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2010年8月26日 (木)

「荒唐無稽」学術会議がホメオパシー完全否定 日医も全面的同意を表明

昨日から一斉にこういうニュースが出ていまして、すでに御覧になった方も多いんじゃないかと思います。
むしろここまで出さなかった方がおかしいとも言える内容ですが、権威筋が「全面否定」という形ではっきりと公式声明を出したのは悪いことではありませんし、世間的にもこの「異例の談話」の意味をくみ取っていかなければならないところでしょう。

ホメオパシー、学術会議が否定=「根拠なく荒唐無稽」と談話(2010年8月24日時事通信)

 日本学術会議は24日、最近広まっているとされる療法「ホメオパシー」について、「科学的に明確に否定されている。治療に使用することは厳に慎むべき行為」との金沢一郎会長(皇室医務主管)名の談話を発表した。
 ホメオパシーは、健康な人間に投与するとある症状を引き起こす物質を患者にごく少量投与することにより、似た症状の病気を治すという療法。植物や鉱物などを入れてかくはんした水を極めて薄く希釈、砂糖の玉に染み込ませて与えるなどする。
 国内では、医療関係者の間でも一部で使用が広がっているとされる。中には、頭蓋(ずがい)内出血防止に有効なビタミンK2シロップの代わりとしてホメオパシー治療を受けた乳児が死亡し、親と助産師の間で訴訟に発展したケースもある。
 談話は、ホメオパシーについて「科学的根拠がなく、荒唐無稽(むけい)。今のうちに排除しなければ、『自然に近い安全で有効な治療』という誤解が広がり、深刻な事態に陥ることが懸念される」としている。 

ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話(2010年8月25日朝日新聞)

 通常の医療とは異なる民間療法「ホメオパシー」について、日本学術会議(会長=金沢一郎東大名誉教授)は24日、「科学的な根拠は明確に否定され、荒唐無稽(こうとうむけい)」とし、医療従事者が治療で使わないよう求める会長談話を発表した。山口市の女児ら死亡例が出たことを重視。通常医療から患者を遠ざける懸念があるとして、一般に広まる前に、医療現場から排除する必要があると判断した。科学者の代表機関が、特定の療法を否定するのは極めて異例だ。

 金沢会長が会見で発表した。日本医師会や日本歯科医師会、日本獣医師会など6団体も談話に賛同し、会員に周知する方針だ。厚生労働省は、普及団体について、医師法や薬事法などの観点から注目し、情報収集を始めた。

 会長談話では「ホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、養成学校までできていることに強い戸惑いを感じる」とした上で、「治療効果は明確に否定されている」と指摘した。さらに「今のうちに、医療現場から排除されないと『自然に近い安全で有効な治療』という誤解が広がり、深刻な事態に陥ることが懸念される」として、医療関係者が治療に使うことは厳に慎むよう呼びかけた。一方で、「十分理解した上で、自身のために使用することは個人の自由」としている。

 学術会議の唐木英明副会長は「(ホメオパシー治療で使うのは)『ただの水』で『副作用はない』のはもちろんだが、科学的に全否定されているものを医療従事者が使えば、患者を通常の医療から遠ざけかねず危険だ。『ホメオパシーは効かない』というメッセージを伝えることが重要と考えた」と説明した。

 日本学術会議は、約84万人の科学者の代表として選ばれた210人の会員と、約2千人の連携会員からなる日本の「頭脳集団」。政府に対する政策提言や社会への啓発などを行う。

 皇室医務主管で神経内科医の金沢会長や、東大名誉教授(毒性学)の唐木副会長らが約1年半前から、この問題を議論してきたという。今年に入り、ホメオパシーを受けている人の中で通常の医療を拒否して、死亡したり症状が悪化したりした疑いの濃い例が相次いで表面化した。

 山口地裁では5月、新生児が一般に投与されるビタミンKを与えられず死亡したとして、ビタミンK投与の代わりにホメオパシー療法を行った助産師を相手取り損害賠償を求める裁判も起きている。こうしたことを受けて、学術会議では急きょ、会長談話を出すことを決めた。

