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2010年8月 9日 (月)

また詐欺の被害者が出たそうです

先日は県立宮古病院の偽医者問題が発覚したばかりですが、あちらの場合は医者とつきあいがあっただとか患者歴が豊富だったといったキャリアがあったせいでしょうか、院長すら騙してしまうほどそれは見事な偽物ぶりであったようです。
今回ふたたび偽医者問題が発覚しましたが、こちらは素人にも気付かれるほどのお粗末ぶりだったようで、どうももう少し質的向上を図れよと言いたくなりますよね(本気で図られてもそれはそれで困りますが)。

ニセ医者、1府2県で健診 詐欺未遂容疑で無職男逮捕(2010年8月6日共同通信)

 医師免許がないのに診療所などで健康診断をし、診療報酬をだまし取ろうとしたとして、大阪府警枚方署は6日までに、詐欺未遂容疑で、同府交野市藤が尾1の4、無職加藤義勝容疑者(43)を逮捕した。

 枚方署によると、加藤容疑者は「わたしは偽医者です。医師免許は持っていません」と供述。医師の人材紹介会社大手「リンクスタッフ」(東京)に医師として登録し、7月中に大阪、滋賀、鳥取の1府2県の計6カ所で健康診断をしていた

 逮捕容疑は7月27日、医師免許があると虚偽申告してリンクスタッフから紹介を受けた大阪府の民間診療所で、団体職員の問診や聴診をし、診療報酬約6万円を自分の銀行口座に振り込ませようとした疑い。この日はほかの医師と2人で約200人を診断していた。

 枚方署によると、紹介先からの苦情や面接での受け答えに不審な点があったため、リンクスタッフが110番した。

 リンクスタッフは「捜査中なのでコメントできない」としている。

偽医者健診、詐欺未遂で逮捕=専門人材会社が派遣-大阪府警(2010年8月6日時事通信)

 医師と偽って人材派遣会社に登録、健康診断を行って診療報酬をだまし取ろうとしたとして、大阪府警枚方署は6日までに、詐欺未遂容疑で同府交野市藤が尾、無職加藤義勝容疑者(43)を逮捕した。
 同署によると、「一回も医師免許を取ったことはない」と容疑を認めているという。加藤容疑者は医師専門の人材派遣会社「リンクスタッフ」(東京)に医師と偽って登録。7月中に少なくとも大阪、滋賀、鳥取の1府2県で6回の診療行為を行っていたという。同署は、同社に登録した経緯を調べている
 逮捕容疑では、加藤容疑者は7月27日、リンクスタッフから派遣され、大阪府の診療所で行われた団体職員の健康診断で問診や聴診を実施、診療報酬として約6万円をだまし取ろうとした疑い。健康被害などの訴えはないという。
 リンクスタッフは、登録の際には医師免許の提示を求め面接を行うなどとしているが、今回の件については「捜査中なのでコメントを差し控える」としている。

苦情多い派遣医師、やはり免許なかった 詐欺未遂で逮捕 大阪(2010年8月6日産経新聞)

 医師免許がないのに診療報酬を得ようとしたとして、大阪府警枚方署が、詐欺未遂の疑いで、交野市藤が尾、無職、加藤義勝容疑者(43)を逮捕していたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。

 逮捕容疑は、医師免許を持っているように装って、医師や看護師の紹介を業務とする大阪市中央区の派遣会社に登録。今年7月27日、府内の民間診療所で健康診断に伴う問診を行い、診療報酬約6万円をだまし取ろうとしたとしている。

 加藤容疑者の 派遣先からの苦情が相次いだため、派遣会社のスタッフが同月30日、加藤容疑者の自宅に赴き免許の有無を確認。免許を持っていないことが発覚したため、枚方署に110番し、加藤容疑者は翌31日に逮捕された。

 加藤容疑者は調べに対し容疑を認めているという。7月中に少なくとも6回の診療行為を行った疑いがあり、同署は医師法違反容疑でも調べる。

無資格で市の健康診断か 報酬詐欺未遂容疑で逮捕(2010年8月6日朝日新聞)

 医師を装って医療報酬をだまし取ろうとしたとして、大阪府警枚方署は、同府交野市藤が尾1丁目の無職加藤義勝容疑者(43)を詐欺未遂容疑で逮捕した。加藤容疑者は公的機関で実施された健康診断で医療行為をした疑いがあるといい、同署は医師法違反容疑でも捜査している

 枚方署によると、加藤容疑者は医師の資格がないのに、7月27日に同府摂津市役所であった職員健診で問診などをし、報酬約6万円を詐取しようとした疑いがある。加藤容疑者は大阪市内の人材紹介会社に医師として登録し、大阪や鳥取、滋賀の企業など計6カ所で健康診断をしていたという。

「手際が悪い」などのクレームを受けた同社が調べたところ、加藤容疑者が無資格を認めたため、警察に通報したという。加藤容疑者の名前は厚生労働省の医師免許取得者のデータベースになかったが、加藤容疑者は会社側に「個人情報を悪用されないように登録していない」と説明していたという。同社は朝日新聞の取材に「捜査中なのでコメントできない」としている。

しかし各社の記事では医療報酬あるいは診療報酬をだまし取ろうとしたとして云々と言っていますけれども、別にこの偽医者氏は医師と偽って診療に従事したり健診の報酬を搾取しただけで、診療報酬をだまし取ろうともしていないしだまし取ってもいないように思いますが、例によって捏造なんですかね?(苦笑)

それはともかく、こういう記事を見ていて「医療現場はそこまで人材が枯渇しているのか」と感じる人もいるのでしょうが、逆に健診なんて「誰も行きたがらない仕事」だからこそつけ込む隙があったという考え方も出来るでしょうね。
現場診療に忙しい医者にとっては「病人の相手だけでも大変なのに、この上健診なんてやっていられるか」ですし、しがらみで断り損ねた人か健診以外に出来ないような人、あるいはよほどリスクマネージメントを優先する御仁くらいしかなり手が見つかりにくいものです。
派遣を受ける側にしても所詮健診という意識がありますから医者であれば誰でもいいという感覚になりがちで、そこいらあたりの事情までくみ取った上で行けるとふんで仕掛けた詐欺だとすれば、案外業界事情に通じた上での犯行ということなんでしょうか?

