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2010年2月17日 (水)

国民皆保険は破綻寸前 そろそろパイの奪い合いが激化?

先日は診療報酬改訂の話題と絡めて、総額が横ばいで一部領域に手厚く報いることにしましたと言うのであれば、むしろ減らされた領域に注目していくべきだろうといったことを書きました。
中医協の議論の経過などを見ましても、支払側も今や支払額圧縮に必死という状況が伝わってきますけれども、医療機関が厳しいのと同じように彼らにもそれなりの事情があるのだというのがこちらのニュースです。

国保「崩壊寸前」税率引き上げへ 中央市が医療費増大に対応(2010年02月14日山梨日日新聞)

 中央市は13日までに、来年度から国民健康保険(国保)の税率を引き上げる方針を固めた。税率は2007年に合併前の旧3町村で統一して以降、据え置いてきた。しかし本年度の急激な医療費増大の影響で基金が激減し、国保会計は「崩壊寸前の状態」(田中久雄市長)という。市は市議会3月定例会に条例改正案を提出する。
 市保険課によると、医療分は所得割を4・2%から5・2%、均等割を2万円から2万3千円、平等割を2万4千円から2万5千円にそれぞれ引き上げる方向。40~64歳が対象の介護分は所得割を0・94%から1・5%、均等割を7400円から9千円、平等割を3千円から7千円にそれぞれアップする予定。それぞれの資産割と、後期高齢者の税率は引き上げない。
 国保の保険給付費は、06年度は15億6667万7千円、07年度は15億3745万8千円、08年度は16億47万4千円とほぼ一定だったが、09年度は増大。当初予算では15億2106万1千円を見込んでいたが、一般会計からの繰入金6915万8千円や市債1億3千万円の発行など12月定例会で3億2148万7千円を増額補正して対応している。
 引き上げの方針は国保運営協議会で協議してきた。市は広報などで医療費が増えている現状の周知に努めていて、同課は「市民に理解を求めていきたい」としている。

結局「みんな貧乏が悪いんや!」って話かとも思うところですが、一方でこういう話を聞くと医療も混合診療導入なりで「市民に理解を求め」ながら各医療機関で自由に価格設定させてみるのも面白いんじゃないかという気もするのですが(苦笑)。
いずれにしても国民皆保険制度下で育った日本の医者は基本的に良くも悪くも金勘定に大雑把と言いますか、公私共にあらゆる面でコスト意識が希薄な人間が多いのは否めませんが、そんなことではいけませんというのが今の時代の趨勢であるわけで、要するに「医者はもっと金勘定に長けた人間たれ」というのが社会的要請であるわけです。
その要請にどう応えていくかは医療に課せられた大きな課題だとしても、今後も支払側は「もうこれ以上の金は出せません」とますます支出増に厳しくなってくる、それを受けてか手近なターゲットとしてこのところ急に国をあげて開業医儲けすぎ!とバッシングの動きが盛んになってくる中で、主に開業医を中心とした団体である保団連が先ごろこんな調査結果を発表しています。

柔道整復師施術療養費に関するアンケート調査結果(2010年1月29日全国保険医団体連合会 )

平成21年11月11日に開催された政府の行政刷新会議による事業仕分け作業において指摘されたように、医療保険から支払われる柔道整復師による療養費は年々増加し、平成19年度には約3,377億円に達しています。これは、診療所入院外医療費でみると、産婦人科の1,932億円、小児科の3,334億円を上回る額です(別紙1 図1)。
当会は、平成21年12月にインターネットを用いた柔道整復師療養費に関するアンケート調査を実施し、整形外科医229名、一般市民200名から回答を得ました。
厚生労働省の抜き取り調査によれば、柔道整復師の請求の99.2%が捻挫、打撲であり、しかも3部位以上が50.5%を占めていますが、これは余りにも実態と乖離しています。
整形外科医を対象としたアンケートによると、外来レセプトに占める捻挫、打撲の割合は、「3%未満」が35.8%と最も多く、加重平均で6.1%でした。
また、長崎県保険医協会が平成21年11月に整形外科医会員151人を対象にしたFAXによるアンケート調査では、55名から回答があり、1ヶ月のレセプト総件数は43,240件で、このうち、捻挫、打撲の割合は2,098件(4.9%)でした。
平成19年度の捻挫、打撲の請求件数は整形外科が360万件に対し、柔道整復師は3,690万件と推計されます。その差3,330万件は金額に換算して年間約3,100億円となります(別紙1 図2)。
一般市民を対象としたアンケートで、本来、柔道整復師には保険請求が認めらない、慢性の肩こり、腰痛などで整骨院または接骨院を受診したという回答が45.3%でした(別紙2)。
さらに、捻挫、打撲全体に占める3部位の割合については、整形外科医の92.6%が「3%未満」との回答しており、加重平均でも2.4%に過ぎません。
日本臨床整形外科学会(JCOA)が平成21年に実施した全国一斉調査でも、平均外傷部位数は1.22部位と報告されています。
今回のアンケートで、3部位以上で柔道整復師を受診したと推計される1,860万件は、整形外科を受診した9万件の約200倍に相当します。このような事は起こり得ず、柔道整復師の請求の50.5%が3部位以上であることは明らかに不自然であります。
柔道整復師の請求の50.5%を占める3部位以上、金額に換算すると年間約1,700億円となります(別紙1 図2)。
加えて深刻なのが、整形外科医の93.4%が柔道整復に起因する、あるいは悪化した症例を経験したことが「ある」と回答している点であります。長崎県保険医協会のアンケート調査結果でも、同じ設問に65.5%が「ある」と回答し、骨折の見落とし、整復によると思われる骨挫傷、肩関節脱臼の患者に「五十肩」と診断し、関節可動域訓練を強制し骨髄損傷を来した症例、化膿性脊椎炎が悪化した症例、亀裂骨折を伴っていたが温めた結果、血腫が増大した症例等の具体例が寄せられています。これは国民の健康にかかわる重大な問題であると考えられます。

