしで死亡することはありません」というのと同じですよね)、一般的に当然に行われている医療上の処置を受けさせなかったことが問題だとされているのに対して、これは何とも的外れな反論ですよね。
一応世間の非難に対する答えらしき部分を何とか日本語に翻訳してみますと「個人の勝手でしょう?誰も強制してませんが何か?」ということになるように思うのですが、別な言い方をすればその結果何が起ころうと選んだ当人の自己責任であって、当方の知ったことではないということなのでしょう。
ちなみに「RAHUK体験談の管理人のコメント」云々に示されているように、彼らホメオパシーな方々が金科玉条のように唱える「科学的な根拠」なるものが如何なるものであるのか、ここでは講師やる夫先生の素晴らしくためになる講演を紹介するだけにとどめておきましょう(それにしても、ここでも諸悪の根源はブリかよと…orz)。

【参考】英科学誌ネイチャーにフルボッコにされるホメオパシー(やる夫で学ぶホメオパシー2)

何にしろ昨今では国からしてこの種の民間療法に保険適用を検討しましょうなんて言っているくらいですし、医大の関連施設でも自然療法なるものを専門に扱っているところがあるというくらいですから、その蔓延ぶりは留まるところを知らないという勢いですけれども、これがいったい何を意味するのかということですよね。
単に「なにこのカルト?!気持ち悪い!」と心情的に排除するだけではその被害は拡大していく一方ですから、社会にとって何が害悪なのか、社会に対する悪影響をどうやったら最小化できるのかという実際的な方向から対策を考えていかなければならない時期なのでしょう。
度を超えてある種信仰的にこういうものにハマってしまうタイプの人というのは、おそらくこれが無くとも早晩他の何かに同じようにハマってしまっているのでしょうし、信仰の問題というのはそもそも議論するような対象でもないでしょうが、客観的指標として「それはちょっとどうよ?」と言える説得材料というものはないのかということですね。

例えばこの手のものは無益であるところまではあきらめるにしても、総じて効果に対して高額であるというのは原価を考えると釈然としないものがありますから、不景気な時代だけに「それって無茶苦茶損じゃないの?」というアプローチはありかなとも思います。
ただ使っている人間にとっては効果があると信じているわけですから高いという不満は感じていないわけですし、それどころか少なくとも末端レベルで売っている人にもそういう自覚は全くないようで、むしろ脳天気なほどの善意の塊という顔でとんでもないことをやっていたりすることがままあるわけですから、儲けようとやっている人と単なる素朴な信仰心からやっている人とは区別しておかなければならないのでしょう。
それでも医薬品なり医療行為なりの代替として行っている以上は、それが医療経済学的評価の対象として捉えていくことが可能でしょうから、期待される効果に対してそのコストは高いのか安いのかという評価付けは可能であると思いますが、問題は彼らを客観的評価基準に乗せるということが極めて困難であるということです。

こうしたものについては幽霊がいないことを証明することが出来ないように、科学でははっきり否定することは出来ないと言う声も一部にありますけれども、少なくとも医療に関して言えば薬の効果の評価には決まり切った方法があるわけですから、二重盲検なりできっちり検証すれば効能の是非に関しては白黒つくじゃないかという考えもあるでしょう。
ところがこういうものを商っている人たちに「今の時代医薬品開発競争がすごいんですから、本当にそんなに効果があるものなら世間に認められる形でデータを出しましょう。その方がもっと多くの人にとっての幸福につながりますよ」などと言っても、「いや医薬品扱いになったら医者の処方箋が必要になって、多くの人が自由に利用できなくなる」なんてもっともらしいことを言って、断固として拒否するものなんですよね。
今のところ世間一般で認められたまともな方法で効果が実証されたことはないわけですが、「いや!確かに効くんだ!」と主張する人が科学的検証という同じ土俵に乗ることを断固拒否する自由も認めなければならないとすれば、「科学で否定はされていない」と言い続けることは少なくとも嘘ではないと言うことになるわけですし、定量的評価が出来ない以上その効能はpricelessであるとも言えるわけです。

