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2010年3月23日 (火)

マンパワーが足りなければどうするか

最近では医療行政のネタも官僚側からの広報ばかりでなく政治家の言動にも注目しておかなければならない時代ですけれども、衆院選以来医療行政に関しても色々と過激な発言のあった仙谷国家戦略相が今度はこんなことを言っているようですね。

外国人医師、日本の免許なくても診療可能に 仙谷戦略相検討 (2010年3月21日日経新聞)

 仙谷由人国家戦略相は21日、日本の医師免許を持っていなくても、一定の技術がある外国人医師に日本国内での診療を認める制度改正に乗り出すと表明した。医療機関などを視察した後、神戸市内で記者団に語った。まずは特定の地域や医療機関で外国人医師の診察を監督できる体制が整っている場合に認める案を軸に、6月に政府がまとめる成長戦略に盛り込みたい考えだ。

 仙谷氏は記者団に「外国人医師は日本で試験を受けないといけない。世界レベルの医者に失礼だ。そういうことを取っ払うことを仕掛けないといけない」と強調した。

 今後、検討する場としては、規制改革を扱う行政刷新会議を候補にあげ、枝野幸男担当相に伝える考えを示した。

 同時に、医療行政を所管する厚生労働省の医政局に言及して「医政局の専門家と称する人たちには先端的なことはできない」などと指摘。そのうえで「存在が邪魔になるなら、解体しなければならない」と強調した。

 視察先の医療関係者から、厚労省医政局に権限が集中しすぎているとの意見があったことを踏まえて「物事を進めると責任問題が出てくるから、何もしようとしない」と非難した。
(略)

医政局云々の話は今回パスするとしても、この発言だけから仙谷大臣の真意がどこにあるのか不明ですけれども、「世界レベルの」云々という発言から例えば海外の有名医師を招いて公開手術をしてもらおうとしても、医師免許の壁があって出来ないといったレベルの話というのであれば、これは事前申請による許可制といった小さな対応で十分だろうと思うところですし、どうも気宇壮大な話の流れからするとそういうことではないようですね。
一方でこれが全国的な医師不足なのに外国人の医師が日本でそのまま働けないのは馬鹿馬鹿しい、看護師も外国から呼び寄せるような時代なのだから医師もどんどん呼んだらいいという考えでの発言であるのだとすれば、これは以前にも取り上げました臨床修練制度を拡大するような感じの話ということになってくるのでしょうか。
こういうタイミングで話が出てくるということからしてもどうしたって後者の意図での発言だと思えるわけですが、当然ながら?ネット上では「日本の医者の待遇で世界的なレベルの医者なんて来る訳ない」という見解が一般的なようです。

11 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/23(火) 02:28:43 ID:b7A8I0XV0

お陰様で日本で医者になれないボンクラも
http://www.hungarymedical.org/
ここらに留学すれば
日本でお医者さんできるようになるってこった
めでたしめでたし
医学部増員もいらんね

201 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2010/03/22(月) 00:53:28 ID:+KHwKxUY0

多分海外の優秀な医者が来るイメージなんだろうな。
そんな優秀なやつはアメリカでも高給取りだから、来るわけないのに。

優秀な海外のドクターは今と変わらず、破格のギャラとか払って期間限定で来ていただくだけ。

日本の劣悪な環境目指して来る連中なんて、どんなもんだか。看護師だってにげてるじゃねーか。

202 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/03/22(月) 01:15:16 ID:iWHAfcoH0

>>201
東南アジア圏の看護師すら逃げ出す日本の医療現場w
給料だけでは釣られないクマー状態w

ましてや先端医療を志す優秀な外国人医師がどうやって日本の医療情勢に来るんだよ・・・。

来るのはマジでクソカスどもだけだろw

世界的なレベルのドクターを招いていたところ「そんなことに無駄金を使うな!さっさとやめろ!」とストップをかけられた挙句病院自体があっさり破綻してしまった舞鶴市民病院の事例を思い出すまでもなく、さすがに日本と世界での医師に対する待遇格差というものを知っている人間であれば、誰しも「いったいどんなレベルの医者が来るというのか?」と不安を感じざるを得ない話だとは思いますね。
ちなみに今現在大学などに来ている外国人医師というと最も多いのはやはり日本から最も近い中国、韓国といった国々からだと思いますが、これらの国々での悩ましい医療事情に関しては以前にも少し取り上げたことがありましたけれども、医師としての力量自体は日本人医師のそれに劣るものではないという印象を個人的には抱いています。
問題は現状で日本に来ているこれら諸国の医師たちも先端技術習得などの目的があるから来ているわけで、日本で一臨床医として働くということ自体に魅力を感じているというわけではありませんから、それでは日本で一介の臨床家として食っていく覚悟でやってくる人たちというのはどんな人達になるのか、話を進める前にまずはそのあたりを想像してみるということも必要なんだろうとは思いますね。

