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2010年7月23日 (金)

黙っているのが良いという文化はむしろ世界の少数派です

先日故郷のニュージーランドに強制送還となったベスーン元船長ですが、周囲の期待に応えて盛んにリップサービスをしてくれているようですよね。
特に今度はとうとう「お前はもう死んでいる」宣言が出たということなんですが、まずはこちらの記事から引用してみましょう。

「反捕鯨活動で死者が出る」、強制送還のシー・シェパード元船長が会見(2010年7月14日AFP)

【7月14日 AFP】米環境保護団体シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society、SS)の反捕鯨行動中に日本の調査捕鯨船員にけがを負わせて有罪判決を受けたニュージーランド人のピーター・ベスーン(Peter Bethune)氏(45)が12日、今後の反捕鯨活動では「死者が出るかもしれない」と語った

 ニュージーランドへの強制送還後、初めて正式な記者会見を行ったベスーン氏は、反捕鯨活動家と捕鯨船団との争いは「醜い戦争へと突入した」と述べ、日本の調査捕鯨船との衝突でシー・シェパードの超高速抗議船「アディ・ギル(Ady Gil)」号が沈んだ際には、「ほとんど死ぬかと思った」と語った。

 また、同氏が逮捕されてから5か月間、ニュージーランド政府は同氏を解放する努力を怠ったと不満を示し、ニュージーランド政府は「太った小さな愛玩犬だ」と怒りをあらわにした

 これに対し、ニュージーランドのジョン・キー(John Key)首相は、駐日ニュージーランド大使館職員はベスーン氏の解放に向けてあらゆる手段をつくしたと反論。感謝の念を全く示さないベスーン氏に、不快感を示したと伝えられている。

例によってテロリストの犯行予告かという話なんですが、この発言自体は恐らく日本人に向けて語った内容ではなく、アニマルプラネット視聴者を意識しての発言で、要するに「今度のやつはもっとすごいぜ!期待してろよ!」という売り文句なんだと思いますね。
ちょうど産経新聞の佐々木記者がブログでシーズン3に突入したアニマルプラネットの看板番組「Whale Wars」について語っていますが、こちらの番組の熱心な視聴者に向けた発言だと考えると非常に納得のいくところではないでしょうか。

【SS速報】未公開緊迫映像 粉々のアディ・ギル号 うちひしがれるベスーン Whale Wars3放送(2010年7月18日ブログ記事)

 6月4日からアニマルプラネットで放映開始したシー・シェパードのドキュメンタリー番組「Whale Wars」シーズン3が7月16日放送で、折り返し地点となる6回目を放送しました。

 6回目は1月6日に発生したSS抗議船アディ・ギル号と第2昭南丸との衝突をめぐる未公開シーンが映し出されています。

 これまで、日本側に伝えられていなかった当時の生々しい様子が詳細にわかります。以下のサイトは、アニマルプラネットが番組宣伝のために、公式サイトでアップしている断片的な映像です。

『衝突の瞬間』

『ボブ・バーカー号に動揺が走る』

『うちひしがれるピーター・ベスーン』

『衝突後の世界中のメディアが船に電話をかけ、取材する様子』

『真っ二つに割れたアディ・ギル号を回収しようとする様子』

 アメリカで放送中の本編を見てみましたが、エピソード6は、緊迫のシーンの連続です。彼らは、「よく死人が出なかった」と言っていますが、まさにその通りだと思います

 近くを走行していたシーシェパードのボブ・バーカー号の船内は、アディ号が真っ二つに割れているのを見て、パニックに陥ります

 ボブ号の一等航海士、ピーター・ハマーステッドが何度もアディ号に無線の応答を求めますが、なかなか答えが返ってきません。ベスーン船長ら6人のクルーの生死がわからぬまま、ボートで救出に向かいます

 そして、事故現場から600マイル離れていたスティーブ・アーウィン号では、この事故の連絡を受け、ポール・ワトソン船長以下大勢のクルーが呆然とします

 アディ号の他のクルーが先に救出されたのに、ベスーンだけは、沈没寸前のアディ号に残り、残骸の各パーツを寂しそうに確かめます。悲壮感を演出するBGMが流れています。

 そして、ベスーンは、救出された後、ボブ・バーカー号で泣き崩れます。涙は静かにほほをつたり、止まりません。「4年間も一緒に航海したんだ」とのインタビュー映像が入ります。

