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2010年4月 8日 (木)

水面下で進んでいる外国人医師の参入 その最初の影響は?

先日は仙石氏の外国人医師導入論についての諸説をご紹介したところですが、当座なかなか超えるべきハードルも多いのかなといった感じではありましたよね。
そんな中で先日何気なく出ていたこういうニュースですが、なかなか受け取る立場によって見解が分かれそうな話ではある一方で、非常に現実的な話でもあるという気がします。

CT診断、中国に格安委託…大阪の会社 ネット経由で(2010年4月6日読売新聞)

 医師不足などの影響で、患者の検査画像の診断をインターネットで外部に依頼する医療機関が増えるなか、一部で格安サービスをうたい中国の医師への委託も始まっている。これに対し、放射線科医らで作る日本医学放射線学会などは、診断は日本の医師免許を持つ者に限るとの指針を作成。8日から開かれる学会でも議論になりそうだ。

 遠隔画像診断と呼ばれ、病院や診療所で撮ったCT(コンピューター断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像)の画像を、放射線科医のいる施設などに送り、報告書を返信してもらう。

 中国人医師による画像診断を行っているのは「日本読影センター」(大阪府)。日本人医師による診断の傍ら、2008年に中国への依頼を始めた。CTなどの診断を外部に依頼した場合、国内では1件当たり3000円前後が相場だが、700~900円で請け負う

 現在は総合病院や診療所など8施設と契約して、月約800件を中国側に依頼。吉村英明社長は「契約している中国人放射線科医は約15人おり、診断力はあらかじめテストしている。ただし、日本の医師免許はないため、あくまで『参考所見』という位置づけ」と話す。

 厚生労働省医事課は「最終的な診断は依頼した日本の医師が下すとすれば、医師法に触れるとは言えない」との見解だ。

 しかし、日本医学放射線学会などは、診断の質や個人情報の安全が保証されない可能性を強く懸念。「医師でない者(外国の医師免許のみ有する者も含む)が行うことは日本の法規に違反する」などとする指針を昨年11月に作成した。

 これに対し、吉村社長は「個人名は消すなど情報の取り扱いにも注意を払っている」などと学会の指針に異議を唱えている。

 国内のCT、MRIの合計数は約1万7000台と、人口当たり先進国中で最多。一方、専門医は5000人程度。民間調査会社矢野経済研究所によると、遠隔画像診断を利用する医療機関は昨年、1944施設と、10年で8・2倍に増えた。

実のところ遠隔画像診断でググれば一枚幾らで読影してくれるサービスが既に幾らでもあるようにポピュラーになったものではありますが、今回注目すべきは中国の医師への委託が始まっているという点でしょうか。
放射線科に依頼する側の感想としては「時代の流れで仕方がない」といった程度のレスが多いようですけれども、当事者である放射線科医の方では少しばかり異なった見解があるようで、既に先日の外国人医師導入論が出た直後からこの方面に関する議論が進んでいた経緯があります。
医療業界全般の意見としては「外国人医師に開放などと言ったところで、安くてこき使われる日本にまともな医者など来るものか」といった見解が主流だったわけですが、こと遠隔画像診断となりますと単価幾らで他国に外注出来る、しかも安いだけでなく場合によっては時差の関係で夜間でもレポートを期待できそうだと、実のところあまり目立った障壁がなさそうなだけに現在進行形で市場開放が進んでいるのが現実です。

575 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/22(月) 00:10:09 ID:rqYji5ja0

日本の医師免許なくても診療を 仙谷氏、制度改正を検討
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032101000409.html

「外国人の医師は現在、日本の試験を受けないといけない。
世界的なレベルの医者に失礼だ。そういうことは取っ払うよう仕掛けたい」
仙谷由人国家戦略担当相は21日、日本の医師免許を持たない外国の医師でも一定の技術
レベルが認められれば日本国内で診療が行えるよう制度改正に乗り出す考えを示した。

まずは遠隔診断で海外読影医への規制緩和からですね。

578 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/22(月) 09:32:46 ID:9OaYCBoq0

外国人に開放して一番困るのは画像診断だよ。すでに中国人に一部
侵食されているがあくまで参考意見ということでおさまっているのに、
これで正当性を与えてしまう。中国でどれだけの数の画像診断医が
職がなくて困っているのか
知ってるの?

