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2010年7月15日 (木)

日医没落の時代 まずはこんなところから手をつけてみては

本日まずは先日参院選のもう一つの結果の方をおさらいしておきましょう。

【参院選】日医連の3候補共倒れ 参院で組織内議員不在に(2010年3月12日産経新聞)

 参院選比例代表で、日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」(日医連)が推薦した民主党新人の安藤高夫氏が落選した。支援にとどめた自民党現職の西島英利、みんなの党新人の清水鴻一郎両氏も議席を得られず、共倒れとなった。

 日医連は、旧全国区、比例代表を通じて、組織内候補を自民党から擁立し、強力な集票力を背景に高位当選を果たしてきたが、3年前の参院選で自民党から出馬した武見敬三氏が落選しており、組織内参院議員が姿を消すことになった

 日医連は、今年4月の日医会長選で「親民主党」を掲げた原中勝征会長(日医連委員長)が当選したのに伴い、自民党支持から民主寄りに方針転換。当初推薦候補だった西島氏は「支援」に格下げとなった。日医連は3人全員の当選を目指していたが、全員が苦杯をなめた。

日医連推薦、支援の3氏が落選-2010年参院選(2010年07月12日CBニュース)

 政権交代後初となる第22回参院選で、日本医師会の政治団体である日本医師連盟(日医連)や病院団体の推薦を受けて比例代表に立候補していた民主党新人の安藤たかお氏は、医療再生の必要性を強調して支持を訴えたが、及ばなかった。また、日医連が「支援」した自民党現職の西島英利氏と、みんなの党の清水鴻一郎氏も落選し、日医連が推薦、支援した3候補がいずれも落選する結果となった。

 選挙戦で安藤氏は、「医療界初の統一候補」をキャッチフレーズに掲げたが、獲得票は7万1346票にとどまった。12日未明、東京都千代田区内の事務所で、安藤氏は集まった支持者らに「多くの方々に応援していただいたのに良い結果が出せず、大変申し訳ございませんでした。今回、選挙期間が短いこともあったのですが、きちっとした浸透ができなかったと思っています。今後のことは分かりませんが、病院団体として一つの目標に向かって歩んだことは確かですので、このことを将来に生かしていくことも必要ではないかと思っています」などとあいさつした。

 選対本部長を務めた日本医療法人連盟の日野頌三委員長は、「残念な結果に終わり、今後われわれ医療界が、自分たちの職業に対する意識のままで良いのかという大きな課題が残ります。それを一緒に考える機会をつくってしっかり自己認識をしなければ、下手をすると安藤候補がテーマに出していた医療崩壊を防げないどころか、加速させる可能性すらあると危機感を持っています」などと述べた。

 西島氏は、初当選した2004年には日医連の推薦を受けたものの、政権交代の影響で今回は支援に格下げされた。選挙戦では、地元の福岡市を拠点に支持を訴えたが、得票数は7万6131票で、再選を逃がした。清水氏は、自民党から出馬して敗北した昨年の衆院選での雪辱を目指して2万2711票を獲得したが、参院での国政復帰はならなかった。

■自民・新人の高階氏が初当選
 一方、日本看護協会(日看協)の政治団体である日本看護連盟が支持する自民党新人の高階恵美子氏は21万443票を獲得し、初当選を果たした。当選を決めた12日未明、東京都渋谷区の選挙事務所でキャリアブレインなどの取材に応じ、「社会保障を政策の重要課題として提案する人は山ほどいるが、社会保障が今、どういう成り立ちになっていて、国民の命と暮らしを守るためにどこをどういじらなければいけないかをつぶさに語れる人は多くない。私は、看護職の専門家の立場からしっかりと分析的に物事を語っていきたい」と語った。
 高階氏をめぐっては、自民党からの擁立を日看協が「支持できない」とし、「ねじれ」が生じていた。日本看護連盟の清水嘉与子会長は「ぎくしゃくしたようなところもあったが、実際に高階さんが看護の代表として国会に出ることに異存のある人は誰もいない」と強調した。

 また、3年前の参院選で落選し、今回、日本薬剤師連盟の支援を受けて立候補した自民党前職の藤井基之氏は14万5771 票を獲得し、返り咲きを果たした。12日未明、当選が確実になると藤井氏は、東京都新宿区の事務所で、12年度の診療報酬と介護報酬の同時改定について、「これから先の医療と介護の方向性が、財源問題も含めてある程度決まってくるので、ある意味で消費税も真面目に議論しなければいけない。そういったタイミングなのでぜひ国会に戻りたいと思っていた」と述べ、今後、積極的に提言する考えを示した。
(略)

