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2010年3月 8日 (月)

批判するのは大好きですが批判されるのは許しません?!

つい先日は奈良・大淀病院事件の民事訴訟判決が出たことを紹介しましたけれども、その折の読売新聞の記事を念頭に置きながらこちらの記事を御覧になっていただければと思います。

ネットで目立つ医師の“暴走”、医療被害者を攻撃(2010年3月6日読売新聞)

暴言・中傷・カルテ無断転載

 医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告書をまとめた

 ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった。

 2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題では、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載された。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿した横浜市の医師は、侮辱罪で略式命令を受けた。

 同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(無罪確定)では、遺族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに産んだ」と亡くなった妊婦を非難する言葉が掲示板やブログに出た。

 この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんねる掲示板で「日本の全(すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら生きて行くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。

 割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を非難する書き込みが相次いだ。

 ほかにも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今も多い。

 誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療崩壊の原因の一つとして記述されている。

 奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という。

倫理指針に反映を

 栗岡幹英・奈良女子大教授(医療社会学)の話「攻撃的発言を繰り返す医師たちは、刑事や民事の訴訟で被告になった医師と自分を一体的に考えて『医師全体が攻撃された』ととらえている。合意形成を目指すのではなく、ひたすら他者を非難・攻撃するため、患者側に萎縮(いしゅく)傾向を招いている。報告書だけでなく、職業倫理指針に反映すべきだ

日医警告「信頼損なう」

 日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動について「特に医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」と強調した。

 匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が望ましい」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記事を作るのも慎むべきだとした。

 報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。

毎日新聞を始めマスコミ諸社が深く関わってきた大淀事件判決の後を受けて、一方の当事者とも言うべきマスコミさんがこういうことを言い出すと「お前が(r」で終わりそうな話なんですけれども、しかしこの時期にこういう記事を突然出してくるあたり、大淀の件などを受けてかの業界にも危機感があるということなんでしょうか?
一方で確信犯の奈良女子大はともかくとして、こういうところで権威付けに利用される日医という組織も相変わらずなだと思わざるをえないのですけれども、彼らも単に使われているだけでなく判ってやっているということであれば、組織の方針としてどうなのかと新たな議論を呼ばずにはいられないところですかね。
さて、この記事を受けてのネット上の暴言の数々(苦笑)をいくつか拾い上げてみますけれども、ここで批判の対象というものが何であるのかということにも注目いただければと思います。

371 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/06(土) 19:40:21 ID:/So9Xhkd0
「『医は仁術』はどこへ」(紀伊民報)

「命を見捨てた18の病院に言いたい。恥を知れ。」(日刊スポーツ)

「妊婦たらい回し また義務を忘れた医師たち」(産経新聞)

「キミは医学生だったね、いまどういうのを習っているんだい」「たらい回しか」(産経新聞の4コマ)

「それでも医者か!救急搬送66歳男性死亡」(デイリースポーツ)

「それでも指定医療機関か 7カ所診療断られ妊婦死亡(社会)」(スポニチ)

「全国各地で救急搬送を拒否した病院は患者を捨てた。」(毎日新聞)

などと書いて、限界状況の医療現場をバッシングしているマスコミはスルー。

407 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:38:15 ID:s8EyfIPi0
最近の産科の訴訟では、
①マスコミが一方当事者の主張のみを載せて、反対当事者を社会的に抹殺。
②ネットで専門家が事故を検証して、事故の原因がシステムの不備で、医師
 個人の責任を追求することが妥当でないことが明らかになる。議論が建設
 的の方向に進む契機となる。
③その過程でマスコミの報道に、反対当事者の名誉を害する不適切な内容が
 含まれていることが明らかになる。これにより、一般ネット言論がヒート
 アップ。マスコミの報道が信用性を失い真偽不明の情報が一人歩きする。
というパターンが多いような。マスコミが両方当事者の言い分を併記した上で、
専門家の意見も載せて信用性を保つことが、まず重要な気がするのだが…