 談話の根拠として、2005年に英医学誌ランセットで発表された治療上の効果はないとする論文などを重視した。「物質が存在した記憶を水が持っている」などの主張も荒唐無稽だと指摘。英国下院科学技術委員会が出した科学的根拠がないとする勧告や、英国医学会が出した「ホメオパシーは魔術」という宣言も参考にした。

 国内では主に1990年代後半から、日本ホメオパシー医学協会など複数の団体が実践、普及を進めている。同協会は、この療法を指導、指示するホメオパシー療法家の養成学校を北海道から沖縄まで全国7カ所に設置している。利用者数など詳しい実態は分からないが、食品添加物や農薬など化学物質を避けようという「自然派」志向の女性らの間で広がっている。雑誌などで「効果」をPRする著名なタレントや歌手、俳優もいる。治療に導入している大学病院もある。医学協会は、計20以上の診療所や歯科医院、動物病院と提携している。(岡崎明子、長野剛)

    ◇

 会長談話について、日本ホメオパシー医学協会は「ホメオパシーの治癒効果は世界中で広く認められている。きちんと調査することもなく、荒唐無稽と断定する極めて非科学的な態度にあきれている。世界的にも普及しており、日本学術会議の見解、認識は世界の情勢と著しく乖離(かいり)している」などとするコメントを寄せた。

    ◇

 〈ホメオパシー療法〉植物や昆虫、鉱物などの成分を限りなく薄めた水にして砂糖玉に染み込ませた「レメディー」を、飲み薬のようにして使う民間療法。がんや皮膚病、精神疾患などほぼすべての病気を治療できる、と普及団体は主張している。

 欧州では200年の歴史があり、一部の国では公的医療保険も適用されてきた。しかし、治療上の効果はないとする研究が相次いで発表された。ドイツでは2004年から保険適用をやめた。


ホメオパシー 日本医師会・医学会、学術会議に賛同(2010年8月25日朝日新聞)

 日本学術会議(会長=金沢一郎東大名誉教授)が、通常の医療とは異なる民間療法「ホメオパシー」の科学的根拠を全面否定する会長談話を出したのを受け、日本医師会と日本医学会が25日、共同会見を開き、賛同する考えを表明した。治療でこの療法を使わないよう、会員らに周知徹底する考えも示した。他にも賛同する団体が相次ぎ、医療現場で排除しようという動きが広がりつつある

 会見には、日本医師会の原中勝征会長と日本医学会の高久史麿会長が出席。原中会長は「ホメオパシーが新興宗教のように広がった場合、非常に多くの問題が生じるという危機感を持っている」と、賛同の理由を話した。医師会の見解は、ウェブサイトに掲載し、会員への周知を図る。

 高久会長は「この療法に頼り、通常医療を受けずに亡くなった人も出ている。学会として全面的に学術会議の会長談話を支持する」と述べた。日本医学会には108の学会が加盟している。山口市で、ホメオパシーを実践する助産師が女児にビタミンK2を与えずに死亡したとして訴訟になっていることを受け、助産師が加入する日本看護学会にも個別に賛同を呼びかけるという。

 この日までに、日本獣医師会と日本獣医学会、日本薬理学会も賛同を表明。日本歯科医師会と日本歯科医学会も、26日に正式表明する予定で、賛同は計7団体に上る。

 また、ホメオパシーを実践していた東京都内の病院が、ウェブサイトから該当ページを削除する動きも出ている。

 長妻昭厚生労働相はこの日、患者を通常医療から遠ざけることになる恐れに対し「本人の意思に反して、病院に行かないようなことがあれば問題」と発言。省内で議論し、必要があれば調査に乗り出す意向を明らかにした。(岡崎明子)

ホメオパシーに関する学術会議談話に「全面賛成」―日医と日本医学会(2010年8月25日CBニュース)

 日本医師会の原中勝征会長と日本医学会の高久史麿会長は8月25日、東京都内で記者会見し、日本学術会議の金澤一郎会長が24日に発表した「ホメオパシー」に関する談話の内容に全面的に賛成するとの見解を発表した。

 ホメオパシーは、植物や動物、鉱物などを水で希釈して得た水を含ませた砂糖玉「レメディー」を用いる代替療法。同会議の会長談話では、「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている」として、医療関係者が治療に使用することは認められないと強調。ホメオパシーに頼ることで、「確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性がある」との懸念を示している。