 ここで、日本側への怒りへと転化されていくのだと思います。

 第2昭南丸からのアングルの映像も使われています。アニマルプラネット側が許可をとったかどうか分かりませんが、映像には、一応、日本鯨類研究所の公式サイトのアドレスが記されています。

 しかし、今回のシーズン3には、ディレクターの裁量だと思いますが、かなりの点でこれまでの説明とは違う矛盾点があります。

 また、機会を改めて、みなさんにお伝えしましょう。

まあなんと言いますか、わざわざ船一隻を犠牲にしてまでぶつけてきたなんておかしな連中だなとは感じた人も多かったでしょうが、こうして用意周到に「絵になる画像」を撮るためであったということだとすれば、金満シー・シェパードにとっては何ほどのことでもなかったということなんでしょうね。
「Whale Wars3」は過去最高の視聴者数を獲得しその内容の捏造ぶりもまさに留まるところを知らない勢いだそうですが、「視聴者を魅了し、スリルを与える機会をもたらした」(マージョリー・カプラン・アニマルプラネット社長)とは言い得て妙で、要するに同社とその背後に存在する何者かにとって格好のプロパガンダとなっているということですよね。
例えば先日も唐突にこんな記事が出ていまして、「中国人よお前らが言うな」と感じた方も多々あると思いますが、ここで出てくる「英紙」なるものがどのようなメディアか、すでに皆さんにもおわかりですよね。

日本のフカヒレ工場は地獄、「残忍な殺りく」と批判-英紙(2010年7月16日サーチナ)

英国メディアが16日、日本のフカヒレ工場について「地獄のようだった」とする記事を掲載、中国新聞社をはじめとする各中国メディアも英国メディアの記事を引用しながら相次いで報じた

  英国メディアは日本のフカヒレ工場を取材、「工場でサメの死体を数多く発見した。サメはヒレを取られたあとは捨てられる」と報じた。続けて記事は、工場の床はサメの血で染まり、異臭が漂っていたとし、「フカヒレスープを作るためだけにフカヒレを取っている」とした。

  続けて、工場内の写真を掲載しながら、「まるで地獄のようだった。フカヒレスープを作るためだけに、これだけのことが行われているとは想像もできないだろう」と論じた。さらに、一部の人間のフカヒレスープに対するニーズを満たすためだけに「残忍な殺りくが今も続いている」とし、サメの生息数は減少傾向にあると報じた。

  これに対し、中国メディアにはネットユーザーから、残酷だと非難するコメントのほか、人類は残酷すぎる、フカヒレは中国人が大好きな食べ物だなどといった声が寄せられた。(編集担当:畠山栄)

この元ネタになったと思われるのが英紙「サン」の記事ですけれども、このオーナーが有名なメディア王とも呼ばれる豪州人のルパート・マードックであることは知られている通りですよね。
すでに先日もお伝えしたように、「アニマルプラネット」を制作している「ディスカバリーチャンネル」のジョン・マローンはマードックとはツーカーの間柄、そしてこのマードックこそが英系各種メディアを総動員して近頃反日攻勢をしかけてきていることは周知の通りです。
面白いのは匿名投稿という形でさらに捏造の混じった同種の記事がネット上に流出しているらしいということなんですが、予想通りこういうのを一生懸命広めて回ろうとしている連中がいるということです。

ところで、朝日新聞と言えばかの有名なニューヨークタイムスのノリミツ・オオニシ記者に軒先を貸していたことでも判るように、ソースロンダリングなどと言われる手法を用いて「海外の報道では○○と言われている」なんてやり方を得意としてきた新聞であることは有名ですよね。
有名なKY事件に見られるように環境保護にも熱心な同社の姿勢を見ても判る通り、朝日と言えば「シーシェパードのテロ行為をやめさせるためには日本が調査捕鯨をやめますと宣言することだ」なんてすばらしく電波な提言を行ったことでも知られていますが、その朝日新聞が何を考えたかこんな記事を出しています。

「ザ・コーヴ」にみる ドキュメンタリー 単純化の功罪(2010年7月20日朝日新聞)

 和歌山県太地町のイルカ漁を批判する米国のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」が東京、大阪などで公開されている。「反日的だ」として保守系団体が上映反対を表明。上映が危ぶまれたが、各劇場には観客が詰めかけている。