こうして考えてきますと元々が単なる砂糖玉であるだけに、その副作用もDHMO並みであろうと予想されるわけですから、今回のような特殊な状況での事故でも起こらなければ被害者も「訴えてやる!」なんて話にもなりにくいでしょうし、仮にそんな状況に至ったとしても信者の方はレメディーが悪いんだと考える可能性は低いでしょうね(実際、レメディー自身は無益であっても限りなく無害であるわけですから)。
その意味でホメオパシーなるものはなかなか手強い相手であるとも言えるかと思いますが、今後問題になる可能性が高いのは今回の事例のように、何かしら必要なことをやらないことが悪いことにつながったという領域ではないかと思われますし、その場合例えば自己決定権のない小児科領域あたりでは、信仰上の理由による輸血拒否の事例などに対する対応というものが参考になるかも知れません。
しかしこうして様々な被害(当の本人達は別に被害とも思っていないんでしょうが)を見るにつけ、ほとんど児童虐待とも言えるような事例も散見されるだけに、こうした問題で声を出さずにはいられないだろうアグネス大明神あたりが何かしら言わないものかと、不謹慎ながら今から楽しみで仕方がないんですけれどもね(苦笑)。

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コメント

予防接種に関する質問
はしかにおける脳性まひ

昨日うちの息子の1歳半検診に行ってきました。想像していた通り、予防接種を受けないことをあれこれ言われましたが、保健センターの人は、「はしかにかかると脳性麻痺になる可能性がある、それを知っていて予防接種を受けないと決めたのか」と聞かれました。
「勿論知っている」と答えましたが、実際のところ、はしかに罹って脳性まひになる割合っていかほどなんでしょう?実際に、はしかに罹って、このままでは脳性まひになってしまうっていう見極めって出来るものなんでしょうか?

麻疹と予防接種
確率で考えれば、圧倒的に予防接種のほうがリスクが少ないです。私は「何故、病が起こるのか」を考えるに、それはやはり「必要があって」なのだと考えています。
病は、ただ不快で消え去れば良いというようなものでしょうか。私は違うと思っています。症状は、それ自体が自分の心身が起こす、自分の心身を治癒させようという働きなのだし、病む状態は、何らかの理由があって、自分自身がその経験を必要としていることだと思っています。
先週末行われたミッシャ・ノーランド先生の講義でも同様の話がされました。「魂の希求」と言ったような表現でした。また「麻疹」や「予防接種」といったようなピンポイント的な囚われではなく、本当にその子供が必要としていること「その人にとって、今、本当に必要なこと(center of the case)」また幸せな人生といったことを主軸に病や症状(または予防接種のことなど)を考えていきたいと願っています。
というわけで、我が家にとって予防接種や病のリスクの確率は、全く無用な考えです。
我が家の場合は、予防接種の副作用が恐いから打たないのではなくて、必要を感じないので、接種の必要がないと言う感じです。そんな私達をとんだ馬鹿親・虐待という方もきっといらっしゃると思いますが、子供は親を選んで生まれてくるということですから、いおpさんは許してくれるでしょう。
http://www.io-p.net/io_nikki/bbsfaq.htm

投稿: とんだ馬鹿親・虐待 | 2010年8月10日 (火) 09時47分

朝日新聞VSホメオパシー協会 治療に医師免許必要なのか巡り
http://www.j-cast.com/2010/08/10073031.html?p=all
代替医療のホメオパシーを進める団体が、医師免許がなくても治療はできるなどと、サイト上で新聞報道に反論している。こうした主張は、どれだけ根拠があるものなのか。

「限りなく薄めた毒飲み『治癒力高める』」
「ホメオパシー実態調査 助産師会乗り出す」

「当該記事は確かな取材に基づいて掲載したものです」

朝日新聞の2010年8月5日付朝刊の社会面トップに、こんな大きな見出しが躍った。

ホメオパシーとは、昆虫や植物、鉱物などを溶かした「毒」を水で薄めて振る行為を繰り返し、これを砂糖玉にしみ込ませて飲む民間療法を指す。記事では、この療法を巡って、山口市で起きた助産師による乳児死亡のようなトラブルが起きていると指摘。科学的な根拠ははっきりせず、日本助産師会が、ホメオパシーを使う助産師がどのくらいいるかなどの実態調査に乗り出したことを報じている。

これに対し、異論を唱えたのが、記事中にもある日本ホメオパシー医学協会だ。山口市の乳児死亡に関する、朝日を含めた一連の報道について、「予断をもったマスコミの報道姿勢に基づく一方的な内容の記事には、大きな問題」と指弾したのだ。