柔道整復師問題に関しては先日も民主党政権下でついにこの領域に斬り込むか?!なんて話を書いたところですけれども、あの時の話では国や健保連など医療保険の支払側の視点で「幾ら何でも柔整の療養費支払いがいい加減過ぎるだろう」という話が持ち上がっているという話題でした。
これに対して今回の話題はどうかといえば、言ってみれば同じ医療保険からの支払い配分を巡って競合関係にある医師団体からの告発と言える話ですから、これは今までになかったパターンだなと注目されるところですよね。
柔整自体の問題は今更な話題なんですが、この問題に対する医療側の動きとして見るとこれは非常に面白い話で、言ってみれば産科医が助産師を「国民の健康に関わる重大な問題」だと告発するくらいの話題性はあるかと思うんですが、何やら個人レベルではすでにこんなことまでやっている方もいらっしゃるとかいらっしゃらないとか。

919 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2010/02/14(日) 23:24:35 ID:PpFx+oC/0
獣性が不正請求している証拠?いくらでもありますが、何か?
自分の職員又は親しい患者を獣性に受診させ保険診療した明細書の領収書を貰う。
そしてそれを回収してプラス受診させた患者の捻挫をしていない診断書を付けて地方厚生局へ郵送。
獣性は言い逃れできず廃院又は一時診療中止。
この方法で既に3軒廃院2軒診療停止に追い込みましたが、何か?
もし不正請求していない自信がある獣性あるいは不正請求しても問題ないと強弁する獣性ありましたら
その都道府県と市町村教えてくれませんかねww。
直ちにウチの職員か患者受診させますから。そんな度胸ないでしょww。
びくびくしながら不正請求しているくせに大口たたくなよ。

まあネットの書き込みの信ぴょう性もどうかという話ですけれども、ここで注目すべきは今まで医療業界では「うちの診療報酬をもっと上げろ!」といった類の主張こそあれ、「どこそこの診療報酬多すぎだろ!」といった他に対する削減の要求といったものはあまりなかったということです。
例えば先日の中医協では開業医の再診料切り下げが話題になりましたけれども、開業医側の代弁者である京都府医師会の安達委員や茨城県医師会の鈴木委員が抗議の退席をした、これに対して言ってみれば競合的な立場にあるはずの山形大学の嘉山委員が「我々(診療側)皆同じ意見」と賛同したという一幕がありました。
確かに個々の程度の差こそあれ、どこであれ医療業界内で不当に潤っているような分野はないという共通認識がその前提にあるのだと思いますけれども、同じ診療報酬を奪い合う立場にあるとは言え柔整は業界外であるという認識がこういう行動に出させているということなのでしょうか。

いずれにしても柔整問題については以前からずっと言われながら放置されてきたところでもあり、とりわけ医療側がこれだけ厳しい状況に置かれている中で、柔整は相変わらず好き放題やっているというのもどうなのよと感じるのは素朴な感情の発露というものなのでしょうが、問題は支払側ではなく同じ診療側の立場からこうした告発が出てきたことの意味で、そこまで医療も貧しているのかということですよね。
この調子でいくと例えば次は美容整形の分野で混合診療が行われている!ケシカラン!なんて突っ込みどころは幾らでも出てきそうには思うのですけれども、考えてみれば医療業界というところは今まで専門性を盾に外部からの突っ込みを免れてきた部分が多々ありましたから、こういう「内ゲバ」は業界自体の既得権益を切り崩したい外部から見れば非常にウェルカムな状況であるとも言えそうです。
まあ酒の勢いも借りて「あの内科の藪医者が!ろくに治せもせんくせに!」だの「外科は何でも切るしか能がない馬鹿!」なんて愚痴っているうちはまだ可愛げがあるというものですけれども、医療業界内で相互監視しつつ互いに重箱の隅をつつき合うなんて未来絵図は、正直願い下げだという気がするところなんですけれどもね。

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