一方で記事を読んでいてよく判らないのが「リンクスタッフは、登録の際には医師免許の提示を求め面接を行うなどとしている」というのに、素人でも判るようなレベルの低い詐欺師に騙されるだけならともかく、医師免許の確認をした気配がないのはクレームがついた後で免許の有無を確認した云々という話からも明らかですよね。
もしや登録時の規定には医師免許の提示を「求め」るだけで、拒否された場合に敢えて確認をすることまでは求めていなかったという斜め上な事態も予想されますが、いったいそれではこの偽医者氏は何をどうやって派遣会社を騙したのかとは気になるところで、スポニチの記事からそのあたりを引用してみましょう。

ウソだらけの偽医者「海外でボランティア」「私鉄大手の一族」(2010年8月6日スポニチ)

 無免許での健康診断による診療報酬詐取未遂事件で、大阪府警が逮捕した無職の男(43)が、医師の人材紹介会社に登録した際「大阪市の総合病院で心臓外科と内科を担当」などと偽の経歴を伝えていたことが6日、医療関係者への取材で分かった。

 逮捕容疑となった7月27日の健康診断は、大阪府摂津市役所の職員健診だったことも判明。枚方署は紹介会社「リンクスタッフ」(東京)が加藤容疑者の医師免許や経歴の確認を怠った可能性もあるとみて調べている。

 医療関係者によると、容疑者は同社に経歴を申告。同社から紹介を受けたクリニックでは「インドネシアやカンボジアで医療ボランティアをしていた」「私は関西私鉄大手の創業者一族」などと話していたという。

いやまあ、敢えて事細かには突っ込みませんけれども…こういう突っ込みどころ満載な売り込みというものが、世間的にはいかにも「これは素晴らしい先生だ!医師免許確認などすっ飛ばしてでもすぐキープしておかなければ!」と思わされるような説得力を持っているということであれば、これはこの世界の何がどう間違っていたということなんでしょうかね?
しょせんこうした健診なんて偽医者だろうがなんだろうが誰だろうが関係ないじゃないかという意見もあるだろうし、健診というのは治して欲しい人間だけがやってくる病院業務と違って健常人相手ですから、偽医者だろうが本物だろうがクレームが来るときは来るという難しさもありますけれども、一応専門職としての給料を支払うという以上は資格確認もしなかったのは弁護の余地がないミスとは言えるでしょう。
一昔前であればこういう仕事は大学医局などが割り振りをしていたわけで、いわば黙っていても保証書付きの人材が送られてきていたわけですが、今の時代この手の民間派遣会社などから医師派遣を受けるという局面も増えているわけですから、派遣会社側のみならず派遣を受ける側もどこでどうチェックをかけていくかというのを早急に考えていかなければならないですよね。

道義的・刑事的には詐欺師である当の偽医者氏が罪に問われるべきなのは当然ですが、民事賠償ということで考えると「医師を派遣してくれ」という要求に対して偽医者を送りつけてきた派遣会社が契約違反をしたということになりますし、そもそも無職の偽医者氏が損害賠償に応じられるはずもない以上はどこに損害賠償の請求書が回るかは火を見るよりも明らかなように思えます。
今回は大手が引っかかったわけでお粗末と言うしかありませんが、派遣業界というところも質的格差が著しいとは聞くところで、今ちょうど医療業界が人材不足である一方脱医局でフリーの医者も増えてきている、これは大きなビジネスチャンスだと軽い気持ちで参入しているようですと、後になって思いがけないツケを払う羽目になるかも知れないということでしょう。
もちろん医療の側でも最低限医師免許原本確認や医籍登録確認などの確認作業は必要ですし、今のところ騙されているのはそうした基本的作業すら怠ったあまりに杜撰な人たちであったのも確かですが、このあたりの身分保障はいかにも性善説的にシンプルなもので、詐欺師が本気でやる気なら幾らでも騙しようがありそうなだけに、こういう時代の変化に応じてより実効的な資格確認法を制度としても考えていく必要があるのでしょうね。

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コメント

いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

投稿: 履歴書の書き方の見本 | 2010年8月 9日 (月) 18時19分

http://ameblo.jp/monozukuri-service/entry-10614381410.html


派遣ではなく紹介であるならば、直接雇用を行った民間診療所の責任は免れないであろう。

すべて被害者とも言えるが

投稿: | 2010年8月11日 (水) 00時43分

枚方警察署のことは全く嘘であります。俺も被害者だあれは上司の森田修二に旨く利用された。真実は俺が話すから連絡しなさい。
あれは医療派遣事業のリンクスタッフの陰謀である。リンクスタッフは今でも偽物医師や偽物検査技師を作っている。

投稿: 加藤義勝 | 2012年8月 5日 (日) 06時01分

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