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2010年5月19日 (水)

今日は人間の話ではありませんが 宮崎口蹄疫問題の余波

宮崎県で発生した口蹄疫問題はますます大変な騒ぎになっているようで、一方ではこれを赤松農相や東国原知事の対応遅れが悪い!と攻撃するネタに使っている向きもあるようですね。
とりわけ以前から同知事に批判的目線を向けてきた方々にとっては良い機会ということなのでしょうが、正直ようやく対策も本格化しシステムが動き出した時点で言っても仕方がないような後ろ向きな報道も目立つのが気がかりです。
無論今後のためにも事後の検証と再検討は後日十二分に行うべきですが、関係者が今も大変な目にあいながら苦労しているこの状況でこういう口汚い言葉を並べてみたところで、何かしら建設的な意味があるのかとも思えてきます。

東国原浮かれ知事に天罰 口蹄疫大被害と疫病神知事(2010年5月18日日刊ゲンダイ)

お笑い芸人失格人間を知事に選んだ宮崎県民に責任があるのに国の税金で救済は虫が良過ぎないか

 どこまで調子がいい男なんだ。これまで散々、民主党を批判してきた宮崎県の東国原知事が、「口蹄疫」の被害に見舞われ、鳩山政権に泣きついている。

 宮崎県を訪ねた平野官房長官に「関係者の無念は尋常じゃない」と訴え、鳩山首相あてに具体的な要望項目をズラズラと並べた「要望書」を手渡した。さすがに、宮崎牛のブランドを支える「種牛」49頭が殺処分されることになり、真っ青になっているらしい。

 残る種牛は、避難させているエース級の6頭だけ。もし、6頭が感染したら宮崎の畜産は終わりだ。鳩山首相は、予備費から1000億円規模を拠出することを決めた。

 しかし、家畜の伝染病対策は法律上、県の責任だ。エラソーに「地方分権」を言ってきたのだから、すぐに国に泣きつかず、自分で解決したらどうなんだ

 「そもそも、ここまで被害が広がった責任の一端は、知事にあります。公式には、最初の感染牛は4月20日に確認されたことになっているが、すでに4月9日の時点で口蹄疫と疑われる牛が見つかり、獣医が家畜保健衛生所に鑑定を依頼していた。4月9日に対策を取っていたら、ここまで被害は広がらなかったはずです」(県政関係者)

テレビ出演にうつつを抜かし、片手間で県政をやってきた東国原知事には「いつか重大なミスを犯すのではないか」と危惧する声が強かったが、とうとう宮崎県が破滅に向かいかねない事態が勃発である。

 県民からは「チャラチャラ浮かれてきた知事への天罰だ」なんて声も上がっている。 (後略)

いやゲンダイさん、この状況下で「江戸の敵を長崎で」ですか…
「勝手に自分で解決しろ」というゲンダイさんの御高説を賜るまでもなく、全国各地から支援が殺到している状況で、これらを処理する同県財政課の担当者は「こんなに宮崎県のことを思っていてくれる人がいたとは」と多忙を極めながらも感激しているという話ですが、こうして支援の輪が予想外の広がりを見せているのも同県のセールスマンを自認する知事によって、同県の全国的な注目度が高まってきた成果であるとは言えるかと思いますけれどもね。
宮崎と言えば全国にも仔牛を出荷しているということですから、回りまわって自分たちにとっても決して他人事ではなくなりそうだという危機感もあるようで、ネット上では宮崎県を支援するために義援金などを呼びかけるような動きも広がっていますけれども、全国からの応援は同県にもしっかり届いているようです。

4 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/05/19(水) 00:08:24 ID:pqujyDpg0

おいらも微力ながらお手伝いさせてもらったぜ
もともと青申だから手間がちょろっと増えるだけだし

13 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/05/19(水) 00:13:33 ID:lAJJ0fpU0

ふるさと納税じゃないけど宮崎県庁のホームページの口座に1万募金してきた。
使ってくれ!

22 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/05/19(水) 00:16:32 ID:p5qzGbSS0

というか宮崎県が金が尽きるなり心が折れるなりの状態になって、防ぐのを諦めたら全国に被害が広がるわけで・・・

日本人なら基本的に他人事じゃないわな

28 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/05/19(水) 00:22:28 ID:6jxVD4RA0

お前らありがとうな!

