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2010年4月

2010年4月30日 (金)

日医が反対反対と言っている間に、世間は先に進んでいるようです

昨日早朝から夜中まで出かけていまして、更新が遅くなってしまい(というより、実質翌日でしたよね…)申し訳ありませんでした。

さて、最近こういう記事が相次いで出ていたのですけれども、日本医師会(日医)の主張というキーワードとともに並べて見てみるとなかなか面白いなと思ったので紹介させてもらいます。
まずはこちらなんですが、いつもお世話になっている日経BPさんのアンケート調査に関する記事で、こういう企画にのってくる人々というのはそれなりにこの種の問題に興味も関心もあるという意味で相応にバイアスがかかっているという点には留意する必要があるかとも思いますね。

患者の8割が「医療機関のフリーアクセスは制限すべき」(2010年4月27日日経BP)

 「医療機関へのフリーアクセスは制限すべき?」とのテーマでまとめた前回の記事に対しても、多くの方からご意見をいただきました。本当にありがとうございました。

 フリーアクセスとは、診療所から大病院まで受診する医療機関を自由に選べる制度です。国民皆保険制度と並び、日本の医療を支える特徴的なシステムといえるでしょう。前回の記事では、そのフリーアクセスを制限すべきかを皆さんと一緒に議論するとともに、制限に対する「Yes」「No」を投票していただいたのですが、その結果は、私にとっては意外なものでした。

 フリーアクセスは、患者にとっては非常に便利な制度です。ただ、一方で、医療資源の効率的な活用という点からすると、ムダが生じやすい面があります。軽症例を含む大病院への患者集中が勤務医の疲弊を招いているとの指摘がありますが、これはフリーアクセスの負の側面と考えられます。そうした背景から、記事の執筆時点では、医師はフリーアクセスの制限に賛成し、患者は反対するのではないかと予想していたのです。

 ところが実際には、日経メディカルオンライン(NMO)、日経ビジネスオンライン(NBO)の双方で、「Yes(制限すべき)」が多数を占めました。NMO(医師)は89%、 NBO(患者)は79%が「Yes」との回答でした。

患者が「制限すべき」と答えた理由

 9割が「制限すべき」と回答したNMOにおいて、医師がその理由として挙げたのは、「軽症患者が大病院にまで押し寄せ、勤務医の疲弊の一因になっている」の一点に尽きると言っても過言ではありません。

 一方、NBOでは、上記のような理由のほか、医療費の費用対効果の視点から「制限すべき」としたコメントも散見されました。少々興味深かったのは、ユーザーの視点で、大病院の混雑を解消するための方策の1つとしてフリーアクセスの制限に賛同する声が見られたことです。大病院で診察せずともいい軽い症状で来院している患者が多いと感じているのは、医師も患者も変わらないようです。

 ただし、NMO、NBOともに、英国の登録医制度のような厳格な手法で制限すべきとの意見はありませんでした。これは、フリーアクセスの今後のあり方を考えるうえで、非常に重要なポイントだと思います。

 寄せられたコメントは、「大病院の紹介状なし外来の窓口負担を大幅に上げればよい」「大病院が慢性疾患の外来患者ばかり診ていたら利益を確保できないように、診療報酬を変えるべき」といった、間接的な手法でのアクセス制限を求める声が大半でした。同様に「大病院への受診は制限しても、開業医への受診は制限すべきではない」など、制度化するにせよ、柔軟なシステムを求めるコメントもありました。前回の記事でも書きましたが、私の意見も、ほぼ同様です。

 とは言え、患者側に、フリーアクセスの制限に全く懸念がないかといえば、決してそうではないようです。NBOへのコメントには、「大病院へのアクセス制限は、免許更新制度や新たな資格制度の導入など、開業医の質を担保するシステムの構築が大前提」といった声が多く見られました。大病院へのゲートキーパー(門番)機能を担うことになる開業医の診療能力に不安を感じるのか、「自由標榜制(掲げる診療科目を自由に選べること)は廃止すべき」との意見も寄せられています。

 このほかでは、「フリーアクセスを制限した場合、診療所自体がない空白地帯があれば大きな問題になる。医師偏在への対応も含め、自由開業制(診療所の開業場所を自由に選べること)は禁止すべき」といった主張も寄せられました。

フリーアクセスの制限は対症療法にしかならない?

 実は、開業医の診療能力への不安は、フリーアクセスの制限に反対する理由としても挙がっています。実際、NBOでは、「診療所での受診には不安があるので、フリーアクセスの制限には絶対反対」といったコメントが複数見られました。

 今回の投票では「No」の回答は少数派でしたが、それでもNBOでは2割、NMOでは1割がフリーアクセスの制限に反対しています。

 「No」の理由は様々ですが、上記以外では、NBO側からは「市場原理による医療機関の淘汰を促すうえでも、フリーアクセスは必要」「フリーアクセスが制限されれば、自分が納得できる医療機関を自ら探すことができなくなる」、NMO側からは「複数の医療機関の間を漂流し、必要以上の検査や投薬を受ける “問題患者”への対処のために、全体の制度をいじり、変更するのは愚行。医療機関の受診などについての集団的教育と個別のサポートを行うことで対応すべき」といった意見が寄せられました。

 今回いただいたフリーアクセスに関するコメントの多くは、つまるところ、患者の大病院志向をどう“是正”するかが1つの論点になっています。簡単に言えば、制度で縛るか、教育や周知徹底で受診行動の変容を促すかですが、仮に前者を選択しても、システムの強要では患者の考え方は変わらず、「結果的には対症療法にしか過ぎない」との指摘もありました。

 「大病院へ簡単に紹介する開業医が患者から高く評価され、大病院への紹介数が増えれば、結局、現状と何ら変わらないことになる」。NMOに寄せられた医師からのコメントですが、患者の大病院志向が変わらなければ、そうした事態になってしまう可能性も否定はできないでしょう。

 前回の記事でも述べたように、フリーアクセスは、国民皆保険制度とともに、パフォーマンスに優れた日本の医療を支えてきた特徴的なシステムです。また、フリーアクセスを何らかの形で制限するにせよ、厳格な運用は、医療関係者も患者も望んでいないようです。医療機関へのアクセスのあり方については、今後、医療関係者だけでなく、患者の立場である国民を巻き込んだ裾野の広い議論が必要でしょう。今回の記事が、若干ではあっても、そうした議論の場となったのであれば幸いです。

 次回は、これまでの記事の中でもたびたび触れた「混合診療」の是非について皆さんにお尋ねしたいと思います。記事の掲載は6月上旬の予定です。ぜひ、ご意見をお寄せください。

調査結果のみを取り上げてみれば、大病院への患者集中を防ぐためにフリーアクセスを制限すべきかと言えば患者側たる一般人の8割、医療関係者の実に9割がそうすべきだと考えているという極めて明確な結果で、日医が事あるごとに金科玉条のように主張するフリーアクセスの維持というものに、世間ではずいぶんと醒めた視線を送っていると取れる結果ではないでしょうか。
記事自体は非常に結論ありきといった趣も強くて(記者自身もこの結果が自分には意外だと言っていますが)、ごく少数派の各論のみを過度に取り上げて持論たる結論を誘導しようとする意図があまりに目につくのはどうかとも思うのですけれども、数字自体もさることながら開業医の質への深刻な疑念や自由開業制限論など、色々な意味で日医さんには結構厳しいのかなと思うような結果ではありますよね。
まあ日医さんをあまりいじめるのが本稿の目的でもないんですが、医療関係者などの間ではフリーアクセスというものは日本の医療制度の大きな特徴でこれは一度失われると取り返しがつかないものなんだと(事実そうなんでしょうが)いう声は根強い一方で、実際に数字として見てみるとそれを絶対視している人間と言うのは実は少数派なんだなとは再認識できるかと思います。

そういう点で見るとこれまた日医さんが断固反対という構えを崩していない混合診療問題なども似たような側面があって、医療を経済の牽引役にとも目する民主党政権の方では既に混合診療導入自体は既定路線であるかのような論調すら散見されるし、厚労省など関係省庁も控えめに言っても断固反対なんて声はなく、後はどの程度から始めるかという落とし所を議論する段階ともなってきているように見えます。
そして国民の方でも混合診療断固反対なんて感じでもないというのですから、今や大きな声で反対しているのは医療政策に対する影響力すら失ったとも言われる日医だけかとも思うような話ですけれども、もちろん産業としての医療業界への参入機会が増えると経済畑方面でも当然視しているというわけで、世の中ではこんな記事が次々と出てくるということになっているわけです。

ライフ革新へ避けられぬ混合診療という「関所」(2010年4月23日日本経済新聞)

 鳩山政権が科学技術を生かした成長戦略の柱の一つに「医療・健康・介護」を掲げ、行政刷新会議や総合科学技術会議などの場で具体策作りに向けた議論が始まった。官民が協力して国内で革新的な医薬品や医療機器を創出し、経済成長に結びつけようというもくろみのようだが、「ライフイノベーション」という「英語にはない」(総合科技会議議員の本庶佑京都大学客員教授)ネーミングが災いし、言葉の解釈を巡って会議の場では混乱も起きている。

 ライフイノベーションの定義がどうであれ、医療を成長産業に育成するのであれば、きちんと押さえておきたいのが「医療費を押し上げるのは先端医療」という近年の学説だ。医療費高騰が先進国共通の悩みとなるなか、その原因は日本で通説の「高齢化」ではなく「医療技術の進歩」というのが医療経済学では常識となりつつある。

 日本の医療は国民皆保険で成り立っている。薬代も検査費用も治療費もすべてが公定価格。年間34兆円といわれる医療費の原資は保険料か税金か患者の窓口負担でまかなわれる。この公的制度を舞台に新薬や医療機器での技術革新を推し進めていけば、将来、医療費高騰という社会負担として跳ね返ってくるだろう。

 ここ数年、治療法のなかった進行がん患者に使う抗がん剤が相次いで登場した。多くが最新のバイオ技術を駆使して開発されたもので、量産が難しいことからどれも高価だ。1カ月の治療費が数十万円にのぼるものもある。高額療養費制度を使えば患者負担は減るが、医療費増につながっている点では変わりない。しかも残念ながら完治するのはまれで、数カ月の延命のために使われることが少なくない

 海外ではこうした先進医療の費用対効果に対する研究が盛んだ。たとえば英国では国立医療技術評価機構(NICE)が公的医療サービスの予算を最大限有効活用するため、新薬などに支払う費用が見合うかどうかを検証し、公費負担を決めることになっている。2年前には高価な腎臓がん治療薬を負担対象外としようとしたことで、「命を見捨てるのか」という国民的な議論が巻き起こった。

 米国が長年、医療分野で技術革新のけん引役を担えたのは、国民の約2割が無保険者にもかかわらず日本の7~8倍を投じる莫大(ばくだい)な医療費のおかげともいえる。オバマ大統領は悲願だった「国民皆保険」に道筋をつけたが、今後、財政状況が厳しいなかで改革を進めていけば、医療費抑制に動く公算は大きい。市場の縮小から製薬会社の収益減となり、米国での「ライフイノベーション」が失速するのではないかという見方も出てきた。

 日本の場合、保険診療と保険外診療の組み合わせを認める「混合診療」を解禁して私費医療を拡大しなければ、技術革新と医療費拡大の板挟みから医療の産業化を実現するのは難しいだろう。もちろん、政権として公的色彩が濃い医療は産業にはなじまないとの立場を貫き、今のまま「混合診療」を認めないという選択肢もあるかもしれない。ただ、この本丸に決着をつけないままライフイノベーションの目標だけを掲げても、それは意味を持たない議論になってしまう

財務省などとしては財政厳しい今の時代に医療への公的支出は大幅に増やす意志はさらさらない、せいぜいコンマ数%増で「一応医療費は増やしているんですよ」とポーズをとってみせるだけという状況は今後も続くでしょうし、皆保険制度を維持している限りにおいて医療費全体のパイは財務省の動向に握られてしまうわけですから、要するに医療が今後産業として急成長する目もないという話ですよね。
もちろん一部の処方薬をOTC化して医療費の範疇から外すという動きもありますが産業としてそう大きなものになるとも思いにくい、保険適用外でももっといい治療があれば受けてみたいという人々も全額自費でとなると大多数は二の足を踏むでしょうから、結局民主党の成長戦略の不可欠の鍵として混合診療導入(それも、かなり大規模なレベルで)が必須となってくるように思えます。
混合診療については各人各様に意見があって、こればかりは何が正解というわけでもなく良い点もあれば悪い点もあるというしかないんですが、日医のように混合診療につながる可能性のある議論すら一切認めないといった態度では、いざそれが実現間近となったときに国民は何をどう考えればよいのか判断の材料すらないということになりかねないですよね。

当面おそらく限定的な部分から入って次第に拡大をしてくるという方向になるんじゃないかとも思うんですが、医療費削減の多寡がどうとかではなく利用者である国民にとってなるべくメリットが多くデメリットの少ないところから始めてみるべきでしょうし、そのためにどういう領域での混合診療導入が自分にとってメリットがあるのかと選挙を前にあれこれ考えを巡らせておくのもいいでしょう。
同時に記事中にも少し出ていますが、例えば高齢者におけるいわゆる姑息的な抗がん剤治療など費用対効果云々以前の段階でどこまでやっていくべきなのか議論の余地があるように、混合診療導入というものが医療というものに対する一般人の認識を深める可能性もあるんじゃないかと思いますね。
日本の医療と言えば「何でも出来るだけのことをやってください」なんて見積りも取らずにフルコースお任せがデフォという、車を買ったりご飯を食べたりする際にはちょっとあり得ないようなことを普通の庶民が当たり前にしているという妙な慣習があるわけですが、医者もさることながら多くの国民がちょっとばかりのコスト意識を持って考え始めるようになれば、同じ医療費でもずいぶんと使いでがあるものになる気もしますよね。

もちろんその大前提として判断材料となる正しい情報提供というものが必要になるのは言うまでもないわけで、まともな医者が何十回と説明するよりも怪しげなタレントが「大事なことだから二度言いましたよ!」なんて叫んだ方が信用されるという世の中にあって、日医あたりも単なる万年反対勢力から脱してきちんとした国民教育に精出すようになればいいんでしょうけれどもね。
なにしろ会員から高い会費をとっているわけですから、とりあえず自虐的CMなんて流すくらいならいっそ「この民間療法ここが嘘!」なんてゴールデンタイムにCM流しまくって各方面に喧嘩売って回った方がネタにもなるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうかね?

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2010年4月29日 (木)

今日のぐり:「カフェレストラン アンジュール」

世間ではいよいよゴールデンウィークということで、旅に出かける機会も多いのではないかと思います。
さて、旅行といえば色々と普段にない体験をすることも多いかと思いますが、とりわけ海外旅行ということになりますと良くも悪くも一個人というより一日本人として見られてしまうという側面はありますよね。
最近ではかつての誤解だらけの情報過疎の時代からすると、日本からの情報発信もずいぶんと増えて諸外国にも思わぬ日本通がいたりもするものですが、そうであるからこそ逆にあり得ないようなリアクションが飛び出してくる危険性もあるというのがこちらの記事です。

日本人だと分かった瞬間、外国人にされた事(2010年3月28日ロケットニュース24)

あなたが海外旅行中、現地人に日本人だと気づかれた瞬間、相手に何かしらのリアクションをされた事はないだろうか? インターネット上では『日本人だと分かった瞬間、外国人にされた事』という題目で様々な体験談が寄せられており、日本人だと気づかれて外国人にされたリアクションが多数報告されている。

人気ブログ『あやしいNEWS 2nd』では秀逸な体験談がまとめて掲載されており、なかには腹を抱えて笑ってしまうものも……。とある男性はヨーロッパ旅行中での体験として、「向こう(外国人)のおっさんと話をしていて、俺が日本人だと分かった瞬間、カメハメ波をうたれた事がある」と語っている。

「アメリカ人に、実は俺もニンジャなんだ、と言われたことがあった。明らかにカンフーぽい動きしてたが」という人や、「あたし折り紙作れって強要されたよ。ユーロスターの中で。しょうがないから奴さん作ったんだけど意味を説明できなくてすごく気まずかった」という体験をした人も。折り紙の説明はできなくても、目の前で折ってもらえた折り紙は外国人にとって宝物になったに違いない。

日本人女性は男性よりもセクハラに近い行為を受けたという人が多いようで、「私はかなりしつこく口説かれたよ。日本人の女の子はアジア系の中でも得に人気あるからね」という人も。そういうリアクションはノーサンキューである。

日本人はボッタクリ商売のカモと見られているのか、「エジプト行ったとき、現地の人にさかんに握手求められた」という人もいた。「だいたいが土産物とか売ってる行商人。観光名所だけじゃなくて、ホテルの近くにもいた。日本人は金持ちっていう思い込みがあるので、まず握手をしてコンタクトを図ろうとするみたい」と、海外では日本人に対して偏見があることを語っている。

カメハメ波のような嬉しい(?)リアクションは大歓迎だが、セクハラをされたり商売のために握手を求められるのは、旅行者にとって不愉快なものである。そういう地域に行く場合は、ちょっと気を引き締めて観光するしかないのかもしれない。

何やらドラゴンボールのコスプレなんでしょうか、満面の笑みを浮かべる写真の二人がいい味を出している記事ですけれども、日本人の全てがドラゴンボール好きだと思ってもらっても困るというものですよね(ちなみに私好きですけれども)。
最近では日本好きが講じて実際に日本を訪れる外国人というものも結構いらっしゃるのでしょう、かつてのように京都、奈良といった観光地を巡って終わりというのではないコアな部分にまで足を踏み入れてしまう方々もいらっしゃるようですけれども、そうした人々にとっての思わぬ日本の魅力とはなんなのかということが判るのがこちらの記事です。

【コラム】 外国人から見たニホンの魅力って?(2010年3月26日R25.jp)

先日、久しぶりに銀座をぶらぶらしていたら、中国からの観光客がたくさん! 最近では電気屋さんで見かける外国人の姿もすっかりおなじみですよね。

例えばフランスならパリの「エッフェル塔」、アメリカならニューヨークで「自由の女神」…なんて、海外の行きたいところならどんどん出てくるけど、自分の国となると当たり前すぎてよくわからないもの。外国人は日本のどこに魅力を感じているの?

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「銀座や浅草などに加えて、秋葉原が定番スポットになりつつあります。東京近郊では高尾山が穴場として注目されているようです」(国際観光振興機構・小川さん)
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高尾山は、都心から比較的近く、美しい自然がたくさん残っていることで好評なんだそう。日本の観光人気の一端を担っているというフランスの旅ガイドブックには、今まで僕たちが気に留めていなかった日本の観光地が多く紹介されているようです。

一方、秋葉原は電気街やメイド喫茶があったり、日本人にとってもちょっと変わったスポット。では、外国人が秋葉原に求めているものって一体何なのでしょうか?

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「免税店も多く、電気製品が安く買えますし、電脳街の街並みやメイド喫茶などは、やはり外国人観光客にも珍しく見えるようです。それに実は秋葉原って、非常に外国人に対応した街になっていて、特に免税店などでは、英語・中国語・韓国語が通じる外国人スタッフが多く常勤しています。(NPO法人秋葉原観光推進協会)
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もし、自分の店に言葉のわからないお客さんが来ても、『その言葉なら○○の店の△△さんなら話せる』などお店同士が把握していて、海外からの観光客にはとても便利なんだそうです。

ところで、外国人に人気のある日本の観光スポットって、日本人にとっても見ごたえのあるスポットになったりするのでしょうか?

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例えば、国際観光振興機構 上海観光宣伝事務所所長・平田真幸氏のお話によれば、昨今、台湾からの観光客に人気が高い北海道ツアーは、1990年代後半から年間を通した旅行目的地となっている(今ではアジア各地やオーストラリア人にも人気)。また、これまで欧米系観光客向けと考えられていた木曽路の妻籠などが、中国人観光客の間では人気なのだとか。
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北海道は日本でも人気の観光スポット。さらに面白いのは、欧米系観光客をターゲットとして進められてきた京都・町家の改修保存・再生プロジェクトだったのですが、いざ蓋を開けてみれば観光客の7割を日本人が占めていたという話。外国人が面白いと思うスポットは、日本人にとってもいい観光スポットになるみたいですね。

海外旅行にばかり目が行きがちだけど、実は日本にも魅力的な観光地がたくさんあったんだ。今度のゴールデンウィークは、国内旅行にでも出かけてみようかな。
(R25編集部)

秋葉原の話にも出ていますけれども、自分のところでは無理だけどあそこならと商売敵を紹介してくれるというのは非常に物珍しく見えるらしいですが、地域内で共存共栄するという姿勢が根づいているというのは言ってみれば昔ながらの地域の商売のやり方にも通じるところがあって、何かしらある種の最先端という印象もある秋葉原に似つかわしくないようにも思えて面白いですね。
しかし一方では妙な誤解が広がっているという側面もあるようで、例えば気楽な回転寿司ならまだしも本格的な寿司バーというものは初心者には敷居が高いと言うことなのか、マナーを紹介してくれているのはいいのですけれども、どうもこれは少しばかり何かが違うと思ってしまうような話ですよねえ。

日本でスシを食べるための確実に押さえるべき10のステップ(2010年2月23日GigaZiNE)

海外の人たちから見ると日本の礼儀作法はとても物珍しく映るようで、寿司を食べる時の作法が紹介されていました。

日本人から見ると「そこまで懇切丁寧に説明するのか!」と驚いてしまう部分もありますが、海外の人にとってはかなりの気合いを要するイベントなのだということで、ニュアンスなどはできるだけ元のまま残しています。

詳細は以下から。
Top 10: Rules of Sushi Etiquette - AskMen.com

1:「Seiza(正座)」をする

寿司を食べるときは「Seiza」をしましょう。「Seiza」はおしりをアキレス腱(けん)に置くようにする座り方です。「Seiza」は他者に尊敬を表すため、サムライの時代から始まりました。しかしこの姿勢は足がしびれるので、現代の日本ではあまり行われていません。しかしながら、日本人だらけの食事の席で「Seiza」をやってのけたら、一目置かれる存在となるでしょう。ただし、座敷に通された時にだけ行いましょう。椅子の上で「Seiza」をすると、こっけいなやつだと思われてしまいますから注意が必要です。

2:「itadaki masu(いただきます)」と言う

「itadaki masu」にあたる英語の表現はありません。あえて言い換えるなら「すごいね!」と「さて、食事を始めようかな」を組み合わせて一言で言っているようなものです。感謝の念を表すため、このフレーズは食事に手をつける前に言いましょう。そうすれば同席した日本の女の子は、あなたのことをキュートだと思ってくれるはずです。

3:手酌をしない

寿司を食べに行くときの最大の楽しみの一つは、キリン、アサヒ、あるいはサッポロの巨大な瓶ビールです。日本のビールはさっぱりとキレのある味わいで大変おいしいものです。しかし、ここで言うような大きな瓶ビールはぐいぐい飲み干すのが目的ではなく、同席している人々と共有するためのものだと心に留めておいてください。同席する人みんなにビールを注いでから、テーブルにそっとボトルを置いてください。同席者の中で気遣いのできる人が、ビールを注いでくれるでしょう。

4:「omakase(おまかせ)」と注文する。

寿司職人さん以上に寿司に詳しい人は存在しません。どの魚が新鮮で、旬なのかを知り尽くしています。寿司職人さんが男性ばかりなのは、女の人の手は暖かすぎるので、寿司を作ることができないためと考えられます(編注:女性の職人さんが握ってくれる寿司屋もちゃんとあります)。「Omakase」は寿司職人さんに食事の内容をすべて任せることです。この注文方法なら新鮮な魚を確実に食べられ、また寿司職人さんは「Omakase」と言われることに大きな誇りを持ちます。寿司職人さんがおおいに不満に思っているのは、海外から来るお客さんがまぐろかサーモンばかり注文することです。あなたがいわゆる「通」だということを「Omakase」でアピールしましょう。ただし、「Omakase」の結果、次からはマグロかサーモンしか頼まない状態に戻る可能性も十分ありますが。

5:「Waribashi(わりばし)」を使いこなす

高級な寿司屋では「Waribashi」は使われていませんが、「Waribashi」が提供される店に行ったなら気をつけるべきことがあります。もっとも紳士的な作法は、「Waribashi」を水平に持って割ることです。日本で「Waribashi」が置かれている店は混雑していることが多いので、水平に持った上ではしを折ることで、誰かの顔にひじ鉄を食らわす可能性を減らします。

6:シャリの上に醤油をかけない

シャリの上に醤油をかけないでください。日本の人々は米に途方もなく誇りを持っているため、舌触りがよく微妙な風味があるシャリに醤油をかけると、日本人からは美しいものを破壊するように見えるでしょう。白いご飯を食べる習慣のある国は少なく、なんでご飯に味をつけてはいけないんだと不満に思うかもしれませんが、日本人の心を想像することはできるはずです。

7:ご飯にはしを突き立てない(仏箸をしない)

日本には先祖の墓を訪れる習慣があります。墓の周りを掃き、花を飾り、茶わんによそったご飯にはしを突き刺して置いていきます。このような風習があるため、食事の席でご飯にはしを突き刺すことはやめましょう。

8:食べ物を箸から箸へ渡さない(合わせ箸をしない)

日本では、仏教的観点などから火葬によって故人を弔います。焼却が終わったあと、遺族が遺灰を囲み、遺骨をはしで拾い上げ、それをはしで受け渡していきます。この動作を連想させるため、食事の際にはしで食べ物をつかんだまま人に渡すことはマナー違反とされています。

9:米粒を残さない

65年前、戦時下で1杯の米のために殺してあっていた時代には、茶わんの中の米をたった一つでも残したとしたら、よくない意味でセレブであると思われたでしょう。今日の日本でも、米を残すことに対しての嫌悪感は生き続けています。さらに、米を残さず食べることは、寿司職人さんに敬意を表わすよい方法です。

10:「Gochi-so-sama-deshi-ta(ごちそうさまでした)」と言う

「Gochi-so-sama-deshi-ta」とは、すなわち「ああ、なんてすばらしかったんだ!」と言うようなものです。ふつう、賞賛の言葉は心から満足しなければ言わないものですが、「Gochi-so-sama-deshi-ta」は日本の食事の終わりには必ず言う言葉です。寿司職人さんにそう言えば、恐らくお辞儀してくれるでしょう。また、寿司職人さんが昔かたぎの人だったなら「osamatsu deshita(おそまつさまでした)」と答えるでしょう、この言葉は「すみません、私はたいした食事を提供できなかったでしょう」という意味です。内心では最高の寿司を振る舞えたと自負していても、こう言うのです。

まあ、その…どこからこういう情報が流出しているのかも非常に気になるわけではあるのですけれども、どうも一昔前の「チョンマゲに刀を腰に刺し、何かあるとすぐハラキリ」だとか「出っ歯でメガネ、いつもカメラをぶら下げてる」なんて古典的ステロタイプな日本人像になりかわって、なんとも珍妙な日本人像が新たに流通を始めているような気がするのですがね…

今日のぐり:「カフェレストラン アンジュール」

岡山の市街地中心部から東山の電停側を通り抜け、山越えをしたところにあるスーパーの向かいにある商業ビルの一角という、なかなか地味な立地のこちらのお店ですが、これでなかなか侮れないものを食べさせると評判の洋食店なんだそうですね。
一通りの単品料理などもあるのでしょうが昼の時間帯は日替わりランチメニューが中心のようで、メインとなるのが肉か魚の一皿、これにスープにサラダ、パンかライスがついて800円というのは昨今なかなか微妙な価格設定だなと思うのですけれども、単に安さだけでなくきちんと質も担保してと考えるとむしろ頑張っているなという印象もあるところです。

当然のように今日のランチを選択、メインはヒラメのフライなんですが、それなりに肉厚の身をさらに重ねあわせて大振りなフライにしているものだから最初何のフライかと思ったくらいなんですけれども、食べてみるとこの厚みにしたことでほっこりした身とさくさくに揚がった衣の食感とがちょうどバランスしているという、シンプルながら馬鹿に出来ない一品ですよね。
前菜に出てきたサラダはさほど目立ったところはないんですけれども、このメインの付け合せについてきたのが最初パスタかと思ったら薄くスライスした人参だったり、エビの旨味濃厚なポタージュスープがこれまたなかなか良い味で、さすがにそこらの安かろう悪かろうのファミレスで出てくるような猫マタギとはひと味違うと感じさせるレベルには達していると思います。
ところで猫と言えばこのお店、広くもない店内の奥のスペースを囲って猫を飼っているというのは何やら家族経営っぽい味ですよね(食材のアラなどはこの猫の胃袋行きなんでしょうかね?)
もう少し追加で投資すると肉と魚と両方ついてくるランチになるんだそうですが、味やボリューム、組み立てから考えるとメインの方はこれくらいで十分という感じで、むしろ食後のデザートなどを充実させたくなるところですかね。

そうしたわけで味自体はごく真っ当で普通においしくいただける店なんですが、立地もさることながら店構えも内装もとにかく地味で入ってみようかと言う気にならなさそうなのは、通りすがりの一見さんを呼び込むには厳しいところですよね。
25年を経過したという椅子も雰囲気があっていいという見方もありますけれども、壊れかけ危険の状態で放置しておくというのはさすがに良い感じを通り越しているでしょう(と言いますか、危険だと言うのならちゃんと直すか交換するというのが接客の基本的マナーだと思うのですが…)。
味があるを通り越して古ぼけた感じが出てきた内外装なども込みで、なんとなく商売気という面ではもう少し頑張ってみてもいいのかという気もするのですが、クチコミでやってくる固定客相手に小さな商売を続けていくということであれば、むしろこれくらいの方が程よいということなのかも知れません。

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2010年4月28日 (水)

国が進める医療立国政策 その先に見えてくるものは?

ちょうど世間では第二弾の仕分け作業と言うことで医療の世界もなかなか面白い話も出てきているようですが、何にしろ医療というものも経営的な視点を全くなしでやっていられる時代ではないと言うことではあるのでしょうね。
そんな中で先日こういう記事が出ていましたわけですが、一般紙にも出たくらいですから結構大きな関心を呼んでいるということなんだと思いますが、面白いことにお隣韓国の方でより大きく取り上げられているようですね。

日本の高度医療で成長戦略 外国人患者に医療ビザ創設へ(2010年4月26日朝日新聞)

 鳩山内閣は26日、治療や検査を目的に日本に来る外国人患者が滞在しやすいようにするため、「医療滞在ビザ(査証)」の創設を検討することを明らかにした。6月にまとめる新成長戦略に盛り込む方針。外国人患者が病院を選ぶための基準となる認証制度の新設も今後、検討する。

 内閣府の津村啓介政務官によると、医療滞在ビザの具体的な発給について、(1)短期ビザの特定活動の目的に「医療」を追加(2)来日後の期間延長手続きを簡素化、治療中の本人の代理人も申請できるようにする(3)現行の短期滞在ビザの期間を弾力化して延長する、なども協議するという。従来の短期滞在ビザは、期間が短いなどの問題が指摘されていた。

 厚生労働省も、世界的に評価されている高度先進医療や高度な医療機器を使った検査などで外国人患者の需要があるとして、受け入れを促す仕組みの検討を進める考え。医療ビザの創設をにらみ、外国人患者に対応できる病院の認証制度や、海外の医療保険を国内でも利用できる仕組みを成長戦略に盛り込むよう要望するという。

日本、海外の富裕層患者を誘致へ(2010年4月26日中央日報)

   日本政府が中国など外国の富裕層患者を誘致するため、医療ビザの新設を検討し始めたと、日本経済新聞が25日報じた。医療サービス産業の育成に積極的な韓国やインドと競争するためだ。

  長妻昭厚生労働相は医療ビザの新設を6月に発表される政府の「新成長戦略」に、厚生労働分野の核心政策として打ち出すことにした。近いうちに法務省や外務省など関係省庁と協議に入る予定だ。

  報道によると、医療ビザを受けて日本に入国した外国人患者は、医療機関の証明書さえあれば自由に滞留期間を延ばせる。手術後の経過をチェックするために再入国する場合の手続きも簡素化される。外国人が安心して日本の医療機関を選択できるように、国が医療機関の医療サービス水準を保証する認証制度も準備する計画だ。

  これは、高い医療レベルが検証され、通訳・翻訳者を確保するなど、外国人患者を受け入れる態勢を整えた病院を「外国人受け入れ医療機関」(仮称)として認める制度。観光庁などと連係し、医療に関する専門知識を備えた通訳・翻訳者の養成も検討中だ。

  現行の短期滞在ビザでは最大90日まで日本滞在が認められる。検診の結果、長期入院が必要なら、滞在期間の延長を申請しなければならない。病気によっては延長が難しいケースも多い。

  日本政府は日本の病院が磁気共鳴画像装置(MRI)など医療装備面では世界最高レベルのインフラを備えていると考えている。特に内視鏡手術など先端医療技術を利用した治療や健康診断を希望する外国人患者を誘致できると期待している。

  政府省庁は外国人患者の誘致に向けて共同で政策を検討している。経済産業省は最近、「国際メディカルツーリズム調査事業報告書」をまとめた。報告書は地理的に日本と近いロシア・中国市場を狙った国レベルの医療広報活動を提案した。▽潜在顧客層に対する直接広報▽現地メディアの活用▽海外医療機関との交流提携関係の構築--などだ。

  経済産業省は今年、シンガポール・タイ・中国・ロシアでアンケート調査を実施した。中国とロシアではそれぞれ「平均的な医療サービス水準は日本が世界最高」「モスクワ・韓国などの医療サービスと比較した場合、日本は競争力がある」という肯定的な声が多かった

  観光庁は先月30日、厚生労働省・経済産業省と共同でメディカルツーリズム政策推進のため「観光連帯コンソーシアム」を構成した。外国人患者の入国・誘致環境などの業務は観光庁が、診断書の翻訳・通訳を担当する「医療言語人材」の育成は経済産業省が、医療機関の質的向上は厚生労働省が担当する具体的な計画案をまとめた。健康診断・治療・美容など分野別に観光と連係するパッケージも研究することにした。

同じく韓国紙の朝鮮日報によれば、今回の医療ビザ制度導入の狙いは「中国の富裕層患者を獲得」するためであって、「現在、こうした患者は大半が韓国やインドに向かっている」ものを日本に呼びこもうと言う意図があるとしていますから、それは確かに韓国からすれば商売敵ということになりかねない話でしょう。
ちょうど先日は観光庁から民間旅行会社までも巻き込んで医療ツーリズム推進の動きがあるということをお伝えしたところですけれども、実際にこうして国をあげて医療で外国人顧客を呼びこもうという動きが本格化してきたということですから、実際どれくらいの経済効果があって実施面での問題はどうなのかと興味が出るところですよね。
ちょうど朝日新聞でまさにそれという記事を取り上げていますから、こちらから「医療観光」の実態についてみてみることにしましょう。

医療観光 受け入れ着々 外国人患者に高水準アピール(2010年4月26日朝日新聞)

 このところ「医療観光」という言葉をよく耳にします。治療や健康診断のため、外国に出かけることです。海外では、医療費の安さや満足できる技術を求め、患者が抵抗感なく国境を越えるようになっています。日本でも、高水準の医療を売り物に外国人を誘致する取り組みが始まっています。

■がん手術、依頼はメール

 「具合は良さそうですね」。今月中旬、東京都江東区の癌(がん)研有明病院の診察室で、比企直樹医師が米ロサンゼルスから来た女性患者(59)に英語で語りかけた。女性は2年前、同病院でおなかを大きく切らずに済む早期胃がんの腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた。この日は半年に1度の検診の日だった。

 がんと分かった後、女性は体への負担が少ない手術方法を探した。インターネットで見つけた論文で比企医師を知り、メールで手術を依頼した。これまでの数度の来日で新宿、原宿を見て回り、伊勢丹で買い物をした。鎌倉も訪れたという。今回は同行した息子(36)も胃がんの検診を受けた。

 150万円程度とみられる手術代は全額自費。毎回の検診時の渡航費用もかかる。だが、女性は「比企医師や看護師たちの対応もすごくいい。術後の経過も順調で、非常に満足だ」と話す。

 有明病院では同じような患者が増えている。「医療観光」の患者は2008年度が9人だったのが、09年度には22人に。患者の国際化に対応するため、昨年11月に院内に「国際医療チーム」を立ち上げ、月1回の会合を開いている。外国人患者の受け入れや治療費支払いに関する基準作りなどにあたっている。

 千葉県鴨川市の「亀田メディカルセンター」でも、海外からの患者が増加し、昨年は約50人にのぼった。海外からの問い合わせのメールは、ほぼ毎日5、6通届く。

 同センターは昨年8月に日本で初めて、国際病院評価機構(JCI)の認証を取得した。JCI認証は医療機関の国際的な信頼度を担保する指標の一つで、外国人の患者や国外の保険会社が病院を選ぶ際の目安になる。

 現在、日本の看護師資格の取得を目指す4人のフィリピン人が働いている。今夏までには、中国人で既に資格取得済みの看護師を複数雇う予定だ。将来は13階建ての入院病棟のワンフロアを「外国人専用」とする構想もある。

 亀田隆明理事長は「他病院のJCI取得にも協力していきたい。医療の国際化は、結果として医療レベルの引き上げになり、日本の国民にも喜ばれるはずだ」と語る。

■通訳・ツアー業界動く

 「医療観光」の関連ビジネスも盛り上がりつつある。

 大阪市北区にある通訳者・翻訳者養成学校「インタースクール」大阪校では21日、「医療通訳コース」の年間講座が始まった。生徒たちは「触診」「視診」などの医学用語の英訳を学ぶ。生徒の大曽根知美さん(37)は「きちんと医学的知識を持った通訳ができるようになりたい」と話す。

 昨年から、大阪や東京など全国5校で本格的な医療通訳の講座を始め、約80人が受講した。今春からは中国語コースも設けた。

旅行業界も動く。日本旅行は昨年4月、中国の富裕層向けに、全身を一度で診る陽電子放射断層撮影(PET)検診ツアーの販売を始めた。観光とセットで費用は100万円を超すが、今年2月末までに43人が参加した。藤田観光も今春からPET検診ツアーの募集を始めた。最大手のJTBも「医療観光」を専門に手がける部署を設立した。

 政府も後押しする。経済産業省は09年度まで、医療通訳や入国制度で問題がないか探る実証試験として、中国などから24人を招き、健康診断を受けてもらった。今後、成果を生かし、改善に役立てる方針だ。観光庁は6月、上海で開かれる旅行博覧会(ALTM)で、医療観光のブースを設ける予定だ。関係者たちは10年を「医療観光元年」と位置付ける。

 ただ、地方を中心に医師不足による「医療崩壊」が指摘されている中、海外の富裕層患者を優先することで、国内医療にしわ寄せが行くことを心配する声もある。

 「医療観光」に関する著書がある医師の真野俊樹・多摩大学教授は「現状では外国人患者が治療を求めて大挙押しかけるとは考えにくい」としながらも、「民間病院を中心にどこが担っていくかの選別と整理はきちんとすべきだ」と指摘する。(高野真吾)

    ◇

 〈医療観光(メディカルツーリズム)〉 治療目的で外国に行き、滞在先で観光もする。医療といっても、がんや心臓手術などの高度医療から美容整形、健康診断まで幅広い。外国人患者の受け入れ数が世界で最も多いのはタイで、年間約140万人(2008年)。医療観光による年間収入は約1920億円に上る。政府の後押しと治療費の安さが理由だ。米民間会社の推計では、10年の医療観光の世界市場は1千億ドル(約9兆3千億円)規模とされる。

最近では中国などの富裕層が非常に数も増えてきていると言いますから、日本などアジア諸国としてはこのあたりでパイの奪い合いを演じるということになるのかと思いますが、すでに医療通訳の養成も始まっているというのですから本格的に経済活動として始動しているということですよね。
話だけを聞いていると国も結構本気でやろうとしているように見えますが、実際どれほど来るのかということもさることながら、商業的に持続させると言うことになれば今までのように質の追求だけでなくコストと利益との兼ね合いもあるでしょうから、サービス内容と価格設定などの判断も今後の成否の分かれ目になるんでしょうね。
ただパイが大きくならなければ産業として成立しない(最悪受講料だけ取られたという無職有資格者が街にあふれるということにもなりかねませんが)一方で、多くなるようであれば記事中にもあるようにただでさえ不足している国内医療リソースを食いつぶすということになりかねませんが、ものは考えようで先日も話題になった外国人医師導入論と絡めてみるという話もありだと思います。

例えば中国人患者の診療に中国人医師を雇うとなれば、中国からの顧客とすればわざわざアキバまで来てみたら売ってるものはmade in Chinaばかりだった、みたいながっかり感もあるかも知れませんが、人間ドックなどであればともかく高度医療となれば医者数人でチームを組むのが当たり前ですから、チームに同国人医師の一人でも入っている方がお互いいろいろと安心感も出てくるという考え方もあるでしょう。
医者に限らず専門職同士の会話というものは大体がテクニカルターム中心で、言語学的な意味での正確性などと難しいことを言わずとも概ね通じてしまうところがありますから、あらかじめ施設としての医療コンセプトさえチーム内でしっかり周知徹底を図っておけば、患者への細かい説明などはnativeのスタッフに任せた方がむしろ間違いは減るかも知れません。
そういう時代になりますと亀田のような規模も大きく資本力もある施設にますます有利になりそうですが、今後の経済成長を牽引する一大産業として考えれば今までの個人経営的小資本主体から大資本主体へと移行していくのも当然でしょうし、国庫負担像に神経を尖らせる財務省や医療リソース集約化を持論とする厚労省にしても、敢えてそれを止めるという理由もないわけですよね。

しかしこういう搦手からの保険外医療の拡大路線といい、最近政府のやり方がどうも一昔前のそれと比べて妙に合理的でスマートな上に、一見無関係のようでいて結果として国策推進に貢献しそうなおいしい話が多い気がするのですが、厚労省外からの口出しが増えているということで今までにないブレインがついているのでしょうかね?
特定看護師制度なども医師会が反対論をぶっていたことなど眼虫にないようにあっさり実験的に施行してみようと話がまとまりましたが、特定の対象に対する限定的な制度ということでまず実績を積み重ねていくという手法で、最終的には実績を元に抜本的な制度改変を目指してくるということなのでしょうか。
今までにない知恵の出処から今までにないアイデアが出てくるということになれば、これは今後思っても見ない医療の変化も起きてくるのかも知れませんが、何しろあのアメリカで皆保険制度が実現するような時代ですから、どんなことが起こっても不思議ではないというつもりで構えていた方がいいのでしょうね。

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2010年4月27日 (火)

何でも昔どおりが一番いいと言うわけでもなく お産の話題に事寄せての雑感

本日まずは二つばかりの記事を最初に紹介してみたいと思います。

病院出産、10年後に20%減 産婦人科医会が推計(2010年4月22日47ニュース)

病院勤務の産科医の就労環境を改善しなければ、10年後に病院(20床以上)で扱える出産数は、2009年の約54万件から約20%減る可能性があるとの推計を、日本産婦人科医会常務理事の中井章人・日本医科大教授がまとめた。

 女性医師が子育てなどのために、労働環境が過酷な出産診療から離れると予測されるのが理由で、中井教授は「(環境の)迅速な改善が必要」としている。

 同医会の09年8月の全国調査では、女性産婦人科医の約3割が、自分自身が妊娠・育児中だった。その一方で、病院勤務医の勤務時間や当直回数はここ1、2年ほとんど変わらなかった。中井教授の推計では、勤務形態の改善がなければ出産診療に携わる女性医師が減り、10年後には病院勤務の産科医が25%減少。病院の出産受け入れ件数は約41万件に落ち込むとしている。

 一方、診療所(19床以下)で09年に扱った出産数は約53万件。「診療所は親子や夫婦で運営されているケースが多く、生活に合わせた多様な働き方が可能」(中井教授)として、10年後も48万件程度を維持すると推計している。

安全なお産 地域で守る 診療所で健診 病院は分娩 セミオープンシステム(2010年4月21日中国新聞)

 ▽中国地方でも導入進む

妊婦健診は診療所で、分娩(ぶんべん)は病院で―と、医療機関が連携してお産をサポートする「セミオープンシステム」。中国地方でも導入する医療機関が増えている。医師不足が続く中、病院の産科医の外来負担を軽減し、安全なお産を地域全体で守ろうとの取り組みだ。

 セミオープンシステムは、妊娠中期までの妊婦健診は最寄りの診療所が担い、出産が近づいた段階の健診や分娩を病院が受け持つ仕組み。診療所の医師が病院に出向き、分娩まで立ち会うオープンシステムとともに導入が進んでいる。

 産科医不足で、分娩を扱う病院や産科の閉鎖が進む中、病院に負担が集中するのを緩和するため、厚生労働省も後押ししてきた。中国地方では、県立広島病院(広島市南区)など7病院がセミオープンを、鳥取県立厚生病院(倉吉市)など2病院がオープンを導入する。

 ▽医師負担減る

 2008年以降、セミオープンを取り入れた国立病院機構呉医療センター(呉市)と中国労災病院(同)。市内の8カ所の診療所と連携する。平均14回の妊婦健診のうち10回を診療所が担当。病院が受け持つ健診は4回程度に減ったという。

 呉医療センターで昨年、7人の医師が扱った分娩は925件。分娩以外にも、婦人科のがんの手術や抗がん剤治療、外来、当直勤務をこなす。「導入によって医師の負担が確実に減り、妊婦の安全にもつながっている」と水之江知哉産婦人科長(51)は強調する。

 同センターと診療所は情報を共有するため、市医師会が作成した独自のノートに検査結果などを記入し、連携に力を入れている。受診した市内の女性(36)は「診療所での健診では、ノートに詳しい検査結果や注意点を書いてもらったし、出産は病院なので安心感もある」と理解を示す。

▽周知を目指す

 国立病院機構浜田医療センター(浜田市)と済生会江津総合病院(江津市)も浜田市内2カ所の診療所と07年から連携する。

 浜田医療センターは昨年、3人の医師が約440件の分娩を扱った。「対応できる限界に近い」と小林正幸周産期診療部長(52)。今年に入り、1日に6、7人の出産があった日もあった。「システム導入以降、外来診療が1時間半は短縮でき、肉体疲労の軽減になった」と評価する。

 ただ、同市が昨年10月から3カ月間、出産後の母親たち95人にアンケートした結果、システムを利用しなかった人が36人(37・9%)いて、利用が一部にとどまる実態も浮き彫りになった。「システムを知らなかった」との回答も多かったため、市は、市内の薬局にポスターを張るなどし、周知を図る。

 浜田医療センターの小林部長は「妊娠した段階で『まず診療所へ』と思ってもらえるように、機会あるごとに説明していきたい」と話している。(治徳貴子)

分娩の安全性が二十世紀に100倍にも向上したというのは周産期医学の一つの輝かしい成果だと思いますけれども、その背景事情の一つとして昔は地域の産婆や助産院レベルで扱っていたお産を病院で扱うようになってきたということもありますよね。
ところが今や総合病院にとって産科は経営的お荷物であったり、激務のあまり産科医確保自体が困難で婦人科のみなんてところも増えてきているわけで、いずれにしても今後は単に安全安心だけを考えて何でも病院にいけばいいというものでもなく、リスクに応じた適切な出産施設の使い分けということが必要になってきたということでしょう。
一方ではお産が安全なものとなり過ぎた弊害とも言うのでしょうか、「出産は病気ではない」なんてことさらお産の危険性を軽視するかのような風潮も出てきたためか、近頃では病院外での自然なお産なるものもじわりと人気なんだそうですが、昨今では産科医のサポート役としても期待される助産所の運営も決して問題なしとしないようです。

安心して産める街に/川崎のママたち(2010年4月22日朝日新聞)

 「川崎市を『安心して産める街』にしてほしい」と訴えて、市内の母親たちのグループが関係団体への働きかけや勉強会に取り組んでいる。市議会には病院と助産院の連携強化などを求める請願書を提出。子連れで21日の会合に集まったメンバーからは「出産は全女性、全市民にかかわる問題」などの声が出た。

 きっかけは同市多摩区の稲田助産院に昨年2月に訪れた危機。同市高津区の嘱託医が体調不良で契約解除を申し出た。改正医療法で2008年4月から助産院には産婦人科の嘱託医と緊急時の搬送先となる医療機関の確保が義務づけられている。同助産院は新しい嘱託医がみつかるまでの約2カ月間、分娩(ぶんべん)予約の受け付けを中止。市内の計10以上の医師と医療機関に断られ、ようやく東京都立川市の産婦人科病院が引き受けてくれた

 「何で川崎の助産院なのに(嘱託医療機関が)東京なの?」。稲田助産院で出産、その後も子育てサロンなどに通っていた母親による「クローバーの会」のメンバーが疑問を持った。同助産院で現在3歳の次男を出産した池田多英子さん(32)=川崎市多摩区=は「調べてみたら、川崎はお産の後進自治体だったんです」と話す。

 「川崎には病院と助産院をつなぐ施策がない」と代表の吉田美穂子さん(37)=同。同助産院の藤井よし江院長(66)が嘱託医療機関探しの大変さを阿部孝夫市長に文書で訴えたところ、「民間事業所の契約に行政がかかわることは難しい」と自助努力を求められた。藤井院長は「行政がフォローしてほしい」と訴える。

 請願書の中で同会は、緊急時の搬送時間短縮や嘱託医療機関の確保のために病院や助産院などの「お産場所」の間の連携を強化すること、助産院のような地域のお産場所も最大限活用した産科医療計画の策定も求めている。(美土路昭一)

俗に言うところの自然なお産なるものと安全性の追求とはしばしば対立的な概念とも成り得るというのは以前にも紹介しました通りですが、いつの時代の水準かと思うようなトンデモなレベルでの助産行為を行っている助産所もあるというのが現実で、ただでさえ産科医療訴訟全盛の時代にあって一部助産所が嘱託医が見つからず苦労しているという話が全国的に珍しくありません。
助産所というものはそもそも正常分娩しか扱ってはならないということになっているのですが、一つには何を以て正常分娩であるかとは分娩が無事終わってみなければ判らないということがあって、さらには正常分娩しか扱ってはならないはずにも関わらず無理矢理異常分娩を扱っている(あるいは、そもそも正常か異常かも判断していない?)のではないかと思われる事例が多々あるとは以前にも紹介した通りです。
本来ならこういうことは医療事故だ!また尊い犠牲が!なんて話題に飛びつくのが大好きなマスコミ諸社が率先して取り上げていそうな話題ですけれども、これまた以前にも取り上げたように医者や病院には厳しく、助産所にはそうではないという彼ら特有の業界事情があるためか、こうした客観的な安全性のデータはほとんど世間の知るところになっていないのは残念ですよね。

もちろん一部の明らかに今の時代にあってもらっては困るレベルの前(あるいは前々?)世紀の遺物的助産所や、半ば確信犯的としか思えないようなトンデモ系助産所はともかくとして、大多数の助産所は長年真面目に地域のお産を取り扱ってきた方々であるわけですが、一方で基礎的な医学知識の欠如は仕方がないとしても、分娩経験という点でこれら施設も圧倒的に症例数が足りないというのも事実ですよね。
以前に老助産師の方が分娩取り扱い百例目ということで記事になっていましたが、産科医にすれば研修医レベルの症例数とも言える話で、要するに産科医が毎年のように目にする症例が助産師にとっては生涯に一度目にするかどうかの稀な症例となる、となればその経験値不足が搬送の判断遅れにつながってきてもおかしくないということです。
命の価値が重い今の時代であるからこそ、病院産科医不足の時代を乗り切るためとは言っても単に緊急避難的にもっと助産所を活用しましょうというだけでは駄目で、まずこうしたリスクの差というものを妊婦も産科医も知った上で適切な使い分けをしていくと同時に、例えば院内助産所のような開業助産所よりも密接に医療と連携した助産形態も模索していかなければならないだろうということでしょう。

その意味では今の時代まじめな助産所ほど異常な妊娠をしっかり鑑別していかなければならないと、日々あれこれと猛勉強していらっしゃる最中だと思いますけれども、医学の側でもこのあたりを簡便な基準で明確化していく責任があることは言うまでもないことで、例えば先日妊娠糖尿病の診断基準が変わったという記事を御覧になった方も多いかと思います。
ところがこの基準の厳格化という話、何も知らないで見ればお産がより安全になってメデタシメデタシとも受け取れるような記事ですけれども、考えようによっては今の病院産科医疲弊を更に推し進めかねないような話でもありそうですよね。

<妊娠糖尿病>診断基準を厳格化(2010年3月11日毎日新聞)

日本糖尿病・妊娠学会、日本糖尿病学会などは、妊娠をきっかけに発症する妊娠糖尿病の診断基準を厳格化する方針を決めた。

世界糖尿病妊娠学会が世界約2万3000人の妊婦を対象にした調査を基に取りまとめた診断基準を採用、より軽い高血糖の人にも治療を促すことにした。

妊娠糖尿病は従来、妊娠前に発症した糖尿病も含んでいたが、同学会などは「妊娠中に初めて発見または発症した軽い高血糖とし、明らかな糖尿病は含めない」と変更し、一般的な糖尿病と区別した。

そのうえで、空腹時血糖値(1デシリットルあたり92ミリグラム以上)、75グラムブドウ糖負荷試験の1時間後の血糖値(同180ミリグラム以上)、2時間後の血糖値(同153ミリグラム以上)の三つの検査値のうち、1項目でも該当した場合、「妊娠糖尿病」と診断することにした。従来の診断基準は2項目に該当することが必要だった。

数字的な基準で見ると糖尿病としてはずいぶんと厳しいものではないかなという気がしますけれども、助産所はもちろん一人でやっているような開業産科医にとってもこの基準変更は極めて大きな意味を持ちそうな気がするところで、これではますます何でも病院送りという傾向に拍車もかかるだろうし、万一にも何かあった時には「妊娠糖尿病なのに漫然と放置した!」なんて責められそうな悪寒ですよね。
こうなると正常分娩しか扱えない助産所は元より、合併症のあるハイリスク妊婦が激増して分娩施設がひどく限定されてしまいそうな話ですが、産科の先生方はこんな自分の首を絞めるようなこと言い出して大丈夫なのかなと思ってよくよく記事を見てみますと、この基準見直しを決めたのがどうも産科学会などが主体というわけでもなくて、糖尿病学会など産科領域からすると外野勢力であるらしいということは面白いですよね。
こういうのを見るとよく話題になる帝王切開30分ルールなんてものもそうですが、今や医療を議論するには特定専門分野だけで話をしていても駄目で他の専門分野であるとか、司法の判断に医学的裏付けを与えている鑑定医の質の担保だとか、あるいは国民に情報を流すマスコミのレベル向上に至るまで、幅広く横断的に議論していかないと結局混乱が増していくばかりなんじゃないかという気がします。

最近ではネットというものが発達して、平素なかなか聞けないようなちょっとしたことも何人もの専門家から即座にアドバイスをもらえるようになったというのは非常にありがたいことでもあり、異業種理解といった面でもここ数年で本当に認識が変わってきたなと感じるところですが、未だ専門家同士や興味のある人々レベルにとどまっていて広く一般の認識を変えるまでに至っていないのも確かですよね。
しかしまあ、医療業界内部だけでもちょっと専門科や出身大学系列が違うと同じ疾患でも全く違う治療をしていたりということはままありますけれども、助産師ら医療関連業界や法曹、医療行政、マスコミ、さらには広く国民全般に到るまで認識のすり合わせを行っていく作業を考えると、これはちょっとしたどころではすまない大仕事にはなりそうですが、是非ともやっていかなければならない事でもあるのでしょう。

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2010年4月26日 (月)

そう言えば去年の今頃もマニフェストマニフェストと言っていたような?