朝日の記事については、具体的な内容についても反論している。助産師会が通常の医療を否定しないよう協会側に申し入れたという点は、事実でないと指摘。この内容では、通常医療を否定していないのにそう受け止められるともした。また、薄めた毒を飲むとの点については、毒があるものもあるが、最終的には無毒化していると反論し、分子レベルで毒はほぼ残っていないという点は、1分子も残っていない、としている。

こうした主張は、本当に理由があるのか。

しかし、朝日新聞社の広報部に取材すると、コメントは明確だった。「当該記事は確かな取材に基づいて掲載したものです」というのだ。
医師しかできないかは、治療の内容による

日本ホメオパシー医学協会は、朝日の取材に対しコメントを寄せた専門家へも反論している。

記事では、ホメオパシーを治療に取り入れている医大の准教授は、レメディーと呼ばれる砂糖玉を患者に投与するのは医療行為だと指摘。そのうえで、「医師や歯科医師ら、薬の処方権がある人以外がホメオパシーを使うのは大きな問題だ」とコメントした。「西洋医学で明らかに治療できるものは西洋医学で対応するのが当たり前だ」ともいう。

これに対し、同協会は、准教授の発言は、医師法17条の解釈を間違っていると主張した。17条は「現在医学を修得した医師しか、現代医学に基づく治療をしてはならない」と解釈され、それ以外の治療は医師免許がなくてもしてもよいとしている。その上で、レメディーについては、薬ではなく食品なので医療行為に当たらず、医師でなくても患者に投与できるとしている。

医師免許がなくても治療できるというのは、本当のことなのか。

厚労省の医事課によると、医師法では、医学的な判断や技術をもってするのでなければ、患者の人体に危害を及ぼすかその恐れのある行為は、医師しかできない。これには、現代医学であるかどうかの線引きはないという。そして、「治療とは、一般的に医師の判断が必要なものを言います」とする。

ただ、医師しかできないかどうかは、治療の内容によるという。個別具体的に見ていくしかないというのだ。

同省では、鳩山前首相の提唱で、現代医学に代替医療を組み合わせた「統合医療」を進めようとプロジェクトチームで検討している。効果や安全性が確認されれば、代替医療に保険・資格制度を作る可能性があるようだ。ホメオパシーが入るかはこれから議論するといい、トラブルが報じられているだけにその行方が今後注目されそうだ。

投稿: | 2010年8月10日 (火) 13時46分

Yosyan様
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20100809
のコメント欄に書いたことですが・・・

http://www.jphma.org/jphma_profile/enkaku.html
1998年11月 由井JPHMA会長が、議員の招聘により、国会にて、ホメオパシーについて講演を実施。
http://www.homoeopathy.ac/rah/pro.html
1998年11月…国会議事堂内で国会議員の先生方を前に初のホメオパシー講演

http://www.homoeopathy.ac/04lecturer/president.php
1998年11月
講師として招聘され、国会議員会館にて、国会議員の方々を前に、初のホメオパシー講演を行う。
が同じ事例の話かどうか気になりますが(国会議事堂と国会議員会館は違うと思います)

上記のほうを信頼すれば、この国会議事堂内でのホメオパシーについて講演から政治(家)とホメオパシーとの関係が
明確になってきたと考えます。 問題は誰(政治家)が招聘したかです。

投稿: 京都の小児科医 | 2010年8月11日 (水) 05時19分

日本周産期・新生児学会の緊急声明ですが
http://www.jspnm.com/topics/data/topics100805.pdf
一切の出典・文献提示がありません。
1.厚生省(現厚生労働省)研究班
2.新生児へのビタミンK 投与による頭蓋内出血の予防効果には強い
科学的根拠
3.日本小児科学会もこれを強く推奨
などは出典・文献提示がなければアカデミックな学会声明としては問題がある声明と考えます。

投稿: | 2010年8月11日 (水) 05時37分

上記、名前を入れ忘れましたが京都の小児科医です。
追加ですがこれは緊急声明だからいわゆるエキスパートオピニオンのみでいいとの意見もあるかも知れませんが
新生児へのビタミンK 投与による頭蓋内出血の予防効果については教科書レベルの常識であり
教科書レベルの話はいつでも科学的根拠(文献・出典)を提示できるのがアカデミックな学会と考えます。