ちなみに歯科医師連盟の推す民主党新人の西村まさみ氏も今回初当選を決めていますから、日医連の三候補が揃って討ち死にという惨状を呈する一方で、歯科医連、看護連、薬剤師連の三団体はそれぞれ支持候補を国会に送り込むことに成功するという、これ以上ないほどの好対照を示す結果となったわけですね。
母体の会員数を見てみますと日医が16万人に対して歯科医師会が6.5万人、看護協会が62万人、薬剤師会が10万人と、看護協会を別格にすれば日医が格別数で劣っているわけでもないわけですが、これは日医の推す三候補がよほど魅力に欠けていたと言うのでなければ、やはりその政治的影響力の低下ということを考えずにはいられません。
もちろん四月の日医会長選の結果これまでの自民党支持から民主党支持へと舵を切った、一方で各地の医師会では相変わらず自民党支持を打ち出しているところもあったという、組織内での不統一もこうした結果の一因ではあるのでしょうが、今の日医の乏しい組織力の元で医師達が足並みそろえて投票行動に走るなんて構図は、今後もちょっと考えがたいところではないでしょうか。

医療界の政治との距離感難しく-2010年参院選(2010年7月12日CBニュース)

 ふたを開けてみれば、日本医師会の政治団体である日本医師連盟(委員長=原中勝征日医会長)が「推薦」した民主党の安藤たかお氏と、「支援」した自民党の西島英利氏、みんなの党の清水鴻一郎氏、いずれの候補も落選する結果となった。長らく続いた自民党政権下では、現職議員を支持していれば、業界の声が永田町に届いたが、政権交代で状況は一変した。今回の参院選は、業界団体が政治との関係を根本から見直すきっかけとなった。

 参院選への対応をめぐり、業界団体は選挙前から政治との距離感に悩んだ。政権交代を受け、民主党支持に転換する団体もあったが、これまでの関係を重視し、与野党複数候補支持に踏み切った団体も少なくない。その代表が、日医連だった。業界団体の選挙後の政局流動化を意識した「全方位外交」的な支持方針に、各候補は苦戦を強いられた。
(略)

■新しい政調で業界団体の関与難しく

 業界団体の政治との関係を難しくしているのは、民主党側にも原因がありそうだ。中央大の滝田賢治教授は「高齢化が進む中で、医療の高度化に伴う医療費高騰や医療現場の過重労働などの問題に民主党が明確な方向性を示していない」と指摘する。選挙後には、同党の新しい政策調査会(政調)が始動するが、同党の玄葉光一郎政調会長は「新しい政調は全員参加型だ」と強調しており、業界の息の掛かった議員を通じた政策提言にも限界が出てくるかもしれない。
 新たな高齢者医療制度や医師不足対策など、医療界を取り巻く環境は厳しい。選挙直後から来年度予算編成作業が本格化し、2012年度には診療報酬と介護報酬の同時改定も控えている。参院選が終わっても、業界団体の腐心は続く。

■「政策重視」の姿勢不可避

 吉野孝・早大政治経済学術院教授は次のように話している。

 政治団体は、特定政党と支持関係を維持する代わりに、「政策重視」の姿勢を取ることが不可避となろう。大統領選挙で民主党候補が勝つか共和党候補が勝つかによりホワイトハウスの政策方向が大きく変わる米国では、米国医師会(American Medical Association)は超党派の政治活動委員会(American Medical Political Action Committee)を設置して、「医師・患者・医療」に理解のある連邦議会議員候補者に会費の一部を寄付し、また、そのような候補者への投票や寄付を呼び掛けるパンフレットをメンバーに配布している。また、保守党と労働党の間で頻繁に政権が交代する英国では、英国医師会(British Medical Association)は直接的に選挙運動にかかわらず、特に1948年に国民健康保険制度(National Health Service)が実施されて以降、行政レベルで同制度の運営や改革に積極的にかかわっている。いずれにせよ、直接的に選挙運動に介入するか否かは別にして、政権交代が頻繁に起こる国では、政治団体は特定政党と支持関係を構築せずに、超党派で関連政策の形成と運用で発言することが合理的である。