同級生に県職いるが、本当に悲惨らしい…

33 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/05/19(水) 00:26:31 ID:suc+i9wy0

よーしお前らこの財政課の担当者を家に帰れないぐらい仕事増やしてやろーぜwwwwwざまぁwwwwwwww

35 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/05/19(水) 00:27:47 ID:gma0nJtg0

宮崎県民です
ありがとう
本当にありがとう

一部の報道や政治家の方が宮崎県の初期対応が悪いから殺処分予定の牛豚が11万4千頭にまで広がったのかと
責任を全て押し付ける様な発言や報道内容ばかりで心が折れそうになっていました

また頑張る事が出来ます

いずれにしても地元の方々の戦いはまだまだ続くと思われますし、全国に広がっていくかどうかの瀬戸際でいわば最前線を担当しているわけですから、自らのお体にも気をつけながら頑張っていただきたいものです。
しかし一方でこの問題に対しても例によって心ないマスコミ発言が相次いでいるようで、例えばテレビではこんなことを言っている人もいるようですね。

「口蹄疫」人に感染しないなら食べても大丈夫?(2010年5月17日J-CASTテレビウォッチ)

  感染拡大が止まらない宮崎県の口蹄疫をトップニュースで取り上げた。都農町の畜産農家で牛の感染が発見されたのが4月20日。1か月近くたってまだ感染が止まらないのは、県や国の初動対応に問題があったとしか考えられない。

対応の遅れは政府か東国原知事か

   番組の冒頭、立花裕人レポーターが口蹄疫について解説した。病原体はウイルスで、口や蹄(ひずめ)のまわりに水疱瘡のようなものができてエサを食べなくなる。肉質が落ち、乳も出なくなるという。

   宮崎県では2000年にも発生したが、この時は感染力が弱く、発病したのは牛だけだったが、今回は感染力が強く豚にも広がっている。

   16日午後10時半現在、牛8212頭、豚7万7511頭のあわせて8万6000頭に被害が出ており、被害総額は110億円に及ぶとみられている。

   とくに深刻な被害とされているのは、高級ブランド『宮崎牛』の種牛に感染が飛び火したことで、16日には県家畜改良事業団が飼育している種牛 55頭のうち49頭の殺処分を決めた。10年かけて大事に育てられるという種牛。残った特別の種牛6頭は避難したが大きな痛手だ。

   また、『宮崎牛』は子牛として出荷され、高級ブランドの近江牛や松阪牛、佐賀牛として育てられて食肉用として販売されており、各産地への影響も心配されている。

   急速に被害が急拡大したのはGWだったのに、外遊中だったとかで赤松農水相が宮崎入りしたのは5月10日。自民党の地元選出議員が「何しに来たんですか」と食ってかかっていたが、それまで県は何をしていたのか、番組では触れなかった。

   スタジオでは「人に感染しない、食べても大丈夫。ならば、なぜ(殺処分など)そこまで厳重にするのか」(ジャーナリストの鳥越俊太郎)、「結局、人間のご都合で、罹っていないのに大きくまとめて処分は可哀そう」(弁護士の田中喜代重)と素朴な疑問が出た。
(略)

しかし「人間に感染しないんだからそこまで厳重にしなくてもいいじゃないか」って、鳥越氏もたまには基礎的なことくらいは勉強してからしゃべってみればとは思うんですが、逆にこの軽薄なノリと無謀な勢いがあるからこそ長年こうしてテレビ業界で重宝に使われているんでしょうねえ…
口蹄疫という疾患は非常に感染力が強いことに加えて、ウイルス性疾患のくせに非常に宿主が広範であるというなかなか面白い性質をもっているようですが、幸い人間には感染しないとは言っても動物にとっては発育障害や乳汁分泌障害などが発生するものですから、要するに家畜としての価値が激減するということで、そうであるからこそ世界的に極めて厳重な対応がとられるわけです。
特に日本の畜産業の場合はほとんどが牧草地での放牧ではなく配合飼料で行われているわけですが、身近な業界の人に聞いても飼料代は高いわ商品としての肉・乳価格は上がらないわでもともと利益率が極めて低いという構造的な苦境に長年置かれている、そんな中でこんなものが広がればあっという間に大赤字で廃業続出するしかないという程度のことも理解できないのでしょうか?