646 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:41:26 ID:rkFAAbWu0
おいおい、読売よ、医者はどんな迫害、中傷、嫌がらせに対しても
何も言わず、ただ奴隷のごとく黙々と働け、と言いたいのか。
 御免こうむる。ネットがあったから多くの善良で真面目な医師たちが
情報を交換し、心情を共有して毎日、誠心誠意、医療に従事できたんだ。
 記事の中に見られる例は、いずれも患者の医師に対する憎悪が増幅して、
復讐でもしてやろうという悪意に満ちていた例なのだ。
 医師会も分かったような事言うな。もっと、自己主張せよ。もっと、マスコミの
歪曲した医療報道の問題点を指摘したらどうだ。マスゴミはますます、増長するだけだ。

648 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:35:09 ID:WwNaP+PU0
「医学知識が豊富で何より純粋無垢でいささかの落ち度もなく、
 他者に寛容で自らを厳しく律する良心に満ち溢れた患者様」
っていうのがいたら、そうそう裁判沙汰にならないよね?

そしてかような「弱者を演じる患者様」とは言わないけれど、
彼らの主張に僅かでも疑問や否定的見解を示すことなく、彼らをアイコン的に
「弾避け」としてマスコミが一方的かつ過剰に不当に非難する姿勢を
医療者側は反発している。
 その歪な言論を振りかざす現状に対し、気づこうともしないし
気づいても「放置」して、それが患者との信頼関係を低下させる風潮となり
現場の医療者の負担と苦痛を増加させている。
一方的で思い込みに満ちた報道で医療崩壊の片棒を担いでいるかもしれない
という原罪意識と自覚がそもそもない、お気楽で無邪気な社会正義を
押し売りするマスコミにも煽られて裁判所に患者を掛け込ませている面も
少なからずあるだろう。

655 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 07:24:45 ID:dpYq5qru0
>>641
> 報道記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう

何を書かれても黙っておけと言うことですか

670 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:06:33 ID:eDyuf9/u0
読売さん
 取材に応じてのあの発言、シンポジュームでの講演を垣間見たけれども、あれは医師への中傷とはいえないというのですか?
 よ~く検証のほど。医師は中傷、バッシングをうけても良いじゃないかという理論はどういう思想から発しているのか全くわからない。

48 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:23:24 ID:hvVMEtZP0
微妙な記事だね。なんだかおかしい。

売文記者が記事を書けなくなってしまう。
書いたとたんに専門知識を持つ匿名記者が価値観をひっくり返してしまうので商売にならない。
売文記者が怖がって記事が書けない。商売にならない。医療記事の信頼がさがっていく。
そこで何とかしてほしいと日医に泣きついた。

そこで助け船という構図か。手打ち?
仲良くやりましょうや、匿名掲示板をやり玉に挙げれば何とかなるよ、ってか。
提灯記事も書きますから、医療不審を煽る記事も書かせてください、発行部数がおちてるもんで。
そんなところだろうね。

なんか、医師の日医への信頼を損なう記事だな。

50 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:29:52 ID:tS3nCCtn0
この読売の記事今読んでびっくりした

まるで医師はなんにも発言スンナと言っているようだ

マスゴミの正体だな   匿名記事だし

ちょうど「産科医療のこれから」さんで割り箸事件報道に関連する話題を取り上げていて興味深く拝見したのですが、「このジャーナリストは担当医やその親族、弁護人を一度も取材していません。捜査記録を見る前から思い込みと憶測で架空の事実をつくり、担当医を中傷したのです。」という一文にも見られるように、これはまさしくマスコミ業界にこそ突きつけられた大きな課題であると思うのですけれどもね。
今更とりたてて言わなくとも彼らの正体などとっくに割れているという話もありますけれども、しかし自称医療に強いを売りにしてきた天下の読売新聞にしてこういうブーメランな記事を出してくる、そして今まで一生懸命バッシングしてきた日医の権威(笑)を借りてまで言論の圧殺をせずにはいられないという、その背景事情というものにも想いを馳せるべきかという気がします。
例えば上杉隆氏と言えば以前にも海外報道各社が東京支局を閉鎖しているという一件で以前にも「記者クラブの閉鎖性が日本の情報発信力を低下させている」と警鐘を鳴らしていたことがありましたが、どうもマスコミ業界の暗部はそうしたレベルでは済みそうにないというのがこちら同氏の記事です。

【週刊上杉隆】 呆れた言論封殺に、姑息な見出し変更 日本の新聞に未来などない!(2010年03月04日ダイアモンドオンライン)

 3月1日、3回目の総務省ICTにおける国民の権利保障フォーラムが開催された。前2回のアジェンダセッティングを受けて、この日からヒアリングが開始された。

 この日、構成員でもある筆者は、ある組織の説明中、怒りの退席を行なった。抗議の意味を込めてである。理由は、言論の自由を話し合うはずのこの会合で言論封殺とも受け取れる指示があったからだ。

記者クラブ議論を封殺 これでも言論機関か?

