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2010年6月26日 (土)

結局何ら決まらずに終わったIWC総会 しかし結果として悪くもない?

職場の同僚が出かけていて、珍しく今日は忙しかった…
それはともかく、本日まずは表題の通りで、何らの結論もでないまま終わってしまったというIWC総会閉会のニュースから紹介しておきましょう。

捕鯨議論仕切り直し=IWC総会が閉幕へ(2010年6月25日時事通信)

 【アガディール(モロッコ)時事】21日に当地で開幕した国際捕鯨委員会(IWC)第62回年次総会は25日、最終日を迎えた。「商業」「調査」などの区別をやめた上で、IWCの管理下で捕鯨を容認する議長提案について合意に失敗。次回総会まで1年程度の冷却期間を置き、その間に今後の議論の進め方を話し合う。
 最終日は、デンマークの自治領グリーンランドに対し、先住民枠の一環として新たにザトウクジラの捕獲枠を年間9頭認めることを決めた。IWCが新たな捕獲枠を認めるのは、2007年総会でグリーンランドにホッキョククジラ2頭を認めて以来3年ぶり。IWCは、商業捕鯨を一時停止する中でも、イヌイットら先住民による捕鯨は認めている
 議長提案は、日本が南極海で調査目的で行ってきた捕獲の頭数を半分以下にする見返りに、日本沿岸での商業捕鯨の再開を認める内容だった。20年まで10 年間の暫定措置で、その期間中にIWCの在り方や新たな捕鯨の枠組みを話し合う狙いもあった。しかし、捕鯨を容認する内容に反捕鯨国が反発し、23日の総会で協議は事実上決裂していた。 

IWC閉会 対立が浮き彫りに(2010年6月26日NHKニュース)

モロッコで開かれていたIWC=国際捕鯨委員会の総会は、捕鯨国と反捕鯨国の主張を取り入れた議長案について、議論を来年の総会以降に持ち越すことを決めて閉会しました。双方の対立の根深さをあらためて印象づける形となり、IWCの存在意義についても厳しく問われることになりそうです。

モロッコで開かれていたIWCの総会は、25日、5日間の日程を終えて閉幕しました。今回の総会は、捕鯨国と反捕鯨国の双方の主張を取り入れた議長案について、異例の非公開協議も交えて議論しましたが、妥協点を見いだすことはできませんでした。議長案は、南極海でのクジラの捕獲数を大幅に減らす一方、日本の沿岸での一定の捕鯨が認められるというものでしたが、議論は冷却期間を置くことが必要だとして、来年の総会以降に持ち越されることになり、捕鯨国と反捕鯨国の対立の根深さがあらためて鮮明となりました。また、デンマークの自治領グリーンランド沖合で、ザトウクジラを年間9頭捕獲することなど、先住民による捕鯨に関する提案をめぐっても議論が紛糾しました。今回の議長案は、重要な意思決定ができずにいるIWCの事実上の機能不全の状態を打開するねらいもありましたが、結局、交渉は決裂した形となり、IWCはその存在意義についても厳しく問われることになりそうです。

報道ではIWCが機能していないということを指弾する声がありますけれども、現実問題として捕鯨国の主張が全面的に認められるという状況も国際的に考えがたいだけに、現状維持という意味では交渉決裂は悪い結果ではないのかなと思います。
しばしばIWCを脱退せよとか新団体を作れという意見もありますけれども、こうした国際的枠組みを脱退すると領海内での沿岸捕鯨の自由は得られる一方、公海上での捕鯨に関しては法的根拠を喪失するということになってしまいますから、日本としては当面明らかな数的劣勢を避けながら粘り強く交渉していくのが基本線になりそうですね。
しかし、実際の反捕鯨諸国の主張を見てみますと、よくもまあこうまで好き放題言えるものだなとある意味感心するような話が並んでもいるようです。

「南極海での捕鯨をゼロに」反捕鯨強行派が主張(2010年6月22日Iza)

 モロッコ南西部アガディールで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会は21日午後、日本など捕鯨国3カ国と韓国が非公開で非捕鯨国と個別の折衝を続けた。協議筋によると、反捕鯨強硬派側は「(日本が調査捕鯨として行っている)南極海での捕鯨を段階的に減らし、最終的にはゼロに」などと訴えたという。