586 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/22(月) 19:01:57 ID:9OaYCBoq0

 遠隔画像診断 ネットワークの構築と運用、によれば毎年数千人の
画像診断医が中国で誕生
しているそうだ。
 中国では医師は特別な高給ではないため1件500円なら喜んで受ける
だろうね。日本の一部遠隔画像会社がすでに中国進出をはたしているが、
中国の医師免許での日本での医療行為可能にすれば日本の画像診断は
大学の卒前教育としてしか生き残れなくなったしまう
。ちなみに10年前で
はあるが、中国人放射線科医の給料は1万5千円だったよ。

599 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/24(水) 07:27:14 ID:v+xcbjxE0

現実が厳しすぎて逃避したい気持ちはわかるが、外国医師免許を国内で
認めた場合、画像診断医の価値が低下するのは避けられない
事実。
学会や専門医会は断固反対を表明すべき。

放射線科医の立場としてこれをどう受け止めるかですが、実のところ既に2003年の段階で日本放射線科専門医会の医会誌に「遠隔画像診断はドル箱か」という一文が掲載されていて、遠隔画像診断への関心の高まりを「大変喜ばしいこと」と表現していますけれども、この時点で念頭にあったのはあくまで日本人医師による読影であることは言うまでもありません。
どちらかと言えば日本では日陰者扱いだった放射線科医にとって読影業務というのは、外病院への非常勤アルバイトなどの口もあるそれなりに大きな収入源だったと思いますけれども、それらが外国人に持っていかれるとなれば業界団体としては何かしらのコメントは避けられないところでしょう。
さすがにこの場合「俺らの収入が減るから困る」とも言い出しにくいでしょうが、今後外国人医師による読影が広がってくるということになれば、その法的根拠が非常に曖昧であるという点は指摘しておかなければならないでしょう。

冒頭の記事では厚生労働省医事課から「最終的な診断は依頼した日本の医師が下すとすれば、医師法に触れるとは言えない」との見解が出ていて、恐らくこれは外国人医師に読影させるという行為自体の違法性に関するコメントではないかという気がしますが、要するに外国人による読影は正規の読影ではなくあくまで参考意見であるという立場であると解釈できます。
一方では記事中にもありますように日本放射線科専門医会では既に「遠隔画像診断に関するガイドライン」なるものを公表していまして、その中には画像診断に関してこのような記述があります。

(1)画像診断は医療行為(註1)である

画像診断は診断確定に重要な役割を果たし、さらに治療方針決定に大きく関わっている。 とくに最近の精密な画像診断情報が診断や治療法の決定に果たす役割はますます大きくなってきている。画像診断のために必要なあらゆる情報を駆使し、それらの情報を活用できるのは医師のみであり、その行為は医師によってのみ行われる医療行為である。医師でない者(外国の医師免許のみを有する者も含む)が行うことは、日本の法規に違反する行為である(註2)。

註2:外国人医師も含めた日本の医師免許を持たない者の日本国内での医療行為について

医師でない者が画像診断を行った場合は、医師でない者が「医業」をなしたものとして医師法17条、同31条1項1号によって3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処せられる。米国放射線専門医会の「米国外における画像診断についての宣言(改訂版)」においても、国外において画像の遠隔診断を行う医師に米国の医師資格を要求している(4)。
医師法17条には国外犯規定はないが、医師でない者の国外における画像診断を国内の者が加功(加担)した場合は共同正犯(刑法60条)として処罰される。また、医師でない者の画像診断に対して医師が加功した場合も、共同正犯が成立すると言うのが裁判例である(5)。