そろそろ夏の参院選挙の足音も近づいてきまして、一説にはダブル選挙になるかも?とか色々と言われているようですけれども、それもあってかあちらからもこちらからもマニフェストというものが出てきているようです。
かねて医療政策を重視することをうたってきた政権与党である民主党からも当然そうした話は出ているのですが、面白いことに医療畑に限らず一件関係なさそうな人たちからも医療分野への口出しが目立っているようなのですね。

民主党情報通信議員連盟のマニフェスト案、「情報通信八策」を提案へ(2010年4月14日日経BP)

 民主党の情報通信議員連盟は、今夏の参議院選挙に向けて情報通信関連のマニフェスト案を議論している。民主党の情報通信議員連盟は、「マニフェスト企画委員会」の下にできた三つの研究会のうち「成長・地域戦略研究会」のもとで、情報通信に関するマニフェストの取りまとめを進めている。議員連盟は4月14 日に総会を開いて提出する最終案を議論した。
(略)
 第5項目は、「医療の情報化などにより国民本位の医療サービスを実現する」である。具体策として、EHR(電子健康記録)などにより国民が自らの健康・医療情報を管理して活用するための環境整備や緊急医療体制の抜本的な見直しを行う。また医療分野における情報通信の活用を妨げる課題を洗い出すため、がん治療の分野で「がん治療EHR特区」を設ける方針を打ち出した

 このほか電子カルテ、レセプト電子化の一層の推進化による医療事務の効率化や医療のコスト削減などを図る、オープンソースのレセプトソフトの全国普及を実現するとしている。
(略)
 情報通信議員連盟は4月14日に総会を開いてこうした案を議論した。15日にはほぼこの内容でマニフェスト案を提出することになる見込みである。

民主 混合診療の拡大で議論へ(2010年4月22日NHKニュース)

民主党の研究会は、参議院選挙の政権公約に、健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する、いわゆる「混合診療」の例外的な適用を拡大することを盛り込むよう求める案をまとめましたが、党内には慎重な意見もあり、今後、議論が行われる見通しです。

民主党は、夏の参議院選挙の政権公約=マニフェストについて、政策ごとに研究会を設けて検討を進めており、このうち、地域主権や規制改革を担当する研究会が、政権公約に盛り込むよう、執行部に提言する案をまとめました。この中では、公的な健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する、いわゆる「混合診療」について、「患者の選択肢を広げるべきだ」として、例外的な適用を拡大するよう求めています。また、幼稚園と保育所の運営や設置に関する基準を一元化する、いわゆる「幼保一元化」を実現すべきだとしています。ただ、党内には、いわゆる「混合診療」について、「所得によって受けられる診療に差が出るほか、安全性や効果がはっきりしない診療が増えるおそれがあり、原則、認められない」などとして、慎重な意見もあるため、今後、執行部で議論が行われる見通しです。

電子カルテにすると高齢医療従事者はついていけなくなって退職するわ、診療の効率は激減でさばける患者数が減るわで、なるほど医療コスト削減には非常に有効そうではありますけれども、増大する一方の国民の医療需要に対してはますます供給過少が目立つということにはなりそうですよね。
混合診療導入に関しても昨今では国民目線というのでしょうか、患者の選択肢拡大云々が錦の御旗と化している感もありますが、結局のところこれは医療を消防や警察などと同じ万人にとっての公平平等な社会資本と考えるのか、あるいは民主党らが思い描く新成長戦略の基幹となる一大産業として捉えるのかの問題であって、しかも前者の考えを取ったとしても「金は出すからもっといいサービスを」という国民の声を無視するわけにもいかない理屈です。
海外では例えばイギリスのように社会資本として整備された公立医療機関ではひどく待ち時間も長くなっていて、それが嫌なら自分で財布をはたいて民間医療機関を利用するといった実質的に二階建ての医療体制をもっているところもありますが、医療需要が質量共に増大するのに対して供給は人材、資本とも追いついていない状況が続けば、今後平等な医療なるものが結局は万人にとって不満足な医療にもなりかねないのかも知れません。

一方で面白いかと思ったのが厚労省でも省におけるマニフェストと言うのでしょうか、組織目標なるものを公表しているということなんですが、前述のマニフェスト案などと比べながら勝手に邪推するところ、これが長妻大臣ら与党内の医療組の見解を一番反映しているということになるのでしょうか?
社会保障全般にわたって総論的な話の羅列がつづいているだけで特に見るべきところもないという意見もあると思いますが、無理矢理医療政策に関連しそうなところを抜き出してみますとこんな感じになるのでしょうか。

「平成22年度 厚生労働省の目標」より抜粋

(1)政策の方向
④成長戦略の中核としての社会保障の展開(「未来への投資」)

・社会保障や雇用政策を「未来への投資」と位置付け、医療、介護、子育て、新しい職業訓練等の分野で成長戦略につながる政策を立案し実行する。その際、行政と市場の役割分担を見直し、市場の力を一定のルールの下で取り入れる。アジアの成長活力を導入する。

(2)個別政策及び制度改革の方向
③医療サービス等を安定的に提供する。

医療従事者等と患者・家族の対話を促進する(国民会議の設置、医療メディエーターの推進)。
・予防医療に関する国民的議論を喚起し、合意に基づいた予防接種を推進する。
・自殺者数を減?させる。


「平成22年4月~9月 局の組織目標」より抜粋

医政局の組織目標      

医政局のミッション:    ○国民の皆様への質の高い医療サービスの提供      

【今期(平成22年4月~9月の半期)の組織目標】      
医師確保対策の推進等

・医師確保対策の推進や医療提供体制の機能強化を図るため、次期制度改正に向けて、関係者からの意見聴取や議論を行い、9月までに論点の整理を行う。      

医師不足の実態把握

・医師確保の目標を明確化するため、都道府県を通じて地域の医師不足の実態を把握する。4月までに都道府県へ調査方法等を説明し、6月までに調査を行い、9月までに調査概要をとりまとめ、公表する。      

特定看護師(仮称)制度の導入

・特定看護師(仮称)制度の導入に向け、①実施可能な医療行為の範囲、②特定看護師(仮称)の要件を検討するため、6月までにモデル事業・実態調査に着手するとともに、9月までに実態調査の結果をとりまとめる。      

医療対話仲介者の推進

・患者家族の立場に立って医療従事者等との意思疎通を円滑に行う医療対話仲介者(メディエーター)について、その推進に向け、8月までに、有識者、実践者からの意見聴取等により実態を把握、整理する。      

医薬品・医療機器の研究開発の促進

・画期的な医薬品・医療機器の研究開発を促進するため、研究費の集中投入、治験環境の整備等の支援策を、6月にとりまとめ予定の新成長戦略に位置付ける。      

【人材育成等及び7つの能力向上のための取り組み】      
人材育成・組織活性化   

局内の若手職員を中心に、病院等の現場視察や意見交換等を積極的に実施する。
外部から有識者を招いての勉強会等を積極的に開催し、課の所掌にかかわらず局内全課に参加を促す。      

個別に見ていきますと今までに見てきたような話が並んでいるのかなという感じですけれども、逆に過去に話題になっていながらここに目標として取り上げられていないことに注目してみますと、例えば混合診療導入や医療事故調設置などはさほど優先度が高くなかったのだなとも思えるところですし、厚労省の年来の持論である医療リソース集約化などもここでは登場していないことなどが目につきますが、これが何を意味するのか。
一方で医政局に限らず他の部門を見ていてもそうですが、全般的に国民の声を聞くとか実態を調査するとかいったことが強調されているという印象で、逆に言えば今までどれだけ独善的に現場無視でやってきたのかと突っ込まれそうな話でもあるのですけれども(笑)、何をどう目指していくのかもさることながら実施に至るその方法論も問題ですよね。
一部の声の大きい人達の言ってみれば極論じみた話ばかりで大多数の当たり前の人達の声は取り上げられないとか、現場の感覚から乖離した老人や御用学者の声ばかりを取り上げて識者の意見はこうでしたとかでは何ら意味がないという話ですけれども、あのお方が仕分け人に起用されるような「政治主導」で果たして大丈夫なのだろうかと、いささかの懸念もあるのですがね(苦笑)。

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2010年4月25日 (日)

今日のぐり:「想作居酒屋 河忠 清輝橋店 (かわちゅう)」

先日こういう記事を見かけたのですが、このタイトル自体がなんとも不思議なものですよね。

厂下广卞廿士十亠卉半与本二上旦(2010年4月7日ITmediaニュース)

 文字が並んでいるはずなのに線のように見える――そんな文字列が、2ちゃんねるで話題だ。

厂下广卞廿士十亠卉半与本二上旦

 こんな文字列が、「文字ではなく線に見える」と、2ちゃんねるなどで話題になっている。

厂下广卞廿士十亠卉半与本二上旦

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 ――と並べると、斜め線が並んでいるようにも。

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 ――と書けば、波を打っているように見えてくる。

 2ちゃんねるではこのほか、

猫マナー猫マナー猫マナー猫マナー猫マナー猫マナー

 ――など、繰り返して書くことで文字が傾いたり波打って見えたりする事例が紹介され、「美しい」「すごい」などと話題になっている。

ちなみにフォントによってはきれいな線になっては見えないというこの不思議な文字列、長くつながってくるとこんな感じになってくるようなんですが、ここまで来るとちょっとやりすぎ感も出てきますかね?

下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广下下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本与卉亠十廿卞广下广卞廿十亠卉与本二上旦上二本

今日はちょっと不思議系の話を幾つか紹介してみようかと思いますが、まずはこちらのいかにもそれ系の記事からです。

「ティモシェンコの霊がいる」、ウクライナ首相が悪魔祓い(2010年03月20日AFP)

【3月20日 AFP】ウクライナの「オレンジ革命(Orange Revolution)の姫」、ユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)前首相はついに政権の座を下りたが、ティモシェンコ氏の生霊が、首相官邸をいまだに徘徊しているという。

 そう主張するのは新首相のミコラ・アザロフ(Mykola Azarov)氏。アザロフ首相は19日に首相官邸に神父を呼び、いまだに徘徊するティモシェンコ前首相の霊を追い払う儀式を行った。

 アザロフ首相は東部ドニエプロペトロフスク(Dnipropetrovsk)で記者団に対し「呼吸が苦しかった」と語った。「エクソシズム(悪魔祓い)をしてもらい、ようやく呼吸も楽になった」という。ロシアのインタファクス(Interfax)通信が伝えた。

 お祓いの儀式は、ウクライナ随一の名所、キエフ(Kiev)のペチェールシク大修道院(Caves Monastery)の神父が執り行った。

 控えめな元官僚として知られるアザロフ首相は、ウクライナの現状は厳しく、女性には対処できないので女性を入閣させなかったと述べ、「現在、国は困難な情勢にあり、1日16~18時間働ける人を入閣させた。改革は女性の仕事ではない」と語った。

ちなみにこのティモシェンコ前首相と言えば、ひと頃海外で「ウクライナの首相は美女すぎる!」なんて話題になっていたというお方ですけれども、いくら大統領と対立して解任されたとは言ってもなぜ生霊として祟るまでになったのかよく判りませんね。
一方で中国の方では昔から風水というものが盛んであったようですが、これもあまりに行き過ぎると今の時代にしばしば近所迷惑だろうという話がこちらです。

風水信じて道路標識倒す/中国(2010年4月20日ココログニュース)

不吉な出来事が続いた夫婦が、風水師の指示に従って道路標識を勝手に撤去するという事件が中国・四川省で起こった。

飼っていた鶏や鴨がバタバタ死んだと思ったら、今度は息子が胃潰瘍を患って入院してしまった。「どうしてこんなに不吉なことが続くのか」と散歩しながら考えていた夫婦の目の前に、突如風水師が現れ、行く手を遮った。「あんたの家で何が起きてるか知ってるよ。道路標識があんたの家の風水を邪魔してるんだ。ほれ、あのポールと三角形が地上の霊気、運気をみんなそらしてる」。

こともあろうに、夫婦は突然の「お告げ」をすっかり信じ込んでしまった。そして2日後の晩、2人で工具をかついで現場を訪れると、高さ5メートルの道路標識を倒して持ち帰ってしまったのである。その後、標識がないことに気付いた施工業者が夫婦を探し出して元に戻すよう求めると、夫婦は「別のところに立てろ」と拒んだあげく、息子の入院代まで求める始末。口論の上、らちが明かないと見た業者は警察に連絡し、結局夫婦は逆に罰金500元(約6800円) を支払うはめになった。

風水師の「お告げ」が正しかったかはともかくとして、さらに罰金まで取られた不幸な夫婦。標識を少しずらして立て直すことはできないのだろうか…。

ま、困った時の神頼みと言うのでしょうか、何かお祓いでもしたくなるような時期というものは人生にしばしばあるものですから、全く同情の余地がないわけでもなさそうなんですが…
一方で同じ中国でもこういう話になりますと同情がどうとか言うよりも、何やら別な意味で心配になってきそうな記事ではありますね。

「光る食肉」、中国各地で報告 化学汚染が原因か(2010年4月11日大紀元)

 【大紀元日本4月11日】スーパーや市場で買った豚肉や魚が、夜の暗闇の中で光を放つと、中国各地で相次ぎ報道されている。専門家らは、有毒物質に大量汚染された可能性を指摘する。

 「湖南紅網」の報道によると、湖南省長沙市在住の馬さんは夜中2時、キッチンにおいてあった豚肉から不気味な青い光が発せられていることに気づいた。

 また、「楚天金報」は、湖北省天門市近郊の村民王さんの話を引用。夜中3時に起きたとき、燻製中の鯉の胴体全体から強い光が放たれているのを発見した。「真っ暗な部屋が明るくなるほどの光だった」という。手の指でその粘液を壁につけたら、壁までも光りだしたという。 

 「南方都市報」では、広州市在住の曾さんの体験を報道。夜中の12時頃、暗いキッチンで懐中電灯のような光を発見した。皿にある2匹の魚からだったという。

 専門家らは、このような光る豚肉や魚肉は成長過程において、リン(?、Phosphorus)の化合物または他の化学汚染を大量に受けた可能性があり、食用は避けるべきだと指摘している。

食用を避けるべきだとか言われても食べちゃったり、どこかの国に黙って輸出しちゃったりするようですとなおさら怖いんですけどねえ…
最近はこうした中国系のニュースでいささかお株を奪われた感もあるブリですけれども、やはり不思議系と言えばナチュラルにこの国の十八番でしょう。

イギリスの大学で吸血鬼を学ぶ修士課程が開始予定(2010年4月8日GIGAZINE)

イギリスのハートフォードシャー大学で、吸血鬼文学に関する修士号を取れるプログラムの提供が予定されているとのこと。人気のあるモチーフだけに世界中から希望者が集まりそうなコースですが、修士号が取得できても話したときに信じてくれない人が多そうです。

英文学を教えるハートフォードシャー大学のSam George教授の学生は、少女と吸血鬼の恋を描くステファニー・メイヤーの「トワイライト」シリーズについて話すことが多く、文学に興味を持つためのきっかけになると考えたGeorge教授は吸血鬼に関する2日間のカンファレンスを開催することにしたそうです。また、9月からは世界で初となる吸血鬼文学の修士号が取れるようにしたいと考えているそうで、カンファレンスで発表された優秀な論文はまとめて教科書になるようです。

「かつてはプリミティブなものを表していた吸血鬼も今では都会に住んでいたり、パンク音楽を聴いたりするし、女性やベジタリアンの吸血鬼もいる。吸血鬼は常に変化していて、現代社会を反映しています」と語るGeorge教授。

「吸血鬼が登場する話はその時代文化における不安さなどが盛り込まれていて、人間の暗い部分を浮き彫りにします。1980年代に出た吸血鬼作品では病気や堕落について描かれているものが多くありました。接触した人が吸血鬼となるという感染プロセスが似ているエイズについて語るきっかけにもなり、人々が話したがらないことについて言及するさいに吸血鬼を持ち出すこともあります」と教授は話しています。

カンファレンスは2010年4月16日と17日の2日間、ハートフォードシャー大学のHavillandキャンパスで開催予定。George教授自身は現実世界の吸血鬼については信じておらず、カンファレンスではメタファーとしての吸血鬼などについて話す予定なのだそうです。

まあ、こういう話を聞くと学問って自由なものなんだなと思いますけれども、吸血鬼伝説に対する人間側の反応というものを研究していく分にはいろいろと面白い研究も出来そうには思えますね。
いずれこういうものの成果がまとめられると日本などでも物好きな出版社が刊行してみようかと言う気になるかも知れませんが、なにしろブリだけにさぞやひねくれた考察が並んでいるんだろうなと期待はできそうではありますよね。

今日のぐり:「想作居酒屋 河忠 清輝橋店 (かわちゅう)」

以前にも取り上げたことがあるこちらのお店ですが、たまたま近所の所用もあって今回久しぶりに訪問させていただきました。
前回お邪魔した際にはとにかく刺身を始めとする魚系全般がうまい店だなという印象だったのですが、今回改めてメニューを見ますと鍋や居酒屋的な定番も一通り揃っているというよく言えば何でもありな、悪く言えばややフォーカスの絞りきれていないような品揃えとも言えるのでしょうか?
そんなこともあって今回はヒラメ、カンパチ、イカなどの刺身一式に加えてコラーゲン鍋に石焼ビビンバといった、いかにもな無国籍風の取り合わせを試してみましたが、もちろん一番のお目当ては刺身であることは言うまでもありません。

こうした場合にどうしても前回との比較になりますけれども、まずいきなりで驚いたのが刺身の醤油が小皿に入れられているのでも醤油差しに入っているのでもなく、何やらスーパーなどで使っていそうな小さな使い捨てのプラ容器に入って出てきたことですね(さすがに魚の形はしていませんでしたが)。
いや別にどんな容器に入ってきても味は変わらないじゃないかという言い方も出来るのかも知れませんけれども、さすがにそこらの一山幾らの安い居酒屋でもこの扱いはなかろうと誰しも思うところで、少なくとも大事なお客をお呼びする店としてはこの時点で完全に選択肢から外れてしまいますよね。
まあ容器の件はそれとして問題は肝腎の味の方なんですけれども、確かに不味いわけでもなく水準以上はキープしているものの、以前感じたような感動に近いものとは縁遠いごく普通の味で、このレベルであればちょっと気の利いた料理屋であればどこででも食べられるかなとも思えるものですから、この日に関して言えばごく普通としか言いようがありません。

以前に来たときには刺身だけで強烈なインパクトがあったという記憶が強すぎるのかも知れませんけれども、メインと考えていた刺身の味が並の水準ということになりますとせめて居酒屋系メニューの方には期待したいところですが、こちらも特別感心するようなものでもなさそうなんですよね。
コラーゲン鍋などもさすがに以前訪れた某店のように客の前でコラーゲンボール(笑)を落として見せるなんてことはしませんが、冷えた煮凝り状態で土鍋に入れたものを持ってきて火にかけるというのはいかにもプルプルですといったアピールが見え透いているようで、どうもこんな店だったか?と記憶の中にあるイメージを改めて思い返さざるを得ませんでした。
石焼ビビンバと言えば今や韓国料理屋やら焼肉屋でもごく当たり前に出てくるメニューですが、よくできた石焼ビビンバにあるようなオコゲの香ばしさとゴマ油の風味との相乗効果といったものは見られず、味の方も鍋同様に可もなく不可もなく、普通に言って特別印象に残るようなものではありません。

今回訪問したのは実のところ「魚の味が落ちてきた?」という好ましからざる噂を確認する意味もあったのですけれども、味もさることながら店のそこかしこにあった「ここならうまいものを食べられそう!」といったいい意味での緊張感がなくなって、どこにでもある飲み屋的なゆるさが取って代わっているように見えるのは気になるところですよね。
以前に来た時の印象が強烈すぎていささか厳しい評価になるとは言っても、現状でも居酒屋として考えれば誠実に作ってある方だとは思いますが、そうなりますとこのレベルの味ならもっと庶民的な価格で楽しめる居酒屋が幾らでもありそうだと考えた場合に、何やら非常に中途半端な店になってしまったのかなとも思えてしまいます。

サービス面でも良くあるバイト店員的なゆるさがそこかしこで見えるのも気がかりですが、一回だけの訪問でどうこうは言えないにしても実際に客足も落ちてきているのでしょうか、週末の夜にも関わらず若い人たちの団体さんらしい一団を除けば個人客らしいのは我々のグループだけと、ひと頃の満席御礼の盛況ぶりを見ているだけに落差が目につくのは仕方がないところです。
メニューなどの構成を見ても肩に力の入らない居酒屋的料理を中心にしていきたい意向なのかとも思うのですが、魚の味を楽しみにこの店を贔屓にしていた人たちからすると何とも個性のない、近所の学生達が集うありきたりな店になってしまったようにも見えているのかも知れませんね。

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2010年4月24日 (土)

国民皆保険の建前を続けるためには とある事件と絡めての雑感

今日は例によって毎日新聞ネタを取り上げるつもりだったのを少し予定変更して違う話を書いてみようかと思いますが、しかし今週は医療ネタばかりでまるで医療系ブログのような様相を呈しているのは問題ですねえ?
さて、ちょうど少し前にごくひっそりと出てきたこんな記事がありましたけれども、御覧になりましたでしょうか。

射水市民病院の元外科部長、伊藤医師に勧告書…富山(2010年3月30日読売新聞)

延命措置中止で県弁護士会

 射水市民病院の元外科部長、伊藤雅之医師(54)らが不起訴となった延命措置中止問題で、県弁護士会(本多利光会長)が、伊藤医師に対し、延命措置を中止する際は病状や患者の意思について客観的に検証するよう求める勧告書を出したことが29日、わかった。勧告は25日付。

 勧告書では、伊藤医師は2000~5年、同病院で末期患者のうち少なくとも6人の人工呼吸器を取り外したが、取り外すまでの過程が書面などに残されていなかった。このため、患者本人や家族の意思、延命措置中止の妥当性などについて客観的に検証することができず、人権侵害に当たる恐れがある、としている。

 勧告書について、伊藤医師は本紙の取材に「医療の中で『人権』を最重要課題として実践してきた。検察にもそれを認めてもらったからこそ、不起訴の判断が出たはずだ」とコメントした。

 今回の勧告は07年、大阪の市民団体「『脳死』臓器移植による人権侵害監視委員会・大阪」(岡本隆吉代表)が、亡くなった患者の人権を救済するよう、県弁護士会に申し立てたことを受けて出された。

当時それなりに話題になった事件で、当「ぐり研」でも取り上げさせていただいた記憶がありますけれども、いわゆる尊厳死、安楽死といった問題に関しては日医を始め一通りのガイドラインが揃っていて医療の世界ではかなり厳格な運用をするようにという考えが主導的である一方、安楽死をさせて医師が罪に問われたのは昨年末の一件のみと司法的にも決して厳罰主義的ではなかったことも以前に紹介した通りです。
このあたりは日本の場合レスピをつないで濃厚医療を続けたところで高額医療費の上限というものがありますから患者負担は一定額以上にはならなかった、そんな事情もあって家族の方も十分に腹が据わるまで幾らでも「できるだけの医療」を希望することができたという背景もあって、逆に言えばそういう決断をするともなれば余人が介入出来ないほどによほど腹をくくった結果であろうと推測できるだけの社会的土壌があったということの反映なのでしょう。
そうは言っても純粋に法律の文言を眺めてみれば弁護士側としてはこう言わざるを得ないだろうなという話であり、ガイドラインなどに基づいた現代の医療業界内における一般常識からしても伊藤医師の対応こそ異端と言うべき行為なのも確かですが、一方で理屈の上で正しい、正しくないという議論と、感情の上で良い、悪いという話とはまた別の問題であるとは言えるかと思いますね。

さて、ご存知のように最近では不景気だ、失業率の増加だと社会情勢自体が一昔前とは変わってきていて、一昔前には行き倒れくらいでしか見ることのなかった無保険者が医療機関にとって問題となる程度にまで増えてきているという現実があります。
そうした時代にあってなかなかに悩ませるような事件の判決が先日出たと言うことで一般紙にも取り上げられましたので、皆さんも御覧になったのではないでしょうか。

10裁判員:自殺図り、意識戻らぬ長男を刺殺 「母さん頼む」聞こえた(2010年4月20日毎日新聞)

 ◇「高額医療費」を悲観--東京地裁初公判

 自殺を図り意識が戻らなくなった長男(当時40歳)を刺殺したとして、殺人罪に問われた千葉県我孫子市の無職、和田京子被告(67)の裁判員裁判が19日、東京地裁(山口裕之裁判長)で始まった。高額な医療費がかかるのに自殺未遂だと健康保険は原則、適用されない。嫁や孫の将来を悲観した末の惨劇だった。審理を担当する男性2人、女性4人の裁判員は、事件とどう向き合うのだろうか。【長野宏美】

 ◇写真胸に包丁突き立て

 午後1時過ぎ、上下黒の服を着た和田被告が法廷に入ってきた。度々メガネを外し、白いハンカチで目頭を押さえている。長男は妻と息子2人の4人で暮らしていた。息子の運動会に顔を出し、家族で海外旅行にも出掛けていた。近所の人の目には「幸せな家庭」に映っていたという。

 一家に何があったのか。検察側や弁護側の冒頭陳述から、事件を再現する。

 昨年7月15日、長男は勤務先の会社屋上で首をつって自殺を図った。「だまされて人生転がり落ちた」。遺書には、だまされて借金をしたと記されていた。一命は取り留めたが、回復の見込みはほとんどない

 「月末までに医療費500万円が必要です」。7月24日、家族は病院から説明を受けた。1日の医療費は10万~35万円。長男の勤務先からは、自殺未遂だと保険が原則として適用されないとも告げられていた。

 将来を悲観したのは和田被告だけではなかった。「私が呼吸器を外す」。長男の妻は、医師の前で泣き崩れたという。様子を伝え聞いた和田被告は決意した。「産みの親である私が死なせよう」。呼吸器を外しても病院だとすぐ気づかれる。確実に殺そうと考え、40年以上も愛用していた出刃包丁を自宅から持ち出した。胸には長男の写真を抱いていた。

 夕刻の病室に、長男と2人きり。たくさんの管につながれ、頻繁にけいれんする姿を見ていると、「母さん頼む」という息子の声が聞こえた気がした。包丁をつき立てると廊下にいた看護師に「警察を呼んでください」と告げた。

 「義母を恨むことはありません。子供は『バアバがお父さんを天国へ連れて行ってくれたんだね』と言っています」。審理の後半で妻の調書が読み上げられた。判決は22日に言い渡される。
(略)

長男刺殺の母 実刑回避 東京地裁裁判員裁判(2010年4月23日東京新聞)

 自殺を図り意識不明になった長男=当時(40)=を刺殺したとして、殺人罪に問われた千葉県我孫子市、無職和田京子被告(67)の裁判員裁判が二十二日、東京地裁で開かれ、山口裕之裁判長は「自殺未遂後、十日間であきらめ、殺害に及んだのは短絡的」とする一方、「異常とも言える心理状態で犯行に至り、同情の余地は多々ある」とし、懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役五年)の判決を言い渡した。

 判決によると、長男は意識不明から回復する見込みがほとんどなく、自殺未遂の場合には精神疾患などがないと治療に保険が適用されないため、医療費が将来にわたって日額十万円以上と高額になった。長男の妻が延命治療の中止を医師に申し入れたが拒まれ、「わたしが人工呼吸器を外す」と訴えたため、和田被告は、長男に手をかけるのは親である自分の責任と考えた。

 山口裁判長は「夫や長男の妻と励まし合い、この局面を乗り越えるべく手段を尽くす余地はあった」としながらも、「精神的に追い込まれていく状況下で、衝動的に、長男の妻や孫を守るためには長男の命を絶つしかないと考えた。実刑にはちゅうちょを覚える」と述べた。

 さらに「被告は深い自責の念を持っている」とした。

 判決によると、和田被告は二〇〇九年七月二十五日、東京都内の病院で、意識不明で入院中の長男の左胸を包丁で四回突き刺し、殺害した。

◆『自分が被告だったら…』 思い悩んだ裁判員

 山口裁判長は判決言い渡し後、「裁判員みんなで思い悩み、この結論に達した。判決は、人を殺すこと自体を是認するものではない。重い有罪判決を受けたことを、(長男の子どもである)お孫さんにもしっかり伝えてください」と説諭した。和田被告は涙を流しながら「ありがとうございました」と述べ、何度も頭を下げた。

 閉廷後の会見では、裁判員を務めた人たちから「自分が被告の立場だったらどうしたか、という結論は出せなかった」などの声が聞かれた。

 補充裁判員を務めた女性(30)は「残された家族のことがいろいろ思い浮かんだ」と話し、会社員の男性(34)は「家に帰ってもずっと事件のことが頭にあった。同じようなことが起こらないよう、保険制度や医療のことを見直していくことが大切」と話した。

この件について病院側が呼吸器を外すことを拒否したのは脳死判定など安楽死のガイドラインに適合しなかったからだと側聞しますが、冒頭の記事にあるように患者の人権を守るべく厳格なシステム的対応を求めれば求めるほど別な面での人権侵害になりかねないという、ある意味おかしな状況が生まれつつある時代ではあるという気がします。
皆保険制度なのに保険が適用されないとはどういうことだとお思いになるかと思いますが、はるかな大昔の昭和33年に厚生省国民健康保険課長回答という形でこういう通達が出ていますので紹介しておきましょう。

故意の場合の給付制限

【基準】
法第60条の規定による。

第60条 被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わない

法第60条中「故意の疾病、犯罪行為による疾病」については

 麻薬中毒、無許可の銃の爆発による負傷、道路交通関係法令違反による事故にもとづく負傷、自殺未遂、自傷行為などによる負傷など。

国民健康保険給付の取扱については、

「昭和35年5月2日保発第53号 厚生省国民健康保険課長回答」による。

多くの場合自殺(未遂も含め)患者の治療も保険診療枠扱いで行われているのは、自殺するくらいの人ならうつ病など何かしらの基礎疾患があるだろうと言うことで、言ってみれば保険病名に近い場合が多いとも思われますから、もしこれは後日の査定などで突っ込まれると支払い分の治療費は全て自主返還の上で世のマスコミからは「また悪徳医師の不正請求か?!」などと吊し上げられるのも已む無しということですよね。
むろんそうは言いつつも一般病院であれば通例的にそうした行為が行われてきたのも事実でしょうが、普段学会などで「その診断は正しいのですか?」なんて突っ込みを入れて回っていただろう大学病院の先生方であれば、まさか治療費捻出目的でいい加減な診断名をつけるなんてことも出来なかったという事情もあったのかも知れません。

今回はたまたま特殊なケースでの話となりましたが、例えば今の時代会社から解雇され急に無保険になったなんて話は幾らでもありますし、ひき逃げ被害なども国の救済制度上は上限支払額が120万円までと決まっている、裏技的に生活保護申請を考えても昨今認定が厳しいという話ですから、いつ誰が同様の決断を迫られてもまったくおかしくはないという話ですよね。
今後日本が劇的に経済がよくなるかどうかはともかくとして、無保険状態での診療という事態が一朝一夕に消えてなくなるとも思えませんから、いつ自分が当事者となりかねない国民一人一人も無論ですが、今や構造的に経営が厳しく訳あり患者だからとロハで医療を施すなど到底無理な状況にある医療機関の側でも真剣に対策を考えて行かないとならないでしょう。

ちょうど今の時期政界再編なんてことが盛んに騒がれるようになっていて、とりわけ日本は企業の税負担が割高になっているから法人税は安くしよう、社会保障の財源を確保するためにも間接税をもっと引き上げようという話もかなり大きな声で語られるようになりましたけれども、こうした話が医療に対する影響というものも決して馬鹿にできません。
アメリカなどでは大手メーカーが自動車が売れない時代に賃上げが出来ない、そのかわりに医療保険を手厚くしますという労使交渉を繰り返した結果、社員になれば退職してもずっと手厚い医療保護を受けられるようになったのはいいんですが、その結果企業側のコスト負担が激増して結局大手メーカーが潰れかけ、医療費給付もご破算になったなんて話がありました。
日本の大手企業もそういう海の向こうの事情を見ているものですからあまり医療に金を出したくない、最近では保険料が上がりすぎたと企業が自前の健保組合を解散するという話が出てきていますが、企業が負担をやめればその分は税金で負担していくしかないわけですから、いずれにしても保険方式というよりは実質的に公費負担へと移行しつつあるとも言えるように思えます。

社会保障の財源がどうこうという話とはまた別に、現実問題として無保険者が増えていたり保険給付を受けられず自己破産という某国のような事例が日本でも増えてきているわけですから、皆保険制度の建前を今後も維持していくならそろそろ税負担方式への移行を考えてもいい時期ですし、万人が支払う間接税でその財源を賄えば国内居住なら誰にでも給付対象にといった友愛的な(苦笑)話も可能になりそうに思います。
医療費の半分を占める保険料負担分を消費税でまかなうというなら少なくとも欧州諸国水準くらいには税率を引き上げなければならないでしょうが、最近では主要政党も競って消費税引き上げ引き上げと言っているご時世で、国民世論にしろかつてのように消費税引き上げケシカラン!なんて風潮でもないですから、いきなり全部と言わず段階的にしろ税による負担分を増やしていくことは不可能ではないでしょう。
その場合に一番抵抗勢力となりそうなのは、現状でさえ国庫支出が多すぎると大騒ぎしている一部省庁あたりになるのかなという気がするのですが、せっかく選挙も近くワープア層の保険料負担なども社会問題化しているご時世なんですから、どこかの政党が政治主導で何かしらこの辺りのネタでも取り上げてみないものでしょうかね?

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2010年4月23日 (金)

無過失保証制度の広範な導入は実現するか?

本日まずはこちら、最近出ていました二つの記事を紹介しておきましょう。

「輸血準備ない中絶手術で死亡…医師を書類送検へ」(2010年4月15日読売新聞)

 静岡市清水区の女性(当時45歳)が2005年、同区内の産婦人科医院(閉院)で受けた中絶手術の前処置がきっかけで死亡する事故があり、静岡県警は、必要な輸血の準備をしなかったことが死亡につながったとして、執刀した60歳代の男性院長と妻の医師を業務上過失致死容疑で静岡地検に書類送検する方針を固めた。

中絶手術の死亡で医師が刑事責任を問われるのは異例

 捜査関係者などによると、女性は05年9月に同医院で中絶手術の前処置として子宮を拡張する手術を受けた際、院長らは器具で子宮周辺を傷つけた。子宮の全摘出手術をしたが、輸血の準備を怠ったため、女性が大量出血を起こしたのに対応できず、女性を失血死させた疑いがもたれている。

 女性の遺族は、院長を相手取り約9300万円の損害賠償を求めて08年2月に静岡地裁に提訴(係争中)。09年9月に業務上過失致死容疑で院長を県警に刑事告訴した。告訴状では、子宮の全摘出手術にあたり、〈1〉出血を防止する義務を怠った〈2〉輸血の準備を怠った〈3〉全摘出手術を行う前に総合病院に転院させるべきだった――などと指摘。県警は第三者の医師にも意見を求め、輸血の準備を怠ったことのみについて責任を問うことにした。

 院長は読売新聞の取材に対し、「コメントできない」としている。

『周産期医療の崩壊をくい止める会』の2医師を米国内科学会が表彰(2010年4月21日ロハス・メディカル)

 米国内科学会が、世界各地で社会貢献活動を行った会員を毎年表彰している『Volunteerism and Community Service Award』に、周産期医療の崩壊をくい止める会で活動した2医師が選ばれた。カナダ・トロントで22日から始まる同学会総会で表彰式が行われる。(川口恭)

 受賞したのは、小原まみ子・亀田総合病院腎臓高血圧内科部長と湯地晃一郎・東京大学医科学研究所附属病院血液腫瘍内科助教の2人。それぞれ個別に受賞理由はあり、共通していたのが『周産期医療の崩壊をくい止める会』の活動だった。

 今晩の飛行機でトロントへ向かうという小原医師と湯地医師は「嬉しいです。こういった草の根発祥の地味な活動が認知され、評価されたことに感銘を受けました」と感想を述べた。

冒頭の読売の記事、詳細は今ひとつ明らかではない中でもいろいろと想像できるものがある事例ではありますけれども、別ソースで見てみますとこの事件も医師側は過失を認め償う意志を示していたのにこうまでこじれたのも、医師の申請した保険金支払いを日医が拒んだからという思いがけない経緯があったようですね。
その意味で本日のテーマである無過失保証制度と深く関わってきそうな事例ですけれども、何にしろ医療の場とは人の命を救うことを業務としているということになっていて、その方面の問題ではとりわけ世間の厳しい目線が注がれている、それだからこそうっかりすると小さな溝が大きな対立関係へも直結してくるということでしょう。
その意味では福島県・大野病院事件という、関係者双方にとって何とも不幸としか言いようのない事例を契機に危機感を持った関係者が立ち上げた「周産期医療の崩壊をくい止める会」という組織の活動が、国際的にも注目され評価されるという意味は決して小さなものではないでしょうし、こうした活動の持つ意義を国民も認識していってもらいたいところです。

最近では東京都のいわゆる「スーパー総合」が稼働を始めるなど一方で医療そのものを充実させて良くという動きも社会的危機感を背景に続いていますが、どれほど質的、量的にリソースが充実したところでやはり一定割合でいわゆる不幸な事例が発生するのは避けられないというのは、何も医療に限った話でもない社会常識と言うべきものであるはずです(それを忘れたゼロリスク症候群というものも昨今蔓延しているようですが…)。
そうであるからこそリスクを最小化する努力と同時に、いざ何かしら起こってしまったときの話も同時進行で進めていかなければならないわけですが、この一つの試みとして最近各地で動き始めているADRだとか、医療メディエーターだとか言った紛争に至る以前での問題解決のためのシステムがあります。
広い意味では医療事故調やその実現に向け最近継続が決まった死因究明のモデル事業などもこの範疇に入ってくるはずですが、久しく以前から関係者それぞれの思惑が入り乱れて堂々巡りが続いている事故調議論と比べると、どうやらこちらの方が各方面に異論が少ないだけに実働へ向けてスムーズにいっているようですよね。

医療ADR推進へ連絡調整会議が初会合―厚労省(2010年3月27日CBニュース)

 厚生労働省は3月26日、医療裁判外紛争解決(ADR)機関の活用の推進に向け、「医療裁判外紛争解決(ADR)機関連絡調整会議」(座長=山本和彦・一橋大大学院法学研究科教授)の初会合を開いた。医療ADRが一般にはまだなじみがない上、各地で取り組みにばらつきがあることから、同会議では関係者らが情報共有や意見交換を行う。この日は、各地で医療ADRに取り組む弁護士や医療従事者、患者団体の代表者など22人の委員が出席し、これまでの取り組み事例などを基に議論した。

 会合では、初めに厚労省医政局の阿曽沼慎司局長があいさつし、「医療ADR機関の設置は、ますます増えていくと考えられ、厚労省としても、患者側・医療機関側双方が利用しやすい環境を整えていかなければならない。この会を、今後の医療ADRのあり方を幅広く学ぶ場としていきたい」と述べた。
 続いて、全国的にも比較的早い段階で医療ADRへの取り組みを始めた東京と愛知の弁護士会、医療ADRを専門に扱うNPO法人として全国で初めて法相の認証を得た千葉県の「医療紛争研究会」が、それぞれの取り組み事例を報告した。
 このうち、2007年9月に医療ADRを創設した東京三弁護士会は、新たな試みとして「東京三会方式」を報告。従来は、申立人と被申立人の間に入る仲裁委員は1人だったが、東京三会方式では患者側・医療機関側の代理人を数多く務めたベテランがそれぞれ1人ずつ加わり、計3人の体制で紛争解決を図っていく。特に患者側にとって理解が難しい医療紛争の話し合いをスムーズにするのが狙いで、こうした取り組みによって、これまでに話し合いが行われたケースのうち約6割が和解に至ったという。
 また、千葉県の医療紛争研究会は、昨年4月から1年間に行った手続きの実施状況について報告した。それによると、研究会に寄せられた相談は151件に上り、このうち調停の申し立てに至ったのは24件(約15%)だった。同研究会会長の植木哲委員は、「手続きの段階で、必ず医療相談を行っている。相談は無料で、ほとんどのケースがこれで解決している」と説明し、調停に至る前段階に注力している点を強調した。

 各地の事例報告に対して、佐々木孝子委員(医療過誤を考える会代表)は、「被害者は真相究明のために当事者(医療機関側)との対話が欠かせない。仲裁人との話し合いで、当事者が出て来ないことに納得しているのか疑問」とした。
 これについて、児玉安司委員(第二東京弁護士会代表)は、「ドクターが患者や家族と向き合って対話するのは大事。しかし、それでも収まらない時に、中立の第三者が加わって話を聞くことで、スムーズに話が進むこともある」と述べた。

 同会議の事務局では、次回の具体的な日程は未定としているが、今後も3、4か月に1回程度のペースで定期的に会合を開く考えだ。

この第一回のADR機関連絡調整会議の詳細というものが例によってロハス・メディカルさんの方で取り上げられているんですけれども、医療側や患者側、弁護士といったいかにも火を吹きそうなメンツを揃えていながら、殺伐とした議論が続く事故調などとは違って(苦笑)理性的で充実した話し合いの時間となっているらしいのは幸いだと思いますね(もっとも、こういうところに出てくる人はどの立場であれ「聞く耳を持つ」人達なんでしょうが)。
今のところまでの実績から相談のうち大半は和解に至っていて、しかも賠償金額や医療訴訟の数は増えていないというなかなか喜ばしい成果を挙げているようですし、こうした経験を積み重ねることで仲介者は元より医療従事者側もコミュニケーションスキルが向上しているらしいという副次的効果もあるようですが、中でも注目すべきかと思ったのが一番揉めそうに思える産科領域の相談が少ないという報告ですね。
千葉県で医療紛争相談センター代表をつとめる植木哲氏がこの現象を評して「おそらく無過失補償に行っていると思われる」とコメントしていますけれども、以前から繰り返し取り上げていますように先行する北欧などの例を見ても、やはり広範な無過失保証制度の導入こそ医療紛争自体の防止もさることながら、何より紛争化による患者側と医療側との相互不信の際限なき増大を防ぐ盾となり得るということの傍証ではないかという気がします。

この無過失保証制度の産科領域以外への拡大に関しては国にしても財政厳しい折にどうかという話ですが、利用者である患者負担で保険料を設定するとすればそのあたりはクリアできそうな一方、患者側の意識として医療事故すなわち医療ミスという発想が抜け切れていない現状で、果たして「なんで俺たちが医者の尻拭いの費用まで負担しないといけないんだ」なんてことを言われず済むかどうかですかね。
今現在の産科無過失保障がもっと認知され「これって意外にいいじゃないか」という認識が広がってくれば結局そちらの方が得であると理解してもらえるんだと思いますが、当面財務省やら厚労省やらが自分からこういうことを言い出すこともなさそうだなと見ていたんですが、何やら最近は医療が大きな社会的関心を寄せられているということもあってか、政権与党の側からはこんな言葉が飛び出しているようです。

「無過失補償制度」や「介護環境整備」盛り込む-民主マニフェスト素案(2010年4月21日CBニュース)

 民主党の「国民生活研究会」(中野寛成会長)は4月21日、医療・介護・年金分野を担当する第一分科会の会合を開き、夏の参院選マニフェスト作りに向け最終調整に入った。会合では、同分科会がまとめた素案を基に、細かい表現などについて詰めの作業が行われた。素案には、医師の過失の有無にかかわらず金銭補償をする無過失補償制度の検討や介護環境の整備などが盛り込まれている

 素案は、医療と介護分野だけで11項目。具体的には、▽医療提供体制の整備▽医療の安全安心▽予防医療の推進▽感染症等の対策▽アレルギー・化学物質対策▽メンタルヘルス▽歯科医療改革▽終末期の環境整備▽介護労働者の処遇改善▽要介護認定の見直し▽介護家族支援対策―。

 医師不足の解消については、一歩踏み込んだ内容となった。昨年の衆院選マニフェストでは「OECD(経済協力開発機構)加盟国平均の人口当たり医師数を目指し、医師養成数を1.5倍にする」と具体策を示したが、今回の素案では、増えた医師が地域医療を担える体制づくりも含んだ内容になっている。「医療提供体制の整備」の項目には、2012年度の診療報酬改定の「増額」も明記された。

 「医療の安全安心」の項目には、医療従事者が訴訟リスクを恐れて「委縮医療」が生じていることを問題視し、無過失補償制度の導入を検討課題に挙げた。介護分野では、介護労働者の処遇改善だけでなく、「介護疲れの家族のために」という表現を使い、介護家族への支援を打ち出している。

 同分科会は素案に、この日の議論に基づく修正を加え、最終案として同研究会に報告する。

留意していただきたいのは前述したスウェーデンの例で言えば補償額は一件あたり120万円程度と決して高額なものではなく、日本の医療訴訟の相場を考えると一見してむしろかなり低額とも思えるのですが、勝訴率が半数を切るという医療訴訟と違ってこちらは広く薄くと言いますか、細かいことはどうあれ不幸な結果となった事例には漏らさず非常に広範に補償しましょうということです。
その結果何が起こるかと言えば患者側は医療従事者のあら捜しをして法廷戦術を有利になんてことを考える必要がない、というよりむしろ医療側と協力して情報を提供してもらい早く認定を受けた方がいいということですし、医療側にしても患者と一緒にお金を出してもらえるよう共闘関係を結んだ方が心情的にも金銭的にもはるかに楽なのですから、自然両者が不毛の対立的関係に陥る可能性が非常に低くなるわけですよね。
実際のところ民主党が選挙に勝ってマニフェストがそのまま実現するかどうかは未だ不透明ですけれども、この種の社会保障問題というものは国民目線を意識すると表立って反論するということがなかなか難しい部分もありそうですから、案外野党側からも今後似たような対抗案が出てくるという可能性もあるんじゃないかと期待しておきましょうか。

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2010年4月22日 (木)

そんな餌で俺様が釣られクマー…って、あれ…?

今日はのっけから「さすがにそれは釣り針太すぎだろJK」という記事から紹介してみますが、読んで驚きますよホント(笑)。

医療が危ない!患者が知らない医療現場の真実第二回/井家真人(2010年4月22日ダイアモンドオンライン)

学費6年間で6000万円の医学部も!?医療崩壊が止まらない本当の理由

 日本の医療崩壊が止まらないのは、前回見てきたとおり臨床医制度による医師不足もその1つの原因であろう。しかし、医師不足、医療費不足、医師の過重労働、救急医療体制や中核病院の閉院など、今、「医療崩壊」の原因として問題視されているものはただの“現象”に過ぎない

“変えたくない力”による隠蔽工作と聖域化

「医療崩壊が止まらない根本的な原因は、日本の医業の仕組みがグローバルスタンダードでないことに気づいておきながら、“変えたくない力”が自分たちの既得権益を守ろうと、事実を隠蔽していることだ。そして、日本の医療が間に合っていない本当の理由を国民が認識できないように、上手く論点をすり替えている」と東海大学の田島知郎先生は語る。

 まず、日本の医業は勤務医と開業医が区分される仕組みで、開業医は専門医であるのに軽微な傷病の診療をし、多くは時間外診療をしていない。それに対して、米国では臨床医は全員開業医であり、病院が「オープンシステム」になっている。病院のフルタイム医師は原則として、主治医にはならない麻酔科などの医師と研修医である。

 病院の外来は主に救急であり、その他の外来は開業医自身のクリニックで行う。入院医療の必要な患者の場合は、開業医が地区の病院に入院させ、自らが主治医として診療を継続する。そして、米国の医師は地域の病院で診療特権を取得して、その病院を使って開業する。開業には高額の設備は不要なので、開業資金は安く、医療資源の私有化が少ない。そのため、米国の医師にとって病院収支は関係がなく、患者の治療に集中できるのだ。

 こうした仕組みについては、救急医療の問題などもあり、最近になって日本でも注目されつつある。例えば、開業医が病院に出向いて分娩などを行うケースなどである。こうしたケースが一般的になれば、勤務医の負担は大きく減り、医師不足にも貢献できるかもしれない。

 しかし、日本では「医業システムについて議論することがタブー視されており、国民の間で議論されていない。長年、慣れた仕組みで今さら変えることができないといった為政者や、変えると会員の権益が損なわれるといった団体の思惑が見え隠れする。また、議論になっていない最大の理由は、医療関係者が自分たちの利益を守ろうと、『モラル・ハザード医療』の実態を隠蔽していることにある」と同氏は指摘する。

「医者=経営者」の構造が日本の医療を崩壊させる

「モラル・ハザード医療」とは、医師が患者に対して、不必要に多くの薬や診察を行い、診療報酬を増やそうする医療行為である。例えば、鼻風邪で受診に行ったら、胸のCTや血液検査もしてくれたという経験がある人は多いのではないだろうか。

 実際、日本人が欧米人と比べて病気になりやすいはずもないのに、日本はCT・MRI保有数が世界一で、X線被曝量や病床数は欧米諸国の2~3倍であることからも、いかに過剰な医療行為が日常的に行われているかが垣間見える。過剰医療の恩恵を得ている医薬品業界や医療機器メーカーにとっては嬉しい悲鳴かもしれないが、これらの医療行為が国民皆保険で賄われているのである。

 この点について同氏は「日本の開業医は、経営者であって、経営優先による過剰診察が蔓延している。医師が患者の権利と病院収益を天秤にかけており、利益相反が生まれている。」と語る。さらに、医師が診療の技量ではなく、医業経営で高収入を目指し、国民皆保険制度と出来高払い制がフルに利用され、過剰診療が当たり前になっているのである。

 また、同氏は医師不足の問題にも開業医が大きく影響していると述べる。というのも、「医師数が日本に近い国との比較では、医師が頑張れば人手は間に合う程度であり、開業医が軽微な傷病の診療しか担当しないことが、日本の医師不足を招いている一因である」というのだ。つまり、日本の医療は開業医を上手く活用できていないということであるが、そもそも開業医とはどのような役割を担っているのだろうか?

 最高裁の平成9年の判決によれば、「開業医に求められているのは、風邪などの比較的軽微な病気の治療に当たるとともに、患者に重大な病気の可能性がある場合には高度な医療を施すことのできる診療機関に転医させることにある」とされている。

 ただし、同氏は「総合臨床医であれば、この仕事内容で良いが、開業医は専門医であるはずで、現実には半専門医または半総合臨床医になっている」と反論する。例えば、開業医になって半年もすると手術ができないといった医師もいるというのだ。

 また、開業した後は、最新の治療の知識も技術も身につける術がない。そのため、同氏が提唱するオープンシステムは、開業医が病院に出向いて、仕事をすることで、横の技術交流が促進されるほか、医師自身が競争の面から技術を研鑽する必要が生まれ、開業医の知識・技術を活用することが期待できる。

 また、勤務医と開業医の垣根が消えれば、勤務医は危険で開業医は安全という差はなくなるほか、現行の勤務医の仕事を勤務医と開業医を合わせた数で行うことになるため、医療崩壊の主な問題である医師不足の解消と負担の平準化を図れるかもしれない。

 しかしながら、こうした根本的な医業システムについては全く議論されていないのが現状だ。同氏は、「国中の皆が納得して、医師不足の原因は総数不足で、その量的な是正がされれば医師不足問題が解決すると、問題点を隠蔽しようとする力が働いている。仕組みを変えない呪縛に国中が陥って、変えない前提での小手先の修繕を繰り返している」と指摘する。

 実際に、開業医が大都市圏で増え続け、過当競争が起こっており、医師の無駄使い、医療費の無駄使いの悪循環が続いていることからも、医業の仕組みについて本気で考える必要がありそうだ。

 このような医業の仕組みをめぐるタブーとは別に“変えたくない力”は、「医師=経営者」の構図をフルに利用し、医師を特権階級に押し上げている可能性もある。例えば、国民皆保険制度という全国民加入で、仮に窓口支払い不履行でも7割は保証されることや技量とは関係ない価格カルテルのような診療価格、さらに窓口での一部負担といった安価に見せる偽装の受診奨励など、公益性重視の医療による私的な蓄財が行われているのである。

 同氏は、地方開業医の次男として生まれ、身内には、中小病院、開業医が多くいることも踏まえ、「中小私的病院、大規模開業医など私的医療施設の理事長や病院長が財産と既得権益を次世代に継承したいと思うのは当たり前だ。但し医療を通じて私的に蓄積された財源が、医業継承に私的に利用され、医療法人名義の私的資産が世襲されることは、国民皆保険制度の理念に相克する」と語っている。 

学費が6年間6000万円の大学も!医師はもはや特権階級の職業か

 また、医師の特権階級化には、金権医学教育制度にも問題がある。身近の中小私的病院を見ればわかるように、医学部入学が最難関と言われているのにほとんどのケースで世襲が成功している。日本私立医科大学協会の資料によれば、私立医科大学の学生納付金平均は初年度847.2万円、6年間3342.3 万円と超高額であり、中には6000万円超の大学も数校あるそうだ。さらに、この納付金以外に、任意の寄付金徴収がある。

 同資料では、1校あたり10億円とあるが、自治医科大学などが含まれているため、半数の学校で受納とすれば1校あたり20億円。仮に1学年100 人の内で半数が納入とすれば、1人約4000万円を寄付していることになる。ある医療関係者によれば、「一部の大学では、入学者ほとんどが寄付金を納入しているといわれている。『寄付金の払い込みは任意で、入学条件からは除外』とされているが、実質入学条件や無試験入学となっているケースもあるのではないか」といわれるほどである。

医師になるには莫大な資産がなくてはならない。親元離れた6年間の生活費1500~2000万円とすれば、医師になるには合計で億単位のお金が必要だ。もし借金して入学ということであれば、合格率約90%という比較的やさしい国家試験をパスしたら、投資を取り返すことに専念するだろう。勿論、地域医療を考えて開業医になる医師もいることは確かだ。しかしながら、これだけの投資をした上で、よほどお金に余裕がない限り、数年間勤務医として開業資金を貯めて、より収入の良い開業医になろうとするのは当然かもしれない。

 同氏は「志のある医師が、『医師=経営者』の構図に流されて、初心や使命感、本来の倫理観から乖離した生活になっている。医師は、経済的な事項から開放されて、研鑽を続けて、生涯にわたって患者に最善を尽くせるべき仕事であり、『医師=経営者』の構図は何としてでも破棄すべきである」と訴える。

 加えて、金権医学教育制度の実情については、「高過ぎず、安過ぎずといった世襲に合う程度の高額授業料の承認や任意に見せる寄付金の認可など、国費をあまりかけずに毎年の新医師数を確保しようとする国や、医学部が最難関、高偏差値といったイメージをつくりあげているメディア等など、医業の利権世襲を守ろうとしている勢力がグルになって国民を洗脳している。そして、母子・遺児家庭からも私立医大生が出せなければ、医療立国希求の資格はない」と同氏は危機感を訴える。

 現在、日本では医師不足という問題もあり、医学部設置を検討している私立大学もある。国際医療福祉大(本校・栃木県大田原市)、北海道医療大(北海道当別町)、聖隷クリストファー大(浜松市)の3大学である。いずれも福祉、看護学部などがあり、大学病院や関連病院も複数有している。医学部新設は、認可されれば1979年以来となり期待もある。しかし、検討大学の関係者によれば、「医大を増やすことは自分たちの利益が減ることになるので、反対する声がある」と言う。“変えたくない力”は、あの手この手を使って、自分たちの聖域に入ってくる異分子を排除しようということかもしれない。(井家真人)

監修:日本テレビ解説委員、高田塾塾長 高田和男

いったいどんなファンタジー世界の話をしているのかと突っ込みどころ満載が過ぎて、どこから突っ込んでいいものやら迷うような電波ゆんゆんな記事ですが、とりあえず基本的な認識の誤りとしてアメリカの医療システムは全くグローバルスタンダードからは程遠いし、日本人は諸外国よりはるかに頻回に受診しているのに総医療費は安くついているという事実を指摘するのみでも十分だと思います。
この記事がどれほど捏造妄想に満ちているかが判るのが後半に出てくる図表3の年収比較なんですが、病院では院長2600万、医師1400万に対し診療所では院長2500万、医師1300万となっていて、普通に見れば「なんだ、やっぱり診療所って儲からないんだね」としか読めないデータなんですが、何故かこの図表の病院医師と診療所院長の収入部分だけが全記事中で唯一(笑)赤字表示になっているんですよね。
この図表3につけられたキャプションが「一般病院医師給料1450万円と一般診療所所長2522万円の差は1.7倍」だと言うのですから、これは笑うところなのか正気を疑うべきところなのか迷うのですが、書いている本人も「ここまであからさまな恣意的でっち上げであると公表しているのに、騙される方が悪い」と免罪符を得ているとでもいうつもりなんでしょうかね?