 高久会長は会見で、「学術会議の唐木(英明)副会長から、ホメオパシーの問題について医学会でも検討してほしいとの申し出があった」と説明。これを受け、医学会に加盟する76の臨床系学会で会議を開き、「ホメオパシーは科学的根拠がない医療であることで一致した」という。また、ホメオパシーのみの治療によって死者が出たとの報道や同会議からの要請により、日医と共同で見解を出すことになった。

 原中会長は「全く根拠のないことが広がって、1つの新興宗教的な感覚で広がることに対する危機感を持たざるを得ない」との懸念を示した上で、「国民の皆様に警告として早くお話しておかないといけないだろう(と思った)。『これさえ飲めば治る』ということが蔓延して、病気が進行してしまう」と述べた。
 高久会長は「普通の治療とホメオパシーを併用しているところと、ホメオパシーだけをしているグループがある」と指摘。ホメオパシーのみでは治療効果がなく、「生命にかかわる問題が起こる」と述べた

 ホメオパシーを活用する会員がいた場合への対応を問われた原中会長は、「犯罪にならないような問題でも、医学的におかしいような行為をしていることに関しては、きちんと注意を与える医師会になっていこうと思う」と述べ、自浄作用を持つ必要性を強調した。
 原中会長はまた、長妻昭厚生労働相が25日、ホメオパシーなどの効果について厚労省内で研究する方針を示したことについて、「その動向、結論を興味深く見守りたいと思う」と述べた。

ちなみに実際の学術会議から発表されたコメントは日医獣医師会のHPで公表され、それぞれ「全面的に賛成(日医)」「賛意を表する(獣医師会)」という両会のコメントが付記されています。
会見で日医の原中会長が「新興宗教」という言葉を使ったことからも伺われるように、「科学的に明確に否定され、荒唐無稽」なものが「自然に近い安全で有効な治療」などと国民に誤解されてしまうことに対する強い危機感がにじみ出た内容で、無効であるでもなく有効でないでもなく「使うな」という明確なメッセージとして発信されたことは非常に意味があることだと思いますね。
この背景には「自然に近い」云々を旗印にホメオパシーにも傾倒してきた助産師グループの存在が念頭にあるだろうことは想像できるところで、例えば先日の死亡事故を受けて助産師会筋から出たコメントも何らホメオパシーを否定しないどころか、「山口の問題で、K2のレメディーを使うのは、自重せざるを得ない」などと、まるで「残念だがしばらくは大人しくしないと仕方がない」とも受け取れるようなものだったわけですよね。
今後医学会からも助産師会に働きかけるということですから経過を見守るとして、今回ホメオパシーに対して学術会議の方のスタンスがどういうものか、朝日新聞の記事から会見の様子を引用してみると判りやすいかと思いますが、一言で言えば「一刀両断」ということになるのでしょうか。

「ホメオパシー」についての日本学術会議会長談話の記者会見(2010年8月25日朝日新聞)より抜粋

 記者との懇談会という形で開かれた。前半は、勧告「総合的な科学・技術政策の確立による科学・技術研究の持続的振興に向けて」について。後半が、会長談話「ホメオパシー」について行われた。
(略)
唐木 一番大事なところは、たぶん会長談話の一番最後の3行になります。ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います――というのが、一番大事なところだと思います。
(略)
記者2 朝日新聞の岡崎と申します。2点ありますが、まず1点、なぜこのような会長談話をいまのタイミングで出されたのか、その背景について教えてください。

金沢 あの、これはですね、学術会議っていうのの役割と関係があるんですけどね、いくつか役割があるわけですが、たとえば政策提言ですとか、そのなかの一つに「科学リテラシーの向上」というのがあるんですよね。まあちょっと、リテラシーという言葉が適切ではないかもしれないけれども、国民のみなさんが科学に対してもっている力っていうかね、それを向上させた方がいいと。科学をもっときちんと理解していただくのがいいと。そういう役割があるんですね。そういう意味でですね、たとえばサイエンスカフェだとか、サイエンスアゴラだとか、いろいろやってはいるんですけどね。そうはいうものの、ものを申さなければならない場面というのがあるわけですよ。たとえば、これはいい例かどうかわかりませんけれども、当時の委員だった唐木先生がまとめられたんですが、BSEに対するまとめとか、最近まとめた遺伝子改変作物のまとめなどがあるわけですね。そういう科学を無視してくださらないでちゃんと理解してください、ということを言い続ける義務があるわけです。学術会議にはですね。