要するに外国人医師が読影した時点でそれは正規の画像診断ではないし、放射線科専門医会の方では認めない意向である、一方で厚労省側としては正規の画像診断でないという点は同じ見解ながら、日本人の医師がそれを参考意見として用いるのは法的には許されるということになりますが、そうなると当然の話として出てくるのが外国人による読影では画像診断加算の施設要件を満たさないのでは?という疑問です。
現在は診療報酬に放射線科医に読影させれば余計な料金をいただけるという加算が組み込まれているわけですが、外国人医師による読影は正規の読影ではないという扱いになるのであれば、そうした外注を行っている読影サービスに依頼した場合に画像診断加算を算定出来るのかどうかという疑問があるわけですね。
実のところひと頃この加算の算定があちらでもこちらでも行われた結果、厚労省の方では「加算の趣旨を徹底し、また加算の厖大化を防ぐ意味から最近これをあらため厳密にするよう社会保険事務所に指示」している(放射線科専門医会HP)という現実がありますが、試みに同医会のサイトから加算の基準を引用してみるとこんなことになっています。

画像診断管理加算1、2;専ら画像診断に担当する医師(専ら画像診断を担当した10年以上の経験を有する医師に限る)が読影結果を文書により主治医に報告した場合、月の最初の読影の日に算定する。

遠隔診断施設基準;
1)送信側においては、画像の撮影ならびに送受信をおこなう十分な装置・機器を有していること。

2)受信側においては以下の基準を全てみたすこと

 ア;画像診断管理加算1、または画像診断管理加算2の施設基準を充たしていること。
 イ;特定機能病院、特定承認保険医療機関、臨床研修指定病院、へき地医療拠点病院、へき地中核病院またはへき地医療支援病院であること

施設基準1:
1)放射線科を標榜している医療機関であること

2)画像診断を専ら担当する常勤の医師(専ら画像診断を担当した経験を10年以上有する者または別表の左欄に掲げる診療報酬点数などに係る療費について、同表右欄に掲げる研修体制及び審査制度を設けている団体が行う医師の認定を受けた当該療費に係る医師(以下「専門医」という)1名以上いること。なお、画像診断を専ら担当する医師とは、勤務時間の大部分において画像情報の読影に携わっているものをいい、他の診療などを行っている場合はこれに該当しない。

3)画像診断管理を行う十分な体制が整備されていること

素直に受け取れば加算をとるには医師(当然ながら医師法に言うところの「医師」です)が少なくとも一人は関わっていなければならないということになりそうですが、一方で実際に読影する全スタッフが「医師」でなければならないと言うわけでもないとも受け取れる文章ではありますよね。
半ば裏技的に考えるならば読影サービスを提供する側に一人だけでも名目的な日本人医師がいれば、中国へ下請けという形で読影を依頼しても遠隔診断施設基準を満たすことは可能という話になりますが、ただでさえ加算の切り詰めにうるさい厚労省や社会保険事務所といったあたりがどこまで認めてくれるかは、今後の成り行きを見ないことには何とも言えないという気がします。
インターベンションなどを手がけている実戦派は別として、とかく読影専門の放射線科医と言えばメジャー診療科からはお気楽商売と考えられがちでもありますけれども、こうして真っ先に外国人医師参入の影響を受ける立場となってきますと仕事が楽になると喜ぶべきなのか、強力な商売敵が増えると恐れおののくべきなのか、降って湧いたように意外な波風が立ちそうな話ではありそうですね。

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コメント

ちょーっと仙谷大臣にひとこと言いたいですよね。

>「外国人の医師は現在、日本の試験を受けないといけない。世界的なレベルの医者に失礼だ。そういうことは取っ払うよう仕掛けたい」

日本国民が要求する医療レベルは世界一とのお墨付きが既にあるんですが、たしかに医者のレベルが世界一とは言いませんが、世界平均よりは高いところにいると思われますのに、世界平均をクリアした、というだけで日本においでになっても、(労働条件も含めて)ついていけない可能性が高いと思いますが、どうでしょうかね。