 それにしても、保守系団体のやり方は間違っている。表現の自由の侵害という意味ではない。作品を見た日本人の多くがむしろナショナリズムをかき立てられている。「外国人が日本の文化に口を挟むな」というわけだ。保守系団体としては上映を推進した方が得策ではないだろうか。

 この映画を見て思い出すのは「インディ・ジョーンズ」シリーズだ。太地町に乗り込む動物保護活動家のリック・オバリーさんは、秘儀を行う未開人のコミュニティーにやって来るハリソン・フォードそのもの。この構図の原点はもちろん西部劇にある。

 もう少しクールな観客からは「娯楽作としては良く出来ている」という感想も耳にする。確かにヒーローの側にいる観客には面白かろう。しかし、未開人とされた側は心穏やかではいられない。西洋人による文化帝国主義のにおいがぷんぷんする。

 映画を見る限り、ルイ・シホヨス監督らスタッフが太地町の漁民と突っ込んだ話し合いをした形跡はない。なぜイルカ漁を続けるのかを、探ろうともしていない。最初から最後まで太地町の漁業関係者を悪者だと決めつけている

 娯楽作として面白いのは、善悪が明快だからである。ドキュメンタリーとは、複雑な世界を少しでも知ろうとカメラを回す営みだ、と私は認識していたが、米国のドキュメンタリーは今、世界を単純化して感情に訴えることで注目されている。こうしたシンプル・ドキュメンタリーの旗手がマイケル・ムーア監督だ。

 彼は常に一方の側から他方を糾弾する。銃規制に反対する人々をヤリ玉に挙げた「ボウリング・フォー・コロンバイン」がアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を、ブッシュ大統領を徹底的にコケにした「華氏911」ではカンヌ国際映画祭最高賞を受けた。シンプル・ドキュメンタリーが評価される時代なのだ。

 「スーパーサイズ・ミー」(モーガン・スパーロック監督)というアカデミー賞候補作もあった。ファストフードだけを1カ月食べ続けて身体に表れる変化を追った作品。どんな食品でも、同じ物を食べ続けたらどこか変調をきたすだろうなと思ったものだ。

 これらの作品は日本でも好意的に受け入れられた。それは、敵方が大企業だったり大統領だったり、日本の観客にとっても敵方として違和感のない存在だったせいだ。今回は自分たちが敵方に回っただけである。もしムーアの「キャピタリズム」を大銀行の幹部が見たら、反省して心を入れ替えるだろうか。シンプル・ドキュメンタリーは両刃の剣なのだ。(石飛徳樹)

どうした朝日、この暑さに当てられたか、何か悪いものでも食べたのか(苦笑)というところですが、ちなみにこの石飛徳樹記者、別にハードな報道畑とかいった人物ではなくテレビや映画批評などをもっぱら担当してきたということのようですから、逆にシンプルな批評家の視線を発揮しただけであるということなのかも知れませんが、どうもこういうことをやられると調子が狂いますよね。
しかし同氏の指摘する通りで、確かに「気に入らないから世に出させるな!」なんて反対活動よりも、同映画がいかに捏造ぶりを発揮しているのか、地元でどんなトラブルを引き起こしているのか、そして日本版公開に際してどんな隠蔽工作をやっているのかといったことを網羅した「解説版」なんてものを世に問うてもいいくらいだと思いますね。
日本は国際的なプロパガンダ合戦ですでに劣勢だなんて言われていますけれども、国内においてもこうして同じような問題があるわけですから、むしろ徹底的に攻めの姿勢で「こりゃおかしい!KYどころの騒ぎじゃないぞ!」と世論が大いに盛り上がるくらいにやってしまってもいいんじゃないでしょうか。

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コメント

余り見たくはなかったが、やはりと。これは日本の文化なり。今になってここまで貶める者は、日本人か、誇りもなく、埃もある日本人よ。分相応に発言せよ、と。劣化した日本人・無国籍・夢遊病う者よ。
そのために傷ついた人がどれ程沈黙を守っておられよう。相手にしない、情けなや。もう少し、高所に立って、眺めてから、批判するならやってみて。その場に自分がいれば何ができたか、冷静に。

投稿: 驚愕 日本の文化なり | 2010年9月18日 (土) 21時03分

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