どこからどこまでも別世界の話をしているようにしか思えない妄想が並んでいるような記事ですけれども、戦前生まれで進駐軍時代に「アメリカってこんなに素晴らしいんだ!」とすっかり蒙を啓かれたらしい御老人の持論めいた繰り言をいい具合に切り貼りしてこういうものをでっち上げているわけですから、さてこんなクマーな記事が今頃出てくる理由とは何かということですよね。
そこで改めて見てみますと、末尾に登場する「監修:日本テレビ解説委員、高田塾塾長 高田和男」の一文にも注目せざるをえないのですが、日本テレビ報道局で医療問題担当解説委員なる肩書きを持ち、「民法唯一の医療記者」なんてことを称して著作活動もしていらっしゃる一方、主催する勉強会「高田塾」の活動なども通じて厚労省の足立信也政務官などともつながりがあるという人物のようです。
この高田塾なる団体もまたいろいろと興味深そうな講演活動をしていらっしゃるようなんですが、それはともかく記事の書き手である井家真人氏の主観をもう少し理解してみないと仕方がないだろうということで、同氏の手になる同じシリーズの第一回も紹介しておきますが、ちなみにこの岩手医大の小川先生も高田塾の講演会に参加している一人であることは申し添えておきます。

【参考】医療が危ない!患者が知らない医療現場の真実第二回/井家真人(2010年4月8日ダイアモンドオンライン)

OECD加盟国で最下位レベル!?なぜ日本は深刻な“医師不足”なのか――岩手医科大学 小川彰学長に聞く

この記事自体は今更感の濃厚ないつも通りの「医療費削減政策が悪い」「新臨床研修制度が地方の医療を破綻させた」という内容で新味に乏しいのですが、非常に面白いなと思うのは前述の第二回の記事と全く対照的と言いますか、日本の開業医は既得権益をフル活用してボロ儲けしているはずなのになんでそんなに医療費が安いの?と突っ込みを入れたくなるような話でもあるということですよね。
とりわけ小川氏の談話として記事中にこんな話が出ていますけれども、「あれ?莫大な学費のもとを取るために医者は金儲け第一主義でやっていかないといけないんじゃなかったの?」と読み比べてみれば誰しも疑問符を感じてしまうような内容です。

 そうでなくても勤務医の労働環境は非常に厳しい。日本医労連の2007年4月発表の資料によると、勤務医の労働時間は、平均労働時間は1日 10.6時間、週58.9時間、毎月の時間外勤務は62.9時間となっている。実態はもっと過酷で、時間外労働の不払いなど労働基準法さえ守られていないのが当たり前だ。

 このようなことから、若手医師の科の選択にも大きな変化がみられている。若手の医者が科を選ぶときに「インカム(報酬)が多い方がいい」というのは当然だろう。ただし、問題はこれだけにとどまらない。小川氏によれば、「『コントローラブル・ライフスタイル』、つまり、自分が自由になる時間が欲しい、そういう科を選ぶ傾向になっている。外科とか内科とか、時間に制限されるような科は選ばない。時間の制約が少ない科を選ぶ」傾向にあるという。

こういう前後相矛盾するような記事を平気で書き連ねて見せる井家真人氏なる人物、非常に好意的に解釈するならば取材相手に応じて自由自在に自分を合わせられる聞き手という言い方も出来るのかも知れませんが、ほぼ小川氏の発言そのままを垂れ流している第一回の内容と比べてみると、第二回の記事の方はずいぶんと氏自身の言葉が出ていることが判りますよね。
記事の並びからしても第一回では「全ては国が悪い」と言っていたものを、第二回では「いや医療業界の抵抗勢力が黒幕だ」と前言を翻すかのような構成になっているあたりにも同氏の意図が見え隠れしているように思いますけれども、こうなってくるといずれ出てくる(んですよね?)第三回の記事に否が応にも注目が…ってあれ?もしかして見事に釣られてますか?

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2010年4月21日 (水)

今どき救急と言えば誰にとっても難しいものです

昨今では地域の公立病院と言えば非効率・不採算医療を一手に引受ざるを得ない時代で、しかも「スポンサーたる市民様は神様」の精神で現場無視の「改革」が相次いで行われていたりするものですから、金銭的な収支は元より医師らのモチベーションの面でも非常に厳しいものが多々あることは周知の通りです。
神奈川県平塚市に位置する平塚市民病院も400床クラスの地域基幹病院ですが、近年は医師・看護師が減ったことに伴なう収入減が進み、そこに例によって出てきた病院建て替え計画やら「市民ニーズに応えた」24時間救急センター構想やらと、まさにテンプレ通りの経過を辿ってきている施設という印象ですよね。
その平塚市民病院が医師が増えたので救急センター機能を強化しますと言うのですが、記事を見ているとこれがまた無謀な計画という気がしてなりません。

平塚市民病院が救急医療強化へ、医師ら増員で実現(2010年4月17日カナコロ)

 平塚市民病院(同市南原、石山直巳病院長)は今春から、地域の医療ニーズに応えるため、24時間休みなく急患を受け入れる「救急医療(ER)」の体制を強化していく。4月から救急専任医を1人から2人に増員し、今秋ごろに3人とする。7年以内に、より高度で専門的な医療を施せる「救命救急センター」を目指し、平塚周辺の医療サービスを充実させる。

 市消防本部によると、市内の救急搬送者は過去3年で年間1万人余り。同病院が受け入れている割合は2009年は36・6%で民間の平塚共済病院(追分)の41・7%を下回る。さらに07年実績と比べても、1ポイント余り下がっているという。全国的な問題でもある医師や看護師の不足が大きな要因で、十分な緊急診療体制を築けていない状態が続いてきた。

 平塚市民病院では夜間は当直医2人が急患に対応しているが、専門外の疾患を診断せざるを得なかったり、緊急手術時にはほかの患者を受け入れられなかったりするケースもあるという。こうした課題を解決するために今後、医師や看護師など医療スタッフを増員し、できるだけ多くの急患を受け入れ、地域住民の信頼を回復するのが狙いだ。

 4月からは救急専任医が2人、秋までには3人となり、いずれは5人体制を目指す。現在計画が進む新病棟建設後の2016年度ごろには、高度で専門的な医療が必要な重症患者を24時間365日体制で受け入れる「救命救急センター」として機能させる方針だ。

 県が指定する県内の救急医療センターは、東海大学医学部付属病院(伊勢原市)や藤沢市民病院、小田原市立病院など14カ所ある。

いやまあ、救急専任医がいないよりはいた方がいいのは言うまでもないでしょうが、本格的に24時間365日のERをやる気ならこんな人数でやるのは到底無理ではないかという気がして仕方がないのですがね(なんちゃって救急専門医で他科丸投げというなら別ですが)。
どうもこの病院、同じ市内に存在している共済病院との間に何かとライバル心を発揮しているらしくて、「あっちはこんなことまでやっているのに市民病院は何だ!」なんて言ってるらしいことが議事録などを斜め読みしていても読み取れるのですが、一人増えたからとそれ以上に過酷な業務を押し付けるようなことをしていたのでは、増えるどころか一気に逃散が進むというお約束の経過をたどってしまいかねないのではないかとも思うのですけれどもね。
この平塚市民病院と言うところ、ちょっと調べてみるだけでも事故のみならず事件も起きていたり、院外でも妙なところで新聞沙汰となっているのですが、逆に事故防止の取り組みがテレビに取り上げられてみたりと、一見ありきたりな公立病院のように見えてなかなかにオンリーワンな病院であったりするようですから、あるいは思いがけないウルトラC炸裂なんてこともあるのかも、ですかね?

平塚市民病院の将来はそれとして、最近救急医療ということでちょっと気になったのが先日のこちらの記事なんですが、この時期厚労省の出す調査結果としては非常に意味ありげな内容ではありますよね。

臨床研修で救急医療の能力向上…修了医師調査(2010年4月18日読売新聞)

 6年前に義務化された臨床研修制度を修了した医師は、それ以前の医師に比べ、救急医療の能力が高く、緊急時対応にも自信を持っていることが、厚生労働省研究班(主任研究者=徳田安春・筑波大教授)の調査で明らかになった。

 新研修制度は医師不足を加速させたと批判されているが、徳田教授は「幅広い診療能力を若手医師に身につけさせることができた」と利点を強調している。

 研究班は昨年11月、臨床研修を修了した4~6年目の医師(救急医を除く)103人と、制度導入前に卒業した7~9年目の医師(同)105人を対象に、救急外来を想定した26場面で、正しい治療方法を六つの選択肢から選ばせる質問を出した。その結果、約3か月間の救急医療研修を受けた医師の平均点は26点中15・3点で、制度導入前の医師の平均点(12・8点)よりも高かった。また、自信も臨床研修修了者の方が高いことがわかった。

先程の平塚市民病院の記事にも出ていますけれども、救急というものは真面目にやればやるほどその大変さが判ってくるというもので、とりわけとっさに手が動くかどうかが重要なだけに正直こうしたベーパーテストでどれくらい正しく評価できるか疑問無しとしませんけれども、注目すべきはローテートをした人たちの方が救急に自信を持っているという点ですよね。
ネガティブに見れば初期研修医となれば救急とは言っても見ているだけであったとか、せいぜいが下働き程度の仕事しかしていない場合も多いでしょうし、救急医療最大のキモである「誰もいない場所で一人決断しなければならない怖さ」というものはほとんど経験していないでしょうから、もともと万能感の強い4、5年目くらいの先生が輪をかけて俺様TUEEE!な状態になっているだけなのかも知れません。
そんなこんなでネット上では例によってネガティブな評価が主導的なようですけれども、今までマイナー科などの能力のある人でも基本的な手技や知識を経験していないばかりに救急の場で役立たずといった場合も多かったわけで、強制的に最低限の経験を積ませるということはそれなりには意味があるんじゃないかとは思っているのですが、問題はそれが救急医療のレベル向上とイコールではない点です。

308 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 23:20:29 ID:N89y7y0e0

ったく現場を知らぬアホなアンケートだな。
普通の医師なら経験を積めば積むほど安易に救急に自信が持てるなどとほざけないもんなのに。

309 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/19(月) 00:01:07 ID:7c/8eXLl0

救急医療の能力が向上するのと、救急医療に従事するかは別問題で、
救急の現場を見たために、余計に救急はやりたくないと思う人が増えそう
外科を強制的にローテーションさせたために、外科志望が減ったように。

319 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/19(月) 09:21:06 ID:dgQG/+CR0

救急を避けるやり方をならったんだろ!

先輩の救急担当医師たちが、どのようにめんどくさい症例を他科に渡すかのノウハウを学んだとか?
たまに、安易にDQN症例を引き受けて袋小路に陥ってるところとかを反面教師にできて喜んでるとか

323 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/19(月) 11:48:44 ID:aqrgnhdx0

実力がつく=地雷が見分けられるようになる=爆発前に避難

不発弾を解体しようとしてハンマーで叩くようなレベルの奴だけ現場に残る

355 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/20(火) 19:05:26 ID:ssSciA3S0

特にプレホスピタル救急なんて、何もできないってことをわかってない奴は手を出したがる

救急2か月回ったばっかりの研修医とか、茄子とか。
とくに茄子は事故だとか急病の機内放送とかにすぐ出て行くよね

秋葉原事件のとき、ビッグサイトで臨床救急医学会があったんだが、絶対かえりに秋葉に
繰り出してた奴多かったと思うよ。だけど手を出したのは数人だけでしょ

まあ不発弾をハンマーで叩く人材だけが残るかどうかは別としても(苦笑)、「実際に回ってみて大変さがよく判った」と新臨床研修制度導入以来各診療科の新入局者数に激変があったなんてことも言いますから、単にあこがれや漠然としたイメージだけで救急に進んで後でデプったりするよりは、実際に経験して最低限のセレクションを受けておいた方がかえって安心という側面はあるかも知れませんね。
これは新臨床研修に関する全くの個人的な意見ですが、やはり医療の基本は全身的に一通りの状態把握が出来る内科診療であって、例え眼科医や皮膚科医だろうが最低限の内科的知識は持っておくべきだろうし、同様に外科や麻酔科的な知識も様々な局面で役立つ場合はあるだろうし、産科や小児科の基本的な考え方も承知しておいて損はない、そういう意味ではローテート研修も意味があるでしょう。
ただ現状の卒後直ちに初期ローテート研修、その後に後期の専門研修という流れはしばしば学生の臨床実習が延長されただけといった新鮮味のないものにもなりがちな面があって、むしろ最初期の段階では何科であれある程度ストレートな研修で基軸となる知識や技能を身につけておいた方が、ローテートをするにしても実が上がるんじゃないかという気もするんですけれどもね。

いずれにしても省内の意向が反映されると考えて間違いないこの種の調査でこういう絶賛とも言えるレポートをわざわざ出してきたという意味は、昨今医師不足だ、いや医師の偏在だといった議論の背景として何かと槍玉に挙がる機会の多い新臨床研修というものを、当面厚労省としては辞めるつもりはないという意思表示であるとも受け取れそうですね。
となれば総務省あたりも巻き込んで医師強制配置計画を推進してくるのかといった推測も成り立つわけですが、折衷案的に臨床研修の定員枠を地方優位になんて話も出ているようですけれども、これがまた市中病院ではなく地方の大学病院に研修医を集中させて医局派遣機能を強化しようなんて「今どきそれなんて白い巨塔?」な話なんですから恐れ入るしかありません。
御用学者のセンセイ方の結論ありきなレポートではなく、きちんとした客観的指標に基づいて新臨床研修制度の功罪を再検証し、改めるべきは改めていったら良いだろうにと思うのですけれども、現状では各人が自分の損得勘定だけで好き勝手なことを言っているように見えるのは残念なことではありますよね。

当事者である研修医の先生方も色々と言いたいことはあるのでしょうが、他人に全責任を押し付けて好き放題な医療が出来るのは研修医の時期だけの特権(苦笑)なんですから、分別のある大人の医者になってからでは到底出来ないような無茶の一つもやって経験値を貯めまくってやろう、くらいのつもりでいた方がスキルアップの早道にはなるんじゃないでしょうかね。

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2010年4月20日 (火)

人は石垣、人は城と言いますが、やはり働きやすい環境整備も重要なようで

最近は医療ネタというものが一般紙でも結構当たり前に取り上げられるようになっていまして、それだけ社会的関心も高まっていると言うことなのかとも思うところですよね。
ちょうど先日の朝日新聞も特に真新しいネタがないにも関わらず社説でこんな話を取り上げていましたけれども、細かい部分の是非はともかくとして医療崩壊と呼ばれる現象の実態がどのように言葉を偽っても薄給激務で身を粉にして働く奴隷医者の不足なのだと、ようやく理解し始めたということなのでしょうか?

【社説】医療の危機―人材を集め育てる策を(2010年4月19日朝日新聞)

 「医療崩壊を食い止める」。今春の診療報酬改定にあたり、厚生労働省の関係者らは繰り返した。だが、医師不足の解消に本気で取り組まない限り、危機は克服できない

 改定では救急や産科、小児科などでの治療に対する報酬が4月から増えた。これらの分野を強化するのは当然のことである。

 奈良県大淀町で2006年8月、町立病院で出産中に意識を失った妊婦が19病院から受け入れを断られ、脳内出血で死亡した。08年には東京都で脳出血とみられる妊婦が7病院から断られ、亡くなった。

 こうした悲劇を繰り返すまいと、奈良県や東京都などは現場の医師らの努力で、搬送された妊婦を必ず受け入れる態勢づくりを急いでいる。

 妊婦の搬送が拒否される一因とされる新生児集中治療室(NICU)の不足にも目が向けられた。政府はいまの1.5倍にあたる約3千床が必要と試算。大学病院や自治体もNICUを増やそうとしている。

 だが、設備を整えても産科救急の危機は解決しない。それを使いこなす新生児科医や産科医が足りないことが最大の問題だからだ。

 新生児科医は、小児科などの教育のうえに専門研修が求められ、全国に千人ほどとみられる。その1.5~2倍が必要であると、新生児科医の団体は試算している。

 医師不足は過重労働につながっている。当直の翌日でさえも通常通りに働くという無理な勤務が続いている病院が少なくない

 医師不足に対処しようとする動きが現場にも出てきた。神奈川県立こども医療センターの新生児科は昨春、新生児科医をめざす小児科医のための短期研修制度をつくった。NICUを使える医師が各地に巣立っている。

 もちろん、必要なのは抜本策だ。多くの新生児科医や産科医を育てるための政策が求められている。

 不足は特定の分野にとどまらない。日本は06年の人口千人当たりの医師数が2.1人で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均3.1人を大きく下回り、最低水準にある。

 この現状を克服するには、民主党が政権公約に掲げた「医師養成数の5割増」を軸に、医師の総数を増やす長期計画づくりを急がねばならない

 大学の医学部の定員を増やす。医師となるにふさわしい人材に広くチャンスを与えるような教育制度改革や、奨学制度の充実も求めたい。

医師の偏在をなくす努力も必要だ。医師の負担を軽減するため、看護師や機器を扱う技師も充実したい。

 「いのちを守りたい」を掲げた民主党政権はもちろん、超党派で取り組むべき重要課題である。

まあしかし全国96%の病院で行われている当たり前の勤務状況を「少なくない」などと至って控えめに表現してみたり、抜本的対策なるものが某大先生の主張そのままであったりするあたりが朝日新聞の限界かなという気もしますけれども(苦笑)、いずれにしても当面各地の医療現場としては制度的改革などといった迂遠の策を期待できるわけでもなく、まずは出来るところから手当をしていくしかないというのは当然ですよね。
実際問題その出来るところというのが非常に山積しているのではないかと思われる施設、地域は全国に幾らでもあるわけで、とりわけ医者が競って逃げ出す地方自治体などではほとんどの場合、医師不足がどうとか言う以前の問題であるということは医療以外の面で全く同様の構図が見られることでも明らかだと思えるところです。
昨今ではこういう歓迎されざる地域の実態を称して俗に「心の僻地」などと言ったりもしますが、繰り返しますがこの「心の僻地」はすなわち物理的な意味での「僻地」とイコールでも何でもなく、医者と住民が暖かい関係を長年維持しているど田舎もあれば、日々医者が逃げ出していく大都市圏の一角も存在しているということは承知しておかなければならないでしょう。

さて、先日は宮崎県小林市の市民病院問題が市長選で大きな争点となっているという話を紹介しましたけれども、ちょうどその市長選の結果が出たようですので紹介しておきましょう。
ちなみに市職員歴38年という筋金入りの地方公務員である肥後氏ですが、選挙戦時には「働く環境を整備し、医師確保の先頭に立つ。懸案の産婦人科、小児科も入院できる態勢を目指す」「市民代表や医師会、行政などで協議会を設置し、市立病院の役割を明確にする」といったコメントを残していることは先日も紹介しました通りです。

「医師確保」小林市長選 当選の肥後氏 /宮崎(2010年04月20日朝日新聞)

 18日投開票の小林市長選で初当選した元副市長の肥後正弘氏(64)は19日、同市内の事務所で記者会見に応じ=写真=、医師不足に悩む市立病院対策が最優先課題として「医師の確保に邁進(まいしん)する」と解決への努力を約束した。同病院では内科医が2月から1人体制になり、時間外診療や救急患者の受け入れが難しくなっており、産婦人科の休診も続いている。

 23日付で市長に就く肥後氏は、就任後真っ先に鹿児島大学医学部を訪問し、内科医などの派遣を要請する考えを強調。難航する場合は鹿大側の了解を得たうえで他大学への要請も進めるとして「市民のためにどんな手段でもとる」と語った。市民代表や西諸医師会などによる「医療対策協議会」の発足に向け、関連予算案を6月定例議会に提案するという。

 肥後氏は「経験と実績をくんでいただき、空白はだめと市政を続行できる肥後正弘を選んでいただいた」と勝因を分析。骨格のままの今年度予算について、マニフェストに沿って農業と福祉に重点を置いた施策を6月補正予算案に組む方針を示した。「市民目線の行政」を推進するとして掲げた行革市民会議と事業評価委員会についても6月に関連予算案を出す意向という。

まあしかし選挙戦の時から見ていて思ったことではありますけれども、「市民のためにどんな手段でもとる」と言いつつ相変わらず医者のためには何をするとも一言も言わないあたり、やはり医者も看護師も逃げ出すだけの職場環境であるとは故なきことではなかったのだと改めて思うところですけれどもね。
一応は小林市と新市長のために弁護めいたことを言っておきますと、別段こうした認識は小林市だけのことではなくて、かつて医局の人事機能が強力だった時代の地方自治体病院と言えば「医者など黙っていても毎年送られてくるもの」であったわけで、「どうせ来年も新しいのが来るんだから今年の奴隷は使い潰しても問題ない」という認識が一般的であったわけですね。
しかし今や国民の総意で白い巨塔など潰してしまえと医局の権威など消し去ってしまった、ついでに新臨床研修制度導入などもあって今や医者も自分で勤務状況などを見比べて就職先を選ぶという当たり前の感覚が身についてきていますから、こうした昔ながらの感覚がいつまでも残っている地雷病院になど誰も見向きもしなくなったのは当然ではあるでしょう。

「こんな田舎に医者が来た!」なんて時々新聞ネタになっているのを見れば、今やネットで調べて応募してみましたなんて話がずいぶんと多いんだなと気付くと思いますけれども、全国どこでもネット経由で口コミ情報から過去の地域の履歴まで即座に手に入る時代ともなれば、過去の実情や評判なども今更隠そうと思っても隠しきれないのは当然ですよね。
つまりは時代が変わっているという認識と、今のままでは二度と医者などやってこないという危機感をもって、地道に意識改革を行ってきた地域には田舎であっても医者は来ている一方、今どき昔ながらの殿様商売を改められない地域では「医者がいない!国が強制的に医者を送り込むような仕組みを作ってくれ!」なんてますます人権無視一直線で現状を乗り切ろうとしているというわけです。
こうした状況を要約するならば、結局は医者も同じ人間であると認め、権利と自我を持った一個人として遇することを覚えた地域が医療崩壊と呼ばれる時代の勝ち組となりつつあるとも言えるかと思いますが、人権無視一直線から別な方向へと舵を切って今を乗り越えようとする試みもようやく各地で現れてくるようになったようで、それぞれに何とか現状を打破しようと工夫をこらしている様子が興味深いですよね。

救急医療へ感謝の一言を 県がメッセージ募集 /栃木(2010年4月15日下野新聞)

 中核病院の勤務医不足が深刻化する中、過酷な救急医療の現場で昼夜を問わず奮闘する医師たちを励まそうと、県保健福祉部は15日から、県内の救急医療機関を利用した患者や家族などから医師へ感謝の気持ちを伝えるメッセージの募集を始める。多忙を極める医師の励みにしてもらおうと、初めて企画した。

 県によると、県内では、医師を確保できている病院と不足に悩む病院との二極化が進んでいる。特に、24時間態勢で患者を受け入れる救急医療機関は、医師の負担が大きい。

 「患者からの『ありがとう』の一言が何よりの励みになる」。県の担当者が、現場の医師からそんな言葉を聞いたことが、メッセージ募集のきっかけになった。「一人でも多くの命を救うために使命感を持って働いている医師に、一人でも多くの患者や家族の感謝の気持ちを届けたい」

 患者側に安易な「コンビニ受診」を避けてもらうなど、相互理解を深めてもらうことも狙いだという。
(略)

こういう話を聞くと「そんなパフォーマンスでオレ様がクマー」なんて声もありますけれども、民度とは地域住民の共有する空気感でもありますから、まずこういうところからムードを盛り上げていくという試みも面白いかも知れませんね。
今のところどの程度の実効性があるのか判断しかねますが、結局のところコンビニ受診等で現場が疲弊して一番不利益を被るのは当の地域住民であるわけですから、いっそ感謝のメッセージだけでなく不要不急の救急受診をした者は「皆さんご迷惑をおかけして」と反省文を書いていただく、なんてのもいいかも知れませんね(笑)。
一方でこのコンビニ受診という問題、時代の変化に医療側が対応しきれていないことが背景にあるという意見も利用者側からは根強いわけですが、ある程度の医療リソース蓄積があれば守りに入るよりも積極的に打って出る方が奏功する可能性があるというのがこちらの記事ですけれども、未だ問題なしとはしないようです。

脱・救急コンビニ受診 拡大(2010年4月8日朝日新聞)

  ◆休日夜間診療所、各地で新設へ

  いざという時、頼りになるか――。地域の「救急力」を2回に分けて見ていきます。初回は「コンビニ受診」への対応。急いで治療を受ける必要がないのに救急に来るのは、患者のモラルだけの問題でしょうか。共働き世帯の増加や生活の夜型化など社会の変化に対し、多くの医療機関は夕方で診療を終えているのが現実です。新たなニーズの受け皿として、自治体と医師団体が連携し、休日や夜間の診療所を開く動きが広がっています。(錦光山雅子)

  ◇夜型社会の受け皿に

  3月26日金曜の午後6時半。広島市中区にある広島市民病院1階の待合スペースには、数人が座っていた。病院が通常の診療を終えた後、緊急でやって来る患者をみる「救急外来」だ。

  職員から名前を呼ばれた男性(23)が立ち上がった。

  市内のパチンコ店で働いている。3日前、仕事を終えて帰宅後、腹が急に痛み、脂汗が流れた。午前5時、救急外来へ駆け込んだ。CTスキャン検査で尿管結石と分かり、痛み止めをもらって帰った。

  医師からは泌尿器科を受診するよう言われた。にもかかわらず、2回目の受診となるこの日も救急外来に来た

  昼間、病院に行かない理由を聞くと「行かないんじゃなくて、行けない。仕事が休めない」と言う。「病気で休みたいなんて絶対言えない」

  パチンコ店の勤務は2交代制だ。早番が午前7時半から午後5時。遅番が午後3時半から午前3時。休みはなかなか取れない。結局数日分の痛み止めだけもらって帰った。

  午後9時、待合のいすに座る人は、18人に増えていた。

  市民病院の救急は、軽症から重症まであらゆる患者をみており、年間患者は3万5千人にのぼる。午後8~9時がピークで、1時間当たり10、11人が来る。7割は入院までは必要ない軽症患者で、20~34歳の若い世代が多い。発症から1日以上たって受診する患者が3割を超える。

  1晩あたり通常4人の医師が対応する。ここなら夜でも血液検査やCTスキャンが可能だ。検査技師も詰めており、その場で結果が分かる。

  「ここは24時間営業の百貨店のようなもの。自分の病気を自己判断するのは難しい。だから軽症=コンビニ受診と批判はしたくない」と、内藤博司・救急診療部長が言う。「ただ、ここは会社帰りや週末でもみてくれる夜間休日診療所じゃない。急に具合の悪くなった人が来る救急なんですが」

  ◇勤務医の負担減狙い

  救急を担う医療機関は、症状に応じて「1次」「2次」「3次」と役割分担している=参照。だが特に都市部の拠点病院では、軽症患者が「2次」に集中する傾向が強い

  「1次の受け皿が足りないから」と話すのは、診療所開業を支援する医療コンサルタント会社「匠」(東京都)の原田裕士社長。「仕事の都合などで夜や休日の受診を希望する人が増えているのに、それに対応した医療機関が増えていない」と指摘する。

  ただ、民間診療所が夜間や休日に営業しても人件費が割高になり、「割に合う患者数を病院ほど集められず、事業的に成り立たない」とみる。

  広島市の場合、市立舟入病院の勤労者外来(午後8時まで受付)と休日在宅当番医を除き、市内には「1次」を担う夜間休日診療所が昨年まで1カ所もなかった。特に2006年末からは、市民病院が、軽症から重症まですべての患者を救急でみる今の仕組みを始め、夜間の軽症患者が同病院の救急と2次救急の当番の民間病院に集中。こうした状況を懸念していた同市医師会は、05年から市に夜間診療所の開設を要望していた。

  昨年3月、市は南部に夜間急病センターを開設。市が建物や機器をそろえ、年末年始を除き午後7時半~11時まで、同市医師会の医師らが交代で内科と眼科の応急手当にあたる。1カ月の患者は約400~千人。大谷博正・市医師会理事は「昨年の新型インフルエンザの流行時も、市民病院へ行く前の軽症患者をみることができた」と話す。

  広島市同様、休日夜間診療所を設ける地域が中国地方で増えている。「萩」を除き、2次救急病院で軽症患者が集中しているのを緩和するのが目的だ。

  年度内に広島市北部にできる予定の「夜間急病センター」は、地元の2次救急病院でみている内科患者の割合を現在の85%から30ポイント減らすのが目標。同市の市本一正保健医療課長は「急増する夜間の軽症患者を受け入れるための方策の一つ。これで患者の待ち時間を短縮し、救急に携わる勤務医の仕事を何とか軽減できたら」と話す。

医療機関が夜間診療(救急はあくまで非常用で、常設的な夜間診療ではありませんからね)をやってこなかった背景は幾つか理由がありますが、一つには検査センターなども夜間はやっていないことから外注検査も出せない、重症患者が来ても送るべき医療機関もやっていないと、医療全体が夜にまで手が回るほどリソースが潤沢でなかったわけです。
もう一つの大きな理由としては夜間と言えばコンビニの時給などと同様人件費も割増で支払うべきというのが社会常識ですが、診療報酬上は昼間営業していようが夜営業していようが報酬に差はなかった(救急のように告示している診療時間外に患者を受ければ割増料金はもらえますが)事情があって、夜間診療をしても支出が増えるばかりでそれに見合う収入が期待できなかったという事情もあります。
記事中にあるように元々公的資金の入っている公立の施設であればそのあたりの事情は回避できる理屈ですけれども、医師会の夜間診療所と言っても昼間の診療を終えた地区の開業医が交代で夜の仕事に駆り出されるといった状態で、結局は働く主体が開業医か勤務医かと言う違いだけで昼も夜も働かされているということ自体は変わりがないという点は大きな問題だと言えるでしょうね。

昨今よくある病院併設型の夜間診療所なども結局働いているのは昼間も仕事をしている病院勤務医だったりで、やっている当事者からすると結局当直をしているのと同じで負担感が大きいとも聞きますから、あからさまに労基法無視の労働環境を強要するくらいなら最初から俺は夜営業専門でやりたいと希望者が出てくるくらいの報酬体系にしておけという話です。
このあたりは明らかに制度上の問題が非常に大きいわけですから、ニーズの主体である国民としては自ら「夜間営業の施設にはもっと報酬を出すようにしろ!」と国に対して主張していくべきであるし、開業医冷遇の時代に新たなビジネスチャンスにも成り得る以上は日医なども積極的に動いてもおかしくないような話だと思います。
何にしろここでも他業界では当たり前の「需要があり商業的に成り立つのであればそこに人は集まる」という原則が成立する話ではあって、患者は元より「俺は夜型人間だから夜に仕事したいんだ!」という一部の医療従事者にとってもウェルカムな話なのですから、国民目線の改革を口にする民主党政権としてもいつまでも現場の献身にばかり頼っていても仕方がないところでしょう。

しかし医療業界に限らず普段から厳しい環境に身を置いている業界ほど「何も知らない素人が口を出すな!」と反発しがちなところはありますけれども、どこの業界でも長年の経験に基づいて業務が洗練されてきたという背景があるわけですから、そうした知恵をありがたく拝借できる部分があれば使わないのは損ですよね。
むろん保険診療という縛りが世間並みの常識を通用させる上で大きな阻害要因となっている部分もありますが、世間を巻き込んで常識が通用するように報酬改定の圧力をかけていくのか、あるいは保険外診療に活路を見出して行くのか、いずれにしてもまだまだ国庫負担を増やさずに状況を改善できる余地はありそうに思います。
現場にとっても今まで以上に楽して儲けられる方法論があるならば拒否する理由もないはずですから、国民も医療関係者もwin-win関係になれるようなアイデアであれば遠慮なく出してもらいたいし、柔軟に受け入れられればいいと思うんですけれどもね。

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2010年4月19日 (月)

単に贅沢は敵だ!なんて言ってるだけでは何も解決しないので

ロイターを元記事に共同通信から配信された医療関連の記事で、久しぶりに顧客である一般人も巻き込んでちょっとした話題になっているのがこちらのニュースです。

日本、医療の満足度15% 22カ国で最低レベル(2010年4月15日47ニュース)

 【ワシントン共同】日米中など先進、新興22カ国を対象にした医療制度に関する満足度調査で、手ごろで良質な医療を受けられると答えた日本人は15%にとどまり、22カ国中最低レベルであることが15日分かった。ロイター通信が報じた。

 ロイターは、日本は国民皆保険制度があり、長寿社会を誇っているとしつつも「高齢者の医療保険の財源確保で苦労している」と指摘した。

 自国の医療制度に満足している人の割合が高いのはスウェーデン(75%)とカナダ(約70%)で、英国では55%が「満足」と回答。韓国、ロシアなどの満足の割合は30%以下だった。

 国民皆保険制度が未導入で、オバマ大統領による医療保険制度改革の議論で国論が二分した米国は、回答者の51%が手ごろな医療を受けられると回答した。【共同通信】

素直に読んでみれば「客観的指標による良い、悪いの評価と、利用者の満足度とは必ずしも一致しない」という良くある話ですけれども、日本の満足度が単に低いというだけではなく、群を抜いて圧倒的に最低レベルであるというところには注目すべきところですかね。
当「ぐり研」の駄文にお付き合いいただいているような方々にとってはいまさらの話と言いますか、記事の内容自体はまあそんなものなのだろうなとは思うところですけれども、面白いのがこれに対する各人各様のレスポンスですよね。
中には「ロイターはオバマの皆保険制度導入に反対のスタンスでこういうことを書いたのか?」なんて見方もあるようですけれども、最も多いのは「あり得ない!」「日本人は贅沢すぎる!」という意見のようで、幾つか代表的なものを引用してみましょう。

46 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 14:19:57 ID:zLtusuY1I

カナダ在住だが、マジで70%?
だって、救急で運ばれて何時間も待たされたりとかするんだぜ?
確かに治療費タダだったり、会社によっては薬代まで面倒見てくれるけど…
検査の予約入れたら2ヶ月待ちなんてのもあるし。
俺の保険じゃ、歯医者カバーしてないから全額負担。
虫歯治療で10万円だぜ?
大体、予約しないといけないって面倒臭いわ!

45 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:37:55 ID:pfzXUu0IO

日本は医療に関しては一番優れてるんでしょ?
ドイツ語の講師が話してたけど、ドイツは病院に行くのに二、三日前から予約しておかないといけないらしい

53 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:41:23 ID:tvPC92ar0

>>45
イギリスもそんな感じ。
三日先の予約なら良い方
でも、救急病院に行けば運がいいと5時間くらいで診てもらえる
いかに具合が悪いかアピールするが重要。

70 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 14:25:24 ID:LHABI70b0

こういうのは基準を示してそれを満たしているかどうかで具体的に測れよ

顧客満足度なんかで測ったら
日本人が全然満足しないくらい要求高いのは目に見えてるじゃないか

これまでで俺が一番なるほどなと思ったのは
日本がいい国かどうかたずねたらいいと答える人間は他国より少ないのに
次にどこに生まれたいかとたずねたら自国を上げる人間が他国より圧倒的に多い
ってやつ

143 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/04/17(土) 14:41:32 ID:vczwuRoy0

救急車がタダで呼べて保険が無条件でおりる。技術も世界トップレベル。残念ながら制度面で制限がかけられることは多いが。
主治医を変えることもできる。病院も自由に選べる。そしてどの病院でも診療費はさほど変わらない。
医療面で言えば日本は天国っすよ。アメリカ住んでるからよくわかる。
どうせ残り85%は待ち時間が長いとか医者の愛想が悪いとかそんな理由で満足してないと答えたんだろ。

315 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 15:31:50 ID:+M1cVdtd0

ヨーロッパで息子が肺炎で1週間入院したら80万円だったけど、
日本の医療は安く、品質が高く病院へのアクセス自由で、こんなに
めぐまれた環境はないのに、
これ以上何を求めるの?

308 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/18(日) 00:22:56 ID:7Iu81czv0

比較対象が海外の医療ではなく日本の他サービス業だからな
恵まれた医療環境にあるってことが意識できないってのは
大いにあるだろうね

日本人の国民性だとか、サービス業というものへの認識というものに絡めた論調というのは非常に多くて、例えば欧米のホテルマンなどに聞くと日本人顧客は「騒がない」「ものを丁寧に扱う」「勝手に備品を持ち帰ったりしない」といった点で世界でもトップクラスの優良顧客であると言う答えが返ってくると言います。
ところが一方で向こうのサービス業に言わせると日本人というのは一番扱いが難しい顧客でもあって、他の国の顧客であれば気に入らないことがあればクレームをつけてくるのに日本人は何も言わないまま黙って二度と来なくなる、だからいつまでたっても何が問題だったか判らないんだ、なんて意見もあるようですね。
そうしたサービスに対する要求度が高いという国民性の問題は一朝一夕に改まることでもないのでしょうが、それが過剰なほどに高まってきたと言う背景に特定業界の暗躍(苦笑)といったものを感じ取っている人々もまた少なからぬようです。

49 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/04/17(土) 14:20:15 ID:qKiPaeSb0

マスコミがネガティブキャンペーンで医療を叩き続けた結果だな
日本人に外国の医療現場を知らしめたらあっという間に回復するわ

26 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:28:12 ID:xg14DK2v0

日本が文化的にガラパゴス諸島であることの証明の典型例。

古典的医者タタキの典型的手法。

また満足度という国民アンケートでは
日本は、どのような分野でアンケートをとっても
醜外国より、はるかに低い結果で出る
のが常識。

マスコミは、この事実を隠して、時々このような
ニュースを流して、視聴率や購買成績をあげようと
画策している。

50 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:39:24 ID:xg14DK2v0

サハラ砂漠の真ん中にある井戸で
”井の中の蛙”にアンケート取っているようなもの。
住んでるとこで水がきれいか、水が豊かにあるかどうか聞いているのと同じ。

その井戸の中しか知らないカエルは、
口々に水が汚い、居心地が悪いと
不平不満だらけだろう。

井戸の外が灼熱地獄でも、
何にも知らない
んだよ。

マスコミが誘導して、その井戸の管理者を
焼き打ちにしているのが、イマ進行中の
マスコミによる医療崩壊。

ひと頃は「スパゲッティ症候群」などと妙な言葉を作り出して(関係ないですが、最近の若い人はこの言葉を知らないようですね)医療はやりすぎだ!とさんざんバッシングする、お次は医療は努力が足りない!たらい回しケシカラン!と叩きまくる、さらに進んで最近ではこんな医療に誰がした!と医療崩壊特集に精を出すと、マスコミにとって医療ネタとは一粒で二度おいしいどころではないネタ供給のお得意様ではあるのでしょう(苦笑)。
そうは言いながら未だにマスコミの言うことに黙って踊らされている人々もまだまだ多いのでしょうが、一方では未だに医療批判なんて言えばやれ「白い巨塔は許されない」だ、「赤ひげ精神はどこいった」だと、現実世界を遊離した数十年前のフィクションに基づいた話しか出来ない連中の言うことばっかり真に受けてていいの?と素朴な疑問を抱き始めた人間も増えてきたということなんでしょうかね?
何にしろ彼らマスコミとすれば世間でマスコミが悪い!なんて騒ぎになること自体がまた新たなネタになってくれるという側面もありますから、「そんな餌に俺様が(r」なんて釣られまくるのもどうかという話ですけれども、嘘や捏造、ミスリードにはきちんと対応していくことは今後も必要ではあるでしょう。

さて、こういう話はどちらかと言えば病院や医療に縁遠い層の意見とも取れますけれども、もう少し卑近の例としてやはり体験者は語ると言う要素を外すわけにもいかないようです。
もちろん素朴な誤解や勘違い、ないものねだりと言えば言えることも多いわけですが、顧客はこう感じているという視点を常に持っていることは、当の医療従事者としても金を出す側の一般国民としても無駄にはならない話だと思いますね。

13 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:17:59 ID:9UyFO1np0

何回か医者にかかったけど、骨折以外はすべて投薬治療(´・ω・`)
あれだったら薬局に行って薬剤師に聞いても変わらん
それで何時間も待って医療費だってけっこう取られるんだからなあ。
満足などするわけがない。

54 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:41:45 ID:K6jhiqXi0

本人の認証が異常に厳格になってて驚かされた。手首に番号を印刷した紙
テープを巻かれて、「あなたは○○という番号で呼ばれます。その番号が
あなたです」といった調子。なんか映画で見たなって・・ユダヤ人の強制
収容所を思い出した
w慢性的な皮膚病で貰う薬の種類も一定なんだが、医師
の診察と処方箋が必須なのでこういう手続きが要る
。薬貰うだけって訳に
いかないもんかね。

83 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:07:25 ID:ZIejpO/U0

日本は医療費が安すぎて、薬局で薬を買うより、病院行って薬貰った方が安上がりなんで、みんな病院に行く。

そのせいと、医師会が既得権を囲い込もうと医者を減らしたせいで、病院は大混雑。
数時間待ちとかザラ。
兎に角気分が悪くて、何とか早く医者に見て欲しい人と、薬だけ貰うために無駄に病院に来てる奴が一緒に座ってるんだから、満足度なんか高いわけが無い。

その点海外は、公立病院は安い代わりにいつも患者一杯で、治療も保険の範囲内でしかしてくれない。
私立病院は、高いが最新の設備、有名な医者を揃えて、行けば20分後に胃カメラ撮ってくれるぐらいサービスが早い。

日本も、医療費にどんどん差をつけて、早く診察を受けたい人は、金さえ出せば早く受けられるような私立病院を作るべきだ。

319 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/18(日) 00:32:56 ID:BXyX2D4mO

待ち時間が長いのは病院のせいじゃない

簡単な病気で安定しているのにいつまでも大きな病院から離れない患者
外来で延々と家庭内の愚痴を並べる患者

外来に、見きれないほど多くの人が集まると
待ち時間が延びるだけでなく
重症で入院している患者さんの診療ができなくなる
のは事実。

見ていますと日医良心的な(苦笑)マスコミが何と言おうと、世間では実のところ混合診療・自由診療の導入で医療格差をつけていくとか、NP制度などコメディカルの行える医療業務拡大を推進していくことを支持しているとも取れるような意見も散見されるのは、注目すべきところだと思いますね。
こういうことを言うと医療の格差が命の格差に結びつくなんて話をする人が決まって出てきますけれども、日本人にとって諸外国水準で見ても高いレベルの医療がいつでもどこでも誰でも受けられるということは、もはや当たり前過ぎて全くありがたみがなくなっている、言ってみれば安くてうまい吉牛はいつでも食べられるけれどももう飽きたと、たまにはもっと贅沢で美味いものも食わせろという状況であるわけですよね。
とすれば提供者側が気に掛けるべきは格差がつくこと自体ではなく、いざとなれば最低限の医療は受けられるという保証(この点でメディケア・メディケイドというシステムは不完全ですよね)もさることながら、余計なお金を払えば確実により良いものを手にできると言う、付加されるサービスの質の担保ということにこそ顧客満足度向上の鍵があるとも言えそうです。

267 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/04/17(土) 23:54:04 ID:OHLpYfPh0

アメリカと比較した個人的な経験では
費用面では圧倒的に日本が安心だが医者の信頼度はアメリカだな。
日本の医者はすごく説明を省くし患者の医療知識の勉強を嫌う感じで気分悪い。

275 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2010/04/17(土) 23:58:37 ID:bbE/70rS0

>>267
そういうことだね。「満足度」ってのは料金や医療技術のみで決まるわけじゃない
コンサル的に言えばマーケットイン的な視点が欠けているw

ただそういう視点で最適化を進めることが国民にとって良いことかというと
また別
なんだけどね。満足度は最低でも国民にとってはよいこと。
それでいいじゃない。

303 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/18(日) 00:18:08 ID:KfX07RPj0

顧客満足度という点では、医者が、客から金をもらうのではなく、保険から金をもらう意識である限り
上がらない
のではないか。
保険請求を医者ではなく、客がするようにしたら、どうだろう。

351 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/04/18(日) 00:54:43 ID:owDdvAH40

センセイは「権威」だから叩かれやすいし読者視聴者も騙されやすいな
患者は病院にとって「お客様」
生徒は学校にとって「お客様」
そういう改革が医療や教育でされてから、モンスターが増えた
全ては人間性の問題なのに

タダ同然の料金で病気はすっかり治って元気に帰っていった患者であっても「あの病院はなっとらん!」と不満たらたらな人は幾らでもいるでしょうし、高い料金を払わされた挙句に何の効果もなく裏口からひっそりとお帰りになった患者のご家族でも「先生本当にありがとうございました」と感謝の言葉が尽きない人もいるなんて話は、現場を経験した医療従事者なら誰でもよく承知しているはずのことですよね。
ところが一方ではついつい「いや世界で一番のサービスをこれだけ安く提供しているんだから顧客は満足していてしかるべきだ」なんてことを思ってしまうあたりがサービス業の陥穽とも言うべきものなんでしょうが、この方面に関してはサービスの提供者側より非提供者側の方が「あれ?何かそれ違うんじゃね?」と意識改革が先行しているんじゃないかとは言えるかと思いますね。
例えば日医などが現場で奴隷労働している医者から「ザケンなゴラ!てめえら医者の利益団体だろうが!」なんて罵倒されながら妙に理想論的な「国民にとっての良い医療」を提唱してきた、ところが当の国民からすれば相変わらず「ああ、日医ね(プ」なんて失笑されるような存在であり続けていることからも判るように、「良いサービス」と「顧客満足度が高いサービス」とは(良い悪いは別に)全く別概念であることは、サービス提供者の側も認識しなければならないでしょう。

そして一方では顧客満足度の向上という至上命題が日本の社会を居心地よくしている反面、「お客さまは神様です」の誤用に見られるように居心地悪くもしているという現実がありますから、とりわけ医療のような社会資本的側面の根強い領域においては、(少なくとも医療リソースが充足してくるまでは)過剰なサービスの要求すなわち他人の医療を受ける権利を侵害する反社会的行為とも言われかねない側面はあるでしょう。
ただ一方の当事者である医療従事者としては、こうした高付加価値医療の提供で少なくとも財政的なゆとりが確保出来るのであれば、設備投資や職員確保などのインフラ整備に金を回す余裕も出てくるはずですし、何よりそうした行為こそマスコミの激賞してやまない(笑)ところの「赤ひげ」的医療そのものであるとも言えるはずなんですけどね。
ある程度の公共サービス的な節度は維持し、それだけで十分という顧客には適正価格できちんとしたベーシックなサービスの提供を担保しておく、一方で少しプラスアルファを求めたい顧客にはそれに見合った高付加価値と言うものも提供出来るように質的絶対値を高めていく、考えてみればどこの業界でもやっている当たり前のことであって、医療だけがその例外であるべきと考える側にこそその根拠を示すべき義務があるはずです。

皆保険制度が導入されてはや半世紀、やってきた患者さんが無保険であると判った途端に思考がフリーズしてしまうような先生も今の時代結構いらっしゃるようですけれども、一つにはそうした無保険者、支払い困難患者が増えてくるという時代に合わせて保険料から税金への財源移行といった制度議論もあっていい頃だと思いますし、現場の人間も時代にあわせて意識と方法論を変えていかなければならないのは当然ですよね。
同時に万人に平等な医療をという皆保険制度の建前が、本当に国民の医療満足度を最大化しているのかどうかという検証もそろそろ必要だと思いますし、もしそうではないという声が強いのであれば医療の前提条件そのものを変えていく、あるいは希望者には妥当な価格でオプションを提供する自由を用意するといった議論もあっていいという気がするんですけれどもね。
長年の慣行という暗黙の前提条件を取り払っての本質に立ち返った議論が求められる時代にあって、「いやそんなことをしたら国民にとっての良い医療から遠ざかってしまう」なんて業界利権団体にあるまじき妙な主張をしている団体もそろそろ変わらなければ本気でフェードアウトしてしまいそうですが、せっかく会長も変わったのですからいろんな面で今までにないチャレンジをしてみてもいいんじゃないですか(笑)。

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2010年4月18日 (日)

今日のぐり:「雪舟庵」

世間の一部ではミリメシなるものに結構な需要があるんだそうで、各国軍のレーションがいい値段で取引されていたりするらしいですね。
一方で先の仕分け作業でも自衛隊関連はずいぶんとあちこち無駄遣いやら経営努力不足やらを指摘されたようですけれども、その流れで多少なりとも自助努力を示すということなのでしょうか、この度こういうものが発売になったということです。

これぞまさに“オカンの味” 海上自衛隊のレシピ集発売(2010年04月11日ORICONグルメ)

 海上自衛隊の食事が艦艇や基地によって異なることは知られるところだが、それぞれの“自慢のレシピ”を集めた料理本が16日に小学館より発売される。『海自レシピ お艦の味』(税別1100円)と題されたこのレシピ集には、海上自衛隊が協力。金曜日の昼食時に出されるカレーのほか、和食、洋食メニューも紹介されている点が特長となっている。

 旧海軍の伝統を受け継いだ“海自カレー”は各艦艇によって個性が異なり、同書では護衛艦「しまかぜ」のビーフカレー、潜水艦「あらしお」の野菜カレー、掃海母艦「うらが」のシーフードカレーなどバラエティ豊かなメニューを各艦艇の写真、データとともに紹介しているほか、ブルーベリージャムや桃缶を使うなどの“裏技レシピ”も披露。そのほか、音響測定艦「ひびき」のマヨネーズと明太子を使った出し巻き卵、潜水艦「ふゆしお」のトマトを使ったもつ鍋、館山航空基地隊のジャージャー麺など、全51レシピが登場する。

 海自は3自衛隊の中で唯一調理を専門とする職種・給養員を育成しており、陸自・空自と比較すると抜群においしいと言われる。旧海軍も『海軍割烹術参考書』『第一艦隊献立調理特別努力週間献立集』などのレシピ本を作成したことがあるほどで、“海軍カレー”は現在、神奈川県横須賀市の町おこしにも使われている。

いやしかし、これが”オカンの味”っていったいどういう…まあ、いいんですけれどもね、母は強しなんてことも言うわけですし。
最近では例のB級グルメブームもあってか、海自に限らずミリタリーにちなんだ料理というものもあちこちで開発、復活しているということですけれども、こちら何やらそれなりに由緒あるメニューが再登場しているという話も紹介してみましょう。

乃木大将のうどん復活、“讃岐”ルーツ説も(2009年12月4日読売新聞)

 乃木希典が、1898~1901年に初代師団長を務めた陸軍第11師団(香川県善通寺市)で考案、部隊食に導入したとされる「乃木うどん」が3日、陸上自衛隊善通寺駐屯地(同)の給食で約1世紀ぶりに再現された。

 力が出るようにと、讃岐うどんに餅と鶏肉をのせている。兵士が休日に盛んに近くのうどん屋に出入りしていることを知った乃木が、栄養価を高めて部隊食にするよう発案したことを、元自衛官の前川清・武蔵野学院大教授が突き止め、論文を発表。その中で帰郷した兵士の一部が店を開き、讃岐うどんを広めたとの説も展開した。その論文などをもとに同駐屯地が献立に採用した。

 この日は隊員約1000人が食べ、「おいしい」と評判は上々。同駐屯地の松井俊彦司令は「駐屯地の名物献立として定着させ、機会があれば広めたい」と普及に意欲満々だった。

東郷平八郎の肉じゃが伝説は今やすっかり有名になりましたけれども、司馬史観のおかげか昨今すっかり人気の無い乃木将軍もこうして再び世間の脚光をあびるようになるものなんでしょうかね?
一方では新しいメニューも各地で開発されているわけですが、見ていますといささか無理筋かなと思えるようなものもあるようですね。

黒船ペリーにちなんで、地サイダー「横須賀ペリーサイダー」販売(2010年03月29日横須賀経済新聞)

 横須賀市観光協会(横須賀市小川町11)は3月28日、「黒船来航」「開国のまち」にちなんだ地サイダー「横須賀ペリーサイダー」の販売を始めた。 350ミリリットル入りで1本150円。

 幕末の嘉永6(1853)年、米国・ペリー提督率いる黒船が浦賀に来航した際に飲料水の一部として「炭酸レモネード」(レモン風味の炭酸水)を積んでいたと伝えられる。同協会では「これが日本に炭酸飲料が伝わった最初という説が有力。ペリーも飲んでいたといわれる炭酸レモネードをイメージして作ったもの」という。

 ペリーサイダーは、名水として知られる「走水湧水」を一部使用し、炭酸とレモン果汁を加えてすっきりとした味に仕上げた。

 同日開催された「日米親善スプリングフェスタ」に合わせて三笠公園・走水水源地でお披露目されたほか、YYポート横須賀・ヨコスカドブイタステーションでも販売する。製造元は川崎飲料。販売数量は1万8,000本。

ペリーの炭酸レモネードをイメージしてですか…しかしいくら地サイダーと言っても特別難しい原料を使っているようでもない割に、昨今のデフレ時代にありながら350mlで150円というこの半端な値付けはどうなんでしょうね?
まあ、そうは言ってもご当地ものとしては値段も安いでしょうから、ネタ半分でそれなりの需要はあるのかも知れませんが、あまりにやりすぎるとさすがに世間もついて行けないという事例がこちらです。

「独創すぎ」海軍コロッケ迷走…青森(2010年2月9日読売新聞)

具材ウニ、ブルーベリー…「独創すぎ」

 下北地域のB級グルメ「大湊海軍コロッケ」に個性豊かな味が続々と登場し、「乱立しすぎて定番がない」とまゆをひそめる懸念派と、「食べ比べが楽しめる」とする歓迎派で意見が分かれている。東京・原宿で先月開かれた青森PRイベントで販売され、首都圏に“進軍”したコロッケも、その針路は定まっていない。

 海軍コロッケは、県下北地域県民局が旧海軍の調理法をもとに、認定制度をつくった。海軍のレシピでは、塩とこしょうで味付けしたジャガイモとひき肉を、牛脂「ヘット」だけで揚げるとされるが、認定の条件はヘットを使用し、主材料に下北産の食材を使うこととした。

 この結果、これまでに認定された海軍コロッケは、ホタテやイカ、ウニなど海の幸を始め、カボチャやブルーベリージャムを主原料にしたものまで45種類。県民局は「普及させるには、できるだけ多くの店でつくってほしいし、食べ比べする楽しみも増える」と、幅広いジャンルを歓迎する。

 しかし、申請のあったすべてが認定され、さらに審査員からは、「味や具材がそれぞれ独創的すぎて、せっかくの新鮮な地場食材の魅力が半減してしまっている」との声もあがった。海軍時代の味とかけ離れ、定番のないことに首をかしげる関係者もいる。

 B級グルメの先輩格で、「八戸せんべい汁研究所」の事務局長木村聡さん(45)は「観光客は『これぞ』という定番の味を求める。ベーシックな味がないと発信力も弱まる」とアドバイスする。

何やらこの大湊海軍コロッケなるもの、ブログまであったり県庁HPにも最新情報が掲載されていたりと大変な売り込み中なんだそうですが、もはやここまで来ると何がなにやらという状況ではないでしょうか。
こういうのを「過ぎたるは及ばざるが如し」と言うのでしょうが、さすがに一度始めたものをいきなり切って捨てるわけにもいかないでしょうから、今後きちんと売り込みをしていけるかどうかが新名物定着の鍵になるんでしょうかね?