仙谷大臣の思いつき発言?の妥当性、実現性はともかくとして、最近医療業界の人材不足ということと関連してか、今までの業務分担を見直そうという動きが増えてきているようで、先日も救命救急士に点滴やブドウ糖投与をさせてもいいんじゃないかなんて話が出てきていましたし、以前に取り上げた特定看護師制度なんてものもその流れで理解できる話ですよね。
仙谷プラン自体も「日本人でなくても良い医療行為は外国人医師へ」とも捉えられる部分がありますが、医師の文書作成業務負担を軽減させるために医療事務員に書かせせようとか、看護師のみならず介護職員に吸痰をさせてもいいんじゃないかとか、専門職でなくても出来ることは非専門職にさせましょうという方向性は基本的に妥当な考え方だと思います。
しかしどんなものでもメリットもあればデメリットもあるのは当然で、例えば特定看護師制度では早速来年度にも試行を始めるということで話がまとまったようで、カリキュラム修了した実務経験者を新設される第三者機関で評価・認定するなんてことを言っていますけれども、これも「現場では誰もそんなものを臨んでいないのに、また厚労省の新たな天下り先利権確保のための話じゃないか」なんて声は以前からあるところです。

天下り云々はともかくとしても、どのような行為であれその結果に対して一定の責任が伴う以上「何かあった時に誰が責任を負うのか?」という点が曖昧なままになってしまうと、「未熟な素人仕事の尻拭いまでやらされるなんて馬鹿馬鹿しい。それなら自分でやった方がいい」なんて本来の主旨と反する考え方が出てきてしまう可能性があるわけですが、そのあたりは未だ明確な答えが出ていませんよね。
逆に言えば専門性の高い業務を「下請け」する側の人達にとっても行為に対する責任のみならず、今までにない判断の責任ということが問われる局面が多々出てくるわけですから、当然ながら言われた通りをやっていた時代の感覚のままでは訴訟リスクも増すばかりでしょうし、そこで尻込みして「そんな責任を負わされるのは困る。何でも相談して指示通りにしなければ」なんてことになれば本末転倒という話です。
最近では救急隊が緊急性なしと判断したところ後で実は緊急性があった症例だったと判った、なんて話が時折報道されますけれども、救急搬送トリアージを導入した東京都の解析などでも見られるように、トータルで見ればトリアージをやった方が救急搬送態勢は改善してきているなんて話を見ても、やはり個々の事例ではなく全体としてどうやったら一番皆の利益につながるのかという視点が必要だと思いますね。

そしてまた当然ながら、全体の利益のために不利益を被ることになるだろう一部の方々のために何らかの救済システムを用意しておくことは、新たな制度を動かす側として真っ先に考えておかなければならないことですし、それがないようでは現場の人間が安心して働けず制度改革の実も上がらないだろうとも覚悟しなければならないでしょう。

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コメント

政治家はそれまでの言動から、立場がプロファイルできます。仙谷由人国家戦略相は小沢一郎と距離を置き、最近のダボス会議にも出席していることから、小沢鳩山が検察やマスコミに倒されたときは総理にもっとも近い人物ではないかと思います。(ネットでダボス会議と仙谷由人と調べてみるとすぐに出てきます。逆に小沢が権力を残した場合はおそらく菅でしょう。)こうしたことを念頭に置いて、この発言を考える必要があります。国際金融資本とのつきあい方が、小泉竹中らと同じかはまだわからないですが、グローバル化、国内だけの規制をはずす方向に推し進める方向に持って行くことが予想されるわけです。だとすると皆保険制度を守るように見せて逆方向に狙いがあるはずです。この人はまた民主党の中では医療に詳しく、厚労相をやれるのはこの人かと言われたのですが、長妻が年金だけ大臣になりどうも官僚に取込まれた感があるので変化球を投げたのかもしれません。

国内的には小沢周辺に日医の金が流れないようにするための嫌がらせともとれます。まあ次の一手を見ないと何ともいえないですが。

投稿: ya98 | 2010年3月23日 (火) 23時31分

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