投稿: Seisan | 2010年4月 9日 (金) 10時34分

本当に世界的なレベルなら別に日本じゃなくとも引く手数多のはずで、日本に何人来るかということですが、こんなふうな制度改革を本気でやると来るのは世界的なレベルではない医者ばかりということになりそうですけどね。
もっとも医療はこれからの日本を牽引する基幹産業ということになっていますから、これは規制緩和だの非関税障壁撤廃だのと言った話と道を同じくする話なのかも知れません。
となると、どこの誰がそれを要求しているのかが気になりますが…

投稿: 管理人nobu | 2010年4月 9日 (金) 13時08分

世界的に見れば、日本よりインドやタイの医師の評価の方が高いので、もし、その方々が日本に来ていただけるなら、嬉しいですね。
試してみる価値は、あると思います。

アメリカだって、USMLEに合格していなくても、特別許可で医師免許を取得している外国人医師がいます。
日本も、同様に特別許可を与えてもいいと思います。

以前、岩手に来ていた中国人研修医が契約期間満了で帰国したにも拘わらず、過酷な労働環境に耐えられず帰国したというデマが流されました。
こういうデマって、誰が流すのでしょうか?

その中国人研修医は、帰国前に知事に挨拶をすませ、その際に、日本より中国の方が医師の労働環境が悪いことを述べているんですけど…。

投稿: あぶ | 2010年4月13日 (火) 10時18分

デマなるものの詳細は判りませんが、中国人医師の存在も今や珍しくない中で多くの人間が実際に接してみて、抱く感想もまた十人十色ではあるんでしょうね。
人間誰しも個人的体験というものに左右されるんでしょうが、ネットと言うものはそうした個人的体験を一般化しやすい傾向はあるでしょう。
現場感覚と合致する体験談は広まっていき、これに反する体験談はいずれ消えていく、ネットという環境の中でも医療関係者であればその位の分別は持っていると思いますよ。

その意味では今のところ外国人はお客さま扱いで過激な仕事をさせている施設もそうないと思いますが、今後もし数が増えてくると現場の空気がどう変わってくるかですかね。
今も日本人の中でも奴隷派vsQOML派なんて面白おかしく言ってますけれども、それどころじゃないくらいのカルチャーショックが来るのかも知れません。
まあそれくらいの数が流入してくるというなら、現場としては御の字とも言えるかも知れませんが(苦笑)。

投稿: 管理人nobu | 2010年4月13日 (火) 14時44分

  -現在ターゲットの小泉純一郎前首相&医師久松篤子とその家族ー いずれ政敵へ

  
  韓国〇百合子の苦シミ~ “ いずれ I am sorry ” ~

          そし(ハ)・・・て・・


××敵サスと 韓国現大統領 ◎邪パン・ツ魔テロ(△164)~ 北朝鮮喜び組 〇110Who属???( ~いずれ58さい~ 2010.7.15) 円罪・擬装失踪 0自殺 ~ 十撃まで

・・・・・・火元は △164-1=△33十△105十△25・・・・イサオ裏工作(△33)

                                 工作員(333)NHK(2十1=3)広報

×不治三軽(イイジマ三(33)*日枝(105)*110ウルマファミリー(25))・・・結0・・暴力団(三)

                                           納◎

×東京10く 小イ〇百合子~ 婚活死・ 援企業(888)く ジョージ・W・ブッシュの死の商人(ハハハ)~エイズ対策感染症基金(ハハ)!!!


ファミリー(88)◎   ち・なみに~ 警視庁(17)!!!
長崎県警 〒850-0033長崎市万才町4-8 -交通安全ー

投稿: “スカイツリー” | 2010年4月24日 (土) 20時04分

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