今日のぐり:「雪舟庵」

窓から見えるのは間近に迫った海、そしてその向こうには有名な名勝地の天橋立…と、とにかく店内からの眺め最優先で建てられているのだなと思わせるのがこちらの寿司屋ですが、ここに到るまでの道程はそう単純なものではありませんでした(苦笑)。
何しろ店舗写真だけを見ているといかにも今風のおしゃれな寿司屋っぽく見えるところですが、これが目立ったアクセス道路もなく幹線道路からも離れた海べりにポツンと建っているわけですから、その周囲からの浮き具合は推して知るべしですよね(苦笑)。
来てしまえばこの景色が目的かと確かに納得なんですが、訪問する段階でずいぶんと迷ったくらいに意外性?のあるこの立地には驚くしかありませんし、これはGPS全盛時代だからこそ成立する店ということなのか?と妙なところに感心してしまった次第です。

同行者とお揃いで「雪」と名付けられたにぎりずしのセットを頼んでみましたが、テーブル席で人数も揃っていたせいか一人前ずつではなく皆の分を寿司桶に入れて持ってきたのにはちょっと新鮮さがありましたね(この場合、頼めば盛り込みにもしてくれるのでしょうか?)
ぱっと見で目に付くのが今どきの寿司屋にしては珍しいくらいに寿司種が小ぶりだなということなんですが(もっとも、昼の定食などネットの写真を見た限りそこまでの印象は受けませんから、この日あるいはこのセットに限った話なのかも知れませんが)、寿司としての問題は一昔前の回転寿司を彷彿とさせるシャリの方にあるようで、いわゆるネタとの一体感とか口に入れるとホロリと溶けるなんてことはありません。
ネタ自体は特に珍しいものでもなくありきたりという感じもしますけれども、いずれのネタもまともな寿司屋の基準で評価しても悪くはないレベルで、新鮮な魚介の味、食感は十分楽しめる水準ですよね。
一つづつを小ぶりにしたせいか価格からするとずいぶんと色々な味が楽しめるのは(恐らく主要な顧客だろう)女性客には嬉しいのでしょうが、別な見方をすれば全般に田舎の店に良くあるネタ頼りの味なのかなという印象も拭えないところです。

付け合せに茶碗蒸しや揚げ物、食後のデザートといった一通りの料理が出てくるのですが、どれも基本的な味の組み立てはそう悪くないものの、例えば揚げ物などは全般にもう少し揚げ具合に思い切りが欲しいような仕上がりで、握りを含めてどれも格段感銘を受けるわけでもなく、後になって振り返ってみてもこれだけ色々と食べながら特にこれがと記憶に残った味がなかったのが逆に印象的だったくらいでしょうか。
ちなみにセット以外にも(恐らくその日の仕入れに応じて?)単品のおしながきも結構充実しているのですが、見ていますと焼き物、煮物など定番の料理だけでなくマヨネーズを使ってみたりと、何かとチャレンジしているらしい気配も伺われるのは今風な店構えにふさわしい試みだと思いますし、この点は個人的には前向きに評価しておきたいですね(ただし試しに一つ頼んでみましたが、現時点で味の方はまだ工夫の余地が…)。
それとこれは寿司ネタの選定にも言えることだと思いますけれども、食後のデザートが伊予柑のアイスクリーム(というより、ジェラートですかね)であるところなどを見ても、あまり当地で食べる必然性が乏しそうなものが並んでいるというのはせっかく地のネタも豊富な地域の店なのにどうなのよとも思うのですが、それもあってこの店の場合は寿司より他の料理の方がご主人の創意工夫が楽しめるだけおすすめなのかなとも思うところです。

窓からの雄大な眺め(ただし、日没までの訪店をお勧めします)も含めてお洒落な雰囲気には観光客に一定の需要があるでしょうし、観光地価格込みで考えればコストパフォーマンスも許容範囲、接遇面でも未熟なところは多々見られるものの基本的な心がけは悪くないという印象で、スタッフの士気もそれなりに維持されているらしい点は好印象なんですが、こういう店の評価はなかなか難しいですね。
大都会ならともかくこうした海辺の普通の田舎町であれば、新鮮な土地のネタが楽しめるなんてのはちょいと気の利いた店なら当たり前レベルの話であって、その中でこの価格帯の店であれば付加価値としての何かがなければやっていけないんじゃないかと思いますが、その点では正直さほど感銘を受けるような内容にも乏しかったのも事実です。

多分ご主人には腹さえ膨れれば満足という「観光地の飯屋」を脱したいという志もあると(勝手に)想像するのですが、このネタ、この味であればわざわざここまで出て来なくとも近場の店でも良いんじゃないかと考えた場合に、結局は窓から見える天橋立の存在抜きには語れない店だという意味では、まさしくこれは観光地であるからこそ成立している飯屋だとも言えるわけですね。
観光バスで乗り付けるような団体さん歓迎の店よりはまともなものを食べさせるというだけでも、今の時代ネットで調べてやってくる個人客相手の需要は幾らでもあるのでしょうし、現状でも経営的にはすでに勝ち組と言えるのかも知れませんが、お若いご主人が一料理人としての目線で現状をどう自己評価しているのかですよね。

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2010年4月17日 (土)

困窮する新聞業界で進む合従連衡

昨今景気のいい話を聞かないマスメディアの中でも、新聞業界の経営が厳しいという話は昨日今日のことではありませんが、あちらこちらで大変だ大変だと言っているようですね。
昨年末には部数減が深刻な毎日新聞が共同通信に加盟するといった話がありましたけれども、毎日さんの方では更なる既製品活用で経費削減に励んでいらっしゃる御様子とのことです。

朝日と読売が「記事交換」 新聞業界で始まったリストラ(2010年3月31日J-CASTニュース)

新聞広告の大幅な落ち込みが続く中、大手紙が地方紙に印刷を委託するなどのコスト削減策が進んでいる。さらに、本来はライバルであるはずの朝日と読売が地方で記事交換の取り組みを始めた。それに伴って、編集部門の人減らしも加速しそうだが、専門家からは「取材拠点の削減は、質の低下に直結する」と、懸念する声もあがっている。

   2010年3月に電通が発表した「日本の広告費」によると、09年の新聞広告費は6739億円で、前年比で27.6%も減少。販売部数も落ち込みが続いており、新聞各社の経営状態は厳しさを増している。それにともなって、生き残りに向けた動きが活発化している。

輪転機の相互利用が進む

   まず目立つのが、新聞社間での輪転機の相互利用だ。例えば2011年春をめどに、中日新聞社の金沢市の工場で、北陸地方向けの朝日新聞を印刷する一方、川崎市内の朝日新聞社系の工場では、静岡・神奈川県向けの東京新聞を印刷することになっている。また、新潟日報社(新潟市)は、新潟県内向けの日経新聞の印刷を受託しているほか、読売、朝日、毎日の3社とも、同様の話がまとまっている。発行エリアが重複するライバル紙同士でも例外ではなく、西日本新聞社(福岡市)は2010年4月から1年間、輪転機の一部を佐賀新聞社(佐賀市)に貸し出すことになっている。

   そんな中、記事を出稿する編集部門でも、様々なリストラ策が進んでいる。最も業界内で波紋を広げたのが、毎日新聞社が4月1日から共同通信社に再加盟して国内ニュースの記事配信を受けることだ。毎日新聞は一部の共同加盟社からも記事配信を受けることになっており、その影響で、記者が1人で勤務する「通信部」や「駐在」といった取材拠点数十か所を廃止する方針が打ち出された。

   県境をまたいで競争を切り広げてきたはずの中国新聞社(広島市)と山陽新聞社(岡山市)も、10年1月4日から、1日あたり数本の記事交換の取り組みを始めている。両社とも、隣県に駐在する記者の人数については見直す方針だ。

取材体制の見直しに繋がるのは必至

   大手紙同士の記事交換の取り組みも始まる。朝日新聞と読売新聞は4月1日から、鹿児島県内の一部地域で記事交換に乗り出した。両社とも、鹿児島県内には鹿児島総局(読売は「支局」)をはじめ、鹿屋、薩摩川内、指宿、奄美、霧島の5つの支局(読売は「通信部」)の取材拠点があるが、両社の記事によれば、「読売は指宿通信部管内で、朝日は霧島支局管内で取材した自治体の発表や行事、季節の写真ものなどに限定」して記事を交換し、独自取材をさまたげるものではないと説明している。発表では取材拠点のリストラについては触れていないが、記事交換が取材体制の見直しに繋がるのは必至だ。

   だが、このような取材拠点を減らそうという動きに対して、「これはいただけない」と疑問の声を呈するのは、毎日新聞社の常務取締役(営業・総合メディア担当)などを歴任し、「新聞社-破綻したビジネスモデル」(新潮社)などの著書があるジャーナリストの河内孝さんだ。

    「新聞社は『共通の記事を使うから大丈夫』と主張するでしょうが、読者から選択肢を奪ってしまうことになりかねません。人材に手を付けるのは『魔の手』。記事の質が落ちて、新聞離れに拍車がかからないかと心配です」

   その上で、河内さんは、「まだ先に手をつけるべきところがある」して、高コストな専売店制度の改革を訴えている。

    「次に行うべきは、共同販売です。例えばコンビニに行けば、アサヒビールもキリンビールも、同様に(同じルートで搬送されて)売られています。これが新聞で出来ないはずがありません」

まあ新聞業界の一般論として河内氏らの言うことが正論ではあるのでしょうが、毎日新聞社OBでもある同氏としてはいささか認めがたいことではあるとしても、毎日新聞社独自の問題点と言うものもまた多々あるわけで、それに対する総括というものが一向になされないままでは問題の本質から逃げていると言われても仕方がないですよね。
今や毎日新聞といえば部数減もさることながら広告減が極めて深刻で、先日は同社から日本製薬団体連合会あてに広告出稿依頼と同社医療報道への理解(苦笑)を求める文書が配布された、なんて話もありましたけれども、企業イメージを大事にするまともな会社ほどわざわざ地雷に手をだすような真似などするはずもないということです。

97 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/15(木) 00:09:04 ID:FhKVJYMw0

うちに来る製薬会社の人間は例の騒動以降、
「ウチは載せていませんが万一のチェックということで変態新聞を
 わざわざ上司が自腹で購読
しているんですよ。
 他社さんが載せているのかどうかも調べたりしています。
 本当に迷惑な新聞ですよねぇ」と話していたぞw

こんなワケで広告載せなくても変態新聞の売上に繋がった事例もあるのだから、
変態新聞も製薬業界に泣きつかなくてもよいだろう。

100 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/15(木) 12:03:02 ID:G7MBl+ec0

>>97
毎日新聞なんぞを読むと、寿命が100日縮むんじゃないか?

怒りでw

101 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/15(木) 22:37:49 ID:FhKVJYMw0

>>100
いや上司は会社行く前に広告が掲載されていないという心の平安を
確認することで得たい
らしい。
奈良の事件や一昨年の騒動時にどんな手違いがあったのか広告掲載をしてしまい、
そのクレーム処理の前線に立った経験者だからな。
そんな変態新聞に泣かされてきた彼が変態新聞を自腹で購読しているのは
なんとも皮肉な話w

さて、ここまで困窮している新聞業界ですから、一方では朝日と毎日のようによしみを通じるということもあれば、他方では他社のシェアを切り崩して自社に取り込もうと言う動きもあるわけです。
ちょうど先日もこんな話が出ていましたけれども、最近面白いのがかつては伝統の一戦と言った感もあった朝日新聞と産経新聞との対決路線を、近頃ではその朝日のシンパとなった毎日新聞が引き継いでいるんじゃないかといった気配もあることですよね。
ちょうど先日もこんな記事がありましたけれども、お互いに名指しであら捜しモードに突入してきている気配があります。

社説:論調観測ギョーザと死刑 にじみ出た「中国」観とは(2010年4月11日毎日新聞)

 中国をめぐる二つのできごとが紙面をにぎわせた。ギョーザ中毒事件で、中国警察当局は先月26日、中国人容疑者の逮捕を発表した。数日後、中国政府は、麻薬密輸罪での日本人の死刑執行を日本政府に通告し、今月4人の刑が執行された。

 ギョーザ事件の“一応の”解決から間髪おかずの死刑通告について「日本側が反対しづらいタイミングを狙ったとの見方も」(31日朝日)と、関連性を示唆する記事もあった。

 ギョーザ事件は28日社説で各紙が取り上げた。その論調には、中国をどう見るのかの距離感が反映されたようだ。

 毎日は、逮捕まで2年以上かかった背景に、有毒なメラミンが粉ミルクに混入した問題が中国内で同時期に起き、その責任をめぐる指導部の権力闘争があった可能性を指摘した。

 日経、読売もメラミン問題に触れたが、中国がそれを機に食への取り組みを強化したとの文脈で紹介しており、視点は異なった。朝日は、容疑者が臨時工員だった点に焦点を当て、中国の経済成長のゆがみが事件に影を落としていると指摘した。

 産経は、中国側の責任を強調するに当たり、東シナ海ガス田開発問題に言及した。あえてギョーザ事件と結びつけるのは、独特な取り上げ方と言える。

 ちなみに、週刊新潮、文春両誌はそろって容疑者の「替え玉」「スケープゴート」説を紹介した。一般紙も逮捕をめぐる謎を指摘する。

 「死刑問題」は、ギョーザ事件以上に中国への信頼性や好悪が浮き彫りになった。

 東京は2日社説で「中国異質論を助長する」との見出しを掲げ批判した。法治や人権、自由などの価値観が他国と異なるため摩擦を起こすと説く。10日社説でも再度、批判した。

 産経、読売は3日社説で、司法手続きの面から疑問や懸念を投げかけた。読売が「日本国民の対中感情に微妙な影響を与える」と抑えたトーンなのに対し、産経は、グーグルやチベット問題も引き合いに「一党独裁体制の劇的転換しかないだろう」と結論づけた。

 毎日は、1人目執行後の7日社説で取り上げた。執行を残念としながら、同じ死刑存置国の日本に対する国際社会の目も教訓としたいとの内容だ。ほぼ中国批判一辺倒の他社とは若干、トーンが異なる。一方、朝日は10日までに取り上げていない

 司法の話であり、政治がテーマではない。だが、産経の中国観の突出ぶりが目立った。【論説委員・伊藤正志】

亀井氏「山崎氏にお願いしていない」 毎日新聞報道を否定(2010年4月13日産経新聞)

 国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は13日午前の記者会見で、自身が1カ月ほど前に電話で山崎拓元自民党副総裁に内閣参与に就任して米軍普天間飛行場の移設問題を仕切るよう懇願したとの毎日新聞の報道について、「空想か妄想か知らんけれど、ガセ以下の記事だ」と真っ向から否定した。

 亀井氏は13日朝から「普天間の移設先を沖合に出そうとしている拓さんに、オレがお願いするわけがないだろう」と、周囲に不満を漏らし続け、記者会見でも質問を受ける前に自ら反論した。

最近の話題といえば民主党政権にまつわる様々な報道は各紙とも取り上げていますけれども、もともと産経新聞と言えば保守系の色調が色濃いと言われ、親自民反民主的な政界報道が目立っていたこともあって現政権に対しても最も批判的な論調を発揮してきたメディアの一つではありました。
一方の毎日新聞はと言えば朝日に次ぐリベラル派と目されているだけにどちらかと言えば親民主的だと当の政権からも認識されているようですが、実際内部においてもそのように手心を加えていこうという意向が働いていたようですね。

特集ワイド:ゆうかんなトーク 政治に体力、報道に提言を(2010年4月9日毎日新聞)より抜粋

 近藤勝重・夕刊編集長を聞き役に、旬のテーマを語り合う「ゆうかんなトーク」。第1回のお相手は小菅洋人政治部長です。支持率低下で混迷を深める民主党政権や新党騒動、さらには変革を迫られるメディアについて語ります。【構成・山寺香】

 ◇小菅洋人・政治部長--首相の言葉の信頼欠如、深刻
 ◇近藤勝重・夕刊編集長--普天間、政争の具にするな

(略)
近藤 鳩山政権に対しては、二つの見方があるようです。一つはまゆつば。もう一つは試行錯誤中。部長はどちらをとりますか。

小菅 まゆつばだとは言いませんが、衆院選中、民主党は「財源はある」と主張したが、現実は違った。マニフェスト修正に世論は寛大ですが、中間採点である参院選での審判は受けなくてはならない。

近藤 「人間の建設」と題した小林秀雄、岡潔両氏の対談に、人間は生後18カ月前後に一つのまとまった全身運動をするといった話が出てくる。人間と政権を一緒にはできませんが、すべてが初体験なのですから米国並みの早さで評価を下すのは性急かと。

小菅 ある記者から「鳩山首相に『毎日は新政権のことを比較的好意的に書いてくれる』と言われた」と報告を受けました。政治家に感謝されるのは気分はよくないし、是々非々でやっています。新政権発足時には部員に「政権は迷走するかもしれないが、混乱、混乱と書くのはよそう。生みの苦しみもあるはずだ」と話しました。自民党政権時にはこんなことは言ったことがない。でも新政権は予想以上にもろかった。

近藤 つまり待つ姿勢は十分持っていたけれどあまりにもひどいと。

小菅 鳩山さんは普天間飛行場移設問題を5月末までに決着させると明言しているが、この言葉をどれだけの国民が信じているのか。首相の言葉は信頼を失っている。これは深刻です。このままでは民主党は参院選を乗り切れず、また政局は安定しなくなる。衆院選と参院選を連続して勝てる政党はなかなか出てきません。それゆえ衆参のねじれがないように、常にダブル選挙を志向しなくてはならない。
(略)

近藤 自殺者や失業者の増加、貧困、格差、虐待……。社会はぐしゃぐしゃです。ここで政治がもっとおかしくなったらこの先何が待っているのでしょう。

小菅 本当に危機感を感じています。福田康夫首相の時、小沢さんと大連立を組む話がありました。あの時は批判的に考えていましたが、この国はどうなってしまうのかと考えた時、そうでもしなきゃという気にもなります

近藤 私は世論調査も気になります。鳩山政権が何を志し将来どういう果実をものにするかより、当面のマイナス点に引っ張られた負の連鎖もあるような気がします。

小菅 世論調査結果はあくまで参考指標で、すべてではありません。だが、世論調査で政局が動く時代です。リーダーたちは、結果に向き合う政治的体力が必要ですよ。

近藤 政治を育てようという意識はありますか。

小菅 政治記者がまずやるべきことは、水面下に隠れている権力者の思惑や手口を暴き出し読者に明らかにすることです。一方で、人材難ですから、「これは将来性がある」という政治家がいたら、積極的に取り上げる姿勢が必要だと思います。

近藤 普天間の問題では、沖縄の市民団体は「日米安保が必要ならば、みんなが応分の負担をすべきだ」と。みんな同等に生きていく、その道を探すのが政治です。沖縄に集中する基地の問題は超党派のテーマなのに、政争の具になっている。先の党首討論などでは、意見を出し合うべきところでとっちめて点数を稼ごうとしている。討論の後に、「追い込めなかった」などの言葉で表現する報道もあるが、首相が辞めるとか辞めないの言質を取る討論など、もううんざりです。

小菅 党首討論は、党首がぶつかり合う闘いのひのき舞台です。その迫力から真の政策論争も生まれてくる。党首の背中を押す意味でも、どっちが勝ったかをマスコミが判定するのは必要です。

近藤 メディアは批判をして飯を食っているようなところがありますね。権力監視がジャーナリズムの一番の役割ですが、政治ジャーナリズムは批判だけではすまない転機にきている気がします。

小菅 そういうことですね。批判するだけでは「じゃあ、あなたたちはどう考えているんだ」ということになる。これからは、もっと「提言報道」が必要になるのかもしれません。

反射鏡:コップの水はまだ半分もある=専門編集委員・倉重篤郎(2010年4月11日毎日新聞)

 「政権交代していいことありましたか?」とあちこち聞いて回るのだが、芳しい返事が返ってこない。多くの方がまゆ根にシワ寄せて、暗い表情をする。

 確かに、政治とカネの不始末、ドン詰まりの普天間問題、この財政状況、日本の全般的なステータスの低下……などをもって「鳩山政権には愛想が尽きた」「この間に進んだ日本の劣化はひどすぎる」などと言う。

 だが、本当にそうなのか。へそ曲がりの身上として早速、永田町に乗り込み、政治の本丸がどうなっているのか、見てきた。9日午前の国会周辺である。

 まずは、首相官邸裏のビル街を歩く。自民党有力政治家や関連利権団体が事務所を連ねていた一角だ。表に出せない政治資金や陳情の巣になっていた。政治記者には重要な取材ポイントだったが、今や見る影もなく閑散としている。権力の切れ目がカネの切れ目となった典型だ。

 それに比べてほぼ建設の終了した12階建て新議員会館3棟(衆院2、参院1)の立派なこと。隣の7階建て旧会館が物置然と見える。議員1人当たりのスペースは40平方メートルから100平方メートルへ広がる。6月から引っ越しが始まるというが、選良としての仕事の質、量も2・5倍にしてほしい。これで政治が裏通りから表通りに戻ってくるとすれば、建設費千数百億円の税金投入も仕方がないだろう。

 国会内に入る。売店の国会お土産コーナー。時の政情をもじったお菓子が売れ筋だ。新党ブームに早速「日本の力 かりん党」が山積みに。ただ、自民党政権時代に比べると売れ行きがいまいち、という。政権交代で陳情窓口を一本化、いたずらに多かった地方陳情団や、有権者サービスの国会見学ツアーが減ったことと関係あるようだ。

 さて、肝心の審議状況はどうか。開会中の五つの常任委員会を傍聴した。ナルホド役人がいない。あらゆる質問に閣僚、副大臣、政務官という政務三役が受け答えしている。各省の局長クラスが答弁に立っていた時代とはえらい違いである。

 永田町の風景は明らかに変わった。権力の所在が公式化した。陳情政治が減った。政治主導が定着しつつある

 変化したのは形だけではない。国家運営の要である外交安保政策の中身に大きな変化が起きようとしている。戦後の日本政治を根元から規定してきた日米安保体制に転機が訪れている。米国の戦略的ロードマップに従って外務官僚が独占的に采配(さいはい)してきた日米関係の過去が洗われ、政権交代しなければとても明らかにならなかった密約の数々がオープンにされた

 普天間移設問題に関連し、政権の中枢にいた安保担当の元高官が、海兵隊が沖縄に駐留することが果たして抑止力として意味あることなのか、と根源的疑問を呈した(本紙4月3日付朝刊「ニュース争論」参照)。安保改定から半世紀後に、今後の日米同盟について再考するための材料が続々集まっている

 日本がアジアの中でどう生きていくのか。米国や国連との関係をどう上手にコントロールしていくのか。日本の国益に基づいた将来戦略を自分の頭で考え、自らリスクを取りながら試行錯誤していくまたとないチャンスを迎えている。

 今のところ鳩山政権がこの好機をうまく活用しているとは思えない。だが、こういう見方はできないか。政策決定過程をぶざまにまでさらけ出すことによって、国民がそれぞれに問題の所在に気付き、自ら解決策を論じ、政治との距離を結果的に縮めている。政治の無能をけなせばけなすほど、選んだ側の責任もまた自覚せざるを得ない。それが政治家と選挙民の緊張関係を高めることになる。

 ここまで書くと、お前はどうしようもない甘ちゃんだ、と言われそうだが、まさにそれで結構。楽観主義こそ政治を救うものだと思っている。コップの中に半分水がある。半分しかないのか半分もあるのか。どちらにウエートを置くかが考え方の分かれ目である。もちろん半分しかないことも怜悧(れいり)に観察した上での話である。もう1点、国民の覚悟に触れたい。民主主義のルールとして政権を一回選んだからには4年ぐらいはじっくり任せるぐらいの覚悟が欲しい。政治家に覚悟を求めるのは言うまでもない。政治にはどうしても時間がかかるのだ。

 要は、政治にしかできないものがあり、それは国民が政治家を使ってさせるしかない。そのためには何が必要か、という設問への愚答である。乱反射しないことを祈りたい。

熱血!与良政談:「白か黒か」ではなく=与良正男(2010年4月8日毎日新聞)より抜粋

 昨秋、鳩山政権が発足した直後にライバル(!)朝日新聞の研究誌「Journalism」(ジャーナリズム)から頼まれて、「発想の転換と取材手法の変革がいま私たちに求められている」と題して、こんな話を書いた。

 「いきなり、不安や懸念ばかりを書き立てることが、今度の衆院選で『チェンジ』を求め、政権交代を選んだ多くの有権者の期待に応える報道だろうか」「性急に結論を求めるのではなく、ここは一つでも二つでも改革が進むよう政権の背中を押すのがマスメディアの仕事ではないか

 ところがその後、「週刊現代」1月9・16日号誌上で、評論家、立花隆氏に「要するにいまの鳩山政権は相当にひどい状態で、不安と懸念がいっぱいなのだが、それには目をつぶって、現政権の後押しをするのが、メディアの役割といっているのだ」と断定されて、戦中の「大本営発表の時代」に等しいとまで酷評されてしまった。

 この世界の大先輩に名指しで批判されてとっても光栄だ。でも、その文でも書いた通り、権力を厳しく監視するのがマスコミの大前提なのは当然だけれど、単純に政治を批判していれば済む時代ではなくなったのではないか。そう問題提起をしたかったのだが、通じない人にはなかなか通じない

 一方で小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題に関し、私は政治家としての責任を再三問題視してきた。が、そう書くと少なからぬ読者から「なぜ新政権のじゃまをする」「あなたは自民党政権の方がよかったと思っているに違いない」と便りが届く。10年以上も前から私は「日本には政権交代が必要」と書き続けてきたのに。

 やれやれ。
(略)

日本ではなぜかメディアとは政治的に中立であるべきという論調が主導的ですが、諸外国ではむしろ明確な政治的スタンスを示す方が当たり前であって、我々は考え方が近い民主党を支持するとはっきり旗色を鮮明にすること自体は別に悪いことでもなんでもないはずです。
しかしあからさまに一方に肩入れしているにも関わらず、「いや我々は中立です」と口をぬぐって主張するというのはどうかと言う話で、そういうのは世間では欺瞞と呼ばれる行為でしかないと思いますけれどもね。
かの業界には椿事件なんていう有名な「前科」があるわけですから、こういったあたりは他業界以上によほど神経質になっていてもおかしくないはずですが、あまりに無反省な様子ですとまたぞろ社会の支持を今以上に失っていくということになりかねないでしょう。

ところで素朴な疑問として民主党の皆さん方に意見をお伺いしたいんですけれども、こうまで天下にその名の聞こえた毎日新聞に支持されているというのは、果たして同党としては歓迎すべきことなんでしょうかね?(笑)

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2010年4月16日 (金)

事業仕分けが医療の世界にも波及中ですが

民間でもコストカットが盛んに叫ばれているご時世ですから、国も仕分けだなんだとあちこちで支出の見直しをしているというのは当然と言えば当然の話ですよね。
先日は診療報酬支払いのチェックを担当する「社会保険診療報酬支払基金」と「国民健康保険団体連合会」の仕事ぶりがヌルいんじゃないかと、行政刷新会議事業での厳しい指摘を受けて厚労省が検討会を発足させたと言う話題を軽く紹介してみましたけれども、この詳細が聞こえてくるほどになかなか愉快な話なんですよね。

レセプト審査の業務・組織体制の見直しに着手◆Vol.1年内をメドに議論、「長妻大臣も非常に高い関心を持っている」(2010年4月9日m3.com)

 厚生労働省の「審査支払機関の在り方に関する検討会」が4月8日開催され、座長には東京大学大学院法学政治学研究科教授の森田朗氏が就任した。社会保険診療報酬支払基金(支払基金)と国民健康保険団体連合会(国保連)における審査支払業務の質の向上、効率化等を推進するために、組織と業務の両面から検討するのが検討会の目的

 会議の冒頭、厚労省保険局長の外口崇氏は、「医療保険の審査支払機関を取り巻く環境は、レセプトの電算化の状況により、大きく変化している。医療費が増嵩を続ける中で、適正な保険診療の確保、貴重な保険料等を原資とする審査・支払業務の効率性への期待がますます高まっている。また行政刷新会議や規制改革関連の会議においても、審査支払機関のあり方について様々な指摘がなされている」と検討会の目的を説明した。「審査支払機関について、このように公開の場で議論をすること、また支払基金と国保連の関係者、ユーザーが一堂に会して議論するのは初めて」(外口氏)。

 今後、月1回開催し、年内には一通り議論を終える予定。それを待たずに、議論の過程で改善可能な点については、逐次着手していく。次回は4月22日に開催され、支払基金と国保連の現状についてヒアリングを行う予定。

 「長妻大臣が非常にこの問題に関心、意欲を持っている」(吉田学・厚労省保険局保険課長)。4月12日に予定されている「厚生労働省省内事業仕分け」の第1回でも、支払基金が仕分けの対象になる。

委員は、診療側、保険者、学識経験者などから成る。日本歯科医師会、日本薬剤師会の代表は入っているが、日本医師会の代表は現時点では入っていない

 電子レセプトは昨年末で全体の7割に

 8日の会議は、厚労省が支払基金と国保連の現状を説明、その後、委員によるフリーディスカッションの形で展開された。

 審査の状況は下記の通り(医科歯科の合計。件数ベース)。

支払基金
 請求件数5億8288万件、査定件数494.2万件 → 査定件数率0.848%
 (2008年5月~2009年4月審査分、原審査の状況。返戻分除く)
国保連
 請求件数6 億1128万件、査定件数341.7万件 → 査定件数率0.559%
 (2008年4月~2009年3月審査分、原審査の状況。返戻分除く)

 外口氏が言及したように、電子レセプトの普及は急速に進んでいる。支払基金によると、全レセプトに占める電子レセプトの割合(件数ベース。医科・歯科・調剤の合計)は、2008年4月は全体の46.6%(うちオンライン請求8.5%)だったが、2008年10月51.2%(同12.8%)、2009年 12月71.2%(56.4%)という割合だ。

 レセプト査定率の都道府県、機関別格差が問題視

 厚労省資料「(参考)支払基金に対する主な指摘事項」を見ると、短期的にはレセプト審査の効率化、中長期的としては審査支払機関という組織のあり方がそれぞれ課題であることが分かる。

 ディスカッションでは、レセプト審査の問題点として、査定率の格差が上がった。社会保険中央総合病院名誉院長の斉藤寿一氏は、「国保連と支払基金では、審査基準が異なっている。また地域によっても、審査基準の濃淡がある。国民皆保険の中で、ダブルスタンダードであることがおかしい。審査は一つの視点で行うことが、国民の納得を得る上で必要ではないか」と指摘。

 国際医療福祉大学大学院教授の渡辺俊介氏も、「47都道府県あるいは市町村によっても査定率は違う。理由として、審査員の確保などの問題が考えられる。また支払基金と国保連でレセプト審査の手数料が違うのはなぜか。さらに電子レセプトによって、査定率がどの程度、改善されているのかについても把握する必要がある」との問題意識を提示。同時に、「診療所は総合的な医療、病院は2次、3次医療と機能分化が進んでいる。医療提供体制と審査支払のあり方を考える必要がある」との考えを示した。

 東邦大学医学部教授の長谷川友紀氏も、「レセプト審査は、経済効率だけを求めるのではなく、医療の質、安全にいかに寄与するかを考えるのが世界的な潮流」とし、「米国では成功報酬あるいはペナルティー的な考えが導入されている。審査基準をそろえ、コストを削減するだけでは今のニーズに応えられない。また医療機関は査定されても、何が問題か、平均はどうか、どこが逸脱しているのかなどを知るすべがない。こうしたデータを持っているのは審査支払機関であり、データの活用によって何が可能になるかなども検討することが必要」などと述べた。

 保険者の立場から、中国電力健康保険組合常務理事の高田清彦氏は、「支払基金の事務費は868億円に対し、査定額は232億円。査定率がすべてではないが、再審査請求は保険者が努力した結果であり、これは支払基金が1回で済ますべきものではないか。審査を委託しない方が国民にとって低コスト。自分の答案を自分で審査するような今の体制を変えなければいけない。なぜ支払基金に委託しなければならないのかと聞かれたときに、それに対する答えは持ち合わせていない」と指摘、効率性の向上を求めた。

委員は、診療側、保険者、学識経験者などから成る。日本歯科医師会、日本薬剤師会の代表は入っているが、日本医師会の代表は現時点では入っていない。

 審査支払機関は統合か、競争か

 現状では、支払基金と国保連という二つの審査支払機関があるが、保険者がこれらを通さず直接審査をすることも可能だ。

 日本歯科医師会社会保険委員会委員の遠藤秀樹氏は、「審査率という観点で業務を見るのはどうか。レセプト審査はあくまで適切な医療を実施するためのものであり、そのための審査支払機関のあり方を考えるべき。最初に支払基金と国保連の統合ありき、という議論ではない。保険者と医療機関の両方から中立の立場で審査することが、国民皆保険維持のためにも必要」と述べ、「保険者による直接審査」を牽制。

 2009年11月の行政刷新会議の「事業仕分け」では、(1)レセプト審査率と手数料を連動、(2)国保連と支払基金の統合、という方向性が示されている

 保険課長の吉田氏は、「統合か否かについては、『委員の議論を踏まえて』というのが回答。ただ、事務局としては行政刷新会議で、統合という答えが出ているので、きちんと正面から受け止めなければならない。一方で、『競争性』という意見も出ている。したがって、統合が金科玉条ではなく、統合すべき部分、あるいは競争すべき部分は何かなど、細かい議論を重ねていただきたい」との見解を語った。

 座長の森田氏も、「事業仕分けは、あくまで組織論での話であり、支払基金と国保連が同様のことをやっているのは無駄ではないかという視点からの議論だった。レセプト審査の内容まで踏み込んで議論したわけではないだろう。そもそもどういう競争をさせるのか、組織だけでなく、審査内容そのものについての議論が必要」と求めた。

 単にレセプト審査のコストと査定率・額に着目するのではなく、まずレセプト審査の目的を明確にし、その上でその目的に見合った審査支払機関の組織形態を検討することが必要だろう。

 「(参考)支払基金に対する主な指摘事項」(2010年4月8日の厚労省資料) 1. 審査の実効性・効率性の確保
事務費(コスト)と査定額(成果)が見合っていないのではないか(事務費868億円、査定額232億円)
査定率の都道府県間における差異の存在
レセプト電子化に対応した業務効率化、審査能力の向上(手数料の引き下げ、査定率の向上)
2. 審査支払業務のあり方
保険者による直接審査を拡充し、支払基金の関与を減少すべき
国保連との統合により重複している機能の効率化を図るべき
・ 国保連との競争を促進し、保険者の選択を拡充すべき
3. 法人運営の適正化・透明化
・ いわゆる「天下り」への批判
・ 保有する不動産、積立金を売却・取り崩し、手数料を引き下げるべき
・ 一般競争入札など、契約の適正化の徹底を図るべき

マスコミが大好きな不正請求なるものを見つけてくるこの査定という作業、世間で言うような正義の味方的なものでは決してないということはすでに各方面から指摘されている通りですけれども、少なくとも患者の受ける医療の質を下げる効果はあっても上げる効果はなさそうだというこのシステムが、金を出す側の保険者にとっても不満たらたらであるということには注目すべきですよね。
記事によれば査定率の格差というものが槍玉にあげられたそうで、「審査は一つの視点で行うことが、国民の納得を得る上で必要ではないか」なんてことを言っていますけれども、それ以上に国民の納得を得る上で必要なのが232億円の査定額という身入りを得るために、支払基金の事務費に868億円も費やしているという、まさに「審査を委託しない方が国民にとって低コスト」という状況であるわけです。
世間では以前からその天下り団体としての性質に非難たらたらですけれども、天下りだろうが非効率だろうが最終的に国民がメリットを享受出来るのならともかく、現状では有名なEPO訴訟のように査定額を引き上げるためだけに医療の質を悪化させている、しかも何らコスト削減にも役立っていないという、全くもって存在意義が問われることになっているわけですね。

問題はこうした状況の改善策として「レセプト審査率と手数料を連動」とか「競争性」という言葉が出てきているということですが、こちらの記事なども併せて見てみると何やら現場での状況が見えてくるように思いますね。

「レセプト査定率」の支部間格差、厚労省が実態調査へ(2010年4月12日CBニュース)

 厚生労働省が4月12日に実施した省内事業仕分けでは、大手企業の社員が加入する健康保険組合などの診療報酬について審査、支払いを行う特別民間法人「社会保険診療報酬支払基金」(支払基金)が仕分け対象となった。支払基金の中村秀一理事長は、人員削減や余剰資産の売却などの改革案を提示したが、仕分け人の民間有識者からは「説明責任が足りない」「政策提案が必要だ」など厳しい声が上がった。各都道府県支部の審査委員会が行うレセプト(診療報酬明細書)審査で、保険診療のルールに適合していない「査定」の割合が支部間で異なる点について、長妻昭厚労相は「どういう理由でこれだけ離れているのか。それを是正するためにはどういう手法が必要なのか。サンプル調査も含めてきちんと現状把握をしていきたい」と述べ、実態調査に乗り出す意向を示した。

 事業仕分けで中村理事長は、▽国からの財政支出の削減▽2015年度までに少なくとも525人の職員を減らす「組織のスリム化」▽宿舎などの余剰財産の売却▽審査の充実や業務の効率化―の4項目から成る改革案を説明。
 仕分け人の河北博文氏(河北総合病院理事長)は、「もしかすると、一部の業務は民間の保険会社に委ねることも可能かもしれない」と民間企業参入の可能性について言及。一方、大久保和孝氏(新日本有限責任監査法人パートナー)は「競争原理の導入は不可避だ」と強調し、支払基金のガバナンスの在り方を提言した。

■支払基金の手数料、「歯止め掛ける仕組み考えたい」―長妻厚労相

 仕分け人の評価結果を受け、長妻厚労相は「コストが上がるから(保険者からの)手数料も上げるとなると、コストの削減努力をしなければ、お金が入ってくるということにもなりかねないので、それに歯止めを掛けるような仕組みを考えていきたい」と発言。また、「レセプトデータは宝の山」とした上で、「中医協(中央社会保険医療協議会)などでもこれまで以上に分析を進め、効果の上がる医療に取り組んでいくので、効果の高いレセプトのチェックをお願いしたい」と支払基金側に求めた。

■国保連との統合、「現段階では発言控えたい」―中村理事長

 事業仕分け終了後、中村理事長は記者団に対し、国民健康保険団体連合会との統合問題について、「厚労省の方に投げられている問題だと思うので、支払基金としての思いはあるが、現段階では発言を控えたい」と述べ、具体的なコメントを避けた。

これを見ても厚労省の側は議論の叩き台となるデータすら提示出来ないというくらいにやる気がなさそうだという話ですし、支払側の方ではしっかり支払額を削ってくれるかどうか以外には興味はない、そして仕分け対象の支払基金の側もとりあえず目先の批判さえかわせれば後はどうでもいいという態度が見て取れるわけです。
それぞれの立場からするともっともな発言という見方もできますけれども、要するにここで議論されているのはあくまでも仕分け人の注文に対する回答案の作成作業であって、そこには医療の質的担保とレセプト審査作業との関係はどうかといった、国民の健康向上のために何が良いかといった話は全くお呼びではないということですよね。
その観点でみると今回日医は話し合いの場に呼ばれてすらいませんけれども(笑)、医療側が「レセプト審査はあくまで適切な医療を実施するためのものであり、そのための審査支払機関のあり方を考えるべき」なんて本質論を提示したところで「そんなものは仕分け人も国民も求めていない。以上、終了」という結論が見え見えでしょう。

となると今後の議論の流れとしては、例えばレセプト電子化推進による自動足切りライン設定だとか、得られた査定額に見合った報酬額の設定といった話にもなってきそうなんですが、厚労省の進めるDPC(定額支払)拡大路線などとも併せ見る時、日本もいつの間にかアメリカ式に医療の内容を患者でも医者でもない誰かが決めていくという方向に来ているんだろうなという気がしてきます。
国策としてそうなんですから保険診療で食わせてもらっている現場の人間が文句をいう筋合いではないのかも知れませんが、医者も今後は「それはねえ、医学的には極めて有効なことが証明されているんですけれども、我が国の保険診療では認められてないんですよ」なんて患者さんにきちんと説明して、混合診療推進というもう一つの国策のため世論盛り上げに協力していけということなんでしょうかね?

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2010年4月15日 (木)

いきなり逆風の日医新会長 その使われ勝手は?

先日もご紹介しましたようにこの四月一日に行われた日医会長選と関連してこのような記事を見かけましたが、ネット上の声を聞いてなるほど!と思わず手を叩いたものでした。
確かに日医ほど会員のためどころか、その利益に反してまでも国民のために行動する業界利益団体なんてものも、(それがいいのか悪いのかは別として)そうは存在しないのも確かですよね。
しかし

【社説】日本医師会 “利益団体”から脱却を(2010年4月9日中日新聞)

地域医療を担うはずの日本医師会が特定政党に媚(こ)びて利益団体になりさがっていては国民に支持されない。政治から距離を置き、まっとうな医療政策を提言する専門家集団としての役割を果たせ。

 今月初めに行われた日医会長選では、民主党支持を表明していた茨城県医師会長の原中勝征氏(69)が他の三候補を退けて初当選した。日医で民主党支持の会長が選出されたのは初めてであり、他の医療系団体にも少なからず影響を与えるだろう。

 昨年の政権交代後、民主党は日医の自民寄りの姿勢にくさびを打ち込もうと、中医協委員の人事に直接介入し、衆院選で民主党候補を支持した茨城県医師会員らを任命した。先の診療報酬改定では歯科の改定率が医科よりも高く設定されたが、これは総選挙後、日本歯科医師会の政治団体がいち早く民主党寄りの姿勢を明らかにしたことへの論功行賞とみられる。

 今回の原中氏の当選は、政権与党の勢いに乗り遅れまいとする計算が働いたのだろう。

 だが、政権が交代するたびにすり寄る相手を変えるのは見苦しい。再び政権が交代すれば、節操もなくまた相手を変えるのか。

 日医は本来は、専門職の学術団体のはずだが、実際には例えば二年に一度の診療報酬改定の際、開業医に有利になるように既得権の擁護に汲々(きゅうきゅう)とするなど圧力団体と化し、国民から遊離している

 日医に求められているのは、国民の立場から、深刻な医療崩壊をどう食い止め、そのために何をすべきかを専門家の立場から提言していくことだ。日医がこうした取り組みを真剣に行わない限り、国民の支持と敬意は得られない。

 会長選で原中氏の得票は、有効投票数の三分の一をわずかに上回っただけだった。残りは現職会長で自民党との関係が深かった唐沢祥人氏(67)、京都府医師会長で民主、自民両党から中立の森洋一氏(62)の二人が分けあった。政権与党にすり寄ることをよしとしない会員が相当数に上り、戸惑っていることを示しているともいえる。

 今回の会長選が政党との関係を根本的に見直す機会になることを期待したい。

 原中氏は会長選の際のマニフェスト(私の七つの約束)の中で「政権与党とのパイプ」の重要性とともに「パイプはもろ刃の剣」「一歩間違えれば、政権与党に媚びへつらうだけの医師会になる」と述べていた。これを片時も忘れてはならない。


972 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/09(金) 12:28:01 ID:WV7pSwBe0

アホか。
会員に対しての利益団体でないから会員が集まらないんだろうに。
むしろもっと明確に会員であることの利益を打ち出すべきだ。

538 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/09(金) 12:48:24 ID:jzmL+pvc0

先日、原中系の会合で、ある地方医師会の若手の幹部が、
「地域医療貢献加算は地域医療を担う開業医を評価して加算するという趣旨
だったようだが、結局の所、開業医のコールセンター化を誘導しただけだった。
開業医の地域活動は学校医、健診、予防接種、認定審査など多数あって
開業医は地域のために活動していたという自負を持っていたのに、これは何だ!
本当に地域のためにがんばってる開業医はアホらしくて算定するのをはばかってる
こんな事を言い出した足立とか言う政務官は結局地域医療の事なんて何もわかっていない
人間が役人の言いなりになってしまっただけ
じゃないか!」と言っていた。
後期高齢者医療制度に噛みついた原中サン、どう答えるのよ。

642 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 17:53:54 ID:32ZDwysi0

>>639
30円で一番腹を立ててるのが、普段夜もできるだけ電話取って、
時間外の当番とかも協力的にしてた先生じゃないかな。

この30円はその辺の先生が目覚めるきっかけになるかもしれない。

ボランティアで街の清掃をしてくれてるオジサンに、清掃を
評価して、10円やるから、毎日掃除すると約束しろ。 と言うようなもの。

どう答えると問いかけられた原中氏の方でもそろそろ会長の椅子に馴染んできたということなのか、昨今いろいろと発言が漏れ聞こえてくるようになりましたが、何やらアクティブにやりたいという意気込みは感じ取れるものの、やや空回り気味な側面もあるようですね。
主だった原中氏関連の話題を幾つか紹介してみますが、副会長席が反原中派によって占拠されていることともあわせて各所で異論反論も出るという状況のようで、これは下手をすると執行部の機能停止という自体もまんざらあり得ないでもないかなという気もします。

日医会長「小泉時代に戻るな」 マニフェストで民主に要望(2010年4月14日47ニュース)

 民主党の参院選マニフェスト(政権公約)を検討する「国民生活研究会」(中野寛成会長)は14日、国会内で開いた総会に日本医師会(日医)の原中勝征新会長を招き、医療政策をめぐり意見交換した。原中氏は、自公政権下での医療費削減を取り上げ「小泉内閣時代に戻らず、人を大切にする政治を実現してほしい」と要望した。

 原中氏は、昨年の衆院選マニフェスト策定時とは景気などの環境が変動していることを指摘した上で「国家財政の基本は税収だ。そこは逃げないほうが良い」と述べ、国民の負担増につながる議論から避けるべきではないとの認識を示した。ただ、財源として想定される消費税の税率引き上げといった具体的な話は出なかった。

 日医の参院選対応に関する話題は出なかったが、中野氏が「応援してくれる人を裏切れば敵になることもある」と言及すると、原中氏が「今後とも民主党の支援を真剣にやる」と応える場面もあったという。

原中新体制「混合診療」「医療ツーリズム」などに懸念―日医会見(2010年4月14日CBニュース)

 日本医師会は4月14日、原中勝征会長の新体制となって初の定例記者会見を開き、民主党を中心とする政権下で進められている医療政策について見解を発表した。中でも、行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会で検討テーマに挙がっている混合診療や医療ツーリズムの推進については強い懸念を示すなど、唐澤祥人前会長の下で行われた議論を踏襲した上で、より明確に方向性を打ち出している。

 規制・制度改革に関する分科会では、ライフ・イノベーションに関するテーマとして12の項目が挙げられている。見解ではこのうち、▽保険外併用療養(いわゆる「混合診療」)の原則解禁▽医行為の範囲の明確化(各医療スタッフなどの役割の拡大)▽医療ツーリズムに係る査証発給要件などの緩和(医療ビザ、外国人医師の国内診療)―について言及。
 混合診療については、「新しい治療や医薬品を保険に組み入れるインセンティブが働かなくなり、公的保険で受けられる医療の範囲が縮小していく」「有効性・安全性の確認されていない医療は容認できない」などの理由から、「断固反対」する姿勢を改めて強調した。
 医療スタッフの役割拡大に関連して、医師による医療行為の一部を担う「診療看護師」やナースプラクティショナー(NP)の導入が検討されていることについては、「現行の保健師助産師看護師法の下で実情に即した検討を行うべき」とした。
 また医療ツーリズムに関しては、国会答弁で長妻昭厚生労働相や直嶋正行経済産業相が経済成長を促すとして前向きな発言をしていることに対して、「足下の深刻な医師不足、看護職員不足からくる医療崩壊食い止めと地域医療の確保が最優先課題」と反論。「現時点で検討に着手することは認められない」との見解を示している。

日本医師会:会長選を直接選挙に…原中会長(2010年4月14日毎日新聞)

 日本医師会(日医)の原中勝征会長は14日の記者会見で、会長選を会員による直接選挙とする方向で検討する考えを示した。検討委を設置し、早ければ次回12年4月にも実施できるようにする。現在は地区ごとの代議員による投票で選出している。原中会長は「代議員には時間の融通がつきやすい診療所の医師が多い。直接選挙にすることで病院勤務医にも日医の活動に参加する気持ちを持ってもらいたい」と狙いを説明した。

日本医師会の新会長が消費税増提案も、出席議員の反対で即撤回

 日本医師会(日医)の原中勝征新会長は14日、民主党の参院選マニフェスト(選挙公約)を検討する「国民生活研究会」の総会で、いったん消費税率の引き上げを主張しながら、出席議員の反対意見にあっさりと撤回した。

 日医は医療費増に向けた財源として消費税増税を求めているが、“親民主”を掲げて会長選に当選したばかりの原中氏が、消費税をめぐり混乱する党内事情に配慮した格好だ。

 出席者によると、原中氏は「国家財政の基本は税収。そこは逃げないほうが良い」と、消費税増税を主張。だが、議員から「消費税のことを言わないでほしい」と求められると、「私は税制に詳しくないから」とあっさりと主張を撤回した。

 総会後の記者団からの質問には「消費税の具体的な話はしていない」と説明した。

しかし日医が政治向きに顔を出すことの是非はさておくとしても、とりあえずマスコミ的には全国医者の代弁者という扱いになっているわけですから、新会長にはそれなりに慎重に考えた上での発言を望みたいですね。
消費税引き上げなどと気軽に口にしていますが、かねて医療機関では末端消費者である患者に納入価にかかる消費税を転嫁出来ず、いわゆる「損税」問題というものが大きな負担となっていることは周知の事実であって、例えば消費税が10%に引き上げられたからその分診療報酬を大幅に引き上げましょうなどという話があり得ない現状では、あっという間に病院経営が更なる大赤字にもなりかねない話です。
最近ではテレビなど速報型メディアを意識した思いつき発言が妙に持て囃されるような傾向がありますけれども、こういうことばかり軽々に口にしていると就任早々「やはり新会長も軽装開業医の味方なんだな」と、改めて痛くもない?腹を探られるなんてことにもなりかねませんよね。

それはともかく、注目すべきは従来路線としての混合診療断固反対であるとかNP導入反対であるとかいった路線は継承する気配を示している一方、先日もご紹介しました「メディカルツーリズム」にはこれまた反対と、相変わらず「現状維持、既得権固守」と言われても仕方がなさそうなコメントが並んでいる点はあまり新鮮味がないところです。
一方で内向きの路線として注目されるのは会長選を直接選挙制にする考えを示したということなんですが、むしろこの問題で注目していきたいのは今後原中会長のこの方針に反対してくるであろう人たちが、いったいどういうロジックで反対の論陣を張ってくるかといったあたりではないかと思います(苦笑)。
いずれにしてもこの時期であるからこそ日医は医療の現状をどのように認識していて、その解消のためにこういう方法論を考えているんだという明確な主張を掲げて見せるべきなのではないかと思うのですが、今のところ従来型の「あれは駄目、これは嫌」式の反論屋から脱しているとは到底言えないところでしょうかね。

いずれにしても理念の欠如もさることながら現在の日医は(マスコミさんの主張とは裏腹に)その実行力というものが全く伴っていないということも批判の対象とされているわけですが、冒頭の記事などにも見られるように先の衆院選以降政権与党から干されていると世間でいう割には、実のところその影響力というものは良くも悪くも変わっていないのではないかという見方もあるところですよね。
半減しようが倍増しようがゼロはゼロであるなんて意地の悪い声もありますけれども、一応は世間的に日医は巨大な悪の枢軸として、医療政策はおろか時の政権の行方にも絶大な影響力を発揮してきたのだということになっているようですから(その割に自民党が惨敗したのも不思議ですが)、この夏の参院選における日医の行動というものもマスコミとしてはネタになると踏んでいるようです。
しかしこの参院選、激戦となった今回の会長選の流れそのままに、各地方の医師会と日医執行部との路線の違いというものも出てきているようですが、日医にしても原中氏自身は民主党の中でも小沢氏寄りであり、一方で医療行政を主導する足立氏とは仲が悪いなんてことを言いますから、一口に自民党から民主党へなどと言える話でもないようです。

日本医師会 政府・与党と連携 (2010年4月3日NHKニュース)

 1日に就任した日本医師会の原中勝征会長が、国会内で民主党の小沢幹事長と会談し、国民のための医療を充実させるため、今後、政府・与党と積極的に意見交換を行い、連携を強化していきたいという考えを伝えました。

 日本医師会は1日、会長選挙を行い、去年の衆議院選挙で民主党を支持した茨城県医師会会長の原中勝征氏が現職らを抑えて、新しい会長に選ばれました。原中会長は2日夕方、国会内で民主党の小沢幹事長と会談し、「国民のための医療を充実させるため、いろいろとお願いをしていきたい」と述べ、政府・与党と日本医師会との協議の場を作るなどして積極的に意見交換を行い、連携を強化していきたいという考えを伝えました。

 小沢幹事長は、会長選挙について「心配したが、よい結果になった。今後ともよろしくお願いします」と述べたということです。また、2日開かれた日本医師会の代議員会で、出席者から「民主党とのパイプを生かしてほしい」といった要望が出され、原中会長は「政府・与党と、いつでも意見を交わすことができるようなルートを作っていきたい」と述べました。

医師会 参院選への対応協議へ(2010年4月13日NHKニュース)

 日本医師会の新しい会長に去年の衆議院選挙で民主党を支持した原中勝征氏が就任したことを受けて、医師会の政治団体である日本医師連盟は、来週、参議院選挙への対応を協議することになりました。

 日本医師会の政治団体である日本医師連盟は、政権交代を受けて、自民党を支持してきたこれまでの方針を白紙撤回したものの、夏の参議院選挙の比例代表では、すでに決めていた自民党の候補者を推薦することは変えないとしてきました。こうしたなか、今月1日に行われた日本医師会の会長選挙では、去年の衆議院選挙で民主党を支持した茨城県医師会会長の原中勝征氏が、新しい会長に選ばれました。これを受けて日本医師連盟は、来週20日に幹部らが出席する執行委員会を開き、参議院選挙への対応を協議することになりました。日本医師会の中には、民主党への支持を積極的に打ち出すべきだという意見がある一方、候補者の推薦を今の時点で見直すのは避けるべきだという意見もあり、新執行部は難しい判断を迫られることになります。

原中氏当選で得意満面の小沢氏にしてもこのところ逆風が強いということで、一部では参院選を前に幹事長から降りるのではなんて話も出ているようですから、新会長が民主党医療閥ではなく小沢氏個人とのパイプ役を強調するほどに今後大きなどんでん返しが来るかも知れないですよね。
先の衆院選でも日医の必死のプッシュに関わらず大多数の会員が民主党に投じたと言いますが、会長選の得票を見ても日医の代議員の中でも決して多数派の支持を得ているというわけでもない、ましてや日医の一般会員からの評価が(控えめな表現をするならば)必ずしも高いわけでもない原中氏を抱き込んだことで事足れりと小沢氏が考えているのだとしたら、後日意外な結果に驚く羽目になるかも知れずでしょう。
一方で小沢氏降板となれば再び表舞台に返り咲く腹積もりがいきなりハシゴを外される格好になりかねない原中氏としても痛いことでしょうが、選挙のことしか頭にない小沢氏よりは医療政策の実権を握る足立政務官らに頭を下げてでもよしみを通じた方が、多少なりとも医療政策への影響力を確保するという点でははるかに有効だと思うのですが、果たして原中氏にそこまでのことが出来るかどうかですね。

いずれにしても医者の世界での民意と日医執行部の意向の乖離という現実を、日医=医者の代表としてマスコミ諸社が今後報道していく上でどう整合性を保っているよう見せかけて行くのか、そのあたりにも注目しておくのも面白いのかも知れませんね。

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2010年4月14日 (水)

いよいよ医療が激変する時代がやってくるか?