 その一環として、いろいろなものを見ていくんです、常に。そのなかの一つにホメオパシーがありました。えー、ところがですね、ご存じのように事件が起こった。で、これは放置するわけにはいかないと思って出したわけです。もちろん決着がついていない、ということはよく知っています。しかし、さきほど最後の3行が読まれましたけれども、やはり医療関係者がこれをすすめるというのは非常に問題がある、ということであります。

記者2 2点目の質問なんですが、この談話を出すだけでなく、たとえば実態調査なり、または厚労省への働きかけとか、学術会議として何かアクションをすることは。

金沢 わかります。大変わかるのですが、あの、談話を出すことがファーストステップだと思います。さきほど「科学リテラシーの向上」といいましたが、誰が向上するのかというとそれは厚労省の方なんで、向上してもらいたい。直接自分で聞いたわけではないですが、厚生労働大臣がなにか口走ったことがあるようで、それはやはり、向こうで考えてもらわないといけない。名指しをする必要はないでしょう。わざわざ反発を招く必要はない。むしろ理解してくださるのが本来の形ではないかと。
(略)
記者4 先生の眼から見ると科学的ではないものが、一方では日本でも世界でも多くの方に、まあ日本ではそれほど多くないと思いますが、世界で一定の影響力をもっているということは、どういう背景があるのだと、いま認識されていらっしゃるのか。

金沢 それは難しい質問ですね。社会学的な考察が必要かもしれませんね。ハーネマンがこういうのを考えついた背景には、当時は本当に西洋医学というものがほとんどない時代ですから、当然といえば当然かもしれないが。いったん、しかし、西洋医学がこういうものを排除した歴史はあるんですよね。最初ゼロからこういうものがスタートして育ってきている、というわけではない。いったんこれはしずまっているんですよ。それがまた盛り返してきている、というように見えるのがたぶん大事なポイントなんだろうと思います。

 それは、反省すべき点がないとはいえない。西洋医学が、患者さんたちに、苦しい思いをしている方々に、どういうアプローチをしてきたかということは、確かに問題になるかもしれません。ただそのこととですね、いいですか、そのことと、科学的に否定されていることだっていいではないか、ということは別物です。ここはあなた方には区別してもらわなければならない。科学を無視してはいけない。そういうことです。あえてここには入れておりませんが、そのほかの替わりになるいろいろなものがありますよね。それをあえて入れていないのはですね、必ずしもみんな、科学的に否定されているものではないからです。これはちょっと余計なことを言ったかもしれないけれども、科学的に否定されたものを、信じさせてはいけません。そういうことです。

記者5 日本ホメオパシー医学協会の「ホメオパシックジャーナル」をやっています。あの、今回…

金沢 議論はしませんよ。

記者5 議論ではなく、調査というのは、どのぐらいホメオパシーについてされたのでしょうか。具体的に、調査が世界中のホメオパシーについて。これを見ると、あまり深く調査されていないような。

金沢 これ見てください。

記者5 あの、、、

唐木 科学の世界では、ホメオパシーは100%否定されています。それで十分だろうと思います。

記者5 調査はどのぐらいされたのかを教えていただきたい。

唐木 調査って、何をおっしゃっているのですか?

記者5 ホメオパシーに関する。

唐木 ホメオパシーの何ですか。ホメオパシーの有効性ですか。

記者5 有効性かどうかわかりませんが、実態がどのようになっているのかという点と、あとホメオパシーが現在問題になっているといいますが、問題になっていることが事実なのかどうか、事実になっているかわかっていないものをあげられていますけども。そのへんについてどのようにお考えになっているのでしょうか。