投稿: 京都の小児科医 | 2010年8月11日 (水) 05時46分

>教科書レベルの話はいつでも科学的根拠(文献・出典)を提示できるのがアカデミックな学会と考えます。

逆に相手に突っ込まれるのを待ち受けてて同じ土俵の論戦に引きずり込もうとしている、なんて深慮遠謀はさすがにないかw

投稿: | 2010年8月11日 (水) 07時27分

 他のサイトのコピペにここで反応するのもバカみたいですが、ここを読んだ人に誤った知識が広がってもイカンので。

 麻疹の自然感染の後、恐れなければならないのは亜急性硬化性全脳炎です。脳性麻痺ではありません。脳性麻痺も重症例は悲惨ですが、亜急性硬化性全脳炎は全例が悲惨です。そして脳性麻痺には避け得ないものもありますが、亜急性硬化性全脳炎は予防接種を受けてさえいれば避けられたはずなのです。私は6年生の時か研修医の時にその患児をみたことがありますが、あの時のショックは20年以上経った今でも覚えています。あの状態を「この子の魂が希求したことだ」なんていう親がいたら張り倒してやります。

 麻疹の予防接種には、インフルエンザの予防接種とは比べ物にならない意味があると思っています。

投稿: JSJ | 2010年8月11日 (水) 09時18分

トピずれ気味かつごくごく個人的な見解ですが、予防接種問題に関してはマスコミに盛んにバッシングされていた当時、適切に反論出来ずかえって誤解を広めるのに荷担した一部の医者の責任でもあると思います。
予防注射にしても全部が同じ意味を持っているわけではなく当然それぞれ意図する目的も重要性も全く違うのですが、十把一絡げな持論を振りかざすエセ科学な方達にいいように振り回され続けていた印象がありますし、それを見た人々がどう感じたか想像に難くありません。

さすがにインフォームドコンセント云々が教育現場にも滲透してきて以降の世代はずいぶんと喋りもまともになりましたが、旧世代の医者の説明下手というのは判っている人間が聞いていても意味不明レベルなものが多く、医者という権威を離れて見ると素人目に何ら説得力を感じるものではありませんでした。
マスコミ的には権威ある専門家が怪しげな連中にやり込められる構図が痛快で敢えてそういう人間ばかり呼んでいたのかも知れませんが、医者も客商売である以上は素人相手に何が要点なのかを簡潔明瞭に説明するスキルをもっと磨いてもらわないと困るはずなんですが…

投稿: 管理人nobu | 2010年8月11日 (水) 10時10分

>逆に相手に突っ込まれるのを待ち受けてて同じ土俵の論戦に引きずり込もうとしている、なんて深慮遠謀はさすがにないかw

はい、ありません。日本周産期・新生児学会が専門家の集団としては恥ずかしいと思うだけです。
(私はただの小児科医です)

投稿: 京都の小児科医 | 2010年8月11日 (水) 12時17分

治療が必要な病気である、と診断し、治療法を説明することも医療行為に他ならないのだけれど、ホメオパチーを信奉する恥知らず達は、責任逃れに終始しているなぁ。。。。。

患者かどうかの判断を素人が行うということが如何に危険で恐ろしいことかが、うまく世間に広まると良いのだけれど、一定の割合で、「ご利用は計画的に」できない救いようのない者が存在し続ける限り、食い物にするヒトデナシは根絶できないのでしょう

投稿: Med_Law | 2010年8月12日 (木) 05時08分

>日本周産期・新生児学会が専門家の集団としては恥ずかしいと思うだけです。
緊急声明ってのはメッセージ性を誰にでも判るようにはっきり示すのが第一なんだから、今回のような教科書レベルのネタにまでいちいち事細かにソースつけるべきとは思わないなあ
むしろ不満があるとすれば、今回の緊急声明が「VK2使う使わないは本人の自由」だって言ってるホメオパシーに対する反撃には全然ならずに、意図的に実施しなかった主体である親に対する攻撃にしかなってないことだよね
あそこの学会は非医師も入れると思ったけど、結構ホメオパシー派も入り込んでいるのかしらん

投稿: | 2010年8月12日 (木) 07時20分

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