久々に大笑してしまったのがこちらの書き込みです。

137 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 21:42:58 ID:zqZUVC7W0

委員会活動を実践している医師の鏡ですねw

ttp://www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up45890.jpg.html
全労働省労働組合機関紙「全労働」2010年4月10日・第1968号より
霞ヶ関一丁目
(朝日新聞で言う天声人語みたいな位置づけになります)

腰椎にヘルニアを抱えている。患ってから既に8年ほどになるが手術はしたことがない▼
この間、大きな悪化もなく、上手に付き合えていると思っていた。しかし先日、痛みと同時に右足が痺れ
力がまったく入らず、歩けなくなってしまった▼
通っている病院が休診だったこともあり、噂を聞いていた総合病院の整形外科を訪ねた。医師は症状を聴き、
開口一番「あなたはどうしたいの」。訳がわからず「どういうことですか」と尋ねたが、「あなた自身は
どうしたいの?薬がほしいの?牽引したいの?手術したいの?
」と言う始末。さすがにムッときたので「医学の知識がないのでわかりません。医師であるあなたが診察し判断なさるのでは?」
と問いただした。医師はカルテの基本事項を見ながら「厚生労働省ねぇ、言うことも官僚的だねぇ」
医師が公務員を嫌いなのか、厚労省と何かあったのかは知る由もないが、公務員であることを
これほど嫌に思ったことはなく、悔しい思いで病院を後にした▼
いま国民生活が大変であることが、あたかも公務員に原因があるかのようなまやかしが蔓延っている。
公務員が担っている重要性が正しく世論に伝わる運動をしたい。

まあ仮にも厚生労働省という場所に長年巣食っていながら、八年も患っている持病ですら何の知識もないと自慢しつつ「公務員が担っている重要性」云々もどうなのよと思いますが、医者の方は医者の方で「医者であることをこれほど嫌に思ったことはなく、悔しい思いで」日々奴隷労働に勤しんでいるわけですから、お互いこれ以上不愉快な思いをしないためにも二度とそんな病院を訪れない方がよろしいかとも思いますね。
しかし一方でこういう話を聞くと確かに時代が変わったという気がしてきますけれども、そこらの一介の臨床家が自らの行為の社会的意味というものを考え始めているということであれば、行為自体の是非は別としてもこれは良い傾向なのではないかと言う気がします。
医療は消防や警察などと同様に経済原則を半ば無視した社会的インフラであるという意見がある一方で、現実問題として診療を通じて利益を上げ職員の雇用を守る民間団体によってその多くが支えられているという側面もありますから、勤務医と言えども常に社会との関わりというものにも関心を向けていなければならないはずなんですよね。

その面から考えていくと、昨年度も例によって医療機関の倒産がまたぞろ過去最高を更新したとか、自治体からの拠出金を繰り入れても相変わらず公立病院の大半は相変わらず赤字であるとか、何やら医療は不採算分野の代表のようにも見える昨今ですけれども、実のところこれは保険診療に依存した従来型の医療に限った話なのかも知れません。
サプリメントなどと呼ばれる健康食品の売上は今や食品産業の牽引車になりそうな勢いですし、保険診療適応外の美容整形市場も拡大の一途をたどっているというくらいですから、天下の毎日新聞が「元気格差! 医療格差! 行き着くところは寿命格差?」と嘆いてみせるのもむべなるかなといったところでしょうか。

世間では医療こそ次の成長戦略の基幹産業だと期待も高まっている気配がありますし、あちらでもこちらでも「医療はこうあるべきだ!」なんて話が飛び出してきていますけれども、産業としての医療の成長戦略を思い描くなら、どうしても国庫の縛りがきつい保険診療の軛から抜け出して行くことを念頭に置かざるを得ない一方、今や現場スタッフの大多数は皆保険制度下での医療しか知らないという現実があります。
例えば先日は行政刷新会議の分科会で混合診療の原則解禁が掲げられたなんて話を取り上げましたけれども、混合診療を大々的に導入するなら医療を提供する側、受ける側を問わず、医療は万人に対して平等であるべきという建前だとか、金がなかろうが踏み倒しの常連だろうが来たら診なければならないという応招義務なんてものを捨てなければ、絶対に現場で大きな混乱が起こるはずなんですよね。
このあたりの現場の状況といったものも想像しながら、平素医療の現場とは縁遠いだろう諸団体の掲げる医療戦略というものを見ていきますけれども、まずは最近何かと逆境とも言う経団連のお話をうかがってみましょう。

医療・介護の成長産業化、社会保障目的の消費増税を提言―日本経団連(2010年4月13日CBニュース)

 日本経団連は4月13日、医療・介護関連産業を成長産業として育成することや、社会保障費の増加に対応するために消費税率を段階的に引き上げることなどを盛り込んだ提言を発表した。日本経団連の担当者は、「経済界の考えとして、政府が6月に策定する『新成長戦略』に反映させてもらいたい」としている。

 「豊かで活力ある国民生活を目指して―経団連成長戦略2010」と題した提言書では、経済成長の実現に向け、▽健康大国▽環境・エネルギー大国▽アジア経済▽観光立国・地域活性化▽科学・技術立国▽雇用・人材―の6項目の戦略を提示。このうち、健康大国戦略では、「公的な医療・介護保険に過度に依存する発想を転換することが重要」として、医療・介護産業の成長産業化を盛り込んだ。

 医療分野ではまず、高度先進医療や未承認薬など利用者が求める医療サービスへのアクセス制限を緩和し、保険診療と保険外診療の併用制度や自由診療など、サービス提供者による価格決定が可能な診療領域を拡大する必要があるとした。
 また、革新的な医薬品や医療機器の研究開発を促進するため、医薬品や医療材料の価格決定の在り方の見直しや、承認審査の迅速化などに取り組む必要があると指摘。ICT(情報通信技術)の活用によって医療機関同士のネットワーク化を推進し、効率的な医療提供体制の基盤を整備するとともに、医療データを活用し、医療水準の向上を図ることも重要とした。レセプトオンライン請求の完全義務化は、「改めて推進する必要がある」とした。
 さらに、海外から患者を日本に呼び込む「メディカルツーリズム」の重要性も指摘。日本の医療技術の高さや安全性を海外にPRするため、現在亀田メディカルセンター1施設にとどまっているJCI認証の取得推進に積極的に取り組むことを盛り込んでいる。

 介護分野では、民間事業者の事業参画を促進し、サービスの供給を拡充すべきと指摘。介護施設や居住系サービスの再編などを検討する必要があるとしたほか、民間事業者を支援し、有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅などの居住系サービスを拡充するため、規制緩和や公的融資の創設を推進すべきとした。
 また、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けるために、訪問診療や訪問看護、夜間を含めた訪問介護や小規模多機能型居宅介護など、在宅療養サービスの拡充が求められるとした。このほか、介護ロボット実用化に向けた研究の推進などを盛り込んだ。

■消費税、社会保障を支える安定財源に
 また提言では、税・財政・社会保障の一体的な改革についても言及した。これまでの政策について、「消費税率の引き上げをはじめとする歳入確保を先送りにしてきたことで、税、財政、社会保障の改革は迷走し、安心で中長期的に持続可能な社会保障制度が確立できなかった」と批判。その上で、「消費税は社会保障制度をはじめとするセーフティネットを支えるための安定財源として最もふさわしい税」と指摘し、2011年度から最低10%にまで段階的に引き上げる必要があるとした。
 さらに、公平・適正に所得を把握するため、住民票コードや社会保障番号などを活用し、社会保障給付や納税などに利用できる番号制度を早期に導入すべきとした。

混合診療導入や電子化推進など、概ねどこかで見たような議論の焼き直しといった印象ですけれども、こうして見ていくと政府などで過去に繰り広げられてきた医療行政の議論にも、経団連あたりの意向がずいぶんと反映されていたんだなと改めて思うところですよね。
介護にしてもそうですけれども、やはりここでもキーワードになっているのは規制緩和と言う名の患者自己負担拡大による医療の推進ということであって、国や財政界が医療費の増大をああまで忌避してきたのが国庫支出や企業負担の増大を懸念するからであった以上、混合診療解禁による自由価格制度下での成長であれば彼らとしてもウェルカムであるということがよく判る話ではあると思います。
一方ここで注目しておくべきところは「メディカルツーリズム」なる単語なんですけれども、ちょうどこの経団連の提言と歩調を合わせるように官公庁と当の観光業界からこんな発言が飛び出してきていますね。

国際競争力高め、医療ツーリズム推進を―観光庁研究会(2010年03月29日キャリアブレイン)

 観光庁は3月29日、「インバウンド医療観光に関する研究会」(座長=上松瀬勝男・日大名誉教授)の第3回会合を開き、医療ツーリズムを目的とした外国人旅行者を増やすための戦略などについて意見を交わした。今回は、同庁の取り組みを推進するための先駆的な実証事業として実際に外国人旅行者を受け入れた医療機関や旅行会社の関係者が、事業の検証結果や課題を報告した。

 観光庁では、昨年12月から医療ツーリズムを実施する医療機関の受け入れ準備を進める一方、各国の医療機関や旅行コーディネーターのネットワークを通じて旅行者を募集した。その結果、実証計画書を策定した7つの医療機関のうち4医療機関に、いずれも3月に入って中国やインド、韓国から計6人が訪れて内視鏡検査などを受診した。
 このうち、中国から1人を受け入れた国立国際医療センター戸山病院(東京都新宿区)では、人間ドックとPET検査を日帰りで実施した。今回の受け入れについて木村壮介院長は、受け入れる医療機関側が多言語化に対応する必要があるとし、「サービスとしてのドックや検診は、何の症状もない人から病歴などを積極的に聞き出さなければならず、微妙な症状を聞くということにおいて、(多言語化は)非常に大きな課題」と述べた。
 また、国内の仲介会社の医療通訳などを利用して中国から1人を受け入れた伊藤病院(東京都渋谷区)のケースについて、仲介を行った吉田一正氏(日本エマージェンシーアシスタンス株式会社社長)は、受診者の感想として、「日本の病院の清潔さや丁寧さが事前の期待以上だったようだ」と、高い評価を得たことを報告。さらに「(日本の医療の質の高さが)来てみて初めて分かったという声から、(帰国後の)口コミが非常に重要」と述べた。しかし一方で、病院でのマナーや国民性の違いにどう対応するかが課題とし、「(対応によっては)日本人の患者とあつれきを生むことにもなりかねない」との懸念も示した。

 このほか出席者からは、▽MRIやCTの保有率が医療先進諸国と比べても高いが、海外諸国に認識されていない▽国際的な医療水準の指標となるJCIの取得が圧倒的に遅れている▽医師の間に国際競争力を高めようという意識が浸透していない―など、医療ツーリズム推進をめぐる問題点を指摘する声が上がった。研究会ではこうした意見を踏まえて、今後は医療現場の国際競争力をいかに高めていくかを多角的に検討していく。

医療機関による外国人受け入れを支援-JTB(2010年4月9日CBニュース)

 旅行会社大手のJTBは4月9日、外国人患者の受け入れを推進している医療機関向けのサポートサービスをグループ会社のヘルスツーリズム研究所と共同で開始すると発表した。

 医療ツーリズム事業に取り組む新たな部署「ジャパンメディカル&ヘルスツーリズムセンター」を22日に設立。同センターでは予約手続きの代行や通訳、病院への交通・宿泊手配などを担当し、JTBが外国人向けの医療・健診パッケージ旅行を企画・実施する。パッケージ商品は当面、中国語・英語圏内の富裕層をターゲットにする。

 外国人の受け入れ実績が豊富な亀田総合病院と亀田クリニック(千葉県鴨川市)、虎の門病院(東京都港区)、東京ミッドタウンクリニック(同)と既に契約しており、今後は北海道や九州地方などの主要都市の医療機関と提携を進め、各地での受け入れ態勢が整い次第、サービスを順次開始する予定だ。

 医療機関による外国人の受け入れに当たっては、海外から直接予約が入るケースが多く、医療機関側は通訳や予約・精算管理などに対応しなければならないのが現状だ。
 JTBでは「受け入れから検診を実施するまで、医療機関をサポートしたい」と話している。

もともとこの観光庁の研究会なるものは昨年立ち上げられたものだという話ですけれども、近年日本を観光立国としていこうという動きがあった一環としてこういう話が出てきたということのようで、これに乗る観光業界としても最近需要が増している中国圏などからの顧客呼び込みにも使えるという思惑があるのでしょうが、これもただでさえ乏しい医療リソースを外国人に持っていかれるという懸念以外にも問題は山積しています。
医者の場合英語くらいならかなりの水準で意思疎通が可能という人もかなり多いですけれども、実際にアジア圏など多種多様な言語圏の人々がやってくる状況になると観光レベルならともかく、実はまともな診療に使えるレベルでの通訳というものが一番人材不足であるとも言えるんですよね。
同じ言葉が通じる日本人相手ですらインフォームドコンセントがなっていないと有識者の方々(笑)からお叱りを受けるような状況から類推していただいても判ると思いますが、現代の医療現場で求められるコミュニケーションの水準というものは単に言葉が通じれば良いなんてものではありませんから、うっかりすると儲け以上に大きな火種を抱え込む、なんて話にもなりかねないということです。

一方で政権与党たる民主党の方でも近頃では衆院選の頃の熱狂がすっかり薄れたということなのか、ひと頃は過半数に登ったという医療関係者からの内閣支持率もすっかり低迷しているという話もありますけれども、こちらも参院選に向けてマニフェストなるものを用意してきたようで、昨年の衆院選のマニフェストと比較しながら見てみるとなかなか面白いなと思いますね。

医療分野の素案明らかに-民主党参院選マニフェスト(2010年4月12日CBニュース)

  民主党が夏の参院選に向け取りまとめを急いでいるマニフェストのたたき台となる医療分野の素案が明らかになった。新型インフルエンザへの対応策や海外で使われている医薬品が日本で使えない、いわゆる「ドラッグ・ラグ」を解消するための承認審査体制の強化、予防医療の推進などが新規項目に挙がっている。

  厚生労働省が所管する医療分野の政策は、▽新型インフルエンザ等への万全の対応▽日本発の革新的な医薬品等の研究開発推進▽自殺対策の推進▽予防医療の推進―など。民主党「国民生活研究会」(中野寛成会長)の医療分野を担当する分科会は月内に、この素案を基に追加の項目を検討し、同分野のマニフェストの方向性を固める方針だ。その上で、党のマニフェストを決める「企画委員会」に見解を報告する。

  4月12日の厚労省政務三役会議では、党の参院選マニフェスト作りにどのように関与するかが話し合われた。政務三役会議後の記者会見で足立信也政務官は、「国民生活研究会の分科会には、新たに加えていただきたい厚労省の項目を挙げた。来週は、政府と党で整合性の取れない部分があるといけないので、すり合わせをする」と述べた。

  素案では、新型インフルエンザに対応するために、5年以内に全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能な体制を構築する。所要額として約1200億円を想定している。ドラッグ・ラグの解消では、審査人員の拡充だけでなく、ガイドライン策定を通じた審査基準の明確化や、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の体制整備が検討課題だとしている。

  自殺対策の推進については、自殺の背景に多く見られるうつ病など精神疾患への地域保健医療体制の整備を進める。予防医療の推進のための具体策では、予防接種制度の見直しや「包括的なたばこ対策」が必要だと指摘し、たばこ事業法を改廃して新たな枠組みを構築するなどとしている。

失礼ながら大盤振る舞いを約束(だけは)していた衆院選の頃と比べるとずいぶんと安くあげたなという印象が拭えないんですが(苦笑)、ここで注目しておくべきは昨今話題のドラッグラグなど医薬品絡みの話題が結構大きく取り上げられているということでしょうか。
先程も出てきました行政刷新会議の分科会でも医療の規制緩和の一つとしてこの医薬品領域は大きく扱われる予定であると言いますが、厚労省の方でもこの四月中にも未承認薬について当座の結論を出すと言っているように、昨今のトピックの一つではあるところです。
ただこの方面においても未だに異論反論も多々あるのは事実で、例えば処方箋なしで薬局で購入できる市販薬(OTC:Over The Counter Drug)の更なる拡大を求める声もある一方、これに対して長妻大臣は慎重姿勢を見せるなど、関係者の間でも今ひとつまとまりきっていないようですね。

【長妻厚労相】スイッチOTC化の拡大に慎重姿勢(2010年4月8日薬事日報)

 長妻昭厚生労働相は7日、医療用成分のスイッチOTC化拡大について、「ふさわしいものがあるのか、ないのかきちっと見極める必要がある」と述べ、安全性の確保や購入者の負担に留意しながら、スイッチOTC化を進める考えを示した。衆院厚生労働委員会で鴨下一郎委員(自民)の質問に答えた。

 鴨下氏は、画期的な新薬を薬価制度で評価すると共に、長期収載成分の多くを一般薬に拡大し、セルフメディケーションに任せる方向性を提示。「ガスターを出せたんだから、それ以外にも山ほどある」と述べ、政治主導でスイッチOTCの大幅拡大を求めた。

 これに対し長妻氏は、「一定のものは必要だと考えている」としながらも、「安全性はいうまでもなく、患者負担が病院の場合と乖離があって、手が届きにくいことにも配慮しなければならない」と、慎重に対応を進める姿勢を示した。

 また、足立信也政務官も答弁し、「長期収載品が、医療現場で必要とされていることも事実として留意すべき」との考えを説明した上で、「ただ、鴨下委員の指摘に関しては、かなりの部分で同意する」と述べた。

仮に長期収載品が保険から外されて薬局で勝手に買って飲めと言う話になりますと、今まで三割とかの負担であったものが全額自費になるわけですから、人によってはまるまる医療費三倍増!なんてことも起こりかねないという話ですよね(そういう薬が必要なのかどうかはまた別問題としても)。
費用の面は置くとしても、どうもこういう医薬品行政の最近の議論を見ていて危ういなと思うのが、何かしら現場感覚とはまた違った話ばかりで議論が進んでいっているように見えるところで、ネット上でも患者側がどこまで自己責任と言うことを認識出来ているのかと危惧する声は根強いようですね。

947 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/09(金) 14:35:57 ID:gjRir+mU0

>>946
副作用より、症状をマスクするから、5年飲み続けたら、胃がんがstage IVでした、と言うことを
心配しているのにな、臨床医は。

別にstage IVになろうが最後まで自分の選択に責任を持っていられるというのなら問題ない話ですし、医療とは本来そうした自己選択権と自己決定権が患者側にこそあるのだというのが世の有識者の方々の持論のようですけれども、またぞろおかしな訴訟沙汰になってくるんじゃないかと危惧する臨床医が多いのも現状ではやむを得ないところでしょう。
一方で先日もおいおい…と思ったのがこちらの話なんですけれども、医薬品行政に関わっているブレインの方々がこういう認識で議論を進めているのだとすれば、それは確かに現場感覚と乖離して行くのも仕方がないということなんですかね?

医薬品の安全対策「医療機関が責任を持って対応を」(2010年3月25日CBニュース)

厚生労働省は3月25日、「医薬品・医療機器等対策部会」(部会長=外須美夫・九大大学院医学研究院教授)の第18回会合を開き、医薬品・医療機器の「ヒヤリ・ハット事例」などの収集結果を基に、安全対策について意見を交わした。委員からは、薬剤間違いが頻繁に報告されている事例について、別の薬を採用して事故を防ぐなど、各医療機関が責任を持って対応する必要性が指摘された

この日の会合では、日本医療機能評価機構が昨年6、9月に公表した「ヒヤリ・ハット事例」などについて、医薬品医療機器総合機構が安全管理対策に関して調査・検討した結果をまとめた資料が提出され、それに基づいて議論した。

資料では、医薬品関連の201事例と医療機器関連の91事例を、▽安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要または可能と考えられた事例▽製造販売業者等により既に対策が取られているか対策を既に検討中の事例▽ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例▽情報不足などのため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例―に4分類した。医薬品では、それぞれ3件(1.5%)、5件(2.5%)、 157件(78.1%)、36件(17.9%)だった。

「製造販売業者等による対策が必要または可能と考えられた事例」の3件はすべて、厚労省が2003年から名称が似ているとして注意喚起を行っていた、高血圧症・狭心症治療薬ノルバスクと乳がん治療薬ノルバデックスの薬剤間違いだった。

これについて土屋文人委員(東京医科歯科大歯学部附属病院薬剤部長)は、「例えばノルバスクは併売品も後発品もある。これだけ事故が続き、注意喚起が出されていながら、採用する薬剤を変えずに事故が起きた場合は、その医療機関の薬事委員会が責任を問われる可能性もある」などと指摘し、医療機関側の適切な対応の必要性を強調した。
北澤京子委員(日経BP社日経メディカル編集委員)は、3件のうち1件が高血圧症の男性患者への乳がん治療薬の誤処方であったことについて、「薬剤師が患者に説明していれば防げたかもしれない」などとして、「患者も医療ミスの防止に関与できる余地があるのでは」と述べた。
これに対し厚労省側は、患者への情報提供について、「厳しい義務を負わせるようなことは避けたいが、患者の協力により防ぎ得る事故もあるため、対応を考えていきたい」と述べた。

いや名前が似てるのが判りきってるのにノルバスクを使ったら医療機関の責任だって、それは普通似たような名前を認可した厚労省の責任を問うべきところだろうと突っ込みを入れておきますけれども、商標権とか民業に対する干渉だとか言う議論を抜きにしても、お上ではこういう認識のもとで医薬品の安全対策というものを語っているような方々ばかりをブレインにしているということなんでしょうかね?
いずれにしても患者側にしても「何の薬か判らないけど白い粒」なんて認識が許される時代ではなくなってきているとは言えるわけですが、その点において医薬分業、薬剤の独立ということを訴え実現してきた土屋氏ら薬剤師会の責任こそ今後ますます大きくなってくるわけですから、手にした分に見合った義務くらいはしっかりと果たしていってもらわなければならないでしょうね。

いずれにしても国民皆保険制度下で日本全国どこでも誰でも同じ医療という建前は、ごく近い将来にも撤廃されそうだという流れが半ば既成事実のように語られるようになってきたわけですけれども、この流れを最前線で受け止めることになる医師ら現場の医療スタッフこそ、そうした時代に対応した医療とはどういったものかと言うことを考えておかなければならないでしょうね。
すでにどんな患者でも何でも受け入れます、なんてことを実践している真面目な医療機関ほど経営的には破綻しているという現実がありますけれども、日本も今後は諸外国並に支払不能者の医療問題がますます大きなものとなっていくと考えた場合、今の破綻寸前で青息吐息な大多数の医療機関にそんな不良顧客を受け止めるだけの余力は(仮にその意志があったとしても)既になくなってしまっているわけです。
逆に生保患者を片っぱしから取り込むような医療機関などは、ひと頃は業界内部においても社会的にもひどく評判が悪かったものですけれども、あるいはこれからの時代どこにも引受手のない社会的弱者を診てくれる素晴らしい病院だ!これぞ現代の赤ひげ!なんてもてはやされるようになる、なんて可能性もなくはないですよね。

一国一城の主である開業の先生方はもちろんですが、一介の勤務医であってもそんな時代に自分がどんな医療を行っていくべきなのか、今からしっかりとシミュレーションして傾向と対策を練っておくことが大事なのではないかなという気がしますが、如何でしょうか?

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2010年4月13日 (火)

実働を始めた産科医療補償制度 しかし耳に快い話ばかりでもなく

昨年に始まった産科医療補償制度ですが、昨年9月に始めて認定された症例の報告書が先日公開されています。
まだ件数としては少ないですが、今後こうした事例がどんどん増えてくることが予想されるわけですから、関係各位は今のうちから目を通して見慣れておくということも必要になってくるのでしょうね。

産科補償制度、原因分析報告書を公表(2010年3月18日CBニュース)

 昨年1月にスタートした産科医療補償制度を運営する日本医療機能評価機構は3月18日、同機構の原因分析委員会が脳性まひ発症の原因を分析し、再発防止策などをまとめた報告書の要約版を初めて公表した。同機構の担当者は「幅広い人々に読んでもらうことで、制度への理解を深めてもらい、最終的には産科医療の質の向上、報告書と同様の事例の再発防止につなげていきたい」と話している。

 公表されたのは、昨年9月に同機構の審査委員会で同制度の補償対象として初めて認定された事例の報告書の要約版で、原因分析委員会の部会が医学的な観点から原因分析を行ったもの。2月9日の原因分析委員会で承認され、同機構の機関決定を経て、既に全文版が児・家族と分娩機関に送付されている。

 要約版は、「事例の概要」「脳性まひ発症の原因」「臨床経過に関する医学的評価」「今後の産科医療向上のために検討すべき事項」について、報告書から個人を識別する情報を除外した上で、概要をまとめた。

 全文版については使用目的が、▽学術的な研究目的での利用▽公共的な利用▽医療安全のための資料としての利用―の場合に限り、個人情報などをマスキングした上で開示される。
 全文版の希望者は、同機構のホームページ上の「原因分析報告書開示請求書」をダウンロードし、必要事項を記入の上、同機構の産科医療補償制度運営部の原因分析・再発防止担当まで郵送する。1事例につき300円の手数料と郵送に掛かる実費を同機構指定の口座に振り込む。

詳細に関しては産科医療補償制度のサイトを見ていただくとして、ちょうどこのタイミングで同制度に関する現時点での総括を行っていくということなのでしょうか、各方面の有識者?を集めて産科補償制度絡みのシンポジウムが開催されているようですね。
これがまた見ていると顔ぶれといい議論の内容といいなかなか素敵なものであったらしいのですが、まずは黙って記事から紹介してみましょう。

シンポジウム:被害者の視点で安全安心な出産--渋谷で10日 /東京(2010年4月8日毎日新聞)

 安全で安心できる出産について医療事故の被害者らの視点で考えようと、市民団体「陣痛促進剤による被害を考える会」(出元明美代表)は10日、渋谷区神南1の「T’s渋谷アジアビル」でシンポジウムを開催する。

 小児脳性まひの子どもが生まれた場合、分娩(ぶんべん)機関が過失の有無に関係なく金銭補償をする「産科医療補償制度」が昨年1月に始まり、今年1月からは事故再発防止のための原因分析も行われている。一方、産科医療の事故はこれまで被害者らが事故防止のためいろいろ指摘をしてきたにもかかわらず、十分に生かされてこなかった面もあり、出元さんらが今回シンポジウムを企画した。

 シンポジウムでは、産婦人科医で産科医療訴訟に詳しい我妻堯さんや、同制度の原因分析委員会委員で江戸川大社会学部教授の隈本邦彦さんらが講演。このほか、参加者の意見を交えたパネルディスカッションも行う。(略)

監視や議論で「よりよい制度に」―産科補償制度でシンポ(2010年4月12日CBニュース)

 「陣痛促進剤による被害を考える会」は4月10日、「産科医療補償制度における医療事故の原因分析と再発防止のための課題」をテーマにシンポジウムを開催した。同制度原因分析委員会の委員や弁護士らが講演したほか、参加者を交えた質疑応答も行われた。講演では同制度の問題点などが指摘され、積極的な議論や監視を通じて制度を育てていくべきだとの声も上がった。

 第1部ではまず、産婦人科医の我妻堯氏が講演し、産科の医療事故は「計画分娩の概念の拡大と乱用によって起こっていることがほとんど」「子宮収縮剤の投与などで自然分娩と同じ分娩ができるとの妄信が横行している」などと指摘した。また、診療所では緊急時の対応が困難なため、診療所による分娩の再検討や、病院・分娩室のオープン制を検討する必要があるとの考えを示した。

 愛育病院の加部一彦・新生児科部長は、「現状の事故調査の在り方は非常に未熟」との認識を示し、現場が「教訓」にできる事故調査や報告書の在り方を追求する必要性を強調した。また、医療側が事故を初めから「コンフリクト」(紛争)と捉えて対応していることを問題視し、「コンフリクトは前提ではなく、回避すべきもの」と指摘した。

 原因分析委員会の委員を務める隈本邦彦・江戸川大教授は、「医療側が身内を厳しい目でチェックする初めての試み」と、同制度に期待感を示した。一方で、脳性まひの「回避可能性」に原則言及しない同制度の原因分析の在り方を疑問視したほか、最大年800事例をチェックし切れるかや、効果的な再発防止策を打ち出せるかなどの点に不安感を示した。

 弁護士の松井菜採氏は、医療問題弁護団の分娩事故判例研究会が分析した判例を基に、カルテなどの記録や説明義務、医療提供体制などの問題点を指摘した。その上で、同制度の原因分析を充実させるために患者側に求められる対応として、▽原因分析を「お任せ」にしない▽意見、疑問、質問を原因分析委員会に確実に伝える―などを挙げた。さらに、同制度を監視し続けることで大きく育てていくべきだとの考えを示した。

 第2部のパネルディスカッションでは、講演者らが会場からの質問に答えた。シンポジウムを傍聴した原因分析委員会の岡井崇委員長は、同制度の欠点として、▽(医師などへの)ペナルティーがない▽補償額が少ない-の2点を挙げた。その上で、「裁判で争っても医者は言うことを聞かない。原因分析委員会で専門家が集まって判定し、『間違っている』と言えば聞いてくれるだろうと望みをかけている」と述べ、それが事故の再発防止につながるとの認識を示した。

 司会を務めた「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」の勝村久司氏は、これまで裁判になったのは「あまりにひどい事例」ばかりだと指摘。その上で、「産科医療補償制度や産科医療全体が信頼されるか否かは、あまりにひどい事例にどう対処するかに尽きると思う」と述べた。

「再発防止へ原因分析を」 東京で産科医療補償制度シンポ(2010年4月11日日本経済新聞)

 出産で赤ちゃんが重度の脳性まひになった際にミスがなくても補償金を受けられる「産科医療補償制度」のあり方を考えるシンポジウムが10 日、東京都内で開催された。同制度は昨年1月開始で、補償金の支払い例が出ている。制度導入で原因分析がおろそかになるとの懸念もあっただけに、産科医や弁護士から「再発防止に役立つ事故分析が不可欠」との声が相次いだ。

 シンポジウムは患者団体「陣痛促進剤による被害を考える会」(出元明美代表)が主催、約70人が参加。

 同制度はほぼすべての出産施設が加入、補償金は総額3千万円。運営する日本医療機能評価機構(東京)が昨年から補償金支給を始めるとともに原因分析を実施、2例について報告書の要約版を公表している。

 同制度の原因分析委員の隈本邦彦・江戸川大学教授は「委員会として、報告書では医学的評価で『脳性まひを防げた可能性が高い』などと書かないことになってしまった」と報告。同教授は議論の過程で反対しており、「回避できた可能性を言及しないで再発防止につながるのか」と疑問を投げかけた。

 事故原因の分析をしている愛育病院(東京)の加部一彦医師も「医療者の責任追及を避けたいとの思いが強く出る部分もあるが、事故を教訓として生かせる報告書が必要」と発言。産科関連の訴訟で鑑定書を多数作成している我妻尭医師も「脳性まひの原因は『断定できない』とする医療機関が多く、分析が十分ではない」と指摘。英米の産科医療体制に比べ、「日本では人員や設備が不十分な施設でもリスクの高い出産が行われている」という。

 過去の産科訴訟を分析した松井菜採弁護士は「医学的な原因だけでなく、体制を含めた検討が必要。原因分析に患者側もきちんと疑問を伝え、よりよい制度に育てるべきだ」と求めた。

いきなり監視とはすごいですねとしか言いようがない話ですけれども、記事のタイトルを見ても分かる通り、この産科医療補償制度なるものはこの方たちにとってはあくまで被害者の立場から捉えるべき制度であって、大野も大淀も「あまりにひどい事例」ということになっているという現実を、良い悪いは別として医療関係者はまず認識しておかなければならないでしょうね。
制度の出発点として色々と議論が賑やかでしたけれども、全国から相次いだ現場医療関係者からの見解というものはおおよそ的外れであったということが改めて浮き彫りになった形ですけれども、当然ながらネット上においても一言なしとはいかない様子です。
しかし面白いのはこういうものに顔を出してきて自称医療の専門家としてコメントしている方々がまた見るからにピント外れなことを言っている場合が多いのですけれども、なるほどその実態を見てみれば納得と言いますか、こういう人間を担ぎださずにはいられない方々の苦労というものが察せられるところではありますよね(苦笑)。

819 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 12:05:31 ID:pWPjXkzqP

>>809

南京大虐殺や従軍慰安婦と同じやり方ですなあ
小児麻痺が分娩時の事故によって生じるなんて証拠はいったいどこに
あるんでしょうか

825 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/11(日) 18:53:02 ID:6tR38FZrO

>>809の我妻って何者?
臨床してるの?

826 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 19:02:23 ID:v4YR1L3/0

>>825
http://www3.ocn.ne.jp/~mmic/doctor.htm#003

827 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/11(日) 21:08:19 ID:6tR38FZrO

>>826
サンクス
今年80歳ねw

しかし我妻氏も医療訴訟鑑定のプロフェッショナルを自認していらっしゃるようですけれども、それはさすがに昭和一桁世代に今の時代の医療鑑定をさせる方もさせる方だろうし、逆にこういう鑑定人ばかりが法廷に登場してくるという今の医療訴訟制度とは何なのかと改めて考えさせられる話ではありますよね。

我妻堯さん
1930年、東京生まれ。55年、東京大学医学部医学科卒業。60年、同大学大学院生物系研究科終了。文部教官助手。62年、英国文化振興会給費留学生としてロンドン大学留学。Hammersmith Hospitalにて妊娠中毒症の研究に従事。64年、米国留学。JohnsHopkins大学産婦人科にて子宮収縮の研究に従事。66年帰国後文部教官助手。68年、日本総合愛育研究所愛育病院産婦人科部長兼母性保健部長。71年、文部教官、東京大学講師、付属病院病棟医長。翌年、東京大学医学部助教授に昇任。76年、国立病院医療センター産婦人科医長。86年、同センター国際医療協力部長に昇任。93年、国立国際医療センター国際医療協力局長に昇任。現在に到る。

「戦後、米国の占領政策でいろいろなことが改革されました。しかし医療制度だけはほとんど手をつけなかったんですね。それによる歪みは大きいと思います。例えば米国と日本とを比較してみた場合、米国の方が公衆衛生的な施策は非常に悪いんですよ。妊婦検診を一度も受けずにお産が始まったら病院に飛び込んできたりします。日本ではまず100パーセント妊婦検診を受けていますね。それなのに日本の方が今でも妊産婦死亡が多いのは、医療制度の違いにあります。」

「非常に不愉快なのは、例えば医師側に不利な鑑定が出た場合、医師側の代理人が私の鑑定人としての資格を疑わせようとして、「今臨床をやってないでしょう」ということを言う。これは法廷作戦なのかもしれないけれど、裁判所が鑑定を依頼してきたということは両方の代理人はそれに同意しているわけです。それをいまさら経歴や臨床経験がどうのこうのと言うことは、鑑定人に対する侮辱です。」

それはともかく、我妻氏も絶賛する米国の産科医療制度がどんなことになっているかと言えば、ちょうど先ごろもこんな記事が出ていますけれども、別にこれは遠い外国の話でも何でもなくて、日本においても帝切率が年毎に右肩上がりで上昇を続けていることは、医療被害の最小化を目指す勝村氏らからすればこれ以上ない素晴らしいことということになるのでしょう。
しかし医療被害の最小化と言うことと、医療による利益の最大化ということは全く異なる概念であるにも関わらず、今や後者は全く無視され前者のみを考えた医療を行わざるをえない状況になりつつあることこそ、勝村氏ら有識者がもたらした最大の功績とも言えるのかも知れませんね。

米国の帝王切開出産、07年は過去最高に(2010年3月24日AFP)

米国立衛生統計センター(NCHS)が23日発表した調査結果によると、米国では2007年に帝王切開によって誕生した新生児が全体の32%、人数にして140万人と過去最高に達していたことが分かった。

 1996年と2007年を比較すると帝王切開による出産の割合は53%増加し、誕生した新生児の数では71%増加した。また2006年の1年間についていえば、米国の病院で最も多く実施された外科手術は帝王切開術だった。

 母親の腹部と子宮を切開し、母胎から胎盤など一緒に胎児を取り出す帝王切開術は広く行われているが、今回の米国の調査ではすべての年齢、人種グループで増えていた。

 ただし高年齢で出産する場合ほど帝王切開が多い点は以前と変わらず、2007年は20歳未満の出産における帝王切開は23%だったのに対し、40~54 歳での出産は48%だった。

 世界保健機構(World Health Organization、WHO)が最適としている帝王切開による出産率は15%だ。

 調査では帝王切開術の増加の理由について晩婚化を挙げている。米メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)近郊の聖ヨゼフ医療センター(St Joseph's Medical Center)の産婦人科医ジュディス・ロシター(Judith Rossiter)博士は、30代、40代の女性は出産によってキャリアが中断されがちなため、出産を仕事のスケジュールに合わせたがる傾向があるのも一因だと語る。

「母親から『3月24日の午前8時に生まれるようにしてほしい』というような要望が増えた。『前日は大きな会議があるし、6週間後には仕事に復帰しないといけないから』といった具合です」

 また医療的な理由というよりも、何か問題があったときに帝王切開をしなかったことで訴えられるのを恐れる産科医も増えているという。「帝王切開のほうが自然分娩よりも安全だという学術的証拠はないにもかかわらず、裁判になれば弁護士に『帝王切開をしていればこの問題は生じなかったのではないですか』と問い詰められかねません。帝王切開をしてさえいれば、その論法を使われずにすみますから」

帝切自体の安全性は元より帝切によって脳性麻痺の発症率が下がるというエヴィデンスは未だないはずですが、それでも裁判所から「問題が生じなかった可能性がある」なんてことを言われれば手を出さざるをえないという話で、別にこんなことは今どき産科方面に限った話でも何でもありませんよね。
世の中何事も正しいことばかりではないというのは当然のことではありますけれども、最近気になるのは先日も紹介した日医の生命倫理懇談会などにも象徴されるように、明らかに今世の中で何が起こっているのかも理解出来ていないような現場感覚から遠い方々がいて、現場の人間の当たり前の感覚を反映した議論をも圧殺しようとするかのような動きが見られるということです。
例えば金沢大の野村英樹氏などがこの日医の報告書を解説して「医師全体に対する信頼を損なわないために」日医の強力なリーダーシップを期待したい、なんてことを書いていますけれども、そんな話はふた昔も前の白い巨塔(笑)時代に言うべき話であって、今社会問題化している医療崩壊なる現象が何かと言えば、国民に対する医療従事者の信頼が低下しているということに尽きるわけでしょう。

プロとしての経験からも疫学的なエビデンスからもこれが最善だろうという道がある、しかし相手が信用できないからと利益最大化ではなくリスク最小化を指標にして方法論を選択する、今の時代には別に医療に限ったことではない話ですけれども、とりわけ一生に一度の選択を迫られる医療だからこそそれが大問題になっているわけで、赤の他人に体を預ける患者側こそ本来もっと必死になって最善をこそ求めて当然なんですよ。
毎年数千人も交通事故死者が出るからと自動車を全廃するとか、全ての自動車が時速5km以上は出ないようにすれば事故死者数は限りなく最小化するかも知れませんが、利便性低下などという以前に流通は崩壊しその日の食べ物にも困るような人々が全国各地で続出するだろうし、そうなることが素人目にも明らかだからこそ誰もがこれ以上ないほど確実な安全対策を取らないわけですよね。
医療を始め専門性の高い分野であっても同じように、ちょっと見には判りにくいけれどもちゃんとリスクと利益のより良いバランス点というものが存在しているはずで、サービスの利用者側こそ現場からの声にしっかりと耳を傾け、そこのところを追求していかなければ結局自分が損をするわけです。
そしてそれは世界に冠たる日本の大マスコミ(苦笑)や占領下の医学教育を受けたような方々の御高説を拝聴しているだけで理解できるものでもないし、しばしば耳に痛い言葉にも真摯に向き合う必要があるということですよね。

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2010年4月12日 (月)

確かにどこにでもある話なんですが… 小林市の場合

今どきどこにでもある話題と言っても、何かの拍子で妙にネタとして燃え上がってしまうということは往々にしてあるものです。
芸能人の知事氏誕生で一躍有名になった宮崎県の一角にある小さな自治体の小さな公立病院も、なぜか妙なところで最近話題になっているようですね。

内科医不足、募る不安 /宮崎(2010年04月08日朝日新聞)

 「53億円かけた新しい病院に医師がいない。宮崎で助からない命が東京でなら助かるかもしれない。これは命の格差だ」。今年1月4日、小林商工会議所などが開いた恒例の新春賀詞交換会で、あいさつに立った出席者の一人が嘆いた。会が新春らしからぬやや沈んだ雰囲気に終始したのは、小林市立病院の内科医不足が顕在化していたからだ。

 「医者ですから、少しでも社会に貢献でき、市民の助けになるのなら」。賀詞交換会から3カ月後。4月初旬の平日の夜、小林市立病院に代わって「当番」を引き受けたのは50代の民間クリニックの内科医だった。自院で待機するだけでなく、市立病院に出向いて患者を診ることもある。

    □■□

 小林市が4月から始めた夜間輪番制。西諸医師会の協力を得て実現した。市立病院の内科医が2月から、派遣元大学への相次ぐ引き揚げで1人だけになり、時間外診療や急患の受け入れが難しくなったことへの応急的対応だ。平日午後7~10時に開業医らが交代で患者を受け入れる。

 市地域医療対策室によると、輪番制導入は「住民の不安解消」が第一の目的。同時に市立病院の医師の負担軽減を図り、医療環境を整えることで新たな医師確保につなげたいとの思いも込める。

 市立病院の「内科縮小」は周囲の医療機関にも影響を与え始めている。西諸広域消防本部によると、2月の救急車の搬送件数232件のうち、市立病院に向かったのは12%と、それまでの平均23%から半減した。市の担当者は「民間の救急病院などが肩代わりしている状況が歴然」と指摘、「そこもギリギリの状況と聞いている」と医療スタッフの疲弊の拡大も心配する。

 市立病院は昨年9月の全面改築に際し、医師の適正数を19人(内科3、小児科2、外科4、整形外科2、泌尿器科2、循環器科2、産婦人科2、放射線科1、麻酔科1)と定めた。しかし現状は11人(内科1、小児科1、外科4、整形外科2、泌尿器科2、麻酔科1)。うち6人が鹿児島大学からの派遣だ。「鹿児島市内の病院にさえ派遣できない状態」と大学側からは追加派遣を断られた。今のところ医師確保の具体的なすべはない

 市立病院の関係者は「給料がどうのこうのではなく、働きやすい病院にしないと。せめて当直明けの休みがとれ、好んで働きたいと思われるような病院に」と話し、夜間輪番制の導入を「始まりの一歩」と歓迎した。

    ■□■

 思惑違いは内科だけではない。市立病院内には「3階病棟は閉鎖中」の張り紙がある。3階には外来から入院まで一貫して対応する周産期ゾーンを開設、新病院の目玉にする意向だったが、産婦人科医を確保できず、2003年4月以来の休診は続いたままだ。市内の女性(72)は「里帰り出産する人も多い。いざというときに宮崎市などに走らないでいいような、安心して受診できる病院が欲しい」と憂える。

 市区長会連絡協議会の元会長、伊藤正一さん(79)は2月、医師確保への支援を求める約2万5千人の署名を東国原英夫知事に届け、「西諸を安心して住める地域に」と訴えた。一方で、知事から「署名した人の責任も」との宿題を預かり、コンビニ受診の抑制など今後は患者のあり方も考えていくつもりだ。「これからが遠い道のり。(病院の状況を)見守っていく」
(略)

記事だけを見ていても楽しそうな背後の事情が垣間見えるというのはネットで情報が全国に流通するこの時代、色々な意味でいいことなんだろうとは思いますが…
さて、箱物だけ作って肝腎のスタッフにあてがないなんて話は、昨今では全国どこでもありふれた話題ですけれども、そもそもこの小林市立市民病院問題の発端となったのが医師が逃げ出して医師不足という、これまたどこにでもありふれた話題であったわけですが、この病院の場合念の入ったことに、医師だけでなく看護師らスタッフも逃げ出すという状況にあったようですね。

格差の現場:/6止 足りない 子供を守る医療さえ /宮崎(2006年6月28日毎日新聞)

 西諸県地域2市2町(人口約8万4500人)で唯一、小児科の救急・入院に対応していた小林市立市民病院。同科の常勤医2人のうち1人は昨年、所属先の宮崎大医学部が派遣をやめた。もう1人も今年3月、開業のため退職した。以降、休診が続く。
 同市南西方の2歳の長男を持つ母親(28)は、不安を隠さない。長男は生後5カ月の時、急性の呼吸器感染症にかかって救急車で市民病院に運ばれ、1週間入院したこともある。
「夜中に突然、熱が出たら手当ては間に合うの? 都城市まで1時間もかかるのに」
  ◇   ◇
 西諸県のように全国の地方で、小児科などの医師不足が深刻化している。2年前に導入された国の新臨床研修制度により新人医師の研修が義務づけられ、研修先が自由に選べるようになった。研修医たちは高収入で経験も積める都会の大病院を目指し、地方離れが進んだとされる。
 小林市の6月議会一般質問。九州各地の大学に医師派遣を要請した堀泰一郎市長は「異口同音に『小児科医自体が減っているから、ない袖は振れない』と断られた」と苦悩を明かした。
 努力の末、北九州市で勤務する小林市出身者の医師1人が今秋以降に着任することにはなった。だが、救急・入院患者に対応できる体制に復活するには、更にもう1人探さなければならない
   ◇   ◇
 小林市内の幼稚園に勤務し、市民活動で学童保育にも取り組んでいる里岡洋子さん(61)は「病院まで往復2時間もかかると『付き添いの合間に、ちょっと洗濯に自宅に帰る』ということもできない。母親が子供1人に付き切りになる」と母親の負担増を懸念する。
 冒頭の母親も「『少子化だから子供を増やせ!』と世間で言われるけど、これでは安心して産めない。環境や条件が整っていない」と不満を口にした。
 昨年の県内の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子供数)は1.46人で戦後最低だった。地域によって、まともな医療が受けられないという「不公平な現実」は、県内の少子化対策にも影を落としている。

ふるさとはどこですか:/6 東京へ引き抜かれる地方の看護師(2008年1月6日毎日新聞)

◇残りたい、残れない

 診療科の数は20。年間の外来患者は43万人に上る。女性看護師(26)は東京都心のターミナル駅に近い大病院で働く。
 10カ月前まで宮崎県小林市の病院にいた人手不足で、病気でも休めなかった。今は病院の借り上げマンションで暮らし、完全週休2日。「こんなに楽していいのかなあ」。うしろめたささえ感じる。
 07年3月、インターネットで知った「上京ナース応援パック」を利用した。看護師専門の人材紹介業者が東京の病院の面接を受けるための交通費や宿泊費を負担してくれる。登録者は1万7000人。転職が成立すれば、本人の年収の20%が手数料として業者に入る。
いくらでも報酬をはずむから連れてきてくれ」。病院からそんな依頼もある。

 国は06年「患者7人に看護師1人」の手厚い看護配置をした病院に最高の診療点数をつけるようになった。入院初期に集中的な看護を施し、在院日数を縮めて医療費削減を図る狙いだ。収入を増やしたい東京の大病院は、資金力にものを言わせ地方の看護師集めに走る。女性が上京したのは、悪性リンパ腫で母を亡くしたのがきっかけだった。看護師なのに末期に適切なケアができなかった。役立つ研修を受けたことがない。東京なら学べたと思うと悔しかった。
 今の病院で母と同じ病気の患者に接することがある。「つらいときはとことん、落ち込んでいいんですよ」。そう声をかけると顔が和らぐ。あの時は、分からなかった。同じ環境があったなら、ふるさとにいたかった。

 小林市にある市民病院はこの2年で13人の看護師が辞めた。医師不足とも相まって産婦人科と小児科が一時、休止に追い込まれた。
 池田梨沙さん(27)は県立看護大を出て6年目。手術室担当は非番でも待機がかかり、土日も呼び出される。30分で病院に戻れる場所にいる決まりだ。結婚している看護師は、出産時期を同僚と調整している。同じ時期に2人も産休は取れない。
 地元の県立看護大や宮崎大看護学科の卒業生で過去3年、県内に就職したのは4割だけだ。医師会立養成校(6校)は8割が地元に残るが、国や自治体の補助金が減り経営は厳しい。廃校になれば地域医療が崩壊する。
 池田さんは2年前、同期の1人が東京の大学病院に転職する時「行くなら今しかないよ」と背中を押した。自分もネットで募集を見て心が動いた。でもいつも名前で呼んでくれる患者の顔が浮かび、思いとどまった。
 農繁期になると来院が減る。具合が悪くても無理をして稲刈りしたり、牛に餌をやる。病気がひどくなって初めて来る。聞くと「ほかにやる人がおらんけん」と言う。だから早めに健康相談に乗って病気の芽を摘み取りたい。
 郵便局のロビーで市と郵便局が運営する「まちかど健康相談室」がその場所だ。【文・千代崎聖史、松本光央/写真・竹内幹】

例によって「新臨床研修制度で都市部に人材が流出して」だとか「7:1看護の導入が金満病院が金にあかせて」なんて話が並んでいますけれども、よく見てみると都市部でも人手は全然足りてないだとか、結局安月給で過酷な労働を強いているのが悪いんだとか、さりげなく本当の事情が判るようになっているというなかなか親切な記事ですよね(苦笑)。
こういう地方公立病院崩壊の話題となれば判で押したように「国が悪い!」の大合唱なのはお約束ですけれども、こうした背景事情まで知った上でそういう解釈でいいものなのかと考えてみた場合に、ネット上でも予想通り?何かがおかしいぞと指摘する声が相次いでいるようです。

985 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 13:24:12 ID:ErKIdymo0

>>972
150床程度の病院に53億w
ちょっと前の相場が公立で1床1000マソと聞いていたのだが・・・
どうナットるの?

986 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/09(金) 13:47:42 ID:7OlSNnmE0

>985

後先考えずに割高な箱モノ作っておいて、中身の「医者が来ない」って
恨み言いわれても、「んなもん、知るか」としかいいようがないよね。

987 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 14:18:30 ID:jYHMeNzZ0

地元業者を潤す箱物には金を使いますが、
医者の待遇改善なんかには金を使いません。

あしからず。

50億円。建物は20億にして、残り30億を待遇改善に使えば、
20人の医者に年俸+500万円×30年・・・なんて発想はないだろうなあ。

6 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/10(土) 01:41:55 ID:rzFwsOvy0

>>2
>53億円かけた新しい病院に医師がいない。

噴いたw  豪華ガレージ作ったら車買う金が無くなったでござる。の巻。

新春から自分の馬鹿さ加減発表してどうするよw 
(いや、53億全額ハコモノで使ってやったぜwwww っていう手柄話か?)