 この日のフォーラムでは、原口一博大臣の発言の後、音好宏構成員、NHK、民放連(TBS、テレビ朝日、石川テレビ放送)、日本新聞協会の順にヒアリング説明が行われるはずだった。その後に出席者からの質疑応答が予定されていた。

 問題は、日本新聞協会の説明の冒頭に発生した。大久保好男新聞協会メディア開発委員会委員長(読売)の発言直前、突如、浜田純一座長がメモを読み上げたのだ。

「日本新聞協会からのメモを代読します。今回のヒアリングにおいて、個別の記者クラブ・記者会見について当新聞協会はコメントしない。記者クラブ・記者会見等についての質疑応答は一切受け付けない。このフォーラムで記者クラブ問題について議論するのは違和感を持たざるを得ない

 自らの意見を開陳しながら、他者の意見を予め封じこめる。言論機関に身を置きながら、そして報道の自由を謳いながら、なんという厚顔な振る舞いであろうか。

 筆者は、日本新聞協会のヒアリングが始まった瞬間、席を立ち、抗議の意味で退席した。
 (略)

 筆者は、過去2回のフォーラムにおいて、「記者クラブ」をアジェンダ設定の中に入れるよう、繰り返し主張した。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000056236.pdf

 その結果、今回のフォーラムの冒頭に配布されたアジェンダ文書には「記者クラブ」がきちんと盛り込まれたのだ。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000056226.pdf

 ところがこの日、既得権益にしがみつく「抵抗勢力」はそれをアジェンダから外すよう繰り返し発言したのだ。

孫正義氏ツイッターから広がった新聞協会批判の渦

 筆者に発言の機会が回ってきた。まず、座長の進行方式に対して疑義を呈した。その上で、「言論封殺」を行なった日本新聞協会の横暴に対して、抗議の退席を行なったことを明かした。

 もしかしてこのフォーラムは「国民の権利保障」を謳いながら、その実は「記者クラブの権利保障」を話し合おうとしているのではないか。

 怒りの収まらない筆者は、その夜、欠席していたオブザーバーの孫正義ソフトバンク社長にツイッター上で会議の様子を報告した。

〈記者クラブ問題。アジェンダから外してほしい、という意見が各構成員から続出。しかも日本新聞協会のヒアリングでは、記者クラブに関する質問の事前差し止め。言論の自由を話し合うフォーラムなのにいきなりの言論封殺、と本日欠席の孫正義さんに軽やかにチクってみる〉
(http://twitter.com/uesugitakashi 上杉ツイッター)

 仮にこれまでのこうした政府関連の会議であるならば、筆者の今回のような言動は、欠席した同志に伝えられることなく、すぐに抹消されたであろう。ところが、今回は違った。

 

ツイッターを代表とするメディアの登場によって、即時の連携が可能になり、さらに「抵抗勢力」の横暴を世に知らしめることもできるのだ。その強力なメディア、とくに15万以上のフォロワーを持つ孫氏のツイッターからの返信の影響は小さくなかった。

〈特定の記者以外に参加資格を与えない記者クラブの人々に「言論の自由」を語る資格無し。カルテルは、法律違反〉
(http://twitter.com/masason 孫ツイッター)

 筆者のツイッターのTL(タイムライン)に日本新聞協会の言論封殺を批判する言葉が連なった。だが、現実政治はそれほど甘くない。記者クラブ側の陽に暗に繰り返される抵抗は続いた。

〈総務省に指示をして調査をしている記者クラブの開放状況。そろそろ調査結果が出てくると思います。枝野さんが内閣に入ってくれたので、様々な改革を実現する道筋を立てやすくなりました〉
(http://twitter.com/kharaguchi 原口ツイッター)