まあ鳥越氏のようなキャラで売っている人間であればこれくらいのことは言わなければむしろ商品価値が下がるというものですが、一方で単に取材をするだけではなく自らネタを作り出そうと努力していらっしゃるらしいのがフジテレビです。
また後先も考えずにずいぶんな振る舞いに及んでくれたようですが、まずは事実関係として地元県議会議員である横田照夫氏のブログと記事から、フジテレビの暴虐に対する県民の怒りの声を紹介しておきましょう。

マスコミに怒り(2010年5月17日横田照夫議員ブログ)

今朝、佐土原町の田ノ上地区の自治会長さんから電話がありまして「地区としても口蹄疫に対して何かしたいので、どうすればいいのか教えてほしい。」と聞かれました。
そこで、地区内にウイルスを持ち込まないための手段を何項目か報告させていただきました。
また、不安な毎日を送っておられる畜産農家への気遣いや配慮をしていただけるようお願いもしました。
地区全体で口蹄疫に対しての取り組みをしていただけるとのことで、本当にありがたいと考えます。

今日の午後、その地区に、フジテレビの取材陣が、なんのコンタクトもなく、いきなり畜舎に来て取材を始めたそうです。当然、カメラも回したそうです。

それに対して、別の畜産農家が「消毒はしているんですか?」と聞いたら、「していない。消毒ポイントがどこにあるのか知らない。」と答えたそうです。

地区全体で口蹄疫から畜産を守ろうとしているのに、何という配慮のない行動でしょうか。農家も自治会長もカンカンに怒っておられるようです。

今まで、ニュース等で流される映像は、宮崎県提供のものです。直接、現場にマスコミが入ったことはないと思います。佐土原町には、まだ発生はありませんが、搬出制限区域内には入っています。昨日は新富町に発生の確認がされて、だんだん近づいてくることに農家は戦々恐々としておられます。
当然、マスコミは自らが感染媒体になる可能性もあることを考えていなければいけません。マスコミにも自制が必要だと考えます。

何でも報道の自由で片づけられてはたまりません。マスコミの横暴さには心から怒りを感じます。

フジテレビ、消毒せずに地元住民に取材しトラブルに(2010年5月19日スポーツ報知)

 フジテレビの取材スタッフが宮崎県の家畜伝染病の口蹄疫を取材する際、消毒をしなかったとして地元住民とトラブルになっていたことが18日、分かった。

 フジ広報部によると17日午後、同局スタッフが宮崎市佐土原町の畜産農家で取材を行った。その際、地元住民から「橋の向こう側(口蹄疫発生場所の川南町)の方から来た人は消毒しなくてはいけない。消毒はしたのか」との指摘を受けたが、スタッフは「橋の向こうには行っていないので消毒はしていない」と話し、消毒場所については「知らない」と答えたという。感染拡大にナーバスになっている地元住民はフジ側の対応に不信感を抱き、宮崎県議の横田照夫氏もブログで批判している。

 県では、報道各社に対し、口蹄疫が確認された農場、近隣農家、防疫作業現場周辺での取材は口蹄疫のまん延を引き起こすおそれもあるとして、取材自粛の協力を求めている

 佐土原町では、まだ口蹄疫感染は確認されていないが、県は「畜産農家への取材は控えてほしい」とし、役場などを取材する場合でも消毒措置が必要としている。今回もフジ側から取材の問い合わせがあったため、同様の説明をしたという。

 フジ広報部によると、県とは直接、話はしておらず、系列局のテレビ宮崎と相談し、県の要請に沿った形で取材したと説明。畜産農家への直接取材も、農家の了解を得て行ったという。最終的にスタッフが消毒をしたかどうかについては、「確認が必要なので今は分からない」と話している。

他人に向かってはやれ対応が遅いだの、やれ事実を明らかにしろだのと賑やかなマスコミの皆さんが、取材先のルールすら把握していない上に、たった数人のスタッフの行動すら知らぬ存ぜぬで済ませるとは面白いことですよね(苦笑)。
ちなみに事件のほんの数日前にも同局「とくダネ! 」でおなじみの大村正樹氏が徳之島取材の帰り道に宮崎にも立ち寄ったそうで、「あちこちに消毒所が設置され口蹄疫の発生地周辺を走った車が消毒されててびっくり」などと御気楽なことを言っていますけれども、情報共有も行わず毎回毎回行き当たりばったりで取材をしているということなんでしょうか?
テレビ局にすればますます感染が広がってくれた方が新たなネタになって視聴率も稼げるという計算もあるのかも知れませんが、つい先日新型インフルエンザ騒動があって伝染病対策というものがどれほど大変かということを思い知ったところでしょうに、未だにこういうレベルのことをやっているのはよほど学習能力に問題でもあるということなのかと疑問にも思われますね。

さて、今のところ各社報道では基本的に政府何をしている!とバッシング一色という感じになっていますけれども、そんな中で唐突にこんな記事を出してきたのが毎日新聞です。

25時:場違いな追及 /宮崎(2010年5月14日毎日新聞)