7 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/10(土) 06:58:01 ID:zXSb8H560

>>2
>医師の適正数を19人(内科3、小児科2、外科4、整形外科2、泌尿器科2、循環器科2、産婦人科2、放射線科1、麻酔科1)

まず、適正数からして無理があるだろwww
この人数で「午後8時まで開け」ってwwww

8 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/10(土) 07:02:30 ID:PXdDX5dc0

http://www.mdnavi.jp/medical/medical-area/kobayashi.html
産科医が不在で助産師が10人とか、正看護師ばかりで準看護師がほとんどいないとか、
職員構成に問題があります。人件費も無駄に使っていると思われます。

9 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/10(土) 08:02:50 ID:dNfGM/rW0

はなっからまともに機能しないように設計されているとしか思えない。
自業自得だ。

確かに公立病院の病床当たり建設費は民間の倍にもなるなんて話は以前から公然とささやかれていたところですけれども、さすがにこのデフレ&税収難の時代になんともバブリーな話だな…と思っていましたら、案の定これだけでは終わらなかったらしいのですね。
2008年にこの病院の入札が行われたということなんですが、これに関して色々と黒い噂が当時から飛び交っていたということで、実際こうして出来上がったところを見てみますと競争入札と言いながら到底お得な値付けになっているようには思えのは事実でしょう。
無論建設費が割高についたとしても、病院として使い勝手がよくスタッフが気持ちよく働ける、結果として定着率が上がり市民への医療供給が改善されるということであれば、これはしっかり投資分の元を取ったと言える話ですけれども、既に「あそこは無理、勘弁して」と悪評がすっかり定着してしまっているような状況では到底望み薄なんでしょうね。

折しもこの小林市では今から市長選真っ盛りという状況にあって、当然のように各候補ともこの市立病院問題を最大の課題であると取り上げているようですけれども、各候補者の公約をそれぞれの経歴を照らし合わせながら眺めてみますと、なかなか面白いなと思いますよね。

選挙:小林市長選 あす告示 医師確保が最大論点 /宮崎(2010年4月10日毎日新聞)

 ◇経歴対照的、手法に違い--立候補予定の3氏

 任期満了に伴う小林市長選は11日、告示される。元参院議員の小斉平敏文氏(60)▽元建設会社社長の鮫島憲明氏(60)▽元副市長の肥後正弘氏(64)の無所属新人3人が立候補を予定し、三つどもえの戦いになる。3氏とも市立病院の医師確保対策を前面に打ち出すなど主要政策が共通する半面、対照的なのが経歴だ。三様の経歴が公約達成の道筋、政治手法に投影する。【木元六男】

 小斉平氏 政治生命をかけて医師確保に取り組む。市立病院勤務を条件に、医学生の奨学金を助成する。

 鮫島氏 自ら医師の確保に努め、病院を再生する。救急医療体制も守る。住民の健康を守る講座も必要だ。

 肥後氏 働く環境を整備し、医師確保の先頭に立つ。懸案の産婦人科、小児科も入院できる態勢を目指す

 3月30日あった立候補予定者の討論会。3氏は重点政策の一番にそろって市立病院の医師確保を挙げ、実現に強い決意を示した。

 西諸県地域の中核病院、小林市立病院は慢性的な医師不足に苦しむ。産婦人科は長く休診が続き、内科も4人いた医師が1人に減少。原則として予約外来のみの診療制限を余儀なくされている。

 地域医療を守るため医師を確保する--。やるべきことは明白だ。選挙戦の最大テーマながら、3氏とも違いを出しようがない。

 むしろ選挙戦を特徴づけるのは、対照的な経歴だ。小斉平氏は衆議員秘書から市議、県議、国政と政治一筋に33年。鮫島氏は民間企業37年。建設会社の経営に携わった。肥後氏は市職員38年の元行政マン。収入役や副市長を務めた。政策ビラでも「政治経験・人脈」「民間力」「豊かな行政経験と実績」をそれぞれ売り込む。

 経歴の違いは、政治手法に反映する。病院問題でも、解決への道筋は異なる。小斉平氏は「首都圏の医療関係者らと接触し、医師確保にめどをつけた」と人脈を強調。「株式会社小林市役所」を掲げる鮫島氏は、病院経営陣に民間人の起用を打ち出す。肥後氏は市民代表や医師会、行政などで協議会を設置し、市立病院の役割を明確にする、との立場だ。

 小林市は3月に旧野尻町を編入合併したばかり。地域医療の再生を含め、新市のまちづくりが選挙戦の論点になる。堀泰一郎市長は引退する。

 立候補の受け付けは午前8時半~午後5時、市役所で。投票は18日午前7時~午後8時、市内47カ所であり、即日開票される。有権者数は4万603人(男1万8731人、女2万1872人)=3月23日現在。

しかし地方公立病院の抱える諸問題ということを思うとき、失礼ながら各氏ともA級戦犯の資格十分と言いますか、下手すると(下手をせずとも?)「お前が(r」で終わってしまいそうな気がするのは自分だけでしょうか?(苦笑)
人身売買奨学金であるとか救急、小児・産科医療の整備だとか、この手の話題になると決まったように上がってくる話がテンコ盛りですけれども、それぞれの解決への道筋なるものを見てみても、どこかで見たような話がよくもここまで並んでいるなと感心するところです。
問題はそのいずれもが過去の事例から類推するに、いささか成功率という点で疑問の余地無しとしない話ばかりであると言うところですけれども、逆にこれでうまくいったということになればその政治手腕は地方自治体行政史上輝かしいものともなるのでしょうが、ねえ…

それにしても素朴な疑問として思うのは、こうまで現場のスタッフからは現状に問題大ありだと影に日向に悲鳴が上がっている中、各候補者の話に目を向ければもっと医者を集めます、もっと便利な病院にしますと、何ら現場の視点というものが存在していないということですよね。
すでにこれ以上は無理とスタッフが逃げ出しているような環境なんですから、豪華すぎる新病院を建設して更なる拡大路線に走るよりは、ここは身の丈にあった規模にまで経営を縮小してでも職場環境を人が呼べるレベルにまで回復させるのが喫緊の課題ではないかと思うのですが、そうした話は全く検討された気配すらないとはどうしたものなのでしょう。
彼ら候補者諸氏のうち病院問題を語るにあたって、やはり市民である現場のスタッフの声にも真摯に耳を傾けてみるべきだと思うのですが、景気のいい話大安売りが当たり前の選挙戦期間中でもこうまで明確なスタンスを示してくれているわけですから、新病院の行方は今から見えているんじゃないかという予想をするのは難しくはなさそうですよね。

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2010年4月11日 (日)

今日のぐり:「今文水産 須津店」

先日なんとなく見かけて、何やらどう解釈すべきか迷ったのがこちらのニュースです。

路肩で倒れていたオポッサム、救助試みた男を逮捕 ペンシルベニア(2010年3月28日CNN)

米ペンシルベニア州の路上で、倒れていたオポッサム(フクロネズミ)を救助しようとがんばっていた男が、通報を受け駆け付けた警官に逮捕された。

ドナルド・J・ウォルフ容疑者(55)は25日、オリバー・タウンシップの路上で、倒れていたオポッサムを救助しようと蘇生を試みていた。しかし、このオポッサムは寝たふりをしていたわけではなく、すでに死んでいたという。

警官は、ウォルフ容疑者が酩酊(めいてい)状態にあったとして、公共の場で酔った疑いで逮捕。同容疑者が、どのような方法で蘇生を試みたかは不明。

これ、果たして良い話なのかアレな話なのか何とも微妙なところなんですが、やはりフクロネズミだけに蘇生法はマウストゥマウスだったんでしょうか?
本日は世界各国からちょっとしたお国柄?を示す話題を取り上げてみたいと思いますけれども、まずは北の大国でも色々と大変なんだと思わされる話がこちらです。

ウオツカを倍額に値上げ ロシア「飲酒癖は国家的脅威」(2010年2月19日産経新聞)

 ロシアで1日、ウオツカの最低小売価格を0.5リットルあたり89ルーブル(約273円)とする庁令が発効した。これは従来、ロシアで普及していた最も安いウオツカのほぼ2倍にあたる価格。メドベージェフ大統領はロシア人の飲酒癖を「国家的脅威」として節酒政策に乗り出しており、ウオツカの最低価格導入もその一環とされている。

 ロシアではソ連末期の1985年、当時のゴルバチョフ政権が厳しい節酒法を実施したものの、国民の猛反発を招き、密造酒による死者が急増した。(モスクワ 遠藤良介)

何となく禁酒法を思い起こさせるような話ではありますけれども、むしろ一般的ロシア人にとってはウオツカの供給を絶つ方が国家的脅威に結びつきやすいのではないかという気もするのですが、果たしてどうなんでしょうね?
一方で赤道も近い南の国ではもう少し牧歌的と言いますか、何やら少しばかり和む話題が出ているようですね。

タイでドラえもんの葬儀が行われ最後は火葬される(2010年2月8日デジタルマガジン)

 驚くべきことにタイでドラえもんの葬儀が行われた。なお、ドラえもんという名前の人が死んだのではないことを先にお伝えしておく。2010年2 月、ドラえもん、死す。

 舞台はタイ中南部に位置するアユタヤ県。この地区のワット・マハロク寺にて、フラープレン・ネムカランという女性が持つドラえもん人形、ジギアイ・ネクホンの葬儀が行われたという。どんな名前だ。

 地元新聞社の記事によれば、ネムカランさんは近くの幼稚園にこのドラえもん人形を生徒として登録しており、毎日車で送り迎えしていたそうだ。同じクラスの園児たちはドラえもんがいるということで大喜び。このまま無事卒業を迎えればちょっと変な話で済んだのだが、そうはいかなかった。

ドラえもん「ボクは死んだから葬式をして欲しい」

 ネムカランさんの話では、ある日このドラえもん人形が夢に現れこういったという。「ボクは死んじゃったんだ。できたら人間と同じように葬式をして欲しい」

 目を覚ましたネムカランさんは早速葬式の準備に取りかかり、寺院側もそれを了承。かくして世にも奇妙な“ドラえもんのお葬式”が行われることとなった。園児大泣きである。

 そして、葬式は無事におわり、こうして日本までニュースが届く事態となった。現地では「生き物じゃないのに葬式をするなんて」との批判も出ているそうだ。なお、問題のドラえもんは火葬され天に召された。

リンク先の写真を見てみればまさにドラえもん一色という感じですけれども、色々と批判もあろうことでしょうがまあこういうこともあっていいんじゃないでしょうかね?
中国といえば先ごろはまた餃子事件絡みで一騒動ありましたけれども、かの地の食品偽装は我々の想像の及ぶところではないというレベルにまで進歩?しているようですね。

偽のアヒル卵、中国遼寧省で発見(2010年4月9日朝鮮日報)

 中国で偽の鶏卵に続き、偽のアヒルの卵が登場した。遼寧省の地方紙、遼寧日報は8日、瀋陽市鉄西区の市場で、肉眼では判別不能な偽のアヒルの卵が販売されているのが見つかったと報じた。

 同紙によると、市場では中年男性が偽のアヒルの卵を本物よりも30%以上安い価格で販売。それを購入した住民が食べた際、化学薬品のにおいに気付き、偽物だと発覚した。

 分析に当たった瀋陽農業大食品学院の武俊瑞博士は、「偽のアヒルの卵には人体の免疫システムに影響を与える炭酸カルシウムが98%も含まれており、栄養成分はほとんどゼロだった」と述べた。偽のアヒルの卵は本物に比べやや大きいが、肉眼では判断が付きにくい。1個当たり単価は0.1元(約1円 40銭)以下だが、市場では1個当たり1元(約14円)程度で売られていた。同紙によると、インターネット上では偽卵の製造法が詳細に紹介されているという。

いや肉眼では判断が付きにくいって、そこまで高度の偽装技術を磨くより素直に卵を用意した方が早いんじゃないかという気もするんですけれども、それでもこっちの方が儲けがあるということなんですかね?
先日少しばかり笑ってしまったのがこちらのニュースですけれども、まずは黙って記事を紹介してみましょう。

アメリカの奇妙な発明品たち(2010年3月6日ココログニュース)

アメリカの経済誌・フォーブスが、これまでにアメリカ特許商標局(USPTO)に特許申請された発明の中で非常に奇妙なものをピックアップして紹介している。

まずは1908年に申請された「お棺潜望鏡」。亡くなって土中に埋葬された人が安眠しているかを確認するために、棺の内部を除くことができる潜望鏡だ。こんなものが備え付けられていたら、眠れるものも眠れないような気がするが…。

次に登場するのは1964年に申請された「チーズ味タバコ」。無類のチーズ好き愛煙者というニッチなターゲットのために開発されたタバコで、フィルター内部にチーズ粉末と活性炭を配合した。タバコとチーズの両方の風味を楽しめる上に、フィルターがニコチンを濾過してくれる。

そして極めつけは1980年代に申請された「便器内酸素吸入器」だ。火災が発生して逃げ場を失ってもこれがあれば大丈夫、マスクを装着してチューブを便器に差し込めば、下水道管から空気を吸いこむことができる。ちょっと臭いけれど命の安全を確保しつつ、大声で助けを呼ぼう。

いずれも実用化はされなかったようであるが、こういった発明の山があってこそ世の中を変えるほどの発明が生まれてくるのだろう。 (やながわ)

いやまあ、いずれも実用化されずに終わって幸いだったと言うべきでしょうかね…しかし便器内酸素吸入器って、そこまでするくらいなら普通に酸素ボンベなりと用意した方が様々な意味でいいんじゃないかと思えるんですが。
こういう話題になるとブリを抜きにして語るというのも失礼だという話ですけれども、幾らでもネタには事欠かない中でこちらのちょっとした話題を一つ紹介しておきましょう。

職安に「ジェダイ」が登場、しかし追い返される(2010年3月18日スラッシュドット)

    ジェダイ教を信仰する英国の男性がフードを深く被った「正装」のまま職安に行き、追い出されてしまったそうだ (The Register の記事本家 /. 記事より) 。

    英国の Chris Jarvis氏 (31) はスターウォーズの熱心なファンであり、またジェダイ教の信者でもあるとのこと。Jarvis 氏はジェダイ教の教えに従ったフード付きの衣装を深く被ったまま職安にいったが、「セキュリティ上の理由」から施設内でのヘルメットやフードの着用を認めない職安の方針に反するとして追い返されてしまったという。

    Jarvis 氏は「信仰に従っていただけであり、イスラム教などの宗教的な服装と同じに扱われるべきである」として職安に苦情を申し入れ、その後 Jarvis 氏には職安上部から「各人の信仰に敬意を払い、その多様性を受け入れたカスタマーサービスの提供を約束する」といった内容の謝罪文書が送られてきたそうだ。

    タレこみ人はこの件で初めて知ったのだが、ジェダイ教は英国では宗教として認められており、英国勢調査によるとその信者数は 39 万人にも上るという (/.J 記事) 。

    ちなみにジェダイ教では「フォース」の存在を肯定しているそうだ。

このジェダイ教なるものもなかなか面白いものらしいんですけれども、それをさっさと追い返したというのがどうもブリらしからぬ話だなと思っていましたらば、なるほどローカルルールがあったということなのですね。
しかし職安的にはそれでよいとして、問題はChris Jarvis氏の雇用主となるべき方々が職安ほどに寛容であるかどうかだと思うのですが、もちろんそこはブリだけに何ら問題はないということなんでしょうね?!

今日のぐり:「今文水産 須津店」

日本三景の一つ「天橋立」で有名な京都府宮津市の町並みを越え、天橋立のたもと(と、言うのでしょうか?)も通り過ぎて海岸通りをしばらく走ると、交差点間際にシンプルな「魚」の看板が出ているだけの小さな店舗に行き当ります。
店構えからしても全く今どきの食べ物屋らしくは見えませんし、むしろこんなところで食事をしていく人間がいるのかどうかと思うようなレベルなんですけれども、「海鮮丼」の立て看板に引かれて入ってみると意外に中は小奇麗な作りです。
メニューは極めてシンプルで定食が数種類に季節の蟹を茹でたり焼いたりしたものという程度のようですが、立て看板にもあった海鮮鮨丼定食とおまかせ定食というものを頼んでみました。

単に海鮮丼と言うのみならず定食というからにはどんなもんだと思うところですけれども、メインの海鮮丼に二、三の小鉢や汁がついてくるというスタイルで結局は八割方海鮮丼といった具合なんですが、これはこれで分かりやすくていいですね。
大ぶりに切った地の魚各種の刺身やらイクラやらがテンコ盛りになった海鮮丼は、少しばかり酢の気を効かせた飯とのバランスも程よい塩梅で、産地の魚の味と相まって一気にかき込んでしまうだけの力強さがあります。
細かいところですが付け合せのわさびが別皿に盛られているのも好印象で、好みに応じてワサビ醤油にしてかけまわすもよし、地味にトッピングの一つ一つを取り上げて食べ比べてみるもよしと、こういう細かい気遣いはありがたいと思いますね。

おまかせ定食の方は刺し身や煮肴、その他小鉢色々といったいかにも海の町で出てくる料理といった感じのものが並んでいますけれども、さすが京都府の一角を占めるだけに程よく出しゃばらない味付けが好印象で、こんな家族経営っぽい小さな店(失礼)でも家庭料理というよりはちゃんと料理屋の味になっているのは感心しますね。
この日に関して言えば刺身などは概ね無難な地の魚を見繕っているという感じで特別新鮮な驚きを演出するようなものではありませんけれども、煮肴の方は我々の地方ではあまり料理屋で見かけることのないものが出ていて面白いなと思ったのですが、こういうちょっとした意外性を見つけられるのも産地ならではの楽しみではありますよね。
いずれも料理全般の量はそれほど大盛りという感じでもありませんけれども、こうしてバリエーション豊富に攻めて来ると目も口も飽きると言うことがありませんし、新鮮な魚を美味しくいただいて舌も胃袋も程よく満足するという感じでしょうか。

この日はお客がいなかったこともあって接遇を云々すると言うほどのものでもありませんでしたけれども、基本的に悪い印象は抱きにくい店という印象は同行者共々感じるところで、そうした面で妙な緊張感と言いますか余計な気を使わずにすむのはありがたいところですよね。
面白いのは幾つかブログなどを拝見させていただいてメニューも値段もバラバラなのが気になったところですが、敢えてこういう地味な(失礼)店に入ってくるという客層を考えた場合に内容と考え合わせて悪くない選択肢かなと思う一方、強いて注文を付けるならばサイドメニュー的にその日の一品料理みたいなものが幾つかあっても良かったかも知れませんね。
天橋立界隈にはいかにもそれらしいお店が幾らでも軒を連ねていますけれども、そういう喧騒の地から少し離れているせいか観光客らしい姿もまばらなこともあって、いかにもな観光地という料理よりは土地の味をシンプルに楽しみたいという向きには案外いい落とし所なのではないかな言う気もします…ただし、おしゃれだとか見た目にこだわる向きには全く向きませんけれども(苦笑)。

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2010年4月10日 (土)

環境を守る方法論は後ろ向きのテロ活動だけではないわけで

先日は不法侵入したテロリスト船長が起訴されることが決まったシー・シェパード問題ですが、当の船長がテレビ局の取材に答えてこう主張しているようです。

シー・シェパード船長「戦争のようなもの」(2010年4月8日日テレニュース24)

 日本の調査捕鯨船への妨害行為など5つの罪で起訴された反捕鯨団体「シー・シェパード」の船長、ピーター・ベスーン被告が8日、東京拘置所で日本テレビの取材に応じた。

 ベスーン被告は、有害な酪酸の液体が入ったビンを撃ち込んだことについて、「悪臭によって航海を妨害するためで、ケガをさせる目的ではない」と話し、傷害罪について裁判で争う姿勢を見せた。

 また、「捕鯨は日本の伝統だとわかっているが、我々には我々の信条があり、これは立場の違いによる戦争のようなものだ」と主張した。

戦争なら他人にボウガンやロケット弾を撃ち込んでもお尻ペンペンで済ませるわけにはいかないのも仕方がないですが、危険物を振り回して他人を傷つけてもそんなつもりじゃなかったなんて言い訳をしているあたり、あるいはこれは責任能力の欠如なんてものを狙っているんでしょうかね?
完璧な弁護団を用意するというシー・シェパードがどのような法廷闘争を仕掛けてくるのかも今後の楽しみですけれども、一方でかの団体は近頃こんなことを言い出しているようですね。

シー・シェパード、COP10ボイコット呼びかけ(2010年4月2日読売新聞)

 【シンガポール=岡崎哲】反捕鯨団体シー・シェパードは2日、10月に名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)をボイコットするよう、世界の環境団体に求める声明を発表した。

 会議では、海洋生態系の保全が主要議題になる見通しだが、シー・シェパードは「マグロやクジラの保護に関心がなく、生物多様性に関する会議を開催する資格はない」と、日本を非難した。

 シー・シェパードは、元船長のピーター・ベスーン容疑者が逮捕されて以来、日本の司法制度を批判するなど捕鯨問題以外でも対決姿勢を強めている

ま、暴力で言論を圧殺するような人たちが何を言おうがまともな国が相手にするということもないのでしょうが、逆に言えば彼らがこういう態度に出てきてくれたということはある意味世界各国に対する良い踏み絵になってくる可能性もありますかね?
先日はかのベスーン被告の母国ニュージーランドが捕鯨容認に転んだか?!なんて話が出て、シー・シェパードからは裏切り者だと散々な言われようですけれども、同団体の反捕鯨活動における実質的母港を提供しているオーストラリアを始め、いわゆる反捕鯨諸国としてもテロリストと手を組んでいると(少なくとも公式には)あまり認めたくないと考える人々も多いわけです。
シー・シェパードが世界中で色々と大きなことを言えば言うほど、それに同調するかどうかということは対外的にテロリストとの近さを表明する行為に他ならないわけですから、今後日本政府としてもそのあたりのところはしっかりと突っ込みを入れていってもらいたいですね。

さて、シー・シェパードの母体である本家本元のテロ団体であり、今や鯨肉窃盗団に転向したとも噂されるグリーンピースですが、こちらも未だに元気よく活動中であることを伝える記事が出ています。

鯨肉の日本輸送を阻止=グリーンピースが抗議行動-オランダ(2010年4月3日時事ドットコム)

 【ブリュッセル時事】オランダのロッテルダム港で2日、環境保護団体グリーンピースのメンバーが日本向けの鯨肉を積んだ船の出航を阻止しようと抗議行動を展開した。船側は混乱回避のため、いったん鯨肉を船から降ろした。現在、ターミナルで保管されており、今後の取り扱いは未定という。

 オランダ税関によると、この船は七つのコンテナにナガスクジラの肉を積載。アイスランドを出港後、ロッテルダム経由で日本に向かう途中だった。

 グリーンピースのメンバーは2日未明から6時間以上にわたり、船の係留ロープにぶら下がるなどして出航を阻止。グリーンピースは今回の抗議が「成功を収めた」と主張した。

幾つか突っ込みどころがある記事ですけれども、アイスランドを出向した日本向けの船がわざわざ反捕鯨国筆頭のオランダに寄港して(どんな航路なんでしょうか?)予想通り?妨害にあったと言う、何か今ひとつ事情がよく分からない状況なのが一点、そしてもう一点「今どきナガスクジラかよ!」というところが非常に重要ですよね。
ナガスクジラと言えば鯨肉としては非常に高級品でもちろん市場価値も高いだろうとは思うのですけれども、一方で絶滅が心配されるくらい個体数が減っていて商取引が規制されているはずなのに、このような話が出てくるのは何故?と思うわけですが、どうもアイスランドではナガスクジラの捕鯨自体は禁止されていないようなんですね。
これが回りまわって日本向けに輸出されてきている可能性があるということですが、この問題自体は別に今に始まった話でも何でもなくて、すでに何年も前からあちらこちらで類似の情報が断片的に出ていたところですが、何しろ高級鯨肉だけに高い金を出してでもという需要があることが根本的な原因ということなのでしょうか。

シー・シェパードのテロ活動が結局は金目当ての経済活動であるのと全く同様に、クジラやマグロなどの海産資源問題もその多くは結局のところ経済問題であって、特に日本の調査捕鯨のような国策で行われている場合はともかく、儲かるから捕るという層にとっては資源が枯渇するだとか絶滅の心配があるといった話はあまり訴求力がないものです。
その点で絶滅危惧種を保護しようと言うのであれば、それを捕っても仕方がないというくらいに商業的価値を引き下げていくことも今後一つのアプローチになるのでしょうが、例えば先日出たばかりのウナギの完全養殖に成功なんてニュースも、昨今資源枯渇が懸念されるウナギの稚魚保護の意味でも今後大きな意味を持ってくる話だと思いますね。
そしてまた、先日のシーシェパードのクロマグロ漁妨害宣言以来改めて注目されるようになった日本の誇るクロマグロ完全養殖技術ですけれども、いよいよ商業化が始まった近畿大学とはまた別なチャレンジでクロマグロ資源保護への試みを続けているという点で、非常に注目されるのがこちらの(タイトルが)怪しい記事です(笑)。

【知る】 サバ「妊娠しちゃった…それもマグロを」 東京海洋大学「産んじゃえ」 (2010年03月28日カラパイア)

 クロマグロ禁輸の動きが強まっている。国際取引を禁止しようとしたワシントン条約の締約国会議は何とかしのいだが、いつ再燃するかわからない。トロが食べられなくなるのも時間の問題かと覚悟していたら、意外な救世主がいた。なんと、サバにマグロを産ませて増やそうというのだ。

 マグロは1回に数十万個の卵を産むが、自然界では成魚になれるのは限りなく0に近い。しかし、もし水槽で1年ほどで育つサバにマグロを産ませることができれば、マグロの稚魚を大量にしかも安く得られる。養殖に役立つだけでなく、海に放流すれば取りすぎた天然マグロを絶滅から救うことができる。

 でも本当にそんなことができるのだろうか? たとえ生まれても、サバマグロみたいな変な魚にならないのか?

「大丈夫。サバの腹を借りてマグロの卵を育てようというもので、生まれた赤ちゃんは正真正銘のクロマグロです」

 12年近く、この研究に打ち込んできた東京海洋大学准教授(水産学)の吉崎悟朗さん(44)はニッコリ笑って説明してくれた。

 親マグロの体内には、メスなら卵のもとになる卵原細胞、オスなら精子のもとになる精原細胞がある。これをサバの体内に移植して根付かせることができれば、サバの卵巣にマグロの卵が、サバの精巣にマグロの精子ができる。こんなサバのメスとオスが出会えば、カップルとなってせっせとマグロの子作りをしてくれることになる。

 しかし、移植には拒絶反応がつきもの。人間の臓器移植と同様に、マグロの細胞をサバが簡単に受け入れるわけがない。

「ところが生まれたての赤ん坊のサバなら、この拒絶反応がほとんど起きないことがわかったのです」

 赤ん坊のうちにマグロの卵原細胞や精原細胞を注入しておけば、そのサバが大人になるとマグロの卵や精子を作ってくれる。不妊処理をしてサバ自身の卵や精子を作らないようにしてから注入すれば、そのサバはひたすらマグロの卵と精子だけを作り続けることになる。

 とはいえ、体長5ミリにも満たないサバの赤ちゃんの腹のどこに卵巣や精巣があるか、わかるのだろうか。そもそも、サバの赤ちゃんの性別はどうやって判別するのか。間違ってオスの赤ちゃんに卵原細胞を入れたりしたら、大変なことになりはしないか。

 吉崎さんは再びニッコリ笑った。実はマグロの卵原細胞も精原細胞も、自分で卵巣や精巣を探して移動する能力を持っている。小さな注射針で腹に入れてあげれば、あとはアメーバのようにサバの体内を動いていく。しかも、卵原細胞が精巣にたどり着けば精原細胞に、精原細胞が卵巣にたどり着けば卵原細胞に、きちんとあとから変化するのだという。吉崎さんは言う。

「魚類の生殖細胞にはもともと、こうした高い柔軟性があるようなのです」

 まさに生命の神秘としか言いようがない。吉崎さんたちのこの発見は2006年に米国の学会誌に掲載され、大きな反響を呼んだ。

 この原理を使って7年前、淡水魚のヤマメにニジマスの卵や精子を作らせることに成功。2005年からは、今度はサバにマグロを産ませる研究に着手した。

 当初、サバへの移植がなかなか成功しなかった。マグロは南の魚だが、日本のサバは北の魚だ。サバが育つ水温の低さが、マグロの細胞に影響している可能性があった。そこで南方にすむ別の種類のサバを使ってみたところ、昨年9月、サバの体内にマグロの精原細胞がきちんと根付くところまでこぎつけた。今春から、いよいよサバにマグロを産ませる段階に入る。

 ということで、「身から出たサビ」ではなく「サバから出たマグロ」が食べられる日はそう遠い未来ではないようだね。

ま、実のところこの記事のイカしたタイトルだけで今日のメインディッシュに決定!という話なんですが(苦笑)、まさか自分がマグロの子を次から次へと産んで行くことになるとは当のサバも知らぬが仏ということ、なんでしょうかね?
真面目な話としてみると、近畿大がクロマグロの生活環を養殖環境の中で再現する技術を実用化した、そしてこの東京海洋大学ではその供給元となるマグロ稚魚の大量確保のルートを開発しようとしているわけで、お互いに補完的なものと成り得るだろうし、既存の蓄養施設をそのまま利用して一気に大量生産にも回せそうですよね。
マグロなんて日本人の食生活にはクジラ以上に浸透している重要な食材の一つですけれども、その日本が率先してこういう技術を開発して資源保護に役立ち、産業としても非常に高い将来性が見込めるということになれば、これは日本にとっても世界にとっても大変喜ばしい話だと思いますし、海狗もこういうところに持ち前の資金を投資した方がマグロ漁の妨害などより遥かに人類社会にも地球環境にも貢献できるんですがね(笑)。

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2010年4月 9日 (金)

時には金を出す側の論理にも注目してみると学ぶところも多いもので

日医が外された診療報酬改訂ということで注目された今回の改訂作業ですけれども、実質単なる横ばいを医療費増額と言い張ってみたり、どうも内容の吟味よりも名目を優先したという印象も拭えないところです。
嘉山氏ら診療側委員にしても幾ら増額すればどういう結果になるというビジョンが提示出来ていない以上は、ただ増額増額と主張したところで説得力に欠けたというのも一因でしょうが、逆に支払い側からすると現状で別に困らない以上、増やす必要性が認められないという考え方になるというわけですね。

特集●中医協委員・関係者が語る「2010診療報酬改定」 小幅でも、診療報酬が上がったことには不満がある(2010年4月7日日経メディカル)

中医協委員(健康保険組合連合会常務理事) 白川修二氏

──2010年度の診療報酬改定の議論を終えた感想は。

白川 全体的に時間がない中で、ドクターフィーの導入や医療行政に対する要望など、最初は中央社会保険医療協議会(中医協)での議論の対象ではない課題にまで内容が及び、どうなることかと思った。だが、途中からは中身の濃い議論となり、最終的には無事にまとまって安堵している。

 「中医協の診療側委員から日本医師会の役員が外れ、議論の進め方が変わったか」とよく聞かれるが、私はそうは感じなかった。日医の役員が中医協委員だったとしても、果たして再診料の報酬などに関して一歩も引かずに反対を主張し続けられただろうか。最終的には、公益委員による裁定で同じ結果になっただろう。その意味では、診療側委員が入れ替わったことで議論や結果が変わったとは思っていない

──印象に残っている議論は。

白川 厚生労働大臣への改定率に関する意見具申を中医協としてまとめられなかったのが残念だ。委員間で意見統一が図れず、診療側と支払側の両論を併記する案が検討されたが、最終的には診療側の反対で提出できなかった。それぞれの立場で考えが異なっているという事実も重要なのだから、ぜひ大臣に伝えるべきだったのではないだろうか。

財務省の意向に左右され過ぎた

――改定の全体的な方針について、診療側は報酬の全体的な底上げを主張する一方で、支払い側は予算配分の見直しを求めていたが。

白川 支払い側は、財源の問題から報酬の全体的な底上げに反対していたわけではない。国民の所得が下がっているのに、医療費は自然増分だけでも年3%上がっているのだから、報酬アップの環境にはないと考えたのだ。

 昨今、医療が崩壊しているとよくいわれるが、私たち支払い側は崩壊しているとは思っていない。日本の医療制度はレベルが高く、依然として貧富の差に関係なくどの医療機関にも受診できる。確かに、一部の地域や診療科に関してはすぐに手を打たなければならないと思っているが、それは報酬の配分見直しや税金の投入などで手当てすべきだ。このため、小幅とはいえ診療報酬が上がったことには不満がある。

 医療を取り巻く課題が多岐にわたる中、どこをどのように改善して、そのためにはどのくらいの財源が必要なのか、そして、ほかの政策も勘案して診療報酬では何について重点的に手当てするのか――。議論を進める上での大前提がはっきりしていなかったので、中医協で話し合っていても釈然としない部分が少なくなかった

――しかし今改定では、疲弊が目立つ病院や勤務医対策に対して重点的に報酬配分ができたのでは。

白川 開業医と勤務医の給与格差の是正などを求めた行政刷新会議の「事業仕分け」など、中医協とは違うところでの議論が改定に多少影響した面がある。その一つが、政府によって「入院」と「入院外(外来)」別の改定率が設定された点。本来、こうした予算枠の配分は中医協で議論すべきことだ。診療側委員の安達秀樹氏が「財務省の意向が改定率にかなり反映された」と憤ったのは理解でき、私も決定過程がおかしいと感じた。

 ただ、「入院」に手厚い財源が割り振られた点については評価している。救急医療の立て直しや勤務医の負担軽減などに焦点が当たり、今後、ある程度の効果が表れることを期待している。

――改定の効果はどのように検証していくのか。

白川 効果がどれだけあったかを検証するのは、実は難しい問題だ。例えば、勤務医負担の軽減を目的に医師事務作業補助体制加算や急性期看護補助加算などを手厚く評価したが、その分の収入をどれだけ本来の目的に費やすかを判断するのは経営者だ。報酬の使い途を中医協で限定しろという意見もあったが、それは行き過ぎだろう。経営者が自身の役割をしっかり認識した上で、こうした報酬を “生き金”にしてほしい。

 また、医療安全対策加算の議論の際に、「報酬が安すぎて人を雇えない」という意見が診療側から上がったが、この加算は人件費を賄うものというよりは、こうした取り組みに対するいわばインセンティブとしての報酬だ。その収入をどう使うかは、病院経営者のセンスだろう。

初再診料の議論はすぐにでも始めるべき

――初再診料や外来管理加算のあり方なども今後議論になると思うが。

白川 基本診療料の見直しは、次期改定に向けて早急に着手しなければならない課題だ。初再診料については簡単な検査や処置は含むなど、性格付けが明確になってきた。今改定では、「同一のサービスを提供するのであれば、同じ点数であるべき」とするわれわれ支払い側の主張通り、病院と診療所の再診料の統一も実現した。あとは具体的な点数の議論だけだと思う。

 ただ、外来管理加算は相変わらず性格があいまいだし、点数自体が適切かどうかの議論もこれまでおざなりにされてきた。支払い側としては、外来管理加算をどうするかが、今後の最大の問題だととらえている。

 入院基本料のあり方も大きな課題だ。今改定では、私たちが主張したように急性期に手厚く配分された。しかし療養病床については、小泉政権時に病床の大幅削減が決まったものの、民主党政権になって政策の見直しが示された。政府や党の具体的な方針はまだ決定していないが、その行方を踏まえて報酬のあり方を考えていかなければならない。

――このほか、印象に残った改定内容は。

白川 10年来の懸案であった診療明細書の無料発行と、病院と診療所で異なっていた再診料の統一を実現できたことだ。特に、明細書の無料発行は意義が大きいと考えている。

──明細書の無料発行を巡っては、診療側が最後まで「すべての患者に発行する必要があるのか」と疑問を呈していた。

白川 自分の受けた診療内容を知るのは、患者の当然の権利だ。現在発行されている領収書である程度の内容は分かるが、病院に指示されるがままに検査や治療を受けている入院患者なども少なくない。それを考慮すると、患者が診療内容をしっかり把握するためには、領収書では情報がかなり不足している。

 公益委員からは「医師と患者の間に情報の非対称があり、それを補うために明細書が位置付けられる」との発言があった。「医療情報の公開・開示を求める市民の会」といった市民団体の世話人を勤め、中医協委員でもある勝村久司氏が主張するように、治療を受けたエビデンスがないと、薬害などの被害にあったことを証明するものがないという考えも大切だろう。こうした様々な点から、明細書の必要性を否定することはできない。ただ、明細書は必要ないという患者もいる。そのため、患者が申し出たら明細書は発行しなくてもよいことにした。

 医療関係者から事務作業が煩雑になり混乱が生じるという指摘もある。ただ、患者が医療費の自己負担分を自動で払い込める機器を活用して、既に明細書の発行に取り組んでいる病院で問題が起きたという話は特に聞いていないので、それほど心配することはないだろう。一方で、診療報酬の項目を理解できない患者は多いと思うので、保険者としても明細書の見方を加入者にしっかり知らせていきたい

かなり言葉足らずに見えますけれども、なかなか重要な指摘が数多くあるなと思われる中で、特に注目しておきたいのは「医療が崩壊しているとよくいわれるが、私たち支払い側は崩壊しているとは思っていない」「収入をどう使うかは、病院経営者のセンス」という二つの発言でしょうか。
白川氏の主張する通り、崩壊するとか既に崩壊しているとか言いながら未だにどこにも患者が受け入れられなかったという事例は発生していないし、救急が大変と言いつつどんな患者もせいぜい数時間以内に治療が開始されていると言うわけですから、「三日間ストレッチャーの上に放置」なんて現象が発生するような医療崩壊先進国からすれば「一体どこが崩壊?」と言われても仕方がないとも言えるわけです。
その意味では「日本の医療制度はレベルが高く、依然として貧富の差に関係なくどの医療機関にも受診できる」という状況が未だ立派に機能している以上、近年続いてきた医療費抑制政策が悪いなどと主張したところで「何が悪いの?まだ全然許容範囲でしょう?」と言う反論は依然として十分な説得力を持つとも言えるのでしょうね。

「そうは言っても現実問題地方に医者は来ていない」という声もあるかも知れませんが、別に病院収入のうち何をどれだけどこに使えなんて規定があるわけではないのですから、足りないと言うなら暇にしている癖に高給取りの永年勤続事務の首を切ってでも医者の待遇改善に回せば良いという理屈も成り立つわけです。
「3000万も出したのに医者に逃げられた!」と言われようがそれは給与以外の面で医者にとっての魅力となる職場環境を用意出来なかった側が悪いという話で、もっとずっと安い給料でも幾らでも医者がやってくる病院もちゃんとあるわけですから、単にそれは「病院経営者のセンス」が問われているということなのでしょう。
実際問題として医師不足を「国の低医療費政策が!新臨床研修制度が!」と声高に他人の責任ばかり主張しているような地方公立病院ほど、今は亡き(笑)医局人事でもなければ「誰があんな糞病院に…」と陰口を叩かれるような地雷病院が多いというのは定説ですから、こうした見解はそれなりに説得力を持っているように思われますね。

一方で「医療は全然崩壊していない。医療費はまだ下げられる」という白川氏の主張が成立するためには、そうした状況をまだまだ大丈夫とみなす社会的コンセンサスが必要とされることは言うまでもありませんが、現実問題として医療崩壊という現象を我が事として捉えている国民など未だ少数派であるという現実もあるわけです。
マスコミが最近医療崩壊だ、日本は大変だと言ってみたところで、大多数の国民にとっては「病院の料金がまた高くなった!医者がまたボロ儲けしやがって!」なんて話の方がよほど切実な問題ですから、国民の中でごくごく一部に「いや私は困ってる!」という声を上げる人がいたとしても、「アフリカではその日の食べ物にも事欠く人々が」なんて話と同列の遠い世界の出来事と捉えられていても当然ではありますよね。
そうした社会的コンセンサスというものを考える上で見逃せない一言が末尾に出てくる「保険者としても明細書の見方を加入者にしっかり知らせていきたい」という一言だと思うのですが、このあたりに関連してこちらの記事を紹介してみましょう。

診療明細書 患者ら「分かる言葉で書いて」(2010年04月07日大分合同新聞)

 県内の各病院で4月から、会計の際、領収書と別に「診療明細書」が手渡されるようになった。医療の透明化と患者への情報提供を進めるため、国が新たに交付を義務付けたものだが、医療処置や薬剤の名称、診療報酬点数など、素人には分かりづらい文字や数字がずらり。患者からは「これでは意味が分からず、必要性を感じられない」の声も上がっている。

 大分市内の中規模病院でも1日、診療明細書の交付を開始。会計の窓口担当者が「不必要な場合は申し出てください」と説明し、患者に手渡した。今のところ、特に混乱や問い合わせはないという。
 「薬剤管理指導料 430点」「HCV核酸定量 450点」「B―V 13点」「フロモックス錠」「ブスコパン注射液」…。
 明細書には国のマニュアル通り、使用した薬剤や検査の名称などが記されている。「明細を見れば、どんな医療を受けているかが分かる。治療について医師と話す際の手掛かりになり、無駄な診療をなくすことにもつながる」と九州厚生局大分事務所は説明する。
 だが、「がんを告知しないケースでは、検査や薬剤の名称で本人に知られてしまうことも考えられる」とある病院の事務長。国は「配慮が必要な場合は発行する義務はない」としているが、「周知は十分でなく、患者の意思に反して交付してしまうこともあり得る」と危惧(きぐ)する。
 診療所では7月から、明細書の交付が義務化される(歯科診療所は来年4月から)。既に交付を始めた診療所もあり、患者の7~8割が高齢者という大分市内の診療所は「チラリと見て『難しそうだから次回から要りません』と断る人が多かった」。別の診療所は「リハビリだと常に同じ内容になる。必要性を感じない人が多いのではないか」。
 病院に通う同市内の50代女性は「確かに細かく記されているが、わたしたちが理解できる“言葉”で説明してもらわないと…」と話す。
(略)

勝村久司氏は薬害被害の証明のために絶対必要なんだ!と言い、診療側はいやそんなことしたら窓口は大混乱だろjkと言う、その明細書発行がこの四月から始まっているわけですけれども、以前から言われていることに「これが何の費用だとか説明するのは病院窓口じゃなくて、本来国と保険者の仕事じゃね?」という声は以前からあったわけで、図らずも今回の白川氏の何気ない発言でそれが裏付けられた形とも言えると思いますね。
医療側が医療は崩壊している、それ故に医療費を上げろと主張するなら実際崩壊しているのかどうか、それに対して何を目標に幾らの金を出すべきなのかといったことを説明し国民的コンセンサスを形成するのが筋だという白川氏の提言ですが、全く同様なインフォームドコンセントの不足が他ならぬ健保組合側にも言えるのだという話でしょう。

白川氏の健保組合ら保険者側の関わる問題としてはもう一つ、以前からしばしばマスコミを賑わせる「医療機関の不正請求」なるものの実態はトンデモだと既にあちこちで指摘されてきた(そして、大手マスコミは決して取り上げない)ところですけれども、最近またこの方面で面白い話が出てきているようですね。

診療報酬の審査体制見直し 厚労省(2010年4月8日47ニュース)

 厚生労働省は8日、病院などが健康保険に請求する診療報酬の審査、支払い業務を事実上独占している「社会保険診療報酬支払基金」と「国民健康保険団体連合会」の在り方を見直す検討会を発足させ、本格的な議論を始めた。

 両機関をめぐっては、昨年11月の行政刷新会議事業仕分けで「過大請求などを発見する効率が悪い」「手数料が高い」との指摘が相次ぎ、統合や効率化のため「見直しを行う」との結論が出た。

 医療機関は、患者の窓口負担をのぞいた診療報酬を健康保険に請求。中小企業従業員が中心の全国健康保険協会(協会けんぽ)や大企業の社員が加入する健保組合などは支払基金が、自営業者らの国民健康保険は国保連が、不適切な請求がないか審査した上で支払う

 有識者などで構成される検討会は(1)統合などの組織見直し(2)競争促進(3)民間参入の促進―などの是非を検討。月1回程度開催し、年内に一定の結論を出す方向。

ざっと見てみると保険者側の仕事があまりにいい加減だと、かねて言われている適当な数字合わせの仕事を是正しろと言っているようにも聞こえる記事なんですが、よくよく見てみますと「科大請求などを発見する効率が悪い」なんて文言が飛び出していて、これはさらに足切りラインを引き上げろということか?とも受け取れる話題です。
こういう審査というのは記事中にもあるように外注業者に丸投げで、減額に成功すると成功報酬でその何割とかが委託業者の懐に入る仕組だと言いますから、それは医療として正しい、正しくないとは全く無関係に、ただ保険者の支払いを減らすためだけの作業が行われるのも当然なのですが、それが「まだまだ甘い!もっとカット出来るだろう!」とお上からお叱りを受けたということが何を意味するかですね。
先頃話題になった地域医療加算なども厚労省の側では開業医の報酬切り下げなんてしてない、みんなで地域医療加算をとれば実質引き上げだと言い、一方で予算の上では引き下げを前提に組んでいるというわけですから、実際のところ予想以上に加算の申請が出てくれば支払いの段階で足切りラインを引き上げるだろうというのは見え見えなんですが、そこに医療とはどうあるべきかという考えなどあるようにも見えません。

支払側は金を出したくない、診療側はもっと金を引き出したいという構図だけでは一般の国民にとってどうでもいい話で、今のような時代であるだけに安けりゃそれに越したことがないで終わってしまうわけですが、医療側には出させるだけの根拠が、支払側には出さないだけの根拠が必要だろうと言うことで、今後ますます医療費の財政に占める地位が高まるほどに、どちらの側ももう少ししっかりした説明責任と言うものが出てくるんじゃないかという気がします。

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2010年4月 8日 (木)

水面下で進んでいる外国人医師の参入 その最初の影響は?

先日は仙石氏の外国人医師導入論についての諸説をご紹介したところですが、当座なかなか超えるべきハードルも多いのかなといった感じではありましたよね。
そんな中で先日何気なく出ていたこういうニュースですが、なかなか受け取る立場によって見解が分かれそうな話ではある一方で、非常に現実的な話でもあるという気がします。

CT診断、中国に格安委託…大阪の会社 ネット経由で(2010年4月6日読売新聞)

 医師不足などの影響で、患者の検査画像の診断をインターネットで外部に依頼する医療機関が増えるなか、一部で格安サービスをうたい中国の医師への委託も始まっている。これに対し、放射線科医らで作る日本医学放射線学会などは、診断は日本の医師免許を持つ者に限るとの指針を作成。8日から開かれる学会でも議論になりそうだ。

 遠隔画像診断と呼ばれ、病院や診療所で撮ったCT(コンピューター断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像)の画像を、放射線科医のいる施設などに送り、報告書を返信してもらう。

 中国人医師による画像診断を行っているのは「日本読影センター」(大阪府)。日本人医師による診断の傍ら、2008年に中国への依頼を始めた。CTなどの診断を外部に依頼した場合、国内では1件当たり3000円前後が相場だが、700~900円で請け負う

 現在は総合病院や診療所など8施設と契約して、月約800件を中国側に依頼。吉村英明社長は「契約している中国人放射線科医は約15人おり、診断力はあらかじめテストしている。ただし、日本の医師免許はないため、あくまで『参考所見』という位置づけ」と話す。

 厚生労働省医事課は「最終的な診断は依頼した日本の医師が下すとすれば、医師法に触れるとは言えない」との見解だ。

 しかし、日本医学放射線学会などは、診断の質や個人情報の安全が保証されない可能性を強く懸念。「医師でない者(外国の医師免許のみ有する者も含む)が行うことは日本の法規に違反する」などとする指針を昨年11月に作成した。

 これに対し、吉村社長は「個人名は消すなど情報の取り扱いにも注意を払っている」などと学会の指針に異議を唱えている。

 国内のCT、MRIの合計数は約1万7000台と、人口当たり先進国中で最多。一方、専門医は5000人程度。民間調査会社矢野経済研究所によると、遠隔画像診断を利用する医療機関は昨年、1944施設と、10年で8・2倍に増えた。

実のところ遠隔画像診断でググれば一枚幾らで読影してくれるサービスが既に幾らでもあるようにポピュラーになったものではありますが、今回注目すべきは中国の医師への委託が始まっているという点でしょうか。
放射線科に依頼する側の感想としては「時代の流れで仕方がない」といった程度のレスが多いようですけれども、当事者である放射線科医の方では少しばかり異なった見解があるようで、既に先日の外国人医師導入論が出た直後からこの方面に関する議論が進んでいた経緯があります。
医療業界全般の意見としては「外国人医師に開放などと言ったところで、安くてこき使われる日本にまともな医者など来るものか」といった見解が主流だったわけですが、こと遠隔画像診断となりますと単価幾らで他国に外注出来る、しかも安いだけでなく場合によっては時差の関係で夜間でもレポートを期待できそうだと、実のところあまり目立った障壁がなさそうなだけに現在進行形で市場開放が進んでいるのが現実です。

575 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/22(月) 00:10:09 ID:rqYji5ja0

日本の医師免許なくても診療を 仙谷氏、制度改正を検討
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032101000409.html

「外国人の医師は現在、日本の試験を受けないといけない。
世界的なレベルの医者に失礼だ。そういうことは取っ払うよう仕掛けたい」
仙谷由人国家戦略担当相は21日、日本の医師免許を持たない外国の医師でも一定の技術
レベルが認められれば日本国内で診療が行えるよう制度改正に乗り出す考えを示した。

まずは遠隔診断で海外読影医への規制緩和からですね。

578 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/22(月) 09:32:46 ID:9OaYCBoq0

外国人に開放して一番困るのは画像診断だよ。すでに中国人に一部
侵食されているがあくまで参考意見ということでおさまっているのに、
これで正当性を与えてしまう。中国でどれだけの数の画像診断医が
職がなくて困っているのか
知ってるの?