原口大臣憎しとばかり批判に躍起の読売だが

 騒動後、記者クラブ改革の旗手とも言える原口大臣は、直接的な表現を避けながら、このようなツイートを行った。そのためだろうか、翌日、原口大臣は露骨な嫌がらせを受けはじめる。それも実はツイッターを使いこなすジャーナリストの林信行氏が教えてくれたものだった。

〈読売新聞の原口大臣記事 「原口総務相釈明…ツイッターで津波情報流してた」 http://bit.ly/cy5YLO 何を釈明する必要があるのかわからない〉(林@ツイッター)

 チリ大地震の発生を受けて原口大臣は日本への津波対策にあたった。所轄大臣としては当然である。その際、原口大臣は、津波情報を自身のツイッターを通じて、早朝から深夜まで不眠不休で流し続けたのだ。

 詳細な避難状況や政府の対応を逐一伝えた行為は褒められこそすれ、決して批判されるべきではない。だが、記者クラブメディアにしてみれば、原口大臣はいまや最大の「敵」である。どうにかして足を引っ張ろうという強い意志が見出しに現れたのだろう。

〈原口総務相釈明 ツイッターで津波情報流してた

 原口総務相は2日午前の閣議後記者会見で、チリで起きた巨大地震に伴う津波の関連情報を自らのツイッター(簡易投稿サイト)に書き込んだことについて、「正確な情報を国民に伝えることを優先した」と述べ、理解を求めた。

 そのうえで、NHKなど災害情報を発信する放送機関について、「もっと適宜適切に、公共放送も含めて横並びでない細かな情報が流れるように、双方向のシステムがあればいい」と指摘した。放送行政と総務省消防庁を所管する総務相が、災害放送が義務づけられる放送機関より、ツイッターの利用を優先させる考えを示したことは、今後、論議を呼ぶ可能性がある。

 総務相は、地震発生後から、政府の対応策について平野官房長官らと行った協議など、計70件以上の情報を書き込んでいた。〉
(2010年3月2日11時00分  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100302-OYT1T00431.htm

 だが、ネット上の批判を受けたためだろうか、読売新聞はすぐに自らの姿勢を改めた。といっても、その見出しを「釈明」から「弁明」に変えただだけである。その対応には、もはや姑息を通り越して呆れてしまう

 これは読売新聞の常套手段なのだろうか。言論機関でありながら、堂々と言論で勝負することを避ける。事前の質問封じ、見出しの姑息な変更――。そこには自由な言論を作ろうという意思も、読者のために事実を伝えようという姿勢も、微塵も感じられない。自らのつまらない既得権を死守しようとする必死さのみが伝わるだけだ。
(略)

この記事、非常に示唆的な興味深いネタが満載と言う記事で、例えば以前から当ぐり研でも取り上げてきたように原口大臣と言えばかねてテレビ業界とツーカーだとか言われてきた方ですけれども、その親会社の一つである読売さんと喧嘩になっているというのはなかなか面白い状況ではありますよね。
記者クラブ制度についても以前から何度か取り上げてきましたけれども、政府から情報統制を受けやすいという言論機関にとって致命的欠陥を抱えたこの制度を彼らがこうまで支持するのは、単に楽をしたいからというわけではなく、むしろ積極的に記者クラブ制度を自らの情報統制あるいは情報の独占のために用いているからだということも理解出来るかと思います。
そして冒頭の記事やそれに対するレスポンスなどと比べてみていただければお分かりかと思いますけれども、今まで情報を独占してきた読売新聞を始めとする新聞業界がネットと言うものを非常に敵視している(と同時に恐れている?)、その背景には既得権益維持もさることながら、おそらくネットから監視されると今までのように自由に嘘がつけなくなってしまうからという背景事情もありそうだという気がしてきます。