 赤松広隆農相が、口蹄疫(こうていえき)問題で東国原英夫知事と意見交換するため来県した。県の要望を受けて国の支援策を示した後のこと--。

 知事応接室に同席した県選出国会議員5人のうち、自民党の古川禎久衆院議員が突然立ち上がり「大臣。江藤拓議員は、心痛極まり緊急入院した……」と発言し始めた。赤松農相からたしなめられても「じゃあ、何しに来たんだ。現場は災害だ」と収まらない

 政府対応が不満のようで、川村秀三郎衆院議員が「回答したじゃないか。PRの場なのか」と反論すると「何がPRだ!」と声を荒らげ、知事が「冷静に」となだめる事態に。だが赤松農相は「参院選の前だから、言いたいこともあるだろうけど」と続け、今度は松下新平参院議員が「選挙目当てじゃない」と詰め寄った。

 被害拡大には誰もが心を痛めている。初動態勢の検証も必要だ。だが、古川氏は直前まで別室で赤松農相らと静かに待機していたという。中村幸一・自民県連会長が「あの場にそぐわない」と指摘するように、批判ありきのパフォーマンスに思えた。【石田宗久】

この記事を書いた石田宗久氏、検索してみると結構あちこちで面白い記事も書いている御仁で、赤松大臣らに批判一色という現状に憤慨し警鐘を鳴らすという純然たる意図もあったのかとも思うのですが、その一方でこういう事実関係を見せられてしまうとあれ?もしかして今大きな声で与党批判できないような社内的事情でもあったの?と勘ぐりたくなるのも人情ですよね(苦笑)。

小沢幹事長、次期参院選宮崎県選挙区公認候補に元毎日新聞記者の渡辺創氏擁立を発表(2010年5月7日民主党HP)より抜粋

 小沢一郎幹事長は7日午後、宮崎市内で記者会見し、次期参議院議員選挙の宮崎県選挙区に、民主党公認候補予定者として、元毎日新聞政治部記者の渡辺創氏を擁立することを決定したと発表した。

 はじめに小沢幹事長から挨拶があり、「渡辺さんは、皆さんと同じ(報道の)職業であったが、これからは、皆さんからご批判、ご判断を頂く立場になった。攻守立場を変えてのことだが、意識の転換を図らなくてはならない。そうでなければ県民の心をつかめない」と述べ、覚悟を持って取り組んでほしいと求めた。

 さらに小沢幹事長は、民主党は昨年の選挙で国民から政権を任されたとしたうえで、「国の内外ともに難題を抱えている。特にここ宮崎県では、口蹄疫が問題となっている。渡辺さんには、地域の皆さんとともに、地域の皆さんのために可能な限りの努力をし、県民の皆さんの理解を頂き、ご支持を頂くよう頑張ってほしい」と激励した。

 また、小沢幹事長は、「本日、社民党、連合、労組にもご挨拶し、連立の枠組み、選挙の協力体制を維持していくとの激励を頂き大変感謝している」とし、一致団結して選挙戦に臨むとした。

 続いて渡辺氏は、「これまでの会見でも繰り返したが、政治を志したのは、一人一人の人間を見つめ、暮らしを守り、それぞれの皆さんが幸せを追求できる、そういう社会を創っていきたい」との思いからであると語り、自らの立脚点として「これからも現場にこだわり、社会の実像を国政の場にダイレクトに届けていきたい。今の閉塞感と不安感の漂う社会のあり方を打破し、新しい社会のあり方を構築していきたい」と、決意を表明した。
(略)

ま、元同僚が政権与党公認候補になったからと言って政権批判に手心を加えるような社会の木鐸(苦笑)でもなかろうとは思いますけれども、こんな時代だけに世間のあらぬ誤解を受けるような行為は謹んでおいた方がいいのかも知れませんね。

いずれにしてもこういう伝染病問題はセンセーショナルな売らんかな的報道など百害あって一利なしと心得ておくべきで、報道を利用する側にとっても良い報道、悪い報道を見分ける目を養う必要もあるだろうし、悪い報道ばかり行っているマスコミに対してもきちんと選別と淘汰を行っていくことが要求されることになるのでしょう。
そういう意味では再度の流行が懸念される新型インフルエンザを始め、人間界での大規模感染症発生に対する予習機会とも捉えられるものでもあるし、こうしたところから社会的な経験値を高めておくことも必要なんだと思いますね。

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