586 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/22(月) 19:01:57 ID:9OaYCBoq0

 遠隔画像診断 ネットワークの構築と運用、によれば毎年数千人の
画像診断医が中国で誕生
しているそうだ。
 中国では医師は特別な高給ではないため1件500円なら喜んで受ける
だろうね。日本の一部遠隔画像会社がすでに中国進出をはたしているが、
中国の医師免許での日本での医療行為可能にすれば日本の画像診断は
大学の卒前教育としてしか生き残れなくなったしまう
。ちなみに10年前で
はあるが、中国人放射線科医の給料は1万5千円だったよ。

599 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/24(水) 07:27:14 ID:v+xcbjxE0

現実が厳しすぎて逃避したい気持ちはわかるが、外国医師免許を国内で
認めた場合、画像診断医の価値が低下するのは避けられない
事実。
学会や専門医会は断固反対を表明すべき。

放射線科医の立場としてこれをどう受け止めるかですが、実のところ既に2003年の段階で日本放射線科専門医会の医会誌に「遠隔画像診断はドル箱か」という一文が掲載されていて、遠隔画像診断への関心の高まりを「大変喜ばしいこと」と表現していますけれども、この時点で念頭にあったのはあくまで日本人医師による読影であることは言うまでもありません。
どちらかと言えば日本では日陰者扱いだった放射線科医にとって読影業務というのは、外病院への非常勤アルバイトなどの口もあるそれなりに大きな収入源だったと思いますけれども、それらが外国人に持っていかれるとなれば業界団体としては何かしらのコメントは避けられないところでしょう。
さすがにこの場合「俺らの収入が減るから困る」とも言い出しにくいでしょうが、今後外国人医師による読影が広がってくるということになれば、その法的根拠が非常に曖昧であるという点は指摘しておかなければならないでしょう。

冒頭の記事では厚生労働省医事課から「最終的な診断は依頼した日本の医師が下すとすれば、医師法に触れるとは言えない」との見解が出ていて、恐らくこれは外国人医師に読影させるという行為自体の違法性に関するコメントではないかという気がしますが、要するに外国人による読影は正規の読影ではなくあくまで参考意見であるという立場であると解釈できます。
一方では記事中にもありますように日本放射線科専門医会では既に「遠隔画像診断に関するガイドライン」なるものを公表していまして、その中には画像診断に関してこのような記述があります。

(1)画像診断は医療行為(註1)である

画像診断は診断確定に重要な役割を果たし、さらに治療方針決定に大きく関わっている。 とくに最近の精密な画像診断情報が診断や治療法の決定に果たす役割はますます大きくなってきている。画像診断のために必要なあらゆる情報を駆使し、それらの情報を活用できるのは医師のみであり、その行為は医師によってのみ行われる医療行為である。医師でない者(外国の医師免許のみを有する者も含む)が行うことは、日本の法規に違反する行為である(註2)。

註2:外国人医師も含めた日本の医師免許を持たない者の日本国内での医療行為について

医師でない者が画像診断を行った場合は、医師でない者が「医業」をなしたものとして医師法17条、同31条1項1号によって3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処せられる。米国放射線専門医会の「米国外における画像診断についての宣言(改訂版)」においても、国外において画像の遠隔診断を行う医師に米国の医師資格を要求している(4)。
医師法17条には国外犯規定はないが、医師でない者の国外における画像診断を国内の者が加功(加担)した場合は共同正犯(刑法60条)として処罰される。また、医師でない者の画像診断に対して医師が加功した場合も、共同正犯が成立すると言うのが裁判例である(5)。

要するに外国人医師が読影した時点でそれは正規の画像診断ではないし、放射線科専門医会の方では認めない意向である、一方で厚労省側としては正規の画像診断でないという点は同じ見解ながら、日本人の医師がそれを参考意見として用いるのは法的には許されるということになりますが、そうなると当然の話として出てくるのが外国人による読影では画像診断加算の施設要件を満たさないのでは?という疑問です。
現在は診療報酬に放射線科医に読影させれば余計な料金をいただけるという加算が組み込まれているわけですが、外国人医師による読影は正規の読影ではないという扱いになるのであれば、そうした外注を行っている読影サービスに依頼した場合に画像診断加算を算定出来るのかどうかという疑問があるわけですね。
実のところひと頃この加算の算定があちらでもこちらでも行われた結果、厚労省の方では「加算の趣旨を徹底し、また加算の厖大化を防ぐ意味から最近これをあらため厳密にするよう社会保険事務所に指示」している(放射線科専門医会HP)という現実がありますが、試みに同医会のサイトから加算の基準を引用してみるとこんなことになっています。

画像診断管理加算1、2;専ら画像診断に担当する医師(専ら画像診断を担当した10年以上の経験を有する医師に限る)が読影結果を文書により主治医に報告した場合、月の最初の読影の日に算定する。

遠隔診断施設基準;
1)送信側においては、画像の撮影ならびに送受信をおこなう十分な装置・機器を有していること。

2)受信側においては以下の基準を全てみたすこと

 ア;画像診断管理加算1、または画像診断管理加算2の施設基準を充たしていること。
 イ;特定機能病院、特定承認保険医療機関、臨床研修指定病院、へき地医療拠点病院、へき地中核病院またはへき地医療支援病院であること

施設基準1:
1)放射線科を標榜している医療機関であること

2)画像診断を専ら担当する常勤の医師(専ら画像診断を担当した経験を10年以上有する者または別表の左欄に掲げる診療報酬点数などに係る療費について、同表右欄に掲げる研修体制及び審査制度を設けている団体が行う医師の認定を受けた当該療費に係る医師(以下「専門医」という)1名以上いること。なお、画像診断を専ら担当する医師とは、勤務時間の大部分において画像情報の読影に携わっているものをいい、他の診療などを行っている場合はこれに該当しない。

3)画像診断管理を行う十分な体制が整備されていること

素直に受け取れば加算をとるには医師(当然ながら医師法に言うところの「医師」です)が少なくとも一人は関わっていなければならないということになりそうですが、一方で実際に読影する全スタッフが「医師」でなければならないと言うわけでもないとも受け取れる文章ではありますよね。
半ば裏技的に考えるならば読影サービスを提供する側に一人だけでも名目的な日本人医師がいれば、中国へ下請けという形で読影を依頼しても遠隔診断施設基準を満たすことは可能という話になりますが、ただでさえ加算の切り詰めにうるさい厚労省や社会保険事務所といったあたりがどこまで認めてくれるかは、今後の成り行きを見ないことには何とも言えないという気がします。
インターベンションなどを手がけている実戦派は別として、とかく読影専門の放射線科医と言えばメジャー診療科からはお気楽商売と考えられがちでもありますけれども、こうして真っ先に外国人医師参入の影響を受ける立場となってきますと仕事が楽になると喜ぶべきなのか、強力な商売敵が増えると恐れおののくべきなのか、降って湧いたように意外な波風が立ちそうな話ではありそうですね。

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2010年4月 7日 (水)

相変わらず日々の問題山積なマスコミ業界 その背後に見え隠れする暗部

何ということはなくニュースを眺めていて、思わず笑ってしまったのがこちらの記事です。

ヨナと真央は友達?日テレが映像を捏造 韓国は「一体何のため?」(2010年4月6日サーチナ)

 4日、日本テレビ「NEWS ZERO」の番組内で記者会見を捏造(ねつぞう)していたとしてアナウンサーが謝罪した。

  問題となったインタビュー映像は、トリノで開かれた世界選手権のメダルセレモニーで安藤美姫選手、浅田真央選手、金妍兒(キム・ヨナ)選手の3人が一緒にインタビューを受けている映像だ。NEWS ZEROで放送されたインタビュー映像では、地元記者からの「3人は友達ですか?」との質問の直後に、浅田選手がはっきりと「はい」と答えているように見えるが、この「はい」という浅田選手の答えは、他の質問への答えを編集したものであった。

  実際には、「3人は友達か?」という質問が寄せられると、3人は急な質問に驚いた様子を見せる。続けて、多少の間があった後にキム・ヨナ選手、浅田真央選手は笑顔でうなずき、マイクを持っていた安藤美姫選手が「はい」と答えたのだった。

  韓国メディアは、この日本テレビの捏造と謝罪を取り上げ、「日本テレビは一体、何のためにこのような映像の意図的編集をしたのだろうか?」と疑問を投げかけている。(編集担当:朴プル)

こんなどうでもいい話にまで捏造したがるってのはホント、一体何のためなんでしょうね(苦笑)。
最近ちょっと怠けてましてネタが溜まってしまっているものですから、そろそろここらで放出しておかないとスッキリしないところではあるのですけれども、どうでもいいともいい切れない捏造ネタの一つとして先日はこんなものがありました。
まずはこちらスポニチの一見よくありそうな記事から見ていただきましょう。

衝撃告白!ダル「一歩一歩、階段を」メジャー前向き(2010年3月29日スポニチ)より抜粋

 ジャパンのエースが衝撃告白だ。日本ハムのダルビッシュ有投手(23)が28日、将来的にメジャー挑戦する意思があることを初めて認めた。前日27日のロッテ戦(千葉マリン)の投球をヤンキーススカウトが視察に訪れるなど、米球界でもダルビッシュの動向は注目されている。そんな中での今回の発言。早ければ今オフにもポスティング・システム(入札制度)で米国移籍する可能性も浮上してくるだけに、日本最強右腕からますます目が離せなくなった。

 ダルビッシュが初めて本音を明かした。ロッテ戦前、前日の登板をヤンキース・紀田彰一日本駐在スカウトが視察したことについて「評価?それは他の人が見て決めることですから」とした。続けて将来的なメジャー移籍について問われると「まあ一歩一歩、階段を上っていくつもりです」と明言した。

 ダルビッシュは国内だけでなく北京五輪、WBCの国際舞台でも実力を発揮。メジャーからも高い評価を受けている。ただ、これまで米球界移籍が話題に上がっても前向きな発言は一度たりともなく、かたくなに否定してきた。球団関係者が「メジャーの素晴らしさ」を力説した際は「そんなに僕を追い出したいんですか?僕はファイターズが一番いいんです」と反論するなど生涯ハムを示唆したこともあった。それが、初めて自ら移籍の可能性を口にしたのだ。
(略)
 早ければ今オフにもポスティングを申請する可能性もある。いずれにせよ、ダルビッシュが世界最高峰のマウンドに立つのはそう遠い将来ではなくなった
(略)

ダルビッシュ父もメジャー移籍を容認(2010年3月30日スポニチ)より抜粋

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)の父・ファルサ氏(49)が29日、スポニチ本紙の取材に対し、メジャー移籍を容認する発言を行った。

 「彼がそう言っているのならばいいんじゃないですか。赤ちゃん(次男)も生まれたばかりだし、奥さんともよく相談してほしい」。ファルサ氏はそう語った。前日にダルビッシュが「一歩一歩階段を上がっていくつもり」と将来的にメジャー移籍する意思を明らかにしたことを受けての発言で、「周りは“今年中にも…”と話をするけれど、そんなすぐの話ではないと思う」と前置きしながらも、息子の挑戦に理解を示した。学生時代に米留学の経験もあるファルサ氏らしく、世界を舞台に活躍することに異論はない。
(略)

要するにスポニチがダルビッシュ選手からついにメジャー移籍を決意!という発言を引き出した、これを受けてお父さんに突撃し「まあ本人がそう言うのなら」とコメントととって、この通り父親も認めている!これは近い将来移籍は確実だ!という記事を出したという経過なんでしょうね。
恐らくスポニチに取材を受けるまでお父さんにしてもこんな話は聞いたことがなかったのでしょうが、いきなりこんな寝耳に水という話を第三者から突っ込まれればそれは驚いて息子に連絡も取るのは当然でしょう。
そこで3月30日付けの当のダルビッシュ選手のブログに唐突にこんなコメントが登場して、何も知らない人間が「なんじゃこりゃ?」と疑問に思うという事態に至ったというわけです。

某スポーツ紙(2010年3月30日ダルビッシュ選手ブログ記事)

一言言いたいんですが、

最近メジャーだのなんだのって某スポーツ紙が騒いでますが、非常に残念

大体「一歩一歩階段を登っていきます」ってのも技術の話でしてただけやし。(その記者もわかってる)
それをすり替えられ残念
です。

ただそれだけ。

残念。

当然ながら同選手ブログのコメント欄はいわゆる炎上状態で、通常の数倍のコメントがつくということになっていますけれども、「マスコミなんざ気にしなくていいですよ。あいつらはでたらめばかり書きますからね(笑)」だの「メディアなんかの情報はまともに受け入れられません!(ノ`Д´)ノ」だのと、逆に「マスコミ=捏造して当然」という認識がすっかり定着している状況を示す結果となったのは面白いですよね。
最近では当のマスコミもこういう世間の認識を気にしているということなのか、冒頭の記事にも見られるように何かとマスコミの真実(笑)を暴いて回るネット住民をすっかり敵視しているようなところがありますけれども、その手段としてまた捏造というのがいかにも彼ららしくていいと思いますね(苦笑)。

TBSのネットゲーム廃人特集で捏造疑惑浮上! カレンダーの日付がきっかけ?(2010年03月14日ガジェット通信)

TBSで3月13日の夕方に放送された『報道特集NEXT ネトゲ依存からの脱出』にて捏造疑惑が浮上した。その疑惑を生んだのは放送時に映っていた液晶時計の中のカレンダーの日付だ。液晶画面上には「22日火曜日」と映し出されており、さらに別の場所には紙のカレンダーも掛けられておりそちらは12月。22日火曜日といえば昨年の12月が当てはまることになる。このシーンは「1月に父親を亡くし、それをきっかけに仕事探しを始めた」という本人の言葉の後に、実際にパソコンを操作し、職を探している様子が12月のカレンダーと共に映されているのだが、まるで時間が戻ってしまっている。

これが撮影された日は12月22日火曜日。しかし番組内では1月に父親を亡くしたといっている。この矛盾はどう生まれたのだろうか? もしかしたら紙のカレンダーを2010年の物に取り替えるのが面倒だっただけだろうか? しかしそれでは液晶時計のデジタルカレンダーの説明が……。さらに編集部でこの番組を検証したところ、1月以降に職探しをはじめた、というカットで「即日~来年3月中旬までの短期!」という仕事の案内が映っていた。短期のアルバイトといえば2~3ヶ月といったところ。とすると「即日~来年3月」で短期ということは、これを見ている時期は年末ということになる。壁にかかった12月のカレンダーとも合致する。おそらくこの映像が撮影されたのが12月だというのは間違いないだろう。番組としては「1月に父親を亡くし、気丈に動き回る母を見て仕事を探さなければならないと思った」という文脈で映像を配置したのだろうが、その映像の時期が話の内容とあっていない

そんなTBSの捏造疑惑に『2 ちゃんねる』には以下の様な書き込みがされている。

<2ちゃんねるの書き込み>

チェックする奴いないのかと・・・・・
・こんな生活してるやつがカレンダーなんてめくるわけねえじゃん って思ったけど曜日と日付でアウアウア
・時計は電波時計っぽいな。カレンダーだけならめくってないだけと信じたけど時計はない
さすがヤラセのTBSさんだなw

と、いう反応を見せている。確かに年末12月のカレンダーは翌月が無いためそのままになってしまうケースがあるが、さすがに液晶時計のデジタル日付が間違っているということはそうそうないだろう。

こういったドキュメンタリーは長期にわたっての取材を行うことが多く、12月から2月まで取材を行っていたということも考えられる。今回発覚したシーンの矛盾にはすっきりしないものが残るがなにか理由があるのだろうか

理由といえば牛丼を見れば紅しょうがを添えたくなるようなもので、彼らに捕っては業務=捏造という感覚が強固なまでに定着しているということなんでしょうかね?
しかしこうしたマスコミ業界の捏造体質も長年それに染まってしまうと何も違和感を感じなくなるようで、最近ではあの怪しげな日本ユニセフなる団体の広報塔として活躍されているアグネスさんが、ソマリアに行ったとか行かないとかいった話題で世間を賑わせたことは周知の通りです。
当然ながら「どんな詐欺だよ!」と非難の声が上がっているのも理解できる話ですが、これに対して日本ユニセフからは言論弾圧とも取れるような話が出ているというのですから驚きますね。

アグネスの件で日本ユニセフが週刊新潮を脅し!? 記者がア然(2010年3月21日ガジェット通信)

タレントのアグネス・チャン(本名 陳美齡)さんは2010年2月、日本ユニセフ協会大使として治安が悪化し危険度最大レベルといわれているソマリアに行き、戦乱と貧困に苦しむ子どもたちを視察した。……と、日本ユニセフ協会は発表した。

しかし、実際はソマリアに行ったのではなく、比較的安全なソマリランド共和国に行っていたのが判明。ソマリランドは国として認められていないため、ソマリアの一部となっているものの、事実上の独立国家として認識されている。

アグネスは安全な地域に行って何をしてきたんだ!? と、インターネット上で大きく非難され、「単なる旅行か」とまで言われている。

この件に関して新潮社の『週刊新潮』が日本ユニセフ協会に問い合わせたところ、信じられない返答があったという。なんと、「なお、貴誌で本件をお取りあげになられた場合、記述の<事実誤認に基づく誹謗中傷>がネット上などで行われている現状も鑑み、その反響次第では、本信ならびに〇〇様(本誌記者のこと)のご質問の文面を当方ホームページなどで公開させていただく所存です。予めご了承ください」と返答されたというのだ。

その返答を読んで『週刊新潮』はア然としたのか「これって、脅し?」とポツリ。また、昨年に奥様と旅行でソマリランドに行った漫画家の やくみつる氏は、「ソマリランドは避難勧告は必要ない」と同誌でコメントしている。

記者と日本ユニセフ協会のやり取りは『週刊新潮 2010年3月25日号』(2010年3月17日発売)に、「アグネス・チャンが遺書を残してソマリランド快適旅行」と題して掲載されているので、興味があれば読んでみるといいだろう。

これだけでも十分香ばしい話ですけれども、実はこの日本ユニセフと言う団体、その役員名簿を開いてみれば主要マスコミのおエライ方々が勢ぞろいという素晴らしい団体というわけで、なるほどこれがジャーナリズムというものに対する彼ら大手マスコミの認識なのかと改めて驚く次第ですが、逆にこれくらいマスコミと仲良しでなければ何かと不都合も多いということなんでしょうかね?(笑)

日本ユニセフ協会 役員名簿

秋山 耿太郎 (株)朝日新聞社代表取締役社長
朝比奈 豊  (株)毎日新聞社代表取締役社長
石川 聰   (社)共同通信社社長
老川 祥一  (株)読売新聞東京本社代表取締役社長・編集主幹
住田 良能  (株)産業経済新聞社代表取締役社長
日枝 久   (株)フジテレビジョン代表取締役会長
福地 茂雄  日本放送協会会長

最近ではバラエティー番組なるものがあまりに俗悪すぎるとこれまた評判が悪いところですけれども、その俗悪番組を放送している当事者の方ではそんな認識はさらさらないようで、先日はこんな堂々たる「宣言」まで飛び出して自画自賛しているということです。

BPOのバラエティー意見書にフジが「回答」 「バラエティ宣言」(2010年3月1日iZa)

 NHKと民放で作る「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会が昨年11月、テレビのバラエティー番組への意見書をまとめたことに対し、フジテレビは1日、「私たちのフジテレビバラエティ宣言」を発表した。宣言のフレーズは「愛がなければテレビじゃない! 安心できなきゃテレビじゃない! やっぱり楽しくなければテレビじゃない!」で、港浩一バラエティ制作担当局長は「2番目の『安心』を入れたことが、今の時代の反映。やってきたことは正しいと思っているが、改めて『安心』と言葉にして、大事な比重として考えなければいけない」と趣旨を説明した。

 BPOの意見書では、バラエティー番組について、「既存の社会通念や秩序をおちょくり、権威や権力を笑いのめしてきた」などと評価する一方、「最近は粗雑なネタ、悪ふざけを寄せ集めて作ったバラエティーが目立つ」などとも指摘。実効的な指針の作成や、制作者と視聴者が語り合うシンポジウムの開催などを提案していた。

いやしかし「既存の社会通念や秩序をおちょくり、権威や権力を笑いのめしてきた」って、一体どこの世界のバラエティー番組を語っているのかと思うところで、やはりこのBPOという業界団体ではマスコミ業界の暗部に突っ込みを入れるなんて無理なんじゃないかと思うところですが、話はこんなレベルに留まりません。
最近では「既存の社会通念や秩序をおちょくり、権威や権力を笑いのめ」す素晴らしきバラエティー番組の数々によって、純真な子どもたちが悪影響を受けて困るという声も国民の間に根強いわけですけれども、そんな懸念に対する彼らの回答がこんな感じだと言うのですね。

民放側が本音の議論 バラエティー番組 BPO意見書巡り(2010年3月16日朝日新聞)より抜粋

 テレビのバラエティー番組のあり方を制作者らが議論するシンポジウムが11日、東京都内であった。放送倫理・番組向上機構(BPO)が番組づくりの見直しを求めたのに対する民放側の「回答」の一つだ。一般の視聴者らも交え、議論は3時間以上に及んだ。

 シンポジウムは日本民間放送連盟が「バラエティー向上委員会」と題して開いた。在京民放キー局5社のバラエティー番組の制作者が1社10人ずつ舞台に上がり、BPOの委員や客席の視聴者と意見を交わした。

 議論の出発点は昨年11月にBPOの放送倫理検証委員会がまとめた意見書だ。バラエティー番組に視聴者が不快感を抱いているとして問題点を指摘した。

 シンポジウムでは、制作者側が「現場介入」と身構えている様子が明らかになった。制作者計50人に意見書への評価を問うと「うっとうしい」が22人。BPOに苦情を寄せた視聴者に対しては「もっと勉強してほしい」が37人。「視聴者が正しくないというなら、ほかの世界で番組をつくれば、という話になる」とBPOの委員がたしなめる場面もあった。

 意見交換では現場の本音が相次いだ。「テレビで暴力を流すと(子どもが)暴力をふるうと言われても。そんなバカを育てた親が悪い」(TBS)。「クレームを過剰に考えすぎる必要はない」(テレビ東京)。

 後半は視聴率について討論。「視聴率を取るため、制作者らの首がどんどん締まっている」(フジテレビ)、「作品としての完成度を考えた時、視聴率が落ちてもそこを我慢するのが必要」(テレビ朝日)、「視聴率がなければ素晴らしい番組ができるか、と問うのは民放にとってナンセンス」(日本テレビ)などと意見が分かれた。

 無理に結論を出さないことが前提とはいえ、シンポジウムでは具体的な改善策は見えてこなかった。冗談半分に「私はまな板の上のコイ」とする制作者からは、本気で番組を見直そうとする意識は感じられなかった。「BPOは、どう変わってほしいと思っているのか」との視聴者の問いに、BPOの委員も明確に答えることはなかった。
(略)

いやまあ、確かにこれが彼らの「本音」ではあるのでしょうけれども、やはりこういう話を聞いてみてもBPOって一体…と思わざるを得ないところではありますよね(マスコミ諸社の方々に関しては、今更何を求めてもという部分が濃厚ですし)。
非常に面白いのは普段マスコミなどが一生懸命叩いて廻っている官僚などの側からも「マスコミは馬鹿。幾らでも簡単に操れる」なんて声が出ているということで、一体この方たちが何をどう考えて仕事をしているのかという「知性」の部分が一向に見えてこないのは気になります。
一方ではたまに知性を発揮してみせたと思えば、そこにあるのはむしろ「悪(意のある)知恵」とも呼ぶべきものであった、なんて話になってくれば、一体この人達は何をどうしようとしているのかと疑問に思わざるを得ない話が幾らでも転がっているのもこの業界ではありますが、どうもマスコミ当事者の声が聞こえてこないというのが彼らの持つ一種独特の不気味さにつながっているように思えます。

もちろん新聞を眺めれば社説だの主張だのと「お前が言うな!」オンパレードの御意見が載っている、テレビをつければ年収何億というキャスター氏がしたり顔で「我々一般国民は」なんて御高説を吹聴される、しかしそんなものは北朝鮮の政府広報と同じで、彼らの実態を知っている側からすれば「まともに受け入れられません」と言われて当然であるわけです。
そういう意味では時折ネット上に出没するような自称・業界人の声などなかなか生々しくて面白い話が多くて良いなと思うのですけれども、そういう声の主に限って自前の業界がどれほど腐っているかを当然のように語ってくれるわけですから、これは業界内部のまともな人々ほどよほどに士気低下しているのかとも推察されるところですよね。
どこの業界でも現場のスタッフの士気が低下してしまうと立て直すのも大変ですが、単に捏造だとかいった表面的なレベルの問題にとどまることなく、かの業界の暗部もずいぶんと深いのではないかなと思います。

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2010年4月 6日 (火)

足りなければどこかから引っ張ってくれば…色々とイイコトもあったり?

年度末から年度初めへと移り変わるこの時期、どこの世界でも色々と大変な話が多いと思いますけれども、大変な話も一歩引いたところから眺めてみるとこれが結構面白い話ともなってくるものです。
先日は仙谷国家戦略相の外国人医師受け入れ制度緩和発言がありましたが、昨今流行りの規制緩和の流れと一見絡んでいるようでいてよく見るとあれれ?と思ったのが少し前に出たこちらのニュースです。

外国人看護師、国家試験合格はわずか3人 日本語が壁(2010年03月28日AFP)

【3月28日 AFP】厚生労働省は26日、経済連携協定(EPA)のもとでインドネシアとフィリピンから受け入れた外国人看護師のうち3人が、日本の看護士国家試験に合格したと発表した。

 合格したのはインドネシア人2人とフィリピン人1人で、受け入れ事業が始まってから初の合格者となった。しかし残りの251人は不合格となった。全員が母国ですでに看護師の資格を持っているので、日本語が壁になったとみられる。同じ試験を受けた日本人受験者の合格率は約90%だった。

 高齢化が進むなか看護師不足を緩和するため、日本は2008年から両国から看護師を受け入れている。

 外国人看護師は日本国内で最長3年間、補助的な業務に就き、看護師国家試験の受験準備をすることが認められている。入国から3年以内に合格できなければ帰国しなければならない。

以前から人材不足が言われている(ただし、これも実のところ問題なしとしない話ではあるのですが…)看護師業界ですけれども、かねて期待の星と目されていたあの外国人看護師受け入れ制度もやってみれば予想通りだったというのがこちらのニュースですが、これも背後関係が色々と言われている話でもありますよね。
記事中ではあっさりと「入国から3年以内に合格できなければ帰国」なんて書いていますけれども、一昔前ならとんでもない差別的待遇だとか大騒ぎになっていそうな話がすんなり通っているのは、元々が外国人看護師を「受け入れない」ための制度であったからという事情があったわけですね。
そもそも制度が始まった時点であちこちが「いやうちもお願いします」と手を挙げてくるかと思いきや、実際には予想をはるかに下回る求人しかなかったといったあたりで「あれれ?」な話でしたけれども、制度の実態を見れば見るほどこの制度、現場の人材不足解消などが目的ではなく国際関係への配慮とその他の利権付加という、別口のメリットを期待してのものであることが見えてきます。

誰のためにもならない外国人看護師受け入れ制度(2010年03月09日リベラルタイム3月号 特集「医療」の貧困)

アジアから看護師を受け入れた後、厳しい条件を突きつけ、短期間で帰国に追い込む。背景には看護の現場を無視した官庁の利権争いが…

 二〇〇八年に始まったインドネシアからの看護師・介護士の受け入れが三年目を迎えた。過去二年間で来日した看護師らは、五百六十九人。〇九年には、フィリピンからも三百十人が受け入れられた。今年は、両国から最大で一千百九十人が来日する見込みだ。

受け入れ施設にはメリット少

 インドネシアとフィリピンからの看護師・介護士の受け入れは、日本が両国と個別に結んだ経済連携協定(EPA)に基づく措置だ。ベトナムやタイといった他のアジア諸国も看護師らの受け入れを日本に求めており、近い将来、受け入れ数が急激に拡大する可能性もある

 しかし、看護師らの受け入れは決して順調に進んでいない。インドネシアとフィリピンから当初の二年間で、一千人ずつの看護師・介護士が来日するはずだったが、実際の受け入れは六割程度に留まっている。外国人の採用に手を挙げる施設や病院が集まらないのだ。

 雇用情勢が悪化した現在も、看護や介護の現場では、人手不足は依然として深刻だ。外国人の助けを借りたい施設は少なくないが、いざ受け入れとなると二の足を踏んでしまう。施設側にとって、彼らを受け入れるメリットが乏しいからだ。

 まず、言葉の問題がある。日本語能力は、看護師らの来日条件に含まれない。これまで受け入れられた人材も、来日が決まるまで、全く日本語を学んだ経験のない者が過半数を占める。実際に仕事を始める前、半年間の日本語研修を受けるが、それだけでは即戦力として使える語学は身につかない。

 受け入れ施設としても、長期にわたって働ける人材であれば教育する意味もある。しかし、看護師は入国から三年以内、介護士は四年以内に日本語で国家試験を受け、不合格になれば強制帰国となる。試験は、外国人が仕事の合間に勉強して合格できるレベルではない。大半の看護師らが試験に落ち、短期間で帰国となることが見込まれる

 施設側の金銭的な負担も大きい。受け入れ前だけで、看護師らの斡旋手数料や日本語研修費等で一人当たり六十万円近い費用が必要だ。そして仕事を始めた後は、例え戦力にならなくても、日本人と同等以上の給料を支払わなければならない。これでは、受け入れに手を挙げる施設が少ないのも当然だろう。

厳しすぎる条件

 そもそもEPAによる看護師らの受け入れは、現場の人手不足とは全く無関係のところで決まった経緯がある。その決断を下したのは、郵政民営化で名を馳せたあの小泉純一郎元首相だ。

 小泉首相(当時)は〇六年、アロヨ・フィリピン大統領との間で、看護師らの受け入れを含むEPAに合意した。フィリピンは国民の十人に一人が海外で働く出稼ぎ国家である。かつて日本にも、ホステスとして働く女性を中心に、年十万人ものフィリピン人が来日していた。しかし〇五年、日本政府は彼女たちへの「興行ビザ」発給を実質的に止めた。するとフィリピン側は、ホステスに代わる出稼ぎの手段を確保しようと、欧米諸国等へ送り出してきた実績のある看護師・介護士の受け入れを求めてきた。

 この要求に日本側も応じた。フィリピンへの産業廃棄物の持ち込み問題等、他のEPA案件を有利に進めたい思惑があったからだ。つまり、外国人看護師たちの受け入れは『ホステス』の代わりに、『ゴミ』の持ち込みとバーターで決まった訳である。

 〇七年には、小泉政権を引き継いだ安倍晋三政権が、インドネシアとの間で看護師らの受け入れに合意。こうして、なし崩し的に決まっていく看護師らの受け入れに対し、慌てたのが、外国人労働者の導入に消極的な厚生労働省である。次善の策として、外国人の就労が、長期化しないよう足かせを設けた。それが「国家試験合格」という極めて厳しい条件なのである。ちなみに、EPAで来日する外国人看護師たちは皆、母国では看護師の有資格者だ。介護士が合格を求められる「介護福祉士」という資格は、日本人には取得が義務づけられていない。

官僚だけが得をしている

 一方で厚労省は、傘下の社団法人「国際厚生事業団」(JICWELS)を通じ、看護師らを施設に斡旋する権利も得る。施設側が看護師ら一人の斡旋につき、JICWELSに支払う手数料は、約十四万円。JICWELSにとっては大きな利権だ。

 外国人看護師らの受け入れには、多額の税金も投入されている。その額は、過去二年間で約四十三億円に上る。一人当たり五百万円近い金額だ。その大半は、看護師らが就労前に受ける日本語研修の予算である。日本語研修は、厚労省と並んでEPAに関わる経済産業省と外務省の天下り法人が担当する。こうして三つの官庁が、看護師らの受け入れ利権を山分けしているのだ。

 二〇一〇年度予算では、経産省の約二十億円に加え、厚労省が前年度の十倍以上の約九億円を要求している。国家試験に挑む看護師らの勉強をサポートするための予算だという。だが、「国家試験合格」という無茶な条件を定めたのは、他ならぬ厚労省である。そのハードルをクリアさせるために税金を求めるというのは、まさに・マッチポンプ・というしかない。しかも受け入れ施設の間では、「いくらカネを使っても国家試験の合格は無理」という声が大勢を占める。つまり、短期間で帰国して行く人材に対し、さらに税金が無駄に遣われようとしているのだ。

 現状の受け入れスキームは、新たな利権を得た官僚機構を除けば、誰のためにもなっていない。看護・介護の現場には、外国人労働者は必要なのかどうか ──。肝心の議論を避けたまま、税金の無駄遣いが続いている。

外国人スタッフ受け入れの是非という問題はまた置くとしても、やはりそもそもの経緯で人材を「受け入れない」ことを目的として制度設計されている、そしてそこには例によって天下り法人が絡んできては分け前をさらっていくという話になれば、どちらの国側の人間であれ真面目に看護を考えている人間こそいい面の皮と言う話ではありますよね。
この辺りで似たような話はいくらでもあって、例えば昨今なにかと話題の特定看護師制度などを見ても、制度自体の是非や必要性の議論もさることながら、さりげな~く「第三者機関の設立」云々という話が紛れ込んでいるのは指摘されているところですよね。

厚労省、特定看護師制度試行へ 医師の指示で傷口縫合も(2010年3月20日47ニュース)

 医療の質向上と医師の負担軽減に向けたチーム医療の推進について協議する厚生労働省の検討会は19日、専門的な臨床実践能力を持つ看護師が、医師の指示の下で傷口縫合などの医療行為を限定的に行う「特定看護師制度」導入を柱とする提言をまとめた。

 同省は2010年度以降、モデル事業を開始。実態調査を行い、業務内容の範囲や法制化の是非についても検討する。

 日本看護協会は、高水準の看護ケアを提供する看護師を「専門看護師」として認定する制度を実施しているが、特定看護師制度は、医療行為まで担う新たな試み。同協会の坂本すが副会長は「試行、法制化などの段階を踏まえた上で、医学的根拠に基づいて看護師の裁量範囲が広がることに期待している」と述べた。

 検討会は、特定看護師の要件として(1)一定期間の実務経験(2)養成を目的として第三者機関が認定した大学院修士課程を修了-などを満たす必要があると指摘。

 医師の指示に従い、胸の単純エックス線撮影の実施時期の判断、人工呼吸器装着時の気管内挿管など特定の医療行為を実施するが、業務の範囲については「専門的、実証的な調査を行った上で決定する必要がある」としている。

この辺りの話、もちろん制度そのものが実効性を発揮して機能し現場を改善してくれる限りにおいてはおこぼれに集る寄生虫の出現もまだ許せますけれども、現行案の特定看護師制度なるもの自体がまともな臨床現場にいる多忙な看護師にとってはあり得ないような要件を要求しているわけですから、暇を持て余した大学茄子の箔付けが目的ででもなければまたぞろ利権の方が主目的かと勘ぐられても仕方がないところでしょう。
その点から言えば先日は長妻厚労相の口から仙石氏の外国人医師受け入れ発言について「課題の一つだが、具体的にどういう場面で必要性が出るかなど論点整理が必要だ」なんて消極的なコメントが出たと言いますけれども、昨今厚生官僚との関係修復が行き過ぎて?既に単なる拡声器か?なんてことも噂される長妻氏の発言だけに、それを言わせている主体の意図が気になるところですね。
これで唐突に「それでは外国人医師の適性をきちんと検証するために第三者機関で審査しましょう」なんて話が出てきた挙句に、関係各位が急に手のひらを返したように賛成に回るなんてことが起こってくるようなら、それはそれで分り易すぎて笑える話だとは思うのですけれども…

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2010年4月 5日 (月)

日医冬の時代にあって、多難にすぎる新会長の船出

まずはおいおいと思うようなニュースから紹介してみましょう。

東京・文京区の日本医師会に届けられた鉢植えの花から突然発火 けが人なし(2010年4月3日FNN)

東京・文京区の日本医師会に届けられた鉢植えの花から突然発火した。
2日午後、日本医師会に鉢植えの花が届けられ、男性職員が包みを解こうとしたところ、突然、花から火が出た。
火は、床を数十cm焦がして、すぐに消し止められた。
職員にけがはなかった。
発火装置などは確認できておらず、警視庁は、火が出た原因を調べるとともに、脅迫の可能性もあるとみて捜査している。

いやあ、日医もその存在価値を問われる時代にあってようやくテロの標的とも目されるようになったかとも思うような話ですけれども、これはしかしどんな人間が何を意図してやっていることなのか判りにくい話ですね。
ちなみに先の会長選では民主党支持を主張する原中氏が当選したことは先日の記事でも紹介した通りですけれども、面白いのはこれを補佐するべき副会長は三人とも非(反?)原中派、一方で理事全体としては両派混在で予断を許さない情勢ということですから、さすがに三氏入り乱れての激闘の余波は今後も続きそうだと見るべきなのでしょうか。
いずれにしても確実に言えるのは新会長が強権を発動して日医の行く末を好き放題にという状況には程遠いらしいということでしょうが、実際に会長候補者各氏とも自派が推薦する副会長候補を慣例に逆らって落選後も辞退させないと主張した結果が会長と副会長とのねじれを産んだことからも判るように、なかなか興味深い選挙戦にはなったようですね。
そんな激戦を経て勝利した原中氏ですが、一夜明けてこんな所信表明を行っているようです。

「会員の声聞く医師会に」原中新会長が所信表明(2010年4月2日CBニュース)

 4月1日の会長選で初当選した日本医師会の原中勝征会長は2日、日医の定例代議員会での所信表明演説で、「今までわたしたちは、決定されたことへの反論しかできなかったが、これではいつまでたってもわたしたちの意見は反映されない」と述べ、今後は国の施策が固まり切らない段階で日医の意見を反映させる方針を示した。原中氏はまた、「日医は一般会員の声が確かに届かなくなっている。今後は会員一人ひとりで構成されているという原点に戻り、会員の声を大切に聞く医師会にしないといけない」とも語った。

 所信表明演説で原中氏は、日医の役割について「県や郡市区医師会によるすべての動きを勘案し、現実に先生方の医療活動を保障できる団体にならなければいけない」などと強調。その上で、こうした仕組みを実現するため、日医として政府との交渉などを担う方針を示した。

 代議員会では、医師による医療行為の一部を担う「特定看護師」の法制化に関する質問があり、原中氏は「アメリカナイズされた医療を日本に持ち込もうとする勢力がある。民主党の担当議員、厚生労働省の担当者と大至急話し合い、阻止したい」と答えた。
 羽生田俊副会長は、現行の保健師助産師看護師法の枠内でどのような医療行為を行えるのかを、まずは整理すべきだとの考えを示した。

 原中氏はまた、「保険料の事業者による負担は世界で一番低い」と述べ、医療費の財源を確保するため、事業者負担の見直しを国民にアピールする考えを表明。2年後の診療報酬改定で医療費を引き上げるよう提言する方針も示した。

「今までわたしたちは、決定されたことへの反論しかできなかった」とは、とかく独自のビジョン提示に迫力の欠けるところのある日医の従来像を考えても納得出来る話ではありますけれども、「会員の声を大切に聞く医師会に」云々の発言は、県医師会会長時代に言及していたように、今や全体の半数を占める勤務医会員の声を反映させる意向だと考えていいのかどうかですよね。
そこで改めて注目されるのが日医と言う組織は今までこの種の業界圧力団体としては例外的と言ってもいいくらいに(苦笑)会員の利益ではなく国民の利益を訴える政策を主張してきたという経緯があるわけですが、現実問題として病院に押し寄せる患者と疲弊する勤務医という対立構図が強調される時代にあって、「先生方の医療活動を保障できる団体」に言うところの「先生方」が誰を意味するのかです。

要するに健全な医療活動を阻害している最大要因が他ならぬ患者にあるのだとしたら、日医として今まで患者に向けてきた良い顔を捨ててでも対決姿勢を取る覚悟があるのかということですが、それくらいの腹をくくってもらわないともはや収まらないくらいに現場で疲弊する医師達の鬱憤はたまってきているということです。
このあたりは一口に医師と言っても立場によって異なるところで、日医が長年その代弁者たるを任じていた開業医などではまずは患者に来てもらわなければ商売にならないわけですから、顧客たる患者=国民にケンカを売るような話などあり得ないということになる一方、薄給激務を強いられる末端勤務医は患者の不要不急な受診抑制を求めるといった塩梅で、そんな医師間の立場の違いの中でこのところの医療行政は後者のロジック優先で動いてきたという経緯があるわけですよね。
元々原中氏と言えば親民主党路線とは言っても医療行政を主導する足立政務官ら勤務医優先派とはむしろ敵対的な開業医中心主義者と言われ、先の発言も前段の「地区医師会による全ての動きを勘案し」云々の発言を考えてもこれは開業医を念頭に置いた発言かとも捉えられますが、今後も開業医の利権団体という世評通りの活動を展開してくるということであればますます日医の凋落にも拍車が掛かりそうな話ですよね。

さて、日医の凋落と言えば親民主路線の会長誕生で小沢氏も選挙協力に大いに期待していると噂される中、昨年来すっかり日医系委員が排除されてしまった中医協への返り咲きがなるかどうかといった辺りにも注目が集まってきます。
原中氏のお膝元である茨城県医師会の鈴木氏がいるから実質問題ないではないかという意見もあるかも知れませんが、同じ新顔の診療側委員の中でも声の大きい方々(笑)の影に隠れて鈴木氏が今ひとつ存在感を発揮出来ていないという印象もある中、いったん排除された日医の代弁者という地位を政権側が用意してくるのかどうか、参院選への協力問題とも絡めて新会長の政治手腕が問われるところでしょう。
それもさることながら日医の支持母体とも言うべき開業医の先生方が、この四月からの診療報酬改訂で振り回されている真っ最中であるという事情は先日も少しばかり紹介しましたが、このあたりに関連して中医協では患者側代表と言うことになっているあのお方の存在感がますます増しているように見えます。

診療報酬改定 全患者に明細書発行(2010年4月1日日テレニュース24)

 国が病院での治療行為の値段を定めた診療報酬が1日から改定され、救急や産科などに重点配分される。
 また、薬や検査の内容と値段がわかる明細書がすべての患者に発行されることになった。
 医療費への関心を高めるほか、薬による被害がわかった場合、患者側から治療で使用した薬や処方された薬の内容を証明できるようにするのが狙い

いやあ、あの件に関してはその意図を色々と言われていましたけれども、結局は「薬による被害がわかった場合、患者側から治療で使用した薬や処方された薬の内容を証明できるようにするのが狙い」ってことでFAだったということなんじゃないですか(笑)。
これに関してはあのお方の年来の持論ですし、そもそもの目的など誰が見ても明らかという話ではありましたけれども、以前にも紹介した「たった数日間の逆転劇」を演出した中医協の診療側委員の皆さんだけが実は何一つ理解していなかったという可能性もありますかね(苦笑)。

それはともかく、かの御仁もすっかり笑いが止まらないということなのでしょうか、今や「部屋を散らかしている」方々に遠慮する必要もないらしく好き放題「裏事情」を開陳してくださっているようですね。
「明細書の発行は、オセロゲームの角の駒をひっくり返したようなものだ」とはなかなかの歴史的名言というべきセリフですけれども、ネット上ではもはや憤慨するというよりも呆れ果てている、あるいはあきらめの境地に達しているという声のほうが多いようで、せめてリアルに来院する患者さんには患者代表氏よりはもう少しまともであって欲しいと言う切実なる望みが漏れ聞こえてきます。

787 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 18:15:12 ID:L0JujhqC0

>>781
いい患者さん(つまり普通の常識人)なら
自院他院関係なく薬剤の副作用を疑ったら
以前から救済制度を紹介して書類を書いてあげてるけどなあ。

難病とかと同じで医療機関の義務でなく患者側の権利だけど、
こういう所に医師患者の信頼関係って出るよね。
けんか腰の人ってそういうの分からないのかなあ。

329 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 10:32:22 ID:h3msKGX80

>>308
地域医療貢献加算は明細領収書とセットになると、破壊力抜群じゃないかな。

目新しい項目だし、 政府の、いかにも”改革やってます”というポーズにぴったりだから、
マスゴミや週刊誌が
 「賢い患者のための領収書読解術 ー あなたはとられすぎていないか?
なんて企画を組むだろうし、その中で 

地域医療貢献加算が付いてたら24時間いつでも電話相談OKのしるし
ちゃんと金払ってんだから、利用しなきゃダメよ! 奥さん。」なんて言われた日にはもう・・・

まあ、「 加算とってるくせに、こないだ午前2時に電話したときつながらなかった。 」 なんて
基地外が暴れ込んで来ないことを祈るわ。 > 算定してる先生。

330 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/01(木) 10:44:00 ID:36rVYw8E0

>>329
>「ちゃんと金払ってんだから、利用しなきゃダメよ! 奥さん。」

蓑紋田が言いそうw

343 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/01(木) 13:23:55 ID:rt5g6dsz0

yahoo智恵袋より
私はパニック障害や不安障害で発作的に体調不良になることがしばしばです
しかし今まで夜中に発作がおこっても、対応してくれる医院がなく困っていました
今年の4月から、かかりつけのお医者さんに24時間対応してもらえる制度ができる
とききましたが本当でしょうか

ベストアンサーに選ばれた回答
本当です。地域医療貢献加算制度といって、この制度を申請している医院の患者さん
なら、月に10円の自己負担で担当医は24時間の電話対応が義務化されます。ただ、こ
の制度の申請をしていない医院も存在します。
まず、医院を受診される場合、「地域医療貢献加算医院か」と、事務にお尋ねになり、
そうであれば、24時間担当医に電話して問題ありません。
もし医院が電話対応できないときは、それは保険の不正請求ですので、しかるべき告発
の手続きをおとりください。

質問者より
ありがとうございました。月10円で24時間オンコールできるなんて、医療制度も充実し
ましたね。早速活用したいと思います。

347 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 14:34:46 ID:8PxJW9X00

明細書希望率が民度の新しい指標になったのか?

かの御仁の主張内容の是非はともかくとしても、一介の民間人が医療行政にこうまでの影響力を発揮しているという事実に思いを馳せる時、その道のプロフェッショナル数多を擁し知性にも暇にも不自由はしていないだろう日医のエライ人々は一体何をやってきたのかという素朴な疑問は誰しも抱くところではないでしょうか?
いずれにしても日医を取り巻く環境が厳しい中での船出となるだけに、新会長は日医の主張が現場の医師たちの声を代弁しているのでもなければ、日医の意志が末端会員の総意というわけでも何でもないという現状をまず正しく理解していくことが求められるのではないかと思いますし、そうした現状に基づいて新会長のこれからの動きを見ていくべきではないかなという気がします。
わずかな人数で構成される中医協の議論ですらすっかり主導権を握られている状況で日医の声が国民に届くなどよほど厳しいことですし、まして世間的に今最も注目されている末端勤務医はおろか会員からも必ずしも支持を得ているとも言えない中で日医のトップがどう存在感を発揮していくのか、今後の活躍が色々な意味で楽しみになってくる今回の会長選の結果ではありました。

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2010年4月 4日 (日)

今日のぐり:「かつ将」

先日4月1日はエイプリールフールということで、国内外で色々なネタが炸裂していたようですね。
しかしやはりこの方面での強烈さと言えばブリにトドメをさすようで、いささか暴走気味かと見えるほどに強烈なネタが噴出しているようですが、そのあたりがやはり国民性ということなんでしょうか。

今年もすごいぞ! エイプリルフールネタ合戦、円谷プロから2ちゃんまで(2010年4月1日iZa)

 今年も来たぞ、エイプリルフールが! ネットにネタがあふれる4月1日。円谷プロダクションのサイトやニコニコ動画、2ちゃんねるなどネットの各所で、さまざまなネタが披露されている。

 毎年凝ったネタで注目を集める円谷プロは、Twitter風「円谷ッター」(ツブッター)を投入。ウルトラヒーローたちのタイムラインが読める。Twitterに「出張中」で、各ヒーローのアカウントは Twitterにも。カネゴンによる2ちゃんねるまとめサイト風ページも健在だ。

記事本文の続き ニコニコ動画はトップページが白黒になっており、「4月1日、祝黒字化」と書かれている。うん、確かに、「黒字」化している……。2ちゃんねるはニュース速報板で、書き込まれたテキストが赤と青の2重像となっており(Firefox 3で確認)、赤青の3Dメガネをかけると飛び出して見える仕様になっているようだ。ヤフーも「3D版Yahoo!JAPAN」として、トップページを立体的にデザインしたサイトをオープンした。

 さくらインターネットは、トップページをアニメ「とある科学の超電磁砲」<レールガン>がジャック。「とある会社の四月馬鹿」として、各サービスをキャラクターが紹介している

 Google日本法人は、リアルタイム検索結果に自動的にしりとりが続く「しりとり機能」を投入。「主にしりとり目的で検索されたであろうと思われる単語に対して、しりとり機能が有効になる」という。このほかにも、“何かが違う”サイズ・形の日本語入力キーボードなど、複数のネタを投入している。

女王が格安航空利用?英紙がうそ記事のオンパレード(2010年4月2日産経新聞)

【ロンドン=木村正人】エープリルフールの1日、英各紙は毎年恒例の「ウソのニュース」を掲載した。

 大衆紙デーリー・ミラーは、エリザベス女王が英格安航空イージージェットに搭乗しようとしている写真を載せ、「予算に窮した女王が春の休暇にイージージェットでお出かけ?」と笑わせた。大衆紙サンは「弊紙は味のする印刷技術を開発したので、一度ここをなめてみて」と呼びかけた。試しになめてみたが、味はまったくしなかった。

[写真まで]格安航空機に搭乗するエリザベス女王?

 大衆紙デーリー・メールは、人気スパイ・シリーズ007ばりのロケット装置を背負った自動車整備士が、依頼者の要請に応えて故障車の修理のため文字通り飛んでいくサービスを、英自動車協会が始めたと報じた。高級紙デーリー・テレグラフも負けじと、英ケーブルテレビ会社ヴァージン・メディアが地下のブロードバンド・ケーブルの破損個所を調べるため、ウサギやネズミを穴から追い出すのに使われるケナガイタチを飼育していると伝えた。

 高級紙ガーディアンも、与党・労働党が総選挙に向け、一時パワーハラスメント(職場内いじめ)疑惑が持ち上がったブラウン首相の「非情さ」を武器にする戦術だと報道。不機嫌な同首相が「お高くとまった坊や(保守党のこと)は表へ出ろ」とつぶやく選挙ポスターまで掲載した。

 しかし、本当とは思いたくない本当の話もあった。それは、3歳の幼女が6頭のトラの上を綱渡りをしている最中、突風にあおられて観衆をひやりとさせたという中国の話だった。

空飛ぶ整備士、ケンカ売るブラウン首相・・・英国各紙のエープリルフール(2010年4月1日AFP)

【4月1日 AFP】エープリルフールの1日、英国各紙では、空飛ぶ自動車整備士、味のする紙面、首相を悪党に見立てた選挙ポスターなど、毎年恒例の「ウソのニュース」が紙面をにぎわせた。

 大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)は、故障車の緊急修理などのロードサービスを提供する英自動車協会(Automobile Association、AA)が、ジェット装置を背負った整備士が渋滞の上空を飛行して救援依頼者の元へ急行する「ロケットマン」サービスを新たに開始したと報道した。見出しはAAをもじって「Airborne Association(空挺部隊協会)」となっている。

 大衆紙サン(Sun)は、世界で初めて「味のする紙面」の開発に成功したと報じた。紙面には「ここをなめてください」と説明書きの付いた四角い図形を掲載し、「われわれの紙面を試し、どんな味がするか想像してください」と読者を誘っている。

 手の込んだ「ウソ」を報じたのは高級紙ガーディアン(Guardian)だ。5月実施が有力視される総選挙向けのポスターで、与党労働党(Labour Party)がゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相の「凶悪性」をテーマにする予定だとして、2種類のポスター案を「スクープ」した。

 ポスターは、怒鳴り顔の首相の写真の横に「表へ出な、気取り屋さんよ」とのせりふが記された1枚と、にやりと笑う首相が「年金から何十億もせしめてやった。文句あるか?」としゃべっている1枚。同紙は、「ブラウン陣営は、政治に無関心になりつつある有権者の関心を喚起するためには、出血や骨折をともなう殴り合いのケンカが選挙活動中にぼっ発することが望ましいとする消費者グループの意見を採り入れたようだ」と伝えている。

しかし世界を見渡してみれば、エイプリールフールならずともネタですか?としか言えないような話が幾らでも転がっているものです。
たとえば地下ケーブルを調べるイタチこそいませんけれども、同じブリではこういう試みを実際に行っているということなのですね。

英、タデ食う虫を日本から輸入 天然除草剤として利用(2010年3月9日産経新聞)

 19世紀に観賞用として日本から持ち込まれ、英全土に広がって在来植物を駆逐しているタデ科の植物イタドリの駆除のため、日本からこれを枯らす虫を輸入し放つことが9日決まった。英環境・食料・農村省が明らかにした。同省によると、外国の虫を天然の除草剤として使うのは欧州で初めて。

 イタドリは日本など東アジア原産の多年草で高さ約1メートルに成長する。アスファルトを突き破って成長するため、英国全体で駆除や道路補修などに年1億5千万ポンド(約200億円)かかっている。

 輸入するのは、世界文化生物大図鑑(世界文化社)によるとカメムシ目キジラミ科のイタドリマダラキジラミで体長約2ミリ。専門家ディック・ショー氏らは、日本では、英国にいないこの虫などがイタドリの汁を吸って枯らすため被害が少ない点に着目した。(共同)

いやしかし、このあたりの外来生物移入ネタで好ましからざる結果となった事例が「陛下も心を痛めてるッ!」アレを始めとして枚挙にいとまがないでしょうに、果たして大丈夫なのかと思わずにはいられないところですけれどもね。
一昔前には(今も?)浮世のトラブルの成れの果てでフィリピンの片田舎でズドン!なんて話が結構噂に出ていましたけれども、何やら現地ではすごいことになっているのかと思わされるニュースがこちらです。

命がけで歌え フィリピンで多発する「マイ・ウェイ」殺人(2010年2月8日産経新聞)

 8日付の国際紙、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは、フィリピン国内で、フランク・シナトラが歌って世界的に有名になったマイ・ウェイをカラオケで熱唱したのに伴ういさかいから殺人事件が多発している、と報じた。こうした事件は「マイ・ウェイ殺人」と呼ばれるまでになっており、このため、多くのカラオケ店がマイ・ウェイを選曲リストから外すようにしているという。

 フィリピン国内発の同紙報道によると、マイ・ウェイを調子っぱずれで歌った客を他の客たちが野次ったり茶化したりして、銃撃などに発展するというのが事件のパターンだという。

 同紙は、この歌をめぐる事件が断トツに多い理由について、マイ・ウェイはフィリピンでは、誰でも知っていて一家言を持っている曲だから、という現地関係者の見方を伝えている。

 マイ・ウェイは、シンガー・ソング・ライターのポール・アンカが、実力と度胸でのし上がってきたシナトラの生きざまを念頭に作詞したといわれている。

 同紙は、「オレ流でやった」といったその歌詞が、歌う側を誇らしくすると同時に傲慢にもする結果、トラブルが起きやすくなるとの分析も紹介している。

 フィリピンは、9000万(同国の人口)総芸能人ともいえるほど平均的に音感、リズム感が良く、カラオケ好きの人が多い。米植民地だったせいもあり、カラオケ曲の中でも米国の音楽が好まれるお国柄だ。問題は、銃が半ば野放しになっていて、口論がヒートアップした場合、殴り合いでは済まなくなることだ。

いやまあ、ヒートアップするのはよろしいんですけれども、妙なところでまでアメリカナイズされることもあるまいにと思うのですけれどもね…
バラエティーで「押すなよ!絶対押すなよ!」と言われればすなわち押せの意味だとは言われているところですけれども、いくら寒い国でもこれは勘弁と一頃話題になったのがこちらのニュースです。

サウナの後にプールに飛び込んだ男性2名、プールが沸点近くまで加熱されていたため煮え死ぬ/ロシア(2010年03月05日デジタルマガジン)

 ロシア中東部、キーロフ市のサウナで男性2名が死んでいるのが発見された。彼らは煮えたぎるプールに飛び込んだことにより煮え死んだのだという。

 事件があったのは2月18日。死亡した男性らはサウナで火照った体を冷やそうと、備え付けのプールに飛び込んだ――当然、プールの水は冷たいだろうと思って。

 しかし、プールはなぜか冷水ではなく沸点近くまで加熱されてしまっており、ほかの客の必死の救助も虚しく、彼らはそのままプールの中で煮えて死んでしまった。

 当局の事故調査の結果、プールが加熱されていたのは犠牲者の男性のうちどちらかがプールの温度調整を誤ったことが原因だと発表された。100℃近い熱湯に飛び込む、想像したくないものである。

おそロシア…と言うしかない話ですけれども、仮に冷水だったとしてもサウナ後にいきなり水に飛び込むというのは明らかに危険な行為ですから止めていただかなければならないでしょうね。
怖い話ばかりでもどうかということで、同じロシアからもう少し愉快な話題を拾ってみましょう。

ロシア国民驚愕、首相と大統領が歌って踊る新春アニメ(2010年01月02日AFP)

【1月2日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領がアコーディオンを弾きながらつま先立ちでくるりと回転し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が伝統舞踊を踊りながらお尻でタンバリンを叩く――このようなアニメーションが1日、ロシアの国営テレビで放映され、仏頂面の政治家に慣れた国民に衝撃を与えた。

 国営テレビ「第1チャンネル(Channel One)」は1日、メドベージェフ大統領の新春の挨拶を放映した直後、プーチン首相とメドベージェフ大統領に似たキャラクターが登場する2分半のアニメーションを放送した。これまで、ロシアでは指導者のテレビアニメを放映することは実質的にタブーとされてきた。

■2009年を歌で振り返る

 2人のキャラクターは、絵で描かれたモスクワ(Moscow)のクレムリン(Kremlin)を背景に、赤の広場(Red Square)でスーツを着込んで陽気なデュエットを披露。 2人にそっくりな物まね役者が声を担当し、2009年を振り返った。

 プーチン首相役のキャラクターは、プーチン首相が、ロシア北部の工業都市ピカリョボ(Pikalevo)で起きた抗議デモを収拾するためにピカリョボに乗り込み、ロシア・アルミニウム(Russian Aluminum)のオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)社長を怒鳴りつけた出来事を振り返り、「わたしはあらゆる対策を講じ、ピカリョボはまるく収まった♪」と歌った。

「いまや、デリパスカ(社長)が安全に訪問できるほど」と、メドベージェフ大統領役のキャラクターが、甘い歌声で合いの手を入れた。

 また汚職取り締まりについて、メドベージェフ大統領役のキャラクターが、「昔々、官僚たちはわいろで暮らしていたとさ」と歌い、プーチン首相役のキャラクターは威嚇するような声で「いまや、控えめなものだ。どこかよそで暮らすだろうさ」と刑務所暮らしをほのめかした。

「厳しいことさ♪」とメドベージェフ氏役が歌うと、「でも結果的には、公平だ」とプーチン氏役が続いた。

 最後に、メドベージェフ氏役とプーチン氏役は声をそろえ、「もっと歌っていたいけれど、公務を忘れることはできないのさ。みなさん、新年おめでとう!」と歌い上げた。

プーチン首相と言えばかの地では史上最も偉大な指導者に数えられるほどの人気を誇ると言いますけれども、こういう動画が出てくるというのも時代が変わったと言うことなのでしょうか。

今日のぐり:「かつ将」

福山市界隈では総合的に見て一番おすすめのトンカツ屋かなと個人的に思っている「かつ将」さんに、久しぶりにお邪魔してみました(いや、トンカツなんてものはハレの日のご馳走で、年に数回でもいただければもうそれだけで御の字で…)。
いかにもチェーン店らしい店構えなのに実はチェーン店でなかったり、ごく普通にうまいトンカツもさることながら競合他店よりちょっとだけグレードの高いサービス内容であったりと、何かとプラスアルファの「売り」が沢山あるというのがこの店の人気の秘密なんでしょうが、この日も食事時ということもあって行列待ちで結構待つことになったくらいの繁盛ぶりでした。
しかし前回にも少しばかり書きましたけれども、待合中にオペレーションを間近で見ているにつけ、あらためてここのマニュアルというものは誰が作っているのかと興味がわきますね。

店内を見回してもほとんどがこういうものが食べたい盛りの若い人達や普通の家族連れで、当然ながら特別高いメニューと言うものもないのですが、一応ここのトップグレードに相当するメニューとして黒豚ヒレカツ膳と同ロースカツ膳というものがあります。
前回ヒレカツの方を食べてみたので今回はロースの方を(ただし、やはり前回同様ヒレカツの方もつまんでみましたが)頼んでみたのですが、例によって日替わりの味噌汁か豚汁を、白飯か麦飯を選べるというスタイルは健在で、キャベツはもとよりご飯や汁もおかわり自由ですから、女性の方と同伴の男性にとってもありがたいシステムとなっています。
しかしここの味噌汁は毎回具材を工夫していて面白いなと思うのですが、そう思いつつ今回も豚汁を頼んでしまったのはどうしたものなんでしょうねえ…