唐木 会長がさきほどご説明されたように、科学でないものを治療と称して使うことは、適切ではない。というのが、われわれの見解です。

最後に当事者が登場して盛り上がるかと思えば歯牙にもかけずで終わったのが気の毒なような気もしますけれども(苦笑)、記者レベルで見てもこの人たちはこの調子なんだなと言うことがよく判ったという点では、大勢の一般紙記者達の目の前でいい実例を提示していただいた形になりましたかね。
ただこの一連の騒動に関して振り返ってみると、あやしい「新興宗教」で死人まで出て専門家集団が緊急声明を発表するなんていう、マスコミ的にこれほどおいしいネタはないという状況なのにも関わらず、どうも記事検索などをかけてみても今ひとつ食いつきが悪いようでほぼスルーしているところも多いですよね。
一部?のマスコミと言えば今までさんざんホメオパシーで儲けてきたところも多いでしょうから、過去のしがらみからもおいそれと批判に転じにくいという事情もあるのでしょうが、ジャーナリズムとしてそれでいいのかどうかはまた議論の対象となるところでしょう。

とは言え、一応日医や獣医師会といった各医療方面での統括団体(日医の求心力が云々はこの際別な話として)がこうして公式に「使うなよお前ら」と会員に示してしまったわけですから、一部のホメオパシー愛用派の医師らが今後どうしていくのか、あるいはお産絡みで開業助産師と産科医との関係がどうなのかといった問題が派生していくことが予想されますよね。
実際にすでに一部病院でホメオパシー関連の記述をHPから抹殺する動きも出てきているようで、これに対して当然ながらと言いますか、ホメオパシー推進派の側でも反論の声が上がっていますけれども、いつものホメオパシー医学協会のHPには未だ近日公開の告知だけしか出ていません(こうして告知だけでも即座に出してきたあたりが、彼らの関心あるいは危機感の高さを示しているのでしょう)。
というわけで今のところ同協会からのコメントとしては前述の記事にもありますように、「欧米の実績ですでに十分立証されている」といった従来の主張の繰り返ししかありませんけれども、同協会に対立する立場である日本ホメオパシー振興会系列のハーネマンアカデミー学長である永松昌泰氏が公式ブログでこんなコメントを公表しています。

日本学術会議の会長の談話(2010年8月25日永松学長のひとりごと)

突然、降って湧いたように、
日本学術会議の会長の談話が発表されました。

http://www.asahi.com/national/update/0824/TKY201008240373.html

「ホメオパシーは『荒唐無稽』 学術会議が全面否定談話」
談話内容にも、また、その異様に強い調子も、驚きでした。

記事にもあるように、
「日本学術会議が特定の療法を否定するのは極めて異例」です。
(実際には会長談話ですが)

日本学術会議会長といえば、
敬愛する朝永振一郎先生、伏見康治先生、
また、直接お会いしたことはありませんが、
近藤次郎先生、吉川弘之先生、と
錚々たる素晴らしい科学者が、
歴代の会長を務めてこられました。

ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ニールス・ボーア、ハイゼンベルグ、
湯川秀樹、朝永振一郎・・・
という科学者の輝かしい系譜。

未知に対する畏敬の念を常に忘れないのが、第一級の科学者だと思います。

科学は、「未知」を一つ一つ「既知」に変えていく、粘り強い試みですから。
科学は、「系の限定」から始まるのですから。
科学は、「測定可能」なものしか対象にできないのですから。
科学は、もともと広大無辺な森羅万象の、
ごく一部だけを相手にしたものに過ぎないのですから。

金澤一郎会長が、どのような方なのか、
ご経歴以上のことは、よくは存じ上げません。
もちろんご経歴は、
大変ご立派な、非の打ちどころがない方でいらっしゃいます。
おそらく人格的にも素晴らしい方なのだと拝察します。

ただ、談話の内容を拝見いたしますと、
ホメオパシーについてもさることながら、
科学の本質、科学的態度という観点からも、
深刻な疑問を抱かざるをえません

単に、ホメオパシーを前近代的な遺物としてとらえ、
「科学の無視」「荒唐無稽」という
極めて強い調子で、ホメオパシーを全否定なさっています。
そこまで自信をお持ちになってお書きになられる根拠は、
それほど磐石なものでしょうか?
金澤会長は、ホメオパシーについて、
どこまで本当にご存知なのでしょうか?