このあたり、他人を批評(というより、一方的な批判、あるいはバッシングですかね)するのは得意ながら、自分がその立場に置かれることは極端に嫌う既存マスメディアの体質というものをかねて佐々木俊尚氏らが指摘しているところですけれども、何故そうなのかという根本的な理由の一つに彼らが他者の批判に耐えるほどの内容で記事を書ききれていないという事情があるかと思いますね。
医療の世界でもそうですけれども、今の時代何であれ高度な専門分化が進んで同業と言えども一歩専門から外れるとまともなコメント一つ出すことが難しくなってきた(福島・大野病院事件などその典型ですよね)、そんな中でせいぜいが自称専門家(笑)などという怪しげな連中のコメントに依存した飛ばし記事を書いていれば、それは本物の専門家から批判されて当然ですよ。
ましてやろくに知識もないばかりか下調べすら満足にしていない記者氏が功名心からか義憤からか的はずれな記事を書き散らし、嘘やデタラメを好き放題広めても何らペナルティーもない特権的地位を要求するというのであれば、社会に対してもそれ相応の説得力というものが必要だと思いますよ。

恐らく新聞を始め既存のマスコミにとって痛し痒しなのが、ソース至上主義などと言われるようにネット上ではまずきちんとした根拠と検証が要求される時代になっている、そしてそうしたネットから叩かれている自分たちは近年営業的にさっぱりよろしくないわけですが、近い将来彼らの主要顧客として期待される若年層こそまさに彼らを叩いているネット世代と重複しているという現実があるわけですよね。
そうなると彼らがあの手この手でこうまで徹底的な情報弾圧を図ってきているというあたりに、彼ら自身の追い込まれた状況が見え隠れするようにも思えますけれども、なりふり構わぬその姿勢のどこに彼ら自身の年来の言論との整合性があるのかと考えた場合に、その欺瞞もそろそろ限界に近づいてきたのではないかという気がしてきます。

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コメント

マスコミの置かれた立場への考察がとても参考になりました。ありがとうございます。私のほうは、認知心理学をベースにして、今回の読売の記事を分析させていただきました。トラバックを打たせていただきましたので、よろしければご訪問ください。

投稿: なんちゃって救急医 | 2010年3月 8日 (月) 19時44分

日医の報告書の問題点はいくつかあると思いますが・・
まず。
>報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。
上記のことから厚生労働省+医道審議会にかけられる可能性があります。 
この場合、医療系ブロクが厚生労働省の監視対象になる可能性があります。
これは
憲法第21条
1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
とありますが
医師の職業倫理指針=厚生労働省医療系プロク検閲指針になる可能性があります。
これは明確に憲法違反です。

投稿: 京都の小児科医 | 2010年3月 9日 (火) 05時36分

上記及び本件は他の場所にも書いたので二重投稿で申し訳ありませんが・・・
日医の報告書の質の問題があります。
報告書の中に15ページ
「1997 年米国医師会雑誌「JAMA」は、患者がインターネットで医療
情報を利用する際に、その情報が信頼に足るものであるかどうかを判断する指
標を提言している。すなわち、Authorship(著者、寄稿者、所属等)、Source(引
用文献等の情報源、著作権情報)、Disclosure(サイト所有者、出資者、広告指針、
利益相反)、Currency(最終更新日)の4 点を挙げ、これを目安にサイトの信頼性
を測定することが可能であるとしている。」
との記載がありますが
この報告書は
1.Authorship(著者、寄稿者、所属等)
これは明記してあるように思いました。
2.Source(引用文献等の情報源、著作権情報)
このJAMAの論文自身の明確な出典の記載がなく、文中にはありますが一部でしか
なく恣意的な引用と思われます。
3.Disclosure(サイト所有者、出資者、広告指針、利益相反)
この中には医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などとの利益相反の記載は
ないように思います。
4.Currency(最終更新日)
「平成20 年8 月28 日開催の第1 回懇談会において、貴職から受けました諮問事項「高度情報化社会における生命倫理」について、2 年間
に亘り本会議6 回、作業部会3 回を開催し、鋭意検討を重ねてまいりました。
ここにその結果を取り纏めましたので、ご報告申し上げます。」
との記載はありますが議論の過程が見えません。 これは報告書なのでいいのかも知れませんがこれはあくまで2010年2月の「高度情報化社会における生命倫理」
についての報告」であってこれをまた議論してゆく必要はあると思います。