 日本は6つにグループ分けされた非捕鯨国のうち、オーストラリアやモナコを含む反捕鯨強硬派グループなど計3グループとの協議を終えた。

 一方、舟山康江・農林水産政務官は同日、反捕鯨国であるニュージーランドのマカリー外相と会談。日本の水産庁によると、捕鯨国、反捕鯨国間の妥協に基づく合意形成に向け、努力を継続することで考えが一致した。(共同)

EU:南極海捕鯨の段階的廃止要求へ IWC年次総会で(2010年6月19日毎日新聞)

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)は21日にモロッコ・アガディールで開幕する国際捕鯨委員会(IWC)年次総会で、日本が調査捕鯨を実施している南極海における捕鯨の扱いについて、期限付きの段階的廃止を要求する方針を固めた。また、総会で議論される捕獲頭数の削減合意に拘束力を持たせる措置の導入も求める。EU筋が毎日新聞に明らかにした。日本はいずれも受け入れられないとの立場だ。

 EUが反捕鯨要求を鮮明にしたことで総会での国際合意の取りまとめは難航が予想される情勢となった。総会では捕鯨推進・支持国と反捕鯨国の歩み寄りを目指す議長案が議論のたたき台として提示されている。議長案は「商業捕鯨」「調査捕鯨」などの目的区分を棚上げした上で、10年間の暫定期間中は捕鯨を容認しつつ、IWC管理の下で捕獲頭数を大幅に削減するとの内容。

 EUは18日、ブリュッセルで加盟国大使級会合を開き、総会への対処方針を決めた。EUは「クジラ保護のための効果的な規制の枠組みにつながる妥協案でなければ受け入れる用意はない」(ダマナキ欧州委員=漁業・海洋担当)と議長案に注文を付け、毎日新聞が入手した内部文書によると、10項目の修正要求を列挙している。

 文書によると、南極海捕鯨についてEUは総会で「すべての捕鯨を今後、段階的に大幅削減し、合意された期限内で廃止する」との立場を取る。さらに、IWCが定める「南極海サンクチュアリ」を「捕獲禁止海域」とみなし、現在の商業捕鯨だけでなく、日本の調査捕鯨にも適用されると主張する。

 また、EUは、総会で暫定期間中の捕獲枠合意がまとまったとしても、将来、合意に違反して調査捕鯨、商業捕鯨が実施された場合には捕獲枠合意自体を無効とみなす条項(サンセット条項)を議長案に挿入するよう求めている。捕鯨国に対して、捕獲頭数削減の順守を強いる「縛り」をかけたいためだ。

 IWC総会で捕鯨の枠組みを変更するには投票数の4分の3の賛成が必要。88のIWC加盟国のうち25カ国が所属するEUがまとまって反対すれば4分の1を超えるため、議長案は否決される。総会では議長案の修正案が提出される見通し。

先住民捕鯨のみ認めよ=米国が修正案―IWC(2010年6月24日時事通信)

 【アガディール(モロッコ)時事】国際捕鯨委員会(IWC)年次総会で米国は24日までに、イヌイットら先住民に限って捕鯨枠を引き続き認めるよう求める提案をデンマークと共同提出した。議長提案に盛り込まれていた向こう10年間の捕鯨容認枠のうち、日本、アイスランド、ノルウェーの枠を削除した修正案で、先住民だけ向こう7年間に限って捕獲枠を確保する内容。
 修正案は23日、議長提案での合意が事実上とん挫した後で提出された。修正案で認められるのは、米国、ロシア、デンマーク自治領のグリーンランド、セントビンセント・グレナディーンで行われている先住民捕鯨。仮に修正案が否決されても現状維持が認められるため、先住民捕鯨は継続される。
 議長提案は、一括合意を前提として策定された経緯がある。このため、提案内容の一部のみを取り出すことは策定趣旨に反するとして、反発の声も上がっている。 

ま、こうした交渉事というものは最初に自分たちの言いたい放題を過剰なほどに出しておき、次第に歩み寄って合意形成を図るというのが常道ですけれども、日本の場合どうもそのあたりのハッタリが弱いと言いますか、最初からよくて現状維持というレベルにとどまりそうなのはどうかとも思いますけれどもね。
一方で反捕鯨国ニュージーランドとの個別交渉で合意形成のための努力が重要だという認識では一致したようですが、この点で非常に意見の一致を見たのがテロリストに対する非難ということで、これは当然ながらきちんとした形で記録に残しておかなければならないことだと思います。
こういうところで「いやテロリストにも一分の理が」なんてことを言い出す連中はテロ支援国家であるという空気を作っていかなければならないわけで、国際的に一致団結してテロは認められない、テロリストへの支援は断固許さないという言質をとっておかなければならないでしょうね。