残念ながら、書かれている内容で、
なるほど!と、首肯できるところは、
今のところ、私にはありません

当振興会では、
「本来のホメオパシーとは何か」
という根本的問題をまず明らかにすることを急務と考えていますので、
この談話についての正式なコメントは、
まだ先になりますが、
ホメオパシーの科学性については、
「本来のホメオパシーとは何か」をHP上に掲載した後、
既に予告していますように、
じっくりとブログに掲載しますので、
当面の間は、それをもって
今回の日本学術会議 金澤一郎会長の談話に対する、
「準コメント」とさせていただきます。

まあ、失礼ながら治療として行われている何かが有効かどうかを判定するという点からすると、ホメオパシーであれ何であれその深遠なる理論(笑)を熟知する必要など全くないわけで(刃物が切れるかどうかを比較検討するのに、その製法の秘伝を知る必要はないですよね?)、ホメオパシー医学協会を始めこうした方々の「彼らはホメオパシーを知らない」云々は全く的外れも良いところだと思いますけれどもね。
永松氏としては要するに今のところ系統だった反論もないのでじっくり考えますということなんですが、こうして見ますと今回の学術会議の談話というもの、個別にあれはどうだ、これはこうだと例を挙げてのものでもないだけに、実は意外に反論するにもとっかかりがないという意味ではやっかいなんだろうなとは思いますね。
ちなみに今後の素晴らしい反論が期待される永松氏の主張する「本来のホメオパシー」なるものがどのようなものなのか、以前にホメオパシーに傾倒する琉球大理学部の大瀧丈二氏(松本丈二の名の方が有名かも知れませんが)との対談が素晴らしい内容でしたので引用させていただきましょう(しかし相手をする松本氏の方も相当に電波濃いめで、見てるだけでくらくらしますけれどもね…)。

琉球大学理学部・大瀧丈二氏によるホメオパシーについての見解(2010年8月11日kikulog)より抜粋
【ホメオパシーと科学性】セミナーの対談を視聴しましたが、相変わらずの現代医学否定です。

松永氏の話の内容

・現代医学は例えば実際には存在しない(?)「糖尿病」を枠として捉えてしまって個々の患者を診ていない
・薬剤師さんの証言として数十万人から100万人の例を知っているけれど病院の薬で治ったと思える人は一人もおらず新たにどんどん重い病に罹っていく
・ホメオパシーには空理空論は一切存在しない
・分子が一つも残されていないことを理由に否定する科学教に取り憑かれた人達の狭量な愚かさ
統計は抽象であり条件を操作すればどんな結果でも導き出せる曖昧なものなので迂闊に信じてはいけない
・実験の再現性というのは実験する人の技量の問題があるので無意味
真の科学者である松本先生などはちゃんとこれらを知っている。


松本先生の話 

統計はトリックであり、ある一面しか示していない。特に生物学の場合はどういう視点で何を計るかが違うとガラッと変わるので科学者は統計に固執しない
・統計は"お化粧"であり自分の論を尤もらしく正当化するためのもので、それがサイエンスというもの
統計で差異がが出なくて否定されても、その研究者が何か違いがあると思うのならば、そこにはやはり何か違いがある
・統計はあくまでも、その研究者の主観や感性を反映させる為に使うもので、実際にそういう風にしか使えない

はい「真の科学者」認定出ましたね~…(苦笑)というところですが、しかし松本先生もこのレベルでよく学位取れましたねと別な意味では感心します(まあ、粗造な学位も多いですが…)。
個人的見解を言わせていただくなら、一応は学術的体裁を保とうと形を取り繕おうとしている気配のあるホメオパシー医学協会よりも、こちらの方が電波濃いめなだけ真面目に相手にするのも疲れるのかなという印象ですが、それでは無視すればいいだけかとはならないのがこの手の問題の難しいところですよね。
たとえば「日刊カルト新聞」などでも先日以来のホメオパシー医学協会の反論にいちいち突っ込んでいて笑わせていただいたのですが、逆にいえば一応科学を装う同協会の方にはソースをつけて突っ込みを入れる余地もあるということで、「それでもホメオパシーの効果は実在する!」一辺倒で押してこられた場合には神がいないことの立証が難しいのと同様、ホメオパシーも「効果は実証できない」としか言えないともなりかねません。
となると、とりあえず今回の学術会議の出してきた談話を受けて世間がどう動くべきかという部分が重要になってくるわけですが、いささか長くなったので明日以降に続けさせていただこうと思います。

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