医者にしても馬鹿ばっかりではないわけですから、自前の政治的信条なり贔屓の候補なりがあって当然であって、民主主義もこれだけ根付いてきた時代に業界団体中央の意向で揃って誰かに投票するなんてこともありそうにないし、またあるべきでもないと思います。
今回の選挙では衆院選での政権交代という滅多にない一大イベントを受けた後の最初の国政選挙で、しかも日医会長選で路線変更もあったりと混乱する要素が重なったという事情もありますが、そろそろ特定政党、特定個人に偏った支持、支援というスタイルは見直していかなければならないとすれば、これは良い機会でもあったわけですね。
日医が政党本位ではなく政策本位で国政に関わっていくという意識改革をしていくとすれば、とりあえず民主支持だ、いや自民支持だといった話を離れて、業界団体として何を主張していくべきかと言う議論が必要になるはずですが、そのとっかかりという意味で最近是非立場の違いを離れて取り上げておくべきではと考えているのが、先日出たこちらのニュースです。

医療機関などの耐震調査へ=スプリンクラーの有無も-厚労省

 厚生労働省は12日、全国の医療機関や介護施設などの耐震強度やスプリンクラーの設置状況について、実態調査に乗り出す方針を決めた。公立学校で耐震工事が進められていることを踏まえ、同省所管施設についても、安全性確保の観点から現状を把握する必要があると判断した。調査結果をまとめた上で、耐震工事の支援策を検討する見通し。
 調査対象は、病院や診療所のほか、特別養護老人ホームなどの介護施設や障害者施設など同省所管の全施設。耐震強度をめぐっては、1981年の建築基準法施行令改正で新耐震基準が設けられたが、新基準で建てられた施設でも、構造によっては地震に弱い可能性もある

一頃あちこちで耐震だ何だという話から学校の建て替えや補強工事が一気に進んだような印象がありましたが、これが病院と言うことになりますとあまり厳しく突っ込まれても困るというのは、病院経営が今の時代非常に厳しくいつ倒産してもおかしくないという状況にあることも一つなんですよね。
すでに今年初めに出た厚労省の調査では、全国約8,600病院のうち、施設内のすべての建物が、耐震性を満たしているのは56.2%にとどまるなんて話が出ていますけれども、耐震化をするにしても少なからずの金もいるだろうし、患者をどこに動かすかといった細々とした問題は幾らでもあるわけです。
さすがに国や自治体もこの病院耐震化工事には補助金を出すと言っていますけれども、今のところその対象は災害時の拠点施設だとか救急輪番病院といった大病院が中心で、地域の小病院や診療所などの零細施設は相手にされていない気配がありますから、これは要するに病院統廃合を進め医療リソースを集約化するという国策に乗っ取った話でもでしょうか?

当然そうした零細医療機関こそ医師会の支持母体であるわけですから、この問題に関しては日医としても早々に一言あってしかるべきだと思うのですが、地区医師会レベルでちょこちょこと話は出ている気配はあるらしいものの、組織として公に動いているという話もあまり聞いた記憶がないというのは、業界利権団体としても地域の医療を守る社会的責任上も見過ごしには出来ない問題のはずなんですよね。
最近ではハコモノ行政は世の中から目の敵にされている気配もあって、土建業に公金をつぎ込むなんて話になると世論も必ずしも穏やかではありませんけれども、こういうところにもっと金を出せ!なんて主張すれば当然医療機関は助かるし地域住民も喜ぶ、さらには土建業界や関連する方々などにしても地域に還元される公共投資ということで筋の通りやすい話ですから、要するに誰も表だって反論しにくい話であるはずです。
日医も政界闘争絡みでやたらと組織内外の対立をあおるような難題ばかりに手を出しているよりは、まずこういう超党派で話を進めやすい方面から話を進めていく方がやりやすいだろうし、世間的にも「お?日医にしてはまともなことを言ってるじゃないか?」と見直される好機にもなるんじゃないかと思うんですけれどもね。

ついでにここからはまったくの個人的妄想(笑)ですけれども、たとえば次に予想される更なる斜め上な展開として、厚労省あたりから某団体が耐震工事を行う医療機関に低利で貸し付けを行うことが決まったなんてアナウンスが流れてくる、もちろんその団体の背後を見極めてみれば案の定天下り団体であった、なんて話がそのうち出てくるんじゃないかとも邪推しているんですが、どうでしょうね(苦笑)。

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