ところでこの日のトンカツ、揚げ上がりの出来からするとベストの状態からやや一歩を譲るかなと言うところでしたが、それを抜きに評価しても前回も感じた通りこの黒豚系に関してはヒレカツの方を支持しますね。
個人的にはロースカツ派なんですが、この店の黒豚ロースに関してはロースらしい脂の味を楽しむには下位グレードの特選ロースカツなどの方がらしいですし、肉の味を楽しむなら豚らしからぬすっきりとした味わいを持つヒレカツの方がおすすめといった塩梅で、どうもロースカツとして積極的に選ぶというほどの魅力は感じません。
例によってヒレの方も少しつまんでみたのですが、この日に関しては美しいロゼというわけにはいかないものの豚らしからぬ軽やかな旨さは健在で、こういう大衆店としてはこのレベルの味が常時維持できるのであれば文句はないといったところではないでしょうか。
その他の部分の味に関しては概ね前回並みかという印象ですが、面白いのが食前にサーブされるグラスの冷茶(いわゆるお冷の相当品ですね)と料理と一緒についてくる湯のみの温茶とが違うというのはよくあることですけれども、こちらのように食後にサーブされるお茶まで全て種類を変えてあるというのはかなり珍しく、特にこの油ものの食後に少し濃いめに入れた緑茶という取り合わせはなかなかよく考えているかなと思いますね。

こういう満席でテンパってきた状況でもちゃんと個々の客席の状況を把握しているところからも判るように、ここのオペレーションマニュアルはよく出来ているなといつも感心するのですけれども、この日はちょっと困ったことが発生していたのをスタッフ一同完全にマニュアル対応で(ほとんどの顧客が気づかないままで)凌ぎきったあたり、かなり広範な事態への対応が盛り込まれていることが垣間見えて面白いなと思います。
強いて気になった点を上げれば今の時代に仕方がないのでしょうが、おしぼりが妙に塩素系っぽい消毒くささが強く感じられたことと、子供さんにサービスしてくれるおもちゃを見ていましたら、手裏剣なるフリスビー状に飛ばして遊ぶ玩具などは、当たり所によっては少し形状的に危ないことになりそうなことでしょうか。
繁盛店というと「こんな安月給でやってられない」とばかりに顧客対応が乱暴になる場合が多々あるものですが、こちらのお店の場合はきちんとしたマニュアル教育を徹底することで継続的なサービスの質を担保しているというあたり、限られたコストの中で接遇向上に意を注がざるを得ない職場も多いだろう今の時代にこそ興味深い事例でしょうね。

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2010年4月 3日 (土)

テロ船長起訴へ しかし火種はまだまだくすぶっているようで

全然本題とは関係ない話ですけれども、ちょうどケッサクなニュースが飛び込んできましたので紹介しておきます。

ソマリアの海賊ボートを米艦撃沈、5人拘束(2010年4月2日読売新聞)

【ワシントン=黒瀬悦成】米海軍専門紙ネイビー・タイムズによると、セーシェル沖のインド洋で1日未明、米海軍のフリゲート艦「ニコラス」がモーターボートに乗ったソマリア人の海賊から銃撃を受けた。

 同艦は応戦し、乗っていた海賊3人を拘束した後でボートを撃沈

 また、近くを航行していたボートの「母船」を拿捕(だほ)し、乗組員の仲間2人も拘束した。

 ニコラスは、76ミリ砲とバルカン・ファランクス対空機関砲各1門、魚雷発射管2本などを装備。

 交戦が起きた当時は真夜中であったため、海賊は標的に定めた船が重武装の米海軍艦艇であることに気付かず、襲撃に踏み切った可能性が高いとみられている。拘束された5人は米国へ連行され、裁判にかけられる見通し

さて、余談はそれとして先日逮捕されたあのお方ですけれども、いよいよ海保から検察に送検され、更に検察でもあっさりと起訴を決めたということで、もはや裁判を待つばかりという状況になってきました。
日本の司法システムの場合検察が起訴を決めたという時点でまず有罪は確実というくらいの確信があるということですから、これはいよいよ決まったかなと言う感じでしょうが、裁判所が量刑も含めてどのような判断を下すのか、そして万全の弁護体制を取ると言っているテロ組織がどういう行動に出るのかといったあたりが今後の注目でしょうか。

シー・シェパード:抗議船長を追送検…傷害容疑は否認(2010年4月1日毎日新聞)

 反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」メンバーが、南極海で日本の調査捕鯨船の監視船「第2昭南丸」に侵入したとして逮捕された事件で、海上保安庁は1日、SSの抗議船「アディ・ギル」号の船長だったニュージーランド人、ピーター・ベスーン容疑者(44)を傷害、威力業務妨害、銃刀法違反の容疑で東京地検に追送検した。海保関係者によると、ベスーン容疑者は「けがをさせるつもりはなかった」と傷害については否認しているという。

 追送検容疑は、2月11日午後11時ごろ(日本時間)、ベスーン容疑者が抗議行動用の小型ボートから第2昭南丸に向け、手製の発射器を使って酪酸入りのガラス瓶を複数回発射し、酪酸を飛散させるなどして妨害、甲板上にいた船員1人に全治1週間程度のけがをさせた。また、第2昭南丸に不法侵入する直前の同月15日午前7時半ごろ(同)、ナイフ(刃渡り19センチ)をブーツに隠して携帯したとしている。

 ベスーン容疑者はナイフを使って第2昭南丸の防護ネットを破って不法侵入したとして艦船侵入容疑で逮捕された。ネットを破るのに使ったナイフは「捨てた」と話していたが、実際は携帯しており、海保は器物損壊行為の証拠書類も送検した。

 海保は、第2昭南丸の船員が撮影していたビデオテープを解析。ベスーン容疑者の発射した瓶が壊れて飛沫(ひまつ)が船員にかかったとまでは断定できなかったが、乗組員への事情聴取でベスーン容疑者の行為と特定。甲板にいた3人のうち1人は、飛沫がかかるなどして全治1週間程度のけがをしたことから傷害罪に当たると判断した。

 東京地検は拘置満期の2日、ベスーン容疑者を艦船侵入と追送検された傷害などの罪で一括して起訴するとみられる。【石原聖】

SS元船長を傷害など5つの罪で起訴 東京地検(2010年4月2日産経新聞)

 環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」のメンバーが日本の調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」に不法侵入した事件で、東京地検は2日、SS抗議船「アディ・ギル号」の元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン容疑者(44)=ニュージーランド国籍=を、逮捕容疑となった艦船侵入のほか、傷害、威力業務妨害、銃刀法違反、器物損壊の罪で起訴した。

 関係者によると、ベスーン被告は「けがを負わせるつもりはなかった」と否認していたが、地検は、「狙って投げなれば当たらない」として傷害罪が成立すると判断した。同罪や威力業務妨害罪での立件にこぎつけたことで、SSが日本の調査捕鯨団に繰り返してきた一連の捕鯨妨害行為自体が公判で裁かれることになった

 ベスーン被告は2月11日、南極海で航行中の第2昭南丸に向かって酪酸入りのガラス瓶を発射、酪酸を飛び散らせて異臭を拡散させるなどして業務を妨害するとともに、甲板上にいた乗組員にけがを負わせた。同15日には、南極海で調査捕鯨活動中の第2昭南丸に水上バイクで接近、防護用ネットをナイフで切り、船内に不法に侵入。船内でブーツの中に刃渡り約20センチのナイフ1本を隠し持っていたとされる。

日本船侵入を他のSSメンバーが手助け 共犯の疑いで捜査(2010年3月23日iZa)

 環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」のメンバーが日本の調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」に違法侵入した事件で、SSの抗議船「アディ・ギル号」船長のピーター・ジェームス・ベスーン容疑者(44)=ニュージーランド国籍=の侵入を、他のSSメンバーが手助けしていたことが22日、捜査関係者の話で分かった。東京海上保安部は共犯の疑いがあるとみて、メンバーの特定を急いでいる。

 ベスーン容疑者は日本時間の今年2月15日午前9時ごろ、南極海で調査捕鯨活動中の第2昭南丸に別の抗議船から水上バイクで接近し、違法に船内に立ち入った艦船侵入容疑で逮捕されている。

 捜査関係者によると、ベスーン容疑者が第2昭南丸に近づいた際、SSのほかのメンバーが水上バイクに同乗。このメンバーは水上バイクを操縦するなどして、不安定な海上からベスーン容疑者が第2昭南丸に乗り込むのを手助けし、そのまま立ち去った

 このメンバーは、あらかじめベスーン容疑者とともに第2昭南丸への侵入を計画。ベスーン容疑者が水上バイクから第2昭南丸の甲板へロープを投げかけ、甲板に上るなどして侵入に成功するのを確認してから、逃亡したとみられる。

 手助けしたメンバーは特定されていないが、ベスーン容疑者の艦船侵入の意思を認識して一緒に第2昭南丸まで接近しているため、東京海上保安部では艦船侵入の共犯の疑いがあるとみて調べを進めている。

 SSメンバーの事情聴取は難しい情勢だが、東京海上保安部はベスーン容疑者の供述やこれまでに撮影された捕鯨妨害の映像、押収資料などから、メンバーの特定を急いでいる。

<シー・シェパード>日本側の対応批判 元船長起訴の方針に(2010年4月2日毎日新聞)

 【ジャカルタ佐藤賢二郎】東京地検が反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」メンバーで抗議船「アディ・ギル」号の元船長、ピーター・ベスーン容疑者(44)を起訴する方針を固めたことを受け、ポール・ワトソンSS代表は1日、毎日新聞の電話取材に応じた。

 同代表は「(日本の調査捕鯨船団監視船)第2昭南丸はアディ・ギル号に故意に衝突し、破壊した」とこれまでの主張を繰り返し、「裁かれるべきはベスーン船長ではなく、第2昭南丸の船長だ」と日本側の対応を厳しく批判した。

 また、SSの抗議活動が今後、法廷で裁かれる見通しとなったことについて、「日本の法廷が正当な判断を下すことを期待する」と語った。

「最後まで戦え」とSS・ベスーン容疑者の父(2010年3月23日iZa)

 日本の調査捕鯨船団の監視船への侵入容疑で逮捕された反捕鯨団体「シー・シェパード」メンバーで、捕鯨抗議船「アディ・ギル号」の元船長ピーター・ベスーン容疑者(44)の父親ドン・ベスーン氏は23日、共同通信の電話取材に応じ「息子には(日本の司法当局と)最後まで戦ってほしい」などと語った。

 ドン氏はニュージーランド北島ハミルトン在住。ベスーン容疑者について「誇りに思う。自然保護の信条を貫いてほしい」と述べ、監視船第2昭南丸への侵入や航行妨害などの行為を全面的に支持した。

 また「第2昭南丸がギル号に故意に衝突、沈没させたことはビデオの証拠から明らかだ」とした上で「息子だけを単なる『侵入』で裁こうとしているのは筋が通らない」と主張した。(共同)

まあ正義なんてものは人により異なるものですから法廷でお互いの正義をぶつけ合えば良いんだと思いますが、ロケット弾からボウガンまで撃ち込んでおいて怪我をさせるつもりはなかったというのなら、どうも倫理道徳以前に知性のレベルを疑わなければならないようですけれどね。
以前は「(逮捕は)我々の主張を公にする機会だと喜んでいる」なんてことを言っていたわけですから、お望みどおりの展開で批判するも何もないだろうという話で、この際せっかくですから芋づる式に全てといけばいいのですけれども、今後テロ組織の構成員が訪日してくるようなことがあれば逮捕の格好の機会ということになるのでしょうか。
犯罪者に対する正当な判断は今後司法の手に委ねられるところとして、最近あちこちで話題を振りまいているのが例のアカデミー賞受賞作の一件ですが、この種のネタが好きな人々にとっては格好の広告塔になっているようなんですけれども、それに踊らされる人たちが幾らでも出るわ出るわという状況で、まさにゴキブリホイホイ状態というところでしょうか(笑)。

「ザ・コーヴ」出演女優、現地で漁中止訴える(2010年3月27日読売新聞)

 和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りし、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞したアメリカ映画「ザ・コーヴ(入り江)」に出演した女優ヘイデン・パネッティアさんらが26日、同町で漁をやめるよう訴えた。

 パネッティアさんは、環境保護団体「ザ・ホエールマン・フアンデーション」のジェフ・パントホフ代表や海外メディアの記者らと訪れた

 町役場で三軒一高町長に面会を求めたが職員に断られ、町漁協でも門前払いされた。この後、映画の題名にもなった入り江「畠尻湾」の浜にイルカに見立てた白い布を敷くパフォーマンスをした。

 町では、訪問を知った地元の市民団体の車が「日本の食文化に口を出すな」とアピールし、町漁協前では、水産会社の従業員が「帰れ」とどなる姿も見られた。

 パネッティアさんは「憎しみをぶつけるのではなく、問題を解決しにきた。イルカ漁をやめて、美しい町が一大観光地になるよう協力したい」と述べた。

 三軒町長は「環境を唱えて売名行為をする団体と会う必要はない。まともな訪問なら、いつでも面会する」と話している。

「ザ・コーヴ」を語る大橋巨泉、イルカ漁の廃絶を提案(2010年4月1日探偵ファイル)

外国人参政権の推進を説いて話題になった大橋巨泉氏が、またもや注目すべき持論を展開している。
週刊現代2010年4月3日号の連載「今週の遺言」で、イルカ漁を隠し撮りした映画「ザ・コーヴ」に大橋氏は言及した。日本で今もイルカ漁が存続しているとは知らなかったので、愕然としたという。大橋氏は、自他共に認める動物好きである。そのため、かつて伊豆のイルカ漁の現場は見ない方がよいと忠告されたこともあるそうだ。

イルカ漁という伝統が衰退した背景には、その方法が残酷であるということを否定的に評価した、日本国民の民意があるという。これは、FNNのインタビューに対して、ルイ・シホヨス監督が「たとえ食文化であっても、悪いものは消えなくては」と発言したことに酷似しているようにも見える。

大橋氏はコラムの末尾で、イルカ漁の廃絶を訴える。ただし、それに至る過程が重要であると考えるそうだ。日本はゼノフォビア(外国人嫌悪)であると同時に、外圧に弱いことが特徴であると、大橋氏は指摘する。そして、日本は外圧によってではなく、自主的にイルカ漁をやめるべきであるという。

ここで、ゼノフォビアという言葉が、なぜ唐突に出てくるのか。その点について、コミュニケーション論を研究する社会学者に話を聞いた。同氏によると、この言葉は、おそらく大橋氏も一員である「進歩派」の立場の人々が重視するものだという。彼らが日本社会を論じる際に、「人間の安全保障」、「多文化共生」等と並んで使用されてきたキーワードであるとのこと。

一般的に安全保障は、軍事を中心とした国家単位の問題である。それを強化することは、国家の安全を脅かす危険な存在と見なされた移民たちを不安に陥れ、かえって人々の間での相互の不信感を増長させるという。そのような人々を排除するのではなく、「国民」として扱われない不法滞在者らと共存する社会を作ることを、彼らは提唱する。大橋氏が外国人参政権問題で櫻井よしこ氏を批判した背景には、このような発想があると考えられる。

しかし、大橋氏の主張に整合性はあるのか。参政権を外国人に認めないことは、彼らの存在の否定を意味すると、大橋氏は非難する。一方、イルカ漁の衰退は国民の民意であったと述べ、漁業関係者らへの配慮は皆無だ。結局、大橋氏の見解に一致するものは民意を理由に肯定し、一致しないものは弱者の権利を掲げて否定するということではないか。

シー・シェパード上映「ザ・コーヴ」引き裂く日豪の絆(2010年4月1日読売新聞)

 かつて真珠貝採取の日本人潜水士でにぎわい、人口の過半が日本人だったこともあるオーストラリア北西部の町ブルーム。

 日豪交流史の象徴ともいえるこの小さな町が、日本の姉妹都市、和歌山県太地町のイルカ漁を描いた米映画「ザ・コーヴ(入り江)」をめぐり、揺れている。姉妹都市提携解消や住民同士の人種対立にも発展し、わだかまりは当分解けそうにない。

 ブルーム郊外の日本人墓地。明治期以降、太地町などから移民してきた約900人の墓石が並ぶ。そのうち10基以上が突き倒されたり、まっぷたつに割られたりして無残な姿をさらしていた。日本人墓地に対するいやがらせはこれまで200件以上。地元の警察官は、「イルカ漁に反発した地元の若者の犯行だろう」と話す。墓地には今年1月、監視カメラが取り付けられた。

 ブルームの人口は約1万5000人。一時は町の主役だった日系人は今では200人ほどで、白人と、中国、マレーなどのアジア系住民および先住民が人口を二分し、「豪州初の多文化都市」を誇りにしてきた。

 しかし、反捕鯨団体「シー・シェパード」が、太地町と姉妹都市提携しているブルームに目を付け、今年のアカデミー賞を受賞した「ザ・コーヴ」の上映会を昨年8月に町内で行ってから、混乱が始まった

 シー・シェパードによる姉妹都市提携解消の呼びかけを受け、町会議員のもとに数万本のメールや電話が殺到、同月、イルカ漁に否定的な白人議員が多数の町議会は提携停止を決議した。これに対し、イルカ漁に理解を示す日系を含むアジア系や先住民が議会に抗議活動を行い、結局、議会は2か月後に決議を撤回した。

 今でも、住民の間にわだかまりは残っている。父親が太地町出身の日系2世コリーン・マスダさん(53)は「肌の色に関係なく住民の間で良い関係を保ってこられたのに、映画のために町の空気が変わってしまった」と嘆く。

 日本の盆踊りを手本にして毎年8~9月に行われる町最大の祭典「Shinju Matsuri(真珠祭り)」は今年、アジア系や先住民の団体や企業が「祭りは白人のビジネスに利用されている」として参加を取りやめる予定で、さみしいものになりそうだ。

 佐藤虎男・駐パース総領事は3月24日、ブルームを訪ね、グレイム・キャンベル町長と会談した。町長は太地町との提携継続に意欲的だったが、イルカ漁については「反対の姿勢に変わりはない」と強調した。

 「ザ・コーヴ」に翻弄(ほんろう)されるブルームと太地町。真珠貝採取をきっかけにした1世紀以上にわたる両町のつながりが、1本の映画によって大きく傷つけられつつある。(ブルームで 岡崎哲)

 ◆真珠貝採取…ブルームの繁栄の基盤は19世紀末、太地町などから渡った日本人潜水士による真珠貝採取で築かれた。真珠貝はプラスチックが発明されるまで洋服のボタンの原料として重宝され、19世紀末にはブルームだけで世界生産の8割を占めた。

太地町の町長の言が的を射ていると思いますけれども、某女優氏なども本気で一個人としてイルカ漁反対を主張する気であるなら、御用メディアを引き連れてパフォーマンスをして見せるよりやるべき事はあるでしょうし、当人が海外移住している某クイズダービー氏などが「外圧によってではなく自主的に」などと上から目線で説いてみたところで「それ笑うところ?」と突っ込まれるのがオチというものでしょう。
ましてや問題に無関係な墓石を壊して回るような連中がイルカ漁の不道徳などを説いたところで「お前が(r」という話ですけれども、環境テロリストらの活躍もあって良くも悪くもこうした民度というものが明らかになってきたというのは、副次的効果と言えなくもないということでしょうか?
もちろん世の中にはこうした人間ばかりではなくて、国と国との正しい付き合い方を冷静に模索したいと思っている真っ当な人々の方が多いわけですが、そんな中で最近注目すべきなのが同じ反捕鯨国と言いながら豪州と路線の違いが表に出てきたお隣ニュージーランドの動きですよね。

日本などの捕鯨容認で妥協模索=捕獲数の大幅削減が前提-NZ(2010年4月1日時事ドットコム)

 【シドニー時事】ニュージーランド政府は1日、6月に開かれる国際捕鯨委員会(IWC)総会に向けた交渉で、捕獲数の大幅な削減を前提に、日本などの捕鯨継続を容認することで妥協を探る方針を明らかにした。ニュージーランドはこれまで、反捕鯨国としてオーストラリアと連携してきたが、捕鯨の原則禁止を主張する豪州との姿勢の違いが鮮明になってきた
 ニュージーランドのIWC交渉責任者であるパーマー元首相は、反捕鯨国と捕鯨国の対立でIWCが崩壊し、クジラを保護する国際的な手段が失われる恐れがあると強調、現実的な妥協の必要性を訴えた
 捕獲削減数に関しては「現在の3000頭以上の割当枠は半減されるべきだ」とした上で、一層の削減が必要かどうか、今後意見をまとめていくという。

議論がまとまるかどうかは別として、こうした理性に基づいた粘り強い交渉と暴力行為とどちらがまともかという話ですよね。
持続的な資源利用の観点から捕鯨問題を討議するIWCの精神から考えれば、テロリストとニュージーランドの姿勢とでどちらが本筋であるかは言うまでもないことだと思いますけれども、こういう正論を暴力で押しつぶすことを是としてきたテロリストとその支援団体らから今後「裏切り者!」なんて攻撃を受けるリスクもあることは認識しておかなければならないでしょうね。
そしてもちろん日本政府としても頭の構造がちょっとアレな方々に振り回されてばかりいても仕方がないのであって、世界中の理性的な方々と真っ当な議論を繰り返す中で妥協点を見出していかなければならないことは言うまでもないでしょう。

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2010年4月 2日 (金)

日医会長選は原中氏当選 しかし親政権与党と喜んでばかりも?

昨日も少しばかり書きましたように、4月1日は日医会長選というものがありましたことは既に御存知の通りかと思います。
一般紙もそれなりに関心を持って見守っていたようですが、例によって各紙の記事から引用してみますが、まずは読売新聞の記事がこちらです。

日本医師会長に民主寄りの原中氏(2010年4月1日読売新聞)

 任期満了に伴う日本医師会(日医)の会長選挙が1日午前、東京都文京区の日本医師会館で行われ、民主党を支持する茨城県医師会長の原中勝征氏(69)が3選を目指した現職の唐沢祥人氏(67)ら3氏を破り、初当選した。

 これまで参院選で組織内候補を自民党から出馬させるなど、自民党の有力支持団体だった日医の会長に原中氏が選ばれたことで、日医の政治路線は大きく変わりそうだ。

 会長選は都道府県医師会ごとに選ばれた代議員356人による投票で行われ、原中氏131票、京都府医師会長の森洋一氏(62)118票、唐沢氏107票、京都府医師会所属の金丸昌弘氏(44)は0票だった。任期は2年間。

 今回の会長選は、政権交代後の日医の政治的立場を最大の争点に、先の衆院選で民主党を支持した原中氏、自民党政権時代から現職の唐沢氏、中立的立場を掲げる森氏の3氏による事実上の三つどもえの争いとなった。原中氏は、鳩山首相や民主党の小沢幹事長と個人的なパイプを強調し、自民党を支持してきた唐沢氏に対する批判票を取り込んだ。

 日医の政治団体である「日本医師連盟」(日医連)は夏の参院選比例選に、組織内候補として自民党の西島英利参院議員の推薦を決定している。だが、原中氏は西島氏は出馬辞退すべきだとの考えを示しており、西島氏の推薦決定は白紙撤回される見通しだ。

 2010年度の診療報酬改定では、全体で10年ぶりにプラス改定となったが、再診料が20円引き下げられるなど、日医会員の多い開業医にとっては厳しい結果となった。民主党の勤務医を重視する姿勢は今後も続くと見られ、2012年度の次期診療報酬改定に向けて、日医の意見をどこまで反映させることができるかは未知数だ。

 当選した原中氏は、記者団に対し「閉塞(へいそく)感を打開しようとする期待の表れだと思う」と語った。次期参院選への対応については「大至急に日医連の総会を開いて決めたい」と述べた。

日医会長原中氏/茨城(2010年4月2日読売新聞)

地域医療改革に期待

 日本医師会(日医)の会長選で1日、県医師会の原中勝征会長が初当選したことを受け、昨夏の衆院選で支持を受けた民主党県連や県医師会から祝福とともに、地域医療改革に対する手腕を期待する声が上がった。

 日医は自民党の有力支持団体だったが、県医師会の政治団体「県医師連盟」は、昨夏の衆院選で後期高齢者医療制度廃止などを掲げ、民主党支持を表明。県内の全7小選挙区で同党候補を推薦した。特に、元厚相対元厚生官僚の“医療対決”となった6区では、自民厚労族の大物議員に勝つ原動力となった

 民主党県連の佐藤光雄幹事長は「衆院選では政権交代実現の力となり、お世話になった。茨城から会長を出した重みがある。今後も連携を強め、政策実現に努力したい」と期待を寄せた。

 県医師会の諸岡信裕副会長は「これから原中会長が取り組んでいく国民医療改革は、茨城の地域医療改革にもつながっていく。県医師会は日医と一体となって活動し、政権与党にきちんとものを言える立場で提言していく」と話している。

 昨夏の知事選で、県医師連盟の推薦を受けて5度目の当選を果たした橋本知事は「医療をめぐる課題が山積する中、会長として強いリーダーシップを発揮され、国民が安心できる医療の実現のため活躍されることを心から期待します」とのコメントを発表した。

ま、診療報酬プラス改訂と強調して見せる一方で0.19%という実質横ばいだということは決して言わないあたりが面白いですけれども、ここでは「小沢幹事長との個人的なパイプ」「民主党の勤務医を重視する姿勢」といった文言を御記憶いただいておくべきでしょうね。
ここでは茨城県医師会と民主党との蜜月関係を強調するような記事になっていますけれども、全国的に見ればむしろこうした関係を危惧する声のほうが強いということは、他ならぬ会長選の得票数にも現れていると思いますけれども、新会長が全国的には少数派であろう茨城流を押し通して行くつもりなのかどうかも注目されるところでしょう。
いつもながら医療報道に関して食い足りないのが朝日の記事ですけれども、親民主党の候補が当選したということくらいは理解できているということなんでしょうが、とりあえず目に付く範囲でこの程度しか記事が出ていないというところに同社の姿勢が出ているのかも知れません。

日本医師会長に原中氏初当選 民主党とのパイプ強調(2010年4月1日朝日新聞)

 任期満了に伴う日本医師会(日医=会員数16万6千人)の会長選挙が1日午前、東京都内の日本医師会館で行われ、茨城県医師会長の原中勝征氏(69)が初当選した。任期は2年間。政権交代後、初めての会長選だったが、民主党とのパイプを強調した原中氏が他候補を退けた。

 日医は政権与党だった自民党と連携して、医療機関の収入となる診療報酬の引き上げなどを迫ってきたが、政権交代後に日医の政治団体が自民党支持を撤回。今回の選挙では、政党との距離感が争点となった。

 立候補したのは、原中氏のほか、3選を目指した現職の唐沢祥人氏(67)、京都府医師会長の森洋一氏(62)、京都府医師会所属の金丸昌弘氏(44)。事実上、原中、唐沢、森の各氏による三つどもえの戦いとなった。

 自民党との関係強化を進め、「刷新と継続こそ医療再生への力」と掲げた唐沢氏に対し、原中氏は民主党とのパイプから「政策の実行力」を主張。森氏は「政権に左右されない」ことを強調して、中間派の位置づけとなった。

 代議員356人による投票の結果、原中氏が131票を獲得した。森氏は118票、唐沢氏は107票だった。

 当選を受けて、原中氏は「たいへん重い荷を背負った。国民のための医療をいかに構築していくか、政権政党と一緒になって考えていく」と語った。夏の参院選比例区では、日医出身の西島英利氏が自民党公認で立候補を予定しており、その取り扱いが今後の焦点となる。

 原中氏は日大医学部を卒業後、医局勤務などを経て1991年から病院院長を務める。2004年から茨城県医師会長。

しかしこの記事を見て改めて思うのは、原中氏はあくまで政権与党と手を組まなければ政策実現も無理だと言う主張に見えますけれども、将来的に民主党が下野した際にはまた鞍替して行くということなのか、あくまで民主党とのパイプを維持して行くということなのか、どちらなんでしょうかね?
一方では何やら民主党との対決姿勢か?とも受け取れるような勇ましい発言も出ているのがこちら毎日新聞の記事ですけれども、解説記事と合わせてお読みいただくとなかなか面白いと思いますね。

日本医師会長選:原中勝征氏が初当選 自民離れ加速も(2010年4月1日毎日新聞)

 任期満了に伴う日本医師会(日医)会長選挙の投開票が1日、東京都の日本医師会館で行われ、親民主党を掲げる茨城県医師会長の原中勝征氏(69)が、自民党と協調してきた現職の唐沢祥人会長(67)、政治的中立を主張した京都府医師会長の森洋一氏(62)、京都府医師会員の金丸昌弘氏(44)を破って初当選した。原中氏の当選で、参院選に向け日医の自民党離れが加速する可能性が高まった。任期は2年。

 選挙戦は事実上、原中、唐沢、森の3氏の三つどもえで、政権との関係が焦点だった。代議員356人(欠員1人)による投票の結果、投票総数356票中、原中氏が131票、森氏は118票、唐沢氏は107票だった。

 原中氏は昨年夏の衆院選でいち早く民主党支持を鮮明にした。政権交代後も、診療報酬を議論する中央社会保険医療協議会の委員人事をめぐって日医執行部が外される一方、茨城県医師会から委員が選ばれるなど、政権与党・民主党との強い関係を印象づけている。

 参院選に向け、原中氏は自民党公認で比例代表から立候補予定の西島英利参院議員(日医出身)の推薦撤回を検討する考えを示している。ただ、唐沢、森両氏にも一定票が流れており、日医が民主党一党支持になるのは難しいとみられる。

 原中氏は「民主党の言いなりになることなく、鳩山政権と一緒になって国民の幸福を考えていきたい」と抱負を語った。【鈴木直】

日本医師会:会長に原中氏 小差、民主との距離苦慮 参院選対応、微妙に(2010年4月2日毎日新聞)

 <分析>

 任期満了に伴う1日の日本医師会(日医)会長選挙で、民主党支持を打ち出した原中勝征(かつゆき)氏(69)が初当選し、同日新会長に就任した。だが、現職だった唐沢祥人(67)、森洋一(62)両氏の得票を合わせた「反原中票」は225票に上り、原中氏の131票を94票上回った。支持が割れた選挙結果は、政権与党との距離感を巡る日医内部の「揺れ」をうかがわせている。原中氏は親民主路線に批判的な層への配慮も必要となり、参院選への対応を含め難しいかじ取りを迫られそうだ。【鈴木直、高山祐、野原大輔】

 1日夕、原中氏は東京都の日本医師会館で記者会見し、「政権が代わったのだから、対処も変わらないといけない」と述べ、民主党との関係を重視していく考えを示した。

 日医は夏の参院選比例代表で、既に政治団体「日本医師連盟」の組織内候補で自民党公認の現職、西島英利氏の推薦を決めている。西島氏の扱いについて原中氏は「近々、日本医師連盟の総会を開いて再度討議していただく」と語り、推薦撤回の可能性を示唆した。

 「政治とカネ」の問題にあえぐ民主党も参院選の単独過半数獲得に向け、原中氏に期待を寄せる。1日、石井一選対委員長と国会内で会談した小沢一郎幹事長は「よかったなあ」と笑顔を見せた。細野豪志組織・企業団体委員長は記者団に「ぜひご支援をいただきたい」と表明した。

 それでも選挙結果は、民主党の思惑に影を落としている。

 「民主支持一辺倒」を否定する点で共通する唐沢、森両陣営は、水面下で一本化調整を続けていた。投票結果で見ると、一本化していれば原中氏を抑えていたことになる。また副会長選では、当選者3人全員が「非原中派」だった。

 親自民で来た日医執行部は政権交代後、診療報酬を議論する中央社会保険医療協議会から排除された。日医の元幹部は「会員には、民主に寄りすぎると次の政権交代で再びしっぺ返しを受けるとの懸念も強い」と言う。自民党関係者は「原中さんが信任されたわけではない」と指摘する。

 日医に限らず、医療界には民主党との「間合い」を巡り、戸惑いが広がりつつある。

 1日夜、都内で開かれた原中氏の当選祝賀会には、民主党から参院選に比例代表で立候補を予定している医療法人理事長の安藤高夫氏(51)が駆けつけ、「原中日医=民主」を印象づけようとした

 だが、内閣支持率の急落とともに、安藤陣営内の医療関係者の間には不安も広がり始めた。陣営内は、原中氏との連携を重視する民主党職員と、原中色を薄めたい医療関係者の間で方針が揺れたという。ある病院関係者は「原中氏と結べば恨みを買いかねず、日医と病院の協力関係にも支障をきたしかねない」と打ち明ける。

 ◇蜜月崩れ、自民動揺

 一方、自民党も原中氏の当選には動揺を隠せない。

 1日、自民党の谷垣禎一総裁は記者会見で、参院選への対応について「(西島氏が)当選する態勢を作っていかなければならない」と述べ、今後も党として西島氏を支える考えを強調した。

 04年の参院選で西島氏は日医の全面支援を受け、25万票を獲得した。だが、今回同様の支持を得られる保証はない。07年は日医の推す現職が18万6000票で落選した。西島氏は1日、記者団に「(日医連の)決定には従う」と淡々と語った。

 政権交代は日医の地方組織をも揺さぶっている。会長選を前に、長野県医師連盟は自民党長野県連の職域支部から離脱した。党石川県連の県医師会支部は3月31日に解散した。様子見をしていた山梨、兵庫、岡山県などの医師連盟も参院選に向けた判断を迫られる。

 自民党支持団体の離反は日医にとどまらない。日本歯科医師連盟は同党からの新人候補擁立を撤回した。

 日本看護協会は、政治団体「日本看護連盟」の自民党公認候補を支持しない方針を決め、ねじれ状態になっている。

まあしかし前会長の時代にも政権与党の言いなりになることはなく国民のための医療を云々と言っていたような記憶がありますから、これは日医としてはお約束のフレーズということなのかも知れませんが、茨城県医師会からの代表も参加した中医協での議論などを見るにつけ、少なくとも民主党が医師会の言いなりになるということだけは有り得なさそうですよね(苦笑)。
ここではむしろ解説記事の中にある「小沢一郎幹事長は「よかったなあ」と笑顔を見せた」云々の記述に留意いただきたいと思いますけれども、中医協から排除されるなど民主党政権から冷遇されている印象の強い日医に対して、むしろ民主党関係者の側から期待する声が強いという現実があるということに注目しておくべきでしょうね。
これまた非常に面白いのが日銀短観云々を取り上げるかと思ったところが、意に反して今日の社説に日医会長選を取り上げてきた日経新聞ですけれども、経済紙的観点から見るとこういうふうに見えているんだなと言うことがよく判る記事だと思います。

【社説】医師会は生まれ変われるか   (2010年4月2日日本経済新聞)

 任期満了に伴う日本医師会の会長選で、民主党政権を支持すると訴えた新顔の原中勝征(かつゆき)茨城県医師会長(69)が当選した。

 時の政権に左右されない医師会を目指すと唱えた京都府医師会長と、自民党など旧政権との親しさを売りにした現職候補に競り勝った。

 争点の一つは政治との距離感だった。原中氏の当選で政権党に寄り添う姿勢が改めて示された。最大級の利益団体が鳩山政権の強力な支持母体になる。これまでの執行部が自公政権と蜜月だったのと大差ない。

 国は借金漬けで、健康保険制度の財政は厳しさを増している。国民皆保険を支えながら、医療サービスを賄うお金をどうひねり出すか。医師会にとって目の前の課題だ。政府や与党に医療費を増やせと圧力をかけるだけが役割ではなかろう

 老人病院などで適切とはいえない入院生活を送る高齢者に介護施設に移ってもらったり、IT(情報技術)を駆使して医療の提供体制を効率化したりする。そんな努力が必要だ。原中新体制にはまず、医療界の自己改革を主導するように求めたい。

 医師会の影響力の源泉は豊富な資金力だ。政治献金を通じ国の医療政策に強い発言力を持つ。国政選挙では与党候補を組織を挙げて応援したり、政治団体から候補者を立てたりした。診療報酬の引き上げや配分の決定にも陰に日に関与してきた

 医師会の会員数は診療所を経営する開業医と病院の勤務医を合わせて16万人強。執行部はどちらかというと診療所の利益を代弁する傾向が強い。大学病院などに勤める小児科医、産科医、外科医らの仕事が厳しくなっているにもかかわらず、診療所の利益を大きく損なわないような診療報酬政策が続いてきた。ここにも医師会の影響力が見て取れる

 重い病に悩む急性期の患者らが手遅れにならずに専門医療を受けられるようにするために、もっと勤務医に報いる診療報酬にすべきだ。

 原中会長は就任後の記者会見で、小泉政権の経済財政諮問会議による「市場原理的」な政策が医療崩壊を起こしたと述べたが、そう繰り返していても医療改革の解は導けない。政治に要求するだけでなく、自らを省みる医師会に変わってほしい。

「最大級の利益団体が鳩山政権の強力な支持母体に」だの「診療報酬の引き上げや配分の決定にも陰に日に関与」だの、一体どこの宇宙の何の団体の話をしているのかと思うような話が並んでいますけれども(笑)、社会的入院撤廃だのIT活用だのという日経お得意の持論の中に出てくる「もっと勤務医に報いる診療報酬に」という文言にも留意いただきたいと思いますが、まさにこれが民主党政権での医療政策の根幹なわけですよね。
医師会が強力に自民党支持を貫いてきたこの十年間で診療報酬は切り下げられるばかりだった、一方で医師会が切り捨てられた今回の改訂で診療報酬は微増とは言え引き上げられたとくれば、「診療報酬の引き上げや配分の決定にも陰に日に関与」してきた医師会の政治力とは何と素晴らしいものかと改めて実感出来る話ですね(笑)。
時事通信の解説記事も出ていますけれども、民主党とのパイプ役ばかりに頼っているようではどうなのかと警鐘を鳴らす内容となっていますね。

親民主で影響力行使なるか=医療費抑制で看板倒れの恐れも-日医会長選(2010年4月1日時事通信)

 日本医師会の会長選で当選を果たした原中勝征氏は、親民主を前面に打ち出し、日医が政権与党に影響力を行使できるメリットを強調した。しかし、国の財政悪化で医療費抑制を迫られた場合に、民主党が日医の要望に十分応えられる保証はなく、看板倒れとなる可能性はある
 2010年度の診療報酬改定は、2回目以降の診察に掛かる再診料について、診療所を20円引き下げ、病院を90円引き上げて690円で統一することで決着した。開業医中心の日医は診療所の引き下げに強く反発したが、病院重視を掲げる長妻昭厚労相らの方針に押し切られた形だ。
 ただ、その一方で時間外対応や明細書を無料発行する診療所の再診料に上乗せ加算するといった措置が講じられ、最終的には再診料がアップする診療所も出る仕組みとなった。診療報酬全体の10年ぶりの引き上げとともに、日医に代わって原中氏が民主党に働き掛けた成果との見方がある。
 原中氏支持に回った地方医師会会長らは、昨夏衆院選で民主党を支援したことを念頭に「原中先生は民主党に貸しがある。これは返してもらう必要がある」と利益誘導をはっきりと求めた。当初は唐沢氏有利とされていた会長選レースの様相が一変し、原中氏が支持を広げていったのは民主とのパイプへの期待にほかならない。
 民主党は支持をいち早く表明した日本歯科医師会には、診療報酬で手厚く対応した。しかし、来年度以降、さらなる財政難が予想される中、原中新会長率いる日医が聖域扱いでいられるかどうかは不透明だ。

ここで注目すべきは「病院重視を掲げる長妻昭厚労相らの方針に押し切られた」という文言ですけれども、要するにここまでの諸紙の内容から民主党内には小沢氏を頂点として参院選への日医の支援を期待する声があり、その一派から原中氏が大いに期待されている一方、勤務医を重視する厚労行政の現場からは必ずしも日医という組織はよく扱われていない(極めて控えめな表現ですが)という現実もあることが判ります。
この辺りの事情がよく判るのが会長選の直前に出ましたこちらの記事なんですけれども、要するに日医新会長が言うところの政権与党としての民主党に接近し政策実現を云々と言うほどには、民主党という世帯も決して一枚岩ではなさそうだという話ですよね。

小沢vs反小沢の“代理戦争”と話題…日医会長選の行方は(2010年3月31日zakzak)

 4月1日に投開票される日本医師会(日医)の会長選挙が、民主党の小沢一郎幹事長と反小沢7奉行の“代理戦争”と永田町で話題になっている。自民党を支持してきた現職に、「民主寄り」と「政治的中立」の2新人が激しく争う三つどもえの構図だ。しかし、新人のうち前者を小沢氏、後者を仙谷由人国家戦略相や前原誠司国交相に近い議員が応援、2位3位連合の動きも表面化するなどドロドロの権力闘争になっている。

 全国の医師約17万人が加入する日医の会長選は4人が立候補。小泉政権時代から自民党と蜜月を築き現在2選の唐沢祥人会長(67)と、後期高齢者医療制度に異を唱え、先の総選挙で民主党を支援した茨城県医師会の原中勝征会長(69)、「政治的中立」を志向する京都府医師会の森洋一会長(62)らが争う。

 日医関係者が情勢を解説する。

 「当初は唐沢氏の3選が既定路線だったが、民主党政権になって2月の診療報酬改定の際に関与させてもらえなかったうえ、小沢氏の『民主支持でなければ干す』という姿勢に、地方が戦々恐々として失速。原中氏は総選挙で茨城県の民主党候補を全員当選させた功績があるが、全国的な支持基盤が弱い。内閣支持率が下落したため民主党依存を嫌う声もあり、そこを森氏が吸収している」

 さらに、「民主党とのパイプ役が期待できる原中氏と森氏が一本化できない。前者は開業医、後者は病院勤務医をそれぞれ重視。民主党内にも同じ路線対立があり、それが小沢系vs反小沢系の構図になっていることが、混乱に拍車をかけている」と打ち明ける。

 先月初めの大阪府医師会長選。ここで、民主党の桜井充参院議員は某候補者陣営の集会で次のように述べたという。

 「原中さんに日医会長になってもらうことが小沢さんからのミッションだ

 桜井氏は、開業医寄りの『適切な医療費を考える議員連盟』の会長。民主党マニフェスト企画委員会の党側議員に入るなど小沢氏に近いだけに、参加者に「原中会長こそ、小沢氏の意志」という印象を与えた。

 一方、これに立ちはだかる形になったのが、厚生労働省の足立信也政務官。勤務医寄りの『医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟』で、仙谷氏とともに中心メンバーを務める「病院族」(民主党関係者)で、2010年度の診療報酬改定を中心となってとりまとめた人物だ。

 実際、原中氏は足立氏を念頭に、演説会で「(改定をめぐり)政務官と大げんかした」と声を張り上げた

 民主党有力筋はこう話す。

 「診療報酬改定では、開業医収入の1割を占める再診料引き下げが焦点だった。桜井氏や原中氏は猛反発したが、足立氏らに押し切られた。これで『原中のパイプも大したことない』という空気が生まれた。一方、足立氏は仙谷氏の子分で、民主党が原中氏に一本化することは『無理だな』と話したとも聞く。表だっては動いていないが、両氏とも森氏支持だろう」

 さらに、「京都には前原氏や山井和則厚労政務官ら小沢氏と距離を置く議員が多い。森氏には彼らとのつながりもある」と続けた。

 現状では原中氏がリードしているが、ここにきて「2位3位連合」の動きも。同時に行われる副会長選で、唐沢、森両陣営が公表した副会長候補のリストが完全に一致したのだ。原中陣営関係者は「原中の当選を見越し、会長と副会長でねじれをつくる気だ」と神経をとがらせる。

 政治ジャーナリストの安積明子氏は「小沢系と非小沢系は政治手法から政策まで相いれない部分が多い。小沢氏の求心力が衰えているだけに、こうした代理戦争や対立は至る所で露見するだろう」と話している。

■日本医師会 全国の都道府県医師会に所属する医師約16万6000人で構成される公益法人。議決機関である代議員会約350人のうち、病院勤務医は約1割にとどまり、「開業医寄り」といわれる。勤務医の待遇改善を目指した長妻昭厚生労働相は、諮問機関の中央社会保険医療協議会の委員から日医の推薦者を除外した。

 発言力の低下を危惧した日医の政治団体「日本医師連盟」は、従来の自民党支持を白紙撤回。政権交代後、献金も凍結した。

 過去には、吉田茂元首相のブレーンとされ、保険診療を拒否して厚生省に徹底抗戦した武見太郎氏といった大物会長もいる。夏に改選を迎える現職の組織内議員、自民党の西島英利参院議員は、前回選挙では約25万票を獲得した。

現実的に副会長は三人とも反原中派で固められてしまったわけですから、単純に自民党から民主党へという図式では済まない、これは日医内部にも与党内の抗争が持ち込まれてきたという図式ですよね。
思うに開業医の権益を優先したい原中氏としては、政権政党の実力者である小沢氏と組んでいる以上日医の将来は安泰だという目算があるのかも知れませんけれども、実際に医療行政を動かしているのは勤務医出身で医療畑のブレーンと目される足立氏や、やたらと声の大きい(笑)仙石氏といった面々であるわけで、一口に親民主党とは言っても彼らとの折り合いは決してよくもないわけです。
となると最悪の場合原中日医は参院選では「手を貸さなければ干す」という小沢氏ルートで全国会員が賛同してもいない民主党への選挙協力を強いられ、一方で次回診療報酬改定においては勤務医優先の足立氏らによってハブられと、全く良いところなく奴隷のようにこき使われるだけ使われて終わりという素敵な未来絵図も想像できるところですよね。

まあしかし、そんな奴隷働きも今まで日医がハブってきた全国末端臨床医が当たり前にやってきたことではあるのですから、今になって日医執行部が同じ目にあったところで誰も同情する人間もいそうにはないんですけれども(苦笑)。

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2010年4月 1日 (木)

本日四月一日は一体何の日だったでしょう?

さて、一体何の日でしょうね?
それはともかく、月が変わって新年度に入りましたが、診療報酬の方もこの四月一日から改訂されたもので運用されることになっています。
しかし明細書発行や地域医療加算など色々と新しく導入されたものも多いですが、その運用の詳細を巡っては各地で問い合わせが相次いでいるということで、未だにああでもない、こうでもないとはっきりしない部分が絶えないというのはどういうことなんでしょうかね?

午後10時までは医師が対応 地域医療加算で厚労省(2010年3月29日47ニュース)

 厚生労働省は29日、2010年度診療報酬改定で新設された、患者の電話相談に応じる診療所(開業医)向け報酬「地域医療貢献加算」(30円)について、午後10時までは基本的に医師が対応するが、深夜や早朝は看護職員らの対応でも可能とのQ&Aを公表した。

 厚労省は「24時間態勢で、原則として常に電話に応じる」ことを原則としてきたが、開業医側から「要件が厳しすぎる」との批判が高まったことを受けて緩和した形だ。同日、都道府県あてに文書を送付した。

 厚労省によると、午前8時から午後10時までは基本的に医師が対応。留守番電話で応答した場合も速やかに電話をかけ返すことを求めている

 午後10時台から翌日午前8時までは、医師以外の診療所職員が電話対応することも認めており、「必ずしも医師が24時間態勢で携帯電話を持ち歩いて対応する必要はない」とした。ただし、医学的判断を求められる相談の場合は、医師がかけ直すなどの対応が必要だとしている。

地域貢献加算、留守電による対応も可―厚労省が解釈(2010年3月29日exciteニュース)

 4月1日に実施する診療報酬改定に関し、厚生労働省は3月29日付で、診療報酬点数の算定方法をQ&A形式でまとめた「疑義解釈資料その1」を地方厚生局などに事務連絡した。診療所の再診料への加算として新設する「地域医療貢献加算」(3点)を算定する診療所が、患者からの電話問い合わせに対応する時間帯については、準夜帯がコアになると思われるとする一方、原則として24時間連絡が取れる体制の整備を求めている。事務連絡や厚労省の担当者によると、電話による問い合わせには原則として自院で対応するが、実際の対応は留守番電話などによるものも認められる

 深夜や休日など不在時の問い合わせに留守番電話などで応答した場合、日中や準夜帯の問い合わせには速やかにコールバックする。一方、深夜や休日には、留守番電話などで地域の救急医療機関の連絡先を案内するなどの配慮を求めている

 また、問い合わせへの対応では、患者の同意を得た上でできるだけ速やかに応答することを条件に、携帯メールなどの併用も認めるという。
 患者への対応は、「やむを得ない事情」があれば2、3の医療機関の連携によるものも可能だが、その場合は、連携医療機関の連絡先を患者や関係者に事前に伝えておくよう求めている。「やむを得ない事情」の具体的な中身について厚労省の担当者は、「学会への参加など、いろいろな事情が想定できる」と話している。

 地域医療貢献加算と同じく診療所の再診料に対する加算として新設する「明細書発行体制等加算」(1点)については、明細書が不要だと申し出た患者に対しても算定が認められるという。

■明細書の発行義務化、診療所は7月から

 来年度の診療報酬改定では、「7対1」と「10対1」の看護配置を敷いている病棟が、看護職員の月平均夜勤時間のいわゆる「72時間ルール」だけを満たせない場合に算定する「7対1」と「10対1」の「特別入院基本料」を新設する。
 事務連絡では、月平均夜勤時間数が72時間の1割を超過したら翌月に届け出を行い、翌々月から特別入院基本料を算定すると説明している。具体的には、3月に1割を超えた場合には、4月に届け出て5月から特別入院基本料を算定する。
 平均夜勤時間は、病棟ごとではなく病院全体で把握する。例えば10対1入院基本料を2つの病棟で算定していれば、これらの病棟を合計した時間数を計算する。

 このほか、4月から全患者に原則無料での発行が義務付けられる医療費の明細書に関しては、明細書を希望しない患者の意向確認について、「必ずしも書類で行う必要はない」との解釈を示した。

診療所による明細書の発行は、レセプトの電子請求に合わせて7月1日に義務化される。明細書発行機能がないレセプトコンピューターを使用しているなど、発行義務化の対象外になる「正当な理由」があれば、この日までに地方厚生局などに届け出る。

この地域医療課産なるもの、先日から色々とネット上での書き込みを紹介しておきましたけれども、各地で問い合わせを行ってもどうやらその都度答えが違うようで、厚労省として統一的見解を用意せず担当者が適当にしゃべっているのではないかと言う懸念すらあるところです。
例えば以前に厚労省に問い合わせたと言う書き込みによれば、携帯電話を常備し電話には常時出られるようにしておかなければならない、飛行機など物理的に出られない環境にある場合には代理医を立てなければならないなどと、到底現実的とは思えないような話が並んでいましたが、上記の記事ではそのあたりが留守番電話での対応でもいいかのようにも記載されていますよね。
またこの留守電対応も深夜帯はコールバック不要であるかのように言いながら、一方で医学的判断を求められた場合には医師がかけ直す必要が云々などと意味不明の注釈がついているわけですが、要するに厚労省は深夜に医者を電話で叩き起して明日の天気を聞きたがる人間がいるとでも考えているということなのでしょうか?

明細書発行に関しても一体どの施設がいつから義務化になるのかといった基本的事項も含め、今現在も混乱の真っ最中ですけれども、要するに年度末もギリギリになるまで制度自体が決まらなかった、それに対する詳細の詰めの作業も行えないまま取り敢えず説明会は開きましたという形でお茶を濁してきたツケが、いざ実施という段になって現場に全てかかってきているわけです。
こういう事態に関して厚労省にすれば現場がどれだけ右往左往しようが「いやそういう制度ですから。そう言ったでしょ?」と後で幾らでもバッサリ切って捨てることが出来るわけですが、取り敢えず今日も押しかけてくる患者に何と言って対応していけばよいか判断基準がない現場は大変ですよね。
悪いことにこういう場合に末端開業医などに情報を流す役を期待されている医師会という組織ですが、本日四月一日はまさに会長選の真っ最中でそれどころではないという状況ですから、これはどうしたって混乱が拡大せざるを得ないという話です。

308 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 00:32:23 ID:Sk5WjGKb0

電話なんてそうかかってこないような科は加算とるとこ多いかもしれんが
下手したら患者側は緊急時は電話すればなんでも対応してくれると思って
違う科の分野の事でまで電話してくる
かもしれんぞ
院内掲示でいくら仕組みを説明したってきちんと理解しない患者もいるだろう
そういう場合対応する義務はないかもしれんが電話はでなきゃ内容わからんし
下手な対応したら怒り出す
患者もいそう

310 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/01(木) 01:21:55 ID:Ody5pUNq0

 http://news.nifty.com/cs/headline/detail/fuji-zak20100331000/1.htm
これを読めば流れが判る。

新型インフル、外国人医師、今回の保険改定の黒幕、足立・仙石を潰さなければ駄目だろう。
唐沢はおとなしすぎる。
結果は今日判る。

311 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:46:45 ID:WDzx08JB0

>>310
うちの医師会長も選挙のために前日から東京に行ったぞ。
馬鹿みたい。

312 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 03:32:14 ID:WDzx08JB0

>>75
>>ま、31日になれば、医師会FAXで最終的な決定が流れるだろ。
>>恐らく、診療所の明細書発行「義務」はなくなると見た。

もう4月1日になりました。何も来ませんが、なにか?
その楽観的な態度はなーーーに?

316 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/01(木) 06:59:50 ID:VkxF2fDA0

まさか、今日から、明細書だす医院ありますか?
反応教えてください。
また、患者の個人情報漏洩の防止策は?

318 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/01(木) 08:10:08 ID:P6RvtnSr0

>>316
>まさか、今日から、明細書だす医院ありますか?
レセコン電子請求に対応してない一部医療機関を除き、
今日から明細書発行義務化されてるのに何言ってるの?

319 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/04/01(木) 08:18:13 ID:T0f+0+gI0

診療所の明細書発行義務化は7月からですよ。

320 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 08:25:21 ID:cJuX8AyV0

すでにレセ電やってるところは4月から。
まだやっていない、レセ電対応レセコンは7月から。
厚生局曰く「厳しくチェックします」だと。w

322 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 09:02:22 ID:cJuX8AyV0

今、受付で初診なのに「診察なし、薬だけ、明細領収書希望」でもめている。
テレビでやっていた。この病院(実際は無床診療所)は嘘ついている」だと。w
患者は待合室に居るのに、診察まで回ってこないぞ。w

長年高い会費を貢いできた挙句、肝心なところで聾桟敷に置かれている真面目な末端開業医が一番割を食っているという話ですが、こういう不明確な話が乱れ飛んでいるということになるとこの四月一日からきっちり加算を取るというところはむしろ少数なのかも知れず、そうなりますと報道などで明細書を楽しみにやってきた患者さん達が今も外来で大騒ぎしているなんてことになるかも知れませんね。
ま、日医と言う組織が肝心なときに役に立たないというのは今に始まった話でもありませんけれども、今回はさすがに現場に背を向けて自前の権力争いに熱中していると言われても仕方がないところでしょうか(苦笑)。
会長選の結果如何で組織としての日医にはまた色々な未来絵図が待ち受けているのかも知れませんけれども、とりあえず足元を支える末端会員を放置しておいて何の業界団体なのかと、この面に関しては誰が会長になろうがしっかり反省し出直していくべきではないかと思うのですけれどもね。

さて、果たして会長選に誰が当選し、その結果日医の何がどう変わるのか、程なく判明するんじゃないかと思いますが…

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