投稿: 京都の小児科医 | 2010年3月 9日 (火) 05時56分

ロハス・メディカル・ブログさんも日医報告書の件を取り上げていますね。

医者にプライバシーはないのか?
http://lohasmedical.jp/blog/2010/03/post_2277.php

こんなもの出してきて日医さん大丈夫なのかという気はするところです。

投稿: 管理人nobu | 2010年3月 9日 (火) 08時19分

この読売の記事は論評に全く値しない記事ですが、この記事の政治的背景をさぐることがより重要でしょう。一つ考えられるのはこれがひとつの煽りであって、さらなる跳ね上がった書き込みを誘うものかもしれれないということです。警察検察権力と結びついている場合により注意が必要です。構造は小沢一郎叩きとほぼ同じ構造といえます。

幸いなことに2chなどでは、裁判で原告請求が棄却されたので、腹いせと捉える向きが多かったです。日医にいったてはもほやこの程度というところでしょう。これが日医の「政治力」の実態です。下手をすれば積極的に取引すらしかねない。みなの邪魔をするならば誰でもそろそろ「お葬式」に出したほうがいいという気になります。

もうひとついうと、対米路線の変更を狙う小沢や鳩山から特に読売は狙いをつけられている。これは読売を中心とするマスコミが検察と共謀してアホなキャンペーンをしたことが原因だが、クロスオーナーシップの禁止はこのためのツールで、権力闘争のためでしょう。

投稿: ya98 | 2010年3月 9日 (火) 19時58分

行政に勧告、資料提出命令 薬害監視の第三者組織 権限合意、厚労省設置へ
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226492254994
というのがありますが、
読売新聞の
>報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。
から 厚生労働省が直接監視すると検閲(憲法違反)になりますので、将来第三者組織として、医療系ブロク監視組織(仮称医師職業倫理監視機構)ができる可能性もあるのでは、で違反者は医道審議会にかけるようになるとも推測します。 そのための布石ではないでしょうか

投稿: 京都の小児科医 | 2010年3月10日 (水) 05時32分

実際に日医と厚労省で裏約束でもあるというのであれば大ネタなんですけどね
ただ過去の経緯から考えると、厚労省は医療に関しては憲法や法規も多少違反しようが問題ないと思っていそうな気配も感じますが…
医道審の見直しはいずれにしても必要だと思いますが、一頃話題になったCMといい、日医というところは医者に対してムチを振るうことしか能がないのかという気もしてきます(笑)

投稿: 管理人nobu | 2010年3月10日 (水) 09時49分

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» マスコミと医療破壊ブロガーによる誹謗中傷はスルー? [医療はこのまま崩壊していくのか]
[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100306-00000532-yom-soci] {{{ ■ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷 (読売新聞 - 03月06日 18:16) 医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。  状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学..... [続きを読む]

受信: 2010年3月 8日 (月) 13時05分

» 市民の誹謗中傷はきれいな誹謗中傷? [医療はこのまま崩壊していくのか]
■彦根の方々のご意見 「彦根市立病院での安心なお産を願う会」 掲示板|勤務医 開業つれづれ日記 [http://ameblo.jp/med/entry-10024618113.html] {{{: 「一彦根市民ですが、彦根市民病院での安心なお産を願う会が、医者におもねり全国で多発している殺人にも等しい医療ミスを促進するのではないかと危惧しています。彦根市民は日本の医者のほとんどを占めている金儲け主義のヤブはいらないのだという当初の設立の気持ちを失わないでいてほしいです。」 }}} ..... [続きを読む]

受信: 2010年3月 8日 (月) 13時05分

» <番外エントリー>大淀病院判決報道に思うこと(追記あり) [日々是よろずER診療]
(3月6日 追記しました。読売新聞報道に対する抗議の意です)(3月7日 追記しました。報道姿勢の問題点を心理的な見地から具体化してみました)皆様、大変ご無沙汰しております。当ブログの継続執筆を中断して随分と時間が経ちました。当ブログをこれから再開させるという気持ちは特にはないのですが、大淀病院の判決が出た今だからこそ、番外エントリーとして、私見をネット上に公開してみたいと思います。そもそも、私が一現場の医師としての意見を広く知ってほしいと思い、ブログ執筆へ向かうようになったきっかけの一つが、2006... [続きを読む]

受信: 2010年3月 8日 (月) 19時34分

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