日本 シー・シェパードを非難(2010年6月24日NHKニュース)

モロッコで開かれているIWC=国際捕鯨委員会の総会で、日本政府の代表団は、反捕鯨団体の「シー・シェパード」が調査捕鯨に対して行った妨害行為を詳しく説明して厳しく非難し、各国からも危険な行為だと批判する発言が相次ぎました

IWCの総会3日目となる23日、日本政府の代表団は、去年からことしにかけてシー・シェパードが南極海での調査捕鯨に対して行った妨害行為について、スライドを使いながら説明しました。そのうえで日本の中前明政府代表は「見解の違いがあるからといって、暴力による活動は法治国家において許されるものではない」とシー・シェパードを強く非難しました。これに対し、シー・シェパードの船が寄港するオーストラリアや本拠地があるアメリカなども「海上における安全を最優先にすべきだ」とか、「抗議活動は平和的に行われなければならない」などと発言し、シー・シェパードの妨害行為は認められないとする立場を鮮明にしました。一方で、シー・シェパードの船の船籍があるオランダは、激しさを増す妨害行為を危ぐするとしながらも、国内法上、船籍をはく奪するなどの対応は難しいという考えを示し、さらに日本にも調査捕鯨の自制を求め、日本側が反発する一幕もありました。

ちょうど先日はテロリストの親玉であるシー・シェパードのポール・ワトソン代表がICPOによって国際手配されたという記事もありましたが、犯罪行為を積み重ねているのは明白であるのですからきちんと法的な包囲網を作り上げていくべきであって、天網恢恢疎にして漏らさずということを彼らにも思い知ってもらわなければならないでしょう。
それにしても、そもそも環境保護団体だの鯨類を守れだのと主張するなら、今もっともホットな環境破壊で鯨が絶滅する?!なんて大騒ぎになっている原油流出問題に関わらないで済むはずがないのですが、予想通りに?グリーンピースにしろシー・シェパードにしろこの件に関しては全く言及がないというのが分かりやす過ぎて笑えます(笑)。

原油流出でメキシコ湾のクジラが絶滅?(2010年5月24日ナショナルジオグラフィック)

 メキシコ湾に生息するマッコウクジラの個体群は、今回の原油流出事故でわずか3頭が死ぬだけで、長期的に深刻な危機に陥る可能性があるという。

 現在メキシコ湾には年間を通じて1400~1660頭のマッコウクジラが生息し、毎年オスが回遊する大西洋のほかの群れとは異なる独自のグループを形成している。アメリカの絶滅危惧種法(ESA)ではすべてのマッコウクジラが絶滅危惧種に指定されているが、中でもメキシコ湾のマッコウクジラの個体群は生息数が比較的少ないため、特に危機に瀕していると考えられている。

 そのメキシコ湾のマッコウクジラたちが今、石油掘削基地ディープウォーター・ホライズンの事故による原油流出で危険に晒されている。有害な原油や、石油が気化したガスをクジラが体内に摂取したり吸入したりする恐れがあるためだ。

「一方で原油による汚染が起こりつつあり、もう一方に絶滅危惧種がいる。この2つが合わされば立派な懸念材料だ」とテキサス工科大学の環境毒性学者セリーヌ・ゴダール・コディング氏は警戒する。

 米国海洋大気庁(NOAA)が発表した2009年度の資源評価報告書では、メキシコ湾のマッコウクジラ個体群のPBR(生物学的間引き可能量)は3と推定されている。PBRとは人為的に除去しても個体群に影響が及ばない個体数を示す指標で、この報告書の通りなら、自然死以外の人為的原因によって年間3頭のマッコウクジラが死亡あるいは除去されると、そのマッコウクジラ個体群の長期的な生存が危ぶまれることになる。

 マッコウクジラは性的に成熟するまでに非常に長い期間を要し、特にメスは時間がかかるため、毎年3頭という一握りのクジラが減るだけでも何百頭という個体数の減少につながりうる。しかも、一生の間にメスが出産する子どもの数はわずか3~4頭だ。

 ゴダール・コディング氏は次のように説明する。「マッコウクジラはヒトに似ている。ヒトの大半は1度に6人の子どもを生むことはないし、毎年出産することもない。原油流出を含むヒトとの接触によって年間3頭のクジラが死ねば、そのマッコウクジラの個体群全体がたちまち脅かされることになる」。

 流出した原油は、マッコウクジラだけでなく、イルカなど他のクジラ目の動物にも様々な形で影響を与える可能性がある。まず、海洋哺乳類は海面に浮上して呼吸する必要があり、油膜の中を通って浮上すると有毒物質を肺に吸い込む恐れがある。また、今回の事故で流出した原油から気化して海面に立ち込めるガスは、成熟したクジラさえ気絶させて溺死させるほど毒性が強い可能性がある。最後に、マッコウクジラが捕食する魚やイカなどが原油で汚染されるため、クジラの食餌が影響を受け、また健康な子どもを育てにくくなる場合もある。

 米国海洋大気庁の海洋哺乳類の健康および座礁対策プログラムのコーディネーターを務めるテリー・ロールズ氏は、「食物網を通じて原油由来の化学物質の汚染が広がるのを非常に懸念している」と話す。

 過去の研究から、2010年4月20日にディープウォーター・ホライズンが爆発し原油が流出する以前には、メキシコ湾に生息するマッコウクジラの少なくとも一部が同採掘基地の周辺を泳いでいたことが確認されている。テキサス工科大学のゴダール・コディング氏は、「2000~2005年には、ちょうどその海域に常に約300頭のマッコウクジラがいたことがわかっている」と話す。

 メキシコ湾の原油流出事故は、1989年のタンカー、エクソン・バルディーズ号の石油流出事故でアラスカのプリンス・ウィリアム湾のシャチが受けたのと同程度の被害をマッコウクジラに与える可能性があるとの意見もある。

 アメリカ、アラスカ州にある北部湾岸海洋協会(North Gulf Oceanic Society)の海洋生物学者クレイグ・マットキン氏が率いた2008年の研究によると、エクソン・バルディーズ号の事故後に生息数が40%も減少したシャチの個体群もあったという。現在でもその個体群は以前の水準まで生息数が回復しておらず、数十年後には絶滅する可能性が高いとマットキン氏は推測する。

「その個体群では回復不可能なほど多くのメスのシャチが死んでしまい、まだその数は元に戻っていない」。今回のメキシコ湾の原油流出によってこの1年で3 頭を上回る数のマッコウクジラが死ねば、メキシコ湾に生息するマッコウクジラは“絶滅の危険領域”に突入する可能性があると同氏は懸念する。

 海洋哺乳類がメキシコ湾の原油流出の影響を現在受けているかどうかは明らかになっていない。沿岸部に生息する種類のハンドウイルカ数頭が海岸に打ち上げられ、原油がその原因ではないかと疑われているが、明確な因果関係は確認されていないと米国海洋大気庁のロールズ氏は説明する。「海岸から離れた沖合の海に生息し、海中深く潜る習性を持つマッコウクジラなどのクジラは、油膜の発生源近くに生息するため、その影響を直接受けていることは間違いない」。

 しかし、クジラはほとんどの時間を海中で過ごすため、死体が海岸に打ち上げられることは少なく、クジラの死体や、原油の被害を受けたクジラを見つけるのは難しい。「原油回収作業と海洋哺乳類の観察の一環として空中からの調査が行われているが、その調査でクジラの死体が浮いているのを発見したら報告してほしいと依頼している。それが死んだマッコウクジラを見つける最も確実な方法だと思う」。

ま、誰が金を出しているのかといった資金の流れを考えてみても、こういうお金持ちの系図が絡むような話に彼らテロリストがうかつなことを口出しするはずもないわけですが、逆に日本などはこういうところでしっかり救援活動をして「鯨を保護し、そして持続的に利用する道を探る」という姿勢をアピールしていきたいところではないでしょうか。
反捕鯨国の中ではちょうどオーストラリアの反捕鯨最強硬派とも言われたラッド首相が退陣し、後任にギラード副首相が初の女性宰相となることが決まったようですけれども、このギラード氏もまたかねて「捕鯨を止めさせるためにやれることをやる」なんて景気のいいことを言ってきた方だけに、近々の選挙での争点としてまた反捕鯨が取り上げられるやも知れず、このあたりにも要注目ですよね。
引き続き関連情報にも注意しながら、事態の推移を見守っていきたいと思います。

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